JP2000086031A - シート状物の搬送装置およびシート状物の製造方法 - Google Patents

シート状物の搬送装置およびシート状物の製造方法

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JP2000086031A
JP2000086031A JP26057298A JP26057298A JP2000086031A JP 2000086031 A JP2000086031 A JP 2000086031A JP 26057298 A JP26057298 A JP 26057298A JP 26057298 A JP26057298 A JP 26057298A JP 2000086031 A JP2000086031 A JP 2000086031A
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roll
sheet
traction force
sheet type
conveying device
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JP26057298A
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Takashi Ichinomiya
崇 一ノ宮
Hiroshi Nitta
宏 新田
Shintaro Kuge
慎太郎 久下
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シート状物の搬送工程において、確実な拡幅力
をシート状物に与えつつ、シート状物に傷や破れが生じ
ることなく、シワを伸ばしながらシート状物を搬送し、
また、蒸着機等の真空中でもシワ伸ばしのために使用可
能なシート状物の搬送装置、および、これを用いてのシ
ート状物の製造方法を提供する。 【解決手段】シート状物が接触して走行する、シート状
物の走行方向に複数本配列された回転ロール群からなる
シート状物の搬送装置において、各ロールが、シート状
物の接触する幅内で、その両端側に、ロールの表面のシ
ート状物に対するトラクション力が大きい部分を有する
とともに、上流側に位置するロールにおける前記両端側
より内側に位置するトラクション力が小さい部分のロー
ル軸方向の幅をaとし、下流側に位置するロールにおけ
る前記両側より内側のトラクション力が小さい部分のロ
ール軸方向の幅をbとしたとき、a<b、a≧0、およ
び、b>0の関係を満足することを特徴とするシート状
物の搬送装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチックフィ
ルムや紙等のシート状物の搬送装置およびシート状物の
製造方法に関する。更に詳しくは、シート状物を、擦り
傷無く、かつ、シワの発生を防止しつつ、あるいは、発
生したシワを伸ばしつつ、搬送するシート状物の搬送装
置および該搬送装置を用いたシート状物の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、走行中のシート状物に発生するシ
ワを伸ばしながら搬送するシート状物の搬送装置とし
て、図6に示すらせん溝付きロール20や、図7に示す
エキスパンダロール22が知られている。また、特許第
2501136号公報に記載されたサクション式シワ伸
ばし装置があり、そのシワ伸ばし装置25の概要を、図
8、9に示す。
【0003】図6に示すらせん溝付きロール20は、表
面にらせん溝21が設けられたゴムロールであり、滑り
による摩擦力を幅方向の拡幅力に利用し、このロール2
0に接触して走行するシート状物1のシワを除去するも
のである。
【0004】図7に示すエキスパンダロール22は、弓
なりに湾曲され、この湾曲形状に基づいてシート状物1
の幅方向に拡幅力を及ぼし、シワを除去する。
【0005】図8、9に示すサクション式シワ伸ばし装
置25は、シート状物1の両端側での搬送方向に対して
外側へ傾けられ、シート状物1の走行に従動するロール
群24に、サクション23によってシート状物が吸着搬
送されるため、シート状物1の幅方向に拡幅力が作用
し、シワが伸ばされる。
【0006】一方、傷をつけること無くシート状物を搬
送する装置については、特開平8−208088号公報
に開示されたデュアルトラクションロールがある。これ
は、図10に示すようにトラクション力が異なる部分2
6、27、27を複数有するロール28であり、2種類
のトラクション力を組み合わせることにより、ロール2
8全体としては、これらの中間の値のトラクション力を
創出するようにして、シート状物1の蛇行や傷を防止す
るものである。
【0007】ここでトラクション力とは、シート状物を
把持する力である。トラクション力は、ロールとシート
状物との摩擦係数が大きいほど大きく、また、サクショ
ンロールやニップロールでは、サクション圧やニップ圧
が大きいほど大きい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、らせん溝付き
ロール20(図6)は、ロール20とシート状物1の間
に相対速度が生じる場合にのみ摩擦力が発生し、拡幅力
が作用するため、相対速度の生じない場合、つまり滑り
の生じない場合は、シワ伸ばし効果がない。また、相対
速度が生じ、シワ伸ばし作用が存在する場合は、ロール
20との摩擦により生じるシート状物1の摩耗粉が、溝
21に溜まり、シート状物1の製品欠陥の原因となる。
【0009】エキスパンダロール22(図7)は、シー
ト状物1の経路がロール22の中央部と端部とで異なる
ため、シート状物1の端部にたるみが生じやすく、ま
た、構造が複雑であるため、メカロスが大きく、調整が
大変で、扱いにく、更に、拡幅の際の滑りにより、シー
ト状物1の表面に擦り傷が生じる欠点を有する。
【0010】また、サクション式シワ伸ばし装置25
(図8、9)は、擦り傷が懸念されるため、シート状物
1の端部にのみ適用可能な装置である。このため広幅の
シート状物1に適用する場合、幅方向の中央部のシワを
除去するためには吸引力を高くする必要がある。この強
い吸引力の影響で2次的なシワの発生やシート状物1の
破れが発生する場合がある。また、サクション23を使
用するため、蒸着機等真空中で用いることができない。
【0011】デュアルトラクションロール28(図1
0)は、単体使用では拡幅力を有さない。シワの発生を
押さえることはできても、シワ伸ばしの作用、効果は得
られない。
【0012】本発明の目的は、上記従来装置における問
題を解消し、確実な拡幅力をシート状物に与えつつ、シ
ート状物に傷や破れが生じることなく、シワを伸ばしな
がらシート状物を搬送する装置を提供することにある。
また、蒸着機等の真空中でも使用可能なシワ伸ばし機能
を有するシート状物の搬送装置を提供することにある。
更に、この装置を用いてたシート状物の製造方法を提供
することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は、次の構成からなる。
【0014】シート状物が接触して走行する、シート状
物の走行方向に複数本配列された回転ロール群からなる
シート状物の搬送装置において、各ロールが、シート状
物の接触する幅内で、その両端側に、ロールの表面のシ
ート状物に対するトラクション力が大きい部分を有する
とともに、上流側に位置するロールにおける前記両端側
より内側に位置するトラクション力が小さい部分のロー
ル軸方向の幅をaとし、下流側に位置するロールにおけ
る前記両側より内側のトラクション力が小さい部分のロ
ール軸方向の幅をbとしたとき、a<b、a≧0、およ
び、b>0の関係を満足することを特徴とするシート状
物の搬送装置。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のシート状物の搬
送装置がプラスチックフィルムの製造工程に用いられた
場合の好ましい実施形態について、図面を参照しながら
説明する。なお、本発明は、プラスチックフィルム以外
のシート状物の搬送にも適用できる。
【0016】図1は、本発明のシート状物の搬送装置の
上面概略図、図2は、図1に示した装置の側面概略図で
ある。図1、2において、シート状物の搬送装置は、走
行するシート状物1(走行方向は、図1において、シー
ト状物1上の矢印で示される)を接触せしめ搬送するシ
ート状物の走行方向に2本配列された回転ロールである
搬送ロール2、3からなる。シート状物1の走行方向の
上流側に位置する搬送ロール2は、その両端側に、シー
ト状物に対するトラクション力の大きい表面5、5を有
し、これら表面5、5の間の表面4は、それよりもトラ
クション力が小さい。また、下流側に位置する搬送ロー
ル3も、その両端側に、シート状物に対するトラクショ
ン力の大きい表面7、7を有し、これら表面7、7の間
の表面6は、それよりもトラクション力が小さい。更
に、上流側の搬送ロール2のトラクション力が小さい表
面4のロール2の軸方向の幅aと、下流側の搬送ロール
3のトラクション力の小さい表面6のロール3の軸方向
の幅bとは、a<bの関係を満足している。ここで、a
≧0、b>0である。
【0017】ロール2、3の表面のシート状物に対する
トラクション力を変える手段としては、いくつかの手法
があり、本発明においては、次の手法が推奨される。
【0018】搬送ロールが、ゴム製のロールの場合、シ
ート状物に対するトラクション力を軸方向で変えるに
は、ゴムの素材を変え、粘性の差異により、シート状物
との間の摩擦係数を変えるのが望ましい。
【0019】なお、フィルム(シート状物)を高速で搬
送する場合は、ロールとフィルムの間に随伴気流が介在
し、トラクション力が低下する。この随伴気流対策とし
て、特開平8−208088号公報に記載されている、
ゴムロールの両端側に溝を施し、必要に応じて、中央部
にも、溝を設ける手法を用いるのが良い。この場合、両
端側と中央部の溝の幅や数などを、適宜、変えるのが良
い。
【0020】搬送ロールとして、サクションロールを用
いる場合は、随伴気流の問題は、解消される。ロールの
両端側部分の吸引圧が、それらより内側部分の吸引圧よ
り高くなるような吸引機構を設けることにより、ロール
の軸方向に異なるトラクション力が形成される。
【0021】搬送ロールとして、ニップロールを用いる
場合は、中央部のニップ圧よりも両端側のニップ圧が高
くなるようなニップ機構を設ける。この場合も、本発明
の云う、ロールの軸方向に異なるトラクション力が形成
される。
【0022】この一例を図4に示す。上流側の搬送ロー
ル16には、左右に1本ずつ、ニップロール17、17
が、間隔aをおいて、取り付けられている。下流側の搬
送ロール18には、左右に1本ずつ、ニップロール1
9、19が、間隔bをおいて、取り付けられている。間
隔bの軸方向の長さは、間隔aの軸方向の長さより長
い。シート状物1は、搬送ロール16に、ニップロール
17、17にニップされながら巻き掛けられ、次いで、
搬送ロール18に、ニップロール19、19にニップさ
れながら巻き掛けられ、シート状物1の上に示される矢
印の方向に、走行せしめられる。ニップロール方式もま
た、上記随伴気流の問題を実質的に有さない。
【0023】トラクション力の測定方法を説明する。ト
ラクション力とは、前記の通り、シート状物(フィル
ム)をロールが把持する力のことである。図11は、前
記特開平8−208088公報第8欄第32−42行記
載の、搬送ロールとこれに接触して走行するシート状物
との間の摩擦係数を測定する装置の側面図である。この
測定方法を用いて、トラクション力が測定される。トラ
クション力は、張り側張力T1と緩み側張力T2との差
と考えることができる。
【0024】被測定ロール29は、ゴムロール、金属ロ
ール、溝付きロールなど、本発明の実施に用いるロール
のトラクション力の大きい表面および小さい表面のいず
れかの表面を全面に有する回転ロールであり、シート状
物1とローラ29が滑るまでブレーキトルクを大きくす
る。被測定ロール29の前後に、入り側張力検出ロール
30と出側張力検出ロール31が配置されている。滑り
が発生した瞬間に、入り側張力検出ロール30でゆるみ
側張力T2を、出側張力検出ロール31で張り側張力T
1が検出される。滑りが発生した瞬間とは、ロール29
の周速とシート状物1の走行速度の差が、0でなくなっ
た瞬間のことである。
【0025】被測定ロール29が、ニップロールおよび
サクションロール以外の場合、摩擦係数μと張力との関
係は、次式(I)で求められる。
【0026】
【数1】 ここで、αは、シート状物1の被測定ロールに対する巻
付角である。また、eは、自然対数の底である。(I)
式よりトラクション力を求めると、(II)式になる。
【0027】
【数2】 (II)式より、摩擦係数μあるいは巻付角αが大きいほ
ど、トラクション力は大きいことが分かる。
【0028】被測定ロール29が、サクションロールの
場合は、トラクション力と摩擦係数μとの関係は、次式
になる。
【0029】 T1−T2=μPA (III) ここで、Pは、サクションの吸引圧、Aは、サクション
孔のシート状物1に対する有効面積である。(III )式
より、サクションロールでは、トラクション力は、摩擦
係数μとサクション吸引圧Pとサクション孔の有効面積
Aに比例することが分かる。
【0030】被測定ロール29が、ニップロールに場合
は、トラクション力と摩擦係数μとの関係は、次式にな
る。
【0031】 T1−T2=μN (IV) ここで、Nは、ニップ力である。ただし、上式は、ニッ
プのみによるトラクション力を求める式であるため、図
11の巻付角αは、0に近い方が良い。
【0032】上記測定方法により、高速搬送の場合で
も、張力T1、T2を測定することができ、トラクショ
ン力を求めることができる。
【0033】本発明は、複数本の搬送ロールに接触して
走行するシート状物に対し、その両端側方向に拡幅力を
作用せしめるものである。
【0034】本発明のシート状物の搬送装置によれば、
隣接する2本の搬送ロールにおいて、シート状物の走行
方向の上流側に位置する搬送ロールのシート状物に対す
るトラクション力が小さい部分の幅に対し、下流側に位
置する搬送ロールのトラクション力の小さい部分の幅
が、大きくされているため、シート状物がこれらの搬送
ロールに接触して走行する間に、シート状物に合成され
たトラクション力Fが作用する。この状態を図5に示
す。シート状物1の走行方向に対し角度θだけ傾いた力
Fが、シート状物1に作用し、これが、走行するシート
状物1に対する幅方向外側に向く拡幅力を生成する。こ
の角度θは、図1に示された寸法a、bから図5に示し
た通りに求められる。すなわち、θ=tan-1((b−
a)/2L)である。また、上流側の搬送ロール2のト
ラクション力の低い中央側の部分の幅方向の幅は、a≧
0の範囲である。
【0035】本発明において、角度θは、次式の関係を
満足しているのが好ましい。
【0036】 π/6rad < θ (V) 角度θが、式(V)を満足しない場合、拡幅力は、非常
に小さくなり、シワを伸ばす能力が小さくなる。
【0037】
【実施例】図1乃至図4に示した本発明に係るシート状
物の搬送装置のより具体的な実施例として、実施例1乃
至実施例3を示す。
【0038】これらの実施例は、プラスチックフィルム
のスリッタにおけるフィルムの搬送部についてのもので
ある。実施に用いたフィルムは、厚みが2μmで、幅が
2.5mのポリエチレンテレフタレート(PET)フィ
ルムである。
【0039】実施例1は、図1に示した2本の搬送ロー
ル2と3とからなる、本発明のシート状物の搬送装置を
用いたものである。各ロール2、3は、鋼製のパイプの
表面に表層として、ゴム層が塗着されたものである。こ
のゴム層は、ロール2の中央部4とロール3の中央部6
において、摩擦係数の低いクロロプレンゴムで形成さ
れ、ロール2の両端側5、5とロール3の両端側7、7
において、摩擦係数の高いEPTゴムで形成されてい
る。摩擦係数の異なるゴムを用いることで、これらロー
ルのトラクション力は、ロール両端側において大きく、
中央部で小さくされている。
【0040】実施例2は、図3に示した本発明のシート
状物の搬送装置を用いたものである。この搬送装置は、
図1に示した搬送装置と同様に、2本の搬送ロール1
4、15を有するが、図1のものと異なる点は、それぞ
れの搬送ロール14、15におけるトラクション力の低
い部分10、12を挟んでの両端側のトラクション力の
高い部分11、11、13、13が、ロールの端部まで
連続して延びることなく、それよりも短い特定の幅に限
られ、更にその外側に再びトラクション力の低い部分
8、8、9、9を有している点である。
【0041】これらの搬送ロール14、15は、トラク
ション力の大きい、つまり摩擦係数の高い部分の形成の
部位が相違すること以外は、実施例1の場合と同じ構成
を有する。
【0042】実施例3は、図4に示したニップロールか
らなる、本発明のシート状物の搬送装置を用いたもので
ある。この搬送装置における搬送ロール16、18は、
表面にシリコンの被覆層を有する。
【0043】実施例1乃至3についての、図1、3、4
に示すa、b、Lの寸法は、いずれも、a=400m
m、b=600mm、L=600mm、であり、各搬送
ロールの直径は250mm、ロール長は3mである。
【0044】また、比較例1は、図1に示した搬送装置
の一組の搬送ロール2、3を、図6に示すらせん溝付き
ロール20に置き換えた搬送装置を用いたものである。
なお、らせん溝付きロール20は、積極的に駆動される
駆動ロールとした。この場合、フィルム1がロール20
により積極的に送られることになるので、溝の方向に気
を付ける必要がある。これをシート状物の走行につれて
回転する従動ロールの場合と同じ方向にすると、シート
状物の中央側に向けシワがよせられることになるからで
ある。このロールの外径(直径)は、実施例1と同じ
く、250mmとした。
【0045】比較例2は、比較例1におけるらせん溝付
きロール20を、図7に示すエキスパンダロール22に
置き換えた搬送装置を用いたものである。エキスパンダ
ロール22は、軸損が大きいため、その外筒を駆動する
方式とした。外筒の表面は、ゴムで被覆されており、そ
の外径は、200mmである。
【0046】比較例3は、比較例1におけるらせん溝付
きロール20を、図8に示すサクション式シワ伸ばし装
置25に置き換えた搬送装置を用いたものである。この
装置25は、幅100mm、長さ150mm、高さ50
mmのボックス形式のもので、直径30mmのガイドロ
ール24を4本用いた。サクション23の吸引圧は調整
できるものとした。
【0047】比較例4は、比較例1におけるらせん溝付
きロール20を、図10に示すデュアルトラクションロ
ール28に置き換えた搬送装置を用いたものである。搬
送ロール28は、表層がクロロプレンのゴム層であり、
中央部26にダイヤカット溝を設けることでトラクショ
ン力をロール28の中央部26と両端部27、27とで
変えている。各部寸法は、実施例1と同じである。
【0048】また、各実施例および各比較例におけるフ
ィルムの走行速度は、200m/分とした。
【0049】各実施例および各比較例におけるフィルム
の搬送装置としての評価結果を、表1に示す。
【0050】拡幅力の良否の判定は、走行中のフィルム
の中央にスリットを入れ、各搬送装置におけるスリット
の拡がり具合を相対比較したものである。また、フィル
ムの表面キズの良否の判定は、搬送装置を通過し、巻き
取られたフィルムの表面を顕微鏡にて観察した際の、単
位面積当たりの傷の数を相対比較したものである。
【0051】摩耗粉についても、表面傷の場合と同様
に、顕微鏡にて観察した際の単位面積当たりの傷の数を
相対比較したものである。
【0052】巻姿は、本発明に係るシート状物の搬送装
置が、フィルムの製造装置として有効であることを確認
するためのものであり、フィルムの製造収率をもって相
対比較したものである。
【0053】調整は、フィルムを搬送するに当たり、フ
ィルムを搬送装置に装着し、装置を最も良い状態にする
のに要した人数と所要時間を掛け合わせた値をもって相
対比較したものである。
【0054】
【表1】 表1中、○印は、良好であることを、△印は、実施例
間、比較例間、および、実施例・比較例間において、良
好(○)に比べ、やや劣ることを、×印は、同様に、か
なり劣ることを、それぞれ示す。
【0055】
【発明の効果】本発明のシート状物の搬送装置によれ
ば、装置に装備された複数本の搬送ロールのそれぞれ
が、シート状物に対するトラクション力の小さい部分と
それより外側の両端側にトラクション力の大きい部分を
有し、かつ、シート状物の走行方向の上流側に位置する
搬送ロールのトラクション力の小さい部分の幅よりも、
下流側に位置する搬送ロールのトラクション力の小さい
部分の幅が大きい関係を有しているため、この搬送装置
を走行して通過するシート状物は、前記関係によりもた
らされるシート状物に作用する拡幅力により、発生しが
ちなシワが防止され、あるいは、発生したシワが除去さ
れつつ、表面に擦り傷を発生することなく、搬送され、
巻き取られる。
【0056】本発明の搬送装置における搬送ロールの表
面を、ゴム層とすることでシート状物のテンションカッ
トが容易に行える。ここで、テンションカットとは、ス
リッタにおける巻出し張力と巻き取り張力の差を吸収す
ることである。テンションカットを行うことで、フィル
ムのたるみや破れが防止される。
【0057】本発明の搬送装置における搬送ロールの両
端側とそれより内側の表面を、異なる材質のゴムで形成
することで、シート状物に擦り傷をつけることなくシワ
をのばすことができ、シート状物を通す場合にも良好な
ハンドリング性を得ることができる。特に、広幅フィル
ムの幅方向の中央部のシワ伸ばしに有効である。また、
蒸着機等の真空中でもシワ伸ばし搬送を行うことができ
る。
【0058】本発明の搬送装置における搬送ロールに、
サクションロールを用いることで、摩耗粉を実質的に出
すことなく、高速でもシワ伸ばし効果を得ることができ
る。
【0059】また、本発明の搬送装置における搬送ロー
ルに、ニップロールを用いることで高速でもシワ伸ばし
効果を得ることができる。
【0060】本発明に係るシート状物の搬送装置を用い
たシート状物の製造方法により、擦り傷のない、巻取シ
ワのないシート状物を効率的に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状物の搬送装置の一例の平面概
略図である。
【図2】図1に示した装置の側面図である。
【図3】本発明のシート状物の搬送装置の他の一例の平
面概略図である。
【図4】本発明のシート状物の搬送装置の他の一例の斜
視概略図である。
【図5】本発明のシート状物の搬送装置を通過するシー
ト状物に作用する力の関係を説明する平面図である。
【図6】従来のらせん溝付きロールが用いられたシート
状物の搬送装置の平面概略図である。
【図7】従来のエキスパンダロールが用いられたシート
状物の搬送装置の平面概略図である。
【図8】従来のサクション式シワ伸ばし装置が用いられ
たシート状物の搬送装置の平面概略図である。
【図9】図8に示した装置の側面概略図である。
【図10】従来のデュアルトラクションロールの平面概
略図である。
【図11】本明細書で用いられるトラクション力の測定
装置の側面概略図である。
【符号の説明】
1:シート状物 2:搬送ロール 3:搬送ロール 4:トラクション力の小さい部分 5:トラクション力の大きい部分 6:トラクション力の大きい部分 7:トラクション力の大きい部分 8:トラクション力の小さい部分 9:トラクション力の小さい部分 10:トラクション力の小さい部分 11:トラクション力の大きい部分 12:トラクション力の小さい部分 13:トラクション力の大きい部分 14:搬送ロール 15:搬送ロール 16:搬送ロール 17:ニップロール 18:搬送ロール 19:ニップロール 20:搬送ロール 21:溝 22:搬送ロール 23:サクション 24:ガイドロール群 25:シワ伸ばし装置 26:トラクション力の小さい部分 27:トラクション力の大きい部分 28:搬送ロール 29:被測定ロール 30:り側張力検出ロール 31:出側張力検出ロール a:上流側搬送ロールのトラクション力の小さい部分の
ロール軸方向の幅 b:下流側搬送ロールのトラクション力の小さい部分の
ロール軸方向の幅 L:搬送ロール軸間隔 F:本発明の作用により発生するトラクション力 θ:シート状物走行方向と発生トラクション力とのなす
角 α:巻付角 T1:ゆるみ側張力 T2:張り側張力

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状物が接触して走行する、シート状
    物の走行方向に複数本配列された回転ロール群からなる
    シート状物の搬送装置において、各ロールが、シート状
    物の接触する幅内で、その両端側に、ロールの表面のシ
    ート状物に対するトラクション力が大きい部分を有する
    とともに、上流側に位置するロールにおける前記両端側
    より内側に位置するトラクション力が小さい部分のロー
    ル軸方向の幅をaとし、下流側に位置するロールにおけ
    る前記両側より内側のトラクション力が小さい部分のロ
    ール軸方向の幅をbとしたとき、a<b、a≧0、およ
    び、b>0の関係を満足することを特徴とするシート状
    物の搬送装置。
  2. 【請求項2】前記複数の回転ロールの隣接するロールの
    軸心間隔をLとしたとき、 π/6rad < tan-1((b−a)/2L) の関係を満足する請求項1に記載のシート状物の搬送装
    置。
  3. 【請求項3】前記回転ロールの表面が、ゴムで形成され
    ている請求項1または2に記載のシート状物の搬送装
    置。
  4. 【請求項4】前記回転ロールの表面が、ロール両端側と
    それより内側で異なる材質のゴムで形成されている請求
    項1乃至3のいずれかに記載のシート状物の搬送装置。
  5. 【請求項5】前記回転ロールが、サクションロールであ
    り、走行するシート状物に対して該ロールの両端側とそ
    れより内側で異なる吸引力を与える機能を持つ請求項1
    または2に記載のシート状物の搬送装置。
  6. 【請求項6】前記回転ロールが、溝付きロールであり、
    ロール両端側とそれより内側で溝仕様が異なる請求項1
    乃至4のいずれかに記載のシート状物の搬送装置。
  7. 【請求項7】前記回転ロールが、走行するシート状物を
    ニップするニップ手段を備えており、該ニップ手段は、
    該ロールの軸方向において異なるニップ力を与える機能
    を持つ請求項1乃至4または6のいずれかに記載のシー
    ト状物の搬送装置。
  8. 【請求項8】シート状物供給源から連続して供給される
    シート状物が請求項1乃至7のいずれかに記載のシート
    状物の搬送装置に導入され、該搬送装置から導出された
    シート状物が巻き取られてなるシート状物の製造方法。
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