JP2005528241A - ライナから薄いフィルムを剥離する方法および装置 - Google Patents

Abstract

空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッド（５０）の使用によって、ライナ（８０）から、典型的には厚さ１００ミクロン以下の薄いフィルム（９０）を剥離する方法および装置を提供する。空気軸受は、剥離ロッド（５０）の円筒形フィルム支持セグメントとほぼ同軸である円弧状表面（４１、４２）を有する支持プレート（４０）を含む。円弧状表面の空気開口部は、（４１、４２）円弧状表面と剥離ロッド（５０）との間の空気軸受間隙（５１、５２）内に空気の流れを導く。

Description

本発明は、空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッドの使用によって、ライナから、典型的には厚さ１００ミクロン以下の薄いフィルムを剥離する方法および装置に関する。

米国特許第５，５５６，４９９号明細書および同第５，７６２，７５３号明細書は、連続的な、剥離バーとの軸受接触をもたらす一体軸受に支持された剥離バーを使用するピーラ−デラミネータ（ｄｅｌａｍｉｎａｔｏｒ）方法および装置を開示している。これらの引例は、また、剥離バーを連続的にこする研磨表面を含む剥離バー軸受を記載している。

簡潔には、本発明は、空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッドを含む、ライナからフィルムを除去する装置を提供する。空気軸受は、剥離ロッドの円筒形フィルム支持セグメントとほぼ同軸である円弧状表面を有する支持プレートを含む。円弧状表面の空気開口部は、円弧状表面と剥離ロッドとの間の空気軸受間隙内に空気の流れを導く。

別の態様において、本発明は、フィルムとライナとの二層を、空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッドの上を、フィルムが剥離ロッドと接触するように通過させる工程と、ライナからフィルムを剥離する工程とを含む、ライナからフィルムを除去する方法を提供する。フィルムは、典型的には、厚さが１００ミクロン以下である。

従来技術において説明されておらず、かつ、本発明によって提供されるのは、空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッドを使用して、ライナから、デリケートなまたは薄いフィルムを剥離する方法および装置である。

本発明の利点は、自動製造プロセスにおけるキャストされた薄いフィルムのロールの使用を容易にする方法および装置を提供することである。

図１、図２、および図３を参照すると、本発明による剥離装置は、支持フレームをともに形成するフレーム部材１０、１１、１２および１３を含む。剥離ロッド支持プレート４０が、フレーム部材１０、１１および１２のうちの１つ以上に取付けられている。剥離ロッド支持プレート４０は、剥離ロッド５０を受けるための円弧状表面４１および４２を含む。剥離ロッド５０は、そのフィルム支持中間セグメントにおいて実質的円筒形である。剥離ロッド５０は、その長さ全体を通して実質的円筒形であってもよいし、丸い端部またはエンドキャップ６０および６１との相互作用のための他の適合などの非円筒形端部セグメントを有してもよい。エンドキャップ６０および６１は、剥離ロッド５０の横方向の運動によって、または、たとえば走行終了時に生じ得るフィルム９０の不存在によって、それらがなければ生じ得る剥離ロッド５０の逃げを防止する。エンドキャップ６０および６１は、ニードル軸受などの、剥離ロッド５０の各端部のための軸受を含んでもよい。エンドキャップ６０および６１は、フレーム部材１１および１２、もしくは剥離ロッド支持プレート４０、または両方に取付けてもよい。エンドキャップ６０および６１が、剥離ロッド５０の各端部のための軸受を含む場合、エンドキャップ６０および６１を、摺動取付けによって、フレーム部材１１および１２、または剥離ロッド支持プレート４０に取付けて、空気軸受間隙５１および５２に近付きまたは遠ざかるような剥離ロッド５０の運動を可能にすることができる。

各円弧状表面４１および４２の湾曲は、剥離ロッド５０の実質的円筒形のフィルム支持中間セグメントの湾曲とほぼ同軸である。使用中、空気軸受間隙５１および５２は、剥離ロッド５０から円弧状表面４１および４２を分離する。空気が、空気開口部を通して空気軸受間隙５１および５２内に動かされる。空気開口部は、円弧状表面４１および４２を分離する溝４３を含んでもよく、溝４３は、剥離ロッド５０のフィルム支持セグメントの長さに沿って、空気軸受間隙５１、５２のほぼ全長を横切る。別の実施形態において、空気開口部は、一連の孔を含んでもよい。溝４３または他の空気開口部は、１つ以上の空気チャネル４４によって供給され、空気チャネル４４は、剥離ロッド支持プレート４０に取付けられたマニホルドブロック１００の空気チャネル１０１、１０２によって供給される。空気ポンプなどの、任意の適切な周囲より高い空気圧（ｓｕｐｅｒ−ａｍｂｉｅｎｔ ａｉｒ ｐｒｅｓｓｕｒｅ）源を用いて、空気チャネル４４、１０１、１０２に供給してもよい。操作中に適切な空気軸受間隙が維持されるのであれば、いかなる適切なレベルの空気圧力またはいかなる適切な空気流量を用いてもよい。

ライナ支持ローラ３０およびフィルムアイドラロール２０が、フレーム部材１１および１２に回転可能に取付けられる。ライナ支持ローラ３０は、ニップを形成するように、剥離ロッド５０に隣接して配置される。フィルムアイドラロール２０は、剥離ロッド５０の上を通過するフィルム９０を受取り、フィルム９０を剥離ロッド５０に対して安定した配向に維持するように配置される。

操作中、フィルム９０を支持するライナ８０を含む二重層７０が、ライナ支持ローラ３０および剥離ロッド５０によって形成されたニップ内に向けられる。ライナ８０は、ライナ支持ローラ３０との接触を維持するが、フィルム９０は、ライナ８０から剥離され、剥離ロッド５０の表面に追従する。剥離ロッド５０は、フィルム９０が剥離ロッド５０の上を通過するときに回転する。フィルムアイドラロール２０は、剥離ロッド５０の上を通過するフィルム９０を受取り、フィルム９０を剥離ロッド５０に対して安定した配向および張力で維持する。典型的には、本装置は、任意の適切な駆動手段によって、ライナ８０に加えられた引張り力によって駆動される。さらに、ライナ支持ローラ３０も駆動してもよい。

本発明による方法は、有利に、デリケートなまたは薄いフィルムに用いられる。典型的には、本方法は、１００マイクロメートル以下の厚さ、より典型的には５０マイクロメートル以下の厚さ、より典型的には３０マイクロメートル以下の厚さのフィルムを剥離するために用いることができる。本発明による方法は、有利に、ナフィオン（Ｎａｆｉｏｎ）（商標）またはフレミオン（Ｆｌｅｍｉｏｎ）（商標）などのスルホン化フルオロポリマー膜を含む、ライナ上にキャストされたポリマー電解質膜のフィルムに用いてもよい。厚さが、典型的には１ミリメートル未満、より典型的には０．５ミリメートル未満、より典型的には０．２ミリメートル未満である、いかなる適切な可撓性のポリマーシート材料を含む、いかなる適切なライナを使用してもよい。バーコーティング、スプレーコーティング、スリットコーティング、ブラシコーティングなどを含む、コーティングまたはキャスト方法を含む、いかなる適切な方法によって、フィルムポリマーの溶液または懸濁液からフィルムをキャストしてもよい。キャストされたフィルムは、不均一な端縁を有することがあるので、１つ以上の端縁で切断して、すっきりした（クリーンな）端縁を提供してもよい。典型的には、制御された深さのダイカッタを使用して、キャストされたフィルムの連続ウェブをダイカットして、クリーンな側縁を提供することができる。

本発明は、３０マイクロメートル以下の厚さの薄いフィルムとしてライナ上にキャストされたポリマー電解質の膜から、燃料電池に使用される膜電極アセンブリなどの製品を製造するのに有用である。

本発明のさまざまな修正ならびに変更が、本発明の範囲および原理から逸脱することなく、当業者には明らかになるであろう。また、本発明は、上述された例示的な実施形態に不当に限定されるべきではないことが理解されるべきである。

本発明による剥離機構を示す。 図１に示された剥離機構の断面図である。 本発明による剥離ロッドを示す図２の詳細図である。

Claims (26)

1. ライナからフィルムを除去する装置であって、空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッドを含む、装置。
2. 前記剥離ロッドが、実質的円筒形でありかつ中心軸を有するフィルム支持セグメントを含み、前記空気軸受が、前記剥離ロッドの前記フィルム支持セグメントとほぼ同軸である１つ以上の円弧状表面を有する支持プレートを含み、前記支持プレートが、前記円弧状表面と前記剥離ロッドの前記フィルム支持セグメントとの間の空気軸受間隙内に空気の流れを導くための、前記円弧状表面の１つ以上の空気開口部を含む、請求項１に記載の装置。
3. 空気の流れを前記空気軸受間隙内に提供するように、前記空気開口部に機能的に連結された周囲より高い空気圧源をさらに含む、請求項２に記載の装置。
4. 前記空気開口部が、前記空気軸受間隙のほぼ全長を横切る、前記円弧状表面の溝を含む、請求項３に記載の装置。
5. ニップを形成するように、前記剥離ロッドに隣接して配置されたライナ支持ローラをさらに含む、請求項４に記載の装置。
6. 前記剥離ロッドの上を通過するフィルムを受取り、前記フィルムを前記剥離ロッドに対して安定した配向に維持するように配置されたフィルムアイドラロールをさらに含む、請求項５に記載の装置。
7. 前記フィルムアイドラロールが回転可能に取付けられ、前記ライナ支持ローラが回転可能に取付けられ、かつ、前記支持プレートが固定して取付けられたフレームをさらに含む、請求項６に記載の装置。
8. フィルムとライナとの二重層を、空気軸受に支持された回転可能な剥離ロッドの上を、前記フィルムが前記剥離ロッドと接触するように通過させる工程と、
   前記ライナから前記フィルムを剥離する工程とを含む、ライナからフィルムを除去する方法。
9. 前記剥離ロッドが、実質的円筒形でありかつ中心軸を有するフィルム支持セグメントを含み、前記空気軸受が、前記剥離ロッドの前記フィルム支持セグメントとほぼ同軸である１つ以上の円弧状表面を有する支持プレートを含み、前記支持プレートが、前記円弧状表面と前記剥離ロッドの前記フィルム支持セグメントとの間の空気軸受間隙内に空気の流れを導くための、前記円弧状表面の１つ以上の空気開口部を含む、請求項８に記載の方法。
10. 前記空気開口部が、前記空気軸受間隙のほぼ全長を横切る、前記円弧状表面の溝を含む、請求項９に記載の方法。
11. 前記空気開口部が、前記空気軸受間隙内への空気の流れが提供されるように、周囲より高い空気圧源に機能的に連結されている、請求項１０に記載の方法。
12. フィルムとライナとの二重層を、回転可能な剥離ロッドの上を通過させる前記工程が、前記二重層を、前記剥離ロッドと前記剥離ロッドに隣接して配置されたライナ支持ローラとの間に形成されたニップ内を通過させる工程を含む、請求項１１に記載の方法。
13. 前記剥離する工程の間、前記ライナと前記ライナ支持ローラとの間で接触が維持される、請求項１２に記載の方法。
14. 前記剥離する工程の間、前記ライナから剥離された前記フィルムを、前記フィルムを前記剥離ロッドに対して安定した配向に維持するように配置されたフィルムアイドラロールの上を通過させる工程をさらに含む、請求項１３に記載の方法。
15. 前記フィルムの厚さが１００マイクロメートル以下である、請求項８に記載の方法。
16. 前記フィルムの厚さが１００マイクロメートル以下である、請求項９に記載の方法。
17. 前記フィルムの厚さが１００マイクロメートル以下である、請求項１２に記載の方法。
18. 前記フィルムを前記ライナ上にキャストする工程をさらに含む、請求項８に記載の方法。
19. 前記フィルムを前記ライナ上にキャストする工程をさらに含む、請求項９に記載の方法。
20. 前記フィルムを前記ライナ上にキャストする工程をさらに含む、請求項１２に記載の方法。
21. 前記ライナから前記フィルムを除去する前に、前記キャストされたフィルムを１つ以上の端縁で切断して、クリーンな端縁を提供する工程をさらに含む、請求項１８に記載の方法。
22. 前記ライナから前記フィルムを除去する前に、前記キャストされたフィルムを１つ以上の端縁で切断して、クリーンな端縁を提供する工程をさらに含む、請求項１９に記載の方法。
23. 前記ライナから前記フィルムを除去する前に、前記キャストされたフィルムを１つ以上の端縁で切断して、クリーンな端縁を提供する工程をさらに含む、請求項２０に記載の方法。
24. 前記フィルムがポリマー電解質膜である、請求項８に記載の方法。
25. 前記フィルムがポリマー電解質膜である、請求項９に記載の方法。
26. 前記フィルムがポリマー電解質膜である、請求項１２に記載の方法。

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