JP2005509319A - イメージ信号のfpn補正方法及びそのための装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定の瞬間においてイメージセル(22)イメージ信号の値(Vr)が少なくとも2つの値範囲(56、58、67)のいずれの値範囲に存在するかを決定する弁別装置(70)と、イメージ信号のための補正値(Vc)を、前記弁別装置(70)により決定されたの結果の関数として決定する選択装置(72、74、76、78、80)とを備える。前記選択装置は、好ましくは、複数組の補正係数から、補正係数を、弁別装置(70)により決定された結果の関数として選択する手段(72)と、選択された補正係数を用いてイメージ信号のための補正値を計算する変換ユニット(74、76、78、80)とを含む。
Description
特に、高度のメモリ及び計算容量が必要であり且つリアルタイムの要求なので、補正のための綿密な数学的変換は少なくとも商業的用途には使用できないため、実際、FPNの補正は困難である。
a) 所定の時点でイメージ信号の値が少なくとも2つの値範囲のいずれの値範囲に存在するかを決定する段階と
b) イメージ信号の補正値を上記a)段階の結果の関数として決定する段階。
a) 所定の時点でイメージ信号の値が少なくとも2つの値範囲のいずれの値範囲に存在するかを決定するための弁別装置と、
b) イメージ信号の補正値を上記a)段階の結果の関数として決定するための選択装置。
イメージ信号のための補正値の決定は、たとえば、それに適応できる変換等式を用いて、各イメージ素子に対し、値範囲の数に対応する多数の訂正値を決定するようにして、実施できる。次に、これらの補正値から、この値範囲に割り当てられた特別な補正値が、所定の時点においてイメージ信号の値が実際に存在する値範囲の関数として選択される。したがって、各イメージセルに対し存在する値範囲と同数の補正値が決定されねばならない。
b1) 多数組の補正係数から補正係数をa)段階の結果の関数として選択する段階と
b2) 補正係数を用いて、イメージ信号のための補正値を計算する段階。
各場合において、唯一の補正値の計算が必要であり、すなわち値範囲に割り当てられた補正係数を使用できるという点で、この手順は有利である。この手順では、多数の予め計算された補正値から1つの補正値を選択するよりも、選択された補正係数を用いて唯一の補正値を選択する。
しかしながら、多数のイメージセル及び/または異なる値範囲に対して、補正係数の組が異なるならば、特に好ましい。
イメージセルの個々の特性に適応した新しい補正係数は、個々のイメージセルの各々に使用できるので、この方法によりFPNの補正におけるさらに大きな改良が可能となる。しかしながら、複数の値範囲に細分することにより変換等式が単純化されるため、必要な係数の総数はリーズナブルな範囲内に保つことができる。必要な係数の数は、使用される近似のタイプに依存する。特性曲線のセクションが1次、2次または3次式により近似されることが好ましい。
特性曲線のタイプに応じて、少なくとも2つの値範囲内の異なる近似特性により、特性曲線の対応セクションを近似することが必要だろう。最初の2つの10個1組の輝度においては、即ち低い光強度においては放物線の1部分を用いる近似特性により、それよりも高い部分では直線特性により、イメージ素子の全体的特性曲線が近似されることが、特に好ましい。これは、この場合、各イメージ素子に対して僅か3つの補正係数で充分だからである。さらに、個々の値範囲の特性曲線セクション間では安定的で且つ「ソフトな」移行値が得られる。
このようにして、各イメージセルに対し異なる係数を与えるだけでよい、適切に配列したロジック素子を用いて、すべてのイメージセルに対する変換を実施することができる。
本発明の有利な実施形態において、ロジック素子の配列、特にメモリから係数を与えられる加算器及び倍率器の配列により、変換式が確立される。
名目的特性は、自由に特定することができる。しかしながら、名目的特性は、実際の特性のための近似式に関して、最も単純で可能な変換式を値範囲内で得るという観点から、特定すべきである。
名目的特性のこの特定により、個々のイメージ信号に対して実施される補正は、全体として極めて小さくなる。
たとえばEP 632 930 B1に示されているような公知の特別なイメージセンサの場合、入力信号の高いダイナミックレンジは対数により圧縮されて出力信号のかなり小さいダイナミックレンジになる。従って、これらのイメージセンサの各イメージセルは、そのセルに当たる光の強度の対数に対応する出力電圧を発する。このようにして、120dBのオーダのナチュラルシーンの極めて広いダイナミックレンジは、信号処理手段により充分にカバーすることができる。対数による圧縮は、個々のイメージセルの部分である電子部品により実施される。本発明の新しいFPN補正方法を用いることにより、このようなイメージセルにおいて特に良好な結果が得られることが判明した。これは、そのようなイメージセルの特性曲線は2つの値範囲に細分され、それらの値範囲においていずれの場合も輝度情報の対数に対しほぼ線形であるからである。
また、各イメージセルに対しおよび少なくとも2つの値範囲の各々に対し、下記の変換式によりイメージセルが発した実際の値Vrから、補正値Vcをイメージ信号に対し決定することが好ましい。
この実施形態の改良において、補正係数aおよびbは次の式で表わされる。
各値範囲において、輝度情報の対数に対して線形である、個々のイメージセルのイメージ信号は、1次近似式で表わされ、それらの係数は、特定された関係を用いて変換式の係数を導き出す。これらの係数はメモリに保存され、当該イメージセルのイメージ信号が関連値範囲に存在する場合には常に呼び出される。
生産者側では、個々のテストポイントのみが実際の特性の記録に使用できるので、この方法により、1次近似式の係数決定のための特に単純且つ正確な方法が得られる。
係数ai、biは、すべてのイメージセルにわたって係数ar、brから平均値を計算することにより決定されるのが好ましい。
図1は、デジタルカメラ10の極めて単純化した図解図であり、デジタルカメラ10は、フォトグラフィックカメラであってもフィルムカメラであってもよい。デジタルカメラ10は、電子イメージセンサ12を有している。この場合略図のみで示されたレンズシステム16により、電子イメージセンサ12の光感知面上に被写体14のイメージが形成される。イメージセンサ12により記録されたイメージは、電子ユニット18内でデジタル処理され、カメラ出力20を介して最終的に読み取られる。図1には図示されていないが、電子ユニット18は、処理されたイメージを保存できるイメージメモリを備えていてもよい。電子ユニット18の部分のみをデジタルカメラの内部に配置することもまた可能である。その場合、残りの部分は、たとえばパーソナルコンピュータ上で実行され得るソフトウエアとして、デジタルカメラ10の外部に設けられてもよい。
このように処理されたイメージ信号は、最終的に出力20を介して読み出され、出力装置34によりイメージに再変換され得る。
図3は、1個のイメージセル22が発する出力電圧Vとイメージセル22に当たる光の輝度Eとの関係を示す表における、イメージセル22の特性曲線36を示している。横軸が対数により細分された、選択された半対数的なこの表において、特性曲線36は第1セクション38および第2セクション40を有しており、これらのセクション38、40において、出力電圧Vは、輝度Eの対数に対してほぼ線形である。輝度が高い場合(第1セクション38)、イメージセル22の出力電圧Vは、輝度Eの対数に応じて増大する。輝度が非常に低い場合(第2セクション40)、イメージセル22の出力電圧Vは、輝度Eにほぼ無関係である。特性曲線36のこのほぼ水平なセクションは、イメージセル22の暗電流を示し、これは主にイメージセルに含まれる光ダイオードによるものである。暗電流は、とりわけ発熱と光ダイオードの空間電荷領域に存在する不純物を介しての遊離電荷キャリアの再結合とによってそこに生じる。第1セクション38と第2セクション40との間に、特性曲線が湾曲している移行セクション42が存在する。
実際の特性44〜52を適切な変換により名目的特性54(または他の任意に特定された名目的特性)上にしるすことができれば、FPNは完全に消滅する。しかしながら、式(1)の変換は数学的に極めて複雑であり、したがってFPN補正ユニットでリアルタイムに処理することはできない。
第2近似線の係数と同様に、第1近似線の係数もまたイメージセンサ12のすべてのイメージセルに対し決定される。各イメージセルの特性曲線は、このようにして各場合において4つの係数全体により、近似値で表わされる。
近似方法のさらに別の改良は、縦軸を2つにではなく3つまたはそれ以上の値範囲に細分することにより実施できる。図8において、特性曲線52に関して、第1値範囲56と第2値範囲58との間に第3値範囲67が挿入されており、これは、下記の2次関数式により特性52の移行セクション42に近似するものである。
このようにして、補正された出力電圧Vcがすべてのイメージセルに対して一定の輝度Exとほぼ対応するように、実際の出力電圧Vrを補正された電圧値 Vcに変換するために、それぞれ2つの係数を有する2つの変換式(6)が必要とされる。
図9は、2つの輝度E1、E2に対する補正された出力電圧の分布を示す。図5と比較すると明らかなように、平均値V1、V2の周囲の出力電圧の広がりは、 補正していない出力電圧Vの場合に比べるとかなり小さい。したがってそれにともないFPNも低く、本来均質であるべきエリアのきめの粗さがかなり減少して、ある状況の下では、知覚閾以下に下がる。
また、使用されたチップ技術、2つのメモリ74a、76aおよび読み出し頻度に基づいて、FPN補正ユニット26aを、データパスにレジスタを挿入したパイプライン構造として構成してもよい。
図10cに示したFPN補正ユニット26cは、閾値メモリ野代わりに、メモリ74c、76cから与えられた係数を用いて各イメージセルのために独立して閾値を決定する閾値計算ユニット84cと弁別装置70cとを有している。たとえば、閾値メモリのために与えられるスペースのコストが閾値計算ユニット84cのためのコストよりも大きい場合に、このような計算は適している。
Claims (27)
- イメージセンサ(12)のイメージセル(22)が発するイメージ信号のFPN補正方法であり、
a) 所定の瞬間においてイメージ信号の値(Vr)が少なくとも2つの値範囲(56、58;67)のいずれの値範囲に存在するかを決定する段階と、
b) 補正値(Vc)を、段階a)の結果の関数として決定する段階と
を含み、好ましくはこれらの段階をイメージ信号に対し別個に実施することを特徴とするイメージ信号のFPN補正方法。 - 段階b)による補正値(Vc)の決定が、
b1) 補正係数を、複数組の補正係数から、段階a)の結果の関数として選択する段階と、
b2) 選択された補正係数を用いてイメージ信号のための補正値(Vc)を計算する段階と
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 複数組の補正係数が複数個のイメージセル(22)に対して異なることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 個々の組の補正係数が、各値範囲(56、58;67)に対して用いられることを特徴とする、請求項2または3に記載の方法。
- 複数個のイメージセル(22)に対し、少なくとも2つの値範囲(56、58;67)が異なることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
- 異なる補正係数によってのみ異なる変換式を用いて、すべてのイメージセル(22)に対し補正を実施することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
- メモリから補正係数を与えられるロジック素子の配列、特に加算器(80)と倍率器(78)との配列により、前記変換式が特定されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
- 各イメージセル(22)に対し、それぞれの各イメージセル(22)に当たる光の強度と発されたイメージ信号との関係を特定する実際の特性(44、46、48、50、52)を名目的特性(54)と比較することにより、前期補正係数が決定されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
- 名目的特性(54)は、イメージセル(22)の実際の特性(44、46、48、50、52)から平均値を計算して決定されることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
- イメージセルのほぼ対数による実際の特性(44、46、48、50、52)に関して、実際の特性(44、46、48、50、52)と名目的特性(54)とがそれぞれの値範囲(56、58;67)内で光強度の対数に対しほぼ線形であるように、少なくとも2つの値範囲(56、58;67)が特定されることを特徴とする、請求項8または9に記載の方法。
- 係数ar、brは、イメージセル(22)の実際の特性(44、46、48、50、52)から、最小2乗誤差法により決定されることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 係数ai、biは、すべてのイメージセル(22)にわたる係数ar、brの平均値を計算することにより決定されることを特徴とする、請求項12または13に記載の方法。
- 補正係数は、イメージ信号の値(Vr)を予め形成した近似特性(64、66)上に変換することを特徴とする、請求項2〜14のいずれかに記載の方法。
- 予め形成した近似特性(64、66)は少なくとも1つの値範囲(56、58)に対して直線であることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
- 予め形成した近似特性は少なくとも1つの値範囲(42)に対して放物線の一部分であることを特徴とする、請求項15または16に記載の方法。
- 固定近似特性は第1値範囲(56)に対して放物線の一部分であり第2値範囲(58)に対して直線であり、第1値範囲は2つの10個1組の輝度をカバーしていることを特徴とする、請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
- イメージセンサ(12)のイメージセル(22)が発するイメージ信号のFPN補正装置であり、
a) 所定の瞬間においてイメージセル(22)イメージ信号の値(Vr)が少なくとも2つの値範囲(56、58、67)のいずれの値範囲に存在するかを決定する弁別装置(70)と、
b) イメージ信号のための補正値(Vc)を、前記弁別装置(70)により決定されたの結果の関数として決定する選択装置(72、74、76、78、80)と
を含むことを特徴とするイメージ信号のFPN補正装置。 - a) 補正係数を、複数組の補正係数から、弁別装置(70)により決定された結果の関数として選択する手段(72)と、
b) 選択された補正係数を用いてイメージ信号のための補正値(Vc)を計算する変換ユニット(74、76、78、80)と
を含むことを特徴とする、請求項19に記載の装置。 - 変換ユニットは、ロジック素子の配列、特に加算器(80)と倍率器(78)とロジック素子に与えられる補正係数が保存されるメモリ(74、76)との配列を含むことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
- 変換ユニットが特に加算器(80)と倍率器(78)との直列回路を含むことを特徴とする、請求項20に記載の装置。
- 補正係数を選択する手段(72)は、メモリ(74、76)からロジック素子(78、80)への補正係数の供給を制御するように構成されていることを特徴とする、請求項21または22に記載の装置。
- メモリ(74、76)は、読み出されたイメージセル(22)に関する情報を与えられるように構成されていることを特徴とする、請求項21〜23のいずれかに記載の装置。
- 弁別装置(70)は、少なくとも多数のイメージセル(22)に対し異なる閾値を保存するように構成された閾値メモリ(71)に連結されていることを特徴とする、請求項19〜24のいずれかに記載の装置。
- 弁別装置(70c)は、少なくとも多数のイメージセル(22)に対しメモリ(74c、76c)から与えられた補正係数に基づいて閾値を計算するように構成された閾値計算ユニット(84c)に連結されていることを特徴とする、請求項19〜25のいずれかに記載の装置。
- 複数個のイメージセル(22)を有するイメージセンサ(12)と、請求項19〜26のいずれかに記載のFPN補正装置(26)とを含む、特にフォトグラフィックカメラまたはフィルムカメラ(10)であることを特徴とする、デジタルカメラ。
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