JP2000128404A - シート状物の接圧装置および製造装置 - Google Patents

シート状物の接圧装置および製造装置

Info

Publication number
JP2000128404A
JP2000128404A JP10301040A JP30104098A JP2000128404A JP 2000128404 A JP2000128404 A JP 2000128404A JP 10301040 A JP10301040 A JP 10301040A JP 30104098 A JP30104098 A JP 30104098A JP 2000128404 A JP2000128404 A JP 2000128404A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roll
contact pressure
sheet
film
contact
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10301040A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Nagai
啓史 長井
Koujiyun Ishida
幸順 石田
Naohiro Takashima
直弘 高島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP10301040A priority Critical patent/JP2000128404A/ja
Publication of JP2000128404A publication Critical patent/JP2000128404A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Winding Of Webs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 小径接圧ロールでありながら、押圧時のロー
ルの振動やたわみを容易に防止でき、薄いプラスチィク
フィルムのようなシート状物を高速で巻き取るための巻
取装置に好適なシート状物の接圧装置および該接圧装置
を用いたシート状物の製造装置を提供する。 【解決手段】 走行するシート状物に接圧する、シート
状物の幅方向に延びる少なくとも1本の接圧ロールと、
前記接圧ロールをシート状物接圧部と反対側から押圧す
る少なくとも一本の助勢ロールとを備え、かつ、少なく
とも一本の接圧ロールの直径Dがその接圧ロールの面長
Lに対し、D/L≦0.048の関係にあることを特徴
とするシート状物の接圧装置、および該接圧装置を用い
たシート状物の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シート状物、例え
ば、プラスチックフィルム、紙、金属帛、布帛、不織布
などのシート状物の製造装置および製造方法に関し、特
に、薄いプラスチックフィルム用の巻取装置等における
接圧装置および接圧方法に好適な装置および方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】シート状物の製造工程においては、通
常、各所に接圧装置が用いられている。たとえば、図7
にプラスチックフィルムの製造装置の一例を示すよう
に、押出機101で溶融され口金102からシート状に
吐出された溶融樹脂103はキャスティングドラム10
4で冷却、固化されて未延伸フィルム105に成形さ
れ、縦延伸装置106で長手方向に延伸されて一軸延伸
フィルム107とされた後、横延伸装置108で幅方向
に延伸されて二軸延伸フィルム109とされ、コロナ放
電処理装置110等によって表面処理を施された後、中
間製品111としてロール状に巻き取られる。中間製品
111は、たとえば図8に示すように、スリッタ112
で巻き戻されてカッタ113により所定の製品幅にスリ
ットされ、接圧ロール114により面圧が付与されなが
ら製品としてのフィルムロール115に巻き取られる。
【0003】巻取装置としてのスリッタ112における
接圧ロール114は、通常、たとえば図9に示すように
フィルムロール115に押圧され、その押圧力を制御す
ることによりフィルムロール115への面圧が制御され
る。接圧ロール114は、通常、図10に示すように、
フィルムロール115の全幅にわたって均一な面圧(ニ
ップ力)を付与できるように設けられる。
【0004】また、縦延伸装置106の延伸部において
も、たとえば図11に示すように、延伸ロール121、
122に対して接圧ロール123、124(ニップロー
ル)が設けられ、両延伸ロール121、122間で所定
の延伸倍率をもって均一に延伸されるように配慮され
る。
【0005】さらに、コロナ放電処理装置110等の表
面処理装置部においても、たとえば図12に示すよう
に、高圧電源131から高電圧が印加される電極132
と対極ロール133との間で放電処理を施すに際し、処
理部への空気噛み込みを抑えるために、直前に接圧ロー
ル134(ニップロール)が設けられることがある。
【0006】このように各所に設けられる接圧ロールに
は、均一なニップ力が要求される。たとえば、薄いプラ
スチックフィルムをしわや巻きずれを生じさせることな
く、かつ、適当な巻硬度でロール状に巻き取るために
は、接圧ロールを幅方向全幅にわたって巻取中のフィル
ムロール表面に密着させるとともに均一なニップ力で接
圧し、随伴空気のフィルムロールへの巻き込みを適度に
規制しながらフィルムを巻き取ることが有効であること
はよく知られている。
【0007】一般に、シート状物の接圧装置に使用され
る接圧ロールには、通常、以下に述べるような技術的課
題が要求されている。
【0008】まず、巻取装置における接圧装置について
みるに、第1は、接圧ロールが幅方向全幅にわたって巻
き取られるシート状物に密着するとともに、均一なニッ
プ力で接圧することである。すなわち、接圧ロールの幅
方向のいずれかの部位で均一なニップがなされていない
と、シート状物の巻層間に噛み込まれる空気量に斑が生
じ、種々の巻取欠点につながるからである。
【0009】第2は、接圧ロールの外径を極力小径化す
ることである。外径が大きくなりすぎると、巻き取られ
たシート状物の層間に噛み込まれる空気量が増加する傾
向にあり、噛み込み空気量が多すぎると、しわや巻層間
のずれが生じたり、所望の巻硬度に巻くことが出来なく
なったりする。しかし、接圧ロールの小径化によって接
圧ロール自身の剛性も低下するため、接圧ロールの軸両
端部を巻取中のシート状物ロール側に押圧すると接圧ロ
ールがたわみ、接圧ロールの幅方向中央部のニップ力が
低下するという問題が生じる。
【0010】上述のような問題点を解決するための接圧
ロールとして、従来から、特開平5−97296号公報
に開示されているフィルム巻取ロール装置や特開平8−
26535号公報に開示されたロールが知られている。
【0011】特開平5−97296号公報に開示されて
いるフィルム巻取ロール装置は、たとえば図13、図1
4に示すように構成されている。141は接圧ロール
(押さえロール)、142は走行するフィルム、143
はモータ(図示略)によってフィルム142を巻き取る
ように駆動されているフィルムロールである。144は
前記接圧ロール141をフィルムロール143と略反対
側から押圧する助勢ロール(分割ロール)である。
【0012】接圧ロール141は、ゴム等の弾性体を外
周に被覆成形した弾性体ロールで、両軸端部でベアリン
グなどの軸受を介して、接圧用のアームまたはフレーム
など(図示略)に回転自在に支持されていて、エアーシ
リンダなどの加圧装置(図示略)によって前記フィルム
ロール143の表面に幅方向全幅で接圧されるフリーロ
ールである。
【0013】助勢ロール144は、金属で出来ていて、
両軸端部でベアリングなどの軸受を介して、接圧用のア
ームまたはフレームなど(図示略)にそれぞれ回転自在
に支持されており、エアーシリンダなどの加圧装置(図
示略)によってそれぞれ接圧ロール1に部分的に押圧さ
れるフリーロールである。
【0014】一般に、両軸端部で支持された接圧ロール
141は、接圧力により軸の中央部がフィルムロール1
43から離れる方向にたわむため、幅方向に均一な接圧
が出来ないことが知られている。たわみを小さくするた
め接圧力を小さくすると、十分な空気排除性が得られな
いため、フィルムロール143にしわが発生する。この
ような場合に助勢ロール144は、接圧ロール141の
中央部表面を部分的に加圧し、接圧力の不均一性を改善
できると前記公報では説明されている。
【0015】しかし、助勢ロール144が接圧ロール1
41を部分的に押圧するので、接圧ロール141に巻か
れたゴムの部分が痛みやすく、通常の使用条件でもゴム
が塑性変形して窪んでしまうという問題があった。その
結果、部分的に空気排除が不均一になり易いという大き
な問題があった。そのため、ゴムの塑性変形が大きくな
らない内に接圧ロール141のゴムを頻繁に交換しなけ
ればならず、装置コスト、稼働率の面で好ましくない。
逆に、ゴムのダメージを少なくするために助勢ロール1
44の接圧力を小さくすると、接圧ロール141のたわ
みが十分改善されないという問題がある。
【0016】さらに、接圧ロール141のゴムが局部的
にダメージを受けないように、助勢ロール144を接圧
ロール141に対して全幅で接圧するように構成する
と、局部的なたわみ補正が効かなくなり、接圧力の幅方
向均一性が得られないという問題があった。
【0017】また、前記特開平5−97296号公報に
は、図15、図16に示すような別の構成についても記
載されている。すなわち、接圧ロール151と助勢ロー
ル154との間に、接圧ロール151に全幅で接圧する
金属ロール155(バックアップロール)を配し、ゴム
を巻いた助勢ロール154がその金属ロール155の表
面を部分的に押圧することにより、接圧ロール151の
表面が部分的にダメージを受けることなく、均一な接圧
力が得られると説明している。すなわち、前記従来技術
では、全幅バックアップロールだけでは接圧均一化は不
可能で、必ず部分的に押圧する助勢ロール154が必要
であると説明されている。
【0018】しかしながら、この場合、互いに押圧力を
及ぼし合うロールの数が多くなり、その結果ロール群の
回転抵抗および回転慣性が大きくなるので好ましくな
い。これは接圧ロール群の回転抵抗および慣性が大きく
なると、過大な張力が発生し、薄いフィルムの表面にダ
メージを与えたり、巻き取るときにしわなどを発生させ
好ましくないからである。また、大きな回転抵抗および
ロール慣性を補うためにそれらのロール群を駆動するこ
とは、フィルムにしわや擦り傷を発生させるので好まし
くない。その上、ロール本数が多いとフィルム幅を変更
するときにロール交換作業が煩雑になるので好ましくな
い。
【0019】さらに、巻取速度を増大させて生産効率を
高める場合、或いは、極めて薄く平滑なフィルムを巻き
取る場合には、巻込み空気量のより精密な規制制御が求
められるので、接圧ロールの外径をより細くしなければ
ならないが、とくに図13、図14に示したように助勢
ロールで接圧ロールの中央部表面を部分的に加圧する
と、ロール環上にゴムが被覆されたゴムロールは回転数
の大きい分だけダメージを受けやすくなる。
【0020】したがって、特開平5−97296号公報
に開示されているような従来の接圧装置(巻取ロール装
置)においては、接圧ロールのゴムにダメージが発生す
る上、回転抵抗を増大させないで接圧ロールの外径を十
分細くできない。その結果、随伴空気の規制を効率的に
行うことが出来ず、フィルムロールにしわなどの欠点が
発生するため、フィルムロールの巻取速度を大きくする
ことが出来ないという問題があった。このように、とく
にダメージを受けやすい薄いフィルムに対しては、たわ
みを防ぎ均一ニップを行いながら、高速運転を達成する
ことは従来法では困難であった。
【0021】また、上記従来技術とは別に、特開平8−
26535号公報に記載のロールは、図17に示すよう
に、ロール環161と同心状に軸162を挿入し、該軸
162を前記ロール環161の長手方向中央部のみで連
結したロール163で、前記ロール環161と軸162
との連結部に弾性体支持部材164を介在させた二重円
筒構造のセンターロード型ロール163であり、そのロ
ール環161及び軸162の材料として、炭素繊維強化
樹脂や炭素繊維強化金属を使用している。
【0022】しかし、この特開平8−26535号公報
に開示された接圧ロールの場合、ロール環161と同心
状に軸162を挿入し、該軸162をロール環161の
長手方向中央部のみで連結したロール163であり、ロ
ール環161と軸162との連結部に弾性体支持部材1
64を介在させたロール163をシート状物の接圧装置
の接圧ロールとして用いる場合、ウェブに一定の圧力で
押しつける接圧ロールは、接圧ロールの軸の両軸端部を
押圧手段によって荷重を加える構造となっているため、
荷重は軸の中央部を介してロール環161を押圧し、ロ
ール環161にシート状物を介して接している反対側の
巻取ロール165もロール環161からの荷重を受けて
押圧方向に撓む。このとき、接圧ロール163の軸16
2とロール環161はその長手方向中央部で連結されて
いるため、ロール環161は反対側の巻取ロール165
に追従して一様に湾曲しようとするが、軸162は押圧
方向と逆方向に湾曲しているため、ロール環161の連
結部のたわみは、軸162の湾曲に影響され、押圧方向
に撓む。このため、軸162の径を細くすると、軸強度
を確保できなくなり、接圧ロールの小径化を図ることが
出来ないという問題があった。
【0023】また、プラスチックの延伸方法として、図
7や図11に示したように、複数のロールをフィルムと
直交させて配設し各ロールの周速差を利用してフィルム
に張力を付与し、延伸するロール延伸法が周知である。
【0024】ロール周速差を利用して延伸する方法につ
いては次のような問題点の発生する可能性がある。すな
わち、上流側の延伸ロール上で把持固定されながら搬送
されるフィルムが、下流側の延伸ロールつまり、高速回
転ロールに引っ張られてロール上で滑り、ロール上で延
伸されることがある。
【0025】ロール上で延伸されるとロール表面との相
対速度差のために、フィルムの表面にすり傷やうもう状
の欠点が生じる可能性がある。
【0026】さらに、搬送されるフィルムとロール表面
との間に随伴空気が巻き込まれることがあり、この間に
随伴空気が介在するとロール上で浮動支持されるためフ
ィルムが位置変動し、延伸位置が定まらないため、すり
傷などの欠点を生じる問題がある。
【0027】上述のような問題点を解決するために、通
常、フィルムをロール上に狭圧する接圧ロール(ニップ
ロール)が設けられ、フィルムをロール上に密着させか
つ、延伸位置を固定する手段が採られている。
【0028】接圧ロールには通常、均一ニップ性を高め
るためにゴムを被覆成形したゴムロールが用いられる。
図11は上記従来の接圧ロールを用いたロール延伸装置
の模式的な側面図である。接圧ロール123、124は
フィルムを狭圧するために上流側延伸ロール121およ
び下流側延伸ロール122上に対向して設けられ、両端
部でベアリングなどの軸受を介して回転自在に支持され
ており、エアシリンダなどの加圧装置(図示略)によっ
て延伸ロール121、122の表面に幅方向全幅で接圧
されるフリーロールである。
【0029】しかし、一般的に両軸端部で支持された接
圧ロールは接圧力により、ロールの中央部が延伸ロール
から離れる方向にたわむため、幅方向に均一な接圧が出
来ないことが知られている。接圧ロールの長手方向(フ
ィルムの軸方向)のいずれかの部位で均一なニップがな
されていないとフィルムの幅方向で均一な張力カット性
を得ることができず、延伸むらが生じる。また、たわみ
を小さくするために接圧力を小さくすると幅方向におい
て十分な張力カット性を得ることができなくなる。
【0030】さらに、幅方向で均一ニップが出来なかっ
たり、接圧力を小さくすると随伴空気がフィルムと延伸
ロール表面間に噛み込みフィルムが延伸ロール上で滑る
ため、前述したフィルム表面にすり傷などのダメージを
与えるという問題が生じる。
【0031】このため、均一ニップ性を得るため種々の
接圧ロールの検討がなされ、ロール径を中央部から端部
へと徐々に小さくしているクラウニングロールであると
か、図17に示したと同様の2重円筒構造のセンターロ
ード型ロールなどが周知である。しかし、それぞれに問
題があり、前者においては中央部と端部との周速差によ
るしわ欠点の発生、後者においては均一ニップ性が十分
でなく随伴空気の噛み込みによって前述したフィルム表
面のすり傷が発生する問題がある。
【0032】さらに、表面処理装置部分にも同様の問題
がある。たとえば図12に示したように、プラスチック
フィルムのコロナ放電処理において、放電電極132の
下方に、それと平行して処理ロール(対極ロール)13
3を配置し、放電電極132に高周波発生装置131
(高圧電源)から高周波高電圧を与え放電電極132と
処理ロール133間にコロナ放電を発生させ、走行する
フィルム109にコロナ放電処理を施し、表面を微細な
凹凸状とし接着性等を向上させる技術は周知である。
【0033】このようなコロナ放電処理においては次の
ような問題が発生するおそれがある。すなわち、走行す
るフィルム109と処理ロール133との間に随伴空気
が巻き込まれると、その空隙で放電が発生し、裏面処理
されて裏うつり欠点が発生する。
【0034】この裏うつり欠点によって、巻き上げられ
た中間製品のフィルム層間において密着性が高まり、い
わゆるブロッキングと呼ばれる現象が生じ、たとえば次
工程のスリットにおいて、フィルムが巻き出される際、
ブロッキング部で破れが発生するという問題がある。
【0035】さらに、コロナ放電処理された表面にイン
ク等を塗布する工程においては、塗布されたインクが、
塗布後ロール上に巻き上げられた際、裏うつり欠点部位
にインクが転写する問題が発生する。
【0036】上述した問題を解消するために、通常、フ
ィルム109と処理ロール133の巻き付け入口に接圧
ロール134が設けられ、随伴空気の巻き込みを防止す
る方法が知られているが、一般に両軸端部で支持された
接圧ロールは前述した通り、接圧ロールのたわみによっ
て接圧ロールの長手方向において均一な接圧が出来ない
という問題がある。
【0037】そのために、従来より、接圧ロールの検討
がなされ、前述したクラウニングロールであるとか、2
重円筒構造のセンターロード型ロールなどが周知であ
る。さらには、ニップ性を高めるためにロール表面に被
覆するゴム種が各種検討されている。しかし、処理速度
が速くなると随伴空気の噛み込み量が増加し、すなわ
ち、裏うつり欠点が増加し、安定したコロナ放電処理が
得られないという問題がある。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来技術
においては、巻取部や縦延伸部、表面処理部等におい
て、接圧に関する問題がある。そこで本発明の課題は、
上記従来の接圧装置の欠点を解消し、接圧ロールが小径
でありながら、押圧時のロールの振動やたわみを容易に
防止でき、薄いプラスチックフィルムのようなシート状
物を高速で巻き取るための巻取装置等に容易に適用する
ことの出来るシート状物の接圧装置および該接圧装置を
備えたシート状物の製造装置を提供することにある。
【0039】また、同様の理由から薄いプラスチックフ
ィルムのためのロール延伸装置において、比較的小さな
押圧力で均一かつ、十分な張力カット性を得ることが出
来るのでフィルムダメージとすり抜けを同時に防止する
ことが出来る張力カットのための接圧装置および該接圧
装置を備えたシート状物の製造装置を提供することにあ
る。
【0040】さらに、同様の理由から薄いプラスチック
フィルムのためのコロナ放電処理装置において、比較的
小さな押圧力で均一かつ、十分な接圧をフィルムに付与
することが出来るので、フィルムと電極間への空気の噛
み込みを十分に防止することが出来る空気排除のための
接圧装置および該接圧装置を備えたシート状物の製造装
置をを提供することにある。
【0041】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のシート状物の接圧装置は、走行するシート
状物に接圧する、シート状物の幅方向に延びる少なくと
も1本の接圧ロールと、前記接圧ロールをシート状物接
圧部と反対側から押圧する少なくとも一本の助勢ロール
とを備え、かつ、少なくとも一本の接圧ロールの直径D
がその接圧ロールの面長Lに対し、D/L≦0.048
の関係にあることを特徴とするものからなる。
【0042】上記接圧ロールの軸材として炭素繊維強化
樹脂を用いることが好ましく、さらに、該軸材の縦弾性
係数が245kN/mm2以上であることが好ましい。
【0043】上記助勢ロールは、通常のロール構造を有
するものにも構成できるが、たとえば、ロール環と、該
ロール環に対し同心に挿入した軸とを、ロール環の長手
方向中央部のみで連結したセンターロード型ロールに構
成することもできる。このようなロールにより、幅方向
全幅にわたって前記接圧ロールを押圧することができ
る。
【0044】このような接圧装置は、シート状物の製造
装置、特に薄いプラスチックフィルムの巻取装置に適用
できるほか、ロール延伸装置における張力カットのため
に用いられるもの、コロナ放電処理等の表面処理におけ
る空気排除のために用いられるもの、等への適用が可能
である。
【0045】上記助勢ロールの軸心位置は、接圧ロール
の軸心と接圧ロールと対向するシート状物の巻取ロール
またはシート状物の搬送ロールの軸心とを結ぶ線の延長
線に対して−15〜25°の範囲にあることが好まし
い。
【0046】本発明に係るシート状物の製造方法は、上
記のような接圧装置を用いる方法からなり、とくに、巻
取装置やロール延伸装置、コロナ放電処理等の表面処理
に用いた方法からなる。また、本発明に係るシート状物
は、上記のような接圧装置あるいは方法によって製造さ
れたものである。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るシート状物の
接圧装置について、主に、薄いプラスチックフィルム巻
取装置に用いられる場合についての構成と機能を、図面
を参照して説明する。ただし、接圧装置としての機能に
ついては、本発明はシート状物用のどのような装置にも
応用でき、フィルム巻取装置に限るものではないことは
いうまでもない。
【0048】図1は、本発明に係る接圧装置を用いたフ
ィルム巻取装置の一例を、ロール軸方向から見た模式的
な側面図である。図2は、同装置の模式的な平面図であ
る。図において、1は小径接圧ロール、2は走行するフ
ィルム、3はモータ(図示略)によってフィルム2を巻
き取るように駆動されているフィルムロールである。4
は前記小径接圧ロール1をフィルムロール3と概略反対
側から押圧する助勢ロールである。角度θ1、θ2は小
径接圧ロール1の軸心を中心として、フィルムロール3
と小径接圧ロール11の軸心同士を結ぶ線の延長線に対
し、小径接圧ロール1の軸心を中心として、小径接圧ロ
ール1と助勢ロール4の軸心を結ぶ線の角度である。つ
まり、θ1は、助勢ロール4がフィルム走行方向下流側
へ配置可能な角度(本発明においては、下流側方向が
+、上流側方向が−の角度で表される。)の範囲であっ
て、θ2はフィルム走行方向上流側への配置可能な角度
の範囲である。
【0049】助勢ロール4は、両軸端部でベアリングな
どの軸受(図示略)を介して、接圧用アームまたはフレ
ーム(図示略)などによって回転自在に支持されてい
て、エアーシリンダなどの加圧装置(図示略)によって
小径接圧ロール1に幅方向全幅で接圧されるフリーロー
ルである。
【0050】小径接圧ロール1は、両軸端部でベアリン
グなどの軸受(図示略)を介して、接圧用アームまたは
フレーム(図示略)などによって回転自在に支持されて
いるゴムロールで、助勢ロール4によってフィルムロー
ル3の表面に幅方向全幅で押圧されるフリーロールであ
る。
【0051】磁気テープなどのベースフィルムなどのよ
うに薄く平滑なフィルムへの噛み込み空気を効果的に規
制するために、小径接圧ロール1の直径を各種検討した
結果、小径接圧ロール1の直径Dはその小径接圧ロール
11の面長Lに対しD/L≦0.048である場合に、
巻き取られるフィルム層間への巻き込み空気量のより精
密な制御が出来、しわなどの欠点が発生することを抑制
でき、良好な巻姿のフィルムロールを得ることが出来る
ことが判った。デジタルビデオ用ベースフィルムのよう
に更に薄く平滑なフィルムの場合にはD/L≦0.03
5であることが好ましい。
【0052】さらに、回転抵抗を大きくせずに回転で
き、かつ、前記小径接圧ロール1を支えることの出来る
助勢ロール4と、小径接圧ロール1の軸材について検討
した結果、前記助勢ロール4は小径接圧ロール1の軸心
を中心としてフィルムロール3と接圧ロール1の軸心同
士を結ぶ線の延長線に対し、小径接圧ロール1の軸心を
中心として小径接圧ロール1と助勢ロール4に軸心を結
ぶ角度θ1がフィルム走行方向下流側へ25゜(+25
゜)の範囲内、また、フィルム走行方向上流側へ15°
(−15°)の範囲内で設置するのが好ましく、より好
ましくは、−5°〜10°の範囲内であることが判っ
た。
【0053】小径接圧ロール1の軸材としては、炭素繊
維強化樹脂を用いることが好ましく、さらには縦弾性係
数が245kN/mm2以上であることが好ましい。
【0054】一般に、巻き取られるフィルムロールは、
シート状物の巻太りに伴ってフィルムロールを支持する
アームが後退旋回するようになっており、前記角度θが
変化する。そのため、助勢ロール4が、フィルム走行方
向の位置にある場合、小径接圧ロール1は、助勢ロール
4からの接圧力によって小径接圧ロール1はフィルム上
流方向へ飛び出すような力を受け、次に、フィルムロー
ル3が回転するとフィルムロール3と助勢ロール4との
間にくさび空間が発生し、回転トルクを受け、そのくさ
び空間に進入しようとする。
【0055】逆に、助勢ロール4がフィルム走行方向上
流側の位置にある場合、くさび効果は得られず、フィル
ムロール3からの回転トルクによって小径接圧ロール1
は、フィルム下流方向へ飛び出すような力を受けること
になる。
【0056】したがって、小径接圧ロール1に用いる軸
材は、角度θ1、θ2の変化に伴う力の変動があって
も、その力によって変形しないものがよく、剛性の高い
材料が要求され、炭素繊維強化樹脂を用いることが好ま
しく、さらに、縦弾性係数245kN/mm2以上のも
のが安定性にすぐれ、生産装置としてより好ましいこと
が判った。
【0057】しかし、角度θの変化が微小で、助勢ロー
ル4が0<θ1≦10°の範囲にある場合、より好まし
くは、2°<θ1≦5°の範囲内にある場合は、前記く
さび空間に小径接圧ロール1がフィルムロール3からの
回転トルクを受けて進入しようとするので、適度なくさ
び効果が発生する。その結果、小径接圧ロール1をくさ
び形空間に押し込む力と助勢ロール4からの接圧力とが
丁度バランスするので、小径接圧ロール1の軸材とし
て、前記炭素繊維強化樹脂にに限らず、ステンレス鋼や
アルミニウムなど公知の材質が使用できる。
【0058】さらに、助勢ロールには、たとえば図3に
示すように、軸11とロール環12との二重構造からな
り、ロール環12に同心状に軸11を挿入し、該軸11
をロール環12の軸方向中央部で連結したセンターロー
ド型ロール13を用いることができる。この助勢ロール
13は、軸方向全幅で小径接圧ロール1を押圧し、本
来、押圧力によって生じる小径接圧ロール1のたわみ
を、このセンターロード型ロール13で受けることによ
って、小径でありながら、センターロード型ロール13
と同等の均一ニップ性が得られることが判った。なお、
図示例では、ロール環12と軸11との連結部に弾性体
支持部材14が介在されている。
【0059】このような構成にすれば、たとえ助勢ロー
ル一本であっても小径接圧ロール1の回転を安定化する
ことが出来、さらには、均一ニップ性を得られることと
が出来、良好な巻姿のフィルムロールを得ることが出来
ることが判った。
【0060】本発明は、接圧ロールを後ろから助勢する
ように押圧する点で、公知の特開平5−97296号公
報技術と類似性があるように考えられるかもしれない
が、全く異なる技術である。前記特開平5−97296
号公報では押圧力を均一にするためにロールのたわみを
部分的に矯正するだけであるが、本発明は、極めて薄い
フィルムに随伴する空気のような流体の通過を低接圧力
下ででも効率的に制御するために、まず接圧ロールを極
限的に小径化し、接圧ロールの表面にダメージを与える
ことなく、かつ、ロールの回転抵抗を大きくすることな
く、接圧ロールの振動およびたわみを防止できる技術で
ある。つまり、従来技術には、接圧ロールの小径化と助
勢押圧時の回転抵抗という最も重要な技術思想が欠落し
ており、まさにこの技術思想を簡単な装置で実現できた
ことが本発明の特徴である。
【0061】本発明に対し、鉄鋼の圧延工程で用いられ
るバックアップ圧延ロール装置が類似技術として比較さ
れるかもしれないが、これも全く異なる技術である。ま
ず、圧延用バックアップ装置はその目的が本発明と全く
異なる。また、圧延用バックアップロール装置は、板状
の鋼材をさらに薄く圧延加工するのが目的であり、その
ために大きな接圧力が必須である。他方、本発明は、極
めて薄いフィルムに随伴する空気のような流体の通過を
低接圧力下でも制御できることが目的であり異なる。
【0062】さらに、圧延用バックアップロール装置は
本発明と装置構成が全く異なる。圧延用バックアップロ
ール装置は圧延抵抗に打ち勝つために全て駆動ロール装
置である。駆動ロール装置であるので4重式、5重式、
8重式などの多段ロール構成を取るのが普通である。他
方、本発明の接圧ロール装置は助勢ロールを含めて全て
フリーロールである。これは、極めて薄いフィルムを押
接圧する場合には、接圧ロールを駆動するとフィルムに
しわや擦り傷が発生するので、接圧ロール装置は回転抵
抗並びに回転慣性の小さい構成でなければならないから
である。
【0063】また、本発明は、ロール延伸装置にも適用
できる。ロール延伸装置において、本発明に係る接圧装
置をロール延伸装置の接圧ロールに用いた場合のロール
軸方向から見た模式的な断面図を図4、図5に示す。
【0064】図において、縦延伸装置21は、予熱ロー
ル群22と冷却ロール群23を有し、この間にモータ
(図示略)によって駆動される低速側延伸ロール24、
高速側延伸ロール25が設けられて、主としてこれら延
伸ロール24、25間で所定の縦延伸倍率に延伸され
る。延伸ロール24、25に対し、それぞれ、小径接圧
ロール26、27が設けられ、それらに対し、延伸ロー
ル24、25と概略反対側から押圧する助勢ロール2
8、29が設けられている。助勢ロール28、29の配
置可能な位置は、図1、2に基づいて前述した薄いプラ
スチックフィルムの巻取装置に接圧ロールとして用いた
場合の接圧装置と同様の範囲が適用できる。
【0065】さらに、本発明は、表面処理装置、とくに
コロナ放電処理装置にも適用できる。コロナ放電処理に
おいて、本発明に係る接圧装置をコロナ放電処理装置に
用いた場合の模式的な側面図を図6に示す。
【0066】図において、31は小径接圧ロール、32
は走行するフィルム、33は駆動されている処理ロール
である。34は小径接圧ロール31を処理ロール33と
概略反対側から押圧する助勢ロールである。35は高圧
電源、36は電極を示している。助勢ロール34の配置
可能な位置は前述した薄いプラスチックフィルムの巻取
装置に接圧ロールとして用いた場合、また、ロール延伸
装置に接圧ロールとして用いた場合の接圧装置と同様の
範囲が適用できる。
【0067】
【実施例】実施例1、比較例1、2 図1、2に示す構成を有する実施例1の接圧装置およ
び、図9、10に示す構成を有する接圧装置を比較例
1、図17に示す構成を有する接圧装置を実施例2とし
てシート状物の巻取装置に用いる接圧ロールとして用い
て、表1に記載の条件でシート状物を巻き取り、同表1
の結果を得た。
【0068】ここで評価に使用した、均一ニップ性の良
否については、シート状物の巻取ロールでその幅方向の
巻硬度斑の大小、接圧ロールの小径化については巻硬度
の大小の結果でそれぞれ判定した。
【0069】図1、図2に示した接圧装置において、シ
ート状物として、二軸延伸されたポリエステルフィルム
で、幅1000mm、厚さ10μmのものを用いた。フ
ィルムの寸法はこれに限定するものでなく、更に広幅の
ものや更に薄いものも、狭幅や厚いものと同様に適用で
きる。また、シート状物としては、これに限定するもの
ではなく、他の樹脂フィルムや、紙、金属帛、布帛、不
織布などにも広く適用できる。
【0070】図1、2に示す実施例1の接圧装置の小径
接圧ロール1は、炭素繊維強化樹脂の軸にゴムを被覆成
形したゴムロールであり、両軸端部でベアリングなどの
軸受(図示略)を介して、接圧用のアームまたはフレー
ムなど(図示略)に回転自在に支持されている。軸の材
質としてはこれに限らず、ステンレス鋼やアルミニウム
などの金属材料だけでなく、CFRM(炭素繊維強化金
属)などの公知の材質が使用できる。ゴム材質としては
特に限定しないが、公知のNBRやクロロプレンゴム、
ウレタンゴムなどを用いることが出来る。
【0071】小径接圧ロール1は助勢ロール4によって
フィルムロール3の表面に全幅で押圧されるフリーロー
ルであり、面長Lは1100mm、直径Dは48mmで
ある。助勢ロール4はゴムロールで、両軸端部でベアリ
ングなどの軸受を介して、接圧用のアームまたはフレー
ムなどに回転自在に支持されていて、エアーシリンダな
どの加圧装置によって、小径接圧ロール1に幅方向全幅
で接圧されているフリーロールであり、面長Lは110
0mm、直径Dは60mmの、図3に示したような2重
円筒構造のセンターロード型ロールである。ロールの材
質としては特に限定しないが、炭素鋼やステンレス鋼、
アルミニウムなどの金属材料だけでなく、CFRPなど
の公知の材質などが使用できる。
【0072】また、ロール構造も特に限定しないが、接
圧均一性向上のためそれ自身がたわまないものが良い。
従って、ロール径の太いものや、公知の均一接圧技術が
利用でき、例えばクラウン構造や軸の曲がった構造でも
よい。しかしながら、助勢ロールは出来る限り回転抵抗
と回転慣性が小さい方が良いので、CFRP等の複合材
料で構成された二重円筒構造のセンターロード型ロール
が最も望ましい。
【0073】表面のゴム材質としては特に限定しない
が、公知のNBRやクロロプレンゴム、ウレタンゴムな
どを用いることが出来る。ゴム表面や硬度も接圧力に応
じて適当に選ぶことが出来る。表面にハードクロムメッ
キやセラミック、ポリテトラロロエチレン(PTEF:
商品名“テフロン”)などの公知の材料を被覆してもよ
い。
【0074】前記助勢ロール4はフィルムロール3と小
径接圧ロール1の軸心同士を結ぶ線の延長線上に概略配
置されていて、フィルムロール3のフィルム巻き太りに
ともない変化する角度θ、つまり、前記延長線に対し小
径接圧ロール1と助勢ロール4の軸心を結ぶ線とで挟ま
れる角度θ1が概略フィルム走行方向側に3°からフィ
ルム上流側へ2°の変化範囲となるように位置されてい
る。
【0075】比較例1の接圧装置に用いた接圧ロール
は、炭素鋼の軸にゴムを被覆成型したゴムロールであ
り、両軸端部でベアリングなど軸受を介して、接圧用の
アームまたはフレームなどに回転自在に支持されてい
て、エアーシリンダなどの加圧装置によってフィルムロ
ールの表面に幅方向全幅で接圧されるフリーロールであ
る。接圧ロールの面長Lは1100mm、直径Dは13
0mmである。
【0076】比較例2の接圧装置に用いた接圧ロール
は、実施例1の助勢ロールとして用いた二重円筒構造の
センターロード型ゴムロールであり面長Lは1100m
m、直径Dは60mmである。
【0077】表1から明らかなように本発明の接圧装置
をシート状物の巻取工程の接圧ロールとして用いると、
均一ニップ性、小径化の点で優れていることが判る。
【0078】
【表1】
【0079】実施例2、比較例3 本発明に係る接圧装置を、図4、5に示すようにロール
延伸装置に適用した。ポリエチレンテレフタレートを2
80℃で溶融押出し、25℃に保持したキャスティング
ドラム上にて急冷固化せしめた厚さ70μmのフィルム
をロール延伸装置にてロールの周速差を利用して3.7
倍に縦延伸した。
【0080】図5において、26、27は接圧ロールで
あり、28、29は延伸ロール24、25と概略反対側
から小径接圧ロール26、27を押圧する助勢ロールで
ある。助勢ロール28、29は延伸ロールと小径接圧ロ
ールの軸心同士を結ぶ線の延長線上に配置されている。
小径接圧ロール26、27および助勢ロール28、29
は実施例1に用いたものを適用しており、軸の材質およ
び、ゴム材質は、特に限定はしないが、公知の材料を用
いることができることはいうまでもない。
【0081】比較例3として図11に示したような装置
を用い、接圧ロールに従来から一般的な炭素鋼にゴムを
被覆したゴムロールを用いて試験した。なお、実施例
2、比較例3共、下記に示す条件で試験した。 フィルム:厚さ70μmのポリエステルフィルム 延伸倍率:3.7倍(延伸ロール間の周速差) ロール温度条件:予熱ロール群 : 85℃から110℃ 延伸ロール1、2 : 110℃ 冷却ロール群 : 30℃ 延伸出口速度:100m/分 また、キズの評価方法は製膜開始4時間後のキズ発生状
態の優劣評価である。その結果、本発明の接圧装置をロ
ール延伸装置に接圧装置として用いるとキズの発生は比
較例3に対して約半減することが認められた。
【0082】実施例3、比較例4、5 実施例3として図6に示したように、前述したプラスチ
ックフィルムの巻取装置およびロール延伸装置に用いた
本発明に係る接圧装置をコロナ放電処理装置に適用し
た。ただし、本実施例は、ロール面長1100mmのコ
ロナ放電試験設備を用いて行ったものである。
【0083】比較例としては、図12に示した接圧ロー
ルに従来から一般的な炭素鋼にゴムを被覆成形したゴム
ロールを用いたものを比較例4として、また、2重円筒
構造のセンターロード型ロールを用いたものを比較例5
として示す。
【0084】実施例3および比較例4、5にてコロナ放
電処理を実施し、表2の結果を得た。ここで、評価に使
用したニップ性の良否については、同速度時の裏うつり
欠点の発生の有無、接圧ロールの小径化については、速
度を大きくしたときの裏うつり欠点の有無の結果で判断
した。
【0085】実施例3および、比較例4、5において、
フィルムは二軸延伸されたポリプロピレンフィルムで1
000mm、厚さ15μmのものを用いた。フィルムの
寸法はこれに限定するものでなく、更に広幅のものや更
に薄いものも、狭幅や厚いものと同様に適用できる。ま
た、シート状物としては、これに限定するものではな
い。
【0086】図6に示す実施例3の接圧装置の小径接圧
ロール31および助勢ロール34は実施例1、2に用い
たものを適用しており、軸の材質および、ゴム材質は、
特に限定はしないが、公知の材料を用いられることはい
うまでもない。前記助勢ロール34は処理ロール33と
小径接圧ロール31の軸心同士を結ぶ線の延長線上に配
置されている。
【0087】比較例4の接圧装置に用いた接圧ロールは
炭素鋼にゴムを被覆成形したゴムロールであり、処理ロ
ールの表面に巻き付け搬送されるフィルムの表面に幅方
向全幅で接圧されている。接圧ロールの面長は1100
mm、直径は60mmである。
【0088】比較例5の接圧装置に用いた接圧ロール
は、実施例1および2、3の助勢ロール4として用いた
二重円筒構造のセンターロード型ゴムロールであり面長
Lは1100mm、直径Dは60mmである。
【0089】表2から明らかなように本発明の接圧装置
をコロナ放電処理装置の接圧ロールとして用いると、均
一ニップ性、小径化の点で優れていることが判る。
【0090】
【表2】
【0091】上記表2において、裏うつり欠点比較はフ
ィルム長、5mあたりの観察により、次の基準で判定し
た。 ◎は裏うつりなし ○は点在発生 ×は連続発生
【0092】
【発明の効果】本発明のシート状物の接圧装置および製
造装置によれば、たわみやすい小径の接圧ロールにおい
て、小さな接圧力で噛み込み空気を効率よく規制でき、
薄いシート状物にダメージを与えることなく均一な押圧
を得ることができ、ロール振動やたわみ、ゴムの剥離や
削れを防止することができるので、本発明に係る接圧装
置を薄いプラスチックフィルムのための巻取装置に用い
ると、高速運転してもしわやずれのない良好な品質のフ
ィルムロールを得ることができる。あるいは、本発明に
係る接圧装置を薄いプラスチックフィルムのための縦延
伸装置に用いると、フィルムダメージとすり抜けとを同
時に防止することができる。したがって、表面欠点のな
いプラスチックフィルムを製造することが出来る。ある
いは、本発明に係る接圧装置を薄いプラスチックフィル
ムのためのコロナ放電処理装置に用いると、フィルムと
電極間への空気の噛み込みを十分に防止することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係るシート状物の製造装
置としてのフィルムの巻取装置の概略部分側面図であ
る。
【図2】図1の装置の平面図である。
【図3】図1の装置の変形例に係る巻取装置の概略部分
断面図である。
【図4】本発明の一実施態様に係るシート状物の製造装
置としてのフィルムの縦延伸装置の概略側面図である。
【図5】図4の装置の拡大部分側面図である。
【図6】本発明の一実施態様に係るシート状物の製造装
置としてのコロナ放電装置の概略側面図である。
【図7】従来のシート状物の製造装置の概略側面図であ
る。
【図8】従来のシート状物の巻取装置の概略側面図であ
る。
【図9】図8の巻取装置の拡大部分側面図である。
【図10】図9の装置の平面図である。
【図11】図7の装置の拡大部分側面図である。
【図12】図6の装置の拡大部分側面図である。
【図13】従来の巻取装置の概略部分側面図である。
【図14】図13の装置の平面図である。
【図15】従来の別の巻取装置の概略部分側面図であ
る。
【図16】図15の装置の平面図である。
【図17】従来のさらに別の巻取装置の概略部分断面図
である。
【符号の説明】
1 接圧ロール 2 フィルム 3 フィルムロール 4 助勢ロール 11 軸 12 ロール環 13 センターロード型ロール 21 縦延伸装置 22 予熱ロール群 23 冷却ロール群 24、25 延伸ロール 26、27 小径接圧ロール 28、29 助勢ロール 31 小径接圧ロール 32 フィルム 33 処理ロール 34 助勢ロール 35 高圧電源 36 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高島 直弘 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 Fターム(参考) 3F055 AA01 AA05 AA12 CA02 CA24 EA01 EA02 EA13

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行するシート状物に接圧する、シート
    状物の幅方向に延びる少なくとも1本の接圧ロールと、
    前記接圧ロールをシート状物接圧部と反対側から押圧す
    る少なくとも一本の助勢ロールとを備え、かつ、少なく
    とも一本の接圧ロールの直径Dがその接圧ロールの面長
    Lに対し、D/L≦0.048の関係にあることを特徴
    とする、シート状物の接圧装置。
  2. 【請求項2】 前記接圧ロールの軸材として炭素繊維強
    化樹脂が用いられている、請求項1に記載のシート状物
    の接圧装置。
  3. 【請求項3】 前記接圧ロールの軸材の縦弾性係数が2
    45kN/mm2 以上である、請求項1または2に記載
    のシート状物の接圧装置。
  4. 【請求項4】 前記助勢ロールが、ロール環と、該ロー
    ル環に対し同心に挿入した軸とを、ロール環の長手方向
    中央部のみで連結したセンターロード型ロールである、
    請求項1〜3のいずれかに記載のシート状物の接圧装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の接圧装
    置を備えている、シート状物の製造装置。
  6. 【請求項6】 前記接圧装置が、シート状物の延伸装置
    に設けられている、請求項5に記載のシート状物の製造
    装置。
  7. 【請求項7】 前記接圧装置が、シート状物の放電処理
    装置に設けられている、請求項5に記載のシート状物の
    製造装置。
  8. 【請求項8】 前記接圧装置が、シート状物の巻取装置
    に設けられている、請求項5に記載のシート状物の製造
    装置。
  9. 【請求項9】 前記助勢ロールの軸心位置が、接圧ロー
    ルの軸心と接圧ロールと対向するシート状物の巻取ロー
    ルまたはシート状物の搬送ロールの軸心とを結ぶ線の延
    長線に対して、−15〜25°の範囲にある、請求項6
    〜8のいずれかに記載のシート状物の製造装置。
  10. 【請求項10】 請求項5〜9のいずれかに記載の装置
    を用いるシート状物の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項5〜8のいずれかに記載の装置
    または請求項9に記載の方法によって製造されたシート
    状物。
JP10301040A 1998-10-22 1998-10-22 シート状物の接圧装置および製造装置 Pending JP2000128404A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10301040A JP2000128404A (ja) 1998-10-22 1998-10-22 シート状物の接圧装置および製造装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10301040A JP2000128404A (ja) 1998-10-22 1998-10-22 シート状物の接圧装置および製造装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000128404A true JP2000128404A (ja) 2000-05-09

Family

ID=17892144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10301040A Pending JP2000128404A (ja) 1998-10-22 1998-10-22 シート状物の接圧装置および製造装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000128404A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003505312A (ja) * 1999-06-16 2003-02-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ウェブを巻き取る装置および方法
JP7231961B1 (ja) 2021-11-16 2023-03-02 株式会社不二鉄工所 タッチローラ装置およびフィルム巻取装置
JP7424207B2 (ja) 2020-05-23 2024-01-30 三菱ケミカル株式会社 コンタクトロール及びフィルム巻取装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003505312A (ja) * 1999-06-16 2003-02-12 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー ウェブを巻き取る装置および方法
JP4643876B2 (ja) * 1999-06-16 2011-03-02 デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ ウェブを巻き取る装置および方法
JP7424207B2 (ja) 2020-05-23 2024-01-30 三菱ケミカル株式会社 コンタクトロール及びフィルム巻取装置
JP7231961B1 (ja) 2021-11-16 2023-03-02 株式会社不二鉄工所 タッチローラ装置およびフィルム巻取装置
JP2023073822A (ja) * 2021-11-16 2023-05-26 株式会社不二鉄工所 タッチローラ装置およびフィルム巻取装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6984412B2 (en) Method for removing wrinkles, device for removing wrinkles, and coating method
US7022207B2 (en) Method and apparatus for peeling a thin film from a liner
JPH02305747A (ja) フィルムウエブを巻き取るための方法および装置
JP2000128404A (ja) シート状物の接圧装置および製造装置
JP4581307B2 (ja) シワ矯正方法およびシワ矯正装置並びに塗布方法
US20070131809A1 (en) Web smoothing roller, and web roll producing device and method
TWI629227B (zh) 壓接輥及其製造方法
JPH08215747A (ja) 薄板製造・処理ラインのピンチロール設備
JPH08134645A (ja) プラスチックフイルム用真空処理装置
JP2002283370A (ja) セルロースアシレートフィルムの製造方法
JP2009234713A (ja) 溝付きクロスガイダ
JP7234556B2 (ja) 二軸配向フィルムの製造方法
JP4060734B2 (ja) 搬送方法、搬送装置、塗布方法及び塗布物製造方法
JP2019063983A (ja) フィルムロールの製造方法
JPH10279147A (ja) 幅広の可撓性帯状物の裁断方法及び裁断装置
JP2000177891A (ja) 巻取装置
JP2004307153A (ja) 巻き取り装置および巻き取り方法
JPH06262118A (ja) 塗布装置
JP2688401B2 (ja) シート成形方法及び装置
JP3505921B2 (ja) シート状物のニップロール装置およびニップ方法
JPS61173916A (ja) 二軸延伸ポリエステルフイルムの再縦延伸方法
JPH08259058A (ja) シート状物の巻取装置
JP4202775B2 (ja) 抄紙機の通紙装置
JP2024038616A (ja) シート巻取装置及びシート巻取方法
JP2002273850A (ja) ロータリースクリーン印刷方法、ロータリースクリーン印刷装置、しわ伸ばし方法及びしわ伸ばし機構