JP4784397B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、入射光を電気信号に変換する撮像素子を有する撮像装置に関する。
従来、デジタルカメラなどの撮像装置には、入射光を電気信号に変換する複数の画素を有する撮像素子が設けられている。また近年では、入射光量に基づいて入射光を電気信号に線形変換する線形変換動作と対数変換する対数変換動作とを切り換える撮像素子(リニアログ変換型センサ)が提案されている。このリニアログ変換型センサによれば、線形変換動作のみを行う撮像素子と比較して電気信号のダイナミックレンジが広くなるため、輝度範囲の広い被写体を撮影した場合でも全輝度情報を電気信号で表現することができる。
しかし、リニアログ変換型センサの出力には対数変換動作由来の電気信号と線形変換動作由来の電気信号が含まれるため、演算処理が複雑になるという問題があった。そこで、対数変換動作由来の電気信号を線形変換動作由来の状態に変換するか、或いは線形変換動作由来の電気信号を対数変換動作由来の状態に変換する特性変換を行う信号処理部を設けて、電気信号全体を線形変換動作由来又は対数変換動作由来の状態に統一して電気信号の処理を容易化する撮像装置が提案されている。
また、リニアログ変換型センサの入出力特性は、撮像素子又はその近傍の温度変化に起因して変動するという特性を有する。そこで、このような温度変化が撮像素子の入出力特性に影響しないように、撮像素子の入出力特性の変動補正を行う撮像装置が提案されている(特許文献1)。すなわち、特許文献1に記載の撮像装置では、対数変換動作由来の電気信号を線形変換動作由来の電気信号に変換する特性変換を演算によって実現しており、雰囲気温度の変化に応じて演算内容を変化させることによって、電気信号の入出力特性のばらつきを補正している。
特開2004−356866号公報
しかしながら、従来のような撮像装置をディジタルカメラ等の製品に搭載する場合、温度による変動補正を行うためには、温度センサ等の温度検出器をイメージセンサ近傍に設けて温度変化を検出する必要がある。また、低コスト化のために安価な温度検出器を用いると、温度検出器固有の測定誤差の影響が大きく、正確な温度を取得できないおそれがあるという問題があった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、温度検出器による温度のノイズの影響を低減し、より正確な変動補正を行い、使用する温度検出器に関わらずノイズの少ない高品位な画像信号を出力する撮像装置を提供することを目的とするものである。
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、撮像装置において、
入射光を電気信号に変換する感光素子を備えた複数の画素を有する撮像素子と、
前記撮像素子の温度を検出する温度検出器と、
前記撮像素子から出力される電気信号に対して信号処理を行う信号処理部とを備え、
前記信号処理部は、
温度補正を行うべき範囲内で前記温度検出器により検出した複数の過去の温度データをもとに、温度変化に起因して変動する前記撮像素子の出力電気信号の変動補正を行う変動補正部を備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化に起因して撮像素子の入出力特性が変動する場合、温度補正すべき範囲内で温度検出器が検出した複数の過去の温度データをもとに出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した複数の過去の温度データの平均値を算出する平均値算出部を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、温度補正すべき範囲内で温度検出器が検出した複数の過去の温度データの平均値をもとに出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、温度補正すべき範囲内の温度データの平均値に基づいて、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した複数の過去の温度データを保持する温度記憶部を備えることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、温度記憶部により、温度補正すべき範囲内で温度検出器が検出した複数の過去の温度データを保持させ、該温度データをもとに出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、温度補正すべき範囲内の温度データを複数保持し、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した過去の温度データをもとに、それ以降の温度を予測して設定する温度予測部を備えることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、温度予測部により予測した未測定の温度データをもとに、出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、未測定の範囲の温度データを予測し、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、前記温度検出器によって検出した過去の温度データがノイズか否かを判別するノイズ判別部を備えており、
前記温度予測部は、前記ノイズ判別部でノイズと決定した温度に対して、過去の温度データをもとに、正しい温度を予測して設定することを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、ノイズ判別部によりノイズ成分が検出され、温度予測部が該ノイズ成分を除去した温度データをもとに、出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、ノイズ成分を除去した正確な温度データを予測し、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した複数の過去の温度データをもとに、フレーム単位で、前記変動補正部で使用する温度を設定することを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、フレーム単位で出力信号の変動補正を行うので、フレーム内でノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した複数の過去の温度データをもとに、水平ライン単位で、前記変動補正部で使用する温度を設定することを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、水平ライン単位で出力信号の変動補正を行うので、温度補正すべき範囲の大きさに関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記変動補正部は、温度に基づいて補正係数を導出する係数導出部と、前記補正係数に基づいて前記変動補正を行う演算処理部と、を備え、
前記係数導出部は、入力される現入力温度と前回に入力された入力温度とを比較し、これらが一致するときは、前回入力時に係数導出部で導出した補正係数を用いることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、係数導出部への現入力温度とその前回の入力温度とを比較し、これらが一致するときは、前回入力時に係数導出部で導出した補正係数を用いるので、その分処分を簡略化することができ、消費電力を低減させることができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の撮像装置において、
前記撮像素子は、入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、対数変換する対数変換モードとを、入射光量に基づいて切り替える複数の画素を有することを特徴とする。
請求項9に記載の発明によれば、撮像素子は、線形変換モードと対数変換モードを備え、入射光量に基づいて切り替えて変動補正を行うため、より正確な変動補正を行うことができるとともに、撮影時の撮像素子またはその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関係なくノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項1に記載の発明によれば、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化に起因して撮像素子の入出力特性が変動する場合、温度補正すべき範囲内で温度検出器が検出した複数の過去の温度データをもとに出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、撮像時の撮像素子又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果をえることができる。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果をえることができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1と同様の効果をえることができる。
請求項5に記載の発明によれば、ノイズ判別部が温度データのノイズ成分の有無を判別し、温度予測部が当該ノイズ成分のない正しい温度を予測するので、正しい温度に基づいて出力信号の変動補正を行うことができる。
請求項6に記載の発明によれば、フレーム単位で出力信号の変動補正を行うので、フレーム内でノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項7に記載の発明によれば、水平ライン単位で出力信号の変動補正を行うので、温度補正すべき範囲の大きさに関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
請求項8に記載の発明によれば、入力温度が変化しない場合は同じ補正係数を用いるので、補正係数の導出回数の低減が可能であり、処理を簡略化することができる。処理を簡略化することにより、メモリへのアクセス数の減少等が可能であり、消費電力が減少する。
請求項9に記載の発明によれば、線形変換モードと対数変換モードを備え、入射光量に基づいて切り替えて変動補正を行うため、より正確な変動補正を行うことができる。
[第1の実施形態]
以下に、本発明に係る撮像装置の第1の実施形態について、図面を参照して説明する。ただし、発明の範囲を図示例に限定するものではない。
図1に示すように、撮像装置1は、レンズ系2及び絞り3を介して入射光を受光する撮像素子4を備えている。これらレンズ系2及び絞り3としては、従来より公知のものが用いられている。
撮像素子4は、図2に示すように、行列配置(マトリクス配置)された複数の画素G11〜Gmn(但し、n,mは1以上の整数)を有している。
各画素G11〜Gmnは、入射光を光電変換して電気信号を出力するものである。これら画素G11〜Gmnは、入射光量に基づいて電気信号への変換動作を切り換えるようになっており、後述のように、所定入射光量未満の入射光量に対しては入射光を線形変換する線形変換動作を、所定入射光量以上の入射光量に対しては入射光を対数変換する対数変換動作を行うようになっている。
これら画素G11〜Gmnのレンズ系2側には、それぞれレッド(Red)、グリーン(Green)及びブルー(Blue)のうち何れか1色のフィルタ(図示せず)が配設されている。また、画素G11〜Gmnには、図2に示すように、電源ライン5や信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCn、信号読出ラインLD1〜LDmが接続されている。なお、画素G11〜Gmnにはクロックラインやバイアス供給ラインなどのラインも接続されているが、図2ではこれらの図示を省略している。
信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnは、画素G11〜Gmnに対して信号φv,φVPS(図3参照)を与えるようになっている。これら信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnには、垂直走査回路6が接続されている。この垂直走査回路6は、後述の信号生成部31(図1参照)からの信号に基づいて信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnに信号を印加するものであり、信号を印加する対象の信号印加ラインLA1〜LAn,LB1〜LBn,LC1〜LCnをX方向に順次切り換えるようになっている。
信号読出ラインLD1〜LDmには、各画素G11〜Gmnで生成された電気信号が導出されるようになっている。これら信号読出ラインLD1〜LDmには定電流源D1〜Dm及び選択回路S1〜Smが接続されている。
定電流源D1〜Dmの一端(図中下側の端部)には、直流電圧VPSが印加されるようになっている。
選択回路S1〜Smは、各信号読出ラインLD1〜LDmを介して画素G11〜Gmnから与えられるノイズ信号と撮像時の電気信号とをサンプルホールドするものである。これら選択回路S1〜Smには水平走査回路7及び補正回路8が接続されている。水平走査回路7は、電気信号をサンプルホールドして補正回路8に送信する選択回路S1〜Smを、Y方向に順次切り換えるものである。また、補正回路8は、選択回路S1〜Smから送信されるノイズ信号及び撮像時の電気信号に基づき、当該電気信号からノイズ信号を除去するものである。
なお、選択回路S1〜Sm及び補正回路8としては、特開平2001−223948号公報に開示のものを用いることができる。また、本実施形態においては、選択回路S1
mの全体に対して補正回路8を1つのみ設けることとして説明するが、選択回路S1〜Smのそれぞれに対して補正回路8を1つずつ設けることとしてもよい。
続いて、本実施形態における画素G11〜Gmnについて説明する。
各画素G11〜Gmnは、図3に示すように、フォトダイオードP及びトランジスタT1
3を備えている。なお、トランジスタT1〜T3は、バックゲートの接地されたNチャネ
ルのMOSトランジスタである。
フォトダイオードPには、レンズ系2及び絞り3を通過した光が当たるようになっている。このフォトダイオードPのカソードPkには直流電圧VPDが印加されており、アノー
ドPAにはトランジスタT1のドレインT1D及びゲートT1Gと、トランジスタT2のゲート
2Gとが接続されている。
トランジスタT1のソースT1Sには信号印加ラインLC(図2のLC1〜LCnに相当)が接続されており、この信号印加ラインLCから信号φVPSが入力されるようになっている。ここで、信号φVPSは2値の電圧信号であり、より詳細には、入射光量が所定値を超えたと
きにトランジスタT1をサブスレッショルド領域で動作させるための電圧値VHと、トラ
ンジスタT1を導通状態にする電圧値VLとの2つの値をとるようになっている。
本実施形態の撮像素子4は、入射光量が所定の閾値を超えたときは各画素Gm1〜GmnのトランジスタT1をサブスレッショルド領域で動作させることによって、入射光を自然
対数で対数変換した電圧として読み出すことができるようになっている。これにより、撮像素子4の出力信号は、図4に示すように、入射光量に応じて線形領域及び対数領域が連続的に変化するようになっている。
また、図3に示すように、トランジスタT2のドレインT2Dには直流電圧VPDが印加さ
れており、トランジスタT2のソースT2Sは行選択用のトランジスタT3のドレインT3Dに接続されている。
更に、トランジスタT3のゲートT3Gには信号印加ラインLA(図2のLA1〜LAnに相当)が接続されており、信号印加ラインLAから信号φVが入力されるようになっている。また、トランジスタT3のソースT3Sは信号読出ラインLD(図2のLD1〜LDmに相当)に接続されている。
なお、以上のような画素G11〜Gmnとしては、特開2002−77733号公報に開示のものを用いることができる。
ここで、本実施形態の撮像素子4の電気信号の入出力特性は、撮像素子4又はその近傍の温度変化に起因して変化する。具体的には、図5に示すように、撮像素子4又はその近傍の温度がt〜tの順で小さくなるほど、曲線(1)〜(3)の順で線形変換動作と対数変換動作とが切り換えられる境界、いわゆる変曲点における出力信号値(変曲出力信号値H)は大きくなり、対数領域の傾きは小さくなる。
これは、撮像素子4又はその近傍の温度が低くなるほどトランジスタTのゲートT1GとソースT1Sとのポテンシャルの差が大きくなり、トランジスタTがカットオフ状態で動作する被写体輝度の割合、すなわち線形変換する被写体輝度の割合が大きくなるためである。
したがって、撮像素子4又はその近傍の温度を変化させることにより、画像信号のダイナミックレンジや変曲点での所定入射光量、変曲出力信号値H(図4参照)を制御することができる。具体的には、例えば、被写体の輝度範囲が狭い場合は前記温度を低くして線形変換する輝度範囲を広くし、被写体の輝度範囲が広い場合には前記温度を高くして対数変換する輝度範囲を広くして、画素G11〜Gmnの光電変換特性を被写体の特性に合わせることができる。また、常に画素G11〜Gmnが線形変換動作を行う状態又は常に画素G11〜Gmnが対数変換動作を行う状態とすることも可能である。
なお、露光時間が短くなる場合や、信号φVPSの電圧値VL,VHの差が大きくなる場
合にも、線形変換する被写体輝度の割合は大きくなるため、制御電圧や露光時間を変化させることによって画素G11〜Gmnの光電変換特性を変更することも可能である。
図5において、撮像素子4又はその近傍の温度t〜tにおける撮像素子4の対数出力信号y〜yは、それぞれ下記式(1)〜(3)によって表される。
Figure 0004784397
Figure 0004784397
Figure 0004784397
上記式(1)〜(3)において、c〜cは対数出力信号の傾き、d〜dは対数出力信号の切片であり、それぞれ温度t〜tに対応する定数である。なお、上記式(1)〜(3)の傾きc〜c又は切片d〜dの値は、画素G11〜Gmnの特性により、画素G11〜Gmnごとに異なる場合がある。
以下、線形変換動作の行われる割合が最も小さく、対数変換動作の行われる割合が最も大きいときの温度tを基準温度とする。
次に、図1に示すように、撮像素子4にはアンプ9及びADコンバータ(ADC)10を介して黒基準設定部11が接続されている。
黒基準設定部11は、デジタル信号の最低レベルを設定するものである。
また、図1に示すように、撮像装置1は温度検出器12を備えている。温度検出器12は、温度の変化に応じて抵抗値が変化する特性を有するサーミスタなどの温度センサを備えており、撮像素子4の各画素G11〜Gmn又はその近傍の温度を検出するようになっている。
次に、黒基準設定部11には信号処理部13が接続されている。信号処理部13は、対数変換動作によって撮像素子4から出力される電気信号に対して信号処理を行うものである。図6に示すように、信号処理部13は、温度検出器12に接続される平均値算出部14と、撮像素子4から出力される電気信号が入力される変動補正部15と、を備えている。
平均値算出部14は、温度補正をするべき範囲内で温度検出器12により検出した一定範囲における過去の複数の温度データの平均値を一定期間経過毎に算出し、その算出結果を変動補正部15に出力するものである。ここで、一定範囲とは、温度補正を行うべき領域の範囲のことであり、一定範囲における過去の複数の温度データとは温度補正を行うべき領域内にある画素又はその近傍の温度データであって少なくとも2つ以上の温度データのことである。
変動補正部15は、撮像素子4の前記駆動条件、本実施形態においては撮像素子4又はその近傍の温度変化に起因して撮像素子4の入出力特性が変動する場合に、平均値算出部14で算出した平均値に基づいて補正係数を導出し、撮像素子4から出力される電気信号の変動補正を行うものである。変動補正部15は、それぞれ撮像素子4が備える複数の画素に対応づけて設けられており、複数の画素ごとに異なる信号処理を行うことも可能となっている。
変動補正部15は、図6に示すように、係数導出部16と演算処理部17とを備えている。
係数導出部16は、撮像素子4の入出力特性の変動を補正するための補正係数を、平均値算出部14で算出した平均値に基づいて導出するものである。係数導出部16には、平均値算出部14で算出された温度の平均値に基づき、補正係数として、基準温度及び検出された温度における、上記式(1)〜(3)の対数出力信号の傾きc〜c及び対数出力信号の切片d〜dを演算により導出する演算処理部16aが備えられている。
これらの補正係数は前記平均値に応じて変化するものであり、例えば、撮像時において算出された温度の平均値が温度t(図5参照)であった場合は、係数導出部16は、基準温度tにおける対数出力信号の係数c及びdのほか、温度tにおける対数出力信号の係数c及びdを演算により導出するようになっている。
ここで、補正係数としての対数出力信号の傾きc〜c及び対数出力信号の切片d〜dは、温度t〜tとの関係式で表すことができる。したがって、演算処理部16aは、この関係式により温度t〜tに対応する対数出力信号の傾きc〜c及び対数出力信号の切片d〜dを演算することが可能となっている。
例えば、撮像時の温度tと対数出力信号の傾きcとは、下記式(4)で表され、対数出力信号の傾きcは、温度tが小さくなるほど小さくなっている。
Figure 0004784397
また、撮像時の温度tと対数出力信号の切片dとは、下記式(5)で表され、対数出力信号の切片dは、温度tが小さくなるほど大きくなっている。
Figure 0004784397
また、係数導出部16は、変動補正部15に入力される平均温度と前回に入力された平均温度とを比較し、これらが一致する場合は、係数導出の処理を行わず、前回入力時に導出された補正係数を出力するようになっている。このように、平均温度が一致する場合は前回入力時に導出された補正係数を用いることにより、補正係数の導出する回数を減らすことができる。
次に、演算処理部17は、係数導出部16で導出された補正係数に基づいて、画素G11〜Gmnごとに電気信号の入出力特性の変動補正を行うものである。本実施形態では、変曲出力信号値Hより大きい電気信号、すなわち対数変換動作によって各画素G11〜Gmnから出力される電気信号に、所定の変動方程式を用いた演算を行うようになっている。これにより、変動補正された対数変換動作由来の電気信号は、正確に線形変換動作由来の電気信号に特性変換することが可能な状態となる。
例えば、撮像時の温度の平均値が温度tであった場合は、係数導出部16で導出された対数出力信号の傾きc,c及び対数出力信号の係数d,dを用いて、対数出力信号yに下記の変動方程式(6)を用いた演算を行うことにより、変動補正後の対数出力信号y´を求めるようになっている。
Figure 0004784397
また、信号処理部13は、撮像素子4の出力信号を線形変換動作由来の状態に統一する線形化部18を備えている。線形化部18は、図6に示すように、セレクタ18a、基準変換テーブル18b及び出力部18cを備えている。なお、図6では、ADコンバータ10や制御装置29(図1参照)などの図示を省略している。
セレクタ18aは、撮像素子4が出力した電気信号と変曲出力信号値Hとの大小を判別して、撮像素子4が出力した電気信号が変曲出力信号値Hより大きい場合、つまり対数変換動作由来の電気信号が撮像素子4から出力される場合には、撮像素子4からの出力信号を基準変換テーブル18bに出力し、変曲出力信号値H以下の場合には出力部18cに出力するようになっている。
基準変換テーブル18bは、図4に矢印Zで示すように、撮像素子4から出力される電気信号のうち、対数変換動作由来の電気信号を、入射光から線形変換された状態、つまり線形変換動作由来の状態に特性変換するものである。図4では、12ビットの電気信号の対数出力信号を線形変換して、全体として24ビットの電気信号を得る例を示している。
この基準変換テーブル18bの変換特性は、撮像素子4の駆動条件が所定の基準条件である場合、本実施形態においては撮像素子4の温度が基準温度t1である場合に、撮像素子4から対数変換動作で出力される電気信号が正確に線形変換動作由来の状態となるように設定されている。
出力部18cは、セレクタ18a又は基準変換テーブル18bから入力される電気信号を出力するものである。
このように信号処理部13では、変動補正部15で撮像素子4から出力された電気信号の変動補正を行った上で、線形化部18で対数変換動作由来の電気信号を線形変換動作由来の状態に特性変換することにより、撮像素子4の入出力特性に対する温度変化の影響を低減し、電気信号を正確に線形変換動作又は対数変換動作由来の状態に統一することが可能となっている。
また、画素G11〜Gmnからの出力信号が対数変換動作由来の電気信号である場合にのみ変動補正を行うので、出力信号が線形変換動作由来の電気信号である場合、つまり、対数変換動作に由来の電気信号を他方の変換動作に由来の状態に変換する必要のない場合には無駄に変動補正が行われないこととなり、その結果、信号処理が高速化される。
以上の信号処理部13には、図1に示すように、変曲信号導出部21、画像処理部22、評価値算出部28及び制御装置29が接続されている。
変曲信号導出部21は、温度に応じた変曲出力信号値Hを導出して、変動補正部15の演算処理部17及び線形化部18のセレクタ18aに送信するようになっている。本実施形態においては、図6に示すように、温度検出器12の検出結果に基づいて変曲出力信号値Hを演算する演算器21aが備えられている。なお、変曲信号導出部21は、平均値算出部14により算出された平均温度に基づいて変曲出力信号値Hを演算することとしてもよい。また、温度検出器12の検出結果の入力により変曲出力信号値Hを導出するルックアップテーブルを備えることとしてもよい。
画像処理部22は、画素G11〜Gmnからの電気信号全体によって構成される画像データに対して画像処理を行うものであり、AWB処理部23、色補間部24、色補正部25、階調変換部26及び色空間変換部27を備えている。これらAWB処理部23、色補間部24、色補正部25、階調変換部26及び色空間変換部27は、信号処理部13に対してこの順に接続されている。
AWB処理部23は画像データに対してホワイトバランス処理を行うものであり、色補間部24は同色の前記フィルタが設けられた複数の近接画素からの電気信号に基づいて、これら近接画素間に位置する画素についてこの色の電気信号を補間演算するものである。色補正部25は画像データの色合いを補正するものであり、より詳細には、各色の電気信号を他の色の電気信号に基づき画素G11〜Gmnごとに補正するものである。階調変換部26は画像データの階調変換を行うものであり、色空間変換部27はRGB信号をYCbCr信号に変換するものである。
評価値算出部28は、AWB処理部23でのホワイトバランス処理(AWB処理)に用いられるAWB評価値や、露光制御処理部30での露出制御処理(AE処理)に用いられるAE評価値を算出するものである。
制御装置29は、撮像装置1の各部を制御するものであって、図1に示すように、上述のアンプ9、黒基準設定部11、信号処理部13、AWB処理部23、色補間部24、色補正部25、階調変換部26及び色空間変換部27と接続されている。
また、制御装置29は、露光制御処理部30を介して絞り3と接続され、信号生成部31を介して撮像素子4及びADコンバータ10と接続されている。
露光制御処理部30は、レンズ系2より集光される光の量を調整する絞り3を駆動制御するようになっている。
信号生成部31は、撮像素子4の撮影動作を制御するようになっている。すなわち、制御装置29からの撮影制御信号に基づいて所定のタイミングパルス(画素駆動信号、水平同期信号、垂直同期信号、水平走査回路駆動信号、垂直走査回路駆動信号など)を生成して撮像素子4に出力するようになっている。また、信号生成部31はAD変換用のタイミング信号も生成するようになっている。
続いて、撮像装置1の撮像動作について説明する。
まず、撮像素子4が各画素G11〜Gmnへの入射光を光電変換し、線形変換動作又は対数変換動作由来の電気信号をアナログ信号として出力する。具体的には、上述のように各画素G11〜Gmnが信号読出ラインLDに電気信号を出力すると、この電気信号を定電流源Dが増幅し、選択回路Sが順にサンプルホールドする。そして、サンプルホールドされた電気信号が選択回路Sから補正回路8に送出されると、補正回路8がノイズを除去して電気信号を出力する。
次に、撮像素子4から出力されたアナログ信号をアンプ9が増幅し、ADコンバータ10がデジタル信号に変換する。次に、黒基準設定部11がデジタル信号の最低レベルを設定した後、そのデジタル信号を信号処理部13の変動補正部15及び線形化部18に送信する。
一方、温度検出器12は、撮像素子4の各画素G11〜Gmnの温度を検出し、変曲信号導出部21に送信するとともに、信号処理部13の平均値算出部14に送信する。
続いて、変曲信号導出部21が前記温度を受信すると、その温度に基づく演算により変曲出力信号値Hを導出して変動補正部15の演算処理部17及び線形化部18のセレクタ18aに送信する。なお、変曲出力信号値Hはルックアップテーブルによって導出してもよい。このようにルックアップテーブルを用いる場合は、変曲出力信号値Hを正確に導出できると共に、導出処理が高速化される。
次に、信号処理部13の平均値算出部14が、温度補正すべき範囲内で温度検出器12により算出された複数の温度データの平均値を算出する。図7及び図8に示すように、平均値算出部14は、1画素につき1回のタイミングで温度Tをサンプリングし加算していく(ステップS1)。そして、水平ライン1つ分の画素G1x〜Gmx全てについて加算し(ステップS2;Yes)、1ライン分の総和ΣTを1ライン分の画素数mで除算して、平均値を算出する(ステップS3)。算出した平均温度は、変動補正部15の係数導出部16に出力される。
次に、信号処理部13の変動補正部15が平均温度を受信すると、係数導出部16は撮像素子4の入出力特性の変動を補正するための補正係数を導出する。すなわち、係数導出部16の演算処理部16aは、平均値算出部14で算出された平均温度に基づき、補正係数として、上記式(1)〜(3)の対数出力信号の傾きc〜c及び対数出力信号の切片d〜dを演算により導出する。
例えば、撮像時の平均温度が温度t(図5参照)であった場合は、演算処理部16aは、基準温度tにおける対数出力信号の係数c及びdのほか、温度tにおける対数出力信号の係数c及びdを演算により導出する。これらの補正係数は、上記式(4)又は(5)などを用いた演算により導出することが可能である。
続いて、演算処理部17は、係数導出部16で導出された補正係数に基づいて、画素G11〜Gmnごとに電気信号の入出力特性の変動補正を行う。本実施形態では、変曲出力信号値Hより大きい電気信号、すなわち対数変換動作によって各画素G11〜Gmnから出力される電気信号に、所定の変動方程式を用いた演算を行う。これにより、変動補正された対数変換動作由来の電気信号は、正確に線形変換動作由来の電気信号に特性変換することが可能な状態となる。
例えば、撮像時の平均温度が温度t(図5参照)であった場合は、上記式(6)を用いた演算を行うことにより、変動補正後の対数出力信号y´を求めることができる。
次に、信号処理部13の線形化部18は、撮像素子4からの出力信号を線形変換動作由来の状態に統一する。すなわち、まずセレクタ18aが撮像素子4により出力した電気信号と変曲出力信号値Hとの大小を判別して、撮像素子4が出力した電気信号が変曲出力信号値Hより大きい場合、つまり対数変換動作由来の電気信号が撮像素子4から出力される場合には、撮像素子4からの出力信号を基準変換テーブル18bに出力し、変曲出力信号値H以下の場合には出力部18cに出力する。
続いて、基準変換テーブル18bは、図4に矢印Zで示すように、撮像素子4から出力される電気信号のうち、対数変換動作由来の電気信号を、入射光から線形変換された状態、つまり線形変換動作由来の状態に特性変換する。
そして、出力部18cは、セレクタ18a又は基準変換テーブル18bから入力される電気信号を出力する。
このように、信号処理部13の変動補正部15が撮像素子4から出力された電気信号の変動補正を行った上で、線形化部18が対数変換動作由来の電気信号を線形変換動作由来の状態に特性変換することにより、撮像素子4の入出力特性に対する温度変化の影響を低減し、電気信号を正確に線形変換動作又は対数変換動作由来の状態に統一することができる。
また、画素G11〜Gmnからの出力信号が対数変換動作由来の電気信号である場合にのみ変動補正を行うので、出力信号が線形変換動作由来の電気信号である場合、つまり、対数変換動作に由来の電気信号を他方の変換動作に由来の状態に変換する必要のない場合には無駄に変動補正が行われないこととなり、その結果、信号処理が高速化される。
次に、信号処理部13の線形化部18から出力される電気信号に基づいて評価値算出部28が前記AWB評価値,AE評価値を算出する。
次に、算出されたAE評価値に基づいて制御装置29が露光制御処理部30を制御し、撮像素子4に対する露光量を調節させる。
また、AWB評価値や、黒基準設定部11で設定された最低レベルなどに基づいて制御装置29がAWB処理部23を制御し、信号処理部13から出力される画像データに対してホワイトバランス処理を行わせる。
そして、AWB処理部23から出力される画像データに基づいて色補間部24、色補正部25、階調変換部26及び色空間変換部27がそれぞれ画像処理を行った後、画像データを出力する。
以上のように本実施形態の撮像装置1によれば、撮像時の撮像素子4又はその近傍の温度変化に起因して撮像素子4の入出力特性が変動する場合、温度補正すべき範囲内で温度検出器12が検出した複数の過去の温度データをもとに出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器12で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、撮像時の撮像素子4又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器12に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
また、水平ライン単位で出力信号の変動補正を行うので、温度補正すべき範囲の大きさに関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
また、係数導出部16は、平均温度が変化しない場合は同じ補正係数を用いるので、補正係数の導出回数の低減が可能であり、処理を簡略化することができる。処理を簡略化することにより、メモリへのアクセス数の減少等が可能であり、消費電力が減少する。
さらに、撮像素子4は、線形変換モードと対数変換モードを備え、入射光量に基づいて切り替えて変動補正を行うため、より正確な変動補正を行うことができる。
なお、本実施形態においては、1画素に1回温度をサンプリングし、1ラインごとに平均値算出を行ったが、1ラインに1回温度をサンプリングし、1フレーム毎に平均値算出を行うこととしても良い。このように、フレーム単位で出力信号の変動補正を行うこととした場合、フレーム内でノイズの少ない画像信号を得ることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。本実施形態における撮像装置は、信号処理部32が第1の実施形態と異なっており、その他の構成は同様である。
図9に示すように、本実施形態における信号処理部32には、第1の実施形態と同様の平均値算出部14が備えられている。平均値算出部14には、平均値算出部14で算出された平均温度を一定期間保持する温度記憶部33が接続されている。温度記憶部33には、温度記憶部33から入力された記憶温度がノイズ成分を含むか否かを判別するノイズ判別部34が接続されている。温度記憶部33及びノイズ判別部34には、ノイズ判別部34においてノイズ成分を含むと判別された際にノイズ成分のない正しい温度を予測する温度予測部35が接続されている。温度予測部35には、第1の実施形態と同様の変動補正部15及び線形化部18が接続されている。
次に、本実施形態における撮像装置の撮像動作について説明する。
本実施形態における撮像装置の撮像動作は、補正係数を導出する際に用いる撮像素子4の温度として、ノイズ成分のない正しい温度を予測して用いる点が第1の実施形態と異なっている。以下、補正係数を導出する際に用いるノイズ成分のない正しい温度の予測について説明する。
まず、図10に示すように、平均値算出部14が温度検出器12の検出温度に基づいて各ラインの平均温度Txを算出する(ステップS10)。詳しくは、図11に示すように、温度検出器12が検出した撮像素子4の各画素G11〜Gmnの温度に基づいて、平均値算出部14は、1画素につき1回温度Tをサンプリングして加算していく(ステップS11)。水平ライン1つ分の画素について加算が終了すると(ステップS12;Yes)、1ライン分の総和ΣTを1ラインの画素数mで除算し、平均温度Txを温度記憶部33に格納する(ステップS13)。このようにして、平均温度Txの算出を1画面分繰り返し(ステップS14;Yes)、全て温度記憶部33に格納する。
次に、ノイズ判別部34が、求めた各ラインの平均温度Txがノイズ成分を含む可能性があるか否かを判別する(ステップS20)。詳しくは、図12に示すように、前ラインの平均温度T(x−1)と現ラインの平均温度Txとを比較し、基準値β以上の差があるものはノイズ成分を含む可能性ありとし(ステップS21;No)、ノイズ判別信号NxをONにするとともに(ステップS22)、温度が増加しているか減少しているかを表す変動方向Cxを設定する(ステップS23)。温度記憶部33は、このようにして全てのラインの平均温度Txに対してノイズ判別信号NxをON又はOFFに設定する(ステップS24;Yes)。
次に、図10に示すように、ノイズ判別信号NxがONとなったライン(第1候補ライン)から次にノイズ判別信号NxがONとなったライン(第2候補ライン)までの間に存在するライン数が、基準ライン数α以上か否かを判断する(ステップS30)。第1候補ラインと第2候補ラインの間隔が大きく、基準ライン数α以上の場合(ステップS30;Yes)、第1候補ライン及び第2候補ラインはノイズ成分を含まないと判断し、ONとなっていたノイズ判別信号NxをOFFに再設定する(ステップS40)。
一方、第1候補ラインと第2候補ラインの間隔が基準ラインαより少ない場合(ステップS30;No)、第1候補ラインの変動方向Cx1と第2候補ラインの変動方向Cx2とが一致するか否かを判断する(ステップS50)。一致しない場合(ステップS50;Yes)、第1候補ラインと第2候補ラインの間に存在するラインはノイズ成分を含むと判断し、そのノイズ判別信号NxをONに再設定する(ステップS60)。
続いて、第1候補ラインと第2候補ラインの変動方向が一致しない場合(ステップS50;No)、さらに次にノイズ判別信号がONとなったライン(第3候補ライン)までの間に存在するライン数が基準ライン数α以上か否かを判断する(ステップS70)。第2候補ラインと第3候補ラインの間隔が大きく、基準ライン数α以上の場合(ステップS70;Yes)、第1候補ラインから第3候補ラインの間に存在するラインは全てノイズ成分を含まないと判断し、そのノイズ判別信号NxをOFFに再設定する(ステップS80)。
続いて、第2候補ラインと第3候補ラインとの間隔が基準ライン数αより少ない場合(ステップS70;No)、第2候補ラインの変動方向Cx2と第3候補ラインの変動方向Cx3とが一致するか否かを判断する(ステップS90)。一致しない場合(ステップS90;Yes)、第1候補ラインから第3候補ラインの間に存在するラインはノイズ成分を含むものと判断し、そのノイズ判別信号NxをONに再設定する(ステップS100)。第2候補ラインと第3候補ラインの変動方向が一致する場合(ステップS90;No)、第1候補ラインから第3候補ラインの間に存在するラインはノイズ成分を含まないものを判断し、そのノイズ判別信号NxをOFFに再設定する(ステップS110)。
このようにして、ノイズ成分を含む可能性のある候補ラインの間隔と変動方向Cxに基づいて、一画面分の候補ラインについてノイズ判別を行う(ステップS120)。各ラインのノイズ成分の判別が終了すると、ノイズ判別部34はノイズ判別信号Nxを温度予測部35に出力する。同時に、温度記憶部33は保持している各ラインの記憶温度を温度予測部35に出力する。
温度予測部35は、各ラインのノイズ判別信号NxがOFFでないと判断すると(ステップS130;No)、そのラインのノイズ成分を除去した温度を予測する。詳しくは、図13に示すように、直前のノイズ判別信号NxがOFFとなった数ラインの記憶温度から1ライン分の変化量を求める(ステップS131)。そして、1ライン分の変化量を記憶温度に加算又は減算して予測温度を再設定する(ステップS132)。なお、上記1ライン分の変化量を求めずに、直前にノイズ判別信号NxがOFFのラインの記憶温度を、そのラインの予測温度として再設定することとしても良い。このように、ノイズ判別信号NxがONとなったライン全てについて予測温度を再設定して(ステップS133;Yes)終了する。
次に、温度予測部35から予測温度が変動補正部15の係数導出部16に出力され、係数導出部16は予測温度に基づいて補正係数を導出する。導出した補正係数は演算処理部17に出力され、画素G11〜Gmnごとに電気信号の入出力特性の変動補正が行われる。補正後の電気信号は、第1の実施形態と同様に、線形化部18に出力されて、撮像素子4の出力信号が線形変換動作由来の状態に統一される。そして、画像処理部22に出力されて画像データに対する画像処理が行われる。
以上より、本実施形態の撮像装置によれば、ノイズ判別部34によりノイズ成分の有無が検出され、温度予測部35がノイズ成分のない正しい温度を予測し、出力信号の変動補正を行うので、出力信号から温度に影響される成分を除去することができるとともに、温度検出器12で検出した温度のノイズ成分を除去することができる。従って、ノイズ成分を除去した正確な温度データを予測し、撮像時の撮像素子4又はその近傍の温度変化、および、使用する温度検出器12に関わらず、ノイズの少ない画像信号を得ることができる。
第1の実施形態に係る撮像装置の概略構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る撮像素子の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る画素の構成を示す回路図である。 第1の実施形態に係る撮像素子の出力信号を示すグラフである。 第1の実施形態に係る撮像素子又はその近傍の各温度における出力信号を示すグラフである。 第1の実施形態に係る信号処理部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る1水平ラインの平均温度の算出を示す説明図である。 第1の実施形態に係る1水平ラインの平均温度の算出を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る信号処理部の構成を示すブロック図である。 第2の実施形態に係るノイズ判別を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る1水平ラインの平均温度の算出を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係るノイズ判別信号及び変動方向の設定を示すフローチャートである。 第2の実施形態に係る温度予測を示すフローチャートである。
符号の説明
1 撮像装置
4 撮像素子
12 温度検出器
13,32 信号処理部
14 平均値算出部
15 変動補正部
16 係数導出部
16a 演算処理部
17 演算処理部
18a セレクタ
18c 出力部
18b 基準変換テーブル
18 線形化部
21 変曲信号導出部
21a 演算器
22 画像処理部
28 評価値算出部
29 制御装置
31 信号生成部
33 温度記憶部
34 ノイズ判別部
35 温度予測部

Claims (9)

  1. 入射光を電気信号に変換する感光素子を備えた複数の画素を有する撮像素子と、
    前記撮像素子の温度を検出する温度検出器と、
    前記撮像素子から出力される電気信号に対して信号処理を行う信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、
    前記温度検出器により検出した一定範囲における過去の複数の温度データをもとに、温度変化に起因して変動する前記撮像素子の出力電気信号の変動補正を行う変動補正部を備えることを特徴とする撮像装置。
  2. 前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した一定範囲における過去の複数の温度データの平均値を算出する平均値算出部を備えることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した一定範囲における過去の複数の温度データを保持する温度記憶部を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の撮像装置。
  4. 前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した過去の温度データをもとに、それ以降の温度を予測して設定する温度予測部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の撮像装置。
  5. 前記信号処理部は、前記温度検出器によって検出した過去の温度データがノイズか否かを判別するノイズ判別部を備えており、
    前記温度予測部は、前記ノイズ判別部でノイズと決定した温度に対して、過去の温度データをもとに、正しい温度を予測して設定することを特徴とする請求項4に記載の撮像装置。
  6. 前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した複数の過去の温度データをもとに、フレーム単位で、前記変動補正部で使用する温度を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  7. 前記信号処理部は、前記温度検出器で検出した一定範囲における過去の複数の温度データをもとに、水平ライン単位で、前記変動補正部で使用する温度を設定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の撮像装置。
  8. 前記変動補正部は、温度に基づいて補正係数を導出する係数導出部と、前記補正係数に基づいて前記変動補正を行う演算処理部と、を備え、
    前記係数導出部は、入力される現入力温度と前回に入力された入力温度とを比較し、これらが一致するときは、前回入力時に係数導出部で導出した補正係数を用いることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の撮像装置。
  9. 前記撮像素子は、入射光を電気信号に線形変換する線形変換モードと、対数変換する対数変換モードとを、入射光量に基づいて切り替える複数の画素を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の撮像装置。
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