JP2008505619A - 葉緑素を酵素的に脱色するための組成物及び方法 - Google Patents

葉緑素を酵素的に脱色するための組成物及び方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、葉緑素を含む組成物、例えば藻類調製物、葉緑素含有若しくは葉緑素夾雑飼料、食品又は油、例えば植物油(油種子(例えばキャノーラ(ナタネ)油又はダイズ油)又は油果実(例えばヤシ油)から加工された油を含む)の酵素的処理(“漂白”又は“脱色”)のための組成物及び方法を提供する。ある特徴では、本発明は、藻類、動物(例えば魚)若しくは植物調製物、食品、又は油中の葉緑素の酵素的加水分解のためにクロロフィラーゼ酵素を用いる方法を提供する。ある特徴では、前記クロロフィラーゼはシリカ上に固定される。本発明はまた工業的製造のための組成物及び洗剤の組成物を提供する。

Description

本発明は、食品、飼料又は植物油、植物及び動物の生成物の工業的処理、並びに酵素学の分野に関する。特に、本発明は、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を酵素処理(“漂白”又は“脱色”)するための組成物及び方法を提供する。前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、例えば藻類、動物若しくは植物調製物、食品、飼料又は油、例えば植物油(油種子から処理された油を含む、例えばキャノーラ(ナタネ)油若しくはダイズ油、又は油果実、例えばヤシ油)である。ある特徴では、本発明は、例えば藻類、動物若しくは植物調製物、又は食品、飼料若しくは油中の葉緑素の酵素的改変のために葉緑素異化作用に由来する酵素(例えばクロロフィラーゼ)を用いる方法を提供する。
油種子(例えばキャノーラ又はダイズ)又は油果実(例えばヤシ)に由来する植物油は葉緑素を含む。葉緑素は、油の製造プロセス(種子破砕、油抽出、脱ガム、苛性処理及び漂白工程を含む)の多くの段階で取り除かれる。前記の最後の段階、漂白プロセスでは、残留葉緑素が除去され許容可能なレベルが達成される。この葉緑素は、典型的には漂白プロセス工程で油から除去される。前記工程は、油を加熱すること、前記加熱油を吸着剤中に通して葉緑素及び他の着色化合物(仕上がり油の外観及び/又は安定性に影響を与える)を除去することを含む。この技術はまた、他の葉緑素含有油又は植物若しくは藻類調製物、例えば多価不飽和脂肪酸(PUFA)(例えばエイコサペンタエン酸(EPA)及びドコサヘキサエン酸(DHA))含有油の処理に用いられる。
高レベルの葉緑素色素は、保存時に望ましくない着色をもたらし、酸化を誘発し油の劣化を生じる。食用油加工工業では、漂白工程を用いて、葉緑素レベルを0.1ppmにまで低下させて着色及び官能性の点で油の品質を担保する。所望される典型的な仕上がり葉緑素レベルは0.02から0.05ppmである。この漂白工程は処理コストを増加させ、漂白土中のエントレインメントのために油の収量を低下させる。
植物では、クロロフィラーゼ(chlアーゼ(chlase))は葉緑素分解に関与する第一の酵素である。前記は葉緑素中のエステル結合の加水分解を触媒し、クロロフィリド及びフィトールを生じる。
(発明の概要)
本発明は、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を酵素処理(“漂白”又は“脱色”)するための組成物及び方法を提供する。前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、例えば植物、動物(例えば魚、肉調製物)若しくは藻類調製物、食品、飼料又は油、例えば多価不飽和脂肪酸(PUFA)含有若しくはドコサヘキサエン酸(DHA)含有油、又は前記の混合物を含む組成物である。ある特徴では、本発明の組成物及び方法の“酵素処理”は、葉緑素改変酵素(例えばクロロフィラーゼ活性を有するポリペプチド、chlアーゼ及びクロロフィルクロロフィリド-ヒドロリアーゼを含む)、及び関連ポリペプチド又は任意の葉緑素異化酵素の使用を含む。したがって、本明細書で用いられる、“酵素的漂白”には、葉緑素分子又は等価物の任意の改変(部分的又は完全な脱色を含む)が含まれる。ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、粘土/漂白剤条件による異化作用に起因するエントレインメント及び油脂分解に由来する収量低下を減少させることができる。
本発明の方法及びプロセスのまた別の特徴では、クロロフィラーゼ(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼである)又は公知の酵素(chlアーゼ及び葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ及び関連ポリペプチド又は前記の組合せ、又は任意の葉緑素異化酵素を含む)が、前記方法又はプロセスで、例えば本明細書で考察されるように任意の時点又は任意の箇所で添加される。例えば、ある特徴では、前記クロロフィラーゼ(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼでも、又は公知の酵素でも、又はその組合せでもよい)及び/又は任意の葉緑素異化酵素は、また別の酵素(例えばホスホリパーゼ(例えばホスホリパーゼC))とともに、又は前記別の酵素無しに、混合工程若しくは脱ガム工程で、苛性タンク工程で、スタティックミキサー内で、デイタンク内で、又は保持タンク内で組成物(例えば粗油)に添加することができる。また別には、本発明の方法又はプロセスのある特徴では、前記クロロフィラーゼ(本発明のクロロフィラーゼ又は公知のクロロフィラーゼ)及び/又は任意の葉緑素異化酵素は、これら工程の任意の組合せにおいて、又はこれら工程の全てにおいて添加することができる。
ある特徴では、本発明は、組成物から葉緑素の除去を促進するために葉緑素を改変する方法又はプロセスを提供する。前記方法又はプロセスは、例えば添付書類Aの1ページに示されているように水性分離プロセス、又は疎水性分離プロセス、又はアフィニティー分離プロセスなどを介する。
ある特徴では、本発明は、組成物(例えば食品、飼料、植物、動物、藻類など)中の葉緑素又は等価化合物の酵素的改変(例えば異化作用)を含む方法及びプロセスであって、さらに、前記組成物の成分(例えば仕上がり製品で所望されない化合物)、例えば残留葉緑素(例えばクロロフィラーゼによって改変されない葉緑素又は等価化合物)、農薬、多環式芳香族炭化水素などを除去することを含む前記方法及びプロセスを提供する。所望されない化合物、例えば残留葉緑素、農薬、多環式芳香族炭化水素などは、極めて少量の漂白粘土又は他の吸着剤(例えばシリカ又は等価化合物)を用いて除去することができる。
ある特徴では、組成物のこれらの成分は、漂白粘土を用いて、例えば漂白粘土を用いる複数の工程で除去され、この場合にはある特徴では、前記組成物の成分は極めて少量の漂白粘土及び/又は少なくとも1つの他の吸着剤(例えばシリカ)を用いて除去される。ある特徴では、仕上がりの葉緑素レベルは約0.02ppmから0.05ppmである。この例示的プロセスでは、漂白工程は加工コストを増加させ、漂白粘土中のエントレインメントのために油の収量を減少させうる。本発明の組成物及びプロセスは、粘土/漂白条件による異化作用に起因するエントレインメント及び油脂分解に由来する収量低下を減少させることができる。
本発明のある例示的(反応)方法では、クロロフィラーゼは葉緑素の加水分解を触媒してクロロフィリド(前記はある特徴では水性抽出される)及びフィトール(前記は油相に残留する)を生成する。また別の例示的方法では、フェオホルビドはクロロフィリドと同様な態様で除去することができる。ある特徴では、本発明の組成物及び方法を用いることによって、水性分離プロセスは吸着剤の必要性を部分的又は完全に排除することができる。しかしながら、また別の特徴では、前記方法は、シリカベース抽出プロセス(例えば無吸着剤又は低吸着剤シリカ精製)を用いる水溶性クロロフィリド又はフェオホルビドの部分的又は完全な抽出を含む。ある特徴では、クロロフィラーゼはシリカ(例えばシリカゲル)上に固定される(前記シリカは続いてクロロフィリドを吸着する)。ある特徴では、前記シリカはトリシルシリカ(TriSyl Sikica)又はSORBSIL R(商標)シリカを含む。
本発明は、以下の工程を含む、フェオフィチン含有又はフェオフィチン夾雑組成物の酵素処理のための方法(工業的プロセスを含む)を提供する:(a)フェオフィチン含有又はフェオフィチン夾雑組成物を提供する工程;(b)クロロフィラーゼ又はフェオフィチナーゼ活性を有するポリペプチド(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼ若しくは公知の酵素又は前記の混合物でもよい)を提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドがフェオフィチン改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。葉緑素の無マグネシウム誘導体がフェオフィチンと称される。フェオフィチンは有色であり、特に酸処理が用いられる場合にしばしば油に存在する。いくつかの用途では、フェオフィチンの除去が所望される。フェオフィチンのクロロフィラーゼ処理の生成物はフェオホルビドであり、前記はクロロフィリドと同様な態様で除去することができる。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、工業的プロセス(例えば油の漂白又は苛性中和又は脱ガムプロセス)として又は前記プロセスとともに実施される。ある特徴では、本発明の組成物及び方法の使用は、従来の漂白加工時の吸着剤の量の削減又は吸着剤の必要性の排除に役立つ。前記漂白加工は、典型的には油又は他の葉緑素夾雑組成物を加熱し、さらに前記を吸着剤中に通して葉緑素及び他の着色化合物(仕上がり油の外観及び/又は安定性に影響を与える)を除去することを必要とする。したがって、本発明のこの特徴の実施では、吸着剤の必要性を部分的又は完全に排除することによって、処理コストを削減することができる。例えば、吸着剤(例えば粘土)のコスト、廃棄コスト、水のコスト、エネルギーコスト、スチームコストを削減することができる。本発明の種々の特徴の実施における他の利益には収量の改善、例えば吸着剤基質への油のエントレインメントの減少、最終製品価値の上昇(重要な微量栄養素(例えばベータカロチン)の保持を含む)、プロセス効率の増加(処理工程の削減を含む)、資本の節約及び環境的利益(例えば漂白吸着剤の埋立ての減少又は排除が含まれる。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法の実施において、葉緑素改変ポリペプチド(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼ若しくは公知の酵素又は前記の混合物でもよい)は、脱ガム(例えば酵素的脱ガム)プロセスの任意の時点で用いることができる。例えば、前記葉緑素改変ポリペプチドは、あるプロセスの任意の工程の前又は後で、又は任意の工程の組合せの前又は後で、又はあるプロセスの全ての工程の前又は後で、例えば機械的及び/又は化学的抽出、及び/又は脱ガム、及び/又は苛性中和、及び/又は漂白などの前、最中、又は前記に続いて添加することができる。
本発明の方法のいずれかのまた別の特徴では、少なくとも1つの工程は1つの反応容器で(例えば油脱ガム装置)で実施される。本発明の方法のいずれかのまた別の特徴では、少なくとも1つの工程は1つの細胞抽出物中で実施される。本発明の方法のいずれかのまた別の特徴では、少なくとも1つの工程は全細胞中で実施される。前記細胞は任意の供給源、例えば植物細胞、細菌細胞、菌類細胞、動物細胞(例えば哺乳動物細胞、魚の細胞)又は酵母細胞でもよい。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための方法を提供する:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼ若しくは公知の酵素又は前記の混合物でもよい);(b)クロロフィラーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための工業的プロセスを提供する:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼ若しくは公知の酵素又は前記の混合物でもよい);(b)クロロフィラーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素的漂白のための工程を含む脱ガムプロセスを提供する:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程(前記は本発明の新規なクロロフィラーゼ若しくは公知の酵素又は前記の混合物でもよい);(b)クロロフィラーゼ活性を有するポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
葉緑素及びフェオフィチン上に第二のエステル、メチルエステルが存在する。本発明の方法は、さらにエステラーゼによるこのメチルエステルの加水分解を含むことができる。前記によって反応誘導体(今や二酸物(diacid))の水相への分配傾向を高めることができる。
例示的な方法では、ホスホリパーゼ(例えばホスホリパーゼC)又は別のヒドロラーゼ(例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ、及び/又はホスファターゼ)を用いて、例えば油の抽出及び油の脱ガムが改善される。
また別の特徴では、本発明の方法及びプロセスは、さらにエステラーゼ(前記は本発明の新規な酵素若しくは公知の酵素又は前記の混合物でもよい)によるメチルエステルの加水分解を含むことができる。また別の特徴では、本発明の方法は、さらに水性抽出物中の改変葉緑素の除去を含むことができる。前記方法は、さらにpHを改変して(例えばpHを高くして)、クロロフィリドの水性分離を促進する工程を含むことができる。前記方法で用いられる酵素、例えばクロロフィラーゼはこのpHが高くなった時に、又は分離プロセスの“苛性”相で添加することができる。前記方法は、さらに苛性中和工程を含むことができる。前記方法はさらに、葉緑素の酵素的分解によって生じるクロロフィリドを除去するために、無吸着剤又は低吸着剤シリカ精製工程を含むことができる。前記方法は、さらにヒドロラーゼ例えばホスホリパーゼCの使用を含むことができる。
本発明の方法及びプロセスのある特徴では、前記ポリペプチドはエステラーゼ(例えば本発明の酵素)、例えばクロロフィラーゼであるか、又はクロロフィラーゼ様活性を有するか、又は葉緑素異化活性を有する。前記方法のある特徴では、前記ポリペプチドは固定される。前記ポリペプチドは無機支持体又は有機支持体上に固定することができる。無機支持体はアルミナ、セリット、ダウエクス-1-クロリド、ガラスビーズ又はシリカゲル、又は等価物を含むことができる。前記ポリペプチドはアルギン酸ヒドロゲル又はアルギン酸ビーズ、又は等価物上に固定することができる。前記方法のある特徴では、前記ポリペプチドはさらにリポソーム、ヒドロゲル又はゲルを含む。
前記方法のある特徴では、前記ポリペプチドは、1つの反応容器(例えば重力ガム分離装置又は保持タンクなど)で実施される少なくとも1つの工程で用いられる。前記方法のある特徴では、少なくとも1つの工程は細胞抽出物中で、又は全細胞中で実施される。前記細胞は、植物細胞、細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞などでもよい。
前記方法のある特徴では、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、植物物質、植物油又は植物抽出物を含む。前記植物物質、植物油又は植物抽出物は、植物油又は種子油を含むことができる。前記植物油は、ヤシ油又はキャノーラ油を含むことができる。また別には、前記植物物質、植物油又は植物抽出物は、藻類調製物を含むことができる。前記方法のある特徴では、前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、非木材生成物又は木材生成物を含む。前記方法のある特徴では、前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、繊維又は織物を含む。前記方法のある特徴では、前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、医薬製剤、食品、油、飼料、又は食事補助物質を含む。
本発明の組成物及び方法を用いて、粗油又は精製油(例えば植物(例えば野菜)、藻類、動物もしくは魚類、又は合成供給源に由来する油)を処理することができる。本発明の組成物及び方法を用いて油の濃度がより高い粗油又は精製油を処理することができ、又ある特徴では未精製油及び未希釈粗油を処理することができる。
ある特徴では、前記方法はさらに、葉緑素の酵素的分解によって生成されるクロロフィリドを、シリカゲル又は等価物への吸着によって除去することを含む。前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物は、繊維、布地、糸、若しくは織物、又は関連組成物、木材若しくは紙製品又は副産物(例えば木材パルプ、紙パルプ、クラフトパルプ)、又は非木材製品若しくは副産物(例えばイネ製紙)を含むことができる。
本発明は、以下を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素的処理のために、脱ガムシステムを含む工業的製造のための製品を提供する:(a)植物油精製装置;(b)クロロフィラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば本発明の酵素)、ここで、前記ポリペプチドの活性は葉緑素改変反応の触媒を含み、前記植物油精製装置は、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を前記ポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させることができる。前記工業的製造のための製品のある特徴では、前記植物油精製装置は、残留油排出装置、保持タンク又は重力ガム分離装置を含む。前記葉緑素改変反応は、クロロフィリド及びフィトールの生成を含むことができる。
本発明は、以下を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑織物の酵素処理を含む洗剤を提供する:(a)洗剤組成物;(b)クロロフィラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば本発明の酵素)、ここで前記活性は葉緑素改変作用の触媒を含む。ある特徴では、前記葉緑素改変反応はクロロフィリド及びフィトールの生成を含む。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑織物の酵素的処理のための方法を提供する:(a)クロロフィラーゼ活性を有するポリペプチド(例えば本発明の酵素)を含む洗剤組成物を提供する工程(ここで前記活性は葉緑素改変作用の触媒を含む);(b)前記洗剤組成物を前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑織物と、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で接触させる工程。ある特徴では、前記葉緑素改変反応はクロロフィリド及びフィトールの生成を含む。
本発明は、本発明の例示的核酸、例えば配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19と、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550、1600、1650、1700、1750、1800、1850、1900、1950、2000、2050、2100、2200、2250、2300、2350、2400、2450、2500、又はそれより大きい残基の領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれより高いか、又は完全な(100%)配列同一性を有する核酸配列、前記と実質的に同一の配列、及び前記と相補的な配列を含む、単離された合成又は組換え核酸を提供し、前記核酸は、本明細書に記載の酵素的活性、例えばエステラーゼ酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする。
また別の特徴では、前記配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、又は目視精査によって決定される。ある特徴では、前記配列比較アルゴリズムは、BLASTアルゴリズム、例えばBLASTバージョン2.2.2アルゴリズムであり、ここでフィルタリング設定はblastall p blastp d “nr pataa” F Fに設定され、他の全てのオプションは規定値に設定される。
本発明の例示的核酸はまた、本発明のポリペプチド、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18又は配列番号20に示す配列を有するポリペプチド、及びその部分配列、及びその変種をコードする単離された合成又は組換え核酸を含む。
また別の特徴では、前記ポリペプチドは、エステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む)、又は葉緑素分子の酵素的改変を含む酵素活性を有し、例えばこの場合、前記酵素的改変は葉緑素分子の異化作用を含む。ある特徴では、前記エステラーゼ活性は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ活性を含む。
ある特徴では、本発明の単離された合成又は組換え核酸は、熱安定性である酵素活性を有するポリペプチドをコードする。前記ポリペプチドは、約37℃から約95℃;約55℃から約85℃;約70℃から約95℃;約90℃から約95℃の範囲の温度を含む条件下で酵素活性を保持することができる。
また別の特徴では、本発明の単離された、合成及び組換え核酸は、耐熱性である酵素活性を有するポリペプチドをコードする。前記ポリペプチドは、約37℃を超えて約95℃までの範囲の温度、又は約55℃を超えて約85℃までの範囲のいずれかの温度に曝露した後で酵素活性を保持することができる。前記ポリペプチドは、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃、約55℃から約85℃、約70℃から約75℃、又は約90℃から約95℃又はそれより高い範囲の温度に曝露した後で酵素活性を保持することができる。ある特徴では、前記ポリペプチドは、pH4.5で、90℃を超えて約95℃の範囲の温度に曝露した後で酵素活性を保持する。
本発明は、本発明の配列、例えば配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19に示す配列、又はそのフラグメント若しくは部分配列(又は前記の相補鎖)を含む核酸と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、単離された合成又は組換え核酸を提供する。ある特徴では、本発明の核酸は、エステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む)、又は葉緑素分子の酵素的改変(例えばこの場合、前記酵素的改変は葉緑素分子の異化作用を含む)を含む酵素活性を有するポリペプチドをコードする。ある特徴では、前記エステラーゼ活性は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ活性を含む。前記核酸は、長さが、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、又はそれより大きい残基、又は完全長の遺伝子又は転写物でもよい。ある特徴では、前記ストリンジェントな条件は、0.2xSSC中で約65℃の温度で約15分間の洗浄を含む洗浄工程を含む。
本発明は、本明細書に記載の酵素活性(例えばエステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む))を有する、ポリペプチドをコードする核酸を同定するプローブを提供し、ここで前記プローブは、本発明の配列、又はそのフラグメントもしくは部分配列を含む、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、又はそれより大きい連続する塩基配列を含み、前記プローブは結合又はハイブリダイゼーションによって核酸を同定する。前記プローブは、本発明の配列、又はそのフラグメント若しくは部分配列を含む、少なくとも約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、又は約60から100の連続する塩基配列を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。
本発明は、本明細書に記載の少なくとも1つの酵素活性(例えばエステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む))を有する、ポリペプチドをコードする核酸を同定するプローブを提供し、ここで前記プローブは、本発明の核酸と、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれより高いか、又は完全な(100%)配列同一性を有する、少なくとも約10、15、20、30、40、50、60、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、又はそれより大きい残基の配列を含む核酸を含み、前記配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、又は目視精査によって決定される。
前記プローブは、本発明の核酸又はその部分配列の少なくとも約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、又は約60から100の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。
本発明は、本明細書に記載の少なくとも1つの酵素活性(例えばエステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む))を有する、ポリペプチドをコードする核酸を増幅させる増幅プライマー対を提供し、ここで前記プライマー対は、本発明の配列、又はそのフラグメント若しくは部分配列を含む核酸を増幅させることができる。前記増幅プライマー配列対の各メンバーの1つは、本発明の配列の少なくとも約10から50の連続する塩基、又は前記配列の少なくとも10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれより大きい連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。
本発明は増幅プライマー対を提供し、前記プライマー対は、本発明の核酸の最初の(5'の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれより大きい塩基によって示される配列を有する第一のメンバー、及び前記第一のメンバーの相補鎖の最初の(5'の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれより大きい塩基によって示される配列を有する第二のメンバーを含む。
本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって生成される、本発明のポリペプチドを含むタンパク質(例えば酵素)をコードする核酸を提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いて、本明細書に記載の少なくとも1つの酵素活性(例えばエステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む))を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いる増幅、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって酵素を生成及び/又は同定する方法を提供する。ある特徴では、前記増幅プライマー対は、ライブラリー、例えば遺伝子ライブラリー、例えば環境ライブラリー由来の核酸を増幅させる。
本発明は、本発明の核酸配列又はそのフラグメント若しくは部分配列を増幅させることができる増幅プライマー対を用いて、鋳型核酸を増幅させることを含む、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅させる方法を提供する。
本発明は、本発明の核酸又はその部分配列を含む発現カセットを提供する。ある特徴では、前記発現カセットは、プロモーターに機能可能に連結された前記核酸を含むことができる。前記プロモーターは、ウイルス性、細菌性、哺乳動物又は植物プロモーターでもよい。ある特徴では、前記植物プロモーターは、ジャガイモ、イネ、トウモロコシ、コムギ、タバコ又はオオムギのプロモーターでもよい。前記プロモーターは構成的プロモーターでもよい。前記構成的プロモーターはCaMV35Sを含むことができる。別の特徴では、前記プロモーターは誘導性プロモーターでもよい。ある特徴では、前記プロモーターは組織特異的プロモーターでも環境調節性若しくは発育調節性プロモーターでもよい。したがって、前記プロモーターは種子特異的、葉特異的、根特異的、茎特異的プロモーター又は器官脱離誘導プロモーターでもよい。ある特徴では、前記発現カセットはさらに植物発現又は植物ウイルス発現ベクターを含むことができる。
本発明は、本発明の発現カセット(例えばベクター)又は本発明の核酸を含むクローニングビヒクルを提供する。前記クローニングビヒクルは、ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージ又は人工染色体でもよい。前記ウイルスベクターは、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターを含むことができる。前記クローニングビヒクルは細菌性人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)又は哺乳動物人工染色体(MAC)を含むことができる。
本発明は、本発明の核酸、又は本発明の発現カセット(例えばベクター)、又は本発明のクローニングビヒクルを含む形質転換細胞を提供する。ある特徴では、前記形質転換細胞は細菌細胞、哺乳動物細胞、菌類細胞、酵母細胞、昆虫細胞、又は植物細胞でもよい。ある特徴では、前記植物細胞は穀類、ジャガイモ、コムギ、イネ、トウモロコシ、タバコ又はオオムギ細胞でもよい。
本発明は、本発明の核酸、又は本発明の発現カセット(例えばベクター)を含む非ヒトトランスジェニック動物を提供する。
本発明は、本発明の核酸、又は本発明の発現カセット(例えばベクター)を含む非ヒトトランスジェニック植物を提供する。前記トランスジェニック植物は、穀類の草木、トウモロコシの草木、ジャガイモの草木、トマトの草木、コムギの草木、油種子の草木、アブラナ、ダイズの草木、イネ、オオムギの草木、又はタバコの草木でもよい。
本発明は、本発明の核酸、又は本発明の発現カセット(例えばベクター)を含むトランスジェニック種子を提供する。前記トランスジェニック種子は、穀類の草木、トウモロコシの種子、コムギの穀粒、油種子、ナタネ、ダイズ種子、ヤシの核、ヒマワリの種子、落花生、又はタバコの草木の種子でもよい。
本発明は、本発明の核酸と相補的であるか、又は前記とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。本発明は、細胞内の酵素メッセージ(例えば本発明の酵素のメッセージ)の翻訳を阻害する方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸と相補的であるか、又は前記とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞に投与するか、又は前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞で発現させることを含む。ある特徴では、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは、長さが約10から50、約20から60、約30から70、約40から80、又は約60から100塩基である。
本発明は細胞で酵素メッセージの翻訳を阻害する方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸と相補的であるか、又は前記とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞に投与するか、又は前記アンチセンスオリゴヌクレオチドを前記細胞で発現させることを含む。本発明は、本発明の配列の部分配列を含む二本鎖の阻害性RNA(RNAi)分子を提供する。ある特徴では、前記RNAiは、長さが約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又はそれより大きい二重鎖ヌクレオチドである。本発明は、細胞でポリペプチド(例えば本発明の酵素)の発現を阻害する方法を提供する。前記方法は、二本鎖の阻害性RNA(RNAi)を前記細胞に投与するか、又は前記阻害性RNAを前記細胞で発現させることを含み、ここで前記RNAは本発明の配列の部分配列を含む。
本発明は、本発明の例示的なポリペプチド又はペプチドと、少なくとも約20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、又はそれより大きい残基、又は前記ポリペプチドの完全長にわたって、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれより高いか、又は完全な(100%)配列同一性を有するアミノ酸配列を含む、単離された合成又は組換えポリペプチドを提供する。ある特徴では、前記配列同一性は、配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、又は目視精査によって決定される。本発明の例示的ポリペプチド又はペプチドには配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18又は配列番号20、並びに前記の部分配列及び前記の変種が含まれる。例示的ポリペプチドにはまた、長さが少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、又はそれより大きい残基のフラグメント、又は酵素の完全長が含まれる。本発明の例示的ポリペプチド又はペプチド配列には、本発明の核酸によってコードされる配列が含まれる。本発明の例示的ポリペプチド又はペプチド配列には、本発明の抗体によって特異的に結合されるポリペプチド又はペプチドが含まれる。前記ペプチドは、例えば免疫原性フラグメント、モチーフ(例えば結合部位)、シグナル配列、プレプロ配列、触媒ドメイン(CD)又は活性部位でもよい。
ある特徴では、本発明のポリペプチドは、エステラーゼ活性(例えばクロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性)を有するか、又は葉緑素分子の酵素的改変(例えば前記酵素的改変は葉緑素分子の異化作用を含む)を含む酵素活性を有する。ある特徴では、前記エステラーゼ活性は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ活性を含む。
本発明のまた別の特徴は、本発明のポリペプチド又はペプチド配列、前記と実質的に同一の配列、及び前記と相補的な配列の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、又は100又はそれより大きい連続する塩基を含む単離された、合成又は組換えポリペプチド又はペプチドを提供する。前記ペプチドは、例えば免疫原性フラグメント、モチーフ(例えば結合部位)、シグナル配列、プレプロ配列、触媒ドメイン(CD)又は活性部位でもよい。
本発明は、細胞(例えば酵母細胞、植物細胞、菌類細胞、又は微生物(例えば細菌)細胞)中に本発明の核酸及び/又はプラスミドを含む生合成系を提供する。ある特徴では、本発明の生合成系は、葉緑素分子の異化作用に必要な全ての酵素又はそのサブセットのためのコード配列を含む。ある特徴では、前記コード配列はプラスミド、組換えベクター又はウイルスなどの中に存在する。
ある特徴では、本発明のポリペプチドの酵素活性は熱安定性である。本発明のポリペプチドは、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃、約55℃から約85℃、約70℃から約75℃、又は約90℃から約95℃、又はそれより高い範囲の温度を含む条件下で活性を保持することができる。また別の特徴では、本発明のポリペプチドの酵素活性は耐熱性である。前記ポリペプチドは、37℃より高く約95℃までの範囲の温度又は55℃より高く約85℃までの範囲の温度に曝露した後で活性を保持することができる。ある特徴では、前記ポリペプチドは、pH4.5で90℃より高く約95℃までの範囲の温度に曝露した後で活性を保持する。
ある特徴では、前記単離された合成又は組換えポリペプチドは、シグナル配列を欠く本発明のポリペプチドを含むことができる。ある特徴では、前記単離された合成又は組換えポリペプチドは、異種シグナル配列を含む、本発明のポリペプチドを含むことができる。
ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列を含む第一のドメイン及び少なくとも第二のドメインを含むキメラタンパク質を提供する。前記タンパク質は融合タンパク質でもよい。前記第二のドメインは酵素を含むことができる。前記キメラ酵素は、本明細書記載の活性(例えばエステラーゼ酵素活性(クロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を含む))を有する少なくとも1つのポリペプチドの全て又は部分配列を含むことができる。
本発明は、本発明のシグナルペプチド(SP)、プレプロ配列及び/又は触媒ドメイン(CD)を含む少なくとも第一のドメイン、及び異種ポリペプチド又はペプチドを含む少なくとも第二のドメインを含むキメラポリペプチドを提供し、ここで前記異種ポリペプチド又はペプチドは前記シグナルペプチド(SP)、プレプロ配列及び/又は触媒ドメイン(CD)と天然には随伴していない。ある特徴では、前記異種ポリペプチド又はペプチドはエステラーゼ酵素活性又は葉緑素異化作用活性を有するポリペプチドではない。前記異種ポリペプチド又はペプチドは、前記シグナルペプチド(SP)、プレプロ配列及び/又は触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシ末端又は両端に存在することができる。
本発明は、キメラポリペプチドをコードする単離された合成又は組換え核酸を提供する。ここで前記キメラポリペプチドは、本発明のシグナルペプチド(SP)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)を含む少なくとも第一のドメイン、及び異種ポリペプチド又はペプチドを含む少なくとも第二のドメインを含み、ここで前記異種ポリペプチド又はペプチドは前記シグナルペプチド(SP)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)と天然には随伴していない。
本発明は、本発明のポリペプチド、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20のポリペプチドの残基1から14、1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から40、1から41、1から42、1から43又は1から44に示される配列から成る、又は前記配列を含む単離された合成又は組換えシグナル配列(例えばシグナルペプチド)を提供する。本発明は、下記の表1に示される配列から成る、又は配列を含む単離された合成又は組換えシグナル配列(例えばシグナルペプチド)を提供する。
ある特徴では、本発明の酵素は、約37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約1200ユニット、又はタンパク質1ミリグラムにつき約100から約1000ユニットの範囲の比活性を有する。また別の特徴では、本発明の酵素は、タンパク質1ミリグラムにつき約100から約1000ユニット、又はタンパク質1ミリグラムにつき約500から約750ユニットの比活性を有する。また別には、本発明の酵素は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約750ユニット、又はタンパク質1ミリグラムにつき約500から約1200ユニットの範囲の比活性を有する。ある特徴では、本発明の酵素は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約500ユニット、又はタンパク質1ミリグラムにつき約750から約1000ユニットの範囲の比活性を有する。また別の特徴では、本発明の酵素は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約250ユニットの範囲の比活性を有する。また別には、本発明の酵素は、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約100ユニットの範囲の比活性を有する。また別の特徴では、前記耐熱性は、上昇温度に加熱後、前記酵素の37℃の比活性の少なくとも半分が保持されることを含む。また別には、前記耐熱性は、上昇温度に加熱後、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約1200ユニット、又はタンパク質1ミリグラムにつき約500から約1000ユニットの範囲の比活性が保持されることを含むことができる。また別の特徴では、前記耐熱性は、上昇温度に加熱後、37℃でタンパク質1ミリグラムにつき約1から約500ユニットの範囲の比活性が保持されることを含むことができる。
本発明は、少なくとも1つのグリコシル化部位を含む、本発明の単離された合成又は組換えポリペプチドを提供する。ある特徴では、グリコシル化はN-結合グリコシル化であることができる。ある特徴では、前記ポリペプチドは、P. パストリス(pastoris)又はS. ポンベ(pombe)で発現された後でグリコシル化することができる。
ある特徴では、本発明のポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5若しくはpH4、又は前記より強い酸性を含む条件下で酵素活性を保持することができる。また別の特徴では、本発明のポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5若しくはpH11又はそれより強い塩基性を含む条件下で活性を保持することができる。ある特徴では、本発明のポリペプチドは、約pH6.5、pH6、pH5.5、pH5、pH4.5若しくはpH4又はそれより強い酸性を含む条件下で活性を保持することができる。また別の特徴では、本発明のポリペプチドは、約pH7、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5若しくはpH11又はそれより強い塩基性を含む条件下で活性を保持することができる。
本発明は本発明のポリペプチドを含むタンパク質調製物を提供し、ここで前記タンパク質調製物は液体、固体又はゲルを含む。
本発明は、本発明のポリペプチド及び第二のタンパク質又はドメインを含むへテロダイマーを提供する。ある特徴では、前記へテロダイマーの第二のメンバーは本発明のポリペプチドではなく、むしろ異なる酵素又は別のタンパク質であってもよい。ある特徴では、前記第二のドメインはポリペプチドでもよく、前記へテロダイマーは融合タンパク質でもよい。ある特徴では、前記第二のドメインはエピトープ又はタグであってもよい。ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチドを含むホモダイマー提供する。
本発明は、固定化された、本発明のポリペプチド、本発明の核酸によってコードされるポリペプチド、又は本発明のポリペプチド及び第二のドメインを含むポリペプチドを提供する。ある特徴では、前記ポリペプチドは、細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、グラファイト粒子(graphitic particle)、ビーズ、ゲル、プレート、アレイ又はキャピラリー管に固定することができる。
本発明は、固定化された本発明の核酸を含むアレイを提供する。本発明は、本発明の抗体を含むアレイを提供する。
本発明は、本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドと特異的に結合する単離された合成又は組換え抗体を提供する。前記抗体はモノクローナル抗体でもポリクローナル抗体でもよい。本発明は、本発明の抗体、例えば本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされたポリペプチドと特異的に結合する抗体を含むハイブリドーマを提供する。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドを単離又は同定する方法を提供する:(a)本発明の抗体を提供する工程;(b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;(c)工程(b)のサンプルを工程(a)の抗体と、前記抗体が前記ポリペプチドと特異的に結合する条件下で接触させ、それによって前記ポリペプチドを単離又は同定する工程。
本発明は、以下の工程を含む、本発明のポリペプチド(例えば、本発明の酵素又は別の抗体)と特異的に結合する抗体を製造する方法を提供する:非ヒト動物に液性免疫応答を生じさせるために充分な量で本発明の核酸又は本発明のポリペプチド又はその部分配列を投与し、それによって抗体応答を生じさせる工程。本発明は、非ヒト動物に免疫応答を生じさせるために充分な量で本発明の核酸又は本発明のポリペプチド又はその部分配列を投与することを含む、液性又は細胞性免疫応答を生じさせる方法を提供する。
本発明は、以下の工程を含む組換えポリペプチドを製造する方法を提供する:(a)プロモーターに機能可能に連結された本発明の核酸を提供する工程;(b)ポリペプチドの発現を可能にする条件下で工程(a)の核酸を発現させ、それによって組換えポリペプチドを製造する工程。ある特徴では、前記方法はさらに、宿主細胞を工程(a)の核酸で形質転換し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それによって形質転換細胞で組換えポリペプチドを製造することを含むことができる。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドを同定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)適切な基質(例えば前記ポリペプチドの基質)を提供する工程;及び(c)工程(a)のポリペプチド又はそのフラグメント又は変種を工程(b)の基質と接触させ、基質の量の減少又は反応生成物の量の増加を検出し、基質量の減少又は反応生成物量の増加によって、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドを検出する工程。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドの基質を同定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)被験基質を提供する工程;及び(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の被験基質と接触させ、基質の量の減少又は反応生成物の量の増加を検出し、前記基質量が減少又は前記反応生成物量の増加によって、前記被験基質を葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドの基質として同定する工程。
本発明は、以下の工程を含む、被験化合物がポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する方法を提供する:(a)核酸又は核酸を含むベクターを前記核酸のポリペプチドへの翻訳を許容する条件下で発現させるか(前記核酸は本発明の核酸を含む)、又は本発明のポリペプチドを提供する工程;(b)被験化合物を提供する工程;(c)前記ポリペプチドを前記被験化合物と接触させる工程;及び(d)工程(b)の被験化合物が前記ポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する工程。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドの調節物質を同定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)被験化合物を提供する工程;(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の被験化合物と接触させてポリペプチドの活性を測定し、前記被験化合物の非存在下の活性に比較して被験化合物の存在下で測定された活性が変化したならば、前記被験化合物はポリペプチド活性を調節する物質であると決定する工程。ある特徴では、ポリペプチドの活性は、適切な基質(例えば、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドの基質)を提供し、基質量の減少若しくは反応生成物量の増加、又は基質量の増加若しくは反応生成物量の減少を検出することによって測定することができる。被験化合物非存在下での基質量又は反応生成物量と比較して、被験化合物存在下での基質量の減少又は反応生成物量の増加があれば、被験化合物は活性のアクチベーターと同定される。被験化合物非存在下での基質又は反応生成物量と比較して、被験化合物存在下での基質量の増加又は反応生成物量の減少があれば、被験化合物は活性のインヒビターと同定される。
本発明は、プロセッサー及びデータ保存装置を含むコンピュータシステムを提供し、前記データ保存装置には本発明のポリペプチド配列(例えば本発明の核酸によってコードされるポリペプチド)又は本発明の核酸配列が保存されている。ある特徴では、前記コンピュータシステムは、さらに配列比較アルゴリズム、及び少なくとも1つの参照配列が保存された保存装置を含むことができる。別の特徴では、前記配列比較アルゴリズムは多型性を表示するコンピュータプログラムを含む。ある特徴では、前記コンピュータシステムはさらに、前記配列における1つ又は2つ以上の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含むことができる。本発明はコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、前記媒体には、本発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列が保存されている。本発明は、以下の工程を含む配列の特徴を同定する方法を提供する:(a)配列内の1つ又は2つ以上の特徴を同定するコンピュータプログラムを用いて配列を読み取る工程(前記配列は本発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列を含む);及び(b)前記コンピュータプログラムにより前記配列の1つ又は2つ以上の特徴を同定する工程。本発明は、以下の工程を含む、第一の配列と第二の配列を比較する方法を提供する:(a)配列を比較するコンピュータプログラムを用いて第一の配列及び第二の配列を読み取る工程(前記第一の配列は本発明のポリペプチド配列又は本発明の核酸配列を含む);及び(b)第一の配列と第二の配列間の相違を前記コンピュータプログラムにより決定する工程。第一の配列と第二の配列間の相違を決定する工程は、さらに多型性を同定する工程を含むことができる。ある特徴では、前記方法は、さらに配列内の1つ又は2つ以上の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含むことができる。別の特徴では、前記方法は、コンピュータプログラムを用いて第一の配列を読み取り、さらに前記配列内の1つ又は2つ以上の特徴を同定することを含むことができる。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与する酵素活性を有するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有すポリペプチドをコードする核酸を環境サンプルから単離又は回収する方法を提供する:(a)葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するために増幅プライマー配列を提供する工程(前記プライマー対は本発明の核酸を増幅することができる);(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、又は前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために前記増幅プライマー対に接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;及び(c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と一緒にして前記環境サンプルの核酸を増幅し、それによって環境サンプルから葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する工程。ある特徴では、前記増幅プライマー対の一つ又は各メンバーは、本発明の配列の少なくとも約10から50又はそれより多い連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。ある特徴では、前記増幅プライマー対は本発明の増幅対である。
本発明は、以下の工程を含む、環境サンプルから葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する方法を提供する:(a)本発明の核酸配列又はその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、又は前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために工程(a)のポリヌクレオチドに接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;(c)工程(b)の単離された合成核酸又は処理された環境サンプルを工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;及び(d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸を環境サンプルから単離又は回収する工程。前記環境サンプルは水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプル又は生物学的サンプルを含むことができる。ある特徴では、前記生物学的サンプルは、細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、菌類細胞又は哺乳動物細胞に由来することができる。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変種を作成する方法を提供する:(a)本発明の核酸を含む鋳型核酸を提供する工程;(b)前記鋳型配列内の1つ又は2つ以上のヌクレオチドの改変、欠失若しくは付加、又は前記の組合せを実施して前記鋳型核酸の変種を作成する工程。ある特徴では、前記方法はさらに、変種核酸を発現させて、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する変種ポリペプチドを生成することを含むことができる。前記改変、付加又は欠失は、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)又はそれらの組合せを含む方法により導入することができる。また別の特徴では、前記改変、付加又は欠失は、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ含有二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学的変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成、又はそれらの組合せを含む方法によって導入することができる。
ある特徴では、前記方法は、鋳型核酸によってコードされるポリペプチドの活性又は安定性とは変異した若しくは異なる活性又は変異した若しくは異なる安定性を有する葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドが得られるまで反復することができる。ある特徴では、前記変種ポリペプチドは耐熱性であり、上昇温度に曝露された後ある程度の活性を保持する。また別の特徴では、前記変種ポリペプチドは、鋳型核酸によってコードされたポリペプチドと比較してグリコシル化が増加している。また別には、前記変種ポリペプチドは、高温下(又はより高い温度下)で活性を有するが、鋳型核酸によってコードされた酵素は、高温下では活性をもたない。ある特徴では、前記方法は、鋳型核酸のコドン使用頻度とは変異したコドン使用頻度を示す酵素のコード配列が得られるまで反復することができる。別の特徴では、前記方法は、鋳型核酸のメッセージ発現レベル又は安定性レベルより高い又は低いメッセージ発現レベル又は安定性レベルを有する酵素のコード遺伝子が得られるまで前記方法を反復することができる。
本発明は、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞におけるその発現を高める方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする本発明の核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸の非優先コドン又は低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドン又は中立的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して宿主細胞における前記の発現を増加させる工程(前記優先コドンとは宿主細胞の遺伝子内のコード配列において高頻度で提示されるコドンであり、前記非優先コドン又は前記低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子内のコード配列において低頻度で提示されるコドンである)。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変する方法を提供する:(a)本発明の核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸のコドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンで置換し、それによって前記ポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変する工程。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与する酵素活性又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞でその発現を高める方法を提供する:(a)葉緑素異化作用に関与する酵素活性又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする本発明の核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸内の非優先コドン又は低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドン又は中立的に使用されるコドンで置換し(優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度で提示されるコドンであり、前記非優先又は前記低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度で提示されるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞におけるその発現を高める工程。
本発明は、以下の工程を含む、葉緑素異化作用に関与する酵素活性又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞でその発現を低下させる方法を提供する:(a)本発明の核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸内の少なくとも1つの好ましいコドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする非優先コドン又は低優先コドンで置換し(前記優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度提示されるコドンであり、前記非優先又は前記低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度提示されるコドンである)、それによって前記核酸を改変して宿主細胞におけるその発現を低下させる工程。ある特徴では、前記宿主細胞は細菌細胞、菌類細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞又は哺乳動物細胞でもよい。
本発明は、葉緑素異化作用に関与する酵素活性又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドの複数の改変された活性部位(触媒ドメイン(CD))又は基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作成する方法を提供する(前記改変された活性部位又は基質結合部位は、第一の活性部位又は第一の基質結合部位をコードする配列を含む第一の核酸に由来する)。前記方法は以下の工程を含む:(a)第一の活性部位又は第一の基質結合部位をコードする第一の核酸を提供する工程(前記第一の核酸配列は本発明の核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、前記核酸は活性部位又は基質結合部位をコードする);(b)前記第一の核酸内の複数の標的コドンで天然に存在するアミノ酸変種をコードする一組の変異導入オリゴヌクレオチドを提供する工程;(c)前記一組の変異導入オリゴヌクレオチドを用いて、変異が導入された各アミノ酸コドンで一連のアミノ酸変種をコードする一組の活性部位コード変種又は基質結合部位コード変種核酸を生成し、それによって葉緑素異化作用に関与する酵素活性又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドの複数の改変された活性部位又は基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作成する工程。ある特徴では、前記方法は、最適化定方向進化システム、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、又は合成連結再アッセンブリ(SLR)、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)又はそれらの組合せを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸に変異導入することを含む。別の特徴では、前記方法は、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ含有二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成及びそれらの組合せを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸又は変種に変異導入することを含む。
本発明は、以下の工程を含む小分子を生成する方法を提供する:(a)小分子を合成又は改変することができる複数の生合成酵素を提供する工程(前記酵素の1つは本発明のポリペプチドを含むか、又は本発明の核酸によってコードされる);(b)工程(a)の酵素の少なくとも1つに対する基質を提供する工程;及び(c)複数の生物触媒反応を促進する条件下で工程(b)の基質を前記酵素と反応させて一連の生物触媒反応により小分子を生成する工程。本発明は、以下の工程を含む小分子を改変する方法を提供する:(a)酵素を提供する工程(前記酵素は本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチド、又は前記の部分配列を含む);(b)小分子を提供する工程;及び(c)本発明のポリペプチドによって触媒される酵素反応が促進される条件下で工程(a)の酵素を工程(b)の小分子と反応させ、それによって小分子を改変する工程。ある特徴では、前記方法は、工程(a)の酵素のための複数の小分子基質を含み、それによって本発明の酵素により触媒される少なくとも1つの酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作成することを含むことができる。ある特徴では、前記方法は、前記酵素による複数の生物触媒反応を促進する条件下で複数の酵素を追加して、複数の酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作成することを含むことができる。別の特徴では、前記方法はさらに、所望の活性を示す特定の小分子がライブラリー内に存在するか否かを決定するために前記ライブラリーを検査する工程を含むことができる。前記ライブラリーの検査工程はさらに、所望の活性をもつ特定の改変小分子の有無について改変小分子の一部分を検査することによって、ライブラリー内の複数の改変小分子の前記一部分を生成するために用いられた生物触媒反応の1つ以外の全てを系統的に排除し、所望の活性をもつ特定の改変小分子を生成する少なくとも1つの特異的な生物触媒反応を同定する工程を含むことができる。
本発明は、以下の工程を含む本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドの機能的フラグメントを決定する方法を提供する:(a)本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチド又は前記の部分配列を提供する工程;及び(b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、残余の配列を酵素活性又は結合活性について検査し、それによって前記酵素の機能的フラグメントを決定する工程。ある特徴では、活性は、基質を提供し、さらに前記基質の量の減少又は反応生成物の量の増加を検出することによって測定される。
本発明は、リアルタイム代謝フラックス分析によって新規表現型又は改変表現型の全細胞操作のための方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:(a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作成する工程(前記遺伝的構成は本発明の核酸を細胞に導入することによって改変される);(b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成する工程;(c)工程(b)の細胞培養物をリアルタイムでモニターすることによって前記細胞の少なくとも1つの代謝パラメーターを測定する工程;及び(d)工程(c)のデータを分析して、前記測定パラメーターが類似の条件下で未改変細胞における対応する測定値と異なるか否かを決定し、それによって細胞の操作された表現型をリアルタイム代謝フラックス分析により同定する工程。ある特徴では、細胞の遺伝的構成は、細胞内の配列の欠失もしくは改変又は遺伝子の発現のノックアウトを含む方法によって改変することができる。ある特徴では、前記方法はさらに、新規に操作された表現型を含む細胞の選別を含むことができる。別の特徴では、前記方法は、選別された細胞を培養し、それによって新規に操作された表現型を含む新規な細胞株を作成することを含むことができる。
本発明は、本発明のポリペプチド又は本発明の核酸によってコードされるポリペプチドの耐熱性又は熱安定性を高める方法を提供する。前記方法は、本発明のポリペプチド又は本発明の核酸配列によってコードされるポリペプチドの連続する少なくとも30のアミノ酸を含むポリペプチドをグリコシル化し、それによって前記ポリペプチドの耐熱性又は熱安定性を高めることを含む。ある特徴では、前記比活性は約37℃から約95℃の範囲の温度で熱安定性又は耐熱性であろう。
本発明は、細胞で組換えポリペプチドを過剰発現させる方法を提供する。前記方法は、本発明の核酸を含む核酸又は本発明の核酸配列(前記配列の同一性は配列比較アルゴリズムによる分析又は目視精査によって決定される)を含むベクターを発現させることを含み、ここで前記過剰発現は、高活性プロモーターの使用、二シストロンベクターの使用によって、又は前記ベクターの遺伝子増幅によって達成される。
本発明は以下の工程を含むトランスジェニック植物の製造方法を提供する:(a)異種核酸配列を細胞に導入し(前記異種核酸配列は本発明の核酸配列を含む)、それによって形質転換植物細胞を作成する工程;及び(b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を作出する工程。ある特徴では、工程(a)はさらに、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーション又はマイクロインジェクションにより前記異種核酸配列を導入することを含むことができる。別の特徴では、工程(a)はさらに、DNA粒子爆撃によって植物組織に直接前記異種核酸配列を導入することを含むことができる。また別には、工程(a)はさらに、アグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主を用いて植物細胞DNAに前記異種核酸配列を導入することを含むことができる。ある特徴では、前記植物細胞はジャガイモ、トウモロコシ、イネ、コムギ、タバコ又はオオムギ細胞でもよい。
本発明は、以下の工程を含む、植物細胞において異種核酸配列を発現させる方法を提供する:(a)プロモーターに機能可能に連結された異種核酸配列で前記植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は本発明の核酸を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現される条件下で前記植物を生長させる工程。本発明は、以下の工程を含む、植物細胞で異種核酸配列を発現させる方法を提供する:(a)プロモーターに機能可能に連結された異種核酸配列で前記植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は本発明の配列を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現される条件下で前記植物を生長させる工程。また別の特徴では、本発明の酵素は、例えば細菌、酵母、植物、昆虫、菌類又は動物のような生物で本発明のポリヌクレオチドを発現させることによって製造することができる。本発明のポリペプチドを発現させるための生物の例は、S.ポンベ、S.セレビシエ(cerevisiae)、ピキア(Pichia)種(例えばP. パストリス(pastris))、大腸菌、ストレプトミセス(Streptomyces)種、バシルス(Bacillus)種、及びラクトバシルス(Lactobacillus)種でありうる。
本発明の別の特徴は、本発明のポリペプチドを製造する方法である。前記方法は、前記ポリペプチドをコードする核酸を宿主細胞に導入し(ここで前記核酸はプロモーターに機能可能に連結されてある)、さらに前記宿主細胞を前記核酸の発現が許容される条件下で培養することを含む。本発明のまた別の特徴は、本発明のポリペプチド又はペプチドを製造する方法である。前記方法は、前記ポリペプチドをコードする核酸を宿主細胞に導入し(ここで前記核酸はプロモーターに機能可能に連結されてある)、さらに前記宿主細胞を前記核酸の発現が許容される条件下で培養し、それによって前記ポリペプチドを製造することを含む。
本発明のまた別の特徴は、以下の工程を含む変種を作出する方法である:本発明の配列、前記と実質的に同一の配列、本発明の配列と相補的な配列、及び前記のフラグメントを得る工程;及び前記配列中の1つ又は2つ以上のヌクレオチドを別のヌクレオチドに変更するか、前記配列中の1つ又は2つ以上のヌクレオチドを欠失させるか、又は前記配列に1つ又は2つ以上のヌクレオチドを付加する工程。
本発明は、本発明の少なくとも1つの酵素を含む葉緑素の異化作用のための生合成系を提供する。本発明は、葉緑素の異化作用に関与する酵素をコードする少なくとも1つの核酸を含む、葉緑素の異化作用のための生合成系を提供する。ある特徴では、前記系は複数の酵素コード核酸を含み、前記酵素は葉緑素の異化作用に必要である。ある特徴では、前記複数の酵素コード核酸は、葉緑素の異化作用経路中の全ての酵素を含む。ある特徴では、前記複数の酵素コード核酸は、少なくとも1つのプラスミド、発現カセット、又は発現ベクターに含まれる。
ある特徴では、本発明の生合成系は細胞に含まれる(細胞を構成する)。前記細胞は、細菌細胞、哺乳動物細胞、菌類細胞、酵母細胞、昆虫細胞又は植物細胞でもよい。前記酵母細胞は、ピキア(Pichia)種又はサッカロミセス(Saccharomyces)種(例えばP. パストリス(pastris)、S. セレビシエ)、又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)でもよい。
本発明の1つ又は2つ以上の実施態様の詳細は添付の図面及び下記の説明で示される。本発明のその他の特徴、目的及び利点はこれらの記載及び図面から、さらに特許請求の範囲から明らかになろう。
本明細書(添付書類Aを含む)に引用した全ての刊行物、特許、特許出願、GenBank配列及びATCC寄託物は、引用により本明細書に取り込まれるものとする。
(発明の詳細な説明)
本発明は、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物、例えば植物、動物若しくは藻類調製物、食品、飼料又は油の酵素的処理(“漂白”又は“脱色”)のための新規な組成物及びプロセスを提供する。ある特徴では、本発明の組成物及び方法で用いられる葉緑素の処理(又は“酵素的漂白”若しくは“脱色”)は、クロロフィラーゼ酵素、又は葉緑素異化作用に関与する他の酵素を使用して葉緑素を改変し、例えば有色ポルフィリン環の除去を、例えば水性抽出によって促進することを含む。クロロフィラーゼは、葉緑素の加水分解を触媒し、クロロフィリド(前記は水性抽出することができる)及びフィトール(前記は油相に残留する)を生成する。
例えば、ある特徴では、本発明は、飼料、食品又は油、例えば植物油(油種子(例えばキャノーラ(ナタネ)油又はダイズ油)又は油果実(例えばヤシ油)から加工された油を含む)中の葉緑素の酵素的処理(例えば加水分解)のための組成物及び方法を提供する。ある特徴では、本発明は、動物油又は植物油(例えばベジタブルオイル)中の葉緑素又は任意の有色ポルフィリン環の酵素的加水分解のためにクロロフィラーゼ酵素を用いる酵素的漂白方法を提供する。
本発明はin vitro又はin vivo技術(例えば全細胞プロトコル(例えば発酵又は他の生触媒プロセス))により、葉緑素含有食品又は油を酵素的に処理するための方法を含む。
核酸の生成及び操作
本発明は、単離された組換え及び合成核酸(例えば本発明の例示的核酸であり、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19を含む)、及び例示的核酸と配列同一性を有する配列;本発明のポリペプチド、例えば、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18又は配列番号20に示される例示的アミノ酸配列をコードする核酸を提供する。本発明はまた、本発明の核酸(本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む)を含む発現カセット、例えば発現ベクターを提供する。本発明はまた、本発明の核酸を用いて新規なポリペプチド配列を発見するための方法を含む。本発明はまた、本発明の核酸を用いて遺伝子、転写物及びポリペプチドの発現を阻害する方法を含む。さらにまた、例えば合成連結再アッセンブリ、最適化定方向進化系及び/又は飽和変異導入によって本発明の核酸を改変する方法が提供される。
本発明の核酸は、例えばcDNAライブラリーのクローニング及び発現、PCRなどによるメッセージ又はゲノムDNAの増幅によって作成、単離及び/又は操作することができる。
本発明の方法の実施では、本明細書に記載されているように鋳型核酸を操作することによって相同な遺伝子を改変することができる。本発明は、当分野で知られている任意の方法又はプロトコル又は装置(学術文献及び特許文献に詳しく記載されている)と組み合わせて実施することができる。
本発明のある特徴は、本発明の配列の1つを含む単離された核酸、又は本発明の核酸の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500の連続する塩基を含むフラグメントである。前記単離された核酸は、DNA(cDNA、ゲノムDNA及び合成DNAを含む)を含むことができる。前記DNAは二本鎖でも一本鎖でもよく、一本鎖の場合はコード鎖でも非コード(アンチセンス)鎖でもよい。また別には、前記単離核酸はRNAを含むことができる。
本発明の単離核酸を用いて、本発明のポリペプチド、又は本発明のポリペプチドの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150の連続するアミノ酸を含むフラグメントを調製することができる。
したがって、本発明のまた別の特徴は、本発明のポリペプチドの1つ、又は本発明のポリペプチドの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150の連続するアミノ酸を含むフラグメントをコードする単離核酸である。これら核酸のコード配列は本発明の核酸の1つのコード配列の1つと同一であってもよく、又は、遺伝暗号の重複性又は縮退性の結果として、本発明のポリペプチドの1つの少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150の連続するアミノ酸を含む、本発明のポリペプチドの1つをコードする異なるコード配列でもよい。遺伝暗号は当業者には周知であり、例えば以下の文献の214ページで入手することができる:B. Lewin, Genes VI, Oxford University Press, 1997。
本発明のポリペプチドの1つをコードする単離核酸は以下を含む(ただしこれらに限定されない):本発明の核酸のコード配列のみ、及び追加のコード配列、例えばリーダー配列、又は前タンパク質配列及び非コード配列、例えばイントロン、又はコード配列の5'及び/又は3'非コード配列。したがって、本明細書で用いられる、“ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド”という用語は、ポリペプチドのコード配列のみを含むポリヌクレオチドだけでなく追加のコード配列及び/又は非コード配列を含むポリヌクレオチドも同様に包含する。
また別には、本発明の核酸配列を、通常の技術、例えば位置特異的変異導入又は当業者に周知の他の技術を用いて変異させ、サイレント変異を本発明のポリヌクレオチドに導入してもよい。本明細書で用いられる、“サイレント変異”には、例えばポリヌクレオチドによってコードされるアミノ酸配列を変更させない変異が含まれる。そのような変異は、前記ポリペプチドをコードするベクターを含む宿主細胞において高頻度で生じるコドン又はコドン対を導入することによって、前記宿主生物によって生成されるポリペプチドのレベルを高めるために所望される。
本発明はまた、本発明のポリペプチドにおけるアミノ酸の置換、付加、欠失、融合及び短縮を生じるヌクレオチド変異を有するポリヌクレオチドに関する。そのようなヌクレオチドの変異は、例えば位置特異的変異導入、化学物質によるランダム変異導入、エキソヌクレアーゼIIIによる欠失及び他の組換えDNA技術のような技術を用いて導入することができる。また別には、そのようなヌクレオチド変異は天然に存在する対立遺伝子座変種であってもよい。前記変種は、本明細書で提供される高度、中等度又は低度のストリンジェンシー条件下で、本発明の配列の1つ(又は前記に対して相補的な配列)の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500の連続する塩基を含むプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を同定することによって単離される。
本明細書で用いられる、“単離された”という用語は、物質がその本来の環境(例えば、物質が天然に存在する場合はその天然の環境)から取り出されることを意味する。例えば、生きている動物に存在する天然に存在するポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されていないが、天然の系に一緒に存在する物質のいくつか又は全てから分離されている前記と同じポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されている。そのようなポリヌクレオチドはベクターの部分であってもよいし、及び/又はそのようなポリヌクレオチド又はポリペプチドは組成物の一部であってもよく、それでもなおそのようなベクター又は組成物は前記の天然の環境の一部分ではないという点で、それらのポリヌクレオチドは単離されたものである。本明細書で用いられる、“精製された”という用語は完全な純度を要求せず、むしろ相対的な定義が意図される。ライブラリーから得られる個々の核酸は電気泳動的な均質度まで通常的に精製されている。これらのクローンから得られる配列は、ライブラリーからも又は人間の全DNAからも直接入手することはできないであろう。本発明の精製された核酸はその生物体のゲノムDNAの残余のものから少なくとも104−106倍精製されてある。しかしながら、“精製された”という用語はまた、ゲノムDNAの残余のものから、又はライブラリー若しくは他の環境中の他の配列から少なくとも1桁、典型的には2又は3桁、より典型的には4又は5桁まで精製された核酸を含む。
本明細書で用いられる、“組換え体”という用語は、核酸が、その天然の環境では近傍にない“骨格”核酸と近接していることを意味する。さらにまた、“濃縮される”ためには、前記核酸は、核酸骨格分子集団において核酸挿入物の数は5%又はそれより多くを占めるであろう。本発明の骨格分子には、核酸、例えば発現ベクター、自己複製核酸、ウイルス、問題の核酸挿入物を維持又は操作するために用いられる組み込み用核酸及び他のベクター又は核酸が含まれる。典型的には、濃縮された核酸は、組換え骨格分子集団において核酸挿入物の数の15%又はそれより多くを占める。より典型的には、濃縮された核酸は、組換え骨格分子集団において核酸挿入物の数の50%又はそれより多くを占める。ある特徴では、濃縮された核酸は、組換え骨格分子集団において核酸挿入物の数の90%又はそれより多くを占める。
“組換え”ポリペプチド又はタンパク質は、組換えDNA技術によって製造されたポリペプチド又はタンパク質、すなわち所望のポリペプチド又はタンパク質をコードする外因性DNA構築物によって形質転換された細胞から生成されたものを指す。“合成”ポリペプチド又はタンパク質は化学的合成によって調製されたものである。ペプチド固相化学合成法もまた本発明のポリペプチド又はフラグメントの合成に用いることができる。そのような方法は1960年初頭以来当分野で知られており(R.B. Merrifield, J. Am. Chem. Soc., 85:2149-2154, 1963)(さらにまた以下を参照されたい:J.M. Stewart and J.D. Young, Solid Phase Peptide Synthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp. 11-12))、さらに最近は市販の実験室用ペプチドデザイン合成キット(Cambridge Research Biochemicals)で利用されている。そのような市販の実験室キットは一般的にH.M. Geysenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:3998, 1984)の教示を利用し、多数の“ロッド”又は“ピン”(前記はいずれも一枚のプレートに連結されている)の先端でのペプチドの合成を提供する。そのような系を利用する場合、ロッド又はピンのプレートはひっくり返され、対応するウェル又はレザバーをもつ第二のプレートに挿入される。前記ウェル又はレザバーは、前記ピン又はロッドの先端に適切なアミノ酸を付着又は固定させるための溶液を含んでいる。そのような反応工程(すなわちひっくり返してロッドとピンの先端を適切な溶液へ挿入すること)を繰り返すことによって、アミノ酸は所望のペプチドに構築されていく。さらにまた、多数の利用可能なFMOCペプチド合成系が利用可能である。例えば、ポリペプチド又はフラグメントのアッセンブリは、アプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystems, Inc.)のモデル431A自動ププチド合成装置を用いて固相上で実施できる。そのような装置は、直接合成によって又は一連のフラグメントを合成することによって(それらフラグメントは他の公知の技術により結合することができる)、本発明のペプチドの容易な入手を提供する。
プロモーター配列は、前記プロモーターで転写を開始するRNAポリメラーゼがコード配列をmRNAに転写するとき、前記コード配列に“機能可能に連結”されている。
“プラスミド”は、先行する小文字“p”及び/又は後続する大文字及び/又は数字によって示される。本明細書の開始プラスミドは市販又は無制限に公開されているか、又は発表された方法にしたがって利用可能なプラスミドから構築することができる。さらにまた、本明細書に記載したプラスミドと等価のものが当分野で知られており、当業者には明白であろう。
DNAの“消化”は、DNA内の一定の配列でのみ作用する制限酵素によるDNAの触媒的切断を指す。本明細書で用いられる種々の制限酵素は市販されてあり、それらの反応条件、補助因子及び他の要件は、当業者に公知のとおり用いられる。分析目的のためには、典型的には1μgのプラスミド又はDNAフラグメントが約2ユニットの酵素とともに約20μLの緩衝溶液中で用いられる。プラスミドの構築のためにDNAフラグメントを単離する目的の場合には、典型的には5から50μgのDNAが20から250ユニットの酵素とともにより大きな容積で消化される。個々の制限酵素の適切な緩衝液及び基質量は製造元によって特定される。37℃で約1時間のインキュベーション時間が一般的に用いられるが、供給元の指示にしたがって変動しうる。消化後に、ゲル電気泳動を実施して所望のフラグメントを単離することができる。
“ハイブリダイゼーション”は、塩基対形成によって核酸鎖が相補的な鎖と結合する過程を指す。ハイブリダイゼーション反応は鋭敏で選択性があり、低い濃度でしか存在しないサンプルにおいてさえ問題の特定の配列を同定することができる。適切にストリンジェントな条件は、例えば前ハイブリダイゼーション溶液又はハイブリダイゼーション溶液中の塩若しくはホルムアミドの濃度によって、又はハイブリダイゼーション温度によって規定することができ、当業界でよく知られている。特に、ストリンジェンシーは、塩濃度の減少、ホルムアミド濃度の増加、又はハイブリダイゼーション温度の上昇によって高めることができる。また別の特徴では、本発明の核酸は、本明細書に示す種々の(例えば高度、中等度及び低度の)ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズするその能力によって定義される。
例えば、高ストリンジェンシー条件下でのハイブリダイゼーションは、約37℃から42℃で約50%のホルムアミドで起こり得よう。約30℃から35℃で約35%から25%のホルムアミドのストリンジェンシーが低下した条件下でハイブリダイゼーションは起り得よう。特にハイブリダイゼーションは、約50%のホルムアミド、5xSSPE、0.3%SDS及び200n/mLのせん断変性サケ精子DNA中で約42℃の高ストリンジェンシー条件下で起こり得よう。ハイブリダイゼーションは上記のような(しかしながら35℃の低温で35%のホルムアミドの)低ストリンジェンシー条件下で起こり得よう。個々のストリンジェンシーレベルに対応する温度範囲は、問題の核酸のプリン対ピリミジン比を算出し、それにしたがって温度を調整することによってさらに狭めることができる。上記の範囲及び条件についての変動は当分野で周知である。
“変種”という用語は、1つ又は2つ以上の塩基対、コドン、イントロン、エキソン又はアミノ酸残基で改変され、しかもなお(それぞれが)本発明の酵素の生物学的活性を維持する本発明のポリヌクレオチド又はポリペプチドを指す。変種は、例えばエラー誘発PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、GSSM及び前記の任意の組合せのような方法を含む多数の手段によっても作成することができる。
“飽和変異導入”又は“遺伝子位置飽和変異導入”又は“GSSM”という用語は、下記で詳細に記載されるように、縮退オリゴヌクレオチドプライマーを用いて点変異をポリヌクレオチドに導入する方法を含む。
“最適化定方向進化システム”又は“最適化定方向進化”という用語は、関連する核酸配列(例えば関連する遺伝子)のフラグメントを再アッセンブリングする方法を含み、下記で詳細に説明される。
“合成連結再アッセンブリ”又は“SLR”という用語には、非確率論的様式でオリゴヌクレオチドフラグメントを連結する方法を含み、下記で詳細に説明される。
本明細書で用いられる“核酸”又は“核酸配列”という語句はオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、又は前記のいずれかのフラグメント、ゲノム若しくは合成起源のDNA又はRNA(これらは一本鎖でも二本鎖でもよく、センス又はアンチセンス鎖を表していてもよい)、ペプチド核酸(PNA)、又は任意のDNA様若しくはRNA様物質(天然若しくは合成起源)を指す。“核酸”又は“核酸配列”という語句はオリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、又は前記のいずれかのフラグメント、ゲノム若しくは合成起源のDNA又はRNA(例えばmRNA、rRNA、tRNA、iRNA)(これらは一本鎖でも二本鎖でもよく、センス又はアンチセンス鎖を表していてもよい)、ペプチド核酸(PNA)、又は任意のDNA様若しくはRNA様物質(天然若しくは合成起源)(例えばiRNA、リボヌクレオプロテイン(例えば二本鎖iRNA、例えばiRNP)を含む)を指す。前記用語は天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸(すなわちオリゴヌクレオチド)を包含する。前記用語はまた合成骨格をもつ核酸様構造物を包含する(例えば以下を参照されたい:Mata (1997) Toxicol. Appl. Pharmacol. 144:189-197; Strauss-Soukup (1997) Biochemistry 36:8692-8698; Samstag (1996) Antisense Nucleic Acid Drug Dev 6:153-156)。“オリゴヌクレオチド”は一本鎖ポリデオキシヌクレオチド又は2つの相補的なポリデオキシヌクレオチド鎖のどちらかを含み、前記は化学的に合成することができる。そのような合成オリゴヌクレオチドは5'リン酸基をもたず、したがってキナーゼの存在下でATPを用いてリン酸基を付加されなければ別のオリゴヌクレオチドと連結されない。合成オリゴヌクレオチドは脱リン酸化されていないフラグメントとは連結することができる。
個々のポリペプチド又はタンパク質の“コード配列”又は前記を“コードするヌクレオチド配列”は、適切な調節配列の制御下に置かれたとき、ポリペプチド又はタンパク質に転写及び翻訳される核酸配列である。
“遺伝子”という用語は、ポリペプチド鎖の生成に必要なDNAセグメントを意味し、前記は、コード領域に先行する領域及び後続する領域(リーダー及びトレイラー)を含み、適切な場合には個々のコードセグメント(エキソン)の間に介在する配列(イントロン)も同様に含む。本明細書で用いられる“機能可能に連結される”とは、2つ又は3つ以上の核酸(例えばDNA)セグメント間における機能的関係を指す。ある特徴では、前記用語は、転写される配列に対する転写調節配列の機能的関係を指す。例えば、プロモーターが適切な宿主細胞又は他の発現系でコード配列の転写を刺激又は調節するならば、前記プロモーターは前記コード配列(例えば本発明の核酸)と機能可能に連結されている。ある特徴では、転写される配列と機能可能に連結されているプロモーター転写調節配列は、前記転写される配列と物理的に連続している(すなわち、それらはcis-作動性である)。しかしながら、いくつかの転写調節配列、例えばエンハンサーは、それらが転写を強化しようとするコード配列と物理的に連続していること、又は前記と接近して配置されることを必ずしも必要としない。
本明細書で用いられる“発現カセット”という用語は、構造遺伝子(すなわちタンパク質コード配列、例えば本発明の酵素)の発現に対して、そのような配列と適合する宿主内で影響を与えることのできるヌクレオチド配列を指す。発現カセットは、ポリペプチドコード配列(及び場合によって他の配列、例えば転写終了シグナル)と機能可能に連結された少なくとも1つのプロモーターを含む。発現の達成に必要な又は有用なさらに別の因子(例えばエンハンサー)もまた用いることができる。したがって、発現カセットはまた、プラスミド、発現ベクター、組換えウイルス、組換えられた“裸のDNA”ベクターの任意の形態などを含む。“ベクター”は、細胞に感染させ、細胞をトランスフェクトし、又は一過性もしくは永久的に形質導入することができる核酸を含む。ベクターは、裸の核酸又はタンパク質若しくは脂質と複合体を形成した核酸でもよいことは理解されよう。ベクターは場合によってウイルス又は細菌の核酸及び/又はタンパク質及び/又は膜(例えば細胞膜、ウイルスの脂質エンベロープなど)を含む。ベクターには、DNAフラグメントが結合し複製できるようになったレプリコン(例えばRNAレプリコン、バクテリオファージ)が含まれるが、ただし前記に限定されない。したがって、ベクターには、自律的自己複製性環状若しくは直鎖状DNA又はRNA(例えばプラスミド、ウイルスなど、例えば米国特許出願第5,217,879号参照)が含まれ(ただし前記に限定されない)、さらに発現及び非発現プラスミドが含まれる。組換え微生物又は培養細胞が“発現ベクター”を宿主として受け入れていると記述されている場合には、染色体外環状及び直鎖状DNA並びに宿主染色体に取り込まれたDNAの両方が含まれる。ベクターが宿主細胞により維持されている場合は、前記ベクターは自律性構造物として有糸分裂時に細胞によって安定的に複製されても、又は宿主のゲノム内に取り込まれていてもよい。
本明細書で用いられる“プロモーター”という用語には、細胞(例えば植物細胞)内でコード配列の転写を駆動させることができる全ての配列が含まれる。したがって、本発明の構築物で用いられるプロモーターには、遺伝子の転写のタイミング及び/又は速度の調節又は調整に関与するcis-作動性転写制御エレメント及び調節配列が含まれる。例えば、プロモーターは、cis-作動性転写制御エレメント(エンハンサー、プロモーター、転写ターミネータ、複製起点、染色体組み込み配列、5'及び3'非翻訳領域又はイントロン配列が含まれ、転写調節に必要である)であろう。前記のcis-作動性配列は、典型的にはタンパク質又は他の生物学的分子と相互作用して転写を実行する(転写のON/OFFの切り替え、調節又は調整など)。“構成的”プロモーターは、大部分の環境条件下及び生育又は細胞分化の状態で持続的に発現を駆動するプロモーターである。“誘導性”又は“調節可能”プロモーターは環境条件又は生育条件の影響下で本発明の核酸の発現を誘導する。例えば誘導性プロモーターによって転写に影響を与えることができる環境条件の例には、嫌気的条件、上昇温度、乾燥又は光の存在が含まれる。
“組織特異的”プロモーターは、例えば植物又は動物の特定の細胞又は組織又は器官でのみ活性を有する転写制御エレメントである。組織特異的調節は、ある組織に特異的なタンパク質をコードする遺伝子の発現を担保するある種の固有の因子によって達成できる。そのような因子は哺乳動物及び植物に存在し、特定の組織を発達させることが知られている。
一般的技術
本発明は、葉緑素含有組成物(例えば植物、藻類、食品又は油)を酵素的に処理(例えば“漂白”)するための新規な組成物及びプロセスを提供する。本発明の方法で使用される化合物(例えば触媒化合物、出発又は中間化合物)は多様な工程及び方法を用いて合成できることは当業者には理解されよう。前記は例えば以下の学術文献及び特許文献に詳しく記載されている:Organic Syntheses Collective Volumes, Gilman et al. (Eds) John Wiley & Sons, Inc., NY; Venuti (1989) Pharm Res. 6:867-873。本発明は、当分野で公知の任意の方法(前記は学術文献及び特許文献に詳しく記載されている)と併用して実施することができる。
本発明の実施に用いられる核酸は、RNA、iRNA、アンチセンス核酸、cDNA、ゲノムDNA、ベクター、ウイルス又は前記のハイブリッドのいずれであっても、種々の供給源から単離、遺伝的に操作、増幅、及び/又は組換えにより発現/作成することができる。これらの核酸から作成された組換えポリペプチド(例えば本発明の酵素)は個々に単離又はクローニングし、所望の活性について試験することができる。任意の組換え発現系(細菌、哺乳動物、酵母、昆虫又は植物細胞発現系を含む)を用いることができる。
また別には、これら核酸は周知の化学的合成技術によってin vitroで合成することができる。前記技術は例えば以下に記載されている:Adams (1983) J. Am. Chem. Soc. 105:661; Belousov (1997) Nucleic Acids Res. 25:3440-3444; Frenkel (1995) Free Radic. Biol. Med. 19:373-380; Blommers (1994) Biochemistry 33:7886-7896; Narang (1979) Meth. Enzymol. 68:90; Brown (9179) Meth. Enzymol. 68:109; Beaucage (1981) Tetra. Lett. 22:1859; US Patent No. 4,458,066。
核酸操作のための技術、例えばサブクローニング、プローブの標識(例えばクレノーポリメラーゼ、ニックトランスレーション、増幅を用いるランダムプライマー標識)、配列決定、ハイブリダイゼーションなどは学術文献及び特許文献に詳しく記載されている。例えば以下を参照されたい:Sambrook, ed., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Ed.), Vol1-3, Cold Spring Harbor Laboratory (1989); Current Protocols in Molecular Biology, Ausubel, ed. John Wiley & Sons, Inc., New York (1997); Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology: Hybridization with Nucleic Acids Probes, Part I. Theory and Nucleic Acid Preparation, Tijssen, ed. Elsevier, N.Y. (1993)。
本発明の方法の実施に用いられる核酸を入手及び操作するために有用なまた別の手段は、ゲノムサンプルからのクローニング、及び所望の場合には、例えばゲノムクローン若しくはcDNAクローンから単離又は増幅した挿入物のスクリーニング及び再クローニングである。本発明の方法で用いられる核酸の供給源には、哺乳動物人工染色体(MAC)(例えば米国特許5,721,118号、同6,025,155号を参照されたい)、ヒト人工染色体(Rosenfeld (1997) Nat. Genet. 15:333-335)、酵母人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、P1人工染色体(Woon (1998) Genomics 50:306-316)、P1誘導ベクター(PAC)(Kern (1997) Biotechniques 23:120-124)、コスミド、組換えイルス、ファージ又はプラスミドに含まれるゲノムライブラリー又はcDNAライブラリーが含まれる。
本発明は、葉緑素含有組成物(例えば植物、藻類、食品又は油)を酵素的に処理(例えば“漂白”)するための新規な組成物及びプロセスを提供する。本発明の方法で使用される化合物(例えば触媒化合物、出発又は中間化合物)は多様な工程及び方法を用いて合成できることは当業者には理解されよう。前記は例えば以下の学術文献及び特許文献に詳しく記載されている:Organic Syntheses Collective Volumes, Gilman et al. (Eds) John Wiley & Sons, Inc., NY; Venuti (1989) Pharm Res. 6:867-873。本発明は、当分野で公知の任意の方法(前記は学術文献及び特許文献に詳しく記載されている)と併用して実施することができる。
ある特徴では、本発明のポリペプチドをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチド又はそのフラグメントの分泌を誘導することができるリーダー配列とともに適切な局面でアッセンブリングされる。
本発明は融合タンパク質及びそれらをコードする核酸を提供する。本発明のポリペプチドは異種ペプチド又はポリペプチド、例えば所望の特性(例えば安定性増強又は精製の簡便化)を付与するN-末端識別ペプチドと融合させることができる。本発明のペプチド及びポリペプチドはまた、例えばより強い免疫原性をもつペプチドを製造するため、組換えにより合成されたペプチドをより容易に単離するため、抗体及び抗体発現B細胞を同定及び単離するためなどの目的のために、前記に連結された1つ又は2つ以上の追加のドメインを有する融合タンパク質として合成及び発現させることができる。検出及び精製を容易にするドメインには、例えば金属キレートペプチド(例えばポリヒスチジン鎖及びヒスチジン-トリプトファンモジュール(固定化金属上での精製を可能にする)、プロテインAドメイン(固定化免疫グロブリン上での精製を可能にする)、及びFLAGS伸長/アフィニティー精製系(Immune Corp, Seatle WA)で利用されるドメインが含まれる。精製ドメイン及びモチーフ構成ペプチド又はポリペプチド間の切断可能リンカー配列(例えばXa因子又はエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego CA))の挿入は精製を容易にする。例えば、発現ベクターは、6つのヒスチジン残基とそれに続くチオレドキシン及びエンテロキナーゼ切断部位に連結されたエピトープコード核酸配列を含むことができる(例えば以下を参照されたい:Williams (1995) Biochemistry 34:1787-1797; Dobeli (1998) Protein Expr. Purif. 12:404-414)。前記ヒスチジン残基は検出及び精製を容易にし、一方、エンテロキナーゼ切断部位は融合タンパク質の残りの部分からエピトープを精製するための手段を提供する。融合タンパク質をコードするベクター及び融合タンパク質の利用に関する技術は学術文献及び特許文献に詳しく記載されている(例えば以下を参照されたい:Kroll (1993) DNA Cell. Biol., 12:441-53)。
転写及び翻訳制御配列
本発明は、RNA合成/発現を誘導又は調節するために発現(例えば転写又は翻訳)制御配列(例えばプロモーター又はエンハンサー)に機能可能に連結された本発明の核酸(例えばDNA)配列を提供する。前記発現制御配列は発現ベクター内に存在することができる。例示的な細菌プロモーターにはlacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PL及びtrpが含まれる。例示的な真核細胞プロモーターにはCMV極初期、HSVチミジンキナーゼ、初期及び後期SV40、レトロウイルスのLTR及びマウスのメタロチオネインIが含まれる。
細菌でのポリペプチド発現に適したプロモーターには、大腸菌のlac又はtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモーター、ラムダPLプロモーター、糖分解酵素(例えば3-ホスホグリセレートキナーゼ(PGK))をコードするオペロン由来のプロモーター及び酸性ホスファターゼプロモーターが含まれる。真核細胞プロモーターには、CMV極初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期及び後期SV40プロモーター、レトロウイルスのLTR及びマウスのメタロチオネインIプロモーターが含まれる。原核細胞若しくは真核細胞又はそれらのウイルスで遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターもまた用いることができる。細菌でポリペプチド又はそのフラグメントを発現するために適切なプロモーターには、大腸菌のlac又はtrpプロモーター、lacIプロモーター、lacZプロモーター、T3プロモーター、T7プロモーター、gptプロモーター、ラムダPRプロモーター、ラムダPLプロモーター、糖分解酵素(例えば3-ホスホグリセレートキナーゼ(PGK))をコードするオペロン由来のプロモーター及び酸性ホスファターゼプロモーターが含まれる。菌類のプロモーターには、_因子プロモーターが含まれる。真核細胞プロモーターには、CMV極初期プロモーター、HSVチミジンキナーゼプロモーター、熱ショックプロモーター、初期及び後期SV40プロモーター、レトロウイルスのLTR及びマウスのメタロチオネインIプロモーターが含まれる。原核細胞若しくは真核細胞又はそれらのウイルスで遺伝子の発現を制御することが知られている他のプロモーターもまた用いることができる。
組織特異的植物プロモーター
本発明は、組織特異的態様で発現させることができる、例えば組織特異的態様で本発明の酵素を発現させることができる発現カセットを提供する。本発明はまた、本発明の酵素を組織特異的態様で発現する植物又は種子を提供する。前記組織特異性は、種子特異的、茎特異的、葉特異的、根特異的、果実特異的などでありうる。
ある特徴では、構成的プロモーター(例えばCaMV35Sプロモーター)を植物の特定の部分又は種子又は植物全体での発現に用いることができる。例えば、過剰発現のためには、植物のいくつかの組織又は全ての組織(例えば再生植物)で核酸の発現を指令する植物プロモーターフラグメントを用いることができる。そのようなプロモーターは、本明細書では“構成的”プロモーターと称され、ほとんどの環境条件下及び生育又は細胞分化状態で活性を示す。構成的プロモーターの例には、カリフラワーモザイクウイルス(CaMV)35S転写開始領域、アグロバクテリア・ツメファシエンス(Agrobacteria tumefaciens)のT‐DNA由来1'-又は2'-プロモーター、及び当業者に公知の種々の植物遺伝子のその他の転写開始領域が含まれる。そのような遺伝子には、例えばアラビドプシス(Arabidopsis)のACT11(Huang (1996) Plant Mol. Biol. 33:125-139);アラビドプシスのCat3(GenBank No. U43147、Zhong (1996) Mol. Gen. Genet. 251:196-203);ブラシカ・ナプス(Brassica napus)のステアロイル-アシルキャリアタンパク質デサチュラーゼをコードする遺伝子(GenBank No. X74782、Solocombe (1994) Plant Physiol. 104:1167-1176);トウモロコシのGPc1(GenBank No. X15596、Martinez (1989) J. Mol. Biol. 208:551-565);トウモロコシのGpc2(GenBank No. U45855、Manjunath (1997) Plant Mol. Biol. 33:97-112);米国特許4,962,028号、同5,633,440号に記載された植物プロモーターが含まれる。
本発明は、ウイルス由来の組織特異的又は構成的プロモーターを用いる。これらには、例えばトバモウイルスのサブゲノムプロモーター(Kumagai (1995) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:1679-1683);イネのツングロ杆状ウイルス(RTBV)(感染したイネの師部細胞でのみ複製し、強力な師部特異的レポータ遺伝子発現を駆動するプロモーターを有する);キャッサバ葉脈モザイクウイルス(CVMV)プロモーター(維管束エレメント、葉の葉肉細胞及び根の先端でもっとも強い活性を有する)(Verdaguer(1996) Plant Mol. Biol. 31:1129-1139)が含まれうる。
また別には、植物プロモーターは、特定の組織、器官又は細胞タイプで酵素発現核酸の発現を指令するか(すなわち組織特異的プロモーター)、又はそうでなければより厳密な環境若しくは生育制御下に置くか、又は誘導性プロモーターの制御下に置くことができる。転写に影響を与えることができる環境条件の例には、嫌気性条件、上昇温度、光の存在、化学物質/ホルモンの噴霧が含まれる。例えば、本発明は、トウモロコシの乾燥誘導プロモーター(Busk (1997) 上掲書);ジャガイモの低温、乾燥及び高塩誘導プロモーター(Kirch (1997) Plant Mol. Biol. 33:897-909)を含む。
組織特異的プロモーターは、その組織内の一定の時間枠内の生育段階でのみ転写を促進することができる。例えば以下を参照されたい:Blazquez (1998) Plant Cell 10:791-800(アラビドプシスのLEAFY遺伝子のプロモーターの特性を明らかにする)。さらにまた例えば以下を参照されたい:Cardon (1997) Plant J 12:367-377(A.サリアナ(thaliana)の花の分裂組織同一性遺伝子AP1のプロモーター領域中の保存配列モチーフを認識する転写因子SPL3について記載している);及びMandel (1995) Plant Molecular Biology, vol 29, pp995-1004(分裂組織プロモーターeIF4について記載している)。特定の組織のライフサイクルの全体を通して活性を有する組織特異的プロモーターを用いることができる。ある特徴では、本発明の核酸は、主としてワタの繊維細胞でのみ活性を示すプロモーターに機能可能に連結される。ある特徴では、本発明の核酸は、例えば上掲書(Rinehart (1996))に記載されたように、主としてワタの繊維細胞の伸張期間に活性を示すプロモーターに機能可能に連結される。前記核酸は、ワタの繊維細胞で優先的に発現されるようにFbl2A遺伝子プロモーターに機能可能に連結することができる(上掲書)。さらに以下を参照されたい:John (1997) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5769-5773;John et al., US Patent No. 5,608,148, 5,602,321(ワタの繊維特異的プロモーター及びトランスジェニックな綿植物を構築する方法が記載されている)。根特異的プロモーターもまた本発明の核酸の発現に用いられる。根特異的プロモーターの例には、アルコールデヒドロゲナーゼ遺伝子のプロモーターが含まれる(DeLisle (1990) Int. Rev. Cytol. 123:39-60)。本発明の核酸の発現に用いることができる他のプロモーターには、例えば胚珠特異的、胚特異的、内胚葉特異的、珠皮特異的、種子外皮特異的プロモーター、又は前記のいくつかの組合せ;葉特異的プロモーター(例えば以下を参照されたい:Busk (1997) Plant J. 11:1285-1295、前記にはトウモロコシの葉特異的プロモーターが記載されている);アグロバクテリウム・リゾゲネス(Agrobacterium rhizogenes)のORF13プロモーター(根で高い活性を示す(上掲書(Hansen, 1997)を参照されたい));トウモロコシの花粉特異的プロモーター(例えば以下を参照されたい:Guerrero (1990) Mol. Gen. Gnet. 224:161-168);果実成熟時、葉の(前記より低頻度で花の)老化及び離脱時に活性を示すトマトのプロモーター(例えば以下を参照されたい:Blume (1997) Plant J. 12:731-746);ジャガイモのSK2遺伝子のめしべ特異的プロモーター(例えば以下を参照されたい:Ficker (1997) Plant Mol. Biol. 35:425-431);エンドウマメのBlec4遺伝子(トランスジェニックアルファルファの栄養及び生殖茎頂の表皮組織で活性を示し、活発に生長しているシュート又は繊維の表皮層で外来遺伝子を発現させるために有用である);珠皮特異的BEL1遺伝子(例えば以下を参照されたい:Reiser (1995) Cell 83:735-742, GenBank No. U39944);及び/又は米国特許第5,589,583号(Klee)(分裂組織及び/又は急速に分裂している細胞で高レベルの転写を付与することができる植物プロモーターについて記載)のプロモーターが含まれる。
また別には、植物ホルモン(例えばオーキシン)に曝露されたときに誘導されうる植物プロモーターが本発明の核酸の発現に用いられる。例えば、本発明は以下を用いることができる:ダイズ(Glycine max L.)のオーキシン応答エレメントE1プロモーターフラグメント(AuxRE)(Liu (1997) Plant Physiol. 115:397-407);オーキシン応答性アラビドプシスGST6プロモーター(サリチル酸及び過酸化水素にも反応性である)(Chen (1996) Plant J. 10:955-966);タバコのオーキシン誘導性parCプロモーター(Sakai (1996) 37:906-913);植物ビオチン応答エレメント(Streit (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:933-937);及びストレスホルモンアブシジン酸に応答するプロモーター(Sheen (1996) 274:1900-1902)。
本発明の核酸はまた、植物に適用可能な化学的試薬(例えば除草剤又は抗生物質)に曝露されたときに誘導されうる植物プロモーターに機能可能に連結することもできる。例えば、トウモロコシのIn2-2プロモーター(ベンゼンスルホンアミド除草剤の毒性緩和剤によって活性化される)を用いることができる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577)。種々の除草剤の毒性緩和剤の適用によって、根、排水組織、茎頂分裂組織での発現を含む別個の遺伝子発現パターンが誘導される。コード配列は、例えばテトラサイクリン誘導プロモーター(例えばアヴェナ・サティヴァL.(エンバク)のアルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473)を含むタバコのトランスジェニック植物で開示されたとおり)、又はサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)の制御下に置くことができる。化学的に(例えばホルモン又は殺虫剤によって)誘導されるプロモーター(すなわち野外でトランスジェニック植物に適用することができる化学物質に対し応答するプロモーター)を用いて、本発明のポリペプチドの発現を植物の生育の特定の段階で誘導することができる。したがって、本発明はまた、その宿主域が標的植物種(例えば、トウモロコシ、イネ、オオムギ、コムギ、ジャガイモ又はその他の穀物類)に限定される、作物の任意の生育段階で誘導可能な本発明のポリペプチドをコードする誘導性遺伝子を含むトランスジェニック植物を提供する。
当業者には、組織特異的植物プロモーターは標的組織以外の組織で機能可能に連結された配列の発現を駆動することができることは理解されよう。したがって、組織特異的プロモーターは、標的組織又は細胞タイプで優先的に発現を駆動させることができるが、他の組織でもまた同様にある程度の発現を誘導することができる。
本発明の核酸はまた、化学的試薬に曝露されたときに誘導されうる植物プロモーターに機能可能に連結することができる。これらの試薬には、例えば除草剤、合成オーキシン又は抗生物質が含まれ、これらはトランスジェニック植物に適用(例えば噴霧)することができる。本発明の酵素生成核酸の誘導性発現によって、栽培者は最適な酵素発現及び/又は活性を有する植物を選別することができる。植物の部分の生育はしたがって制御可能である。このようにして、本発明は、植物及び植物の部分の収穫を促進する手段を提供する。例えば、種々の実施態様では、トウモロコシのIn2-2プロモーター(ベンゼンスルホンアミド除草剤の毒性緩和剤によって活性化される)が用いられる(De Veylder (1997) Plant Cell Physiol. 38:568-577)。種々の除草剤の毒性緩和剤の適用によって、根、排水組織、茎頂分裂組織での発現を含む別個の遺伝子発現パターンが誘導される。本発明のコード配列はまた、例えばテトラサイクリン誘導性プロモーター(例えばアヴェーナ・サティヴァL.(エンバク)のアルギニンデカルボキシラーゼ遺伝子(Masgrau (1997) Plant J. 11:465-473)を含むタバコのトランスジェニック植物で開示されたとおり)、又はサリチル酸応答エレメント(Stange (1997) Plant J. 11:1315-1324)の制御下にある。
いくつかの特徴では、適切なポリペプチド発現には、コード領域の3'末端のポリアデニル化領域が必要かもしれない。前記ポリアデニル化領域は、天然の遺伝子、種々の他の植物(又は動物またその他の)遺伝子、又はアグロバクテリウムのT-DNAの遺伝子に由来するものでよい。
“植物”という用語には植物体全体、植物の部分(例えば葉、茎、花、根など)、植物のプロトプラスト、種子及び植物細胞並びに前記の子孫が含まれる。本発明の方法で用いることができる植物クラスは、一般的には、形質転換技術を施しやすい高等植物クラスと同じように広く、裸子植物と同様に被子植物(単子葉及び双子葉植物)が含まれる。前記には多様な倍数性レベルを有する植物(倍数体、二倍体、半数体及び半接合状態を含む)が含まれる。本明細書で用いられる、“トランスジェニック植物”という用語には、異種核酸配列(例えば本発明の核酸及び種々の組換え構築物、例えば発現カセット)が挿入された植物又は植物細胞が含まれる。
発現ベクター及びクローニングビヒクル
本発明は、本発明の核酸、例えば本発明の酵素をコードする配列を含む発現ベクター及びクローニングビヒクルを提供する。本発明の発現ベクター及びクローニングビヒクルは、ウイルス粒子、バキュロウイルス、ファージ、プラスミド、ファージミド、コスミド、フォスミド、細菌人工染色体、ウイルスDNA(例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、仮性狂犬病ウイルス及びSV40の誘導体)、P1系人工染色体、酵母プラスミド、酵母人工染色体、及び問題の特定宿主(例えばバシルス、アスペルギルス及び酵母)に固有の他の任意のベクターが含まれる。本発明のベクターは染色体配列、非染色体配列及び合成DNA配列を含むことができる。多くの適切なベクターが当業者に知られており、市場で入手できる。例示的なベクターには以下が含まれる:細菌系:pQEベクター(Qiagen)、pBluescriptプラスミド、pNHベクター、ラムダ-ZAPベクター(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pDR540、pRIT2T(Pharmacia);真核細胞系:pXT1、pSG5(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVLSV40(Pharmacia)。しかしながら、他の任意のプラスミド又は他のベクターもまた、それらが宿主内で複製可能でさらに生存可能である限り用いることができる。低コピー数又は高コピー数ベクターを本発明に関して用いることができる。
“プラスミド”は、市場で入手可能であるか、又は制約なく公的に利用可能であるか、又は公表された方法にしたがって入手可能なプラスミドから構築することができる。本明細書に記載されているプラスミドと等価のプラスミドは当技術分野で公知であり、当業者には明らかであろう。
発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始のためのリボソーム結合部位及び転写終了因子を含むことができる。発現を増幅させるために、ベクターはまた適切な配列を含むことができる。哺乳動物発現ベクターは、複製起点、必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、転写終了配列及び5'フランキング非翻訳配列を含むことができる。いくつかの特徴では、SV40スプライス及びポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝子エレメントを提供することができる。
ある特徴では、発現ベクターは1つ又は2つ以上の選別可能なマーカー遺伝子を含み、前記ベクターを含む宿主細胞の選別を可能にすることができる。そのような選別可能マーカーには、真核細胞培養に対してはジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子又はネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌のテトラサイクリン又はアンピシリン耐性を付与する遺伝子、及びS.セレビシアエ(S. cerevisiae)のTRP1遺伝子が含まれる。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクター又は選別可能なマーカーを有する他のベクターを用いて、所望される任意の遺伝子から選別することができる。
真核細胞中でポリペプチド又はそのフラグメントを発現させるためのベクターはまた発現レベルを高めるためにエンハンサーを含むことができる。エンハンサーはDNAのcis-作動性エレメントであり、通常は長さが約10から約300bpであってプロモーターに作用してその転写を高める。その例には、複製起点の後期側100bpから270bpにあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポリオーマエンハンサー及びアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
核酸配列は多様な方法によってベクターに挿入することができる。一般的には、前記配列は、適切な制限エンドヌクレアーゼによる挿入物及びベクターの消化に続いてベクター内の所望の位置に連結される。また別には、挿入物とベクターの両方の平滑末端を連結することもできる。多様なクローニング技術が当業界で公知であり、例えばAusubel and Sambrookに記載されている。そのような方法及び他の方法は当業者の技術範囲内であろう。
ベクターはプラスミド、ウイルス粒子又はファージの形態を有することができる。他のベクターには染色体配列、非染色体配列及び合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAの組合せに由来するベクター、ウイルスDNA、例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、及び仮性狂犬病ウイルスが含まれる。原核細胞及び真核細胞宿主で使用できる多様なクローニングベクター及び発現ベクターは例えばSambrookによって記載されている。
使用できる具体的な細菌ベクターには、以下の周知のクローニングベクターの遺伝的エレメントを含む市場出入手可能なプラスミドが含まれる:pBR322(ATCC37017)、pKK223-3(Pharmacia Fine Chemicals, Uppsala, Sweden)、GEM1(Promega Biotec, Madison, WI, USA)、pQE70、pQE60、pQE-9(Qiagen)、pD10、psiX174Bluescript IIKS、pNH8A、pNH16a、pNH18A、pNH46A(Stratagene)、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540、pRIT5(Pharmacia)、pKK232-8及びpCM7。具体的な真核細胞ベクターには、pSV2CAT、pOG44、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、pBPV、pMSG及びpSVL(Pharmacia)が含まれる。しかしながら他のベクターのいずれも宿主細胞内で複製可能で生存可能である限り使用することができる。
本発明の核酸は、発現カセット、ベクター又はウイルスで発現させることができ、さらに一過性又は安定的に植物細胞及び種子で発現させることができる。ある例示的な一過性発現系はエピソーム発現系、例えばカリフラワーモザイクウイルス(CaMV)のウイルスRNA(スーパーコイルDNAを含むエピソームミニ染色体の転写によって核内で生成される)を用いる(例えば以下を参照されたい:Covey (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1633-1637)。また別には、コード配列(すなわち本発明の完全な配列又は部分配列)を植物宿主細胞ゲノムに挿入して宿主染色体DNAの一体化部分を形成することができる。このようにしてセンス又はアンチセンス転写物を発現させることができる。本発明の核酸由来の配列(例えばプロモーター又はコード配列)を含むベクターは、選別可能な表現型を植物細胞又は種子に付与するマーカー遺伝子を含むことができる。例えば、前記マーカーは、殺菌物質耐性、特に抗生物質耐性(例えばカナマイシン、G418、ブレオマイシン、ヒグロマイシンに対する耐性)、又は除草剤耐性(例えばクロロスルフロン又はバスタに対する耐性)をコードすることができる。
植物で核酸及びタンパク質を発現することができる発現ベクターは当業界では周知で、例えばアグロバクテリウム種、ジャガイモのウイルスX(例えば以下を参照されたい:Angell (1997) EMBO J. 16:3675-3648)、タバコモザイクウイルス(例えば以下を参照されたい:Casper (1996) Gene 173:69-73)、トマトのブッシースタントウイルス(例えば以下を参照されたい:Hillman (1989) Virology 169:42-50)、タバコのエッチウイルス(例えば以下を参照されたい:Dolja (1997) Microbiol. Immunol. 37:471-476)、ビーンゴールデンモザイクウイルス(例えば、Morinaga(1993) Microbiol Immuol. 37:471-476を参照されたし)、カリフラワーモザイクウイルス(例えば以下を参照されたい:Cecchini (1997) Mol. Plant Microbe Interact. 10:1094-1101)、トウモロコシAc/Ds転移性因子(例えば以下を参照されたい:Rubin (1997) Mol. Cell. Biol. 17:6294-6302; Kunze (1996) Curr. Top. Microbiol. Immunol. 204:161-194)、及びトウモロコシサプレッサー‐ミューテータ(Spm)転移性因子(例えば以下を参照されたい:Schlappi (1996) Plant Mol. Biol. 32:717-725)、並びにこれらの誘導体が含まれよう。
ある特徴では、発現ベクターは、2つの生物で(例えば、発現のために哺乳動物細胞又は昆虫細胞で、クローニング及び増幅のために原核細胞で)維持され得るように2つの複製系を含むことができる。さらにまた、組込型発現ベクターについては、発現ベクターは宿主細胞ゲノムと相同な少なくとも1つの配列を含むことができる。前記は、前記発現構築物にフランキングする2つの相同な配列を含む。組み込み型ベクターは、ベクター内に含まれる適切な相同配列を選択することによって特定の遺伝子座に誘導することができる。組込型ベクターのための構築物は当業界で周知である。
本発明の発現ベクターはまた選別可能なマーカー遺伝子を含み、形質転換された細菌株の選別を可能にすることができる。前記遺伝子は、例えば細菌を薬剤(例えばアンピシリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、カナマイシン、ネオマイシン及びテトラサイクリン)に耐性にする遺伝子である。選別可能マーカーにはまた、生合成遺伝子、例えばヒスチジン、トリプトファン及びロイシン生合成経路の遺伝子が含まれる。
発現ベクター内のDNA配列は、RNA合成の指令のために適切な発現制御配列(プロモーター)に機能可能に連結される。具体的な細菌プロモーターを例示すればlacI、lacZ、T3、T7、gpt、ラムダPR、PL及びtrpが含まれる。真核細胞プロモーターにはCMV極初期、HSVチミジンキナーゼ、初期及び後期SV40、レトロウイルス由来のLTR並びにマウスのメタルチオネイン-Iが含まれる。適切なベクター及びプロモーターの選別は当業者の技術レベル内である。発現ベクターはまた転写開始のためのリボソーム結合部位及び転写ターミネーターを含む。ベクターはまた発現増幅のために適切な配列を含むことができる。プロモーター領域は、クロラムフェニコールトランスフェラーゼ(CAT)ベクター又は選別可能マーカーをもつ他のベクターを用いて任意の所望遺伝子から選択することができる。さらにまた、ある特徴では発現ベクターは1つ又は2つ以上の選別可能マーカー遺伝子を含み、形質転換細胞の選別のために表現型の特質(真核細胞培養については例えばジヒドロホレートレダクターゼ若しくはネオマイシン耐性、又は大腸菌については例えばテトラサイクリン若しくはアンピシリン耐性)を提供する。
哺乳動物の発現ベクターはまた、複製起点、必要な任意のリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、転写終了配列及び5'フランキング非転写配列を含むことができる。いくつかの特徴では、SV40スプライス及びポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝エレメントを提供することができる。
真核細胞でポリペプチド又はそのフラグメントを発現させるためのベクターはまたエンハンサーを含み、発現レベルを増加させることができる。エンハンサーはDNAのcis-作動性エレメントであり、通常長さが約10から300bpで、プロモーターに近接して作用しその転写を増進させる。例には、複製起点の後期側100bpから270bpにあるSV40エンハンサー、サイトメガロウイルスの初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後期側にあるポリオーマエンハンサー及びアデノウイルスエンハンサーが含まれる。
さらにまた、発現ベクターは典型的には1つ又は2つ以上の選別可能なマーカー遺伝子を含み、ベクターを含む宿主細胞の選別を可能にする。そのような選別可能マーカーには、真核細胞培養に対してはジヒドロ葉酸レダクターゼをコードする遺伝子又はネオマイシン耐性を付与する遺伝子、大腸菌ではテトラサイクリン又はアンピシリン耐性を付与する遺伝子、及びS.セレビシアエ(S. cerevisiae)のTRP1遺伝子が含まれる。
いくつかの特徴では、本発明のポリペプチドの1つ、又は前記の連続する少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150アミノ酸を含むフラグメントをコードする核酸は、翻訳されたポリペプチド又はそのフラグメントの分泌を誘導することができるリーダー配列とともに適切な局面でアッセンブリングされる。場合によって、前記核酸は融合ポリペプチドをコードすることができ、前記融合ポリペプチドでは、本発明のポリペプチドの1つ、又は連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150アミノ酸を含むそのフラグメントが異種ペプチド又はポリペプチド(例えばN-末端識別ペプチド)に融合され、所望の特徴(例えば安定性強化又は精製の簡便化)が付与される。
適切なDNA配列は多様な方法によって前記ベクターに挿入することができる。一般的には、DNA配列は、挿入物及びベクターの適切な制限酵素による消化に続いて、ベクター内の所望の位置に連結される。また別には、挿入物とベクターの両方の平滑末端を連結することもできる。多様なクローニング技術が文献に記載されている:Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley 503 Sons, Inc. 1997及びSambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989)。そのような技術及び他の技術は当業者の技術範囲内であろう。
前記ベクターはプラスミド、ウイルス粒子又はファージの形態を有することができる。他のベクターには染色体配列、非染色体配列及び合成DNA配列、SV40の誘導体、細菌プラスミド、ファージDNA、バキュロウイルス、酵母プラスミド、プラスミドとファージDNAの組合せに由来するベクター、ウイルスDNA、例えばワクシニア、アデノウイルス、鶏痘ウイルス、及び仮性狂犬病ウイルスが含まれる。原核細胞及び真核細胞宿主で使用できる多様なクローニングベクター及び発現ベクターは例えばSambrookによって記載されている(Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed., Cold Spring Harbor, NY (1989))。
宿主細胞及び形質転換細胞:本発明はまた、本発明の核酸配列(例えば本発明の酵素をコードする配列)又は本発明のベクターを含む形質転換細胞を提供する。宿主細胞は、当業者に周知の任意の宿主細胞であって、原核細胞、真核細胞(例えば細菌細胞、菌類細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞又は植物細胞)が含まれうる。例示的な細菌細胞には、大腸菌、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ストレプトミセス、枯草菌(Bacillus subtilis)、バシルス・セレウス(B.cereus)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)又はバチルス属、ストレプトミセス属、及びスタフィロコッカス属の任意の種が含まれる。例示的な昆虫細胞には、ドロソフィラS2及びスポドプテラSf9が含まれる。例示的な酵母細胞には、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、サッカロミセス・セレビシアエ(Saccharomyces cerevisiae)又はシゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)が含まれる。例示的な動物細胞にはCHO、COS又はボウズ・メラノーマ又は任意のマウス若しくはヒト細胞株が含まれる。適切な宿主を選択することは当業者の技術範囲内である。多様な高等植物種を形質転換する技術は周知で、技術文献及び学術文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Weising (1988) Ann. Rev. Genet. 22:421-477;米国特許5,750,870号。
ベクターは、多様な任意の技術を用いて宿主細胞に導入することができる。前記技術には、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃又はTi仲介遺伝子伝達が含まれる。具体的な方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン仲介トランスフェクション、リポフェクション、又はエレクトロポレーションが含まれる(L. Davis, M. Dibner, I. Battey, Basic Methods in Molecular Biology, (1986))。
ある特徴では、本発明の核酸又はベクターはスクリーニングのために細胞に導入される。したがって前記核酸はその後の核酸の発現に適した態様で細胞に導入される。導入方法は、主として標的細胞タイプによって決定される。例示的な方法にはCaPO4沈殿、リポソーム融合、リポフェクション(例えばLIPOFECTIN(商標))、エレクトロポレーション、ウイルス感染などが含まれる。候補核酸は宿主細胞ゲノムに安定的に組み込まれるか(例えばレトロウイルス導入による)、又は細胞質に一過性若しくは安定的に存在することができる(すなわち慣例的なプラスミドを使用し、標準的な調節配列、選別マーカーなどを利用することによって)。多くの医薬的に重要なスクリーニングではヒト又はモデル動物細胞の標的が必要であるので、そのような標的にトランスフェクトすることができるレトロウイルスが好ましい。
適切な場合には、操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化に適切なように改変した通常の栄養培地で培養し、形質転換体を選別するか、又は本発明の遺伝子を増幅することができる。適切な宿主株を形質転換し、さらに適切な細胞密度に前記宿主株を増殖させた後、選択したプロモーターを適切な手段(例えば温度シフト又は化学的誘導)によって誘導し、さらに追加の期間培養して所望のポリペプチド又はそのフラグメントを産生させることができる。
細胞を遠心分離によって採集し、物理的又は化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製のために維持することができる。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は任意の一般的な方法によって破壊することができる。そのような方法には、凍結融解の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤の使用が含まれる。そのような方法は当業者には周知である。発現されたポリペプチド又はそのフラグメントは、組換え細胞培養から以下を含む方法によって回収及び精製することができる:硫安又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィー。タンパク質の再折りたたみ工程は、ポリペプチドの立体構造の完成に際して必要に応じて用いることができる。所望の場合には、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に用いることができる。
宿主細胞内の構築物を通常の態様で用い、組換え配列によってコードされる遺伝子生成物を産生させることができる。組換え生成方法で用いる宿主細胞に応じて、ベクターを含む宿主細胞により産生されるポリペプチドはグリコシル化されることも、またグリコシル化されないこともある。本発明のポリペプチドはまた最初のメチオニン残基を含んでいることも含まないこともある。
無細胞翻訳系もまた本発明のポリペプチドの製造に利用することができる。無細胞翻訳系は、前記ポリペプチド又はそのフラグメントをコードする核酸に機能可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを用いることができる。いくつかの特徴では、前記DNA構築物は、in vitro転写反応の実施前に直鎖化することができる。続いて適切な無細胞翻訳抽出物(例えばウサギ網状赤血球抽出物)とともに前記転写mRNAをインキュベートし、所望のポリペプチド又はそのフラグメントを生成する。
発現ベクターは1つ又は2つ以上の選別可能な遺伝子を含み、形質転換された宿主細胞の選別用表現型の特徴(真核細胞の場合にはジヒドロ葉酸レダクターゼ又はネオマイシン耐性、大腸菌では例えばテトラサイクリン耐性又はアンピシリン耐性)を提供することができる。
問題のポリヌクレオチド(例えば本発明の核酸)を含む宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選別又は遺伝子の増幅に適切なように改変した通常の栄養培養液で培養することができる。培養条件(例えば温度、pHなど)は発現のために選択された宿主細胞で以前に用いられた条件であり、当業者には明白であろう。続いて、特定の酵素活性を有すると同定されたクローンの配列を決定し、強化された活性を有する酵素をコードするポリヌクレオチド配列を同定する。
本発明は、本発明の核酸を含むベクターを発現させることを含む、細胞で組換え酵素を過剰発現させるための方法を提供する。本発明の核酸は、例えば本発明の例示的配列と少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、若しくはそれより大きい残基、又は遺伝子もしくは転写物の完全長にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれより高い配列同一性を有する核酸配列を含む核酸(ここで前記配列同一性は配列比較アルゴリズムを用いる分析によって、又は目視精査によって決定される)、又は本発明の核酸配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする核酸である。過剰発現は任意の手段、例えば高活性プロモーターの使用、二シストロン性ベクター又はベクターの遺伝子増幅によって実施することができる。
本発明の核酸は、任意のin vitro又はin vivo発現系で発現又は過剰発現させることができる。任意の細胞培養系(細菌、酵母、菌類又は哺乳動物細胞培養を含む)を利用して、組換えタンパク質を発現又は過剰発現させることができる。過剰発現は、プロモーター、エンハンサー、ベクター(例えばレプリコンベクター、二シストロン性ベクター(例えば以下を参照されたい:Gurtu (1996) Biochem. Biophys. Res. Commun. 229:295-8))、培養液、培養系などを適切に選択することによって実施できる。ある特徴では、細胞系で選別マーカー(例えばグルタミンシンターゼ(例えば以下を参照されたい:Saders (1987) Dev. Biol. Stand. 66:55-63))を使用する遺伝子増幅を用いて本発明のポリペプチドが過剰発現される。
前記宿主細胞は当業者に周知のいずれの宿主細胞でもよく、原核細胞、真核細胞、哺乳動物細胞、昆虫細胞又は植物細胞が含まれる。適切な宿主の代表的な例として、以下を挙げることができる:細菌細胞、例えば大腸菌、ストレプトミセス、枯草菌(Bacillus subtilis)、ネズミチフス菌(Salmonella typhimurium)並びにストレプトミセス属及びスタフィロコッカス属の種々の種;菌類細胞(例えば酵母);昆虫細胞、例えばドロソフィラS2及びスポドプテラSf9;動物細胞、例えばCHO、COS又はボウズ・メラノーマ;及びアデノウイルス。適切な宿主を選択することは当業者の技術範囲内である。
ベクターは、多様な任意の技術を用いて宿主細胞に導入することができる。前記技術には、形質転換、トランスフェクション、形質導入、ウイルス感染、遺伝子銃又はTi仲介遺伝子伝達が含まれる。具体的な方法には、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAEデキストラン仲介トランスフェクション、リポフェクション、又はエレクトロポレーションが含まれる(L. Davis, M. Dibner, I. Battey, Basic Methods in Molecular Biology, 1986)。
適切な場合には、操作された宿主細胞は、プロモーターの活性化、形質転換体の選別又は本発明の遺伝子の増幅に適切なように改変した通常の栄養培養液で培養することができる。適切な宿主株を形質転換し、さらに適切な細胞密度に前記宿主株を増殖させた後、選択したプロモーターを適切な手段(例えば温度シフト又は化学的誘導)によって誘導し、さらに追加の期間培養して所望のポリペプチド又はそのフラグメントを産生させることができる。
細胞を典型的には遠心分離によって採集し、物理的又は化学的手段により破壊し、得られた粗抽出物を更なる精製のために維持することができる。タンパク質の発現に用いた微生物細胞は任意の一般的な方法によって破壊することができる。そのような方法には、凍結融解の繰り返し、超音波処理、機械的破壊、又は細胞溶解剤の使用が含まれる。そのような方法は当業者にはよく知られている。発現されたポリペプチド又はそのフラグメントは、組換え細胞培養から以下を含む方法によって回収及び精製することができる:硫安又はエタノール沈殿、酸抽出、陰イオン又は陽イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィー及びレクチンクロマトグラフィー。タンパク質の再折りたたみ工程は、ポリペプチドの立体構造の完成に際して必要に応じて用いることができる。所望の場合には、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)を最終精製工程に用いることができる。
種々の哺乳動物細胞培養系もまた組換えタンパク質の発現に用いることができる。哺乳動物発現系の例には、サル腎線維芽細胞のCOS-7株(Gluzmanが記載:Cell, 23:175, 1981)、及び適合しうるベクターからタンパク質を発現することができる他の細胞株(例えばC127、3T3、CHO、HeLa及びBHK細胞株)が含まれる。
宿主細胞内の構築物を通常の態様で用い、組換え配列によってコードされる遺伝子生成物を産生させることができる。組換え体の産生工程で用いられる宿主細胞に応じて、ベクターを含む宿主細胞により産生されるポリペプチドはグリコシル化されることも、またグリコシル化されないこともある。本発明のポリペプチドはまた最初のメチオニン残基を含んでいることも含まないこともある。
また別には、本発明のポリペプチド又は前記の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150又はそれより多くの連続するアミノ酸を含むフラグメントは、通常のペプチド合成装置による合成によって製造することもできる。ある特徴では、前記ポリペプチドのフラグメント又は部分を対応する完全長のポリペプチドのペプチド合成による製造のために用いることができる。したがって、前記フラグメントは、完全長のポリペプチドを生成するための中間体として利用されうる。
無細胞翻訳系もまた、本発明のポリペプチドの1つ又は前記の連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150アミノ酸を含むフラグメントの製造に利用することができる(無細胞翻訳系は、前記ポリペプチド又はそのフラグメントをコードする核酸に機能可能に連結されたプロモーターを含むDNA構築物から転写されたmRNAを使用する)。いくつかの特徴では、前記DNA構築物は、in vitro転写反応実施前に直鎖化することができる。続いて適切な無細胞翻訳抽出物(例えばウサギ網状赤血球抽出物)とともに前記転写mRNAをインキュベートし、所望のポリペプチド又はそのフラグメントを生成する。
核酸の増幅
本発明を実施では、本発明の核酸及び本発明の酵素をコードする核酸又は本発明の改変核酸は増幅によって複製することができる。増幅はまた本発明の核酸のクローニング又は改変にも用いることができる。したがって、本発明は、本発明の核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。当業者は、これら配列の任意の部分又はその完全長のための増幅プライマー配列対を設計することができる。
ある特徴では、本発明は、本発明のプライマー対によって増幅された核酸を提供する。前記プライマー対は、例えば本発明の核酸の最初の(5'側の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25残基、及び前記相補鎖の最初の(5'側の)約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25残基によって示される。
本発明は、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー配列対を提供する。前記プライマー対は、本発明の配列を含む核酸又はそのフラグメント若しくは部分配列を含む核酸を増幅することができる。前記増幅プライマー配列の一方又は各メンバーは、前記配列の連続する少なくとも約10から50塩基、又は前記配列の連続する約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25塩基を含むオリゴヌクレオチドを含むことができる。本発明は増幅プライマー対を提供し、前記プライマー対は、本発明の核酸の最初の(5'側の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25残基によって示される配列を有する第一のメンバー及び前記第一のメンバーの相補鎖の最初の(5'側の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24又は25残基によって示される配列を有する第二のメンバーを含む。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いて、増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応)によって生成された酵素コード核酸を提供する。本発明は、本発明の増幅プライマー対を用いて、増幅(例えばポリメラーゼ連鎖反応)によって酵素コード核酸を製造する方法を提供する。ある特徴では、前記増幅プライマー対は、ライブラリー、例えば遺伝子ライブラリー(例えば環境性ライブラリー)から核酸を増幅させる。
増幅反応はまたサンプル中の核酸の量(例えば細胞サンプル中のメッセージの量)の定量、核酸の標識(例えば前記核酸をアレイ又はブロットに適用するため)、前記核酸の検出、又はサンプル中の特定の核酸の量の定量に用いることができる。本発明のある特徴では、細胞又はcDNAライブラリーから単離したメッセージが増幅される。
当業者は適切なオリゴヌクレオチド増幅プライマーを選択及び設計することができる。増幅方法はまた当業界で周知であり、例えば以下が含まれる:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(例えば以下を参照されたい:PCR Protocols, A Guide to Methods and Applications, ed. Innis, Academic Press, NY (1990); PCR Strategies (1995) ed. Innis, Academic Press, Inc., NY)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば以下を参照されたい:Wu (1989) Genomics 4:560; Landegren (1988) Science 241:1077; Barringer (1990) Gene 89:117)、転写増幅(例えば以下を参照されたい:Kwoh (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86:1173)、及びセルフサステイン配列複製(例えば以下を参照されたい:Guatelli (1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:1874)、Qベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)、自動Q-ベータレプリカーゼ増幅アッセイ(例えば以下を参照されたい:Burg (1996) Mol. Cell. Probes 10:257-271)及び他のRNAポリメラーゼ仲介技術(例えば以下を参照されたい:NASBA, Cangene, Mississauga, Ontario)。さらにまた以下を参照されたい:Berger (1987) Methods Enzymol. 152:307-316; Sambrook; Ausubel; US Patent Nos. 4,683,195及び4,683,202; Sooknanan (1995) Biotechnology 13:563-564。
配列同一性の程度の決定
本発明は、本発明の例示的核酸(例えば配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、又は配列番号19)と少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、1200、1250、1300、1350、1400、1450、1500、1550又はそれより大きい残基領域にわたって少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高い、又は完全な(100%)配列同一性を有する配列を含む核酸を提供する。本発明は、本発明の例示的なポリペプチドと少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高い、又は完全な(100%)配列同一性を有する配列を含むポリペプチドを提供する。配列同一性(相同性)の程度は、任意のコンピュータプログラム及び付属のパラメーター(本明細書に記載されたもの、例えばBLAST2.2.2又はFASTA ver. 3.0t78を含む)を規定値パラメーターとともに用いて決定することができる。
本発明の核酸配列は、本発明の例示的配列及び前記と実質的に同一の配列の連続する少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400又は500ヌクレオチドを含むことができる。本発明の核酸配列に相同な配列及びフラグメントは、これら配列に対して少なくとも99%、98%、97%、96%、95%、90%、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%又は50%相同であると称することができる。相同性は、任意のコンピュータプログラム(FASTA ver. 3.0t78を含む)及び本明細書に記載のパラメーターを規定値パラメーターとともに用いて決定することができる。相同な配列にはまたRNA配列が含まれる(RNA配列では本発明の核酸配列中のチミンはウリジンに置換されている)。相同な配列は本明細書に記載の方法のいずれかを用いて入手できるが、またシークェンシングエラーの修正から得ることもできる。本発明の核酸配列は、伝統的な一文字様式(例えばLubert Stryer(Biochemistry, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New York)の後表紙の内側を参照されたい)で表現することができるが、また配列内のヌクレオチドの実体を記録する他の任意の様式で表現してもよいことは理解されよう。
本特許明細書のいずれかの箇所で特定される種々の配列比較プログラムは、特に本発明のこの特徴において使用することが意図される。タンパク質及び/又は核酸配列の相同性は、当業界で公知の多様な配列比較アルゴリズム及びプログラムのいずれかを用いて評価することができる。そのようなアルゴリズム及びプログラムには、TBLASTN、BLASTP、FASTA、TFASTA及びCLUSTALWが含まれるが、ただしこれらに限定されない(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85(8):2444-2448, 1988; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Thompson et al., Nucleic Acids Res. 22(2):4673-4680, 1994; Higgins et al., Methods Enzymol. 266:383-402, 1996; Altschul et al., J. Mol. Biol. 215(3):403-410, 1990; Altschul et al., Nature Genetics 3:266-272, 1993)。
相同性又は同一性は、配列分析ソフトウェア(例えばジネティクスコンピュータグループ(Universty of Wisconsin Bitechnology Center, 1710 University Avenue, Madison, WI 53705)の配列分析ソフトウェアパッケージ)を用いてしばしば測定される。そのようなソフトウェアは、種々の欠失、置換及び他の改変に対して相同性の程度を決めることによって類似の配列を見つけ出す。2つ又は3つ以上の核酸又はポリペプチド配列に関して“相同性”及び“同一性”という用語は、比較ウィンドウ又は指定の領域上で、多数の配列比較アルゴリズムを使用するか又は手動アラインメント及び目視精査による測定にしたがって最大一致を求めて比較及びアラインメントを実施したとき、特定のパーセンテージの同じアミノ酸残基又はヌクレオチドを有する2つ又は3つ以上の配列又は部分配列を指す。
配列比較の場合、典型的には一方の配列は参照配列として機能し、前記に対してテスト配列が比較される。配列比較アルゴリズムを用いるとき、テスト配列及び参照配列はコンピュータに入力され、部分配列同等物が必要な場合に指定され、さらに配列アルゴリズムプログラムパラメーターが指定される。規定値プログラムパラメーターを用いることができるが、また別のパラメーターを指定することもできる。続いて配列比較アルゴリズムは、前記のプログラムパラメーターに基づいて参照配列に対するテスト配列のパーセント配列同一性を計算する。
本明細書で用いられる“比較ウィンドウ”は、20から600、通常は約50から約200、より通常は約100から約150から成る群から選択される任意数の連続する箇所を有するセグメントに対する参照を含み、前記ウィンドウにおいて、ある配列が同じ数の連続した箇所をもつ参照配列と前記2つの配列を最適にアラインメントした後で比較される。比較のために参照配列をアラインメントする方法は当業者に周知である。配列比較の最適アラインメントは、例えばSmith & Watermanの局所相同性アルゴリズム(Adv. Appl. Math. 2:482 (1981))によって、Needleman & Wunschの相同性アラインメントアルゴリズム(J. Mol. Biol. 48:443, 1970)によって、Pearson & Lipmanの類似性検索方法(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988))によって、前記アルゴリズムのコンピュータによる実施によって(GAP、BESTFIT、FASTA及びTFASTA(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, WI)、又は手動アラインメントと目視精査によって実施できる。相同性又は同一性決定のための他のアルゴリズムには、BLASTプログラム(Basic Local Alignment Search Tool at the National Center for Biological Information)の他に、ALIGN、AMAS(Analysis of Multiply Aligned Sequences)、AMPS(Protein Multiple Sequence Alignment)、ASSET(Aligned Segment Statistical Evaluation Tool)、BANDS、BESTSCOR、BIOSCAN(Biological Sequence Comparative Analysis Node)、BLIMPS(BLocks IMProved Searcher)、FASTA、Intervals & Points、BMB、CLUSTALV、CLUSTALW、CONSENSUS、LCONSENSUS、WCONSENSUS、Smith-Watermanアルゴリズム、DARWIN、ラスベガスアルゴリズム、FNAT(Forced Nucleotide Alignment Tool)、フレームアライン、フレームサーチ、DYNAMIC、FILTER、FSAP(Fristensky Sequence Analysis Package)、GAP(Global Alignment Program)、GENAL、GIBBS、GenQuest、ISSC(Sensitive Sequence Comparison)、LALIGN(Local Sequence Alignment)、LCP(Local Content Program)、MACAW(Multiple Alignment Construction & Analysis Workbench)、MAP(Multiple Alignment Program)、MBLKP、MBLKN、PIMA(Pattern-Induced Multi-Sequence Alignment)、SAGA(Sequence Alignment by Genetic Algorithm)及びWHAT-IFが含まれる。前記のようなアラインメントプログラムはまたゲノムデータベースのスクリーニングに用いられ、実質的に同一の配列をもつポリヌクレオチド配列を同定することができる。多数のゲノムデータベースが利用可能で、例えばヒトゲノムの実質的部分がヒトゲノム配列決定プロジェクトの一部分として利用可能である(J. Roach, http://weber.u.Washington.edu/~roach/human_genome_progress2.html)(Gibbs, 1995)。少なくとも21の他のゲノムが既に配列決定されており、前記にはM. ジェニタリウム(genitalium)(Fraser et al., 1995)、M. ジャナスキイー(jannaschii)(Bult et al., 1996)、H. インフルエンザ(Fleischmann et al. 1995)、大腸菌(Blattner et al. 1997)、酵母(S. cerevisiae)(Mewes et al. 1997)及びD.メラノガスター(melanogaster)(Adams et al., 2000)が含まれる。顕著な進展がモデル生物(例えばマウス、C. エレガンス及びアラビドプシス種(Arabidopsis sp))のゲノム配列決定で達成された。いくつかの機能的情報の注釈をもつゲノム情報を含むデータベースが種々の機関で維持されており、インターネットでアクセスすることができる。
有用なアルゴリズムの一例は、BLAST及びBLAST2.0であり、前記は、それぞれ以下に記載されている:Altschul (1977) Nuc. Acids Res. 25:3389-3402及びAltschul (1990) J. Mol. Biol. 215:403-410。BLAST分析を実施するソフトは、National Center for Biotechnology Informationから公開されている。このアルゴリズムは、クェリー配列内の長さがWの短いワードを同定することによって高スコアをもつ配列対(HSP)をまず初めに同定することを必要とする。前記は、データベース配列中の同じ長さを持つワードとアラインメントを実施したとき、一致するか又はいくらかの正の値をもつ閾値スコアTの条件を満たす。Tは近傍ワードスコア閾値と称される(Altschul (1990)上掲書)。これらの最初の近傍ワードヒットはそれらを含むより長いHSPを見つけるための検索開始のシードとして機能する。前記ワードヒットは、累積アラインメントスコアが増加する限り各配列の両方向に沿って伸長される。累積スコアは、ヌクレオチド配列についてはパラメーターM(一致残基対のための褒賞スコア、常に>0)を用いて計算される。アミノ酸配列の場合、スコアリングマトリックスを用いて累積スコアが計算される。各方向のワードヒットの伸長は以下の場合に停止する:累積アラインメントスコアがその最大達成値から量Xだけ下降したとき;累積スコアが、1つ又は2つ以上の負のスコアを与える残基アラインメントの累積のために0又はそれ以下になったとき;又はどちらかの配列の末端に達したとき。BLASTアルゴリズムパラメーターW、T及びXは前記アラインメントの感度及び速度を決定する。BLASTNプログラム(ヌクレオチド配列用)は、規定値として11のワード長、10の期待値(E)、M=5、N=-4及び両鎖の比較を用いる。アミノ酸配列の場合、BLASTPプログラムは、3のワード長及び10の期待値(E)、及びBLOSUM62スコアリングマトリックス(Henikoff & Henikoff (1989) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:10915)アラインメント(B)50、期待値(E)10、M=5、N=-4及び両鎖の比較を用いる。
BLASTアルゴリズムはまた2つの配列間の類似性の統計的分析を実施する(例えば以下を参照されたい:Karlin & Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873)。BLASTアルゴリズムによって提供される類似性測定の1つは最小合計確率(P(N))であり、前記は2つのヌクレオチド又はアミノ酸配列間の一致が偶然によって生じる確率を提供する。例えば、テスト核酸と参照核酸の比較で最小合計確率が約0.2未満、ある特徴では、好ましくは約0.01未満、ある特徴ではもっとも好ましくは約0.001未満であるならば、前記核酸は参照配列と類似であると考えられる。
ある特徴では、タンパク質及び核酸配列相同性はベーシック・ローカル・アラインメント・サーチ・ツール(Basic Local Alignment Search Tool, “BLAST”)を用いて評価される。特に、5つの特別なBLASTプログラムを用いて以下のタスクが実行される:(1)BLASTP及びBLAST3はアミノ酸のクェリー配列をタンパク質配列データベースと比較する;(2)BLASTNはヌクレオチドのクェリー配列をヌクレオチド配列データベースと比較する;(3)BLASTXはクェリーヌクレオチド配列(その両方の鎖)の仮想的な6つのフレームの翻訳生成物をタンパク質配列データベースと比較する;(4)TBLASTNはクェリータンパク質配列を全ての6リーディングフレーム(両方の鎖)で翻訳されるヌクレオチド配列データベースと比較する;さらに(5)TBLASTXはヌクレオチドクェリー配列の6フレーム翻訳物をヌクレオチド配列データベースの6フレーム翻訳物と比較する。
BLASTプログラムは類似のセグメントを同定することによって相同な配列を同定する。前記セグメントは本明細書ではクェリーアミノ酸又は核酸配列とテスト配列間の“高スコアセグメントペア”と称され、ある特徴では、タンパク質又は核酸配列データベースから得られる。高スコアセグメントペアは、ある特徴では、スコアリングマトリックス(その多くは当業界で公知である)によって同定される(すなわちアラインメントが実施される)。ある特徴では、使用されるスコアリングマトリックスはBLOSUM62マトリックスである(Gonnet et al., Science 256:1443-1445 (1992); Henikoff and Henikoff, Proteins 17:49-61 (1993))。ある特徴では、好ましさは劣るが、PAM又はPAM250もまた用いることができる(例えば以下を参照されたい:Schwartz and Dayhoff, eds., 1978, Matrices for Detecting Distance Relationships: Atlas of Protein Sequence and Structure, Washington: National Biomedical Research Foundation)。BLASTプログラムは米国立医学図書館(U.S. National Library of Medicine)から入手できる。
上記のアルゴリズムとともに用いられるパラメーターは、調査される配列の長さ及び相同性の程度に応じて適合させることができる。いくつかの特徴では、前記パラメーターは、ユーザーの指示のない状態でアルゴリズムによって使用される規定値パラメーターでもよい。
ある特徴では、2つの核酸又はポリペプチドに関して“実質的に同一”という語句は、最大一致のために比較及びアラインメントを実施し、公知の配列比較アルゴリズムの1つを用いて、又は目視精査によって測定したとき、少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高いヌクレオチド又はアミノ酸残基(配列)同一性を有する2つ又は3つ以上の配列を指す。また別の特徴では、前記実質的同一性は、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150又はそれより大きい残基領域にわたって、又は遺伝子若しくは転写物の完全長にわたって存在する。いくつかの特徴では、前記配列はコード領域の全長にわたって実質的に同一である。
コンピュータシステム及びコンピュータプログラム製品
配列同一性、構造的相同性、モチーフなどをコンピュータシステムで決定及び同定するために、コンピュータによって読み取りさらにアクセスすることができる任意の媒体上に本発明の配列を保存、記録し、さらに操作することができる。
したがって、本発明は、本発明の核酸及びポリペプチド配列を記録又は保存させたコンピュータ、コンピュータシステム、コンピュータ読み取り可能な媒体、コンピュータプログラム製品などを提供する。本明細書で用いられる“記録”及び“保存”という語はコンピュータ媒体に情報を保存するプロセスを指す。当業者は、コンピュータ読み取り可能な媒体に情報を記録するための任意の公知の方法を容易に利用して、本発明の1つ又は2つ以上の核酸及び/又はポリペプチド配列を含む製品を製造することができる。
本発明のポリペプチドには、本発明のポリペプチド配列(例えば本発明の例示的配列)並びに前記と実質的に同一の配列、及び先行する配列のいずれかのフラグメントが含まれる。実質的に同一の(又は相同な)ポリペプチド配列は、本発明の例示的配列と少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%若しくはそれより高い、又は完全な(100%)配列同一性を有するポリペプチド配列を指す。
相同性は本明細書に記載したコンピュータプログラム及びパラメーター(規定値パラメーター又は任意の改変パラメーターを含むFASTAバージョン3.0t78を含む)のいずれかを用いて決定できる。相同な配列は本明細書に記載した方法のいずれかを用いて入手できるが、またシークェンシングエラーの修正から得ることができる。前記ポリペプチドフラグメントは、本発明のポリペプチドの連続する少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500又はそれより大きいアミノ酸を含む。本発明のアミノ酸配列で示されるポリペプチドコードは、伝統的な一文字様式又は三文字様式(Stryer, Lubert. Biochemistry, 3rd Ed., W.H. Freeman & Co., New Yorkの裏表紙の内側を参照されたい)、又はポリペプチドの実態に関する他の任意の様式で表わすことができることは理解されよう。
本発明の核酸又はポリペプチド配列は、コンピュータによって読み取りさらにアクセスすることができる任意の媒体上に保存し、記録し、さらに操作することができる。本明細書で用いられる、“記録”及び“保存”という用語はコンピュータ媒体に情報を保存するプロセスを指す。当業者は、コンピュータ読み取り可能な媒体に情報を記録するため現在知られている任意の方法を容易に利用して、1つ又は2つ以上の本発明の核酸配列、1つ又は2つ以上の本発明のポリペプチド配列を含む製品を製造することができる。本発明のまた別の特徴は、少なくとも2、5、10、15若しくは20、又はそれより多い本発明の核酸配列が記録されたコンピュータ読み取り可能な媒体である。
本発明のまた別の特徴は、1つ又は2つ以上の本発明の核酸配列が記録されたコンピュータ読み取り可能な媒体である。本発明のまた別の特徴は、1つ又は2つ以上の本発明のポリペプチド配列が記録されたコンピュータ読み取り可能な媒体である。本発明のまた別の特徴は、上記に示された配列の少なくとも2、5、10、15若しくは20、又はそれより多い配列が記録されたコンピュータ読み取り可能な媒体である。
本明細書で用いられる、“コンピュータ”、“コンピュータプログラム”及び“プロセッサ”という用語はそれらのもっとも広い意味で用いられ、下記に詳細に記載されるような全ての装置を包含する。具体的なポリペプチド又はタンパク質の“コード配列”又は前記を“コードする配列”とは、適切な調節配列の制御下に置かれたとき、ポリペプチド又はタンパク質に転写され翻訳される核酸配列である。
コンピュータ読み取り可能な媒体には、磁気により読み取り可能な媒体、光学的に読み取り可能な媒体、電子的に読み取り可能な媒体及び磁気/光学媒体が含まれる。例えば前記コンピュータ読み取り可能な媒体はハードディスク、フロッピーディスク、磁気テープ、CD-ROM、多用途デジタルディスク(DVD)、ランダムアクセスメモリー(RAM)、又は読み取り専用メモリー(ROM)の他、当業者に公知の他のタイプの媒体であろう。
本発明の特徴には、システム(例えばインターネット利用システム)、特に、本明細書に記載されている配列情報を保存し、これを操作するコンピュータシステムが含まれる。コンピュータシステム(100)の一例が図7の工程図に示されている。本明細書で用いられる“コンピュータシステム”は、本発明の核酸配列のヌクレオチド配列、又は本発明のポリペプチド配列の分析に用いられるハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素及びデータ保存構成要素を指す。コンピュータシステム(100)は典型的には、配列データを処理し、これにアクセスし、さらに前記を操作するプロセッサーを含む。プロセッサ(105)は周知のタイプの中央演算ユニットのいずれか、例えばインテル社(Intel Corporation)のペンチアムIII又はサン(Sun)、モトローラ(Motorola)、コンパック(Compaq)、AMD又はインターナショナル・ビジネス・マシーン(IBM)の類似のプロセッサーでもよい。
典型的には、コンピュータシステム(100)は汎用システムであり、プロセッサー(105)及びデータ保存のための1つ又は2つ以上の内部データ保存構成要素(110)、及び前記データ保存構成要素に保存されたデータを検索するための1つ又は2つ以上のデータ検索装置を含む。従来の利用可能なコンピュータシステムのいずれも適切であることは当業者には容易に理解されよう。
特にある特徴では、コンピュータシステム(100)は、バス(メインメモリー(115)(ある特徴ではRAMとして提供されている)に連結されている)に連結されたプロセッサー(105)、及び1つ又は2つ以上の内部データ保存装置(110)(例えばハードドライブ及び/又はそれにデータが記録される他のコンピュータ読み取り可能な媒体)を含む。いくつかの特徴では、コンピュータシステム(100)はさらに、内部データ保存装置(110)のデータを読み取るための1つ又は2つ以上のデータ検索装置(118)を含む。
データ検索装置(118)は、例えばフロッピーディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、磁気テープドライブ、又は遠隔データ保存システムに連結することができる(例えばインターネットを介して)モデムでありうる。いくつかの特徴では、内部データ保存装置(110)は取り外し可能なコンピュータ読み取り可能な媒体、例えばフロッピーディスク、コンパクトディスク、磁気テープなどで、制御ロジック及び/又はそれに記録されたデータを含んでいる。コンピュータシステム(100)は便利には、データ検索装置にいったん挿入されたデータ保存構成部分から前記制御ロジック及び/又はデータを読み出すための適切なソフトを含むか、又は前記ソフトによってプログラムされうる。
コンピュータシステム(100)は、コンピュータのユーザーに出力結果を表示するために用いられるディスプレー(120)を含む。コンピュータシステム(100)は他のコンピュータシステム(125a−c)とネットワーク又は広域ネットワークで連結され、コンピュータシステム(100)への集中アクセスを提供することができることは留意されるべきであろう。
本発明の核酸配列のヌクレオチド配列又は本発明のポリペプチド配列にアクセスし前記を処理するためのソフト(例えば検索ツール、比較ツール又はモデリングツールなど)は実行時にはメインメモリー(115)に存在することができる。
いくつかの特徴では、コンピュータシステム(100)はさらに、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列(コンピュータ読み取り可能な媒体に保存されている)を参照ヌクレオチド又はポリペプチド配列(コンピュータ読み取り可能な媒体に保存されている)と比較するための配列比較アルゴリズムを含むことができる。“配列比較アルゴリズム”は、データ保存手段内に保存されている他のヌクレオチド配列及び/又は化合物とヌクレオチド配列を比較するためにコンピュータシステム(100)に(端末又は遠隔端末から)提供される1つ又は2つ以上のプログラムを指す。例えば、配列比較アルゴリズムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に保存されている本発明の核酸配列のヌクレオチド配列又は本発明のポリペプチド配列を、コンピュータ読み取り可能な媒体に保存されている参照配列と比較し、相同性又は構造モチーフを決定することができる。
図5は、新規なヌクレオチド又はタンパク質配列を配列データベースと比較して、新規な配列とデータベースの配列との間の相同性レベルを決定するためのプロセス(200)の1つの特徴を示す工程図である。前記配列データベースは、コンピュータシステム(100)内に保存された個人的データベースでも、公的データベース(例えばインターネットを介して利用可能なGENBANK)でもよい。
プロセス(200)は開始状態(201)で始まり、続いて、比較されるべき新規な配列がコンピュータシステム(100)内のメモリーに保存される状態(202)に移行する。上記で考察したように、前記メモリーは任意のタイプのメモリー(RAM又は内部記憶を含む)でありうる。
続いてプロセス(200)は状態(204)に移行し、ここで配列データベースが分析及び比較のために開かれる。続いてプロセス(200)は、データベースに保存されている第一の配列がコンピュータのメモリーに読み出される状態(206)に移行する。続いて比較が状態(210)で実施され、第一の配列が第二の配列と同じであるか否かが決定される。この工程は、新規な配列とデータベースの第一の配列との間の正確な比較の実施に限定されないことに留意することが重要である。2つのヌクレオチド配列又はタンパク質配列を(たとえそれらが同一ではなくても)比較する周知の方法を当業者は心得ている。例えばギャップを1つの配列に導入してこれら2つのテスト配列間の相同性レベルを高めることができる。比較時にギャップ又は他の特徴を配列に導入するか否かを制御するパラメーターは通常はコンピュータシステムのユーザーによって入力される。
いったん2つの配列の比較が状態(210)で実施されたら、決定の状態(210)で前記2つの配列が同じか否かの決定が下される。もちろんのこと、“同じ”という用語は完全に同一である配列に限定されない。ユーザーによって入力された相同性パラメーター内にある配列は、プロセス(200)で“同じ”と示される。
2つの配列が同じであるという決定が下されたら、プロセス(200)は状態(214)に移行し、ここでデータベース由来の配列の名称がユーザーに表示される。前記状態はディスプレーされた名称の配列が入力した相同性の特徴を満たすことをユーザーに知らせる。保存配列の名称がいったんユーザーに表示されたら、プロセス(200)は、それ以上の配列がデータベースに存在するか否かの決定が下される決定状態(218)に移行する。それ以上データベースに配列が存在しない場合には、プロセス(200)は終了状態(220)で終了する。しかしながらデータベースにさらに配列が存在する場合は、プロセス(200)は状態(224)に移行し、前記状態でポインターは、データベースの次の配列に移動し前記新たな配列と比較することができる。このようにして、新たな配列はアラインメントを実施されデータベースの各配列と比較される。
配列が相同でないという決定が決定状態(212)で下された場合、プロセス(200)は直ちに決定状態(218)に移行し、データベース内に比較されるべき他の配列が存在するか否かが決定されることは注目されるべきである。
したがって、本発明のある特徴は、プロセッサー、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列が保存されているデータ保存装置、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列と比較するための参照ヌクレオチド配列又はポリペプチド配列が検索できるように保存されたデータ保存装置、及び比較を実施するための配列コンペアラーを含むコンピュータシステムである。前記配列コンペアラーは、比較される配列間の相同性レベルを示すか、又は本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列コード内の構造モチーフを同定するか、又はこれら核酸コード及びポリペプチドコードと比較される配列内の構造モチーフを同定することができる。いくつかの特徴では、前記データ保存装置には、少なくとも2、5、10、15、20、25、30若しくは40又はそれより多い本発明の核酸配列、又は本発明のポリペプチド配列が保存されていることもありうる。
また別の特徴は、本発明の核酸配列(又は本発明のポリペプチド配列)と参照ヌクレオチド配列との間の相同性レベルを決定する方法である。前記方法は、核酸コード又はポリペプチドコード、及び参照ヌクレオチド又はポリペプチド配列をコンピュータプログラム(前記は相同性レベルを決定する)を使用して読み取り、核酸コード又はポリペプチドコードと参照ヌクレオチド又はポリペプチド配列との間の相同性を前記コンピュータプログラムにより決定することを含む。前記コンピュータプログラムは、相同性レベルを決定するための多数のコンピュータプログラムのいずれでもよいが、特に本明細書に列挙されたものが含まれる(例えば規定値パラメーター又は任意の改変パラメーターを用いるBLAST2N)。前記方法は上記に記載したコンピュータシステムを用いて実行することができる。前記方法はまた、前記コンピュータプログラムを用いて、上記に記載した少なくとも2、5、10、15、20、25、30若しくは40又はそれより多い本発明の核酸配列、又は本発明のポリペプチド配列を読み取り、さらに核酸コード又はポリペプチドコードと参照ヌクレオチド配列又はポリペプチド配列との間の相同性を決定することによって実施することができる。
図6は、2つの配列が相同であるか否かを決定するためのコンピュータのプロセス(250)のある実施態様を示す工程図である。プロセス(250)は開始状態(252)で開始し、続いて比較されるべき第一の配列がメモリーに保存される状態(254)に移行する。続いて比較されるべき第二の配列が状態(256)でメモリーに保存される。続いてプロセス(250)は状態(260)に移行し、前記状態(260)で第一の配列中の第一の記号が読み取られ、続いて状態(262)に移行し、前記状態(262)で第二の配列の第一の記号が読み取られる。前記配列がヌクレオチド配列の場合、前記記号は通常はA、T、C、G又はUのいずれかであることは理解されよう。前記配列がタンパク質配列の場合は、前記記号は一文字のアミノ酸コードであり、それによって第一及び第二の配列は容易に比較することができる。
続いて2つの記号が同じものであるか否かの決定が決定状態(264)で下される。それらが同じものである場合、プロセス(250)は状態(268)に移行し、前記状態(268)で第一及び第二の配列の次の記号が読み取られる。続いて、前記次の記号が同じものであるか否かの決定が下される。それらが同じものである場合には、プロセス(250)は2つの記号が同じでなくなるまでこのループを繰り返す。次の2つの記号が同じでないという決定が下された場合、プロセス(250)は決定状態(274)に移行して、いずれかの配列に読み取られるべき記号がそれ以上存在するか否かが決定される。
読み取られるべき記号がそれ以上存在しない場合は、プロセス(250)は状態(276)に移行し、第一及び第二の配列間の相同性レベルがユーザーに表示される。相同性レベルは、第一の配列内の記号の総数のうち同じであった配列間の記号の割合を計算することによって決定される。したがって、第二の配列の全ての記号と最初の100ヌクレオチド配列内の全ての記号がアラインメントされた場合、相同性レベルは100%であろう。
また別には、コンピュータプログラムは、本発明に示された核酸配列のヌクレオチド配列を1つ又は2つ以上の参照ヌクレオチド配列と比較して、本発明の核酸コードが参照核酸配列と1つ又は2つ以上の位置で異なるか否かを決定するコンピュータプログラムであってもよい。場合によってそのようなプログラムは、参照ポリヌクレオチド配列又は本発明の核酸配列のいずれかの配列に対して挿入、欠失又は置換されたヌクレオチドの長さ又は実体を記録する。ある特徴では、コンピュータプログラムは、本発明の核酸配列が、参照ヌクレオチド配列に対して一ヌクレオチド多型性(SNP)を含むか否かを決定するプログラムであってもよい。
したがって、本発明の別の特徴は、本発明の核酸配列が、参照ヌクレオチド配列と1つ又は2つ以上のヌクレオチドで異なるか否かを決定する方法であり、前記方法は以下の工程を含む:核酸配列間の相違を同定するコンピュータプログラムを使用して核酸コード及び参照ヌクレオチド配列を読み取る工程及び核酸コード及び参照ヌクレオチド配列との間の相違を前記コンピュータプログラムにより同定する工程。いくつかの特徴では前記コンピュータプログラムは一ヌクレオチド多形性を同定するプログラムである。前記方法は上記に述べたコンピュータシステムによって実施することができ、前記方法は図6に示されている。前記方法はまた、コンピュータプログラムを使用することにより少なくとも2、5、10、15、20、25、30若しくは40又はそれより多い本発明の核酸配列、及び参照ヌクレオチド配列を読み取り、さらにコンピュータプログラムにより核酸コードと参照ヌクレオチド配列との間の相違を同定することによって実施することができる。
他の特徴では、前記コンピュータ利用システムはさらに、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列内の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含むことができる。“アイデンティファイヤー”は、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列内のある種の特徴を同定する1つ又は2つ以上のプログラムを指す。ある特徴では、アイデンティファイヤーは、本発明の核酸配列内のオープンリーディングフレーム(ORF)を同定するプログラムを含むことができる。
図7は、配列内の1つの特徴の存在を検出するためのアイデンティファイヤープロセス(300)のある特徴を示す工程図である。プロセス(300)は開始状態(302)で開始し、続いて状態(304)に移行し、前記状態(304)で特徴についてチェックされるべき第一の配列がコンピュータシステム(100)のメモリー(115)に保存される。プロセス(300)は続いて状態(306)に移行し、前記状態(306)で配列の特徴のデータベースが開かれる。そのようなデータベースは各特徴の属性リストを前記特徴の名称とともに含むであろう。例えば、特徴の名称は“開始コドン”であり、その属性は“ATG”であろう。別の例では、特徴の名称は“TAATAAボックス”であり、特徴の属性は“TAATAA”であろう。そのようなデータベースの例は、ウィスコンシン大学のGenetics Computer Groupによって作成されている。また別には、前記特徴は構造的なポリペプチドモチーフ例えばアルファへリックス、ベータシート又は機能的ポリペプチドモチーフ、例えば酵素触媒ドメイン(CD)又は活性部位、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ又は当業者に公知の他のモチーフであろう。
特徴のデータベースが状態(306)で開かれると直ちにプロセス(300)は状態(308)に移行し、前記状態(308)で第一の特徴がデータベースから読み取られる。続いて第一の特徴の属性と第一の配列との比較が状態(310)で実施される。続いて、前記特徴の属性の比較が第一の配列内で見出されるか否かの決定が決定状態(316)で下される。前記属性が見出された場合、プロセス(300)は状態(318)に移行し、前記状態(318)で見出された特徴の名称がユーザーに表示される。
続いてプロセス(300)は決定状態(320)に移行し、前記状態(320)でそれ以上の特徴がデータベースに存在するか否かの決定が下される。特徴がそれ以上存在しない場合は、プロセス(300)は終了状態(324)で終了する。しかしながら、それ以上の特徴がデータベースに存在する場合、プロセス(300)は状態(326)で次の配列特徴を読み取り、状態(310)に戻り、前記状態で次の特徴の属性が第一の配列に対して比較される。第一の配列で前記特徴の属性が決定状態(316)で見出されない場合、プロセス(300)は直接決定状態(320)に移行し、特徴がそれ以上データベースに存在するか否かを決定することは注目されるべきである。
したがって、本発明のまた別の特徴は、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列内の特徴を同定する方法であり、前記方法は以下の工程を含む:本発明の核酸コード又はポリペプチド配列を、それらに存在する特徴を同定するコンピュータプログラムを使用して読み取る工程及び核酸コード内の特徴を前記コンピュータプログラムにより同定する工程。ある特徴では、コンピュータプログラムはオープンリーディングフレームを同定するコンピュータプログラムを含む。前記方法は、ただ1つの配列又は本発明の複数の核酸配列若しくは複数のポリペプチド配列の少なくとも2、5、10、15、20、25、30、又は40をコンピュータプログラムを使用して読み取り、さらに前記コンピュータプログラムを用いて核酸コード又はポリペプチドコード内の特徴を同定することによって実施することができる。
本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列は、種々のデータプロセッサプログラムで多様な様式で保存し操作することができる。例えば、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列は、当業者に周知の多様なデータベースプログラム(例えばDB2(商標)、SYBASE(商標)又はORACLE((商標)))でワードプロセッシングファイル(例えばマイクロソフトワード(WORD(商標))又はワードパーフェクト(WORDPERFECT(商標))のテキストとして又はアスキーファイルとして保存することができる。さらに、多くのコンピュータプログラム及びデータベースを配列比較アルゴリズム、アイデンティファイヤー、又は本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列と比較するべき参照ヌクレオチド配列又はポリペプチド配列の供給源として用いることができる。以下のリストは、本発明の核酸配列又は本発明のポリペプチド配列に関して有用なプログラム及びデータベースの手引きを提供することを意図し、本発明を限定しようとするものではない。
使用することができるプログラム及びデータベースには以下が含まれる(ただしこれらに限定されない):MacPattern(EMBL)、DiscoveryBase(Molecular Applications Group)、GeneMine (Molecular Applications Group)、Look(Molecular Applications Group)、MacLook(Molecular Applications Group)、BLAST及びBLAST2(NCBI)、BLASTN及びBLASTX(Alyschul et al. J. Mol. Biol. 215:403, 1990)、FASTA(Pearson and Lipman, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85:2444,1988)、FASTDB (Brutlag et al. Comp. App. Biosci. 6:237-245, 1990)、Catalyst(Molecular Simulations Inc.)、Catalyst/SHAPE(Molecular Simulations Inc.)、Cerius2.DBAccess(Molecular Simulations Inc.)、HypoGen(Molecular Simulations Inc.)、Insight II(Molecular Simulations Inc.)、Discover(Molecular Simulations Inc.)、CHARMm(Molecular Simulations Inc.)、Felix(Molecular Simulations Inc.)、DelPhi(Molecular Simulations Inc.)、QuanteMN(Molecular Simulations Inc.)、Homology(Molecular Simulations Inc.)、Modeler(Molecular Simulations Inc.)、ISIS(Molecular Simulations Inc.)、Quanta/Protein Design(Molecular Simulations Inc.)、WebLab(Molecular Simulations Inc.)、WebLab Diversity Explorer(Molecular Simulations Inc.)、Gene Explorer(Molecular Simulations Inc.)、SeqFold(Molecular Simulations Inc.)、MDL Available Chemicals Directoryデータベース、MDL Drug Data Reportデータベース、Comprehensive Medical Chemistryデータベース、Derwent's World Drug Indexデータベース、BioByteMasterFileデータベース、Genbankデータベース。他の多くのプログラム及びデータベースも本発明の開示が提供された当業者には明白であろう。
上記のプログラムを用いて検出することができるモチーフには、ロイシンジッパー、ヘリックス-ターン-ヘリックスモチーフ、グリコシル化部位、ユビキチン化部位、アルファヘリックス、ベータシート、コードされたタンパク質の分泌を誘導するシグナルペプチドをコードするシグナル配列、転写調節に関与する配列(例えばホメオボックス)、酸性ストレッチ、酵素活性部位(触媒ドメイン(CD))、基質結合部位及び酵素切断部位その他をコードする配列が含まれる。
核酸のハイブリダイゼーション
本発明は、本発明の例示的な配列(例えば配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17、配列番号19)とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする単離された合成又は組換え核酸を提供する。前記ストリンジェントな条件は、高度にストリンジェントな条件、中等度にストリンジェントな条件、及び/又は低度にストリンジェントな条件であり、本明細書に記載されている高ストリンジェンシー条件及び低ストリンジェンシー条件を含む。ある特徴では、下記に考察されるように、ある核酸が本発明の範囲内のものであるか否かを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。
また別の特徴では、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される本発明の核酸は、本発明の核酸の約5残基から完全長の間でありうる。例えばそれらは、長さが少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、55、60、65、70、75、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000又はそれより大きい残基でありうる。完全長より短い核酸もまた含まれる。これらの核酸は、例えばハイブリダイゼーションプローブ、標識プローブ、PCRオリゴヌクレオチドプローブ、iRNA(一本鎖又は二本鎖)、アンチセンス配列、又は抗体結合ペプチド(エピトープ)、モチーフ、活性部位(触媒ドメイン(CD))などをコードする配列として有用である。
ある特徴では、本発明の核酸は、約37℃から42℃で約50%のホルムアミドの条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。ある特徴では、本発明の核酸は、約30℃から35℃で約35%から25%のホルムアミドの条件を含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。
また別には、本発明の核酸は、42℃、約50%ホルムアミド、5XのSSPE、0.3%SDS及び反復配列封鎖核酸(例えばcot-1又はサケ精子DNA(例えば200n/mLのせん断変性サケ精子DNA))の条件を含む高ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。ある特徴では、本発明の核酸は、35℃の低温で約35%のホルムアミドを含む低ストリンジェンシー条件下でハイブリダイズすることができるその能力によって定義される。
核酸のハイブリダイゼーションでは、具体的なストリンジェンシーレベルを達成するために用いられる条件は、ハイブリダイズされる核酸の性質に応じて変動するであろう。例えば核酸のハイブリダイズする領域の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含有量)及び核酸のタイプ(例えばRNA対DNA)はハイブリダイゼーションの条件の選択で考慮することができる。さらにまた考慮されることは、核酸の1つが、例えばフィルターに固定されているか否かということである。
ハイブリダイゼーションは低ストリンジェンシー、中等度ストリンジェンシー又は高ストリンジェンシー条件下で実施することができる。核酸のハイブリダイゼーションの例として、固定化された変性核酸を含むポリマーメンブレンは、先ず初めに0.9MのNaCl、50mMのNaH2PO4(pH7.0)、5.0mMのNa2EDTA、0.5%SDS、10xのデンハルト溶液及び0.5mg/mLのポリリボアデニル酸から成る溶液中で45℃、30分予備ハイブリダイズされる。続いて、約2x107cpm(比活性4−9x108cpm/μg)の32P末端標識オリゴヌクレオチドプローブを前記溶液に添加する。12から16時間インキュベートした後、前記メンブレンを0.5%のSDSを含む、1XのSET(150mMのNaCl、20mMのトリス-塩酸(pH7.8)、1mMのNa2EDTA)中で30分、室温で洗浄し、続いて前記オリゴヌクレオチドプローブのTm−10℃で新しい1xのSETで30分洗浄する。続いて前記メンブレンでオートラジオグラフィー用フィルムを感光させハイブリダイゼーションシグナルを検出する。
前述の全てのハイブリダイゼーションは高ストリンジェンシー条件下にあると考えられるであろう。
ハイブリダイゼーションの後、フィルターを洗浄して比特異的に結合した検出可能なプローブを一切除去することができる。フィルターの洗浄に用いられるストリンジェンシーは又はイブリダイズされる核酸の性質、ハイブリダイズされる核酸の長さ、相補性の程度、ヌクレオチド配列の組成(例えばGC対AT含有量)及び核酸のタイプ(例えばRNA対DNA)に応じて変動し得る。ストリンジェンシーがだんだんと高くなる洗浄条件の例は以下のとおりである:2xのSSC、0.1%のSDS、室温で15分(低ストリンジェンシー);0.1xのSSC、0.5%のSDS、室温で30分から1時間(中等度ストリンジェンシー);0.1xのSSC、0.5%のSDS、ハイブリダイゼーション温度から68℃で15から30分(高ストリンジェンシー);及び0.15MのNaCl、72℃で15分(超高ストリンジェンシー)。最後の低ストリンジェンシー洗浄は、0.1xのSSCで室温で実施することができる。前述の例は、フィルターの洗浄で用いることができる1セットの条件の単なる例示である。種々のストリンジェンシーの洗浄レシピが多数存在することは当業者には知られていよう。
プローブとハイブリダイズした核酸はオートラジオグラフィー又は他の通常的な技術によって同定される。
上記の方法は、プローブ配列に対して相同性が低い核酸を同定するために改変することができる。例えば、検出可能なプローブに対して相同性が低い核酸を得るために、ストリンジェンシーが低い条件を用いることができる。例えば、約1MのNa+濃度を有するハイブリダイゼーション緩衝液中でハイブリダイゼーション温度を68℃から42℃まで5℃ずつ下げることができる。ハイブリダイゼーション後に、フィルターをハイブリダイゼーション温度で2xのSSC、0.5%SDSで洗浄することができる。前記の条件は、50℃より上で“中等度”の条件、50℃未満で“低度”の条件と考えられる。“中等度”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが55℃で実施される場合である。“低ストリンジェンシー”のハイブリダイゼーション条件の具体的な例は、上記のハイブリダイゼーションが45℃で実施される場合である。
また別には、ハイブリダイゼーションは、ホルムアミドを含む緩衝液(例えば6xのSSC)中で42℃の温度で実施することができる。この場合、ハイブリダイゼーション緩衝液中のホルムアミドの濃度を50%から0%まで5%ずつ減少させ、プローブに対して相同性レベルの低いクローンを同定することができる。ハイブリダイゼーションの後でフィルターを6xのSSC、0.5%SDSにより50℃で洗浄することができる。前記の条件は、25%を超えるホルムアミドで“中等度”の条件、25%より低いホルムアミドで“低度”の条件と考えられる。“中等度の”ハイブリダイゼーション条件の具体的な条件は、上記のハイブリダイゼーションが30%のホルムアミドで実施されるときである。“低ストリンジェンシー”のハイブリダイゼーション条件の具体的な条件は、上記のハイブリダイゼーションが10%のホルムアミドで実施されるときである。
しかしながら、ハイブリダイゼーションの様式の選択は決定的なものではなく、ある核酸が本発明の範囲内であるか否かを決定する条件を示すのは洗浄条件のストリンジェンシーである。本発明の範囲内の核酸を同定するために用いられる洗浄条件には例えば以下が含まれる:pH7で約0.02Mの塩濃度、及び少なくとも約50℃又は約55℃から約60℃;又は約0.15MのNaClの塩濃度で72℃、約15分;又は約0.2xのSSCの塩濃度で少なくとも約50℃又は約55℃から約60℃の温度で約15から約20分;又はハイブリダイゼーション複合体を、0.1%のSDSを含む約2xのSSCの塩濃度を有する溶液で室温で15分2回洗浄し、続いて0.1%のSDSを含む約0.1xのSSCで68℃で15分2回室温で洗浄する;又は前記と同等な条件。SSC緩衝液及び等価の条件の記述についてはSambrook, TijssenとAusubelの著書を参照されたい。
これらの方法は本発明の核酸の単離に用いることができる。例えば、前述の方法を用いて、本発明の配列の1つ、又は連続する少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、300、400又は500塩基を含む前記のフラグメント、及び前記と相補的な配列から成る群から選択される核酸配列と少なくとも約97%、少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、又は少なくとも50%の相同性を有する核酸配列を単離することができる。相同性はアラインメントアルゴリズムを用いて測定することができる。例えば、相同なポリヌクレオチドは、本明細書に記載したコード配列の1つの天然に存在する対立遺伝子座変種のコード配列を有することができる。そのような対立遺伝子座変種は、本発明の核酸と比較したとき1つ又は2つ以上のヌクレオチドの置換、欠失又は付加を有することができる。
さらにまた、上記の方法を用い、配列アラインメントアルゴリズム(例えば規定値パラメータを用いるFASTAバージョン3.0t78アルゴリズム)を用いて決定したたとき、本発明のポリペプチド又は連続する前記の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150アミノ酸を含むフラグメントと、少なくとも約99%、95%、少なくとも90%、少なくとも85%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも65%、少なくとも60%、少なくとも55%、又は少なくとも50%の相同性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離することができる。
オリゴヌクレオチドプローブ及びそれらの使用方法
本発明はまた、例えば酵素活性を有するポリペプチド又は前記のフラグメントをコードする核酸を同定するために、又はクロロフィラーゼ酵素活性を有するポリペプチド若しくは葉緑素の異化作用に関与する酵素をコードする遺伝子又は他の核酸を同定するために用いることができる核酸プローブを提供する。ある特徴では、前記プローブは、本発明の核酸の少なくとも10の連続する塩基を含む。また別には、本発明のプローブは、本発明の核酸で示される配列の少なくとも約5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、150又は約10から50、約20から60、約30から70の連続する塩基でありうる。前記プローブは、結合及び/又はハイブリダイゼーションによって核酸を特定する。前記プローブは、例えばキャピラリーアレイを含む本発明のアレイ(下記の考察を参照されたい)で用いることができる。本発明のプローブはまた他の核酸又はポリペプチドの単離に用いることができる。
本発明の単離された核酸、前記と相補的な配列、又は本発明の配列の1つの連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400若しくは500塩基を含むフラグメント、又は前記と相補的な配列をプローブとして用いて、生物学的サンプル(例えば土壌サンプル)が、本発明の核酸を有する生物又は前記核酸が得られた生物を含むか否かを決定することができる。そのような方法では、前記核酸が単離された生物を潜在的に保有する生物学的サンプルを入手し、前記サンプルから核酸が得られる。前記プローブがサンプル中に存在する相補的配列のいずれかと特異的にハイブリダイズすることができる条件下で、前記核酸を前記プローブと接触させる。
必要な場合には、相補性配列を含まないコントロール配列とともに相補性配列を含むことが判明しているサンプルの相補性配列とプローブを接触させることによって、プローブが特異的にハイブリダイズすることができる条件を決定することができる。ハイブリダイゼーション条件(例えばハイブリダイゼーション緩衝液の塩濃度、ハイブリダイゼーション緩衝液のホルムアミド濃度又はハイブリダイゼーションの温度)を変化させて、前記プローブが相補性核酸と特異的にハイブリダイズすることができる条件を特定することができる。
前記核酸が単離された生物をサンプルが含む場合、プローブの特異的なハイブリダイゼーションが検出される。ハイブリダイゼーションは、プローブを検出可能な物質(例えば放射性同位元素、蛍光染料、又は検出可能な生成物の形成を触媒することができる酵素)で標識することによって検出できる。
標識プローブを用いてサンプル中の相補性核酸の存在を検出する多くの方法が当業者にはよく知られている。前記方法にはサザンブロット、ノーザンブロット、コロニーハイブリダイゼーション法及びドットブロットが含まれる。前記方法の各々のプロトコルは以下に示されている:Ausubel et al. Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley 503 Sons, Inc. (1997)及びSambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press 1989)。
また別には、2つ以上のプローブ(そのうちの少なくとも1つは核酸サンプルに存在する任意の相補性配列と特異的にハイブリダイズすることができる)を増幅反応で用いて、サンプルが本発明の核酸配列を含む生物(例えば前記核酸が単離された生物)を含むか否かを決定することができる。典型的には、前記プローブはオリゴヌクレオチドを含む。ある特徴では、前記増幅反応はPCR反応を含むことができる。PCRプロトコルは文献(Ausubel及びSambrook、上掲書)に記載されている。また別には、増幅はリガーゼ連鎖反応、3SR又は鎖置換反応を含むことができる(以下を参照されたい:F. Barany, “The Ligasa Chain Reaction in a PCR World”, PCR Methods and Applications 1:5-16, 1991; E. Fahy et al., “Self-sustained Sequence Replication (3SR): An Isothermal Transcription-based Amplification System Alternative to PCR”, PCR Methods and Applications 1:25-33, 1991;及びG.T. Walker et al., “Strand Displacement Amplification an Isothermal in vitro DNA Amplification Technique”, Nucleic Acid Research 20:1691-1696, 1992)。そのような方法では、サンプル中の核酸をプローブと接触させ、増幅反応を実施し、さらに生成された任意の増幅生成物を検出する。増幅生成物は、反応生成物でゲル電気泳動を実施し、前記ゲルをインターカレーション試薬(例えば臭化エチジウム)で染色することによって検出することができる。また別には、1つ又は2つ以上のプローブを放射性同位元素で標識し、ゲル電気泳動の後で放射性増幅生成物の存在をオートラジオグラフィーによって検出してもよい。
本発明の配列の末端近くの配列に由来するプローブもまた染色体ウォーキング法で用いて、本発明の配列の近傍に位置するゲノム配列を含むクローンを同定することができる。そのような方法は、さらに別のタンパク質をコードする遺伝子を前記宿主生物から単離することを可能にする。
本発明の単離された核酸、前記と相補的な配列、又は本発明の配列の1つの連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、50、75、100、150、200、300、400若しくは500塩基を含むフラグメント、若しくは前記と相補的な配列をプローブとして用いて関連核酸を同定及び単離することができる。いくつかの特徴では、前記関連核酸は、前記核酸が単離された生物以外の生物に由来するcDNA又はゲノムDNAでありうる。例えば前記の他の生物は関連する生物でありうる。そのような方法では、プローブが特異的に関連配列とハイブリダイズすることができる条件下で、核酸サンプルを前記プローブと接触させる。続いて、関連生物に由来する核酸とプローブのハイブリダイゼーションが上記に記載した方法のいずれかを用いて検出される。
検出可能なプローブとハイブリダイズする核酸(例えばcDNA又はゲノムDNA)を同定するために用いられるハイブリダイゼーションのストリンジェンシーレベルを変動させることによって、プローブに対して種々のレベルの相同性を有する核酸を同定及び単離することができる。ストリンジェンシーは、プローブの融解温度より低い種々の温度でハイブリダイゼーションを実施することによって変動させることができる。融解温度(Tm)は、(所定のイオン強度及びpHの下で)標的配列の50%が完全に相補性のプローブとハイブリダイズする温度である。非常にストリンジェントな条件は、個々のプローブのTmに等しいか又はそれより約5℃低くなるように選択される。プローブの融解温度は以下の等式を用いて計算できる。
長さが14から70ヌクレオチドのプローブの場合、融解温度(Tm)は下記式を用いて計算される:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。
ハイブリダイゼーションがホルムアミド含有溶液中で実施される場合、融解温度は以下の等式を用いて計算できる:Tm=81.5+16.6(log[Na+])+0.41(G+Cの割合)−(0.63%ホルムアミド)−(600/N)、式中Nはプローブの長さである。
プレハイブリダイゼーションは、6xのSSC、5xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性フラグメント化サケ精子DNA、又は6xのSSC、5xのデンハルト試薬、0.5%SDS、100μgの変性フラグメント化サケ精子DNA、50%ホルムアミド中で実施することができる。SSC及びデンハルト溶液のための組成は例えば上掲書(Sambrook)に挙げられている。
ある特徴では、ハイブリダイゼーションは、検出可能プローブを上記に挙げたプレハイブリダイゼーション溶液に添加することによって実施される。プローブが二本鎖DNAを含む場合、ハイブリダイゼーション溶液に添加する前に前記二本鎖DNAは変性させられる。前記プローブが、それと相補的又は相同な配列を含むcDNA又はゲノムDNAとハイブリダイズできるように充分な時間前記ハイブリダイゼーション溶液とフィルターを接触させる。長さが200ヌクレオチドを超えるプローブの場合、ハイブリダイゼーションはTmより15−25℃下で実施できる。より短いプローブの場合(例えばオリゴヌクレオチドプローブ)、ハイブリダイゼーションはTmより5−10℃下で実施できる。ある特徴では、6xのSSC中でのハイブリダイゼーションの場合に、ハイブリダイゼーションは約68℃で実施される。ある特徴では、50%ホルムアミド含有溶液中でのハイブリダイゼーションの場合、ハイブリダイゼーションは約42℃で実施される。
酵素の発現阻害
本発明は、本発明の核酸(例えば葉緑素の異化作用に関与する酵素活性を有するポリペプチド又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸)と相補的な核酸(例えばアンチセンス配列)を提供する。アンチセンス配列は、酵素コード遺伝子の輸送、スプライシング又は転写を阻害することができる。前記阻害は、ゲノムDNA又はメッセンジャーRNAを標的とすることにより達成することができる。標的とされた核酸の転写又は機能は、例えばハイブリダイゼーション及び/又は切断によって阻害することができる。本発明によって提供される特に有用な阻害物質セットには、遺伝子又はメッセージのどちらかに結合することができるオリゴヌクレオチドが含まれる(いずれの事例でも所望される酵素の生成又は機能が妨げられるか又は阻害される)。前記の結合は配列特異的ハイブリダイゼーションによる生じうる。別の有用な阻害物質の種類には葉緑素の異化作用に関与する酵素活性を有するポリペプチド又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸の不活化又は切断をもたらすオリゴヌクレオチドが含まれる。前記オリゴヌクレオチドはそのような切断を惹起する酵素活性を有することができる(例えばリボザイム)。オリゴヌクレオチドは化学的に改変するか、又は相補性核酸を切断することができる酵素もしくは組成物と結合させることができる。そのよう多くの種々のオリゴヌクレオチドプールを所望の活性を有するポリペプチドについてスクリーニングすることができる。したがって、本発明は、酵素発現を核酸及び/又はタンパク質レベルで阻害する種々の組成物を提供する。前記は、例えば本発明の核酸配列を含むアンチセンス、iRNA及びリボザイム、並びに本発明の抗体である。
葉緑素の異化作用に関与する酵素活性を有するポリペプチド又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸の発現阻害は多様な工業的用途を有しうる。例えば、酵素発現を阻害する本発明の組成物(例えばアンチセンス、iRNA、リボザイム、抗体)を医薬組成物として、例えば抗病原性物質として、又は他の療法で(例えば前記阻害される酵素が望ましくない、有害な又は有毒な作用を有する場合)使用することができる。
アンチセンスオリゴヌクレオチド
本発明は、酵素メッセージ又は遺伝子と結合することができるアンチセンスオリゴヌクレオチドを提供する。前記は、標的遺伝子又はメッセージを阻害することができる(例えばmRNAを標的とすることによってエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を阻害することができる)。アンチセンスオリゴヌクレオチドを設計する方法は学術文献及び特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなオリゴヌクレオチドを設計することができる。例えば、有効なアンチセンスオリゴヌクレオチドをスクリーニングするためのジーンウォーキング/RNAマッピングプロトコルは当業界で周知である。例えば以下を参照されたい:Ho (2000) Methods Enzymol. 314:168-183。この文献はRNAマッピングアッセイを記載し、前記アッセイは標準的な分子技術を土台にし、強力なアンチセンス配列選別のための簡単で信頼できる方法を提供する。さらにまた以下を参照されたい:Smith (2000) Eur. J. Phar. Sci. 11:191-198。
天然に存在する核酸はアンチセンスオリゴヌクレオチドとして用いられる。前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の長さでありうる。例えば、また別の特徴では、前記アンチセンスオリゴヌクレオチドは約5から100、約10から80、約15から60、約18から40である。最適な長さは日常的なスクリーニングによって決定できる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは任意の濃度で存在しうる。最適濃度は日常的なスクリーニングによって決定できる。この潜在的課題に用いることができる極めて多様な天然に存在しない合成されたヌクレオチド及び核酸類似体が知られている。例えば、非イオン性骨格(例えばN-(2-アミノエチル)グリシンユニット)を含むペプチド核酸(PNA)を用いることができる。ホスホロチオエート結合を有するアンチセンスオリゴヌクレオチドもまた用いることができる(それらは以下に記載されている:WO97/03211; WO96/39154; Mata (1997) Toxicol. App. Pharmacol. 144:189-197; Antisense Therapeutics, ed. Agrawal (Humana Press, Totowa, N.J., 1996)。本発明によって提供される合成DNA骨格類似体をもつアンチセンスオリゴヌクレオチドにはまた、上記で述べたようにホスホロ-ジチオエート、メチルホスホネート、ホスホロアミデート、アルキルホスホトリエステル、スルファメート、3'-N-カルバメート及びモルホリノカルバメート核酸が含まれる。
コンビナトリアルな化学的方法を用いて膨大な数のオリゴヌクレオチドを生成することができる。前記オリゴヌクレオチドは、任意の標的(例えば本発明のセンス及びアンチセンス配列)に対し適切な結合親和性及び特異性を有する特定のオリゴヌクレオチドについて迅速にスクリーニングすることができる(例えば以下を参照されたい:Gold (1995) J. Biol. Chem. 270:13581-13584)。
阻害性リボザイム
本発明は、本発明のポリペプチドをコードするか、又は葉緑素異化作用に関与するか、若しくはエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードするメッセージ又は遺伝子と結合することができるリボザイムを提供する。これらのリボザイムは、例えばmRNAを標的にすることにより活性を阻害することができる。リボザイムを設計し、ターゲティングのために前記酵素特異的アンチセンス配列を選別する方法は学術文献及び特許文献に詳しく記載されており、当業者は本発明の新規な試薬を用いてそのようなリボザイムを設計することができる。リボザイムは、標的RNAを切断するRNAの酵素部分に極めて近傍に保持されているリボザイムの標的RNA結合部分を介して標的RNAと結合することによって機能する。したがって、リボザイムは、相補性塩基対形成により標的RNAを認識し、これと結合する。正確な部位にいったん結合したら、リボザイムは酵素として機能し標的RNAを切断し、これを不活化する。切断がコード配列内で発生すれば、そのような態様での標的RNAの切断は、コードされるタンパク質の合成を指令するその能力を破壊するであろう。リボザイムがそのRNA標的と結合し、これを切断した後、リボザイムは前記RNAから遊離し、新たな標的と繰り返し結合及び切断することができる。
いくつかの環境下では、リボザイムの酵素的性質は他の技術、例えばアンチセンス技術(アンチセンス技術では、核酸分子は核酸標的に単に結合してその転写、翻訳又は別の分子との結合を妨げるだけである)に比べて有利でありうる。なぜならば、治療達成に必要なリボザイムの有効濃度はアンチセンスオリゴヌクレオチドのそれよりも低いからである。この潜在的な利点はリボザイムの酵素として機能する能力の結果である。したがって、ただ1つのリボザイム分子が多くの標的RNA分子を切断することができる。さらにまた、リボザイムは典型的には特異性が高い阻害剤であり、阻害の特異性は塩基対形成による結合メカニズムだけでなく、リボザイムが結合するRNAの発現を前記リボザイム分子が阻害するメカニズムにも依存している。すなわち、阻害はRNA標的の切断によって生じ、したがって特異性は非標的RNAの切断速度に対する標的RNAの切断速度の比と定義される。この切断メカニズムは塩基対形成に関与する因子に加えて更に種々の因子に依存する。したがって、リボザイム作用の特異性は、同じRNA部位に結合するアンチセンスオリゴヌクレオチド結合の特異性よりも高いであろう。
本発明のリボザイム、例えば酵素リボザイムRNA分子は、ハンマーヘッドモチーフ、ヘアピンモチーフ、肝炎デルタウイルスモチーフ、グループIイントロンモチーフ及び/又はRNAガイド配列と結合したRNaseP様RNAモチーフとして生成することができる。ハンマーヘッドモチーフの例は、例えばRossi(Aids Research and Human Retroviruses 8:183 1992)によって、ヘアピンモチーフの例はHampel(Biochmistry 28:4929 (1989)及びNuc. Acids Res. 18:299 1992)によって、肝炎デルタウイルスモチーフの例はPerrotta(Biochemistry 31:16 (1992))によって、RNasePモチーフの例はGuerrier-Takada(Cell 35:849 1983)によって、さらにグループIイントロンの例はCech(US Pat. No. 4,987,071)によって記載されている。前記の特定のモチーフの記載はそれらに限定することを意図したものではない。当業者は、本発明のリボザイム、例えば酵素RNA分子は、標的遺伝子のRNA領域の1つ又は2つ以上と相補的な固有の基質結合部位を有することができることを理解していよう。本発明のリボザイムは、基質結合部位内又はその周辺に前記分子にRNA切断活性を付与するヌクレオチド配列を有することができる。
RNA干渉(RNAi)
ある特徴では本発明は、本発明の配列を含むRNA阻害分子、いわゆる“RNAi”分子を提供する。RNAi分子は二本鎖RNA(dsRNA)分子を含む。RNAiは、本明細書に記載の、葉緑素異化作用に関与するポリペプチド、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸の発現を阻害することができる。ある特徴では、RNAiは、長さが約15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又はそれより大きい二重鎖ヌクレオチドである。本発明はいずれの特定の作用メカニズムにも限定されないが、RNAiは細胞内に入り、類似又は同一の配列を有する一本鎖RNA(ssRNA)(内因性mRNAを含む)の分解を引き起こす。細胞が二本鎖RNA(dsRNA)に曝露されるとき、相同な遺伝子に由来するmRNAは、RNA干渉(RNAi)と称される過程によって選択的に分解される。RNAiの背後にある可能な基本的メカニズムは、特定の遺伝子配列と一致する二本鎖RNA(dsRNA)の短い破片(短小干渉性RNAと称される)への分解である。前記短小干渉性RNAは、その配列と一致するmRNAの分解の引き金となる。ある特徴では、本発明の前記RNAiは遺伝子サイレンシング療法で用いられる(例えば以下を参照されたい:Shuey (2002) Drug Discov. Today 7:1040-1046)。ある特徴では、本発明は、本発明のRNAiを用いて選択的にRNAを分解する方法を提供する。前記方法はin vitro、ex vivo又はin vivoで実施することができる。ある特徴では、本発明のRNAi分子を用いて細胞、器官又は動物の機能低下変異を作出することができる。選択的にRNAを分解するためにRNAi分子を製造及び使用する方法は当業界では周知である。例えば以下を参照されたい:米国特許第6,506,559号、第6,511,824号、第6,515,109号及び第6,489,127号。
核酸の改変
本発明は、本発明の核酸(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチド(例えば本明細書に記載の酵素)をコードする核酸)の変種を作出する方法を提供する。これらの方法は、鋳型核酸によってコードされた葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する酵素の活性又は安定性とは変異若しくは異なる活性又は変異若しくは異なる安定性を有するポリペプチドを作出するために反復されるか又は多様な組合せで使用することができる。これらの方法はまた、例えば遺伝子/メッセージ発現、メッセージ翻訳又はメッセージ安定性における変種を作出するために反復されるか又は多様な組合せで用いることができる。また別の特徴では、細胞の遺伝的構成は、例えば相同遺伝子のex vivo改変とそれに続く前記遺伝子の細胞への再挿入により改変される。
本発明の核酸は任意の手段、例えばランダム若しくは確率論的な方法、又は非確率論的方法、又は“定方向進化”方法によって改変できる(例えば米国特許6,361,974号を参照されたい)。遺伝子のランダム変異導入の方法は当業界で周知である(例えば以下を参照されたい:US Pat. No. 5,830,696)。例えば変異原を用いて遺伝子をランダムに変異させることができる。変異原には、例えば紫外線又はガンマ線照射、又は化学的変異原、例えばマイトマイシン、亜硝酸、光活性化ソラレンが含まれ、単独又は併用して組換えによって修復されやすいDNA破壊を誘導する。他の化学的変異原には、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硝酸、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン又はギ酸が含まれる。その他の変異原は、ヌクレオチド前駆体の類似物質、例えばニトロソグアニジン、5-ブロモウラシル、2-アミノプリン又はアクリジンである。これらの薬剤はPCR反応にヌクレオチド前駆体の代わりに添加され、それによって前記配列を変異させることができる。インターカレーション薬剤(例えばプロフラビン、アクリフラビン、キナクリンなど)もまた用いることができる。
分子生物学の任意の技術、例えばランダムPCR変異導入(例えば以下を参照されたい:Rice (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5467-5471)又はコンビナトリアルマルチカセット変異導入(combinatorial multiple cassette mutagenesis)(例えば以下を参照されたい:Crameri (1995) Biotechniques 18:194-196)を用いることができる。また別には、核酸(例えば遺伝子)をランダムに又は“確率論的に”フラグメント化した後で再アッセンブリングすることもできる(例えば以下を参照されたい:米国特許第6,291,242号; 同6,287,862号; 同6,287,861号; 同5,955,358号; 同5,830,721号; 同5,824,514号; 同5,811,238号; 同5,605,793号)。また別の特徴では、改変、付加又は欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNAによる変異導入、ウラシル含有鋳型による変異導入、ギャップ含有二重鎖による変異導入、ポイントミスマッチ修復による変異導入、修復欠損宿主株による変異導入、化学的変異導入、放射源による変異導入、欠失による変異導入、制限-選別変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマーの生成及び/又はこれらの組合せ並びに他の方法によって導入される。
以下の文献は、本発明の方法に取り入れることができる多様な反復組換え手順及び/又は方法を記載している:Stemmer (1999) "Molecular breeding of viruses for targeting and other clinical properties", Tiumor Tageting 4:1-4; Ness (1999) NatureBiotechnology 17:893-896; Chang (1999) "Evolution of a cytokine using DNA family shuffling", Nature Biotechnology 17:793-797; Minshull (1999) "Protein evolution by molecular breeding", Current Opinion in Chemical Biology 3:284-290; Christians (1999) "Directed evolution of thymidine kinase for AZT phosphorylation using DNA family shuffling", Nature Biotechnology 17:259-264; Crameri (1998) "DNA shuffling of a family of genes from diverse species accelerates directed evolution", Nature 391:288-291; Crameri (1997) "Molecular evolution of an arsenate dtoxification pathway by DNA shuffling", Nature Biotechnology 15:436-438; Zhang (1997) "Directed evolution of an effective fucosidase from a galactosidase by DNA shuffling and screenig", Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:4504-4509; Patten et al. (1997) "Applications of DNA Shuffling to Pharmaceuticals and Vaccines”, Current Opinion in Biotechnology 8:724-733; Crameri et al. (1996) "Construction and evolution of antibody-phage libraries by DNA shuffling", Nature Medicine 2:100-103; Crameri et al. (1996) "Improved green fluorescent protein by molecular evolution using DNA shuffling”, Nature Biotechnology 14:315-319; Gates et al. (1996) "Affinity selective isolation of ligands from peptide libraries through display on a lac repressor `headpiece dimer`" Journal of Molecular Biology 255:373-386; Stemmer (1996) "Sexual PCR and Assembly PCR" In: The Encyclopedia of Molecular Biology. VCH Publishers, New York. pp.447-457; Crameri and Stemmer (1995) "Combinatorial multiple cassette mutagenesis creates all the permutations of mutant and wildtype cassettes" BioTechniques 18:194-195; Stemmer et al. (1995) "Single-step assembly of a gene and entire plasmid form large numbers of oligodeoxyribonucleotides" Gene, 164:49-53; Stemmer (1995) "The Evolution of Molecular Computation" Science 270: 1510; Stemmer (1995) "Searching Sequence Space" Bio/Technology 13:549-553; Stemmer (1994) "Rapid evolution of a protein in vitro by DNA shuffling" Nature 370:389-391; 及びStemmer (1994) "DNA shuffling by random fragmentation and reassembly: In vitro recombination for molecular evolution." Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。
多様性を作出する変異導入方法には例えば以下が含まれる:部位特異的変異導入(Ling et al. (1997) "Approaches to DNA mutagenesis: an overview" Anal Biochem. 254(2): 157-178; Dale et al. (1996) "Oligonucleotide-directed random mutagenesis using the phosphorothioate method" Methods Mol. Biol. 57:369-374; Smith (1985) "In vitro mutagenesis" Ann. Rev. Genet. 19:423-462; Botstein & Shortle (1985) "Strategies and applications of in vitro mutagenesis" Science 229:1193-1201; Carter (1986) "Site-directed mutagenesis" Biochem. J. 237:1-7; 及び Kunkel (1987) "The efficiency of oligonucleotide directed mutagenesis" in Nucleic Acids & Molecular Biology (Eckstein, F. and Lilley, D. M. J. eds., Springer Verlag, Berlin));ウラシル含有鋳型を用いる変異導入 (Kunkel (1985) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:488-492; Kunkel et al. (1987) "Rapid and efficient site-specific mutagenesis without phenotypic selection" Methods in Enzymol. 154, 367-382;及びBass et al. (1988) "Mutant Trp repressors with new DNA-binding specificities" Science 242:240-245);オリゴヌクレオチド誘導変異導入(Methods in Enzymol. 100: 468-500 (1983); Methods in Enzymol. 154: 329-350 (1987); Zoller & Smith (1982) "Oligonucleotide-directed mutagenesis using M13-derived vectors: an efficient and general procedure for the production of point mutations in any DNA fragment" Nucleic Acids Res. 10:6487-6500; Zoller & Smith (1983) "Oligonucleotide-directed mutagenesis of DNA fragments cloned into M13 vectors" Methods in Enzymol. 100:468-500; 及び Zoller & Smith (1987) "Oligonucleotide-directed mutagenesis: a simple method using two oligonucleotide primers and a single-stranded DNA template" Methods in Enzymol. 154:329-350);ホスホロチオエート改変DNA変異導入(Taylor et al. (1985) "The use of phosphorothioate-modified DNA in restriction enzyme reactions to prepare nicked DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8749-8764; Taylor et al. (1985) "The rapid generation of oligonucleotide-directed mutations at high frequency using phosphorothioate-modified DNA" Nucl. Acids Res. 13: 8765-8787 (1985); Nakamaye (1986) "Inhibition of restriction endonuclease Nci I cleavage by phosphorothioate groups and its application to oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 14: 9679-9698; Sayers et al. (1988) "Y-T Exonucleases in phosphorothioate-based oligonucleotide-directed mutagenesis" Nucl. Acids Res. 16:791-802;及びSayers et al. (1988) "Strand specific cleavage of phosphorothioate-containing DNA by reaction with restriction endonucleases in the presence of ethidium bromide" Nucl. Acids Res. 16: 803-814);ギャップをもつ二重鎖DNAを用いる変異導入(Kramer et al. (1984) "The gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed mutation construction" Nucl. Acids Res. 12: 9441-9456; Kramer & Fritz (1987) Methods in Enzymol. "Oligonucleotide-directed construction of mutations via gapped duplex DNA" 154:350-367; Kramer et al. (1988) "Improved enzymatic in vitro reactions in the gapped duplex DNA approach to oligonucleotide-directed construction of mutations" Nucl. Acids Res. 16: 7207; 及びFritz et al. (1988) "Oligonucleotide-directed construction of mutations: a gapped duplex DNA procedure without enzymatic reactions in vitro" Nucl. Acids Res. 16: 6987-6999)。
本発明を実施するために用いることができるさらに別の方法には以下が含まれる:点ミスマッチ修復(Kramer (1984) "Point Mismatch Repair" Cell 38:879-887)、修復欠損宿主株を用いる変異導入(Carter et al. (1985) "Improved oligonucleotide site-directed mutagenesis using M13 vectors" Nucl. Acids Res. 13: 4431-4443; and Carter (1987) "Improved oligonucleotide-directed mutagenesis using M13 vectors" Methods in Enzymol. 154: 382-403)、欠失変異導入(Eghtedarzadeh (1986) "Use of oligonucleotides to generate large deletions" Nucl. Acids Res. 14: 5115), restriction-selection and restriction-selection and restriction-purification (Wells et al. (1986) "Importance of hydrogen-bond formation in stabilizing the transition state of subtilisin" Phil. Trans. R. Soc. Lond. A 317: 415-423)、全遺伝子合成による変異導入(Nambiar et al. (1984) "Total synthesis and cloning of a gene coding for the ribonuclease S protein" Science 223: 1299-1301; Sakamar and Khorana (1988) "Total synthesis and expression of a gene for the a-subunit of bovine rod outer segment guanine nucleotide-binding protein (transducin)" Nucl. Acids Res. 14: 6361-6372; Wells et al. (1985) "Cassette mutagenesis: an efficient method for generation of multiple mutations at defined sites" Gene 34:315-323;及びGrundstrom et al. (1985) "Oligonucleotide-directed mutagenesis by microscale `shot-gun` gene synthesis" Nucl. Acids Res. 13: 3305-3316)、二本鎖開裂修復(Mandecki (1986); Arnold (1993) "Protein engineering for unusual environments" Current Opinion in Biotechnology 4:450-455. "Oligonucleotide-directed double-strand break repair in plasmids of Escherichia coli: a method for site-specific mutagenesis" Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83:7177-7181)。上記の方法の多くに関する更なる詳細は” Enzymology”(Volume 154)で見出すことができる。前記文献はまた、種々の変異導入方法に関する問題を解決するための有用な管理に関して述べている。
本発明の実施に用いることができる方法は例えば以下に記載されている:U.S. Pat. No. 5,605,793(Stemmer, Feb. 25, 1997, "Methods for In Vitro Recombination);U.S. Pat. No. 5,811,238 (Stemmer et al.,Sep. 22, 1998, "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination");U.S. Pat. No. 5,830,721(Stemmer et al., Nov. 3, 1998, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");U.S. Pat. No. 5,834,252(Stemmer, et al., Nov. 10, 1998, "End-Complementary Polymerase Reaction");U.S. Pat. No. 5,837,458(Minshull, et al., Nov. 17, 1998, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering");WO 95/22625(Stemmer and Crameri, "Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");WO 96/33207(Stemmer and Lipschutz, "End Complementary Polymerase Chain Reaction");WO 97/20078(Stemmer and Crameri, "Methods for Generating Polynucleotides having Desired Characteristics by Iterative Selection and Recombination");WO 97/35966(Minshull and Stemmer, "Methods and Compositions for Cellular and Metabolic Engineering");WO 99/41402(Punnonen et al. "Targeting of Genetic Vaccine Vectors");WO 99/41383(Punnonen et al. "Antigen Library Immunization");WO 99/41369(Punnonen et al. "Genetic Vaccine Vector Engineering"); WO 99/41368(Punnonen et al. "Optimization of Immunomodulatory Properties of Genetic Vaccines");EP 752008(Stemmer and Crameri, "DNA Mutagenesis by Random Fragmentation and Reassembly");EP 0932670(Stemmer "Evolving Cellular DNA Uptake by Recursive Sequence Recombination");WO 99/23107(Stemmer et al., "Modification of Virus Tropism and Host Range by Viral Genome Shuffling");WO 99/21979(Apt et al., "Human Papillomavirus Vectors");WO 98/31837(del Cardayre et al. "Evolution of Whole Cells and Organisms by Recursive Sequence Recombination");WO 98/27230(Patten and Stemmer, "Methods and Compositions for Polypeptide Engineering");WO 98/27230(Stemmer et al., "Methods for Optimization of Gene Therapy by Recursive Sequence Shuffling and Selection");WO 00/00632, "Methods for Generating Highly Diverse Libraries";WO 00/09679, "Methods for Obtaining in Vitro Recombined Polynucleotide Sequence Banks and Resulting Sequences";WO 98/42832(Arnold et al., "Recombination of Polynucleotide Sequences Using Random or Defined Primers");WO 99/29902(Arnold et al., "Method for Creating Polynucleotide and Polypeptide Sequences");WO 98/41653(Vind, "An in Vitro Method for Construction of a DNA Library");WO 98/41622(Borchert et al., "Method for Constructing a Library Using DNA Shuffling");及びWO 98/42727(Pati and Zarling, "Sequence Alterations using Homologous Recombination")
本発明の実施に用いることができる方法(種々の多様性を生成する方法に関する詳細を提供する)は例えば以下に記載されている:米国特許出願(USSN)09/407,800, "SHUFFLING OF CODON ALTERED GENES"(Patten et al.,1999年9月28日出願、U.S. Ser. No. 09/407,800);"EVOLUTION OF WHOLE CELLS AND ORGANISMS BY RECURSIVE SEQUENCE RECOMBINATION"(del Cardayre et al., 米国特許6,379,964号);"OLIGONUCLEOTIDE MEDIATED NUCLEIC ACID RECOMBINATION"(Crameri et al., 米国特許6,319,714号; 6,368,861号; 6,376,246号; 6,423,542号; 6,426,224号及びPCT/US00/01203;"USE OF CODON-VARIED OLIGONUCLEOTIDE SYNTHESIS FOR SYNTHETIC SHUFFLING"(Welch et al., 米国特許6,436,675号);"METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS"(Selifonov et al., 2000年1月18日出願、PCT/US00/01202) 及び、例えば "METHODS FOR MAKING CHARACTER STRINGS, POLYNUCLEOTIDES & POLYPEPTIDES HAVING DESIRED CHARACTERISTICS"(Selifonov et al., 2000年7月18日出願、U.S. Ser. No. 09/618,579);"METHODS OF POPULATING DATA STRUCTURES FOR USE IN EVOLUTIONARY SIMULATIONS"(Selifonov and Stemmer, 2000年1月18日出願PCT/US00/01138);及び "SINGLE-STRANDED NUCLEIC ACID TEMPLATE-MEDIATED RECOMBINATION AND NUCLEIC ACID FRAGMENT ISOLATION"(Affholter, 2000年9月6日出願、U.S. Ser. No. 09/656,549);及び米国特許6,177,263号;同6,153,410号。
非確率論的、又は“定方向進化”方法(例えば“飽和変異導入”(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)又は前記の組合せを含む)を用いて本発明の核酸を改変し、新規な又は変異した特性(例えば強酸又は強アルカリ条件下、高温又は低温条件下などでの活性)を有する葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドが作出される。改変された核酸によってコードされるポリペプチドは、グルカン又は他の多糖類の加水分解又は他の活性について試験する前に活性についてスクリーニングすることができる。任意の試験様式又はプロトコルを、例えばキャピラリーアレイ台を利用して用いることができる。例えば米国特許第6,361,974号、同6,280,926号、同5,939,250号を参照されたい。
遺伝子位置飽和変異導入(又はGSSM)
ある特徴では、ポリヌクレオチド(例えば本発明の核酸)に点変異を導入し、一組の子孫ポリペプチドを作出するために縮退N,N,G/T配列を含むコドンプライマーが使用される。前記一組の子孫ポリペプチドでは、例えば改変の標的となる酵素活性部位(触媒ドメイン(CD))又はリガンド結合部位の各アミノ酸の位置で単一のアミノ酸置換の全てが出現する。これらのオリゴヌクレオチドは、連続する第一の相同な配列、縮退N,N,G/T配列及び場合によって第二の相同な配列を含むことができる。そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによって得られる下流の子孫翻訳生成物には、N,N,G/T配列の縮退は20の全てのアミノ酸のためのコドンを含むので前記ポリペプチドに沿って各アミノ酸の位置で可能な全てのアミノ酸変化が含まれる。ある特徴では、1つのそのような縮退オリゴヌクレオチド(例えば1つに縮退N,N,G/Tカセットを含む)が、親のポリヌクレオチド鋳型中の本来のコドンの各々を全範囲のコドン置換に付すために用いられる。また別の特徴では、親のポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの本来のコドンを全範囲のコドン置換に付すために少なくとも2つの縮退カセットが(同じヌクレオチド又は別個のヌクレオチドで)用いられる。例えば2つ以上のN,N,G/T配列を1つのオリゴヌクレオチド内に含ませ、2つ以上の部位でアミノ酸置換を導入することができる。この複数のN,N,G/T配列は連続していてもよいし、又は1つもしくは2つ以上のさらに別のヌクレオチド配列によって分離されてあってもよい。別の特徴では、付加及び欠失の導入に役立つオリゴヌクレオチドは単独又はN,N,G/T配列を含むコドンとともに用いて、アミノ酸付加、欠失及び/又は置換の任意の組合せ又は並べ換えが導入される。
ある特徴では、2つ又は3つ以上の連続するアミノ酸位の同時変異は、連続するN,N,G/Tトリプレット(すなわち縮退(N,N,G/T)n配列)を含むオリゴヌクレオチドを用いて実施される。別の特徴では、N,N,G/T配列よりも縮退度の小さい縮退カセットが用いられる。例えば、いくつかの事例では、ただ1つのN(Nは前記トリプレットの第一、第二又は第三番目の位置に存在できる)を含む縮退トリプレット配列を(オリゴヌクレオチドで)用いることができる。任意の組合せ及び並べ換えを含む他のいずれの塩基もトリプレットの残りの2つの位置において用いることができる。また別には、いくつかの事例で縮退N,N,N,トリプレット配列を(例えばオリゴヌクレオチドで)用いることが所望されよう。
ある特徴では、縮退トリプレット(例えばN,N,G/Tトリプレット)の使用によって、ポリペプチドのそれぞれ全てのアミノ酸の位置について天然アミノ酸の全範囲の(合計20アミノ酸)系統的で容易な生成が可能になる(別の特徴では、前記方法はまた、各アミノ酸残基、コドン、位置の可能な全ての置換よりも少ない置換の生成も含む)。例えば、100アミノ酸のポリペプチドの場合、2000個の別個の種(すなわち各位置につき20個の可能なアミノ酸X100個のアミノ酸位置)が生成される。縮退N,N,G/Tトリプレットを含むオリゴヌクレオチド又はオリゴヌクレオチドセットを使用することによって、32個の個々の配列が20個の可能な天然のアミノ酸を全てコードすることができる。したがって、親のポリヌクレオチド配列が少なくとも1つの前記のようなオリゴヌクレオチドを用いて飽和変異導入に付される反応容器では、20個の別個のポリペプチドをコードする32個のそれぞれ別個の子孫ポリヌクレオチドが生成される。対照的に、部位特異的変異導入では非縮退オリゴヌクレオチドを使用したとき、各反応容器につきただ1つの子孫ポリペプチド生成物が生じるだけである。場合によって非縮退オリゴヌクレオチドを開示の縮退プライマーとともに用いることができる。例えば、非縮退オリゴヌクレオチドを用いて対象のポリヌクレオチドで特定の点変異を生成することができる。これは、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点変異、並びに終止コドン及びポリペプチドフラグメントの対応する発現を生じさせる点変異を生成する1つの手段を提供する。
ある特徴では、各飽和変異導入反応容器は、親のポリヌクレオチドで変異を導入されるコドンの位置に一致する特定の1つのアミノ酸位置において20個全ての天然アミノ酸が提示されるように、少なくとも20の子孫ポリペプチド(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する、本発明のポリペプチド)分子をコードするポリヌクレオチドを含む(他の特徴では全20個より少ない天然の組合せが用いられる)。各飽和変異導入反応容器から生成される32倍の縮退子孫ポリペプチドをクローン増幅に付し(例えば適切な宿主(例えば大腸菌宿主)で例えば発現ベクターを用いてクローニングする)、さらに発現スクリーニングに付すことができる。スクリーニングにより好ましい特性の変化を提示させることによって個々の子孫ポリペプチドが同定されたとき(例えば親のポリペプチドと比較したときアルカリ性又は酸性条件下でグルカンの加水分解活性が増加する)、前記子孫ポリペプチドを配列決定し、その中に含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を同定することができる。
ある特徴では、本明細書に開示したように、親のポリペプチドの各々及び全てのアミノ酸位置に飽和変異導入を用いて変異を導入するとき、好ましいアミノ酸変化が2つ以上のアミノ酸位置で同定できることがある。これら好ましいアミノ酸置換の全て又は一部分の組合せを含む1つ又は2つ以上の新規な子孫分子を生成することができる。例えば、2つの具体的な好ましいアミノ酸変化が、ポリペプチドの3つのアミノ酸位置の各々で同定されるならば、前記の変更は各位置及び3つの位置で3つの可能性を含む(最初のアミノ酸から変化のないもの及び2つの好ましい変化をもつそれぞれのもの)。したがって、3x3x3、又は合計27の可能性が存在し、これらは以前に調べられた7つ−6つの単一点変異(すなわち3つの位置の各々で2つ)及びいずれの位置においても変化のないものを含む。
さらに別の特徴では、スクリーニングと併せて、位置飽和変異導入をシャッフリング、キメラ化、組換え及び他の変異導入方法と一緒に用いることができる。本発明は任意の変異導入方法の使用を提供する。前記方法には反復態様で用いられる飽和変異導入が含まれる。ある実施態様では、任意の変異導入方法がスクリーニングと併用して反復使用される。
本発明はまた、点変異をポリヌクレオチドに導入して、全範囲の単一アミノ酸置換が各アミノ酸の位置で出現する一組の子孫ポリペプチドを作出するために特許コドンプライマー(縮退N,N,N配列を含む)の使用を提供する(遺伝子位置飽和変異導入(商標)(GSSM(商標))。使用されるオリゴは、連続する第一の相同配列、縮退N,N,N配列及び、ある特徴では(必ずというわけではない)第二の相同な配列を含む。そのようなオリゴヌクレオチドを使用することによって得られる下流の子孫翻訳生成物には、N,N,N配列の縮退は20の全てのアミノ酸のためのコドンを含むので、前記ポリペプチドに沿って各アミノ酸の位置で可能な全てのアミノ酸変化が含まれる。
ある特徴では、1つのそのような縮退オリゴ(1つの縮退N,N,Nカセットを含む)が、親のポリヌクレオチド鋳型中の本来のコドンの各々を全範囲のコドン置換に付すために用いられる。また別の特徴では、親のポリヌクレオチド鋳型中の少なくとも2つの本来のコドンを全範囲のコドン置換に付すために、少なくとも2つの縮退N,N,Nカセットが(同じオリゴ又は別個のオリゴで)用いられる。したがって、2つ以上のN,N,N配列を1つのオリゴ内に含ませ、2つ以上の位置でアミノ酸置換を導入することができる。この複数のN,N,N配列は連続していてもよいし、又は1つ若しくは2つ以上のさらに別のヌクレオチド配列によって分離されてあってもよい。別の特徴では、付加及び欠失の導入に役立つオリゴを単独又はN,N,N配列を含むコドンとともに用いて、アミノ酸付加、欠失及び/又は置換の任意の組合せ又は並べ換えを導入することができる。
特にある実施態様では、連続するN,N,Nトリプレット(すなわち縮退(N,N,N)n配列)を含むオリゴを用いて、2つ又は3つ以上の連続するアミノ酸位置で同時に変異を導入することが可能である。
また別の特徴では、本発明は、N,N,N配列より低い縮退度を有する縮退カセットの使用を提供する。例えば、いくつかの事例では、ただ1つのNを含む縮退トリプレット配列を(例えばオリゴヌクレオチド中で)使用することが所望されうる(この場合、Nの位置はトリプレットの1番目でも2番目でも3番目でもよい)。前記トリプレットの残りの2つの位置には、任意の組合せ及び入れ替えを含む他の任意の塩基を用いることができる。また別には、いくつかの事例では、縮退N,N,Nトリプレット配列、N,N,G/T又はN,N,G/Cトリプレット配列を(例えばオリゴ中で)使用することが所望されうる。
しかしながら、本発明で開示したような縮退配列(例えばN,N,G/T又はN,N,G/Cトリプレット配列)を使用することはいくつかの理由で有利であることは理解されよう。ある特徴では、本発明は、ポリペプチド中の各々及び全てのアミノ酸の位置で可能なアミノ酸の全て(合計20アミノ酸について)の置換が系統的且つ容易に得られる手段を提供する。したがって、100アミノ酸のポリペプチドについて、本発明は系統的にかつそこそこ容易に2000個の別個の種(すなわち各位置に付き20の可能なアミノ酸x100個のアミノ酸の位置)を作出する方法を提供する。縮退N,N,G/T又はN,N,G/Cトリプレット配列を含むオリゴの使用により、20の可能なアミノ酸をコードする32個の配列が提供されることは理解されよう。したがって、1つのそのようなオリゴを用いて親のポリヌクレオチド配列が飽和変異導入に付される反応容器では、20個の別個のポリペプチドをコードする32個の別個の子孫ポリヌクレオチドが作出される。対照的に、位置特異的変異導入において非縮退オリゴを使用した場合、反応容器に付きただ1個の子孫ポリペプチド生成物しか得られない。
本発明はまた、非縮退オリゴの使用を提供する。場合によって、前記オリゴは開示した縮退プライマーと一緒に用いることができる。いくつかの状況では、対象のポリヌクレオチドで特定の点変異を作出するためには、非縮退オリゴを用いることが有利であることは理解されよう。これによって、特定のサイレント点変異、対応するアミノ酸変化をもたらす点変異及び終止コドンを作出させる点変異並びにポリペプチドフラグメントの対応する発現をもたらす手段が提供される。
したがって、本発明のある特徴では、飽和変異導入の各反応容器は、20アミノ酸の全てが、親のポリヌクレオチドで変異が導入されたコドンの位置に対応する特定の1つのアミノ酸の位置で提示されるように、少なくとも20の子孫ポリペプチド分子をコードするポリヌクレオチドを含んでいる。飽和変異導入の各反応容器から生成された32倍の縮退子孫ポリペプチドはクローン増幅に付すことができ(例えば発現ベクターを用いて適切な大腸菌宿主でクローニングできる)、さらに発現スクリーニングに付すことができる。(親のポリペプチドと比較したとき)個々の子孫ポリペプチドが好ましい特性変化を示すことがスクリーニングによって同定されたら、前記の配列を決定して、前記配列に含まれる対応する好ましいアミノ酸置換を同定することができる。
本明細書に開示した飽和変異導入を用いて親のポリペプチド中の各々及び全てのアミノ酸の位置に変異を導入するとき、好ましいアミノ酸変異が2つ以上のアミノ酸の位置で同定できることは理解されよう。これら好ましいアミノ酸置換の全て又は部分が組み合わされた1つ又は2つ以上の新規な子孫分子を作製することができる。例えば、あるポリペプチド中の3つのアミノ酸の位置の各々で2つの特定のアミノ酸の変異が同定された場合、前記入れ替えは各位置で3つの可能性(最初のアミノ酸から変化のないもの及び2つの好ましい変化をもつそれぞれのもの)を含む。したがって、合計3x3x3、又は27の可能性が存在し、これらは以前に調べられた7つ−6つの単一点変異(すなわち3つの位置の各々で2つ)及びいずれの位置においても変化のないものを含む。
したがって、非限定的な具体例では、本発明は、また別の変異導入プロセスと組み合わされた飽和変異導入の使用を提供する。前記また別の変異導入プロセスは例えば、組換え及び還元的再組合せによってハイブリッドポリヌクレオチドを作出することができるように2つ又は3つ以上の関連ポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入するプロセスである。
遺伝子の配列全体に変異を導入すること以外にも、本発明は、変異導入を用いてポリヌクレオチド中の多数の塩基の各々を置換することができる。この場合、変異を導入される塩基の数は、ある特徴では15から100,000のいずれかである。したがって、分子の全ての位置に変異を導入する代わりに、全ての塩基又は所定の数の塩基(ある特徴では合計で15から100,000になるサブセット)に変異を導入することができる。ある特徴では、ポリヌクレオチド配列の各々の位置又は位置群に変異を導入するために、別々のヌクレオチドが用いられる。変異を導入される3つの位置から成る群はコドンであってもよい。前記変異は、変異原プライマー(異種カセットを含み、変異原カセットとも称される)を用いて導入することができる。例示的カセットは1つから500の塩基を有することができる。そのような異種カセットの各ヌクレオチドの位置はN、A、C、G、T、A/C、A/G、A/T、C/G、C/T、G/T、C/G/T、A/G/T、A/C/T、A/C/G、又はEで、ここでEはA、C、G又はTではない任意の塩基である(Eはデザイナーオリゴと称することができる)。
一般的な意味では、飽和変異導入は、変異を導入される所定のポリヌクレオチド配列(この場合変異を導入される配列は、ある特徴では長さが約15から100,000塩基である)中の完全な一組の変異原カセット(この場合各カセットはある特徴では長さが約1−500塩基である)に変異を導入することを含む。したがって、一群の変異(1から100変異に及ぶ)が変異を導入される各カセットに導入される。1ラウンドの飽和変異導入の実施中に、1つのカセットに導入される変異群は、第二のカセットに導入される第二の変異群とは異なっていても同じであってもよい。そのような群は、欠失、付加、特定コドン群及び特定ヌクレオチドカセット群として示される。
変異を導入される所定配列には完全な遺伝子、経路、cDNA、完全なオープンリーディングフレーム(ORF)及び完全なプロモーター、エンハンサー、リプレッサー/トランスアクチベーター、複製起点、イントロン、オペレーター又は任意のポリヌクレオチド機能群が含まれる。一般的には、この目的のための“所定配列”は、15塩基のポリヌクレオチド配列及び15塩基から15,000塩基の長さのポリヌクレオチド配列のいずれかのポリヌクレオチドであり得る(本発明では特に15から15,000の間の全てのものが含まれる)。コドン群の選択で考慮しなければならないことには、縮退変異原カセットによってコードされるアミノ酸のタイプが含まれる。
変異原カセットに導入することができる変異群のある具体例では、本発明は特に、各位置で2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、、14、15、16、17、18、19及び20アミノ酸をコードする縮退コドン置換(縮退オリゴを用いる)、及びそれによってコードされるポリペプチドライブラリーを提供する。
合成連結再アッセンブリ(SLR)
本発明は、“合成連結再アッセンブリ”、又は簡潔に“SLR”、“定方向進化プロセス”と称される、新規な又は変異した特性を有するポリペプチド(例えば本発明の酵素)を作出する非確率論的遺伝子改変系を提供する。
SLRは、オリゴヌクレオチドフラグメントを非確率論的に一緒に連結する方法である。この方法は、核酸構築ブロックがランダムにシャッフル、連結、又はキメラ化されるのではなく、非確率論的にアッセンブリングされるという点で確率的オリゴヌクレオチドシャッフリングとは異なる。例えば以下を参照されたい:米国特許出願(USSN)09/332,835(”Synthetic Ligation Reassembly in Directed Evolution”)(1999年6月14日出願)(“USSN 09/332,835”)。ある特徴では、SLRは以下の工程を含む:(a)鋳型ポリヌクレオチドを提供する工程(前記鋳型ポリヌクレオチドは相同な遺伝子をコードする配列を含む);(b)複数の構築ブロックポリヌクレオチドを提供する工程(前記構築ブロックポリヌクレオチドは鋳型ポリヌクレオチドと予め定められた配列で交差再アッセンブリングを生じるように設計され、構築ブロックポリヌクレオチドは前記相同な遺伝子の変種である配列及び前記変種配列とフランキングする前記鋳型ポリヌクレオチドと相同な配列を含む);(c)前記構築ブロックポリヌクレオチドが前記鋳型ポリヌクレオチドと交差再アッセンブリングして相同な遺伝子配列変種を含むポリヌクレオチドを生成できるように、構築ブロックポリヌクレオチドを鋳型ポリヌクレオチドと一緒にする工程。
SLRは、再編成を実施されるポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することを必要としない。したがって、本方法は、10100を超える種々のキメラを含む子孫分子のライブラリー(又はセット)を非確率論的に作成するために用いることができる。SLRを用いて101000を超える種々の子孫キメラを含むライブラリーの作製に用いることができる。したがって、本発明の特徴は、設計に従って選択された全体的なアッセンブリの順番にしたがって完成されたキメラ核酸分子セットを製造する非確率論的方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:互いに適合する連結可能な有用な末端を有する複数の特別な核酸構築ブロックを設計に従って作成する工程、及び、設計した全体的なアッセンブリの順番が達成されるように前記核酸構築ブロックをアッセンブリングする工程。
アッセンブリングされる互いに適合する核酸構築ブロックの末端は、これらが前記構築ブロックを予め定めた順序で結合させることができるならば、このタイプの指定されたアッセンブリに対して“利用可能”であると考えられる。したがって、前記核酸構築ブロックが結合される全体的なアッセンブリの順番は、連結させることができる末端の設計によって特定される。2つ以上のアッセンブリ工程が用いられる場合、核酸構築ブロックが結合される全体的アッセンブリの順番は、前記アッセンブリ工程の一連の順番によって特定される。ある特徴では、アニールされた構築片が酵素(例えばリガーゼ(例えばT4DNAリガーゼ))で処理され、前記構築片の共有結合が達成される。
ある特徴では、オリゴヌクレオチド構築ブロックの設計は、祖先核酸配列鋳型セットを分析することによって得られる(祖先核酸配列は完成したキメラポリヌクレオチドの子孫セットを製造する基礎として機能する)。したがって、これら親のオリゴヌクレオチド鋳型は、変異(例えばシャッフリング又はキメラ化)を導入しようとする核酸構築ブロックの設計に役立つ配列情報源として機能する。この方法のある特徴では、複数の親核酸鋳型の配列でアラインメントを実施して1つ又は2つ以上の境界点が選択される。前記境界点は相同領域に位置し、1つ又は2つ以上のヌクレオチドを含むことができる。これらの境界点は好ましくは少なくとも2つの祖先鋳型によって共有される。それによって前記境界点は、親ポリヌクレオチドの再編成のために作製されるオリゴヌクレオチド構築ブロックの境界線を引くために用いることができる。祖先分子中で同定され選別される境界点は、完成キメラ子孫分子のアッセンブリにおける潜在的キメラ形成点として機能する。境界点は、少なくとも2つの親ポリヌクレオチド配列によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同なヌクレオチド塩基を含む)であり得る。あるいは、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも半分によって共有される相同領域であるか、又は親ポリヌクレオチド配列の少なくとも2/3によって共有される相同領域であり得る。さらに好ましくは、有用な境界点は、親ポリヌクレオチド配列の少なくとも3/4によって共有される相同領域であるか、又は境界点は親ポリヌクレオチド配列のほぼ全てによって共有され得る。ある特徴では、境界点は、親ポリヌクレオチド配列の全部によって共有される相同領域である。
ある特徴では、連結再アッセンブリ工程は、子孫キメラポリヌクレオチドの網羅的ライブラリーを作製するために網羅的に実施される。換言すれば、全ての可能な順番で組み合わされた核酸構築ブロックが、完成キメラ核酸分子セットに提示される。同時に、別の特徴では、各組合せにおけるアッセンブリの順番(すなわち完成したキメラ核酸の各々の配列の5'から3'方向における各構築ブロックのアッセンブリの順番)は上記に記載したように意図的(又は非確率論的)である。本発明の非確率論的な性質のために、望ましくない副生成物の可能性は極めて低くなる。
別の特徴では、前記連結再アッセンブリ方法は系統的に実施される。例えば、前記方法は、系統的に区画化された子孫分子のライブラリーを作製するために実施され、前記区画化ライブラリーは、系統的に(例えば1つずつ)スクリーニングすることができる区画を有する。換言すれば、本発明は、連続工程によるアッセンブリング反応の選択的及び慎重な使用と併せて特定の核酸構築ブロックを選択的及び慎重に使用することによって、特定の子孫生成物セットがいくつかの反応容器の各々で生成される仕組みの達成を提供する。前記によって系統的な調査及びスクリーニング方法の実施が可能になる。したがって、これらの方法は、潜在的に膨大な数の子孫分子をより小さなグループで系統的に調査することを可能にする。特に祖先分子間で低レベルの相同性しか存在しないときに、高度に柔軟性を有し、しかも網羅的で系統的な態様でのキメラ化の実施を可能にするその能力のために、これらの方法は膨大な数の子孫分子を含むライブラリー(又はセット)の生成を提供する。本発明の連結再アッセンブリの非確率論的性質のために、生成される子孫分子は好ましくは、設計に従って選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。飽和変異導入及び最適化された定方向進化方法もまた種々の子孫分子種の生成に用いることができる。本発明は、境界点、核酸構築ブロックのサイズ及び数並びに結合の設計の選択に関して選択と制御の自由を提供することは理解されよう。さらにまた、分子間相同性の要求は、本発明を実施し易くするために大きく緩和されることもまた理解されよう。実際、境界点はほとんど又はまったく分子間相同性がない領域でも選択できる。例えば、コドンの揺らぎのために(すなわちコドンの縮退のために)、対応する祖先鋳型で本来コードされるアミノ酸を変更することなく核酸中にヌクレオチド置換を導入することができる。また別には、コドンを変更して本来のアミノ酸のコードを変更してもよい。本発明は、分子間相同性を有する境界点の出現傾向を高めるために、したがって構築ブロック間で達成される結合数を高めるために(生成される子孫キメラ分子数の増加を可能にする)、前記のような置換の核酸構築ブロックへの導入を提供する。
ある特徴では、本発明は、合成遺伝子再アッセンブリと称される非確率的方法を提供する。この方法は、核酸構築ブロックがランダムにシャッフル、連結、又はキメラ化されるのではなく、非確率論的にアッセンブリングされるという点を除けば確率論的シャッフリングと幾分関連する。
合成遺伝子再アッセンブリ法は、シャッフリングされるポリヌクレオチド間に高レベルの相同性が存在することを必要としない。本発明は、10100を超える種々のキメラを含む子孫分子のライブラリー(又はセット)を非確率論的に作製するために用いることができる。おそらく、合成遺伝子再アッセンブリを用いて101000を超える種々の子孫キメラを含むライブラリーを作成することができる。
したがって、ある特徴では、本発明は、設計に従って選択された全体的なアッセンブリの順番にしたがって完成されたキメラ核酸分子セットを製造する非確率論的方法を提供する。前記方法は以下の工程を含む:互いに適合する連結可能な有用な末端を有する複数の特別な核酸構築ブロックを設計に従って作製する工程、及び、設計した全体的なアッセンブリの順番が達成されるように前記核酸構築ブロックをアッセンブリングする工程。
アッセンブリングされる互いに適合する連結可能な核酸構築ブロックの末端は、これらが前記構築ブロックをあらかじめ定めた順序で結合させることができるならば、このタイプの指定されたアッセンブリに対して“利用可能”であると考えられる。したがって、ある特徴では、前記核酸構築ブロックが結合される全体的なアッセンブリの順番は、連結させることができる末端の設計によって特定され、2つ以上のアッセンブリ工程が用いられる場合、核酸構築ブロックが結合される全体的アッセンブリの順番は、前記アッセンブリ工程の一連の順番によって特定される。本発明のある特徴では、アニールされた構築片が酵素(例えばリガーゼ(例えばT4DNAリガーゼ))で処理され、前記構築片の共有結合が達成される。
また別の特徴では、オリゴヌクレオチド構築ブロックの設計は、祖先核酸鋳型セットの配列を分析することによって得られる(祖先核酸鋳型は完成したキメラ核酸分子の子孫セットを製造する基礎として機能する)。したがって、これら祖先核酸鋳型は、変異が導入される(すなわちキメラ化又はシャッフルされる)核酸構築ブロックの設計に役立つ配列情報源として機能する。
ある実施態様では、本発明は、関連遺伝子ファミリーのキメラ化及びそれらによってコードされる関連生成物ファミリーを提供する。具体的な実施態様では、前記コードされる生成物は酵素である。本発明のポリペプチドが、本明細書に記載した方法に従って変異導入される。
したがって本発明の特徴に従えば、複数の祖先核酸鋳型(例えば本発明のポリヌクレオチド)の配列でアラインメントを実施して1つ又は2つ以上の境界点が選択される。前記境界点は相同領域に位置することができる。前記境界点は作製される核酸構築ブロックの境界線を引くために用いることができる。したがって、祖先分子中で同定され選別される境界点は、子孫分子のアッセンブリにおける潜在的キメラ形成点として機能する。
典型的には、有用な境界点は、少なくとも2つの祖先鋳型によって共有される相同領域(少なくとも1つの相同なヌクレオチド塩基を含む)であるが、前記境界点は、祖先鋳型の少なくとも半分、祖先鋳型の少なくとも2/3、祖先鋳型の少なくとも3/4、及びある特徴では祖先鋳型のほぼ全てによって共有され得る。ある特徴では、さらに有用な境界点は、祖先鋳型の全部によって共有される相同領域である。
ある特徴では、遺伝子再アッセンブリ工程は網羅的ライブラリーを作成するために網羅的に実施される。換言すれば、全ての可能な順番で組み合わされた核酸構築ブロックが、完成キメラ核酸分子セットで提示される。同時に、各組合せにおけるアッセンブリの順番(すなわち完成したキメラ核酸の各々の配列の5'から3'方向における各構築ブロックのアッセンブリの順番)は設計にしたがう(又は非確率論的である)。本方法の非確率論的な性質のために、望ましくない副生成物の可能性は極めて低くなる。
別の特徴では、前記方法は、例えば系統的に区画化されたライブラリーを作製するために実施される遺伝子再アッセンブリプロセスを提供する。前記ライブラリーは、系統的に(例えば1つずつ)スクリーニングすることができる区画を有する。換言すれば、本発明は、連続工程によるアッセンブリング反応の選択的及び慎重な使用と併せて特定の核酸構築ブロックを選択的及び慎重に使用することによって、特定の子孫生成物セットがいくつかの反応容器の各々で生成される実験的な仕組みの達成を提供する。前記によって系統的な調査及びスクリーニング方法の実施が可能になる。したがって、これらの方法は、潜在的に膨大な数の子孫分子をより小さなグループで系統的に調査することを可能にする。
特に祖先分子間で低レベルの相同性しか存在しないときに、高度に柔軟性を有し、しかも網羅的で系統的な態様でのキメラ化の実施を可能にするその能力のために、本方法は膨大な数の子孫分子を含むライブラリー(又はセット)の生成を提供する。本発明の遺伝子再アッセンブリの非確率論的性質のために、生成される子孫分子は、ある特徴では、設計に従って選択された全体的なアッセンブリの順番を有する完成されたキメラ核酸分子のライブラリーを含む。特にある特徴では、そのように作製されたライブラリーは103を超える種々の子孫分子種から101000を超える種々の子孫分子種を含む。
ある特徴では、記載のように生成された完成キメラ核酸分子はポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。ある特徴にしたがえば、このポリヌクレオチドは遺伝子であり、前記は人工遺伝子でもよい。別の特徴にしたがえば、このポリヌクレオチドは遺伝子経路であり、前記は人工遺伝子経路でもよい。本発明は、本発明により作製された1つ又は2つ以上の人工の遺伝子が人工の遺伝子経路(例えば真核生物(植物を含む)で作働できる経路)に取り込まれたものを提供する。
また別の特徴では、構築ブロックが作製される工程の合成的な性質によって、in vitro過程(例えば変異導入により)又はin vivo過程(例えば宿主生物の遺伝子スプライシング能を利用することにより)で場合によって後で除去することが可能なヌクレオチド(例えば1つ又は2つ以上のヌクレオチドで、例えばコドン又はイントロン又は調節配列であろう)を設計又は導入することが可能になる。多くの事例で、有用な境界点を創出できるという潜在的な利点以外にも他の多くの理由からこれらヌクレオチドの導入はまた望ましいものであり得ることは理解されよう。
したがって、別の特徴にしたがえば、本発明によって、核酸構築ブロックを用いてイントロンを導入することができる。したがって、本発明によって、機能的なイントロンを本発明の人工遺伝子に導入することができる。また本発明によって、本発明の人工遺伝子経路に機能的イントロンを導入することができる。したがって、本発明は、人工的に導入されたイントロンを含む人工遺伝子であるキメラポリヌクレオチドの生成を提供する。
したがって、本発明はまた、1つの(又は2つ以上の)人工的に導入されたイントロンを含む人工遺伝子経路であるキメラポリヌクレオチドの生成を提供する。ある特徴では、人工的に導入されたイントロンは、天然に存在するイントロンが遺伝子スプライシングで機能を発揮する態様とほぼ同じように遺伝子スプライシングのために1つ又は2つ以上の宿主細胞で機能する。本発明は、組換え及び/又はスプライシングのために宿主生物に導入されるべき人工イントロン含有ポリヌクレオチドの作製方法を提供する。
本発明を用いて作製された人工遺伝子はまた、また別の核酸との組換えのための土台として機能することができる。同様に、本発明を用いて作製された人工遺伝子経路はまた、また別の核酸との組換えのための土台として機能することができる。ある特徴では、前記組換えは、人工の、イントロン含有遺伝子と核酸(組換えのパートナーとして機能する)との間の相同領域によって促進されるか、又は前記相同領域で生じる。ある特徴では、前記組換えパートナーはまた、本発明によって生成された核酸(人工遺伝子又は人工遺伝子経路を含む)であり得る。組換えは、人工遺伝子内に人工的に導入された1つ(又は2つ以上)のイントロンに存在する相同性領域によって促進されるか、又は前記領域で生じる。
本発明の合成遺伝子再アッセンブリの方法は、複数の核酸構築ブロック(その各々はある特徴では2つの連結可能末端を有する)を利用する。各核酸構築ブロックの2つの連結可能末端は2つの平滑端であるか(すなわち各々はヌクレオチドの張り出しをもたない)、またある特徴では1つの平滑端及び1つの張り出しを有するか、また別の特徴では2つの張り出しを有することができる。
この目的のために有用な張り出しは3'側の張り出しでも5'側の張り出しでもよい。したがって、核酸構築ブロックは3'張り出しを有するか、また別には5'張り出しを有するか、また別には2つの3'張り出し又は2つの5'張り出しを有することができる。核酸構築ブロックがアッセンブリングされて感性キメラ核酸分子が形成される全体的な順序は、意図的な実験設計によって決定され、ランダムではない。
ある特徴では、核酸構築ブロックは、2つの一本鎖核酸(一本鎖オリゴとも称される)を化学的に合成し、それらをアニールさせて二本鎖核酸構築物を形成することによって作成される。
二本鎖核酸構築ブロックのサイズは変動し得る。これら構築ブロックのサイズは小さくても大きくてもよい。構築ブロックの例示的サイズは1塩基対(いずれの張り出しも含まない)から100,000塩基対(いずれの張り出しも含まない)の範囲である。他の例示的なサイズ範囲もまた提供される。前記は1bpから10,000bp(その間の全ての整数値を含む)の下限からbpから100,000bp(その間の全ての整数値を含む)の上限を有する。
本発明で有用な二本鎖核酸構築ブロックを作成することができる多くの方法が有り、これらは当業者に公知であり、さらに当業者は容易にこれらを実施できる。
ある特徴にしたがえば、二本鎖核酸構築物は、先ず初めに2つの一本鎖核酸を作製し、さらにそれらをアニールさせて二本鎖核酸構築ブロック形成することによって作成される。二本鎖核酸構築ブロックの2つの鎖は、張り出しを形成するものは別として全てのヌクレオチドと相補的でありうる。したがって、張り出しを除いてミスマッチを含まない。別の特徴にしたがえば、二本鎖核酸構築ブロックの2つの鎖は、張り出しを形成するものは除いて、全ヌクレオチドより少ないヌクレオチドにおいて相補的である。したがって、この特徴にしたがえば、二本鎖核酸構築物を用いてコドンの縮退を導入することができる。ある特徴では、コドンの縮退は、本明細書に開示した位置飽和変異導入により、1つ又は2つ以上のN,N,G/Tカセット、又は別には1つ又は2つ以上のN,N,Nカセットを用いて導入される。
本発明のin vivo組換え方法は未知のハイブリッドプール又は特定のポリヌクレオチド配列の対立遺伝子座プールで手当たり次第に実施することができる。しかしながら、前記特定のポリヌクレオチドのDNA又はRNAの実際の配列を知ることは必須というわけではない。
遺伝子の混合集団内での組換えを用いるアプローチは、任意の有用なタンパク質、例えばインターロイキンI、抗体、tPA及び成長ホルモンの作出に有用でありうる。このアプローチを用いて、変異した特異性又は活性を有するタンパク質を作出することができる。前記アプローチは又はイブリッド核酸配列、例えばプロモーター領域、イントロン、エキソン、エンハンサー配列、遺伝子の31非翻訳領域又は51非翻訳領域の作出に有用でありうる。したがって、このアプローチを用いて発現速度が増した遺伝子を作出することができる。このアプローチはまた、反復DNA配列の研究で有用である。最後に、このアプローチはリボザイム又はアプタマーに変異を導入するために有用でありうる。
ある特徴では、本明細書に記載した発明は、高度に複雑な直鎖状配列(例えばDNA、RNA又はタンパク質)の組換えによる定方向分子進化を可能にする還元的組合せ、組換え及び選別サイクルを繰り返して使用することを意図する。
最適化定方向進化系
本発明は、新規な又は変異した特性をもつポリペプチド、例えば本発明の酵素又は抗体を作出するために、“最適化定方向進化系”と称される非確率論的遺伝子改変系を提供する。最適化定方向進化は、進化させたキメラ配列の大きな集団の作出を可能にする。この場合、前記作出集団には予め定められた数の交差事象を含む配列がきわめて豊富に存在する。
交差事象は、一方の親の変種から別の親の変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列内の点である。そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結されて単一の配列を形成する結合部に存在する。本方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象を豊富に含むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。これによって、予め定められた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。
さらにまた、本方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種スペースの探索のための簡便な手段を提供する。以前には、反応中に例えば1013個のキメラ分子が生成された場合、そのような膨大な数の変種の特定の活性についてテストすることは極めて困難であろう。さらにまた、子孫集団の顕著な部分が、特定の活性のレベルが増加している可能性が少ないタンパク質を生じる非常に大きな数の交差事象を含むであろう。本方法を用いることによって、キメラ分子集団は特定の数の交差事象を含む変種を豊富に含むことができる。したがって、反応中になお1013個のキメラ分子が生成されても、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界が減少する。これによって、最初の親のポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。
キメラ子孫ポリヌクレオチドを作製する1つの方法は、それぞれの親の配列のフラグメント又は部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することである。各オリゴヌクレオチドは、ある特徴では、固有の重複領域を含み、その結果、前記オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって、各オリゴヌクレオチドフラグメントが正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生成される。更なる情報は、例えばUSSN09/332,835;米国特許6,361,974号で見出すことができよう。
各親変種のために作出されるオリゴヌクレオチドの数は、最終的に作製されるキメラ分子で生じる交差の総数と関係がある。例えば、3つの親のヌクレオチド配列変種が提供され、連結反応を経て高温でより高い活性をもつキメラ変種を見つけることができるであろう。1つの例として、50個のオリゴヌクレオチド配列を含むセットを各親変種のそれぞれの部分に対応して作製することができる。したがって、連結アッセンブリ工程の間に、キメラ配列の各々の中に50個までの交差事象が存在することができよう。生成されたキメラポリヌクレオチドの各々が交互に各親変種由来のオリゴヌクレオチドを含む確率は非常に低い。各オリゴヌクレオチドフラグメントが連結反応で同じモル濃度で存在するならば、いくつかの位置で同じ親に由来するオリゴヌクレオチドが互いに並んで連結され、したがって交差事象を生じない可能性がある。各親に由来する各オリゴヌクレオチドの濃度がこの例のいずれの連結工程でも一定に保たれるならば、同じ親変種に由来するオリゴヌクレオチドがキメラ配列内で連結され、交差を生じないチャンスは1/3(3つの親と仮定した)である。
したがって、親変種セットの数、各変種に対応するオリゴヌクレオチドの数、及び連結反応の各工程における各変種の濃度が与えられたならば、確率濃度関数(probability density function (PDF))を決定して連結反応の各工程で生じる可能性がある交差事象をもつ集団を予測することができる。PDFの決定の根拠となる統計学及び数学は以下に記載される。これらの方法を用いることによって、前記の確率濃度関数を決定することができ、したがって個々の連結反応から生じる予め定めた数の交差事象のためにキメラ子孫集団の濃度を高めることができる。さらにまた、交差事象の標的数は予め定めることができ、続いて、予め定めた交差事象数に集中する確率濃度関数をもたらす連結反応の各工程における各親オリゴヌクレオチドの出発量を算出するために前記系をプログラミングすることができる。これらの方法は、組換えによりポリペプチドをコードする核酸の定方向分子進化を可能にする還元的再組合せ、組換え及び選別の反復サイクルを用いることを意図する。前記の系は進化したキメラ配列の大集団の作製を可能にし、前記作製された集団は、予め定めた数の交差事象を含む配列が顕著に濃縮されている。交差事象は、一方の親変種からもう一方の親変種へ配列のシフトが生じるキメラ配列中の点である。そのような点は通常は2つの親に由来するオリゴヌクレオチドが一緒に連結されて単一の配列を形成する結合部に存在する。前記方法は、最終的なキメラ配列集団が選択した数の交差事象に富むことができるようにオリゴヌクレオチド配列の正確な濃度の計算を可能にする。これによって、予め定めた数の交差事象を含むキメラ変種の選択に対してより大きな制御が提供される。
さらにまた、これらの方法は、他の系と比較して膨大な量の可能なタンパク質変種空間の探索のための簡便な手段を提供する。本明細書に記載した方法を用いることによって、特定の数の交差事象を含む変種についてキメラ分子集団を濃縮することができる。したがって、反応中になお1013個のキメラ分子が生成されても、更なる分析のために選別される分子の各々は、例えば3つの交差事象だけを含む可能性が高くなる。生成された子孫集団が予め定めた数の交差事象を持つように偏らせることができるので、キメラ分子間の機能的変種に対する境界線が減少する。これによって、最初の親のポリヌクレオチドに由来するどのオリゴヌクレオチドが特定の属性に影響を及ぼすために必要かを計算するときにより操作しやすい数の変数が提供される。
ある特徴では、前記方法は、それぞれの親の配列のフラグメント又は部分に対応するオリゴヌクレオチドを作製することによってキメラ子孫ポリヌクレオチド配列を生成する。各オリゴヌクレオチドを一緒に混合することによって各オリゴヌクレオチドフラグメントが正しい順番でアッセンブリングされた新規な変種が生じるように、各オリゴヌクレオチドは好ましくは固有のオーバーラップ領域を含む。USSN09/332,835をまた参照されたい。
交差事象の決定
本発明の特徴は、所望の交差事象の確立濃度関数(PDF)、再アッセンブリングされる親遺伝子の数及び再アッセンブリでのフラグメント数を入力としての受け取るシステム及びソフトを含む。このプログラムの出力は、再アッセンブリングされた遺伝子を製造するためのレシピを決定するために用いることができる“フラグメントPDF”及びこれら遺伝子の見積もった交差PDFである。本明細書に記載されるプロセッシングは好ましくは、MATLAB(商標)(The Mathworks, Natick, Massachusetts)、プログラミング言語及びテクニカルコンピューティングのための発展環境で実施される。
反復工程
本発明の実施に際して、これらの工程は何度も繰り返すことができる。例えば、変異した又は新規な表現型をもたらすある核酸(又は所定の核酸)は同定され、再単離され(例えば本発明の核酸を用いて)、再度改変され、さらに活性について再試験される。この工程は、所望の表現型が生成されるまで何度も繰り返すことができる。例えば、完全な生化学的同化又は異化作用経路を細胞内に高度な操作により生成することができる(例えば新規な又は改変された生合成経路又は(例えば葉緑素)分解経路を含む)。
同様に、特定のオリゴヌクレオチドが所望の属性(例えば新規な又は改変された生合成経路又は(例えば葉緑素)分解経路表現型)について全く影響を与えないと決定されたならば、除去される配列を含むより大きな親オリゴヌクレオチドを合成することによって前記オリゴヌクレオチドは変数として除去することができる。配列をより大きな配列内に取り込むことによって一切の交差事象が防止されるので、子孫ポリヌクレオチド中にはこの配列の変型はもはや全く存在しないであろう。どのオリゴヌクレオチドが所望の属性と最も関係があり、どのオリゴヌクレオチドが無関係であるかを決定するこの反復実施は、特定の属性又は活性を提供する可能性があるタンパク質の全てについてより効率的な探索を可能にする。
in vivoシャッフリング
分子のin vivoシャッフリングは、本発明のポリペプチド(例えば抗体、酵素など)の変種を提供する本発明の方法で使用される。in vivoシャッフリングは、マルチマーを再結合させる細胞の天然の特性を利用して実施することができる。in vivo組換えは分子の多様性をもたらす主要な天然の経路を提供してきたが、一方遺伝子組み換えは以下を含む比較的複雑な過程のままである:1)相同性の認識;2)鎖の切断、鎖の侵襲、及び組換えキアズマの生成をもたらす代謝工程;及び最後に3)別個の再結合分子へのキアズマの分解。キアズマの形成は相同配列の認識を必要とする。
別の特徴では、本発明は、少なくとも第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドからハイブリッドポリヌクレオチドを製造する方法を提供する。本発明を用い、少なくとも1つの部分的な配列相同性領域を共有する少なくとも第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチド(例えば配列番号、1、3、5、7、9、11、13、15、17、19及びそれらの組合せ)を適切な宿主細胞に導入することによってハイブリッドヌクレオチドを生成することができる。前記の部分的な配列相同性領域は、ハイブリッドポリヌクレオチドを生成する配列再編成を生じる過程を促進する。本明細書で用いられる“ハイブリッドポリヌクレオチド”という用語は、本発明の方法により得られる、少なくとも2つの原型ポリヌクレオチド配列由来の配列を含む任意のヌクレオチド配列である。そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子間の配列統合を促進する分子間組換え事象により生じる。さらにまた、そのようなハイブリッドポリヌクレオチドは、DNA分子内のヌクレオチド配列を変異させるために反復配列を利用する分子内還元的再組合せ方法により生成することができる。
in vivo再組合せは、包括的に“組換え”と称される“分子間”プロセス(細菌では一般的に“RecA-依存”現象とみなされる)に集約される。本発明は、配列を再結合し再組合せを生じる宿主細胞の組換えプロセス、又は細胞内の擬似反復配列の複雑度を欠失によって減少させる還元的プロセスを仲介する細胞の能力を必要とするであろう。“還元的再組合せ”のこのプロセスは“分子内”Rec-A非依存プロセスによって生じる。
したがって、本発明の別の特徴では、新規なポリヌクレオチドは、還元的再組合せのプロセスによって作成することができる。本方法は、連続配列を含む構築物の生成(原型コード配列)、それらの適切なベクターへの挿入及びそれに続く適切な宿主へのそれらの導入を必要とする。個々の分子実体の再組合せは、相同性領域を有する構築物中の連続配列間又は擬似反復ユニット間のコンビナトリアルプロセスによって生じる。再組合せプロセスは再結合及び/又は反復配列の複雑度及び程度の減少をもたらし、新規な分子種の生成をもたらす。多様な処理を適用して、再組合せの速度を速めることができる。これらの処理には、紫外線又はDNA損傷化学物質による処理及び/又は“遺伝的不安定性”レベルの強化を示す宿主細胞株の使用が含まれよう。したがって、再組合せプロセスは相同な組換え又は自身の進化を指令する擬似反復配列の自然の特性を必要とすることがあろう。
反復配列又は“擬似反復”配列は遺伝的不安定性において役割を果たす。本発明では、“擬似リピート”はそれらの原型ユニットの構造に制限されないリピートである。擬似反復ユニットは構築物中で配列のアレイ(すなわち類似配列の連続ユニット)として提示され得る。いったん連結されると、連続配列間の結合点は本質的に見えなくなり、生成された構築物の擬似反復特性は今や分子レベルで連続性である。細胞の欠失プロセスは、生成構築物が擬似反復配列間の複雑度を低下させるために実施される。擬似反復ユニットは、スリップ事象を発生させることができる鋳型のレパートリーを実際的には無制限に提供する。したがって、擬似リピートを含む構築物は、擬似反復ユニット内の実質的にはいずれの場所でも欠失(及び潜在的には挿入)事象が発生できるように充分な分子の弾性を効果的に提供する。
擬似反復配列が全て同じ向き(例えば頭尾連結又はその逆)で連結されるとき、細胞は個々のユニットを区別することができない。結果的に、還元プロセスが配列全体で発生することが可能である。対照的に、例えばユニットが頭尾連結ではなく頭頭連結で提示されるとき、本発明は近傍のユニットの末端の輪郭を明らかにし、その結果欠失形成は分離されてある別個のユニットが失われるのを促進するであろう。したがって、配列が同じ向きで存在することは本発明の方法においては好ましいであろう。擬似反復配列のランダムな向きは再組合せの効率の低下をもたらすが、前記配列の一定の向きは最高の効率を提供するであろう。しかしながら、同じ向きの連続配列の数が減少することによって効率は低下するが、それによって新規な分子の効果的な回収のために充分な弾性はなお提供され得る。構築物は、より高い効率を可能にするために同じ向きの擬似反復配列を用いて作製することができる。
配列は、以下を含む多様な方法のいずれかを用いて頭尾の向きでアッセンブリすることができる:
a)ポリ-Aヘッド及びポリ-Tテールを含むプライマー(一本鎖として作製されたとき、前記は方向性を提供する)を利用することができる。これは、プライマーの最初の数塩基をRNAから作製(したがってRnaseHで容易に除去できる)することにより達成される。
b)固有の制限切断部位を含むプライマーを利用することができる。マルチ部位、固有配列一式、並びに反復合成及び連結工程が要求されるであろう。
c)プライマーの内部数塩基をチオール化し、さらにエキソヌクレアーゼを用いて適切なテールを有する分子を生成することができる。
再組合せされた配列の回収は反復インデックス(RI)が低下したクローニングベクターの同定を必要とする。続いて再組合せされたコード配列を増幅によって回収することができる。生成物を再クローニングして発現させる。RIが低下したクローニングベクターの回収は以下によって実施することができる:
1)複雑度が低下したときにのみ構築物が安定的に維持されるベクターの使用。
2)物理的方法による短縮ベクターの物理的回収。この場合には、クローニングベクターは、標準的なプラスミド単離方法及びアガロースゲルでの、又は標準的な方法を使用する低分子量カットオフによるカラムサイズ分画を用いて回収されるであろう。
3)挿入物のサイズが低下したときに選別することができる分断遺伝子を含むベクターの回収。
4)発現ベクター及び適切な選別を用いる直接選別技術の使用。
関連生物から得られたコード配列(例えば遺伝子)は高度な相同性を示すことが可能で、極めて多様なタンパク質生成物をコードしうる。このような配列タイプは、擬似リピートとして本発明で特に有用である。下記に例示する例はほぼ同一の原型コード配列(擬似リピート)の再組合せを示しているが、しかしながら本方法はそのようなほぼ同一のリピートに限定されない。
下記の例は本発明の方法を明示する。3つの固有種に由来するコード核酸配列(擬似リピート)が記載される。各配列は別個の一組の特性を有するタンパク質をコードする。前記配列の各々はただ1つの塩基対又は数塩基対が配列内の固有の位置で異なっている。擬似反復配列は別々に又は包括的に増幅され、ランダム連結によりアッセンブリされ、それによって連結分子集団において全ての可能な入れ替え及び組合せが入手できる。擬似リピートの数はアッセンブリ条件によって制御することができる。構築物中の擬似反復ユニットの平均数は反復インデックス(RI)と定義される。
いったん形成されたら、構築物は公表されているプロトコルにしたがってアガロースゲルでサイズ分画し(又は分画せずに)、クローニングベクターに挿入し、適切な宿主細胞にトランスフェクトすることができる。続いて細胞を増殖させ、“還元的再組合せ”を起こさせる。所望する場合は、還元的再組合せ過程の速度はDNA損傷の導入によって速めることができる。RIの低下が“分子内メカニズム”により反復配列間の欠失形成によって仲介されるか、又は“分子間メカニズム”により組換え様事象によって仲介されるかは重要ではない。最終的な結果は分子の再組合せによる全ての可能な組合せを得ることである。
場合によって、本方法はシャッフルされたプールのライブラリーメンバーをスクリーニングし、予め定めた巨大分子(例えばタンパク質性レセプター、オリゴ糖、ビリオン又は他の予め定めた化合物若しくは構造)と結合又は相互作用するか、又は前記との特定の反応を触媒する能力を有する個々のシャッフルされたライブラリーメンバー(例えば酵素の触媒ドメイン)を同定するさらに別の工程を含む。
そのようなライブラリーから同定されたポリペプチドを治療、診断、研究及び関連する目的(例えば触媒、水溶液の浸透圧を高めるための溶質)に用いることができ、及び/又は1つ又は2つ以上の更なるシャッフリング及び/又は選別サイクルに付すことができる。
別の特徴では、組換え若しくは再組合せ前又はそれらの間に、原型ポリヌクレオチドへの変異の導入を促進する薬剤又はプロセスに本発明の方法によって生成されたポリヌクレオチドを付すことができる。そのような変異の導入は生成されるハイブリッドポリヌクレオチド及びそれらからコードされるポリペプチドの多様性を高めるであろう。変異導入を促進する薬剤又はプロセスには以下が含まれる得る(ただしこれらに限定されない):(+)-CC-1065又は合成類似体、例えば(+)-CC-1065-(N3-アデニン)(Sun and Hurley, 1992);DNA合成を阻害することができるN-アセチル化又は脱アセチル化-4'-フルオロ-4-アミノビフェニルアダクト(例えば以下を参照されたい:van de Poll et al. (1992));又はDNA合成を阻害することができるN-アセチル化又は脱アセチル化-アミノビフェニルアダクト(さらにまた例えば以下を参照されたい:van de Poll et al. (1992), pp.751-758);三価クロム、三価クロム塩、DNA複製を阻害することができる多環式芳香族炭化水素(PAH)DNAアダクト、例えば7-ブロモメチル-ベンゾ[a]アントラセン(“BMA”)、トリス(2,3-ジブロモプロピル)ホスフェート(“トリス-BP”)、1,2-ジブロモ-3-クロロプロパン(“DBCP”)、2-ブロモアクロレイン(2BA)、ベンゾ[a]ピレン-7,8-ジヒドロジオール-9-10-エポキシド(“BPDE”)、白金(II)ハロゲン塩、N-ヒドロキシ-2-アミノ-3-メチルイミダゾ[4,5-f]-キノリン(“N-ヒドロキシ-IQ”)及びN-ヒドロキシ-2-アミノ-1-メチル-6-フェニルイミダゾ[4,5-f]-ピリジン(“N-ヒドロキシ-PhIP”)。PCR増幅を遅くするか又は停止させるための例示的手段は、紫外線(+)-CC-1065及び(+)-CC-1065-(N3-アデニン)から成る。特に包含される手段はDNAアダクツ又はポリヌクレオチド(ポリヌクレオチド又はポリヌクレオチドプール由来のDNAアダクツを含む)であり、前記は、更なる処理の前にポリヌクレオチドを含む溶液を加熱することを含む過程によって遊離又は除去することができる。
また別の特徴では、本発明は、生物学的活性を有する組換えタンパク質を製造する方法を意図し、前記方法はハイブリッド又は再組合せされたポリヌクレオチドの生成を提供する本発明の条件下で、野生型タンパク質をコードする二本鎖鋳型ポリヌクレオチドを含むサンプルを処理することを含む。
配列変種の作成
本発明はまた、本発明の核酸配列の変種を作製するさらに別の方法を提供する。本発明はまた、本発明のポリペプチドを単離するさらに別の方法を提供する。ある特徴では、本発明は本発明のコード配列(例えば遺伝子、cDNA又はメッセージ)の変種を提供する。前記変種は、任意の手段(例えばランダム若しくは確率的方法、又は非確率的若しくは上記に記載した“定方向進化”方法を含む)によって変異させることができる。
前記単離された変種は天然に存在するものでもよい。変種はまたin vitroで作出することもできる。変種は遺伝子工学技術、例えば部位特異的変異導入、化学的ランダム変異導入、エキソヌクレアーゼIII欠失方法及び標準的クローニング技術を用いて生成することができる。また別には、そのような変種、フラグメント、類似体又は誘導体は、化学的合成又は改変方法を用いて生成することができる。変種を作成する他の方法もまた当業者にはよく知られている。前記には、天然の単離物から得られた核酸配列を改変して、それらの工業的価値又は実験室利用を高める特徴をもつポリペプチドをコードする核酸を生成する方法が含まれる。そのような方法では、天然の単離物から得られた配列に対して1つ又は2つ以上のヌクレオチドの相違を有する多数の変種配列が生成され、特徴が決定される。これらのヌクレオチドの相違は、天然の単離物の核酸によってコードされるポリペプチドに対してアミノ酸変化をもたらすことができる。
例えば、変種は変異性PCRを用いて作製することができる。変異性PCRでは、PCRは、DNAポリメラーゼの複写信頼性が低く、高率の点変異がPCR全長にわたって得られるような条件下で実施される。変異性PCRは例えば以下に記載されている:D.W. Leung et al., Technique, 1:11-15 (1989); R.C. Caldwell & G.F. Joyce, PCR Methods Applic. 2:28-33 (1992)。簡単に記せば、前記の方法では、変異を導入される核酸は、PCRプライマー、反応緩衝液、MgCl2、MnCl2、Taqポリメラーゼ及び適切な濃度のdNTPと混合され、PCR生成物の全長にわたって高率の点変異が達成される。例えば、前記反応は、20fmoleの突然変異を導入されるべき核酸、30pmoleの各PCRプライマー、反応緩衝液(50mMのKCL、10mMのトリス(pH8.3)及び0.01%のゼラチンを含む)、7mMのMgCl2、0.5mMのMnCl2、5単位のTaqポリメラーゼ、0.2mMのdGTP、0.2mMのdATP、1mMのdCTP及び1mMのdTTPを用いて実施される。PCRでは、94℃1分、45℃1分及び72℃1分の30サイクルが実施される。しかしながら、これらのパラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。変異核酸は適切なベクターでクローニングされ、前記変異核酸によってコードされたポリペプチドの活性が評価される。
変種はまた、任意のクローニングされた関心のあるDNAで位置特異的変異を生じるオリゴヌクレオチド特異的変異導入を用いて生成することができる。オリゴヌクレオチド変異導入は例えば以下に記載されている:Reidhaar-Olson (1988) Science 241:53-57。簡単に記せば、前記の方法では、クローン化DNAに導入されるべき1つ又は2つ以上の変異をもつ複数の二本鎖オリゴヌクレオチドが合成され、変異を導入される前記クローン化DNAに挿入される。変異を導入されたDNAを含むクローンを回収し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
変種を生成するまた別の方法はアッセンブリPCRである。アッセンブリPCRでは、小さなDNAフラグメント混合物からPCR生成物をアッセンブリングすることが必要である。多数の様々なPCR反応が同じバイアル中で生じ、1つの反応の生成物が別の反応の生成物をプライミングする。アッセンブリPCRは例えば米国特許第5,965,408号に記載されている。
変種を生成するまた別の方法はセクシュアルPCR変異導入である。セクシュアルPCR変異導入では、配列相同性によるDNA分子のランダムなフラグメント化とそれに続くPCR反応におけるプライマーの伸長による交差の固定の結果として、強制された相同組換えが、異なるが高度の相関性を有するDNA配列をもつDNA分子間でin vitroで生じる。セクシュアルPCR変異導入は例えば以下に記載されている:Stemmer (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:10747-10751。簡単に記せば、前記の方法では、組換えられるべき複数の核酸をDNaseで消化して平均サイズが50−200ヌクレオチドのフラグメントを生成する。所望の平均サイズをもつフラグメントを精製し、PCR混合物に再懸濁する。PCRは、前記核酸フラグメント間の組換えが促進される条件下で実施される。PCRは、例えば以下によって実施できる:前記精製フラグメントを10−30ng/μLの濃度で溶液(0.2Mの各dNTP、2.2mMのMgCl2、50mMのKCl、10mMのトリス塩酸(pH9.0)及び0.1%トリトンX-100)に再懸濁する。100μLの反応混合物につき2.5単位のTaqポリメラーゼを添加し、PCRを以下の方式を用いて実施する:94℃60秒、94℃30秒、50−55℃30秒、72℃30秒(30−45回)及び72℃で5分。しかしながら前記パラメーターは適宜変動させることができることは理解されよう。いくつかの特徴では、オリゴヌクレオチドをPCR反応に含ませることができる。他の特徴では、DNAポリメラーゼIのクレノーフラグメントをPCR反応の最初のセットで用い、Taqポリメラーゼをその後のPCR反応セットで用いることができる。組換え配列を単離し、それらがコードするポリペプチドの活性を評価する。
変種はまたin vivo変異導入によって作出することができる。いくつかの特徴では、細菌株(例えば大腸菌株)で関心のある配列を増殖させることによって、関心のある配列中でランダム変異が生成される。前記大腸菌株はDNA修復経路の1つ又は2つ以上に変異を含む。そのような“ミューテーター”株は野生型の親よりも高いランダム変異率を有する。これらの株の1つでDNAを増殖させることによって、最終的にはDNA内部にランダム変異が生成されるであろう。in vivo変異導入に使用するために適したミューテーター株は例えばPCT公開広報WO91/16427(1991年10月31日公開、発明の名称”Methods for Phenotype Creation from Multiple Gene Populations”)に記載されている。
変種はまたカセット変異導入を用いて生成することができる。カセット変異導入では、二本鎖DNA分子の小さな領域が、天然の配列とは異なる合成オリゴヌクレオチド“カセット”で置き換えられる。前記オリゴヌクレオチドはしばしば完全に及び/又は部分的に任意抽出された天然の配列を含む。
再帰的アンサンブル変異導入もまた変種の作出に用いることができる。再帰的アンサンブル変異導入は、表現型が関連性をもつ変異体の多様化集団(そのメンバーはアミノ酸配列が異なる)を生成するために開発されたタンパク質工学(タンパク質変異導入)のためのアルゴリズムである。前記方法はフィードバックメカニズムを用いて、コンビナトリアルカセット変異導入(combinatorial cassette mutagenesis)の連続一巡工程を制御する。再帰的アンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:Arkin (1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:7811-7815。
いくつかの特徴では、変種はエクスポネンンシャルアンサンブル変異導入を用いて生成される。エクスポネンンシャルアンサンブル変異導入は、高い割合の固有で機能的な変異体を含むコンビナトリアルなライブラリーを作出する方法である。前記変異導入では、残基の小グループが並行して任意抽出され、機能的タンパク質を生じるアミノ酸がそれぞれ変更された位置で同定される。エクスポネンンシャルアンサンブル変異導入は例えば以下に記載されている:S. Delagrave and D.C. Youvan, (1993) Biotechnology Res. 11:1548-1552。ランダムな変異導入及び部位特異的変異導入は例えば以下に記載されている:F. H. Arnold, (1993) Current Opinion in Biotechnology 4:450-455。
いくつかの特徴では変種はシャッフリングの方法によって生成される。前記では、別個のポリペプチドをコードする複数の核酸の部分が融合され、例えば米国特許第5,965,408号(1996年7月9日出願、発明の名称”Methods of DNA Reassembly by Interrupting Synthesis”)、及び同第5,939,250号(1996年5月22日出願、発明の名称"Production of Enzymes Having Desirede Activities by Mutagenesis”)に記載されたようなキメラポリペプチドをコードするキメラ核酸配列が生成される。
本発明のポリペプチドの変種は、本発明の配列のポリペプチドの1つ又は2つ以上のアミノ酸残基が保存又は非保存アミノ酸残基(ある特徴では保存アミノ酸残基)で置換された変種であり得る。さらにそのような置換アミノ酸残基は遺伝暗号によってコードされるものでも、そうでないものでもよい。
本発明は、本発明のポリペプチド(及びそれらをコードする核酸)のまた別の実施態様を提供し、前記は、本明細書に記載するように少なくとも1つの保存的アミノ酸置換を含む(例えば保存的アミノ酸置換は、同様な特徴を有する別のアミノ酸によってポリペプチド内のあるアミノ酸が置換されるものである)。本発明は、任意のアミノ酸残基、いくつかのアミノ酸残基又は全てのアミノ酸残基が同様な特徴を有するまた別のアミノ酸によって置換された(例えば保存的アミノ酸置換)ポリペプチド(及びそれらをコードする核酸)を提供する。
保存的置換は、同様な特徴を有する別のアミノ酸によってポリペプチド内のあるアミノ酸が置換されるものである。保存的置換として典型的に観察されるものは以下の置換である:脂肪族アミノ酸(例えばアラニン、バリン、ロイシン及びイソロイシン)の別の脂肪族アミノ酸による置換;セリンのスレオニンによる置換又はその逆;酸性残基(例えばアスパラギン酸及びグルタミン酸)の別の酸性残基による置換;アミド基をもつ残基(例えばアスパラギン及びグルタミン)の別のアミド基をもつ残基による置換;塩基性残基(例えばリジン及びアルギニン)の別の塩基性残基による交換;及び芳香族残基(例えばフェニルアラニン、チロシン)の別の芳香族残基による置換。また別の特徴では、これらの保存的置換はまたこれらアミノ酸の合成等価物によるものでもよい。
他の変種は、本発明のポリペプチドの1つ又は2つ以上のアミノ酸残基が置換基を含む変種である。
さらに他の変種は、前記ポリペプチドが別の化合物、例えば前記ポリペプチドの半減期を増加させる化合物(例えばポリエチレングリコール)と結合しているものである。
さらに別の変種は、さらに追加のアミノ酸が前記ポリペプチドに融合されているものである。前記追加されるアミノ酸は例えばリーダー配列、分泌配列、プロプロテイン配列又は前記ポリペプチドの精製、濃縮又は安定化を促進する配列である。
いくつかの特徴では、その変種、フラグメント、誘導体及び類似体は、本発明のポリペプチドと同じ生物学的機能又は活性を保持している。他の特徴では、前記変種、フラグメント、誘導体又は類似体は、そのプロプロテイン部分の切断によって前記変種、フラグメント、誘導体又は類似体が活性化されて活性なポリペプチド生成することができるようなプロプロテインを含む。
宿主細胞における高レベルのタンパク質発現を達成するためのコドンの最適化
本発明は、コドン使用頻度を改変することによって、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸を改変する方法を提供する。ある特徴では、本発明は、ポリペプチドをコードする核酸のコドンを改変して宿主細胞でその発現を増加又は減少させる方法を提供する。本発明はまた、宿主細胞におけるその発現を高めるために改変された、葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドをコードする核酸、そのように改変された酵素、及び前記改変された葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドを作成する方法を提供する。前記方法は、”非優先”又は“低優先”コドンを酵素コード核酸中で同定し、さらにこれら非優先もしくは低優先コドンの1つ又は2つ以上を、前記コドンと同じアミノ酸をコードする“優先コドン”で置き換えることを含み、核酸内の少なくとも1つの非優先又は低優先コドンが同じアミノ酸をコードする好ましいコドンによって置き換えられてある。優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度に提示されるコドンであり、非優先又は低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度で提示されるコドンである。
本発明の核酸、発現カセット及びベクターの発現のための宿主細胞には細菌、酵母、菌類、植物細胞、昆虫細胞及び哺乳動物細胞が含まれる。したがって、本発明はこれら全ての細胞でコドン使用頻度を最適化する方法、コドン改変核酸及びコドン改変核酸によって生成されるポリペプチドを提供する。例示的な宿主細胞には、グラム陰性細菌(例えば大腸菌);グラム陽性細菌(例えばストレプトミセス、ラクトバチルス・ガッセリ(Lactobacillus gasseri)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ラクトコッカス・クレモリス(Lactococcus cremoris)、バチルス種、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)が含まれる。例示的な宿主細胞はまた真核生物、例えば種々の酵母、例えばサッカロミセス種(サッカロミセス・セレビシアエを含む)、シゾサッカロミセス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)及びクルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、アスペルギルス・ニゲル、並びに哺乳動物細胞及び細胞株、並びに昆虫細胞及び細胞株が含まれる。したがって、本発明はまた前記生物及び種での発現のために最適化された核酸及びポリペプチドを含む。例えば、本発明の核酸は、宿主細胞、例えばピキア種(例えばP.パストリス)、サッカロミセス種又はバチルス種、ストレプトミセス種などでの発現のためにコドンが最適化されている。
例えば、細菌細胞から単離された本発明のポリペプチド又は同様な酵素をコードする核酸のコドンは、前記酵素(例えば本発明のポリペプチド)が由来した細菌とは異なる細菌細胞、酵母、菌類、植物細胞、昆虫細胞又は哺乳動物細胞で前記核酸(酵素をコードする)が最適に発現できるように改変される。コドンを最適化する方法は当業界において周知で、例えば以下を参照されたい:米国特許5,795,737号;Baca (2000) Int. J. Parasitol. 30:113-118;Hale (1998) Protein Expr. Purif. 12:185-188;Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253。さらにまた以下を参照されたい:Narum (2001) Infect. Immun. 69:7250-7253(マウス系におけるコドンの最適化を記載);Outchkourov (2002) Protein Expr. Purif. 24:18-24(酵母におけるコドンの最適化を記載);Feng (2000) Biochemistry 39:15339-15409(大腸菌におけるコドンの最適化を記載);Humphreys (2000) Protein Expr. Purif. 20:252-264(大腸菌における分泌に影響するコドン使用頻度の最適化を記載);Gao (2004) Biotechnol Prog. 20:443-448(“UpGene”、ウェッブによるDNAコドン最適化アルゴリズムの適用を記載)。
トランスジェニック非ヒト動物
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド、発現カセット若しくはベクター、又はトランスフェクトされた若しくは形質転換された細胞を提供する。本発明はまた、これらのトランスジェニック非ヒト動物の作成方法及び使用方法を提供する。
前記トランスジェニック非ヒト動物は、例えば、本発明の核酸を含むヤギ、ウサギ、ヒツジ、ブタ、乳牛、ラット及びマウスでありうる。これらの動物は、例えば酵素活性を調べるin vivoモデルとして、又は前記酵素活性を変化させる薬剤をin vivoでスクリーニングするモデルとして用いることができる。トランスジェニック非ヒト動物で発現されるべきポリペプチドのコード配列は、構成的であるように、又は組織特異的、生育特異的もしくは誘導性調節因子の制御下にあるように設計することができる。トランスジェニック非ヒト動物は当業界で公知の任意の方法を用いて設計及び作成することができる。例えば以下を参照されたい:米国特許第6,211,428号;6,187,992号;6,156,952号;6,118,044号;6,111,166号;6,107,541号;5,959,171号;5,922,854号;5,892,070号;5,880,327号;5,891,698号;5,639,940号;5,573,933号;5,387,742号;5,087,571(形質転換細胞及び卵並びにトランスジェニックマウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ及びウシの作成及び使用について記載されている)。さらにまた例えば以下を参照されたい:Pollock (1999) J. Immunol. Methods 231:147-157(トランスジェニック乳牛のミルク中の組換えタンパク質の製造について記載);Baguisi (1999) Nat. Biotechnol. 17:456-461(トランスジェニックヤギの作製を示す)。米国特許第6,211,428号は、DNA配列を含む核酸構築物をその脳で発現する非ヒトトランスジェニック哺乳動物の作成及び使用について記載している。米国特許第5,387,742号は、クローン化組換え又は合成DNA配列の受精マウス卵への注入、前記注入卵の偽妊娠雌への移植及び、アルツハイマー病関連タンパク質をその細胞が発現するトランスジェニックマウスの妊娠期間満了までの発生について記載している。米国特許第6,187,992号は、そのゲノムがアミロイド前駆体(APP)をコードする遺伝子の破壊を含むトランスジェニックマウスの作成及び使用を記載している。
“ノックアウト動物”もまた本発明の方法の実施に用いることができる。例えば、ある特徴では、本発明のトランスジェニック又は改変動物は“ノックアウト動物”、例えば内因性遺伝子を発現しないように操作された“ノックアウトマウス”を含み、前記は、本発明の酵素を発現する遺伝子、又は本発明の酵素を含む融合タンパク質で置き換えられている。
トランスジェニック植物及び種子
本発明は、本発明の核酸、ポリペプチド(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチド)、発現カセット若しくはベクター、又は形質転換細胞を含むトランスジェニック植物及び種子を提供する。本発明はまた、本発明の核酸及び/又はポリペプチドを含む植物生成物、例えば種子、葉、抽出物などを提供する。前記トランスジェニック植物は双子葉植物でも又は単子葉植物でもよい。本発明はまた前記トランスジェニック植物及び種子の製造方法及び使用方法を提供する。本発明のポリペプチドを発現するトランスジェニック植物又は植物細胞は当業界で公知の任意の方法にしたがって構築できる。例えば米国特許第6,309,872号を参照されたい。
本発明の核酸及び発現構築物は任意の手段によって植物細胞に導入できる。例えば、核酸又は発現構築物は所望の植物宿主のゲノムに導入することができるが、また前記核酸又は発現構築物はエピソームであってもよい。所望の植物のゲノム中への導入は、前記が組み込まれるかエピソームであるかにかかわらず、宿主の内因性転写又は翻訳制御エレメントが前記導入核酸の活性を調節できるようなものでありうる。本発明はまた、遺伝子配列の挿入が例えば相同組換えによって内因性遺伝子の発現を破壊した“ノックアウト植物”を提供する。“ノックアウト”植物を作成する手段は当業界で周知であり、例えば以下を参照されたい:Strepp (1998) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 95:4368-4373; Miao (1995) Plant J. 7:359-365。下記のトランスジェニック植物についての考察を参照されたい。
本発明の核酸を用いて、所望の属性を本質的に任意の植物(例えば澱粉生成植物、例えばジャガイモ、コムギ、イネ、オオムギなど)に付与することができる。本発明の核酸を用いて植物の代謝経路を操作し、本発明のポリペプチド又は相同な酵素の宿主での発現を最適化又は変化させることができる。これによって、酵素(例えばクロロフィラーゼ)活性又は生合成経路の生成物(葉緑素分解経路)を前記植物で変化させることができる。また別には、本発明の酵素又は核酸をトランスジェニック植物の製造に用いて、前記植物によって天然に産生することができない化合物を製造することができる。これによって製造コストを下げるか、又は新規な生成物を製造することができる。
ある特徴では、トランスジェニック植物製造の第一の工程は、植物細胞での発現のための発現構築物を作製することを含む。これらの技術は当業界では公知である。これらにはプロモーターの選別及びクローニング、リボソームのmRNAへの効率的な結合を促進するためのコード配列及び適切な遺伝子ターミネーター配列の選別が含まれる。例示的な構成的プロモーターの1つはカリフラワーモザイクウイルスに由来するCaMV35Sであり、これは一般的な植物で高度な発現をもたらす。他のプロモーターはより特異的であり、植物の内部環境又は外部環境の合図に反応する。例示的な光誘導性プロモーターは、主要な葉緑素a/b結合タンパク質をコードするcab遺伝子に由来するプロモーターである。
ある特徴では、核酸は改変されて植物細胞でのより強い発現が達成される。例えば、本発明の配列は植物で認められるA-Tヌクレオチド対の割合と比較して高いA-Tヌクレオチド対をもつ可能性が高い(植物のいくつかはG-Cヌクレオチド対を好む)。したがって、コード配列内のA-Tヌクレオチドを、アミノ酸配列を顕著に変化させることなくG-Cヌクレオチドに置換して、植物細胞における遺伝子生成物の産生を高めることができる。
選別可能なマーカー遺伝子を遺伝子構築物に付加し、トランスジーンを組み込むことに成功した植物細胞又は組織を同定することができる。これは、植物細胞での遺伝子の取り込み及び発現の達成が稀な事象であり、標的組織又は細胞のわずかな割合で生じるだけであるので必要であろう。選別可能なマーカー遺伝子は、通常は植物にとって有毒である物質(例えば抗生物質又は除草剤)に対して耐性を提供するタンパク質をコードする。前記適切な抗生物質又は除草剤を含む培地で増殖させたとき、選別可能なマーカー遺伝子を組み込んだ植物細胞だけが生存するであろう。他の挿入遺伝子の場合のように、マーカー遺伝子もまた適切な機能のためにプロモーター及びターミネーター配列を必要とする。
ある特徴では、トランスジェニック植物又は種子の作成は、本発明の配列及び場合によってマーカー遺伝子の標的発現構築物(例えばプラスミド)への取り込みをプロモーター及びターミネーター配列の適切な配置とともに含む。前記は、適切な方法により改変遺伝子を前記植物に移すことを必要とするであろう。例えば、構築物は植物細胞のゲノムDNAに、例えば植物細胞のプロトプラストのエレクトロポレーション及びマイクロインジェクションのような技術を用いて直接導入することができる。又は、構築物は弾道的方法(例えばDNA粒子ボンバードメント)を用いて植物組織に直接導入することもできる。例えば以下を参照されたい:Christou (1997) Plant Mol. Biol. 35:197-203; Pawlowski (1996) Mol. Biotechnol. 6:17-30; Klein (1987) Nature 327:70-73; Takumi (1997) Genes Genet. Syst. 72:63-69(トランスジーンのコムギへの導入のための粒子ボンバードメントの使用を考察する);及びAdam (1997)(上掲書)(YACの植物細胞への導入のための粒子ボンバードメントの使用について記載)。例えばRinehart (1997)(上掲書)は粒子ボンバードメントを用いてトランスジェニックな綿植物を生成した。粒子を加速する装置は米国特許第5,015,580号に記載されており、さらにBioRad(Biolistics)PDS-2000粒子加速装置が市販されている。さらに以下もまた参照されたい:米国特許第5,608,148号(John);及び米国特許第5,681,730号(Ellis)(裸子植物の粒子仲介形質転換を記載している)。
ある特徴では、プロトプラストを固定し、核酸(例えば発現構築物)を注入することができる。プロトプラストから植物を再生させることは穀類では容易ではないが、マメ類では体細胞の胚形成を用いてプロトプラスト由来カルスから植物の再生が可能である。器官を形成した組織を遺伝子銃技術を用いて裸のDNAで形質転換することができる。この場合、DNAはタングステンの微小発射体上に被覆され、細胞のサイズの1/100に発射される。前記発射体はDNAを細胞及び細胞内小器官の奥深くに運ぶ。続いて形質転換組織を再生のために誘導する(通常は体細胞胚形成による)。この技術はいくつかの穀類種(トウモロコシ及びイネを含む)で成功した。
核酸、例えば発現構築物は組換えウイルスを用いて植物細胞に導入することもできる。植物細胞はウイルスベクター、例えばタバコモザイクウイルス由来ベクターを用いて形質転換することができる(Rouwendal (1997) Plant Mol. Biol. 33:989-999)。以下を参照されたい:”Use of viral replicons for the expression of genes in plants”, Mol. Biotechnol. 5:209-221。
また別には、核酸(例えば発現構築物)を適切なT-DNAフランキング領域と結合させて、一般的なアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主ベクターに導入することができる。アグロバクテリウム・ツメファシエンスのビルレンス機能は、細胞が前記細菌に感染したとき植物細胞DNAに前記構築物及び隣接するマーカーの挿入を誘導するであろう。アグロバクテリウム・ツメファシエンス仲介形質転換技術(バイナリーベクターの無毒化及び使用を含む)は学術文献に詳しく記載されている。例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496-498; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803;Gene Transfer to Plants, Potrykus, ed. (Springer-Verlag, Berlin 1995)。アグロバクテリウム・ツメファシエンスの細胞中のDNAは細菌の染色体及び、Ti(腫瘍誘導;tumor-inducing)プラスミドとして知られている別の構造物中に含まれている。Tiプラスミドは、T-DNA(約20kbの長さ)と称される一続きのDNA(感染過程で植物細胞に移される)及び一連のvir(virulence、ビルレンス)遺伝子(関連過程を誘導する)を含む。アグロバクテリウム・ツメファシエンスは創傷からのみ植物に感染する。植物の根又は茎が傷を受けたとき、植物はある種の化学的シグナルを発し、それに応答してアグロバクテリウム・ツメファシエンスのvir遺伝子は活性化され、TiプラスミドのT-DNAの植物染色体への移転に必要な一連の事象を誘導する。続いてT-DNAは創傷から植物細胞に進入する。1つの推測は、T-DNAは、植物DNAが複製又は転写されるまで待機し、続いて自身を裸の植物DNAに挿入するということである。アグロバクテリウム・ツメファシエンスをトランスジーンベクターとして使用するために、T-DNAの腫瘍誘導部分を除去し、一方T-DNAボーダー領域及びvir遺伝子は維持する必要がある。続いてトランスジーンをT-DNAボーダー領域間に挿入する(前記領域でトランスジーンは植物細胞に移され、植物染色体に組み込まれる)。
本発明は、本発明の核酸を用いる単子葉植物(重要な穀類を含む)の形質転換を提供する(Hiei (1997) Plant Mol. Biol. 35:205-218)。さらにまた、例えば以下を参照されたい:Horsch (1984) Science 233:496; Fraley (1983) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 80:4803; Thykjaer (1997) 上掲書; Park (1996) Plant Mol. Biol. 32:1135-1148(ゲノムDNAへのT-DNAの組み込みについて考察する)。さらにまた以下を参照されたい:米国特許第5,712,135号(D'Halluin)(穀類又は他の単子葉植物の細胞内で機能を有する遺伝子を含むDNAの安定な組み込みのための方法を開示する)。
ある特徴では、第三の工程は、取り込まれた標的遺伝子を次の世代に伝達することができる植物体の選別及び再生を含むことができる。そのような再生技術は、組織培養の増触培地での一定の表現型の操作を必要とし、典型的には所望のヌクレオチド配列と一緒に導入された有毒物質及び/又は除草剤マーカーを必要とする。培養プロトプラストから植物を再生することについては以下に記載されている:Evans et al., Protoplast Isolation and Culture, Handbook of Plant Cell Culture, pp.124-176, MacMillilan Publishing Company, New York, 1983; Binding, Regenration of Plants, Plant Protoplasts, pp. 21-73, CRC Press, Boca Raton, 1985。再生はまた植物カルス、外植片、器官又はその部分からも得ることができる。そのような再生技術は一般的には以下に記載されている:Klee (1987) Ann. Rev. of Phys. 38:467-486。トランスジェニック組織(例えば未熟胚)から植物体を得るために、前記胚を栄養及びホルモンを含む一連の培養液中で環境制御条件下(組織培養として公知の方法)で増殖させることができる。いったん植物体が生成され種子が生じたら、子孫の評価が開始される。
発現カセットがトランスジェニック植物に安定的に取り込まれた後、前記カセットは有性交配によって他の植物に導入することができる。交配される種に応じて、多くの標準的育種技術のいずれも用いることができる。本発明の核酸のトランスジーン発現は表現型の変化を生じるので、本発明の組換え核酸を含む植物を第二の植物と有性交配して最終生成物を得ることができる。したがって、本発明の種子は、本発明の2つのトランスジェニック植物間の交配、又は本発明の植物と他の植物間の交配から誘導することができる。所望の効果(例えば本発明のポリペプチドの発現が開花及び結実の態様が変化した植物を生じる)は、両方の親植物が本発明のポリペプチドを発現するときに強化される。所望の効果は将来の植物世代に標準的な繁殖手段によって伝えることができる。
本発明の核酸及びポリペプチドは任意の植物又は種子で発現又は挿入される。本発明のトランスジェニック植物は双子葉植物でも単子葉植物でもよい。本発明のトランスジェニック単子葉植物の例は、牧草、例えばメドーグラス(meadow grass(ブルーグラス、Poa))、飼い葉用草類、例えばフェスチュカ(festuca)、ロリウム(lolium)、テンペレートグラス、例えばアグロスチス(Agrostis)及び穀類、例えばコムギ、エンバク、ライムギ、オオムギ、コメ、ソルガム及びトウモロコシ(コーン)である。本発明のトランスジェニック双子葉植物の例は、タバコ、豆類(例えばルピナス)、ジャガイモ、サトウダイコン、エンドウマメ、インゲンマメ及びダイズ、並びに十字架植物(Brassicaceae科)、例えばカリフラワー、ナタネ、及び近縁のモデル植物のシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)である。したがって、本発明のトランスジェニック植物及び種子には以下の属に由来する種を含む(ただしこれらに限定されない)広範囲の植物が含まれる:アナカルジウム(Anacardium)、アラキス(Arachis)、アスパラガス、アトロパ(Atropa)、アベナ(Avena)、ブラシッカ(Brassica)、シトラス、シトラルス(Citrullus)、カプシクム(Capsicum)、カルサムス(Carthamus)、ココス(Cocos)、コフェア(Coffea)、ククミス(Cucumis)、ククルビタ(Cuurbita)、ダウクス(Daucus)、エレイス(Elaris)、フラガリア(Fragaria)、グリシン(Glycine)、ゴッシピウム(Gossypium)、ヘリアンサス(Helianthus)、ヘテロカリス(Heterocallis)、ホルデウム(Hordeum)、ヒオシアムス(Hyoscyamus)、ラクツカ(Lactuca)、リヌム(Linum)、ロリウム(Lolium)、ルピナス、リコペルシコン(Lycopersicon)、マルス(Malus)、マニホット(Manihot)、マジョラナ(Majorana)、メディカゴ(Medicago)、ニコチアナ、オレア(Olea)、オリザ(Oryza)、パニエウム(Panieum)、パニセツム(Panisetum)、ペルセア(Persea)、ファセオルス(Phaseolus)、ピスタキア(Pistachia)、ピスム(Pisum)、ピルス(Pyrus)、プルヌス(Prunus)、ラファヌス(Raphanus)、リシヌス(Ricinus)、セカレ(Secale)、セネシオ(Senecio)、シナピス(Sinapis)、ソラナム(Solanum)、ソルガム(Sorghum)、テオブロムス(Theobromus)、トリゴネラ(Trigonella)、トリチクム(Triticum)、ビシア(Vicia)、ビチス(Vitis)、ビグナ(Vigna)、及びゼア(Zea)。
また別の実施態様では、本発明の核酸は、繊維細胞を含む植物(綿、シルクコットンツリー(Kapok、Ceiba pentandra)、ヤナギ(desert willow)、クレオソートブッシュ、ウィンターファット、バルサ、カラムシ、ケナフ、アサ、ロゼレ(roselle)、ジュート、サイザル(sisal abaca)及びアマを含む)で発現される。また別の実施態様では、本発明のトランスジェニック植物はゴシピウム(Gossypium)属のメンバー(一切のゴシピウム種のメンバー、例えばG.アルボレウム(arboreum); G. ヘルバセウム(herbaceum); G. バルバデンス(barbadense); G. ヒルスタム(hirsutum)を含む)でありうる。
本発明はまた、大量の本発明のポリペプチド(例えば酵素又は抗体)を製造するために用いることができるトランスジェニック植物を提供する。例えば以下を参照されたい:Palmgren (1997) Trends Genet. 13:348; Chong (1997) Transgenic Res. 6:289-296(オーキシン誘導性二方向性マンノピンシンターゼ(mas1',2')プロモーターを用い、アグロバクテリウム・ツメファシエンス仲介リーフディスク形質転換法により母乳タンパク質のベータカゼインのトランスジェニックなジャガイモによる生産を記載)。
公知の方法を用いて、当業者は、形質導入植物でトランスジーンのmRNA又はタンパク質の増減を検出することによって本発明の植物をスクリーニングすることができる。mRNAの検出及び定量手段は当業界で周知である。
ポリペプチド及びペプチド
ある特徴では、本発明は、本発明の例示的な配列、例えば配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20に示される配列を有するタンパク質に対して配列同一性(例えば少なくとも約50%、51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%若しくはそれより高いか、又は完全な(100%)配列同一性)を有する単離された合成又は組換えポリペプチドを提供する。
ある特徴では、本発明のポリペプチドは、エステラーゼ活性、例えばクロロフィラーゼ(chlアーゼ)活性を有するか、又は葉緑素分子の酵素的改変(例えば葉緑素分子の異化作用を含む)を含む酵素活性を有する。ある特徴では、前記エステラーゼ活性は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ活性を含む。
本発明のまた別の特徴では、本発明のポリペプチド若しくはペプチド配列、前記と実質的に同一の配列、及び前記と相補的な配列の連続する少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95若しくは100又はそれより大きい塩基を含む単離された合成又は組換えポリペプチド又はペプチドが提供される。前記ペプチドは、例えば免疫原性フラグメント、モチーフ(例えば結合部位)、シグナル配列、プレプロ配列又は触媒ドメイン若しくは活性部位でありうる。
本発明はまた、本発明の少なくとも2つの酵素又はその部分配列(例えば活性部位又は触媒ドメイン(CD))を含むキメラポリペプチド(及びそれらをコードする核酸)を提供する。本発明のキメラタンパク質(例えば融合タンパク質又は他のヘテロダイマー、例えば他の手段(例えばリンカー又は静電気的)によって結合した2つのドメイン)は、本発明の1つのポリペプチド(例えば活性部位又は触媒ドメインペプチド)及び本発明のまた別のポリペプチド(例えば活性部位又は触媒ドメインペプチド)又は他のポリペプチドを含むことができる。例えば、本発明のキメラタンパク質は、葉緑素の異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性(例えば上記に記載されたように)を有するポリペプチドの任意の活性を有しうる。ある特徴では、本発明のキメラタンパク質はドメインの融合を含むことができる。例えばただ1つのドメインが、1つの活性又は任意の活性の組合せを示すことができる。
本発明のポリペプチドは活性形又は不活性形の酵素を含む。例えば、本発明のポリペプチドはプレプロ配列の“成熟”又はプロセッシング前の前タンパク質を含み、前記は、例えば前タンパク質処理酵素(例えば前タンパク質コンバターゼ)によって処理されて“活性な”成熟タンパク質を生じる。本発明のポリペプチドには、他の理由のために(例えば翻訳後プロセッシング事象(例えばエンド-若しくはエキソ-ペプチダーゼ又はプロテイナーゼ作用)による“活性化”の前、リン酸化事象、アミド化、グリコシル化又は硫酸化、ダイマー形成事象など)、不活性な酵素が含まれる。本発明のポリペプチドは、酵素の全ての活性形(活性な部分配列(例えば触媒ドメイン又は活性部位)を含む)を含む。
“プレプロ”ドメイン配列及びシグナル配列を同定する方法は当業界で周知である(例えば以下を参照されたい:Van de Ven (1993) Crit. Rev. Oncog. 4(2):115-136)。例えば、プレプロ配列を同定するために、タンパク質を細胞外間隙から精製し、N-末端タンパク質配列を決定し、未処理形と比較する。
本発明には、シグナル配列及び/又はプレプロ配列をもつポリペプチド又はもたないポリペプチドが含まれる。本発明には、異種シグナル配列及び/又はプレプロ配列をもつポリペプチドが含まれる。前記プレプロ配列(異種プレプロドメインとして用いられる本発明の配列を含む)は、前記タンパク質のアミノ末端又はカルボキシ末端又は両端に存在することができる。本発明にはまた、本発明の配列を含む単離又は組換えシグナル配列、プレプロ配列及び触媒ドメイン(例えば“活性部位”)が含まれる。
パーセント配列同一性はポリペプチドの完全長に及ぶことができる。または、同一性は、少なくとも約50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700又はそれより大きい残基の領域に及ぶことができる。本発明のポリペプチドはまた例示的ポリペプチドの完全長より短くてもよい。また別の特徴では、本発明は、ポリペプチド(例えば本発明の酵素)の約5から完全長の範囲のサイズのポリペプチド(ペプチド、フラグメント)を提供し、例示的サイズは約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700又はそれより大きい残基(例えば本発明の例示的酵素の連続する残基)である。
本発明のペプチド(例えば本発明の例示的ポリペプチドの部分配列)は、例えば標識用プローブ、抗原、寛容原、モチーフ、酵素活性部位(例えば本発明の酵素の“触媒ドメイン”)、本発明の酵素の結合部位、シグナル配列及び/又はプレプロドメインとして有用でありうる。
本発明のポリペプチド及びペプチドは天然の供給源から単離することができるが、また合成又は組換えによって生成されるポリペプチドであってもよい。ペプチド及びタンパク質は組換えによってin vitro又はin vivoで発現することができる。本発明のペプチド及びポリペプチドは当分野で公知の任意の方法を用いて作成及び単離することができる。本発明のポリペプチド及びペプチドはまた、全体又は部分を当分野で周知の化学的方法を用いて合成することもできる。例えば以下を参照されたい:Caruthers (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 215-223;Horn (1980) Nucleic Acids Res. Symp. Ser. 225-232;A.K. Banga, Therapeutic Peptides and Proteins, Formulation, Processing and Delivery Systems (1995) Technomic Publishing Co., Lancaster, PA。例えばペプチド合成は種々の固相技術を用いて実施でき(例えば以下を参照されたい:Roberge (1995) Science 269:202;Merrifield (1997) Methods Enzymol. 289:3-13)、さらにABI431Aペプチド合成装置(Perkin Elmer)を製造業者によって提供される指示にしたがって用いて、自動合成を実施することができる。
本発明のペプチド及びポリペプチドはまたグリコシル化することができる。グリコシル化は化学的又は細胞の生合成メカニズムによって翻訳後に実施することができる(後者は公知のグリコシル化モチーフの使用を含む)。前記グリコシル化は前記配列にとって天然であってもよいが、又はペプチドとして添加しても、核酸コード配列で添加してもよい。前記グリコシル化はO-結合でもN-結合でもよい。
本発明のペプチド及びポリペプチドは(上記で定義されたように)、全ての“模倣体”及び“ペプチド模倣体”形を含む。“模倣体”及び“ペプチド模倣体”という用語は、実質的に本発明のポリペプチドと同じ構造及び/又は機能的特徴を有する合成化学物質を指す。前記模倣体は完全に合成された非天然アミノ酸類似体で構成されているか、又は部分的に天然のペプチドアミノ酸及び部分的に非天然のアミノ酸類似体のキメラ分子である。前記模倣体はまた、任意の量の天然アミノ酸の保存的置換を含むことができるが、ただしそのような置換が前記模倣体の構造及び/又は活性を実質的に変化させない場合に限られる。保存的変種である本発明のポリペプチドに関しては、日常的な実験によって模倣体が本発明の範囲内に包含されるものであるか否か、すなわちその構造及び/又は機能が実質的に改変されていないかどうかが決定されるであろう。ある特徴では、模倣体組成物は、本発明の組成物、細胞系又はプロセスにおいて用いられる(例えば少なくとも1つの本発明の酵素を発現するプラスミドを有する宿主細胞)。
本発明のポリペプチド模倣体組成物は任意の組合せの非天然成分を含むことができる。また別の特徴では、本発明の模倣体組成物は以下の3つの構造群の1つ又は全てを含む:a)天然のアミド結合(“ペプチド結合”)以外の残基結合群;b)天然に存在するアミノ酸残基の代わりに非天然残基;c)二次構造模倣を誘導する(すなわち二次構造、例えばベータターン、ガンマターン、ベータシート、アルファヘリックス構造を誘導又は安定化させる)残基。例えば本発明のポリペプチドは、その残基の全て又はいくつかが天然のペプチド結合以外の化学的手段によって結合されるとき模倣体と特徴付けることができる。個々のペプチド模倣体残基は、ペプチド結合、他の化学的結合、又はカップリング手段、例えばグルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、二官能基性マレイミド、N,N'-ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)又はN,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)によって結合される。通常のアミド結合(“ペプチド結合”)の代用となることができる結合基には例えば以下が含まれる:ケトメチレン(例えば-C(=O)-NH-の代わりに-C(O=)-CH2-)、アミノメチレン(CH2-NH)、エチレン、オレフィン(CH=CH)、エーテル(CH2-O)、チオエーテル(CH2-S)、テトラゾール(CN4)、チアゾール、レトロアミド、チオアミド又はエステル(例えば以下を参照されたい:Spatola (1983) Chemistry and Biochemistry of Amino Acids, Peptides and Proteins, Vol.7, pp267-357, "Peptide Backbone Modifications”, Marcell Dekker, NY)。
本発明のポリペプチドはまた、天然に存在するアミノ酸残基の代わりに全て又はいくつかの非天然の残基が含まれることによって模倣体と特徴付けられる。非天然残基は学術文献及び特許文献に詳しく記載されている。天然のアミノ酸残基の模倣体として有用な例示的な非天然組成物のいくつか及び基準は以下で述べる。芳香族アミノ酸の模倣体は、例えば以下によって置き換えることによって生成することができる:D-又はL-ナフチルアラニン;D-又はL-フェニルグリシン;D-又はL-2チエネイルアラニン;D-又はL-1、-2,3-、又は4-ピレネイルアラニン;D-又はL-3チエネイルアラニン;D-又はL-(2-ピリジニル)-アラニン;D-又はL-(3-ピリジニル)-アラニン;D-又はL-(2-ピラジニル)-アラニン;D-又はL-(4-イソプロピル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルグリシン;D-(トリフルオロメチル)-フェニルアラニン;D-p-フルオロ-フェニルアラニン;D-又はL-p-ビフェニルフェニルアラニン;D-又はL-p-メトキシ-ビフェニルフェニルアラニン;D-又はL-2-インドール(アルキル)アラニン;及びD-又はL-アルキルアラニン(前記アルキルはメチル、エチル、プロピル、ヘキシル、ブチル、ペンチル、イソプロピル、iso-ブチル、sec-イソチル、iso-ペンチル又は非酸性アミノ酸で置換できるがまた置換されてなくてもよい)。非天然アミノ酸の芳香環には、例えばチアゾリル、チオフェニル、ピラゾリル、ベンゾイミダゾリル、ナフチル、フラニル、ピロリル及びピリジル芳香環が含まれる。
酸性アミノ酸の模倣体は、例えば陰性荷電を維持している非カルボキシレートアミノ酸、(ホスホノ)アラニン、硫酸スレオニンによって置換することにより生成できる。カルボキシル側鎖基(例えばアスパルチル又はグルタミル)はまた、カルボジイミド(R'-N-C-N-R')、例えば1-シクロヘキシル-3(2-モルホリニル-(4-エチル)カルボジイミド又は1-エチル-3(4-アゾニア-4,4-ジメソールペンチル)カルボジイミドとの反応によって選択的に改変することができる。アスパルチル又はグルタミルもまた、アンモニウムイオンとの反応によってアスパラギニル及びグルタミニル残基に変換することができる。塩基性アミノ酸の模倣体は、(リジン及びアルギニンの他に)アミノ酸オルニチン、シトルリン又は(グアニジノ)-酢酸又は(グアニジノ)アルキル-酢酸(アルキルは上記で定義されたとおり)による置換によって生成することができる。ニトリル誘導体(例えばCOOHの代わりにCN-部分を含む)でアスパラギン又はグルタミンを置換することができる。アスパラギニル及びグルタミニル残基は、対応するアスパルチル又はグルタミル残基に脱アミノ化することができる。アルギニン残基模倣体は、アルギニルを例えば1つ又は2つ以上の通常の試薬(例えばフェニルグリオキサール、2,3-ブタンジオン、1,2-シクロ-ヘキサンジオン又はニンヒドリンを含む)と、好ましくはアルカリ性条件下で反応させることによって生成することができる。チロシン残基模倣体はチロシルを例えば芳香族ジアゾニウム化合物又はテトラニトロメタンと反応させることによって生成することができる。N-アセチルイミダゾール及びテトラニトロメタンを用いてO-アセチルチロシル種及び3-ニトロ誘導体をそれぞれ形成することができる。システイン残基模倣体は、システイニル残基を例えばアルファ-ハロアセテート(例えば2-クロロ酢酸又はクロロアセトアミド)及び対応するアミンと反応させてカルボキシメチル又はカルボキシアミドメチル誘導体を生成することによって達成できる。システイン残基模倣体はまた、システイン残基を例えばブロモ-トリフルオロアセトン、アルファ-ブロモ-ベータ-(5-イミドゾイル)プロピオン酸;クロロアセチルホスフェート、N-アルキルマレイミド、3-ニトロ-2-ピリジルジスルフィド;メチル2-ピリジルジスルフィド;p-クロロ水銀ベンゾエート;2-クロロ水銀-4-ニトロフェノール;又はクロロ-7-ニトロベンゾ-オキサ-1,3-ジアゾールと反応させることによって生成することができる。リジン模倣体は、リジニルをコハク酸又は他のカルボン酸無水物と反応させることによって(さらにアミノ末端残基を変化させることによって)生成することができる。リジン及び他のアルファ-アミノ含有残基模倣体はまた、イミドエステル、例えばメチルピコリンイミデート、ピリドキサールホスフェート、ピリドキサール、クロロボロハイドライド、トリニトロ-ベンゼンスルホン酸、O-メチルイソウレア、2,4-ペンタンジオンとの反応、及びグキオキシレートとのトランスアミダーゼ触媒反応によって生成することができる。メチオニンの模倣体は、例えばメチオニンスルホキシドとの反応によって生成することができる。プロリンの模倣体には、例えばピペコリン酸、チアゾリジンカルボン酸、3-又は4-ヒドロキシプロリン、デヒドロプロリン、3-又は4-メチルプロリン又は3,3-ジメチルプロリンが含まれる。ヒスチジン残基模倣体はヒスチジルを例えばジエチルプロカーボネート又はパラ-ブロモフェナシルブロミドと反応させることによって生成することができる。他の模倣体には、例えばプロリン及びリジンのヒドロキシル化;セリル又はスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化;リジン、アルギニン及びヒスチジンのアルファ-アミノ基のメチル化;N-末端アミンのアセチル化;主鎖アミド残基のメチル化又はN-メチルアミノ酸による置換;又はC-末端カルボキシル基のアミド化によって生成することができるものが含まれる。
本発明のポリペプチドの残基、例えばアミノ酸はまた反対のキラリティーをもつアミノ酸(又はペプチド模倣体残基)によって置換することができる。したがって、L型構造で天然に存在するいずれのアミノ酸(前記化学物質の構造に応じてR又はSとも呼ぶことができる)も、同じ化学構造型であるが反対のキラリティーのアミノ酸又はペプチド模倣体(D-アミノ酸と称されるが、またR-又はS-型とも称される)で置換することができる。
本発明はまた本発明のポリペプチドを、天然の過程(例えば翻訳後プロセッシング、例えばリン酸化、アセチル化など)又は化学的改変技術のどちらかによって改変する方法、及び生成された改変ポリペプチドを提供する。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖及びアミノ又はカルボキシル末端を含むポリペプチド内のいずれの場所でも生じることができる。あるポリペプチドで同じタイプの改変が同じ程度又は種々の程度でいくつかの部位で存在することができることは理解されよう。さらにまた与えられたポリペプチドが多くのタイプの改変を含むこともできる。改変には以下が含まれる:アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合による付加、ヘム成分の共有結合による付加、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合による付加、脂質又は脂質誘導体の共有結合による付加、ホスファチジルイノシトールの共有結合による付加、架橋環形成、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストリエーション、酸化、PEG化、タンパク分解プロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、及びタンパク質へのトランスファーRNA仲介アミノ酸付加、例えばアルギニル化。例えば以下を参照されたい:T.E. Creighton, Proteins-Structure and Molecular Properties 2nd Ed., W.H. Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp. 1-12 (1983)。
固相ペプチド化学合成法もまた本発明のポリペプチド又はフラグメントの合成に用いることができる。前記の方法は1960年代初頭より当分野で公知であり(R.B. Merrifield, J. Am. Chem. Soc. 85:2149-2154, 1963;さらにまた以下を参照されたい:J.M. Stewart and J.D. Young, Solid Phase Peptide Snthesis, 2nd Ed., Pierce Chemical Co., Rockford, Ill., pp.11-12)、さらに最近は市販の実験室ペプチド設計及び合成キット(Canbridge Research Biochemicals)で用いられている。そのような市販の実験室キットは一般的にはH.M. Geysenら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 81:3998 1984)の教示を利用し、多数の“ロッド”又は“ピン”(これらは全て一枚のプレートにつながっている)の先端でペプチドを合成させる。前記のような系を利用するときは、ロッド又はピンを含むプレートはさかさまにされ、対応するウェル又はレザーバーの第二のプレートに挿入される。前記ウェル又はレザーバーは適切なアミノ酸をピン又はロッドの先端に結合又は固着させるために溶液を含んでいる。そのような工程(すなわちロッド又はピンの先端をさかさまにして適切な溶液に挿入する工程)を繰り返すことによって、アミノ酸は所望のペプチドに構築される。さらにまた、多数のFMOCペプチド合成系が利用可能である。例えば、ポリペプチド又はフラグメントのアッセンブリはアプライドバイオシステムズ社のモデル431A(商標)自動ペプチド合成装置を用いて固相上で実施できる。前記のような装置は、直接合成又は一連のフラグメント(前記フラグメントは他の公知の技術を用いて結合させることができる)の合成によって本発明のペプチドの容易な入手を提供する。
本発明には、シグナル配列をもつ、又はシグナル配列をもたない本発明のポリペプチドが含まれる。本発明のシグナル配列を含むポリペプチドは、本発明のポリペプチドでも又は別のポリペプチドであってもよい。
本発明には、本発明の固定化されたポリペプチド(酵素、抗体及び前記のフラグメントを含む)が含まれる。本発明は、例えば負の優性変異体又は本発明の抗体を用いる、ポリペプチド活性を阻害する方法を提供する。本発明には、本発明の酵素を含むヘテロ複合体(例えば融合タンパク質、ヘテロダイマーなど)が含まれる。
本発明のポリペプチドは、種々の条件下で(例えば極端なpH及び/又は温度、酸化剤など)酵素活性を有することができる。本発明は、種々の触媒効率及び安定性(例えば温度、酸化剤及び洗浄条件の変化に対して)を有するまた別の酵素調製物をもたらす方法を提供する。ある特徴では、酵素変種は、位置特異的変異導入及び/又はランダム変異導入の技術を用いて作成することができる。ある特徴では、定方向進化を用い、また別の特異性及び安定性を有する極めて多様な酵素変種を作成することができる。
本発明のタンパク質はまた、酵素調節物質、例えば酵素活性の活性化物質又は阻害物質の同定のための研究用試薬として有用である。簡単に記せば、テストサンプル(化合物、ブロス、抽出物など)を酵素アッセイに添加し、基質の切断を阻害するそれらの活性を測定する。このようにして同定された阻害物質を工業及び研究で用いて、望ましくないタンパク質分解を低下又は防止することができる。酵素阻害物質を混合して活性スペクトルを広げることができる。
本発明はまた、本発明の核酸、ポリペプチド及び抗体を用いて本発明の酵素と類似の活性を有する新規な酵素を発見する方法を提供する。ある特徴では、新規酵素の発現を基準にしてファージミドライブラリーがスクリーニングされる。別の特徴では、新規酵素発現を基準にしてラムダファージライブラリーがスクリーニングされる。ファージ又はファージミドライブラリーのスクリーニングは、毒性クローンの検出、基質への接近の改善、高度操作の必要性の減少(ライブラリーの大量の排除により生じる全ての偏りの可能性を無視することによる)及び低いクローン密度でのより迅速な増殖を可能にすることができる。ファージ又はファージミドライブラリーのスクリーニングは液相でも固相でもよい。ある特徴では、本発明は液相でのスクリーニングを提供する。それによって、アッセイ条件でのより大きな融通性、追加される基質の融通性、弱いクローンに対するより高い感度及び固相スクリーニングを超える自動化の容易さが提供される。
本発明は、本発明のタンパク質及び核酸並びに機械による自動化を用いて、何千もの生触媒反応及びスクリーニングアッセイを短時間で(例えば毎日)実施でき、同様に高度な正確性及び再現性を担保できるスクリーニング方法を提供する(下記のアレイに関する考察を参照されたい)。結果として、誘導化合物ライブラリーを数週間で作製することができる。分子(小分子を含む)の改変に関する更なる教示については、PCT/US94/09174を参照されたい。
本発明のまた別の特徴は、本発明の1つの配列、又は前記の少なくとも約5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150の連続するアミノ酸残基を含むフラグメントを含む単離又は精製されたポリペプチドである。上記で考察したように、そのようなポリペプチドは、前記ポリペプチドをコードする核酸をベクターに、コードされる配列の適切な宿主細胞での発現を駆動することができる配列に機能可能に連結されるように挿入することによって得ることができる。例えば前記発現ベクターは、プロモーター、翻訳開始及び転写終了のためのリボソーム結合部位を含むことができる。前記ベクターはまた発現を増幅させるための適切な配列を含むことができる。
本発明のまた別の特徴は、ポリペプチド若しくは前記のフラグメント(それらは、本発明のポリペプチドの1つに対して少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%又は約95%より高い配列同一性(相同性)を有する)、又は前記の連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150又はそれより大きいアミノ酸残基を含むフラグメントである。配列同一性(相同性)は、上記に記載したプログラムのいずれかを用いて決定することができる(前記プログラムは比較されるポリペプチド又はフラグメントでアラインメントを実施し、それらの間のアミノ酸同一性又は類似性の程度を決定する)。アミノ酸等価物、同一性又は“相同性”には保存的アミノ酸置換(例えば上述のもの)が含まれることは理解されよう。
本発明のポリペプチドの1つに対して相同性を有するポリペプチド若しくはフラグメント、又は少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150の連続するアミノ酸残基を含むそのフラグメントは、上述の技術を用いてそれらをコードする核酸を単離することによって得ることができる。
また別には、相同なポリペプチド又はフラグメントは、生化学的濃縮又は精製工程により得ることができる。潜在的に相同なポリペプチド又はフラグメントの配列は、活性アッセイ、ゲル電気泳動及び/又はマイクロシークェンシングによって決定することができる。相同性が予想されるポリペプチド又はフラグメントの配列は、本発明のポリペプチドの1つ又は少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は 150の連続するアミノ酸残基を含むそのフラグメントと上述のプログラムのいずれかを用いて比較することができる。
本発明のまた別の特徴は、本発明のポリペプチドの酵素機能を保持している、本発明のフラグメント又は変種を同定するアッセイである。例えば前記ポリペプチドのフラグメント又は変種を用いて生化学反応(前記反応は本発明のポリペプチドの酵素活性を前記フラグメント又は変種が保持していることを示す)を触媒することができる。
変種のフラグメントが本発明のポリペプチドの酵素活性を保持しているかどうかを決定するアッセイは以下の工程を含む:ポリペプチドフラグメント又は変種を基質分子と前記ポリペプチドフラグメント又は変種が機能できる条件下で接触させ、基質レベルの減少又は前記ポリペプチドと基質との間の反応の特異的反応生成物レベルの増加を検出する。
本発明のポリペプチド又は少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は 150の連続するアミノ酸残基を含むそのフラグメントは、多様な用途で用いることができる。例えば、前記ポリペプチド又はそのフラグメントを用いて生化学反応を触媒することができる。本発明のある特徴にしたがえば、エステル結合を加水分解するために、本発明のポリペプチド又はそのようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを利用する方法が提供される。そのような方法では、エステル結合を含む基質(例えば葉緑素)を本発明のポリペプチドの1つ又は前記と実質的に同一の配列と、エステル結合の加水分解を促進する条件下で接触させる。
本発明は、酵素の固有の触媒特性を利用する。化学的変換における生物触媒(すなわち精製酵素、粗酵素、非生細胞又は生細胞)の使用は、特定の出発化合物と反応する個々の生物触媒の同定を必要とするが、本発明は選択した生物触媒及び反応条件を使用する(前記生物触媒及び反応条件は、多くの出発化合物、例えば小分子に存在する官能基に特異的である)。各生物触媒は1つの官能基又は関連するいくつかの官能基に特異的であり、この官能基を含む多くの出発化合物と反応することができる。
前記生触媒反応はただ1つの出発化合物に由来する誘導体集団を生成する。これらの誘導体をさらにもう1回の生触媒反応に付して誘導体化合物の第二の集団を生成することができる。生触媒反応による誘導体形成が繰り返される度に、原型小分子又は化合物から数千の変種が生成されうる。
酵素は、分子の残り部分に影響を与えることなく出発化合物の特異的部位で反応する。前記は伝統的な化学的方法を用いて達成することは非常に困難な過程である。生触媒反応のこの高度な特異性は、ライブラリー内のただ1つの活性化合物を同定する手段を提供する。前記ライブラリーは、それを作成するために用いられる生触媒反応シリーズ(いわゆる“生合成歴”)によって特徴付けられる。生物学的活性についてのライブラリーのスクリーニング及び生合成歴のトレーシングによって活性な化合物を生成する特異的連続反応が同定される。前記連続反応を繰り返し、合成された化合物の構造を決定する。前記の同定態様は、他の合成及びスクリーニングの方法と違って固定化技術を必要とせず、化合物は溶液中で自由な状態で合成され、実質的に任意のタイプのスクリーニングアッセイを用いて試験することができる。官能基に対する酵素反応の高度な特異性は、生触媒反応により作製されるライブラリーを構築する特異的な酵素反応の“トラッキング”を可能にすることは特記に値する。
工程の多くは機械による自動化を用いて実施され、毎日何千もの生触媒反応及びスクリーニングの実施を可能にするとともに、高レベルの正確さと再現性が担保される。結果として、従来の化学的方法を用いた場合数年を要する誘導体化合物ライブラリーが数週間で作成されうる。
特にある特徴では、本発明は小分子の改変方法を提供し、前記方法は、本明細書に記載したポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド又は酵素的に活性なそのフラグメントを小分子と接触させ、改変小分子を生成することを含む。所望の活性を示す改変小分子がライブラリー内に存在するか否かを決定するために、改変小分子ライブラリーを試験する。ライブラリーの一部分の作製に用いられた生触媒反応の各々を系統的に排除し、さらに所望の活性を有する改変小分子の有無についてライブラリーの前記部分で生成された小分子を試験することによって、所望の活性を有する改変小分子を生成する特異的な生触媒反応を同定する。所望の活性を有する改変小分子を生成する特異的な生触媒反応が場合によって繰り返される。前記生触媒反応を、小分子の構造内で見出される別個の構造成分と反応する生物触媒群を用いて実施する。各々の生物触媒は1つの構造成分又は関連構造成分群に対して特異的であり、各生物触媒は前記別個の構造成分を含む多くの種々の小分子と反応する。
シグナル配列、プレプロ、結合ドメイン及び触媒ドメイン
本発明は、酵素のシグナル配列(例えばシグナルペプチド(SP))、プレプロドメイン、結合ドメイン及び触媒ドメイン(CD)(例えば活性部位)を提供する。本発明のSP、プレプロドメイン及び/又はCDは単離又は組換えペプチドであっても、または融合タンパク質の部分(例えばキメラタンパク質の異種ドメイン)であってもよい。本発明は、これらの触媒ドメイン(CD)、プレプロドメイン及びシグナル配列(SP、例えば本発明のポリペプチドのアミノ末端残基を含む/アミノ末端残基から成る配列を有するペプチド)をコードする核酸を提供する。ある特徴では、本発明は、本発明のポリペプチドの残基1から10,1から11、1から12、1から13、1から14、1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から39、1から40、1から41、1から42、1から43、1から44、1から45、1から46、1から47、1から48、1から49、1から50、1から51、若しくは1から52又はそれより大きい残基に示される配列を含む/配列から成るペプチドを含むシグナル配列を提供する。
ある特徴では、本発明はまた、本発明の少なくとも2つの酵素又はその部分配列(例えば触媒ドメイン又は活性部位)を含むキメラポリペプチド(及びそれらをコードする核酸)を提供する。例えば、本発明のキメラタンパク質は活性の組合せを含むことができる。ある特徴では、本発明のキメラタンパク質はドメインの融合を含む。例えば単一のドメインが、1つの活性又は任意の活性の組合せ(例えば組換えキメラタンパク質として)を示すことができる。
本発明はまた、本発明のシグナル配列、例えば下記表1に示される例示的シグナル配列を含む/例示的シグナル配列から成る単離された合成又は組換えシグナル配列、及びこれらシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。前記ポリペプチドは、本発明のまた別の酵素であっても、又は別のタイプの酵素若しくはポリペプチドであってもよい。例えば、表1の理解を容易にするために、本発明は、例えば配列番号1などによってコードされる配列番号2のアミノ末端のアミノ酸残基1から21(“NH2-MSRVCLPLTLTLALTLSARA”)によって示される単離された合成又は組換えシグナル配列を提供する。
表1
Figure 2008505619
本発明のシグナル配列(SP)及び/又はプレプロ配列は単離ペプチドであっても、又は本発明の別の酵素と結合した配列であっても、又は異種タンパク質(例えば融合(キメラ)タンパク質)であってもよい。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列を含むポリペプチドを提供する。ある特徴では、本発明のシグナル配列SP及び/又はプレプロを含むポリペプチドは本発明の酵素にとって異種の配列を含む(例えば、本発明のSP及び/又はプレプロ及び/又は別にタンパク質由来の配列を含む融合タンパク質)。ある特徴では、本発明は、異種SP及び/又はプレプロ配列(例えば酵母のシグナル配列を有する配列)を有する本発明の酵素を提供する。本発明の酵素は、異種SP及び/又はプレプロをベクター(例えばpPICシリーズベクター(Invitrogen, Carlsbad, CA))中に含むことができる。ある特徴では、本発明のSP及び/又はプレプロ配列は、新規なポリペプチドを同定した後で同定される。タンパク質が分類されそれらの適切な細胞内の存在場所に輸送される経路はしばしばタンパク質ターゲティング経路と称される。これらのターゲティング系の全てにおいてもっとも重要なエレメントの1つは、新たに合成されたペプチドのアミノ末端に存在する短いアミノ酸配列(シグナル配列と称される)である。このシグナル配列はタンパク質をその適切な細胞内の存在場所に誘導し、輸送中又は前記タンパク質がその最終的な行き先に到達したときに除去される。ほとんどのリゾチームタンパク質、膜タンパク質又は分泌タンパク質はアミノ末端シグナル配列を有し、前記配列は小胞体管腔内への輸送のために前記タンパク質に目印を付ける。この群のタンパク質のために100を超えるシグナル配列が決定されている。シグナル配列の長さは13から36アミノ酸残基まで変動しうる。シグナル配列を認識する種々の方法が当業者に知られている。例えば、ある特徴では、新規なシグナルペプチドはシグナルP(SignalP)と称される方法によって同定される。シグナルPは合体神経ネットワークを用い、前記はシグナルペプチド及びそれらの切断部位の両方を認識する(Nielsen et al., “Identification of prokariotic and eukaryotic signal peptides and prediction of their cleavage sites”, Protein Engineering, vol.10, no.1, p.1-6)。
いくつかの特徴では、本発明の酵素は、SP及び/又はプレプロ配列、又は1つ若しくは2つ以上のドメインを持たないことがありうることは理解されよう。ある特徴では、本発明は、SP及び/又はプレプロドメインの全て又は一部分を欠く酵素を提供する。ある特徴では、本発明は、本発明の酵素に由来するシグナル配列(SP)及び/又はプレプロをコードする核酸が本発明の異なる酵素の核酸配列に機能可能に連結された核酸を提供し、また場合によって異なるタイプのタンパク質由来のシグナル配列(SP)及び/又はプレプロドメインが所望されうる。
本発明はまた、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)及び異種の配列を含む単離又は組換えポリペプチドを提供する。前記異種配列は、SP、プレプロドメイン及び/又はCDと(例えば本発明の酵素と)天然には結合していない配列である。SP、プレプロドメイン及び/又はCDが天然には結合していない配列は、SP、プレプロドメイン及び/又はCDのアミノ末端、カルボキシ末端、及び/又はSP及び/又はCDの両方の末端に存在しうる。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)を含むポリペプチドを含む(又は前記から成る)単離又は組換えポリペプチドを提供するが、ただし前記ポリペプチドはそれが天然に結合しているいずれの配列とも結合していないことを条件とする。同様にある特徴では、本発明は、これらのポリペプチドをコードする単離又は組換え核酸を提供する。したがって、ある特徴では、本発明の単離又は組換え核酸は、本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)及び異種配列(すなわち本発明のシグナル配列(SP)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)と天然には結合していない配列)のコード配列を含む。前記異種配列は、SP、プレプロドメイン及び/又はCDコード配列の3'末端、5'末端及び/又はその両末端に存在することができる。
ハイブリッド(キメラ)酵素及びペプチドライブラリー
ある特徴では、本発明は、本発明の配列を含むハイブリッド酵素及び融合タンパク質(ペプチドライブラリーを含む)を提供する。本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的(例えば本発明の酵素、前記の基質など)のペプチド調節物質(例えば活性化物質又は阻害物質)を単離することができる。本発明のペプチドライブラリーを用いて、標的の正式な結合パートナー、例えばリガンド、例えばサイトカイン、ホルモンなどを同定することができる。ある特徴では、本発明は、本発明のシグナル配列(S)、プレプロドメイン及び/又は触媒ドメイン(CD)又は前記の組合せ及び異種配列(上記参照)を含むキメラタンパク質を提供する。
ある特徴では、本発明の融合タンパク質(例えばペプチド部分)は構造的に安定化され(直鎖状ペプチドと比較して)、標的に対してより高い結合親和性を可能にする。本発明は、本発明の酵素と他のペプチド(既知及び任意のペプチドを含む)の融合を提供する。それらは、ペプチドの構造が顕著には乱されない態様で、さらに前記ペプチドが代謝的に又は構造的構成的に安定化されるような態様で融合させることができる。これによって、細胞内でのその存在及び量を容易にモニターできるペプチドライブラリーの作成が可能になる。
本発明のアミノ酸配列変種は、前記変種の予め定めた性質、天然に存在する形態(例えば本発明の酵素の対立遺伝子又は種間変種)とそれらを区別する特徴によって特徴付けられる。ある特徴では、本発明の変種は、天然に存在する類似体と同じ定性的生物学的活性を示す。また別には、前記変種は改変された特徴を有することについて選別しうる。ある特徴では、アミノ酸配列の変化を導入する部位又は領域が予め決定されるが、変異それ自体は予め決定される必要はない。例えば、ある部位における変種の成果を最適にするために、ランダム変異導入を標的コドン又は領域で実施し、発現された酵素変種を所望の活性の最適な組合せについてスクリーニングすることができる。既知の配列を有するDNAの予め定めた部位に置換変異を導入する技術は周知であり、例えば本明細書ではM13プライマー変異導入及びPCR変異導入が考察される。変異体のスクリーニングは、下記の実施例1に記載されるように、例えば葉緑素加水分解のアッセイを用いて実施できる。また別の特徴では、アミノ酸置換は単一残基でありうる。挿入は約1から20アミノ酸の規模でありうるが、ただしはるかに大きな挿入も実施することができる。欠失は約1から約20、30、40、50、60、70残基又はそれを超える範囲でもよい。最適な特性を有する最終的な誘導体を得るために、置換、欠失、挿入又は前記の任意の組合せを用いることができる。一般的には、これらの変更は数アミノ酸に対して実施し、分子の改変を最小限に止める。しかしながら、ある種の環境下ではもっと大きな変更も容認されうる。
本発明は、そのポリペプチド骨格構造、二次又は三次構造(例えばアルファ-ヘリックス又はベータ-シート構造)が改変されたポリペプチド、例えば本発明の酵素を提供する。ある特徴では、電荷又は疎水性が改変されている。ある特徴では、側鎖の嵩が改変されている。保存性が低い置換を選択することによって、機能又は免疫学的同一性に本質的な変更がもたらされる。例えば、以下に対してより顕著な影響を与える置換を実施することができる:改変領域のポリペプチド骨格構造(例えばアルファ-ヘリックス又はベータ-シート構造);分子の荷電又は疎水性部分(活性部位に存在していてもよい);又は側鎖。本発明は、本発明のポリペプチドに以下のような置換を提供する:(a)疎水性残基(例えばセリル又はスレオニル)で親水性残基(例えばロイシル、イソロイシル、バリル又はアラニル)を置換する(又は前者を後者で置換する);(b)システイン又はプロリンで他の任意の残基を置換する(又は前者を後者で置換する);(c)陽性荷電側鎖をもつ残基(例えばリジル、アルギニル又はヒスチジル)で陰性荷電残基(例えばグルタミル又はアスパルチル)を置換する(又は前者を後者で置換する);又は(d)嵩の大きな側鎖(例えばフェニルアラニン)で側鎖をもたない残基(例えばグリシン)を置換する(又は前者を後者で置換する)。前記変種は本発明の酵素と同じ定性的生物学的活性を示しうるが、ただし変種を選別して、必要とされるように酵素の性状を改変することができる。
本明細書で用いられる、“アミノ酸”又は“アミノ酸配列”は、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド若しくはタンパク質配列、又は前記のいずれかのフラグメント、部分若しくはサブユニット、及び天然に存在するか又は合成分子を指す。
“アミノ酸”又は“アミノ酸配列”には、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド若しくはタンパク質配列、又は前記のいずれかのフラグメント、部分若しくはサブユニット、及び天然に存在するか又は合成分子が含まれる。本明細書で用いられる、“ポリペプチド”という用語は、ペプチド結合又は改変ペプチド結合によって互いに結合したアミノ酸を指し、20遺伝子によってコードされるアミノ酸以外の改変アミノ酸を含むことができる(すなわちペプチドイソステア)。ポリペプチドは、天然のプロセス(例えば翻訳後プロセッシング)又は化学的改変技術(当分野で周知である)によって改変されうる。改変は、ペプチド骨格、アミノ酸側鎖及びアミノ又はカルボキシ末端を含む、ポリペプチドのいずれの場所でも起こりうる。同じタイプの改変が、あるペプチドのいくつかの部位において同じ程度で又は種々の程度で存在しうることは理解されよう。さらにまた、あるポリペプチドは多くのタイプの改変を有しうる。改変には、アセチル化、アシル化、ADP-リボシル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質又は脂質誘導体の共有結合、ホスファチジルイノシトールの共有結合、架橋環状化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有結合架橋の形成、システインの形成、ピログルタメートの形成、フォルミル化、ガンマ-カルボキシル化、グリコシル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨード化、メチル化、ミリストイル化、酸化、ペジル化、グルカンヒドロラーゼプロセッシング、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノイル化、硫酸化、アルギニル化のようなタンパク質へのアミノ酸のトランスファーRNA仲介付加が含まれる(以下を参照されたい:T.E. Creighton, Proteins−Structure and Molecular Properties 2nd Ed., W.H. Freeman and Company, New York (1993); Posttranslational Covalent Modification of Proteins, B.C. Johnson, Ed., Academic Press, New York, pp. 1-12, 1983)。本発明のペプチドおよびポリペプチドにはまた、下記でさらに詳細に記載されるように全ての“模倣体”および“ペプチド模倣体”が含まれる。
さらにまた、“実質的に同一”のアミノ酸配列は、1つまたは2つ以上の保存的若しくは非保存的アミノ酸置換、欠失または挿入(特にそのような置換が分子の活性部位(触媒ドメイン(CD))ではない部位で生じるとき、および前記ポリペプチドがその機能的特性を本質的に維持していることを条件とする)によって参照配列と異なる配列である。保存的アミノ酸置換は、例えばあるアミノ酸を同じクラスの別のアミノ酸で置換する(例えば疎水性アミノ酸(例えばイソロイシン、バリン、ロイシンまたはメチオニン)で別の疎水性アミノ酸を置換、または極性アミノ酸で別のアミノ酸を置換、例えばアルギニンでリジンを置換、グルタミン酸でアスパラギン酸を置換、またはグルタミンでアスパラギンを置換)。1つまたは2つ以上のアミノ酸を例えばポリペプチドから欠失させて、その生物学的活性を顕著に変更することなく、前記ポリペプチドの構造を改変させることができる。例えば、酵素の生物学的活性に必要でないアミノ末端またはカルボキシル末端アミノ酸を除去することができる。本発明の改変ポリペプチド配列は、多数の方法によって生物学的活性についてアッセイすることができる。前記方法は、改変ポリペプチド配列を酵素基質と接触させ、前記アッセイで前記改変ポリペプチドが特異的基質の量を減少させるか、または機能的ポリペプチドと基質との酵素反応のバイオ生成物を増加させるかを決定することを含む。
本明細書で用いられる“フラグメント”は、少なくとも2つの別個の構造物として存在することができる天然に存在するタンパク質の部分である。フラグメントは、天然に存在するタンパク質と同じ又は実質的に同じアミノ酸配列を有しうる。“実質的に同じ”とは、アミノ酸配列がほぼ同じであり(ただし完全に同じというわけではない)、関連するその配列の少なくとも1つの機能的活性は維持されていることを意味する。また別の特徴では、2つのアミノ酸配列が少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれより高い配列同一性を有するならば、それら2つのアミノ酸配列は、“実質的に同じ”または“実質的に相同”である。天然に存在するタンパク質と異なる三次元構造を有するフラグメントもまた含まれる。この例は、“プロ型”分子、例えば切断によって改変され顕著に高い活性をもつ成熟酵素を生じることができる低活性前タンパク質である。
ある特徴では、本発明の酵素は、エピトープもしくは精製タグ、シグナル配列又は他の融合配列などを含む。ある特徴では、酵素を任意のペプチドと融合させて、融合ポリペプチドを形成することができる。本明細書の“融合”又は“機能可能に連結”とは、任意のペプチド及び本発明の酵素が、前記の酵素構造の安定性の破壊を最小限に止める(例えば前記が活性を維持する)ことができる態様で一緒に結合されることを意味する。融合ポリペプチド(又は融合ポリペプチドをコードする融合ポリヌクレオチド)はさらに別の成分(複数のループに存在する複数のペプチドを含む)を同様に含むことができる。
ある特徴では、ペプチド及びそれらをコードする核酸は任意抽出される。任意抽出は完全な任意抽出でありうるが、また任意抽出は、例えばヌクレオチド/残基頻度において全体的にもしくは位置毎に偏っていてもよい。“任意抽出された”とは各核酸及びペプチドがそれぞれ本質的に任意のヌクレオチド及びアミノ酸から成ることを意味する。ある特徴では、ペプチドを生じる核酸は化学的に合成することができ、したがって、任意の位置に任意のヌクレオチドを取り込むことができる。したがって、核酸が発現されペプチドを生成するとき、任意の位置に任意のアミノ酸残基が取り込まれ得る。合成プロセスは、任意抽出された核酸が生成されるように設計して、核酸の全長にわたって可能な全ての又はほとんどの組合せが形成され、したがって任意抽出された核酸ライブラリーの形成を可能にすることができる。前記ライブラリーは、任意抽出された発現生成物の充分に構造的に多様な集団を提供し、所望の反応を示す1つ又は2つ以上の細胞を提供するために確率的に充分な範囲の細胞反応に影響を与えることができる。したがって、本発明は、ライブラリーメンバーの少なくとも1つがいくつかの分子、タンパク質又は他の因子に対する親和性を与える構造を有することができるように充分に大きな相互作用ライブラリーを提供する。
本発明は、生物学的に活性なハイブリッドポリペプチド(例えば本発明のハイブリッド酵素)をコードすることができるキメラポリペプチドを作成する手段を提供する。ある特徴では、原型ポリヌクレオチドは生物学的に活性なポリペプチドをコードする。本発明の方法は、生成されるハイブリッドポリヌクレオチドが生物学的に活性な原型ポリペプチドに由来する活性を表すポリペプチドをコードできるように原型ポリヌクレオチドの配列を組み込む細胞性過程を利用することによって新規なハイブリッドポリペプチドを作成する。例えば、原型ポリヌクレオチドは種々の細菌に由来する特定の酵素をコードすることができる。1つの生物又は変種に由来する第一のポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、例えば特定の環境条件下(例えば高塩濃度)で効率的に機能することが可能である。異なる生物又は変種に由来する第二のポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、異なる環境条件下(例えば超高温)で効率的に機能することができる。第一及び第二の原型ポリヌクレオチドに由来する配列を含むハイブリッドポリヌクレオチドは、原型ポリヌクレオチドによってコードされる両方の酵素の特徴を示す酵素をコードすることができる。したがって、ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされる酵素は、第一及び第二のポリヌクレオチドによってコードされる酵素の各々が共有する環境条件下(例えば高塩濃度及び超高温)で効率的に機能することができる。
本発明の方法から得られるハイブリッドポリペプチドは、原型酵素では示されない特殊化された酵素活性を示すことができる。例えば、酵素活性をコードするポリヌクレオチドの組換え及び/又は還元的再組合せに続いて、ハイブリッドポリヌクレオチドによってコードされる生成ハイブリッドポリペプチドを、原型酵素の各々から得られる特殊化された酵素活性(すなわち前記酵素が作用する結合のタイプ及び前記酵素が機能する温度)についてスクリーニングすることができる。したがって、例えば前記酵素を、原型酵素からハイブリッド酵素を区別するそれら化学的官能性(例えば基質特異性又はハイブリッドポリペプチドが機能する温度、pH若しくは塩濃度)を確認するためにスクリーニングすることができる。
原型ポリヌクレオチド源は、個々の生物(“単離株”)、所定の培地で増殖させた生物収集物(“濃縮培養”)、又は未培養生物(“環境サンプル”)から単離することができる。環境サンプルから新規な生物活性をコードするポリヌクレオチドを誘導するために培養非依存的方法を用いることは、生物多様性を有する手付かずの資源への接近を可能にするのでもっとも好ましい。
“環境ライブラリー”は環境サンプルから作成され、適切な原核細胞宿主で増殖させることができるクローニングベクター内に保管された状態で、天然に存在する生物の集合ゲノムを提示する。前記クローン化されたDNAは先ず初めに環境サンプルから直接抽出されるので、前記ライブラリーは純粋培養として増殖することができる原核細胞の小分画に限定されない。さらにまた、これらサンプルに存在する環境DNAの標準化によって、最初のサンプルに存在する種の全てに由来するDNAのより均等な提示が可能になろう。このことは、サンプルのきわめてわずかな構成成分(これらは優勢な種と比較して数桁低く提示される可能性がある)から興味深い遺伝子を発見する効率を劇的に高めることができる。
例えば、1つ又は2つ以上の未培養微生物から作成された遺伝子ライブラリーを問題の活性についてスクリーニングする。問題の生物活性分子をコードする潜在的経路は原核細胞で遺伝子発現ライブラリーの形態で先ず捕捉される。問題の活性をコードするポリヌクレオチドをそのようなライブラリーから単離し、宿主細胞に導入する。前記宿主細胞を組換え及び/又は還元的再組合せが促進される条件下で増殖させ、新規な又は強化された活性を有する潜在的に活性な生物分子を作出する。
前記ポリヌクレオチドを調製することができる微生物には原核細胞微生物(例えば真性細菌及び古細菌)及び下等真核微生物(例えば菌類、いくつかの藻類及び原虫)が含まれる。ポリヌクレオチドは環境サンプルから分離することができ、その場合には核酸が生物を培養することなく回収されるか、又は1つ又は2つ以上の培養生物から回収することができる。ある特徴では、そのような微生物は、エクストレモフィル、例えば超好熱菌、低温菌、低栄養菌、好塩菌、好圧性菌、好酸性菌であろう。エクストロモフィルから単離された酵素をコードするポリヌクレオチドを用いることができる。そのような酵素は、陸上の温泉又は深海の熱水噴出孔の100℃を超える温度で、北極海の0℃未満の温度で、死海の飽和食塩の環境で、石炭堆積物及び硫黄に富む地熱温泉での0に近いpH値で、又は下水汚泥の11を超えるpH値で機能することができる。例えば、エクストレモフィルから単離され発現されたいくつかのエステラーゼ及びリパーゼは広範囲の温度及びpHを通して高い活性を示す。
上述のように選別及び単離したポリヌクレオチドは適切な宿主細胞に導入される。適切な宿主細胞は、組換え及び/又は還元的再組合せを促進することができる任意の細胞である。ある特徴では選別したポリヌクレオチドは既に適切なコントロール配列を含むベクター内に存在する。前記宿主細胞は、高等な真核細胞(例えば哺乳動物細胞)でも、下等な真核細胞(例えば酵母細胞)でもよいが、ある特徴では、前記宿主細胞は原核細胞(例えば細菌細胞)である。構築物の宿主細胞への導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE-デキストラン仲介トランスフェクション、又はエレクトロポレーション(Davis et al. 1986)によって実施することができる。
適切な宿主の代表的な例として、以下を挙げることができる:細菌細胞、例えば大腸菌、ストレプトミセス、ネズミチフス菌;菌類細胞、例えば酵母;昆虫細胞、例えばドロソフィラS2及びスポドプテラSf9;動物細胞、例えばCHO、COS又はボウズメラノーマ;アデノウイルス;及び植物細胞。適切な宿主細胞の選択は、本明細書の開示から当業者の技術範囲内にあると考えられる。
組換えタンパク質の発現に用いることができる種々の哺乳動物細胞培養系について特に言及すれば、哺乳動物発現系の例には、サル腎線維芽細胞のCOS-7株(”SV40-trnsformed simian cells support the replication of early SV40 mutants” (Gluzman, 1981)に記載されている)及び適合しうるベクターを発現することができる他の細胞株(例えばC127、3T3、CHO、HeLa及びBHK細胞株)が含まれる。哺乳動物の発現ベクターは、複製起点、適切なプロモーター及びエンハンサー、並びに任意の必要なリボソーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライスドナー及びアクセプター部位、転写終了配列及び5'フランキング非転写配列を含むであろう。SV40スプライス部位及びポリアデニル化部位に由来するDNA配列を用いて、必要な非転写遺伝エレメントを提供することができる。
別の特徴では、本発明の方法を用い、1つ若しくは2つ以上のオペロン又は遺伝子クラスター又はその部分から生化学的経路をコードする新規なポリヌクレオチドを作成する方法が意図される。例えば、細菌及び多くの真核細胞は、その生成物が関連する過程に必要とされる遺伝子を調節するために協調的なメカニズムを有する。前記遺伝子は、“遺伝子クラスター”と称される構造を有するクラスターを単一の染色体上に形成し、ただ1つの調節配列(全クラスターの転写を開始するただ1つのプロモーターを含む)の制御下で一緒に転写される。したがって、遺伝子クラスターは、通常それらの機能に関して同一又は関連する隣接する遺伝子の一群である。遺伝子クラスターによってコードされる生化学的経路の例はポリケチドである。
遺伝子クラスターDNAは種々の生物から単離して、ベクター、特に調節配列を発現することができるベクターに連結することができる(前記調節配列は、連結された遺伝子クラスターから検出可能なタンパク質又はタンパク質関連アレイの活性の生成を制御及び調節することができる)。外因性DNAの導入に対して格別に大きな収容能力を有するベクターの使用は、そのような遺伝子クラスターで使用するためには特に適切であり、大腸菌のF因子(又は稔性因子)を含む例示として本明細書に記載されている。大腸菌のこのF因子は、接合中にそれ自体の高頻度の伝達に影響を与えるプラスミドであり、大きなDNAフラグメント、例えば混合微生物サンプルの遺伝子クラスターの安定的な増殖の達成に理想的である。ある特徴では、“フォスミド”又は細菌人工染色体(BAC)ベクターと称されるクローニングベクターが使用される。これらは大腸菌のF因子に由来し、ゲノムDNAの大きなセグメントを安定的に組み込むことができる。未培養の混合環境サンプル由来のDNAとともに組み込まれたとき、これは、安定な“環境DNAライブラリー”の形態で大きなゲノムフラグメントを獲得することを可能にする。本発明で使用できるまた別のベクターのタイプはコスミドベクターである。最初コスミドベクターは、ゲノムDNAの大きなセグメントのクローニング及び増殖のために設計された。コスミドベクターによるクローニングは以下に詳細に記載されている:Sambrook et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989)。いったん適切なベクターに連結したら、種々のポリケチドシンターゼ遺伝子クラスターを含む1つ又は2つ以上のベクターを適切な宿主細胞に導入することができる。前記遺伝子クラスターによって共有される部分的な配列相同性を有する領域は、ハイブリッド遺伝子クラスターを生じる配列再編成をもたらす過程を促進するであろう。続いて、原型遺伝子クラスターには見出されない強化された活性について、新規なハイブリッド遺伝子クラスターをスクリーニングすることができる。
したがって、ある特徴では、本発明は、生物学的に活性なハイブリッドポリペプチドの製造方法及び強化された活性についてそのようなポリペプチドをスクリーニングする方法に関し、前記方法は以下の工程によって実施される:
1)機能可能に連結された少なくとも第一のポリヌクレオチド及び機能可能に連結された第二のポリヌクレオチドを適切な宿主細胞に導入し、ここで前記少なくとも第一のポリヌクレオチド及び第二のポリヌクレオチドは部分的に配列相同性を有する少なくとも1つの領域を共有し;
2)機能可能に連結されたハイブリッドポリヌクレオチドを生じる配列の再編成が促進される条件下で、宿主細胞を増殖させ;
3)前記ポリヌクレオチドによってコードされるハイブリッドポリペプチドを発現させ;
4)強化された生物学的活性の同定を促進する条件下でハイブリッドポリペプチドをスクリーニングし;さらに
5)前記ハイブリッドポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを単離する。
種々の酵素活性についてスクリーニングする方法は当業者に公知であり、本明細書を通して考察されている。そのような方法は、本発明のポリペプチド及びポリヌクレオチドを単離した時に利用することができる。
スクリーニングの方法論及び“オンライン”モニター装置
本発明の方法の実施に際して、多様な装置及び方法論を本発明のポリペプチド及び核酸と併せて用いて、例えば酵素活性についてポリペプチドをスクリーニングし、潜在的調節物質(例えば活性化物質又は阻害物質)として化合物をスクリーニングし、本発明のポリペプチドと結合する抗体について、本発明の核酸とハイブリダイズする核酸について、本発明のポリペプチドを発現する細胞ついてスクリーニングすることなどが可能である。さらに、サンプルのスクリーニングについて下記で詳細に記載するアレイ様式の他に、また別の様式もまた本発明の方法の実施に用いることができる。そのような様式には、例えば質量分光光度計、クロマトグラフ(例えば高速HPLC及び他の液体クロマトグラフィー様式)及びより小型の様式(例えば1536-ウェルプレート、384-ウェルプレート)などが含まれる。高処理スクリーニング装置を適合させて、本発明の方法の実施に用いてもよい(例えば米国特許出願20020001809を参照されたい)。
キャピラリーアレイ
本発明の核酸又はポリペプチドは、アレイに固定又は適用することができる。アレイを用いて、組成物(例えば小分子、抗体、核酸など)のライブラリーを、本発明の核酸又はポリペプチドとの結合能力又は前記の活性の調節能力についてスクリーニング又はモニターすることができる。キャピラリーアレイ(例えばGIGAMATRIX(商標)(Diversa Corporation, San Diego, CA)及び例えば米国特許出願No. 20020080350A1;WO0231203;WO0244336Aに記載されたアレイ)は、サンプル保持及びスクリーニングのためのまた別の装置を提供する。ある特徴では、キャピラリーアレイは、隣接するキャピラリーのアレイを形成する複数のキャピラリーを含み、ここで各キャピラリーはサンプル保持のために管腔を仕切る少なくとも1つの壁を構成する。管腔は、円筒形、四角形、六角形又は、前記壁が液体又はサンプルの保持のための管腔を形成することができるかぎり他の任意の幾何学形で在り得る。キャピラリーアレイのキャピラリーは接近して一緒に保持され平面構造を形成することができる。キャピラリーは、溶融(その場合キャピラリーは例えばガラスで製造される)、接着剤による接着、縛るか又は隣同士を留め金で固定することによって一緒に束ねることができる。さらにまた、キャピラリーアレイは、アレイ中の隣接するキャピラリー間に沈積された間隙物質を含むことができ、それによって複数の貫通孔を含む硬い平板状装置を形成する。
キャピラリーアレイは、任意の数の個々のキャピラリー、例えば100から4,000,000本の範囲のキャピラリーで形成できる。さらに、約100,000本又はそれ以上の個々のキャピラリーを有するキャピラリーアレイを、標準的な研究室用装置に適合させるためにマイクロタイター(Microtiter(商標))プレートの標準的サイズ及び形状に形成することができる。管腔は手動で満たされるか、又は毛細管作用もしくは細い注射針によるマイクロインジェクションを用いて自動的に満たされる。問題のサンプルは続いて更なる分析又は性状決定のために個々のキャピラリーから除去される。例えば、細い注射針様プローブが液体通路に配置される(前記液体通路は添加のため又は管腔から物質を引き出すために選択されるキャピラリーを有する)。
一容器スクリーニングアッセイでは、キャピラリーアレイへの挿入の前にアッセイ成分は混合され、対象溶液が得られる。アレイの少なくとも一部分が対象溶液中に浸されたとき、管腔は毛細管作用によって満たされる。各キャピラリーにおける化学反応又は生物学的反応及び/又は活性は検出可能な事象についてモニターされる。検出可能な事象はしばしば“ヒット”と称され、これは通常は光学的検出によって“無ヒット”をもたらすキャピラリーと区別される。したがって、キャピラリーアレイは大量の並行的な“ヒット”の検出を可能にする。
多容器スクリーニングアッセイでは、ポリペプチド又は核酸、例えばリガンドは第一の成分に導入することができる。前記第一の成分はキャピラリーアレイのキャピラリーの少なくとも一部分に導入される。続いて、気泡を第一の成分の後ろのキャピラリーに導入することができる。続いて、第二の成分をキャピラリーに導入することができ、この場合第二の成分は前記気泡によって第一の成分と分離される。続いて、キャピラリーの両側に水圧をかけて気泡を壊すことによって第一の成分及び第二の成分を混合することができる。続いて、前記2つの成分の反応又は無反応から生じる検出可能な事象についてキャピラリーアレイをモニターする。
結合スクリーニングアッセイでは、問題のサンプルは検出可能な粒子で標識された第一の液体としてキャピラリーアレイのキャピラリーに導入することができ、この場合、キャピラリーの管腔は前記検出可能粒子を管腔と結合させるための結合物質で被覆される。続いて、第一の液体をキャピラリー管から除去することができ(この場合、結合した検出可能粒子はキャピラリー内に維持される)、さらに第二の液体をキャピラリー管に導入することができる。続いて、前記粒子と第二の液体との反応又は無反応から生じる検出可能な事象についてキャピラリーをモニターする。
アレイ又は“バイオチップ”
本発明の核酸又はポリペプチドはアレイに固定又は塗布することができる。アレイを用いて、(例えば小分子、抗体、核酸などの)組成物ライブラリーを、本発明の核酸又はポリペプチドと結合するその能力又は前記の活性を調節するその能力についてスクリーニング又はモニターすることができる。例えば本発明のある特徴では、モニターされるパラメータは遺伝子、例えば本発明の遺伝子(本発明のポリペプチドをコードする核酸)の転写発現である。細胞の1つ若しくは2つ以上又は全ての転写物が、細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、また、細胞の代表的な核酸若しくは細胞の転写物と相補的な核酸はアレイ若しくは“バイオチップ”上に固定化された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。マイクロチップ上の核酸“アレイ”を用いることによって、細胞の転写物のいくつか又は全てを同時に定量することができる。また別には、ゲノム核酸を含むアレイはまた、本発明の方法によって新規に操作された株の遺伝子型の決定に用いることができる。“ポリペプチドアレイ”はまた、複数のタンパク質の同時定量に用いることができる。本発明は公知の任意の“アレイ”(“マイクロアレイ”又は“核酸アレイ”又は“ポリペプチドアレイ”又は“抗体アレイ”又は“バイオチップ”又はその変型とも称される)を用いて実施することができる。アレイは一般的には複数の“スポット”又は“標的エレメント”である。各標的エレメントは一定量の1つ又は2つ以上の生物学的分子、例えばオリゴヌクレオチドを含み、それらはサンプル分子(例えばmRNA転写物)と特異的に結合させるため基質表面の一定領域に固定されている。
本発明の方法の実施に際して、任意の公知のアレイ及び/又はアレイの製造及び使用方法の全体もしくは部分又はその変型を取り入れることができる。それらは例えば以下に記載されているようなものである:米国特許第6,277,628号;第6,277,489号;第6,261,776号;第6,258,606号;第6,054,270号;第6.048,695号;第6,045,996号;第6,022,963号;第6,013,440号;第5,965,452号;第5,959,098号;第5,856,174号;第5,830,645号;第5,770,456号;第5,632,957号;第5,556,752号;第5,143,854号;第5,807,522号;第5,800,992号;第5,744,305号;第5,700,637号;第5,556,752号;第5,434,049号。さらにまた例えば以下を参照されたい:WO99/5173;WO99/09217;WO97/46313;WO96/17958。さらにまた例えば以下を参照されたい:Johnston (1998) Curr. Biol. 8:R171-R174;Schummer (1997) Biotechniques 23:1087-1092;Kern (1997) Biotechniques 23:120-124;Solinas-Toldo (1997) Genes, Chromosomes& Cancer 20:399-407;Bowtell (1999) Nature Genetis Supp. 21:25-32。さらにまた以下を参照されたい:米国特許出願公開広報第20010018642号;同第20010019827号;同第20010016322号;同第20010014449号;同第20010014448号;同第20010012537号;同第20010008765号。
本明細書で用いられる、“アレイ”又は“マイクロアレイ”、又は“バイオチップ”又は“チップ”は、複数の標的エレメントであり、各標的エレメントは、下記でさらに詳細に考察するように、所定量の1つ又は2つ以上のポリペプチド(抗体を含む)又は核酸を含み、前記は土台表面の所定領域上に固定されている。
抗体及び抗体使用スクリーニング方法
本発明は、本発明のポリペプチドと特異的に結合する単離又は組換え抗体を提供する。これらの抗体を用いて、本発明のポリペプチド又は関連するポリペプチドを単離、同定又は定量することができる。これらの抗体を用いて本発明の範囲内に包含される他のポリペプチド又は他の関連するポリペプチドを単離することができる。これらの抗体は本発明のポリペプチドの活性部位と結合するように設計することができる。したがって、本発明は、本発明の抗体を用いて酵素を阻害する方法を提供する(上記の考察を参照されたい)。本発明は、本発明の酵素のフラグメント(本発明のポリペプチドの免疫原性フラグメントを含む)を提供する。本発明は、本発明のポリペプチド又はペプチド及びアジュバント又は担体などを含む組成物を提供する。
前記抗体は、免疫沈澱、染色、イムノアフィニティーカラムなどで用いることができる。所望の場合は、特異的な抗原をコードする核酸配列を、免疫とそれに続くポリペプチド又は核酸の単離、増幅又はクローニング及びポリペプチドの本発明のアレイ上への固定によって作成することができる。また別には、本発明の方法を用いて、改変されるべき細胞により産生される抗体の構造を改変することができる。例えば抗体の親和性を強化又は低下させることができる。さらにまた、抗体を製造又は改変する能力は本発明の方法により細胞を操作して付与した表現型でありうる。
免疫、抗体(ポリクローナル及びモノクローナル)の製造及び単離の方法は当業者には公知で、さらに学術文献及び特許文献に記載されている。例えば以下を参照されたい:Coligan, Current Protocols in Immunology, Wiley/Greene, NY (1991); Stites (eds.) Basic and Clinical Immunology (7th ed.) Lang Medical Publications, Los Altos, CA ("Stites"); Goding, Monoclonal Antibodies: Priciples and Practice (2nd ed.) Academic Press, New York, NY (1986); Kohler (1975) Nature 256:495; Harlow (1988) Antibodies, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Publications, New York。抗体はまた、動物を用いる従来のin vivo方法以外でも、in vitroで例えば組換え抗体結合部位発現ファージディスプレーライブラリーを用いて作製することができる。例えば以下を参照されたい:Hoogenboom (1997) Trends Biotechnol. 15:62-70; Katz (1997) Annu. Rev. Biophys. Biomol. Struct. 26:27-45。
本発明のポリペプチド又は前記の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150又はそれより大きい連続するアミノ酸を含むフラグメントを用いて、前記ポリペプチド又はフラグメントと特異的に結合する抗体を作成することができる。得られた抗体をイムノアフィニティークロマトグラフィー方法で用いて、前記ポリペプチドを単離又は精製するか、又は前記ポリペプチドが生物学的サンプルに存在するか否かを決定することができる。そのような方法では、本発明のポリペプチドの1つ、又は前記の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150又はそれより大きい連続するアミノ酸を含むフラグメントと特異的に結合することができる抗体と、タンパク質調製物(例えば抽出物)又は生物学的サンプルを接触させる。
イムノアフィニティーの方法では、前記抗体を固相(例えばビーズ又は他のカラムマトリックス)に付着させる。抗体が本発明のポリペプチドの1つ又はそのフラグメントと特異的に結合する条件下で、前記タンパク質調製物を前記抗体と接触させる。洗浄して非特異的に結合したタンパク質を除去した後、特異的に結合したポリペプチドを溶出させる。
生物学的サンプル中のタンパク質の前記抗体との結合能力は、当業者に周知の多様な方法を用いて決定できる。例えば、結合は抗体を検出可能な標識(例えば蛍光物質、酵素標識又は放射性同位元素)で標識することによって決定できる。また別には、抗体とサンプルとの結合は、前記のような検出可能な標識をその上に保持する二次抗体を用いて検出してもよい。具体的なアッセイにはELISAアッセイ、サンドイッチアッセイ、放射能免疫アッセイ及びウェスタンブロットが含まれる。
本発明のポリペプチド又は前記の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150又はそれより大きい連続するアミノ酸を含むフラグメントに対して作成されるポリクローナル抗体は、動物に前記ポリペプチドを直接注射することによって、又は動物(例えば非ヒト動物)に前記ポリペプチドを投与することによって得ることができる。そのようにして得られた抗体は前記ポリペプチド自体と結合するであろう。このようにして、ポリペプチドのフラグメントのみをコードする配列でさえも完全な天然のポリペプチドと結合することができる抗体の作製に用いることができる。続いて前記のような抗体を用いて、前記ポリペプチドを発現している細胞から前記ポリペプチドを単離することができる。
モノクローナル抗体の調製の場合、継続的な細胞株培養によって生成される抗体を提供するいずれの技術も用いることができる。その例にはハイブリドーマ技術(Kohler and Milstein, Nature, 256:495-497, 1975)、トリオーマ技術、ヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor et al., Immunology Today 4:72, 1983)及びEBV-ハイブリドーマ技術(Cole (1985) Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R. Liss, Inc., pp.77-96)が含まれる。
単鎖抗体の生成のために記載された技術(米国特許第4,946,778号)を利用して、本発明のポリペプチド又は前記の連続する少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100又は150アミノ酸を含むフラグメントに対する単鎖抗体を生成することができる。また別には、トランスジェニックマウスを用いて、これらポリペプチド又はそのフラグメントに対するヒト化抗体を発現させることができる。
本発明のポリペプチド又は前記の少なくとも5、10、15、20、25、30、35、40、50、75、100若しくは150又はそれより大きい連続するアミノ酸を含むフラグメントに対して作成された抗体を他の生物及びサンプルに由来する類似のポリペプチドのスクリーニングに用いることができる。そのような技術では、前記生物由来のポリペプチドを抗体と接触させ、前記抗体と特異的に結合するポリペプチドが検出される。上記に記載したいずれの方法も抗体結合の検出に用いることができる。そのようなスクリーニングアッセイの1つが以下に記載されている:”Methods for Measuring Cellulase Activities”., Methods in Enzymology, vol.160, pp. 87-116。
“抗体”という用語には、1つの免疫グロブリン遺伝子若しくは複数の免疫グロブリン遺伝子又はそのフラグメントから誘導されたか、前記にならって作成されたか、又は前記によって実質的にコードされたペプチド又はポリペプチドであって、抗原又はエピトープに特異的に結合することができるものが含まれる。例えば以下を参照されたい:Fundamental Immunology, Third Edition, W.E. Paul, ed., Raven Press, N.Y. (1993);Wilson (1994) J. Immunol. Methods 175:267-273;Yarmush (1992) J. Biochem. Biophys. Methods 25:85-97。抗体という用語は、抗原に結合する能力を保持する抗原結合部分、すなわち“抗原結合部位”(例えばフラグメント、部分配列、相補性決定領域(CDR))を含み、(i)Fabフラグメント(VL、VH、CLおよびCH1ドメインから成る一価のフラグメント);(ii)F(ab')2フラグメント(ヒンジ領域でジスルフィド結合によって連結された2つのFabフラグメントを含む二価フラグメント);(iii)VHおよびCH1ドメインから成るFdフラグメント;(iv)抗体の1つの腕のVLおよびVHドメインから成るFvフラグメント;(v)dAbフラグメント(Ward et al., (1989) Nature 341:544-546)(VHドメインから成る);および(vi)単離された相補性決定領域(CDR)が含まれる。単鎖抗体もまた関連する場合には“抗体”という用語に含まれる。
キット
本発明は、前記組成物(例えば本発明の核酸、発現カセット、ベクター、細胞、トランスジェニック種子又は植物若しくは植物部分、ポリペプチド(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する酵素)及び/又は本発明の抗体)を含むキットを提供する。前記キットはまた、本明細書に記載されたような本発明の方法論及び工業的使用を教示する指示資料を含むことができる。ある特徴では、前記キットは、例えば食品、飼料、油などの工業的規模レベルの処理に適合するように設計される。
全細胞操作及び代謝パラメータの測定
本発明の方法は、細胞の遺伝的構成を改変することによって、新規な表現型(例えば改変された葉緑素異化作用経路)又は新規な若しくは改変された酵素(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する新規な細胞株を開発するために、細胞の全細胞進化又は全細胞操作を提供する。前記遺伝的構成は、本発明の酵素のコード配列を細胞に導入することによって改変することができる。例えばWO0220032、WO0196551を参照されたい。
新規な表現型を検出するために、改変細胞の少なくとも1つの代謝パラメータを“リアルタイム”又は“オンライン”時間枠でモニターする。ある特徴では、複数の細胞(例えば細胞培養)が“リアルタイム”又は“オンライン”でモニターされる。ある特徴では、複数の代謝パラメータが“リアルタイム”又は“オンライン”でモニターされる。代謝パラメータは本発明の酵素を用いてモニターできる。
代謝フラックス分析(MFA)は公知の生化学的フレームワークを基にしている。線形独立代謝行列は、質量保存の法則及び細胞内代謝に関する擬似定常状態仮説(pseudo-steady state hypothesis, PSSH)に基づいて構築される。本発明の方法の実施に際して、以下を含む代謝ネットワークが確立される:
−全ての経路の基質、生成物及び中間代謝物の実体;
−前記経路の代謝物を変換する全ての化学反応、前記経路の反応の化学量論の実体;
−前記反応を触媒する全ての酵素、前記酵素反応のカイネティクスの実体;
−経路の成分間の調節的相互反応、例えばアロステリック相互反応、酵素-酵素相互反応など;
−酵素の細胞内区画局在性又は前記酵素の分子レベルを超えるその他の機構;及び
−代謝物、酵素又はエフェクター分子又はそれらの移動に対する拡散障壁の何らかの濃度勾配の存在。
ある株について前記代謝ネットワークがいったん確立されたら、オンライン代謝物データが利用可能ならば行列認識によって数学的提示を導入し、細胞内代謝フラックスを概算することができる。代謝表現型は細胞内の完全な代謝ネットワークの変化を必要とする。代謝表現型は、環境条件、遺伝的調節、発育状態及び遺伝子型などに対応する経路の利用変化に左右される。本発明の方法のある特徴では、オンラインMFA計算の後で、細胞の動的態様、それらの表現型及び他の特性が前記経路の利用を精査することによって分析される。例えば、酵母の発酵時にグルコースの供給が増加し、酸素が減少する場合、呼吸経路の利用は低下及び/又は停止し、発酵経路の利用が優先的になるであろう。細胞培養の生理的状態の制御は前記経路分析の後で可能になるであろう。本発明の方法は、基質供給、温度、誘発物質などをどのように変化させるか、細胞の生理的条件を制御して所望の方向にどのように誘導するかを決定することによって発酵の操作方法の決定に役立てることができる。本発明の方法の実施に際して、MFAの結果はまた、代謝の操作又は遺伝子シャッフリングなどのために実験及びプロトコルの設計のために転写物データ及びタンパク質データと比較することができる。
本発明の方法の実施では、任意の改変表現型又は新規な表現型(細胞の新規な又は改善された性状を含む)を付与しこれを検出することができる。代謝又は増殖のいずれの特徴もモニターすることができる。
mRNA転写物発現のモニタリング
本発明のある特徴では、操作された表現型は、細胞内でのmRNA転写物(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチドのためのメッセージ)の発現の増加若しくは減少、又は新規転写物の生成を含む。この発現増加又は低下は、本発明の酵素の存在について試験するか、又は酵素活性のアッセイによって追跡することができる。mRNA転写物(又はメッセージ)はまた、当業界で公知の任意の方法(ノザンブロット、定量的増幅反応、アレイへのハイブリダイゼーションなどなどを含む)によって検出及び定量することができる。定量的増幅反応は、例えば定量的PCR(例えば定量的逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(又はRT-PCR)を含む);定量的リアルタイムRT-PCR(又は“リアルタイムカイネティックRT-PCR”)を含む(例えば以下を参照されたい:Kreuzer (2000) Br. J. Haematol. 114:313-318; Xia (2001) Transplantation 72:907-914)。
本発明のある特徴では、操作される表現型は相同遺伝子のノックアウト発現によって作出される。前記遺伝子のコード配列又は1つもしくは2つ以上の転写制御エレメント(例えばプロモータ又はエンハンサー)をノックアウトすることができる。したがって転写物の発現は完全に除去されるか、又は単に減少させることができる。
本発明のある特徴では、操作される表現型は相同遺伝子の発現の増加を含む。前記は、負の制御エレメント(cis-又はtrans-で作用する転写調節エレメントを含む)のノックアウト、又は正の制御エレメントの変異導入によって実施できる。細胞の1つ若しくは2つ以上又は全てを、細胞の転写物を含むサンプルのハイブリダイゼーションによって測定することができ、または細胞の核酸相当物又は細胞の転写物と相補的な核酸をアレイ上に固定化された核酸とのハイブリダイゼーションによって測定することができる。
ポリペプチド、ペプチド及びアミノ酸の発現のモニタリング
本発明のある特徴では、操作される表現型は、細胞内でのポリペプチド(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有するポリペプチド)の発現の増加もしくは低下、又は新規なポリペプチドの生成を含む。前記の発現増加又は低下は、存在する酵素の量の決定によって、又は活性アッセイによって追跡することができる。ポリペプチド、ペプチド及びアミノ酸はまた、当業界で公知の任意の方法(例えば核磁気共鳴(NMR)、分光光度法、ラジオグラフィー(タンパク質放射能標識)、電気泳動、キャピラリー電気泳動、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、高拡散クロマトグラフィー、多様な免疫学的方法、例えば免疫沈澱、免疫拡散、免疫電気泳動、ラジオイムノアッセイ(RIA)、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)、免疫蛍光アッセイ、ゲル電気泳動(例えばSDS-PAGE)、抗体による染色、蛍光活性化細胞分類装置(FACS)、熱分解質量分析法、フーリエ変換赤外線分光分析、ラマン分光分析、並びにLC-エレクトロスプレー及びcap-LC-タンデム-エレクトロスプレー質量分析などを含む)によって検出及び定量することができる。新規な生物活性はまた、米国特許第6,057,103号に記載された方法又はその変法を用いてスクリーニングできる。さらにまた以下で詳細に考察されるように、細胞のポリペプチドの1つ又は2つ以上、又はその全てはタンパク質アレイを用いて測定することができる。
酵素
本発明はまた、葉緑素を含む藻類、動物(例えば魚)及び/又は植物調製物、飼料、食品又は油(前記葉緑素は前記調製物、飼料又は油に天然に夾雑物として加工製品中に望ましくない組成物として存在しうる)を酵素的に処理(例えば脱色又は“漂白”)するための組成物及び方法を提供する。ある特徴では、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物(例えば藻類、動物若しくは植物調製物、飼料、食品又は油)は、クロロフィラーゼ又は等価の酵素を用いて酵素的に処理される。葉緑素又は葉緑素代謝物を改変することができる活性を有する任意のポリペプチドを本発明の組成物又は方法で用いることができる。
クロロフィラーゼ
本発明のポリペプチド及び/又はペプチドはエステラーゼ活性(例えばクロロフィラーゼ又は同様な活性)を有することができる。本発明のポリペプチド及び/又はペプチドは、触媒抗体、酵素、活性部位などを含むことができる。エステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する、本発明のこれらのポリペプチド及び/又はペプチドは、本発明の組成物又は方法で用いることができる。例えば、ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、葉緑素(図1A)をフィトール(図1B)及びクロロフィリド(図1C)に加水分解することによって、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を酵素的に処理する。
任意のクロロフィラーゼ、chlアーゼ又は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ、又は類似の活性を有するポリペプチド(例えば葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ1若しくはchlアーゼ1、又は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ2若しくはchlアーゼ2、例えばNCBIP59677_及びP59678をそれぞれ参照されたい)を本発明の組成物又は方法で用いることができる。葉緑素のエステル結合の加水分解を触媒してクロロフィリド及びフィトールを生成する任意のポリペプチド(例えば酵素又は触媒抗体)を、本発明の組成物又は方法で用いることができる。任意の単離された、組換え又は合成又はキメラ(合成と組換えの組合せ)ポリペプチド(例えば酵素または触媒抗体)、例えばクロロフィラーゼ、chlアーゼ又は葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ、又は類似の活性を有するポリペプチドを本発明の組成物又は方法で用いることができる(例えば以下を参照されたい:Marchler-Bauer (2003) Nucleic Acids Res. 31:383-387)。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、WO0229022に記載された酵素を用いて実施することができる。例えば、ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、組換え酵素(例えばクロロフィラーゼ)の発現、例えばクロロフィラーゼコードヌクレオチドの発現を含むことができる。ある特徴では、組換え核酸は全細胞、細胞抽出物又はin vitroで発現される。ある特徴では、前記酵素コードポリヌクレオチドは改変されて、形質転換宿主細胞において酵素(例えばクロロフィラーゼ)の産生レベルの変化をもたらす。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、公知の酵素、例えばクロロフィラーゼ(chlアーゼ及び葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼを含む)を用いて実施することができる。関連するポリペプチドは当分野で周知である。例えば、アラビドプシス・タリアーナ(Arabidopsis thaliana)のクロロフィラーゼを用いることができる。前記は、例えばNCBIエントリーNM_123753に記載されている(配列番号22に示される配列を有する前記酵素は、例えば配列番号21によってコードされる)。
[配列番号21]
AAAAAAAGTAAAGAAAAGAAAAACTAATAAAGAACAAAAAAAATGTCCTCTTCTTCATCAAGAAACGCCTTTGAAGATGGCAAATACAAATCAAATCTCTTAACCTTGGACTCATCATCTCGTTGCTGCAAAATAACACCGTCTTCTAGAGCTTCACCGTCTCCGCCAAAGCAGCTGTTGGTGGCTACGCCGGTGGAGGAAGGAGATTATCCGGTGGTGATGCTCCTCCATGGTTACCTTCTCTACAACTCCTTCTATTCTCAGCTTATGTTGCATGTCTCTTCTCATGGCTTCATCCTCATCGCTCCTCAGTTATATAGTATCGCCGGACCAGACACAATGGATGAGATTAAATCAACGGCGGAGATTATGGATTGGTTATCAGTAGGACTTAATCACTTTCTTCCAGCGCAAGTAACACCAAACCTATCCAAATTTGCCCTCTCCGGCCATAGCCGCGGTGGCAAAACCGCGTTTGCGGTCGCCTTAAAGAAATTTGGGTACTCCTCGAATCTAAAGATCTCGACATTGATCGGTATAGATCCAGTCGATGGAACAGGGAAAGGGAAACAAACCCCTCCTCCGGTGTTGGCTTACCTTCCAAACTCATTTGACCTAGACAAAACGCCTATACTTGTGATCGGTTCGGGGCTTGGTGAAACCGCTCGGAACCCATTATTCCCACCGTGTGCACCTCCCGGAGTGAATCACCGAGAGTTCTTTCGGGAATGTCAAGGTCCAGCATGGCATTTCGTTGCGAAGGATTATGGGCATTTGGACATGCTTGATGATGATACAAAAGGGATTAGAGGGAAGAGTTCTTATTGTTTGTGTAAGAATGGTGAAGAGAGGAGACCAATGAGGAGATTCGTTGGTGGACTTGTTGTATCATTTTTGAAGGCTTATTTGGAAGGAGATGATCGTGAATTAGTTAAGATCAAAGATGGGTGTCACGAGGATGTTCCCGTTGAAATTCAAGAGTTTGAGGTTATCATGTAAACATAAGTTTTTCTTTAGGGGCTGGTTTTTCTATTGTCAATATCATCAGCTTTTGTTGCTTATGGTTTTACAAACTTATATTGTACAACTCTTTAAGTCACCTCTTTGCTTATGATATTAACCCGATC
[配列番号22]
MSSSSSRNAFEDGKYKSNLLTLDSSSRCCKITPSSRASPSPPKQLLVATPVEEGDYPVVMLLHGYLLYNSFYSQLMLHVSSHGFILIAPQLYSIAGPDTMDEIKSTAEIMDWLSVGLNHFLPAQVTPNLSKFALSGHSRGGKTAFAVALKKFGYSSNLKISTLIGIDPVDGTGKGKQTPPPVLAYLPNSFDLDKTPILVIGSGLGETARNPLFPPCAPPGVNHREFFRECQGPAWHFVAKDYGHLDMLDDDTKGIRGKSSYCLCKNGEERRPMRRFVGGLVVSFLKAYLEGDDRELVKIKDGCHEDVPVEIQEFEVIM
例えばNCBIエントリーAY292526に記載されたギンクゴ・ビロバ(Ginkgo biloba)のクロロフィラーゼを用いてもよい:
[配列番号23]
TTGAAAAACAAAAACGAAGAAGATGAACTCAGTACTTGCACACAGCCATCGGCCATGGTTTTAGTGAAGGATGTGTTCAGCGAAGGTCCTTTACCTGTTCAAATCCTCGCAATTCCACAAGCCAACTCATCTCCATGCTCAAAATTAGCAGACAAAAACGGAACTGCAACCACGCCTTCTCCTTGTCGGCCTCCTAAACCCCTGCTGATCGCTCTTCCTTCCCAACATGGAGATTATCCTCTCATCCTCTTTTTCCACGGCTATGTACTCCTCAATTCCTTCTATTCTCAACTCTTGCGCCATGTTGCTTCCCATGGATACATCGCCATAGCTCCTCAGATGTACAGTGTAATTGGCCCAAATACGACTCCAGAAATAGCCGATGCAGCGGCCATTACAGACTGGTTACGAGATGGACTCTCGGATAATCTTCCGCAAGCTTTAAACAATCATGTGAGGCCCAATTTTGAGAAATTTGTGCTAGCGGGGCACTCGCGCGGGGGTAAAGTGGCATTTGCACTTGCCCTAGGTCGAGTCTCGCAGCCATCTTTAAAGTACTCGGCCCTTGTAGGTCTTGATCCAGTCGATGGAATGGGAAAAGATCAACAAACCAGTCATCCTATTCTGTCATACAGAGAGCATTCCTTTGATTTGGGTATGCCAACATTAGTGGTAGGTTCGGGCCTGGGTCCGTGCAAAAGAAACCCTCTCTTCCCTCCCTGTGCTCCCCAAGGTGTTAACCACCATGATTTCTTCTACGAATGTGTCGCTCCTGCCTATCATTTTGTTGCCTCTGATTATGGGCATCTTGATTTCTTAGACGACGACACCAAAGGAATAAGAGGAAAGGCTACTTATTGCCTCTGTAAGAATGGGGAAGCAAGAGAGCCAATGCGGAAGTTTAGCGGTGGAATTGTGGTTGCATTTCTTCAAGCATTTCTTGGTGATAATCGTGGAGCCCTGAATGATATTATGGTTTATCCTTCACATGCTCCAGTCAAGATTGAGCCTCCAGAGTCTTTGGTTACAGAAGATGTAAAATCCCCAGAAGTCGAATTATTACGCCGGGCAGTTTGCAGATGATGTACCATGGTATTATGCATTAAAGGAATGTATTTGTTATTAAAAAAATATTAAGAAGTAAAAAAAAAAAAAAA
[配列番号24]
MVLVKDVFSEGPLPVQILAIPQANSSPCSKLADKNGTATTPSPCRPPKPLLIALPSQHGDYPLILFFHGYVLLNSFYSQLLRHVASHGYIAIAPQMYSVIGPNTTPEIADAAAITDWLRDGLSDNLPQALNNHVRPNFEKFVLAGHSRGGKVAFALALGRVSQPSLKYSALVGLDPVDGMGKDQQTSHPILSYREHSFDLGMPTLVVGSGLGPCKRNPLFPPCAPQGVNHHDFFYECVAPAYHFVASDYGHLDFLDDDTKGIRGKATYCLCKNGEAREPMRKFSGGIVVAFLQAFLGDNRGALNDIMVYPSHAPVKIEPPESLVTEDVKSPEVELLRRAVCR
例えばNCBIエントリーAF337546に記載されたブラシカ・オレラセア(Brassica oleracea)のクロロフィラーゼを用いてもよい:
[配列番号25]
ACACAAAAAAATATATAACACAAAGAAATAGAAGAAGGAAAAAATGTCCCCCTCCTTTCTTTTCTTTACTTTGTTTTTGATAAAGGAAATGTCCTCTTCATCATCAGCAAACTCCTTTGAGGACGGCAAATACAAAACAGATCTTTTAACAGTAGGCTTATCATCTTGCTGCTGGAAAAAGCCCTCCTCTTCTCCGACTCCGCAGTCTCCGCCGAAGAGGCTTTTGGTGGCAACGCCGGTGGAGGAAGGAGAATATCCGGTGGTGATGCTCCTCCATGGTTACCTTCTCTACAACTCATTTTATTCCCAGCTTATGTTGCATGTCTCTTCCCATGGCTTCATTGTCATCGCTCCGCAGTTATATAGCATTGCCGGACCAGACACCATGGATGAGATAAAATCAACGGCAGAGATTATTGATTGGTTATCGGTCGGACTAAACCACTTTCTTCCACCACAAGTAACACCAAACCTATCCAAGTTCGCACTCTCCGGCCATAGCCGTGGTGGGAAGACCGCATTTGCCTTGGCCTTAAAGAAATTTGGATACTCGTCCGACCTAAAGATCTCGGCATTGATAGGTATAGATGTTGGAACTGTTTTTTGGACAAATGGCTATGGCCAATATTCCGGTGAATTTTTCGAGCAATTTGATTGTCGAAATGACCGGATTGTGGAATCGTAGGATTCATTGTTATGAGCACTATGGTATAGTGTAATCATATATCAAAAACGAAGTTCGTTTGAATGAGAAATGAAAGTCTAAAATAGATTATTTGTAAAATATCTATATTAGAATTATGAGGTAAGAAACCTCTTGTGTTTAAAATGGAGAAGTTATAACAAAGTTATAAAAAACTTTGTAAACAATTTGGTGTGTTAGC
[配列番号26]
MSPSFLFFTLFLIKEMSSSSSANSFEDGKYKTDLLTVGLSSCCWKKPSSSPTPQSPPKRLLVATPVEEGEYPVVMLLHGYLLYNSFYSQLMLHVSSHGFIVIAPQLYSIAGPDTMDEIKSTAEIIDWLSVGLNHFLPPQVTPNLSKFALSGHSRGGKTAFALALKKFGYSSDLKISALIGIDVGTVFWTNGYGQYSGEFFEQFDCRNDRIVES
例えばNCBIエントリーQ9MV14に記載されたシトラス・シネンシス(Citrus sinensis)のクロロフィラーゼを用いてもよい:
[配列番号27]
MAAMVDAKPAASVQGTPLLATATLPVFTRGIYSTKRITLETSSPSSPPPPKPLIIVTPAGKGTFNVILFLHGTSLSNKSYSKIFDHIASHGFIVVAPQLYTSIPPPSATNELNSAAEVAEWLPQGLQQNLPENTEANVSLVAVMGHSRGGQTAFALSLRYGFGAVIGLDPVAGTSKTTGLDPSILSFDSFDFSIPVTVIGTGLGGVARCITACAPEGANHEEFFNRCKNSSRAHFVATDYGHMDILDDNPSDVKSWALSKYFCKNGNESRDPMRRCVSGIVVAFLKDFFYGDAEDFRQILKDPSFAPIKLDSVEYIDASSMLTTTHVKV
酵素調製物
本発明の方法で用いられる酵素は、油溶性、安定性活性の強化のため又は固定のために製剤化又は改変(例えば化学的に改変)することができる。例えば、本発明の方法で用いられる酵素は、両親媒性又はより親油性にするために製剤化することができる。例えば、本発明の方法で用いられる酵素は、例えばリポソーム又はゲル(例えばアルギネートヒドロゲル又はアルギネートビーズ又は等価物)中に被包化することができる。本発明の方法で用いられる酵素は、ミセル系(例えば三重ミセル系(TMS)又はリバースミセル系(RMS))媒体中で製剤化することができる。本発明の方法で用いられる酵素は、下記文献に記載されたように製剤化することができる:Yi (2002) J. Molecular Catalysis B: Enzymatic, Vol. 19, No. 0, pgs319−325。例えば両親媒性酵素(例えばクロロフィラーゼ)は、(三重ミセル系(TMS)又はリバースミセル系(RMS)媒体の様式で)アルギネートヒドロゲル中で被包化することができる。ある特徴では、酵素(例えばクロロフィラーゼ)は水性緩衝液中で調製され、ヒドロゲル(例えばTMS/アルギネート及びRMS/アルギネート)中で維持される。酵素を被包化するある手段は、酵素-TMS又は-RMS系の乳化及び/又は内部ゲル化でもよい。
本発明の酵素反応は、in vitroで実施することができる(例えばキャピラリーアレー(下記で考察する)又は全細胞系を含む)。ある特徴では、本発明の方法の酵素反応は、一反応容器又はマルチ容器中で実施される。ある特徴では、本発明の方法の酵素反応は植物油精製装置で実施される。
本発明の組成物及び方法は、固定化された酵素(例えば固定クロロフィラーゼ)を用いて実施することができる。前記酵素は任意の有機又は無機支持体上に固定することができる。例示的無機支持体には、アルミナ、セリット、ダウエクス-1-クロリド、ガラスビーズ及びシリカゲルが含まれる。例示的有機支持体にはアルギネートヒドロゲル又はアルギネートビーズ又は等価物が含まれる。
本発明の種々の特徴では、クロロフィラーゼの固定は、種々の無機支持体(アルミナ、セリット、ダウエクス-1-クロリド、ガラスビーズ及びシリカゲルを含む)上に物理的に吸着させることによって最適化されうる。本発明の実施に用いられる酵素は種々の媒体中で固定することができる。前記媒体には水、トリス-HCl緩衝溶液、並びにトリス-HCl緩衝溶液、ヘキサン及び界面活性剤を含む三重ミセル系が含まれる。最高の固定効率(84.56%)及び比活性(1mgのタンパク質につき1分当たり加水分解される葉緑素は0.34mumol)は、葉緑素をトリス-HCl緩衝溶液に懸濁しシリカゲルに吸着させたときに得られた。
工業的及び医療的応用
本発明のポリペプチド(例えば葉緑素異化作用に関与するか、又はエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ)活性を有する本発明の酵素)は、本明細書に記載するように多様な医療的又は工業的用途に用いることができる。本発明の組成物及び方法は、任意の工業的使用又は製薬若しくは医療的応用と連係して、葉緑素含有物質(例えば植物調製物)、油含有物質の処理のために用いることができる。例えば、本発明の組成物及び方法は、単にいくつかを挙げれば、非水和性リン脂質を水和形に変換するプロセス、油の脱ガム、植物、魚、藻類などの油の加工のためのプロセスで用いることができる。例えば、本発明の方法は、例えば日本国特許出願公開H6-306386に記載されているように、脂肪及び油の加工に用いることができる(前記は、油及び脂肪に存在するリン脂質のリン酸基含有水溶性物質への変換を開示する)。
本発明の組成物及び方法は、植物油(例えばコメ糠、ダイズ、キャノーラ、ヤシ、綿実、トウモロコシ、ヤシの実、ココナッツ、落花生、ゴマ、ヒマワリに由来するか、又は前記から単離されたもの)を加工する方法と連係して用いることができる。本発明の組成物及び方法は、精油(例えば果実の種子油、例えばブドウの種、アプリコット、ルリチシャなどに由来するもの)を加工する方法と連係して用いることができる。本発明の組成物及び方法は、種々の形態(非精製形、脱ガム形、ガム、洗浄水、粘土、シリカ、ソープストックなどを含む)中の油及びリン脂質を処理する方法と連係して用いることができる。本発明の組成物及び方法は、リン含有量の高い油(例えば大豆油)魚油、動物油、植物油、藻類の油などを加工する方法と連係して用いることができる。
本発明の組成物及び方法は、植物油、バイオディーゼル油、医薬及び化粧品用リポソーム、構造付与(structured)リン脂質及び構造付与(structured)脂質を加工及び製造する方法と連係して用いることができる。本発明の組成物及び方法は、油を抽出する方法と連係して用いることができる。本発明の組成物及び方法は、種々の石鹸を製造する方法と連係して用いることができる。
本発明の方法はさらに、pHを改変して(例えばpHを高めて)クロロフィリドの水性分離を促進することを含む。したがって、本発明の組成物及び方法はまた、例えば苛性中和pH条件を用いる苛性中和プロセスを含むことができる。ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、例えば“化学的に精製された油”の処理で(例えばクロロフィラーゼを用いる)及び/又はクロロフィリドの分離で、中和工程を含むことができる。本発明の組成物及び方法は、pHを改変してクロロフィリドの水性分離を促進することを含むことができる。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、無吸着剤又は低吸着剤シリカ精製装置及びプロセスの使用を含む。前記は当分野で公知であり、例えばトリシルシリカ精製プロセス(TriSyl Silica Refining Processes; Grace Davison, Columbia, MD)、又はSORBSIL R(商標)シリカ(INEOS Silicas, Joliet, IL)を用いる。
酵素処理、又は“漂白”若しくは脱色プロセス
本発明は、図8から図16に図示されているように、藻類、動物(例えば魚)及び/又は植物調製物、飼料、食品又は油を酵素的に処理、例えば脱色又は“漂白”するための新規な組成物及び方法を提供する。ある特徴では、葉緑素含有又は葉緑素夾雑食品又は油が処理される。例えば、また別の特徴では、植物油(油種子から加工された油(例えばキャノーラ(ナタネ)油、ダイズ油)を含む)又は油果実(例えばヤシ油)が、本発明の組成物及び/又は方法を用いて処理される。
本発明のこの例示的な方法の中の少なくとも1つの工程が、酵素(例えば葉緑素をフィトール及びクロロフィリドに加水分解することができるクロロフィラーゼ酵素)の使用を必要とする。また別の特徴では、1つ、いくつか又は全工程が酵素を使用する。前記反応はin vitroでもin vivoでもありうる。
図8は、葉緑素分解において本発明の例示的エステラーゼ(クロロフィラーゼ)の反応が葉緑素のエステル結合の加水分解を触媒して、クロロフィリド及びフィトールを生成することを示す。前記反応では、クロロフィリドは親水性ポルフィリン環のために水相に入り、フィトールは油(疎水性)相中に分離する。本発明のプロセスのある特徴では、前記親水性ポルフィリン環は、多くの周知の方法の任意の1つを用いてガム/水分画とともに分離される。
図9は、伝統的な酵素脱色(漂白)プロセスと本発明のプロセスを示しそれらを対比している。本発明のプロセスでは本発明のエステラーゼを取り入れることができる。伝統的な方法では、粗植物油は、例えば粘土吸着とそれに続く粘土の処分(廃棄)を用いて脱ガムし(場合によって苛性中和が実施される)、さらに脱臭して“精製、漂白及び脱臭された”(又はRBD)油が生成される。本発明の例示的な酵素漂白プロセスでは、粗植物油は、例えば本発明のポリペプチド(例えば本発明のクロロフィラーゼ)を用い、その後クロロフィリドを水性分離し、続いて脱臭して“精製、漂白及び脱臭された”(又はRBD)油が生成される。脱ガムの必要性はリン含有量及び他の因子(当分野ではいずれも知られている)に左右される。ダイズ及びキャノーラは典型的には脱ガムされる。
図10は、本発明の例示的な脱色(漂白)プロセス、脱ガム-漂白(“脱色”)組み合わせプロセスを示す。本発明のこの例示的酵素漂白プロセスでは、粗植物油は、本発明のポリペプチド、例えばエステラーゼ(例えば本発明のクロロフィラーゼ)を一工程又は“一容器”で用いて脱ガム及び酵素漂白される。前記脱ガムは“伝統的”脱ガムであっても、酵素的脱ガム(リン脂質及び/又は加水分解を必要とする)であってもよい。ある特徴では、本発明の例示的プロセスは、反応生成物のクロロフィリド、ガム及び/又は石鹸を除去するために、その後の水性分離工程を含む。ある特徴では、前記分離工程に続いて脱臭が実施され、“精製、漂白及び脱臭された”(又はRBD)油が生成される。
図11は、脱ガム、酵素漂白(“脱色”)及び苛性中和工程が組み合わされた、本発明の例示的な酵素的脱色(漂白)プロセスを示す。本発明のこの例示的な酵素漂白プロセスでは、粗植物油は、本発明のポリペプチド、例えばエステラーゼ(例えば本発明のクロロフィラーゼ)を一工程又は“一容器”で用いて脱ガム、中和、及び酵素漂白される。前記脱ガムは“伝統的”脱ガムであっても、酵素的脱ガム(リン脂質及び/又は加水分解を必要とする)であってもよい。ある特徴では、本発明の前記例示的プロセスは、反応生成物のクロロフィリド、ガム及び/又は石鹸を除去するために、後続の水性分離工程を含む。
図12は、本発明のポリペプチド(例えばエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ))を油種子調製物に適用し、続いて水性分離工程(例えば反応生成物のクロロフィリド又はガム及び/又は石鹸を除去するため)、その後に続く図9、10又は11に示したプロセスを含む、本発明の例示的な酵素的脱色(漂白)プロセスを示す。
図13は、油種子の抽出、精製及び改変を含む一般的な油種子精製の模式図を示す。この場合、本発明のポリペプチド(例えばエステラーゼ(例えばクロロフィラーゼ))の他に、他のポリペプチド及び/又は化学物質、例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、プロテアーゼ、ペクチナーゼ、ホスホリパーゼA、B、C及び/又はD、エステラーゼ(例えば選択的エステラーゼ)、リパーゼ(例えば1,3リパーゼ)、選択的リパーゼ、公知のクロロフィラーゼ又は葉緑素の異化作用に関与する他の酵素などがまた、前記の工程の1つ又はいくつか又は全工程で油種子に添加される。
図14は、本発明の例示的な工業的プロセス、生物的脱ガムプロセスを示す。前記プロセスは、ホスホリパーゼA及び本発明のクロロフィラーゼ酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドの使用を含む。本発明のクロロフィラーゼ活性を有する少なくとも1つの前記ポリペプチドは、以下の工程の1つ又はいくつか又は全工程で添加することができる:脱ガムプロセスで粗油に、又は脱ガム油、貯蔵若しくは保持タンクに、ホスホリパーゼAとともに(例えば図の“デイタンク”に)、及び/又は苛性タンクに添加される。
図15は、本発明のまた別の例示的な工業的プロセスを示す。前記は本発明のクロロフィラーゼ酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドの使用を含む。本発明のクロロフィラーゼ活性を有する少なくとも1つの前記ポリペプチドは、以下の工程の1つ又はいくつか又は全工程で添加することができる:脱ガムプロセスで粗油に、又は脱ガム油、貯蔵若しくは保持タンク、苛性タンク、及び/又は保持混合装置に添加される。
図16は、本発明のクロロフィラーゼ酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドの使用を含む、本発明のまた別の例示的な工業的プロセスを示す。この例示的プロセスでは、ホスホリパーゼC(PLC)が、脱ガムプロセス、又は脱ガム油に本発明のクロロフィラーゼ酵素とともに添加される。本発明のクロロフィラーゼ活性を有する少なくとも1つの前記ポリペプチドは以下の工程の1つ又はいくつか又は全工程で添加することができる:脱ガムプロセスで粗油に、又は脱ガム油(PLCとともに)、貯蔵若しくは保持タンク、苛性タンク、及び/又は保持混合装置に添加される。
油の脱ガム及び植物油の加工
本発明の方法及び組成物を多様な植物油の加工工程、例えば植物油の抽出、特に“油の脱ガム”と称されるプロセスでの“リン脂質ガム”の除去で用いることができる。
本発明の組成物及び方法は、種々の供給源、例えば米ぬか、ダイズ、ナタネ、落花生及び他のナッツ、ゴマ、ヒマワリ、ヤシ及びトウモロコシに由来する植物油を加工する方法で用いることができる。前記方法は、ヘキサンによる抽出、それに続く粗抽出物の食用油への精製を基本にするプロセスと連係して用いることができる。精製の連続工程の最初の工程はいわゆる“脱ガム”プロセスであり、前記は水の添加によってホスファチドを分離させる。脱ガムによって沈殿した物質を分離し、さらに処理してレシチンの混合物が得られる。産業レシチン(例えばダイズレシチン及びヒマワリレシチン)は、半固形又は非常に粘稠な物質である。前記は、極性脂質(主としてリン脂質)及び油(主としてトリグリセリド)の混合物から成る。本発明の組成物及び方法は、プロセスの前後の任意の工程で、又は工程の任意の組合せの前後に、又はプロセスの全工程の前後に、例えば機械的及び/又は化学的抽出、脱ガム及び/又は漂白などの前、最中、若しくは後で用いることができる。
本発明の組成物及び方法は、任意の“脱ガム”方法(水による脱ガム、ALCON油脱ガム(例えばダイズ用)、サフィンコ(safinco)脱ガム、“スーパー脱ガム”、UF脱ガム、TOP脱ガム、ユニ脱ガム、乾燥脱ガム及びENZYMAX(商標)脱ガムを含む)で用いることができる(例えば以下を参照されたい:米国特許6,355,693号、6,162,623号、6,103,505号、6,001,640号、5,558,781号、5,264,367号)。本発明の組成物及び方法は、任意の油加工方法、例えば脱ガム又は等価のプロセスで用いることができる。例えば本発明の組成物及び方法は、米国特許号5,558,781;同5,288,619;同5,264,367;同6,001,640;同6,376,689;WO0229022に記載されたプロセスで、例えばWO98/18912に記載された油の脱ガムで、日本国特許出願H5-132283(1993年4月25日出願)、欧州特許出願82870032.8などに記載されたに記載されたプロセスで用いることができる。本発明の方法に取り入れられた種々の“脱ガム”方法は以下に記載されている:M. Bockisch (1998) Fats and Oils Handbook, The Extraction of Vegetable Oils (Chapter 5), 345-445, AOCS Press, Champaign, Ollinois。本発明の組成物及び方法は、例えば欧州特許513,709に記載されているように、トリグリセリド油の酵素的脱ガムの工業的利用で用いることができる。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法を用いて、植物油(例えば粗油、例えば米ぬか、ダイズ、キャノーラ、ヒマワリなど)が処理される。ある特徴では、前記処理によって、脱ガムプロセスの効率が改善される。ある特徴では、本発明の方法は、例えば遠心時の油相からの葉緑素の分離の改善をもたらす。これらの相における分離の改善は、油(水和性及び非水和性油の両方を含む)からのより効率的な葉緑素の除去をもたらす。
本発明の組成物及び方法は、例えばCA1102795(前記は、少なくとも50重量%の水を添加することによって穀類の脂質から極性脂質を単離する方法を記載している)に記載されているように酵素的脱ガムの工業的応用で用いることができる。前記方法は粗油混合物に水を添加する原理を用いるという意味で改変脱ガムである。
ある特徴では、本発明は、本発明の組成物及び方法の使用を含む酵素的プロセスを提供し、前記は、油中の水和リン脂質を約20℃から40℃の温度で、アルカリ性pH(例えば約pH8からpH10)で約3から10分の反応時間を用いて加水分解することを含む。
本発明の種々の例示的方法では、それぞれ別個の多数の工程が、コア漂白及び脱臭精製プロセスに先行する脱ガムプロセスを含む。これらの工程は、加熱、混合、保持、分離及び乾燥を含む。加熱工程に続いて、水及びしばしば酸が添加及び混合され、不溶性リン脂質“ガム”がかためられて、分離可能な粒子になる。脱ガムに際して水はホスファチドの多くを分離させるが、一方、リン脂質の一部分は、カルシウム又はマグネシウム塩として存在する非水和性ホスファチド(NHP)である。脱ガムプロセスは、酸の添加によってこれらNHPに向けられる。リン脂質の水和に続いて、油を混合し保持しさらに遠心によって分離する。最後に、油は乾燥及び保存され、輸送又は精製される。得られたガムはレシチン生成物としてさらに加工されるか、又はひきわりに戻される。上記で明記したように、本発明の組成物及び方法は、任意の加工方法において、前記の工程のいずれの前若しくは後でも、又は工程のいずれの組合せの前若しくは後でも、又はそれら全ての工程の前若しくは後でも用いることができる。
本発明の酵素処理の終了時に、前記処理された液体(例えば油)は、適切な手段(例えば遠心分離機)で分離され、加工された油が得られる。ある特徴では、葉緑素の酵素改変によって生じた化合物は部分的又は完全に水相に移され、油相から除去される。前記酵素処理の終了時に、必要な場合には、前記加工された油は、さらに水又は有機若しくは無機酸(例えば酢酸、リン酸、コハク酸など)、又は塩溶液で洗浄することができる。
限外ろ過脱ガムのためのある例示的プロセスでは、本発明の方法で用いられる酵素はフィルターに結合されるか、又は酵素はろ過前に油に添加される。本発明の組成物又は方法で用いられる酵素は、任意の土台(例えばフィルター、線維、カラム、ビーズ、コロイド、ゲル、ヒドロゲル、メッシュなど)に固定することができる。
本発明の組成物及び方法は、油の抽出、油の脱ガム及び苛性の中和(例えば植物油)の改善のための用いることができる。ある特徴では、本発明の組成物又は方法、及び少なくとも1つの植物細胞壁分解物質(例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼなど、細胞壁を軟化させ抽出時の収量を高めるため)が、本発明のプロセスで用いられる。例示的な方法では、油の抽出及び油の脱ガムの改善のために、ホスホリパーゼ(例えばホスホリパーゼC)又は別のヒドロラーゼ(例えばセルラーゼ、ヘミセルラーゼ、エステラーゼ、プロテアーゼ及び/又はホスファターゼ)が用いられる。例えば、ある特徴では、油(ダイズ油、キャノーラ油、ヒマワリ油、米ぬか油を含むが、ただしこれらに限定されない)の製造に付随する破砕工程時に、ホスホリパーゼ又は他の酵素を用いることができる。溶媒抽出の前に、又は溶媒抽出の代わりに酵素を用いることによって、油の収量を高め、さらに粗油中の水和性及び非水和性リン脂質の量を低下させることが可能である。粗油中のリン脂質の全体的な減少は、漂白及び脱臭前の別個の脱ガム工程の必要性を排除できる可能性により精製時の収量の改善をもたらすであろう。
本発明の組成物及び方法はまた米国特許5,414,100号に記載されたプロセスを用いて実施することができる。例えばある特徴では、前記方法又は組成物はさらに、周囲温度での植物油の脱酸のためのクロマトグラフィープロセスを含む。これらのプロセスは、ミセラ精製又は溶媒抽出を用いる脱酸操作の後で実施することができる。粗植物油は溶媒(例えばイソプロピルアルコール)に溶解され、活性化アルミナ(酸化アルミニウム)のカラムに室温で通される。このプロセス(前記は油とアルカリ性試薬及び油と水の両者の間の物理的接触を排除する)は、いくらかの着色色素を除去することによってもまたその後の漂白プロセスを単純化する。使用アルミナは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの希薄溶液で前記を洗浄することによって再活性化することができる。
本発明の組成物及び方法はまた、日本国特許57156482, 1982(出願番号:JP19810040794 19810320)(副生成物としての植物脂肪または油の精製を開示する)に記載されたプロセスを用いて実施することができる。
本発明の組成物及び方法はまた米国特許5,315,021に記載されたプロセスを用いて実施することができる。例えば、ある特徴では、本発明の方法又は組成物は、植物油から葉緑素色の不純物を除去するプロセスで実施することができる。前記プロセスは、植物油にリン酸の供給源を分散させ、0.1重量%未満の水分含有量を有する混合物を形成することを含むことができる。葉緑素色の不純物を含む沈殿物が形成されるまで、前記混合物は70℃から160℃の範囲の温度で維持される。続いて、前記油から沈殿物質を分離して、例えば通常の油の処理中に(油から漂白粘土を除去するまで及び漂白粘土の除去を含む)、沈殿物質とともに葉緑素色の不純物を除去することができる。
油種子の酵素による加工
本発明の組成物及び方法は、油種子(ダイズ、キャノーラ(ナタネ)、ココナッツ、アボカド及びオリーブペーストを含む)の酵素的処理のために用いることができる。ある特徴では、本発明のこれらのプロセスは、油の収量の増加及び得られたひきわりの栄養的品質の改善を提供する。いくつかの特徴では、本発明の酵素及び方法を用いる油種子の酵素による加工は、経済的及び環境的利点だけでなく、油の抽出並びに人間及び動物用加工食品のためのまた別の技術を提供するであろう。また別の特徴では、本発明のプロセスはさらに、ホスホリパーゼ、プロテアーゼ、ホスファターゼ、フィターゼ、キシラナーゼ、アミラーゼ(例えばα-アミラーゼ)、グルカナーゼ(例えばβ-グルカナーゼ)、ポリガラクツロナーゼ、ガラクトリパーゼ、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ペクチナーゼ及び他の植物細胞壁分解酵素の他に、混合酵素調製物及び細胞溶解物の使用を含む。また別の特徴では、本発明のプロセスは、他のプロセス、例えば酵素処理(例えばカルボヒドラーゼ(セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、及び他の部分分解活性を含む)による)、又は化学的プロセス(例えばダイズ油のヘキサン抽出)と連係して実施することができる。前記酵素処理は、酵素処理が溶媒抽出前に実施されるとき油の抽出能力を8−10%高めることができる。
また別の特徴では、本発明のプロセスは水性抽出プロセスを用いて実施することができる。前記水性抽出方法は、環境的によりクリーンなまた別の油抽出技術でありうる。本発明のプロセスはまた、油種子の細胞壁を形成する構造性多糖類を加水分解する酵素、又は細胞及び脂質体膜を形成するタンパク質を加水分解する酵素を(例えばダイズの細胞から油を抽出するためにセルラーゼ、ヘミセルラーゼ及び/又はプロトペクチナーゼを含む消化を利用して)用いることができる。ある特徴では、複数の方法が、文献(Kasai (2003), J. Agric. Food Chem. 51:6217-6222)(前記著者は、細胞壁を消化するためにもっとも有効な酵素はセルラーゼであることを報告した)に記載されたように、本発明の酵素を用いて実施される。
ある特徴では、プロテアーゼが本発明の方法と組み合わせて用いられる。作業変数並びにプロテアーゼ及びセルラーゼの酵素活性と他のプロセスパラメータ(例えば酵素濃度、加水分解時間、粒子サイズ及び固体対液体比)の油及びタンパク質抽出収量に対する組合せ効果が評価された。ある特徴では、本発明の複数の方法が、文献(Rosenthal (2001) Enzyme and Microb. Tech. 28:499-509)(前記著者は、プロテアーゼの使用は、加熱処理粉を用いたとき、油及びタンパク質の収量をコントロールよりも顕著に高めることができることを報告した)に記載されたプロトコルを用いて実施される。
ある特徴では、完全なタンパク質、ペクチン及びヘミセルロース抽出が本発明の方法と組み合わせて用いられる。植物細胞は、タンパク質又はフェノール化合物としばしば結合しているか又は前記によって置き換えられた一連の多糖類から成る。これらの炭水化物の大半は、消化酵素によっては部分的にしか消化されないか、又はほとんど利用されない。これらの構造をプロセッシング酵素又は分解酵素により破壊することによってそれらの栄養利用性が改善される。ある特徴では、本発明の複数の方法が、文献(Ouhida (2002) J. Agric. Food Chem. 50:1933-1938)(前記著者は、ダイズ細胞壁セルロースの顕著な分解(20%に達する)が完全なタンパク質、ペクチン及びヘミセルロース抽出後に達成されることを報告した)に記載されたプロトコルを用いて実施される。
ある特徴では、本発明の方法はさらに、種子(例えばキャノーラ種子)の処理に種々の酵素処理を取り入れることを含み、これらの処理は、プロテアーゼ、セルラーゼ及びヘミセルラーゼ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素を種々組み合わせる)の使用を含む。例えば、前記方法は、例えば文献(Sosulski (1990), Proc. Can. Inst. Food Sci. Technol. 3:656)に記載されたように、通常のプロセスの前に酵素とのインキュベーション中に20から40モイスチャーでキャノーラ種子を酵素処理することを含むことができる。本発明の方法はさらに、例えば文献(McGlone (1986), J Food Sci. 51:695-697)に記載されたように、プロテアーゼ、α-アミラーゼ、ポリガラクツロナーゼ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素と種々組み合わせる)を取り入れて、ココナッツのひきわり中の細胞性物質を加水分解しココナッツ油(前記は遠心によって回収することができる)を遊離させることを含むことができる。本発明の方法はさらに、例えば文献(Buenrostro (1986), Biotech. Letters 8(7):505-506)に記載されたように、種々の組合せのペクチナーゼ、α-アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素と種々組み合わせる)を取り入れて、アボカド油の酵素抽出時に顕著な収量の改善(最善の事例では約70%)を得ることを含むことができる。オリーブ油の抽出のための本発明のプロセスでは、例えば文献(Montedoro (1976), Acta Vitamin. Enzymol. (Milano) 30:13)に記載されたように、オリーブペーストは、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチン-メチルトランスフェラーゼ、プロテアーゼ及び前記の組合せ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素と種々組み合わせる)を用いて処理される。
ある特徴では、本発明の方法はさらに、種子(例えばキャノーラ種子)の処理に種々の酵素処理を取り入れることを含み、これらの処理は、プロテアーゼ、セルラーゼ及びヘミセルラーゼ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素を種々組み合わせる)の使用を含む。例えば、前記方法は、例えば文献(Sosulski (1990), Proc. Can. Inst. Food Sci. Technol. 3:656)に記載されたように、通常のプロセスの前に酵素とのインキュベーション中に20から40モイスチャーでキャノーラ種子を酵素処理することを含むことができる。本発明の方法はさらに、例えば文献(McGlone (1986), J Food Sci. 51:695-697)に記載されたように、プロテアーゼ、α-アミラーゼ、ポリガラクツロナーゼ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素と種々組み合わせる)を取り入れて、ココナッツのひきわり中の細胞性物質を加水分解しココナッツ油(前記は遠心によって回収することができる)を遊離させることを含むことができる。本発明の方法はさらに、例えば文献(Buenrostro (1986), Biotech. Letters 8(7):505-506)に記載されたように、種々の組合せのペクチナーゼ、α-アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素と種々組み合わせる)を取り入れて、アボカド油の酵素抽出時に顕著な収量の改善(最善の事例では約70%)を得ることを含むことができる。オリーブ油の抽出のための本発明のプロセスでは、例えば文献(Montedoro (1976), Acta Vitamin. Enzymol. (Milano) 30:13)に記載されたように、オリーブペーストは、セルラーゼ、ヘミセルラーゼ、ポリガラクツロナーゼ、ペクチン-メチルトランスフェラーゼ、プロテアーゼ及び前記の組合せ(前記を互いに、さらに本発明の1つ又は2つ以上の酵素と種々組み合わせる)を用いて処理される。
ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、米国特許6,376,689に記載された方法を用いて実施することができる。例えば、ある特徴では、本発明の組成物及び方法は、一工程酸脱ガム/脱色プロセスを含むことができる。前記プロセスは、種子、特に霜で傷んだ種子(大量の葉緑素型化合物を有する)由来の植物油から葉緑素型化合物を除去する。ある特徴では、本発明の方法はさらに硫酸及びリン酸水溶液の混合物を含む。前記混合物は、前記油から葉緑素型化合物を除去するために油と混合される。前記精製油は、約5ppm未満の葉緑素型化合物、約50ppm未満のリン、又は約1.0重量%未満の遊離脂肪酸を有しうる。
植物油からフィトステロールの精製
本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法はまた、植物油からフィトステロール及びトリテルペン、又は植物ステロールを精製する方法及びプロセスと連係して用いることができる。本発明の方法を用いて精製することができるフィトステロールには、β-シトステロール、カムペステロール、スチグマステロール、スチグマスタノール、β-シトスタノール、シトスタノール、デスモステロール、チャリナステロール、ポリフェラステロール、クリオナステロール及びブラシカステロールが含まれる。植物ステロールは、健康産業及び栄養産業のための重要な農産物である。したがって、本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法は、化粧品製造業者のための乳化剤、及びホルモン医薬製造のためのステロイド中間体及び前駆体の製造に用いることができる。本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法は、心臓の健康に役立つコレステロール低下剤として使用されるフィトステロールの類似体及びそれらのエステルの製造(例えば精製)に用いることができる。本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法は、腸管腔でのコレステロール吸収を阻害することによって血中コレステロールレベルを低下させる、植物ステロールの精製に用いることができる。本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法は、極端に低濃度で免疫調節特性を有する植物ステロールの精製に用いることができる(前記免疫調節特性は、癌細胞株に対するTリンパ球の細胞性応答及びナチュラルキラー細胞の細胞傷害性能力の強化が含まれる)。本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法は、肺結核、慢性関節リウマチの治療、HIV感染患者の管理、及び免疫ストレスの抑制(例えばマラソン選手の場合)のための植物ステロールの精製に用いることができる。
本発明の組成物(例えばエステラーゼ)及び方法は、植物油(例えばココナッツ油、キャノーラ油、カカオ脂油、トウモロコシ油、綿実油、亜麻油、オリーブ油、ヤシ油、落花生油、米ぬか油、紅花油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油)の製品中に存在するステロール成分(例えばシトステロール(40.2−92.3%)、カムペステロール(2.6−38.6%)、スチグマステロール(0−31%)及び5-アヴェナステロール(1.5−29%))の精製に用いることができる。
植物油の精製装置
本発明は、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための脱ガム系を含む製品を提供する。前記製品は以下を含む:(a)植物油精製装置;及び前記植物油精製装置に機能的に組み込まれたクロロフィラーゼ活性を有するポリペプチド。ここで前記ポリペプチドの活性は葉緑素改変反応の触媒を含み、さらに前記植物油精製装置は、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を前記ポリペプチドと反応させることができる。
本発明の製品は任意の植物油精製装置又はその組合せ、例えばオイル・リービング・エクスペラー(例えばPennwalt社製)又は重力ガム分離装置を含むことができる。
本発明は、固定化された酵素(例えば本発明のエステラーゼ)、例えば固定クロロフィラーゼを含む製品を提供する。前記製品のある特徴では、前記クロロフィラーゼは、シリカに固定化されたクロロフィラーゼを含む。前記シリカはシリカゲル又は等価物を含む。前記シリカは、トリシルシリカ又はSORBSIL R(商標)シリカを含む。
ある特徴では、本発明の製品は、pH調整(例えばpHを高め(“苛性処理”)、続いてある場合には中性pHにする)のための装置を含む。
本発明は以下の実施例を参照しながらさらに記述されるが、本発明はそのような実施例に限定されないことは理解されよう。
実施例1:例示的エステラーゼ活性アッセイ
以下の実施例は、本発明の酵素及び前記をコードする核酸の単離及び性状決定のため、及びポリペプチドが本発明の範疇に入るか否かを決定するための例示的なエステラーゼ(クロロフィラーゼ活性)アッセイを示す。
クロロフィリド産生能力についてホウレン草由来の葉緑素によりエステラーゼをスクリーニングした。この例示的エステラーゼ(クロロフィラーゼ活性)アッセイでは、エステラーゼスクリーニング様式は以下を含む:
*デュープリケートでスクリーニングされるプレート;
*各プレートで陽性(CHLase)及び陰性コントロール;
*1mMのCHL、20%の細胞溶解物、20%のアセトン、pH7.5、0.01%のHBT;
*暗所で30℃、24時間のインキュベーション時間;
*100mLの反応容積;
*LC-VISによる分析;1mLのサンプル注入。
このスクリーニング方法では反応生成物の分析にHPLCが用いられた。図2及び3は、表示の本発明の例示的酵素を用いたエステラーゼ活性(クロロフィラーゼ活性)アッセイの結果を示すデータを示している。
HPLCのために:
*カラム:クロモリス(Cromolith)スピードROD RP-18e 50-4、6mm(Cat# UM1082/086)
*流速:1.0mL/分;注入:1.0mL
Figure 2008505619
A:H2O、B:MeOH+1mLのNH4OAc、C:MTBE
Figure 2008505619
Figure 2008505619
図2に示したデータは、24時間から48時間の間の反応生成物のレベルの増加を示している。この図の反応生成物のレベルは、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18及び配列番号20についてのクロロフィラーゼ活性を示す。図3のデータは、24時間から48時間の間の反応生成物のレベルの増加を示し、この図の反応生成物のレベルは、配列番号10についてのクロロフィラーゼ活性を示す。
本発明の多数の実施態様をこれまで述べてきた。それにもかかわらず、多様な改変が本発明の範囲を外れることなく実施しうることは理解されよう。したがって、他の実施態様も本発明の特許請求の範囲内である。
葉緑素(図1A)、フィトール(図1B)及びクロロフィリド(図1C)の模式図である。 下記実施例1で詳細に述べるように、本発明の例示的酵素を用いたエステラーゼ(クロロフィラーゼ活性)活性アッセイの結果を示すデータである。 下記実施例1で詳細に述べるように、本発明の例示的酵素を用いたエステラーゼ(クロロフィラーゼ活性)活性アッセイの結果を示すデータである。 下記で詳細に述べるように、本発明の例示的コンピュータシステムの組み立て図である。 下記で詳細に述べるように、新規なヌクレオチド又はタンパク質を配列データベースと比較して前記新規な配列とデータベースの配列との間の相同性レベルを決定する、本発明のプロセスの1つの特徴を示す工程図である。 下記で詳細に述べるように、2つの配列が相同であるか否かを決定する、コンピュータプロセスの1つの特徴を示す工程図である。 下記で詳細に述べるように、配列中の特徴の存在を検出するためのアイデンティファイヤープロセス(300)の1つの特徴を示す工程図である。 下記で詳細に述べるように、葉緑素分解における本発明の例示的なエステラーゼの反応を示す。 下記で詳細に述べるように、本発明の例示的酵素脱色(漂白)反応と伝統的な反応の説明と比較である。 下記で詳細に述べるように、本発明の例示的酵素脱色(漂白)反応を示す。 下記で詳細に述べるように、脱ガム、酵素的漂白(“脱色”)及び苛性中和工程を合体させた、本発明の例示的酵素脱色(漂白)プロセスを示す。 下記で詳細に述べるように、本発明の例示的酵素脱色(漂白)プロセスを示す。 下記で詳細に述べるように、本発明のエステラーゼを用いる、油種子の抽出、精製及び改変を含む例示的油種子精製を示す。 下記で詳細に述べるように、本発明の少なくとも1つのポリペプチドの使用を含む、本発明の例示的工業プロセス、バイオ脱ガムプロセスを示す。 下記で詳細に述べるように、本発明の少なくとも1つのポリペプチドの使用を含む、また別の本発明の例示的工業プロセスを示す。 クロロフィラーゼ酵素活性を有する、本発明の少なくとも1つのポリペプチドの使用を含む、また別の本発明の例示的工業プロセスを示す。

Claims (237)

  1. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19と少なくとも50%の配列同一性を有する核酸配列を含む単離又は組換え核酸であって、
    エステラーゼ活性を有する少なくとも1つのポリペプチドをコードする、前記単離又は組換え核酸。
  2. 配列同一性が、少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%又は64%である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  3. 配列同一性が、少なくとも約65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれ以上の配列同一性である、請求項2記載の単離又は組換え核酸。
  4. 核酸配列が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19に示される配列を含む、請求項3記載の単離又は組換え核酸。
  5. 配列同一性が、少なくとも約50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050、1100、1150、若しくはそれ以上の残基の領域、又は遺伝子若しくは転写物の完全長にわたっている、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  6. 核酸配列が、配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18又は配列番号20に示される配列を有するポリペプチドをコードする、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  7. 配列比較アルゴリズムが、BLASTバージョン2.2.2アルゴリズムであって、フィルタリング設定はblastall p blastp d “nr pataa” _F Fに設定され、他の全てのオプションが規定値に設定される、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  8. エステラーゼ活性が葉緑素分子の酵素的改変を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  9. 酵素的改変が葉緑素分子の異化作用を含む、請求項8記載の単離又は組換え核酸。
  10. エステラーゼ活性がクロロフィラーゼ活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  11. エステラーゼ活性がchlアーゼ活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  12. エステラーゼ活性が葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ活性を含む、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  13. ポリペプチドの活性が熱安定性である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  14. ポリペプチドの活性が熱安定性である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  15. ポリペプチドが、約37℃〜約95℃、又は約55℃〜約85℃、又は約70℃〜約75℃、又は約70℃〜約95℃、又は約90℃〜約95℃の温度(の変動幅)範囲を含む条件下で酵素活性を保持する、請求項14記載の単離又は組換え核酸。
  16. ポリペプチドの活性が耐熱性である、請求項1記載の単離又は組換え核酸。
  17. ポリペプチドが、約37℃より高く約95℃、約55℃より高く約85℃、又は約70℃から約75℃、又は約90℃より高く約95℃の範囲の温度に曝露した後で酵素活性を保持する、請求項22記載の単離又は組換え核酸。
  18. 核酸が、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19を含む核酸と、ストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含む、単離又は組換え核酸。
  19. 核酸が、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、75、100、150、200、300、400、500、600、700、800、900、1000又はそれ以上の長さの残基、又は遺伝子若しくは転写物の完全長である、請求項18記載の単離又は組換え核酸。
  20. ストリンジェントな条件が、0.2xSSC中で約65℃の温度にて約15分間の洗浄を含む洗滌工程を含む、請求項18記載の単離又は組換え核酸。
  21. クロロフィラーゼ活性を有するか、又は葉緑素分子の異化作用に関与するポリペプチドをコードしている核酸を同定するための核酸プローブであって、
    配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19を含む配列の少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50又はそれ以上の連続する塩基を含む、前記核酸プローブ。
  22. 少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100又は約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項21記載の核酸プローブ。
  23. クロロフィラーゼ活性を有するか、又は葉緑素分子の異化作用に関与するポリペプチドをコードする核酸を同定するための核酸プローブであって、
    請求項1記載の核酸の配列の少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50又はそれ以上の連続する残基を含む、前記核酸プローブ。
  24. プローブが、少なくとも約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100又は約50〜150の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項23記載の核酸プローブ。
  25. クロロフィラーゼ活性を有するか、又は葉緑素分子の異化作用に関与するポリペプチドをコードする核酸を増幅するための増幅プライマー対であって、
    請求項1若しくは請求項18に示される配列又はその部分配列を含む核酸を増幅させることができる、前記増幅プライマー対。
  26. 増幅プライマー対のメンバーが、請求項1若しくは請求項18に示される配列の少なくとも約10〜50の連続する塩基、又は請求項1若しくは請求項18に示される配列の約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれ以上の連続する塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項25記載の増幅プライマー対。
  27. 配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19の最初の(5'の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれ以上の残基によって示される配列を有する第一のメンバーと、前記第一のメンバーの相補鎖の最初の(5'の)約12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30又はそれ以上の残基によって示される配列を有する第二のメンバーとを含む、増幅プライマー対。
  28. 請求項25又は27記載の増幅プライマー対を用いてポリヌクレオチドを増幅することによって生成された核酸。
  29. 増幅がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によるものである、請求項28記載の核酸。
  30. 核酸が遺伝子ライブラリーの増幅によって生成される、請求項28記載の核酸。
  31. 遺伝子ライブラリーが環境ライブラリーである、請求項30記載の核酸。
  32. 請求項28記載の核酸によってコードされる単離又は組換えポリペプチドであって、
    クロロフィラーゼ活性を有するか、又は葉緑素分子の異化作用に関与する、前記単離又は組換えポリペプチド。
  33. クロロフィラーゼ活性を有するか、又は葉緑素分子の異化作用に関与するポリペプチドをコードする核酸を増幅する方法であって、
    請求項1若しくは18記載の核酸の配列又はその部分配列を増幅することができる増幅プライマー対を用いて鋳型核酸を増幅することを含む、前記方法。
  34. 請求項1又は請求項18に示す配列を含む核酸を含む発現カセット。
  35. 請求項1又は請求項18に示す配列を含む核酸を含むベクター。
  36. 請求項1又は請求項18に示す配列を含む核酸を含むクローニング又は発現ビヒクルであって、ウイルスベクター、プラスミド、ファージ、ファージミド、コスミド、フォスミド、バクテリオファージ又は人工染色体を含む、前記ビヒクル。
  37. ウイルスベクターが、アデノウイルスベクター、レトロウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターを含む、請求項36記載のクローニング又は発現ビヒクル。
  38. 細菌性人工染色体(BAC)、プラスミド、バクテリオファージP1由来ベクター(PAC)、酵母人工染色体(YAC)又は哺乳動物人工染色体(MAC)を含む、請求項36記載のクローニング又は発現ビヒクル。
  39. 請求項1又は請求項18に示す配列を有する核酸を含む形質転換細胞。
  40. 請求項34記載の発現カセットを含む形質転換細胞。
  41. 細胞が、細菌細胞、哺乳動物細胞、真菌細胞、酵母細胞、昆虫細胞又は植物細胞である、請求項40の形質転換細胞。
  42. 請求項1又は請求項18に示す配列を含むトランスジェニック非ヒト動物。
  43. 動物がマウス又はラットである、請求項42記載のトランスジェニック非ヒト動物。
  44. 請求項1又は18に示す配列を含むトランスジェニック植物。
  45. 植物が、トウモロコシの草木、ソルガムの草木、ジャガイモの草木、トマトの草木、コムギの草木、油種子の草木、アブラナ、ダイズの草木、イネ、オオムギの草木、牧草、又はタバコの草木である請求項44記載のトランスジェニック植物。
  46. 請求項1又は18に示す配列を含むトランスジェニック種子。
  47. 種子が、トウモロコシ種子、コムギ穀粒、油種子、ナタネ、ダイズ種子、ヤシの実、ヒマワリ種子、ゴマ、コメ、オオムギ、落花生、又はタバコの植物種子である、請求項46記載のトランスジェニック種子。
  48. 請求項1若しくは18に示す配列又はそれらの部分配列と相補性である核酸配列、又は請求項1若しくは18に示す配列又はそれらの部分配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含む、アンチセンスオリゴヌクレオチド。
  49. 長さが約10〜50、約20〜60、約30〜70、約40〜80、約60〜100、約75〜125又はそれ以上の塩基である、請求項48記載のアンチセンスオリゴヌクレオチド。
  50. 細胞内のメッセージの翻訳を阻害する方法であって、
    請求項1若しくは18に示す配列と相補性であるか又は前記配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸配列を含むアンチセンスオリゴヌクレオチドを、細胞に投与するか又は細胞内で発現させることを含む、前記方法。
  51. 請求項1又は18に示す配列の部分配列を含む、二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  52. RNAiが、長さが約11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25又はそれ以上の二重鎖ヌクレオチドである、請求項51記載の二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子。
  53. 二本鎖阻害性RNA(RNAi)を細胞に投与するか又は細胞内で発現させることを含む、細胞内の酵素の発現を阻害する方法であって、
    前記RNAが請求項1若しくは18に示す配列の部分配列を含むか、又は請求項51記載の二本鎖阻害性RNA(RNAi)分子を含む、前記方法。
  54. 単離又は組換えポリペプチドであって、
    (i)配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18又は配列番号20と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75又は100残基にわたって少なくとも50%の配列同一性を有するか、又は(ii)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19に示される配列と少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、75又は100残基にわたって少なくとも50%の配列同一性を有する核酸によってコードされるか、又は(iii)配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19に示される配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる核酸によってコードされる、前記ポリペプチド。
  55. 配列同一性が、少なくとも約領域にわたって少なくとも約51%、52%、53%、54%、55%、56%、57%、58%、59%、60%、61%、62%、63%、64%、65%、66%、67%、68%、69%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%又はそれ以上であるか、又は100%の配列同一性である、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  56. 配列同一性が、少なくとも約10、15、20、25、30、35、40、45、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、1000、1050又はそれ以上の残基の領域、又は酵素の完全長にわたっている、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  57. 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18又は配列番号20に示される配列を有する、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  58. ポリペプチドがエステラーゼ酵素活性を有する、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  59. エステラーゼ酵素活性が葉緑素分子の酵素的改変を含む、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  60. 酵素的改変が葉緑素分子の異化作用を含む、請求項59記載の単離又は組換えポリペプチド。
  61. エステラーゼ酵素活性がクロロフィラーゼ活性を含む、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  62. エステラーゼ酵素活性がchlアーゼ活性を含む、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  63. エステラーゼ酵素活性が、葉緑素クロロフィリド-ヒドロリアーゼ活性を含む、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  64. 液性抗体又は細胞性免疫応答を誘引(elicit)することができる免疫原性フラグメントを含む、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  65. ポリペプチド又はその部分配列が、結合部位、シグナル配列、プレプロ配列、触媒ドメイン(CD)又は酵素活性部位として機能する、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  66. 酵素活性が熱安定性である、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  67. ポリペプチドが、約1℃〜約5℃、約5℃〜約15℃、約15℃〜約25℃、約25℃〜約37℃、約37℃〜約95℃、約55℃〜約85℃、約70℃〜約95℃、約70℃〜約75℃又は約90℃〜約95℃の温度範囲を含む条件下で酵素活性を保持する、請求項66記載の単離又は組換えポリペプチド。
  68. 酵素活性が耐熱性である、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  69. ポリペプチドが、約1℃から約5℃、約5℃から約15℃、約15℃から約25℃、約25℃から約37℃、約37℃から約95℃、約55℃から約85℃、約70℃から約75℃、又は約90℃から約95℃又はそれ以上の範囲の温度に曝露した後で活性を保持する、請求項68記載の単離又は組換えポリペプチド。
  70. 耐熱性が、高温まで加熱した後、37℃で、酵素の比活性の少なくとも半分が保持されることを含む、請求項68記載の単離又は組換えポリペプチド。
  71. 耐熱性が、高温まで加熱した後、37℃で、タンパク質1ミリグラムにつき約500〜約1200ユニットの比活性が保持されることを含む、請求項68記載の単離又は組換えポリペプチド。
  72. 請求項54記載のポリペプチドを含み、シグナル配列又はプレプロ配列を欠く、単離又は組換えポリペプチド。
  73. 請求項54記載のポリペプチドを含み、さらに異種シグナル配列又は異種プレプロ配列を有する、単離又は組換えポリペプチド。
  74. 酵素活性が、37℃で、タンパク質1ミリグラムにつき約100から約1000ユニット、タンパク質1ミリグラムにつき約500から約750ユニット、タンパク質1ミリグラムにつき約500から約1200ユニット、又はタンパク質1ミリグラムにつき約750から約1000ユニットの比活性を含む、請求項58記載の単離又は組換えポリペプチド。
  75. 少なくとも1つのグリコシル化部位を含む、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  76. グリコシル化がN-結合グリコシル化である、請求項75記載の単離又は組換えポリペプチド。
  77. ポリペプチドが、P. パストリス(pastoris)又はS. ポンベ(pombe)で発現された後でグリコシル化される、請求項76記載の単離又は組換えポリペプチド。
  78. ポリペプチドが、約pH6.5、pH6.0、pH5.5、pH5.0、pH4.5、 pH4.0又はそれ以下(より酸性)を含む条件下、又は約pH6.8〜pH3.0で酵素活性を保持する、請求項54記載の単離又は組換えポリペプチド。
  79. ポリペプチドが、pH7.5、pH8.0、pH8.5、pH9、pH9.5、pH10、pH10.5及びpH11又はそれ以上の塩基性を含む条件下、又は約pH7.5〜pH11.0で酵素活性を保持する、請求項64記載の単離又は組換えポリペプチド。
  80. 請求項54記載のポリペプチドを含むタンパク質調製物であって、前記タンパク質調製物が液体、固体又はゲルを含む、前記タンパク質調製物。
  81. 請求項54記載のポリペプチドと第二のドメインとを含むへテロダイマー。
  82. 第二のドメインがポリペプチドであり、へテロダイマーが融合タンパク質である、請求項82記載のヘテロダイマー。
  83. 第二のドメインがエピトープ、免疫原又はタグである、請求項82記載のヘテロダイマー。
  84. 請求項54記載のポリペプチドを含むホモダイマー。
  85. 請求項54に示す配列又はその部分配列を含む、固定化ポリペプチド。
  86. ポリペプチドが、細胞、金属、樹脂、ポリマー、セラミック、ガラス、微小電極、グラファイト粒子、ビーズ、ゲル、プレート、アレイ又はキャピラリー管に固定される、請求項85記載の固定ポリペプチド。
  87. 固定化された請求項54記載のポリペプチドを含むアレイ。
  88. 固定化された請求項1又は18記載の核酸を含むアレイ。
  89. 請求項54記載のポリペプチドと特異的に結合する単離又は組換え抗体。
  90. 抗体がモノクローナル又はポリクローナル抗体である、請求項89記載の単離又は組換え抗体。
  91. 請求項54記載のポリペプチドと特異的に結合する抗体を含むハイブリドーマ。
  92. 酵素活性を有するポリペプチドを単離又は同定する方法であって、
    (a)請求項89記載の抗体を提供する工程;
    (b)ポリペプチドを含むサンプルを提供する工程;及び
    (c)工程(b)のサンプルを工程(a)の抗体と、前記抗体が酵素活性を有するポリペプチドと特異的に結合する条件下で接触させ、それによって酵素活性を有するポリペプチドを単離又は同定する工程;
    を含む前記方法。
  93. 請求項1若しくは18記載の核酸又はその部分配列を、液性免疫応答を生じさせるのに充分な量で非ヒト動物に投与し、それによって抗酵素抗体を作成することを含む、抗酵素抗体を作製する方法。
  94. 請求項54記載のポリペプチド又はその部分配列を、液性免疫応答を生じさせるのに充分な量で非ヒト動物に投与し、それによって抗体を作製又は生成することを含む、抗体を作製する又は抗体の生成を刺激する方法。
  95. 組換えポリペプチドを生産する方法であって、
    (a)プロモーターに機能可能に連結された、請求項1又は18に示す配列を含む核酸を提供する工程;及び
    (b)ポリペプチドの発現を可能にする条件下で工程(a)の核酸を発現させ、それによって組換えポリペプチドを生産する工程;
    を含む前記方法。
  96. さらに、宿主細胞を工程(a)の核酸で形質転換し、続いて工程(a)の核酸を発現させ、それによって形質転換細胞で組換えポリペプチドを生産することを含む、請求項95記載の方法。
  97. 酵素活性を有するポリペプチドを同定する方法であって、
    (a)請求項58に記載のポリペプチドを提供する工程;
    (b)酵素の基質を提供する工程;及び
    (c)前記ポリペプチドを工程(b)の基質と接触させ、基質の量の減少又は反応生成物の量の増加を検出する工程であって、基質の量の減少又は反応生成物の量の増加によって、酵素活性を有するポリペプチドが検出される前記工程;
    を含む前記方法。
  98. 以下の工程を含む、酵素の基質を同定する方法:(a)請求項58記載のポリペプチドを提供する工程;(b)被験基質を提供する工程;及び(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の前記被験基質と接触させ、基質の量の減少又は反応生成物の量の増加を検出する工程であって、前記基質の量の減少又は前記反応生成物の量の増加によって、前記被験基質が酵素の基質として同定される前記工程。
  99. 以下の工程を含む、被験化合物がポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する方法:(a)請求項1又は18に示す配列を有する核酸又は前記核酸を含むベクターを、前記核酸のポリペプチドへの翻訳を許容する条件下で発現させる工程;(b)被験化合物を提供する工程;(c)前記ポリペプチドを前記被験化合物と接触させる工程;及び(d)工程(b)の前記被験化合物が前記ポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する工程。
  100. 以下の工程を含む、被験化合物がポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する方法:(a)請求項54記載のポリペプチドを提供する工程;(b)被験化合物を提供する工程;(c)前記ポリペプチドを前記被験化合物と接触させる工程;及び(d)工程(b)の前記被験化合物が前記ポリペプチドと特異的に結合するか否かを決定する工程。
  101. 以下の工程を含む、酵素活性の調節物質を同定する方法:(a)請求項58記載のポリペプチドを提供する工程;(b)被験化合物を提供する工程;(c)工程(a)のポリペプチドを工程(b)の被験化合物と接触させて酵素の活性を測定する工程であって、前記被験化合物の非存在下の活性と比較して前記被験化合物の存在下で測定された酵素活性が変化したならば、前記被験化合物は酵素活性を調節するという決定が提供される前記工程。
  102. 酵素活性が、酵素基質を提供し、さらに基質量の減少若しくは反応生成物量の増加、又は基質量の増加若しくは反応生成物量の減少を検出することによって測定される、請求項101の方法。
  103. 被験化合物非存在下での基質又は反応生成物の量と比較して、被験化合物存在下での基質量の減少又は反応生成物量の増加があれば、前記被験化合物は酵素活性のアクチベーターと同定される、請求項102の方法。
  104. 被験化合物非存在下での基質又は反応生成物の量と比較して、被験化合物存在下での基質量の増加又は反応生成物量の減少があれば、前記被験化合物は酵素活性のインヒビターと同定される、請求項103の方法。
  105. プロセッサー及びデータ保存装置を含むコンピュータシステムであって、前記データ保存装置にはポリペプチド配列又は核酸配列が保存されてあり、前記ポリペプチド配列が請求項54に記載の配列を含み、前記ポリペプチドが請求項1又は請求項18に記載の核酸によってコードされる、前記コンピュータシステム。
  106. さらに、配列比較アルゴリズム、及び少なくとも1つの参照配列が保存されたデータ保存装置を含む、請求項105のコンピュータシステム。
  107. 配列比較アルゴリズムが多型性を表示するコンピュータプログラムを含む、請求項106のコンピュータシステム。
  108. さらに、前記配列における1つ又は2つ以上の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含む、請求項105のコンピュータシステム。
  109. ポリペプチド配列又は核酸配列が保存されてあるコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記ポリペプチド配列が、請求項54に記載のポリペプチド、請求項1又は請求項18に記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む、前記コンピュータ読み取り可能な媒体。
  110. 以下の工程を含む、配列の特徴を同定する方法:(a)配列内の1つ又は2つ以上の特徴を同定するコンピュータプログラムを用いて配列を読み取る工程(前記ポリペプチド配列は請求項54に記載のポリペプチド、請求項1又は請求項18に記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む);及び(b)前記コンピュータプログラムにより前記配列の1つ又は2つ以上の特徴を同定する工程。
  111. 以下の工程を含む、第一の配列と第二の配列を比較する方法:(a)配列を比較するコンピュータプログラムを用いて第一の配列及び第二の配列を読み取る工程(前記第一の配列はポリペプチド配列又は核酸配列を含み、前記ポリペプチド配列は請求項54に記載のポリペプチド又は請求項1又は請求項18に記載の核酸によってコードされるポリペプチドを含む);及び(b)第一の配列と第二の配列間の相違を前記コンピュータプログラムにより決定する工程。
  112. 第一の配列と第二の配列間の相違を決定する工程がさらに多型性を同定する工程を含む、請求項111の方法。
  113. さらに、配列内の1つ又は2つ以上の特徴を同定するアイデンティファイヤーを含む、請求項112の方法。
  114. コンピュータプログラムを用いて第一の配列を読み取り、さらに前記配列内の1つ又は2つ以上の特徴を同定することを含む、請求項113の方法。
  115. 以下の工程を含む、酵素活性を有すポリペプチドをコードする核酸を環境サンプルから単離又は回収する方法を提供する:(a)請求項25又は請求項27に記載の増幅プライマー対を提供する工程;(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、又は前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために前記増幅プライマー対に接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;及び(c)工程(b)の核酸を工程(a)の増幅プライマー対と一緒にして前記環境サンプルの核酸を増幅し、それによって環境サンプルから酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する工程。
  116. 増幅プライマー対の各メンバーが、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19に示される配列の少なくとも約10から50の連続する塩基、又は前記配列の約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30の連続塩基を含むオリゴヌクレオチドを含む、請求項115の方法。
  117. 以下の工程を含む、環境サンプルから酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を単離又は回収する方法:(a)請求項1若しくは請求項18に記載の配列又はその部分配列を含むポリヌクレオチドプローブを提供する工程;(b)前記環境サンプルから核酸を単離するか、又は前記サンプル内の核酸がハイブリダイゼーションのために工程(a)のポリヌクレオチドプローブに接近できるように前記環境サンプルを処理する工程;(c)前記単離された核酸又は工程(b)の処理された環境サンプルを工程(a)のポリヌクレオチドプローブと一緒にする工程;及び(d)工程(a)のポリヌクレオチドプローブと特異的にハイブリダイズする核酸を単離し、それによって酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を環境サンプルから単離又は回収する工程。
  118. 環境サンプルが、水サンプル、液体サンプル、土壌サンプル、空気サンプル又は生物学的サンプルを含む、請求項115又は請求項117の方法。
  119. 生物学的サンプルが、細菌細胞、原生動物細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞、菌類細胞又は哺乳動物細胞に由来する、請求項118の方法。
  120. 以下の工程を含む、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸の変種を作成する方法:(a)請求項1又は請求項18に記載の配列を含む鋳型核酸を提供する工程;(b)前記鋳型配列内の1つ又は2つ以上のヌクレオチドの改変、欠失若しくは付加、又は前記の組合せを実施して前記鋳型核酸の変種を作成する工程。
  121. さらに前記変種核酸を発現させて変種ポリペプチドを生成することを含む、請求項120の方法。
  122. 改変、付加又は欠失が、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)及び前記の組合せを含む方法により導入される、請求項120の方法。
  123. 改変、付加又は欠失が、組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ含有二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学的変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成及び前記の組合せを含む方法によって導入される、請求項120の方法。
  124. 前記方法が、鋳型核酸によってコードされるポリペプチドの活性又は安定性とは変異した若しくは異なる活性、又は変異した若しくは異なる安定性を有するポリペプチドが生成されるまで反復される、請求項121の方法。
  125. 変種ポリペプチドが耐熱性であり、上昇温度に曝露された後ある程度の活性を保持する、請求項124の方法。
  126. 変種ポリペプチドが、鋳型核酸によってコードされた酵素と比較してグリコシル化が増加している、請求項124の方法。
  127. 変種ポリペプチドが高温下で活性を有し、前記鋳型核酸によってコードされたポリペプチドが前記高温下では活性をもたない、請求項124の方法。
  128. 前記方法が、鋳型核酸のコドン使用頻度とは変異したコドン使用頻度を有するポリペプチドコード配列が生成されるまで反復される、請求項120の方法。
  129. 前記方法が、鋳型核酸のメッセージ発現レベル又は安定性レベルより高い又は低いメッセージ発現レベル又は安定性レベルを有する遺伝子が生成されるまで反復される、請求項128の方法。
  130. 以下の工程を含む、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞におけるその発現を高める方法:(a)請求項1又は請求項18に記載の配列を含む、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸の非優先コドン又は低優先コドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする優先コドン又は中立的に使用されるコドンに置換し、それによって核酸を改変して宿主細胞におけるその発現を増加させる工程(ここで優先コドンとは宿主細胞の遺伝子内のコード配列において高頻度で提示されるコドンであり、非優先コドン又は低優先コドンとは宿主細胞の遺伝子内のコード配列において低頻度で提示されるコドンである)。
  131. 以下の工程を含む、ポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変する方法:(a)請求項1又は請求項18に記載の配列を含む、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸内のコドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする異なるコドンで置換し、それによって酵素をコードする核酸内のコドンを改変する工程。
  132. 以下の工程を含む、酵素活性を有するポリペプチドをコードする核酸内のコドンを改変して宿主細胞でその発現を低下させる方法:(a)請求項1又は請求項18に記載の配列を含む、ポリペプチドをコードする核酸を提供する工程;及び(b)工程(a)の核酸内の少なくとも1つの好ましいコドンを同定し、前記コドンを置換されるコドンと同じアミノ酸をコードする非優先コドン又は低優先コドンで置換し、それによって前記核酸を改変して宿主細胞におけるその発現を低下させる工程(ここで優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において高頻度提示されるコドンであり、非優先又は低優先コドンは宿主細胞の遺伝子のコード配列において低頻度提示されるコドンである)。
  133. 宿主細胞が、細菌細胞、菌類細胞、昆虫細胞、酵母細胞、植物細胞又は哺乳動物細胞である、請求項130又は請求項132の方法。
  134. 以下の工程を含む、複数の改変された酵素活性部位又は基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作成する方法であって、前記改変された活性部位又は基質結合部位が、第一の活性部位又は第一の基質結合部位をコードする配列を含む第一の核酸に由来する、前記方法:(a)第一の活性部位又は第一の基質結合部位をコードする第一の核酸を提供する工程(前記第一の核酸配列は、配列番号1、配列番号3、配列番号5、配列番号7、配列番号9、配列番号11、配列番号13、配列番号15、配列番号17又は配列番号19に示される配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズする配列を含み、さらに前記核酸は酵素活性部位又は基質結合部位をコードする);(b)前記第一の核酸内の複数の標的コドンで天然に存在するアミノ酸変種をコードする一組の変異原性オリゴヌクレオチドを提供する工程;及び(c)前記一組の変異原性オリゴヌクレオチドを用いて、各アミノ酸コドンで変異が導入された一連のアミノ酸変種をコードする一組の活性部位コード変種又は基質結合部位コード変種核酸を生成し、それによって複数の改変された活性部位又は基質結合部位をコードする核酸のライブラリーを作成する工程。
  135. 工程(a)の第一の核酸を、最適化定方向進化システム、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、又は合成連結再アッセンブリ(SLR)を含む方法によって変異させることを含む、請求項134の方法。
  136. 工程(a)の第一の核酸又は変種を、変異性PCR、シャッフリング、オリゴヌクレオチド特異的変異導入、アッセンブリPCR、セクシュアルPCR変異導入、in vivo変異導入、カセット変異導入、再帰的アンサンブル変異導入、エクスポネンシャルアンサンブル変異導入、部位特異的変異導入、遺伝子再アッセンブリ、遺伝子位置飽和変異導入(GSSM)、合成連結再アッセンブリ(SLR)又は前記の組合せを含む方法によって変異させることを含む、請求項134の方法。
  137. 組換え、再帰的配列組換え、ホスホチオエート-修飾DNA変異導入、ウラシル含有鋳型変異導入、ギャップ含有二重鎖変異導入、点ミスマッチ修復変異導入、修復欠損宿主株変異導入、化学変異導入、放射性変異導入、欠失変異導入、制限-選択変異導入、制限-精製変異導入、人工遺伝子合成、アンサンブル変異導入、キメラ核酸マルチマー生成及び前記の組合せを含む方法によって、工程(a)の第一の核酸又は変種を変異させることを含む、請求項134の方法。
  138. 以下の工程を含む小分子を生成する方法:(a)小分子を合成又は改変することができる複数の生合成酵素を提供する工程(前記酵素の1つは請求項1又は請求項18に記載の配列を含む核酸によってコードされる酵素を含む);(b)工程(a)の酵素の少なくとも1つに対する基質を提供する工程;及び(c)複数の生物触媒反応を促進する条件下で工程(b)の基質を前記酵素と反応させて一連の生物触媒反応により小分子を生成する工程。
  139. 以下の工程を含む小分子を改変する方法:(a)請求項58に記載のポリペプチド、又は請求項1又は請求項18に記載の核酸配列を含む核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;(b)小分子を提供する工程;及び(c)前記ポリペプチドによって触媒される酵素反応が促進される条件下で工程(a)の酵素を工程(b)の小分子と反応させ、それによって小分子を酵素反応により改変する工程。
  140. 工程(a)の酵素のための複数の小分子基質を含み、それによって、前記酵素により触媒される少なくとも1つの酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作成することを含む、請求項138の方法。
  141. 酵素による複数の生物触媒反応を促進する条件下で複数の酵素を追加して、複数の酵素反応によって生成される改変小分子のライブラリーを作成することを含む、請求項138の方法。
  142. 所望の活性を示す特定の小分子がライブラリー内に存在するか否かを決定するために、さらに前記ライブラリーを検査する工程を含む、請求項141の方法。
  143. 検査工程がさらに、所望の活性をもつ特定の改変小分子の有無について改変小分子の一部分を検査することによって、ライブラリー内の複数の改変小分子の一部分を生成するために用いられた生物触媒反応の1つ以外の全てを系統的に排除し、所望の活性をもつ特定の改変小分子を生成する少なくとも1つの特異的な生物触媒反応を同定する工程を含む、請求項142の方法。
  144. 以下の工程を含む、酵素の機能的フラグメントを決定する方法:(a)請求項58に記載の酵素、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされるポリペプチドを提供する工程;及び(b)工程(a)の配列から複数のアミノ酸残基を欠失させ、残余の配列を活性について検査し、それによって前記酵素の機能的フラグメントを決定する工程。
  145. 前記活性が、基質を提供し、さらに前記基質の量の減少又は反応生成物の量の増加を検出することによって測定される、請求項144の方法。
  146. 以下の工程を含む、リアルタイム代謝フラックス分析を用いることによって、新規表現型又は改変表現型を全細胞で操作する方法:(a)細胞の遺伝的構成を改変することによって改変細胞を作成する工程(前記遺伝的構成は、請求項1又は請求項18に記載の配列を含む核酸を細胞に導入することによって改変される);(b)前記改変細胞を培養して複数の改変細胞を生成する工程;(c)工程(b)の細胞培養をリアルタイムでモニターすることによって前記細胞の少なくとも1つの代謝パラメーターを測定する工程;及び(d)工程(c)のデータを分析して、前記測定パラメーターが類似の条件下で未改変細胞における対応する測定値と異なるか否かを決定し、それによって、前記細胞の操作された表現型をリアルタイム代謝フラックス分析を用い同定する工程。
  147. 細胞の遺伝的構成が、細胞内の配列の欠失若しくは改変又は遺伝子発現のノックアウトを含む方法によって改変される、請求項146の方法。
  148. さらに新規に操作された表現型を含む細胞を選別することを含む、請求項146の方法。
  149. 選別された細胞を培養し、それによって新規に操作された表現型を含む新規な細胞株を作成することをさらに含む、請求項146の方法。
  150. 配列番号2、配列番号4、配列番号6、配列番号8、配列番号10、配列番号12、配列番号14、配列番号16、配列番号18、配列番号20の残基1から14、1から15、1から16、1から17、1から18、1から19、1から20、1から21、1から22、1から23、1から24、1から25、1から26、1から27、1から28、1から29、1から30、1から31、1から32、1から33、1から34、1から35、1から36、1から37、1から38、1から40、1から41、1から42、1から43又は1から44に示される配列から成る単離又は組換えシグナル配列。
  151. 請求項150に記載の配列を有するシグナルペプチド(SP)を含む少なくとも第一のドメイン、及び異種ポリペプチド又はペプチドを含む少なくとも第二のドメインを含むキメラポリペプチドであって、前記異種ポリペプチド又はペプチドが前記シグナルペプチド(SP)と天然には随伴していない、前記キメラポリペプチド。
  152. 異種ポリペプチド又はペプチドが、エステラーゼ又はクロロフィラーゼではなく、又は、葉緑素分子の酵素改変に必要とされない、請求項150のキメラポリペプチド。
  153. 異種ポリペプチド又はペプチドが、前記シグナルペプチド(SP)又は触媒ドメイン(CD)のアミノ末端、カルボキシ末端又は両端に存在する、請求項150のキメラポリペプチド。
  154. キメラポリペプチドをコードする単離又は組換え核酸であって、前記キメラポリペプチドが、請求項150に記載の配列を有するシグナルペプチド(SP)を含む少なくとも第一のドメイン、及び異種ポリペプチド又はペプチドを含む少なくとも第二のドメインを含むキメラポリペプチドであって、前記異種ポリペプチド又はペプチドが前記SPと天然には随伴していない、前記単離又は組換え核酸。
  155. ポリペプチドの耐熱性又は熱安定性を高める方法であって、前記方法が、請求項54に記載のポリペプチド、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされるポリペプチドの連続する少なくとも30のアミノ酸を含むポリペプチドをグリコシル化し、それによってグルカナーゼの耐熱性又は熱安定性を高めることを含む、前記方法。
  156. 請求項1又は請求項18に記載の核酸を含むベクターを発現させることを含む、細胞で組換えポリペプチドを過剰発現させる方法であって、前記過剰発現が、高活性プロモーターの使用、二シストロンベクターによって、又は前記ベクターの遺伝子増幅によって達成される、前記組換えポリペプチドを過剰発現させる方法。
  157. 以下の工程を含むトランスジェニック植物の作成方法:(a)異種核酸配列を細胞に導入し(前記異種核酸配列は請求項1又は請求項18に記載の配列を含む)、それによって形質転換植物細胞を作出する工程;及び(b)前記形質転換細胞からトランスジェニック植物を作出する工程。
  158. 工程(a)がさらに、植物細胞プロトプラストのエレクトロポレーション又はマイクロインジェクションにより前記異種核酸配列を導入することを含む、請求項157の方法。
  159. 工程(a)がさらに、DNA粒子爆撃によって、又はアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)宿主を用いることによって植物組織に直接前記異種核酸配列を導入することを含む、請求項157の方法。
  160. 以下の工程を含む、植物細胞で異種核酸配列を発現させる方法:(a)プロモーターに機能可能に連結された異種核酸配列で植物細胞を形質転換する工程(前記異種核酸配列は請求項1又は請求項18に記載の配列を含む);(b)前記異種核酸配列が前記植物細胞で発現される条件下で前記植物を生長させる工程。
  161. ポリペプチドをコードする配列を含む単離又は組換え核酸であって、前記配列がシグナル配列を含まず、前記核酸が請求項1又は請求項18に記載の配列を含む、前記単離又は組換え核酸。
  162. 請求項54に記載の配列を有し、さらに少なくとも1つのアミノ酸残基の保存的置換を含む単離又は組換えポリペプチド。
  163. 保存的置換が、脂肪族アミノ酸のまた別の脂肪族アミノ酸による置換、セリンのスレオニンによる置換若しくはその逆、酸性残基のまた別の酸性残基による置換、アミド基をもつ残基のアミド基をもつまた別の残基による置換、塩基性残基のまた別の塩基性残基による交換、又は芳香族残基のまた別の芳香族残基による置換、又は前記の組合せを含む、請求項162の単離又は組換えポリペプチド。
  164. 脂肪族残基が、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン又は前記の合成等価物を含む、請求項163の単離又は組換えポリペプチド。
  165. 酸性残基が、アスパラギン酸、グルタミン酸、又は前記の合成等価物を含む、請求項163の単離又は組換えポリペプチド。
  166. アミド基を含む残基が、アスパラギン酸、グルタミン酸、又は前記の合成等価物を含む、請求項180の単離又は組換えポリペプチド。
  167. 塩基性残基が、リジン、アルギニン、又は前記の合成等価物を含む、請求項163の単離又は組換えポリペプチド。
  168. 芳香族残基が、フェニルアラニン、チロシン、又は前記の合成等価物を含む、請求項163の単離又は組換えポリペプチド。
  169. 以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための方法:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程;(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
  170. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項169の方法。
  171. 葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物が、食品、油若しくは飼料、又は植物、動物若しくは藻類に由来する組成物、又は前記の混合物を含む、請求項169の方法。
  172. ポリペプチドが酵素又は触媒性抗体である、請求項169の方法。
  173. 以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための工業的プロセス:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程;(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
  174. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項172の工業的プロセス。
  175. 葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物が、食品、油若しくは飼料、又は植物、動物若しくは藻類に由来する組成物、又は前記の混合物を含む、請求項172の工業的プロセス。
  176. ポリペプチドが酵素又は触媒性抗体である、請求項172の工業的プロセス。
  177. 以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための工程を含む脱ガムプロセス:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程;(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
  178. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項169の方法。
  179. ポリペプチドが酵素又は触媒性抗体である、請求項172の工業的プロセス。
  180. ポリペプチドが酵素又は触媒性抗体である、請求項175の脱ガムプロセス。
  181. ポリペプチドが固定される、請求項169の方法。
  182. ポリペプチドが固定される、請求項172の工業的プロセス。
  183. ポリペプチドが固定される、請求項175の脱ガムプロセス。
  184. ポリペプチドが無機支持体又は有機支持体上に固定され、場合によって前記支持体が、アルミナ、セリット、ダウエクス-1-クロリド、ガラスビーズ、シリカゲル、アルギン酸ヒドロゲル若しくはアルギン酸ビーズ又は等価物上に固定される、請求項181の方法。
  185. ポリペプチドが無機支持体又は有機支持体上に固定され、場合によって前記支持体が、アルミナ、セリット、ダウエクス-1-クロリド、ガラスビーズ、シリカゲル、アルギン酸ヒドロゲル若しくはアルギン酸ビーズ又は等価物上に固定される、請求項182の工業的プロセス。
  186. ポリペプチドが無機支持体又は有機支持体上に固定され、場合によって前記支持体が、アルミナ、セリット、ダウエクス-1-クロリド、ガラスビーズ、シリカゲル、アルギン酸ヒドロゲル若しくはアルギン酸ビーズ又は等価物上に固定される、請求項183の脱ガムプロセス。
  187. 少なくとも1つの工程が1つの反応容器で実施される、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  188. 反応容器が、重力ガム分離装置又は保持タンクを含む、請求項187の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  189. 少なくとも1つの工程が細胞抽出物で実施される、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  190. 少なくとも1つの工程が全細胞中で実施される、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  191. 葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物が、植物物質、植物油又は植物抽出物を含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  192. 植物物質、植物油又は植物抽出物が、植物油又は種子油を含む、請求項191の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  193. 前記植物油がヤシ油又はキャノーラ油を含む、請求項192の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  194. 前記植物物質、植物油又は植物抽出物が、藻類調製物を含む、請求項191の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  195. さらにリポキシゲナーゼの使用を含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  196. 前記活性が、テトラピロール大環式環の切断及び大環式環の酸素分解切断を触媒することを含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  197. 葉緑素の酵素的分解によって生成されるクロロフィリドをシリカゲル又は等価物への吸着によって除去することをさらに含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  198. 葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物が、繊維又は織物を含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  199. 葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物が、木材若しくは紙製品又は副産物を含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  200. 木材若しくは紙製品又は副産物が木材パルプ又は紙パルプを含む、請求項199の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  201. 前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物が非木材紙製品又は副産物パルプを含む、請求項199の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  202. 非木材又は紙製品がイネ製紙を含む、請求項201の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  203. (a)植物油精製装置、及び(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドの提供を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための脱ガムシステムを含む工業的製造のための製品であって、ここで、前記活性が葉緑素改変反応の触媒を含み、前記植物油精製装置が、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を前記ポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で反応させることができる、前記工業的製造のための製品。
  204. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項203の工業的製造のための製品。
  205. 植物油精製装置が、残留油排出装置、保持タンク又は重力ガム分離装置を含む、請求項203の工業的製造のための製品。
  206. 葉緑素改変反応が、クロロフィリド及びフィトールの生成を含む、請求項203の工業的製造のための製品。
  207. (a)洗剤組成物、及び(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドの提供を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑織物の酵素処理を含む洗剤であって、ここで前記活性が葉緑素改変作用の触媒を含む、前記洗剤。
  208. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項207の洗剤。
  209. 葉緑素改変反応がクロロフィリド及びフィトールの生成を含む、請求項207の洗剤。
  210. 以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑織物を酵素処理する方法:(a)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを含む洗剤組成物を提供する工程(前記活性は葉緑素改変反応の触媒を含む);及び(b)前記洗剤組成物を前記葉緑素含有又は葉緑素夾雑織物と、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒することができる条件下で接触させる工程。
  211. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項210の方法。
  212. 葉緑素改変反応がクロロフィリド及びフィトールの生成を含む、請求項210の方法。
  213. 以下の工程を含む、フェオフィチン含有又はフェオフィチン夾雑組成物の酵素処理のための方法:(a)フェオフィチン含有又はフェオフィチン夾雑組成物を提供する工程;(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドがフェオフィチン改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
  214. 葉緑素改変反応がクロロフィリド及びフィトールの生成を含む、請求項213の方法。
  215. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項213の方法。
  216. 以下の工程を含む、フェオフィチン含有又はフェオフィチン夾雑組成物の酵素処理のための工業的プロセス:(a)フェオフィチン含有又はフェオフィチン夾雑組成物を提供する工程;(b)クロロフィラーゼ活性又は葉緑素異化酵素活性を有する少なくとも1つのポリペプチドを提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドがフェオフィチン改変反応を触媒することができる条件下で反応させる工程。
  217. ポリペプチドが、請求項58に記載の配列を有するか、又は請求項1若しくは請求項18に記載の核酸によってコードされる、請求項216の工業的プロセス。
  218. さらにエステラーゼによる葉緑素のメチルエステルの加水分解を含む、請求項216の工業的プロセス。
  219. さらにエステラーゼによるフェオフィチンのメチルエステルの加水分解を含む、請求項216の工業的プロセス。
  220. さらに水性抽出物中の改変葉緑素の除去を含む、請求項216の工業的プロセス。
  221. さらにpHを改変してクロロフィリドの水性分離を促進することを含む、請求項216の工業的プロセス。
  222. さらに水性抽出物中の改変フェオフィチンの除去を含む、請求項216の工業的プロセス。
  223. さらにpHを改変してフェオフィチンの水性分離を促進することを含む、請求項216の工業的プロセス。
  224. さらに苛性中和工程を含む、請求項172の工業的プロセス。
  225. さらに苛性中和工程を含む、請求項216の工業的プロセス。
  226. 葉緑素の酵素的分解によって生じるクロロフィリドを除去するために、さらに無吸着剤又は低吸着剤シリカ精製工程を含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  227. フェオフィチンの酵素的分解によって生じるフェオホルビドを除去するために、さらに無吸着剤又は低吸着剤シリカ精製工程を含む、請求項226の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  228. さらにホスホリパーゼの添加を含む、請求項169の方法、請求項172の工業的プロセス、又は請求項175の脱ガムプロセス。
  229. ホスホリパーゼがホスホリパーゼCである、請求項228の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  230. 植物油が粗油又は精製油である、請求項192の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  231. 植物油が未希釈粗油調製物である、請求項192の方法、工業的プロセス、又は脱ガムプロセス。
  232. 以下の工程を含む、葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物の酵素処理のための方法:(a)葉緑素含有又は葉緑素夾雑組成物を提供する工程;(b)シリカ-固定クロロフィラーゼ又は葉緑素異化酵素を提供する工程;及び(c)工程(a)の組成物を工程(b)のポリペプチドと、前記ポリペプチドが葉緑素改変反応を触媒し、さらにシリカが前記改変葉緑素を吸着することができる条件下で反応させる工程。
  233. シリカがシリカゲル又は等価物を含む、請求項232の方法。
  234. シリカが、トリシルシリカ(TriSyl Sikica)又はSORBSIL R(商標)シリカを含む、請求項232の方法。
  235. クロロフィラーゼがシリカ-固定クロロフィラーゼを含む、請求項203の工業的製造のための製品。
  236. シリカがシリカゲル又は等価物を含む、請求項235の工業的製造のための製品。
  237. シリカが、トリシルシリカ(TriSyl Sikica)又はSORBSIL R(商標)シリカを含む、請求項235の方法。
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