JP4579570B2 - シェーディング処理方法 - Google Patents

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本発明は、撮像装置のシェーディング処理方法に関するものである。
撮像素子は、多数の画素から形成されているが、製造上各画素に開口むら、エッチングむら、フィルタの染色むらなどが生じ、撮像素子の全受光面において均一な受光特性を持たせることは困難である。これにより、輝度シェーディングまたは色シェーディングが問題となることがある。
従来このような輝度シェーディング、色シェーディングの検査方法として、全受光面をx×yにブロック分割して、各エリア間での輝度または色差データの最大値、最小値を求め、(最大値−最小値)データの大小で良品、不良品を判断する手法があった。また、他の輝度シェーディングまたは色シェーディングの検査方法として、テストオペレーターが、基準画像との目視比較をすることによって目視評価を行い、良品、不良品を判断する手法があった。
また、輝度シェーディング、色シェーディングの補正の第一の方法として、撮像装置で撮影された画像の各画素毎に補正データを持ち、輝度シェーディングまたは色シェーディング補正を行う方法があった。さらに第二の方法として、撮像装置で撮影された画像を複数の領域に分割し、注目画素の撮像面の中心からの距離を求め、この距離情報に応じて、輝度シェーディングまたは色シェーディング補正を行う方法があった。(例えば、文献1)
特開2003−348604号公報
全受光面を(x×y)にブロック分割し、各エリア間での輝度または色差データの最大値、最小値を求め、(最大値−最小値)データの大小で良品、不良品を判断する手法は、輝度または色差信号の変化の度合い、例えば輝度または色が急峻に変化する場合などが考慮されていないため、人の視覚特性に合致しないことが多々あった。また、テストオペレーターが目視検査を行う方法では、同一のオペレーターが長時間検査を行った際に、検査結果にばらつきが生じてしまう可能性がある。さらにテストオペレーターが変わった場合には、個々による検査の差が生じてしまう。
また、輝度シェーディングまたは色シェーディング補正の第一の方法では、撮像装置で撮影された画像を各画素毎に補正可能なため、非常に精度の高い補正が可能になる。しかし、各画素毎に補正データを持つ必要があるため大容量の補正用メモリが必要となる。例えば、横方向2048画素、縦方向1536画素の画像データに必要な補正データは、1画素につき各色8bit、すなわちR,G,Bで3×8=24bitの補正データを持つ場合、2048×1536×24=約75.5Mbitの補正データが必要となり、さらにズームや絞りのパラメータが複数ある場合、75.5Mbitの数倍あるいは数十倍という膨大な補正データ用メモリが必要となってしまう。第二の方法では、全画面を分割するため補正データのメモリは削減できる。しかし、各領域を線形補間する場合、被写体の輝度または色に対して、リニアに輝度または色が変化する場合は、補正誤差は発生しないが、急峻に輝度または色が変化する場合は、補正誤差が急峻度合いに応じて発生してしまう。
上記課題を解決するために、均一面を撮像することで得られる画像データにおける複数の領域ごとに複数の色差信号の標準偏差を算出する第1の算出工程と、前記複数の色差信号の標準偏差の2乗和の平方根を算出する第2の算出工程と、前記2乗和の平方根が所定値より大きい領域を細分割する細分割工程と、前記複数の領域に細分割した領域を追加した各領域においてシェーディング補正係数を求め、前記シェーディング補正係数を用いて画像データを補正する補正工程と、を有することを特徴とするシェーディング処理方法を提供する。
本発明により、より人の視覚特性に合致した精度の高いシェーディング検査が可能となる。また、必要最小のメモリ容量で補正誤差の少ないシェーディング補正が可能となる。
(実施例1)
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は本実施例の輝度または色シェーディング処理装置の構成を示すブロック図である。図2は、本実施例の画像データの測定領域を表す図である。図3は、本実施例の輝度または色シェーディング検査のフローチャートである。
まず、図1の各部の機能を説明する。10は検査対象に均一な面の光を発生させる光源、20は輝度または色シェーディングの検査対象である撮像装置である。本実施例では撮像装置は、デジタルスチルカメラ20であり、内部の機能を詳述すると、22は光を電気信号へ換する撮像素子(本実施例ではCCD22)、21は光源10からの光をCCD22へ集光するレンズ、23はCCD22から出力されるアナログ映像信号をデジタル信号へ変換するA/D変換回路、24はデジタルに変換された画像データを記憶する画像メモリ、25は撮像装置を制御する制御手段(本実施例ではCPU25)、26は外部に画像データの送信を行う通信回路、から構成されている。30はデジタルスチルカメラ20の検査を行う輝度または色シェーディング処理装置で、内部の機能を詳述すると、31はデジタルスチルカメラ20の画像データを取り込む通信回路、32は通信回路31で取り込んだ画像データを記憶する画像メモリ、33は画像データの輝度または色シェーディングの変化率を数値化する変化率算出手段(請求項1〜7では変化率を検出する検出手段)、34は数値化された値の合格(良品)・不合格(不良品)を判断する判定手段、35は、変化率算出手段33と判定手段34を制御する制御手段で、本実施例では33、34、35はCPU36上のソフトウェアで各機能を実現している。
次に、本発明の色シェーディング検査実施例の流れを、図3のフローチャートを使って説明する。まず、検査対象であるデジタルスチルカメラ20で、光源10の均一な面の光(予め設定された所定の輝度値の光)を中央部でホワイトバランスを調整し撮影する(S102)。均一な面の光は前述したように、レンズ21、CCD22、A/D変換23を通じてデジタル信号に変換した後、画像メモリに記録され、通信回路26,31を経て最終的に処理装置30の画像メモリ32に画像データとして記録される(S103)。次に、画像データの輝度または色シェーディングの変化率を数値化するのだが、本実施例では色シェーディングの変化率を、図2のように画面をm×n分割、ここでは5×5=25分割して数値化する一例を説明する。
まず、各エリアごとに色差信号の平均値を求める(S104)。色差信号の平均値は、各エリア内の平均的な色つき度合いを表現することができる。例えばx1y1エリアの色差信号の平均値を求める場合は、x1y1エリアの全画素あるいは間引いた画素などで色差信号の平均値を求める。S103で得られた画像がJPEGで色差信号としてCr,Cbを用いる場合、x1y1エリアCrの平均値Cr(ave)とCbの平均値Cb(ave)を算出する。次に各エリアのCrの平均値Cr(ave)とCbの平均値Cb(ave)が、あらかじめ設定してある規格値を満たしているか判定手段34で判定する(S105)。
本実施例では
Cr(ave) < Cr(ave規格)
Cb(ave) < Cb(ave規格)
を、全エリアで満たす場合は、この項目の検査は合格とし、S106に進む。全エリア中一つのエリアでも規格値を満たせない場合は、色つき度合いが高いと判断し、検査は不合格と判定する(S109)。S105で合格した場合は、次に各エリアごとに色差信号の標準偏差を求める(S106)。色差信号の標準偏差は、各エリア内の色の変化率を表現することができる。例えば、図4のようにx1y3,x2y4,x3y5エリアで急激に緑からマゼンタに色が変化しているケースを考えると、x1y3,x2y4,x3y5エリアでは図5のようなCrの分布となる(横軸が色の分布、縦軸が各々の色の画素の個数nを表している)。これに対して、色の変化が小さいエリアでは、図6のような分布となるため、図5と図6を比較すると標準偏差が高くなる分布、すなわち横軸の広がりの大きい分布の場合に色の変化率が大きいことがわかる。例えばx1y2エリアの色差信号の標準偏差を求める場合は、x1y2エリアの全画素あるいは間引いた画素などで色差信号の標準偏差を求める。S103で得られた画像がJPEGで、色差信号としてCr,Cbを用いる場合、x1y1エリアCrの標準偏差Cr(stdev)とCbの標準偏差Cb(stdev)を算出する。次に、各エリアのCrの標準偏差Cr(stdev)とCbの標準偏差Cb(stdev)が、あらかじめ設定してある規格値を満たしているかを、判定手段34で判定する(S107)。
本実施例では
Cr(stdev) < Cr(stdev規格)
Cb(stdev) < Cb(stdev規格)
を、全エリアで満たす場合は最終的に検査は合格とし(S108)、全エリア中で一つのエリアでも規格値を満たせない場合は、色の変化率が大きいと判断し、検査は不合格と判定する(S109)。
なお、本実施例では、通信回路26、31によって画像の送受信を行った後に、検査するように構成した。本実施例では、この検査結果に基づいて合格か、不合格かを判定するが、撮像装置20と、処理装置30が一体型となっており、通常撮影時以外の時に、上記の方法で検査を行い、検査結果に基づいて、画像データの補正を行い出力する構成としてもよい。
また、本実施例では色シェーディング検査実施例の流れを図3のフローチャートを用いて説明したが、輝度シェーディング検査の場合には、前記各領域の輝度値の平均値を算出し、各エリアの平均値と規格値を比較して、基準値以上の場合には検査不合格とし、基準値以下の場合に輝度値の標準偏差を算出して各エリアの標準偏差と規格値を比較して、検査の合否判定を行なう。つまり、輝度信号も、色信号も、同様の手順を踏んで、それぞれの撮像装置または撮像素子に適応したシェーディングの判定を行なうことが可能となる。
(実施例2)
本発明の色シェーディング補正の補正係数算出方法の実施例を、図面に基づいて説明する。図7は本実施例の撮像装置で、ここではデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。図8は本実施例による色シェーディング補正係数算出方法のフローチャート、図10は実施例1で説明した図2の画像データを、色の変化率の高いエリアで細分割した図である。
まず、図7の各部の機能を説明する。10は均一な面の光を発生させる光源である。20は撮像装置で、本実施例ではデジタルスチルカメラである。内部の機能を詳述すると、22は光を電気信号へ換する撮像素子、本実施例ではCCD、21は光源10からの光をCCD22へ集光するレンズ、23はCCD22から出力されるアナログ映像信号をデジタル映像信号へ変換するA/D変換回路、24はデジタルに変換された画像データを記憶する画像メモリ、25は撮像装置を制御する制御手段、33は画像データの輝度または色シェーディングの変化率を数値化する変化率算出手段で、本実施例では25、33はCPU37上のファームウェアで各機能を実現している。
次に、本発明の実施例の流れを図8のフローチャートを使って説明する。まず、デジタルスチルカメラ20で光源10の均一な面の光を、中央部でホワイトバランスを調整して撮影する(S202)。均一な面の光は前述したように、レンズ21、CCD22、A/D変換23を通じてデジタル信号に変換され、最終的に画像メモリ21に記録される(S203)。次に、実施例1で説明した25分割画像(図2)に対して、各エリア毎に色差信号の標準偏差を求める。色差信号の標準偏差は、実施例1で前述したように、各エリア内の色の変化率を表現することができる。例えばx1y2エリアの色差信号の標準偏差を求める場合は、x1y2エリアの全画素あるいは間引いた画素などで、色差信号の標準偏差を求める。S203で得られた画像がJPEGで、色差信号としてCr,Cbを用いる場合、x1y1エリアCrの標準偏差Cr(stdev)とCbの標準偏差Cb(stdev)を算出する(S204)。次に、本実施例では、各エリアのCrの標準偏差Cr(stdev)とCbの標準偏差Cb(stdev)をそれぞれを2乗した和の平方根を計算する(S205)。
C=√(Cr^2+Cb^2)
以上の演算を、全てのエリアで行い、最も色の変化率の高いエリアのCmaxを抽出する(S206)。最後に、Cmaxに応じたシェーディング補正係数を決定する。本実施例では、完全補正すなわち100%補正時のC100%をあらかじめ設定しておき、
Cmax/C100% ただし、Cmax/C100%<=1
をシェーディング補正係数として設定する(S207)。
なお、本実施例では色シェーディング補正について説明したが、実施例1と同様、この手順は、輝度シェーディング補正にも適用できる。
本実施例で求めたシェーディング補正係数を用いて、シェーディング補正を行なえば、領域を分割して領域ごとに補正していること、また、各エリア内の輝度または色の変化率を数値化して補正係数を求めていることから、輝度および色が急峻に変化する場合等に、より人の視覚特性に合致した精度の高いシェーディング補正が可能となる。また、必要最小限のメモリ容量で、補正誤差の小さいシェーディング補正が可能となる。
本実施例のデジタルスチルカメラにおける、色シェーディング補正の流れを、図9のフローチャートを使って説明する。まず、デジタルスチルカメラ20で光源10の均一な面の光を中央部でホワイトバランスを調整し撮影する(S302)。均一な面の光は前述したように、レンズ21、CCD22、A/D変換23を通じてデジタル信号に変換され、最終的に画像メモリ24に記録される(S303)。次に、25分割した各エリアごとに色差信号の標準偏差を求める。色差信号の標準偏差は、実施例1で前述したように各エリア内の色の変化率を表現することができる。例えば、x1y2エリアの色差信号の標準偏差を求める場合は、x1y2エリアの全画素あるいは間引いた画素などで色差信号の標準偏差を求める。S303で得られた画像がJPEGで色差信号としてCr,Cbを用いる場合、x1y1エリアCrの標準偏差Cr(stdev)とCbの標準偏差Cb(stdev)を算出する(S304)。次に、本実施例では各エリアのCrの標準偏差Cr(stdev)とCbの標準偏差Cb(stdev)をそれぞれを2乗した和の平方根を計算する(S305)。
xnyn=√(Cr^2+Cb^2)
次にS305で算出したCxnynが、あらかじめ設定した基準値を超えていないか判定する(S306)。基準値を超えていない場合は、画像の色の変化率が基準値よりも小さいと判断し、所定の25分割のシェーディング補正係数データを基に補正を行う。基準値を超えている場合は、色の変化率が基準値よりも大きいと判断し、そのエリアを図10のように画像データの測定領域を細分割する(S307)。ここではx1y3,x2y4,x3y5の各エリアで色の変化率が大きく基準値を超えたと判断し、本実施例では4分割している。細分割したエリアを追加した34分割の画像データを演算し、この34分割のシェーディング補正係数データと線形補間による補正データを用いて補正を行う。上記のように、変化率が基準値を超えたと判断された場合には、更に画像領域を分割して補正を行うことにより、急峻な色の変化で発生するシェーディング補正誤差を最小とすることが可能となり、なおかつ、必要な箇所のみ細分化可能なため、補正データも削減可能となる(S308)。
なお、実施例2では各々の領域ごとに変化率を求め、必要であれば領域を分割してシェーディング補正を行ったが、必要であれば領域を分割して、各々の領域ごとの変化率をもとにあらかじめ補正値を記憶手段に記憶しておいて、前記あらかじめ記憶された補正値を基に、シェーディング補正を行うように構成しても良い。
本発明の実施例の輝度または色シェーディング処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例による画像データの測定領域を表す図である。 本発明の実施例による輝度または色シェーディング検査のフローチャートである。 本発明の実施例による画像データをエリアごとに表した図である。 本発明の実施例の図4のx1y3,x2y4,x3y5エリアにおけるCrの分布を表す図である。 本発明の実施例による画像データにおいて、色の変化が小さいエリアのCrの分布を表す図である。 本発明の実施例による撮像装置、ここではデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。 本発明の実施例による色シェーディング補正係数算出方法のフローチャートである。 実施例2に記載のデジタルスチルカメラにおける実施例3の色シェーディング補正方法の実施例の流れを表すフローチャートである。 図2の画像データを色の変化率の高いエリアで細分割した図である。
符号の説明
10 光源
20 デジタルスチルカメラ
21 レンズ
22 CCD
23 A/D変換回路
24 画像メモリ
25 制御手段
26 通信回路
30 色むら、色シェーディング処理装置
31 通信回路
32 画像メモリ
33 変化率算出手段
34 判定手段
35 制御手段

Claims (1)

  1. 均一面を撮像することで得られる画像データにおける複数の領域ごとに複数の色差信号の標準偏差を算出する第1の算出工程と、
    前記複数の色差信号の標準偏差の2乗和の平方根を算出する第2の算出工程と、
    前記2乗和の平方根が所定値より大きい領域を細分割する細分割工程と、
    前記複数の領域に細分割した領域を追加した各領域においてシェーディング補正係数を求め、前記シェーディング補正係数を用いて画像データを補正する補正工程と、
    を有することを特徴とするシェーディング処理方法。
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