JP3913122B2 - 投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般には、投影光学系に関し、特に、半導体ウェハ用の単結晶基板、液晶ディスプレイ(LCD)用のガラス基板などの被処理体を露光するのに使用される投影光学系及び露光装置に関する。本発明は、例えば、フォトリソグラフィー工程において半導体ウェハ用の単結晶基板をステップ・アンド・スキャン投影方式によって露光する露光装置用の投影光学系に好適である。但し、本発明の投影光学系の用途は露光装置に限定されず、写真製版、投影検査、映写機、プロジェクタなどの光学機器に広く適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年の電子機器の小型化及び薄型化の要請から電子機器に搭載される半導体素子の微細化への要求は益々高くなっており、かかる要求を満足するために露光解像度を高める提案が様々なされている。
【0003】
露光光源の波長を短くすることは、解像度の向上に有効な一手段であるため、近年では、露光光源は、g線(波長約436nm)、i線(波長約365nm)、Kr−Fエキシマレーザー光(波長約248nm)、Ar−Fエキシマレーザー光(波長約193nm)と進み、今後は、Fレーザー光(波長約157nm)の使用が有望視されている。
【0004】
i線までの波長域では、光学系に従来の光学素子を使用することが可能であったが、Kr−F、Ar−F各エキシマレーザー光、Fレーザー光の波長域では、透過率が低く、従来の光学ガラスを使用することは不可能である。このため、エキシマレーザーを光源とする露光装置の光学系には、短波長光の透過率が高い石英ガラス(SiO)又はフッ化カルシウム(CaF)を材料とした光学素子を使用することが一般的になっており、特に、Fレーザーを光源とする露光装置においては、フッ化カルシウムを材料とした光学素子を使用することが必須とされている。
【0005】
フッ化カルシウム単結晶は、従来から、(「ブリッジマン法」としても知られる)坩堝降下法によって製造されている。かかる方法は、化学合成された高純度原料を坩堝に入れ育成装置内で熔融した後、坩堝を徐々に引き下げ、坩堝の下部から結晶化させる。この育成過程の熱履歴によりフッ化カルシウム結晶内には応力が残留する。フッ化カルシウムは応力に対して複屈折性を示し、残留応力があると光学特性が悪化するので、結晶育成後、熱処理を施し応力を除去する。
【0006】
しかし、フッ化カルシウムは、理想的な内部応力がない結晶であっても、結晶構造に起因する複屈折、いわゆる真性複屈折(intrinsic birefringence)が無視できない量だけ発生することが知られており、例えば、複屈折の大きさとして、Ar−Fエキシマレーザーの波長193nm(以下、「ArF波長」と言う。)では3.4nm/cm、Fレーザーの波長157nm(以下、「F波長」と言う。)では12nm/cmにも達することが明らかになっている。
【0007】
フッ化カルシウムの結晶軸は図9に示す通りである。結晶軸としての[1 00]軸、[0 1 0]軸及び[0 0 1]軸は互いに入れ替えて考えることが可能であり、結晶としては立方晶系に属する。そのため真性複屈折の影響を無視すれば、光学的な特性は等方的、即ち、結晶中を光束が進む向きによって光学的な影響が変化することはないことが知られている。
【0008】
フッ化カルシウムの真性複屈折は図10と図11によって説明される。まず、図10は、結晶中の光線方向に応じた複屈折の大きさを表す。図10を参照するに、[1 1 1]軸、[1 0 0]軸、[0 1 0]軸及び[0 0 1]軸方向に進行する光束に対しては複屈折量がゼロとなる。しかし、[1 0 1]軸、[1 1 0]軸及び[0 1 1]軸方向に進行する光束に対しては複屈折量が最大となり、その大きさが、例えば、F波長では12nm/cmに達する。図11は、光線方向に応じた複屈折の進相軸分布を表すものである。そのような結晶で光学系を構成した場合、像の形成に寄与する波面が入射光の偏光方向によって変化し、近似的には2つに分かれた波面が二重の像を形成する。そのため真性複屈折によって、光学系としての結像特性が大きく劣化するという結果になる。
【0009】
上述したように、真性複屈折の影響は結晶内部の光束の進行方向によって変化するが、同時に複数の結晶を組み合わせることにより真性複屈折の影響を補正することが可能となる。第1の結晶に対して進相軸方向に偏光して入射した光束に対して、第2の結晶では遅相軸方向に入射するように結晶軸の向きを調整すれば、2つの結晶を透過した後の光束は、波面の進みと遅れがキャンセルさせることになる。フッ化カルシウムを投影露光装置の光学系に用いる場合、従来は例外なく[1 1 1]結晶軸を光学系の光軸に一致させていた。そして、[1 1 1]結晶軸を光学系の光軸に一致させた上で、結晶の光軸周りの角度を調整することによって真性複屈折の影響を補正する方法が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の方法では、結晶の光軸周りの角度を調整して真性複屈折の影響を補正するために、露光領域(以下、「スリット」と言う)内に結像性能のばらつきを生じてしまうことがある。
【0011】
例えば、図12に示すように、[1 0 0]結晶軸の射影像が実線又は点線のような配置になると、スリット1000の長手方向の左右で非対称となるために、スリット1000内の結像性能のばらつきが大きくなり、近年の半導体素子の微細化を満足する投影露光装置を実現することができない。図12は、[1 0 0]結晶軸の射影像とスリット1000との関係を示す概略平面図である。
【0012】
そこで、本発明は、真性複屈折に起因する光学系の露光領域内に生じる結像性能のばらつきを低減して所望の結像性能をもたらす投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法を提供することを例示的目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の側面としての投影光学系は、チクル(マスク)のパターンを被処理体の露光領域上に投影する投影光学系であって、等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 1 1]軸の方向前記投影光学系の光軸方向に一致する複数の光学素子を備え前記複数の光学素子の各々は、互いに60°回転されて配置され、前記複数の光学素子は、前記等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 0 0]軸を前記光軸に垂直な面に射影したときの像の方向が前記露光領域の走査方向と一致する光学素子を有することを特徴とする。
【0015】
本発明のの側面としての投影光学系は、チクル(マスク)のパターンを被露光体の露光領域上に投影する投影光学系であって、等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 0 0]軸の方向前記投影光学系の光軸に一致する複数の光学素子を備え前記複数の光学素子の各々は、互いに45°回転されて配置され、
前記複数の光学素子は、前記等軸晶系結晶の結晶方位に関する他の[1 0 0]軸を前記光軸に垂直な面に射影したときの像の方向が前記露光領域の走査方向と一致するか又は該走査方向に対して45°の方向と一致する光学素子を有することを特徴とする。
【0019】
本発明の更に別の側面としての露光装置は、チクル(マスク)を照明する照明光学系と、前記チクルのパターンを被処理体上に投影する上述の投影光学系と、前記チクルと前記被処理体とを走査する走査手段とを有することを特徴とする
【0020】
本発明の更に別の側面としてのデバイス製造方法は、上述の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有する。上述の露光装置の作用と同様の作用を奏するデバイス製造方法の請求項は、中間及び最終結果物であるデバイス自体にもその効力が及ぶ。また、かかるデバイスは、例えば、LSIやVLSIなどの半導体チップ、CCD、LCD、磁気センサー、薄膜磁気ヘッドなどを含む。
【0021】
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の一側面としての投影光学系100及び露光装置200について説明する。但し、本発明は、これらの実施例に限定するものではなく、本発明の目的が達成される範囲において、各構成要素が代替的に置換されてもよい。例えば、本発明の投影光学系100及び露光装置200は、光源にレーザーを使用しているが、必ずしもこれに限定する必要はなく、水銀ランプやキセノンランプなどのランプも使用可能である。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
ここで、図1は、本発明の一側面としての露光装置200の例示的一形態を示す概略ブロック図である。露光装置200は、図1に示すように、回路パターンが形成されたレチクル又はマスク(本出願ではこれらの用語を交換可能に使用する)220を照明する照明装置210と、照明されたマスクパターンから生じる回折光をプレート230に投影する投影光学系100とを有する。
【0024】
露光装置200は、例えば、ステップ・アンド・リピート方式やステップ・アンド・スキャン方式でレチクル220に形成された回路パターンをプレート230に露光する投影露光装置であり、特に、ステップ・アンド・スキャン方式で露光する場合に効果を発揮する。かかる露光装置は、サブミクロンやクオーターミクロン以下のリソグラフィー工程に好適であり、以下、本実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置(「スキャナー」とも呼ばれる)を例に説明する。ここで、「ステップ・アンド・スキャン方式」は、レチクルに対してウェハを連続的にスキャン(走査)してマスクパターンをウェハに露光すると共に、1ショットの露光終了後ウェハをステップ移動して、次の露光領域に移動する露光方法である。「ステップ・アンド・リピート方式」は、ウェハのショットの一括露光ごとにウェハをステップ移動して次の露光領域に移動する露光方法である。
【0025】
照明装置210は転写用の回路パターンが形成されたレチクル220を照明し、光源部212と照明光学系214とを有する。
【0026】
光源部212は、例えば、光源としてレーザーを使用する。レーザーは、波長約193nmのArFエキシマレーザー、波長約248nmのKrFエキシマレーザー、波長約15nmのFエキシマレーザーなどを使用することができるが、レーザーの種類はエキシマレーザーに限定されず、例えば、YAGレーザーを使用してもよいし、そのレーザーの個数も限定されない。例えば、独立に動作する2個の固体レーザーを使用すれば固体レーザー相互間のコヒーレンスはなく、コヒーレンスに起因するスペックルはかなり低減する。さらにスペックルを低減するために光学系を直線的又は回転的に揺動させてもよい。光源部212にレーザーが使用される場合には、レーザー光源からの平行光束を所望のビーム形状に整形する光束整形光学系、コヒーレントなレーザー光束をインコヒーレント化するインコヒーレント化光学系を使用することが好ましい。
【0027】
照明光学系214は、レチクル220を照明する光学系であり、レンズ、ミラー、ライトインテグレーター、絞り等を含む。例えば、コンデンサーレンズ、ハエの目レンズ、開口絞り、コンデンサーレンズ、スリット、結像光学系の順で整列する等である。照明光学系214は、軸上光、軸外光を問わず使用することができる。ライトインテグレーターは、ハエの目レンズや2組のシリンドリカルレンズアレイ(又はレンチキュラーレンズ)板を重ねることによって構成されるインテグレーター等を含むが、光学ロッドや回折素子に置換される場合もある。
【0028】
レチクル220は、例えば、石英製で、その上には転写されるべき回路パターン(又は像)が形成され、図示しないレチクルステージに支持及び駆動される。レチクル220から発せられた回折光は投影光学系100を通りプレート230上に投影される。レチクル20とプレート230とは共役の関係に配置される。露光装置200は、ステップ・アンド・スキャン方式の露光装置であるため、レチクル220とプレート230を走査することによりマスクパターンをプレート230上に縮小投影する。
【0029】
投影光学系100は、物体面(例えば、レチクル220)からの光束を像面(例えば、プレート230などの被処理体)の露光領域(即ち、スリット)に結像する走査型の投影光学系である。投影光学系100は、図2に示すように、複数の光学素子110a乃至110e(なお、以下の説明において、光学素子110は、光学素子110a乃至110eを総括するものとする。)によって構成される。図2は、投影光学系100の概略断面図である。本実施形態においては、光学素子110は、等軸晶系結晶のフッ化カルシウムからなるレンズである。実際の投影光学系には20枚を超える光学素子が使われるとともに、F波長の領域ではミラーも用いられるが、ここでは説明を簡略化するため図2の投影光学系で一般のエキシマレーザー用投影光学系を代表させる。
【0030】
ここで、投影光学系100の光軸Hと光学素子110との関係を考える。図3は、投影光学系100の光軸Hと複数の光学素子110との関係を説明するための概略斜視図である。図3を参照するに、本実施形態においては、投影光学系100を構成する光学素子110は、等軸晶系結晶の結晶方位に関する[1 1 1]軸を光軸Hに配向して設置される。上述したように、光学素子110は、真性複屈折の影響を小さくするために光軸Hまわりの角度を調整されているが、かかる角度調整は、60°毎に行われる。例えば、光学素子110aに対して、光軸Hまわりに光学素子110bを60°、光学素子110cを120°回転させる等などである。
【0031】
更に、投影光学系100は、等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 0 0]軸を光軸Hに垂直な面に射影したときの像の方向が、投影光学系100の露光領域120の走査方向と一致している。即ち、図4に示すように、[1 0 0]結晶軸の射影像112(又は射影像114)が、露光領域120の長手方向の左右で対称となる。ここで、図4は、光学素子110の射影像112(又は射影像114)と露光領域120との関係を示す概略平面図である。
【0032】
従って、投影光学系100を構成する光学素子110をこのような配置にすると、[1 1 1]軸は光軸Hまわりの回転に対して120°周期の真性複屈折分布をもっているため、露光領域120の長手方向の左右に対して対称な真性複屈折分布となり、真性複屈折による露光領域120内の結像性能のばらつきを抑えることができる。
【0033】
次に、図5及び図6を参照して、投影光学系100の変形例である投影光学系100Aを説明する。投影光学系100Aは、投影光学系100に対して、光軸Hに配向させる光学素子150の結晶方位を変えた変形例である。ここで、図5は、投影光学系100Aの光軸Hと複数の光学素子150との関係を説明するための概略斜視図である。図5を参照するに、本実施形態においては、投影光学系100Aを構成する光学素子150は、等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 0 0]軸を光軸Hに配向して設置される。上述したように、光学素子150は、真性複屈折の影響を小さくするために光軸Hまわりの角度を調整されているが、かかる角度調整は、45°毎に行われる。
【0034】
更に、投影光学系100Aは、等軸晶系結晶の結晶方位に関する他の[1 00]軸を光軸Hに垂直な面に射影したときの像の方向が、投影光学系100Aの露光領域120の走査方向又は走査方向に対して45°の方向と一致している。即ち、図6に示すように、他の[1 0 0]結晶軸の射影像112A(又は射影像114A)が、露光領域120の長手方向の左右で対称となる。ここで、図6は、光学素子150の射影像112A(又は射影像114A)と露光領域120との関係を示す概略平面図である。
【0035】
従って、投影光学系100と同様に、投影光学系100Aを構成する光学素子150をこのような配置にすると、露光領域120の長手方向の左右に対して対称な真性複屈折分布となり、真性複屈折による露光領域120内の結像性能のばらつきを抑えることができる。
【0036】
再び、図1に戻って、プレート230は、本実施形態ではウェハであるが、液晶基板その他の被処理体(被露光体)を広く含む。プレート230には、フォトレジストが塗布されている。フォトレジスト塗布工程は、前処理と、密着性向上剤塗布処理と、フォトレジスト塗布処理と、プリベーク処理とを含む。前処理は、洗浄、乾燥などを含む。密着性向上剤塗布処理は、フォトレジストと下地との密着性を高めるための表面改質(即ち、界面活性剤塗布による疎水性化)処理であり、HMDS(Hexamethyl−disilazane)などの有機膜をコート又は蒸気処理する。プリベークは、ベーキング(焼成)工程であるが現像後のそれよりもソフトであり、溶剤を除去する。
【0037】
プレートステージ235は、プレート230を支持する。プレートステージ235は、当業界で周知のいかなる構成をも適用することができるので、ここでは詳しい構造及び動作の説明は省略する。例えば、プレートステージ235は、リニアモーターを利用してXY方向にプレート230を移動することができる。レチクル220とプレート230は、例えば、同期走査され、図示しないレチクルステージとプレートステージ235の位置は、例えば、レーザー干渉計などにより監視され、両者は一定の速度比率で駆動される。プレートステージ235は、例えば、ダンパを介して床等の上に支持されるステージ定盤上に設けられ、レチクルステージ及び投影光学系100は、例えば、床等に載置されたベースフレーム上にダンパ等を介して支持される図示しない鏡筒定盤上に設けられる。
【0038】
露光において、光源部212から発せられた光束は、照明光学系214によりレチクル220を、例えば、ケーラー照明する。レチクル220を通過してマスクパターンを反映する光は投影光学系100によりプレート230に結像される。露光装置200が使用する投影光学系100(又は投影光学系100A)は、露光領域において、真性複屈折に起因する結像性能のばらつきを抑えることができるので、高い解像度とスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
【0039】
次に、図7及び図8を参照して、上述の露光装置200を利用したデバイスの製造方法の実施例を説明する。図7は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(マスク製作)では、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。ステップ3(ウェハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウェハを製造する。ステップ4(ウェハプロセス)は前工程と呼ばれ、マスクとウェハを用いてリソグラフィー技術によってウェハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウェハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
【0040】
図8は、ステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウェハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウェハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウェハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウェハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウェハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってマスクの回路パターンをウェハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウェハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウェハ上に多重に回路パターンが形成される。本実施形態のデバイス製造方法によれば従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれらに限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本実施形態の投影光学系は、ステップ・アンド・アンド・リピート方式の露光装置(「ステッパー」と呼ばれる)に適用することもでき、その場合はレチクルとプレートを静止させた状態で露光が行われる。
【0042】
【発明の効果】
本発明の投影光学系によれば、真性複屈折に起因する投影光学系の露光領域内に生じる結像性能のばらつきを低減して所望の結像性能を発揮することができる。従って、かかる投影光学系を用いた露光装置は、高品位なデバイスを露光性能よく提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一側面としての露光装置の例示的一形態を示す概略ブロック図である。
【図2】 図1に示す投影光学系の概略断面図である。
【図3】 図1に示す投影光学系の光軸と複数の光学素子との関係を説明するための概略斜視図である。
【図4】 図1に示す投影光学系の光学素子の射影像と露光領域との関係を示す概略平面図である。
【図5】 図1に示す投影光学系の変形例である投影光学系の光軸と複数の光学素子との関係を説明するための概略斜視図である。
【図6】 図6に示す投影光学系の光学素子の射影像と露光領域との関係を示す概略平面図である。
【図7】 デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。
【図8】 図7に示すステップ4のウェハプロセスの詳細なフローチャートである。
【図9】 フッ化カルシウム結晶の結晶軸を説明するための図である。
【図10】 フッ化カルシウムにおける真性複屈折量の分布を示す図である。
【図11】 フッ化カルシウムにおける真性複屈折進相軸の分布を示す図である。
【図12】 [1 0 0]結晶軸の射影像とスリットとの関係を示す概略平面図である。
【符号の説明】
100 投影光学系
110 光学素子
112、114 射影像
120 露光領域
200 露光装置
210 照明装置
220 レチクル
230 被処理体

Claims (5)

  1. チクル(マスク)のパターンを被処理体の露光領域上に投影する投影光学系であって、
    等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 1 1]軸の方向前記投影光学系の光軸方向に一致する複数の光学素子を備え
    前記複数の光学素子の各々は、互いに60°回転されて配置され、
    前記複数の光学素子は、前記等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 0 0]軸を前記光軸に垂直な面に射影したときの像の方向が前記露光領域の走査方向と一致する光学素子を有することを特徴とする投影光学系。
  2. チクル(マスク)のパターンを被露光体の露光領域上に投影する投影光学系であって、
    等軸晶系結晶の結晶方位に関する一の[1 0 0]軸の方向前記投影光学系の光軸に一致する複数の光学素子を備え
    前記複数の光学素子の各々は、互いに45°回転されて配置され、
    前記複数の光学素子は、前記等軸晶系結晶の結晶方位に関する他の[1 0 0]軸を前記光軸に垂直な面に射影したときの像の方向が前記露光領域の走査方向と一致するか又は該走査方向に対して45°の方向と一致する光学素子を有することを特徴とする投影光学系。
  3. 前記等軸晶系結晶は、フッ化カルシウムであることを特徴とする請求項1又は2記載の投影光学系。
  4. チクル(マスク)を照明する照明光学系と、
    前記チクルのパターンを被処理体上に投影する請求項1乃至のうちいずれか一項記載の投影光学系と、
    前記チクルと前記被処理体とを走査する走査手段とを有することを特徴とする走査型露光装置。
  5. 請求項記載の露光装置を用いて被処理体を露光するステップと、露光された前記被処理体を現像するステップとを有するデバイス製造方法。
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