JP2006100429A - 投影光学系、露光装置、および露光方法 - Google Patents

投影光学系、露光装置、および露光方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 像面との間の光路中に液体を介在させて大きな実効的な像側開口数を確保しつつ、ほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化を良好に抑える。
【解決手段】 第1面(M)からの光の入射順に、第1偏向平面鏡(M11)と、凹面反射鏡(CM)を含む部分光学系と、第2偏向平面鏡(M12)と、第1レンズ群(G21)と、開口絞り(AS)と、第2レンズ群(G22)とを備えている。第2面(W)との間の光路は所定の液体で満たされている。第1面上の有効視野領域における所定の物点からの主光線であって第1偏向平面鏡や第2偏向平面鏡に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって第1偏向平面鏡や第2偏向平面鏡に入射するスキュー光線との入射角度の差が7度以下である。
【選択図】 図2

Description

本発明は、投影光学系、露光装置、および露光方法に関し、特に半導体素子や液晶表示素子などのマイクロデバイスをフォトリソグラフィ工程で製造する際に使用される露光装置に好適な投影光学系に関するものである。
半導体素子等を製造するためのフォトリソグラフィ工程において、マスク(またはレチクル)のパターン像を、投影光学系を介して、感光性基板(フォトレジストが塗布されたウェハ、ガラスプレート等)上に投影露光する露光装置が使用されている。露光装置では、半導体素子等の集積度が向上するにつれて、投影光学系に要求される解像力(解像度)が益々高まっている。
そこで、投影光学系の解像力に対する要求を満足するために、照明光(露光光)の波長λを短くするとともに、投影光学系の像側開口数NAを大きくする必要がある。具体的には、投影光学系の解像度は、k・λ/NA(kはプロセス係数)で表される。また、像側開口数NAは、投影光学系と感光性基板との間の媒質(通常は空気などの気体)の屈折率をnとし、感光性基板への最大入射角をθとすると、n・sinθで表される。
この場合、最大入射角θを大きくすることにより像側開口数の増大を図ろうとすると、感光性基板への入射角および投影光学系からの射出角が大きくなり、光学面での反射損失が増大して、大きな実効的な像側開口数を確保することはできない。そこで、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たすことにより像側開口数の増大を図る液浸技術が知られている(たとえば特許文献1)。
国際公開第WO2004/019128号パンフレット
ところで、露光光の波長λが短くなると、屈折型の投影光学系よりも反射屈折型の投影光学系の方が、色収差を良好に補正することができるだけでなく、ペッツバール条件を容易に満足して像面湾曲を良好に補正することができ、しかも光学系の小型化が可能である。また、露光装置では、特定の直線偏光の光を用いて投影露光を行うことが投影光学系の解像度向上に有効である。
しかしながら、所望の直線偏光状態の光を用いてマスクを照明しても、投影光学系の光路中に光の偏光状態を変化させる光学素子が介在すると、所望の直線偏光状態で結像しなくなり、ひいては結像性能が悪化する可能性がある。特に、比較的広い入射角度範囲に亘って光線が入射する偏向平面鏡では、偏光方向による位相ずれが比較的大きく生じ易いことが知られている。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、像面との間の光路中に液体を介在させて大きな実効的な像側開口数を確保しつつ、ほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化が良好に抑えられた反射屈折型の投影光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、比較的大きな像側開口数を有し且つほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化が良好に抑えられた投影光学系を用いて、微細なパターンを高コントラストで且つ高精度に投影露光することのできる露光装置および露光方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の第1形態では、ほぼ直線偏光の光によって照明される第1面上の有効視野領域の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
前記第1面と前記第2面との間の光路中に配置された第1偏向平面鏡と、
前記第1偏向平面鏡と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも1つの凹面反射鏡を含む部分光学系と、
前記部分光学系と前記第2面との間の光路中に配置された第2偏向平面鏡と、
前記第2偏向平面鏡と前記第2面との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1レンズ群と、
前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置された開口絞りと、
前記開口絞りと前記第2面との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2レンズ群とを備え、
前記投影光学系中の屈折力を有する光学部材のうち最も第2面側に位置する光学部材と前記第2面との間の光路は所定の液体で満たされ、
前記第1面の法線方向に沿ってZ軸を、前記第1偏向平面鏡の入射光軸と射出光軸とが張る平面に垂直な方向に沿ってX軸を、前記Z軸および前記X軸と直交する方向に沿ってY軸をそれぞれ設定し、前記開口絞りの中心を通る光線を主光線と定義し、前記第1面上の前記有効視野領域における所定の物点から発せられてXZ平面に平行に進む光線をスキュー光線と定義するとき、
前記有効視野領域における所定の物点からの主光線であって前記第1偏向平面鏡に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって前記第1偏向平面鏡に入射するスキュー光線との入射角度の差、および前記有効視野領域における所定の物点からの主光線であって前記第2偏向平面鏡に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって前記第2偏向平面鏡に入射するスキュー光線との入射角度の差はともに7度以下であることを特徴とする投影光学系を提供する。
本発明の第2形態では、前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、前記マスク上のパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板に投影するための第1形態の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置を提供する。
本発明の第3形態では、前記第1面に設定されたマスクを照明する照明工程と、第1形態の投影光学系を介して前記マスク上のパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法を提供する。
本発明の投影光学系では、反射屈折型で液浸系の構成を採用しているので、色収差や像面湾曲などを良好に補正しつつ光学系の小型化を図るとともに、大きな像側開口数を確保することができる。また、本発明では、物体面(露光装置の場合にはマスク面)上の有効視野領域の同じ物点から発して各偏向平面鏡に入射する主光線と任意のスキュー光線との入射角度の差を所定角度以下に抑えているので、各偏向平面鏡における偏光方向による位相ずれが、ひいては投影光学系の光路中における光の偏光状態の変化が小さく抑えられる。その結果、ほぼ直線偏光の入射光に基づいて、有効視野領域の縮小像を高コントラストで形成することができる。
すなわち、本発明では、像面との間の光路中に液体を介在させて大きな実効的な像側開口数を確保しつつ、ほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化が良好に抑えられた反射屈折型の投影光学系を実現することができる。したがって、本発明の露光装置および露光方法では、比較的大きな像側開口数を有し且つほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化が良好に抑えられた投影光学系を用いて、微細なパターンを高コントラストで且つ高精度に投影露光することができ、ひいては高精度で良好なマイクロデバイスを製造することができる。
本発明の実施形態を、添付図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。図1を参照すると、本実施形態の露光装置は、露光光(照明光)を供給するための光源1を備えている。
光源1として、たとえば248nmの波長の光を供給するKrFエキシマレーザ光源や193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源などを用いることができる。光源1からZ方向に沿って射出されたほぼ平行な光束は、X方向に沿って細長く延びた矩形状の断面を有し、一対のレンズ2aおよび2bからなるビームエキスパンダー2に入射する。各レンズ2aおよび2bは、図1の紙面内(YZ平面内)において負の屈折力および正の屈折力をそれぞれ有する。したがって、ビームエキスパンダー2に入射した光束は、図1の紙面内において拡大され、所定の矩形状の断面を有する光束に整形される。
整形光学系としてのビームエキスパンダー2を介したほぼ平行な光束は、折り曲げミラー3でY方向に偏向された後、1/4波長板4a、1/2波長板4b、デポラライザ(非偏光化素子)4c、および輪帯照明用の回折光学素子5を介して、アフォーカルレンズ6に入射する。ここで、1/4波長板4a、1/2波長板4b、およびデポラライザ4cは、後述するように、偏光状態切換部4を構成している。アフォーカルレンズ6は、前側レンズ群6aの前側焦点位置と回折光学素子5の位置とがほぼ一致し且つ後側レンズ群6bの後側焦点位置と図中破線で示す所定面7の位置とがほぼ一致するように設定されたアフォーカル系(無焦点光学系)である。
一般に、回折光学素子は、基板に露光光(照明光)の波長程度のピッチを有する段差を形成することによって構成され、入射ビームを所望の角度に回折する作用を有する。具体的には、輪帯照明用の回折光学素子5は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールド(またはフラウンホーファー回折領域)に輪帯状の光強度分布を形成する機能を有する。
したがって、光束変換素子としての回折光学素子5に入射したほぼ平行光束は、アフォーカルレンズ6の瞳面に輪帯状の光強度分布を形成した後、輪帯状の角度分布でアフォーカルレンズ6から射出される。なお、アフォーカルレンズ6の前側レンズ群6aと後側レンズ群6bとの間の光路中においてその瞳面またはその近傍には、円錐アキシコン系8が配置されているが、その詳細な構成および作用については後述する。以下、説明を簡単にするために、円錐アキシコン系8の作用を無視して、基本的な構成および作用を説明する。
アフォーカルレンズ6を介した光束は、σ値可変用のズームレンズ9および偏光変換素子10を介して、オプティカルインテグレータとしてのマイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)11に入射する。偏光変換素子10の構成および作用については後述する。マイクロフライアイレンズ11は、縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子である。一般に、マイクロフライアイレンズは、たとえば平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成される。
ここで、マイクロフライアイレンズを構成する各微小レンズは、フライアイレンズを構成する各レンズエレメントよりも微小である。また、マイクロフライアイレンズは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、正屈折力を有するレンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
所定面7の位置はズームレンズ9の前側焦点位置の近傍に配置され、マイクロフライアイレンズ11の入射面はズームレンズ9の後側焦点位置の近傍に配置されている。換言すると、ズームレンズ9は、所定面7とマイクロフライアイレンズ11の入射面とを実質的にフーリエ変換の関係に配置し、ひいてはアフォーカルレンズ6の瞳面とマイクロフライアイレンズ11の入射面とを光学的にほぼ共役に配置している。
したがって、マイクロフライアイレンズ11の入射面上には、アフォーカルレンズ6の瞳面と同様に、たとえば光軸AXを中心とした輪帯状の照野が形成される。この輪帯状の照野の全体形状は、ズームレンズ9の焦点距離に依存して相似的に変化する。マイクロフライアイレンズ11を構成する各微小レンズは、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状の断面を有する。
マイクロフライアイレンズ11に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍(ひいては照明瞳)には、入射光束によって形成される照野とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源、すなわち光軸AXを中心とした輪帯状の実質的な面光源からなる二次光源(後述の図6(b)を参照)が形成される。マイクロフライアイレンズ11の後側焦点面またはその近傍に形成された二次光源からの光束は、ビームスプリッター12aおよびコンデンサー光学系13を介した後、マスクブラインド14を重畳的に照明する。なお、ビームスプリッター12aを内蔵する偏光モニター12の構成および作用については後述する。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド14には、マイクロフライアイレンズ11を構成する各微小レンズの形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。マスクブラインド14の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系15の集光作用を受けた後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系15は、マスクブラインド14の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
マスクMは、マスクステージMS上においてXY平面に平行に保持されている。マスクMには転写すべきパターンが形成されており、パターン領域全体のうちX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状(スリット状)のパターン領域(有効視野領域)が照明される。マスクステージMSは、図示を省略した駆動系の作用により、マスク面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はマスク移動鏡を用いた干渉計(不図示)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
マスクM上の有効視野領域に形成されたパターンからの光は、反射屈折型の投影光学系PLを介して、感光性基板であるウェハW上にパターン像(有効視野領域の縮小像)を形成する。ウェハWは、ウェハステージWS上においてXY平面に平行に保持されている。そして、マスクM上での矩形状の照明領域(有効視野領域)に光学的に対応するように、ウェハW上ではX方向に沿って長辺を有し且つY方向に沿って短辺を有する矩形状の静止露光領域(投影光学系PLの有効結像領域)にパターン像が形成される。ウェハステージWSは、図示を省略した駆動系の作用によりウェハ面(すなわちXY平面)に沿って二次元的に移動可能であり、その位置座標はウェハ移動鏡を用いた干渉計(不図示)によって計測され且つ位置制御されるように構成されている。
図2は、本実施形態における反射屈折型の投影光学系の構成を概略的に示す図である。図2を参照すると、本実施形態の投影光学系PLは、マスクM上のパターンの中間像を形成するための反射屈折型の第1結像光学系G1を備えている。第1結像光学系G1は、凹面反射鏡CMと複数のレンズと第1偏向平面鏡M11とを有し、マスクMからの光束に基づいて中間像を形成する。第1結像光学系G1が形成する中間像の形成位置の近傍には、第2偏向平面鏡M12が配置されている。
第2偏向平面鏡M12は、中間像へ向かう光束または中間像からの光束を屈折型の第2結像光学系G2に向かって偏向する。第2結像光学系G2は、中間像からの光束に基づいて、マスクMのパターンの最終像(縮小像)をウェハW上に形成する。第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12はともに平面状の反射面を有し、2つの反射面を有する1つの光学部材(1つの光路折り曲げ鏡)として一体的に構成されている。
さらに具体的に、第1結像光学系G1では、マスクMと第1偏向平面鏡M11との間の光路中および第1偏向平面鏡M11と凹面反射鏡CMとの間の光路中にレンズ群G11およびG12がそれぞれ配置されている。また、第2結像光学系G2は、第2偏向平面鏡M12とウェハWとの間の光路中に配置され、第2偏向平面鏡M12側から順に、正の屈折力を有するレンズ群G21と、開口絞りASと、正の屈折力を有するレンズ群G22とにより構成されている。そして、レンズ群G22中の最もウェハW側のレンズ(屈折力を有する光学部材)が境界レンズLbを構成している。
図3は、本実施形態の投影光学系における境界レンズとウェハとの間の構成を概略的に示す図である。本実施形態では、図3(a)に示すように、正の屈折力を有する境界レンズLbとウェハWとの間の光路が、たとえば純水のような液体(媒質)Lmで満たされている。換言すれば、投影光学系PL中の屈折力を有する光学部材のうち最も像側(ウェハW側)に位置する光学部材である境界レンズLbとウェハWとの間の光路は、所定の液体Lmで満たされている。
ただし、図3(b)に示す変形例のように、境界レンズLbとウェハWとの間の光路中に平行平面板Lpを挿脱自在に配置し、境界レンズLbと平行平面板Lpとの間の光路および平行平面板LpとウェハWとの間の光路を例えば純水のような液体Lmで満たす構成も可能である。この場合、液体LmがウェハWに塗布されたフォトレジスト等による汚染を受けても、境界レンズLbとウェハWとの間に交換可能に介在する平行平面板(一般にはほぼ無屈折力の光学部材)Lpの作用により、汚染された液体Lmによる境界レンズLbの像側光学面の汚染を有効に防ぐことができる。
上述したように、マスクM上の静止照明領域(有効視野領域)およびウェハW上の静止露光領域(すなわち有効結像領域)は、X方向に細長く延びる矩形形状である。したがって、駆動系および干渉計などを用いてマスクMおよびウェハWの位置制御を行いながら、Y方向に沿ってマスクステージMSとウェハステージWSとを、ひいてはマスクMとウェハWとを同期的に移動(走査)させることにより、ウェハW上には静止露光領域のX方向寸法に等しい幅を有し且つウェハWの走査量(移動量)に応じた長さを有するショット領域(露光領域)に対してマスクパターンが走査露光される。
なお、投影光学系PLに対してウェハWを相対移動させつつ走査露光を行うステップ・アンド・スキャン方式の露光装置において、走査露光の開始から終了まで投影光学系PLの境界レンズLbとウェハWとの間の光路中に液体Lmを満たし続けるには、たとえば国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術や、特開平10−303114号公報に開示された技術などを用いることができる。
国際公開番号WO99/49504号公報に開示された技術では、液体供給装置から供給管および排出ノズルを介して所定の温度に調整された液体を境界レンズLbとウェハWとの間の光路を満たすように供給し、液体供給装置により回収管および流入ノズルを介してウェハW上から液体を回収する。一方、特開平10−303114号公報に開示された技術では、液体を収容することができるようにウェハホルダテーブルを容器状に構成し、その内底部の中央において(液体中において)ウェハWを真空吸着により位置決め保持する。また、投影光学系PLの鏡筒先端部が液体中に達し、ひいては境界レンズLbのウェハ側の光学面が液体中に達するように構成する。
なお、輪帯照明用の回折光学素子5に代えて、4極照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、4極照明を行うことができる。4極照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、そのファーフィールドに4極状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、4極照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ11の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした4つの円形状の照野からなる4極状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ11の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ4極状の二次光源(後述の図6(a)を参照)が形成される。
また、輪帯照明用の回折光学素子5に代えて、円形照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、通常の円形照明を行うことができる。円形照明用の回折光学素子は、矩形状の断面を有する平行光束が入射した場合に、ファーフィールドに円形状の光強度分布を形成する機能を有する。したがって、円形照明用の回折光学素子を介した光束は、マイクロフライアイレンズ11の入射面に、たとえば光軸AXを中心とした円形状の照野を形成する。その結果、マイクロフライアイレンズ11の後側焦点面またはその近傍にも、その入射面に形成された照野と同じ円形状の二次光源が形成される。
さらに、輪帯照明用の回折光学素子5に代えて、他の複数極照明用の回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、様々な複数極照明(2極照明、8極照明など)を行うことができる。同様に、輪帯照明用の回折光学素子5に代えて、適当な特性を有する回折光学素子(不図示)を照明光路中に設定することによって、様々な形態の変形照明を行うことができる。
一方、偏光状態切換部4において、1/4波長板4aは、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成されて、入射する楕円偏光の光を直線偏光の光に変換する。また、1/2波長板4bは、光軸AXを中心として結晶光学軸が回転自在に構成されて、入射する直線偏光の偏光面を変化させる。また、デポラライザ4cは、相補的な形状を有する楔形状の水晶プリズムと楔形状の石英プリズムとにより構成されている。水晶プリズムと石英プリズムとは、一体的なプリズム組立体として、照明光路に対して挿脱自在に構成されている。
光源1としてKrFエキシマレーザ光源やArFエキシマレーザ光源を用いる場合、これらの光源から射出される光は典型的には95%以上の偏光度を有し、1/4波長板4aにはほぼ直線偏光の光が入射する。しかしながら、光源1と偏光状態切換部4との間の光路中に裏面反射鏡としての直角プリズムが介在する場合、入射する直線偏光の偏光面がP偏光面またはS偏光面に一致していないと、直角プリズムでの全反射により直線偏光が楕円偏光に変わる。
偏光状態切換部4では、たとえば直角プリズムでの全反射に起因して楕円偏光の光が入射しても、1/4波長板4aの作用により変換された直線偏光の光が1/2波長板4bに入射する。1/2波長板4bの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、1/2波長板4bに入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。
また、1/2波長板4bの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、1/2波長板4bに入射した直線偏光の光は偏光面が90度だけ変化した直線偏光の光に変換される。さらに、デポラライザ4cの水晶プリズムの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定された場合、水晶プリズムに入射した直線偏光の光は非偏光状態の光に変換(非偏光化)される。
偏光状態切換部4では、デポラライザ4cが照明光路中に位置決めされたときに水晶プリズムの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように構成されている。ちなみに、水晶プリズムの結晶光学軸が入射する直線偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定された場合、水晶プリズムに入射した直線偏光の光は偏光面が変化することなくそのまま通過する。
偏光状態切換部4では、上述したように、直線偏光の光が1/2波長板4bに入射するが、以下の説明を簡単にするために、図1においてZ方向に偏光方向(電場の方向)を有する直線偏光(以下、「Z方向偏光」と称する)の光が1/2波長板4bに入射するものとする。デポラライザ4cを照明光路中に位置決めした場合、1/2波長板4bの結晶光学軸を入射するZ方向偏光の偏光面(偏光方向)に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、1/2波長板4bに入射したZ方向偏光の光は偏光面が変化することなくZ方向偏光のまま通過してデポラライザ4cの水晶プリズムに入射する。水晶プリズムの結晶光学軸は入射するZ方向偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定されているので、水晶プリズムに入射したZ方向偏光の光は非偏光状態の光に変換される。
水晶プリズムを介して非偏光化された光は、光の進行方向を補償するためのコンペンセータとしての石英プリズムを介して、非偏光状態で回折光学素子5に入射する。一方、1/2波長板4bの結晶光学軸を入射するZ方向偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、1/2波長板4bに入射したZ方向偏光の光は偏光面が90度だけ変化し、図1においてX方向に偏光方向(電場の方向)を有する直線偏光(以下、「X方向偏光」と称する)の光になってデポラライザ4cの水晶プリズムに入射する。水晶プリズムの結晶光学軸は入射するX方向偏光の偏光面に対しても45度の角度をなすように設定されているので、水晶プリズムに入射したX方向偏光の光は非偏光状態の光に変換され、石英プリズムを介して、非偏光状態で回折光学素子5に入射する。
これに対し、デポラライザ4cを照明光路から退避させた場合、1/2波長板4bの結晶光学軸を入射するZ方向偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定すると、1/2波長板4bに入射したZ方向偏光の光は偏光面が変化することなくZ方向偏光のまま通過し、Z方向偏光状態で回折光学素子5に入射する。一方、1/2波長板4bの結晶光学軸を入射するZ方向偏光の偏光面に対して45度の角度をなすように設定すると、1/2波長板4bに入射したZ方向偏光の光は偏光面が90度だけ変化してX方向偏光の光になり、X方向偏光状態で回折光学素子5に入射する。
以上のように、偏光状態切換部4では、デポラライザ4cを照明光路中に挿入して位置決めすることにより、非偏光状態の光を回折光学素子5に入射させることができる。また、デポラライザ4cを照明光路から退避させ且つ1/2波長板4bの結晶光学軸を入射するZ方向偏光の偏光面に対して0度または90度の角度をなすように設定することにより、Z方向偏光状態の光を回折光学素子5に入射させることができる。さらに、デポラライザ4cを照明光路から退避させ且つ1/2波長板4bの結晶光学軸を入射するZ方向偏光の偏光面に対して45度をなすように設定することにより、X方向偏光状態の光を回折光学素子5に入射させることができる。
換言すれば、偏光状態切換部4では、1/4波長板4aと1/2波長板4bとデポラライザ4cとからなる偏光状態切換部の作用により、回折光学素子5への入射光の偏光状態(ひいてはマスクMおよびウェハWを照明する光の偏光状態)を直線偏光状態と非偏光状態との間で切り換えることができ、直線偏光状態の場合には互いに直交する偏光状態間(Z方向偏光とX方向偏光との間)で切り換えることができる。
さらに、偏光状態切換部4では、1/2波長板4bおよびデポラライザ4cをともに照明光路から退避させ、且つ1/4波長板4aの結晶光学軸を入射する楕円偏光に対して所定の角度をなすように設定することにより、円偏光状態の光を回折光学素子5に入射させることができる。また、一般的には、1/2波長板4bの作用により、回折光学素子5への入射光の偏光状態を、任意方向に偏光方向を有する直線偏光状態に設定することもできる。
次に、円錐アキシコン系8は、光源側から順に、光源側に平面を向け且つマスク側に凹円錐状の屈折面を向けた第1プリズム部材8aと、マスク側に平面を向け且つ光源側に凸円錐状の屈折面を向けた第2プリズム部材8bとから構成されている。そして、第1プリズム部材8aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材8bの凸円錐状の屈折面とは、互いに当接可能なように相補的に形成されている。また、第1プリズム部材8aおよび第2プリズム部材8bのうち少なくとも一方の部材が光軸AXに沿って移動可能に構成され、第1プリズム部材8aの凹円錐状の屈折面と第2プリズム部材8bの凸円錐状の屈折面との間隔が可変に構成されている。以下、輪帯状または4極状の二次光源に着目して、円錐アキシコン系8の作用およびズームレンズ9の作用を説明する。
ここで、第1プリズム部材8aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材8bの凸円錐状屈折面とが互いに当接している状態では、円錐アキシコン系8は平行平面板として機能し、形成される輪帯状または4極状の二次光源に及ぼす影響はない。しかしながら、第1プリズム部材8aの凹円錐状屈折面と第2プリズム部材8bの凸円錐状屈折面とを離間させると、輪帯状または4極状の二次光源の幅(輪帯状の二次光源の外径と内径との差の1/2;4極状の二次光源に外接する円の直径(外径)と内接する円の直径(内径)との差の1/2)を一定に保ちつつ、輪帯状または4極状の二次光源の外径(内径)が変化する。すなわち、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比(内径/外径)および大きさ(外径)が変化する。
ズームレンズ9は、輪帯状または4極状の二次光源の全体形状を相似的に拡大または縮小する機能を有する。たとえば、ズームレンズ9の焦点距離を最小値から所定の値へ拡大させることにより、輪帯状または4極状の二次光源の全体形状が相似的に拡大される。換言すると、ズームレンズ9の作用により、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比が変化することなく、その幅および大きさ(外径)がともに変化する。このように、円錐アキシコン系8およびズームレンズ9の作用により、輪帯状または4極状の二次光源の輪帯比と大きさ(外径)とを制御することができる。
また、偏光モニター12は、マイクロフライアイレンズ11とコンデンサー光学系13との間の光路中に配置された第1ビームスプリッター12aを備えており、この第1ビームスプリッター12aへの入射光の偏光状態を検知する機能を有する。そして、制御部(不図示)が偏光モニター12の検知結果に基づいてマスクM(ひいてはウェハW)への照明光が所望の偏光状態または非偏光状態になっていないことを確認した場合、偏光状態切換部4を構成する1/4波長板4a、1/2波長板4bおよびデポラライザ4cを駆動調整し、マスクMへの照明光の状態を所望の偏光状態または非偏光状態に調整することができる。
図4は、図1の偏光変換素子の構成を概略的に示す図である。また、図5は、水晶の旋光性について説明する図である。また、図6は、偏光変換素子の作用により周方向偏光状態に設定された二次光源を概略的に示す図である。本実施形態にかかる偏光変換素子10は、マイクロフライアイレンズ11の直前に、すなわち照明光学装置(1〜15)の瞳またはその近傍に配置されている。したがって、4極照明の場合、偏光変換素子10には光軸AXを中心とした4つのほぼ円形状の断面を有する光束が入射することになる。また、輪帯照明の場合、偏光変換素子10には光軸AXを中心としたほぼ輪帯状の断面を有する光束が入射することになる。
図2を参照すると、偏光変換素子10は、全体として光軸AXを中心とした輪帯状の有効領域を有し、この輪帯状の有効領域は光軸AXを中心とした円周方向に等分割された4つの扇形形状の基本素子により構成されている。これらの4つの基本素子において、光軸AXを挟んで対向する一対の基本素子は互いに同じ特性を有する。すなわち、4つの基本素子は、光の透過方向(Y方向)に沿った厚さ(光軸方向の長さ)が互いに異なる2種類の基本素子10Aおよび10Bを2個づつ含んでいる。
具体的には、第1基本素子10Aの厚さは、第2基本素子10Bの厚さよりも大きく設定されている。その結果、偏光変換素子10の一方の面(たとえば入射面)は平面状であるが、他方の面(たとえば射出面)は各基本素子10Aと10Bと厚さの違いにより凹凸状になっている。なお、偏光変換素子10の双方の面(入射面および射出面)をともに凹凸状に形成することもできる。
また、本実施形態では、各基本素子10Aおよび10Bが旋光性を有する光学材料である水晶により構成され、各基本素子10Aおよび10Bの結晶光学軸が光軸AXとほぼ一致するように設定されている。以下、図5を参照して、水晶の旋光性について簡単に説明する。図5を参照すると、厚さdの水晶からなる平行平面板状の光学部材100が、その結晶光学軸と光軸AXとが一致するように配置されている。この場合、光学部材100の旋光性により、入射した直線偏光の偏光方向が光軸AX廻りにθだけ回転した状態で射出される。
このとき、光学部材100の旋光性による偏光方向の回転角(旋光角度)θは、光学部材100の厚さdと水晶の旋光能ρとにより、次の式(1)で表わされる。
θ=d・ρ (1)
一般に、水晶の旋光能ρは、波長依存性(使用光の波長に依存して旋光能の値が異なる性質:旋光分散)があり、具体的には使用光の波長が短くなると大きくなる傾向がある。「応用光学II」の第167頁の記述によれば、250.3nmの波長を有する光に対する水晶の旋光能ρは、153.9度/mmである。
本実施形態において、第1基本素子10Aは、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光が入射した場合、Z方向をY軸廻りに+180度回転させた方向すなわちZ方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さdAが設定されている。したがって、この場合、図6(a)に示す4極状の二次光源31のうち、一対の第1基本素子10Aの旋光作用を受けた光束が形成する一対の円形状領域(光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた一対の円形状領域)31Aを通過する光束の偏光方向はZ方向になる。一方、図6(b)に示す輪帯状の二次光源32のうち、一対の第1基本素子10Aの旋光作用を受けた光束が形成する一対の円弧状領域32Aを通過する光束の偏光方向はZ方向になる。
第2基本素子10Bは、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光が入射した場合、Z方向をY軸廻りに+90度回転させた方向すなわちX方向に偏光方向を有する直線偏光の光を射出するように厚さdBが設定されている。したがって、この場合、図6(a)に示す4極状の二次光源31のうち、一対の第2基本素子10Bの旋光作用を受けた光束が形成する一対の円形状領域(光軸AXを挟んでZ方向に間隔を隔てた一対の円形状領域)31Bを通過する光束の偏光方向はX方向になる。一方、図6(b)に示す輪帯状の二次光源32のうち、一対の第2基本素子10Bの旋光作用を受けた光束が形成する一対の円弧状領域32Bを通過する光束の偏光方向はX方向になる。
なお、別々に形成された4つの基本素子を組み合わせて偏光変換素子10を得ることもできるし、あるいは平行平面板状の水晶基板に所要の凹凸形状(段差)を形成することにより偏光変換素子10を得ることもできる。また、偏光変換素子10を光路から退避させることなく通常の円形照明を行うことができるように、偏光変換素子10の有効領域の径方向の大きさの1/3以上の大きさを有し且つ旋光性を有しない円形状の中央領域10Cが設けられている。ここで、中央領域10Cは、たとえば石英のように旋光性を有しない光学材料により形成されていてもよいし、単純に円形状の開口であってもよい。ただし、中央領域10Cは偏光変換素子10に必須の要素ではない。
本実施形態では、周方向偏光4極照明(4極状の二次光源を通過する光束が周方向偏光状態に設定された変形照明)に際して、偏光状態切換部4のデポラライザ4cを照明光路から退避させ、且つ1/2波長板4bの結晶光学軸の光軸廻りの角度位置を調整して4極照明用の回折光学素子にZ方向偏光を入射させることによって、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光を偏光変換素子10に入射させる。その結果、マイクロフライアイレンズ11の後側焦点面またはその近傍には、図6(a)に示すように、4極状の二次光源(4極状の照明瞳分布)31が形成され、この4極状の二次光源31を通過する光束が周方向偏光状態に設定される。
4極照明の周方向偏光状態では、4極状の二次光源31を構成する4つの円形状領域(31A,31B)をそれぞれ通過する光束は、各円形状領域(31A,31B)の円周方向に沿った中心位置における光軸AXを中心とする円の接線方向とほぼ一致する偏光方向を有する直線偏光状態になる。具体的には、光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた一対の円形状領域31Aを通過する光束はZ方向に振動する直線偏光状態になり、光軸AXを挟んでZ方向に間隔を隔てた一対の円形状領域31Bを通過する光束はX方向に振動する直線偏光状態になる。
一方、周方向偏光輪帯照明(輪帯状の二次光源を通過する光束が周方向偏光状態に設定された変形照明)に際して、偏光状態切換部4のデポラライザ4cを照明光路から退避させ、且つ1/2波長板4bの結晶光学軸の光軸廻りの角度位置を調整して輪帯照明用の回折光学素子5にZ方向偏光を入射させることによって、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光を偏光変換素子10に入射させる。その結果、マイクロフライアイレンズ11の後側焦点面またはその近傍には、図6(b)に示すように、輪帯状の二次光源(輪帯状の照明瞳分布)32が形成され、この輪帯状の二次光源32を通過する光束が周方向偏光状態に設定される。
輪帯照明の周方向偏光状態では、輪帯状の二次光源32を構成する4つの円弧状領域(32A,32B)をそれぞれ通過する光束は、各円弧状領域(32A,32B)の円周方向に沿った中心位置における光軸AXを中心とする円の接線方向とほぼ一致する偏光方向を有する直線偏光状態になる。具体的には、光軸AXを挟んでX方向に間隔を隔てた一対の円弧状領域32Aを通過する光束はZ方向に振動する直線偏光状態になり、光軸AXを挟んでZ方向に間隔を隔てた一対の円弧状領域32Bを通過する光束はX方向に振動する直線偏光状態になる。
こうして、周方向偏光状態の4極状の照明瞳分布に基づく周方向偏光4極照明や、周方向偏光状態の輪帯状の照明瞳分布に基づく周方向偏光輪帯照明では、最終的な被照射面としてのウェハWに照射される光がS偏光を主成分とする偏光状態になる。ここで、S偏光とは、入射面に対して垂直な方向に偏光方向を有する直線偏光(入射面に垂直な方向に電気ベクトルが振動している偏光)のことである。ただし、入射面とは、光が媒質の境界面(被照射面:ウェハWの表面)に達したときに、その点での境界面の法線と光の入射方向とを含む面として定義される。その結果、周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明では、投影光学系の光学性能(焦点深度など)の向上を図ることができ、ウェハ(感光性基板)上において高いコントラストのマスクパターン像を得ることができる。
一般に、4極照明や輪帯照明に限定されることなく、たとえば周方向偏光状態の複数極状の照明瞳分布に基づく照明においても、ウェハWに入射する光がS偏光を主成分とする偏光状態になり、ウェハW上において高いコントラストのマスクパターン像を得ることができる。このときには、4極照明用の回折光学素子や輪帯照明用の回折光学素子5に代えて、4極以外の複数極照明(2極照明、8極照明など)用の回折光学素子を照明光路に設定し、デポラライザ4cを照明光路から退避させ、且つ1/2波長板4bの結晶光学軸の光軸廻りの角度位置を調整して複数極照明用の回折光学素子にZ方向偏光を入射させることによって、Z方向に偏光方向を有する直線偏光の光を偏光変換素子10に入射させる。
以上のように、本実施形態では、たとえば周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明を行うことにより、投影光学系PLの光学性能(焦点深度など)の向上を図ることができ、ウェハW上において高いコントラストのマスクパターン像を得ることができる。しかしながら、たとえば偏光状態切換部4および偏光変換素子10の作用により所望の直線偏光状態の光でマスクMを照明しても、投影光学系PLの光路中に光の偏光状態を変化させる光学素子が介在すると、ウェハW上において所望の直線偏光状態で結像しなくなり、ひいては結像性能が悪化する可能性がある。以下、この点について具体的に説明する。
上述したように、たとえば周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明を行う場合、マスクM上の矩形状の有効視野領域がほぼ直線偏光の光によって照明され、マスクM上の有効視野領域の縮小像が反射屈折型で液浸系の投影光学系PLを介してウェハW上に形成される。ここで、「ほぼ直線偏光」の光は、たとえばストークスパラメータのS0成分に対するS1成分の比S1/S0が0.8以上の光、S0成分に対するS2成分の比S2/S0が0.8以上の光として定義される。
また、図2を参照すると、マスクMのパターン面の法線方向に沿ってZ軸が、第1偏向平面鏡M11の入射光軸AX1と射出光軸AX2とが張る平面(図2の紙面)に垂直な方向に沿ってX軸が、Z軸およびX軸と直交する方向に沿ってY軸がそれぞれ設定されている。そして、開口絞りASの中心を通る光線は主光線と定義され、マスクM上の有効視野領域における所定の物点から発せられてXZ平面に平行に進む光線はスキュー光線と定義され、マスクM上の有効視野領域における所定の物点から発せられてYZ平面に平行に進む光線はメリジオナル光線と定義される。
ここで、図2に示すように2つの偏向平面鏡M11およびM12を含む反射屈折型の投影光学系PLを用いる露光装置では、マスクM上のパターン領域には、第1偏向平面鏡M11の反射面と第2偏向平面鏡M12の反射面との交線(一般的には第1偏向平面鏡M11の反射面を仮想的に延長した面と第2偏向平面鏡M12の反射面を仮想的に延長した面との交線)に平行な方向(X方向)に細長く延びるパターンすなわちX方向パターンと、上記交線に垂直な方向(Y方向)に細長く延びるパターンすなわちY方向パターンとが混在しているのが一般的である。
一方、周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明を行う場合、照明瞳面(マイクロフライアイレンズ11の後側焦点面またはその近傍)においてX軸方向(マスクM上ではX軸方向に対応)に振動する直線偏光状態の光(領域31Bや32Bからの光)および照明瞳面においてZ軸方向(マスクM上ではY軸方向に対応)に振動する直線偏光状態の光(領域31Aや32Aからの光)により、マスクMが照明される。すなわち、マスクMは、周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明に際して、X軸方向に振動する直線偏光成分とY軸方向に振動する直線偏光成分とを含む照明光で照明される。
こうして、X方向パターンに入射する照明光のうちのX軸方向に振動する直線偏光の光は、投影光学系PLの光路中において光の偏光状態が実質的に変化しない限りウェハWに対してS偏光状態で入射して、ウェハW上において高いコントラストのマスクパターン像を形成する。実際に、X方向パターンから発するすべての主光線およびメリジオナル光線は、第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12に対してS偏光状態で入射する。その結果、第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12において偏光方向による位相ずれが実質的に発生しないので、投影光学系PLの光路中において光の偏光状態が実質的に変化することなく、ひいては結像性能が悪化することなく、ウェハW上において高いコントラストのX方向パターン像が形成される。
一方、Y方向パターンに入射する照明光のうちのY軸方向に振動する直線偏光の光は、投影光学系PLの光路中において光の偏光状態が実質的に変化しない限りウェハWに対してS偏光状態で入射して、ウェハW上において高いコントラストのマスクパターン像を形成する。しかしながら、実際には、Y方向パターンから発するすべての主光線は第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12に対してP偏光状態で入射するが、Y方向パターンから発するスキュー光線は第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12に対してP偏光からずれた偏光状態で入射する。その結果、Y方向パターンに関しては、第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12において偏光方向による位相ずれが発生するため、投影光学系PLの光路中において光の偏光状態が実質的に変化することになり、ひいては結像性能の悪化によりウェハW上において高いコントラストのY方向パターン像が形成されない。
そこで、本実施形態では、Y方向パターンの同じ物点から発して第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12に入射する主光線と任意のスキュー光線との入射角度の差を所定角度以下に抑えることにより、スキュー光線が第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12に入射する際のS偏光成分を小さく抑えている。その結果、Y方向パターンに関して第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12において発生する偏光方向による位相ずれが小さく抑えられ、ひいては投影光学系PLの光路中において光の偏光状態の変化が小さく抑えられる。
具体的に、本実施形態では、マスクM上の有効視野領域における所定の物点からの主光線であって第1偏向平面鏡M11に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって第1偏向平面鏡M11に入射するスキュー光線との入射角度の差を7度以下に抑えている。さらに、マスクM上の有効視野領域における所定の物点からの主光線であって第2偏向平面鏡M12に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって第2偏向平面鏡M12に入射するスキュー光線との入射角度の差を7度以下に抑えている。
こうして、本実施形態では、Y方向パターンからのスキュー光線が第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12に入射する際のS偏光成分が小さく抑えられるので、第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12において発生する偏光方向による位相ずれが小さく抑えられる。その結果、投影光学系PLの光路中において光の偏光状態の変化が小さく抑えられることになり、ウェハW上においてY方向パターン像もX方向パターン像と同様に高いコントラストで形成される。
以上のように、本実施形態の投影光学系PLでは、反射屈折型で液浸系の構成を採用しているので、色収差や像面湾曲などを良好に補正しつつ光学系の小型化を図るとともに、たとえば1.25よりも大きな像側開口数を確保することができる。また、本実施形態では、Y方向パターンの同じ物点から発して各偏向平面鏡M11およびM12に入射する主光線と任意のスキュー光線との入射角度の差を7度以下に抑えているので、各偏向平面鏡M11およびM12における偏光方向による位相ずれが、ひいては投影光学系PLの光路中における光の偏光状態の変化が小さく抑えられ、Y方向パターン像もX方向パターン像と同様に高いコントラストで形成することができる。
すなわち、本実施形態では、像面(ウェハW)との間の光路中に液体Lmを介在させて大きな実効的な像側開口数を確保しつつ、ほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化が良好に抑えられた反射屈折型の投影光学系PLを実現することができる。したがって、本実施形態の露光装置では、比較的大きな像側開口数を有し且つほぼ直線偏光で入射する光束の光路中における偏光状態の変化が良好に抑えられた投影光学系PLを用いて、微細なマスクパターンを高コントラストで且つ高精度に投影露光することができる。
なお、上述の実施形態では、第1偏向平面鏡M11に入射する主光線と対応する任意のスキュー光線との入射角度の差および第2偏向平面鏡M12に入射する主光線と対応する任意のスキュー光線との入射角度の差をともに7度以下に抑えている。しかしながら、スキュー光線が各偏向平面鏡M11およびM12に入射する際のS偏光成分をさらに小さく抑え、偏光方向による位相ずれに起因する結像性能の悪化をさらに小さく抑えるには、第1偏向平面鏡M11に入射する主光線と対応する任意のスキュー光線との入射角度の差および第2偏向平面鏡M12に入射する主光線と対応する任意のスキュー光線との入射角度の差をともに5.5度以下に抑えることが好ましい。
また、上述の実施形態では、マスクM上の有効視野領域から発せられるすべての主光線について、第1偏向平面鏡M11へ入射する光線の入射角度範囲および第2偏向平面鏡M12へ入射する光線の入射角度範囲はともに10度以下であることが好ましい。これは、第1偏向平面鏡M11や第2偏向平面鏡M12に入射する主光線と対応する任意のスキュー光線との入射角度の差を7度以下に抑えていても、第1偏向平面鏡M11や第2偏向平面鏡M12へ入射する主光線の入射角度範囲が10度よりも大きくなると、像面上の位置によって像のコントラストが変動し、良好なパターン像が得られなくなるからである。
また、上述の実施形態では、図2に示す2回結像型の反射屈折型で液浸系の投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、様々な形態を有する反射屈折型で液浸系の投影光学系、たとえば図7に示すような3回結像型の反射屈折型で液浸系の投影光学系に対しても本発明を適用することができる。図7の変形例にかかる投影光学系PLは、マスクM上のパターンの第1中間像を形成するための屈折型の第1結像光学系G1を備えている。第1結像光学系G1が形成する第1中間像の形成位置の近傍には、第1偏向平面鏡M11が配置されている。
第1偏向平面鏡M11は、第1中間像へ向かう光束または第1中間像からの光束を反射屈折型の第2結像光学系G2に向かって偏向する。第2結像光学系G2は、凹面反射鏡CMとレンズ群G21とを有し、第1中間像からの光束に基づいて第2中間像を形成する。第1結像光学系G1が形成する第2中間像の形成位置の近傍には、第2偏向平面鏡M12が配置されている。第2偏向平面鏡M12は、第2中間像へ向かう光束または第2中間像からの光束を屈折型の第3結像光学系G3に向かって偏向する。
第3結像光学系G3は、第2中間像からの光束に基づいて、マスクMのパターンの最終像(縮小像)をウェハW上に形成する。具体的に、第3結像光学系G3は、第2偏向平面鏡M12側から順に、正の屈折力を有するレンズ群G31と、開口絞りASと、正の屈折力を有するレンズ群G32とにより構成されている。そして、レンズ群G32中の最もウェハW側のレンズ(屈折力を有する光学部材)が境界レンズLbを構成している。また、第1偏向平面鏡M11および第2偏向平面鏡M12はともに平面状の反射面を有し、2つの反射面を有する1つの光学部材(1つの光路折り曲げ鏡)として一体的に構成されている。
また、上述の実施形態では、Z方向に偏光方向を有する直線偏光状態の光束を偏光変換素子10に入射させることにより、周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明を実現している。しかしながら、これに限定されることなく、X方向に偏光方向を有する直線偏光状態の光束を偏光変換素子10に入射させ、且つ偏光変換素子10を図4に示す状態から光軸AX廻りに90度だけ回転させた状態に設定することにより、周方向偏光4極照明や周方向偏光輪帯照明を実現することもできる。
また、上述の実施形態では、水晶を用いて各基本素子10Aおよび10Bを(ひいては偏光変換素子10を)形成している。しかしながら、これに限定されることなく、旋光性を有する他の適当な光学材料を用いて各基本素子を形成することもできる。この場合、使用波長の光に対して100度/mm以上の旋光能を有する光学材料を用いることが好ましい。すなわち、旋光能の小さい光学材料を用いると、偏光方向の所要回転角を得るために必要な厚さが大きくなり過ぎて、光量損失の原因になるので好ましくない。また、上述の実施形態において、偏光変換素子10を照明光路に対して固定的に設けたが、この偏光変換素子10を照明光路に対して挿脱可能に設けても良い。
上述の実施形態にかかる露光装置では、照明光学装置によってマスク(レチクル)を照明し(照明工程)、投影光学系を用いてマスクに形成された転写用のパターンを感光性基板に露光する(露光工程)ことにより、マイクロデバイス(半導体素子、撮像素子、液晶表示素子、薄膜磁気ヘッド等)を製造することができる。以下、上述の実施形態の露光装置を用いて感光性基板としてのウェハ等に所定の回路パターンを形成することによって、マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法の一例につき図8のフローチャートを参照して説明する。
先ず、図8のステップ301において、1ロットのウェハ上に金属膜が蒸着される。次のステップ302において、その1ロットのウェハ上の金属膜上にフォトレジストが塗布される。その後、ステップ303において、上述の実施形態の露光装置を用いて、マスク上のパターンの像がその投影光学系を介して、その1ロットのウェハ上の各ショット領域に順次露光転写される。その後、ステップ304において、その1ロットのウェハ上のフォトレジストの現像が行われた後、ステップ305において、その1ロットのウェハ上でレジストパターンをマスクとしてエッチングを行うことによって、マスク上のパターンに対応する回路パターンが、各ウェハ上の各ショット領域に形成される。その後、更に上のレイヤの回路パターンの形成等を行うことによって、半導体素子等のデバイスが製造される。上述の半導体デバイス製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する半導体デバイスをスループット良く得ることができる。
また、上述の実施形態の露光装置では、プレート(ガラス基板)上に所定のパターン(回路パターン、電極パターン等)を形成することによって、マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得ることもできる。以下、図9のフローチャートを参照して、このときの手法の一例につき説明する。図9において、パターン形成工程401では、上述の実施形態の露光装置を用いてマスクのパターンを感光性基板(レジストが塗布されたガラス基板等)に転写露光する、所謂光リソグラフィー工程が実行される。この光リソグラフィー工程によって、感光性基板上には多数の電極等を含む所定パターンが形成される。その後、露光された基板は、現像工程、エッチング工程、レジスト剥離工程等の各工程を経ることによって、基板上に所定のパターンが形成され、次のカラーフィルター形成工程402へ移行する。
次に、カラーフィルター形成工程402では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応した3つのドットの組がマトリックス状に多数配列されたり、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルターの組を複数水平走査線方向に配列したカラーフィルターを形成する。そして、カラーフィルター形成工程402の後に、セル組み立て工程403が実行される。セル組み立て工程403では、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板、およびカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルター等を用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。
セル組み立て工程403では、例えば、パターン形成工程401にて得られた所定パターンを有する基板とカラーフィルター形成工程402にて得られたカラーフィルターとの間に液晶を注入して、液晶パネル(液晶セル)を製造する。その後、モジュール組み立て工程404にて、組み立てられた液晶パネル(液晶セル)の表示動作を行わせる電気回路、バックライト等の各部品を取り付けて液晶表示素子として完成させる。上述の液晶表示素子の製造方法によれば、極めて微細な回路パターンを有する液晶表示素子をスループット良く得ることができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)やArFエキシマレーザ光(波長:193nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源などに対して本発明を適用することもできる。また、上述の実施形態では、露光装置に搭載される投影光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、他の一般的な投影光学系に対して本発明を適用することもできる。
本発明の実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 本実施形態における反射屈折型の投影光学系の構成を概略的に示す図である。 本実施形態の投影光学系における境界レンズとウェハとの間の構成を概略的に示す図である。 図1の偏光変換素子の構成を概略的に示す図である。 水晶の旋光性について説明する図である。 偏光変換素子の作用により周方向偏光状態に設定された二次光源を概略的に示す図である。 本実施形態の変形例にかかる反射屈折型の投影光学系の構成を概略的に示す図である。 マイクロデバイスとしての半導体デバイスを得る際の手法のフローチャートである。 マイクロデバイスとしての液晶表示素子を得る際の手法のフローチャートである。
符号の説明
1 光源
4 偏光状態切換部
4a 1/4波長板
4b 1/2波長板
4c デポラライザ
5 回折光学素子(光束変換素子)
6 アフォーカルレンズ
8 円錐アキシコン系
9 ズームレンズ
10 偏光変換素子
10A,10B 各基本素子
11 マイクロフライアイレンズ
12 偏光モニター
12a ビームスプリッター
13 コンデンサー光学系
14 マスクブラインド
15 結像光学系
M マスク
PL 投影光学系
W ウェハ

Claims (9)

  1. ほぼ直線偏光の光によって照明される第1面上の有効視野領域の縮小像を第2面上に形成する投影光学系において、
    前記第1面と前記第2面との間の光路中に配置された第1偏向平面鏡と、
    前記第1偏向平面鏡と前記第2面との間の光路中に配置されて、少なくとも1つの凹面反射鏡を含む部分光学系と、
    前記部分光学系と前記第2面との間の光路中に配置された第2偏向平面鏡と、
    前記第2偏向平面鏡と前記第2面との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    前記第1レンズ群と前記第2面との間の光路中に配置された開口絞りと、
    前記開口絞りと前記第2面との間の光路中に配置されて正の屈折力を有する第2レンズ群とを備え、
    前記投影光学系中の屈折力を有する光学部材のうち最も第2面側に位置する光学部材と前記第2面との間の光路は所定の液体で満たされ、
    前記第1面の法線方向に沿ってZ軸を、前記第1偏向平面鏡の入射光軸と射出光軸とが張る平面に垂直な方向に沿ってX軸を、前記Z軸および前記X軸と直交する方向に沿ってY軸をそれぞれ設定し、前記開口絞りの中心を通る光線を主光線と定義し、前記第1面上の前記有効視野領域における所定の物点から発せられてXZ平面に平行に進む光線をスキュー光線と定義するとき、
    前記有効視野領域における所定の物点からの主光線であって前記第1偏向平面鏡に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって前記第1偏向平面鏡に入射するスキュー光線との入射角度の差、および前記有効視野領域における所定の物点からの主光線であって前記第2偏向平面鏡に入射する主光線と、該所定の物点からの主光線に対応するスキュー光線のうちの任意のスキュー光線であって前記第2偏向平面鏡に入射するスキュー光線との入射角度の差はともに7度以下であることを特徴とする投影光学系。
  2. 前記第1面と前記第1偏向平面鏡との間の光路中に配置された第3レンズ群をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の投影光学系。
  3. 前記スキュー光線は、YZ平面とほぼ平行に振動するほぼ直線偏光の光であることを特徴とする請求項1または2に記載の投影光学系。
  4. 前記第2面側の開口数が1.25よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の投影光学系。
  5. 前記第1面上の前記有効視野領域から発せられるすべての主光線について、前記第1偏向平面鏡へ入射する光線の入射角度範囲および前記第2偏向平面鏡へ入射する光線の入射角度範囲はともに10度以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の投影光学系。
  6. 前記第1面に設定されたマスクを照明するための照明系と、前記マスク上のパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板に投影するための請求項1乃至5のいずれか1項に記載の投影光学系とを備えていることを特徴とする露光装置。
  7. 前記照明系は、前記X軸方向に振動する直線偏光成分と前記Y軸方向に振動する直線偏光成分とを実質的に含む照明光で前記マスクを照明することを特徴とする請求項6に記載の露光装置。
  8. 前記第1面に設定されたマスクを照明する照明工程と、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の投影光学系を介して前記マスク上のパターンの像を前記第2面に設定された感光性基板上に投影露光する露光工程とを含むことを特徴とする露光方法。
  9. 前記照明工程では、前記X軸方向に振動する直線偏光成分と前記Y軸方向に振動する直線偏光成分とを実質的に含む照明光で前記マスクを照明することを特徴とする請求項8に記載の露光方法。
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