JP2005523019A - ホスホリパーゼ、それらをコードする核酸、ならびに、それらの作製方法および使用方法 - Google Patents

ホスホリパーゼ、それらをコードする核酸、ならびに、それらの作製方法および使用方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、例えばホスホリパーゼA、B、CおよびD活性、パタチン活性、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含むホスホリパーゼ活性を有する新規なポリペプチド、それらをコードする核酸およびそれらに結合する抗体を提供する。工業的方法、例えば油脱ガム化、およびこれらのホスホリパーゼの使用を含む製品も提供される。

Description

本発明は、一般に、ホスホリパーゼ酵素、その酵素をコードしたポリヌクレオチド、それらポリヌクレオチド及びポリペプチドの作製及び使用に関連している。特に、本発明は、ホスホリパーゼ活性を有する新規ポリペプチド、それらをコードする核酸及びそれらに結合する抗体を提供する。これらホスホリパーゼの使用を含む商業的な方法及び産物も提供する。
ホスホリパーゼは、リン脂質のエステル結合を加水分解する酵素である。リン脂質代謝におけるそれらの重要性と一致して、これら酵素は、原核生物及び真核生物間に広く分布している。ホスホリパーゼは、生物学的な膜の代謝、構築及び再構成に影響を与え、シグナルカスケードに関与している。ホスホリパーゼには、リン脂質における標的となる結合の位置に従ったそれらの特異性の違いによるいくつかのタイプが知られている。ホスホリパーゼA1(PLA1)は、第1位の脂肪酸を取り除き、遊離の脂肪酸及び1-リゾ-2-アシルホスホリピドを産生する。ホスホリパーゼA2(PLA2)は、第2位の脂肪酸を取り除き、遊離の脂肪酸及び1-アシル-2-リゾホスホリピドを産生する。PLA1及びPLA2酵素は、細胞内又は細胞外、膜結合性又は可溶性であり得る。細胞内PLA2は、殆ど全ての高等動物に見ることができる。ホスホリパーゼC(PLC)は、リン酸残基を取り除き、1,2-ジアシルグリセロール及びリン酸ベースを産生する。ホスホリパーゼD(PLD)は、1,2-ジアシルグリセロールリン酸及び塩基を産生する。PLC及びPLDは、細胞の機能及びシグナル伝達にとって重要である。PLDは、生体触媒における支配的なホスホリパーゼである(例えば、Godfrey T及びWest S (1996) Industrial enzymology, 299-300, Stockton Press, New Yorkを参照)。パタチンは、他のタイプのホスホリパーゼであり、PLAとして作用するものと考えられている(例えば、Hirschberg HJ他、(2001), Eur J Biochem 268(19):5037-441を参照)。
大豆,ヒマワリ種子、ごま及びピーナッツのような一般的な脂肪種子は、油及び原料油の供給源として使用される。油脂抽出の過程において、それらの種子は、機械的な及び熱による処理を受ける。その油脂は、溶媒により、粗粉から分離、分別される。蒸留を利用して、溶媒は油脂から分離され、回収される。その油脂は、”脱ガム化”され、精製される。粗粉中の溶媒成分は、”脱溶媒化トースター”における熱処理、それに引き続く粗粉乾燥及び冷却により蒸発させることができる。蒸留により溶媒を分離した後、産生された生油脂は、特別な脱ガム化工程及び物理的精製により、食用油へと処理される。それは、脂肪酸及びメチルエステルの産生のためのフィードストックとしても利用することができる。粗粉は、動物飼料として使用することができる。
脱ガム化は、植物油の精製の最初の工程であり、油脂とともに抽出されるが、後の油脂プロセスの過程を阻害しない狹雑するホスファチドを取り除くようにデザインされている。これらのホスファチドは、植物油中に無水形態においてのみ可溶性であり、単に水和するだけで沈殿除去することができる。水和は、通常、実質的に乾燥した油に少量の水を混ぜることにより行える。典型的には、水の量は、典型的に1〜1.5 %のホスファチド含量の75 %である。水和したガムの分離は、その油脂の粘度が50〜80℃で減少する場合にはよりよいが、その温度はそれほど重要ではない。
現在、多くの油脂脱ガム化のための方法が使用されている。油脂脱ガム化のプロセスは、ホスホリパーゼ酵素を利用することにより、酵素学的に補助することができる。ホスホリパーゼA1及びホスホリパーゼA2は、例えば、”ENZYMAXTM脱ガム化” (Lurgi Life Science Technologies GmbH、ドイツ)のような種々の商業的な過程における油脂脱ガム化のために使用されている。ホスホリパーゼC(PLC)も、リン脂質に対する作用で生じるリン酸残基が非常に水溶性でその除去が簡単であり、ジグリセリドが油脂とともに留まり損失を減らすことから、油脂脱ガム化に考慮されている;例えば、Godfrey T及びWest S (1996) Industrial Enzymology, pp.299-300, Stockton Press, New York; Dahlke (1998) “An enzymatic process for the physical refining of seed oils,” Chem. Eng. Technol. 21:278-281; Clausen (2001) “Enzymatic oil degumming by a novel microbial phospholipase,” Eur. J. Lipid Sci. Technol. 103:333-340を参照。
大豆、菜種及びヒマワリのような高ホスファチド油は、ヤシのような他の油とは異なる方法で処理される。低ホスファチド油のための蒸気又は”物理的精製”処理とは異なり、これら高リン含有油からリンを含有するリン脂質を除去するためには、特別な化薬及び機械的処理を必要とする。これらの油脂は、典型的には、石鹸及び不溶解性のガムを形成する遊離脂肪酸を中和することを必然的に伴なう処理で化学的に精製される。中和プロセスは、遊離脂肪酸及びリン脂質を取除くことに非常に有効であるが、このプロセスは、また、かなりの収量の損失及び質の犠牲を起こす。時として、高いリン脂質の粗油は、苛性カリの中和工程において脱ガム化される。これは、レシチンのために利用される大豆油の場合であり、その油は、最初に水又は酸で脱ガム化される。
フィトステロール(植物ステロール)は、天然産物の「トリテルペン」ファミリーのメンバーであり、100種以上の異なるフィトステロール及び他の4,000種以上のトリテルペンを含む。一般に、フィトステロールは、膜硬化を導くステロール/リン脂質配給量の増加を伴い、植物の膜を安定化させると考えられている。化学的に、フィトステロールは、コレステロールと構造的に類似している。主なフィトステロールは、β-シトステロール、カンペステロール及びシグマステロールである。
他に、シグマスタノール(β-シノスタノール)、シトスタノール、デスモステロール、カリナステロール、ポリフェラステロール、クリナステロール及びブラッシカステロールが含まれる。植物ステロールは、健康及び栄養企業のための重要な農産物である。それらは、化粧品の製造のための有用な乳化剤であり、ホルモン製薬の生産のためのステロイド中間体及び前駆物質としてその大半を供給する。フィトステロール及びそれらのエステルの飽和アナログは、心臓医療に有益なコレステロール低下薬として示唆されている。植物ステロールは、小腸内腔におけるコレステロールの吸収を阻害することによって血清コレステロールレベルを減らし、非常に低い濃度において、Tリンパ球の細胞応答促進及び癌細胞株に対するNK細胞の細胞毒性の上昇を含む免疫調節特性を持つ。更に、それらの治療上の効果は、肺結核、リウマチ関節炎、HIV患者の治療及びマラソン走者における免疫ストレスの阻害阻止処置のための臨床試験で示されている。
植物ステロールエステルは、フィトステロールエステルとも言われ、1999年にマーガリン及びペーストへの使用のために、米国食品医薬品局(FDA)によってGRAS(一般に、安全であると確認される)として承認された。2000年9月に、FDAは、また、植物フィトステロールエステルを含んでいる食料品の健康クレーム表示を許可する暫定規則を出した。その結果として、食品を植物フィトステロールエステルで富化することが、消費者のアクセプタンスのために非常に望まれている。
本発明は、例えば、ホスホリパーゼA、C又はDのようなホスホリパーゼ活性を有する少なくとも一つのポリペプチドをコードする本発明の典型的な核酸の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500、又はそれ以上の残基にわたり、少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の配列同一性又は完全に一致する配列を含む単離又は組換え核酸を提供する。その配列は、例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105であり、その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
本発明は、配列番号:1の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850又はそれ以上の連続残基にわたり、少なくとも81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の同一性、又は完全に一致する(100%)アミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。又はそれ以上、又は完全な(100 %)配列同一性を持つ単離又は組換え核酸を提供する。そのような核酸は、ホスホリパーゼA、C又はDのようなホスホリパーゼ活性を有する少なくとも一つのポリペプチドをコードし、その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
本発明は、配列番号:3の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850又はそれ以上の連続残基にわたり、少なくとも78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上、又は完全な(100 %)配列同一性を持つ単離又は組換え核酸を提供する。そのような核酸は、ホスホリパーゼA、C又はDのようなホスホリパーゼ活性を有する少なくとも一つのポリペプチドをコードし、その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
本発明は、配列番号:5の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850又はそれ以上の連続残基にわたり、少なくとも78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上、又は完全な(100%)配列同一性を持つ単離又は組換え核酸を提供する。そのような核酸は、ホスホリパーゼA、C又はDのようなホスホリパーゼ活性を有する少なくとも一つのポリペプチドをコードし、その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
本発明は、配列番号:7の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850又はそれ以上の連続残基にわたり、少なくとも50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上、又は完全な(100 %)配列同一性を持つ単離又は組換え核酸を提供する。そのような核酸は、ホスホリパーゼA、C又はDのようなホスホリパーゼ活性を有する少なくとも一つのポリペプチドをコードし、その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
別例として、本単離又は組換え核酸は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、又は配列番号:8として示される配列を含むポリペプチドをコードする。一側面として、これらのポリペプチドは、ホスホリパーゼ、例えば、ホスホリパーゼA、C又はD活性を有する。
一側面として、配列比較アルゴリズムは、BLAST版2.2.2アルゴリズムのようなBLASTアルゴリズムである。一側面として、フィルターセティングは、blastall -p blastp -d “nr pataa” -F F及び他のオプッションは全てデフォルトにセットされる。
一側面として、ホスホリパーゼ活性は、グリセロールリン酸エステル結合の加水分解を触媒すること(即ち、グリセロールリン酸エステル結合の切断)を含む。ホスホリパーゼ活性は、植物油中のリン脂質のエステル結合の加水分解を触媒することを含む。植物油のリン脂質は、脂肪種子リン脂質を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、ホスホリパーゼC(PLC)活性、ホスホリパーゼA1又はホスホリパーゼA2のようなホスホリパーゼA(PLA)活性、ホスホリパーゼD1又はDホスホリパーゼD2のようなホスホリパーゼD(PLD)活性、又はパタチン活性を含む。ホスホリパーゼ活性は、例えば、ジャガイモ塊茎に見られる糖タンパクのような糖タンパクの加水分解を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、パタチンの酵素活性を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、リピドアシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含み得る。一側面として、本単離又は組換えの核酸は、熱に安定なホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードしている。そのポリペプチドは、約37〜約95 ℃;約55〜約85℃;約70〜約95℃、又は、約90〜約95℃でホスホリパーゼ活性を保持することができる。別例として、本単離又は組換えの核酸は、熱に耐性なホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードしている。そのポリペプチドは、約37〜約95℃以上の範囲、又は約55〜約85℃以上の範囲内のどのような温度に曝された後でもホスホリパーゼ活性を保持することができる。一側面として、本ポリペプチドは、pH4.5で約90〜約95℃以上の範囲の温度に曝された後でもホスホリパーゼ活性を保持する。
本ポリペプチドは、pH 7、pH 6.5、pH 6.0、pH 5.5、pH 5、又はpH 4.5を含む条件下でホスホリパーゼ活性を保つことができる。そのポリペプチドは、約40〜約70℃の範囲の温度を含む条件下でホスホリパーゼ活性を保つことができる。
一側面として、本単離又は組換え核酸は、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、又は配列番号:7として示される配列にストリンジェントな条件の下でハイブリダイズする配列を含み、その核酸は、ホスホリパーゼ活性を保つポリペプチドをコードする。その核酸は、本明細書中に述べられるように、シグナルペプチドを有し又は有せず、その遺伝子又は転写物の少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850又はそれ以上の残基長、又は完全長であり得る。ストリンジェントな条件とは、本明細書に述べられるような、高ストリンジェンシー条件、中程度にストリンジェントな条件、あるいは低ストリンジェンシー条件であり得る。ストリンジェントな条件とは洗浄工程、例えば、65℃ の温度で0.2 X SSCによる約15分間の洗浄工程を含み得る。
本発明は、ホスホリパーゼ、例えば、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブを提供し、そのプローブは、本発明の配列、例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、又は配列番号:7として示される配列の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、又はそれ以上の連続した塩基を含み、また、そのプローブは、結合又はハイブリダイゼーションによってその核酸を同定する。そのプローブは、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5及び/又は配列番号:7として示される配列の少なくとも約10から50、約20から60、約30から70を、約40から80、又は約60から100の連続塩基を含んでいる。
本発明は、ホスホリパーゼ、例えば、あるホスホリパーゼの活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブを提供し、そのプローブは、本発明の核酸、例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、又は配列番号:7として示される配列、又はそれらの部分配列の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、又はそれ以上の連続残基にわたり、少なくとも50%、51%、52% 、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の配列同一性、又は完全な(100%)同一性を持つ核酸を含む。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
本発明は、ホスホリパーゼ活性持つポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供し、そのプライマー対は、本発明の配列、又は断片又はそれらの部分配列を含む核酸を増幅することができる。その増幅プライマー配列対の一つ又は各メンバーは、その配列の少なくとも約10から50の連続塩基、あるいは約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25の連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含めることができる。
本発明は、本発明の核酸の最初の(その5’)12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25残基によって示される配列を持つ第一のメンバー、および、第一メンバーと相補な鎖の12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25残基によって示される配列を持つ第二のメンバーを含む増幅プライマー対を提供する。
本発明は、本発明の増幅プライマー対を使用した増幅、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により産生したホスホリパーゼを提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を使用した増幅、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によりホスホリパーゼを産生する方法を提供する。一側面として、増幅プライマー対は、ライブラリー、例えば、環境ライブラリーのような遺伝子ライブラリーから核酸を増幅する。
本発明は、本発明の核酸配列、又は断片又はその部分配列を増幅することができる増幅プライマー配列対と鋳型核酸の増幅により、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法を提供する。その増幅プライマー対は、本発明の増幅プライマー対でよい。
本発明は、本発明の核酸又はその部分配列を含む発現カセットを提供する。一側面として、発現カセットには、プロモーターに動作可能に結合させた核酸を含めることができる。プロモーターは、ウイルス、細菌、高等動物又は植物プロモーターでよい。一側面として、植物プロモーターは、ジャガイモ、米、トウモロコシ、小麦、タバコ又は大麦のプロモーターでよい。プロモーターは、構成的プロモーターでもよい。構成的プロモーターには、CaMV35Sが含まれ得る。他の例として、プロモーターは、誘導プロモーターであってもよい。一側面として、プロモーターは、組織特異的又は環境調節的又は発生制御的なプロモーターでもよい。従って、プロモーターは、例えば、種子特異的、葉特異的、根特異的、茎特異的又は器官脱離誘導性プロモーターであってもよい。一側面として、発現カセットには、更に、植物又は植物ウイルス発現ベクターを含められる。
本発明は、本発明の発現カセット(例えば、ベクター)又は本発明の核酸を含むクローニングビヒクルを提供する。そのクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージ又は人工染色体でよい。ウイルスベクターは、アデノウイルス、レトロウイルス、又はアデノ関連ウイルスベクターである。クローニングビヒクルは、細菌人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1-由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)、又は高等動物人工染色体(MAC)を含み得る。
本発明は、本発明の核酸又は本発明の発現カセット(例えば、ベクター)、又は本発明のクローニングビヒクルを含む形質転換細胞を提供する。一側面として、その形質転換細胞は、細菌細胞、高等動物細胞、カビ細胞、酵母細胞、昆虫細胞又は植物細胞である。一側面として、植物細胞は、ジャガイモ、小麦、米、トウモロコシ、タバコ又は大麦である。
本発明は、本発明の核酸又は本発明の発現カセット(例えば、ベクター)を含む非ヒトトランスジェニック動物を提供する。
本発明は、本発明の核酸又は本発明の発現カセット(例えば、ベクター)、又は本発明のクローニングビヒクルを含むトランスジェニック植物を提供する。そのトランスジェニック植物は、トウモロコシ、ジャガイモ、トマト、小麦、油種、菜種、大豆、米、大麦又はタバコである。本発明は、本発明の核酸又は本発明の発現カセット(例えば、ベクター)を含むトランスジェニック種子を提供する。そのトランスジェニック種子は、トウモロコシ、小麦穀粒、油種、菜種、大豆、ヤシ穀、ヒマワリ、ゴマ、ピーナッツ又はタバコ等の種子である。
本発明は、本発明の核酸に相補的な核酸配列、あるいはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。本発明は、本発明の核酸に相補的な核酸配列、あるいはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞中に投与又は発現させることにより、ホスホリパーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。
本発明は、本発明の核酸に相補的な核酸配列、あるいはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。本発明は、本発明の核酸に相補的な核酸配列であるか、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞中に投与又は発現させることにより、ホスホリパーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。そのアンチセンスオリゴヌクレオチドは、約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、約60から100又は約80から120塩基長である。
本発明は、本発明の核酸に相補的な核酸配列、あるいはストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞中に投与又は発現させることにより、ホスホリパーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。本発明は、本発明の配列の部分配列を含む二本鎖阻害的RNA(RNAi)分子を提供する。一側面として、そのRNAiは、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又はそれ以上の長さの二本鎖ヌクレオチドである。本発明は、二本鎖阻害的RNA(RNAi)を投与又は発現させることにより、ホスホリパーゼメッセージの翻訳を阻害する方法を提供し、そのRNAは、本発明の配列の部分配列を含む。
本発明は、本発明の典型的なポリペプチド又はペプチドの少なくとも25、50、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350又はそれ以上の残基にわたり、少なくとも50 %、51 %、52 %、53 %、54 %、55 %、56 %、57 %、58 %、59 %、60 %、61 %、62 %、63 %、64 %、65 %、66 %、67 %、68 %、69 %、70 %、71 %、72 %、73 %、74 %、75 %、76 %、77 %、78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性、又は完全な(100%)配列同一性を持つアミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。その典型的なポリペプチド又はペプチド配列は、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6又は配列番号:8を含んでいる。本発明は、配列番号:2と少なくとも81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性、又は完全に一致する(100 %)配列同一性を持つアミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。
一側面として、本発明は、配列番号:4と少なくとも78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性、又は完全な(100%)配列同一性を持つアミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。一側面として、本発明は、配列番号:6と少なくとも78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性、又は完全に一致する(100 %)配列同一性を持つアミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。
一側面として、本発明は、配列番号:8と少なくとも50 %、51 %、52 %、53 %、54 %、55 %、56 %、57 %、58 %、59 %、60 %、61 %、62 %、63 %、64 %、65 %、66 %、67 %、68 %、69 %、70 %、71 %、72 %、73 %、74 %、75 %、76 %、77 %、78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性、又は完全な(100%)配列同一性を持つアミノ酸配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。本発明は、本発明の核酸によりコードされた単離又は組換えポリペプチドを提供する。別例として、そのポリペプチドは、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、又は配列番号:8として示される配列を持つことができる。そのポリペプチドは、ホスホリパーゼ活性、例えば、ホスホリパーゼA、C又はD活性を有することができる。
本発明は、シグナルペプチド配列を欠いた本発明の単離又は組換えポリペプチドを提供する。一側面として、シグナルペプチド配列を欠いたポリペプチドは、配列番号:2の残基30〜283と少なくとも81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %又はそれ以上の配列同一性を持ち、配列番号:4の残基25〜283と少なくとも78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列、配列番号:6の残基26〜280と少なくとも78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列、又は配列番号:8の残基40〜330と少なくとも50 %、51 %、52 %、53 %、54 %、55 %、56 %、57 %、58 %、59 %、60 %、61 %、62 %、63 %、64 %、65 %、66 %、67 %、68 %、69 %、70 %、71 %、72 %、73 %、74 %、75 %、76 %、77 %、78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列を持つ。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。
他の例として、本発明のポリペプチド又はペプチド配列、それらと実質的に同一の配列、及びそれに相補的な配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は100残基又はそれ以上の連続塩基配列を含んだ単離又は組換えポリペプチド又はペプチドを提供する。
一側面として、本発明の単離又は組換えポリペプチド(シグナルペプチドの存否に関わらず)は、ホスホリパーゼ活性を有する。一側面として、ホスホリパーゼ活性は、グリセロールリン酸エステル結合の加水分解を触媒すること(即ち、グリセロールリン酸エステル結合の切断)を含む。ホスホリパーゼ活性は、植物油中のリン脂質のエステル結合の加水分解を触媒することを含む。植物油のリン脂質には、脂肪種子リン脂質を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、ホスホリパーゼC(PLC)活性、ホスホリパーゼA1又はホスホリパーゼA2のようなホスホリパーゼA(PLA)活性、ホスホリパーゼD1又はDホスホリパーゼD2のようなホスホリパーゼD(PLD)活性、又はパタチン活性を含む。ホスホリパーゼ活性は、例えば、ジャガイモ塊茎に見られる糖タンパクのような糖タンパクの加水分解を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、パタチンの酵素活性を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含み得る。
一側面として、本ホスホリパーゼ活性は、熱に安定である。そのポリペプチドは、約37〜約95℃;約55〜約85℃;約70〜約95℃、又は、約90〜約95℃の間でホスホリパーゼ活性を保持することができる。別例として、ホスホリパーゼ活性は、熱に耐性である。そのポリペプチドは、約37〜約95℃以上の範囲、又は約55〜約85℃以上の範囲内のどのような温度に曝された後でもホスホリパーゼ活性を保持することができる。一側面として、ポリペプチドは、pH4.5で約90〜約95℃以上の範囲の温度に曝された後でもホスホリパーゼ活性を保持することができる。
本ポリペプチドは、pH 6.5、pH 6.0、pH 5.5、pH 5、pH 4.5又はpH 4を含む条件下でホスホリパーゼ活性を保つことができる。別の側面において、本ポリペプチドは、pH 7、pH 7.5、pH 8.0、pH 8.5、pH 9、pH 9.5、pH 10、pH 10.5又はpH 11を含む条件下でホスホリパーゼ活性を保つことができる。
一側面として、本単離又は組換えポリペプチドは、シグナルペプチド配列を欠いた本発明のポリペプチドを含むことができる。一側面として、本単離又は組換えポリペプチドは、異種ホスホリパーゼ又は非ホスホリパーゼシグナルペプチド配列のような異種シグナルペプチド配列を含むことができる。
本発明は、配列番号:2の残基1〜29に少なくとも95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列、配列番号:4の残基1〜24に少なくとも95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列、配列番号:6の残基1〜25に少なくとも95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列、配列番号:8の残基1〜39に少なくとも95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の配列同一性を持つアミノ酸配列、及び配列表リストに示されるような他のシグナル配列と前述の同一性を有するアミノ酸配列を持つ単離又は組換えペプチドを提供する。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。これらのペプチドは、その内在性ホスホリパーゼ、別種のホスホリパーゼ、又は異種タンパク質(非ホスホリパーゼ酵素又は他のタンパク質)に対するシグナル配列として作用することができる。一側面として、本発明は、本発明のシグナル配列を含む第一のドメイン及び少なくとも第二のドメインを含むキメラタンパク質を提供する。そのタンパク質は、融合タンパク質であり得る。その酵素は、ホスホリパーゼであり得る。本発明は、少なくとも、本発明のシグナル配列(SP)又は本発明のホスホリパーゼの触媒ドメイン(CD)、又は活性部位を含む第一のドメインと異種ポリペプチド又はペプチドを含む第二のドメインを含むキメラポリペプチドを提供し、その異種ポリペプチド又はペプチドは、天然においてはそのシグナル配列(SP)又は触媒ドメイン(CD)と結合していない。その異種ポリペプチド又はペプチドは、そのシグナル配列(SP)又は触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシ末端、又は両部分に存在し得る。
本発明は、キメラポリペプチドをコードする単離又は組換え核酸を提供し、そのキメラペプチドは、シグナル配列(SP)又は本発明のポリペプチドの触媒ドメイン(CD)、又は活性部位を含む第一のドメインと異種ポリペプチド又はペプチドを含む第二のドメインを含むキメラポリペプチドを提供し、その異種ポリペプチド又はペプチドは、天然においてはそのシグナル配列(SP)又は触媒ドメイン(CD)と結合していない。
一側面として、ホスホリパーゼ活性は、およそ37℃において約100〜1000ユニット/ミリグラムタンパク質の範囲の比活性を有する。別例として、ホスホリパーゼ活性は、約500〜750ユニット/ミリグラムタンパク質の範囲の比活性を有する。更なる別例として、ホスホリパーゼ活性は、およそ37 ℃において約500〜1200ユニット/ミリグラムタンパク質の範囲の比活性を有する。一側面として、ホスホリパーゼ活性は、37 ℃において約500〜1200ユニット/ミリグラムタンパク質の範囲の比活性を有する。別例として、その熱耐性は、高温に熱した後、37 ℃での比活性が少なくとも半分保持されることを含む。別例として、熱耐性は、高温に熱した後、37 ℃において約500〜1200ユニット/ミリグラムタンパク質の範囲の比活性を有することを含み得る。
本発明は、本発明の単離又は組換えポリペプチドを提供し、そのポリペプチドは、少なくとも一つのグリコシル化部位を含む。一側面として、グリコシル化は、O-結合型であり得る。一側面として、それらは、P.pastoris(P.パストリス)又はS.pombe(S.ポンベ)において発現させた後にグリコシル化を受け得る。
本発明は、本発明のタンパク質を含むタンパク質調製物を提供し、そのタンパク質調製物は、溶液、固体又はゲルを含む。
本発明は、本発明のポリペプチド及び第二のタンパク質又はドメインを含むヘテロダイマーを提供する。ヘテロダイマーの二番目のメンバーは、異なるホスホリパーゼ、異なる酵素又は他のタンパク質であり得る。一側面として、第二のドメインは、ポリペプチドであり、またヘテロダイマーは、融合タンパク質であってもよい。一側面として、第二のドメインは、エピトープ又はタグでもよい。一側面として、本発明は、本発明のポリペプチドを含むヘテロダイマーを提供する。
本発明は、ホスホリパーゼ活性を有する固定化ポリペプチドを提供し、そのポリペプチドは、本発明のポリペプチド、本発明の核酸によってコードされるポリペプチド、又は本発明のポリペプチドを含むポリペプチドと第二のドメインを含む。一側面として、そのポリペプチドは、細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、黒鉛粒子、ビーズ、ゲル、プレート、アレイ又はキャピラリー管に固定することができる。
本発明は、固定化ポリペプチドを含むアレイを提供し、そのポリペプチドは、本発明のホスホリパーゼ又は発明の核酸によってコードされるポリペプチドである。本発明は、本発明の固定化核酸を含むアレイを提供する。本発明は、本発明の固定化抗体を含むアレイを提供する。
本発明は、本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドと特異的に結合する単離又は組換え抗体を提供する。その抗体は、モノクローナル又はポリクローナルのいずれでもよい。本発明は、本発明の抗体を含むハイブリドーマを提供する。
本発明は、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを単離又は同定する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 本発明の抗体を提供する工程;(b) ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;および、(c) 前記抗体が前記ポリペプチドと特異的に結合する条件下で工程(b)のサンプルと工程(a)の抗体とを接触させ、それによりホスホリパーゼを単離又は同定する工程。本発明は、非ヒト動物に、本発明の核酸又は本発明のポリペプチドを液性免疫応答を生じさせるために十分な量を投与することを含む抗ホスホリパーゼ抗体の作製方法を提供する。
本発明は、組換えポリペプチドを産生する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) プロモーターに動作可能に結合させた本発明の核酸を提供する工程;(b) 工程(a)の核酸をポリペプチドの発現を許す条件において発現させ、それにより組換えポリペプチドを産生する工程。前記核酸は、配列番号:1の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも85 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:3の少なくとも約100 残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:5の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、又は配列番号:7の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも70 %の配列同一性を持つ配列を含む。前記配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。前記核酸は、以下の核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズする:配列番号:1及びそれらの部分配列、配列番号:3及びそれらの部分配列、配列番号:5及びそれらの部分配列、配列番号:7及びそれらの部分配列。本方法は、更に、工程(a)の核酸で宿主を形質転換し、工程(a)の核酸を発現させることを含む。それにより、形質転換細胞において組換えポリペプチドを産生させる。本方法は、更に、工程(a)の核酸を非ヒト動物に導入し、工程(a)の核酸を発現させることを含む。それにより、非ヒト動物において組換えポリペプチドを産生させる。
本発明は、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを同定する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によりコードされるポリペプチド、又はそれらの種々の断片を提供する工程;(b) ホスホリパーゼの基質を提供する工程;および、(c) 工程(a)のポリペプチド又はそれらの断片と工程(b)の基質を接触させ、基質量の増加又は反応産物量の減少を測定し、基質量の減少又は反応産物量の増加により、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを同定する工程。別例として、前記核酸は、配列番号:1の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも85 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:3の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:5の少なくとも約100 残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、又は配列番号:7の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも70 %の配列同一性を持つ配列を含む。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。別例として、その核酸は、以下の核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズする:配列番号:1及びそれらの部分配列、配列番号:3及びそれらの部分配列、配列番号:5及びそれらの部分配列、配列番号:7及びそれらの部分配列。
本発明は、ホスホリパーゼ基質を同定する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;(b) 試験基質を提供する工程;および、(c) 工程(a)のポリペプチドと工程(b)の試験基質を接触させ、基質量の減少又は反応産物量の増加を測定し、基質量の減少又は反応産物量の増加により、ホスホリパーゼ基質として前期試験基質を同定する工程。別例として、その核酸は、配列番号:1の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも85 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:3の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:5の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、又は配列番号:7の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも70 %の配列同一性を持つ配列を含む。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。別例として、その核酸は、以下の核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズする:配列番号:1及びそれらの部分配列、配列番号:3及びそれらの部分配列、配列番号:5及びそれらの部分配列、配列番号:7及びそれらの部分配列。
本発明は、ある化合物が特異的にホスホリパーゼと結合するかどうかを決定する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 核酸又はその核酸を含むベクターを、前記核酸がポリペプチドに翻訳される任意の条件において発現させる工程であって、前記核酸及びベクターが本発明の核酸又はベクターを含む、前記工程;あるいは、本発明のポリペプチドを提供する工程;(b) ポリペプチドと試験基質を接触させる工程;および、 (c) 試験化合物が特異的にホスホリパーゼと結合するかを測定する工程。別例として、その核酸は、配列番号:1の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも85 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:3の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:5の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、又は配列番号:7の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも70 %の配列同一性を持つ配列を含む。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。別例として、その核酸は、以下の核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズする:配列番号:1及びそれらの部分配列、配列番号:3及びそれらの部分配列、配列番号:5及びそれらの部分配列、配列番号:7及びそれらの部分配列。
本発明は、ホスホリパーゼの調節因子を同定する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程;(b) 試験化合物を提供する工程;(c) 工程(a)のポリペプチドと工程(b)の試験化合物を接触させる工程;および、ホスホリパーゼ活性を測定し、前期試験化合物存在下及び非存在下で測定したホスホリパーゼ活性の相違により、前期試験化合物がホスホリパーゼ活性を調節するかどうかを決定する工程。別例として、その核酸は、配列番号:1の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも85 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:3の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、配列番号:5の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも80 %の配列同一性を持つ配列、又は配列番号:7の少なくとも約100残基にわたり、少なくとも70 %の配列同一性を持つ配列を含む。その配列同一性は、配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により調べられる。別例として、その核酸は、以下の核酸とストリンジェントな条件でハイブリダイズする:配列番号:1及びそれらの部分配列、配列番号:3及びそれらの部分配列、配列番号:5及びそれらの部分配列、配列番号:7及びそれらの部分配列。
一側面として、ホスホリパーゼ活性は、ホスホリパーゼの基質を提供し、基質量の増加又は反応産物量の減少を検出することによって測定される。試験化合物存在下及び非存在下の場合と比較した基質量の減少又は反応産物量の増加は、ホスホリパーゼ活性の活性化因子としてその試験化合物を同定する。試験化合物存在下及び非存在下の場合と比較した基質量の増加又は反応産物量の減少は、ホスホリパーゼ活性の阻害因子としてその試験化合物を同定する。
本発明は、処理装置及びデータ記憶装置を含むコンピューターシステムを提供し、前述のデータ記憶装置は、発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列をその中に保存している。
一つの側面において、本コンピューターシステムは、更に配列比較アルゴリズムおよび少なくとも一つの参照配列を記録したデータ記憶装置を含むことが出来る。この配列比較アルゴリズムは、多型性を示すコンピュータープログラムを含めることができる。その配列比較のアルゴリズムは、更に、前述の配列に関する一つ以上の特徴を同定するアイデンティファイアーを含めることができる。
本発明は、その中に本発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列を含む配列を保存してあるコンピューター読み取り可能媒体を提供する。
本発明は、配列の特性を同定する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 配列に関する一種以上の特性を同定するコンピュータープログラムを利用することにより、配列を読む工程であって、前記配列が本発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列を含む配列である、前記工程;および、(b) 前記コンピュータープログラムを利用することにより、前記配列に関する一種以上の特性を同定する工程。
本発明は、第一の配列と第二の配列を比較する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) 配列を比較するコンピュータープログラムを利用することにより、第一の配列と第二の配列を読む工程であって、前記第一の配列は、本発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列を含む前記工程;および、(b) 前記コンピュータープログラムを利用することにより、第一の配列と第二の配列間の相違を決定する工程。一側面として、第一の配列と第二の配列間の相違を決定する工程は、更に、多型性を同定する工程を含む。一側面として、その方法は、更に、配列に関する一種以上の特性を同定するアイデンティファイアー(及びそのアイデンティファイアーの使用)を含めることができる。一側面として、本方法は、コンピュータープログラムを利用することにより第一の配列を読むこと及びその配列に関する一種以上の特性を同定することを含む。
本発明は、環境サンプルからホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する方法を提供する。その方法は、以下の工程を含む:(a) ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する工程であって、前記プライマー対は、本発明の核酸(例えば、配列番号:1、又はその部分配列;配列番号:3、又はその部分配列;配列番号:5、又はその部分配列;又は配列番号:7、又はその部分配列)を増幅することができるプライマー対である、前記工程;(b) 環境サンプルから核酸を単離するか、あるいはサンプル中の核酸がハイブリダイゼーションのためにその増幅プライマー対に接近できるように環境サンプルを処理する工程;および、(c) 工程(b)の核酸と工程(a)の増幅プライマー対を混合し、環境サンプル中の核酸を増幅する工程。それにより、環境サンプルからホスホリパーゼ活性持つポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する。一側面として、増幅プライマー配列対の各メンバーは、本発明の核酸配列の少なくとも約10〜50連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む。
本発明は、環境サンプルからホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する方法を提供する。その方法は以下の工程を含む:(a) 本発明の核酸、又はその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;(b) 環境サンプルから核酸を単離するか、あるいはサンプル中の核酸が、ハイブリダイゼーションのために、工程(a)のポリヌクレオチドプローブに接近できるように環境サンプルを処理する工程;および、(c) 単離核酸又は処理を施した工程(b)の環境サンプルと工程(a)のポリヌクレオチドプローブを混合する工程;(d) 工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離する工程。それにより、環境サンプルからホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する。別例として、環境サンプルは、水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプル又は生物学的サンプルを含む。別例として、生物学的サンプルは、細菌細胞、原生生物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、カビ細胞又は高等動物細胞に由来する。
本発明は、ホスホリパーゼ活性をコードする核酸変種を産生する方法を提供する。その方法は以下の工程を含む:(a) 本発明の核酸を含む鋳型核酸を提供する工程;(b) 鋳型核酸において、一つ以上のヌクレオチドを改変、削除又は挿入するか、あるいはそれらの組み合わせにより、鋳型核酸の変種を生成する工程。
一側面として、本法は、変種ホスホリパーゼを産生するために、変種核酸を発現させることを含む。別例として、改変、挿入又は削除は、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、インビトロ変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブル、遺伝子飽和部位変異法(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)及び/又はそれらの組み合わせ等の方法によって導入される。別例として、改変、挿入又は削除は、組換え、再帰的な配列組換え、ホスホチオエートDNA変異法、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ二重鎖変異法、ポイントミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異法、放射線変異法、欠失変異法、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入法、キメラ核酸マルチマーの生成及び/又はそれらの組み合わせの中から選択される方法によって導入される。
一側面として、本方法は、鋳型核酸によってコードされるホスホリパーゼと比べて、改変された又は異なる活性、あるいは改変された又は異なる安定性を持つホスホリパーゼが産生されるまで繰り返される。一側面として、改変された又は異なる活性は、酸性条件におけるホスホリパーゼ活性である。一側面として、改変された又は異なる活性は、高温条件におけるホスホリパーゼ活性であり、鋳型核酸によってコードされるホスホリパーゼは、その高温条件では活性でない。一側面として、本方法は、鋳型核酸によってコードされるホスホリパーゼと比べて、異なるコドン使用頻度を持つ配列がコードするホスホリパーゼが産生されるまで繰り返される。
本発明は、ホスホリパーゼをコードする核酸のコドンを、宿主におけるその発現を高めるための改変法を提供し、その方法は以下を含む:(a) ホスホリパーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b) 工程(a)の核酸の好まれない(非優先)コドン又はあまり好まれない(低優先)コドンを同定し、それを置換コドンとして同じアミノ酸をコードする好まれる又は天然で使われているコドンと置換する。好まれる(優先)コドンは、宿主において、遺伝子のコード配列において過剰提示されているコドンであり、また、好まれない(非優先)コドン又はあまり好まれない(低優先)コドンは、宿主において、遺伝子のコード配列において提示頻度の低いコドンであり、それにより、宿主におけるその発現を高めるための核酸を改変する。
本発明は、ホスホリパーゼをコードする核酸におけるコドンを改変する方法を提供する。その方法は以下を含む:(a) ホスホリパーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b) 工程(a)の核酸のコドンを同定し、それを、置換コドンとして同じアミノ酸をコードする異なるコドンと置換する工程。それにより、ホスホリパーゼをコードする核酸のコドンを改変する。
本発明は、ホスホリパーゼをコードする核酸のコドンを、宿主におけるその発現を高めるために改変する方法を提供し、その方法は、以下を含む:(a) ホスホリパーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b) 工程(a)の核酸の好まれない(非優先)コドン又はあまり好まれない(低優先)コドンを同定し、それを置換コドンとして同じアミノ酸をコードする好まれる又は天然で使われているコドンと置換する工程。好まれるコドンは、宿主において、遺伝子のコード配列において過剰発現しているコドンであり、また、好まれない(非優先)コドン又はあまり好まれない(低優先)コドンは、宿主において、遺伝子のコード配列において過小発現されているコドンであり、それにより、宿主におけるその発現を高めるための核酸を改変する。
本発明は、ホスホリパーゼをコードする核酸のコドンを、宿主におけるその発現を低下させるために改変する方法を提供し、その方法は以下を含む:(a) ホスホリパーゼをコードする本発明の核酸を提供する工程;および、(b) 工程(a)の核酸において、少なくとも一つの好まれるコドンを同定し、それを置換コドンとして同じアミノ酸をコードする好まれない(非優先)又はあまり好まれない(低優先)コドンと置換する工程。好まれる(優先)コドンは、宿主において、遺伝子のコード配列において過剰提示されているコドンであり、また、好まれない(非優先)コドン又はあまり好まれない(低優先)コドンは、宿主において、遺伝子のコード配列において提示頻度の低いコドンであり、それにより、宿主におけるその発現を低下させるための核酸を改変する。別例として、宿主細胞は、細菌細胞、カビ細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞又は高等動物細胞である。
本発明は、複数の改変ホスホリパーゼの活性部位又は基質結合部位をコードする核酸ライブラリーを作製するための方法を提供する。その活性部位又は基質結合部位は、最初の活性部位又は基質結合部位をコードする配列を含む最初の核酸に由来する。その方法は、以下を含む:(a) 第1の活性部位又は基質結合部位をコードする第1の核酸を提供する工程であって、前記第1の核酸配列が本発明の核酸を含む、前記工程;(b)前記第1の核酸中の複数の標的コドンにおいて天然に存在するアミノ酸変種をコードする一群の変異オリゴヌクレオチドを提供する工程; および、(c) 前記変異オリゴヌクレオチドの組を使用して、変異された各アミノ酸コドンにおいて一群のアミノ酸変種をコードしている活性部位又は基質結合部位をコードする一群の変種核酸を作製する工程。それにより、複数の改変ホスホリパーゼの活性部位又は基質結合部位をコードする核酸ライブラリーを作製する。別例として、本方法は、至適化指向進化システム、遺伝子部位飽和変異法(GSSM)、及び合成連結再アッセンブリ(SLR)を含む方法により、工程(a)の最初の核酸を変異させること含む。その方法は、更に、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、インビトロ変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブル、遺伝子飽和部位変異法(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)及び/又はそれらの組み合わせ等を含む。その方法は、更に、工程(a)の最初の核酸又は変種を、組換え、再帰的な配列組換え、ホスホチオエートDNA変異法、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ二重鎖変異法、ポイントミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異法、放射線変異法、欠失変異法、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異法、キメラ核酸マルチマーの生成及び/又はそれらの組み合わせ等によって変異させることを含む。
本発明は、小分子を作製する方法を提供する。その方法は以下を含む:(a) 小分子を合成又は改変する複数の生合成酵素を提供する工程であって、前記酵素の一つは、本発明の核酸によりコードされるホスホリパーゼを含む酵素である、前記工程;(b) 工程(a)の酵素の少なくとも一つに対する基質を提供する工程;および、(c) 一連の生体触媒反応により小分子を作製するために、工程(b)の基質とその酵素を複数の生体触媒反応を容易にする条件で反応させる工程。
本発明は、小分子を改変する方法を提供する。その方法は以下を含む:(a) 本発明の核酸によりコードされるホスホリパーゼを提供する工程;(b) 小分子を提供する工程;および、(c) 工程(b)の小分子と工程(a)の酵素をホスホリパーゼ酵素による酵素触媒反応を容易にする条件において反応させる工程。それにより、そのホスホリパーゼ酵素により触媒される少なくとも一つの酵素反応により産生された改変小分子のライブラリーを作製する。一側面として、本法は、更に、複数の酵素反応により産生される改変小分子のライブラリーを作製するために、その酵素による複数の酵素触媒反応を容易にする条件において複数の付加的な酵素を含める。
一側面として、本方法は、更に、所望の活性を有する特定の改変小分子がそのラリブラリー中に存在するかをテストする工程を含む。ライブラリーをテストする工程は、更に、望ましい活性を有する特定の改変小分子の存否を一部の特定の改変小分子を調べることにより、複数の改変小分子の一部を作り出すために使用された生体触媒反応の一つ以外の全部を系統的に取り除く工程を含み、所望の活性を有する特定改変小分子を産生する少なくとも一つの特別な生体触媒反応を同定する。
本発明は、ホスホリパーゼ酵素の機能断片を調べる方法を提供する。その方法は以下の工程を含む: (a) 本発明のアミノ酸配列を含むホスホリパーゼ酵素を提供する工程; および、(b) 複数のアミノ酸の残基を工程(a)の配列から削除し、残りの部分配列についてホスホリパーゼ酵素活性をテストする工程。それにより、ホスホリパーゼ酵素の機能断片を決定する。一側面として、ホスホリパーゼ活性は、ホスホリパーゼの基質を提供し、基質量の増加又は反応産物の量の減少を検出することによって測定される。一側面として、試験化合物の存在下及び非存在下における酵素基質の量の減少又は反応産物量の増加を比べることにより、試験化合物をホスホリパーゼ活性の活性化因子として同定する。
本発明は、次の工程を含むグリセロリン酸のエステル結合を切断するための方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程であって、前記ポリペプチドは、本発明のアミノ酸配列を有するか、あるいは本発明の核酸によりコードされるポリペプチドである、前記工程; (b) グリセロリン酸エステル結合を含む化合物を提供する工程;および、(c) ポリペプチドがグリセロリン酸エステル結合を切断する条件下で、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の化合物を接触させる工程。一側面として、その条件は、pH約5.0〜約5.5、あるいはpH約4.5〜約5である。一側面として、その条件は、約40〜70 ℃ の温度を含む。一側面として、その化合物は植物油を含む。一側面として、その化合物は脂肪種子リン脂質を含む。一側面として、その開裂反応は、水溶性リン酸化塩基及びジグリセリドを産生できる。
本発明は、次の工程を含む油脱ガム化の方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチド、あるいは本発明の核酸によりコードされるポリペプチドを提供する工程; (b) 植物油を含む組成物を提供する; および、(c) そのポリペプチドが植物油中のエステル結合を切断する条件下、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の植物油を接触させる工程。それにより、油を脱ガム化する。一側面として、植物油は、ヤシ油、菜種油、コーン油、大豆油、カノーラ油、ゴマ油、ピーナッツ油又はヒマワリ油を含む。一側面として、本方法は、更に、本発明のホスホリパーゼ、別のホスホリパーゼ又はそれらの組合せを加えることを含む。
本発明は、次の工程を含む非水和性リン脂質を水和可能型に変換するための方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程であって、前記ポリペプチドは、本発明のアミノ酸配列を含むか、あるいは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドである、前記工程; (b) 非水和性リン脂質を含む組成物を提供する工程;および、(c) 前記ポリペプチドが非水和性リン脂質のエステル結合を切断する条件下、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の非水和性リン脂質を接触させる工程。それにより、非水和性リン脂質を水和可能型に変換する。
本発明は、次の工程を含む、油を脱ガム化する方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有する本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程; (b) リン脂質を含む脂肪か油を含む組成物を提供する工程; および、(c) 前記ポリペプチドがリン脂質を含む組成物を脱ガム化できる条件下(本発明のポリペプチドがリン脂質の加水分解を触媒できる条件下)、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の組成物を接触させる工程。
一側面として、油を含む組成物は、植物、動物、藻類又は魚等の油を含む。植物油は、大豆油、菜種油、コーン油、やし穀粒油、カノーラ油、ヒマワリ油、ゴマ油又はピーナッツ油を含む。そのポリペプチドは、油含有組成物の水和性及び/又は非水和性リン脂質に由来するホスファチドを加水分解できる。そのポリペプチドは、ホスファチドのグリセリンリン酸エステル結合を加水分解し、グリセリド及び水溶性のリン酸化合物を産生できる。そのポリペプチドは、ホスホリパーゼC 、B 、A又はDの活性を保持することができる。一側面として、ホスホリパーゼD活性及びホスファターゼ酵素が加えられる。その接触は、油中の水和リン脂質の加水分解を含み得る。その加水分解条件は、アルカリpHで約20〜40 ℃ の温度を含められる。そのアルカリ条件は、約pH8〜10のpHを含み得る。その加水分解条件は、約3〜10分の反応時間を含み得る。その加水分解条件は、約pH5〜6.5のpH、約50〜60 ℃の温度で約30〜60分の反応時間で油中の水和性及び非水和性リン脂質を加水分解することを含み得る。そのポリペプチドをフィルターに結合させ、リン脂質含有脂肪又は油を、そのフィルターを通過させても良い。
本発明は、次の工程を含む非水和性リン脂質を水和可能型に変換するための方法を提供する:(a) ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチド、あるいは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b) 非水和性リン脂質を含む組成物を提供する工程;および(c)前記ポリペプチドが非水和性リン脂質を水和可能型に変換する条件下、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の組成物とを接触させる工程。それにより、非水和性リン脂質を水和可能型に変換する。そのポリペプチドは、ホスホリパーゼC 活性を保持することができる。前記ポリペプチドは、ホスホリパーゼD活性を有してよく、ホスファターゼ酵素を加えることもできる。
本発明は、次の工程を含む、リン脂質含有組成物の腐蝕性精製の方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、あるいは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;(b) リン脂質を含む組成物を提供する工程;および、(c) 工程(a) のポリペプチドと工程(b)の組成を、腐蝕性精製の途中又は前後に、接触させる工程。前記ポリペプチドは、ホスホリパーゼC活性を保持することができる。ホスホリパーゼ活性を有するそのポリペプチドは、腐蝕性精製の前に加えることができ、そのリン脂質含有組成は、植物において一過性に発現できるポリペプチドを含めることができる、ホスホリパーゼ活性を有するそのポリペプチドは、種子又は他の植物の一部の破砕中に加えること、あるいは破砕の後、精製の前に添加することができる。そのポリペプチドは、腐蝕性精製の過程で添加されることができ、酸及び苛性カリの濃度は、リン及び遊離脂肪酸のレベルによって変えることができる。そのポリペプチドは、腐蝕性精製の後で添加することができる:分離前に強力ミキサー又は保持のミキサー中において; 熱処理工程の後;遠心分離中; ソープストック中;洗浄水中;又は、漂白工程中、又は脱臭処理工程の間。
本発明は、次の工程を含む、フィトステロール又はトリテルペンの精製方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、あるいは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;(b) フィトステロール又はトリテルペンを含む組成物を提供する工程;および、(c) 前記ポリペプチドが前記組成物中のリン脂質の加水分解を触媒できる条件下、工程(a)のポリペプチドと工程(b)の組成を接触させる工程。前記ポリペプチドは、ホスホリパーゼCの活性を保持することができる。フィトステロール又はトリテルペンは、植物ステロールを含めることができる。植物ステロールは、植物油に由来する。植物油は、ココナッツ油、カノーラ油、ココアバター油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ピーナッツ油、米糠油、ベニバナ油、ゴマ油、大豆油又はヒマワリ油を含むことができる。遊離フィトステロール及びフィトステリル脂肪質酸エステルの定量的な抽出を行うために、本方法は、無極性溶媒の使用を含めることができる。フィトステロール又はトリテルペンは、β- シトステロール、カンペステロール 、スチグマステリン、スチグマスタノール、β-シトスタノール、シトスタノール、デスモステロール、カリナステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロール又はブラシカステロールを含めることができる。
本発明は、次の工程を含む、粗油の精製方法を提供する: (a) ホスホリパーゼ活性を有する本発明のポリペプチド、あるいは本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;(b) リン脂質を含む油を含む組成物を提供する工程;および、(c) 工程(a)のポリペプチドと工程(b)の組成物とを、前記ポリペプチドが前記組成物中のリン脂質を加水分解できる条件下で接触させる工程。前記ポリペプチドは、ホスホリパーゼCの活性を保持することができる。前記ポリペプチドは、組成物を加えられた水溶液中において、ホスホリパーゼCの活性を保持することができる。水の量は、約0.5〜5 %でよい。その処理時間は、約2時間未満、約60分未満、約30分未満、約15分未満、又は5分未満でよい。加水分解の条件は、約25〜70 ℃ の間の温度を含み得る。加水分解の条件は、苛性カリの使用を含み得る。加水分解の条件は、約pH 3〜10、約pH 4〜9、又は約pH 5〜8 間のpHを含み得る。加水分解の条件には、工程(c)の接触工程の後、乳化剤の付加及び/又は混合を含めることができる。本方法は、水相の分離を促進するために、乳剤停止剤の添加及び/又は熱処理を含めることができる。本方法は、遠心分離によりレシチンを集めるため接触工程の前の脱ガム化、及びそれに続く非水和性リン脂質を取除くためのPLC 、PLC及び/又はPLAを加えることを含み得る。本方法は、原油を食用油のために10 ppm未満にする水性脱ガム化及びバイオディーゼル油のために約50 ppm未満にする続く物理的精製を含み得る。本方法は、非水和性リン脂質の水和を促進するために、酸の添加を含み得る。
本発明の一つ以上の実施態様の詳細は添付の図面及び以下の記載として示される。本発明の他の特徴、目的、及び利点は、それらの記載及び図表、および請求の範囲から明白となるであろう。
本明細書に引用される全ての出版物、特許、特許出願、GenBankの配列及びATCC寄託物は、全ての目的のための引用により本明細書中に取り込まれる。
本発明の詳細な説明
本発明は、ホスホリパーゼ(例えば、ホスホリパーゼA、B、C、D、パタチン酵素)、それらコードするポリヌクレオチド及びそれらの作製と使用法を提供する。本発明は、植物油、例えば、脂肪種子のリン脂質のような油中のグリセリン酸エステル結合を効率的に切断し、リン酸化塩基及びジグリセリドを産生する酵素を提供する。一側面として、本発明のホスホリパーゼは、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)の活性を有する。別例として、本発明のホスホリパーゼは、コリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びスフィンゴミエリンのグリセリン酸エステル結合を切断することができる。
リン酸残基は水溶性で除去が簡単なため、本発明のホスホリパーゼ(例えば、ホスホリパーゼA、B、C、D、パタチン酵素)は植物油の酵素的脱ガム化に利用できる。ジグリセリド産物は、油中に残り、従って損失を減少させる。本発明のPLCは、PLA1及びPLA2に加えて又はそれらの代わりに、ENZYMAX(R)プロセスのような商業油の脱ガム化に利用することができる;その工程において、リン脂質は、PLA1及びPLA2によって加水分解される。一側面として、本発明のホスホリパーゼは、高及び/又は定温度、あるいは広い温度範囲で活性である、例えば、20〜90 ℃、30〜80 ℃、又は40〜70 ℃の温度範囲で活性である。本発明は、また、アルカリpH又は酸性pHで活性を保持する本発明のホスホリパーゼを提供する。別例として、本発明のホスホリパーゼは、pH 6.5、pH 6.0、pH 5.5、pH 5.0、pH 4.5、pH 4.0及びpH 3.5程度の低い酸性pHで活性を保持することができる。別例として、本発明のホスホリパーゼは、pH 7.5、pH 8.0、pH 8.5、pH 9.0、及びpH 9.5程度の高いアルカリpHで活性を保持することができる。一側面として、本発明のホスホリパーゼは、低水活量(低水含量)の条件下で、約40〜70℃の温度範囲で活性である。
本発明は、また、好ましい特性を持つ酵素を作製するために、更に本発明の典型的なホスホリパーゼを改変するための方法を提供する。例えば、本発明の方法によって作製されるホスホリパーゼは、異なる基質特異性、基質結合特異性、基質の切断パターン、熱安定性、pH/活性プロフィール、pH/安定性プロフィール(低いpH、例えば、pH<6又はpH<5、あるいは高いpH、例えばpH>9、のpHで促進された安定性のような)、酸化に対する安定性、Ca2+依存性、比活性及びその類を持つことができる。本発明は、注目する如何なる特性をも変えることを提供する。例えば、その改変は、親ホスホリパーゼと比較して変化されたpH及び温度活性プロファイルが変えられた変種を生じる。
一側面として、本発明のホスホリパーゼは、植物油の抽出、特に、本明細書中で述べられるように「油脱ガム化」と呼ばれる「リン脂質ガム」の除去のような様々な植物油の処理段階で使用することができる。大豆、菜種、ピーナツ、ゴマ、ヒマワリ及びトウモロコシのような様々な資源からの植物油の生産に、本発明のホスホリパーゼ酵素を、PLA、例えば、ホスホリパーゼA2に代えて、あらゆる植物油の処理工程で使用することができる。
定 義
用語「ホスホリパーゼ」は、ホスホリパーゼ活性、例えば、植物油のような油中のグリセロリン酸エステル結合を切断する(グリセロリン酸エステル結合の加水分解を触媒する)酵素を包括する。本発明のホスホリパーゼ活性は、水抽出可能なリン酸化塩基及びジグリセリドを産生できる。本発明のホスホリパーゼ活性は、また、高温、低温、アルカリpH及び酸性pHでグリセロリン酸エステル結合の加水分解を誘導する。用語「ホスホリパーゼ」は、また、グリセロリン酸エステルを切断し、水抽出可能なリン酸化塩基及びジグリセリドを産生する。用語「ホスホリパーゼ活性」とは、リン脂質のグリセリンとリン酸のエステル結合を切断することを含む。用語「ホスホリパーゼ活性」とは、また、基質、例えば、植物油のような油に結合する能力のような他の活性も含み、その基質は、動物ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン及びスフィンゴミエリンをも含む。ホスホリパーゼ活性は、ホスホリパーゼC(PLC)活性、ホスホリパーゼA1又はホスホリパーゼA2活性のようなホスホリパーゼA(PLA)活性、ホスホリパーゼB1又はホスホリパーゼB2活性のようなホスホリパーゼB(PLB)活性、ホスホリパーゼD1又はホスホリパーゼD2活性のようなホスホリパーゼD(PLD)活性を含む。ホスホリパーゼ活性は、糖タンパク質、例えば、ジャガイモの塊茎又はSolanum tuberosumのようなナス属植物に見られる糖タンパク質の加水分解を含み得る。ホスホリパーゼ活性は、パタチンエステラーゼ活性のようなパタチン酵素活性を含み得る(例えば、Jimenez (2002 年の) Biotechnol Prog. 18:635-640を参照)。ホスホリパーゼ活性は、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含み得る。
用語「抗体」とは、抗原やエピトープに特異的に結合できる免疫グロブリン遺伝子、あるいはそれらの断片によって設計されたものか実質的にコードされたものに由来するペプチド、あるいはポリペプチドを含む;Fundamental Immunology, Third Edition W.E. Paul 編集, Raven出版, N.Y.(1993); Wilson(1994)J.Immunol.Methods 175:26773;Yarmush (1992) J.Biochem.Biophys.Methods 25:85−97を参照。用語「抗体」とは、抗原結合部分、即ち、抗原に結合する能力を持った抗原結合部位(例えば、断片、部分配列、相補的決定領域(CDR))を含むものであり、それらは、(i) VL、VH、CL及びCH1ドメインを含む一価断片であるFab断片;(ii) VH及びCH1ドメインを含む二価断片であるF(ab’)2断片;(iii) VH及びCH1ドメインより成るFd断片;(iv) 抗体の一アーム部分のVL及びVHドメインより成るFv断片;(v) VHドメインより成るdAb断片(Ward et al., (1989) Nature 341:544−546);(vi) 単離された相補的決定領域(CDR)を含む。また、一本鎖抗体も参照により用語「抗体」に含まれる。
本明細書で用いる用語「アレイ」、あるいは「マイクロアレイ」、あるいは「バイオチップ」、あるいは「チップ」とは、複数の標的エレメントであり、以下に更に詳述するように、各標的エレメントは、一種、あるいはそれ以上の明確な量のポリペプチド(抗体を含む)、あるいは基質表面の明確な部位に固定化された核酸を含んでいる。
本明細書で用いる用語「コンピューター」、「コンピュータープログラム」及び「処理機」は、以下に詳細を記述するように、それらの最も広い背景において使われ、そのような全ての装置を含める。
特定のポリペプチド又はタンパク質の「コード配列」または特定の特定のポリペプチド又はタンパク質を「コードする配列」とは、適切な制御配列の制御の下に置かれたときに、タンパク質又はポリペプチドに転写及び翻訳される核酸の配列である。
本明細書で用いる用語「発現カセット」は、宿主細胞において存在し得る構造遺伝子(例えば、本発明のホスホリパーゼのように、あるタンパク質をコードした配列)の発現を生じさせ得るヌクレオチド配列を言う。発現カセットにはポリペプチドコード配列に機能的に連結したプロモーターが少なくとも含まれ、場合により、他の配列、たとえば転写終結シグナルが含まれる。発現を起こさせるために必要なまたは有用な他の印紙は、例えばエンハンサーを使用することも出来る。本明細書において「動作可能に結合」とはプロモーターがDNA配列の転写を媒介するようにそのDNA発現配列の上流に連結していることをいう。カセットは、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、如何なる形態の組換え「裸のDNA」ベクター、及びその類をも含んでいる。「ベクター」は、一過性に感染できる核酸、あるいは恒久的に細胞を変換できる核酸を含む。ベクターは、裸のDNAであってよく、又はタンパク、あるいは脂質との複合体でもあり得ることが理解されるであろう。ベクターは、場合により、ウイルス、あるいは細菌の核酸、及び/又はタンパク、及び/又はメンブラン(例えば、細胞膜、ウイルスの脂質エンベロープ等)を含む。ベクターは、それに接続されて複製されるようになるDNA断片を含むレプリコン(例えば、RNAレプリコン、バクテリオファージ)を含むが、これらに限られない。従って、ベクターは、RNA、独立した自己複製する環状又は直鎖DNA、あるいはRNA(例えば、プラスミド、ウイルス、及びその類、例えば、米国特許5,217,879を参照)を含み、発現及び非発現プラスミドの両方を含むが、これらに限られない。組換え微生物、あるいは細胞培養が「発現ベクター」を含むと記述される場合は、染色体外の環状や直鎖の及び宿主の染色体に取り込まれているDNAを含む。ベクターが宿主細胞により維持されている場合、ベクターは、独立構造として有糸分裂の間に安定に複製されるか、あるいは宿主のゲノム内に取り込まれている。
「プラスミド」は、先行する小文字のp及び/又はそれに続く大文字及び/又は数字として示される。本明細書において出発プラスミドは、商業的に入手可能か、非制限的な基盤のもとに公共的に入手が可能であり、入手可能なプラスミドから既に報告されている操作により構築することができる。更に、本明細書中に述べられるものと同等のプラスミドは、既に、公に知られ、また、通常の熟練した研究者には明白なものであろう。
用語「遺伝子」は、適用され得る場合、個々の翻訳領域(エクソン)間に存在する非翻訳配列(イントロン)だけでなく、リーダー及びトレイラー領域、プロモーター及びエンハンサーのようなコード領域の前後の領域を含むポリペプチド鎖の産生に関与するDNAの断片を意味する。
本明細書において用いられる「核酸」又は「核酸配列」とは、オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、あるいはそれらの如何なる断片、ゲノム又は合成起源のDNA又はRNA (例えば、mRNA、rRNA、tRNA)でもよく、一本鎖又は二本鎖でもよく、ペプチド核酸(PNA)又はDNA様、あるいはRNA様物質に対するセンス又はアンチセンス鎖、例えば、リボヌクレオプロテイン(iRNA)(例えば二本鎖iRNA)を含む天然又は合成の起源のものを含めて言及される。この用語は、天然ヌクレオチドの類似体を含む核酸、即ち、オリゴヌクレオチドをも包括する。この用語は、合成バックボーンを持つ核酸様構造体をも包括する。以下の例を参照、Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156。
本明細書において、「アミノ酸」又は「アミノ酸配列」とは、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、あるいは如何なるそれらの断片、部分あるいはサブユニット、及び天然に存在する又は合成の分子を意味する。
本明細書において、用語「ポリペプチド」及び「タンパク」とは、ペプチド結合又は修飾ペプチド結合、即ち、ペプチドアイソスター、によりお互いに結合したアミノ酸を意味し、20種の遺伝子にコードされたアミノ酸以外の修飾アミノ酸を含んでもよい。用語「ポリペプチド」は、また、ペプチドやポリペプチドの断片、モチーフ及びその類を含む。その用語は、グリコシル化ポリペプチドをも含む。本発明のペプチド及びポリペプチドは、以下に更に詳細を述べるように、全ての「疑似体」及び「ペプチド疑似体」形態をも含んでいる。
用語「単離された」とは、その物質が元の環境(それが天然由来の場合、その自然環境)から取り除かれたことを意味する。例えば、生物体に存在する天然ポリヌクレオチド酵素は、単離されていないが、天然界に共在する物質から分離された同一のポリヌクレオチド、あるいはペプチドは「単離された」ものである。このようなポリヌクレオチドは、ベクターの一部であってもよく、及び/又は、このようなポリヌクレオチドや酵素が組成物の一部であってもよく、このようなベクターや組成物がその自然環境の一部でないという点でなお単離されたものである。本明細書において、単離された物質又は組成物は、「精製された」組成物でもあり得る。即ち、絶対的な純度を要求しない;むしろ、それは、相対的な定義を意図したものである。ライブラリーから得られた個々の核酸は、電気泳動的に単一なまでに慣習的な手法により精製することができる。別の例として、本発明は、ゲノムDNA、ライブラリー中の他の配列、あるいは他の環境から少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍あるいはそれ以上の度合いに精製された核酸を提供する。
本明細書において、用語「組換え」とは、核酸が天然にはその核酸が隣接していない「バックボーン」核酸に隣接していることを意味する。一例において、核酸は、核酸「バックボーン」分子の集団において、5 %又はそれ以上の核酸挿入数を示す。本発明による「バックボーン分子」核酸には、発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、完成しつつある核酸、及び関心対象の挿入核酸の維持、あるいは操作に用いられる他のベクター又は核酸のような核酸を含む。一側面として、挿入を豊富にした核酸は、組換えバックボーン分子の集団において15 %、20 %、30 %、40 %、50 %、60 %、70 %、80 %、90 %あるいはそれ以上の核酸挿入数を示す。「組換え」ポリペプチド又はタンパクは、組換えDNA技術により産生されるポリペプチド又はタンパク、例えば、好ましいポリペプチド又はタンパクをコードした外因性のDNA構築物により形質転換した細胞から得られるものを意味する。「合成の」ポリペプチド又はタンパクは、以下に更に述べるように、化学合成により調製されたものである。
以下に更に述べるように、プロモーターで転写を開始するRNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写する場合、プロモーター配列は、その配列に「動作可能に結合」している。
「オリゴヌクレオチド」は、化学的に合成されるような一本鎖ポリデオキシヌクレオチド、あるい二本の相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖をいう。そのような合成ポリデオキシヌクレオチドは、5’リン酸基を持たず、キナーゼの存在下でATPによってリン酸を付加しなければ他のオリゴヌクレオチドと結合することができない。合成オリゴヌクレオチドは、脱リン酸していない断片とは結合する。
二種の核酸又はポリペプチドの関係における表現「実質的に同一」とは、以下に詳しく考察されるように、それらを既知の配列比較アルゴリズム又は視覚的な検索により測定し、最大に一致するように整列させたときに少なくとも50 %、60 %、70 %、75 %、80 %、85 %、90 %、95 %、98 %又は99 %のヌクレオチド又はアミノ酸残基(配列)の同一性を持つ二種以上の配列のことを言う。別例として、本発明は、例えば、以下の典型的な本発明の配列の少なくとも約100残余、150残基、200残基、300残基、400残基、又はその核酸又はポリペプチドの約50残基から完全長にわたり、実質的同一性を持つ核酸及びポリペプチド配列を与える:配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8他。本発明の核酸配列は、ポリペプチドのコーディング領域の全長にわたり、実質的に同一であり得る。
更に、「実質的に同一な」アミノ酸配列とは、特に、その置換が分子の活性部位ではない部位で起こる場合、一つ以上の保存的か非保存的なアミノ酸の置換、削除、又は挿入により対照配列とは異なっている配列であり、そのポリペプチドが本質的にその機能特性を保持できることを条件とする。保存的なアミノ酸の置換は、あるアミノ酸を同じクラスのアミノ酸(例えば、疎水性アミノ酸、例えば、イソロイシン、バリン、ロイシン、又はメチオニンを他のものと、あるいは極性アミノ酸を次に示すアミノ酸と置換する:アルギニンをリジン、グルタミン酸をアスパラギン酸又はグルタミンアスパラギン。例えば、一種以上のアミノ酸をホスホリパーゼポリペプチドから削除してもよく、そのポリペプチドの構造の改変をその生物活性に大きな変化を及ぼすことなくして起こすことができる。例えば、ホスホリパーゼの生物活性に要求されないアミノ又はカルボキシ末端アミノ酸は削除することができる。以下に述べるように、本発明の改変されたポリペプチド配列について、改変ポリペプチド配列とホスホリパーゼ基質とを接触させ、改変ポリペプチドが、アッセイにおいて、特異的基質の量を減少させるか、あるいは機能的ホスホリパーゼとその基質の酵素反応の生産物を増加させるかを測定することを含め、いく通りの方法によってでもホスホリパーゼの生物活性をアッセイできる。
「ハイブリダイゼーション」は、それにより核酸鎖が塩基のペアリングによって相補的な鎖と結合する過程を意味する。ハイブリダイゼーション反応は高感度で選択的であるので、興味対照の特定の配列がサンプル中に低濃度で存在している場合でも同定できる。適切にストリンジェントな条件下とは、例えば、プレハイブリダイゼーション及びハイブリダイゼーション溶液中の塩、あるいはホルムアミド濃度、ハイブリダイゼーションの温度等により定義され、そのことは既によく知られている。例えば、そのストリンジェンシーは、以下に詳述するように、塩濃度を減少させること、ホルムアミド濃度を増加させること、あるいはハイブリダイゼーション温度を上昇させること、ハイブリダイゼーション時間を変えること等により増加させることができる。別の例として、本発明の核酸は、この中に示されるように、種々の(例えば、高、中および低)ストリンジェンシーの条件下におけるそれらのハイブリダイズ能により明確にされる。
用語「変種」とは、一つ又はそれ以上の塩基対、コドン、イントロン、エクソン、あるいはアミノ酸残基(それぞれ)が改変され、本発明のホスホリパーゼの生物学的な活性をまだ保持している本発明のポリヌクレオチド、あるいはポリペプチドを言及する。変種は、例えば、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、インビボ変異法、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブル、遺伝子飽和部位変異法(GSSM)、及びそれらの組み合わせ等の手段を如何なる組み合わせで用いて作製することができる。野生型ホスホリパーゼとは異なるpH、あるいは温度で活性を有する変種の作製技術はこの中に含まれる。
用語「飽和変異 (saturation mutagenesis)」、あるいは「GSSM」とは、以下に詳しく述べられるように、ポリヌクレオチドに点変異を導入するためのオリゴヌクレオチド プライマーの変異に用いられる方法を含む。
用語「至適化指向進化システム (optimized directed evolution system)」、あるいは「至適化指向進化」とは、関連した核酸配列、例えば、関連した遺伝子の断片を再集合するのための方法を含み、以下に詳しく述べられる。
用語「合成連結再アッセンブリ (synthetic ligation reassembly)」、あるいは「SLR」とは、オリゴヌクレオチド断片を非確率的に結合させる方法を提供するもので、以下に詳しく述べられる。
核酸の作製及び操作
本発明は、本発明のポリペプチド及びホスホリパーゼをコードする発現ベクターのような発現カセットを含む核酸(例えば、典型的な配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105)を提供する。本発明は、また、本発明の核酸を使用して、新規ホスホリパーゼ配列を発見するための方法を含んでいる。また、本発明の核酸を、例えば、合成連結再アッセンブリ、至適化指向進化システム及び/又は飽和変異法により、本発明の核酸を改変する方法を提供する。
本発明の核酸は、例えば、cDNAライブラリーのクローニングや発現、メッセージあるいはゲノムDNAのPCRによる増幅、及びその類により、作製、単離及び/又は操作される。本発明の方法の実施において、相同な遺伝子は、ここに述べられるように、鋳型核酸を操作することにより改変することができる。本発明は、如何なる方法又はプロトコール、あるいは既に知られている装置との組み合わせにより実施することができる。
一般的な技術
本発明の実施に使われる核酸は、RNA、iRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス、あるいはそれらのハイブリッドの類に関わらず、種々の供給源から単離され、遺伝学的に操作され、増幅され、及び/又は発現(組換え的に作製)されてもよい。これら核酸より作製された組換えポリペプチドは、望まれる活性のために個々に単離あるいはクローン化し調べることができる。細菌、高等動物、酵母、昆虫、あるいは植物細胞の発現システムを含む如何なる組換え発現システムを使うことができる。
別法として、これら核酸は、例えば、以下に述べられるような、よく知られる化学合成技術によりインビトロで合成することができ、例えば、Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661;Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444;Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (1979) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859;米国特許4,458,066に述べられている。
例えば、サブクローニング、プローブの標識(例えば、クレノーポリメラーゼを用いたランダム‐プライマー標識、ニックトランスレーション、増幅)、配列決定、ハイブリダイゼーション及びその類のような核酸を操作する技術は、科学文献ならびに特許文献によく述べられている。例えば、以下を参照。Sambrook, 編集, Molecular Cloning:a Laboratory Manual (2nd ed.), Vols. 1-3, Cold Spring Harbor Laboratory, (1989);Current Protocols in Molecular Biology、Ausubel, 編集, John Wiley & Sons, Inc., New York (1997);Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization With Nucleic Acid Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation、Tijssen, 編集, Elsevier, N.Y. (1993)。
本発明の方法を実施するために使われる核酸を得たり操作したりする他の有用な手段は、ゲノムサンプルからクローンすること、望ましいならば、例えば、ゲノムクローン、あるいはcDNAクローンからスクリーン単離するか、あるいは増幅した挿入を再クローンすることである。本発明の方法に使われる核酸の供給源は、高等動物の人工染色体(MAC)に含まれるゲノムあるいはcDNAライブラリーを含む。例えば、以下を参照。米国特許5,721,118;6,025,155;ヒト人工染色体、Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335;yeast artificial chromosomes (YAC); 細菌人工染色体(BAC);P1 人工染色体、Woon (1998) Genomics 50:306-316;P1-由来 ベクター (PAC)、Kern (1997) Biotechniques 23:120-124;コスミド、組換えウイルス、ファージ、あるいはプラスミド。
一側面として、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチド、あるいはその断片が分泌されるように指令するリーダー配列と適当な位相で結合することができる。
本発明は、融合タンパク質及びこれらをコードする核酸を提供する。本発明中のポリペプチドは、安定性の増加や精製の簡便化等、目的の特性をそのポリペプチド、例えば、そのN末端側に与えるために、異種ペプチド又はポリペプチドと融合させることができる。本発明中のペプチド又はポリペプチドは、また、増加した免疫原性の獲得、精製の簡便化、抗体、及び抗体産生 B 細胞の同定、あるいは単離などを目的とした融合タンパク質として、一ヶ所又はそれ以上の付加的な領域と結合した形で合成又は発現させることができる。検出や精製に有効な領域として、以下のものが含まれる; 固定化金属による精製のためのポリヒスチジン鎖及びヒスチジン-トリプトファン モジュールなどの金属キレートペプチド;固定化免疫グロブリンによる精製のための、プロテインA領域; FLAGS伸張/親和性精製システム(Immunex Corp, Seattle WA)において利用される領域;及び精製用領域と、モチーフ含有ペプチドとの間への、Factor Xaやエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego CA)による切断部位の導入。例えば、発現ベクターは、エピトープをコードする核酸配列と、6つのヒスチジン残基が、チオレドキシンとエンテロキナーゼ切断部位で繋がれた配列を含んでいる(Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797;Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414 参照)。ヒスチジン残基は、検出や精製に利用され、エンテロキナーゼ切断部位は、エピトープの他の融合タンパク部位からの分離に利用される。融合タンパク質をコードするベクターや、融合タンパク質の利用に関する技術は、科学論文や特許に記述されている(Kroll (1993) DNA Cell. Biol., 12:441-53 参照)。
転写、及び翻訳を調節する配列
本発明は、発現(例えば、転写、あるいは翻訳)調節配列、即ち、RNA合成/発現を誘導又は調節するプロモーターやエンハンサーと機能的に結合した本発明における核酸配列(即ち、DNA)を提供する。それらの発現調節配列は、発現ベクター中に含まれ得る。代表的な細菌のプロモーターには、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダ PRプロモーター、Pプロモーター、及びtrpプロモーターが含まれる。代表的な真核生物のプロモーターには、CMV 前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期及び後期 SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTRプロモーター, 及びマウス メタロチオネインIプロモーター が含まれる。
本発明は、発現(例えば、転写、あるいは翻訳)調節配列、即ち、RNA合成/発現を誘導又は調節するプロモーターやエンハンサーと機能的に結合した本発明における核酸配列(即ち、DNA)を提供する。それらの発現調節配列は、発現ベクター中に含まれる。代表的な細菌のプロモーターには、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダ PRプロモーター、Pプロモーター、及びtrpプロモーターが含まれる。代表的な真核生物のプロモーターには、CMV 前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、初期及び後期 SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTRプロモーター, 及びマウス メタロチオネインIプロモーター が含まれる。
細菌におけるポリペプチド発現に適したプロモーターには、大腸菌lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダ PRプロモーター、PLプロモーター、3-ホスフォグリセリン酸キナーゼ(PGK)などの解糖系酵素をコードするオペロン由来のプロモーター、及び酸ホスファターゼプロモーターが含まれる。真核生物のプロモーターには、CMV前初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期及び後期 SV40プロモーター、レトロウイルス由来LTRプロモーター、及びマウス メタロチオネインIプロモーターが含まれる。原核細胞、真核細胞、及びそれらのウイルスにおいて、遺伝子発現を調節することが知られているその他のプロモーターもまた使用されるであろう。
発現ベクター、及びクローニングビヒクル
本発明は、本発明におけるタンパク質をコードする核酸、例えば、本発明のホスホリパーゼ、を含む発現ベクター、及びクローニングビヒクルを提供する。本発明における発現ベクター、及びクローニングビヒクルには、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリア人工染色体、ウイルスDNA(例えば、ワクチニア、アデノウイルス、ポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、及び SV40 型ウイルス)、P-1由来人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、及び特定の宿主(枯草菌、アスペルギルス、及び酵母のような)に対して特異的なその他のベクターが含まれる。本発明のベクターは、染色体由来、非染色体由来、及び合成されたDNA配列を含むことができる。多数の有用なベクターが、関連技術内で知られており、これらは商業的な入手が可能である。代表的なベクターには、細菌用:pQE ベクター(キアゲン)、pBluescript プラスミド、pNHベクター、ラムダ-ZAPベクター(ストラタジーン);ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T (ファルマシア);真核細胞用:pXT1、pSG5 (ストラタジーン)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40 (ファルマシア)。しかし、宿主内での複製が可能であるのなら、その他のいかなるプラスミドやベクターも利用することができる。低コピー数、あるいは高コピー数のベクターが、本発明において使用できる。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボゾーム結合部位、及び転写終結配列を含み得る。これらのベクターは、また、発現を増加させるためのその他の適切な配列も含み得る。哺乳類発現ベクターは、複製オリジン、必要なリボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライシングドナー、及びアクセプター部位、転写終結配列、及び5 ’非転写配列を含むことができる。ある例では、SV40スプライス由来のDNA配列やポリアデニル化部位が必要な非転写領域として使用されるであろう。
一側面として、発現ベクターは、ベクターを含む宿主の選択を可能にさせるために、一種以上の遺伝子マーカーを含む。そのような選択マーカーには、真核細胞用として、ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子、あるいはネオマイシン耐性遺伝子、大腸菌におけるテトラサイクリン、あるいはアンピシリン耐性遺伝子、及びS. cerevisiae TRP1遺伝子が含まれる。プロモーター領域は、選別用マーカー遺伝子を含む、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクターやその他のベクターを用いて目的の遺伝子より選別される。
真核細胞中でのポリペプチド、あるいはその断片の発現ベクターは、その発現レベルを増加させるためのエンハンサーも含まれるであろう。エンハンサーは、その遺伝子のプロモーターに作用し、その遺伝子の転写を増加させるcis-作動性のDNA領域で、通常約10〜300塩基対の長さを持つ。その例として、その複製オリジンより約100〜270塩基対下流に存在するSV40エンハンサー、サイトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側に存在するポリオーマエンハンサー、及びアデノウイルスエンハンサーがある
DNA配列は、様々な方法により、ベクターへ挿入され得る。一般的に、DNA配列及びベクターは、適当な制限エンドヌクレアーゼにより切断され、そのDNA配列は、ベクター中の目的の部位に挿入、連結される。又は、DNA配列とベクターの平滑末端同士が連結されるであろう。Ausubel及びSambrookにより記述されているような、様々なクローニング技術が関連技術内で知られている。これらの手順またはその他の手順は、関連技術における適用範囲内であるとみなされる。
ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、あるいはファージの形で存在し得る。その他のベクターには、染色体由来、非染色体由来、及び合成されたDNA配列、SV40誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミド、及びファージDNAの組み合わせに由来するベクター、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、ポックスウイルス、及び仮性狂犬病ウイルス等のウイルスDNAが含まれる。原核細胞宿主や真核細胞宿主における様々なクローニングベクター、及び発現ベクターが、Sambrookにより記述されている。
利用し得る具体的な細菌用ベクターには、pBR322 (ATCC 37017)、pKK223-3 (ファルマシア:Uppsala, Sweden)、GEM1 (プロメガ:Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9 (キアゲン)、pD10、psiX174 pBluescript II KS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A (ストラタジーン)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5 (ファルマシア)、pKK232-8、及びpCM7等の既知のクローニングベクター中の必要な遺伝的配列を含む商業的に入手可能なプラスミドが含まれる。真核細胞用ベクターとしては、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG (ストラタジーン)、pSVK3、pBPV、pMSG、及びpSVL (ファルマシア)が含まれる。しかし、宿主内での複製が可能であり、かつ維持されるものであるなら、その他のベクターも利用できる。
宿主細胞、及び形質転換細胞
本発明は、また、本発明におけるポリペプチドをコードする核酸配列、例えば、本発明中のホスホリパーゼをコードする配列、本発明のベクターを含む形質転換細胞を提供する。宿主細胞としては、細菌細胞、真菌細胞、酵母細胞、哺乳類細胞、昆虫細胞、あるいは植物細胞を含む、関連技術内で利用されている原核細胞あるいは真核細胞の何れの宿主細胞も使用されるであろう。代表的な細菌細胞には、E.coli、Streptomyces、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、及びPseudomonas、Streptomyces、あるいはStaphylococcus属に属する様々な種の細菌が含まれる。代表的な昆虫細胞には、Drosophila S2、及びSpodoptera Sf9が含まれる。また、代表的な動物細胞には、CHO、COS、あるいはBowesメラノーマやその他のマウスやヒト細胞株が含まれる。適切な宿主細胞の選択も、関連技術の範囲内である。
ベクターは、形質転換、トランスフェクション、トランスダクション、ウイルス感染、遺伝子ガン、あるいはTi-媒介遺伝子導入を含む様々な技術により宿主細胞に導入される。特有の方法として、カルシウムリン酸によるトランスフェクション、DEAE-デキストランによるトランスフェクション、リポフェクション、あるいはエレクトロポレーション法が含まれる(Davis, L., Dibner, M., Battey, I., Basic Methods in Molecular Biology, (1986))。
設計された宿主細胞は、適切な場合、通常の栄養培地を基にプロモーターの活性化、形質転換体の選別、あるいは本発明中の遺伝子の増殖を可能にするように改変された培地中で培養されるであろう。適切な宿主細胞の形質転換、及びその宿主細胞を適切な細胞密度になるまで生育させた後、選択されたプロモーターが、適当な手段(例えば、温度シフト、あるいは化学物質の添加)により誘導され、更に、その宿主細胞は、目的のポリペプチド、あるいはその断片が生産されるまで培養されるであろう。
その細胞を遠心分離により回収し、物理的、あるいは化学的手段により破砕して得られる粗抽出物を精製に用いる。タンパク質の発現に使用された微生物細胞は、反復凍結融解、超音波破砕、機械的破砕、あるいは細胞溶解試薬を含む適切な方法により破砕されるであろう。このような方法は、当業者内でよく知られている。発現されたポリペプチド、あるいはその断片は、硫酸アンモニウム、あるいはエタノールによる沈殿、酸による抽出、陽イオン、あるいは陰イオン交換クロマトグラフィー、セルロースリン酸クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、及びレクチンクロマトグラフィーを含む方法により、組換え細胞培養物より回収、及び精製されるであろう。必要であるならば、タンパク質の立体構造を完全なものとするために、折りたたみ化工程が行われるであろう。更に、最終的な精製が必要である場合は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)が使用されるであろう。
様々な哺乳類細胞培養系を組換えタンパク質の発現に使用することができる。哺乳類細胞発現系には、サル腎臓繊維芽細胞のCOS-7細胞株や、C127、3T3、CHO、HeLa、及びBHK細胞のような適当なベクターからタンパク質を発現できる樹立細胞株が含まれる。
宿主中の構築物は、通常の様式で使用され、組換え配列によりコードされた遺伝子産物を産生することができる。組換え体産生に使用される宿主細胞に依存して、ベクターを含む宿主細胞により生産されるポリペプチドは、グリコシル化体又は非グリコシル化体でもよあり得る。本発明のポリペプチドは、また、最初のアミノ酸にメチオニンを含むことも含まないこともある。
無細胞翻訳系も、また、本発明のポリペプチドの産生に使用することができる。無細胞翻訳系に、ポリペプチド、あるいはその断片をコードする核酸と機能的に連結されたプロモーターを含むDNA構築物より転写されたmRNAを利用してもよい。一側面として、それらのDNA構築物は、インビトロ転写反応を行う前に直線化されてもよい。転写されたmRNAは、目的のポリペプチド、あるいはその断片を生産するためにウサギ網状赤血球抽出物のような適切な無細胞翻訳系抽出物とともにインキュベートされる。
発現ベクターは、形質転換された宿主細胞を選別するために、真核細胞用として、ジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子、あるいはネオマイシン耐性遺伝子、E.coliにおけるテトラサイクリン、あるいはアンピシリン耐性遺伝子等の特定の表現型特性を示す一種、あるいはそれ以上の選別用マーカー遺伝子を含むことができる。
核酸の増幅
本発明の実施において、本発明のポリペプチドをコードする核酸、あるいは、改変した核酸は、例えば、増幅により再産生される。本発明は、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードした核酸を増幅するための増幅配列プライマー対を提供する。その増幅において、プライマー対は、典型的な配列番号:1、あるいはその部分配列; 配列番号:3として示す配列、あるいはその部分配列;配列番号:5として示す配列、あるいはその部分配列;配列番号:7として示す配列等を含む核酸配列を増幅できる。既にその技術に熟練した者は、これら配列の如何なる部分、あるいは完全長の配列に対する増幅プライマー配列対を設計できる。
本発明は、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードした核酸を増幅するための増幅配列プライマー対を提供し、そのプライマー 対は、本発明の配列を含む核酸、あるいはその断片又は部分配列を含む核酸配列を増幅できる。一つ又は各プライマー配列対は、少なくともその配列の約10〜50連続塩基、あるいは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含めることができる。
本発明は、増幅配列プライマー対を提供し、そのプライマー対は、本発明の核酸の最初の(その5')12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25残基として示される配列を持つ最初のメンバー、及び最初のメンバーの相補鎖の最初の(その5')12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25残基として示される配列を持つ第二のメンバーを含む。
あるいはその断片又は部分配列を含む核酸配列を増幅できる。一つ又は各プライマー配列対は、少なくともその配列の約10〜50連続塩基、あるいは12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含めることができる。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、により産生されるホスホリパーゼを提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、によりホスホリパーゼを作製する方法を提供する。一側面として、その増幅プライマー対は、ライブラリー、例えば、環境ライブラリーのような遺伝子ライブラリーから核酸を増幅する。
増幅反応は、サンプル中の核酸の量(細胞サンプルのメッセージ量のような)、核酸の標識(例えば、それをアレイ又はブロットに応用するため)、核酸を検出するため、あるいはサンプル中の特定の核酸の量を定量するために使用することができる。
一側面として、細胞又はcDNAライブラリーから単離されたメッセージが増幅される。熟練した者は、適切なオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択及び設計できる。増幅法は、よく知られる技術であり、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応、PCR、を含む(例えば、PCR PROTOCOLS, A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS, Innis編集, Academic Press, N.Y. (1990)及びPCR STRATEGIES (1995), Innis編集, Academic Press, Inc., N.Y.を参照);結合チェインリアクション(LCR) (Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117を参照);転写増幅 (Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173を参照);及びself-sustained 配列複製 (Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874を参照);Q ベーターレプリカーゼ増幅 (Smith (1997) J. Clin. Microbiol. 35:1477-1491を参照);自動化ベーターレプリカーゼ増幅アッセイ (Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271を参照)及び他のRNAポリメラーゼを媒介した技術 (NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario);Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316; Sambrook; Ausubel;米国特許4,683,195及び4,683,202;Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564も参照。
配列同一性の度合いの決定
本発明は、以下に示す本発明の典型的な核酸配列の少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550又はそれ以上の残基にわたり、少なくとも約50 %、51 %、52 %、53 %、54 %、55 %、56 %、57 %、58 %、59 %、60 %、61 %、62 %、63 %、64 %、65 %、66 %、67 %、68 %、69 %、70 %、71 %、72 %、73 %、74 %、75 %、76 %、77 %、78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の同一性、あるいは完全に(100 %)同一な配列を含む核酸を提供する。その典型的な配列は、例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105、及び以下の配列をコードしている核酸:配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106。配列同一性(相同性)の度合いは、デフォルトパラメーターを持つBLAST2.2.2又はFASTAバージョン3.0t78のような、この中で述べるものを含むどのようなコンピュータープログラム及び関連パラメーターを使用して決定してもよい。
別の実施態様において、配列同一性は、核酸又はポリペプチドの少なくとも約5、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、350、400連続残基、又は完全長にわたり得る。配列同一性(相同性)の度合いは、デフォルトパラメーターを持つBLAST2.2.2又はFASTAバージョン3.0t78のような、この中で述べるものを含むどのようなコンピュータープログラム及び関連パラメーターを使用して決定してもよい。相同な配列は、その核酸配列中のチミンをウリジンに変えたRNA配列をも含む。相同配列は、ここに述べるどのような操作を用いて作製してもよく、また、シークエンシングのエラーによるものでもよい。本明細書に示すような核酸配列は、伝統的な単一文字形式(例えば、Stryer、Lubert、Biochemistry、3rd編集, W. H Freeman & Co., New York参照)、あるいは配列中のヌクレオチドの同一性を記録する他の如何なる形式によっても表すことができる。
本明細書中で明示されている種々の配列比較プログラムは、本発明のこの特徴において使用される。タンパク及び/又は核酸の配列同一性(相同性)は、多様な配列比較アルゴリズム及び既に知られるプログラムのどれを用いて評価されてもよい。そのようなアルゴリズム及びプログラムは、以下を含むが、それらには限定されない:TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA、及び CLUSTALW (Pearson and Lipman, Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85(8):2444-2448, 1988;Altschul 他, J.Mol.Biol. 215(3):403-410, 1990;Thompson他, Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higgins他, Methods Enzymol. 266:383-402, 1996;Altschul他, J.Mol.Biol. 215(3):403-410, 1990;Altschul他, Nature Genetics 3:266-272, 1993)。
相同性又は同一性は、配列解析ソフトウエアー(例えば、Sequence Analysis Software Package of the Genetics Computer Group, University of Wisconsin Biotechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)を利用して調べることができる。そのようなソフトウエアーは、種々の削除、置換及び他の改変に対する相同性の度合いを帰属することにより類似した配列を一致させる。二種以上の核酸又はポリペプチド配列関して用いる用語「相同性」及び「同一性」とは、比較ウィンドウ上で最大の範囲又は指定した領域で、二種以上の配列又は部分配列を比較又は整列させた時に、同一か又はある特定の割合で同じアミノ酸やヌクレオチドを持つ配列又は部分配列を意味する。配列比較のためには、ある配列が対照配列として働く(典型的な配列としては、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、他)。配列比較アルゴリズムを用いた場合、被験及び対照配列がコンピューターにインプットされ、もし必要ならば、部分配列が特定され、配列アルゴリズムプログラムのパラメーターが指定される。デフォルトプログラムのパラメーターが使われるが、異なるパラメーターも指定できる。そして、配列比較アルゴリズムは、対照配列に関連した被験配列の配列同一性パーセンタイルをプログラムパラメーターを基に算出する。
ここで用いられる「比較ウィンドウ」とは、如何なる近接残基数のセグメントに対する対照をも含む。例えば、本発明の異なる例として、以下の典型的な配列の場所を問わず20〜完全長の範囲で二種の配列を至適に整列させた後に、対照配列中の同数の近接配列部位とが比較される:配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、他。もしその対象配列が必要とされる配列同一性を持つ場合、例えば、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8、他と少なくとも約50 %、51 %、52 %、53 %、54 %、55 %、56 %、57 %、58 %、59 %、60 %、61 %、62 %、63 %、64 %、65 %、66 %、67 %、68 %、69 %、70 %、71 %、72 %、73 %、74 %、75 %、76 %、77 %、78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %、又はそれ以上の同一性を有する場合、その配列は、本発明の範囲に入る。別の態様として、20〜600、50〜200、100〜150の範囲で部分配列は、対照配列と至適に整列させた後に対照配列中の同数の近接配列部位と比較される。比較のための配列アラインメントの方法は、既によく知られた技術である。比較のための至適な配列アラインメントの方法が、SmithとWatermanの局所相同性アルゴリズム;Adv.Appl.Math. 2:482, 1981, NeedlemanとWunschの相同性アラインメントアルゴリズム;J.Mol.Biol. 48:443, 1970, Lipman らの類似性の検索; Proc.Nat'l.Acad.Sci.USA 85:2444, 1988, これらアルゴリズムのコンピューターによる実施(GAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA:Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison、WI)、あるいは手動のアラインメント及び視覚的な検索によって行うことができる。BLAST プログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)に加え、相同性又は同一性を決定するための他のアルゴリズムには、例えば、ALIGN、AMAS (Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS (Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET (Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR, BIOSCAN (Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS (BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTAL V、CLUSTAL W、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Waterman アルゴリズム、DARWIN、Las Vegas アルゴリズム、FNAT (Forced Nucleotide Alignment Tool)、Framealign、Framesearch、DYNAMIC、FILTER、FSAP (Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP (Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC (Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN (Local Sequence Alignment)、LCP (Local Content Program)、MACAW (Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP (Multiple Alignment Program)、MBLKP, MBLKN, PIMA (Pattern-Induced Multi-sequence Alignment)、SAGA (Sequence Alignment by Genetic Algorithm) 及び WHAT-IFが含まれる。そのようなアラインメントプログラムは、実質的に同じ配列を持つポリヌクレオチド配列ゲノムデータベースをスクリーンするために使うことができる。多くのゲノムデータベースが使用可能であり、例えば、かなりの部分のヒトゲノムがヒトゲノムシークエンシングプロジェクト(Gibbs、1995)として利用可能である。いくつかのゲノム、例えば、M. genitalium (Fraser et al.、1995)、M. jannaschii (Bult et al.、1996)、H. influenzae (Fleischmann et al., 1995)、E. coli (Blattner et al.、1997)、及び酵母 (S. cerevisiae) (Mewes et al.、1997)、及びD. melanogaster (Adams et al.、2000)、が既に配列決定されている。モデル生物体、例えば、C. elegans及び Arabadopsis sp.の配列決定について非常に大きな進歩がなされている。いくつかの機能情報を注釈されたゲノム情報を含むデータベースが異なる組織において維持され、インターネットを通じてアクセス可能である。
BLAST、BLAST 2.0 及びBLAST 2.2.2アルゴリズムが本発明の実行に使用することができる。それらは、例えば、Altschul (1977) Nuc.Acids Res. 25:3389-3402; Altschul (1990) J.Mol.Biol. 215:403-410に述べられている。BLAST解析を行うためのソフトウェアーは、National Center for Biotechnology Informationを通して公共的に入手が可能である。このアルゴリズムは、調べられる配列において、長さWのショートワードを同定することにより高いスコアーを持つ配列(HSP)を初めに同定することに関与しており、それは、あるデータベース配列において同じ長さのワードで整列させた場合に、一致するかあるいは正の値の閾値スコアーを満たすものである。Tは、近傍ワードスコアー閾値(Altschul (1990) supra)を意味する。これら初期の近傍ワードのヒットは、それらを含むより長いHSPを見出すための初期検索のシードとして作用する。そのワードは、累積アラインメント スコアーが上昇する限り各配列に沿ってその両方向に伸長される。累積スコアーは、ヌクレオチド配列については、パラメーターM(一致している残基対に対する報酬スコアー;常に0より大)を用いて計算される。アミノ酸配列については、スコアリング マトリックスを用いて累積スコアーが計算される。各方向におけるワードヒットの伸長は、累積アラインメント スコアがその最大到達値から量Xだけ低下する場合;1つ以上の負のスコアリング残基アラインメントの累積のために累積スコアがゼロ、あるいはそれ以下になる場合:又は、いずれかの配列が末端に到達した場合に停止される。BLASTアルゴリズム パラメーターW、T及びXは、アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、デフォルト値としてワード長(word length、W)11、期待値(E)10、カットオフ100、M=5、N=-4、及び両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列については、BLASTPプログラムは、デフォルト値としてワード長(W)3、期待値(E)10、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff(1989) Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 89:10915参照)。BLASTアルゴリズムは、二種の配列間の類似性の統計的分析も実行する(例えば、Karlin及びAltshul(1993) Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873-5787参照)。BLASTアルゴリズムから提供される類似性の尺度の一つは、最小合計確率(P(N))であり、これは二種のヌクレオチド配列間又は二種のアミノ酸配列間のマッチングが偶然に発生する確率の指標を提供する。例えば、被験配列と参照配列との比較における最小合計確率が約0.2未満、より好ましくは約0.01未満、最も好ましくは約0.001未満である場合に、その核酸は、参照配列と類似であるとみなされる。一側面として、タンパク及び核酸の配列相同性は、Basic Local Alignment Search Tool(「BLAST」)により評価される。例えば、5種の特別なBLASTプログラムを以下の作業を実行するために使用することができる:(1) BLASTP及びBLAST3は、被験アミノ酸配列をタンパク配列データベースと比較する;(2) BLASTNは、被験ヌクレオチド配列をヌクレオチド配列データベースと比較する;(3) BLASTXは、被験ヌクレオチド配列に由来する6種の概念的翻訳産物(両鎖)をタンパク配列データベースと比較する;(4) TBLASTNは、被験タンパク配列を6種全てのリーディングフレーム(両鎖)に翻訳されたポリヌクレオチド配列データベースを比較する;および、(5) TBLANTXは、被験ヌクレオチド配列の6種の翻訳をヌクレオチド配列データベースの6種の翻訳と比較する。そのBLASTプログラムは、類似した部分を同定することにより相同的な配列を同定し、ここには、被験アミノ酸、あるいはヌクレオチド配列、好ましくは、タンパク又はヌクレオチド配列間の「高スコアーセグメント対」として言及される。高スコアーセグメント対は、好ましくはスコアリングマトリックスにより同定(即ち、アラインメント)され、その大部分は既によく知られている。使用されるスコアリング マトリックスは、 好ましくは、BLOSUM62である(Gonnet他, Science 256:1443-1445, 1992;Henikoff and Henikoff, Proteins 17:49-61, 1993)。より好ましくはないが、PAM、あるいはPAM250を使用することもできる(例えば、Schwartz and Dayhoff, 編集, 1978, Matrices for Detecting Distance Relationships:Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington:National Biomedical Research Foundation を参照)。
本発明の一側面として、ある核酸が本発明の範囲に入るような必要とされる配列同一性を持つものかを調べるために、NCBI BLAST 2.2.2プログラムが、blastpへのデフォルトオプションで使用される。約38のオプション セッティングがNCBI BLAST 2.2.2プログラムに存在する。本発明のこの典型的な例として、全てのデフォルト値が、デフォルト フィルターリングセッティング(即ち、OFFにセットしてあるフィルターリングを除き、デフォルトへセットされた全てのパラメーター)を除き使用される。デフォルト フィルターリングセッティングでは、「-FF」セッティングが使用され、フィルターリングを不能にする。デフォルト フィルターリングの使用は、配列が短いためにKarlin-Altschulバイオレーションを引き起こす。
本発明のこの典型的な例において使用されるデフォルト値は、以下を含む。
“低複雑度のためのフィルター : ON
ワードサイズ : 3
マトリックス : BLOSUM62
ギャップコスト :Existence: 11
拡張 : 1”
他のデフォルトセッティングは:低複雑度のためのフィルターがOFF、ワードサイズがタンパクのために3、BLOSUM62マトリックス、ギャップExistence Penaltyが-11、拡張Penaltyが-1である。
典型的なNCBI BLAST 2.2.2プログラムセッティングは、以下のExample 1 において示される。”-W”オプションが 0 にデフォルトされることに注意。これは、セットされない場合、ワードサイズは、タンパク質の場合は 3、ヌクレオチドの場合は11にデフォルトされる。
コンピューターシステムおよびコンピュータープログラム製品
配列同一性、構造相同性、モチーフ及びその類を決定及び同定するために、本発明の配列は、コンピューターによって読まれ、アクセスすることのできる如何なる媒体(メディア)上に保存、記録、及び操作することができる。従って、本発明は、本発明の核酸及びポリペプチド配列、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8等を記録又は保存したコンピューター、コンピューターシステム、コンピューターで可読性の媒体、コンピュータープログラム製品及び本発明の核酸及びポリペプチド配列を記録保存する類を提供する。ここに用いられるように、用語「記録される」及び「保存される」とは、コンピューターメディア上に情報を保存するための工程を意味する。熟練した研究者は、本発明の一種以上の核酸及び/又はポリペプチドを含む製品をつくるために、コンピューターで読取り可能な媒体上に配列情報を保存するための既知の如何なる方法にも容易に適応できる。
本発明の別の特徴は、少なくとも一種の核酸及び/又ポリペプチド配列を記録したコンピューター可読性媒体である。コンピューター可読性媒体は、磁気的に読める媒体、視覚的に読める媒体、電気的に読める媒体及び磁気/視覚媒体を含む。例えば、コンピューター可読性媒体には、他のタイプの既によく知られている他の媒体に加えて、ハードディスク、フレキシブルディスク、磁気テープ、CD-ROM、デジタル多様ディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、あるいはリードオンリーメモリー(ROM)でもよい。
本発明の特徴は、この中に記述される配列及び配列情報を保存及び操作するシステム(例えば、インターネットに基づくシステム)、特に、コンピューターシステムを含む。コンピューターシステム100の一つの例は、図1のブロックダイヤグラムで説明される。ここに使用されるように、「コンピュータシステム」とは、本発明のヌクレオチド又はポリペプチド配列を解析するために使用されるハードウェア、ソフトウェアコンポーネント、及びデータ保存コンポーネントを意味する。
コンピューターシステム100は、配列データの処理、アクセス及び操作のための処理装置を含むことができる。処理装置105は、どのような既知の中央処理装置、例えば、Intel Corporation からのペンティアム(登録商標)III、又はSun、Motorola、Compaq、AMD又はInternational Business Machines製の同様の処理装置でもよい。コンピューターシステム100は、処理装置105及びデータ-保存のための一つ以上のデータ記憶装置110、一般目的システムである及びデータ保存装置に保存したデータを検索するための一つ以上のデータ検索装置含む。
一側面として、コンピューターシステム100は、ハードドライブ及び/又はその中に保存データを持つ可読できる他のコンピューターのような、メイン記憶装置115(できればRAMとして実行される)及び内部データ記憶装置110に接続する母船と接続された処理装置105を含む。コンピュータシステムは、更に、内部データ記憶装置110保存されたデータを読むためのデータ検索装置118を含めることができる。
データ検索装置118は、例えば、フレキシブルディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープ、あるいは自動データ保存システム(例えば、インターネット)と接続することのできるモデムを意味してもよい。いくつかの具体例として、内部データ記憶装置110は、フレキシブルディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープ等の除去可能な可読性媒体であり、その中に制御論理/又はデータを含んでいる。コンピューターシステム100は、データ記憶装置に入れられた制御論理やデータをデータ保存装置から読み出すための適切なソフトウェアを有利に含むか、あるいはそれによってプログラムされてもよい。
コンピューターシステ100は、コンピューターユーザーに出力を表示するために使用されるディスプレー120を含む。コンピューターシステ100は、コンピューターシステム100への集中アクセスを提供するネットワーク又は広域ネットワークの他のコンピューターシステム125a-cに接続可能であることにも注目すべきである。本発明のヌクレオチド又はアミノ酸配列にアクセスしたり、それらを処理するためのソフトウェアは、実行中にメイン記憶装置115に存在できる。
いくつかの例において、コンピューターシステム100は、本発明の核酸配列を比較するための配列比較のアルゴリズムを含んでもよい。アルゴリズム及び配列は、コンピュータ可読解媒体に保存できる。「配列比較アルゴリズム」は、あるヌクレオチド配列を他のヌクレオチド配列及び/又はデータ保存手段中の化合物と比較するためにコンピューターシステム100で実行される(局部的又は遠隔的に)一種以上のプログラムを意味する。例えば、その配列比較アルゴリズムは、コンピュータ可読解媒体に保存された典型的な配列、例えば、配列番号:1、配列番号:2、配列番号:3、配列番号:4、配列番号:5、配列番号:6、配列番号:7、配列番号:8等のヌクレオチド配列を 相同性又は構造モチーフを同定するためにコンピュータ可読解媒体に保存された対照配列と比較するかもしれない。
上記のアルゴリズムに使用されるパラメーターは、調べられた配列の長さ及び相同性に依存して調整されてもよい。いくつかの例において、そのパラメーターは、ユーザーからの指示がない時にアルゴリズムによって使用されるデフォルトパラメーターでもよい。図2は、新規配列とデータベース中の配列間の相同性を決定するために、新規ヌクレオチド又はタンパク質配列を配列のデータベースと比較するためのプロセス200の一例を描写したフローダイヤグラムである。配列のデータベースは、コンピューターシステム100中に保存された私的なデータベース、あるいはインターネットを通じて利用可能なGENBANKのような公共データベースでもよい。プロセス200は、開始状態201で始まり、次に、比較される新しい配列がコンピューターシステム100に保存される状態202へと移動する。先に考察したように、その保存は、RAM又は内部保存装置を含むどのようなタイプでもよい。
プロセス200は、配列のデータベースが解析及び比較のために開かれる状態204へと移動する。プロセス200は、データベースに保存された最初の配列がコンピュータのメモリーに読込まれる状態206へと移動する。それから、比較は、最初の配列が第二の配列と同一かどうかを調べる状態210で行われる。この工程が、新規配列とデータベース中の最初の配列間の正確な比較を実行することに限定されないことに注意することは重要である。たとえそれらが同一でなくとも、二種のヌクレオチド又はタンパク質配列を比較するための有名な方法が技術に精通した者に知られている。例えば、二種の試験配列間の相同性を上げるために、ギャップが一つの配列に導入することができる。ギャップ又は他の性質を、比較の間に、ある配列に導入されるかを制御するパラメーターは、コンピューターシステムのユーザーによって通常入力される。一旦、状態210で二種の配列比較が行われると、決定状態210において、その二種の配列が同一なものであるかの決定がなされる。当然、用語「同一」は、絶対的に同一である配列に限定されない。ユーザーによって入力された相同パラメーターの範囲に入る配列は、プロセス200において「同一」としてマークされる。二種の配列が同一と決定されると、プロセス200は、データベースからの配列名がユーザーに表示される状態214へと移動する。この状態は、表示名を持つ配列が入力されたその相同性に関する束縛を満たしていることをユーザーに知らせている。保存された配列名がユーザーに表示されると、プロセス200は、決定状態218へ移動し、データベースにそれ以上の配列が存在するかの決定がなされる。データベースにもはやそれ以上の配列が存在しない場合、プロセス200は、終了状態220で終了する。しかしながら、それ以上の配列がデータベースに存在する場合、プロセス200は、状態224へ移動し、その配列を新しい配列と比較することができるように、ポインターがデータベースの次の配列に移動する。このような様式において、その新規配列は、データベース中の全配列と整列、比較される。
配列が相同でないという決定が決定状態212においてなされた場合、プロセス200は、データベース中の他の配列も比較のために利用できるかを調べるために、決定状態218に速やかに移動することに注目すべきである。従って、本発明の一つの展望は、処理装置、本発明の核酸配列を保存しているデータ保存装置及び比較を行うための対照比較配列を含むコンピューターシステムである。対照比較配列は、比較又は同定される配列、構造モチーフ間の相同のレベルを示すか、又は配列中にこれら核酸コード及びポリペプチドコードに比較される構造モチーフを同定するかもしれない。
図3は、コンピューター中で二種の配列が相同であるかを決定するためのプロセス250の一具体例を描写するフローダイヤグラムである。プロセス250は、開始状態252で始まり、次に、比較される最初の配列がメモリーに保存される状態254に移動する。比較される第二の配列は、次に、状態256において、メモリーに保存される。プロセス250は、次に、最初の配列の最初の文字が読まれる状態260へ移動し、それから状態262に移動して第二の配列の最初の文字が読まれる。その配列がヌクレオチド配列の場合、その文字は、通常、A、T、C、G又はUであることは理解されるべきである。その配列がタンパク質配列の場合、それは、最初及びに二番目の配列が容易に比較できるように、単一文字のアミノ酸コードでよい。それから、二種の文字が同一であるかの決定が決定状態264でなされる。プロセス250は、最初及び二番目の配列における次の文字が読まれる状態268に移動する。次に、次の文字が同一であるかの決定がなされる。同一である場合、プロセス250は、二つの文字が同一でない所までこのループを続ける。次の二つの文字が同じでない決定がなされた場合、プロセス250は、それ以上の文字が読まれるどちらかの配列に存在するかを決定する決定状態274に移動する。相同性の度合いは、最初の配列における配列の総数と同一な文字の配列間の割合を計算することにより決定される。従って、最初の100ヌクレオチド配列が第二の配列の各配列と整列した場合、その相同のレベルは100 %である。
別例として、コンピュータープログラムは、対照配列を本発明の配列と一カ所以上の部位で異なるかを比較できる。そのプログラムは、対照又は本発明のいずれかの配列に関し、長さ及び挿入の同一性、削除又は置換ヌクレオチド又はアミノ酸残基を記録することができる。コンピュータープログラムは、対照配列が本発明の配列に関して単一ヌクレオチドポリモルフィズム(SNP)を含むか、あるいは本発明の配列が既知の配列のSNPを含むかを決定するプログラムでもよい。従って、いくつかの例において、コンピュータープログラムは、SNPを同定するプログラムである。その方法は、上述したコンピューターシステム及び図3に描写した方法により実行されてもよい。その方法は、本発明の配列及び対照配列をコンピュータープログラムの使用により読むこと、及びそのコンピュータープログラムで相違を同定することにより実行される。
別例として、コンピュータベースのシステムは、本発明の核酸又はポリペプチド内の特徴を同定するためのアイデンティファイアーを含む。「アイデンティファイアー」とは、核酸配列内のある特徴を同定する一種以上のプログラムを示す。例えば、アイデンティファイアーは、ある核酸配列注にオープンリーディングフレーム(ORF)を同定するプログラムを含んでもよい。図4は、配列の特徴の存在を検出するためのアイデンティファイアープロセス300の一例を説明する図表である。プロセス300は、開始の状態302で始まり、次に、特徴が調べられる最初の配列がコンピューターシステム100のメモリー115に保存される状態304に移動する。プロセス300は、次に、配列の特徴のデータベースが開ける状態306に移動する。そのようなデータベースは、特徴の名称と共に各特徴の属性のリストを含んでもよい。例えば、特徴の名称は、「開始コドン」であってもよく、その属性は、「ATG」であるかもしれない。他の例として、特徴の名称「TAATAAボックス」、特徴の属性は、「TAATAA」でもよい。そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学Genetics Computer Groupによって作製される。代わりに、その特徴は、アルファーヘリックス、ベーターシートのような構造的な特徴、又は酵素の活動部位、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフのようなポリペプチドモチーフ、あるいはその領域における技術に熟練したものによく知られる他のモチーフでもよい。特徴のデータベースが状態306で開くと、プロセス300は、状態308に移動し、そこで。最初の特徴がデータベースから読まれる次に、最初の特徴の属性とその最初の配列との比較が状態310でなされる。それから、その特徴の属性が最初の配列で見られるかどうかの決定が決定状態316においてなされる。もし属性が見られたら、次に、状態318へ移動し、そこで見いだされた特徴の名称がユーザーに表示される。プロセス300は、更に、決定状態320へ移動し、そこでムーブフィーチャーがそのデータベースに存在するかを調べる。もはや特徴がなければ、プロセス300は、次に、状態326において次の配列特徴を読み、終了状態324を終了させる。しかしながら、更なる特徴がデータベースに存在する場合、プロセス300は、状態326において次の配列特徴を読み、状態310に戻り、そこで次の特徴の属性が最初の配列に対して比較される。決定状態316において、その特徴属性が最初の配列中に見られない場合、特徴がデータベースにあるかどうかを更に調べるために、プロセス300は、決定状態320に直接移動する。従って、一側面として、本発明は、オープンリーディングフレーム(ORF)を同定するコンピュータープログラムを提供する。
本発明のポリペプチド又は核酸配列は、様々なデータ処理装置プログラムで、様々なフォーマットにおいて保存及び操作することができる。例えば、配列は、MicrosoftWORD又はWORDPERFECTのようなワードプロセッシングファイルのテキストとして、あるいはDB2、SYBASE、又はORACLEのようなその技術に熟練した者によく知られる様々なデータベースプログラムとして保存されてもよい。更に、多くのコンピュータープログラム及びデータベースを、本発明の核酸配列との比較のために、配列比較アルゴリズム、アイデンティファイアー、あるいは核酸又はポリペプチドの対照配列源として使用してもよい。本発明を実施するために使用されるプログラム及びデータベースは、以下を含むが、それらに限定されない: MacPattern (EMBL)、DiscoveryBase (Molecular Applications Group)、GeneMine (Molecular Applications Group)、Look (Molecular Applications Group)、MacLook (Molecular Applications Group)、BLAST及びBLAST2 (NCBI)、BLASTN及びBLASTX (Altschul他、J. Mol. Biol. 215: 403, 1990)、FASTA (Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85: 2444, 1988)、FASTDB (Brutlag他、Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、Catalyst (Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE (Molecular Simulations Inc.)、Cerius2.DBAccess (Molecular Simulations Inc.)、HypoGen (Molecular Simulations Inc.)、Insight II, (Molecular Simulations Inc.)、Discover (Molecular Simulations Inc.)、CHARMm (Molecular Simulations Inc.)、Felix (Molecular Simulations Inc.)、DelPhi (Molecular Simulations Inc.)、QuanteMM (Molecular Simulations Inc.)、Homology (Molecular Simulations Inc.)、Modeler (Molecular Simulations Inc.)、ISIS (Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design (Molecular Simulations Inc.)、WebLab (Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer (Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer (Molecular Simulations Inc.)、SeqFold (Molecular Simulations Inc.)、MDL Available Chemicals Directoryデータベース、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehensive Medicinal Chemistryデータベース、Derwent’s World Drug Indexデータベース、BioByteMasterFileデータベース、Genbankデータベース、及びGenseqnデータベース。本開示が与えられた当業者には、他の多くのプログラム及びデータベースが明確なものとなるでろう。
上記のプログラムを使用して検出されるかもしれないモチーフには、ロイシンジッパー、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン化部位、アルファーへリックス、及びベーターシート、コードタンパク質が分泌されるようにするシグナルペプチドをコードしたシグナル配列、ホメオボックスのような転写制御に関係する配列、酸性ストレッチ、酵素活性部位、基質結合部位、及び酵素解裂部位が含まれる。
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、本発明の典型的な配列、例えば以下の配列に、ストリンジェントな条件においてハイブリダイズする単離又は組換え核酸を提供する:配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105として示される配列、あるいは配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52 はID NO:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106として示される配列を含むポリペプチドをコードする核酸。ストリンジェントな条件とは、高度にストリンジェントな条件、中程度にストリンジェントな条件、あるいは低度にストリンジェントな条件でもよく、本明細書中で示されている高度にストリンジェントな条件又はその低下させたストリンジェンシー条件が含まれている。別の実施態様として、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする能力により定義される本発明の核酸は、その分子の、例えば、例えば本発明の核酸配列の、約5残基から完全長の範囲であり得る。例えば、これらは、残基数として、少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400残基であり得る。また、その完全長より短い核酸も含まれる。これらの核酸は、例えば、ハイブリダイゼーション用プローブ、標識化用プローブ、PCR 用オリゴヌクレオチドプローブ、iRNA(一本鎖又は二本鎖)、アンチセンス、あるいは抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、及び活性部位及びその類として有用である。
一側面として、本発明の核酸は、37〜42 ℃で50 %ホルムアミドの条件を含む高ストリンジェンシー条件で、そのハイブリダイズする能力を規定される。一側面として、本発明の核酸は、30〜35 ℃で35〜25 %ホルムアミドの条件を含む低下させたストリンジェンシー条件で、そのハイブリダイズする能力を規定される。別例として、本発明の核酸は、42 ℃で50 %ホルムアミド、5 X SSPE、0.3 % SDS及びcot-1又はシャケ精子DNAのような反復配列ブロッキング核酸を含む(例えば、200 ng/mlのせん断及び変性サーモン精子DNA)高ストリンジェンシー下でのハイブリダイズ能により定義される。一側面として、本発明の核酸は、35 %ホルムアミドを含む35 ℃に低下させた低いストリンジェンシー条件下でのハイブリダイズ能により定義される。
ハイブリダイゼーションに続き、フィルターは、50 ℃において6 X SSC、0.5 % SDS 中で洗浄することができる。この条件は、25 %より上のホルムアミドで「中程度」、25 %より低いホルムアミドで「低い」条件と考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが30 %のホルムアミド中で行われた場合である。「低ストリンジェンシー」のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが10 %のホルムアミド中で行われた場合である。
特定のレベルのストリンジェンシーに対応する温度範囲は、興味対象の核酸におけるプリンとピリミジンの比を計算し、温度をそれに応じて調整することにより、更に狭めることができる。本発明の核酸は、AusbelとSambrookに示されたように、高、中、及び低ストリンジェンシーの条件下でのハイブリダイズ能によって定義される。上記の範囲及び条件のバリエーションは、既によく知られる技術である。ハイブリダイゼーションの条件は、更に以下において述べる。
オリゴヌクレオチドプローブ、及びそれらの使用法
本発明は、また、例えば、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブを提供する。一側面として、これらのプローブは、以下の配列の連続した少なくとも10残基を含んでいる:配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59は、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、配列番号:105。別例として、本発明のプローブは、本発明の配列として示される配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、約10〜50 残基、約20〜60 残基、あるいは約30〜70残基の連続塩基配列を含む。これらのプローブは、結合やハイブリダイゼーションにより核酸を同定する。そのプローブは、例えば、キャピラリーアレイを含む本発明のアレイ、以下の考察を参照、に使用することができる。本発明のプローブは、また、その他の核酸やポリペプチドの単離にも利用される。
本発明のプローブは、土壌試料などの生物試料中に、本発明の核酸配列を持つ生物、あるいはその核酸の得られた生物が含まれるかを検定するために使用することが出来る。このような工程において、その核酸が単離される生物を含むと思われる生物試料及びそれらの核酸を試料中より調製する。それらの核酸は、試料中に存在する相補的配列の全てがプローブと特異的に結合できる条件下で、そのプローブと混合接触される。必要であれば、プローブと相補的配列が特異的に結合する条件は、プローブとその相補的配列を含むことが分かっている試料より得た核酸とを混合することにより決定する。対照として、相補的配列を含まない試料より得た核酸とプローブとの混合も行う。ハイブリダイゼーション緩衝液中の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミド濃度、あるいはハイブリダイゼーションの温度等のハイブリダイゼーション条件は、プローブと相補的核酸が特異的にハイブリダイズする条件を同定するために変更される(特異的ハイブリダイゼーション条件に関する記述を参照)。
試料が、目的の核酸が単離された生物を含んでいる場合、プローブの特異的ハイブリダイゼーションが検出される。ハイブリダイゼーションは、放射性同位元素、蛍光色素、又は検出可能な生産物の生成を触媒する酵素などの検出用物質で標識したプローブを用いることにより検出することができる。標識されたプローブを用いる相補的核酸の存在を検出するための多くの方法は、当業者間でよく知られている。これらの方法には、サザンブロット、ノーザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション法、及びドットブロット等が含まれる。各々の実験法は、Ausubel及びSambrookにより記述されている。
あるいは、一種以上のプローブ(これらのうちの、少なくとも一種のプローブは、核酸試料中に存在する全ての相補的配列と特異的に結合できる)が、その試料に本発明の核酸配列を持つ生物(即ち、その核酸が単離された生物)が含まれるかを検定するための増幅反応に使用される。一側面として、そのプローブは、オリゴヌクレオチドを含んでいる。一側面として、その増幅反応は、PCR 反応を含む。PCR の手順は、Ausubel及びSambrookにより記述されている(増幅反応に関する記述を参照)。このような方法において、試料中の核酸は、プローブと混合され、増幅反応が行われ、その増幅反応による生成物が、検定される。増幅反応による生成物は、ゲル電気泳動後、臭化エチジウムなどのインターカレーターにより染色検出される。又は、一種、あるいはそれ以上のプローブが、放射性同位元素により標識され、増幅反応により増幅された放射活性を有する生成物がゲル電気泳動後のオートラジオグラフィーにより検出される。
本発明の核酸配列における、3’又は5’末端付近の配列に由来するプローブは、また、ゲノム由来の配列などの付随した配列を含むクローンを同定するための染色体ウォーキングプロセスにも使用される。このような方法により、宿主細胞より、目的のタンパク質に付随した配列をコードする遺伝子の単離が可能となる。一側面として、本発明の核酸は、関連核酸の単離及び同定のためのプローブとして使用される。
一側面として、これらの方法により同定された関連核酸は、本発明の核酸が、最初に単離された生物とは異なる生物に由来するcDNA、あるいはゲノムDNAである。このような方法において、核酸試料は、プローブが関連核酸と特異的にハイブリダイズするような条件下で、そのプローブと混合される。そして、関連生物より得た核酸とプローブのハイブリダイゼーションは、上述の何れかの方法により検出される。
核酸のハイブリダイゼーション反応において、特定レベルのストリンジェンシーを得るために使用される条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質により変動するであろう。例えば、核酸の長さ、相補性の度合い、ヌクレオチド配列の組成(GC対AT含有量)、及びハイブリダイズされる領域の核酸のタイプ(RNA、あるいはDNA)がハイブリダイゼーション反応の条件を選択する上で考慮される。その他、考慮に入れるべきこととしては、いずれかの核酸が固定化されている、例えば、フィルターに固定化されているかという問題がある。ハイブリダイゼーションは、高ストリンジェント条件、中程度ストリンジェント条件、あるいは低ストリンジェント条件下で行うことができる。核酸のハイブリダイゼーションの一例として、固定化された変性した核酸を含むポリマーメンブランが先ず、0.9 M塩化ナトリウム、50 mMリン酸二水素ナトリウム(pH 7.0)、5.0 mM EDTA-2ナトリウム、0.5 % SDS、10 X デンハルト、及び 0.5 mg/ml ポリリボアデニル酸より成る溶液中、 30 分間、45 ℃においてプレハイブリダイズされる。そして、末端を32Pでおよそ2 X 107 cpm(特異的活性 4〜9 X 108 cpm/ug)に標識化されたオリゴヌクレオチドプローブをその溶液に添加する。12〜14 時間のインキュベーション後、そのメンブランは、0.5 % SDSを含む 1 X SET(150 mM塩化ナトリウム、20 mMトリス塩酸、pH 7.8、1 mM EDTA-2ナトリウム)中で、室温にて30分間の洗浄後、新しい1 X SET中で、30分間、(Tm−10)℃にて洗浄される。そして、そのメンブランは、ハイブリダイゼーションによるシグナルを検出するためにオートラジオグラフィー用のフィルムに曝露される。
cDNAやゲノム由来のDNAのような検出用プローブとハイブリダイズする核酸を同定するために使用されるハイブリダイゼーション条件のストリンジェンシーを変えることにより、プローブに対して異なる程度の相同性を持つ核酸を同定又は単離することができる。そのプローブの持つ融解温度より下の種々の温度でハイブリダイゼーションを行うことにより、そのストリンジェンシーの程度が変えられる。融解温度、Tm、は、(所定のイオン強度、及びpHにおいて)50 %の標的配列が、その相補的プローブと完全にハイブリダイズする温度である。高ストリンジェント条件においては、特定のプローブのTmと等しい温度、あるいはそのプローブのTmより約5 ℃低い温度が選ばれる。そのプローブの融解温度は、以下の計算式により計算される。残基数が14〜70 のプローブについての融解温度(Tm)は、以下の式により求められる:Tm = 81.5 + 16.6(log [Na+]) + 0.41(fraction G+C)-(600/N)、ここでNは、プローブの残基数である。ハイブリダイゼーションがホルムアミドを含む溶液中で行われる場合、その融解温度は、以下の式により求められる:Tm = 81.5 + 16.6(log [Na+]) + 0.41(fraction G+C) - (0.63% formamide) - (600/N)、ここでNは、プローブの残基数である。プレハイブリダイゼーションは、6 X SSC、5 X デンハルト溶液、0.5 % SDS、100 ngの変性した断片化サケ精子由来DNAより成る溶液中、あるいは6 X SSC、5 X デンハルト溶液、0.5 % SDS、100 ug の変性した断片化サケ精子由来DNA、及び50 %ホルムアミドより成る溶液中で行うことができる。SSC及びデンハルト溶液の組成は、前述のSambrookに記述されている。
ハイブリダイゼーションは、上述のプレハイブリダイゼーション溶液に、検出用プローブを添加することにより行われる。プローブが二本鎖DNAである場合、そのプローブを、ハイブリダイゼーション溶液に添加するする前に変性させる。プローブは、プローブと相補的又はプローブと相同的な配列を含むcDNAやゲノム由来のDNAとハイブリダイズさせるため、そのフィルターは、ハイブリダイゼーション溶液に十分な時間接触させる。残基数が200以上のヌクレオチドプローブの場合、そのハイブリダイゼーションは、そのプローブのTmより約15〜25 ℃低い温度で行われる。オリゴヌクレオチドのような短いプローブの場合、ハイブリダイゼーションは、そのプローブのTmより約5〜10 ℃低い温度で行うことができきる。典型的には、6 X SSC 溶液中でのハイブリダイゼーションの場合、約68 ℃でハイブリダイゼーションが行われる。通常、50 %ホルムアミドを含む溶液中でのハイブリダイゼーションの場合、約42 ℃でハイブリダイゼーションが行われる。前述の全てのハイブリダイゼーションは、高度にストリンジェントな条件下で行われていると考えられる。
ハイブリダイゼーションに引き続き、フィルターは、非特異的に結合した検出用プローブを取り除くために洗浄される。フィルターを洗浄するために使用されるストリンジェンシーは、ハイブリダイズされる核酸の性質、核酸の長さ、相補性の度合い、ヌクレオチド配列の組成(GC対AT含有量)、及びハイブリダイズされる領域の核酸のタイプ(RNA、あるいはDNA)により変えられるであろう。累進的に高度にストリンジェントな洗浄条件は、以下の通りである:2 X SSC、0.1 % SDS 中、室温で15分間の洗浄(低ストリンジェンシー);0.1 X SSC、0.5 % SDS 中、室温で30分から1時間の洗浄(中程度のストリンジェンシー);0.1 X SSC、0.5 % SDS中、ハイブリダイゼーションの温度から68 ℃までの温度で15分から30分間の洗浄(高ストリンジェンシー);及び0.15 M塩化ナトリウム中、72 ℃で15分間の洗浄(非常に高ストリンジェンシー)。最後の低ストリンジェンシーにおける洗浄は、0.1 X SSC中で、室温において行われる。上述の例は、フィルター洗浄に使用される条件の一連の実施例に過ぎない。当業者は、種々のストリンジェンシーの洗浄のための多数の方法が存在することを知っているであろう。
プローブとハイブリダイズした核酸は、オートラジオグラフィー又は他の一般的な技術により検出することができる。上記の操作は、プローブの配列に対する相同性のレベルが減少している核酸を同定するために改変してもよい。例えば、プローブの配列に対する相同性のレベルが減少している核酸を得るために、より低いストリンジェンシーの条件を使用してもよい。例えば、ハイブリダイゼーション温度は、おおよそ1 MのNa+を含むハイブリダイゼーション緩衝液の温度を5 ℃ずつ68 ℃から42 ℃まで減少させればよい。ハイブリダイゼーションに続き、フィルターは、2 X SSC、0.5 % SDS 中、ハイブリダイゼーションの温度で洗浄すればよい。この条件は、50 ℃より高い温度で「中程度」、50 ℃より低い温度で「低度」の条件と考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の例は、上記のハイブリダイゼーションが55 ℃で行われた場合である。「低ストリンジェンシー」のハイブリダイゼーション条件の例は、上記のハイブリダイゼーションが45 ℃で行われた場合である。
また、ハイブリダイゼーションは、42 ℃でホルムアミドを含む6 X SSCのような緩衝液で行ってもよい。この場合、プローブの配列に対する相同性のレベルが減少しているクローンを同定するために、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度を、5 %ずつ50 %から0 %まで減少させてよい。ハイブリダイゼーションに続き、フィルターは、50 ℃において6 X SSC、0.5 % SDS 中で洗浄すればよい。この条件は、25 %より高いホルムアミドで「中程度」、25 %より低いホルムアミドで「低度」の条件と考えられる。「中程度」のハイブリダイゼーション条件の特別な例は、上記のハイブリダイゼーションが30 %ホルムアミド中で行われた場合である。「低ストリンジェンシー」のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが10 %ホルムアミド中で行われた場合である。
本発明のプローブや方法は、本発明の核酸配列、あるいはその核酸の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、55、75、100、150、200、250、300、350、400、又は500の連続塩基を含む断片、及びその核酸と相補的な配列を持つ本発明の核酸に対して少なくとも約99 %、98 %、97 %、少なくとも約95 %、少なくとも約90 %、少なくとも約85 %、少なくとも約80 %、少なくとも約75 %、少なくとも約70 %、少なくとも約65 %、少なくとも約60 %、少なくとも約55 %、あるいは少なくとも約50 % の相同性を持つ配列を持つ核酸を単離するために使用することができる。相同性は、アラインメントアルゴリズムを用いて決定される。例えば、相同的ポリヌクレオチドは、ここで記述されているコーディング配列のうちの一つの自然発生的対立遺伝子多型のコーディング配列を含んでいるであろう。このような対立遺伝子多型は、本発明の核酸、あるいはその核酸に対する相補的配列に対して、一種、あるいはそれ以上の置換、欠失、又は挿入変異を含んでいる。
更に、上記のプローブや方法は、本発明の核酸配列、あるいはその核酸の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、あるいは150の連続したアミノ酸残基を含む本発明のポリペプチドと少なくとも約99 %、少なくとも約95 %、少なくとも約90 %、少なくとも約85 %、少なくとも約80 %、少なくとも約75 %、少なくとも約70 %、少なくとも約65 %、少なくとも約60 %、少なくとも約55 %、あるいは少なくとも約50 % の相同性を持つポリペプチドをコードする核酸を単離するために使用することができる。前述の相同性は、配列整列アルゴリズム(即ち、デフォルトパラメーターを用いたFASTA バージョン 3.0t78、あるいはここで記載されたパラメーターを用いたBLAST 2.2.2 プログラム等による解析)を用いて決定することができる。
ホスホリパーゼの発現阻害
本発明は、更に、本発明の核酸配列、例えば、ホスホリパーゼをコードしている核酸、に対して相補的な核酸(例えば、それに対するアンチセンス配列)を提供する。アンチセンス配列は、ホスホリパーゼをコードする遺伝子の輸送、スプライシング、あるいは転写を阻害する能力を有している。この阻害効果は、ゲノムDNAやメッセンジャーRNAを標的とすることにより生じる。標的核酸の転写又は機能は、例えば、ハイブリダイゼーション及び/又は切断により阻害される。本発明により提供される特に有用な一連の阻害剤には、ホスホリパーゼ遺伝子、あるいはそのメッセンジャーの何れかと結合するオリゴヌクレオチドが含まれており、何れの場合においても、ホスホリパーゼ酵素の生産又は機能が妨害又は阻害される。これらの結合は、配列特異的なハイブリダイゼーションにより行われる。もう一つの有用なクラスの阻害剤には、ホスホリパーゼのメッセージの不活化、あるいは切断を起こすオリゴヌクレオチドが含まれる。これらのオリゴヌクレオチドは、このような切断を行うリボザイムのような酵素活性を有する。これらのオリゴヌクレオチドは、化学的に改変されるか、相補的核酸を切断するような酵素やその他の構成物と結合している。これらのオリゴヌクレオチドを含む多くの異なるオリゴヌクレオチド集団を用いて、目的の活性を示すオリゴヌクレオチドのスクリーニングが行われる。
ホスホリパーゼ発現の阻害は、様々な産業応用性を持ち得る。例えば、ホスホリパーゼ発現の阻害は、損傷を遅らせたり防ぐことができる。損傷は、脂質又はポリペプチド、例えば、構造脂質又は構造ポリペプチド、が酵素的に分解されたときに起こる。これは、果物及び野菜の悪化又は腐敗をもたらす。一側面として、ホスホリパーゼの活性及び/又は発現を阻害する本発明の組成物、例えば、抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びRNAiは、損傷を遅らせるか又は防ぐために使用される。従って、一側面として、本発明は、損傷を遅らせるための、本発明の植物又は植物プロダクト(例えば、果実、種、根、葉、等)抗体、アンチセンスオリゴヌクレオチド、リボザイム及びRNAiへの応用を含む方法及び組成物を提供する。これらの組成物は、また、植物(例えば、形質転換植物)又は別の生物体(本発明のホスホリパーゼ遺伝子で形質転換した細菌又は他の微生物)によって発現させることができる。
ホスホリパーゼの発現を阻害するための本発明の組成物(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド、RNAi リボザイム、抗体)は、医薬組成物として使用することができる。
アンチセンス オリゴヌクレオチド
本発明は、ホスホリパーゼのメッセージと結合するアンチセンス オリゴヌクレオチドを提供し、これらは、mRNAを標的とすることにより、ホスホリパーゼの酵素活性を阻害する。アンチセンス オリゴヌクレオチドの設計法は、科学文献や特許に記述されており、当業者は、本発明の新規の試薬を使用することにより、このようなホスホリパーゼ オリゴヌクレオチドを設計できるであろう。例えば、有用アンチセンス オリゴヌクレオチドのスクリーニングのための遺伝子ウォーキング/RNAマッピングの手順は、当業者によく知られている、即ち、有効なアンチセンス配列選別のための、標準的分子生物学的技術を基にした簡便かつ信頼性の高いRNAマッピング法が、Ho (2000) Methods Enzymol. 314:168-183 に記述されている。また、Smith (2000) Eur. J. Pharm. Sci. 11:191-198 も参照のこと。
天然由来の核酸が、アンチセンス オリゴヌクレオチドとして利用される。これらのアンチセンス オリゴヌクレオチドは、どのような長さでも良い;例えば、ある一側面として、アンチセンス オリゴヌクレオチドは、約5〜100 残基、約10〜80残基、約15〜60 残基、あるいは約18〜40残基である。最適な長さは、日常的なスクリーニングにより決定できる。また、アンチセンス オリゴヌクレオチドは、どのような濃度においても使用できる。最適濃度は、日常的なスクリーニングにより決定できる。これらの予想される問題に対応するための、様々な合成非天然型ヌクレオチド及び核酸アナログが知られている。例えば、N-(2-アミノエチル)グリシンユニットのような、非イオン性骨格を持つペプチド核酸(PNA)が使用される。WO 97/03211;WO 96/39154;Mata (1997) Toxicol Appl Pharmacol 144:189_197;Antisense Therapeutics, 編集. Agrawal (Humana Press, Totowa, N.J., 1996) に記載されているような、ホスホロチオエート結合を有するアンチセンス オリゴヌクレオチドも使用されている。本発明により提供される合成DNA骨格類縁体を有するアンチセンス オリゴヌクレオチドも上述のようなホシホロ-ジチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファミン酸、3’−チオアセタール、メチレン(メチルイミノ)、3’-N-カルバミン酸、及びモルフォリノカルバミン酸核酸などを含むことができる。
本発明のホスホリパーゼ配列に対するセンス又はアンチセンス オリゴヌクレオチドのように、どのような標的に対しても適当な結合親和性又は結合特異性を持つ特異的なオリゴヌクレオチドを迅速にスクリーニングするための非常に多くのオリゴヌクレオチドがコンビナトリアルケミストリーによる技術を用いて作製することができる(Gold (1995) J. of Biol. Chem. 270:13581-13584 を参照のこと)。
阻害的リボザイム
本発明は、ホスホリパーゼのメッセージと結合するリボザイムを提供し、これらは、mRNAを標的とすることによりその酵素活性を阻害する。リボザイムの設計法、及び標的とする配列に対するホスホリパーゼ特異的アンチセンス配列の選択法は、科学文献や特許に記述されており、当業者は、このようなリボザイムを本発明の新規の試薬を使用することにより設計できるであろう。リボザイムは、標的RNA上の酵素的に切断されるべき部位に近接するRNA結合部位を通して標的RNAと結合し、その標的RNAを切断する。従って、リボザイムは、相補的塩基対形成により、標的RNAを認識し、それと結合する。リボザイムが正確な部位と結合すると、その酵素的作用によって標的RNAが切断不活化する。このような様式による標的RNAの切断がコーディング領域中で起こった場合、コードされるタンパク質の合成を指令するRNAの能力は消失する。通常、リボザイムは、その標的RNAと結合し、それを切断した後、そのRNAより解離し、新たな標的との結合及びその切断を繰り返す。
いくつかの情況において、治療効果に必要なリボザイムの効果的濃度がアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれと比べてより低くできるので、リボザイムの酵素学的性質はアンチセンス技術のような他の技術(ある核酸が、標的核酸と単に結合するだけでその転写、翻訳、あるいは他の分子との結合を阻害する)より勝ることがある。この潜在的な利点は、リボザイムが酵素的に作用できるということを反映したものである。このように、一分子のリボザイムは、複数の標的RNA分子を切断することができる。加えて、リボザイムは、典型的には、結合の塩基対形成機構のみでなく、それが結合した標的RNAの発現を阻害する機構にも依存した阻害の特異性を有する、高度に特異的な阻害剤である。つまり、その阻害活性は、標的RNAの切断に起因し、その特異性は、非標的RNAの切断量に対する標的RNAの切断量として定義される。この切断機構は、塩基対形成に関与する因子に加え、他の因子にも依存している。従って、リボザイムの作用特異性は、同じRNA部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチドよりも高くなり得る。
酵素的リボザイムRNA分子は、ハンマーヘッドモチーフとして形成される。しかし、また、ヘアピン、肝炎デルタウイルス、グループ I イントロン、あるいは(RNAガイド配列と結合した)RNase P-様 RNA のモチーフとしても見られる。このようなハンマーヘッド モチーフの例は、Rossi (1992) Aids Research and Human Retroviruses 8:183;hairpin motifs by Hampel (1989) Biochemistry 28:4929、及びHampel (1990) Nuc. Acids Res. 18:299; the hepatitis delta virus motif, Perrottaによる(1992) Biochemistry 31:16;the RNaseP motif, Guerrier-Takadaによる(1983) Cell 35:849;及び the group I intron by Cech、米国特許出願U.S.4,987,071、に記述されている。これらの具体的なモチーフに関する記述は、これらの中で示されたものに限定することを意図しているわけではない;当業者は、本発明の酵素的RNA分子が、一ヶ所又はそれ以上の標的RNA領域に対して相補的な特異的基質結合部位を持ち、更に、その分子にRNA切断活性を与える配列を基質結合部位の内部又は周辺に有していることを理解するであろう。
RNA干渉 (RNAi)
一側面として、本発明は、本発明のホスホリパーゼ配列を含むRNA阻害分子、いわゆる「RNAi」分子を提供する。RNAi分子は、二本鎖RNA(dsRNA)分子を含む。一側面として、RNAiは、約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又はそれ以上のヌクレオチド長を持つ。本発明は作用の如何なる特定のメカニズムによっても限定されないが、RNAiは、細胞に入り込み、内在性mRNAを含む類似又は同一の配列の一本鎖RNA(ssRNA)の分解引き起こすことができる。細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に曝されると、相同遺伝子からのmRNAがRNA 干渉(RNAi)と呼ばれる過程によって選択的に分解される。RNAiの背景にある可能な基本的メカニズムは、ある特定の遺伝子配列とマッチする二本鎖RNA(dsRNA)のいわゆる小干渉(small interference)RNAへの分解であり、それは、その配列とマッチするRNAの分解を誘発する。一側面として、本発明のRNAiは、遺伝子発現抑制治療に利用される。例えば、Shuey (2002) Drug Discov. Today 7:1040-1046を参照。一側面として、本発明は、本発明のRNAiを使用して選択的にRNAを分解させるための方法を提供する。その方法は、インビトロ、エックスビボ又はインビボで行うことができる。一側面として、本発明のRNAi 分子は、細胞、器官又は動物において、機能失損変異を発生させるために使用することができる。選択的にRNAを分解させるためのRNAi分子の作製及び使用に関する方法は、よく知られる技術である。例えば、米国特許6,506,559;6,511,824;6,515,109;6,489,127を参照。
核酸の改変
本発明は、本発明の核酸の変種、例えば、ホスホリパーゼ酵素をコードする核酸の変種、を作製する方法を提供する。これらの方法は、鋳型核酸によりコードされたホスホリパーゼとは変化又は異なる活性又は安定性を持ったホスホリパーゼ酵素を作製するために、種々の組み合わせにおいて繰り返し使用することができる。これらの方法は、例えば、遺伝子/メッセージの発現、メッセージの翻訳又は安定性に関する変種を作製するために、種々の組み合わせにおいて、繰り返し使用することができる。他の例として、細胞の遺伝的構成は、例えば、エックスビボにおける相同遺伝子の改変、それに引き続く細胞への再導入によって変えられる。
本発明の核酸は、如何なる手段によっても変化させることができる。例えば、無作為又は確率的な方法、非確率的方法、あるいは「指向進化」等の方法。
遺伝子の無作為的変異のための方法は、既によく知られた技術であり、米国特許5,830,696を参照。例えば、遺伝子をランダムに変異させるために変異原を利用することができる。変異原には、再組換えにより修復され得るDNA解裂を誘導する、例えば、紫外線、ガンマ放射線、あるいはマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレン等の化学変異原の単独あるいは組み合わせによる使用が含まれる。他の化学変異原には、例えば、亜硫酸ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、あるいは蟻酸が含まれる。他の変異原には、ヌクレオチド前駆体類似物、例えば、ニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリン、あるいはアクリジンが含まれる。これらの試薬は、ヌクレオチド前駆体の代わりにPCR反応に加えることができ、それによってその配列を変異させる。プロフラビン、アクリフラビン、キナクリンおよびその類のようなインターカレーション試薬も使用することができる。
分子生物学のどのような技術、例えば、無作為PCR 変異導入法;Rice (1992) Proc.Natl.Acad.Sci. USA 89:5467-5471参照、複数のカセット変異導入法の組合わせ;Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196参照、等が使用することができる。別の例として、核酸は、例えば、遺伝子、無作為又は「確率的」な断片化の後でも再構成できる、例えば、米国特許6,291,242;6,287,862;6,287,861;5,955,358;5,830,721;5,824,514;5,811,238;5,605,793参照。別の例として、修飾、挿入又は削除は、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、インビボ変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブル、遺伝子飽和部位変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)、リコンビネーション、再帰的な配列リコンビネーション、ホスホチオエートDNA 変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ二重鎖変異導入、ポイントミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射線変異導入、デリーション変異導入、制限-選択変異導入、リストリクション/ピューリフィケーション変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマーの生成及び/又はそれらと他の方法の組み合わせ等の方法によって導入される。
以下の出版物は、本発明の方法に組み込むことができる方法及び/又は再帰的な配列組換えの操作を記述している: Stemmer (1999) “Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties” Tumor Targeting 4:1-4; Ness (1999) Nature Biotechnology 17:893-896; Chang (1999) “Evolution of a cytokine using DNA family shuffling” Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) “Protein evolution by molecular breeding” Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) “Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling” Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998) “DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution” Nature 391:288-291; Crameri (1997) “Molecular evolution of an arsenate detoxification pathway by DNA shuffling,” Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997) “Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screening” Proc.Natl.Acad.Sci.USA 94:4504-4509; Patten 他. (1997) “Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines” Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameri 他. (1996) “Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling” Nature Medicine 2:100-103; Gates他, (1996) “Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor headpiece dimer” Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996) “Sexual PCR and Assembly PCR” : The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH 出版, New York. pp.447-457; Crameri and Stemmer (1995) “Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes” BioTechniques 18:194-195; Stemmer 他, (1995) “Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides” Gene, 164:49-53; Stemmer (1995) “The Evolution of Molecular Computation” Science 270: 1510; Stemmer (1995) “Searching Sequence Space” Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994) “Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling” Nature 370:389-391; 及び Stemmer (1994) “DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution.” Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:10747-10751。
多様性を発生させる変異導入法は、例えば、部位特異的変異導入(Ling他,(1997) “Approaches to DNA mutagenesis: an overview” Anal Biochem. 254(2): 157-178; Dale 他, (1996) “Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method” Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985) “In vitro mutagenesis” Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985) “Strategies and applications of in vitro mutagenesis” Science 229:1193-1201; Carter (1986) “Site-directed mutagenesis” Biochem. J. 237:1-7; 及び Kunkel (1987) “The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis”:Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, D. M. J. 編集, Springer Verlag, Berlin)); 鋳型を含むウラシルを用いた変異導入法 (Kunkel (1985) “Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection” Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel他,(1987) “Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection” Methods in Enzymol. 154, 367-382; 及び Bass他, (1988) “Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities” Science 242:240-245); oligonucleotide-directed mutagenesis (Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller & Smith (1982) “Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment” Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983) “Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors” Methods in Enzymol. 100:468-500; 及びZoller & Smith (1987) “Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template” Methods in Enzymol. 154:329-350); ホスホチオエート修飾DNA変異導入法(Taylor他, (1985) “The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA” Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor他, (1985) “The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA” Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986) “Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis” Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers他, (1988) “Y-T Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis” Nucl. Acids Res. 16:791-802; 及びSayers他, (1988) “Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide” Nucl. Acids Res. 16: 803-814);ギャップ二重鎖DNAを用いた変異導入法 (Kramer他, (1984) “The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction” Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol. “Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA” 154:350-367; Kramer他, (1988) “Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations” Nucl. Acids Res. 16: 7207; 及び Fritz他, (1988) “Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro” Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999、を含んでいる。
本発明の方法に使われる付加的なプロトコールには、点ミスマッチ修復(Kramer (1984) “Point Mismatch Repair” Cell 38:879-887)、修復不能宿主株を用いた変異導入法(Carter他, (1985) “Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors” Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; 及び Carter (1987) “Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors” Methods in Enzymol. 154: 382-403), deletion mutagenesis (Eghtedarzadeh (1986) “Use of oligonucleotides to generate large deletions” Nucl. Acids Res. 14: 5115)、制限-選別及び制限-選別と制限-精製 (Wells他, (1986) “Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin” Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、全遺伝子合成による変異導入法(Nambiar他, (1984) “Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein” Science 223: 1299-1301; Sakamar and Khorana (1988) “Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)” Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wells et al. (1985) “Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites” Gene 34:315-323; 及びGrundstrom他, (1985) “Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale `shot-gun` gene synthesis” Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖解裂修復 (Mandecki (1986); Arnold (1993) “Protein engineering for unusual environments” Current Opinion in Biotechnology 4:450-455. “Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis” Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181)、等が含まれる。上記方法の複数の付加的な細部は、Methods in Enzymology 154巻に見ることができ、それは、様々な変異導入方法のトラブルシューティングにとって有用なコントロール手段をも記述している。
以下も参照せよ。米国特許5,605,793, Stemmer (1997年2月25日) “Methods for In Vitro Recombination;” 米国特許5,811,238, Stemmer 他 (1998年9月22日) “Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination;” 米国特許5,830,721, Stemmer 他 (1998年11月3日) “DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly;” 米国特許5,834,252, Stemmer 他 (1998年11月10日) “End-Complementary Polymerase Reaction;” 米国特許5,837,458, Minshull, 他 (1998年11月17日) “Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering;” WO 95/22625, Stemmer 及び Crameri, “Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly;” WO 96/33207, Stemmer 及び Lipschutz “End Complementary Polymerase Chain Reaction;” WO 97/20078, Stemmer 及び Crameri “Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination;” WO 97/35966, Minshull 及び Stemmer, “Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering;” WO 99/41402, Punnonen 他 “Targeting of Genetic Vaccine Vectors;” WO 99/4138, Punnonen 他 “Antigen Library ImLmunization;” WO 99/41369, Punnonen 他 “Genetic Vaccine Vector Engineering;” WO 99/41368, Punnonen 他 “Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines;” EP 752008, Stemmer 及び Crameri, “DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly;” EP 0932670, Stemmer “Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination;” WO 99/23107, Stemmer 他 “Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling;” WO 99/21979, Apt 他 “Human Papillomavirus Vectors;” WO 98/31837, del Cardayre 他 “Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination;” WO 98/27230, Patten 及び Stemmer, “Methods and Compositions for Polypeptide Engineering;” WO 98/27230 , Stemmer 他 “Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection,” WO 00/00632, “Methods for Generating Highly Diverse Libraries,” WO 00/09679, “Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences,” WO 98/42832 , Arnold 他 “Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers,” WO 99/29902, Arnold 他 “Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences,” WO 98/41653, Vind, “An in Vitro Method for Construction of a DNA Library,” WO 98/41622, Borchert 他 “Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling,” 及び WO 98/42727, Pati and Zarling, “Sequence Alterations using Homologous Recombination.”を参照。
ある米国特許出願は、様々な多様性を発生させる方法に関する更なる詳説を提供している。それらには、以下が含まれる: “SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES”, Patten 他, 1999年9月28日, (米国特許出願09/407,800); “EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION”, del Cardayre 他, 1998年7月15日, (米国特許出願09/166,188)、及び1999年7月15日, (米国特許出願09/354,922);”OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION”, Crameri 他, 1999年9月28日, (米国特許出願09/408,392)、及び”OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION”, Crameri 他, 2000年1月18日, (PCT/US00/01203); “USE OF CODON-VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING”, Welch 他, 1999年9月28日, (米国特許出願09/408,393); “METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS”, Selifonov 他, 2000年1月18日, (PCT/US00/01202) 及び、例えば、”METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS”, Selifonov 他, 2000年7月18日, (米国特許出願09/618,579);”METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS”, Selifonov 及び Stemmer, 2000年1月18日, (PCT/US00/01138); 及び “SINGLE-STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE-MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION”, Affholter, 2000年9月6日, (米国特許出願09/656,549)を含んでいる。
例えば、飽和変異導入(GSSM)、合成連結再構成(SLR)、あるいはそれらの組み合わせを含む非確率的又は「指向進化」の方法は、新しいか又は変えられた特性(例えば、非常に酸性かアルカリ条件、高い温度、及びその類の下における活性)を持つホスホリパーゼを作製するために、本発明の核酸の改変に使用される。改変された核酸によってコードされるポリペプチドは、蛋白質分解活性、あるいは他の活性を調べる前に、ある活性のためにスクリーニングすることができる。どのような試験形態、あるいはプロトコール、例えば、キャピラリーアレイのプラットホームをも使用できる、例えば、米国特許6,361,974;6,280,926;5,939,250を参照。
飽和変異導入、あるいはGSSM
本発明の一側面として、非確率的な遺伝子の改変、「指向進化の方法」が、新しいか又は変えられた特性を持つホスホリパーゼを作製するために使用される。この方法は、別名として、「遺伝子部位-飽和変異導入」、「部位-飽和変異導入」、「飽和変異導入」又は簡単に「GSSM」と呼ばれている。他の突然変異法との組み合わせでも使用することができる。例えば、米国特許6,171,820;6,238,884を参照。 一側面として、GSSMは、与えられている鋳型ポリヌクレオチドと複数のオリゴヌクレオチドを含み、その中の各オリゴヌクレオチドは、鋳型ポリヌクレオチドに相同な配列を含んでおり、鋳型ポリヌクレオチドの特異的な配列及び相同遺伝子の変種である配列を標的とする;オリゴヌクレオチドを用いて鋳型ポリヌクレオチドを複製することによって非確率的な配列多様性を持つ子孫ポリヌクレオチドを作製する。それにより、相同性のある遺伝子配列の多様性を持つポリヌクレオチドを作製する。
本発明の一側面として、縮重N,N,G/T配列を含むコドンプライマーを使用してポリヌクレオチドに点変異が導入され、各アミノ酸の位置、例えば、改変標的にされる酵素の活性部位あるいはリガンド結合部位のアミノ酸残基に全範囲の単一アミノ酸置換が表示される子孫ポリペプチドの集団が生成される。これらのオリゴヌクレオチドは、近接する第一の相同配列、縮重N,N,G/T配列、及び第二の相同配列を含むことができる。そのようなオリゴヌクレオチドの使用に由来する下流の子孫翻訳産物は、縮重N,N,G/T配列が20種全てのアミノ酸のためのコドンを含んでいるので、ポリペプチドに沿った各アミノ酸で全ての可能なアミノ酸変異を含んでいる。一側面として、そのような一種の縮重オリゴヌクレオチド(例えば、一種の縮重N,N,G/Tカセットを含む)が、親ポリヌクレオチド鋳型の各コドンを全範囲でコドン置換させるために使用される。他の例として、同じオリゴヌクレオチド又は異なる少なくとも二種の縮重カセットが、親ポリヌクレオチド鋳型の少なくとも二つコドンを全範囲でコドン置換させるために使用される。例えば、一ヶ所以上の部位でアミノ酸の変異を導入するためのあるオリゴヌクレオチドに一種以上のN,N,G/T配列を含めることができる。この複数のN,N,G/T配列は、直接連続的であるか、又は一つ又はそれ以上の付加的なヌクレオチドによって分けられることができる。他の例として、挿入及び削除を導入するために実用できるオリゴヌクレオチドは、N,N,G/T配列を持ったコドン単独又はその組み合わせで如何なる組換え、あるいはアミノ酸の挿入、削除、及び/又は置換を導入するためにも使用可能である。
一側面として、二ヶ所又はそれ以上の連続したアミノ酸部位の同時変異導入は、連続的なN,N,G/Tトリプレットを含んだオリゴヌクレオチド、即ち、縮重(N,N,G/T)n配列を用いてなされる。他の例として、そのN,N,G/T配列よりもより少ない縮重を持つ縮重カセットが使われる。例えば、ある例では、一つのNだけを含む縮重トリプレット配列(例えば、オリゴヌクレオチドで)を使用することが望ましいかもしれない。このNとは、トリプレットの第2又は第3番目の位置にある。如何なる組合せ及びここに含まれる変換を含む他のどのような塩基でもトリプレットの残った部位に使用することができる。代わりに、ある例では、縮重N,N,Nトリプレット配列(例えば、オリゴヌクレオチドで)を使用することが好ましいかもしれない。
一側面として、縮重トリプレット(例えば、N,N,G/Tトリプレット)の使用は、系統的及び容易にポリペプチドの各アミノ酸かつ全アミノ酸位置に天然アミノ酸の全範囲を(合計で20アミノ酸)生成することを可能にする(別の例として、その方法は、アミノ酸残基あるいはコドン部位当たり可能な全てよりも少ない置換の作製をも含む)。例えば、100アミノ酸ポリペプチドでは、2000の異なる種(即ち、部位当たり20種の可能なアミノ酸 X 100アミノ酸部位)を作製することができる。オリゴヌクレオチド又は縮重N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチドの組を用いることによって、32の個々の配列は可能な20種全ての自然アミノ酸をコードすることができる。従って、親ポリヌクレオチド配列が少なくとも一つのそのようなオリゴヌクレオチドを用いた飽和変異導入に供与される試験管内では、20種の異なるポリペプチドをコードしている32種の異なる子孫ポリヌクレオチドがそこで生成される。対照的に、部位特異的変異導入に非縮重オリゴヌクレオチドを使用することは、反応あたり一つの子孫ポリペプチド産物だけが得られる。非縮重オリゴヌクレオチドは、開示した縮重プライマーの組み合わせにより任意に使用することができる; 例えば、非縮重オリゴヌクレオチドは、対象ポリヌクレオチド中に特定の点変異を発生させるために使用することができる。これは、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸の変異を導く点変異、及び停止コドンやポリペプチド断片の発現を引き起こす点変異を作り出す一つの手段を提供する。
一側面として、各飽和変異導入反応容器には、親ポリヌクレオチド中の変異されるコドンに対応する特定のアミノ酸部位において20種の自然アミノ酸全てが提示されるように(他の側面では、20種以下の天然アミノ酸の組合せを使用)、少なくとも20種の子孫ポリペプチド(例えば、ホスホリパーゼ)分子をコードしたポリヌクレオチドが含まれている。各飽和変異導入反応から得られる32倍に縮重した子孫ポリペプチドは、クローン増幅(例えば、発現ベクターを用いて、E.coliのような適した宿主にクローン化される)および発現スクリーニングにかけることができる。特性の好ましい変化(親ポリペプチドと比較して、アルカリ又は酸性条件の下で増強されたホスホリパーゼ活性のような)を表示する個々の子孫ポリペプチドがスクリーニングによって同定された場合、その中に含まれた相当する好ましいアミノ酸置換を同定するために配列決定される。
一側面として、本明細書に開示されるような飽和変異導入法を使用して親ポリペプチドの各アミノ酸部位を変異させると、好ましいアミノ酸変異が一ヶ所以上のアミノ酸部位で同定されるかもしれない。これらの好ましいアミノ酸置換を全体又は一部の組合せとして含む一種又はそれ以上の新しい子孫分子を作製することができる。例えば、ポリペプチドのアミノ酸部位三ヶ所それぞれに二つの特別の好ましいアミノ酸変異が同定されれば、変異は各部位において三つの可能性(元のアミノ酸からの変異が無いか、それぞれ二種の好ましい変異)及び三ヶ所の部位を含んでいる。従って、3 x 3 x 3又は27の可能性が存在し、これには、前に調べた7種−6種の単一点変異(即ち、三ヶ所のそれぞれで二種)とどの部位にも変異の無いもの−を含んでいる。
別の例において、部位飽和変異導入法は、配列を変化させるための他の確率的あるいは非確率的な手段、例えば、合成ライゲーション再集合(以下参照)、シャフリング、キメラ化、再組換え、及び他の変異方法や変異試薬等、と共に使用することができる。この発明は、反復的な飽和変異導入を含むあらゆる変異方法の使用を提供する。
合成連結再アッセンブリ (SLR)
本発明は、新規又は変化された性質を持つホスホリパーゼを作製するための「合成連結再アッセンブリ」又は単に「SLR」、「指向進化法」と呼ばれる非確率的遺伝子改変システムを提供する。SLRは、オリゴヌクレオチド断片を非確率的に集合結合させる方法である。この方法は、核酸のビルディングブロックがシャフルされずに任意に結合又はキメラ化され、むしろ非確率的に組み立てられる点において、確率的オリゴヌクレオチドシャフリングとは異なる。例えば、米国特許出願09/332,835 “Synthetic Ligation Reassembly in Directed Evolution” 1999年6月14日提出(“米国特出願09/332,835”)を参照。一側面として、SLRは、次の工程を含む:(a) 鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程であって、前記鋳型ポリヌクレオチドは相同遺伝子をコードした配列を含むポリヌクレオチドである、前記工程;(b) 複数のビルディングブロックポリヌクレオチドを提供する工程であって、前記ビルディングブロックポリヌクレオチドは、予め決定された配列部位で鋳型とクロスオーバー(交叉)するように設計され、ビルディングブロックポリヌクレオチドは、相同遺伝子の変種であり、かつその変種配列に隣接した鋳型ポリヌクレオチドに相同的な配列を含む、前記工程;(c) ビルディングブロックポリヌクレオチドを鋳型ポリヌクレオチドと混合し、ビルディングブロックポリヌクレオチドを鋳型ポリヌクレオチドと交叉再アッセンブリさせ、相同遺伝子配列の変種を含むポリヌクレオチドを作製する工程。
SLRは、再アッセンブルされるべきポリヌクレオチド間に高度の相同性が存在することに依存しない。従って、この方法は、非確率的に 10100を越えるキメラを含む子孫分子のライブラリー(又はセット)を作製するために使用することができる。SLRは、101000を越えるキメラを含む子孫分子のライブラリーを作製するために使用することができる。従って、本発明の特徴は、設計により選択される全体的なアッセンブリ順序を形成する、一群の最終的なキメラ核酸分子を作製するための非確率的方法を含んでいる。この方法は、設計により相互に適合性のある結合可能末端を持つようにした複数の特定の核酸ビルディングブロックを作製する工程を含み、又これらの核酸ビルディングブロックを設計された全体的なアッセンブリ順序が達成できるように組み立てる。
組み立てられる核酸ビルディングブロックの相互に適合性のある結合可能末端は、もしそれらが予め決定された順序でそのビルディングブロック結合させ得る場合、このタイプの順序づけられたアッセンブリのために「利用可能」であると考えられる。従って、核酸ビルディングブロックが結合しえる全体的なアッセンブリ順序は、結合可能末端の設計によって特定される。一段階以上のアッセンブリ工程が使用される場合、核酸ビルディングブロックが結合する全体的なアッセンブリ順序は、アッセンブリ工程の一連の順序によっても特定される。一側面として、アニールしたビルディングブロック片は、それらを共有的に結合させるために、リガーゼのような酵素(例えば、T4 DNAリガーゼ)で処理される。
一側面として、オリゴヌクレオチドビルディングブロックの設計は、最終的なキメラポリヌクレオチドの子孫集団を産生するための基として働く、一群の子孫核酸配列の鋳型を解析することにより得られる。これらの親オリゴヌクレオチドの鋳型は、例えば、キメラ化又はシャッフルのような、変異される核酸ビルディングブロックのデザインを補助する配列の情報源として働く。
この方法の一側面として、複数の親核酸の鋳型の配列は、一ヶ所以上の境界点を選ぶためにアラインメントされる。境界点は、相同性のある区域に設定され、一種以上のヌクレオチドに含まれる。これらの境界点は、好ましくは少なくとも二種の子孫鋳型に共有される。それにより、境界点は、親ポリヌクレオチドを再配置することを目的に、作製されるオリゴヌクレオチド ビルディングブロックの境界を描写するために使用することができる。祖先分子内で同定及び選択された境界点は、最終的なキメラ子孫分子の集合における潜在的なキメラ化点として働く。境界点は、少なくとも二種の祖先鋳型により共有された(少なくとも1つの相同核酸塩基を含む)相同的領域である。あるいは、境界点は、少なくとも半分の祖先鋳型により共有された相同的領域、又は少なくとも2/3の祖先鋳型により共有された相同的領域であり得る。更により好ましくは、利用可能な境界点は、少なくとも3/4の祖先鋳型により共有された相同的領域、更に一層より好ましくは、殆ど全ての祖先鋳型により共有された相同的領域である。一側面として、境界点は、全ての祖先鋳型により共有された相同的領域である。
一側面として、徹底的な子孫キメラポリヌクレオチド ライブラリーを作製するために、連結再アッセンブル過程が網羅的に実施される。換言すると、核酸ビルディングブロックの全ての可能な順序の組み合わせが最終キメラ核酸分子の集団中に表示される。同時に、別の側面において、各組み合わせにおける集合順序(即ち、各最終キメラ核酸の5'から3'配列における各ビルディングブロックの集合順序)は、上述されたような設計又は(非確率的な設計)による。本発明の非確率的性質のために、好ましくない副産物の可能性は大きく減少する。
別の側面において、連結再アッセンブリ法は、系統的に実施される。例えば、本法は、先祖分子の区分されたライブラリーを作製するために実施される。この区分は系統的に、例えば一つずつ、スクリーニングすることができる。換言すると、本発明により、連続工程アッセンブル反応の選択的で適切な使用と組み合わせた特定の核酸ビルディングブロックの選択的かつ適切な使用により、子孫産物の特定の集団が各反応容器中で作製されるという設計が達成され得る。これにより、実験及びスクリーニング操作を系統的に行うことが可能となる。従って、非常に多数の潜在的な子孫分子をより少ない集団で系統的に調べることが可能になる。非常に柔軟で、更に、徹底的かつ系統的にキメラ化を実施する能力があることから、本発明は、特に、祖先分子間に低いレベルの相同性しかない場合にも、多数の子孫分子を含むライブラリー(又は、集団)の作製を提供する。本連結再アッセンブリ発明の非確率的な性質のために、作製される子孫分子は、好ましくは、設計により選ばれる全体的なアッセンブル順序を持つ最終的なキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和変異導入法及び指向進化法は、異なる子孫の分子種を作製するためにも使用することができる。本発明が、境界点の選択、核酸ビルディングブロックの大きさ及び数、ならびに結合の大きさ及び設計に関する選択と制御の自由を与えることは理解される。更に、分子間相同性の要求性が本発明の操作性に対して非常に緩和されていることも理解される。実際に、殆ど又は全く分子間相同性のない領域においてさえ、境界点を選択することができる。例えば、コドンゆらぎ(wobble)、即ち、コドンの縮重のために対応する祖先鋳型に本来コードされたアミノ酸を変えることなく核酸ビルディングブロック中にヌクレオチド置換を導入することができる。異なる側面として、本来のアミノ酸のためのコードが変更されるようにコドンを変更することができる。本発明は、分子間相同的な境界点の頻度を増加させるため及びビルディングブロック間で達成される結合数を増加させるために、そのような置換の核酸ビルディングブロック中への導入を提供し、その結果として、多数の子孫キメラ分子が作製されるようになる。
別の側面において、ビルディングブロックが作製される段階における合成的性質は、後にインビトロ過程(例えば、変異導入による)又はインビボ過程(例えば、宿主生物の遺伝子スプライシング能を利用する)において、任意に除去されうるヌクレオチド(例えば、一種以上のヌクレオチド、コドンもしくはイントロン又は調節配列であってもよい)の設計及び導入を可能にする。多くの場合、他の多くの理由により、実用可能な境界点を作製するという潜在的な恩典に加えて 、これらの核酸の導入もまた望ましいことは理解される。
一側面として、核酸ビルディングブロックは、イントロンを導入するために使用することができる。従って、機能的イントロンが、この中に述べられる方法により、本発明の人工遺伝子に導入される。人工的に導入したイントロンは、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングに機能的であるように、宿主における遺伝子スプライシングにおいても機能的であり得る。
至適化指向進化システム(Optimized Directed Evolution System)
本発明は、新しいか変えられた特性を持つホスホリパーゼを作製するためにの「至適化指向進化システム」と呼ばれる非確率的遺伝子改変システムを提供する。至適化指向進化システムは、組換えを通して核酸の指向的分子進化を行わせる還元再組合せ(reductive reassortment)、組換え及び選択という反復サイクルの使用に関する。至適化指向的進化は、進化したキメラ配列の大集団の生成を可能にするもので、生成された集団は、予め決定された数のクロスオーバー(交叉)イベントを有する配列について非常に富化されている。
交叉イベントは、親変種からその他の親変種に配列のシフトが起こるキメラ配列中の点である。そのような点は、通常、二種の親からのオリゴヌクレオチドが互いに連結して単一の配列を形成する接合部にある。この方法は、最終的な配列のキメラ集団が選択された回数の交叉イベントのために富化されるようなオリゴヌクレオチド配列の正しい濃度計算を可能にする。これは、予め決定された回数の交叉イベントを有するキメラ変種の選択より高い制御性を提供する。
更に、本方法は、他のシステムに比べ、莫大な量の可能なタンパク変種の領域を調査する簡便な手段を与える。例えば、反応中に1013のキメラ分子が生成されると、以前は、特定の活性をそのような多量のキメラ変種について調べることは非常に困難であった。また、子孫集団の大部分は、増大した特定の活性を有しないタンパクを生成する非常に多くの交叉イベント数を有しているであろう。これらの方法を使用して、キメラ分子の集団は、特定の数の交叉イベントを有する変種について濃縮することができる。従って、反応中に1013のキメラ分子を作製されるが、更なる解析を行うために選択したそれぞれの分子は、例えば、わずか三回の交叉イベントしか有していない可能性が高い。結果として生ずる子孫集団は、予め決定された数の交叉イベントを有するように変えられることから、キメラ分子間の機能的多様性の境界限度は減少される。これは、初期親ポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の特質に影響を与えているのかを判断する時に、取り扱い易い変異の数を与える。
キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する一つの方法は、それぞれの親配列の断片又は部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。好ましくは、それぞれのオリゴヌクレオチドは、それによりオリゴヌクレオチドの混合によって正しい順序でそれぞれのオリゴヌクレオチド断片を有する新しい変種が得られるように特異的な重複区域を含んでいる。更なる情報は、例えば、米国特許出願09/332,835に記載されている。それぞれの親変種のために作製されたオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子内に生ずる交叉の総数と関連がある。例えば、三種の親ヌクレオチド配列の変種が、例えば、高温下で高活性を示すキメラ変種を探すためのライゲーション反応を起こすために与えられるかもしれない。一側面として、それぞれの親変種のそれぞれの部分に対応して50種のオリゴヌクレオチド配列が作製される。この場合、結合組換え過程中には、それぞれのキメラ配列の中に最高で50回の交叉イベントがあることになる。作製されたそれぞれのキメラポリヌクレオチドが、交互に親変種からのオリゴヌクレオチドを含有している確率は極めて低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片が同一の分子数で結合反応中に存在している場合、同じ親ポリヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドがいくつかの部位で互いに結合し、そのために交叉イベントが起こらないらしい。それぞれの親からの各オリゴヌクレオチドの濃度は、本例のどのライゲーション工程の間も一定に保たれ、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で結合し、かつ、交叉を起こさない確率は(三種の親があると仮定した場合)、1/3である。
従って、決められた数の親変種、それぞれの変種に対応するいくつかのオリゴヌクレオチド及びそれぞれの変種の濃度が与えられたならば、それぞれの連結反応工程において起こるであろう交叉イベントの数を予測するために、確率密度関数(PDF)を決定することができる。PDF決定の統計的及び数学的な背景を以下に説明する。これらの方法を利用して、そのような確率密度関数を推定することができ、その結果、特定の連結反応から生じる予め決められた回数の交叉イベントについてキメラ子孫集団を濃縮することができる。更に、交叉イベントの目標回数を予め決定することができ、その後、システムは、連結反応中のそれぞれの工程における各親オリゴヌクレオチドの開始時の量を計算するようにプログラムされ、それによって、予め決められた回数の交叉イベントを中心とした確率密度関数が得られる。これらの方法は、組換えを通してポリペプチドをコードする核酸の指向的分子進化を行わせる還元再組合せ、組換え及び選択という反復サイクルの使用に関する。このシステムは、進化したキメラ配列の大集団の生成を可能にするもので、生成された集団は、予め決定された数の交叉イベントを有する配列について非常に濃縮されている。交叉イベントは、親変種からその他の親変種に配列のシフトが起こるキメラ配列の点である。そのような点は、通常、二種の親由来のオリゴヌクレオチドが互いに連結して単一の配列を形成する接合点にある。この方法は、最終的な配列のキメラ集団が選択された回数の交叉イベントについて濃縮されるようにオリゴヌクレオチド配列の正しい濃度計算を可能にする。これは、予め決定された回数の交叉イベントを有するキメラ変種を選択よりも高い制御性を提供する。
更に、これらの方法は、他のシステムに比べ、莫大な量の可能なタンパク変種空間を調査する簡便な手段を与える。これらの方法を使用して、キメラ分子の集団は、特定の数の交叉イベントを有する変種について富化することができる。従って、反応中に1013のキメラ分子を作製することができるが、更なる解析を行うために選択されるそれぞれの分子は、例えば、わずか三回の交叉イベントしか有していない可能性が高い。結果として生ずる子孫集団は、予め決定された数の交叉イベントを有するように変えられるので、キメラ分子間の機能的多様性の境界は減少する。これにより、初期親ポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の特質に影響を与えているのかを判断する時に、取り扱い易い数の変数が与えられる。
一側面として、本方法は、それぞれの親配列の断片又は一部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによって、キメラ子孫ポリヌクレオチド配列を作製する。好ましくは、各オリゴヌクレオチドは、それによりオリゴヌクレオチドの混合によって正しい順序でそれぞれのオリゴヌクレオチド断片を有する新しい変種が得られるように、特異的な重複領域を含む。米国特許出願09/332,835も参照。
各親変種のために作製されるオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子内に生ずる交叉の総数と関連がある。例えば、三種の親ヌクレオチド配列の変種が、例えば、高温下で高活性を示すキメラ変種を探すためにライゲーション反応を起こすものとする。一例として、それぞれの親変種のそれぞれの部分に対応して50種のオリゴヌクレオチド配列が作製される。この場合、連結再アッセンブル過程中には、それぞれのキメラ配列の中に最高で50回の交叉イベントがあることになる。作製されたそれぞれのキメラポリヌクレオチドが、交互に親変種からのオリゴヌクレオチドを含有している確率は極めて低い。それぞれのオリゴヌクレオチド断片が同一の分子数で結合反応中に存在している場合、同じ親ポリヌクレオチドからのオリゴヌクレオチドがいくつかの部位で互いに結合し、そのために交叉イベントが起こらない可能性がある。それぞれの親からの各オリゴヌクレオチドの濃度は、本例のどのライゲーション工程の間も一定に保たれる場合、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で結合し、交叉を起こさない確率は(三種の親があると仮定した場合)1/3である。
従って、決められた数の親変種、それぞれの変種に対応するいくらかのオリゴヌクレオチド及びそれぞれの変種の濃度が与えられた場合、それぞれの連結反応工程中において起こるであろう交叉イベントの起きる数を予測するために、確率密度関数(PDF)を決定することができる。PDF決定の統計的及び数学的な背景を以下に説明する。そのような確率密度関数を計算することができ、その結果、特定の連結反応から生じる予め決められた回数の交叉イベントについてキメラ子孫集団を濃縮することができる。更に、交叉イベントの目標回数を予め決定することができ、その後、システムは、連結反応中のそれぞれの工程において各親オリゴヌクレオチドの開始量を計算するようにプログラムされ、それによって、予め決められた回数の交叉イベントを中心とする確率密度関数が得られる。
交叉イベントの決定
本発明の実施態様には、所望のクロスオーバー確率密度関数(PDF)、再アッセンブリされる親遺伝子の数、及び再集合における断片の数を入力として受け取るシステム及びソフトウェアを含む。このプログラムの出力は、集合遺伝子を作製するための処方を決定するために使用される「PDF断片」及びそれら遺伝子の概算クロスオーバーPDFである。ここに記述される処理は、好ましくは、MATLABR(Mathworks、Natick、Massachusetts)プログラミング言語および技術的な計算のための開発環境で行われる。
反復処理
本発明の実施において、これらの方法は、反復的に繰り返すことができる。例えば、変化されたホスホリパーゼ表現型のための核酸(例えば、その核酸)が、同定、再単離、再改変され、その活性が再び調べられる。この方法は、所望の表現型が操作されるまで反復的に繰り返すことができる。例えば、ホスホリパーゼ活性を含み、生化学的異化又は同化の全経路を細胞中で操作することが可能である。
同様に、ある特定のオリゴヌクレオチドが所望の特質(例えば、新しいホスホリパーゼの表現型)について全く影響を与えないと確認された場合、削除すべき配列を含むより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することにより、変数としてそれを削除することができる。より大きな配列内にその配列を組み入れることは、如何なる交叉イベントをも妨げることから、子孫ポリヌクレオチド内にこの配列の如何なる変異種ももはや存在しないことになる。どのオリゴヌクレオチドが最も望まれる特質に関連するか、またどれが関連していないかを決定するこの反復操作は、特定の特質又は活性を提供する可能なタンパク変種の全てをより効果的に調査すること可能にする。
インビボシャッフリング
分子のインビボシャッフリングは、本発明のポリペプチド変種、例えば、抗体、ホスホリパーゼ酵素その他を提供する本発明の方法において利用できる。インビボシャッフリングは、マルチマーの組換えを細胞の自然特性を利用して行うことができる。インビボにおける組換えは、分子多様性への主要な自然経路を提供するが、遺伝子組換えは、以下を含む比較的複雑な過程である。1) 相同性の認識;2) 鎖切断、鎖侵入、及び組換えキアズマ形成を生じさせる代謝工程;および、最後に、3) 個別の組換え分子へのキアズマの解離。キアズマの形成は、相同配列の認識を必要とする。
一側面として、本発明は、少なくとも第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを作製する方法を提供する。本発明は、部分的配列相同性の少なくとも一領域を共有するような、少なくとも第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞へ導入することによるハイブリッドポリヌクレオチドの作製に使用できる。部分的に配列相同性のある領域は、ハイブリッドポリヌクレオチドを生成する配列再編成を生じるような過程を促進する。本明細書において、用語「ハイブリッドポリヌクレオチド」とは、本発明の方法により生じ、少なくとも二種の元のポリヌクレオチド配列由来の配列を含むような如何なるヌクレオチド配列をも意味する。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列組込みを促進する分子内組換えの事象により生じ得る。更に、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子内のヌクレオチド配列を変更するために反復配列を利用する分子内還元的再組合せ処理方法により作製することができる。
配列変種の作製
また本発明は本発明の核酸及びホスホリパーゼ配列の変種の作製、あるいはホスホリパーゼ酵素、例えば、ホスホリパーゼ、本発明の核酸及びポリペプチドを用いた配列変種を単離する方法を提供する。一側面として、本発明は、本発明のホスホリパーゼ遺伝子の変種を提供し、それらは、例えば、無作為又は確率的な方法、あるいは非確率的な方法又は「指向進化」の方法等、上記したような如何なる手段によっても作製できる。
単離された変種は、天然に存在するものかもしれない。変種は、また、インビトロで作製することができる。変種は、部位特異的変異導入、無作為的化学変異、エキソヌクレアーゼIIIデリーション法及び標準的なクローニング技術のような遺伝的操作技術を用いて作製してもよい。別法として、そのような変種、断片、類似物、あるいは誘導体は、化学的な合成又は改変によって作製してもよい。変種を作製するための他の方法も、当業者にはよく知られている。これらは、天然から単離されたものに由来する核酸配列を企業又は研究応用における価値を向上させた特性を持ったポリペプチドをコードするように、核酸を改変する方法を含む。そのような方法において、天然から単離されたものから得られた配列に関して、一種又はそれ以上のヌクレオチド変異を持つ非常に多くの変種配列が作製されて調べられる。これらのヌクレオチド変異は、天然の単離物から得られる核酸の配列にコードされるポリペプチドに対してアミノ酸変異を引き起こし得る。
例えば、変異性PCRを利用して変種を作製してもよい。変異性PCRにおいて、PCRは、点変異が高い割合でPCR産物の全長にわたり得られるように、DNAポリメラーゼのコピー忠実度が低い条件で行われる。変異性PCRは、例えば、Leung, D.W., 他, Technique, 1:11-15, 1989及び Caldwell, R. C. & Joyce G.F., PCR Methods Applic., 2:28-33, 1992に述べられている。簡単に言うと、そのような操作は、点変異が高い割合でPCR産物の全長にわたって得られるように、変異される核酸を、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl2、MnCl2、Taqポリメラーゼ及び適当量のdNTPとを混合する。例えば、その反応は、変異される核酸20 fモル、30 pモルのPCR プライマー、50 mM KCl、10 mM Tris HCl (pH 8.3)及び0.01 %ゲラチンを含んだ反応緩衝液、7 mM MgCl2、0.5 mM MnCl2、5 ユニットの Taq ポリメラーゼ、0.2 mM dGTP、0.2 mM dATP、1mM dCTP、及び1 mM dTTPを用いて実行される。PCRは、94 ℃ 1分間、45 ℃ 1分間、72 ℃ 1分間のサイクルを30回繰り返すことによって行う。しかしながら、これらのパラメーターは、適当に変えられることは理解されるであろう。変異された核酸は、適当なベクターにクローン化され、変異核酸によってコードされたポリペプチドの活性が評価される。
変種は、興味対象のクローン化DNAに部位特異的な変異を発生させるために、オリゴヌクレオチド特異的変異導入法を用いて作製してもよい。オリゴヌクレオチド変異導入は、例えば、Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57に記述されている。簡潔に言うと、そのような操作においては、クローン化したDNAに導入される一種以上の変異を持つ多数の二本鎖オリゴヌクレオチドが合成され、変異されるDNAに挿入される。変異DNAを含んでいるクローンは、回収され、それらがコードするポリペプチドの活性が評価される。
変種を作製する他の方法は、アッセンブリPCRである。アッセンブリPCRは、小さいDNA断片の混合物に由来するPCR産物のアッセンブリを含む。複数の異なったPCR反応が、同じバイアル中で並行して起き、別の反応産物をプライムする他の反応産物が得られる。アッセンブリPCRは、例えば、米国特許5,965,408に記述されている。
変種を作製する更に別の方法は、セクシュアルPCR変異導入である。セクシュアルPCR変異導入では、配列の相同性に基づいたDNA分子の無作為な断片化、および、それに続くPCR反応におけるプライマー伸張による交叉の固定の結果として、インビトロにおいて異なるが非常に関連のあるDNA分子間で強制的な相同組換えが起こされる。セクシュアルPCR変異導入は、例えば、Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751に記述されている。簡潔に言うと、そのような操作において、組換えされる複数の核酸は、平均サイズ50〜200のヌクレオチド断片を作製するためにDNaseによって消化される。好ましい平均サイズの断片は、精製され、PCR混合物中に再懸濁させる。PCRは核酸断片間の再組換えを容易にする条件下に行う。例えば、PCRは、精製した核酸断片を10〜30 ng/μlの濃度で以下の組成の溶液中に再懸濁させることによって行ってもよい:0.2 mM dNTP、2.2 mM MgCl2、50 mM KCl、10 mM Tris HCl(pH 9.0)及び0.1 % Triton X-100。Taqポリメラーゼを100 μlの反応溶液中に2.5ユニット加え、PCRは、以下の条件で行われる:94 ℃で60秒間、94 ℃ 30秒間、50〜55 ℃ 30秒間、72 ℃ 30秒間(30〜45サイクル)および72 ℃ 5分間。しかしながら、これらのパラメーターは、適当に変えられることは理解されるであろう。いくつかの例において、オリゴヌクレオチドがPCR反応中に含まれるかもしれない。他の例において、最初のPCR反応にDNAポリメラーゼIのクレノー断片を、引き続くPCR反応にはTaqポリメラーゼを使用してもよい。組換えられた配列は、単離され、それらがコードするポリペプチドの活性が評価される。
変種は、インビボ変異導入法によって作製することもできる。いくつかの例において、関心対象の配列における無作為変異は、DNA修復経路の一以上において変異を有する細菌株、たとえば大腸菌、中でその関心対象の配列を増殖させることによって作製される。そのような「ミューテーター」株は、野生型の親よりも高い無作為変異率を持っている。これらの株の一つにおいてDNAを増殖させると、結果的に、そのDNA中に無作為な変異が生じるであろう。インビボ変異導入の使用に適したミューテーター株は、例えば、PCT出願 WO 91/16427に記述されている。
変種は、また、カセット変異導入法を使って作製することができる。カセット変異導入法において、二本鎖DNA分子の小さな領域が元の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド「カセット」と置き換えられる。そのオリゴヌクレオチドは、完全に及び/又は部分的にランダマイズされた元の配列をしばしば含む。
また、再帰的アンサンブル変異導入は、変種を作製するするために使用することができる。再帰的アンサンブル変異導入は、アミノ酸配列が異なる表現型的に関連のある変異株の多様な集団を作製するために開発されたタンパク質エンジニアリング(タンパク変異)のアルゴニズムである。この方法は、組み合わせカセット変異導入の連続したラウンドを制御するフィードバック機構を利用している。再帰的アンサンブル変異導入は、例えば、Arkin (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815に記述されている。
いくつかの態様において、変種は、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入によって作製される。エクスポネンシャルアンサンブル変異導入は、高い割合で特徴的又は機能的な変異株を含む混合ライブラリーを作製するための方法であり、その中では、残基の小さな集団が、それぞれ変異された部位で、並行してランダム化され、機能タンパクを生じさせるアミノ酸が同定される。エクスポネンシャルアンサンブル変異導入は、例えば、Delegrave (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552に、無作為及び部位特異的変異導入は、例えば、Arnold (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455にそれぞれ記述されている。
いくつかの態様において、変種は、シャフリング操作を用いて作製され、それによれば、異なるポリペプチドをコードした複数の核酸の一部がお互いに融合し、キメラポリペプチドをコードするキメラ核酸を作り出す。これは、例えば、米国特許5,965,408;5,939,250に記述されている。
本発明は、また、本発明のポリペプチドの変種を提供する:本発明のポリペプチドの一種以上のアミノ酸残基(例えば、典型的な本発明のポリペプチドの)が保存的又は非保存的アミノ酸残基(例えば、保存的アミノ酸残基)と置換され、その置換アミノ酸はその遺伝コードによりコードされていてもいなくてもよい。保存的置換は、ポリペプチド中の与えられたアミノ酸を同様の特性を持つ他のアミノ酸による置換である。従って、本発明のポリペプチドは、以下の置換を含む本発明の配列の保存的置換を有するポリペプチドを含むが、その置換は以下に限定されない:アラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシンのような脂肪族アミノ酸と他の脂肪族アミノ酸の置換;セリンとスレオニンの置換、あるいはその逆;アスパラギン酸及びグルタミン酸のような酸性アミノ酸と他の酸性残基;アスパラギン及びグルタミンのようなアミノ基を持つような残基と他のアミノ基を持つ残基の置換;リジン及びアルギニンのような塩基残基と他の塩基残基の交換;及び、フェニルアラニン、チロシンのような芳香族残基と他の芳香族残基の置換。他の変種は、本発明のポリペプチドの一つ以上のアミノ酸残基が置換基を含むものである。
本発明の範囲内の他の変種は、ポリペプチドが、例えば、ポリエチレングリールのように、ポリペプチドの半減期を延長させるような他の化合物と結合しているものである。
更に、本発明の範囲に入る他の変種は、リーダー配列、分泌配列、プロタンパク配列、あるいはポリペプチドの精製、濃縮又は安定性を有利にする配列のような付加的なアミノ酸を融合しているポリペプチドである。
いくつかの側面において、本発明のポリペプチドの断片、誘導体及び類似体は、この中で述べられるように、本発明の典型的なポリペプチドと同じ生物学的機能又は活性、例えば、ホスホリパーゼ活性を保持している。別例として、変種、断片、誘導体、又は類似体には、活性ポリペプチドを産生するプロタンパク質部分の切断により、変種、断片、誘導体、又は類似体が活性化されるようなプロタンパク質が含まれる。
宿主細胞における高レベルのタンパク発現を達成するためのコドン最適化
本発明は、コドン使用頻度を改変するために、ホスホリパーゼをコードした核酸を改変するための方法を提供する。一側面として、本発明は、宿主におけるその発現を増加又は減少させるために、ホスホリパーゼをコードする核酸中のコドンを改変する方法を提供する。本発明は、宿主における発現を増加させるために改変したホスホリパーゼをコードしている核酸、そのように改変されたホスホリパーゼ酵素、及び改変ホスホリパーゼ酵素を作製する方法を提供する。その方法は、ホスホリパーゼをコードする核酸中の「非優先」(好まれない)又は「低優先」(あまり好まれない)コドンを同定し、これら「非優先」又は「低優先」コドンの一つ以上を置換コドンとして同じアミノ酸をコードした「優先」的コドンと置き換えることを含み、その核酸中の少なくとも一つの非優先又は低優先コドンを同じアミノ酸をコードする優先的コドンにより置き換える。優先的コドンとは、宿主の遺伝子においてコードしている配列中に過剰表示されるコドンであり、「非優先」(好まれない)又は「低優先」(あまり好まれない)コドンとは、宿主の遺伝子においてコードしている配列中に低頻度に表示されるコドンである。
本発明の核酸、発現カセット及びベクターを発現するための宿主には、細菌、酵母、カビ、植物細胞、昆虫細胞及び高等動物細胞が含まれる。従って、本発明は、これら全ての細胞におけるコドン使用頻度を至適化する方法、コドンを変更された核酸及びコドンを変更された核酸により作られるポリペプチドを提供する。典型的な宿主細胞は、Escherichia coliやPseudomonas fluorescens のようなグラム陰性細菌を含む;グラム陽性細菌、Streptomyces diversa、Lactobacillus gasseri、Lactococcus lactis、Lactococcus cremoris、Bacillus subtilis。典型的な宿主細胞は真核細胞も含む:Saccharomyces sp.、Saccharomyces cerevisiae、Schizosaccharomyces pombe、Pichia pastorisを含む種々の酵母、及びKluyveromyces lactis、Hansenula polymorpha、Aspergillus niger、及び高等動物細胞又はその細胞株及び昆虫細胞又はその細胞株。従って、本発明は、これら生物体及び種における発現を至適化した核酸やポリペプチドを含む。
例えば、細菌細胞から単離された本発明のホスホリパーゼをコードしている核酸のコドンは、その核酸が、ホスホリパーゼが由来した細菌とは異なる細菌、酵母、カビ、植物細胞、昆虫細胞又は高等動物細胞で至適に発現されるように改変される。コドンの至適化法は、既によく知られた技術である。例えば、 米国特許 5,795,737;Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118; Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188;Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253を参照。また、マウス システムにおけるコドンの至適化について述べたNarum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253;酵母におけるコドンの至適化について述べた Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24;大腸菌におけるコドンの至適化について述べた;Feng (2000) Biochemistry 39:15399-15409;大腸菌における分泌に影響を与えるコドンの至適化について述べた Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264をも参照。
トランスジェニック非ヒト動物
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド、発現カセット又はベクター又は感染又は形質転換した細胞を含むトランスジェニック非ヒト動物を提供する。トランスジェニック非ヒト動物は、本発明の核酸を含む、例えば、ヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ラット及びマウスであり得る。これらの動物は、例えば、ホスホリパーゼの活性を調べるためのインビトロモデルとして、あるいはインビボでホスホリパーゼ活性を変化させる因子をスクリーニングするためのモデルとして使用できる。トランスジェニック非ヒト動物において発現されるポリペプチドのコード配列は、構成的であるように設計することも、組織特異的、成長特異的又は誘導的な転写制御因子の制御下にあるように設計することもできる。トランスジェニック非ヒト動物は、既によく知られた技術を用いて設計し、作製することができる;例えば、形質転換細胞、卵、トランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ及びウシの作製およびその使用について記載した米国特許6,211,428;6,187,992;6,156,952;6,118,044;6,111,166;6,107,541;5,959,171;5,922,854;5,892,070;5,880,327;5,891,698;5,639,940;5,573,933;5,387,742;5,087,571を参照せよ。また、例えば、トランスジェニック酪農動物のミルクにおける組換えタンパク質の産生について記述してある Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157;トランスジェニックヤギの産生について述べているBaguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461も参照。米国特許6,211,428は、あるDNA配列を含む核酸構造物を脳内で発現するトランスジェニック非ヒト高等動物の作製及び使用を述べている。米国特許5,387,742は、クローン化した組換え体、あるいは合成DNA配列の受精したマウスの卵へのインジェクション、偽妊娠雌へのインジェクションした卵の移植、及びアルツハイマー病の病理と関係したタンパクを発現する細胞を持つトランスジェニックマウスの成長について述べている。米国特許6,187,992は、アミロイド前駆体(APP)をコードしている遺伝子の破壊を含むゲノムをもつトランスジェニックマウスの作製と使用について述べている。
「ノックアウト動物」も本発明の方法の実施に使用することができる。例えば、一側面として、本発明のトランスジェニック動物又は改変動物は、例えば、ホスホリパーゼを発現しない、又は発現できないように操作された「ノックアウトマウス」のようなノックアウト動物を含む。
トランスジェニック植物及び種子
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(例えば、ホスホリパーゼ)、発現カセット又はベクター又は遺伝子を移入した又は形質転換した細胞を含むトランスジェニック植物及び種子を提供する。本発明は、また、本発明の核酸及び/又はポリペプチド(例えば、ホスホリパーゼ)を含む植物産生物、例えば、油、種、葉、エキス及びその類を提供する。トランスジェニック植物は、双子葉植物(dicot)又は単子葉植物(monocot)でもよい。本発明は、また、これらトランスジェニック植物及び種子を作製及び使用する方法を提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物又は植物細胞は、既によく知られている技術におけるどのような方法に従っても構築することができる。例えば、米国特許6,309,872を参照せよ。
本発明の核酸及び発現構築物は、どのような手段によってでも、植物細胞に導入することができる。例えば、核酸又は発現構築物は、所望の植物宿主のゲノムに導入することができ、その核酸又は発現構築物は、エピゾームでもよい。所望の植物のゲノムへの導入は、宿主のホスホリパーゼ産生が内在性の転写又は翻訳制御エレメントにより調整されるように成り得ることである。本発明は、また、例えば、相同組換え、による遺伝子配列の挿入によるその内在性遺伝子の発現を破壊した「ノックアウト植物」を提供する。「ノックアウト植物」の作製手段は、よく知られた技術であり、例えば、 Strepp (1998) Proc Natl. Acad. Sci. USA 95:4368-4373;Miao (1995) Plant J 7:359-365を参照。以下のトランスジェニック植物についての考察を参照せよ。
本発明の核酸は、本質的にどのような植物、例えば、大豆、菜種、ヒマワリの種子、ゴマ及びピーナツのような脂肪種子を含む植物、についても所望の特性を与えるために使用することができる。本発明の核酸は、宿主のホスホリパーゼの発現を至適化又は変化させることを目的に、植物の代謝経路を操作するために使用することができる。あるいは、本発明のホスホリパーゼは、その植物において天然には産生されない化合物を産生するトランスジェニック植物の作製に使用することができる。これにより、生産コストを下げるか、または新しい生産物を創成することができる。
一側面として、トランスジェニック植物の作製の最初の工程は、植物細胞における発現のための発現構築物を作製することを含む。これらの技術はよく知られた技術である。それらは、プロモーター、リボゾームとmRNAの効率的な結合を容易にするためのコード配列の選択及びクローニング、および適切な遺伝子終止配列の選択を含む。一つの具体的な内在性プロモーターは、カリフラワーモザイクウイルス由来のCaMV35Sであり、それは、通常、植物において非常に高い発現を引き起こす。他のプロモーターは、より特異的であり、植物の内的又は外的環境のきっかけに応答する。典型的な光誘導性プロモーターは、cab遺伝子由来のプロモーターであり、主要クロロフィルa/b結合タンパクをコードしている。
一側面として、核酸は、植物細胞においてより高い発現を達成するために改変される。例えば、本発明の配列は、ある植物において見られるよりも高いA-Tヌクレオチドペアの割合を持つようであり、そのうちのいくつかは、G-Cヌクレオチドペアを好む。従って、そのコード配列におけるA-Tヌクレオチドは、植物細胞における遺伝子産物の産生を上昇させるアミノ酸配列を著しく変化させることなく、G-Cヌクレオチドと置換することができる。
首尾よく組み込まれた導入遺伝子を持つ植物細胞又は組織を同定するために、選択可能マーカー遺伝子をその遺伝子構築物に付加することができる。これは、植物細胞における遺伝子の取り込み及び発現を達成することが、標的組織又は細胞のほんの数パーセントに起こる稀な事であることから、必要であるかもしれない。選択マーカー遺伝子は、通常、抗生物質又は除草剤のような植物に有毒な試薬に対する抵抗性を提供するタンパク質をコードしている。適当な抗生物質又は除草剤を含んでいる培地で増殖させた場合、選択マーカーを統合した植物細胞のみ生き残る。他の挿入遺伝子に関しては、マーカー遺伝子は、また、適切な機能ためのプロモーター及び終止配列を要求する。
一側面として、トランスジェニック植物又は種子を作製することは、本発明の配列及び、プロモーター及び終止配列の配置とともに、場合により、マーカー遺伝子を標的発現構築物(例えば、プラスミド)に取り込むことを含む。これは、適切な方法によって、植物に改変遺伝子を導入することを含む。構築物は、例えば、細胞のプロトプラストのエレクトロポレーション、ミクロインジェクションのような技術を使用して、植物細胞のゲノムDNAに直接導入しても、又はDNA粒子ボンバードメントような弾道法を使用して、植物組織に直接導入してもよい。例えば、ムギへ導入遺伝子を導入するための粒子ボンバードメントの使用を議論した、Christou (1997) Plant Mol. Biol. 35:197-203; Pawlowski (1996) Mol. Biotechnol. 6:17-30; Klein (1987) Nature 327:70-73; Takumi (1997) Genes Genet. Syst. 72:63-69;及びYACを綿植物に導入するためための粒子ボンバードメントの使用に関するAdam (1997)前述;トランスジェニック綿植物を作製するための粒子ボンバードメントの使用に関するRinehart (1997)前述を参照。粒子を加速させるための装置は、米国特許5,015,580、また、商業的に入手可能なBioRad (Biolistics) PDS-2000粒子装置に記述されている;裸子植物の粒子媒介形質転換について述べている米国特許5,608,148;及び米国特許5,681,730をも参照。
一側面として、プロトプラストを固定化し、核酸、例えば、発現構築物を注入することができる。プロトプラストから穀物植物への再生は容易ではないが、植物再生は、プロトプラスト由来のカルスからの体細胞胚形成を利用して、マメ科植物で可能である。器官化した組織は、遺伝子銃の技術を使用して、裸のDNAで形質転換することができる。DNAは、タングステンの弾丸上にコートされ、細胞の1/100のサイズで発射され、そのDNAを細胞及び器官の深部へもたらす。通常、形質転換された組織は、次に、一般には体細胞胚形成によって、再生へ誘導される。この技術は、トウモロコシ及び米を含むいくつかの穀物種で成功している。
例えば、発現構築物のような核酸は、組換えウイルスを利用して植物細胞に導入することができる。植物細胞は、例えば、タバコモザイクウイルスに由来するベクターのようなウイルスベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal (1997) Plant Mol. Biol. 33:989-999)。Porta (1996) “Use of viral replicons for the expression of genes in plants,” Mol. Biotechnol. 5:209-221を参照。
あるいは、核酸、例えば、発現構築物、は、適切なT-DNAフランキング領域と一緒にして、従来のAgrobacterium tumefaciens 宿主ベクターに導入することができる。Agrobacterium tumefaciens宿主の病原性機能は、その細菌によって細胞が感染すると、その構築物及び隣接マーカーの植物細胞DNAへの挿入を指令する。バイナリーベクターの非武装化及び使用を含むAgrobacterium tumefaciens-媒介の形質転換技術は、科学文献によく述べられている。例えば、Horsch (1984) Science 233:496-498; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803 (1983);Gene Transfer to Plants, Potrykus、編集 (Springer-Verlag, Berlin 1995)を参照。A.tumefaciens細胞中のDNAは、その細菌の染色体およびTi(腫瘍誘発性)プラスミドとして知られている他の構造体に含まれている。Tiプラスミドは、感染過程において植物細胞に移入されるT-DNA (〜20 kb 長)と名づけられたDNA鎖及び感染過程を指令する一連のvir(感染)遺伝子を含んでいる。A.tumefaciensは、傷を通してのみ植物に感染する:植物の根又は茎が傷つくと、化学的なシグナルを発し、それに応答して、A.tumefaciensのvir遺伝子が活性化され、T-DNAのTiプラスミドからその植物の染色体への移入に必要な一連のイベントが促進される。T-DNAは、そのようにして傷を通して植物細胞に入り込む。一つの推測は、T-DNAは、その植物のDNAが複製又は転写されるまで待ち、それから露出された植物のDNAにそれ自身を挿入するということである。遺伝子導入ベクターとしてA.tumefaciensを使用するためには、T-DNAの腫瘍を誘導する部分が除去され、一方T-DNA境界領域及びvir遺伝子群を維持しなければならない。次に、導入遺伝子はT-DNA境界領域間に挿入され、植物細胞に転移され、その植物の染色体に組み込まれる。
本発明は、重要な穀類を含む単子葉植物の本発明の核酸を使用した変換のための方法を提供する:Horsch, Science (1984) 233:496; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci USA 80:4803; Thykjaer (1997)前述;TDNAのゲノムDNAへの統合について述べているPark (1996) Plant Mol. Biol. 32:11351148を参照。また、穀類細胞又は他の単子葉類植物における機能的な遺伝子を含むDNAの安定な統合のための方法について述べたD'Halluin、米国特許5,712,135も参照。
一側面として、三番目の工程は、取り込まれた標的遺伝子の次世代への転移が可能な植物体の選別及び再生を含み得る。そのような再生技術は、組織培養増殖培地中のある植物ホルモンの扱いの依存し、典型的には望ましい遺伝子配列とともに導入される殺生物剤及び/又は除草剤マーカーに依存している。培養プロトプラストからの植物の再生は、Evans等、Protoplasts Isolation and Culture、Handbook of Plant Cell Culture、pp. 124-176、MacMillilan Publishing Company、New York、1983;及びBinding、Regeneration of Plants、Plant Protoplasts、pp. 21-73、CRC Press、Boca Raton、1985に述べられている。再生は、また、カルス、移植組織、器官、又はそれらの一部から得ることもできる。そのような再生技術は、一般的に、 Klee (1987) Ann. Rev. of Plant Phys. 38:467-486に述べられている。非成熟胚のような形質転換組織から植物全体を得るために、それらは、養分及びホルモンを含んでいる一連の培地で、調節された環境条件下で増殖させる(組織培養として知られる方法)ことができる。一旦、植物全体が再生され、種子が産生されると、その子孫の評価が始められる。
発現カセットがトランスジェニック植物に安定に取り込まれたならば、それは交配により他の植物に導入することができる。交配される種に依存して、多数の標準的な育種技術のいずれもが使用できる。本発明の核酸の導入遺伝子発現は、表現型の変化を生じさせるので、本発明の組換え核酸を含む植物は、最終産物を得るために第二の植物と交配することができる。従って、本発明の種子は、二種の本発明のトランスジェニック植物の交配、あるいは本発明の植物と他の植物の交配に由来することができる。望ましい効果(例えば、開花挙動を変化させた植物を産生する本発明のポリペプチドの発現)は、両親植物が本発明のポリペプチド(例えば、あるホスホリパーゼ)が発現され場合、増強され得る。その望ましい効果は、標準的な増殖手段により、将来の世代へ受け継がせることができる。
本発明の核酸及びポリペプチドは、如何なる植物又は種子中で発現させること、またはそれらに挿入することができる。本発明のトランスジェニック植物は、双子葉類又は単子葉類でもよい。本発明の単子葉トランスジェニック植物の例には、meadow grassのような牧草(青草、Poa)、festucaのようなマグサ、 Agrostisのようなドクムギ、温帯草及び、例えば、ムギ、オートムギ、ライムギ、オオムギ、米、トウモロコシ、及びトウモロコシのような穀物がある。本発明の双子葉トランスジェニック植物の例には、タバコ、ルパン(lupins)のようなマメ科植物、ジャガイモ、甜菜、エンドウ豆、豆及び大豆、及びカリフラワーのような十字花科の植物(芥子菜属)、菜種、及び密接な関連にあるモデル生物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)が含まれる。従って、本発明のトランスジェニック植物及び種子は、以下の、属由来の種を含む広範な植物を含むが、これらに限定されない:Anacardium、Arachis、Asparagus、Atropa、Avena、Brassica、Citrus、Citrullus、Capsicum、Carthamus、Cocos、Coffea、Cucumis、Cucurbita、Daucus、Elaeis、Fragaria、Glycine、Gossypium、Helianthus、Heterocallis、Hordeum、Hyoscyamus、Lactuca、Linum、Lolium、Lupinus、Lycopersicon、Malus、Manihot、Majorana、Medicago、Nicotiana、Olea、Oryza、Panieum、Pannisetum、Persea、Phaseolus、Pistachia、Pisum、Pyrus、Prunus、Raphanus、Ricinus、Secale、Senecio、Sinapis、Solanum、Sorghum、Theobromus、Trigonella、Triticum、Vicia、Vitis、Vigna及びZea。
別の実施態様において、本発明の核酸は、植物、例えば、大豆、菜種、ヒマワリ種、ゴマおよびピーナツのような脂肪種子を含む植物において発現(例えば、トランスジェニック植物として)される。本発明の核酸は、例えば、綿、絹綿の木(カポック、Ceiba pentandra)、砂漠ヤナギ、クレオソートブシュ、winterfat 、バルサ材、ラミー、kenaf、麻、roselle、ジュート、サイザルアサのabaca及び亜麻を含む繊維を含む細胞植物において発現させることができる。別の実施態様において、本発明のトランスジェニック植物は、G. arboreum、G. herbaceum、G. barbadense、及びG. hirsutum等どのようなGossypium(ワタ)種のメンバーをも含むGossypium種のメンバーでもよい。
本発明は、また、本発明のポリペプチド(例えば、ホスホリパーゼ又は抗体)を多量に産生するために使用されるトランスジェニック植物を提供する。例えば、 Palmgren (1997) Trends Genet. 13:348;Chong (1997) Transgenic Res. 6:289296(オーキシン誘引可能、二方向性マンノピン合成酵素(mas1'、2')プロモーターとアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)媒介葉ディスク形質転換変法を使用して、トランスジェニックジャガイモ植物において、ヒトミルクタンパク質のベータカゼインを産生する)を参照せよ。
知られている操作を使用して、当業者は、本発明のトランスジェニック植物におけるmRNA又はタンパクの増加や減少を検出することにより本発明の植物をスクリーンできる。mRNA又はタンパク質の検出及び定量の手段は、よく知られた技術である。
ポリペプチド及びペプチド
本発明は、本発明の典型的な配列、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106に対し、少なくとも50 %、51 %、52 %、53 %、54 %、55 %、56 %、57 %、58 %、59 %、60 %、61 %、62 %、63 %、64 %、65 %、66 %、67 %、68 %、69 %、70 %、71 %、72 %、73 %、74 %、75 %、76 %、77 %、78 %、79 %、80 %、81 %、82 %、83 %、84 %、85 %、86 %、87 %、88 %、89 %、90 %、91 %、92 %、93 %、94 %、95 %、96 %、97 %、98 %、99 %又はそれ以上の配列同一性、又は完全な(100 %の)配列同一性を持つ単離又は組換えポリペプチドを提供する。
先に考察したように、同一性は、ポリペプチドの完全長又はそれらの、例えば、少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700又はそれ以上の残基の部分配列に及び得る。本発明のポリペプチドは、また、典型的なポリペプチド(例えば、配列番号:2;配列番号:4;配列番号:6;配列番号:8等)の完全長より短くてもよい。別の実施態様において、本発明は、あるポリペプチド、例えば、ホスホリパーゼのような酵素の約5残基から完全長の間のサイズのポリペプチド(ペプチド、断片)を提供する:例えば、ホスホリパーゼの典型的なサイズは、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400又はそれ以上の残基、例えば、配列番号:2;配列番号:4;配列番号:6;配列番号:8等の典型的なホスホリパーゼの連続的残基である。本発明のペプチドは、例えば、プローブの標識、抗原、トレラゲン、モチーフ、ホスホリパーゼの活性部位として有用である。
一側面として、ポリペプチドは、例えば、グリセロリン酸エステル結合の切断活性、パタチン、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)、ホスホリパーゼA、B、C及びD活性を含む、リン酸エステル結合の加水分解能のようなホスホリパーゼ活性を保持する。一側面として、本発明の例示的なポリペプチドは、以下の表1に示されるようなホスホリパーゼ活性を保持する:
表1
Figure 2005523019























Figure 2005523019
本発明のポリペプチド及びペプチドは、天然資源より単離することも、あるいは合成又は組換えにより作製することもできる。ペプチド及びタンパク質は、インビトロ又はインビボにおいて組換え的に発現させることができる。本発明のポリペプチド及びペプチドは、関連技術において知られている何れの方法によっても作製及び単離が可能である。本発明のポリペプチド及びペプチドは、例えば、以下に記述されているような関連技術においてよく知られている化学的方法によりその全体又は一部の合成が可能である:Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223;Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232;Banga A.K.、Therapeutic Peptides and Proteins、Formulation、Processing and Delivery Systems (1995) Technomic Publishing Co.、Lancaster PA。例えば、ペプチド合成は、例えば、Roberge (1995) Science 269:202 やMerrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3-13 に記述されているような固相技術を利用して行うことができ、それらの自動化された合成は、例えば、ABI 431A Peptide Synthesizer(Perkin Elmer)を用いて、製造業者により提供された説明書に従って行うことができる。
本発明のポリペプチド及びペプチドは、グリコシル化することもできる。このグリコシル化は、タンパク質への翻訳後、化学的又は細胞内の生合成系を利用して行うことができ、後者ではその配列にとって天然のグリコシル化モチーフが利用されるか、あるいはグリコシル化モチーフとして知られるペプチド又はそれをコードする核酸配列の付加により行われる。このグリコシル化はO-結合型であってもN-結合型であってもよい。
上で定義した本発明のポリペプチド及びペプチドは、全ての「擬似体」及び「ペプチド擬似体」を含んでいる。用語「擬似体」及び「ペプチド擬似体」は、本発明のポリペプチドと本質的に同様な構造及び/又は機能的特性を有している合成化合物を意味している。この擬似体は、全体がアミノ酸の非天然類縁体からなるものであってもよく、あるいは部分的に天然のアミノ酸より成るペプチドと非天然のアミノ酸類縁体より成るペプチドとのキメラ分子であってもよい。この擬似体は、また、その置換により擬似体の構造及び/又は活性が本質的に変化しない限り、如何なる天然アミノ酸による保存的置換をも含むことができる。保存的変種である本発明のポリペプチドに関して、擬似体が本発明の範囲内であるかどうか、即ち、その構造や機能が本質的に変更されていないかどうかは日常的な実験により決定できるであろう。よって、一側面として、その擬似体成分は、ホスホリパーゼ活性を有する限り、本発明の範囲に含まれる。
本発明のポリペプチド疑似体組成物は、非天然構造成分の如何なる組み合わせも含み得る。別の側面において、本発明の疑似体組成物は、次の三種の基を一つ又は全て含む:a) 天然のアミド結合(「ペプチド結合」)以外の残基結合基;b) 天然に存在するアミノ酸残基に代えて非天然残基;あるいは、c) 二次的な構造的模倣を誘導する残基、即ち、例えば、ベーター-ターン、ガンマ-ターン、ベーター‐シート、アルファー-へリックスのコンフォメーションその他の二次的構造を誘導又は安定化するもの。例えば、本発明のポリペプチドは、その全て又は一部が天然のペプチド結合以外の化学的手段によって結合されている場合、疑似体として特徴付けることができる。個々のペプチド疑似体残基は、ペプチド結合、他の化学結合、あるいはカップリング手段、例えば、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシコハク酸イミドエステル、二機能性マレイミド、N,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N,N’-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)等によって結合させることができる。慣例的に、天然のアミド結合(「ペプチド結合」)に代えることのできる結合グループは、例えば、ケトメチレン(例えば、-C(=O)-NH-に代わる-C(=O)-CH2-)、アミノメチレン(CH2-NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2-O)、チオエーテル(CH2-S)、テトラゾール(CN4-)、チアゾール、レトロアミド、チアミド、あるいはエステル(例えば、Spatola (1983) Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins、7巻、pp 267-357、”Peptide Backbone Modifications” Marcell Dekker、NYを参照)である。
本発明のポリペプチドは、天然に存在するアミノ酸残基に代わる非天然残基を全てに又はいくらか含むことによって、疑似体として特徴付けることが出来る。非天然残基は、科学文献又は特許によく述べられている;天然アミノ酸残基の疑似体として有用である例示的な非天然組成及び指針を以下に述べる。芳香族アミノ酸の疑似体は、例えば、次の置換によって作製できる。それらは、D-又はL-ナフチルアラニン;D-又はL-フェニルグリシン; D-又はL-2チエニルアラニン; D-又はL-1、-2、3-、又は4-ピレニルアラニン;D-又はL-3チエニルアラニン;D-又はL-(2-ピリジル)-アラニン;D-又はL-(3-ピリジル)-アラニン;D-又はL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-又はL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D-又はL-p-ビフェニルアラニン;D-又はL-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-又はL-2-インドール(アルキル)アラニン;及び D-又はL-アルキルアラニン等で、アルキルは、メチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、イソブチル、セクイソチル、イソペンチル、あるいは非アミノ酸で置換してもしなくてもよい。非天然アミノ酸の芳香環には、例えば、チアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル、及びピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸の疑似体は、負荷電を維持しつつ、例えば、ホスホノアラニン、硫酸化スレオニンのような非カルボキシアミノ酸による置換によって作製できる。カルボキシ側鎖(例えば、アスパルチル又はグルタミル)は、1-シクロヘキシル-3(2-モルフォリニル-(4-エチル)カルボジイミド又は 1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメソルペンチル)カルボジイミドのようなカルボジイミド(R'-N-C-N-R')を用いた反応によっても選択的に改変することができる。アスパルチル又はグルタミルは、アンモニウムイオンを用いた反応によってアスパラギニル又はグルタミニル残基に転換できる。塩基性アミノ酸の疑似体は、例えば、(リジン、アルギニンに加え)アミノ酸オルニチン、シトルリン、あるいは(グアニジノ)アルキル-酢酸による置換によって作製でき、アルキルは、先に明確にしたものである。ニトリル誘導体(例えば、COOH に代わりCN-残基を含んでいる)は、アスパラギン又はグルタミンの代わりに置き換えることができる。アスパラギニル又はグルタミニル残基は、対応するアスパラギニル又はグルタミニル残基に脱アミノ化することができる。アルギニン残基疑似体は、アルギニルと一種以上の簡便な試薬、例えば、フェニルグリオキザール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオン、あるいはニンヒドリン等を、好ましくはアルカリ条件下で、反応させることにより作製することができる。チロシン残基疑似体は、チロシルを、例えば、芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンと反応させることにより作製することができる。N-アセチルイミダゾール及びテトラニトロメタンは、それぞれ O-アセチルチロシル体及び3-ニトロ誘導体を形成するために使用することができる。システイン残基疑似体は、システイニル残基を、例えば、クロロ酢酸又はクロロアセトアミド及び対応するアミン(カロボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を与える)のようなアルファー-ハロアセテートと反応させることにより作製することができる。システイン残基疑似体は、システイニル残基を、例えば、ブロモ-トリフルオロアセトン、アルファー-ブロモ-ベーター-(5-イミドゾイル) プロピオン酸;クロロアセチルフォスフェート、N-アルリルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィッド;メチル 2-ピリジルジスルフィッド;p-クロロマーキュリーベンゾエイト;2-クロロマーキュリー-4 ニトロフェノール;あるいはクロロ-7-ニトロベンゾ-オギザ-1,3-ヂアゾールと反応させることにより作製することができる。リジン残基疑似体は、リジニル残基を、例えば、コハク酸又は他の無水カルボン酸と反応させることにより作製することができる(又アミノ末端残基は、変えられることができる)。リジン及び他のアルファー-アミノ含有残基疑似体は、メチルピコリンイミデート、ピリドキサルホスフェート、ピリドキサル、クロロボロヒドリッド、トリニトロ-ベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンヂオン、及びグリオキシレイトとのトランスアミダーゼ-触媒反応等のようなイミドエステルとの反応により作製することもできる。メチオニン疑似体は、例えば、メチオニンスルホキシドを用いた反応により作製できる。プロリン疑似体は、例えば、ピペコリン酸、チアゾリジン、カルボン酸、3-あるいは4-ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3-又は4-メチルプロリン、あるいは3,3-ジメチルプロリン等を含む。ヒスチジン残基疑似体は、ヒスチジルと、例えば、ジエチルプロカーボネイト又はp-ブロモフェナシルブロミドを反応させることにより作製できる。他の疑似体は、例えば、プロリン及びリジンの水酸化;セリル又はスレオニル残基の水酸基のリン酸化;リジン、アルギニン及びヒスチジンのアルファー-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアシル化;主鎖アミド残基のメチル化又はN-メチルアミノ酸との置換;あるいはC-末端カルボキシル基のアミド化等が含まれる。
本発明のポリペプチドの残基、例えば、アミノ酸は、キラリティーが逆のアミノ酸(又はペプチド疑似体)により置き換えることもできる。従って、L-配座(それは、化学的実体の構造に依存してR又はSとも言及することもできる)で天然に存在する如何なるアミノ酸も、同じ化学構造的タイプのアミノ酸又はペプチド疑似体で置換することができるが、D-アミノ酸と呼ばれる逆のキラリティーのものも、また、R-又はS-型として言及することができる。
本発明は、本発明のポリペプチドを転写後修飾(例えば、リン酸化、アシル化等)のような天然のプロセス、あるいは化学的修飾技術により改変する方法及びその結果として生じる改変されたポリペプチドを提供する。改変は、ペプチドバックボーン、アミノ酸側鎖及びアミノ又はカルボキシ末端を含むポリペプチドのどの部分でも起こり得る。同じタイプの改変が、与えられたポリペプチド中の数ヵ所で同じ、あるいは異なった度合で存在するかもしれないことが理解されるであろう。与えられたポリペプチドは、また、多様な改変タイプを含んでもよい。改変は、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合的な付加、ヘム基の共有結合的付加、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合的付加、脂質又は脂質誘導体の共有結合的付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合的付加、クロスリンク環状化、ジスルフィド結合の形成、脱メチル化、共有結合クロスリンクの形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシレーション、GPIアンカーの形成、水酸化、ヨウ素化、メチル化、ミリストイル化、酸化、PEG化、タンパク分解的改変、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、及びアルギニル化のようなトランスファーRNAにより媒介されるアミノ酸のタンパクへの付加等が含まれる。例えば、Creighton, T.E.、Proteins-Structure and Molecular Properties 第二版、W.H. Freeman and Company、New York (1993);Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson、編集、Academic Press、New York、pp.1-12 (1983)を参照。
固相化学的ポリペプチド合成法は、本発明のポリペプチド又は断片の合成に用いることもできる。そのような方法は、1960年代初期からよく知られた技術(Merrifield, R. B., J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154, (1963)であり;Stewart, J. M. and Young, J. D., Solid Phase Peptide Synthesis、第二版、Pierce Chemical Co.、Rockford Ill.、pp.11-12も参照;又、商業的に入手可能な研究室レベルのペプチドデザイン及びキット(Cambridge Research Biochemicals)に利用されている。そのような商業的に入手可能な研究室キットは、一般的に H. M. Geysen 他、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、81:3998 (1984)の教えが利用され、一枚のプレートに全てが結合している多数の「ロッド」又は「ピン」の先端におけるペプチドの合成を提供する。そのようなシステムが使われる場合、ロッド及びピンのプレートが逆さにされ、ピン又はロッドの先端に適当なアミノ酸を付着又は繋留するための溶液が含まれる第二のプレートの対応するウェルへ挿入される。この処理を繰り返すことにより、即ち、そのロッド及びピンの先端を逆転し適当な溶液に挿入することを繰り返すことにより、適切なアミノ酸が望ましいペプチドに組み込まれる。更に、多数の入手可能なFMOCペプチド合成システムが利用できる。例えば、ポリペプチド又は断片の集合は、Applied Biosystem Inc. Model 431ATM自動ペプチド合成装置を使用して固相支持体上で行うことができる。そのような装置は、直接合成又は他の既知の技術を使用した一連の断片の合成のいずれかによる、本発明のペプチドへの容易なアクセスを提供する。
ホスホリパーゼ酵素
本発明は、新規ホスホリパーゼ酵素、それらをコードする核酸、それらに結合する抗体、酵素の抗原性部位(epitope)及び活性部位を表示するペプチド及びそれらの作製方法を提供する。一側面として、本発明のポリペプチドは、上述されているようにホスホリパーゼ活性(例えば、グリセロリン酸エステル結合の切断)を保持する。別の側面として、本発明のホスホリパーゼは、ここに記述されている典型的なホスホリパーゼの活性から改変された活性を有する。本発明は、シグナル配列を持つ又は持たないホスホリパーゼ及びシグナル配列それ自体を含む。本発明は、固定化されたホスホリパーゼ、抗ホスホリパーゼ抗体及びそれらの断片を含んでいる。本発明は、本発明のホスホリパーゼを含む、例えば、融合タンパク質、へテロ二量体等のようなヘテロ複合体を含んでいる。
ホスホリパーゼ酵素の抗原性部位(エピトープ)、結合部位、シグナル配列、及びその類を表示するペプチドの測定は、ルーチンのスクリーニング操作により行われることができる。
本発明の酵素は、非常に高い選択性を持つ触媒である。他の酵素と同じように、それらは、従来の合成化学とは対比できない絶妙な立体的-、位置的-、及び化学的-選択性を以て反応を触媒する。更に、本発明の酵素は、非常に多様である。それらは、有機溶剤、極端なpHの(例えば、高いpH及び低いpH)、極端な温度(例えば、高度及び低温)、極端な塩分のレベル(例えば、高塩及び低塩)において機能するように仕立てること、および、それらの天然の生理学的な基質とは構造的に無関係な化合物との反応を触媒するように仕立てることができる。本発明の酵素は、広範囲の天然及び非天然の基質に対して反応性を持つように設計することができ、それにより、事実上あらゆるリード有機化合物の改変を可能にする。本発明の酵素は、また、エナンチオ選択性及び位置選択性を持てるように設計することができる。それらの酵素によって示される高度の官能基特異性は、新規活性化合物に至る合成系列における各反応を追跡することを可能にする。本発明の酵素は、また、天然におけるそれらの生理学的な機能とは無関係な多くの多様な反応を触媒するように設計することができる。
本発明は、酵素の固有の触媒特性を利用するものである。しかしながら、化学的変換における生体触媒(即ち、精製酵素又は粗酵素、非生細胞又は生細胞)の使用は、通常、特定の出発化合物と反応する特定の生体触媒の同定を必要とする。本発明は、選択された生体触媒、即ち、本発明の酵素、及び多くの出発化合物に存在する官能基に特異的な反応条件を使用する。各生体触媒は、ある官能基、あるいはいくつかの関連官能基に対して特異的であり、その官能基を含む多くの出発化合物と反応できる。生体触媒反応は、単一の出発化合物から誘導体の集団を作り出す。これらの誘導体は、誘導体の第2の集団を作り出すためにもう一度生体触媒反応に付することができる。何千もの出発化合物の変種を、生体触媒による誘導化の各繰り返しにより作製することができる。
酵素は、出発化合物の特定部位で反応し、分子の残りの部分には何ら影響を及ぼすことがなく、それは、従来の化学方法を使用して達成が非常に難しい処理である。高度の生体触媒特異性は、ライブラリー中にただ一つの活性な酵素をも同定する手段を提供する。そのライブラリーは、いわゆる「生合成ヒストリー」を作製するために使用される一連の生体触媒反応により調べることができる。生物的活性をスクリーニングしたり、生合成ヒストリーを追跡することは、活性化合物を産生せる特異的反応の順序を同定する。反応順序は、繰り返され、合成された化合物の構造が調べられる。他の合成及びスクリーニングアプローチとは異なり、この同定様式は、固定化の技術を必要とせず、化合物は、合成され、事実上どのようなスクリーニングアッセイを使用した液相において調べられることができる。官能基に対する酵素反応の高度な特異性は、生体触媒的に作製されたライブラリーを補う特異的な酵素反応を「追跡把握すること」を可能にすることに注目することは重要である。
本発明は、また、本発明の核酸、ポリペプチド及び抗体を利用した、新しいホスホリパーゼを発見するための方法を提供する。一側面として、ラムダファージライブラリーは、発現を基にしたホスホリパーゼの発見のためにスクリーニングされる。スクリーニングにラムダファージライブラリーを使用することは、有毒なクローンの検出;基質へのアクセスが改良され;宿主をデザインする必要性が減り、ライブラリーの切り出しによるどのような偏りの可能性も避けられ;および、低いクローン密度でより速やかな増殖;を可能にする。ラムダファージライブラリーのスクリーニングは、液相又は固相のいずれにおいてでもよい。液相におけるスクリーニングは、アッセイ条件により大きい柔軟性を与える;付加的な基質の柔軟性;弱いクローンに対するより高い感受性;および、固相スクリーニングをしのぐオートメーションの容易さ。操作工程の多くは、何千もの生体触媒反応の実行及び一日当たりのスクリーニングアッセイのみならず高度の正確性及び再現性を確実にするロボットによるオートメーションを使用して行われる(以下のアレイに関する記述を参照)。その結果として、誘導体化合物のライブラリーは、およそ一週間以内で作製することができる。小分子を含む分子の改変に関する更なる教示は、PCT/US94/09174を参照。
ホスホリパーゼのシグナル配列及び触媒ドメイン
本発明は、ホスホリパーゼのシグナル配列(例えば、シグナルペプチド(SP))及び触媒ドメイン(CD)を提供する。本発明は、これらの触媒ドメイン(CD)及びシグナル配列(SP、例えば、本発明のポリペプチドのアミノ末端残基を含む及び/又はから成る配列を持つペプチド)をコードする核酸を提供する。一側面として、本発明は、本発明のポリペプチド、例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、 配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、配列番号:106、の残基1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜28、1〜30、1〜31、1〜32、又は1〜33として示される配列を含む及び/又はから成るペプチドを含むシグナル配列を提供する。
典型的なシグナル配列は、配列表に述べられており、例えば、 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6の残基1〜24;配列番号:8の 残基1〜29;配列番号:10の残基1〜20;配列番号:20の残基1〜19;配列番号:22の残基1〜28;配列番号:32の残基1〜20;配列番号:38の残基1〜23として示される配列であり、本発明の他の典型的なシグナル配列については配列表を参照。
本発明のホスホリパーゼシグナル配列は、単離ペプチド、あるいは他のホスホリパーゼ又は非ホスホリパーゼポリペプチドに結合した配列、例えば、融合タンパク質として、のどちらでもよい。一側面として、本発明は、本発明のホスホリパーゼシグナルを含むポリペプチドを提供する。一側面として、本発明のホスホリパーゼシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明のホスホリパーゼに異種の配列を含む(例えば、本発明のホスホリパーゼシグナル配列及び他のホスホリパーゼ又は非ホスホリパーゼタンパク質に由来する配列を含む融合タンパク質)。一側面として、本発明は、異種シグナル配列、例えば、酵母シグナル配列を持つ配列を持つ本発明のホスホリパーゼに与える。本発明のホスホリパーゼは、異種シグナル配列、例えば、pPICシリーズのベクター(インビトロジェン、Carlsbad、CA)を含めることができる。
一側面として、本発明のシグナル配列は、新規ホスホリパーゼポリペプチドの同定に続いて同定される。タンパク質が選別されて適切な細胞部位に輸送される経路は、しばしばタンパク質の標的化経路として言及される。これらの標的化システムの全てにおいて重要な要素の一つは、シグナル配列と呼ばれる新規に合成されたポリペプチドのアミノ末端に存在する短いアミノ酸配列である。このシグナル配列は、細胞の適切な部位にタンパク質を導き、輸送の間又はタンパク質が最終目的地に達すると取り除かれる。ほとんどのリソゾーム性、膜性、あるいは分泌性タンパク質は、細胞質網状質の内腔への輸送のためのそれらをマークするアミノ末端シグバル配列を持つ。このグループに入る100種以上のシグナル配列が調べられている。シグナル配列は、その長さにおいて、13〜36アミノ酸残基の間で異なり得る。シグナル配列を認知する種々の方法は、その技術に熟練した者にはよく知られている。例えば、一側面として、新規ホスホリパーゼシグナルペプチドは、SignalPと言して言及される方法によって同定される。SignalPは、シグナルペプチド及び開裂の部位の両方を確認する統合結合ニューラルネットワークを使用する(Nielsen等、”Identification of prokaryotic and eukaryotic signal peptides and production of their cleavage sites.” Protein Engineering, 10 (1) 1-6 (1997))。
ある例において、本発明のホスホリパーゼがシグナル配列を持たなくてもよいことは理解されるべきである。一側面として、本発明は、シグナル配列の全体又は一部を欠いている発明のホスホリパーゼを提供する。一側面として、本発明は、他のホスホリパーゼの核酸配列に動作可能に結合したあるホスホリパーゼに由来するシグナル配列、あるいは任意に好ましいかもしれない非ホスホリパーゼ由来のシグナル配列をコードする核酸配列を提供する。
本発明は、また、本発明のシグナル配列(SP)及び触媒ドメイン(CD)及び異種配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。異種配列とは、天然ではSPやCDと結合していない(例えば、ホスホリパーゼに)配列である。天然において、SPやCDと結合していない配列がSP及び/又はCDのアミノ末端、カルボキシ末端、及び/又はSPやCDの両末端にあってもよい。一側面として、本発明は、天然において結合している如何なる配列(例えば、ホスホリパーゼ配列)とも結合していない、本発明のシグナル配列(SP)及び/又は触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(から成る)単離又は組換えポリペプチドを提供する。同様に、一側面として、本発明は、これらのポリペプチドをコードする単離又は組換え核酸を提供する。従って、一側面として、本発明の単離又は組換え核酸は、本発明のシグナル配列(SP)及び/又は触媒ドメイン(CD)及び異種配列(即ち、天然ではシグナル配列(SP)及び/又は触媒ドメイン(CD)とは結合していない配列)のための配列をコードする配列を含む。異種配列は、SP及び/又はCDがコードする配列の3'末端、5'末端、及び/又は両末端にあってもよい。
ホスホリパーゼ活性のアッセイ
本発明は、ホスホリパーゼ活性を有する単離又は組換えポリペプチド及びそれらをコードする核酸を提供する。ポリペプチドがホスホリパーゼ活性を持ち、本発明の範囲内である場合、その技術において多く知られるホスホリパーゼ活性アッセイのどれを利用して測定してもよい。ホスホリパーゼA、B、D及びC、パタチン及び脂質アシルヒドロラーゼ活性を測定するための常例的操作は、その技術においてよく知られている。
例示的な活性測定法は、濁度アッセイ、メチルウンベリフェリルホスホコリン(蛍光)アッセイ、Amplex red(蛍光)ホスホリパーゼアッセイ、薄層クロマトグラフィー(TLC)アッセイ、細胞融解アッセイ及びp-ニトロフェニルホスホリルコリンアッセイを含む。これらのアッセイを利用して、ポリペプチドは、ホスホリパーゼ活性について迅速にスクリーンすることができる。
ホスホリパーゼ活性は、脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)活性を含む。パタチンの脂質アシルヒドロラーゼ活性を測定するためのオクタエチレングルコールモノデシルエーテルを基にした混合ミセルアッセイについて述べているJimenez (2001) Lipids 36:1169-1174、例示的な脂質アシルヒドロラーゼ(LAH)パタチン活性について述べたPinsirodom (2000) J. Agric. Food Chem. 48:155-160を参照。
ホスホリパーゼ活性を測定するための濁度アッセイは、例えば、Kauffmann (2001) “Conversion of Bacillus thermocatenulatus lipase into an efficient phospholipase with increased activity towards long-chain fatty acyl substrates by directed evolution and rational design,” Protein Engineering 14:919-928;Ibrahim (1995) “Evidence implicating phospholipase as a virulence factor of Candida albicans,” Infect. Immun. 63:1993-1998に述べられている。
ホスホリパーゼ活性を測定するためのメチルウンベリフェリル ホスホコリン(蛍光)アッセイは、例えば、Goode (1997) “Evidence for cell surface and internal phospholipase activity in ascidian eggs,” Develop. Growth Differ. 39:655-660; Diaz (1999) “Direct fluorescence-based lipase activity assay,” BioTechniques 27:696-700に述べられている。
ホスホリパーゼ活性を測定するためのAmplex red(蛍光)ホスホリパーゼアッセイは、例えば、Molecular Probes社(Eugene、オレゴン)製のAmplex red(蛍光)ホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼアッセイキットを利用したホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼ活性の検出のような、製造者の手引き書に従ったキットとして入手が可能である。その蛍光は、560 ± 10 nmの励起及び590 ± 10 nmでの蛍光検出の蛍光ミクロプレートリーダーを利用して測定される。そのアッセイは、非常に低い酵素濃度で感受性がある。
ホスホリパーゼ活性を測定するための薄層クロマトグラフィー(TLC)アッセイは、例えば、Reynolds (1991) Methods in Enzymol. 197:3-13;Taguchi (1975) “Phospholipase from Clostridium novyi type A.I,” Biochim. Biophys. Acta 409:75-85に述べられている。薄層クロマトグラフィー(TLC)アッセイは、ホスホリパーゼ活性の検出のために広く使用されている技術である。この方法に関する様々な改変法が、水溶性アッセイ混合物からリン脂質を抽出するために使用されている。いくつかのPLCアッセイにおいて、その加水分解は、クロロホルム/メタノール(2:1)を加えることにより停止される。主産物が水相に留まる一方、未反応の出発物質及びジアシルグリセロールは有機相に抽出され、TLCにより分画することができる。リン脂質消化物のより正確な測定のために、放射標識基質が使用される(例えば、Reynolds (1991) Methods in Enzymol. 197:3-13を参照)。産物及び反応体の比率は、単位時間あたりの加水分解された基質の実際のモル数を計算するために使用することができる。全ての組成が均等に抽出されるならば、抽出におけるどのような損失も全組成に均一な影響を及ぼすであろう。リン脂質消化産物の分離は、クロロホルム/メタノール/水(65:25:4)を溶媒系に用いたシリカゲルTLCによって達成することができる(例えば、Taguchi (1975) Biochim. Biophys. Acta 409:75-85を参照)。
ホスホリパーゼ活性を測定するためのp-ニトロフェニルホスホリルコリンアッセイは、例えば、Korbsrisate (1999) “Cloning and characterization of a nonhemolytic phospholipase gene from Burkholderia pseudomallei,” J. Clin. Microbiol. 37:3742-3745;Berka (1981) “Studies of phospholipase (heat labile hemolysin) in Pseudomonas aeroginosa,” Infect. Immun. 34:1071-1074に述べられている。その定量法は、基質類似体のp-ニトロフェニルホスホリルコリンの酵素的な加水分解により、405 nmで検出可能な黄色の発色化合物p-ニトロフェノールを遊離することに基づいている。この基質は、ハイスループットスクリーニングに便利である。細胞融解アッセイは、赤血球の融解に基づく細胞融解活性を利用してホスホリパーゼ活性を検出できる。有毒なホスホリパーゼは、赤血球の細胞膜と相互作用し、ホスファチジルコリン及びスフィンゴミエリンを加水分解し、細胞を融解することができる。例えば、Titball (1993) Microbiol. Rev., 57:347-366を参照。
ハイブリッド(キメラ)ホスホリパーゼアッセイおよびペプチドライブラリー
一側面として、本発明は、ハイブリッドホスホリパーゼ及びペプチドライブラリーを含む、本発明の配列を含む融合タンパク質を提供する。本発明のペプチドライブラリーは、ターゲット、ホスホリパーゼの基質、受容体、酵素のような標的のペプチド調節因子(例えば、活性化因子又は抑制因子)を単離するために使用することができる。本発明のペプチドライブラリーは、リガンドのような標的の正規の結合パートナー、例えば、サイトカイン、ホルモンその他を同定するために使用することができる。一側面として、本発明は、本発明のシグナル配列(SP)及び/又は触媒ドメイン及び異種配列(上記参照)を含むキメラタンパク質を提供する。
本発明は、また、本発明の核酸及びポリペプチドを使用して「改良された」かつハイブリッドホスホリパーゼを作製するための方法を提供する。例えば、本発明は、極端なアルカリpH及び/又は酸性pH、高温及び低温、浸透条件及びその類において、活性、例えば、ホスホリパーゼ(例えば、ホスホリパーゼA、B、C又はD活性、エステラーゼ活性、パタチンの活動、植物油中のリン脂質におけるグリセロリン酸エステルの切断)、を持つ酵素を作製するための方法を提供する。
一側面として、本発明の方法は、結果として生じるハイブリッドポリヌクレオチドが最初の生物学的に活性なポリペプチドに由来する活性を示すポリペプチドをコードするように、第一のポリヌクレオチド配列を統合させる細胞プロセスを利用して新規ハイブリッドポリペプチドを産生する。例えば、第一のポリヌクレオチドは、本発明の典型的なホスホリパーゼ(例えば、配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8等)をコードした典型的な核酸配列(例えば、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7等)でもよい。第一の核酸は、例えば、高塩分のような特別な環境条件の下で効果的に機能する生物体に由来する酵素をコードできる。それは、極端に高温のような異なる環境条件において効果的に機能する異なる生物体に由来する第二のポリヌクレオチドによりコードされた酵素を利用して「統合される」ことができる。例えば、二種の核酸が、例えば、組換え及び/又は還元再構成によってハイブリッド分子を作製することができる場合、第一の及び第二のポリヌクレオチドに由来する配列を含むハイブリッドポリヌクレオチドは、それら元のポリヌクレオチドによりコードされた両酵素の特性を表示する酵素をコードするかもしれない。従って、ハイブリッドポリヌクレオチドによりコードされた酵素は、第一及び第二のポリヌクレオチドによりコードされた各酵素により共有される環境条件、例えば、高塩及び極端な温度、において効果的に機能するかもしれない。
あるいは、本発明の方法により生じるハイブリッドポリペプチドは、元の酵素に示されていない特別な酵素活性を示すかもしれない。ホスホリパーゼ活性をコードするポリヌクレオチドの組換え及び/又は還元再構成に続き、結果として生じるハイブリッドポリヌクレオチドにコードされたポリペプチドは、元の各酵素から得られる特別な活性、即ち、ホスホリパーゼが作用する結合のタイプ及びホスホリパーゼが機能する温度についてスクリーニングすることができる。従って、例えば、そのホスホリパーゼは、元のホスホリパーゼとハイブリッドホスホリパーゼを区別する、以下のような化学的機能性を確かめるためにスクリーニングすることができる:(a) アミド(ペプチド結合)、即ち、ホスホリパーゼ;(b) エステル結合、即ち、アミラーゼ及びリパーゼ;(c) アセタール、即ち、グリコシダーゼ及び、例えば、ハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pH又は塩濃度。本発明の核酸と「統合される」ポリヌクレオチドの供給源は、個々の生物体(「単離体」)、定義された培地で増殖させた生物体のコレクション(「富化培養」)、あるいは非培養生物体(「環境サンプル」)から単離することができる。環境サンプルから新規生物活性をコードするポリヌクレオチドを引き出すための培養非依存的アプローチの使用は、生物の多様性という未開発資源にアクセスすることが可能になることから最も好ましい。「環境ライブラリー」は、環境サンプルから作製され、適切な原核細胞宿主において増殖ができるクローニングベクターに保存された、天然に存在する生物体の集合的なゲノムを表示する。クローン化されたDNAは、初めに、環境サンプルから直接抽出されるため、そのライブラリーは、純粋培養が可能な少数の原核生物に限られない。その上、これらのサンプルに存在する環境DNAの標準化は、初期のサンプルに存在する全ての種に由来するDNAのより均一な再表示を可能にする。これは、支配的な種と比較されると複数桁も低表示されているかもしれない、サンプル中のマイナーな要素から興味対象の遺伝子を見つける効率を劇的に高めることができる。
例えば、一種以上の非培養微生物から作製した遺伝子ライブラリーが興味対象の活性についてスクリーニングされる。興味対象の生物活性分子をコードする潜在的な経路は、最初に、遺伝子発現ライブラリーの形で原核細胞において捕捉される。興味対象の活性をコードするポリヌクレオチドは、そのようなライブラリーから単離され、宿主に導入される。この宿主細胞を、新規又は促進された活性を有する潜在的に活性な生物分子を作り出す組換え及び又は還元再構成タンパク質の発現を促進する条件において増殖させる。
ハイブリッドポリヌクレオチドを調製し得る微生物は、真正細菌(Eubacteria)及び古細菌(Archaebacteria)のような原核微生物、及びカビ、いくつかの藻類及び原生動物のような下等真核微生物を含む。ポリヌクレオチドは、環境のサンプルから単離することもできる。核酸は、微生物を培養することなく回収しても、一種以上の培養微生物から回収してもよい。一側面として、そのような微生物は、好高温性、好寒冷性、好ハロゲン塩性、好圧性及び好酸性のような、極限条件を好むものであってもよい。一側面として、そのような好極限環境微生物から単離されたホスホリパーゼ酵素をコードするポリヌクレオチドをハイブリッド酵素の作製のために使用することができる。そのような酵素は、例えば、地熱泉及び深海熱通気孔における100 ℃以上の温度、北極の水における0 ℃以下の温度、死海のような飽和塩環境、石炭鉱床及び地熱性高硫泉におけるpHが0付近のpH、又は下水汚泥における11以上のpHで機能するかもしれない。例えば、好極限微生物からクローン化され、発現されたホスホリパーゼは、温度及びpHの広範囲にわたり、高い活性を示し得る。
本発明の核酸を少なくとも一種含む、本明細書に記述されているような選別および単離されたポリヌクレオチドは、適切な宿主細胞に導入される。適切な宿主細胞は、組み変えや還元再構成を促進することができるどのような細胞でもよい。選別されたポリヌクレオチドは、適切な制御配列を含むベクター中にあってよい。宿主細胞は、哺乳動物のような高等真核細胞でもよく、又は酵母のようなより下等な真核細胞でもよく、あるいは、好ましくは、細菌細胞のような原核細胞であってもよい。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストランによるトランスフェクション、又はエレクトロポレーション(Davis他、1986)によってもたらすことができる。
適切な宿主の代表的な例として、以下に言及することが出来る: E. coli、Streptomyces、 Salmonella typhimurium のような細菌細胞;酵母のような真菌細胞; Drosophila S2及びSpodoptera Sf9のような昆虫細胞; CHO、COS、あるいはBowesメラノーマのような動物細胞;アデノウイルス;及び植物細胞。組換え及び又は還元再構成、あるいは単に組換えタンパク質の発現のために適切な宿主細胞を選択することは、本明細書に教示された事項から、当業者の範囲内にあるものと考えられる。組換え及び又は還元再構成、あるいは単に組換えタンパク質の発現のために使用することのできる哺乳類細胞培養系は、例えば、”SV40-transformed simian cells support the replication of early SV40 mutants” (Gluzman, 1981)に述べられている、サル腎臓繊維芽細胞のCOS-7細胞株、C127、3T3、CHO、HeLa及びBHK細胞が含まれる。哺乳類発現ベクターは、複製起点、好ましいプロモーター及びエンハンサー、及び必要なリボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライシングドナー及びアクセプター部位、転写終結配列、及び5'非転写配列を含み得る。SV40スプライス由来のDNA配列やポリアデニル化部位は、必要な非転写領域エレメントを提供するために使用することができる。
興味対象のポリヌクレオチドを含む宿主細胞(組換え及び又は還元再構成、あるいは単に組換えタンパク質の発現のための)は、プロモーターの活性化、形質転換細胞の選択又は遺伝子の増幅に適切なように改変された従来の栄養培地で培養することができる。温度、pH及びその類のような培養条件は、発現のために選択された宿主細胞に以前使われた条件であり、普通の熟練した研究者には明らかなことである。特別な酵素活性を有するものとして同定されたクローンは、次に、その増加した活性を有する酵素をコードするポリヌクレオチド配列を同定するために配列決定される。
他の例として、本発明の核酸及び方法は、生化学的経路、例えば、一つ以上のオペロン又は遺伝子クラスター又はそれらの一部分、のための新規ポリヌクレオチドを作製するために使用することができる。例えば、細菌や多くの真核生物は、その産物が関連プロセスに関与する遺伝子を制御するための調節機構を有している。その遺伝子は、単一の染色体上に「遺伝子クラスター」と呼ばれる構造でクラスター形成しており、クラスター全体の遺伝子の転写を開始する一つのプロモーターを含む単一の調節配列の制御下で連動して転写される。遺伝子クラスターDNAは、異なった生物体から単離し、特に、検出可能なタンパク質の産生又は結合された遺伝子クラスターに由来するタンパク質関連アレイ活性を調節制御できる発現調節配列を含むベクターと結合させることができる。外来遺伝子導入に対して非常に大きな許容容量を持つベクターを使用することは、そのような遺伝子クラスターを利用するために特に適切であり、例示としてE.coliのf-因子(稔性因子)が本明細書に記述されている。大腸菌のf-ファクターは、接合中に起こるそれ自体の高頻度移入に影響するプラスミドであり、混合微生物サンプルに由来する遺伝子クラスターのような大きなDNA断片を安定に増やすために理想的である。「フォスミド」、コスミド又は細菌人工染色体(BAC)は、クローニングベクターとして使用することができる。これらは、大きなゲノムDNAセグメンドを安定に組み込ませることのできる大腸菌f‐ファクターに由来する。混合非培養環境サンプルに由来するDNAを取り込ませると、それは、安定な「環境遺伝子ライブラリー」として大きなゲノム断片を達成することを可能にする。コスミドベクターは、最初は、ゲノムDNAの大きなセグメントをクローン化したり、増やすために設計された。コスミドベクターへのクローン化は、Sambrook等のMolecular Cloning:A Laboratory Manual第二版 (1989)に詳細に述べられている。一旦、適切なベクターに結合されると、異なるポリケチド合成酵素遺伝子クラスターを含む二種以上のベクターが適切な宿主細胞へ導入することができる。その遺伝子クラスターによって共有される部分的に相同な配列の領域は、ハイブリッド遺伝子クラスターを生ずる配列再構成を起こす過程を促進するであろう。新規ハイブリッド遺伝子クラスターは、次に、元の遺伝子クラスターには見られない促進された活性をスクリーニングすることができる。
従って、一側面として、本発明は、本発明の核酸を使用して生物学的に活性なハイブリッドポリペプチドの作製、及びある活性(例えば、促進された活性)に関してそのポリペプチドをスクリーニングする以下の方法を提供する:(1) 少なくとも動作可能に結合された第一のポリヌクレオチド(例えば、本発明の核酸)及び動作可能に結合された第二のポリヌクレオチドを好ましい宿主細胞へ導入する。前記第一及び第二のポリヌクレオチドは、部分的に相同な配列の領域を共有している;(2) 宿主細胞を、機能可能に結合された動作可能なハイブリッドポリヌクレオチドを生じさせる配列再構成を促進する条件下で生育させる;(3)前記ハイブリッドポリヌクレオチドにコードされたハイブリッドポリペプチドを発現させる;(4) 前記ハイブリッドポリペプチドを、望ましい生物活性(例えば、上昇されたホスホリパーゼ活性)の同定を促進する条件下でスクリーニングする;および、(5) 前記ハイブリッドポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離する。
様々な酵素活性のためのスクリーニング法は、当業者にはよく知られ、本明細書全体に述べられる。そのような方法は、本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドを単離する際に利用することができる。
インビボ再構成は、総称的に「組換え」と称される「分子間」過程に焦点を絞ることができる。それは、細菌内では、一般に「RecA依存」現象として見られる。本発明は、配列を組換え及び再構成するための宿主細胞の組換え方法又は欠失により細胞の準反復配列の複雑度を低下する還元方法を媒介する細胞の能力に依存することができる。この「還元再構成(reductive reassortment)」の方法は、「分子内」RecA依存性過程により起こる。従って、本発明の別例として、新規ポリヌクレオチドを、本発明の核酸を使用して、還元再構成処理により作製することができる。この方法は、連続配列(本来のコード配列)を含む構築物の作製、それらの適切なベクターへの挿入、及びその後の適切な宿主細胞への導入に関わる。個々の分子の再構成は、相同領域を有する構築物中の連続配列間、又は準反復ユニット間における組み合わせ法により起こる。再構成方法は、反復配列の複雑度及び程度を組換え及び/又は減少させ、新規分子種の作製をもたらす。
再構成の割合を増加させるために様々な処理を適用することができる。これらは、紫外線処理、あるいはDNAを損傷する化学物質、及び/又は「遺伝的不安定性」が促進されたレベルを表示する宿主細胞系の使用を含むことができる。従って、この再構成方法は、相同的組換え又はそれら自身の進化を促す準反復配列の天然特性に関する。
反復配列又は「準反復」配列は、遺伝的不安定性において役割を果たす。「準反復」とは、それらの本来のユニット構造に対して制限されない反復である。準反復ユニットは、構築物の配列アレイ;類似した配列の連続ユニット、として提示され得る。一旦ライゲーションされると、連続配列間の接合は、本質的に不可視となり、得られる構築物の準反復性の性質は分子レベルで持続していることになる。生じた構築物の複雑度を低下させるこの欠失過程がこの準反復配列間で働く。準反復ユニットは、ズレが生じ得るような実施上の制限のない鋳型レパートリーを提供する。従って、準反復物を含む構築物は、準反復ユニット内で欠失(又、挿入可能性もある)が実際に生じ得る十分な分子的柔軟性を効果的に提供する。準反復配列が同じ方向、例えば、頭から尾又はその逆にライゲーションされる場合、この細胞は個々のユニットを識別することはできない。結果的に、この還元プロセスは、その配列全体に起こり得る。対照的に、例えば、これらのユニットが、頭から尾ではなく頭から頭へ提示される場合、この逆転は、欠失の形成が個別のユニットの欠損に有利となるように隣接ユニットのエンドポイントを描写する。従って、本発明の一側面として、再構成される配列は、同じ方向にある。準反復配列の無作為な方向は、再構成の効率の低下を招く一方、これらの配列の一貫した方向性は、その高い効率を与える。しかしながら、同じ方向の連続配列が減ることはその効率を低下させる一方、まだ新規分子の効果的回収に十分な柔軟性を提供するかもしれない。構築物は、より高い効率をもたらすように、同じ方向の準反復配列を有するように作製することができる。
配列は、下記を含む様々な方法のどれを用いても、頭から尾の方向にアッセンブルさせることができる:a) 一本鎖で作成された場合に方向を提供するような、ポリAヘッド及びポリTテイルを含むプライマーを利用することができる。これは、プライマーの最初の数塩基をRNAから作成し、その結果容易にRNaseHで除去されるようにすることで達成される。b) 唯一の制限酵素部位を含むプライマーを利用することができる。複数の部位、一連の固有の配列、および反復合成及びライゲーション工程が必要であろう。c) プライマー内部の数塩基は、チオール化することができ、更に、適切にテイルを施された分子を作製するためにエキソヌクレアーゼを使用することができる。
再アッセンブルされた配列の回収は、ある低下した反復指数(RI)を持つクローニングベクターの同定に依存している。再構成されたコード配列は、次に、増幅により回収することができる。これらの産物は、再クローニングされ、発現される。低下RIを持つクローニングベクターの回収は、下記により影響されうる:1)その構築物の複雑度が低下した場合にのみ安定して維持されるベクターの使用、2) 物理的手順による、短かくなったベクターの物理的回収。この場合、クローニングベクターは、標準的なプラスミド単離法及びアガロースゲル又は低分子量カットオフのカラムのいずれかを利用したサイズ分画により回収される。3) 挿入サイズが減少した場合に選抜され得る、中断された遺伝子を含むベクターの回収。4) 発現ベクター及び適切な選抜法を利用した直接的な選抜技術の使用。
関連生物に由来するコード配列(例えば、遺伝子)は、高度の相同性を示し、かつ極めて多様なタンパク質産物をコードするかもしれない。これらの配列のタイプは、準反復物として本発明において特に有用である。しかしながら、この方法は、このようなほぼ同じ反復に限定されるものではない。
以下は、本発明の例示的な方法である。核酸コード配列(準反復物)は、本発明の核酸を含む三つの種に由来する。各配列は、本発明の酵素を含む、個別の特性を持つタンパク質をコードしている。各配列は、配列内の独自の位置において一又は数塩基対が異なっている。その準反復配列は、全ての可能な順列及び組合わせがライゲーションされた分子集団においてできるように、個別に又は集合的に増幅され、かつ無作為集合体へとライゲーションされる。準反復ユニットの数は、集合条件により制御することができる。構築物内の準反復ユニットの平均数は、反復指数(RI)として定義される。一旦、構築物が形成されると、その構築物は、公知の操作に従ったアガロースゲルによるサイズ分画をする、またはせずに、クローニングベクターへ挿入されたり、適切な宿主細胞へトランスフェクションすることができる。その細胞は、次に、増殖され、「還元再構成」が実施される。望ましいならば、還元再構成過程の割合は、DNA損傷の導入により促進され得る。RIの減少が、「分子内」機構による反復配列間の削除形成により媒介されるか、もしくは「分子間」機構による組換え様の現象により媒介されるものかは重要ではない。最終結果は、全ての可能な組み合わせへ分子を再構成させることである。一側面として、その方法は、例えば、タンパク質受容体、オリゴ糖、ビリオン、あるいは他の予め定められた化合物又は構造体のような予め定められた巨大分子と、結合さもなければ相互作用する能力、あるいはそれと特別な反応を触媒(例えば、酵素の触媒ドメイン)する能力、を持つシャッフルされたライブラリーメンバーの個々を同定ために、シャッフルされた集団のライブラリーメンバーをスクリーニングする追加段階を含む。そのようなライブラリーから同定されるポリペプチド、例えば、ホスホリパーゼは、例えば、この中に述べられる工業的プロセスのような種々の用途、及び/又はもう一回又はそれ以上の追加的なシャッフリング及び/又は選択のサイクルを施すことができる。
別例として、組換え又は再構成の操作前又はその間に、本発明の方法により作製されたポリヌクレオチドが、初期ポリヌクレオチドへの変異の導入を促進する操作又は処理に付与されることが構想される。そのような変異の導入は、得られるハイブリッドポリヌクレオチド及びそれらによりコードされたポリペプチドの多様性を増大させるであろう。変異を促進する操作又は処理は、以下を含むことができるが、これらに限定されるものではない:(+)-CC-1065、あるいは(+)-CC-1065-(N3-アデニン)のような合成アナログ(Sun及びHurley、1992を参照);DNA合成を阻害することが可能な N-アセチル化又は脱アセチル化された4'-フルオロ-4-アミノビフェニル付加物(例えば、van de Poll等、1992を参照);又は、DNA合成を阻害することが可能なN-アセチル化又は脱アセチル化された4-アミノビフェニル付加物(同じくvan de Poll等、1992、pp.751-758参照);DNA複製を阻害することが可能な三価クロム、三価クロム塩、多環式芳香族炭化水素(「PAH」)DNA付加物、例えば7-ブロモメチル-ベンズ[α]アントラセン(「BMA」)、リン酸トリス(2,3-ジブロモプロピル)(「Tris-BP」)、1,2-ジブロモ-3-クロロプロパン(「DBCP」)、2-ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[α]ピラン-7,8-ジヒドロジオール-9-10-エポキシド(「BPDE」)、ハロゲン化プラチナ(II)塩、N-ヒドロキシ-2-アミノ-3-メチルイミダゾ-[4,5-f]-キノリン(「N-ヒドロキシ-IQ」)、及びN-ヒドロキシ-2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5f]-ピリジン(「N-ヒドロキシ-PhIP」)。PCR増幅を遅延又は停止する特に好ましい手段は、UV光(+)-CC-1065及び(+)-CC-1065-(N3-アデニン)を含む。特に包含される手段は、DNA付加物又はそのポリヌクレオチドもしくはポリヌクレオチド集団に由来したDNA付加物を含有するポリヌクレオチドであり、これは、更にプロセッシングされる前に、そのポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することを含む方法により放出又は除去することができる。
スクリーニングの方法論と「オンライン」モニタリング装置
本発明の方法の実施に際し、例えば、ポリぺプチドについてホスホリパーゼ活性をスクリーニングするため、活性の潜在的モジュレーター(例えば、酵素活性の増強又は阻害)としての化合物をスクリーニングするため、本発明のポリペプチドに結合する抗体のスクリーニングのため、本発明の核酸にハイブリダイズする核酸のスクリーニングために、種々の装置と方法を本発明のポリぺプチドや核酸と組み合わせて使用することができる。
固定化酵素固体支持体
ホスホリパーゼ酵素、その断片、その酵素および断片をコードしている核酸は、固相支持体に付けることができる。これは、工業的工程でのホスホリパーゼの使用にしばしば経済的かつ効率的である。例えば、個々の化学反応に用いられるホスホリパーゼ酵素(又はその活性断片)のコンソーシアム又は反応混液は、固相支持体に結合させることができ、プロセスバットへ浸漬させることができる。酵素反応が起こり得る。次に、固相支持体をそれに固定化した酵素とともに反復使用のためにバットから取り出すこともできる。本発明の一態様として、固相支持体は、ゲル、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極及びそれらの組合せの中から選ばれる。
例えば、本発明に用いられる固相支持体にはゲルが含まれる。ゲルの一部の例には、セファロース、ゼラチン、グルタルアルデヒド、キトサン処理グルタルアルデヒド、アルブミン-グルタルアルデヒド、キトサン-キサンタン、トヨパールゲル(ポリマーゲル)、アルギン酸塩、アルギン酸-ポリリシン、カラゲナン、アガロース、グリオキシルアガロース、磁気アガロース、デキストラン-アガロース、ポリ(カルバモイルスルホン酸)ヒドロゲル、BSA-PEG(ポリエチレングリコール)ヒドロゲル、リン酸化ポリビニルアルコール(PVA)、モノアミノエチル-N-アミノエチル(MANA)、アミノ、又はそれらのいずれかの組合わせが挙げられる。
本発明に用いられる他の固相支持体は、樹脂又はポリマーである。樹脂又はポリマーの一部の例には、セルロース、アクリルアミド、ナイロン、レーヨン、ポリエステル、アニオン交換樹脂、AMBERLITETM XAD-7、AMBERLITETM XAD-8、MBERLITETM IRA-94、AMBERLITETM IRC-50、ポリビニル、ポリアクリル、ポリメタクリレート、又はそれらの組合わせが挙げられる。本発明に用いられる他のタイプの固相支持体にセラミックがある。一部の例には、非多孔質セラミック、多孔質セラミック、SiO2、Al2O3がある。本発明に用いられる他のタイプの固相支持体は、ガラスである。一部の例には、非多孔質ガラス、多孔質ガラス、アミノプロピルガラス又はそれらの組合わせが含まれる。使用し得る固相支持体の他のタイプに微小電極がある。一例に、ポリエチレンイミン被覆マグネタイトもある。固相支持体としてグラファイト粒子を使用してもよい。
固相支持体の他の例は、赤血球のような細胞である。
固定化方法
酵素、その断片、又は核酸を固相支持体に固定化するための、当業者に知られた多くの方法がある。そのような方法の一部の例に、例えば、静電的小滴生成、電気化学的手段、吸着、共有結合、架橋、化学反応又はプロセス、封入、エントラップメント、アルギン酸カルシウム、又はポリ(2-ヒドロキシエチルメタクリレート)等によるものが挙げられる。同様の方法がMethods in Enzymology, Immobilized Enzymes and Cells, Part C. 1987. Academic Press. Edit. S. P. Colowick and N. O. Kaplan. Volume 136; Immobilization of Enzymes and Cells. 1997. Humana Press. Edit. G. F. Bickerstaff. Series: Methods in Biotechnology, Edit. J. M. Walkerに記載されている。
キャピラリーアレイ
GigaMatrixTM(ギガマトリックスTM)、Diversa Corporation、CA USA、のようなキャピラリーアレイが、本発明の方法には利用される。本発明の核酸やポリペプチドは、キャピラリーアレ-を含むアレイに固定化されるか、又はそれらに添加することができる。アレイは、本発明の核酸やポリペプチドに結合したりそれらの活性を改変する活性について、組成物(例えば、小分子、抗体、核酸等)のライブラリーに対してスクリーニング又はモニターするために利用することができる。キャピラリーアレイは、スクリーニング試料を保持するためのシステムをも提供する。例えば、サンプルスクリーニング装置は、隣接したキャピラリーアレイ中に形成される多数のキャピラリーを含むことができ、各キャピラリーは、試料を保持する管腔を形成する少なくとも一つの壁を含んでいる。この装置は、更に、アレイ中の隣接したキャピラリーを整列させるための間質材を含むことができ、その間質材の間に一つ、あるいはそれ以上の参照標識が形成されていてよい。試料をスクリーニングするためのキャピラリーは、キャピラリーアレイ中に固定させるように適合され、試料を保持するための管腔を隔てる第一の壁、更に、試料を励起させるために管腔に与えられる励起光を透過させるためのフィルター材を持つ第二の壁を含むことができる。
ポリペプチド又は核酸、例えば、リガンドは、キャピラリーアレイ中における少なくとも一部のキャピラリーに第一の成分として導入すことができる。キャピラリーアレイの各々のキャピラリーは、この第一の成分を保持するための管腔を隔てる少なくとも一つの壁を持つ。キャピラリー中には、第一の成分の後に空気泡を導入することができる。第二の試料がキャピラリーへ導入され、ここで第二の試料は、空気泡により第一の試料から分離することができる。関心対象の試料は、検出可能な粒子で標識された第一液としてキャピラリーアレイ中の一つのキャピラリーに導入され、キャピラリーアレイ中の各々のキャピラリーは、第一液と検出可能粒子を保持するための管腔で仕切られた少なくとも一つの壁を形成しており、そこでは、少なくとも一つの壁が検出可能粒子を結合させるための結合材料で覆われている。本法は、更に、結合した検出可能粒子が保持されているキャピラリーからの第一液を除去すること及びそのキャピラリーに第二液を導入することを含んでいる。
キャピラリーアレイは管腔を隔てる少なくとも一つの外壁を持つ個々のキャピラリーを含み得る。キャピラリーの外壁は、互いに結合した一つ以上の壁を持つ。同様に、その壁は、それが液体や試料を保持する管腔を形成する限り、円筒形、四角、六角形やその他の幾何学的形態の管腔を規定することができる。キャピラリーアレイ中のキャピラリーは、平面構造を形成するように近接して、互いに支えあっている。キャピラリーは、融合(この例では、キャピラリーはガラス製)、接着剤、粘結剤、あるいは固定具などにより互いに結着させることができる。キャピラリーアレイは、如何なる数のキャピラリーからでも形成できる(例えば、100〜4,000,000のキャピラリー)。キャピラリーアレイは、約100,000又はそれ以上の互いに結着したキャピラリーを持つマイクロタイタープレートを形成できる。
アレイ、あるいは「バイオチップ」
本発明の核酸又はポリペプチドは、アレイに固定化すること、又はそれらに塗布することが出来る。アレイは、本発明の核酸又はポリペプチドに結合する又はそれらの活性を調節する能力について、組成物(例えば、小分子、抗体、核酸等)のライブラリーをスクリーニング又はモニターするために利用することができる。例えば、本発明の一側面として、モニターされるパラメーターは、ホスホリパーゼ遺伝子の転写物発現である。ある細胞の一種以上又は全転写物を測定することは、その細胞の転写物を含む試料のハイブリダイゼーションにより可能であり、ある細胞の転写物を表す核酸又はそれに相補的な核酸は、アレイ、あるいは「バイオチップ」上に固定化された核酸にハイブリダイズさせることにより測定が可能である。ミクロチップ上の核酸の「アレイ」を使用することにより、ある細胞のいくつかの又は全転写物を同時に定量することができる。別法として、ゲノム遺伝子を含むアレイは、本発明の方法により新しく操作された株の遺伝型を調べるために使用されることもできる。また「ポリペプチドアレイ」は、複数のタンパク質の定量又は選別を同時に行うために使用できる。
本発明は、どのような既知「アレイ」を用いても実行可能であり、これらのアレイには、「マイクロアレイ」、又は「DNAアレイ」、又は「核酸アレイ」、又は「ポリペプチドアレイ」、又は「抗体アレイ」、又は「バイオチップ」、あるいはこれらを改変したものが含まれる。アレイは、一般的に、複数の「スポット」、あるいは試料分子、例えば、mRNA転写体、との特異的結合を行わせるために基質表面の一定の領域に固定化された一定量の一種以上の生物分子を含む各標的エレメントである「標的エレメント」である。本発明の方法を実行するにあたり、既知のどのようなアレイ及び/又はアレイの作製法、及びその使用法は、以下に記述されているその全て、あるいは一部、又はその改変されたものを含めることができる:例えば、米国特許6,277,628;6,277,489;6,261,776;6,258,606;6,054,270;6,048,695;6,045,996;6,022,963;6,013,440; 5,965,452;5,959,098;5,856,174;5,830,645;5,770,456;5,632,957;5,556,752;5,143,854;5,807,522;5,800,992;5,744,305;5,700,637;5,556,752;5,434,049を参照;例えば、以下も参照、WO 99/51773;WO 99/09217;WO 97/46313;WO 96/17958;例えば、以下も参照、Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174;Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092;Kern (1997) Biotechniques 23:120-124;Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes & Cancer 20:399-407;Bowtell (1999) Nature Genetics Supp. 21:25-32 。又、米国特許出願20,010,018,642;20,010,019,827;20,010,016,322;20,010,014,449;20,010,014,448;20,010,012,537;20,010,008,765も参照。
抗体及び抗体を基にしたスクリーニング法
本発明は、本発明のホスホリパーゼと特異的に結合する単離又は組換えにより得られる抗体を提供する。これらの抗体は、本発明のホスホリパーゼ又はその関連ポリペプチドの単離、同定、あるいはその定量に利用することができる。これらの抗体は、本発明の酵素の活性を阻害するために使用することができる。これらの抗体は、又、本発明のポリペプチド、あるいは関連ポリペプチド、例えば、ホスホリパーゼ関連ポリペプチド、の単離にも利用することができる。抗体は、免疫沈降、染色(例えば、FACS)、及び免疫親和性カラム等に利用することができる。所望であれば、特定の抗原をコードする核酸配列は、免疫感作に続くポリペプチド又は核酸の単離、増幅、クローニング、及び本発明のアレイへのポリペプチドの固定化により作製することができる。あるいは、本発明の方法は抗体の親和性を改変するために利用することができる。例えば、抗体の親和性は増加又は減少させることができる。更に、抗体を生産、あるいは改変する能力は、本発明の方法により細胞において操作される表現型であり得る。
免疫感作、抗体(モノクロナール、及びポリクロナール)の生産及び単離の方法は、当業者には良く知られており、科学文献や特許などにも記述されている: Coligan, CURRENT PROTOCOLS IN IMMUNOLOGY, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (編集) BASIC AND CLINICAL IMMUNOLOGY (第7版) Lange Medical Publications, Los Altos, CA (“Stites”); Goding, MONOCLONAL ANTIBODIES: PRINCIPLES AND PRACTICE (第2版) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) ANTIBODIES, A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Publications, New York を参照のこと。動物を使用した通常のインビボにおける方法に加え、抗体は、インビトロにおいても生産することができる。たとえば、それは、組換え抗体結合部位を発現するファージディスプレイ ライブラリーを使用するものである: Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45。
本ポリペプチドは、本発明のポリペプチドと特異的に結合する抗体を生産するために利用することができる。得られる抗体は、ポリペプチドの単離又は精製、免疫親和性クロマトグラフィー、又は生物試料中にそのポリペプチドが含まれるかの試験等に利用することができる。このような操作において、抽出物などのタンパク質調製物、あるいは生物試料は、本発明のポリペプチドのうちの一つと特異的に結合する抗体と混合される。
免疫アフィニティー法において、抗体は、ビーズやその他のカラム基材のような固相支持体と結合される。タンパク質調製物は、本発明のポリペプチドのうちの一つと、抗体が特異的に結合する条件下で、その抗体と接触される。非特異的に結合したタンパク質を取り除くための洗浄を行った後、特異的に結合したタンパク質が溶出される。
生物試料中のタンパク質の抗体に対する結合能は、当業者が熟知した様々な方法の何れによっても決定できる。例えば、その結合は、蛍光試薬、酵素的標識、あるいは放射性同位元素のどの検出可能な試薬による抗体の標識化によっても測定することができる。又は、試料と結合する抗体は、検出可能な試薬と結合した二次抗体を用いた方法によっても測定される。具体的なアッセイ法としては、ELISA法、サンドウィッチ法、ラジオイムノアッセイ、及びウェスタンブロット法が含まれる。
本発明のポリペプチドに対して生成されるポリクローナル抗体は、そのポリペプチドの動物、例えば非ヒト動物に対する直接注射又は投与により得られる。ここで得られる抗体は、そのポリペプチド自体と結合する。このようにして、たとえ、そのポリペプチドの一部の断片が抗体作製に用いられようとも、生じた抗体は、全体の配列を持つそのポリペプチドとの結合能を有する。このような抗体は、そのポリペプチドを発現する細胞からそのポリペプチドを単離するために利用することができる。
モノクロナール抗体の産生には、継続して培養できる細胞株による抗体の産生が可能な系であれば、何れの方法をも適用できる。これらの例としては、ハイブリドーマ技術、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術、及び EBV-ハイブリドーマ技術が含まれる(Cole (1985);Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp. 77-96 を参照のこと) 。
一本鎖抗体を産出するために記述された方法(例えば、米国特許4,946,778参照)は、本発明のポリペプチドに対する一本鎖抗体を産生するために改良することができる。あるいは、これらのポリペプチド又はその断片に対するヒト化抗体を産生するためにトランスジェニックマウスを使用してもよい。
本発明のポリペプチドに対して作製された抗体は、その他の生物や試料からの類似のポリペプチドのスクリーニングにも利用することができる。このような技術において、生物試料より得られたポリペプチドは、抗体と混合され、その抗体と特異的に結合したポリペプチドが測定される。上記の何れの方法も、抗体との結合を測定するために利用することができる。
キット
本発明は、例えば、本発明の核酸、発現カセット、ベクター、細胞、ポリペプチド及び/又は抗体のような組成を含むキットを提供する。キットは、また、手順および本発明の工業的利用法を解説した手引き書を含み得る。
本発明の酵素の工業的及び医学的用途
本発明は、本発明の酵素、例えば、ホスホリパーゼA、B、C及びDの、非水和性リン脂質の水和性型への変換、油脱ガム化、植物、魚類、藻類及びその類由来の油の加工を含む多くの産業的使用及び医学的応用を提供する。産業的な応用におけるホスホリパーゼ酵素の使用法は、よく知られた技術である。例えば、本発明のホスホリパーゼ及び方法は、以下に述べられているように、脂肪及び油の処理のために使用することができる:例えば、日本特許出願H6-306386は、油及び脂肪中に存在するリン脂質を、例えば、リン酸基を含む水溶性の物質に変換することを記述している。
本発明のホスホリパーゼは、大豆、カノーラ、ヤシ、綿実、トウモロコシ、ヤシ穀粒、ココナッツ、ピーナツ(ラッカセイ)、胡麻、ヒマワリに由来する、あるいはこれらから単離された植物油及びリン脂質の加工に使用することができる。本発明のホスホリパーゼは、例えば、ぶどう種子、杏子、るりぢさ等のフルーツの種子油のような精油を加工するために使用することができる。発明のホスホリパーゼは、天然の状態、脱ガム化された、ガム、洗浄水、粘度、シリカ、ソープストック、及びその類を含む異なる形態の油及びリン脂質の加工に使用することができる。本発明のリン脂質は、高リン含有油、魚油、動物油、植物油、藻油及びその類の加工に使用することができる。本発明のどの側面においても、ホスホリパーゼCは、どの時点でも使用することができ、別法として、本発明のホスホリパーゼDおよびホスファターゼの使用を含む(例えば、大豆油のような高リン含有油の収量を改善するために、PLD/ホスファターゼの組合せを使用する)。
本発明のホスホリパーゼは、食用油、バイオディーゼル油、製薬及び化粧品のためのリポソーム、構造化リン脂質および構造化脂質を処理および製造するために使用することができる。本発明のホスホリパーゼは、油の抽出に利用することができる。
本発明のホスホリパーゼは、様々な石鹸を加工および製造するために使用することができる。
腐蝕性(苛性)精製
本発明の方法の一例において、ホスホリパーゼは、腐蝕性精製の補助手段として使用される。より具体的には、PLC又はPLD及びホスファターゼは、腐蝕性中和精製方法(連続的又はバッチ精錬)の前、途中、又は後のいずれかに滴加剤として方法中で使用される。酵素の添加量は、方法によって変わってもよい。本方法で使用される水の濃度は、例えば、約0.5から5 %のような低い濃度であるべきである。あるいは、腐蝕剤は、多数回加えられる。更に、本方法は、異なった温度(25 ℃ から70 ℃)、異なる酸又は腐蝕剤、および多様なpH (4〜12)において行われてもよい。腐蝕性精製方法で使用される酸は、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、硫酸、フマル酸、マレイン酸の、塩酸及び/又は酢酸を含むが、それらに限定されるものではない。酸は、非水和性リン脂質を水和させるために使用される。使用される腐蝕剤は、KOH及びNaOHを含むが、それらに限定はされない。腐蝕剤の中和には、遊離脂肪酸が使用される。代わりに、ホスホリパーゼ、又は特別にPLC又はPLD及びホスファターゼが、ガム/ソープストックからフィトステロールの精製のために使用される。
腐蝕性精製の前にホスホリパーゼを加える、本発明の別の態様は、植物においてホスホリパーゼを発現させることである。別の実施態様として、ホスホリパーゼは、植物、種又は他の植物の一部を破砕する間に加えられる。代わりに、ホスホリパーゼは、破砕の後ではあるが、精錬前に加えられる(即ち、保持容器中)。更に、ホスホリパーゼは、精製の前処理として、酸の存在又は非存在の下に加えられる。
既に記述されたが、本発明のもう一つの態様は、腐蝕性精製方法の途中でホスホリパーゼを加えることである。この方法では、酸及び腐蝕剤のレベルは、リン及び遊離脂肪酸のレベルによって変化する。更に、使用される酵素のタイプに依存して、広い範囲の温度及びpHがその方法で使用される。
本発明の別の実施態様として、ホスホリパーゼは、腐蝕性精製(図9)の後で加えられる。一側面として、ホスホリパーゼは、分離の前に、強力ミキサー又は持続性ミキサーで加えられる。代わりに、ホスホリパーゼは、熱工程の続き加えられる。別の実施態様では、ホスホリパーゼは、遠心分離の工程で加えられる。さらなる実施態様において、ホスホリパーゼは、ソープストックに加えられる。代わりに、ホスホリパーゼは、洗浄水に加えられる。別の例では、ホスホリパーゼは、漂白及び/又は脱臭工程の間に加えられる。
油脱ガム化及び植物油の加工
本発明のホスホリパーゼは、植物油の抽出、特に、前述したような「油脱ガム化」と呼ばれる方法における「リン脂質ガム」の除去におけるような、種々の植物油加工工程において使用することができる。本発明は、大豆、菜種、ピーナツ及び他のナッツ、胡麻、ヒマワリ、ヤシ及びトウモロコシのような様々な資源から植物油を加工するための方法を提供する。その方法は、本発明の方法及び酵素の使用を含む、引き続く粗抽出物の食用油への精製に、ヘキサンをベースとする抽出とともに使用することができる。
精製工程の最初の工程は、水の付加によってリン脂質を分離する、いわゆる、「脱ガム化」処理である。脱ガム化により沈殿する物質は、分離され、更に、レシチンの混合物へと処理される。大豆レシチン及びヒマワリレシチンのような商業レシチンは、半固体又は非常に粘性な物質である。それらは、極性の脂質、主にリン脂質、及び油、主にトリグリセリドの混合物から成っている。
本発明のホスホリパーゼは、水性脱ガム化、ALCON油脱ガム化(例えば、大豆のため)、safinco脱ガム化、「スーパー脱ガム化」、UF脱ガム化、TOP 脱ガム化、ユニ-脱ガム化、乾燥脱ガム化及びENZYMAXTM脱ガム化等を含むあらゆる脱ガム化処理に利用することができる。例えば、米国特許6,355,693;6,162,623;6,103,505;6,001,640;5,558,781;5,264,367を参照。本発明の方法によって組み込まれる様々な「脱ガム化」処理は、Bockisch, M. (1998)、Fats and Oils Handbook, The extraction of Vegetable Oils (Chapter 5), 345-445, AOCS Press, Champaign, Illinois、に記述されている。本発明のホスホリパーゼは、例えば、EP 513に記述されているような、トリグリセリド油の酵素的脱ガム化の産業的な応用に利用することができる。
本発明のホスホリパーゼは、例えば、少なくとも50 %の重量の水を添加することによる、穀物の脂質からの極性の脂質を単離する方法を記述しているCA1102795のような酵素的脱ガム化に利用することができる。この方法は、粗油混合物へ水を加える原理を利用する点において、改変脱ガム化法である。
一側面として、本発明は、本発明のホスホリパーゼ(例えば、PLC)の使用を含んだ、約20〜40 ℃の温度、例えば、約pH 8〜10のようなアルカリpHで約3〜10分の反応時間による、油中の水和させたリン脂質の加水分解を含む酵素的方法を提供する。これは、最終的に油のリンレベルを10 ppm未満にすることできる。本発明は、本発明のホスホリパーゼ(例えば、PLC)の使用を含んだ、約50〜60 ℃の温度、例えば、約pH 5〜6.5のような僅かに中性より下のpHで約30〜60分の反応時間による、油中の水和性及び非水和性リン脂質の加水分解を含む酵素的方法を提供する。これは、油のリンレベルを10 ppm未満にすることができる。
一側面として、本発明は、本発明のホスホリパーゼ(例えば、PLC)の使用を含んだ、約20〜40 ℃の温度、例えば、約pH 8〜10のようなアルカリpHで約3〜10の反応時間による、油中の水和させたリン脂質の加水分解を含む酵素的方法を提供する。
一側面として、本発明は、グリセリルリン酸エステル結合を加水分解するホスホリパーゼC酵素を利用した酵素的方法を提供し、それにより、リン脂質のジアシルグリセロール部分を元の油、例えば、野菜、魚又は藻油中に戻すこと(「ホスホリパーゼC(PLC)腐蝕性精製補助」);そして、物理的に精製される高リン含有油の、脱ガム化工程におけるリン脂質含量を十分減らすこと(「ホスホリパーゼC(PLC)脱ガム化補助」)を可能にする。これら二通りのアプローチは、異なった価値を生じ、異なった応用ターゲットを持つ。
本発明の種々の態様における多くの異なる工程は、中核の漂白及び脱臭精製処理に先行する脱ガム化処理を含む。これらの工程は、加熱、混合、静置、分離及び乾燥を含む。加熱処理に続き、不溶性のリン脂質「ガム」を分離し得る粒子へと凝集させるために、水及び酸が添加混合される。脱ガム化において、水は、多くのリン脂質を分離する一方、そのリン脂質の一部は、カルシウム又はマグネシウム塩として存在する非水和性ホスファチド(NHP)である。脱ガム化の方法は、酸の添加により、これらNHPを処置する。リン脂質の水和に続き、油は、混合され、静置され、遠心分離により分離される。最終的に、油は、例えば、図-6に描かれたように、乾燥され、出荷又は精製される。結果として生じるガムは、更に、レシチン酸物のために加工されるか、あるいは粗粉に戻し加えられる。
本発明の様々な例示的な方法において、リンのレベルは、物理的な精製に十分なまでに低下させられる。その分離方法は、腐蝕性精製に比べて潜在的により多くの収量損失を生じ得る。その上、脱ガム化方法は、商業的なレシチンとして販売ができない廃棄産物を生成する:物理的に精製された油のための例示的な脱ガム化方法に関する、例えば、図7を参照。従って、これらの方法は、市場の大きなシェアーを獲得しておらず、腐蝕性精製方法が依然として大豆、カノーラ油及びヒマワリ油に関する工業を支配している。しかしながら、特別な脱ガム化方法で用いられたホスホリパーゼC酵素は、ガムの形成を減少させ、リン脂質のジアシルグリセロール部分をその油中に戻すことができることに注目する必要性がある。
一側面として、本発明のホスホリパーゼC酵素は、ホスファチドのグリセリルリン酸エステルを加水分解し、ジグリセリド及び水溶性のリン酸塩化合物を生成する。図8に描写したように、加水分解されたホスファチドは、水相へ移行し、グリセリドは、油相に留まる。PLC「腐蝕性精製補助」の一つの目的は、中和の際に形成されるリン脂質ガムを、油相に戻るであろうジアシルグリセロールに変換することである。対照的に、PLC「脱ガム化補助」の一つの目的は、粗油中のリン脂質を10 ppm未満のリン相当量まで減少させることである。
一側面として、本発明のホスホリパーゼC酵素は、漂白及び脱臭の前に、中和された粗油及び脱ガム化油中の水和性及び非水和性のリン脂質由来のホスファチドを加水分解するであろう。標的酵素は、図9に示したように、現存する腐蝕中和方法における滴下物として適用することができる。この例において、酵素が腐蝕剤の添加後に加えられる場合、その酵素は極端なpHに耐えることを要求されることはないであろう。
一側面として、本発明のホスホリパーゼは、物理的な精製が許容される低レベルまで、リンを取り除くことを可能にする。一側面として、本発明のPLCは、漂白及び脱臭の前に、中和された粗油及び脱ガム化油中の水和性及び非水和性のリン脂質由来のホスファチドを加水分解するであろう。標的酵素は、図10に示したように、現存する脱ガム化方法における滴下物として適用することができる。商業装置に関する準至適混合条件が与えられていることから、油/水インターフェイスで非水和性のリン脂質を酵素と接触させるために酸が要求されるであろう。従って、一側面として、本発明の酸に安定なPLCが使用される。
一側面として、本発明のPLC脱ガム化補助方法は、表2に記載した一つ、あるいは三つ全部の領域で損失を除くことができる。PLC法に関連した損失は、ホスファチドの除去のために、質量ベースで0.8 %対5.2 %と計算することができる。
Figure 2005523019
本発明のこの方法のさらなる潜在的有用性は、以下を含む:
・吸着剤の低減 - より低いリン(<5 ppm)のため、より少量の吸着剤しか必要とされない。
・より少量の試薬の使用 - 非水和性リン脂質の水和と関連した試薬及び方法のコストダウン。
・廃液の低減 - 油からリンを除くために必要とされる水の量の減少。
本発明の方法により処理される(例えば、「脱ガム化」)油には、植物の脂肪種子、例えば、大豆油、菜種油及びヒマワリ油が含まれる。一側面として、本発明の「PLC腐蝕性精製補助剤」は、既存の腐蝕性精製方法の1.2 %を節約できる。この精製補助剤の応用は、レシチンのために脱ガム化された大豆油に向けられ、これらはまた価格/負担の計算から除かれる。
本発明の方法の達成目標は、その用途、より具体的には、酵素添加の時点に従って変わり得る。表3を参照。
Figure 2005523019
本発明のホスホリパーゼ、例えば、ホスホリパーゼA1、と共に使用することができる他の方法は、非水和性の天然リン脂質を水和型に変換することができる。一例として、その酵素は、熱に敏感である。これは、油の加熱が酵素を失活させることから、好ましいことかもしれない。しかしながら、脱ガム反応は、この酵素を適応させるためにpH 4〜5及び60 ℃に調節されなければならない。300 Units/kg油飽和容量で、この例示的な方法は、水性脱ガム化油のリン含量を10 ppm以下まで予めうまく下げることができる。利点は、水含量を減らせること、及び結果として、使用、扱い及び廃物に関する節減ができることである。表4は、本発明の酵素の工業的使用のための典型的な応用を列挙している。
Figure 2005523019
これらの様々な脱ガム化方法に加えて、本発明のホスホリパーゼは、あらゆる植物油の処理工程で使用することができる。例えば、本発明のホスホリパーゼ酵素は、あらゆる植物油の処理工程でPLA、例えば、ホスホリパーゼA2の代わりに使用することができる。本発明の方法で「処理」又は「脱ガム化」された油は、大豆油、菜種油、コーン油、ヤシ穀粒からの油、カノーラ油、ヒマワリ油、胡麻油、ピーナッツ油、及びその類を含む。この処理の主要な産物は、トリグリセリドを含む。
一つの例示的な方法において、酵素が粗油に加えられ、反応させられる場合、使用されるホスホリパーゼの量は、粗油1キログラムにつき、約10〜10,000ユニット、あるいは、約100〜2,000ユニットである。酵素処理は、30〜90 ℃の温度で5分〜10時間、あるいは、約40〜70 ℃の温度で行なわれる。その条件は、酵素の至適温度に依存して変えてもよい。酵素を溶解させる水の量は、粗油100重量部あたり5〜1,000重量部、あるいは、粗油100重量部あたり約10〜200重量部である。
そのような酵素処理が完了したならば、酵素液は、遠心分離器のような適切な手段を利用して分離され、処理された油が得られる。そのような方法においてガム物質の酵素の分解によって生じるリン化合物は、実際上全てが水相に移行し、油相から取り除かれる。必要ならば、酵素処理が完了したならば、処理された油を、水又は、例えば、酢酸、リン酸、コハク酸、及びその類のような無機又は有機酸、又は塩溶液により付加的に洗浄することができる。
限外濾過脱ガム化のための典型的な一例において、その酵素は、フィルターに結合されるか、又はろ過前に油に加えられるか、又は定期的にフィルターをきれいにするために使用される。
ホスホリパーゼ媒介物理的精製補助のための典型的一例において、水及び酵素は、粗油に加えられる。一例として、PLC又はPLD及びホスファターゼは、その方法において使用される。ホスホリパーゼ媒介物理精製において、水のレベルは低く、即ち0.5〜5 %、でよく、処理時間は、短くあるべきである(2時間未満、又は60分未満、又は30分未満、又は15分未満、又は5分未満)。その方法は、種々の温度(25〜70 ℃)で、種々の酸や腐蝕剤を使用した種々のpH(例えば、3〜10)で行うことができる。
別例において、水性ガム化は、最初に、レシチンを集めるために遠心分離が行われ、次に、非水和性リン脂質を取り除くためにPLC又はPLC及びPLAが加えられる(この処理は、低い水濃度で行われるべきである)。別例として、10 ppm未満(食用油)への粗油の水性ガム化及びそれに続く物理的な精製(バイオディーゼルのために50 ppm未満)が行われる。一例として、乳化剤が加えられ、および/又は粗油は、混合を促進するように強力ミキサーに付与される。あるいは、乳化ブレーカが添加され、および/又は粗油は、水相の分離を促進するために加熱される。別例において、非水和性のリン脂質を水和を促進するために酸が加えられる。その上、ホスホリパーゼが、ガム/ソープストックからのフィトステロールの精製を仲介するのに使用することができる。
本発明の酵素は、あらゆる油処理方法、例えば、脱ガム又は同等の処理において使用することができる。例えば、本発明の酵素は、米国特許5,558,781;5,264,367;6,001,640に述べられているような方法において使用することができる。米国特許5,558,781に記述されている方法は、油中で乳化剤として挙動するレシチンを本質的に破壊するホスホリパーゼA1、A2又はBを使用する。
例えば、EP0869167に記述されているように、本発明の酵素及び方法は、高含量の非水和性リンを含む食用油中のリン含有組成を、本発明のホスホリパーゼ、例えば、ホスホリパーゼA及び/又はB活性を有するポリペプチドを使用することにより減少させる方法において使用することができる。一例として、食用油は、粗油、いわゆる「非ガム化油」である。一例として、本方法は、例えば、菜種、大豆、ゴマ、ピーナツ、トウモロコシ又はヒマワリ胃由来する圧搾油又は抽出油、あるいはそれらの混合物を含む非脱ガム化油を扱う。粗油中のホスファチド含量は、0.5〜3 %w/wの範囲で変わり得るが、これは200〜1200 ppm又は250〜1200 ppmの範囲のリン含量に対応する。ホスファチド以外に、粗油は、少量の炭水化物、糖化合物及びCa、Mg及びFeの金属/ホスファチド酸複合体を含み得る。一例として、その方法は、脂肪酸のアシル基を加水分解するために、本発明のホスホリパーゼを利用したリン脂質又はリゾリン脂質の処理を含む。一例として、そのリン脂質又はリゾリン脂質は、レシチン又はリゾレシチンを含む。その方法の一例において、食用油は、約50〜250 ppmの間のリンを含み、その方法は、リン脂質の大部分を加水分解し、加水分解されたリン脂質を含む水相を油から分離するために、本発明のホスホリパーゼを使用してその油を処理することを含む。一例として、酵素的脱ガム化処理の前に、その油は、脱ガム化される。一例として、その方法は、本発明のホスホリパーゼと飼料物質及び少なくとも一種のリン脂質と混合することを含む動物飼料の生産を提供する。
本発明の酵素及び方法は、例えば、WO 98/18912に記述されているように、油の脱ガム化処理で使用することができる。本発明のホスホリパーゼは、食用油中のリン脂質含量を減らすために使用することができる。その方法は、リン脂質の大部分を加水分解し、加水分解されたリン脂質を含む水相を油から分離するために、本発明のホスホリパーゼを使用してその油を処理することを含み得る。この方法は、植物油、大豆油、菜種油及びヒマワリ油、魚油、藻及び動物油及びその類のような、リン脂質を含むあらゆる食用油の精製に適応できる。酵素処理前に、植物油は、好ましくは、粘着物(粘液)を取除くために湿精製によって前処理をされる。その油は、ホスホリパーゼ処理の開始時点でリン脂質として50〜250 ppmのリンを含む可能性があり、本発明の方法は、この値を5〜10 ppmより下まで減らすことができる。
本発明の酵素は、油及び脂肪中に存在するリン脂質をリン酸基を含む水溶性の物質に変換し、それらを水溶性物質として除去する工程を含む、油及び脂肪の精製方法を含む、日本出願H5-132283、1993年4月25日出願、に記述されているような方法において使用することができる。酵素の作用は、水溶性の物質への転換のために利用される。好ましくは、ホスホリパーゼC活性を有する酵素がこの酵素として使用される。
本発明の酵素は、種子油を精製する方法である「有機精製法」(”Organic Refining Process,”)(ORP)(IPH, Omaha, NE)として記述されている方法において使用することができる。ORPは、改良された精製油の収量、副産物の付加価値、資本コスト及び環境コストの低減を含む、従来の化学精製に勝る利点を持っているであろう。
例えば、EP82870032.8.に述べられているように、本発明の酵素は、油中に含まれた非グリセリド化合物の加水分解及び/又は脱重合化を可能にする少なくとも一種の本発明の酵素をそのような油又は脂肪に添加することを含む、油又は脂肪、動物又は植物、未加工品、半加工品又は精製品の処理のための方法において使用することができる。非グリセリド化合物の加水分解及び/又は脱重合化のための本発明の例示的な方法は:
1) 本発明の酵素又は少量の適切な溶媒(例えば、水)に予め溶解された酵素複合体の油及び脂肪への添加及び混合。数種の溶媒が可能であるが、その酵素に無毒でかつ適した溶媒が選ばれる。この添加は、連続処理法として行っても連続的な装荷を伴う方法として行ってもよい。この方法に従って、油及び脂肪に加えるために必要な酵素量は、その酵素及び処理される産物に依存して、20〜400 ppmの範囲、即ち、1000キログラムの油に対して0.02〜0.4キログラムの酵素、及び、好ましくは20〜100 ppm、即ち、1000キログラムの油に対して0.02〜0.1キログラムの酵素、でよい。これらの数値は、濃縮酵素について、すなわち希釈液又は溶媒の存在しないで酵素についての数値であると理解される。
2) 油又は脂肪を固相又は半固相支持体上の本発明酵素の固定化又は不溶化フィルターベッド(好ましくは多孔性又はファイバー構造を持つ)に通す。この技術において、酵素は、支持体の多孔性又はファイバー構造の微小穴中に捕獲されている。例えば、これらは、樹脂、合成ポリマー、セルロースカーボネート、アガロースのようなゲル、ポリマーのフィラメント又は多孔性構造を持つ共重合体から成り、その穴に溶液中の酵素液滴が捕獲されている。酵素濃度に関しては、支持体が飽和するまで上げることができる。
3) 希釈酵素溶液中、好ましくは本発明の酵素を0.2〜4 %容量含む希釈酵素溶液中の、細かい液滴状の油及び脂肪の分散液。この技術は、例えば、ベルギー特許第595,219号に記述されている。円錐形のふたを持つ高さ数メートルの円柱コラムに希釈酵素液を満たす。この目的のために、処理される油又は脂肪に無毒かつ非混和性である溶媒、好ましくは水が選ばれる。カラムの底には、油又は脂肪を非常に細分化して(おおよそ10,000フラックス/m2)絶えず注入するための分配システムが装備されている。従って、絶え間なく油又は脂肪の液滴が形成され、それは、ゆっくりと酵素溶液中を上昇し、表面に到達し、リアクターの円錐形のふたの上で連続的に排出される。
ヤシ油は、本発明の酵素で処理する前に前処理することができる。例えば、約30キログラムの未加工パーム油を、+50 ℃に加熱する。セルラーゼ及びペクチナーゼの1 %の水溶液を準備した。これらをそれぞれ600 g、強い撹拌の下、数分間、油の水性溶液に加えた。この油を中程度に撹拌しながら、2時間の総反応時間の間+50℃に維持した。次に、酵素を不活化させるために温度を+90 ℃に上昇させ、ろ過及び引き続くペロセスのための混合物を調整する。油は、真空下、乾燥され、フィルター補助を利用してろ過される。
本発明の酵素は、欧州特許EP 0 513 709 B2に記述されているような処理において使用することができる。例えば、本発明は、本発明のホスホリパーゼを使用した酵素的分解によって動物及び植物油中のリン含有組成の含量を減少させるための方法を提供する。50〜250 ppmのリンを含む予め脱粘液化した及び植物油は、有機カルボン酸と混合され、生じる混合液のpHを4〜6に設定し、本発明のホスホリパーゼA1、A2、又はBを含む酵素液を、激しい撹拌及び細かい液滴の形成下、混合容器中の混合液に加える。そこでは、油に対する重量の0.5〜5 %のエマルジョンが形成され、20〜80 ℃の温度範囲で0.1〜10時間の反応時間の間、激しい撹拌の下の引き続く少なくとも一回の反応容器を通して処理され、水溶液の分離後、処理油のリン含量は、5 ppmを下回る。
有機精製方法は、粗油及び脱ガム化油の両方に適用できる。その方法は、慣習的な遠心分離と共に、管理された処理条件の下で有機酸のインライン付加を利用する。植物油のリン脂質(「VOP」) から自然に分離された水は、リサイクルされ、再使用される。総水使用量は、有機精製処理法の結果として大幅に減らすことができる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、また、例えば、米国特許6,162,623 に記述されているような食用油の酵素的な処理に使用することができる。この例示的な方法において、本発明は、両極溶媒性酵素を提供する。それは、例えば、連続的な疎水性相及び酵素及び酵素の担体を含む分散した水相エマルジョンを調製すること及び分散相からこの相が固相酵素被包粒子になるまで水を除去することによって固定化することができる。この酵素は、リパーゼでもよい。固定化されたリパーゼは、モノ、ジ又はトリ-グリセリドの分子内エステル化、トリグリセリドの脱酸、又は、リパーゼがホスホリパーゼの場合、トリグリセリド油からリン脂質の除去のようなリパーゼによって触媒される反応のために使用することができる。水相は、発酵液を含んでもよく、食用トリグリセリド油が疎水性であってもよい。また、担体は、砂糖、澱粉、デキストラン、水溶性のセルロースの誘導体及び発酵の残渣を含む。この例示的な方法は、疎水性相に存在するかもしれないトリグリセリド、ジグリセリド 、モノグリセリド、グリセロール、リン脂質又は脂肪酸を処理するために使用することができる。一例として、トリグリセリド油からリン脂質を除去するための方法は、リン脂質を含んでいるトリグリセリド油を本発明のホスホリパーゼを含んでいる画分と混合すること;リン脂質をリゾリン脂質に加水分解すること;加水分解されたリン脂質を油から分離することを含み、そのホスホリパーゼは、固定化されたホスホリパーゼである。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、また、例えば米国特許6,127,137 に記述されているような食用油の酵素的処理において使用することができる。この例示的な方法は、リン脂質の両方の脂肪アシル基を加水分解する。この方法において使用される本発明のホスホリパーゼは、リパーゼ活性を持たず、非常に低いpHで活性を示す。これらの特性により、油の酵素的及びアルカリ加水分解(鹸化)がともに抑制されるので、油の脱ガム化における使用に非常に適したものとなる。一例として、本発明は、リン脂質の両方の脂肪アシル基を加水分解し、本質的にリパーゼ活性を持たないホスホリパーゼを利用してリン脂質又はリゾリン脂質を処理することを含む、リン脂質の脂肪アシルグループ、あるいはリゾリン脂質を加水分解するための方法を提供する。一側面として、発明のホスホリパーゼはpH 3〜4で10分間にて測定したとき、50 ℃の至適温度を持ち、40 ℃で約10分間にて測定したとき、pH 3の至適pHを持つ。
一側面として、リン脂質又はリゾリン脂質は、レシチン又はリゾリン脂質レシチンを含む。一側面として、リン脂質の大部分を加水分解した後、加水分解されたリン脂質を含む水相は、油から分離される。一側面として、本発明は、食用油からリン脂質を除去する方法を提供し、その操作は、本発明のホスホリパーゼ水溶液の分散液を用いてpH 1.5〜3において油を処理すること、及び加水分解されたリン脂質を含む水相を油から分離することを含む。一側面として、その油は、ホスホリパーゼとの処置の前に、粘液を取り除くために処理される。一側面として、ホスホリパーゼとの処置の前の油は、リン50〜250 ppmに対応する量のリン脂質を含んでいる。一側面として、ホスホリパーゼ処理は、0.5〜5 % の水存在下、用量0.1〜10 mg/lのホスホリパーゼ、30〜45 ℃、1〜12時間で行われる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許6,143,545に記載されているような食用油の酵素的処理に利用することもできる。この例示的な方法は、本発明のホスホリパーゼを使用して、高含量の非水和性リン成分を含む食用油中の成分を含めたリン含量を減らす目的に利用することができる。一側面として、本法は、少なくとも50 ppmの非水和性リン成分を含む食用油中のリン含量成分の含量を以下の処理により減らすために使用される:食用油にクエン酸一水和物の水溶液を加え、60 ℃で30分の前処理をする(添加する水/油 4.8 %;水相中のクエン酸=106 mM、水/油エマルジョン中のクエン酸=4.6 mM);油エマルジョン中の前処理した水10 mlをチューブに移す;エマルジョンを沸騰水浴中30分加熱する;5,000 rpmで10分間の遠心分離をし、上(油)相の約8 mlを新しいチューブに移し、24時間静置する;および、その食用油中の非水和性リン含量(ppm)を測定するために、清明な上相から8 gを取り出す。本法は、また、pH 5〜8において、食用油と本発明のホスホリパーゼA又はB(例えば、PLA2、あるいはPLB)の水溶液とを接触させることを含み、溶液は、油のリン含量が11 ppm未満になるまで油中に乳化され、それから水相を処理油から分離する。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許5,532,163に記載されているような食用油の酵素的処理にも利用することもできる。本発明は、油及び脂肪中のリン脂質を効率的に分解、除去することにより、油及び脂肪を精製するための方法を提供する。一側面として、本発明は、以下を含む油及び脂肪の精製方法を提供する:エマルジョン中で、油及び脂肪と本発明の酵素、例えば、グリセロリン脂質中のグリセロ脂肪酸エステルを分解する活性を有する酵素(例えば、本発明のPLA2)、を反応させる;および、酵素処理した油及び脂肪を水又は酸溶液で洗浄する。別例として、その洗浄工程に使用される酸溶液は、例えば、クエン酸、酢酸、リン酸及びそれらの塩等の少なくとも一つの溶液である。一側面として、乳化条件は、油及び脂肪の100重量部あたり、30重量部又はそれ以上の水を用いる。油及び脂肪は、簡便なアルカリ精製工程を使用することなしに精製することができるので、洗浄廃水及び工業廃液を減らすこともできる。更に、これら廃液中に含有されることによる中性油及び脂肪のロスが本発明の方法においては起きないために油の収量が改善される。一側面として、本発明は、約100〜1,000 ppmのリン脂質を含む油の精製方法を提供し、乳化条件において、前述の油及び脂肪とグリセロリン脂質中のグリセロ脂肪酸エステルを分解する活性を有する本発明の酵素を反応させることを含む。一側面として、本発明は、乳化条件において、約100〜1,000 ppmのリン脂質を含む油を、油及び脂肪とグリセロリン脂質中のグリセロ脂肪酸エステルを分解する活性を有する本発明の酵素を反応させることを含む、精製及びそれに引き続く処理油及び脂肪の洗浄水による洗浄方法を提供する。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許5,264,367に記載されているような食用油の酵素的処理に利用することもできる。粘質物を除くために湿精製された食用植物又は動物油、例えば、大豆油のような油のリン含有成分及び鉄の含量は、油と本発明の酵素、例えば、ホスホリパーゼA1、A2、又はBの水溶液を接触させることによる酵素的分解、及びそれに続く処理油から水相を分離することにより減少させることができる。一側面として、本発明は、粘質物を除くために精製された油中のリン-及び鉄-含有成分の含量を減少させるための酵素的方法を提供する。粘質物を除くために精製された油は、本発明の酵素、例えば、ホスホリパーゼA1、A2、又はBで処理することができる。5 ppmより低いリン含量及び1 ppmより低い鉄含量を達成することができる。低鉄含量は、油の安定性にとって有利である。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許5,288,619に記載されているような転移エステル化油の調製に利用することもできる。本発明は、低転移酸及び低中間鎖脂肪酸含量のマーガリン油を作るための酵素的エステル転移の方法を提供する。その方法は、ステアリン酸原料物質及び食用液体植物油を含む転位エステル化反応混合物を提供する工程、前記ステアリン酸原料物質及び食用液体植物油を1-, 3-位に部位特異的なリパーゼを用いて転位エステル化する工程、および、最後に脂肪酸混合物を水素添加し、植物油とのリサイクル反応のための再生ステアリン酸原料物質を提供する工程を含む。本発明は、また、転移エステル化油調製のための向流法をも提供する。その方法は、以下の工程を含む:1-, 3-位に部位特異的なリパーゼを含む転移エステル化反応ゾーンを提供する工程、植物油を前記転移エステル化ゾーンに導入する工程、ステアリン酸原料物質を導入する工程、超臨界ガス又は亜臨界液化ガス向流流体を導入する工程、反応ゾーンにおいてトリグリセリドストリームとステアリン酸又はステアリン酸モノエステルストリームの転移エステル化反応を行う工程、転移エステル化トリグリセリドマーガリン油 ストリームを取り出す工程、向流流体相を取り出す工程、転移エステル化ステアリン酸又はステアリン酸モノエステルを水素化して、水素化再生ステアリン酸原料物質を提供する工程、および、水素化再生ステアリン酸原料物質を反応ゾーンに導入する工程。
一側面として、高度に不飽和のリン脂質化合物は、本発明のホスホリパーゼCの適切な使用によりsn-3位のリン酸基を取り除き、1,3リパーゼアシルエステル合成によりトリグリセリドに変換することができる。2位置換リン脂質は、直接、機能食品成分として使用してもよく、また、引き続き、本発明の固定化ホスホリパーゼCを用いてリアクター160中で選択的に1-ジグリセリドへと加水分解し、本明細書中に述べられている様に、酵素的なエステル化を行って、2-置換多飽和脂肪酸成分を持つトリグリセリド産物を産生することができる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許6,001,640に記載されているような植物油の酵素的脱ガム化方法に利用することもできる。本発明のこの方法は、食用油の産生における脱ガム化工程を含む。予め水性脱ガム化処理により水和性ホスファチドを取り除かれた植物油は、本発明のホスホリパーゼを使用した酵素処理により、非水和性ホスファチドを含まない。この処理は、穏やかで、経済的で、しかも環境に優しいものとなる。
一側面として、本発明の酵素を反応させるために、油及び水の両相は、よく混合されるべきである。単に、それらを撹拌するだけでは不十分であるかもしれない。もし、酵素が少量の水に溶解され、例えば、0.5〜5重量 %(油に対して)の水に溶解され、油中に乳化されるならば、酵素の適切な分散は補助され、直径10マイクロメーター以下の液滴(重量平均)が形成される。液滴は、1マイクロメーター以下になり得る。100 cm/秒を上回る放射速度の激しい撹拌を行ってもよい。油は、外部の回転式ポンプを利用して、リアクター中で撹拌されてもよい。酵素を含む水相は、超音波作用を利用して、細かく分散させることもできる。分散装置を利用してもよい。
酵素反応は、おそらく、油相と水相間の境界面で起こる。混合して酵素を含む水相に対して最大に可能な表面を作り出すことがこれらの全ての方法の目標である。界面活性剤の添加は、水相の微小分散を促進する。従って、いくつかの例において、例えば、EP-A 0 513 709に記載されている様に、ドデシル硫酸ナトリウムのようなHLB値が9を超える界面活性剤が酵素溶液に加えられる。乳化を改良する同様に効果的な方法は、リゾレシチンの添加である。その添加量は、油に対して0.001〜1 %の範囲でよい。酵素処理間の温度は、厳格ではない。20〜80 ℃の範囲の温度が使用されるが、その範囲のより高い温度は短時間でのみ適用される。この点に関して、適切な温度及び/又は低pH耐性を持つ本発明のホスホリパーゼが利用される。30〜50 ℃の適用温度が至適である。処理時間は、温度に依存し、高温ではより短時間行えばよい。通常、0.1〜10時間又は1〜5時間の時間で十分である。反応は、脱ガム化リアクター中で起こり、例えば、DE-A 43 39 556に記載されている様に、いくつかの段階に分けることができる。従って、バッチ処理に加えて、連続的な処理が可能である。反応は、異なる温度の段階で行うことができる。例えば、インキュベーションは、40 ℃で3時間行った後に、60 ℃で1時間行うことができる。反応が段階的に進行する場合、各段階で異なったpH値に調節できる可能性も生じる。例えば、最初の段階における溶液のpHは7に調整することができ、例えば、第二段階においてはクエン酸の添加により2.5に調整することができる。しかしながら、少なくとも一つの段階において、酵素溶液のpHは、4又は3より低くなければならない。もし、そのpHが続いてそのレベルより低く合わせられると、悪影響が見られるかもしれない。従って、酵素を油に混合する前に、クエン酸を酵素溶液に添加してもよい。
酵素処理を行った後、酵素溶液は、それを含むNHPの分解産物と共に、例えば、遠心分離により、バッチ又は連続的に油相から分離することができる。酵素は、高度に安定であり、その溶液に含まれる分解産物(スラッジとして沈殿するかもしれない)の量が僅かであるため、同じ酵素液を数回使用することができる。本質的にスラッジを含まない酵素溶液を再び使用できるように、酵素をスラッジから取り除くことも可能である。DE-A 43 39 556を参照。この脱ガム化方法に関する一例として、15 ppm未満のリンを含む油が得られる。一つの目標は、10 ppm未満のリン含量である;あるいは5 ppm未満。10 ppm未満のリン含量を以て、蒸留脱酸の処理方法に従って、更に油を容易に処理することが可能である。鉄のみならずマグネシウム、カルシウム、亜鉛のような他の多くのイオンを、例えば、0.1 ppmを下回るように、油から取り除くことができる。従って、この産物は、更なる処理及び保存工程の間の適切な酸化抵抗性のために理想的な必要条件を満たしている。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、EP特許EP 0513709に記載されているような、植物及び動物油中のリン含有成分の量を減少させるために利用することもできる。この方法において、予め脱粘液化した植物及び動物油、例えば、大豆油、に含まれるレシチンのようなリン含有成分、特に、ホスファチドの含量及び鉄含量は、本発明のホスホリパーゼA1、A2、又はBを使用した酵素的分解によって減少させることができる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、JP 06306386に記載されているように、脂肪又は油の精製に使用することもできる。本発明は、リン脂質を水溶性リン酸基含有物質に変換し、その物質を取り除く工程を含む、脂肪又は油を精製するための方法を提供する。本発明の酵素(例えば、PLC)の作用は、リン脂質をその物質に変換するために使用される。従って、アルカリ廃液を含む産業廃液及び大量の油を排出するアルカリ精製工程を行わずに、脂肪又は油を精製することが可能である。中性の脂肪又は油の廃液への損失がゼロにまで減少し得るために、収量の改善も達成可能である。一側面として、ガム状物質は、水溶性物質に変換され、粗油の脱ガム化段階においてホスホリパーゼC活性を有する本発明の酵素の添加及び酵素処理により、水溶性物質として除去される。一側面として、本発明のホスホリパーゼCは、リン脂質中のグリセリンとリン酸のエステル結合を切断する活性を有する。必要ならば、本法には、酵素処理油を水又は酸の水溶液により洗浄することを含めることができる。一側面として、本発明の酵素は、粗油に添加され、粗油と反応する。使用されるホスホリパーゼCの量は、粗油1kgあたり、10〜10,000ユニット、あるいは100〜2,000ユニットでよい。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Dijkstra、Albert J、他、Oleagineux、Corps Gras、Lipides (1998), 5(5), 367-370 に記載されているように、水性脱ガム化処理に利用することもできる。例示的な方法において、この水性ガム化処理は、レシチンを産生するため及び脱ガム化用の酸及び漂白土を使用する乾燥脱ガム化処理のために利用される。この方法は、例えば、ヤシ油、ラウリン酸油等のような低リン脂質の油のみに経済的に実施可能かもしれない。高NHP含有種油には、酸精製プロセスが利用され、それにより、このプロセスは、ガム廃棄を可能にする油ミルにおいて行われる。一側面として、酸精製油は、物理的精製の前に実施される「ポリッシング」操作である。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Dijkstra 他、Res. Dev. Dep., N.V. Vandemoortele Coord. Cent.、Izegem、Belg. JAOCS, J. Am. Oil Chem. Soc. (1989), 66:1002-1009に記載されているように、脱ガム化処理に利用されることもできる。例示的な方法において、全脱ガム化処理は、リン酸又はクエン酸のような酸の大豆油への分散、接触時間を与えた後に、酸中油型エマルジョンに苛性ソーダ又はケイ酸ナトリウムのような塩基を混合することを含む。これは、石鹸の形成を避けるのに十分なだけ低い中和度を保つ。石鹸の形成は、油の損失を起こすからである。引き続き、その油は、遠心分離装置に通し、ガムの殆どを油の流れから除去し、最小の油含量を持つガム相を得る。その油の流れは、次に、二度目の遠心分離に通し、残存する全てのガムを取り除き、希釈ガム相を得、リサイクルされる。洗浄及び乾燥又はインライン アルカリ精製により、処理が終了する。その全ての脱ガム化処理を採用すると、古典的なアルカリ精製法に比較して、およそ0.5%の総収量の改善が実現される。完全に脱ガム化された油は、引き続き、アルカリ精製、漂白及び脱臭、又は漂白及び物理的精製することができる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Hvolby、他、Sojakagefabr., Copenhagen, Den., J. Amer. Oil Chem. Soc. (1971) 48:503-509に記載されているように、例えば、大豆油のような植物油の非水和性リン脂質を除去するために利用することもできる。この例示的な方法において、水性ガム化油は、Ca++、Mg/Ca-結合試薬及び界面活性剤を含有及び非含有の緩衝液と種々のpH値で混合される。その非水和性リン脂質は、ミセル又は混合エマルジョンの成分として、非変換状態で除去することができる。更に、非水和性リン脂質は、例えば、ホスファチドからMg及びCaの除去による解離型への変換により除去可能であり、それは、酸性化、あるいはMg/Ca-錯体形成試薬又はMg/Ca-沈殿試薬により達成することができる。非水和性リン脂質の除去又は化学変換は、エマルジョンの形成低下を起こし、エマルジョン及び石けん原料(soapstock)からの脱産油の分離を改善する。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Buchold、他、 Frankfurt/Main, Germany. Fett Wissenschaft Technologie (1993), 95(8), 300-304に記載されているように、植物油の脱ガム化に利用することもできる。食用植物油の脱ガム化のための本発明の例示的な方法において、例えば、ホスホリパーゼA2のような本発明の酵素の水溶懸濁液は、リン脂質のsn2位で脂肪酸を加水分解するために使用され、油に不溶で、物理的分離により従順な1-アシル-リゾリン脂質を生ずる。約700レシターゼ(lecitase)ユニット/kg油に相当する少量の添加でさえ、残存リン含量は、10 ppm未満となり、そのために、化学精製が物理精製に置き換えられ、中和、石けん原料(soapstock)分離、及び廃液処理の必要性が取り除かれる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、EnzyMax. Dahlke, Klaus. Dept. G-PDO, Lurgi Ol-Gas, Chemie, GmbH, Frankfurt, Germany. Oleagineux, Corps Gras, Lipides (1997), 4(1), 55-57に記載されているように、植物油の脱ガム化処理に利用されることもできる。この例示的な処理方法は、殆どの油の物理的精製のための脱ガム化の処理方法である。酵素的触媒による加水分解により、ホスファチドは、水溶性リゾホスファチドへと変換され、遠心分離により油から分離される。酵素的に脱ガム化された油中の残存リン含量は、2 ppmという低さになり得る。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Cleenewerck、他、N.V. Vamo Mills, Izegem, Belg. Fett Wissenschaft Technologie (1992), 94:317-22;そして、Clausen, Kim; Nielsen, Munk. Novozymes A/S, Den. Dansk Kemi (2002) 83(2):24-27に記載されているように、植物油の脱ガム化処理に利用することもできる。本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Nilsson-Johansson、他、Fats Oils Div., Alfa-Laval Food Eng. AB, Tumba, Swed. Fett Wissenschaft Technologie (1988), 90(11), 447-51;そして、Munch, Ernst W. Cereol Deutschland GmbH, Mannheim, Germany. Editor(s):Wilson, Richard F. Proceedings of the World Conference on Oilseed Processing Utilization, Cancun, Mexico, Nov. 12-17, 2000 (2001), Meeting Date 2000, 17-20に記載されているように、酸を利用した植物油の前精製を取り込むことができる。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、Jerzewska、他、Inst. Przemyslu Miesnego i Tluszczowego, Warsaw, Pol., Tluszcze Jadalne (2001), 36(3/4), 97-110に記載されているように、植物油の脱ガム化処理に利用することもできる。本発明のこの方法において、水和された低エルカ酸菜種油の酵素的脱ガム化は、本発明のホスホリパーゼA2の使用によるものである。この酵素は、リン脂質のグリセロール残基の中心炭素原子と脂肪酸のエステル結合の加水分解を触媒する。それは、非水和性リン脂質をそれらに対応する水和性リゾ化合物へ加水分解する。非精製酵素画分の場合、その2 %調製物の添加および4時間で、より良好な結果を達成することができる(87 %のリンが除去)。
植物油からのフィトステロールの精製
本発明は、植物油からフィトステロール及びトリテルペン、あるいは植物ステロールを精製する方法を提供する。本発明のホスホリパーゼ及び方法を利用して精製できるフィトステロールは、β-シトステロール、カンペステロール、シグマステロール、スチグマスタノール、β-シトスタノール、シトスタノール、デスモステロール、キャリナステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロール及びブラッシカステロールを含む。植物ステロールは、健康及び栄養産業にとって重要な農産物である。従って、本発明のホスホリパーゼ及び方法は、化粧品及びホルモン製薬のためのステロイド中間体や前駆体のための乳化剤を作るために使用される。本発明のホスホリパーゼ及び方法は、心臓の健康維持に利益を持つコレステロール低下薬として使用するフィトステロール及びそれらのエステルのアナログを作る(例えば、精製する)ために使用される。本発明のホスホリパーゼ及び方法は、小腸内腔におけるコレステロールの吸収を阻害することにより、血中コレステロール濃度を低下させる植物ステロールを精製するために使用される。本発明のホスホリパーゼ及び方法は、非常に低濃度でTリンパ球の細胞性応答及びガン細胞株に対するナチュラルキラー細胞の細胞毒性の亢進を含む免疫調節能を示す植物ステロールを精製するために使用される。本発明のホスホリパーゼ及び方法は、肺結核、間接リウマチ、HIV-感染患者の治療及び、例えばマラソン走者における免疫ストレスの抑制等に使われる植物ステロールを精製するために使用される。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、日用植物油(例えば、ココナッツ油、カノーラ油、ココアバター、コーン油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、ヤシ油、ピーナッツ油、米糠油、紅花油、胡麻油、大豆油、ヒマワリ油)のステロール画分に存在する、シトステロール(40.2〜92.3 %)、キャンプステロール(2.6〜38.6 %)、シチグマステロール(0〜31 %)及び5-アベナステロール(1.5-29%)のようなステロール成分を精製するために使用される。
本発明の方法は、クロロホルム-メタノール、ヘキサン、メチレンクロライド、あるいはアセトンを用いた溶媒抽出により脂肪種子の植物ステロールを単離し、引き続き、濃縮されたステロールを得るために鹸化及びクロマトグラフィーによる精製を含めることができる。代わりに、植物サンプルは、ステロールを濃縮、単離できる全脂質抽出物を得るために、超臨界二酸化炭素を用いた超臨界抽出法により抽出してもよい。引き続くステロール化合物の解析及び定量のために、単離された粗画分は、カラムクロマトグラフィー(CC)、ガスクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー(TLC)、順相高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、逆相HPLC、及びキャピラリーエレクトロクロマトグラフィーを含む広範なクロマトグラフィー技術により精製、分離することができる。全てのクロマトグラフィー単離及び分離技術のうち、CC及びTLCの操作は、サンプルの浄化、精製、試験サンプル中のステロールの定量的アッセイ及び前もった概算のために、最も得やすく、供給されやすく、また適している。
植物油中に失われるフィトステロールは、食用油の精製過程において、副産物として失われる。本発明のホスホリパーゼ及び方法は、そのような副産物からフィトステロールリッチな産物を産生するために、そのような副産物から単離されたフィトステロールを使用する。本発明のフィトステロールの単離及び精製法は、産業副産物の油処理を含められ、分子蒸留、液-液抽出及び結晶化の操作を含む。
本発明の方法は、フィトステロールを抽出するために脂質抽出のための方法を含めることができる。例えば、本発明の方法は、遊離フィトステロール及びフィトステロール脂肪酸エステルを定量的に抽出するために、ヘキサン(殆どのタイプの植物油の抽出に共通して使用される)のような非極性溶媒を使用できる。ステリルグリコシド及び脂肪酸-アシルステリルグリコシドは、ヘキサンで部分的にのみ抽出され、溶媒の極性を上げることにより、抽出の度合いはより高くなる。使用できる一つの操作は、リン脂質を含む全てのステロール脂質クラスの抽出のためのブライ-ダイアー(Blight-Dyer)のクロロホルム-メタノール法である。フィトステロール脂質クラスの定量的な分離及び解析をする一つの例示的な方法は、その脂質抽出物をHPLCシステムへ注入することを含む。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許6,303,803に記載されているように、脂肪及び油からステロールを取り除くために利用することもできる。これは、ステロール含有脂肪及び油のステロール含量を減少させる方法である。それは、コレステロール及び他のステロールの、リン脂質二重層のような疎水的な溶液二重層を形成する両親媒性分子に対する親和性を基にした、効果的で、コスト効果的な方法である。リン脂質の集合体は、例えば、ステロール含有脂肪又は油と溶液環境において接触され、混合される。この集合したリン脂質混合物の分子構造は、コレステロール及び他のステロールに対して高い親和性を有し、脂肪及び油からそのような分子を選択的に取り除ける。その水性分離混合物は、ステロールをリン脂質集合体部分へ分配することにより、脂肪/油産物のステロール含量を選択的に減少させるために十分な時間、混合される。ステロール含量を減少させた脂肪又は油は、水相分離混合物から分離される。代わりに、それ相当にステロールが濃縮された画分が、水相分離混合物から単離されてもよい。これらの工程は、環境温度で行うことができ、加熱にかかるコスト、それによる産物の熱分解が最小限に抑えられる。更に、最小限の装置が必要とされるだけであり、必要とされる物質の全てが食品グレードであるために、その方法には、扱い、廃液の廃棄、あるいは最終産物の狭雑に関する特別な注意を必要としない。
本発明のホスホリパーゼ及び方法は、例えば、米国特許5,880,300に記載されているように、脂肪及び油からステロールを取り除くために利用することもできる。リン脂質の集合体は、例えば、ステロール含有脂肪又は油と溶液環境において接触され、混合される。適切な混合に引き続き、ステロール含量が減少した脂肪又は油は、水相分離混合物から分離される。あるいは、対応してステロールが濃縮されたリン脂質画分が、水相分離混合物から単離されてもよい。植物(例えば、野菜)油は、本発明の方法を利用して取り除かれるかもしれない植物ステロール(フィトステロール)を含む。この方法は、商業的処理方法のどのような段階においてでも、脂肪/油産物に適用可能である。例えば、本発明の方法は、油の精製(refined)、漂白(bleached)及び脱臭(deodorized)油(RBD油)、あるいはRBDを達成する如何なる前段階に適用してもよい。RBD油は、前RBD油(pre-RDB oil)と比べて異なる密度を持つかもしれないが、本発明の方法は、以下に述べるように、リン脂質含量、リン脂質組成、リン脂質:水比、温度、圧力、混合条件及び分離条件を変化させることにより、RBD又は前RBD油、あるいは他の種々の脂肪/油産物のいずれにも容易に適用される。
あるいは、本発明の酵素及び方法は、油処理方法の中間段階において、フィトステロール又は他のステロールを単離するために使用できる。例えば、フィトステロールが植物油の脱臭段階の間に失われることが知られている。処理の中間段階のステロール含有蒸留画分は、前述したように、ステロール抽出操作に付与することができる。これは、抽出ステロールを回収するために更に処理することのできるステロール濃縮レシチン又は他のリン脂質材料を与える。
洗剤組成物
本発明は、一種以上の本発明のホスホリパーゼを含む洗剤組成物、ならびにそれらの組成物の作製及び使用に関する方法を提供する。本発明は、洗剤組成物の作製及び使用に関する全ての方法を含む:米国特許6,413,928;6,399,561;6,365,561;6,380,147を参照。その洗剤組成物は、一又は二部水性組成物、非水性液体組成物、成型固体、顆粒状形態、粒子状形態、圧縮錠剤、ゲル及び/又はペースト形態及びスラリー形態でよい。本発明は、食品の汚れ、食品残渣膜及び他の微量食品成分を迅速に取り除く方法をも提供する。本発明のホスホリパーゼは、リン脂質の加水分解により、染みの除去を容易にすることができる。本発明のホスホリパーゼは、食器洗浄剤、織物の洗剤として使用することができる。
実際の酵素含量は、洗剤の製造法に依存し、その洗剤溶液が所望の酵素活性を保持する限り、その量は重要ではない。一側面として、その最終溶液中に存在するホスホリパーゼの量は、洗剤組成物1gあたり、約0.001から0.5 mgの範囲にある。本発明の方法及び産物の使用のために選択される具体的な酵素は、産物の物理的な型、使用pH、使用温度、及び分解又は変化させる汚れのタイプを含む、最終用途の条件に依存する。どのような与えられた条件の使用に対しても至適な活性及び安定性を与えるように酵素を選択することができる。一側面として、本発明のポリペプチドは、約4から12のpH範囲で、また、約20 ℃から約95 ℃の温度範囲で活性である。本発明の洗剤は、カチオニック、セミポーラーな非イオン性又は両性イオン性;又はそれらの混合物を含めることができる。
本発明のホスホリパーゼは、約0.1から約5(好ましくは、0.1〜0.5 %)質量%で、pHが4.0と12.0の間にある粉末及び液体洗剤として処方することができる。これら洗剤の組成は、ビルダーや安定剤のみならず、既知のプロテアーゼ、セルラーゼ、リパーゼ又はエンドグリコシダーゼを含めることもできる。慣習的な洗剤組成物への本発明のホスホリパーゼの添加は、特別な使用制限を持たない。換言すると、その洗剤にとって好ましい如何なる温度pHは、そのpHが前述の範囲内にあり、その温度が酵素の変性温度以下にある限り、その組成にとっても適切である。更に、本発明のポリペプチドは、界面活性剤を含まない洗浄組成物において、単独又はビルダー及び安定剤との組み合わせにおいて使用することができる。
本発明は、硬い表面、織物、食器、口腔、変性組成及びコンタクトレンズの洗浄のための洗剤組成物を含む洗浄組成物を提供する。
一側面として、本発明は、物体と本発明のホスホリパーゼとを、洗浄に十分な条件の下に、接触させることを含む物体の洗浄法を提供する。本発明のホスホリパーゼは、洗剤の添加物として含めることができる。本発明の洗剤組成物は、例えば、本発明のホスホリパーゼを含む、手動又は機械ランドリーの洗剤組成物として処方されてもよい。染みとなった織物の前処理に適しているランドリー添加物は、本発明のホスホリパーゼを含めることができる。織物の柔軟剤は、本発明のホスホリパーゼを含めることができる。あるいは、本発明のホスホリパーゼは、一般家庭用の固い表面のクリーニング操作に使用される洗剤組成物として処方することができる。別の側面において、本発明の洗剤添加物及び洗剤組成物は、プロテアーゼ、リパーゼ、クチナーゼ、他のホスホリパーゼ、カルボヒドラーゼ、セルラーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、アラビナーゼ、ガラクタナーゼ、キシラナーゼ、オキシダーゼ、及び/又はパーオキシダーゼのような、一種以上の他の酵素を含んでもよい。本発明の酵素の性質は(即ち、至適pH、他の酵素的及び非酵素的成分との適合性)、選択した洗剤と共存可能であるように選ばれ、それらの酵素は効果的な量が存在する。一側面として、本発明のホスホリパーゼ酵素は、織物から悪臭物質を除くために使用される。本発明の実線に使用されることのできる種々の界面活性剤組成及びそれらの作製法は、例えば、米国特許6,333,301;6,329,333;6,326,341;6,297,038;6,309,871;6,204,232;6,197,070;5,856,164に述べられている。
廃物処理
本発明のホスホリパーゼは、廃物処理に使用することができる。一側面として、本発明は、本発明のホスホリパーゼを利用した、個体廃物の消化方法を提供する。個体廃物は、調節された温度で酵素溶液(本発明のホスホリパーゼを含んでいる)の存在下に、酵素消化方法による処理を施すことができる。その固体廃物は、液化廃物及びいくらかの残渣へと変換することができる。結果として得られる液化廃物は、前述のいくらかかの残渣廃物から分離することができる。米国特許5,709,796を参照。
本発明のホスホリパーゼの他の用途
本発明のホスホリパーゼは、以下の目的に使用することができる;ホスホイノシチド(PI)のシグナリングシステムの研究;躁鬱病の診断及び治療法の開発(例えば、Pandey (2002) Neuropsychopharmacology 26:216-228を参照);抗酸化剤;修飾リン脂質;発泡及びゲル化剤;血管新生組織のための血管原性脂質の作成;PLA、PLB、PLC、PLD及び/又は、パタチン調節因子(アゴニスト又はアンタゴニスト)、例えば、抗腫瘍性、抗炎症性及び無痛化剤として使用するための阻害剤等の同定。それらは、食品及び医薬品の苦味を調節するための酸性リン脂質を産生するために使用することができる。それらは、脂肪精製に使用することができる。それらは、ウイルス病、炎症、アレルギー及び心疾患の処理のためのペプチド阻害剤を同定するために使用することができる。それらは、ワクチンを作製するために使用することができる。それらは、ポリ不飽和脂肪酸グリセリド及びホスファチジルグリセリドを産生するために使用することができる。
例えば、PLCが使用されるどのような場合においても、PLCと同様の結果を得るために、PLD及びホスファターゼを組み合わせで使用してもよい。
本発明は、以下の実施例を参照して更に詳述される;しかしながら、本発明は、そのような実施例に限定されないことは理解されるべきである。
実施例
実施例-1:配列同一性プロファイリングに使用されるBLASTプログラム
この例は、ある核酸が本発明の範囲に入るかを決定するための、例示的な配列同一性プログラムを記述する。NCBI BLAST 2.2.2が、blastpへのデフォルトオプッションで、使用される。全てのデフォルト値を、デフォルト フィルタリングセッティング(即ち、OFFにセットしてあるフィルタリングを除き、デフォルトへセットされた全てのパラメーター)を除いて使用した;その場合、デフォルト フィルタリングセッティングでは、「-FF」セッティングを使用するが、これはフィルタリングを不能にする。デフォルト フィルタリングの使用は、配列が短いためにKarlin-Altschulバイオレーションを引き起こす。
本発明のこの例示的な例において使用されるデフォルト値は以下を含む。
“低複雑度のためのフィルター : ON
ワードサイズ : 3
マトリックス : BLOSUM62
ギャップコスト :Existence: 11
伸長: 1”
他のデフォルトセッティングは:低複雑度のためのフィルターがOFF、ワードサイズがタンパクについては3、BLOSUM62マトリックス、ギャップ Existence ペナルティーが‐11、拡張ペナルティーが‐1である。「W」オプションのデフォルトは0である。このことは、設定されない場合は、ワードサイズがタンパクについては3、核酸については11に初期設定されることを意味している。設定は、以下のとおりである:
<<README.bls.txt>>
> --------------------------------------------------------------------------
> blastall arguments:
>
> -p Program Name [String]
> -d Database [String]
> default = nr
> -i Query File [File In]
> default = stdin
> -e Expectation value (E) [Real]
> default = 10.0
> -m alignment view options:
> 0 = pairwise,
> 1 = query-anchored showing identities,
> 2 = query-anchored no identities,
> 3 = flat query-anchored, show identities,
> 4 = flat query-anchored, no identities,
> 5 = query-anchored no identities and blunt ends,
> 6 = flat query-anchored, no identities and blunt ends,
> 7 = XML Blast output,
> 8 = tabular,
> 9 tabular with comment lines [Integer]
> default = 0
> -o BLAST report Output File [File Out] Optional
> default = stdout
> -F Filter query sequence (DUST with blastn, SEG with others) [String]
> default = T
> -G Cost to open a gap (zero invokes default behavior) [Integer]
> default = 0
> -E Cost to extend a gap (zero invokes default behavior) [Integer]
> default = 0
> -X X dropoff value for gapped alignment (in bits) (zero invokes default
> behavior) [Integer]
> default = 0
> -I Show GI's in deflines [T/F]
> default = F
> -q Penalty for a nucleotide mismatch (blastn only) [Integer]
> default = -3
> -r Reward for a nucleotide match (blastn only) [Integer]
> default = 1
> -v Number of database sequences to show one-line descriptions for (V)
> [Integer]
> default = 500
> -b Number of database sequence to show alignments for (B) [Integer]
> default = 250
> -f Threshold for extending hits, default if zero [Integer]
> default = 0
> -g Perform gapped alignment (not available with tblastx) [T/F]
> default = T
> -Q Query Genetic code to use [Integer]
> default = 1
> -D DB Genetic code (for tblast[nx] only) [Integer]
> default = 1
> -a Number of processors to use [Integer]
> default = 1
> -O SeqAlign file [File Out] Optional
> -J Believe the query defline [T/F]
> default = F
> -M Matrix [String]
> default = BLOSUM62
> -W Word size, default if zero [Integer]
> default = 0
> -z Effective length of the database (use zero for the real size)
> [String]
> default = 0
> -K Number of best hits from a region to keep (off by default, if used a
> value of 100 is recommended) [Integer]
> default = 0
> -P 0 for multiple hits 1-pass, 1 for single hit 1-pass, 2 for 2-pass
> [Integer]
> default = 0
> -Y Effective length of the search space (use zero for the real size)
> [Real]
> default = 0
> -S Query strands to search against database (for blast[nx], and
> tblastx). 3 is both, 1 is top, 2 is bottom [Integer]
> default = 3
> -T Produce HTML output [T/F]
> default = F
> -l Restrict search of database to list of GI's [String] Optional
> -U Use lower case filtering of FASTA sequence [T/F] Optional
> default = F
> -y Dropoff (X) for blast extensions in bits (0.0 invokes default
> behavior) [Real]
> default = 0.0
> -Z X dropoff value for final gapped alignment (in bits) [Integer]
> default = 0
> -R PSI-TBLASTN checkpoint file [File In] Optional
> -n MegaBlast search [T/F]
> default = F
> -L Location on query sequence [String] Optional
> -A Multiple Hits window size (zero for single hit algorithm) [Integer]
> default = 40
実施例-2:PLC媒介脱ガム化シミュレーション
本実施例は、PLC媒介脱ガム化のシミュレーションについて述べる。
対する溶解性が低いため、ホスファチジルコリン(PC)は、初めにエタノールに溶解した(100 mg/ml)。最初の試験のために、PCのストック溶液を、50 mMモルフォリノプロパンスルホン酸又は60mMクエン酸/NaOH、pH 6中に調製した。そのPCストック溶液(10μl、1μg/ml)を、エッペンドルフチューブの500μlの精製大豆油(水が2 %)に加えた。エマルジョンを作製するために、チューブの内容物を、3分間撹拌により混合した(図-5A参照)。油相と水相は、13,000 rpmの遠心分離により分離した(図-5B)。その反応チューブは、望ましい温度(37 ℃、50 ℃、あるいは 60℃)で予めインキュベートし、 Bacillus cereus 由来のPLC (0.9 U/ml)を3μlを、その水相に添加した(図-5C)。PCの消失は、溶媒としてクロロホルム/メタノール/水(65:25:4)を用いたTLC及びヨウ素蒸気による可視化により分析した(例えば、Taguchi (1975)前出を参照)。
図5は、PLC媒介脱ガム化のシミュレーションのための二相システムモデルを模式的に下ものである。図-5A:夾雑するホスファチド(P)を水和するために、粗油と2 %の水を混合することによるエマルジョンの作製。図-5B:油及び水相が遠心分離後に分離される。PLCが水相に添加され、ホスファチドの沈殿が生じる([ガム])。PLCの加水分解反応は、水相において起こる。図-5C:反応の経時変化は、その水相から少量を取り出し、それらをTLCにより分析することによりモニターされる。
以下の図は、本発明の実施態様を図示したものであり、請求項に含まれる本発明の範囲を限定することを意図したものではない。
種々の図における同じ参照符は、同じ要素を示す。
コンピューターシステムのブロックダイアグラムである。 新規配列とデータベースの配列間の相同性レベルを決定するために、新規ヌクレオチド又はタンパクの配列をデータベースの配列と比較するためのプロセス200の一例を示したフローダイアグラムである。 二種の配列が相同であるかどうかを決定するための、コンピューターにおける処理の一態様を例示したフローダイアグラムである。 配列中のある特徴の存在を検出するためのアイデンティファイアープロセスの一例を示したフローダイアグラムである。 A、B、Cは実施例2に詳細に記載された、PLC媒介脱ガム化のシミュレーションのための二相システムを模式的に示した図である。。 本発明のホスホリパーゼを使用した、典型的な植物油精製方法を模式的に示した図である。 物理的に精製した油についての、典型的な脱ガム化処理を模式的に示した図である。 本発明のホスホリパーゼCを用いたホスファチドの加水分解を模式的に示した図である。 「腐蝕性精製手段」(Long Mix Caustic Refining)として、本発明のホスホリパーゼCの応用を模式的に示した図である。 脱ガム化手段として、本発明のホスホリパーゼCの応用を模式的に示した図である。

Claims (228)

  1. 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105と少なくとも50%の配列同一性を少なくとも約100残基の領域にわたって有する核酸配列を含む単離または組換え核酸であって、ホスホリパーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードし、前記配列同一性が配列比較アルゴリズムによる解析または視覚的な検査によって決定される、前記単離または組換え核酸。
  2. 配列同一性が、少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%または64%である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  3. 配列同一性が、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105に対して、少なくとも、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上、または100%である、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  4. 配列同一性が遺伝子若しくは転写物の少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150若しくはそれ以上の残基、または全長にわたる、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  5. 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105記載の配列を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  6. 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、または配列番号:106に記載の配列を有するポリペプチドをコードする、請求項1記載の単離または組換え核酸。
  7. 配列比較アルゴリズムがBLASTバージョン2.2.2であって、フィルタリングの設定がblastall -p -d “nr pataa” -F F、であり、他のオプションがデフォルト値に設定されている、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  8. ホスホリパーゼ活性がグリセロールリン酸エステル結合の加水分解を触媒する活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  9. ホスホリパーゼ活性が、植物油のリン脂質中のエステル結合の加水分解を触媒する活性を含む、請求項8記載の単離又は組換え核酸。
  10. 植物油リン脂質が脂肪種子リン脂質を含む、請求項8記載の単離又は組換え核酸。
  11. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼC(PLC)活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  12. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼA(PLA)活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  13. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼB(PLB)活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  14. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼD(PLD)活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  15. ホスホリパーゼD活性がホスホリパーゼD1活性又はホスホリパーゼD2活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  16. ホスホリパーゼ活性が糖タンパク質の加水分解活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  17. 糖タンパク質がポテト塊茎を含む、請求項16記載の単離または組換え核酸。
  18. ホスホリパーゼ活性がパタチン酵素活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  19. ホスホリパーゼ活性が脂質アシル加水分解酵素(LAH)活性を含む、請求項18記載の単離又は組換え核酸。
  20. ホスホリパーゼ活性が熱安定性である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  21. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃、または約55℃〜約85℃、または約70℃〜約75℃、または約70℃〜約95℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でホスホリパーゼ活性を維持する、請求項20記載の単離又は組換え核酸。
  22. ホスホリパーゼ活性が熱耐性である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  23. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃、または約55℃〜約85℃、または約70℃〜約75℃、または約70℃〜約95℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でホスホリパーゼ活性を維持する、請求項22記載の単離又は組換え核酸。
  24. 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105を含む核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む単離または組換え核酸。
  25. 核酸が遺伝子又は転写物の少なくとも約50、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれ以上の残基長、または全長である、請求項24記載の単離または組換え核酸。
  26. ストリンジェントな条件が、0.2xSSC中で約65℃にて15分間の洗浄工程を含む請求項24記載の単離または組換え核酸。
  27. 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105の配列の少なくとも10個の連続する塩基を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するためのプローブであって、結合またはハイブリダイゼーションによって前記核酸を同定する前記プローブ。
  28. プローブが少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100または約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項27記載の核酸プローブ。
  29. 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105の少なくとも10個の連続する塩基を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を同定するためのプローブであって、配列同一性が配列比較アルゴリズムまたは視覚的な検査によって決定される、前記プローブ。
  30. プローブが少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100または約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項29記載の核酸プローブ。
  31. ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー対であって、請求項1または24に記載の配列または前記配列の部分配列を増幅することのできる、前記プライマー対。
  32. 増幅プライマー対のメンバーが、配列の少なくとも約10〜50の連続する塩基、または約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項29記載の増幅プライマー対。
  33. 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105の最初の(5’側)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の残基を有する第1のメンバーおよび、前記第1のメンバーの相補鎖の最初の約(5’側)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30またはそれ以上の残基を有する第2のメンバーを含む、増幅プライマー対。
  34. 請求項33記載の増幅プライマー対を用いたポリヌクレオチドの増幅によって生成される、ホスホリパーゼをコードする核酸。
  35. 増幅がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって行われる、請求項34記載のホスホリパーゼをコードする核酸。
  36. 遺伝子ライブラリーの増幅によって生成される、請求項34記載のホスホリパーゼをコードする核酸。
  37. 遺伝子ライブラリーが環境ライブラリーである、請求項34記載のホスホリパーゼをコードする核酸。
  38. 請求項34記載のホスホリパーゼをコードする核酸によってコードされる、単離又は組換えホスホリパーゼ。
  39. 請求項1若しくは24記載の核酸配列、または前記配列の部分配列を増幅することのできる増幅プライマー対を用いて鋳型核酸を増幅することを含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法。
  40. 請求項33記載の増幅プライマー対を用いて核酸を増幅すること、および、前記増幅された核酸を発現させることを含む、ホスホリパーゼを製造する方法。
  41. 請求項1または24記載の配列を含む核酸を含む発現カセット。
  42. 請求項1または24記載の配列を含む核酸を含むベクター。
  43. 請求項1または24記載の配列を含むクローニングビヒクルであって、ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージまたは人工染色体を含む前記クローニングビヒクル。
  44. ウイルスベクターがアデノウイルスベクター、レトロウイルスベクターまたはアデノ随伴ウイルスベクターを含む、請求項43記載のクローニングビヒクル。
  45. 細菌人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1-誘導体ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)、または哺乳動物人工染色体(MAC)を含む、請求項43記載のクローニングビヒクル。
  46. 請求項1または24記載の配列を含む核酸を含む形質転換細胞。
  47. 請求項42記載の発現カセットを含む形質転換細胞。
  48. 細胞が細菌細胞、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞または植物細胞である、請求項47記載の形質転換細胞。
  49. 請求項1または24記載の配列を含むトランスジェニック非ヒト動物。
  50. 動物がマウスである、請求項49記載のトランスジェニック非ヒト動物。
  51. 請求項1または24記載の配列を含むトランスジェニック植物。
  52. トウモロコシ、ソルガム、ポテト、トマト、コムギ、脂肪種子植物、ナタネ、ダイズ、コメ、オオムギ、牧草、ワタ、ヤシ、ゴマ、ラッカセイ、ヒマワリ、またはタバコである、請求項51記載のトランスジェニック植物。
  53. 請求項1または24記載の配列を含むトランスジェニック種子。
  54. トウモロコシ、ソルガム、ポテト、トマト、コムギ、脂肪種子植物、ナタネ、ダイズ、コメ、オオムギ、牧草、ワタ、ヤシ、ゴマ、ラッカセイ、ヒマワリ、またはタバコ、の種子である、請求項53記載のトランスジェニック種子。
  55. 請求項1若しくは24記載の配列またはそれらの部分配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る、または、請求項1若しくは24記載の配列またはそれらの部分配列に相補的な核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  56. 長さが約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、または約60〜100塩基である、請求項55記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  57. 請求項1若しくは24記載の配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る核酸、または、請求項1若しくは24記載の配列に相補的な核酸配列、を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞に投与するまたは細胞中で発現させることを含む、ホスホリパーゼメッセンジャーの翻訳を阻害する方法。
  58. 請求項1若しくは24記載の配列の部分配列を含む二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  59. 長さが約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25またはそれ以上の二本鎖ヌクレオチドである、請求項58記載の二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  60. 請求項1若しくは24記載の配列の部分配列を含む二本鎖阻害性RNA(RNAi)を細胞に投与するまたは細胞内で発現させることを含む、細胞内のホスホリパーゼの発現を阻害する方法。
  61. 以下のいずれかの単離または組換えポリペプチド:
    (i)配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、または配列番号:106に記載の配列とと少なくとも50%の配列同一性を、少なくとも約100残基の領域にわたって有し、前記配列同一性が配列比較アルゴリズムによる解析または視覚的な検査によって決定される単離または組換えポリペプチド;または、
    (ii) 配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105と少なくとも50%の配列同一性を、少なくとも約100残基の領域にわたって有し、前記配列同一性が配列比較アルゴリズムによる解析または視覚的な検査によって決定される核酸によってコードされる、または、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105の配列を有する核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸よってコードされる単離または組換えポリペプチド。
  62. 配列同一性が、少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%またはそれ以上、または100%である、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  63. 配列同一性が酵素の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050若しくはそれ以上の残基、または全長にわたる、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  64. 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、または配列番号:106に記載の配列を有する、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  65. ホスホリパーゼ活性を有する、請求項61記載の単離または組換えポリペプチド。
  66. ホスホリパーゼ活性がグリセロールリン酸エステル結合の加水分解を触媒する活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  67. ホスホリパーゼ活性が植物油のリン脂質中のエステル結合の加水分解を触媒する活性を含む、請求項66記載の単離または組換えポリペプチド。
  68. 植物油リン脂質が脂肪種子リン脂質を含む、請求項67記載の単離または組換えポリペプチド。
  69. 植物油リン脂質が、植物油、高リン油、ダイズ油、カノーラ油、ヤシ油、綿実油、コーン油、パーム核油、ゴマ油、魚油、藻類リン脂質、ヒマワリ油、エッセンシャル油、果実種子油、ブドウ種子リン脂質、アプリコットリン脂質、またはルリジサリン脂質由来のリン脂質である、請求項67記載の単離または組換えポリペプチド。
  70. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼC(PLC)活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  71. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼA(PLA)活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  72. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼA1またはホスホリパーゼA2活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  73. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼD(PLD)活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  74. ホスホリパーゼ活性がホスホリパーゼD1またはホスホリパーゼD2活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  75. ホスホリパーゼ活性が糖タンパク質の加水分解活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  76. 糖タンパク質がポテト塊茎を含む、請求項68記載の単離または組換えポリペプチド。
  77. ホスホリパーゼ活性がパタチン酵素活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  78. ホスホリパーゼ活性が脂質アシル加水分解酵素(LAH)活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  79. ホスホリパーゼ活性が熱安定性である、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  80. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約95℃、または約70℃〜約75℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でホスホリパーゼ活性を維持する、請求項79記載の単離または組換えポリペプチド。
  81. ホスホリパーゼ活性が熱耐性である、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  82. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約75℃または約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下でホスホリパーゼ活性を維持する、請求項81記載の単離または組換えポリペプチド。
  83. シグナル配列を欠く、請求項61記載の単離又は組換えポリペプチド。
  84. 請求項61記載のポリペプチドおよび異種シグナル配列を有する単離又は組換えポリペプチド。
  85. ホスホリパーゼ活性が、37℃において、1mgのタンパク質あたり、約100〜約1000ユニット、約500〜約750ユニット、約500〜約1200ユニット、または約750〜約1000ユニットの比活性を含む、請求項65記載の単離または組換えポリペプチド。
  86. 熱耐性が、高温まで加熱後に、37℃において少なくとも半分のホスホリパーゼ比活性を維持することを含む、請求項81記載の単離または組換えポリペプチド。
  87. 熱耐性が、高温まで加熱後に、37℃において1mgのタンパク質あたり約500〜約1200ユニットの比活性を維持することを含む、請求項81記載の単離または組換えポリペプチド。
  88. ポリペプチドが少なくとも一つのグリコシル化部位を有する、請求項61記載の単離又は組換えポリペプチド。
  89. グリコシル化がN-結合グリコシル化である、請求項88記載の単離又は組換えポリペプチド。
  90. P.パストリスまたはS.ポンベ中で発現後にグリコシル化される、請求項89記載の単離又は組換えポリペプチド。
  91. pHが約6.5、6.0、5.5、5.0、4.5または4.0である条件を含む条件下でホスホリパーゼ活性を維持する、請求項65記載の単離又は組換えポリペプチド。
  92. pHが約7.5、8.0、8.5、9、9.5、10または10.5である条件を含む条件下でホスホリパーゼ活性を維持する、請求項65記載の単離又は組換えポリペプチド。
  93. 請求項61記載のポリペプチドを含むタンパク質調製物であって、液体、固体、またはゲルを含む前記タンパク質調製物。
  94. 請求項61記載のポリペプチドおよび第2のドメインを含むヘテロダイマー。
  95. 第2のドメインがポリペプチドである請求項94記載のヘテロダイマーであって、前記ヘテロダイマーが融合タンパク質である前記ヘテロダイマー。
  96. 第2のドメインがエピトープまたはタグである、請求項94記載のヘテロダイマー。
  97. 請求項61記載のポリペプチドを含むホモ二量体。
  98. 請求項61記載のポリペプチドまたはその部分を含む固定化ポリペプチド。
  99. 細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、グラファイト粒子、ビーズ、ゲル、プレート、アレイまたはキャピラリー管に固定された、請求項98記載の固定化ポリペプチド。
  100. 固定化された請求項61記載のポリペプチドを含むアレイ。
  101. 固定化された請求項1または24記載の核酸を含むアレイ。
  102. 請求項61記載のポリペプチドに特異的に結合する単離又は組換え抗体。
  103. モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体である、請求項102記載の単離又は組換え抗体。
  104. 請求項61記載のポリペプチドに特異的に結合する抗体を含むハイブリドーマ。
  105. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを単離または同定する方法:
    (a)請求項102記載の抗体を提供する工程;
    (b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;
    (c)工程(b)のサンプルを工程(a)の抗体と、前記抗体が前記ポリペプチドに特異的に結合し得る条件下で接触させ、それによってホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを単離又は同定する工程。
  106. 請求項1若しくは24記載の核酸または前記核酸の部分を非ヒト動物に、液性免疫を誘導するのに充分な量で投与し、それによって抗-ホスホリパーゼ抗体を生成することを含む、抗-ホスホリパーゼ抗体を製造する方法。
  107. 請求項61記載のポリペプチド前記ポリペプチドの部分を非ヒト動物に、液性免疫を誘導するのに充分な量で投与し、それによって抗-ホスホリパーゼ抗体を生成することを含む、抗-ホスホリパーゼ抗体を製造する方法。
  108. 以下の工程を含む組換えポリペプチドを製造する方法:
    (a)プロモーターに連結した請求項1または24記載の配列を有する核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸をポリペプチドの発現を可能とする条件下で発現させ、それによって組換えポリペプチドを産生させる工程。
  109. 工程(a)の核酸で細胞を形質転換し、工程(a)の核酸を発現させ、それによって形質転換細胞中で組換えポリペプチドを産生させることを含む、請求項108記載の方法。
  110. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを同定する方法:
    (a)請求項65記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)ホスホリパーゼ基質を提供する工程;および、
    (c)前記ポリペプチドを工程(b)の基質と接触させること、および、基質量の減少または反応生成物量の増加を検出し、前記基質量の減少または反応生成物の増加が検出されることによりホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドを同定する工程。
  111. 以下の工程を含むホスホリパーゼ基質を同定する方法;
    (a)請求項65記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験基質を提供する工程;および
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験基質と接触させること、および、試験基質量の減少または反応生成物量の増加を検出し、前記基質量の減少または反応生成物の増加により前記試験基質をホスホリパーゼ基質として同定する工程。
  112. 以下の工程を含む、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法;
    (a)請求項1若しくは24記載の配列を有する核酸または前記核酸を含むベクターを、前記核酸からポリペプチドへの翻訳を可能とする条件下で発現させる工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;
    (d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する工程。
  113. 以下の工程を含む、試験化合物がポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する方法;
    (a)請求項61記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)前記ポリペプチドを前記試験化合物と接触させる工程;
    (d)工程(b)の試験化合物が前記ポリペプチドに特異的に結合するかどうかを決定する工程。
  114. (a)請求項65記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)試験化合物を提供する工程;
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の試験化合物と接触させる工程を含み、
    前記試験化合物の非存在下で測定されるホスホリパーゼ活性が前記試験化合物の存在下で測定されるホスホリパーゼ活性と比較して変化している場合に、前記試験化合物がホスホリパーゼを調節すると決定することを含む、ホスホリパーゼ活性の調節因子を同定する方法。
  115. ホスホリパーゼ活性が、ホスホリパーゼ基質を提供し、基質量の減少若しくは反応性生物量の増加、または、基質量の増加若しくは反応生成物量の減少を検出することによって測定される、請求項114記載の方法。
  116. 試験化合物非存在下における基質量または反応生成物量と比較した、試験化合物存在下における基質量の減少または反応生成物量の増加により、試験化合物をホスホリパーゼ活性の活性化因子であると同定する、請求項115記載の方法。
  117. 試験化合物非存在下における基質量または反応生成物量と比較した、試験化合物存在下における基質量の増加または反応生成物量の減少により、試験化合物をホスホリパーゼ活性の阻害因子であると同定する、請求項115記載の方法。
  118. プロセッサおよびデータ保存装置を含むコンピューターシステムであって、前記データ保存装置には請求項61記載の配列を含むポリペプチド配列、または、請求項1若しくは24記載の配列を含む核酸配列、が保存されている、前記コンピューターシステム。
  119. 更に配列比較アルゴリズム、および、少なくとも一つの参照配列が保存されたデータ保存装置、を含む請求項118記載のコンピューターシステム。
  120. 配列比較アルゴリズムが多型性を提示するコンピュタープログラムを含む、請求項119記載のコンピューターシステム。
  121. 配列中の1以上の特徴を同定するアイデンティファイアーを更に含む、請求項119記載のコンピューターシステム。
  122. ポリペプチド配列または核酸配列が保存されたコンピューター読み取り可能媒体であって、前記ポリペプチド配列が、請求項61記載のポリペプチドの配列、または請求項1若しくは24記載の核酸によってコートされるポリペプチドの配列を含む、前記媒体。
  123. 以下の工程を含む、配列中の特徴を同定する方法:
    (a)配列中の1以上の特徴を同定するコンピュータープログラムを用いて配列を読み込む工程であって、前記配列はポリペプチド配列または核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項61記載のポリペプチドの配列、または請求項1若しくは24記載の核酸によってコードされるポリペプチドの配列を含む前記工程;および、
    (b)前記コンピュータープログラムを用いて前記配列中の1以上の特徴を同定する工程。
  124. 以下の工程を含む、第1の配列と第2の配列とを比較する方法:
    (a)配列を比較するコンピュータープログラムを用いて第1の配列および第2の配列を読み込む工程であって、前記第1の配列がポリペプチド配列または核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項求項61記載のポリペプチドの配列、または請求項1若しくは24記載の核酸によってコードされるポリペプチドの配列を含む前記工程;および
    (b)前記第1の配列と第2の配列間の相違を前記コンピュータープログラムを用いて決定する工程。
  125. 第1の配列と第2の配列間の相違を前記コンピュータープログラムを用いて決定する工程が更に多型性を同定する工程を含む、請求項124記載の方法。
  126. 配列中の1以上の特徴を同定するアイデンティファイアーを更に含む請求項124記載の方法。
  127. 第1の配列をコンピュータープログラムで読み込み、前記配列中の1以上の特徴を同定することを含む、請求項126記載の方法。
  128. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を環境サンプルから単離または回収する方法:
    (a)請求項33記載の増幅プライマー対を提供する工程;
    (b)環境サンプルから核酸を単離する、またはサンプル中の核酸が前記増幅プライマー対にハイブリダイズできるように環境サンプルを処理する工程;
    (c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と一緒にし、前記環境サンプル中の核酸を増幅させる工程。
  129. 増幅プライマー対の各メンバーが、配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105記載の配列またはそれらの部分配列の少なくとも連続する10〜50塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項128記載の方法。
  130. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を環境サンプルから単離または回収する方法:
    (a)請求項1若しくは24記載の配列または前記配列の部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;
    (b)環境サンプルから核酸を単離する、またはサンプル中の核酸が工程(a)のポリヌクレオチドプローブにハイブリダイズできるように環境サンプルを処理する工程;
    (c)工程(b)の単離した核酸、または処理した環境サンプル、を工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;および、
    (d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離する工程。
  131. 環境サンプルが、水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプルまたは生物学的サンプルを含む、請求項128または130記載の方法。
  132. 生物学的サンプルが、細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、真菌細胞または哺乳動物細胞から得られるサンプルである、請求項131記載の方法。
  133. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドの変種を作製する方法:
    (a)請求項1若しくは24記載の配列を含む鋳型核酸を提供する工程;
    (b)前記鋳型配列を改変する、または1以上のヌクレオチドを欠失もしくは付加する、またはこれらを組み合わせて前記鋳型ヌクレオチドの変種を作製する工程。
  134. 変種ヌクレオチドを発現させて変種ホスホリパーゼを生成することを更に含む、請求項133記載の方法。
  135. 改変、付加または欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブル、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組合せを含む方法によって導入される、請求項133記載の方法。
  136. 改変、付加または欠失が、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート改変DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学的変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成またはこれらの組合せを含む方法によって導入される、請求項133記載の方法。
  137. 請求項133記載の方法において、鋳型核酸によってコードされるポリペプチドに比較して、改変された若しくは異なる活性、または改変された若しくは異なる安定性を有するホスホリパーゼが生成されるまで前記方法が反復的に繰り返される、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドの変種を作製する方法。
  138. 変種ホスホリパーゼポリペプチドが熱耐性であって、高温への曝露後にある程度の活性を維持する、請求項137記載の方法。
  139. 変種ホスホリパーゼポリペプチドのグリコシル化が鋳型核酸によってコードされるホスホリパーゼに比べて増加している、請求項137記載の方法。
  140. 変種ホスホリパーゼが高温下においてホスホリパーゼ活性を有しており、鋳型核酸によってコードされるホスホリパーゼが前記高温下では活性でない、請求項137記載の方法。
  141. 請求項133記載の方法において、鋳型核酸とは異なるコドン使用頻度を有するホスホリパーゼコード配列が生成されるまで方法が繰り返される、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドの変種を作製する方法。
  142. 鋳型核酸のメッセージ発現レベルまたは安定性よりも高いまたは低いメッセージ発現レベルまたは安定性を有するホスホリパーゼ遺伝子が生成されるまで方法が繰り返される、請求項133記載の方法。
  143. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主細胞中における前記ポリペプチドの発現を増加させる方法:
    (a)請求項1または24記載の配列を含むホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;
    (b)工程(a)の核酸中で非優先又は低優先コドンを同定し、前記コドンを同じアミノ酸をコードする優先的または中立的に使用されるコドンに置換する工程であって、前記優先的に使用されるコドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列中で過剰提示されるコドンであり、非優先又は低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列中で提示頻度の劣るコドンである、前記工程。
  144. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変する方法:
    (a)請求項1または24記載の配列を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;
    (b)工程(a)の核酸のコドンを同定し、前記コドンを同じアミノ酸をコードする異なるコドンで置換する工程。
  145. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主中の前記核酸の発現を増加させる方法:
    (a)請求項1または24記載の配列を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中で非優先又は低優先コドンを同定し、前記コドンを同じアミノ酸をコードする優先的または中立的に使用されるコドンに置換する工程であって、前記優先的コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列中で過剰提示されるコドンであり、優先又は低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列中で提示頻度の劣るコドンである、前記工程。
  146. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主中の前記核酸の発現を減少させる方法:
    (a)請求項1または24記載の配列を含む、ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;および、
    (b)工程(a)の核酸中で少なくとも一つの優先コドンを同定し、前記コドンを同じアミノ酸をコードする非優先又は低優先コドンで置換する工程であって、前記優先コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列中で過剰提示されるコドンであり、非優先又は低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子のコード配列中で提示頻度の劣るコドンである、前記工程。
  147. 宿主細胞が細菌細胞、真菌細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞または哺乳動物細胞である、請求項146記載の方法。
  148. 以下の工程を含む、複数の改変ホスホリパーゼ活性部位または基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作製する方法であって、前記改変ホスホリパーゼ活性部位または基質結合部位が、第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする配列を含む第1の核酸に由来する前記方法:
    (a)配列番号:1、配列番号:3、配列番号:5、配列番号:7、配列番号:9、配列番号:11、配列番号:13、配列番号:15、配列番号:17、配列番号:19、配列番号:21、配列番号:23、配列番号:25、配列番号:27、配列番号:29、配列番号:31、配列番号:33、配列番号:35、配列番号:37、配列番号:39、配列番号:41、配列番号:43、配列番号:45、配列番号:47、配列番号:49、配列番号:51、配列番号:53、配列番号:55、配列番号:57、配列番号:59、配列番号:61、配列番号:63、配列番号:65、配列番号:67、配列番号:69、配列番号:71、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81、配列番号:83、配列番号:85、配列番号:87、配列番号:89、配列番号:91、配列番号:93、配列番号:95、配列番号:97、配列番号:99、配列番号:101、配列番号:103、または配列番号:105記載の配列またはそれらの部分配列にストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、第1の活性部位または第1の基質結合部位をコードする第1の核酸を提供する工程;
    (b)前記第1の核酸中の複数の標的コドンにおいて天然に存在するアミノ酸変種をコードする変異導入オリゴヌクレオチドの組を提供する工程;
    (c)前記変異導入オリゴヌクレオチドを用いて、活性部位または基質結合部位をコードし、変異された各アミノ酸コドンにおいて一群のアミノ酸変種をコードする変種核酸を生成する工程。
  149. 工程(a)の第1の核酸に、至適化指向進化システム、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)または合成連結再アッセンブリ(SLR)を含む方法によって変異を導入することを含む、請求項148記載の方法。
  150. 工程(a)の第1の核酸またはその変種に、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブル、遺伝子部位飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)またはそれらの組合せを含む方法によって変異を導入することを含む、請求項148記載の方法。
  151. 工程(a)の第1の核酸またはその変種に、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート改変DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学的変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-生成変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成またはこれらの組合せを含む方法によって変異を導入することを含む、請求項148記載の方法。
  152. 以下の工程を含む、小分子を作製する方法:
    (a)小分子を合成または改変することの出来る複数の生合成酵素を提供する工程であって、前記酵素の一つは請求項1または24記載の配列を含む核酸によってコードされるホスホリパーゼ酵素を含む、前記工程;
    (b)工程(a)の少なくとも一つの酵素の基質を提供する工程;および、
    (c)工程(b)の基質を前記酵素と、複数の生体触媒反応を容易にして小分子を一連の生体触媒反応によって生成させる条件下で反応させる工程。
  153. 以下の工程を含む小分子を改変する方法:
    (a)ホスホリパーゼ酵素を提供する工程であって、前記酵素は請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記工程;
    (b)小分子を提供する工程;
    (c)前記ホスホリパーゼ酵素によって触媒される酵素反応を容易にする条件下で工程(a)の酵素を工程(b)の小分子と反応させる工程。
  154. 工程(a)の酵素に対する複数の小分子基質を含み、それによってホスホリパーゼ酵素の少なくとも一つによって生成される改変小分子のライブラリーを生成することを含む、請求項153記載の方法。
  155. さらに、酵素による複数の酵素反応を容易にして前記複数の酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを形成させる条件下で、複数の追加の酵素を含む請求項153記載の方法。
  156. ライブラリーをテストして、所望の活性を示す特定の改変小分子が前記ライブラリー中に存在するかどうかを決定する工程をさらに含む、請求項155記載の方法。
  157. ライブラリーをテストする工程が更に、改変小分子の一部を所望の活性を有する特定の改変小分子の存在または非存在についてテストし、所望の活性を有する前記特定の改変小分子を生成する少なくとも一つの特異的な生体触媒反応を同定することにより、ライブラリー中の複数の改変小分子の一部を生成するために使用された生体触媒反応の一つを除く全てを系統的に除去する工程を含む、請求項156記載の方法。
  158. 以下の工程を含む、ホスホリパーゼ酵素の機能的フラグメントを決定する方法:
    (a)請求項65記載のポリペプチド、または、請求項1若しくは24記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるポリペプチド、を含むホスホリパーゼ酵素を提供する工程;
    (b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、残存する部分配列をホスホリパーゼ活性についてテストする工程。
  159. ホスホリパーゼ活性が、ホスホリパーゼ基質を提供し、前記基質量の減少または反応性生物量の増加を検出することによって測定される、請求項158記載の方法。
  160. 以下の工程を含む、リアルタイム代謝フラックス解析を用いて新規な又は改変された表現型について細胞全体を操作する方法:
    (a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作製する工程であって、前記遺伝的構成は細胞に請求項1若しくは請求項24記載の配列を含む核酸を導入することによって改変される、前記工程;
    (b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成させる工程;
    (c)リアルタイムで工程(b)の細胞培養物を監視することにより、前記細胞の少なくとも一つの代謝パラメーターを測定する工程;および、
    (d)工程(c)のデータを解析して、測定されたパラメーターが同様な条件下における未改変細胞の対応する測定値と異なるかどうかを決定し、それによってリアルタイム代謝フラックスを用いて細胞の操作された表現型を同定する工程。
  161. 細胞の遺伝的構成が細胞中の配列の欠失または配列の改変、もしくは遺伝子の発現をノックアウトすることによって改変される、請求項160記載の方法。
  162. 更に新規に操作された表現型を含む細胞を選抜することを含む、請求項160記載の方法。
  163. さらに、選抜した細胞を培養し、新規に操作された表現型を含む新規な細胞株を生成させることを含む、請求項162記載の方法。
  164. 配列番号:2、配列番号:4、配列番号:6、配列番号:8、配列番号:10、配列番号:12、配列番号:14、配列番号:16、配列番号:18、配列番号:20、配列番号:22、配列番号:24、配列番号:26、配列番号:28、配列番号:30、配列番号:32、配列番号:34、配列番号:36、配列番号:38、配列番号:40、配列番号:42、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:48、配列番号:50、配列番号:52、配列番号:54、配列番号:56、配列番号:58、配列番号:60、配列番号:62、配列番号:64、配列番号:66、配列番号:68、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82、配列番号:84、配列番号:86、配列番号:88、配列番号:90、配列番号:92、配列番号:94、配列番号:96、配列番号:98、配列番号:100、配列番号:102、配列番号:104、または配列番号:106の残基番号1〜16、1〜17、1〜18、1〜19、1〜20、1〜21、1〜22、1〜23、1〜24、1〜25、1〜26、1〜27、1〜28、1〜29、1〜30、1〜31、1〜32、または1〜33からなる配列を有する単離または組換えシグナルペプチド。
  165. 請求項164記載のシグナルペプチド(SP)を含む第1のドメインを少なくとも1つ含み、異種ポリペプチドまたはペプチドを含む第2のドメインを少なくとも含むキメラポリペプチドであって、前記異種ポリペプチドまたはペプチドが前記シグナルペプチド(SP)と天然では連結していない、前記キメラポリペプチド。
  166. 異種ポリペプチドまたはペプチドがホスホリパーゼではない、請求項165記載のキメラポリペプチド。
  167. 異種ポリペプチドまたはペプチドが、シグナルペプチド(SP)または触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシル末端、またはその両方に存在する、請求項165記載のキメラポリペプチド。
  168. キメラポリペプチドをコードする単離又は組換え核酸であって、前記キメラポリペプチドは、請求項164記載のシグナルペプチド(SP)を含むシグナルペプチド(SP)を含む第1のドメインを少なくとも含み、異種ポリペプチドまたはペプチドを含む第2のドメインを少なくとも含むキメラポリペプチドであって、前記異種ポリペプチドまたはペプチドが前記シグナルペプチド(SP)と天然では連結していない、前記単離又は組換え核酸。
  169. ホスホリパーゼをグリコシル化することを含む、ホスホリパーゼポリペプチドの熱耐性または熱安定性を増加させる方法であって、前記ポリペプチドが請求項61記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは24記載の核酸によってコードされるポリペプチドの少なくとも30の連続するアミノ酸を含むポリペプチドである、前記方法。
  170. 細胞中で組換えホスホリパーゼを過剰発現させる方法であって、請求項1または24記載の核酸を含むベクターを発現させることを含み、前記過剰発現が高活性プロモーター、二シストロン性ベクターまたはベクターの遺伝子増幅によって行われる、前記方法。
  171. 以下の工程を含む、トランスジェニック植物の作製方法:
    (a)請求項1または24記載の配列を含む異種核酸配列を細胞に導入して形質転換植物細胞を作製する工程;
    (b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を作製する工程。
  172. 工程(a)が更に、エレクトロポレーションまたはマイクロインジェクションにより植物細胞プロトプラストに異種核酸を導入することを含む、請求項171記載の方法。
  173. 工程(a)が、DNA粒子ボンバードメントにより又はアグロバクテリウムツメファシエンス宿主を用いることにより直接植物組織に異種核酸を導入することを含む、請求項171記載の方法。
  174. 以下の工程を含む、植物細胞において異種核酸を発現させる方法:
    (a)プロモーターに機能可能に連結された異種核酸で植物細胞を形質転換する工程であって、前記異種核酸が請求項1又は24記載の配列を含む核酸である、前記工程;
    (b)前記異種核酸が前記植物細胞中で発現される条件下で、前記植物を生育させる工程。
  175. 以下の工程を含むリン脂質含有組成物を加水分解、分割または破壊する方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを提供する工程;
    (b)リン脂質を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、ホスホリパーゼが前記リン脂質含有組成物を加水分解、分割または破壊する条件で接触させる工程。
  176. 組成物がリン脂質含有脂質二重層または二重膜を含む、請求項175記載の方法。
  177. 組成物が植物細胞、細菌細胞、酵母細胞昆虫細胞または哺乳動物細胞を含む、請求項175記載の方法。
  178. 以下の工程を含むリン脂質含有組成物を液化または除去する方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを提供する工程;
    (b)リン脂質を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、ホスホリパーゼが前記リン脂質含有組成物を液化または除去する条件で接触させる工程。
  179. ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを含む洗剤組成物。
  180. ホスホリパーゼが非表面活性ホスホリパーゼまたは表面活性ホスホリパーゼである、請求項179記載の洗剤組成物。
  181. ホスホリパーゼが非水性液体組成物、成型固体、顆粒状形態、微粒子形態、圧縮錠剤、ゲル形態、ペーストまたはスラリー形態に処方される、請求項179記載の洗剤組成物。
  182. 以下の工程を含む、洗浄方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;
    (b)洗浄対象物を提供する工程;
    (c)工程(a)の組成物を工程(b)の対象物と、前記組成物が前記対象物を洗浄できる条件下で接触させる工程。
  183. 以下の工程を含む、油を脱ガム化する方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;
    (b)リン脂質含有脂肪または油を含む組成物を提供する工程;
    (c)工程(a)の組成物を工程(b)の組成物と、前記ポリペプチドが工程(b)の組成物中のリン脂質の加水分解を触媒する条件下で接触させること工程。
  184. 油含有組成物が植物、動物、藻類または魚の油または脂肪を含む、請求項183記載の方法。
  185. 植物油がダイズ油、ブドウ種子油、コーン油、パーム核油、カノーラ油、ヒマワリ油、ゴマ油またはラッカセイ油を含む、請求項184記載の方法。
  186. ポリペプチドが油含有組成物中の水和性及び/又は非水和性リン脂質からホスファチドを加水分解する、請求項183記載の方法。
  187. ポリペプチドがホスファチドをグリセリルホスホエステル結合部で加水分解してジグリセリドおよび水溶性ホスフェート化合物を生成する、請求項183記載の方法。
  188. ポリペプチドがホスホリパーゼC活性を有する、請求項183記載の方法。
  189. ポリペプチドがホスホリパーゼD活性を有する、請求項183記載の方法。
  190. 接触が油中の水和リン脂質の加水分解を含む、請求項183記載の方法。
  191. 工程(c)の条件がアルカリ性pHにて約20℃〜40℃の温度という条件を含む、請求項183記載の方法。
  192. アルカリ性条件が約8〜10のpH条件を含む、請求項190記載の方法。
  193. 工程(c)の加水分解条件が約3〜10分間の反応時間を含む、請求項183記載の方法。
  194. 工程(c)の加水分解条件が、約50℃〜60℃の温度、約5〜6のpHにて反応時間約30〜60分間で油中の水和性および非水和性リン脂質を加水分解することを含む、請求項183記載の方法。
  195. ポリペプチドがフィルターに結合しており、リン脂質含有脂肪または油が前記フィルターを通過する、請求項183記載の方法。
  196. ポリペプチドが、リン脂質含有脂肪または油を含む溶液に添加され、前記溶液がフィルターを通過する、請求項183記載の方法。
  197. 以下の工程を含む、非水和性リン脂質を水和性形態へ変換する方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;
    (b)非水和性リン脂質を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、前記ポリペプチドが前記非水和性リン脂質を水和性リン脂質に変換する条件下で接触させる工程。
  198. ポリペプチドがホスホリパーゼC活性を有する、請求項197記載の方法。
  199. ポリペプチドがホスホリパーゼD活性を有し、ホスファターゼ酵素も添加される、請求項197記載の方法。
  200. 以下の工程を含む、リン脂質含有組成物の腐蝕性精製方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;
    (b)リン脂質を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、腐蝕性精製の前、途中、または後に接触させる工程。
  201. ポリペプチドがホスホリパーゼC活性を有する、請求項200記載の方法。
  202. ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドが腐蝕性精製の前に添加され、リン脂質を含む組成物が植物を含み、ポリペプチドが前記植物中で一過性に発現され、前記ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドが植物の種子または他の部分の粉砕中に添加されるか、または、前記ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドが粉砕の後若しくは精製に先立って添加される、請求項200記載の方法。
  203. ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドが腐蝕性精製の途中で添加され、リンの濃度および遊離の脂肪酸の濃度に依存して種々の濃度の酸または腐蝕剤が添加される、請求項200記載の方法。
  204. ホスホリパーゼ活性を有するポリペプチドが、腐蝕性精製の後に、分離に先立つ強力ミキサーまたは停留ミキサー中、加熱工程後、遠心中、ソープストック中、洗浄水中に添加され、または、ブリーチングまたは脱臭工程中に添加される、請求項200記載の方法。
  205. 以下の工程を含む、フィトステロールまたはトリテルペンを精製する方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;
    (b)フィトステロールまたはトリテルペンを含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、前記ポリペプチドが前記組成物中のリン脂質の加水分解を触媒する条件下で接触させる工程。
  206. ポリペプチドがホスホリパーゼC活性を有する、請求項205記載の方法。
  207. フィトステロールまたはトリテルペンが植物ステロールを含む、請求項205記載の方法。
  208. 植物ステロールが植物油のステロールである、請求項207記載の方法。
  209. 植物油が、ココナッツ油、カノーラ油、ココアバター油、コーン油、綿実油、亜麻仁油、オリーブ油、パーム油、ラッカセイ油、コメヌカ油、ヒマワリ油、ゴマ油またはダイズ油を含む、請求項208記載の方法。
  210. さらに、遊離のフィトステロールおよびヒトステリル脂肪酸エステルを定量的に抽出するための非極性溶媒の使用を含む、請求項205記載の方法。
  211. ヒトステロールまたはトリテルペンが、β-シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、スチグマスタノール、β-シトスタノール、シトスタノール、デスモステロール、カリナステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロールまたはブラシカステロールを含む、請求項205記載の方法。
  212. 以下の工程を含む、組精製油を精製する方法:
    (a)ホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチド、または請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチドを含む組成物を提供する工程;
    (b)リン脂質を含む油を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、前記ポリペプチドが前記組成物中のリン脂質の加水分解を触媒する条件下で接触させる工程。
  213. ポリペプチドがホスホリパーゼC活性を有する、請求項212記載の方法。
  214. ポリペプチドが組成物中に添加された水性溶液中でホスホリパーゼ活性を有する、請求項212記載の方法。
  215. 水濃度が0.5〜5%である、請求項214記載の方法。
  216. 処理時間が約2時間未満である、請求項214記載の方法。
  217. 処理時間が約60分間未満である、請求項216記載の方法。
  218. 堀次官が約30分間未満、約15分間未満、または約5分間未満である、請求項217記載の方法。
  219. 加水分解条件が約25℃〜70℃という温度を含む、請求項212記載の方法。
  220. 加水分解条件が腐蝕剤の使用を含む、請求項212記載の方法。
  221. 加水分解条件が約3〜10のpH条件を含む、請求項212記載の方法。
  222. 加水分解条件が工程(c)の接触後の乳化剤の添加および/または混合を含む、請求項212記載の方法。
  223. 水性相の分離を促進するために乳化停止剤の添加および/または加熱を含む、請求項212記載の方法。
  224. 接触工程の前に遠心によって脱ガム化してレシチンを集めること、および、PCLおよび/またはPLAを添加して非水和性リン脂質を除去することを含む、請求項212記載の方法。
  225. 粗精製油を脱ガム化して、食用油については10ppm未満とし、バイオディーゼル油については続いて物理的精製して約50ppm未満とすることを含む、請求項212記載の方法。
  226. 非水和性リン脂質の水和を促進するために酸を添加することを含む、請求項212記載の方法。
  227. 以下の工程を含む、油または脂肪を脱ガム化する方法:
    (a)ホスホリパーゼD活性を含むホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチド、および、ホスファターゼ酵素、を含む組成物を提供する工程;
    (b)リン脂質を含む油を含む組成物を提供する工程;および、
    (c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の組成物と、前記ポリペプチドが前記組成物中のリン脂質の加水分解を触媒する条件下で接触させる工程。
  228. ホスホリパーゼC活性と等価な活性を有する組成物であって、ホスホリパーゼD活性を含むホスホリパーゼ活性を有する、請求項65記載のポリペプチドまたは請求項1若しくは24記載の核酸よってコードされるポリペプチド、および、ホスファターゼ酵素、を含む前記組成物。
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