JP2019063983A - フィルムロールの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルム切断工程で発生する粉塵飛散を抑制し、かつフィルム切断工程の安定性を向上することができるフィルムロールの製造方法を提供する。【解決手段】両側に回転自在な一対のローラ1を備える円形刃2を有するフィルム切断装置により、一対のローラ1を走行するフィルム3を切断する工程を有するフィルムロールの製造方法であって、フィルム3の反対側に吸引機構を有し、円形刃2と一対のローラ1の回転軸が同一であり、円形刃2の半径の長さが一対のローラ1の半径の長さよりも大きく、一対のローラ1に対するフィルム3の抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下であり、円形刃2が駆動機構を有し、かつ、円形刃2の回転速度とフィルム3の走行速度との相対速度差が、100m/min以上600m/min以下であることを特徴とする、フィルムロールの製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、フィルム切断工程で発生する粉塵飛散を抑制し、かつフィルム切断工程の安定性を向上することができるフィルムロールの製造方法に関する。
二軸延伸ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムは、耐熱性に優れ、生産性にも優れているため、光学用途、離型フィルム、ドライフィルムレジスト用途、プリンターリボン等の用途に広く使用されている。近年は、IT分野の成長に伴い、ディスプレイ用の反射防止フィルム、液晶用バックライト用拡散板、タッチパネルなどの基材や光ディスプレイ及び液晶位相差板、偏光板など光学用部材の工程紙や離型フィルムなど、光学フィルム用途への使用が増加している。このような用途のフィルムに要求される品質として、例えば、フィルム表面の付着異物低減、内部異物欠点の低減、及びフィルム表面キズの低減などが挙げられる。
フィルムロールを製造する際には、フィルムを刃に接触させて走行させることによりフィルムを切断するフィルム切断装置が用いられる。このようなフィルム切断装置を用いることにより、フィルム製造工程で発生するフィルムエッジをトリミングすることや、フィルムを所定の幅にスリットして所望の幅に分割することが可能となる。しかしながら、このようなフィルム切断装置でフィルムを切断する場合、切断に伴って発生する粉塵に起因するフィルムロールの品質低下が問題となる。これまでに、このような問題点を解消するために種々の試みがなされている。
例えば、特許文献1には、走行するフィルムの下面側に回転自在に支持された円形刃と少なくとも一対の吸引ローラを設置することで、フィルムに発生するシワを抑えつつ、切断不良や粉塵を低減する技術が開示されている。また、特許文献2には、走行するフィルムの下側から局所的に圧空を吹きつけ、浮上した部位に上方に設置した刃で切れ目を入れる方法が開示されている。
特開2008−161949号公報 特開2007−196328号公報
本発明のフィルムロールの製造方法において用いることができるフィルム切断装置の一例を示す概略断面図である。 本発明のフィルムロールの製造方法において用いることができるフィルム切断装置の一例を示す概略底面図である。
しかしながら、特許文献1の技術では、吸引ローラでフィルムを伸ばして切断点を固定しても、丸刃がフィルムより抜けて切断不良を起こすことがあり、切断工程の安定化が困難なことがある。また、特許文献2に記載の技術では、圧空を吹きつけた際に、切断によって発生した粉塵が周辺工程に飛散し、これがフィルム表面に付着してキズの原因となることがある。そのため、これらの技術では、フィルム切断工程で発生する粉塵飛散を抑制し、かつフィルム切断工程の安定性を向上させることが困難であった。
本発明は、上記課題を解決し、フィルム切断工程で発生する粉塵飛散を抑制し、かつフィルム切断工程の安定性を向上させることができるフィルムロールの製造方法を提供することをその課題とする。
上記課題を解決するため、本発明は下記の構成からなる。すなわち、本発明のフィルムロールの製造方法は以下である。
両側に回転自在な一対のローラを備える円形刃を有するフィルム切断装置により、前記一対のローラを走行するフィルムを切断する工程を有するフィルムロールの製造方法であって、前記フィルム切断装置が、フィルムの反対側に吸引機構を有し、前記円形刃と前記一対のローラの回転軸が同一であり、前記円形刃の半径の長さが前記一対のローラの半径の長さよりも大きく、前記一対のローラに対するフィルムの抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下であり、前記円形刃が駆動機構を有し、かつ、前記円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差が、100m/min以上600m/min以下であることを特徴とする、フィルムロールの製造方法。
本発明により、フィルム切断工程で発生する粉塵飛散を抑制し、かつフィルム切断工程の安定性を向上させることができるフィルムロールの製造方法を提供することができる。
以下、本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明する。本発明のフィルムロールの製造方法は、両側に回転自在な一対のローラを備える円形刃を有するフィルム切断装置により、前記一対のローラを走行するフィルムを切断する工程を有するフィルムロールの製造方法であって、前記フィルム切断装置が、フィルムの反対側に吸引機構を有し、前記円形刃と前記一対のローラの回転軸が同一であり、前記円形刃の半径の長さが前記一対のローラの半径の長さよりも大きく、前記一対のローラに対するフィルムの抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下であり、前記円形刃が駆動機構を有し、かつ、前記円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差が、100m/min以上600m/min以下であることを特徴とする。
本発明のフィルムロールの製造方法は、両側に回転自在な一対のローラを備える円形刃を有するフィルム切断装置により、前記一対のローラを走行するフィルムを切断する工程を有することが重要である。フィルム切断装置において、円形刃の両側に回転自在なローラが存在することにより、円形刃付近におけるフィルムの走行が安定する。そのため、円形刃でのフィルムの切断を安定して行うことができる。回転自在とは、動力を持たないが、外部からの力により受動的に回転することができる状態をいう。一対のローラとは、回転軸を中心としたときに、半径の長さが等しい一組のローラをいう。また、一対のローラを走行するフィルムとは、一対のローラの両方に接触して走行するフィルムをいう。このとき、ローラとフィルムの位置関係は特に限定されず、ローラの上をフィルムが走行しても、図1に示すようにローラの下をフィルムが走行してもよい。
一対のローラの材質は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、樹脂や金属等を用いることができる。また、必要に応じて表面をゴムライニングしてもよい。但し、長期使用に伴うローラの変形に起因する切断不良の発生を軽減する観点から、一対のローラが金属ローラである態様が好ましい。ここで「一対のローラが金属ローラである」とは、一対のローラの両方が金属ローラであることをいう。
一対のローラが金属ローラである場合において、その材質は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、鉄鋼、炭素鋼、ステンレスの他、アルミニウム合金などの非鉄金属等を好適に用いることができる。中でも、錆の発生を軽減する点を考慮すると、一対のローラが炭素鋼製、ステンレス製、若しくはアルミニウム合金などの非鉄金属製であることがより好ましい。さらに、錆の発生を軽減する観点からは、ローラの表面にクロムメッキ等のメッキ加工を施すことも好ましい。なお、本発明の効果を損なわない限り、一対のローラを構成する各ローラの材質は同じであっても、異なっていてもよい。
本発明のフィルムロールの製造方法においては、フィルム切断装置が、フィルムの反対側に吸引機構を有することが重要である。ここで「フィルム切断装置が、フィルムの反対側に吸引機構を有する」とは、フィルムが一対のローラ上を走行している場合において、ローラ側に吸引機構を有すること、言い換えれば、フィルム、一対のローラ、及び吸引機構がこの順に位置することをいう。このような態様とすることにより、走行中のフィルムを回転自在な一対のローラに密着させることができるため、フィルムの走行が安定し、ひいては円形刃によるフィルムの切断も安定する。吸引機構は本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、公知のもの、例えばブロワ等を使用することができる。なお、後述する抱き角θの大きさを一対のローラを形成する2つのローラでより均等にする観点から、吸引口が一対のローラ全体を覆うことができるものを使用することが好ましい。
本発明のフィルムロールの製造方法においては、円形刃と一対のローラの回転軸が同一であり、円形刃の半径の長さが一対のローラの半径の長さよりも大きいことが重要である。このような態様とすることにより、ロールを走行するフィルムの挙動が安定し、かつ、ロールを走行するフィルムを円形刃で切断するのが容易となる。なお、円形刃の半径や一対のローラの半径は、本発明の効果を損なわず、「円形刃の半径の長さが一対のローラの半径の長さよりも大きい」との要件を満たす限り、走行するフィルムの厚み等も考慮して適宜定めることができる。
本発明のフィルムロールの製造方法においては、走行するフィルムを安定して切断する観点から、一対のローラに対するフィルムの抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下であることが重要である。ここで、抱き角θとは、一対のローラのうち任意に選択した一のローラを回転軸と平行な方向から観察し、フィルムとローラが接触している最も端部に位置する2つの点に回転軸の中心からそれぞれ直線を引いたときに形成される角をいう。「一対のローラに対するフィルムの抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下である」とは、一対のローラを形成する2つのローラで、フィルムの抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下であることをいう。このような態様とすることにより、フィルムをカットする地点における張力が安定し、フィルムの切断が安定する。
一対のローラに対するフィルムの抱き角θを0.87rad以上1.05rad以下とする方法は、本発明の手段を損なわない限り特に制限されず、適宜選択することができる。例えば、吸引機構の吸引力を調整する方法や、円形刃の前後に搬送ロールを設けて、その位置を調節する方法、一対のローラと円形刃の半径を調整する方法等を用いることができる。より具体的には、吸引機構の吸引力を大きくすることや、円形刃から搬送ロールを遠ざけること、搬送ロールをフィルム面と反対側の方向にシフトさせること、及び一対のローラと円形刃の半径を小さくすること等により、抱き角θを大きくすることができる。
本発明のフィルムの製造方法においては、円形刃の切断能力を向上させるため、円形刃が駆動機構を有することが重要である。ここで、駆動機構とは回転軸を中心として円形刃を回転させる機構をいい、例えばモーターなどを用いることができる。駆動機構は、回転速度や回転方向を調整できるものであることがより好ましい。このような態様とすることにより、円形刃の回転速度や回転方向を変更することができ、フィルムの厚み、切断能力、粉塵の発生等を考慮して、適切な切断条件を定めることができる。例えば、フィルムの走行方向と同方向で円形刃を回転させることにより、フィルムの走行速度と円形刃の回転速度との相対速度差が小さくなり、切断により発生する粉塵を少なくすることができる。
本発明のフィルムの製造方法においては、切断の安定化及び粉塵発生の軽減を両立させる点で、円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差が、100m/min以上600m/min以下であることが重要である。円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差が100m/min以上であることにより、フィルム搬送時に生じる張力の変動による切断不良の発生を軽減することができる。一方、円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差が600m/min以下であることにより、粉塵の発生を軽減することができる。上記観点から、円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差は、300m/min以上600m/min以下であることが好ましい。
円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差を100m/min以上600m/min以下又は上記の好ましい範囲とする手段は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されない。例えば、駆動機構を有し、かつ回転速度や回転方向を変更することができる円形刃を用い、フィルムの走行速度に合わせてその回転速度を調整する方法が挙げられる。
本発明のフィルムロールの製造方法においては、フィルム製造時の歩留まりを上げる観点より、前記一対のローラと接触するフィルムの幅が、50mm以上100mm以下であることが好ましい。ここで、「一対のローラと接触するフィルムの幅が、50mm以上100mm以下である」とは、一対のローラに接触するフィルムの幅方向の長さの合計をいう。このような態様とすることにより、一対のローラと走行フィルムとの接触面積を必要最小限にすることができ、両者の接触に起因するフィルム表面のキズの発生を低減することができる。より具体的には、一対のローラと接触するフィルムの幅が50mm以上であることにより、切断時におけるフィルム走行の安定性を十分に維持することが容易となり、フィルムの切断不良の発生が軽減される。また、一対のローラと接触するフィルムの幅が100mm以下であることにより、一対のローラと走行フィルムの接触面積を低く抑えることができ、両者の接触に起因するキズにより最終製品とならない部分を少なくすることが容易となる。
一対のローラと接触するフィルムの幅を50mm以上100mm以下とするための方法は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、フィルムの走行位置やローラの幅を調整する方法が挙げられる。より具体的には、ローラの幅を大きくすることや、ローラを通過する走行フィルムをより広範囲でローラと接触するように走行させること等により、一対のローラと接触するフィルムの幅を大きくすることができる。
本発明のフィルムロールの製造方法においては、本発明の効果を十分に発揮する観点から、前記一対のローラを走行するフィルムの厚みが、10.0μm以上50.0μm以下であることが好ましい。本発明のフィルムロールの製造方法は、フィルムの厚みにかかわらず用いることが可能であるが、通常、走行中のフィルムの厚みが薄い場合に、切断時の安定性が損なわれやすく、フィルムの切断不良も発生しやすくなる。この点から、本発明のフィルムロールの製造方法は、フィルム厚みが10.0μm以上50.0μm以下の範囲においてその利点がより大きくなる。
本発明のフィルムの製造方法は、フィルムの走行状態を安定化させる観点から、円形刃の前後に搬送ローラを備えることが好ましい。ここで「円形刃の前後に搬送ローラを備える」とは、円形刃の上流及び下流に、円形刃との最短距離が0.0cmを超え10cm以下である回転自在なローラを備えることをいう。このような態様とすることにより、円形刃付近におけるフィルムの走行が安定し、フィルムの切断不良の発生を軽減することができる。より具体的には、円形刃との最短距離が0.0cmを超えるように前後に搬送ローラを設けることにより、円形刃と搬送ローラとの間を空気が通過するため、吸引機構の負圧付与効果を確保できる。一方、円形刃との最短距離が10cm以下となるように前後に搬送ローラを設けることにより、抱き角θが過度に大きくならず、フィルムの走行を安定化させることが容易となる。上記観点から、搬送ローラと円形刃との最短距離は0.1cm以上5.0cm以下であることが好ましい。なお、上流側の搬送ローラと下流側の搬送ローラは、本発明の効果を損なわない限り、その直径や円形刃までの最短距離が同一であっても異なっていてもよい。
搬送ローラの材質は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、樹脂や金属等を用いることができる。また、表面をゴムライニングしてもよい。但し、長期使用に伴うローラの変形に起因する切断不良の発生を軽減する観点から、搬送ローラの少なくとも一方が金属ローラである態様が好ましく、両方の搬送ローラが金属ローラである態様がより好ましい。搬送ローラの材質として用いることができる金属としては、前述の一対のローラで用いることができる金属等が挙げられ、本発明の効果を損なわない限り、上流側の搬送ローラと下流側の搬送ローラの材質は同じであっても、異なっていてもよい。
以下、図面を参照しながら本発明のフィルムの製造方法について具体的に説明するが、本発明のフィルムロールの製造方法はこれに限定されるものではない。図1は、本発明のフィルムロールの製造方法において用いることができるフィルム切断装置の一例を示す概略断面図であり、図2はその概略底面図である。
図1及び図2に示すフィルム切断装置の一例において、一対のローラ1は、一対のローラを構成するローラ1a及び1bより構成され、その間に円形刃2が位置する。一対のローラを構成するローラ1aと1bの間隔は、一対のローラを構成するローラ1a及び/又は1bと接触することなく円形刃2が回転できる程度であれば、特に制限されない。
一対のローラを構成するローラ1a、1b、及び円形刃2は、幅方向と平行な同一の回転軸を有する。そして、一対のローラを構成するローラ1aと1bの半径は互いに等しく、円形刃2の半径は、一対のローラを構成するローラ1aと1bの半径よりも大きい。このような態様とすることにより、一対のローラ1を走行するフィルムを円形刃2で切断することができる。
円形刃2の材質は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、例えば炭素鋼やステンレス鋼、ファインセラミックなどを好ましく用いることができる。中でも、高炭素鋼を焼き入れしたものや、窒化処理、ダイヤモンドライクカーボンコーティングなどを施して、耐摩耗性を向上したものがより好ましい。
一対のローラ1の材質は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、樹脂や金属等を用いることができる。また、必要に応じて表面をゴムライニングしてもよい。但し、長期使用に伴うローラの変形に起因する切断不良の発生を軽減する観点から、一対のローラが金属ローラである態様が好ましい。一対のローラが金属ローラである場合において、その材質は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択することができ、例えば、鉄鋼、炭素鋼、ステンレスの他、アルミニウム合金などの非鉄金属等を好適に用いることができる。中でも、錆の発生を軽減する点を考慮すると、一対のローラが炭素鋼製、ステンレス製、若しくはアルミニウム合金などの非鉄金属製であることがより好ましい。さらに、錆の発生を軽減する観点からは、ローラの表面にクロムメッキ等のメッキ加工を施すことも好ましい。後述する搬送ローラ4及び5や筐体6の材質についても同様である。
一対のローラを構成するローラ1aと1bはいずれも回転自在であるが、円形刃2は駆動機構を有する。駆動機構を有することで、円形刃2の切断能力を向上させることができる。また、駆動機構が回転方向や速度を調節可能なものであれば、円形刃2の回転速度や回転方向を変更することができ、フィルムの厚み、切断能力、及び粉塵の発生等を考慮して、適切な切断条件を定めることができる。そのため、駆動機構は回転方向や速度を調節可能なものであることが好ましい。駆動機構は本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、モーターなどを好ましく用いることができる。
フィルムの走行状態を安定化させるために、円形刃2の前後には回転自在な搬送ローラ4及び5を設置することができる。このとき、ローラ1と搬送ローラ4及び5の間に0.0cmを超え10cm以下、好ましくは0.1cm以上5.0cm以下の隙間を設けることにより、この隙間から吸引機構(図示しないが、筐体6を介してホース7より吸引装置に接続されている。)による吸引を行って負圧を付与することにより、フィルム3を一対のローラ1に抱きつかせることができる。このとき、一対のローラ1に接触した始点と終点にその回転軸の中心から引いた2本線よりなる角が抱き角θであり、この抱き角θを0.87rad以上1.05rad以下とすることにより、フィルム3のカット点での張力が安定し、安定してフィルムを切断することができる。この抱き角θは、例えば吸引圧力を大きくすることや、搬送ローラ4及び5をフィルム3から遠ざけること、及び一対のローラと円形刃の半径を小さくすること等により、大きくすることができる。
吸引機構の吸引圧力は、本発明の効果を損なわない範囲で任意に設定することができる。但し、フィルム3を一対のローラ1に抱きつかせるために適度な吸引が必要であることから、吸引圧力が1.5kPa以上10.0kPa以下であることが好ましい。また、吸引機構は、例えば公知のブロワ等を用いることができる。吸引圧力の調整は、図1に示す圧力計Pで圧力を計測し、配管途中のバルブ(図示しない)の開閉等により行ってもよいし、吸引機構の出力を調整することにより行ってもよい。
このようなフィルム切断装置は、切断位置を自在に変えることができるようにする観点から、幅方向と平行に可動であることが好ましい。このような態様とすることにより、フィルムの切断位置を自在に変えることができるため、フィルムの幅方向の長さを所望の程度とすることが容易となる。すなわち、所望のフィルムロール幅が変わった場合においても、フィルム切断装置をシフトさせれば、パスラインを変えずにフィルム3を切断することができる。
円形刃2の回転速度については、円形刃2の回転速度とフィルム3の走行速度との相対速度差が100m/min以上600m/min以下の範囲とすることにより、フィルム搬送時などに発生する張力変動による切断不良を軽減でき、切断に伴う粉塵の発生も軽減できる。上記観点から、円形刃2の回転速度とフィルム3の走行速度との相対速度差は300m/min以上600m/min以下であることが好ましい。
走行中のフィルム3の厚みは、本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、走行中のフィルムの厚みが10.0μm以上50.0μm以下であることが好ましい。前述のとおり、通常、走行中のフィルムの厚みが10.0μm以上50.0μm以下の範囲であると切断不良が発生しやすくなるため、本発明のフィルムロールの製造方法の効果を最大限に発揮できる。また、一対のローラ1と接触するフィルム3の幅は本発明の効果を損なわない限り特に制限されないが、フィルム製造時の歩留まりを上げる観点より50mm以上100mm以下であることが好ましい。
次に、本発明のフィルムロール製造方法について二軸延伸フィルムを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を行うことができる。
一般的に二軸延伸フィルムの製造方法においては、先ず、口金から流動状態にあるポリエステル樹脂をシート状に連続して吐出し、吐出されたシート状物をキャストドラム上で冷却固化して未延伸フィルムを成形する。
次いで、得られた未延伸フィルムを、例えばロールの周速差を利用した縦延伸機でフィルムの長手方向に延伸して一軸延伸フィルムとし、テンターオーブン内でフィルムの幅方向に延伸する逐次二軸延伸法や、未延伸フィルムをテンターオーブン内でフィルムの長手方向との幅方向に同時に延伸する同時二軸延伸法により、二軸延伸フィルムを得る。
その後、テンターオーブン内を走行するためにクリップで把持した幅方向端部を二軸延伸フィルムより除去するためにトリミングを行い、二軸延伸フィルムを一旦中間製品ロールとして巻き取る。さらに、得られた中間製品ロールよりフィルムを巻き出して、所望の幅となるようにスリッターで長手方向と平行にスリットし、再度巻き取ることによりフィルムロールを得ることができる。なお、1本の中間ロールより得るフィルムロールは、1本であっても複数本であってもよい。
本発明のフィルムロールの製造方法においては、トリミング工程やスリット工程に、前述したフィルム切断装置を適宜配置することができる。なお、本発明の効果を損なわない限り、フィルム切断装置は1箇所に配置しても複数箇所に配置してもよい。
ここで示すフィルムを構成する樹脂は、本発明の効果を損なわない限り特に制限されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、芳香族ナイロン、アラミド等のポリアミド系樹脂、その他ポリイミド系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリエステルエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリ乳酸系樹脂、セルロース系樹脂、アクリル系樹脂などを単独で又は組み合わせて用いることができる。中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、アラミド、ポリイミド系樹脂を用いることが好ましい。なお、各種樹脂は本発明の効果を損なわない範囲で、分子鎖中に共重合成分を含んでいてもよく、また、帯電防止剤、耐候剤、無機又は有機の粒子、ワックス等の潤滑剤、顔料等の添加剤を含んでもよい。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら制限を受けるものではない。
[測定及び評価方法]
実施例中に示す測定や評価は次に示すような条件で行った。
(1)カット点より発生する粉塵
トリミング工程における粉塵飛散、蓄積状況を目視により観察し、以下の基準により評価した。
〇:生産開始より12時間の時点において粉塵の飛散や蓄積が確認できなかった。
×:生産開始より12時間の時点において粉塵の飛散又は蓄積を確認した。
(2)カット不良を起点とするフィルム破断
トリミング工程におけるカット不良により発生したフィルム破断の状況を目視により確認し、以下の基準により評価した。
◎:カット不良を起点とするフィルム破断が、生産開始より96時間以上にわたって発生しなかった。
〇:カット不良を起点とするフィルム破断が、生産開始より48時間以上96時間未満の時点で発生した。
△:カット不良を起点とするフィルム破断が、生産開始より24時間以上48時間未満の時点で発生した。
×:カット不良を起点とするフィルム破断が、生産開始より24時間に達する前に発生した。
(3)抱き角θ
先ず、フィルム切断装置を使用するトリミング工程において、回転軸と平行な方向より走行フィルムとフィルム切断装置の全容が写るように静止画を撮影した。得られた静止画よりフィルムとローラが接触している端部に位置する2つの点を特定した後、回転軸の中心と得られた各点を結ぶ2本の直線を引き、この2本の直線で形成される角を抱き角θとした。なお、各実施例及び比較例1においては、幅方向両端部において同じフィルム切断装置Aを同じ条件で使用しており、円形刃を挟む2つのローラの半径が等しいことから、1箇所のみの抱き角θを測定し、他のローラについても抱き角の大きさは同様であるとみなした。
[フィルム切断装置]
実施例においては、中間製品ロールを巻き取る前のトリミング工程に以下のフィルム切断装置を設置した。
(フィルム切断装置A)
図1に示す構成のフィルム切断装置。ステンレス製のケース内に、炭素鋼製の円形刃の両脇に回転軸を同一にして回転自在に設置された一対のローラが設置されている。円形刃は直径45mmであり、ローラはいずれも直径42mm、長さ26mmのスチール製のローラである。ローラの反対側(フィルムが走行する位置の反対側)に吸引口を有し、円形刃の上流及び下流には、円形刃との最短距離が0.3cmとなるように搬送ローラを備える。なお、搬送ローラは実施例1〜5及び比較例1においてはナイロン樹脂製のものを、実施例6においてはクロムメッキを施した炭素鋼製のものを使用した。
(フィルム切断装置B)
片刃を押し当てる方式のフィルム切断装置。片刃は切断点直上に設置しているフレームから治具でフィルムに押し当てるように固定されている。
[実施例1]
PETを160℃で8時間減圧乾燥した後、公知の溶融積層用押出機に供給して275℃で溶融押出しを行い、5μm以上の捕集効率95%の高精度フィルターで濾過した。続いて、得られた溶融樹脂組成物を285℃に保ったスリットダイよりシート状に押出し、静電印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティングロール上に冷却固化して未延伸フィルムを得た。この未延伸フィルムを、103℃に加熱したロールとラジエーションヒーターで長手方向に4.3倍に延伸して一軸延伸フィルムとした。得られた一軸延伸フィルムをテンターに搬送して110℃で幅方向に4.4倍に延伸し、210℃で熱処理を行った後、弛緩処理を行い、搬送工程にて冷却して二軸延伸フィルムを得た。
その後、フィルム切断装置Aにより幅方向両端部のエッジを切断(トリミング)した後、外径300mm、長さ7.0mの、表面がゴムからなるタッチローラにより、フィルムを200N/mの圧力で外径450mm、長さ7.0mの中空状の鉄製円筒形コアに押し付けながら、巻取り速度200m/分、巻き取り張力150N/mの条件で巻き取った。こうして、全フィルム厚み16.0μm、フィルム幅6.0mの二軸配向ポリエステルフィルムの中間製品ロールを製造した。その後、中間製品ロールよりフィルムを巻き出しスリット工程にて所望の幅にスリットして巻き取り、フィルムの製品ロールを得た。評価結果を表1に示す。
なお、フィルム切断装置Aでの切断条件については、吸引圧力を3.0kPa、円形刃の回転速度を570m/min、抱き角θを0.95rad、一対のローラと接触するフィルムの幅を60mm(両側)とした。
[実施例2〜6、比較例1、2]
製膜条件、切断条件、巻き取り条件を以下のとおりとした以外は実施例1と同様にして、表1に示す厚みのフィルムの中間製品ロール及び製品ロールを得た。評価結果を表1に示す。
Figure 2019063983
本発明により、フィルム切断工程におけるフィルム切断点より発生する切粉を効率的に除去し、周辺への粉塵飛散の抑制とフィルム切断時の安定性とを両立することができるフィルムロールの製造方法を提供することができる。
1 一対のローラ
1a 一対のローラを構成するローラ
1b 一対のローラを構成するローラ
2 円形刃
3 フィルム
4 搬送ローラ
5 搬送ローラ
6 筐体
7 ホース

Claims (5)

  1. 両側に回転自在な一対のローラを備える円形刃を有するフィルム切断装置により、前記一対のローラを走行するフィルムを切断する工程を有するフィルムロールの製造方法であって、
    前記フィルム切断装置が、フィルムの反対側に吸引機構を有し、
    前記円形刃と前記一対のローラの回転軸が同一であり、
    前記円形刃の半径の長さが前記一対のローラの半径の長さよりも大きく、
    前記一対のローラに対するフィルムの抱き角θが0.87rad以上1.05rad以下であり、
    前記円形刃が駆動機構を有し、
    かつ、前記円形刃の回転速度とフィルムの走行速度との相対速度差が、100m/min以上600m/min以下であることを特徴とする、フィルムロールの製造方法。
  2. 前記一対のローラと接触するフィルムの幅が、50mm以上100mm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のフィルムロールの製造方法。
  3. 前記一対のローラが金属ローラであることを特徴とする、請求項1又は2に記載のフィルムロールの製造方法。
  4. 前記円形刃の前後に搬送ローラを備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムロールの製造方法。
  5. 前記搬送ローラの少なくとも一方が金属ローラであることを特徴とする、請求項4に記載のフィルムロールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114407097A (zh) * 2022-02-08 2022-04-29 苏州梅克兰循环科技有限公司 一种塑料制品加工用循环利用型自动化设备

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