JP4202775B2 - 抄紙機の通紙装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抄紙機において紙ウェブを所定の走行経路に沿って通紙するための通紙装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
抄紙機では、フォーマにおいて帯状の湿紙(紙ウェブ)を形成し、この紙ウェブをプレスパートで脱水した後にドライヤパートで乾燥し、さらに必要に応じてサイズプレスパートやカレンダパートによって表面処理した後、リールパートで巻き取る作業が連続して行われる。この一連の作業を開始するに際しては、まず、フォーマで形成された紙ウェブの先端をリールパートまで通す準備作業が必要となる。この準備作業を通紙という。
【0003】
通紙を行なう場合、最初から全幅の紙ウェブを次工程まで通すのは難しいため、通紙を行なうに際して、まず、フォーマで形成した湿紙の側端部以外を切り落とし、テールと呼ばれる細長い湿紙片を形成する。テールは、プレスパート内をフェルトベルトで支持されながら搬送され、その後、カンバスベルトに支持されながらドライヤパートへと導入される。そして、ドライヤパート以後のサイズプレスパートやカレンダパートでは、特許文献1に開示された装置や特許文献2に開示された装置によってテールの通紙が行われていた。
【0004】
特許文献1に開示された装置は、ロープやベルト(以下、ロープ等という)によってテールを挟み込んで搬送し、次工程に受け渡すようにしたものである。これらのロープ等はテールの搬送専用のものであり、全幅の紙ウェブの走行ラインの外側に設けられている。テールの通紙時には、テールの走行ラインをロープ等の位置までずらし、通紙後には再びテールの走行ラインを本来の走行ラインに戻す操作が行われる。また、特許文献2に開示された装置は、サクションファンやエアジェット(以下、サクションファン等という)を通気性のあるコンベヤベルトに組み合わせ、サクションファン等のコンダクタ効果を利用してコンベヤベルトにテールを拘束して搬送するようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−322690号公報
【特許文献2】
特開2001−48385号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの特許文献1,2の従来技術にも以下のような課題がある。例えばカレンダパートにおける2つのロール(金属ロール,ゴムロール)間にテールを通す場合、特許文献1の従来技術を適用するならば、図7に示すような構成となる。すなわち、それぞれのロール2,3を囲むようにロープ5,6を張り、これらロープ5,6によってテール1を挟みながら、ロール2,3間を通すような構成となる。なお、金属ロール2は表面温度の高いホットロールであり、ゴムロール3の表面に直接接触させるとゴムロール3が劣化するため、テール1の通紙が完了して全幅の紙ウェブがロール2,3間を通るまでは、2つのロール2,3はニップせずに離隔されている。このようにロープ5,6で挟んでテール1を搬送する場合、高速で搬送しようとするとテール1の挙動が不安定になってテール1がロープ5,6から抜けたり途中で破断してしまったりする虞がある。
【0007】
また、特許文献2の従来技術を適用するならば、図8に示すような構成となる。すなわち、サクションファンの付いた通紙コンベア4をロール2,3の隙間の近傍に配置することになる。この場合、図を見ても分かるように、ロール2,3の周囲における設置スペースの関係から、ロール2,3を挟んだ2つの通紙コンベア4,4の間には距離が空いてしまい、この間はテール1を拘束することができない。このため、テール1はロール2,3の隙間を通過する際に全くのフリーとなってしまい、テール1の挙動が不安定になってうまく通紙できなくなる虞がある。
【0008】
以上のように、従来技術では、2つのロール間に紙ウェブを通すような状況では、紙ウェブの挙動が乱れてしまい安定して通紙することが難しかった。そこで、上記のような状況でも安定して紙ウェブを通紙できる技術の開発が望まれていた。さらに、紙ウェブを安定して通紙することは抄紙機の稼働率を高め、また損紙の低減あるいは通紙作業の効率化による省人化を実現する上で重要な課題であるので、上記のような状況に限定されることなく通紙作業における他の様々な状況下にも適用できる、より汎用性のある技術の開発が望まれていた。
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑み創案されたもので、紙ウェブを安定して通紙できるようにした、抄紙機の通紙装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成する為に、本発明の抄紙機の通紙装置は、紙ウェブの走行経路を挟んで2つの回転運動体を配置している。第1の回転運動体は、紙ウェブに接触する面を有し上記接触面が紙ウェブの走行方向に移動するように構成され、第2の回転運動体は、紙ウェブに接触する面を有し上記接触面が紙ウェブの走行方向に移動可能に構成されるとともに、第1の回転運動体よりも紙ウェブを表面に吸着しにくい形状或いは紙ウェブを吸着しにくい表面性を有している。そして、第1の回転運動体と第2の回転運動体との間に紙ウェブを通紙する際には、第2の回転運動体によって第1の回転運動体に紙ウェブを押し付けるようにしている。
【0011】
これによれば、第2の回転運動体によって第1の回転運動体に押し付けられた紙ウェブは、2つの回転運動体によって挟まれている間は、2つの回転運動体に挟持されながら安定して搬送され、2つの回転運動体の接触面が分離するときには、第2の回転運動体が第1の回転運動体よりも紙ウェブを表面に吸着しにくい形状或いは紙ウェブを吸着しにくい表面性を有していることから、常に第2の回転運動体ではなく第1の回転運動体の表面に吸着され、そのまま第1の回転運動体によって搬送されることになる。つまり、本発明の抄紙機の通紙装置によれば、常に第1の回転運動体に紙ウェブを支持させることができるので、紙ウェブの挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。
【0012】
上記第1の回転運動体は、通紙時に紙ウェブを支持させたい物体であり、ロールや複数のガイドロールで案内される無端状のベルト等、抄紙機においてウェブの走行経路上に配置されている回転運動体であれば限定はない。上記第2の回転運動体は、紙ウェブを第1の回転運動体に支持させるための物体であり、第2の回転運動体のほうが第1の回転運動体よりも紙ウェブを表面に吸着しにくい形状或いは紙ウェブを吸着しにくい表面性を有しているならば、ロールや複数のガイドロールで案内される無端状のベルト等、種々の回転運動体を適用することができる。特に、第2の回転運動体としてロールを採用する場合には、好ましくは、表面に溝を形成された溝付きロールとする。なお、第2の回転運動体は、従来の抄紙機において専用のものを新たに設けてもよく、従来からある回転運動体の形状や表面性を改良することで構成してもよい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面により、本発明の実施の形態について説明する。
(A)第1実施形態
図1は本発明の第1実施形態にかかる通紙装置を示す模式図である。本実施形態では、本発明を抄紙機のカレンダパートに適用している。カレンダパートには、2つのカレンダロール、すなわち、表面が金属の金属ロール2と表面がゴムのゴムロール3とがテール(紙ウェブ)1の走行経路を挟んで配置されている。カレンダ処理時には、これら2つのロール2,3は全幅の紙ウェブを介してニップ接触するが、テール1の通紙時には図1に示すように2つのロール2,3は離隔した状態になっている。テール1は、これら2つのロール2,3の隙間を通紙される。
【0014】
本実施形態では、テール1を金属ロール2の表面に吸着させながら通紙することで、テール1の挙動を安定化させるようにしている。すなわち、本実施形態では金属ロール2を本発明にかかる第1の回転運動体としている。そして、本発明にかかる第2の回転運動体として、新たに溝付きゴムロール6が設けられている。溝付きゴムロール6は、ゴム製の表面に1本または複数の溝が形成されたものであり、その大きさは金属ロール2に比較して小径に設定され、軸方向長さはテール1の幅程度に設定されている。溝付きゴムロール6は、2つのロール2,3間の入口側に設けられ、テール1の通紙以外の時には、図中に破線で示すように金属ロール2から離れた位置で待機している。通紙時には、図中に実線で示すように金属ロール2に接近し、通紙コンベア4等の搬送装置によって上流から搬送されてきたテール1を金属ロール2の表面に押し付ける。
【0015】
溝付きゴムロール6によって金属ロール2に押し付けられたテール1は、溝付きゴムロール6と金属ロール2とのニップ接触領域を通過する間は、これら2つのロール2,6に挟持されながら安定して搬送される。そして、ニップ接触領域の通過後は、金属ロール2の表面に吸着され、そのまま金属ロール2の回転とともにロール2,3間の出口側まで搬送される。テール1が溝付きゴムロール6ではなく金属ロール2の表面に吸着されるのは、紙はゴムよりも金属のほうに吸着されやすいこと、溝付きゴムロール6の表面には溝が形成されているためにテール1を吸着する面積が金属ロール2よりも少ないこと、溝付きゴムロール6の表面には溝が形成されているために溝付きゴムロール6とテール1の間に空気が容易に入り込みテール1は溝付きゴムロール6から剥がれ易いこと、また、金属ロール2の曲率のほうが溝付きゴムロール6の曲率よりも小さいためにニップ接触領域の出口において金属ロール2のほうにテール1が追従しやすいこと等の理由による。すなわち、溝付きゴムロール6が金属ロール2よりもテール1を表面に吸着しにくい形状或いはテール1を吸着しにくい表面性を有していることによる。このようにテール1が金属ロール2に吸着された状態でロール2,3間の出口側まで搬送される結果、テール1の挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。
【0016】
なお、溝付きゴムロール6はそれ自体が金属ロール2の周速と等速で回転する駆動型でもよく、金属ロール2の回転力を受けて従動する従動型であってもよい。ただし、従動型の場合にも、金属ロール2に接触したときのショックを防止するために、何らかの加速手段によって溝付きゴムロール6を金属ロール2の周速と同程度の周速まで加速させておくのが好ましい。また、溝付きゴムロール6と金属ロール2との間は、テール1がそこを通過するときに金属ロール2に押し付けられるようになっていればよいので、必ずしも密着させる必要はなくテール1の紙厚程度(好ましくは紙厚以下)の隙間があいていてもよい。
【0017】
ロール2,3間の出口側まで搬送されたテール1は、その後、ドクタブレード7によって金属ロール2の表面から剥ぎ取られる。そして、エア噴射装置9から噴射されるエアによって姿勢を制御されながら、ガイド板8に沿って下流に搬送される。なお、ここでは図示していないが、出口側におけるテール1の搬送手段としては、入口側と同様に通紙コンベヤ4等の種々の公知搬送手段を用いることができる。
【0018】
(B)第2実施形態
図2は本発明の第2実施形態にかかる通紙装置を示す模式図である。本実施形態は、第1実施形態と同様に本発明を抄紙機のカレンダパートに適用したものであり、第1実施形態とは第2の回転駆動体の構成に相違がある。図中、第1実施形態と同一の部位については同一の符号を付している。
【0019】
本実施形態では、第2の回転駆動体としてガイドロール16,16によって案内される無端状の溝付きゴムベルト15を用いている。溝付きゴムベルト15は、ゴム製でその表面に複数の溝が形成されたものであり、幅はテール1の幅程度に設定されている。また、ガイドロール16は、金属ロール2に比較して極めて小径に設定されている。この溝付きゴムベルト15も、第1実施形態の溝付きゴムロール6と同様、テール1の通紙以外の時には金属ロール2から離れた位置で待機しており、通紙時には、図に示すように金属ロール2に接近して通紙コンベア4によって上流から搬送されてきたテール1を金属ロール2の表面に押し付ける。
【0020】
溝付きゴムベルト15によって金属ロール2に押し付けられたテール1は、溝付きゴムベルト15と金属ロール2との接触領域を通過する間は、溝付きゴムベルト15と金属ロール2とで挟持されながら安定して搬送される。そして、接触領域の通過後は、紙はゴムよりも金属のほうに吸着されやすいこと、溝付きゴムベルト15の表面には溝が形成されているためにテール1を吸着する面積が金属ロール2よりも少ないこと、また、金属ロール2の曲率のほうが溝付きゴムベルト15を案内するガイドロール16の曲率よりも小さいために接触領域の出口において金属ロール2のほうにテール1が追従しやすいこと等の理由により、テール1は金属ロール2の表面に吸着され、そのまま金属ロール2の回転とともにロール2,3間の出口側まで搬送される。したがって、本実施形態によっても、第1実施形態と同様、テール1の挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。
【0021】
なお、溝付きゴムベルト15は、それ自体が金属ロール2の周速と等速で回転する駆動型でもよく、金属ロール2の回転力を受けて従動する従動型であってもよい。また、ここでは図示を省略しているが、ロール2,3間の出口側には、第1実施形態のドクタブレード7のような、金属ロール2の表面からテール1を引き剥がす手段が設けられている。
【0022】
(C)第3実施形態
図3は本発明の第3実施形態にかかる通紙装置を示す模式図である。本実施形態では、本発明を抄紙機のカレンダパートに適用している。本実施形態にかかるカレンダパートは、第1,第2実施形態とは異なり、金属ロール2と無端状のゴムベルト10とで紙ウェブを挟んでカレンダ処理を行ういわゆるベルトカレンダとして構成されている。ゴムベルト10は、複数のガイドローラ11によって案内され、金属ロール2の周速と等速で回転している。ゴムベルト10の内側にはゴムベルト10を支持あるいは駆動するためのロール3が配設されており、カレンダ処理時には、ゴムベルト10は2つのロール2,3のニップ部に紙ウェブとともに挟み込まれて加圧されるようになっている。
【0023】
本実施形態では、テール1をゴムベルト10の表面に吸着させながら通紙することで、テール1の挙動を安定化させるようにしている。すなわち、本実施形態ではゴムベルト10を本発明にかかる第1の回転運動体としている。そして、本発明にかかる第2の回転運動体として、新たに溝付きゴムロール6が設けられている。溝付きゴムロール6は第1実施形態で用いたものと同構成であり、ロール2,ゴムベルト10間の入口側に設けられている。そして、テール1の通紙以外の時には、ゴムベルト10から離れた位置で待機しており、通紙時には、図に示すようにゴムベルト10に接近し、通紙コンベア4等の搬送装置によって上流から搬送されてきたテール1をゴムベルト10の表面に押し付けるようになっている。
【0024】
溝付きゴムロール6によってゴムベルト10に押し付けられたテール1は、溝付きゴムロール6とゴムベルト10との接触領域を通過する間は、溝付きゴムロール6とゴムベルト10とに挟持されながら安定して搬送される。そして、溝付きゴムロール6もゴムベルト10もともに表面がゴム製であるが、溝付きゴムロール6の表面には溝が形成されているためにテール1を吸着する面積がゴムベルト10よりも少ないこと、溝付きゴムロール6の表面には溝が形成されているために溝付きゴムロール6とテール1の間に空気が容易に入り込みテール1は溝付きゴムロール6から剥がれ易いこと、また、溝付きゴムロール6が小径で曲率が大きいのに対してゴムベルト10は直線であるために接触領域の出口においてゴムベルト10のほうにテール1が追従しやすいこと等の理由により、接触領域の通過後は、テール1はゴムベルト10の表面に吸着され、そのままゴムベルト10の回転とともにロール2,3間の出口側まで搬送される。このようにテール1がゴムベルト10に吸着された状態でロール2,ゴムベルト10間の出口側まで搬送される結果、テール1の挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。
【0025】
ロール2,ゴムベルト10間の出口側まで搬送されたテール1は、その後、カンバスベルト13が巻回されたサクションロール12によって、ゴムベルト10からカンバスベルト13側に吸引される。そして、カンバスベルト13の内側に配置された負圧ボックス14の吸引力によってカンバスベルト13の表面に拘束されながら、カンバスベルト13によって下流に搬送されていく。
【0026】
(D)第4実施形態
図4は本発明の第4実施形態にかかる通紙装置を示す模式図である。本実施形態では、本発明を通紙コンベヤに適用している。図4に示すように、通紙コンベヤ4は、ガイドローラ4b,4bによって案内されている無端状の通気性ベルト4aの内側に負圧ボックス4cが配置されたものである。テール1は、負圧ボックス4cによる吸引力によって通気性ベルト4aに拘束されながら搬送される。
【0027】
本実施形態では、通気性ベルト4aへのテール1の拘束を補助する目的で、新たに溝付きゴムロール6が設けられている。溝付きゴムロール6は第1実施形態で用いたものと同構成であり、通紙コンベヤ4の上流部に設けられ、上流から搬送されてきたテール1を通気性ベルト4aの表面に押し付けるようになっている。本実施形態では、通気性ベルト4aが本発明にかかる第1の回転運動体に相当し、溝付きゴムロール6が第2の回転運動体に相当している。
【0028】
溝付きゴムロール6によってテール1を通気性ベルト4aに強制的に押し付けることで、テール1には負圧ボックス4cによる吸引力が確実に作用する。そして、通気性ベルト4aの表面には吸引力が作用しているのに対して溝付きゴムロール6の表面には吸引力が作用していないこと、溝付きゴムロール6の表面には溝が形成されているためにテール1を吸着する面積が通気性ベルト4aよりも少ないこと、溝付きゴムロール6の表面には溝が形成されているために溝付きゴムロール6とテール1の間に空気が容易に入り込みテール1は溝付きゴムロール6から剥がれ易いこと、また、溝付きゴムロール6が小径で曲率が大きいのに対して通気性ベルト4aは直線であるために接触領域の出口において通気性ベルト4aのほうにテール1が追従しやすいこと等、溝付きゴムロール6は通気性ベルト4aよりもテール1を表面に吸着しにくい形状或いはテール1を吸着しにくい表面性を有していることから、テール1は溝付きゴムロール6の表面に吸着されることなく確実に通気性ベルト4aの表面に拘束される。このようにテール1が通気性ベルト4aに確実に拘束されて搬送される結果、通紙コンベヤ4上でのテール1の挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。また、このように溝付きゴムロール6を備えた通紙コンベヤ4を複数用いることで、テール1の安定した長距離搬送も可能になる。また、本実施形態により従来方式と比較して通紙コンベヤ4上におけるテール1の拘束力が増加するため負圧ボックス4c内の吸引力を低減することができ、負圧発生に用いるブロアファン容量を低減することが可能となり、省電力化も可能となる。
【0029】
(E)第5実施形態
図5は本発明の第5実施形態にかかる通紙装置を示す模式図である。本実施形態では、本発明を抄紙機のプレスパートに適用している。プレスパートでは、湿紙(紙ウェブ)20は上下のフェルト(フェルト製のベルト)23,24により狭持されて搬送される。これらのフェルト23,24はともに無端ベルトであり、ループを描いて互いに逆方向に回転運動している。湿紙20はフェルト23,24とともに上下一対のプレスロール21,22のニップを通過して圧縮搾水される。その後、各フェルト23,24がそれぞれのガイドロール25,26によって案内されて引き離されるにともない、湿紙20は一方のフェルト(図の場合は下側フェルト)24により下流へと搬送される。
【0030】
本実施形態では、湿紙20とフェルト23,24との接着力はフェルト23,24の表面性に依存することに着目し、湿紙20を下側フェルト24に確実に随伴させるべく、上側フェルト23の表面性と下側フェルト24の表面性とに差をつけている。すなわち、上側フェルト23には表面が粗いフェルトを配置し、下側フェルト24には表面が平滑なフェルトを配置することにより、湿紙20と下側フェルト24との接着力を湿紙20と上側フェルト23との接着力よりも高めている。具体的には、フェルト表面性の指標としてフェルトを平滑面(ガラス面)に加圧した際の接触面積と接触点数との積の平方根(この値を密着性aとする)を採用し、湿紙20を吸着させるべき下側フェルト24の密着性a1が、もう上側フェルト23の密着性a2より0.1ポイント以上大きくなるよう、各々のフェルト23,24を選定して組み合わせている。
【0031】
このように、本実施形態では、下側フェルト24が本発明にかかる第1の回転運動体に相当し、上側フェルト23が第2の回転運動体に相当しており、上側フェルト23が下側フェルト24よりも湿紙20を吸着しにくい表面性を有していることから、湿紙20は常に上側フェルト23ではなく下側フェルト24の表面に吸着され、そのまま下側フェルト24によって搬送されることになる。つまり、本実施形態の通紙装置によれば、確実に下側フェルト24に湿紙20を随伴させることができるので、プレスパートにおいて湿紙20の挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。
【0032】
なお、ここでは下側フェルト24に湿紙20を随伴させる場合について説明したが、勿論、上側フェルト23に湿紙20を随伴させることも可能である。この場合は、上側フェルト23を本発明にかかる第1の回転運動体に相当させ、下側フェルト24を第2の回転運動体に相当させるべく、下側フェルト24の表面を上側フェルト23の表面よりも粗くすればよい。
【0033】
(F)第6実施形態
図6は本発明の第6実施形態にかかる通紙装置を示す模式図である。本実施形態では、本発明を抄紙機のリールパートに適用している。リールパートには、リールドラム(ロール)30とリールスプール(ロール)31とが備えられている。リールパートでの紙ウェブの巻き取りは、まず、図6(a)に示すようにリールドラム30に沿ってテール状の紙ウェブ1を通紙することで開始される。そして、紙ウェブ1をテール状から全幅まで拡幅した後、巻き付け装置33によって、紙ウェブ1を幅方向に切断するとともにエアーブローでめくり上げ、図6(b)に示すようにリールスプール31に巻き付ける。なお、通紙完了後からリールスプール31に巻き付けられるまでの間、紙ウェブ1は、ドクタブレード32によりリールドラム30の表面から引き剥がされて図示しないピット内に落とされる。その後は、図6(c)に示すようにリールスプール31をリールドラム30の周面に沿って移動させながら、リールスプール31に紙ウェブ1を巻き取っていく。
【0034】
上記の工程において、紙ウェブ1を正しくリールスプール31に巻き付けるためには、巻き付け装置33によって幅方向に切断されてリールスプール31に巻き上げられるまでは、紙ウェブ1がリールスプール31側に吸着することを防ぐ必要がある。そこで、本実施形態では、リールスプール31の表面粗さよりリールドラム30の表面粗さを小さくすることにより、紙ウェブ1をリールスプール31ではなくリールドラム30の表面に確実に吸着させるようにしている。具体的には、リールスプール31の表面粗さ(最大粗さRmax)を6〜30μmの範囲で、また、リールドラム30の表面粗さを1〜15μmmの範囲で、リールスプール31の表面粗さがリールドラム30の表面粗さより1μm以上大きくなるよう組み合わせている。
【0035】
このように、本実施形態では、リールドラム30が本発明にかかる第1の回転運動体に相当し、リールスプール31が第2の回転運動体に相当しており、リールスプール31がリールドラム30よりも紙ウェブ1を吸着しにくい表面性を有していることから、紙ウェブ1は常にリールスプール31ではなくリールドラム30の表面に吸着され、リールドラム30とリールスプール31とのニップ領域の通過後、そのままリールドラム30の表面で支持されながら搬送されることになる。つまり、本実施形態の通紙装置によれば、確実にリールドラム30に紙ウェブ11を吸着させて搬送することができるので、リールパートにおいて紙ウェブ1の挙動が不安定になることがなく、誤って紙ウェブ1がリールスプール31に巻き付いてしまうことを防止することができる。
【0036】
(G)その他
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。例えば、第1〜第4実施形態では、第2の回転運動体として溝付きのゴムロールやベルトを用いているが、第1の回転運動体との表面性や曲率の関係により、確実に第1の回転運動体に吸着されるならば、溝は省略することも可能である。また、これらのロールやベルトの材質はゴムに限定されず、相手側の回転運動体の材質との関係で決めればよい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の抄紙機の通紙装置によれば、第2の回転運動体によって第1の回転運動体に押し付けられた紙ウェブは、2つの回転運動体によって挟まれている間は、2つの回転運動体に挟持されながら安定して搬送される。また、2つの回転運動体の接触面が分離するときには、第2の回転運動体が第1の回転運動体よりも紙ウェブを表面に吸着しにくい形状或いは紙ウェブを吸着しにくい表面性を有していることから、常に第2の回転運動体ではなく第1の回転運動体の表面に吸着され、そのまま第1の回転運動体によって搬送されることになる。したがって、常に第1の回転運動体に紙ウェブを支持させることができ、紙ウェブの挙動が不安定になることがなく、安定した通紙が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかる抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかる抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図5】本発明の第5実施形態にかかる抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図6】本発明の第6実施形態にかかる抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図7】従来の抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【図8】従来の抄紙機の通紙装置の概略構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 テール
2 金属ロール
3 ゴムロール
4 通紙コンベヤ
4a 通気性ベルト
4c 負圧ボックス
6 溝付きゴムロール
7 ドクタブレード
8 ガイド板
9 エア噴射装置
10 ゴムベルト
11 ガイドロール
12 サクションロール
13 カンバスベルト
14 負圧ボックス
15 溝付きゴムベルト
16 ガイドロール
20 湿紙
21,22 プレスロール
23,24 フェルト
25,26 ガイドロール
30 リールドラム
31 リールスプール
32 ドクタブレード
33 巻き付け装置

Claims (4)

  1. 紙ウェブに接触する面を有し上記接触面が上記紙ウェブの走行方向に移動する第1の回転運動体と、
    上記紙ウェブに接触する面を有し上記接触面が上記紙ウェブの走行方向に移動可能に構成される第2の回転運動体を備え、
    上記第1の回転運動体と上記第2の回転運動体とは上記紙ウェブの走行経路を挟んで配置され、上記第2の回転運動体によって上記紙ウェブが上記第1の回転運動体に押し付けられるように構成され、
    上記第2の回転運動体は、表面に溝が形成された溝付きロールであり、上記第1の回転運動体よりも上記紙ウェブを表面に吸着しにくい表面性を有していることを特徴とする、
    抄紙機の通紙装置。
  2. 上記第1の回転運動体がロールであることを特徴とする、請求項1記載の抄紙機の通紙装置。
  3. 上記第1の回転運動体が複数のガイドロールで案内される無端状のベルトであることを特徴とする、請求項1記載の抄紙機の通紙装置。
  4. 上記第2の回転運動体がロールであることを特徴とする、請求項1〜3の何れかの項に記載の抄紙機の通紙装置。
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