JP2006253327A - 照明光学装置、露光装置、マイクロデバイスの製造方法、および露光装置の調整方法 - Google Patents
照明光学装置、露光装置、マイクロデバイスの製造方法、および露光装置の調整方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 投影光学系の物体面を照明する照明光学装置において、比較的簡素な構成に基づいて投影光学系の波面収差を高精度に調整する。
【解決手段】 光源(51)からの光に基づいて投影光学系(PL)の物体面(M)を照明する照明光学装置において、光源からの光を物体面へ導く照明光学系(52〜62)と、光源と物体面との間の光路中において投影光学系の波面収差を調整するための調整手段(63〜65)とを備えている。調整手段は、投影光学系の波面収差を補正するために投影光学系に入射する光の波面を変化させる。
【選択図】 図2
【解決手段】 光源(51)からの光に基づいて投影光学系(PL)の物体面(M)を照明する照明光学装置において、光源からの光を物体面へ導く照明光学系(52〜62)と、光源と物体面との間の光路中において投影光学系の波面収差を調整するための調整手段(63〜65)とを備えている。調整手段は、投影光学系の波面収差を補正するために投影光学系に入射する光の波面を変化させる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、照明光学装置、露光装置、マイクロデバイスの製造方法、および露光装置の調整方法に関する。本発明は、特に半導体集積回路、液晶表示素子等のデバイスを製造するためのリソグラフィ工程で使用される投影露光装置に関するものである。
従来、半導体素子や液晶表示素子等のデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に、表面にフォトレジスト等の感光剤が塗布されたウェハまたはガラスプレート等の感光性基板上に、投影光学系を介してマスク(レチクル)のパターンを転写する露光装置が知られている。露光装置では、異なる回路パターンを基板上に幾層にも積み重ねて形成する必要があるため、回路パターンが描画されたマスクと、基板上の各ショット領域に既に形成されたパターンとを正確に重ね合わせることが重要である。
パターンの重ね合せを精度良く行うには投影光学系の結像特性を所望の状態に調整することが必要であり、投影光学系の結像特性を調整するには結像特性を正確に計測(検出)することが必要である。従来、投影光学系の結像特性の計測方法として、所定の計測用パターンが形成された計測用マスクを用いてテスト露光を行い、計測用パターンの投影像が転写形成された基板を現像して得られる転写像(例えばレジスト像)の計測結果に基づいて、たとえばザイデルの5収差(ディストーショシ(歪曲収差)、球面収差、非点収差、像面湾曲、コマ収差)を算出する方法すなわち焼付け法が用いられていた。
また、実際にテスト露光を行うことなく、計測用マスクに照明光を照射し、投影光学系によって形成された計測用パターンの空間像(投影像)を計測し、この空間像の計測結果に基づいてザイデルの5収差を算出する方法すなわち空間像計測法も用いられていた。しかしながら、上述の焼付け法または空間像計測法では、上記5収差のすべての収差成分を求めるために、各収差の計測に適した計測用パターンをそれぞれ用いて計測を繰り返す必要がある。更に、計測される収差の種類及び大小によっては、計測の順番を考慮しなければ正確な収差計測が困難であり、ひいては投影光学系を精度良く調整することが困難である。
そこで、本出願人は、ウェハステージ上に設けられた波面収差計測装置を用いて投影光学系の波面収差を計測し、計測結果に基づいて投影光学系中のレンズの位置または姿勢を調整することにより投影光学系の波面収差を補正(調整)する手法を提案している(たとえば特許文献1を参照)。
従来の焼付け法または空間像計測法とは異なり、特許文献1に開示された波面収差計測装置を用いることにより、投影光学系の波面収差を高精度に計測することが可能になる。しかしながら、投影光学系中のレンズの位置または姿勢を調整する従来の手法では、投影光学系の波面収差のうちの低次収差成分しか補正することができないという不都合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、投影光学系の物体面を照明する照明光学装置において、比較的簡素な構成に基づいて投影光学系の波面収差を高精度に調整することを目的とする。また、本発明は、投影光学系の波面収差を高精度に調整することのできる照明光学装置を用いて、微細なパターンを感光性基板上に忠実に且つ高精度に投影露光することを提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、光源からの光に基づいて投影光学系の物体面を照明する照明光学装置において、
前記光源からの光を前記物体面へ導く照明光学系と、
前記光源と前記物体面との間の光路中において、前記投影光学系の波面収差を調整するための調整手段とを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
前記光源からの光を前記物体面へ導く照明光学系と、
前記光源と前記物体面との間の光路中において、前記投影光学系の波面収差を調整するための調整手段とを備えていることを特徴とする照明光学装置を提供する。
本発明の第2形態では、第1形態の照明光学装置と前記投影光学系とを備え、前記照明光学装置を介して前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を介してその像面に設定される感光性基板上に前記パターンを投影露光することを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第3形態では、第2形態の露光装置を用いてマイクロデバイスを製造する方法において、
前記照明光学装置を用いて前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を用いて前記投影光学系の像面に設定される前記感光性基板上に前記パターンを投影露光する工程を含むマイクロデバイスの製造方法を提供する。
前記照明光学装置を用いて前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を用いて前記投影光学系の像面に設定される前記感光性基板上に前記パターンを投影露光する工程を含むマイクロデバイスの製造方法を提供する。
本発明の第4形態では、所定のパターンを感光性基板に投影する投影光学系の波面収差を測定する第1収差測定工程と、
前記第1収差測定工程で得られた測定情報に基づいて前記投影光学系の波面収差を補正するために、前記投影光学系に設けられた少なくとも1つの光学部材における位置および姿勢のうちの少なくとも1つを調整する第1調整工程と、
前記第1調整工程を経た前記投影光学系の波面収差を測定する第2収差測定工程と、
前記第2収差測定工程で得られた測定情報に基づいて、前記波面収差の影響を補償するために、前記所定のパターンを照明する照明光の波面を調整する第2調整工程とを含むことを特徴とする露光装置の調整方法を提供する。
前記第1収差測定工程で得られた測定情報に基づいて前記投影光学系の波面収差を補正するために、前記投影光学系に設けられた少なくとも1つの光学部材における位置および姿勢のうちの少なくとも1つを調整する第1調整工程と、
前記第1調整工程を経た前記投影光学系の波面収差を測定する第2収差測定工程と、
前記第2収差測定工程で得られた測定情報に基づいて、前記波面収差の影響を補償するために、前記所定のパターンを照明する照明光の波面を調整する第2調整工程とを含むことを特徴とする露光装置の調整方法を提供する。
本発明の第5形態では、所定のパターンを感光性基板に投影する投影光学系の波面収差を測定する収差測定工程と、
前記収差測定工程で得られた測定情報に基づいて、前記波面収差の影響を補償するために、前記所定のパターンを照明する照明光の波面を調整する調整工程とを含むことを特徴とする露光装置の調整方法を提供する。
前記収差測定工程で得られた測定情報に基づいて、前記波面収差の影響を補償するために、前記所定のパターンを照明する照明光の波面を調整する調整工程とを含むことを特徴とする露光装置の調整方法を提供する。
本発明の第6形態では、第4形態または第5形態の方法により調整された露光装置を用いてマイクロデバイスを製造する方法において、
前記照明光学装置を用いて前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を用いて前記投影光学系の像面に設定される前記感光性基板上に前記パターンを投影露光する工程を含むマイクロデバイスの製造方法を提供する。
前記照明光学装置を用いて前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を用いて前記投影光学系の像面に設定される前記感光性基板上に前記パターンを投影露光する工程を含むマイクロデバイスの製造方法を提供する。
本発明の典型的な形態では、投影光学系の物体面を照明する照明光学装置において、投影光学系の波面収差の計測結果に基づいて、照明光路中において投影光学系の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置された反射面を局所的に変化させ、投影光学系の波面収差の影響を補償するように反射面の形状を調整することにより、投影光学系の波面収差(高次収差成分を含む)を調整する。換言すれば、投影光学系の波面収差の影響を補償するために、投影光学系に入射する光の波面を積極的に適宜変化させ、適切な収差状態になるように投影光学系の波面収差を調整する。
こうして、本発明では、投影光学系の物体面を照明する照明光学装置において、比較的簡素な構成に基づいて、投影光学系の波面収差を高精度に調整することができる。また、本発明の露光装置では、投影光学系の波面収差を高精度に調整することのできる照明光学装置を用いているので、マスクの微細なパターンを感光性基板上に忠実に且つ高精度に投影露光することができ、ひいては良好なマイクロデバイスを高精度に製造することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、露光装置の基本的な構成を概略的に示す図である。図1の露光装置において、露光ビームとしての露光光ILを発生する露光光源2として、ArFエキシマレーザ光源(波長193nm)が使用されている。なお、露光光源として、KrFエキシマレーザ光源(波長248nm)、F2レーザ光源(波長157nm)、Kr2レーザ光源(波長146nm)、YAGレーザの高調波発生光源、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波発生装置、または水銀ランプなども使用することができる。
また、露光光源2は、露光量制御系43の制御のもとで、露光光IL(図1の例では紫外パルスレーザ光)の波長(露光波長)と、露光光ILの波長の半値幅とを所定範囲で制御できるように構成されている。露光時に露光光源2から発光された露光光(露光用の照明光)ILは、ミラー7、不図示のビーム整形光学系、第1レンズ8A、ミラー9、および第2レンズ8Bを経て断面形状が所定形状に整形され、オプティカル・インテグレータ(ユニフォマイザまたはホモジナイザ)としてのフライアイレンズ10に入射して、照度分布が均一化される。
フライアイレンズ10の射出面(照明光学系の瞳面)には、露光光の光量分布を円形(通常照明)、複数の偏心領域(2極、4極照明等の変形照明)、輪帯(輪帯照明)、又は小さい円形(コヒーレンスファクタ(σ値)の小さい小σ照明)などに設定して照明条件を決定するための開口絞り(σ絞り)13A,13B,13C,13Dを有する照明系開口絞り部材11が、駆動モータ12によって回転自在に配置されている。輪帯照明用の輪帯開口を持つ開口絞り13Cは、その開口部の外径によるコヒーレンスファクタ(σ値)と、その開口部の外径に対する内径の比の値である照明輪帯比とを所定範囲で制御できるように構成されている。また、他の開口絞り13A,13B,13D等を使用する場合にも、コヒーレンスファクタ(σ値)を調整できるように構成されている。
装置全体の動作を統轄制御するコンピュータよりなる主制御系41が、駆動モータ12を介して照明系開口絞り部材11を回転させて照明条件を設定し、コヒーレンスファクタ(σ値)を制御するとともに、輪帯照明時に照明輪帯比を制御する。照明系開口絞り部材11中の開口絞りを通過した露光光ILは、反射率の小さいビームスプリッター14およびリレーレンズ17Aを経て、固定視野絞りとしての固定ブラインド18Aおよび可動視野絞りとしての可動ブラインド18Bを順次通過する。この場合、可動ブラインド18BはマスクとしてのレチクルRのパターン面(レチクル面)とほぼ共役な面に配置され、固定ブラインド18Aはレチクル面と共役な面から僅かにデフォーカスされた面に配置されている。
なお、図1の例では、照明系開口絞り部材11を用いてレチクルRに対する照明条件を変更するものとしたが、オプティカル・インテグレータ(フライアイレンズ)10の入射面上での照明光の強度分布あるいは照明光の入射角度範囲を可変として、前述の照明条件の変更に伴う光量損失を最小限に抑えることが好ましい。このために、照明系開口絞り部材11の代わりに、あるいはそれと組み合わせて、例えば照明光学系3の光路上に交換して配置される複数の回折光学素子、照明光学系3の光軸に沿って移動可能な少なくとも1つのプリズム(円錐プリズムや多面体プリズムなど)、およびズーム光学系の少なくとも1つを含む光学ユニットを光源2とオプティカル・インテグレータ(フライアイレンズ)10との間に配置する構成を採用することができる。
固定ブラインド18Aは、レチクル面の照明領域21Rを、レチクルRの走査方向と直交する非走査方向に細長いスリット状の領域に規定するために使用される。可動ブラインド18Bは、レチクルRの走査方向および非走査方向に対応する方向にそれぞれ相対移動自在な2対のブレードを備え、露光対象の各ショット領域への走査露光の開始時および終了時に不要な部分への露光が行われないように、照明領域を走査方向に閉じるために使用される。また、可動ブラインド18Bは、照明領域の非走査方向の中心および幅を規定するためにも使用される。ブラインド18A,18Bを通過した露光光ILは、サブコンデンサレンズ17B、光路折り曲げ用のミラー19、およびメインコンデンサレンズ20を経て、レチクルRのパターン領域の照明領域21Rを均一な照度分布で照明する。
一方、ビームスプリッター14で反射された露光光は、集光レンズ15を介して光電センサよりなるインテグレータセンサ16に受光される。インテグレータセンサ16の検出信号は、露光量制御系43に供給される。露光量制御系43は、インテグレータセンサ16の検出信号と、予め計測されているビームスプリッター14から感光性基板としてのウェハWまでの光学系の透過率とを用いて、ウェハW上での露光エネルギーを間接的に算出する。露光量制御系43は、その算出結果の積算値および主制御系41からの制御情報に基づいて、ウェハW上で適正露光量が得られるように露光光源2の発光動作(発光期間、発光周波数、出力(パルス毎のエネルギー)、波長、波長の半値幅等)を制御する。
このように、照明光学系3は、ミラー7,9、レンズ8A,8B、フライアイレンズ10、照明系開口絞り部材11、ビームスプリッター14、リレーレンズ17A、ブラインド18A,18B、サブコンデンサレンズ17B、ミラー19、およびメインコンデンサレンズ20を含んで構成されている。露光光ILのもとで、レチクルRの照明領域21R内のパターンは、投影光学系PLを介して所定の投影倍率(1/4,1/5等)で、フォトレジストが塗布されたウェハW上の一つのショット領域SA上において非走査方向に細長いスリット状の露光領域21Wに投影される。ウェハWは、例えば半導体(シリコン等)またはSOI(si1icon on insulator)等の直径が200〜300mm程度の円板状の基板である。レチクルRのパターン面(レチクル面)およびウェハWの表面(ウェハ面)が、投影光学系の物体面および像面にそれぞれ対応している。
図1の例における投影光学系PLは屈折系であるが、投影光学系PLとして、例えば米国特許第6,496,306号明細書に開示されているように、互いに交差する光軸を持つ複数の光学系よりなる反射屈折系なども使用できる。また、投影光学系PLの瞳面には可変開口絞り35が配置され、主制御系41は可変開口絞り35を駆動して投影光学系PLの開口数を制御する。以下、図1において、投影光学系PLの光軸AXに平行にZ軸を、Z軸に垂直な平面内で走査露光時のレチクルRおよびウェハWの走査方向にY軸を、走査方向と直交する非走査方向にX軸を設定して説明する。
レチクルRは、レチクルステージ(第1ステージ)22上に保持されている。レチクルステージ22は、レチクルベース23上でY方向に一定速度で移動すると共に、同期誤差を補正するようにX方向、Y方向、回転方向に微動して、レチクルRの走査を行う。レチクルステージ22の位置は、この上に設けられた移動鏡(不図示)およびレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値および主制御系41からの制御情報に基づいて、ステージ駆動系42は不図示の駆動機構(リニアモータなど)を介してレチクルステージ22の位置および速度を制御する。また、レチクルRの周辺部の上方には、ミラー33A等を介してレチクルR上のパターン領域31の近傍に設けられたアライメントマーク32A,32Bの位置を検出するためのレチクルアライメント顕微鏡34A,34Bが配置されている。
一方、ウェハWは、ウェハホルダ24を介してウェハステージ27上に保持されている。ウェハステージ27はウェハベース28上でY方向に一定速度で移動すると共に、X方向、Y方向にステップ移動するXYステージ26と、Zチルトステージ25とを備えている。Zチルトステージ25は、不図示のオートフォーカスセンサによるウェハWのZ方向の位置の計測値に基づいて、ウェハWのフォーカシングおよびレベリングを行う。ウェハステージ27のXY平面内での位置、およびX軸、Y軸、Z軸の回りの回転角は、レーザ干渉計(不図示)によって計測される。ステージ駆動系42は、レーザ干渉計の計測値および主制御系41からの制御情報に基づいて、不図示の駆動機構(リニアモータなど)を介してウェハステージ27の動作を制御する。
ウェハステージ27上には、投影光学系PLの波面収差を計測するための波面収差計測部29が設けられ、この計測結果は主制御系41に供給される。なお、波面収差計測部29の構成および作用については後述する。また、ウェハステージ27上には、露光領域21Wよりも大きい受光面を有する照射量モニター(不図示)も配置され、この検出信号は露光量制御系43に供給される。また、ウェハステージ27の上方には、ウェハアライメント用のオフ・アクシス方式のアライメントセンサ36が配置されており、この検出結果に基づいて主制御系41はウェハWのアライメントを行う。
露光時には、レチクルステージ22およびウェハステージ27を駆動して、露光光ILを照射した状態でレチクルRとウェハW上の一つのショット領域とをY方向に同期走査する動作と、ウェハステージ27を駆動してウェハWをX方向、Y方向にステップ移動する動作とが繰り返される。こうして、ステップ・アンド・スキャン方式にしたがって、ウェハW上の各ショット領域にレチクルRのパターン像が露光される。
図2は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図2において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの面内において図2の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの面内において図2の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。図2を参照すると、本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源(図1の光源2に対応)51を備えている。光源51として、たとえば193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源や248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。
光源51から射出された光は、整形光学系52により所要の断面形状の光束に拡大され、偏光状態切換部(偏光光生成手段)53および輪帯照明用の回折光学素子54を介して、アフォーカルレンズ55に入射する。偏光状態切換部(偏光光生成手段)53の構成および作用については後述する。アフォーカルレンズ55は、前側レンズ群55aの前側焦点位置と回折光学素子54の位置とがほぼ一致し且つ後側レンズ群55bの後側焦点位置と図中破線で示す所定面56の位置とがほぼ一致するように設定されたアフォーカル系(無焦点光学系)である。
輪帯照明用の回折光学素子54は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に輪帯状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、回折光学素子54に入射したほぼ平行光束は、アフォーカルレンズ55の瞳面に輪帯状の光強度分布を形成した後、輪帯状の角度分布でアフォーカルレンズ55から射出される。アフォーカルレンズ55の前側レンズ群55aと後側レンズ群55bとの間の光路中においてその瞳面またはその近傍には、円錐アキシコン系57が配置されている。円錐アキシコン系57の構成および作用については後述する。
アフォーカルレンズ55を介した光束は、σ値(σ値=照明光学装置のマスク側開口数/投影光学系のマスク側開口数)可変用のズームレンズ58を介して、マイクロフライアイレンズ(図1のフライアイレンズ10に対応)59に入射する。マイクロフライアイレンズ59は、たとえば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロフライアイレンズは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。所定面56の位置はズームレンズ58の前側焦点位置の近傍に配置され、マイクロフライアイレンズ59の入射面はズームレンズ58の後側焦点位置の近傍に配置されている。
換言すると、ズームレンズ58は、所定面56とマイクロフライアイレンズ59の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置し、ひいてはアフォーカルレンズ55の瞳面とマイクロフライアイレンズ59の入射面とを光学的にほぼ共役に配置している。したがって、マイクロフライアイレンズ59の入射面上には、アフォーカルレンズ55の瞳面と同様に、たとえば光軸AXを中心とした輪帯状の照野が形成される。この輪帯状の照野の全体形状は、ズームレンズ58の焦点距離に依存して相似的に変化する。マイクロフライアイレンズ59を構成する各微小レンズは、マスク(図1のレチクルRに対応)M上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。
マイクロフライアイレンズ59に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍(ひいては照明瞳)には、入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光源が形成される。マイクロフライアイレンズ59の後側焦点面またはその近傍に形成された二次光源からの光束は、コンデンサー光学系(図1のレンズ17Aに対応)60を介した後、マスクブラインド(図1のブラインド18A,18Bに対応)61を重畳的に照明する。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド61には、マイクロフライアイレンズ59を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド61の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系(図1のレンズ17B,20に対応)62の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系62は、マスクブラインド61の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。なお、結像光学系62の光路中には、偏光ビームスプリッター63、1/4波長板(偏光素子または波長板)64、および波面補償部65が配置されているが、これらの構成および作用については後述する。
マスクステージ(図1のレチクルステージ22に対応)MS上に保持されたマスクMのパターンを透過した光束は、投影光学系PLを介して、ウェハステージ(図1のウェハステージ27に対応)WS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
なお、輪帯照明用の回折光学素子54に代えて、4極照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、4極照明を行うことができる。4極照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに4極状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、4極照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ59の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした4つの円形状の照野からなる4極状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ59の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ4極状の二次光源が形成される。
また、輪帯照明用の回折光学素子54に代えて、円形照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、通常の円形照明を行うことができる。円形照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに円形状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、円形照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ59の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ59の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ円形状の二次光源が形成される。
さらに、輪帯照明用の回折光学素子54に代えて、他の複数極照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、様々な複数極照明(2極照明、8極照明など)を行うことができる。同様に、輪帯照明用の回折光学素子54に代えて、適当な特性を有する回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、様々な形態の変形照明を行うことができる。
図2を参照すると、本実施形態では、ウェハWを保持するためのウェハステージWSに、投影光学系PLの波面収差を計測(測定)するための波面収差計測部(収差測定部:図1の波面収差計測部29に対応)66が設けられている。波面収差計測部66として、図3に示すようなシャックハルトマンセンサーを用いることができる。この場合、テストマスクの計測用パターンとして、いわゆるピンホール(遮光部のバックグランド上に形成された微小透過開口)を使用する。
図3を参照すると、テストマスク(不図示)の計測用パターンとしてのピンホールの投影光学系PLによる投影像は、波面収差計測部66の上方の位置FPに形成される。位置FPに形成されたピンホール像からの発散光束は、レンズ群66aを介して平行光束に変換された後、マイクロレンズアレイ66bに入射する。マイクロレンズアレイ66bは、フライアイレンズと同様に、多数の微小レンズ要素を二次元的に稠密に配列することによって構成された光学素子である。
マイクロレンズアレイ66bに平行光束が入射すると、入射光束は各微小レンズ要素によって波面分割され、その後側焦点面の近傍には集光点66cがそれぞれ形成される。多数の集光点66cが形成される位置には、CCD等の撮像素子66dの撮像面が位置決めされている。こうして、撮像素子66dにより各集光点66cの位置がそれぞれ計測され、その検出信号(計測信号)は信号処理部66eに供給される。シャックハルトマンセンサーとしての波面収差計測部66に入射する光束は、投影光学系PLを透過した光束であるため、投影光学系PLの収差(波面収差)によって、その波面が微妙に変形している。
その結果、各集光点66cの位置は、投影光学系PLが無収差のときに集光する各基準位置から、投影光学系PLの波面収差に依存する微小量だけそれぞれ位置ずれする。したがって、波面収差計測部66の信号処理部66eでは、各集光点66cの各基準位置からの位置ずれ量を計測することにより、投影光学系PLの波面収差を算定することができる。波面収差計測部66の計測結果は、制御部(図1の主制御系41に対応)67に供給される。なお、波面収差計測部66の更に詳細な構成および作用については、たとえば国際公開第WO2002/054036号公報を参照することができる。
なお、上述の説明では、波面収差計測部66としてシャックハルトマンセンサーを用いているが、これに限定されることなく、たとえばシェアリング干渉計のような他の適当な構成を採用することができる。また、上述の説明では、波面収差計測部66がウェハステージWSに取り付け可能な構成を示しているが、これに限定されることなく、波面収差計測部66をウェハステージWSに組み込んでもよく、またウェハステージWSとは別のステージに組み込んでもよい。
偏光状態切換部(偏光光生成手段)53は、光の入射側から順に、光軸AXを中心として回転可能な1/4波長板53a(不図示)、光軸AXを中心として回転可能な1/2波長板53b(不図示)、および照明光路に対して挿脱可能で且つ光軸AXを中心として回転可能なデポラライザ(非偏光化素子)53c(不図示)とにより構成されている。光源51としてKrFエキシマレーザ光源やArFエキシマレーザ光源を用いる場合、これらの光源から射出される光は典型的には95%以上の偏光度を有し、偏光状態切換部53にはほぼ直線偏光の光が入射する。
しかしながら、光源51と偏光状態切換部53との間の光路中に裏面反射鏡としての直角プリズムが介在する場合、入射する直線偏光の偏光面がP偏光面またはS偏光面に一致していないと、直角プリズムでの全反射により直線偏光が楕円偏光に変わる。偏光状態切換部53では、たとえば直角プリズムでの全反射に起因して楕円偏光の光が入射しても、入射する楕円偏光に対して1/4波長板53aを光軸AX廻りの所定の角度位置に設定することにより、楕円偏光の入射光が直線偏光の光に変換されて1/2波長板53bへ導かれる。
また、入射する直線偏光に対して1/2波長板53bを光軸AX廻りの所要の角度位置に設定することにより、直線偏光の入射光が所望の方向に偏光方向を有する直線偏光の光に変換されてデポラライザ53cへ、あるいは回折光学素子54へ直接導かれる。ここで、デポラライザ53cを照明光路中の所定位置に位置決めし、入射する直線偏光に対してデポラライザ53cを光軸AX廻りの所定の角度位置に設定すると、直線偏光の入射光が非偏光状態の光に変換(非偏光化)されて回折光学素子54に入射する。一方、デポラライザ53cを照明光路から退避させると、1/2波長板53bからの直線偏光の光は偏光方向を変えることなくそのまま回折光学素子54に入射する。
こうして、偏光状態切換部53では、回折光学素子54への入射光の偏光状態(ひいてはマスクMおよびウェハWを照明する光の偏光状態)を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることができる。また、直線偏光状態の場合には、例えば互いに直交する偏光状態の間(Z方向偏光とX方向偏光との間)で切り換えることができる。なお、デポラライザ53cの詳細な構成および偏光状態切換部53の作用については、たとえば国際公開第WO2004/051717号公報を参照することができる。
円錐アキシコン系57は、光源側から順に、光源側に平面を向け且つマスク側に凹円錐状の屈折面を向けた第1プリズム部材57aと、マスク側に平面を向け且つ光源側に凸円錐状の屈折面を向けた第2プリズム部材57bとから構成されている。そして、第1プリズム部材57aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材57bの凸円錐状の屈折面とは、互いに当接可能なように相補的に形成されている。また、第1プリズム部材57aおよび第2プリズム部材57bのうち少なくとも一方の部材が光軸AXに沿って移動可能に構成され、第1プリズム部材57aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材57bの凸円錐状の屈折面との間隔が可変に構成されている。以下、輪帯状または4極状の二次光源に着目して、円錐アキシコン系57の作用およびズームレンズ58の作用を説明する。
ここで、第1プリズム部材57aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材57bの凸円錐状屈折面とが互いに当接している状態では、円錐アキシコン系57は平行平面板として機能し、形成される輪帯状または4極状の二次光源に及ぼす影響はない。しかしながら、第1プリズム部材57aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材57bの凸円錐状屈折面とを離間させると、輪帯状または4極状の二次光源の幅(輪帯状の二次光源の外径と内径との差の1/2;4極状の二次光源に外接する円の直径(外径)と内接する円の直径(内径)との差の1/2)を一定に保ちつつ、輪帯状または4極状の二次光源の外径(内径)が変化する。すなわち、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比(内径/外径)および大きさ(外径)が変化する。
ズームレンズ58は、輪帯状または4極状の二次光源の全体形状を相似的に拡大または縮小する機能を有する。たとえば、ズームレンズ58の焦点距離を最小値から所定の値へ拡大させることにより、輪帯状または4極状の二次光源の全体形状が相似的に拡大される。換言すると、ズームレンズ58の作用により、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比が変化することなく、その幅および大きさ(外径)がともに変化する。このように、円錐アキシコン系57およびズームレンズ58の作用により、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比と大きさ(外径)とを制御することができる。
本実施形態の露光装置では、光源51から射出された照明光(露光光)が、照明光学系(52〜62)を介して所定の照明条件でマスクMを照明する。そして、マスクMからの回折光が、投影光学系PLを介してウェハW上で干渉してマスクパターンの共役像を形成する。具体的に、図4(a)に示すようなパターン71および72がマスクM上に設けられている場合、図4(b)に示すように、ウェハW上には投影光学系PLを介してパターン71および72の像71aおよび72aがそれぞれ形成される。
この場合、回折の影響および投影光学系PLの収差の影響などにより、ウェハW上に形成されるパターン像71aおよび72aはマスクパターン71および72の正確な相似形状にはならない。特に、マスクパターン71のような二方向パターンの場合には、所望形状のパターン像を得ることが難しい。光近接効果を利用して補助パターン(不図示)を用いることによりパターン像を所望形状に近づけることが可能であるが、その複雑なパターンデザインのために余計なコストがかかる。
一方、投影光学系PL中のレンズの位置または姿勢を調整することにより、投影光学系PLの収差を補正することができる。そして、投影光学系PLの収差を補正することにより、マスクパターン71に対応してウェハW上に転写されるパターン像を、図5(a)において参照符号71bで示す状態から、図5(b)において参照符号71cで示す状態へ変化させることができる。なお、図5(a)および(b)において、参照符号71dは、マスクパターン71に対応する所望形状のパターン像を示している。
このように、投影光学系PLの収差を補正することにより、ウェハW上においてマスクパターン像を所望形状に近づけることが可能になる。しかしながら、前述したように、投影光学系PL中のレンズの位置または姿勢を調整する従来の手法では、投影光学系PLの波面収差のうち、低次収差成分しか補正することができない。そこで、本実施形態では、投影光学系PLに入射する光の波面を積極的に変化させることにより、マスクパターンに適切な収差状態になるように投影光学系PLの波面収差を調整(補正)する手法を採用している。以下、本実施形態の特徴的な構成および作用について説明する。
再び図2を参照すると、結像光学系62の光路中には、光の入射側から順に、偏光ビームスプリッター63、1/4波長板64、および波面補償部(アダプティブ・オプティクス)65が配置されている。したがって、マスクブラインド61から結像光学系62へ入射した光は、偏光ビームスプリッター63に入射する。そして、偏光ビームスプリッター63への入射光のうち、偏光ビームスプリッター63の偏光面に対してP偏光(図2においてZ方向に偏光方向を有する直線偏光)の光だけが透過し、1/4波長板64に入射する。偏光素子としての1/4波長板64は、偏光ビームスプリッター63の偏光面に対してP偏光の光が入射したときに円偏光の光に変換して射出するように結晶光学軸が設定されている。
1/4波長板64を介して円偏光状態に変換された光は、波面補償部65に入射する。波面補償部65は、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置された反射面65aと、制御部67からの制御指令にしたがって反射面65aを局所的に変化させてその形状を調整する調整部65bとを備えている。すなわち、波面補償部65の反射面65aは、照明光学系(52〜62)の瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置され、投影光学系PLに入射する光の波面を適宜変化させるように構成されている。
波面補償部65の反射面65aで反射された円偏光の光は、1/4波長板64を介して偏光ビームスプリッター63の偏光面に対してS偏光(図2においてX方向に偏光方向を有する直線偏光)の光に変換され、偏光ビームスプリッター63に入射する。偏光ビームスプリッター63へS偏光状態で入射した光は、偏光ビームスプリッター63の偏光面ですべて反射され、結像光学系62から射出される。結像光学系62から射出された光は、投影光学系PLの物体面に設定されたマスクMを介して投影光学系PLに入射する。
図6は、本実施形態にかかる露光装置の調整方法の各工程を概略的に示すフローチャートである。図6を参照すると、本実施形態の調整方法では、たとえばシャックハルトマンセンサーのような波面収差計測部66を用いて、投影光学系PLの波面収差を測定(計測)する(S1)。そして、第1収差測定工程S1で得られた測定情報(波面収差の計測結果)に基づいて、投影光学系PLの波面収差を補正(調整)するために、投影光学系PL中の1つまたは複数のレンズ(一般的には投影光学系PLに設けられた少なくとも1つの光学部材)の位置または姿勢を調整する(S2)。
具体的に、第1調整工程S2では、たとえば波面収差計測部66の計測結果を受けた制御部67が、レンズ調整部68に制御指令を供給する。レンズ調整部68は、制御部67からの指令にしたがって、レンズを光軸AXに沿って移動させてレンズ間の間隔を変化させる間隔調整や、レンズを光軸AXに対して垂直にシフト(移動)させたりチルト(傾斜)させたりする偏芯調整や、レンズを光軸AX廻りに回転させる回転調整などのレンズ調整を行うことにより、投影光学系PLの波面収差(低次収差成分)を補正する。なお、レンズ調整部68を用いることなく、手動によりレンズ調整を行うこともできる。
次いで、波面収差計測部66を用いて、第1調整工程S2を経た投影光学系PLの波面収差を測定する(S3)。そして、第2収差測定工程S3で得られた測定情報(波面収差の計測結果)に基づいて、投影光学系PLの波面収差の影響を補償するために、マスクMのパターンを照明する照明光の波面を調整する(S4)。具体的に、第2調整工程S4では、たとえば波面収差計測部66の計測結果を受けた制御部67が、波面補償部65に制御指令を供給する。
波面補償部65の調整部65bは、制御部67からの指令にしたがって、1つの連続反射面としての反射面65aを局所的に変化させて、投影光学系PLの波面収差の影響を補償するように反射面65aの形状を調整することにより、投影光学系PLの波面収差(高次収差成分を含む)を補正(調整)する。換言すれば、波面補償部65は、投影光学系PLの波面収差の影響を補償するために投影光学系PLに入射する光の波面を積極的に適宜変化させ、マスクMのパターンに適切な収差状態になるように投影光学系PLの波面収差を調整(補正)する。
以上のように、本実施形態では、投影光学系PLの物体面に設定されたマスクMを照明する照明光学装置(51〜65)において、光源51とマスクMとの間の光路中に配置されて投影光学系PLの波面収差を調整するための調整手段(63〜65)の作用により、比較的簡素な構成に基づいて投影光学系PLの波面収差を高精度に調整することができる。また、本実施形態の露光装置(51〜68)では、投影光学系PLの波面収差を高精度に調整することのできる照明光学装置(51〜65)を用いているので、マスクMの微細なパターンをウェハW上に忠実に且つ高精度に投影露光することができる。
ところで、上述の実施形態では、偏光状態切換部53の作用により偏光ビームスプリッター63に入射する光の偏光状態を偏光ビームスプリッター63の偏光面に対するP偏光状態に設定すると、偏光ビームスプリッター63への入射光が偏光ビームスプリッター63において実質的に光量損失することなくマスクMへ導かれる。ちなみに、偏光状態切換部53の作用により偏光ビームスプリッター63に入射する光の偏光状態を非偏光状態に設定すると、偏光ビームスプリッター63への入射に際して偏光ビームスプリッター63の偏光面に対するS偏光成分が反射により照明光路外へ導かれてマスクMの照明に寄与しないことになる。しかしながら、偏光ビームスプリッター63を一旦透過した光は、再び入射した偏光ビームスプリッター63において実質的に光量損失することなくマスクMへ導かれる。
なお、上述の実施形態では、波面補償部65において、1つの連続反射面を局所的に変形させる構成を採用している。しかしながら、これに限定されることなく、例えばほぼ稠密に配置された複数の微小反射面の姿勢を互いに独立に制御する構成などを波面補償部65に適用することもできる。
また、上述の実施形態では、露光装置の調整方法において、波面補償部65による投影光学系PLの波面収差(高次収差成分を含む)の補正に先立って、投影光学系PLの波面収差を測定する第1収差測定工程S1、およびレンズの位置または姿勢を調整する第1調整工程S2を行っている。しかしながら、これに限定されることなく、適当な場合には、第1収差測定工程S1および第1調整工程S2の実行を省略する変形例も可能である。
また、上述の実施形態では、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置された波面補償部65の反射面65aを利用して、投影光学系PLの波面収差の影響を補償するために投影光学系PLに入射する光の波面を変化させている。しかしながら、これに限定されることなく、投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置またはその近傍に配置された光透過面の作用により、投影光学系PLに入射する光の波面を積極的に変化させて投影光学系PLの波面収差の影響を補償することもできる。
次に、図7乃至図10を参照しながら第2実施形態について説明する。図7に示す第2実施形態において、図2に示した第1実施形態と異なる点は、アフォーカル系(アフォーカルレンズ)55の内部の前側レンズ群55aと円錐アキシコン系57との間の照明光路中に偏光変換素子100(偏光光生成手段)を配置すると共に、偏光ビームスプリッター63の反射方向に、1/4波長板64および波面補償部(アダプティブ・オプティクス)65と同様な構成として、1/4波長板64’および波面補償部(アダプティブ・オプティクス)65’がそれぞれ配置されていることである。波面補償部65’は、反射面65a及びその反射面65aを局所的に変化させるための調整部65bを備え、制御部67によって制御される。なお、第2実施形態においては、偏光状態切換部53及び偏光変換素子100で偏光光生成手段を構成している。
さて、第2実施形態においては、偏光照明のもとで、投影光学系PLの波面収差の影響を補償できる例を示している。ここで、偏光変換素子100は、図7に示す如く、アフォーカル系55の瞳位置(照明光学系の瞳位置)またはその近傍に配置されている。図9は、偏光変換素子100の構成を示す図であり、図9において、(a)はX方向での2極照明の時の様子を示し、(b)はY方向での2極照明の時の様子を示し、(c)は4極照明の時の様子を示している。
例えば、図9を参照すると、偏光変換素子100は、全体として光軸AXを中心とした輪帯状の有効領域を有し、この輪帯状の有効領域は光軸AXを中心とした円周方向に等分割された4つの扇形形状の基本素子により構成されている。これらの4つの基本素子において、光軸AXを挟んで対向する一対の基本素子は互いに同じ特性を有する。すなわち、4つの基本素子100A〜100Dは、光の透過方向(Y方向)に沿った厚さ(光軸方向の長さ)が互いに異なる2種類の基本素子を2個づつ含んでいる。
また、本実施形態では、各基本素子100A〜100Dが旋光性を有する光学材料である結晶材料としての水晶により構成され、各基本素子100A〜100Dの結晶光学軸が光軸AXとほぼ一致、すなわち入射光の進行方向とほぼ一致するように設定されている。以下、図8を参照して、水晶の旋光性について簡単に説明する。図8を参照すると、厚さdの水晶からなる平行平面板状の光学部材100’が、その結晶光学軸と光軸AXとが一致するように配置されている。
この場合、光学部材100’の旋光性により、入射した直線偏光の偏光方向が光軸AX廻りにθだけ回転した状態で射出される。このとき、光学部材100’の旋光性による偏光方向の回転角(旋光角度)θは、光学部材100’の厚さdと水晶の旋光能ρとにより、次の式(a)で表わされる。
θ=d・ρ (a)
θ=d・ρ (a)
一般に、水晶の旋光能ρは、波長依存性(使用光の波長に依存して旋光能の値が異なる性質:旋光分散)があり、具体的には使用光の波長が短くなると大きくなる傾向がある。「応用光学II」の第167頁の記述によれば、250.3nmの波長を有する光に対する水晶の旋光能ρは、153.9度/mmである。
本実施形態において、第1基本素子(100A、100C)は、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光が入射した場合、Z方向をY軸廻りに+90度回転させた方向すなわちX方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さd1が設定されている。したがって、この場合、図9(a)及び(c)に示すように、一対の第1基本素子(100A、100C)の旋光作用を受けた光束が形成する一対の円弧状領域を通過する光束の偏光方向はX方向になる。
第2基本素子(100B、100D)は、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光が入射した場合、Z方向をY軸廻りに+180度回転させた方向すなわちZ方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さd2が設定されている。したがって、この場合、図9(b)及び(c)に示すように、一対の第2基本素子(100B、100D)の旋光作用を受けた光束が形成する一対の円弧状領域を通過する光束の偏光方向はZ方向になる。
なお、別々に形成された4つの基本素子を組み合わせて偏光変換素子100を得ることもできるし、あるいは平行平面板状の水晶基板に所要の凹凸形状(段差)を形成することにより偏光変換素子100を得ることもできる。また、偏光変換素子100を光路から退避させることなく通常の円形照明を行うことができるように、偏光変換素子100の有効領域の径方向の大きさの3/10以上、好ましくは1/3以上の大きさを有し且つ旋光性を有しない円形状の中央領域が設けられている。ここで、中央領域は、たとえば石英のように旋光性を有しない光学材料により形成されていてもよいし、単純に円形状の開口であってもよい。ただし、中央領域は偏光変換素子100に必須の要素ではない。なお、中央領域の大きさは周方向偏光状態である領域とそうでない領域との境界を決定する。
次に、図7、図9及び図10を参照しながら、偏光照明のもとで投影光学系PLの波面収差の影響を補償することについて説明する。図7に示す如く、回折光学素子54は所望の照明を実現するために、複数の回折光学素子と交換可能に設けられており、所望の回折光学素子54を照明光路に配置する。その後、偏光状態切換部53内の1/4波長板と1/2波長板との相対的な回転調整により、図7の紙面方向(YZ平面)に沿った直線偏光光が生成され、この直線偏光光が回折光学素子54へ導かれる。
まず、X方向に沿って並んだ2極照明を形成する回折光学素子を照明光路に配置した場合について説明する。X方向に沿って2極状の光束に変換する回折光学素子54を照明光路に設定し、偏光状態切換部53よりZ方向に直線偏光した光束を回折光学素子54へ導く。そして、Z方向に直線偏光した光束が回折光学素子54を介すると、Z方向に直線偏光すると共にX方向に沿って並んだ2極状の光束に変換され、その後、前側レンズ群55a及び偏光変換素子100を介して円錐アキシコン系57に入射する。
ここで、図9(a)は、偏光変換素子100を射出側から見たときの様子を示す図であり、Z方向に偏光すると共にX方向に沿って並んだ2極状の光束は、偏光変換素子100によってX方向に直線偏光すると共にX方向に沿って並んだ2極状の光束(Ba,Bc)に変換される。そして、図9(a)に示す如き2極状の偏光光は、複数の光学部材(57、55b、58〜62)を介して、偏光ビームスプリッター63を反射する。その後、図9(a)に示す如き2極状の偏光光が、1/4波長板64’および反射面65a’を介して、再び1/4波長板64’を通過することにより、照明光学系の瞳Puの位置(最もマスク側のレンズ62から照明光学系を見た時の瞳面)には、図10(a)に示す如きY方向に直線偏光すると共にX方向に沿って並んだ2極状の強度分布(Ba,Bc)が形成される。
このため、X方向に沿って周期性を持つパターンが形成されたマスクMをマスクステージMSに載置し、このマスクMのパターンを投影光学系PLを介してウェハWに露光することにより、偏光照明による高コントラストのもとでの露光が達成できる。この時における投影光学系PLの波面収差の影響の補償は、上述の第1実施形態と同様に、制御系67からの出力信号(補正信号)に基づいて、調整部65b’が反射面65a’を局所的に変形させることにより達成される。これにより、投影光学系PLに入射する波面を適切に変形させることができるため、投影光学系PLの波面収差を良好に調整(補正)することができる。
次に、Z方向に沿って並んだ2極照明を形成する回折光学素子を照明光路に配置した場合について説明する。Z方向に沿って2極状の光束に変換する回折光学素子54を照明光路に設定し、偏光状態切換部53よりZ方向に直線偏光した光束を回折光学素子54へ導く。そして、Z方向に直線偏光した光束が回折光学素子54を介すると、Z方向に直線偏光すると共にZ方向に沿って並んだ2極状の光束に変換され、その後、前側レンズ群55a及び偏光変換素子100を介して円錐アキシコン系57に入射する。
ここで、図9(b)は、偏光変換素子100を射出側から見たときの様子を示す図であり、Z方向に偏光すると共にZ方向に沿って並んだ2極状の光束は、偏光変換素子100によってZ方向に直線偏光するZ方向に沿って並んだ2極状の光束(Bb,Bd)に変換される。そして、図9(b)に示す如き2極状の偏光光は、複数の光学部材(57、55b、58〜62)を介して、偏光ビームスプリッター63を透過する。その後、図9(b)に示す如き2極状の偏光光が、1/4波長板64および反射面65aを介して、再び1/4波長板64を通過することにより、照明光学系の瞳Puの位置(最もマスク側のレンズ62から照明光学系を見た時の瞳面)には、図10(b)に示す如きX方向に直線偏光すると共にY方向に沿って並んだ2極状の強度分布(Bb,Bd)が形成される。
このため、Y方向に沿って周期性を持つパターンが形成されたマスクMをマスクステージMSに載置し、このマスクMのパターンを投影光学系PLを介してウェハWに露光することにより、偏光照明による高コントラストのもとでの露光が達成できる。この時における投影光学系PLの波面収差の影響の補償は、上述の第1実施形態と同様に、制御系67からの出力信号(補正信号)に基づいて、調整部65bが反射面65aを局所的に変形させることにより達成される。これにより、投影光学系PLに入射する波面を適切に変形させることができるため、投影光学系PLの波面収差を良好に調整(補正)することができる。
次に、4極照明を形成する回折光学素子を照明光路に配置した場合について説明する。4極状の光束に変換する回折光学素子54を照明光路に設定し、偏光状態切換部53よりZ方向に直線偏光した光束を回折光学素子54へ導く。そして、Z方向に直線偏光した光束が回折光学素子54を介すると、Z方向に直線偏光する4極状の光束に変換され、その後、前側レンズ群55a及び偏光変換素子100を介して円錐アキシコン系57に入射する。
ここで、図9(c)は、偏光変換素子100を射出側から見たときの様子を示す図であり、Z方向に偏光する4極状の光束は、偏光変換素子100によって半径方向に直線偏光する4極状の光束に変換される。そして、図9(c)に示す如き4極状の偏光光は、複数の光学部材(57、55b、58〜62)を介して、偏光ビームスプリッター63に入射する。
まず、図9(c)に示す如き4極状の偏光光の内、X方向に偏光すると共にX方向に沿って並んだ2極状の光束(Ba,Bc)は、偏光ビームスプリッター63を反射する。その後、1/4波長板64’および反射面65a’を介して、再び1/4波長板64’を通過することにより、照明光学系の瞳Puの位置(最もマスク側のレンズ62から照明光学系を見た時の瞳面)には、図10(c)に示す如きY方向に直線偏光すると共にX方向に沿って並んだ2極状の強度分布(Ba,Bc)が形成される。
また、図9(c)に示す如き4極状の偏光光の内、Z方向に偏光すると共にZ方向に沿って並んだ2極状の光束(Bb,Bd)は、偏光ビームスプリッター63を透過する。その後、1/4波長板64および反射面65aを介して、再び1/4波長板64を通過することにより、照明光学系の瞳Puの位置(最もマスク側のレンズ62から照明光学系を見た時の瞳面)には、図10(c)に示す如きX方向に直線偏光すると共にY方向に沿って並んだ2極状の強度分布(Bb,Bd)が形成される。
したがって、照明光学系の瞳Puの位置(最もマスク側のレンズ62から照明光学系を見た時の瞳面)には、図10(c)に示す如き周方向(接線方向)に直線偏光する4極状の強度分布(Ba〜Bd)が形成される。このため、XY方向に沿って周期性を持つ2次元パターンが形成されたマスクMをマスクステージMSに載置し、このマスクMのパターンを投影光学系PLを介してウェハWに露光することにより、偏光照明による高コントラストのもとでの露光が達成できる。
この時における投影光学系PLの波面収差の影響の補償は、上述の第1実施形態と同様に、制御系67からの出力信号(補正信号)に基づいて、各調整部(65b、65b’)が各反射面(65a、65a’)を局所的に変形させることにより達成される。これにより、投影光学系PLに入射する波面を適切に変形させることができるため、投影光学系PLの波面収差を良好に調整(補正)することができる。
なお、図9(c)では、回折光学素子54により形成させる4極状の光強度分布の光を偏光変換素子100に入射させた例を示したが、本実施形態では、回折光学素子54にて輪帯状の光強度分布の光を形成し、その輪帯状の光強度分布の光を偏光変換素子100に入射させることも可能である。
上述の実施形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図11のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図11のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、上述の実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、上述の実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図12のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図12において、パターン形成工程401では、上述の実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、露光装置においてマスクを照明する照明光学装置に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、一般的に投影光学系の物体面を照明する照明光学装置に対しても同様に本発明を適用することもできる。
51 光源
53 偏光状態切換部(偏光光生成手段)
54 回折光学素子
55 アフォーカルレンズ
57 円錐アキシコン系
58 ズームレンズ
59 マイクロフライアイレンズ
60 コンデンサー光学系
61 マスクブラインド
62 結像光学系
63 偏光ビームスプリッター
64 1/4波長板(偏光素子)
65 波面補償部(アダプティブ・オプティクス)
66 波面収差計測部(収差測定部)
67 制御部
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ
53 偏光状態切換部(偏光光生成手段)
54 回折光学素子
55 アフォーカルレンズ
57 円錐アキシコン系
58 ズームレンズ
59 マイクロフライアイレンズ
60 コンデンサー光学系
61 マスクブラインド
62 結像光学系
63 偏光ビームスプリッター
64 1/4波長板(偏光素子)
65 波面補償部(アダプティブ・オプティクス)
66 波面収差計測部(収差測定部)
67 制御部
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ
Claims (16)
- 光源からの光に基づいて投影光学系の物体面を照明する照明光学装置において、
前記光源からの光を前記物体面へ導く照明光学系と、
前記光源と前記物体面との間の光路中において、前記投影光学系の波面収差を調整するための調整手段とを備えていることを特徴とする照明光学装置。 - 前記調整手段は、前記投影光学系の波面収差を補正するために前記投影光学系に入射する光の波面を変化させることを特徴とする請求項1に記載の照明光学装置。
- 前記物体面を所望の偏光状態で照明する光束を形成する偏光光生成手段を配置したことを特徴とする請求項1または2に記載の照明光学装置。
- 前記調整手段は、前記光源と前記物体面との間の光路中において前記投影光学系の瞳位置と光学的に共役または近傍の位置に配置された反射面と、
前記投影光学系の波面収差の影響を補償するために前記反射面の形状を調整する調整部とを備えていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の照明光学装置。 - 前記反射面は、1つの連続反射面を有し、
前記調整部は、前記連続反射面を局所的に変形させることを特徴とする請求項4に記載の照明光学装置。 - 前記反射面は、ほぼ稠密に配置された複数の微小反射面を有し、
前記調整部は、前記複数の微小反射面の姿勢を互いに独立に制御することを特徴とする請求項4に記載の照明光学装置。 - 前記光源と前記反射面との間の光路中に配置された偏光ビームスプリッターと、該偏光ビームスプリッターと前記反射面との間の光路中に配置された偏光素子とをさらに備え、
前記光源からの光は前記偏光ビームスプリッターおよび前記偏光素子を介して前記反射面に入射し、前記反射面からの反射光は前記偏光素子および前記偏光ビームスプリッターを介して前記物体面に達することを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の照明光学装置。 - 前記偏光素子は、波長板であることを特徴とする請求項7に記載の照明光学装置。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の照明光学装置と前記投影光学系とを備え、前記照明光学装置を介して前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を介してその像面に設定される感光性基板上に前記パターンを投影露光することを特徴とする露光装置。
- 前記投影光学系の波面収差を測定する収差測定部と、
前記収差測定部の測定情報に基づいて前記調整手段を制御するための制御部とをさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載の露光装置。 - 前記投影光学系の波面収差を補正するために前記投影光学系中の少なくとも1つのレンズの位置または姿勢を調整する第2調整手段をさらに備え、
前記制御部は、前記収差測定部の測定情報に基づいて前記第2調整手段を制御することを特徴とする請求項10に記載の露光装置。 - 請求項9乃至11のいずれか1項に記載の露光装置を用いてマイクロデバイスを製造する方法において、
前記照明光学装置を用いて前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を用いて前記投影光学系の像面に設定される前記感光性基板上に前記パターンを投影露光する工程を含むマイクロデバイスの製造方法。 - 所定のパターンを感光性基板に投影する投影光学系の波面収差を測定する第1収差測定工程と、
前記第1収差測定工程で得られた測定情報に基づいて前記投影光学系の波面収差を補正するために、前記投影光学系に設けられた少なくとも1つの光学部材における位置および姿勢のうちの少なくとも1つを調整する第1調整工程と、
前記第1調整工程を経た前記投影光学系の波面収差を測定する第2収差測定工程と、
前記第2収差測定工程で得られた測定情報に基づいて、前記波面収差の影響を補償するために、前記所定のパターンを照明する照明光の波面を調整する第2調整工程とを含むことを特徴とする露光装置の調整方法。 - 所定のパターンを感光性基板に投影する投影光学系の波面収差を測定する収差測定工程と、
前記収差測定工程で得られた測定情報に基づいて、前記波面収差の影響を補償するために、前記所定のパターンを照明する照明光の波面を調整する調整工程とを含むことを特徴とする露光装置の調整方法。 - 前記所定のパターンを照明する照明光に対して所定の偏光を付与する偏光付与工程を含むことを特徴とする請求項13または14に記載の露光装置の調整方法。
- 請求項13乃至15のいずれか1項に記載の方法により調整された露光装置を用いてマイクロデバイスを製造する方法において、
前記照明光学装置を用いて前記物体面に設定されるパターンを照明し、前記投影光学系を用いて前記投影光学系の像面に設定される前記感光性基板上に前記パターンを投影露光する工程を含むマイクロデバイスの製造方法。
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JP2005066207A JP2006253327A (ja) | 2005-03-09 | 2005-03-09 | 照明光学装置、露光装置、マイクロデバイスの製造方法、および露光装置の調整方法 |
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JP2005066207A JP2006253327A (ja) | 2005-03-09 | 2005-03-09 | 照明光学装置、露光装置、マイクロデバイスの製造方法、および露光装置の調整方法 |
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JP2006253327A true JP2006253327A (ja) | 2006-09-21 |
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ID=37093497
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JP2005066207A Pending JP2006253327A (ja) | 2005-03-09 | 2005-03-09 | 照明光学装置、露光装置、マイクロデバイスの製造方法、および露光装置の調整方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007311794A (ja) * | 2006-05-15 | 2007-11-29 | Advanced Mask Technology Center Gmbh & Co Kg | 照射系およびフォトリソグラフィ装置 |
JP2011508409A (ja) * | 2007-11-20 | 2011-03-10 | カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー | 光学系 |
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-
2005
- 2005-03-09 JP JP2005066207A patent/JP2006253327A/ja active Pending
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