JP2626380B2 - クレーン用吊治具の旋回防止装置 - Google Patents

クレーン用吊治具の旋回防止装置

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JP2626380B2
JP2626380B2 JP32237291A JP32237291A JP2626380B2 JP 2626380 B2 JP2626380 B2 JP 2626380B2 JP 32237291 A JP32237291 A JP 32237291A JP 32237291 A JP32237291 A JP 32237291A JP 2626380 B2 JP2626380 B2 JP 2626380B2
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章次 玉記
実 加藤
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  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)
  • Load-Engaging Elements For Cranes (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バランスアーム式の吊
治具が風圧によって旋回することを未然に防止できるよ
うにしたクレーン用吊治具の旋回防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高層ビルなどの建物の外壁には、一般に
PCカーテンウオールが使用されている。このカーテン
ウオールを外壁として取り付けるにはタワークレーンが
用いられているが、建物側への引き寄せと取り付けのた
めに従来平衡ビームを用いることが行われている。
【0003】この平衡ビームは、水平ビームの一端側に
バランスウエイトを配置し、他端側に吊荷を配置したも
ので、両者の重さと支点に対する距離の積によって水平
状態を保つとともに、もっぱらビームの支点から吊荷ま
での距離分だけ外壁側から建物内部に向けて吊荷を移動
でき、また例えば実開昭60−19107号公報に示す
ようにバランスウエイトの位置が吊荷の荷重変化に応じ
て移動し、平衡状態を保持する構造も開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この平
衡ビーム式のものではフックブロックの吊り下げ中心に
対して吊荷が偏心状態に吊り下げられるため、吊荷が風
に煽られて旋回しやすく、特にPCカーテンウオールな
どのように受圧面積の大きな吊荷の場合には、風圧によ
って旋回し易く吊荷を所定位置に下ろすことが困難であ
り、危険性も増していた。
【0005】この発明は以上の問題を解決するものであ
って、その目的は、バランスアーム式吊治具の風による
旋回や振れを未然に防止し、作業能率の向上と安全性を
図ったクレーン用吊治具の旋回防止装置を提供するもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに本発明は、クレーンのフックブロックに吊下される
支点ブロックと、該支点ブロックに左右対称的に配置さ
れた吊荷アーム及びバランスアームを備え、前記吊荷ア
ームに加わる吊荷の荷重に応じた前記バランスアーム側
の荷重モーメントによって前記両アームをバランスさせ
つつ吊荷を搬送するクレーン用吊治具において、前記バ
ランスアーム側にあって、前記フックブロックを回転中
心とする円弧状軌跡の円周方向に直交する垂直面に風圧
に応じて拡張,縮小可能な風受け面を設けたものであ
る。
【0007】
【作用】以上の構成による本発明旋回防止装置にあって
は、吊荷アーム側の吊荷とともに、バランスアーム側の
風受け面が風圧を受けることによって、風が吹いたとき
に吊荷側が受ける風圧による旋回方向と逆の旋回モーメ
ントが生じ、旋回を停止する。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明の第一実施例を示すものであ
る。図において、図示しないタワークレーンの吊下ワイ
ヤの下端にはフックブロック1が配置されている。吊荷
治具2は、フックブロック1のフック1aに吊下される
支点ブロック3と、支点ブロック3に支点ピン4を介し
て揺動可能に枢支された吊荷アーム5およびバランスア
ーム6と、前記支点ブロック3の下部中央に垂下された
駆動用油圧シリンダ7と、油圧シリンダ7の下部に進退
可能に突出するプランジャ8に一端をピン9を介して連
結され、他端を前記各アーム5,6にピン10を介して
連結された一対のリンクレバー11,12とを備え、前
記プランジャ8の進退動作に伴いリンクレバー11,1
2が移動し、前記各アーム5,6はデバイダ状に開閉す
る。
【0009】前記吊荷アーム5の先端には吊荷W1 を吊
下するためのフック部13が設けられている。また、バ
ランスアーム6の長さは吊荷アーム5の長さより長く、
その先端にバランスウエイトW2 を吊下している。
【0010】さらにバランスアーム6の先端部外側に
は、旋回防止装置20が設けられている。この旋回防止
装置20は、回動基端をバランスアーム6側に固定され
たブラケット21に軸22を介して回動可能に設けられ
た展開バー23と、一端を展開バー24の側面に固定さ
れ、他端をバランスアーム6上に設けた固定用ブラケッ
ト24に固定されて扇状に折り畳み展開可能な風受け
面、すなわち受圧ブレード25と、前記軸22にギア及
びピニオンを介して連繋する駆動モータ26とからな
り、この駆動モータ26の正逆転により前記展開バー2
3を回動させ、前記受圧ブレード25を扇状に折り畳み
展開可能としている。
【0011】以上の構成において、吊荷治具2の荷重バ
ランスは各アーム5,6の長さL1,L2 の水平投影分
の長さと吊荷W1 およびバランスウエイトW2 の荷重の
それぞれの積によるモーメントの釣合いで定まる。
【0012】この荷重バランスが釣り合った状態は、前
記油圧シリンダ7が垂直位置を保つことによって確認で
き、この確認のために油圧シリンダ7には傾斜計14が
配置されている。したがって、この傾斜計14のデータ
を読み取りつつ荷重調整し、その調整後はクレーンによ
って安定した状態で吊上げることができる。
【0013】また、プランジャ8を進退操作することに
より、均衡が破れ、各アーム5,6はそれに応じた開き
角度に拡開縮小するので吊荷W1 の最終受け渡し地点に
おける位置の微調整操作が出来ることになる。
【0014】吊荷W1 を受渡した後油圧シリンダ7を駆
動して各アーム5,6を図中想像線のごとく閉じれば、
バランスウエイトW2 は治具2の重心近傍に移動するの
で、空荷状態でも治具2は安定した姿勢でフックブロッ
ク1に吊下される。なお、各アーム5,6を閉じた状態
では強風下において風による振れを小さくする効果もあ
る。
【0015】なお、前記旋回防止装置20の受圧ブレー
ド25は通常無風状態では折り畳まれており、風が吹い
ても風受け面としては作用しない。しかし、吊荷状態で
風が吹き、風の方向,風速及び吊荷W1 の受圧面積に応
じて吊荷W1 側に風圧が偏在して加わると両アーム5,
6の先端はフック1aを旋回中心として風方向に円弧状
の軌跡を描いて旋回しようとする。
【0016】この段階でモータ26を駆動して前記受圧
ブレード25を展開させれば、受圧ブレード25が吊荷
W1 と反対側で両アーム5,6の旋回軌跡に直交する所
定面積の抵抗体となる。したがってこのエアブレーキ効
果によってアーム5,6は旋回方向とは逆の旋回モーメ
ントを受けることになり、旋回を停止する。受圧ブレー
ド25の展開面積は、風速や既に旋回したときの旋回状
態に応じたエアブレーキ効果を考慮して適宣設定でき
る。また吊荷W1 が風を受ける受圧面積より受圧ブレー
ド25の全展開面積が小さくても、バランスアーム6側
の長さL2 が吊荷アーム5側の長さL1 より長いので、
十分大きな逆の旋回モーメントを生じさせることができ
る。
【0017】図2(a),(b)は本発明の旋回防止装
置の第二実施例を示すものである。なお、図における要
部以外の箇所は第一実施例と同様なので要部のみについ
て説明し、その他の部分を省略する。図において、この
旋回防止装置30は、バランスアーム6の先端外側部に
配置された一対のブラケット31と、ブラケット31間
に軸部32aを介してバランスアーム6と平行に軸受さ
れた風受け面を構成する受圧板32と、軸部32aの一
方にギア及びピニオンを介して連繋する駆動モータ33
とからなっている。この実施例では通常の無風状態では
(a)に示すように受圧板32の受圧面を風向と平行に
保持しておけば、風が吹いたとしても風は受圧板32の
両側を吹き通り、風の影響を受けない。この状態から受
圧板32を90°回動させれば、(b)に示すように受
圧板32の受圧面はバランスアーム6の外側面に衝立状
に位置し、全風圧を受けることになる。なお、実際には
風圧,風向,旋回状態に応じて受圧板32の回動角度を
設定することで、受圧面積が変化し、それに応じたエア
ブレーキ効果を得ることになる。
【0018】
【発明の効果】以上各実施例によって詳細に説明したよ
うに、本発明にかかるクレーン用吊荷治具の旋回防止装
置にあっては、吊荷アーム側の吊荷とともに、バランス
アーム側の風受け面が風圧を受けることによって、風が
吹いたときに吊荷側が受ける風圧による旋回方向と逆の
旋回モーメントが生じて旋回を防止するため、カーテン
ウオール材などの吊荷を効率良く、安全に搬送すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例によるクレーン用吊荷治具
の正面図である。
【図2】本発明の第二実施例を示し、(a)は受圧板の
無風時における状態を示す部分拡大図である。(b)は
受圧板を拡げた状態を示す部分拡大図である。
【符号の説明】
1 フックブロック 2 吊荷治具 3 支点ブロック 5 吊荷アーム 6 バランスアーム 20,30 旋回防止装置 25 受圧ブレード(風受け面) 32 受圧板(風受け面) 26,33 駆動モータ W1 吊荷 W2 バランスウエイト

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クレーンのフックブロックに吊下される
    支点ブロックと、該支点ブロックに左右対称的に配置さ
    れた吊荷アーム及びバランスアームを備え、前記吊荷ア
    ームに加わる吊荷の荷重に応じた前記バランスアーム側
    の荷重モーメントによって前記両アームをバランスさせ
    つつ吊荷を搬送するクレーン用吊治具において、 前記バランスアーム側にあって、前記フックブロックを
    回転中心とする円弧状軌跡の円周方向に直交する垂直面
    に風圧に応じて拡張,縮小可能な風受け面を設けたこと
    を特徴とするクレーン用吊治具の旋回防止装置。
JP32237291A 1991-11-12 1991-11-12 クレーン用吊治具の旋回防止装置 Expired - Lifetime JP2626380B2 (ja)

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