JP2005516900A - オレフィンのエポキシ化の方法およびシステム - Google Patents

オレフィンのエポキシ化の方法およびシステム Download PDF

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Abstract

選択性の高い銀ベースの触媒の存在下、反応温度Tで、かつ、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qで反応改質剤を共存させて、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、かつTの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作するステップと、引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値がQであり、Qが計算によって求められかつ式Q=Q+B(T−T)によって定義され、上式においてBはゼロより大きい一定係数であるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含むオレフィンのエポキシ化の方法、およびこのオレフィンのエポキシ化の方法を実施するのに適した反応システム、およびコンピュータ読取可能媒体上に記録され、オレフィンのエポキシ化方法の計算を実行するようにコンピュータシステムのデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムを含むコンピュータプログラム製品、およびコンピュータプログラム製品とデータ処理システムを含むコンピュータシステム。

Description

本発明は、選択性の高い銀ベースの触媒の存在下でオレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含む、オレフィンのエポキシ化の方法に関する。本発明はまた、この方法に関して使用するのに適したシステムに関する。
銀ベースの触媒を使用するオレフィンの触媒によるエポキシ化が長い間知られていた。従来の銀ベース触媒は、オレフィン酸化物を低い選択性でしか提供していない。例えば、エチレンのエポキシ化において従来の触媒を用いた場合、転化されたエチレンの留分として表される、エチレン酸化物に対する選択率は、限界値である6/7すなわち85.7モル%以上の値には達しない。したがって、反応式
7C+6O => 6CO+2CO+2H
の化学量論に基づいて、この限界値は、この反応の理論上最大の選択率であると長い間考えられてきた(Kirk−Othmer著Encyclopedia of Chemical Technology、第3版、9巻、1980年、頁445参照)。
しかしながら、現代の銀ベース触媒は、オレフィン酸化物生成に対する選択性が高い。エチレンのエポキシ化において現代の触媒を使用した場合、エチレン酸化物に対する選択率は、上記した限界値である6/7すなわち85.7モル%以上の値に到達することができる。このような高い選択性の、活性成分として銀、レニウム、少なくとももう1種の金属および場合によってレニウム助触媒を含むことができる触媒が米国特許第4761394号、米国特許第4766105号、ヨーロッパ特許第266015号およびその後のいくつかの特許公報に開示されている。
この銀ベースの触媒は、通常の操作時に経時的な性能低下を受け、定期的に交換する必要がある。この経時的劣化(aging)は触媒の活性低下の形で現れる。通常、触媒の活性低下が現れた場合は、活性低下を補うために反応温度を上げる。この反応温度は、いつかは触媒が、その試用期間の終わりの時期にあると考えられ、交換が必要になる望ましくない高温になるまで増加される可能性がある。
選択性を向上するために、エポキシ化反応器への供給原料に対して反応改質剤、例えば有機ハロゲン化物を加えることができる(例えば、ヨーロッパ特許出願第352850号参照)。この反応改質剤は、望ましいオレフィン酸化物の生成に対して、これまで説明されていないメカニズムによって望ましくない二酸化炭素または水へオレフィンまたはオレフィン酸化物が酸化されるのを抑制する。
反応改質剤の最適な量は、エポキシ化反応条件および使用される触媒のタイプに依存する。従来の触媒はこの改質剤に対して比較的平らな選択率曲線を有する、すなわち、反応改質剤の量の関数としての選択率曲線については、反応改質剤の量の広い範囲にわたって選択性がほとんど変化せず、またこの特性は反応温度の関数としてまた触媒の長期操作中に事実上変わらないことが示されている。したがって、従来の触媒を用いる場合は、反応改質剤の量は、最適選択率に対してどちらかと言えば自由に選択でき、触媒の全試用期間の間ほぼ同一に維持することができる。
これに対して、選択性の高い触媒は、反応改質剤に対して比較的急な選択率曲線を示す傾向がある、すなわち、選択性の高い触媒の場合は、反応改質剤の量を比較的少量変更するだけで選択率が大幅に変化し、選択率は、反応改質剤のある量において最大値、すなわち最適値をはっきりと示す。これはヨーロッパ特許出願第352850号(その中の図3参照)に示されている。そのうえ、選択率曲線およびより具体的には選択率が最適になる反応改質剤の量は反応温度と共に、したがって触媒試用期間中に変化する傾向がある。
したがって、反応改質剤と組み合わせて選択性の高い触媒を用いる場合は、反応温度の変化によってまた触媒の使用期間にわたって選択率が望ましくないほど大幅に変化する可能性がある。すなわち、例えば、触媒の活性低下を補うために反応温度を変更した場合、オレフィン酸化物生成に対する選択率に関して最適な反応条件を保持することが問題になる。
反応改質剤の多くは、供給原料中の炭化水素の濃度が高い値にまたその逆に変化する際に、ある効果を達成することが一般に必要とされることがわかっている。供給原料の他の成分と異なって、存在する炭化水素(例えば、もしあるとしたらオレフィンと飽和炭化水素)は、反応改質剤を触媒から除去するすなわちひきはがす機能を有し、その反応改質剤は、触媒表面以外の反応混合物の箇所における反応改質剤の濃度と対照的に、保持することが必要な触媒上の反応改質剤の活性種の濃度である。そのため反応改質剤の相対量Qが検討される。相対量Qは基本的に、供給原料中に存在する反応改質剤のモル量の炭化水素のモル量に対する比率である。しかしながら、供給原料中の各種炭化水素の除去/ひきはがしの挙動には違いがある可能性があり、Qを計算する場合は、炭化水素のモル量をいわゆる炭化水素の有効モル量に置き換えることが好ましいだろう。炭化水素の有効モル量は、存在する炭化水素間の除去/ひきはがし挙動の違いを見込むように、(以下において説明するように)原料組成から計算することができる。異なった反応改質剤の挙動についても違いがあることがあり、一方、実際は反応改質剤の混合物がしばしば使用されている。したがって、Qを計算する場合は、反応改質剤のモル量をいわゆる反応改質剤の活性種の有効モル量に置き換えることも好ましいだろう。この供給原料中の反応改質剤の活性種の有効モル量は、異なった反応改質剤の挙動の違いを見込むように、(以下において説明するように)原料組成から計算することができる。
選択性の高い触媒については、驚くべきことに、反応温度を増加または減少させた場合、改質剤に対する選択率曲線の位置はそれぞれQのより大きな値またはより小さな値に向かって、反応温度の変化に比例してずれることがわかった。このずれの比例関係は、触媒の経時的劣化の程度とは無関係であり、ルーチンな実験によって決定および確認されるものである。
この知見を得た結果、エポキシ化プロセスの過程において反応温度を変更する場合、反応温度の変化に比例してQの値を調節することによって最適選択性のからの望ましくないずれを低減または防止することができる。これはプロセスが選択性に対する最適条件で操作されている場合に特に有効であり、この場合、反応温度の変更に比例してQの値を変更することにより最適条件を保持することができる。これは、触媒活性の低下に対応して反応温度を増加させる場合なおいっそう有効である。本発明により、例えば計算により、反応温度の変更に応じてQの値の適切な変更、したがって反応改質剤および/または炭化水素の組成の変更を事前に決めることが可能になる。反応温度の変更と同時に、炭化水素および/または反応改質剤に関係するもの以外の供給原料組成の変更があってもよいことは本発明の利点である。それゆえ、これによってエポキシ化プロセスを、本発明がない場合よりも大幅により簡単にかつより円滑に制御することが可能になることが本発明の利点である。
したがって、本発明は、選択性の高い銀ベースの触媒の存在下、反応温度Tで、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、その反応改質剤は、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qで存在し、かつ
−Tの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作するステップと、
−引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値がQであり、Qが計算によって求められかつ式
=Q+B(T−T
によって定義され、上式においてBはゼロより大きい一定係数であるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含むオレフィンのエポキシ化の方法を提供するものである。
本発明はまた、選択性の高い銀ベースの触媒を保持し、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を受け入れるように構成され、反応器内の反応温度Tを制御するように構成された温度制御システムを有する反応器を備え、供給原料中に存在する反応改質剤を、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qに制御するように構成された供給制御システムをさらに備え、かつ
−Tの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作する工程と、
−引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値がQであり、Qが計算によって求められかつ式
=Q+B(T−T
によって定義され、上式においてBはゼロより大きい一定の係数であるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作する工程とを実行するように構成されたオレフィンのエポキシ化の方法を実施するのに適した反応システムも提供している。
本発明によれば、触媒以外の反応混合物の箇所においては反応改質剤の濃度を維持するの対照的に、触媒上の反応改質剤の活性種の濃度を維持することによって、反応温度を変更している間反応改質剤の利益を最適に維持することができる。プロセスが、反応温度の変更に応じて定義されたような式に従って操作される場合は、触媒上の反応改質剤の活性種の濃度保持が(おおむね)達成される。当業者であれば、定義されたような式を別の数式、例えば、多項式または指数関数式に置き換え、含まれる変数の妥当な数値範囲内、特にQ(Qおよび/またはQ)および反応温度T(T、Tおよび/またはT−T)の値に対して以下に定義するような範囲内でその式が本質的に同じ結果を与えるように構成することができることをよく知っている。このような実施形態、すなわちこのような同等な数式を使用するものは本発明の範囲内に入る。
本発明は、コンピュータ読取可能媒体と、コンピュータ読取可能媒体上に記録され、選択性の高い銀ベースの触媒の存在下、反応温度Tで、かつ供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qで反応改質剤を共存させて、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、かつ
−Tの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作するステップと、
−引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値が式
=Q+B(T−T
(上式においてBはゼロより大きい一定の係数)を使用して計算されるか、またはこの式と本質的に同じ結果を与えるように構成された別の数式を使用して計算されるQであるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含む、オレフィンのエポキシ化方法の計算を実行するようにコンピュータシステムのデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードとを含むコンピュータプログラム製品も提供する。
本発明は、コンピュータプログラム製品およびコンピュータプログラム製品からの指示読み込みを受信するように構成されたデータ処理システムを備え、このコンピュータプログラム製品がコンピュータ読取可能媒体と、コンピュータ読取可能媒体上に記録され、選択性の高い銀ベースの触媒の存在下、反応温度Tで、かつ供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qで反応改質剤を共存させて、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、かつ
−Tの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作するステップと、
−引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値が式
=Q+B(T−T
(上式においてBはゼロより大きい一定の係数)を使用して計算されるか、またはこの式と本質的に同じ結果を与えるように構成された別の数式を使用して計算されるQであるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含む、オレフィンのエポキシ化方法の計算を実行するようにデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードとを含むコンピュータシステムも提供する。
もっと一般的に言えば、本発明はまた、選択性の高い銀ベースの触媒の存在下でオレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、かつ
−第1の操作段階で操作するステップと、
−引き続いて第2の操作段階において、触媒上の反応改質剤の活性種の濃度が実質的に変更されないような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含む、オレフィンのエポキシ化方法も提供する。
本エポキシ化方法は多くのやり方で行うことができるが、気相法、すなわち、供給原料が、一般に充填床内にある、固体材料として存在する触媒と気相で接触する方法として行うのが好ましい。一般に、この方法は連続法として実施される。本発明の方法は、商業規模の操作においてしばしば、少なくとも10kg、例えば少なくとも20kg、多くは10から10kgの範囲、もっと多くは10から10kgの範囲の大量の触媒を伴うことがある。
本エポキシ化方法で使用するオレフィンは、例えばスチレンなどの芳香族オレフィン、または共役、非共役を問わず、例えば1,9−デカジエンまたは1,3−ブタジエンなどのジ−オレフィンなどの任意のオレフィンが使用できる。一般にこのオレフィンは、例えば2−ブテンまたはイソブテンなどのモノオレフィンである。このオレフィンは、例えば1−ブテンまたはプロピレンなどのモノ―α―オレフィンであることが好ましい。最も好ましいオレフィンはエチレンである。
供給原料中のオレフィン濃度は本発明にとって重要ではなく、広い範囲内で選択することができる。一般に、供給原料中のオレフィン濃度は全供給原料に対して、少なくとも80モル%になる。それは、同じベースで0.5〜70モル%の範囲内、特に1〜60モル%の範囲内になることが好ましい。本明細書で用いるように、供給原料は触媒と接触させられる組成物であると考えられる。必要ならば、触媒の使用期間中にオレフィン濃度を上げることができ、これによって触媒が経時的劣化した操作段階における選択性を改善することができる(米国特許第6372925−B1号および国際特許出願01/96324号、すなわち非事前公開PCT特許出願PCT/US01/18097号参照)。
本エポキシ化方法は空気ベースでもまたは酸素ベースでもよい(Kirk−Othmer著のEncyclopedia of Chemical Technology、第3版、9巻、1980年、頁445〜447を参照)。空気ベースの方法では、酸化剤の供給源として空気または酸素を多く含む空気が用いられ、一方、酸素ベースの方法では、酸化剤の供給源として高純度(>95モル%)酸素が用いられる。現在、大部分のエポキシ化プラントは酸素ベースであり、これは本発明の好ましい実施形態である。
供給原料中の酸素濃度は本発明にとって重要ではなく、広い範囲内で選択することができる。しかしながら、実際には、酸素は可燃性形態にならない濃度で使用される。一般に、適用される酸素濃度は全供給原料の1〜15モル%の範囲内になり、より代表的には2〜12モル%の範囲内になる。
可燃性形態ではないように保持するために、オレフィン濃度の増加に伴って供給原料中の酸素濃度を下げることができる。実際の安全操作範囲は、供給原料組成ならびに反応温度および反応圧力などの反応条件にも依存する。
選択性を増加させ、オレフィンまたはオレフィン酸化物が、望ましいオレフィン酸化物の生成に対して、望ましくない二酸化炭素または水へ酸化されるのを抑制するために、反応改質剤が供給原料中に存在する。多くの有機化合物、特に有機ハロゲン化物および有機窒素化合物を反応改質剤として用いることができる。窒素酸化物、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアンモニアも同様に用いることができる。オレフィンエポキシ化の操作条件下では窒素含有反応改質剤が硝酸塩または亜硝酸塩の前駆体、すなわち硝酸塩形成または亜硝酸塩形成化合物であるとしばしば考えられている(例えば、ヨーロッパ特許出願第3642号、米国特許第4822900号参照)。
有機ハロゲン化物は好ましい反応改質剤であり、特に有機臭化物類が好ましく、特に有機塩化物類がより好ましい。好ましい有機ハロゲン化物はクロロハイドロカーボン類またはブロモハイドロカーボン類である。それらは塩化メチル、塩化エチル、二塩化エチレン、二臭化エチレン、塩化ビニルまたはこれらの混合物の群から選択されることがより好ましい。最も好ましい反応改質剤は塩化エチルおよび二塩化エチレンである。
好適な窒素酸化物は一般式NOのものであり、この式で、酸素原子の数の窒素原子の数に対する比率を表すxは1から2の範囲にある。これらの窒素酸化物としては、例えば、NO、NおよびNがある。好適な有機窒素化合物はニトロ化合物、ニトロソ化合物、アミン類、硝酸塩類および亜硝酸塩類、例えば、ニトロメタン、1−ニトロプロパンまたは2−ニトロプロパンである。好ましい実施形態では、硝酸塩形成または亜硝酸塩形成化合物、例えば、窒素酸化物および/または有機窒素化合物が、有機ハロゲン化物、特に有機塩化物と一緒に使用される。
反応改質剤は単一化合物として供給できるが、触媒と接触すると反応改質剤として機能する様々な化合物が形成される可能性があり、リサイクル操作を行う場合はこの化合物が供給原料中に存在する場合がある。例えば、酸化エチレンプロセスに塩化エチルを適用した場合、供給原料は実際には塩化エチル、塩化ビニル、二塩化エチレンおよび塩化メチルを含む。
反応改質剤は一般に、供給原料中において低濃度、例えば、全供給原料に対し0.1モル%まで、例えば0.01×10−4モル%から0.01モル%の濃度で使用される場合に有効である。特にオレフィンがエチレンの場合は、反応改質剤が、全供給原料に対し0.05×10−4モル%から50×10−4モル%、特に0.2×10−4モル%から30×10−4モル%の濃度で供給原料中に存在することが好ましい。
供給原料は、オレフィン、酸素および反応改質剤に加えて、二酸化炭素、水、不活性ガスおよび飽和炭化水素などの任意選択成分の1つまたは複数を含有することができる。二酸化炭素および水はエポキシ化方法の副生成物である。二酸化炭素は一般に触媒活性に対して悪影響を及ぼす。一般に、供給原料中の二酸化炭素として全供給原料に対して10モル%を上回る濃度、好ましくは5モル%を上回る濃度は避ける。全供給原料に対して1モル%以下という低い濃度の二酸化炭素を用いてもよい。反応生成物からオレフィン酸化物および二酸化炭素を回収する結果として供給原料に水を導入してもよい。水は一般に触媒活性に対して悪影響を及ぼす。一般に、供給原料中の水として全供給原料に対して3モル%を上回る濃度、好ましくは1モル%を上回る濃度は避ける。全供給原料に対して0.2モル%以下という低い濃度の水を用いてもよい。不活性ガス、例えば窒素ないしはアルゴン、またはこれらの混合物が、0.5から95モル%の濃度で供給原料中に存在していてもよい。空気ベースの方法では、不活性ガスは供給原料中に30から90モル%、代表的には40から80モル%の濃度で存在していてもよい。酸素ベースの方法では、不活性ガスは供給原料中に0.5から30モル%、代表的には1から15モル%の濃度で存在していてもよい。好適な飽和炭化水素はプロパンとシクロプロパン、および特にメタンおよびエチレンである。飽和炭化水素が存在する場合は、それらは、全供給原料に対して80モル%まで、特に75モル%までの量で存在してもよい。それらはしばしば少なくとも30モル%、もっと多くの場合は少なくとも40モル%の量で存在している。酸素可燃限界を拡大させるために供給原料に飽和炭化水素を加えてもよい。
反応改質剤の相対量Qは、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率であり、両者のモル量は、合計供給原料に基づいて同じ単位、例えば、モル%で表される。
反応改質剤がハロゲン化合物である場合、反応改質剤の活性種の有効モル量およびQの値を計算するために活性種の数はハロゲン原子の数であるとみなし、反応改質剤が亜硝酸塩形成化合物の硝酸塩である場合、活性種の数は窒素原子の数であるとみなす。このことは、例えば、二塩化エチレン1モルが約2モルの活性種を与える、すなわち、存在するすべての塩素原子が活性種を与えることを意味する。一方、塩化メチルおよび臭化メチルなどのメチル化合物である反応改質剤はそれほど応答性ではないことも分かっており、そのためメチル化合物の2から5モル、特に2.5から3.5モル、好適には約3モルが活性種1モルを生じるとみなすことができる。この数はルーチンの実験によって決定および確認され、また(理論に拘束されることを望まずに)当該のメチル化合物は当該のヘテロ原子(例えば、ハロゲンまたは窒素原子)を分解する能力が小さいのでこの数はもっと大きくなると考えられる。それゆえ、例えば、供給原料が塩化エチルを2×10−4モル%、塩化ビニルを3×10−4モル%、二塩化エチレンを1×10−4モル%および塩化メチルを1.5×10−4モル%含む場合、反応改質剤の活性種の有効モル量は、合計で2×10−4×1+3×10−4×1+1×10−4×2+1.5×10−4×1/3=7.5×10−4モル%になると計算される。
つまり、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量は、供給原料中に存在する各反応改質剤のそれぞれのモル量に係数を乗じ、この乗算の積を合計することによって計算でき、各係数は、メチル化合物である反応改質剤に対する係数が1/5から1/2の範囲内、より代表的には1/3.5から1/2.5の範囲内にあり、約1/3が適切であるという条件で、当該反応改質剤の各分子に存在する活性ヘテロ原子、特にハロゲン原子および/または窒素原子の数を表している。
供給原料中に存在する炭化水素はオレフィンおよび存在する任意の飽和炭化水素を含んでいる。上に示したように、供給原料中に存在する炭化水素は反応改質剤を触媒表面から除去する/ひきはがす機能を有し、この炭化水素が有する機能の程度は各種の炭化水素で異なるだろうと考えられている。これらの(エチレンに対する)違いを考慮するために、存在する炭化水素のそれぞれのモル量に係数を乗じ、その後各モル量を合計して炭化水素の有効モル量を計算する。本明細書において、エチレンの係数は定義により1である。メタンの係数は0.5以下、または0.4以下であり、一般には0から0.2の範囲内、より一般的には0から0.1の範囲内にある。エタンの係数は50から150の範囲内、より一般的には70から120の範囲内にある。それより上の炭化水素(すなわち、炭素数が少なくとも3)の係数は10から10000の範囲内であり、より一般的には50から2000の範囲内にある。このような係数はルーチンの実験によって決定および確認され、また(理論に拘束されるものではないが)当該の炭化水素は基を形成する能力がより大きいのでこの係数はもっと大きくなると考えられる。エチレンを基準とした、メタン、エタン、プロパンおよびシクロプロパンに対する適切な係数は、それぞれ約0.1、約85、約1000および約60である。例として、供給原料がエチレンを30モル%、メタンを40モル%、エタンを0.4モル%およびプロパンを0.0001モル%含む場合、炭化水素の有効モル量は、合計で30×1+40×0.1+0.4×85+0.0001×1000=68.1モル%になると計算される。
別の炭化水素が存在せずにエチレンから酸化エチレンを製造する場合は、炭化水素の有効モル量が実際のモル量に等しくなること、およびエチレン供給原料へのエタンまたはそれ以上の炭化水素の添加は有効モル量への関与が著しいのに対してメタン添加からの関与は比較的小さいことが注目される。
Qの値として適格なのは少なくとも1×10−6であり、特に少なくとも2×10−6である。Qの値として適格なのは多くて100×10−6であり、特に多くて50×10−6である。
この方法のどんな操作段階においても、Qの値は、オレフィン酸化物生成に対して最適選択性を実現するように調節することができる。実際には、Qの値は、供給原料中の炭化水素濃度は変更せずに、供給原料中に存在する反応改質剤の量を調節することによって調整することができる。
本エポキシ化方法は、広い範囲から選択された反応温度を使用して実施することができる。好ましい実施形態において、反応温度Tは℃で表されるが、他の温度単位、例えば、°Fも使用可能である。反応温度Tは180から340℃の範囲にあるのが好ましく、190から325℃の範囲にあるのがより好ましく、200から300℃の範囲にあるのが特に好ましい。このエポキシ化方法は、反応温度が各触媒粒子において同一にはならないように実施することができる。反応温度が同一でない場合、反応温度は各触媒粒子の重量平均温度であると考えられる。一方、反応温度が各触媒粒子において同一ではない場合、依然として、温度差T−Tの値は全触媒粒子に対して実際上同一としてよく、別々のTとTの値よりも簡単に求めることができる。この温度差T−Tは、これに対応する冷媒温度の差に等しいとしてよい。
本発明によれば、反応温度をTからTに変更する場合は、Qの値をQからQに変更できるので、反応温度の変化に起因する最適選択性からのずれが低減されるかまたは防止されることさえある。Qの値は一般に、T、TおよびQをベースに計算される計算値である。特に、Qは式
=Q+B(T−T
(すなわち、式(I))を使用して計算することができ、上式においてBはゼロより大きい一定の係数を表す。反応温度Tが℃で表される場合、Bは(℃)−1で表される。本特許文書では、Bの数値はすべて(℃)−1で表される。当業者は(℃)−1で表されたBの数値を、反応温度Tが表されている単位と整合性のある他の単位で表された値に変換することができる。Bの値は本発明にとって重要ではない。Bの値は少なくとも0.01×10−6が適格であり、特に少なくとも0.1×10−6である。Bの値は多くて1×10−6が適格であり、特に多くて0.5×10−6である。理論に拘束されるものではないが、Bの値は触媒の組成、特に触媒として活性な金属の存在および反応改質剤の活性種の性質に依存すると考えられる。Bの好適な値はルーチンの実験によって決定および確認される。Bの好適な値は、特に、本明細書で前に説明したような反応改質剤の活性種の有効モル量および炭化水素の有効モル量の各計算例で用いた数と係数を組み合わせて用いた場合に約0.22×10−6という値になる。
オレフィン酸化物生成に対する選択性が最適になるようなQの値を用いて反応温度Tでこのエポキシ化方法を操作することが好ましい。そうする場合には、このエポキシ化方法は最適選択率で作動し続けるが、式(I)による反応温度TおよびQの値を用いる場合は必ずしも同一の選択率にはならない。
反応温度は多くの目的のために変更することができる。例えば、エポキシ化反応の速度を下げる必要が生じた場合は反応温度を下げてその反応速度を下げることができる。他の方法として、エポキシ化反応の速度を上げるために反応温度を上げ、その結果単位時間当たりにより多くのオレフィン酸化物を製造することができる。例えば、温度上昇から一定期間後に温度下降が続く、あるいはその逆にするなどの複数の組合せが考えられる。反応温度の変更はすべて徐々に行ってもよく、または階段状に、例えば、0.1℃から20℃刻みで、特に0.2℃から10℃刻み、さらに特に0.5℃から5℃刻みで1回または複数繰り返して行ってもよく、また反応温度の変更にはすべて、本発明によるQの値の変更が伴ってもよい。一般に、QからQへのQの値の変更は、TからTへの変更と同時に行われる。
触媒の経時的劣化と共に、触媒の活性低下を補うように反応温度を変更することが好ましい。触媒の活性はオレフィン酸化物の生産速度によって監視することができる。触媒の活性低下を補うために、反応温度は徐々に上げてもよく、または式(I)に従って同時に変更されるQの値と共に、階段状に繰り返して、例えば、0.1℃から20℃刻みで、特に0.2℃から10℃刻み、さらに特に0.5℃から5℃刻みで上げてもよい。
特にエチレンから酸化エチレンを作製する方法では、新触媒を使用する場合、反応温度Tは代表的にはに180から300℃の範囲にあり、より代表的には180から280℃、特に190から270℃、より特に200から260℃の範囲にある。Qの値は代表的には1×10−6から20×10−6の範囲にあり、より代表的には3×10−6から15×10−6の範囲にある。供給原料中の反応改質剤の濃度は代表的には、全供給原料に対し0.2×10−4モル%から10×10−4モル%の範囲にあり、好ましくは1×10−4モル%から8×10−4モル%の範囲にある。触媒の活性低下を補うために、代表的には230から340℃の範囲の温度レベルまで、より代表的には240から325℃、特に250から300℃の範囲の温度レベルまで反応温度を徐々に上げてもよく、または階段状に繰り返して上げてもよい。反応温度上昇の合計は10から140℃の範囲、より代表的には20から100℃の範囲でよい。代表的には、このような反応温度の上昇を実施した後に用いられるQの値は5×10−6から100×10−6の範囲になり、より代表的には10×10−6から50×10−6の範囲になろう。供給原料中の反応改質剤の濃度は代表的には、全供給原料に対し1×10−4モル%から40×10−4モル%の範囲の値まで増加され、好ましくは1.5×10−4モル%から30×10−4モル%の範囲の値まで増加される。本明細書では、「新触媒」とは、エポキシ化方法の操作過程において、触媒容積(m)当たり少なくともオレフィン酸化物2×10モルの累積的オレフィン酸化物生産によって定義される経時的に劣化した状態に達していない触媒のことを言う。
供給原料中の反応改質剤の濃度または組成を変更することにより、または供給原料中の炭化水素の濃度または組成を変更することにより、またはこれらの組合せによりQの値のどんな変更も行うことができることは本発明の利点である。酸素、二酸化炭素または不活性ガスなどの他の成分に対して、これらの変更と同時に供給原料の組成を変更してもまたは変更しなくてもよい。
一般に、選択性の高い銀ベースの触媒は担持された触媒である。この担体は広範囲の不活性な担体材料から選択することができる。このような担体材料は天然の無機材料でも、人口の無機材料でもよく、シリコンカーバイド、粘土、軽石、ゼオライト、チャコールおよび炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩が挙げられる。アルミナ、マグネシア、ジルコニアおよびシリカなどの耐火性の担体材料が好ましい。最も好ましい担体材料はα−アルミナである。
この担体材料は好ましくは多孔性であり、好ましくは20m/g未満、特に0.05から20m/gのBET法で測定したような表面積を有する。担体のBET法による表面積が0.1から10m/g、特に0.1から3.0m/gの範囲内にあることがより好ましい。本明細書で使用するように、BET法表面積は、米国化学会誌、60巻(1938年)309〜316頁でBrunauer、EmmetおよびTellerが記述したような方法により測定されたと考えられる。
本明細書で使用するような、選択性の高い銀ベース触媒は、新しい状態で操作した場合、エチレンの気相エポキシ化において、少なくとも6/7すなわち85.7%の酸素転化ゼロにおける理論的選択率、Sを示すことができるものである。もっと詳細に述べると、この理論的選択率は260℃の反応温度で達成できる。ある触媒に対するSの値は触媒を操作する、特に一連のガス時間空間速度において260℃の反応温度で操作することにより見いだされ、用いた一連のガス時間空間速度に対応する一連の選択率の値および酸素転化の値をもたらす。その後、この見いだされた選択率の値を酸素転化ゼロにおける理論的選択率、Sの点まで外挿する。
好ましい高選択性の銀ベース触媒は、銀に加えて1種または複数種のレニウム、モリブデン、タングステン、IA族金属、および硝酸塩形成または亜硝酸塩形成化合物を含有し、それらはそれぞれ、全触媒に対する元素(レニウム、モリブデン、タングステン、IA族金属または窒素)として計算して0.01から500mmole/kgの量が存在する。硝酸塩形成または亜硝酸塩形成化合物および硝酸塩形成または亜硝酸塩形成化合物の選択については上記した通りである。レニウム、モリブデン、タングステン、または硝酸塩形成ないしは亜硝酸塩形成化合物が酸素を含む陰イオンとして、例えば、過レニウム酸塩、モリブデン塩、タングステン酸塩または硝酸塩として、塩または酸の形で好適に与えられる。
銀に加えてレニウムを含有する銀ベースの触媒は特に好ましいものである。このような触媒は、米国特許第4761394号、同第4766105号およびヨーロッパ特許出願第266015号から知られる。広義には、これらは、担体材料の上に、銀、レニウムまたはその化合物、その他の金属またはその化合物および場合によっては硫黄、燐、ホウ素、およびこれらの化合物のうち1種または複数種から選択できるレニウム助触媒を含む。さらに詳細に述べると、その他の金属は、IA族金属、IIA族金属、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオブ、ガリウムおよびゲルマニウムおよびそれらの混合物の郡から選択される。その他の金属は、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムなどのIA族金属からおよび/またはカルシウムおよびバリウムなどのIIA族金属から選択されることが好ましい。それはリチウム、カリウムおよび/またはセシウムであることが最も好ましい。可能な限り、レニウム、その他の金属またはレニウム助触媒が、酸素を含む陰イオンとして、塩または酸の形で与えられる。
これらの触媒成分の好ましい量は、全触媒に対する元素として計算した場合、
−銀は10から500g/kg、
−レニウムは0.01から50mmole/kg、
−その他の金属または金属類はそれぞれ0.1から500mmole/kg、およびもし存在する場合は、
−レニウム助触媒またはコバルト助触媒はそれぞれ0.1から30mmole/kgである。
本エポキシ化方法は、1000から4000kPaの範囲の反応器入口圧力で実施することが好ましい。「GHSV」すなわちガス時間空間速度は、時間当たり充填触媒の1単位容積を通過する、標準温度および圧力(0℃、1気圧、すなわち101.3kPa)におけるガスの単位容積である。エポキシ化方法が充填触媒床を含む気相法の場合は、GHSVが1500から10000Nl/(l.h)の範囲にあることが好ましい。本発明の方法は、1mの触媒につき1時間当たり製造されたオレフィン酸化物が0.5から10kモル、特に1mの触媒につき1時間当たり製造されたオレフィン酸化物が0.7から8kモルの範囲、例えば、1mの触媒につき1時間当たり製造されたオレフィン酸化物が5kモルの作業速度で実施することが好ましい。本明細書で使用するように、作業速度とは触媒の単位容積につき1時間当たりに製造されたオレフィン酸化物の量であり、選択率とは、転化されたオレフィンのモル量に対する形成されたオレフィン酸化物のモル量である。
製造されたオレフィン酸化物は、従来技術で知られた方法を使用して、例えば、反応器出口流からのオレフィン酸化物を水に吸収することによって、場合によってはこの水溶液から蒸留によってオレフィン酸化物を回収することによって反応性生物から回収することができる。オレフィン酸化物を含有するこの水溶液の少なくとも一部は、オレフィン酸化物を1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルに転化するためにその後のプロセスに使用してもよい。
本エポキシ化方法において製造されたオレフィン酸化物は1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルに転化することができる。本発明は、オレフィン酸化物を製造するより魅力的な方法をもたらす際に、同時に、本発明によるオレフィン酸化物を製造することおよび得られたオレフィン酸化物をその後1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルの製造に使用すること含むより魅力的な方法をもたらしている。
1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルへの転化は、例えば、好適には酸性触媒または塩基性触媒を使用してオレフィン酸化物を水と反応させることを含んでいてもよい。例えば、大部分は1,2−ジオールを作り、1,2−ジオールエーテルはほとんど作らない場合は、50〜70℃、1バール絶対圧で、酸性触媒、例えば反応混合物合計に関し0.5〜1.0重量%の硫酸の存在下、液相反応において、または130〜240℃、20〜40バール絶対圧で、好ましくは触媒の不存在下、気相反応において、オレフィン酸化物を10倍モル過剰の水と反応させることができる。水の割合を減らした場合は、反応混合物中の1,2−ジオールエーテルの割合が増加される。このようにして製造された1,2−ジオールエーテルは、ジ−エーテル、トリ−エーテル、テトラ−エーテル、または次のエーテルかもしれない。別の1,2−ジオールエーテルは、アルコールで少なくとも水の一部を置き換えることにより、アルコールで、特にメタノールまたはエタノールなどの一級アルコールでオレフィン酸化物を転化することにより作製することができる。
1,2−ジオールおよび1,2−ジオールエーテルは非常に広範囲の工業用途、例えば、食品、飲料、たばこ、化粧品、熱可塑性ポリマー、硬化性樹脂システム、洗剤、電熱システムなどに使用することができる。
特に断りのない場合、本明細書で説明した有機化合物、例えば、オレフィン1,2−ジオール、1,2−ジオールエーテルおよび反応改質剤は、代表的には炭素数が40以下であり、より代表的には炭素数が20以下、特に炭素数が10以下、より特に炭素数が6以下である。本明細書で定義したように、炭素原子の数(すなわち炭素数)の範囲は、範囲の限界として規定した数を含む。
本発明の方法を実施するのに適した反応システムは、選択性の高い銀ベースの触媒を保持する反応器を備えている。この反応器はオレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を受け入れるように構成することができる。反応器は反応器内の反応温度Tを制御するように構成された温度制御システムを有することができる。この反応システムは、供給原料中に存在する反応改質剤を相対量Qに制御し、場合によっては他の供給原料成分の濃度を制御するように構成された供給制御システムをさらに備えることができる。
本発明のコンピュータプログラム製品は、コンピュータ読取可能媒体およびコンピュータ読取可能媒体上に記録されたコンピュータ読取可能プログラムコードを含むことができる。このコンピュータ読取可能プログラムコードは、本発明の方法に関する計算を実行するように本発明のコンピュータシステムのデータ処理システムに指示するのに適したものにすることができる。このコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムの固定要素のディスクの形でもよく、またはコンピュータシステムに挿入可能なディスクでもよい。コンピュータ読取可能媒体は、例えば、光学式システムによってまたは磁気式システムによって読み取り可能にできる。
好ましい実施形態においては、このコンピュータプログラム製品は、さらに、コンピュータ読取可能媒体上に記録され、本発明の方法を制御するようにデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードを含むことができる。この好ましい実施形態においては特に、コンピュータシステムを、温度制御システムおよび供給制御システムと交信するように構成することができる。この構成配置によって本発明の方法の各工程を制御することが容易になる。
以下の実施例によって本発明を説明する。
米国特許第4766105号(ヨーロッパ特許出願第266015号)に規定されたような、α−アルミナ上に銀、レニウム、セシウム、リチウムおよびタングステンなどを含み、新しい状態で少なくとも85.7%の理論的選択率Sを有する触媒を以下の実験で用いる。
この実験で、酸化エチレンは以下の様に製造される。粉砕された触媒(0.8〜1.4mm)のサンプルを、内径が3mmのステンレス鋼製U字形管からなるマイクロリアクタ内に充填した。このU字形管を溶融金属の錫/ビスマス浴(熱媒体)内に浸漬し、各端部をガス流システムに連結した。5000Nl/(l.h)のガス時間空間速度を達成するように触媒の重量および入口ガス流量を調節した。入口圧力は1870kPa(絶対圧)であった。反応器への供給原料は、エチレンを28モル%の濃度で、酸素を7.4モル%の濃度で、二酸化炭素を5.2モル%の濃度で、塩化エチルを2.9ppm容積(容積で100万分の1部)の濃度で、すなわち、酸化エチレンに対する選択性が最適になるような濃度で含んでおり、残りは窒素であった。反応温度は、作業速度が208kg酸化エチレン/(mhr)となる275℃であった。これらの状態は以下において「反応条件1」と呼ばれる。
その後、反応条件1は以下のように変更された。ガス時間空間速度6000Nl/(l.h)、入口圧力は2250kPa(絶対圧)、エチレン濃度23モル%、酸素濃度6.1モル%、二酸化炭素濃度4.3モル%、反応温度263℃である。酸化エチレンに対する選択性の最適化後は、塩化エチル濃度が2.6ppm容積であった。作業速度は251kg酸化エチレン/(mhr)であった。これらの条件は以下において「反応条件2」と呼ばれる。Bが0.22×10−6に等しいことおよび反応条件1を用いて式(I)による計算により、反応条件2のもとでの酸化エチレンに対する最適な選択率に対して、塩化エチル濃度は2.7ppm容積という値になることが見いだされた(実験的に見いだされた値は2.6ppm容積)。
その後、反応条件2は以下のように変更された。ガス時間空間速度7400Nl/(l.h)、入口圧力は2650kPa(絶対圧)、エチレン濃度19モル%、酸素濃度5モル%、二酸化炭素濃度3.5モル%、反応温度271℃である。酸化エチレンに対する選択性の最適化後は、塩化エチル濃度が2.6ppm容積であった。作業速度は307kg酸化エチレン/(m.hr)であった。これらの条件は以下において「反応条件3」と呼ばれる。Bが0.22×10−6に等しいことおよび反応条件1を用いて式(I)による計算により、反応条件3のもとでの酸化エチレンに対する最適な選択率に対して、塩化エチル濃度は2.6ppm容積という値になることが判明した(実験的に見いだされた値は2.6ppm容積)。
仮定的な例
米国特許第4766105号(ヨーロッパ特許出願第266015号)に規定されたような、α−アルミナ上に銀、レニウム、セシウム、リチウムおよびタングステンなどを含み、新しい状態で93%の理論的選択率Sを有する触媒が以下の実験で用いられている。上記のSの値は、各回ごとにエチレン30モル%、酸素8モル%、二酸化炭素5モル%および入口圧力1400kPaにおいて一連のガス時間空間速度における選択率を測定し、反応温度は260℃であり、酸素転化ゼロにおける理論的選択率、Sの点まで外挿して求めた。
実験において、酸化エチレンは以下の様に製造される。粉砕された触媒(0.8〜1.4mm)のサンプルを、内径が3mmのステンレス鋼製U字形管からなるマイクロリアクタ内に充填している。このU字形管を溶融金属の錫/ビスマス浴(熱媒体)内に浸漬し、各端部をガス流システムに連結している。3300Nl/(l.h)のガス時間空間速度を達成するように触媒の重量および入口ガス流量を調節する。入口圧力は1600kPa(絶対圧)である。反応器への供給原料は、エチレンを50モル%の濃度で、酸素を7モル%の濃度で、二酸化炭素を3.5モル%の濃度で、塩化エチルを酸化エチレンに対する選択性が最適になるような濃度で含んでおり、供給原料の残りは窒素である。反応温度は、作業速度が200kg酸化エチレン/(m.hr)となる254℃である。触媒は経時的に劣化するので、一定の作業速度を維持するように反応温度を徐々に上昇させる。反応温度の上昇と同時に、Bが0.22×10−6に等しいことを用い、式(I)により供給原料中の塩化エチルの濃度を増加させる。

Claims (22)

  1. 選択性の高い銀ベースの触媒の存在下、反応温度Tで、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、その反応改質剤は、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qで存在し、かつ
    Tの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作するステップと、
    引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値がQであり、Qが計算によって求められかつ式
    =Q+B(T−T
    によって定義され、上式においてBはゼロより大きい一定の係数であるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含む、オレフィンのエポキシ化の方法。
  2. 前記オレフィンがエチレンであり、前記反応改質剤が有機塩化物を含む請求項1に記載の方法。
  3. 反応改質剤が、塩化メチル、塩化エチル、二塩化エチレンおよび塩化ビニルの1種以上を含む炭素数6までのクロロハイドロカーボンを含む請求項2に記載の方法。
  4. 供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量が、供給原料中に存在する各反応改質剤のそれぞれのモル量に係数を乗じ、この乗算の積を合計することによって計算でき、各係数は、メチル化合物である任意の反応改質剤に対する係数が1/5から1/2の範囲内、特に1/3.5から1/2.5の範囲内にあるという条件で、当該反応改質剤の1分子当たりに存在する活性ヘテロ原子の数を表す請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量が、供給原料中に存在する各炭化水素のそれぞれのモル量に係数を乗じ、この乗算の積を合計することによって計算でき、メタンの係数はどれも0から0.5の範囲内にあり、エタンの係数はどれも50から150の範囲内にあり、炭素数が少なくとも3の炭化水素の係数はどれも10から10000の範囲内であり、すべての係数は、定義により1に等しいエチレンの係数を基準にしたものである請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. メタンの係数はどれも0から0.4の範囲内にあり、エタンの係数はどれも70から120の範囲内にあり、炭素数が少なくとも3の炭化水素の係数はどれも50から2000の範囲内にあり、すべての係数は、定義により1に等しいエチレンの係数を基準にしたものである請求項5に記載の方法。
  7. 相対量Qが1×10−6から100×10−6の範囲にあり、特に2×10−6から50×10−6の範囲にある請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 反応温度Tが190から325℃の範囲にあり、特に200から300℃の範囲にある請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 反応温度Tが℃で表され、(℃)−1で表されるBの値が0.01×10−6から1×10−6の範囲にあり、特に0.1×10−6から0.5×10−6の範囲にある請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 反応温度Tにおいてオレフィン酸化物生成に対する選択性が最適になるようなQの値が用いられる請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 触媒が経時的劣化すると共に、触媒の活性低下を補うように反応温度を変更する請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 選択性の高い銀ベース触媒が、担体、特にα−アルミナ担体上にレニウム、モリブデン、タングステン、および硝酸塩形成または亜硝酸塩形成化合物の1種または複数種を含有する請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 選択性の高い銀ベース触媒が、銀、レニウムまたはその化合物、IA族金属、IIA族金属、モリブデン、タングステン、クロム、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオブ、ガリウムおよびゲルマニウムから選択されるその他の金属またはその化合物、およびそれらの混合物、ならびに場合によっては硫黄、燐、ホウ素およびこれらの化合物のうちの1種または複数種から選択されるレニウム助触媒を含む請求項12に記載の方法。
  14. 供給原料中に存在する炭化水素が、オレフィンに加えて、メタン、エタン、プロパンおよびシクロプロパンのうちの1種または複数種を含む請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. が式
    =Q+B(T−T
    (上式においてBはゼロより大きい一定の係数を表す)を使用して、またはこれと同等の数式を使用して計算される請求項1から14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 選択性の高い銀ベースの触媒の存在下でオレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を反応させることを含み、かつ
    第1の操作段階で操作するステップと、
    引き続いて第2の操作段階において、触媒上の反応改質剤の活性種の濃度が実質的に変更されないような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作するステップとを含む、オレフィンのエポキシ化の方法。
  17. オレフィン酸化物を1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルに転化することを含み、前記オレフィン酸化物は請求項1から16のいずれか一項に記載のオレフィン酸化物製造方法によって得たものである1,2−ジオールまたは1,2−ジオールエーテルの作成にオレフィン酸化物を使用する方法。
  18. 選択性の高い銀ベースの触媒を保持し、オレフィン、酸素および反応改質剤を含む供給原料を受け入れるように構成され、反応器内の反応温度Tを制御するように構成された温度制御システムを有する反応器を備え、供給原料中に存在する反応改質剤を、供給原料中に存在する反応改質剤の活性種の有効モル量の、供給原料中に存在する炭化水素の有効モル量に対する比率である相対量Qに制御するように構成された供給制御システムをさらに備え、かつ
    Tの値がTであり、Qの値がQである第1の操作段階で操作する工程と、
    引き続いて第2の操作段階において、Tの値がTであり、Qの値がQであり、Qが計算によって求められかつ式
    =Q+B(T−T
    によって定義され、上式においてBはゼロより大きい一定の係数であるような、第1の操作段階で用いられた反応温度とは異なる反応温度で操作する工程とを実行するように構成された、オレフィンのエポキシ化の方法を実施するのに適した反応システム。
  19. コンピュータ読取可能媒体と、コンピュータ読取可能媒体上に記録され、請求項1から15のいずれか一項に記載のオレフィンのエポキシ化方法の計算を実行するようにコンピュータシステムのデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードとを含むコンピュータプログラム製品。
  20. コンピュータ読取可能媒体上に記録され、オレフィンのエポキシ化方法を制御するようにデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードをさらに含む請求項19に記載のコンピュータプログラム製品。
  21. コンピュータプログラム製品およびコンピュータプログラム製品からの指示読み込みを受信するように構成されたデータ処理システムを備え、前記コンピュータプログラム製品がコンピュータ読取可能媒体と、コンピュータ読取可能媒体上に記録され、請求項1から15のいずれか一項に記載のオレフィンのエポキシ化方法の計算を実行するようにデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードとを含むコンピュータシステム。
  22. 反応温度Tを制御するように構成された温度制御システムおよび供給原料中に存在する反応改質剤を相対量Qに制御するように構成された供給制御システムとそれぞれ交信するように構成され、コンピュータプログラム製品が、コンピュータ読取可能媒体上に記録され、前記オレフィンのエポキシ化方法を制御するようにデータ処理システムに指示するのに適したコンピュータ読取可能プログラムコードをさらに含む請求項21に記載のコンピュータシステム。
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