JP2005506156A - 呼吸マスク装置ならびに呼吸マスク装置用の装着具および前頭部支持具 - Google Patents

Abstract

【課題】呼吸ガスを患者に供給するための呼吸マスク装置を提供する。
【解決手段】呼吸マスク装置は、弓状体と、マスク使用者の顔面に押し当てられるシールリップ手段と、弓状体に備えられ、呼吸ガスをマスクの使用者の鼻孔および／または口と連通するマスクの内部空間に供給する、呼吸ガス導管手段とを含む。前記呼吸マスク装置はシールリップ手段を弓状体に接合して装着させる装着構造を備え、この装着構造はドッキングポートの形態の呼吸ガス導管部材が着脱自在に連結されるキャリア部を有する。前頭部支持具は、呼吸マスクの装着位置でマスクの使用者の前頭部領域に押し当てられるように設けられる接触要素と、接触要素を傾斜可能に移動できるように保持する保持具とを含む。これらにより、比較的大きい面積の接触要素を用いる場合でも、最も多様な顔の作りへの良好な適合性がもたらされる。

Description

【技術分野】
【０００１】
［発明の分野］
本発明は、たとえば睡眠呼吸障害の治療のためのＣＰＡＰ療法に関連して用いることができるような呼吸マスク装置に関する。本発明はさらに呼吸マスク装置のための前頭部支持具に関する。
［発明の背景］
ＣＰＡＰ療法と呼ばれるものでは、患者には、呼吸マスク装置によって、呼吸可能なガス、特に周囲空気が、周囲圧力レベルより高い圧力レベルで供給され得る。圧力下にある呼吸ガスは、上気道を空気圧で支持することを可能にするため、いかなる閉塞も回避することが可能になる。陽圧呼吸、すなわちＣＰＡＰ療法を実施する過程において、呼吸ガスを供給するのに必要な呼吸マスク装置は通常、患者の睡眠時または安静時の間中、患者により着用される。呼吸マスク装置は通常、マスクを用いる人物の鼻の周りの領域のシールリップゾーンと、マスク使用者の前頭部領域の前頭部支持具とにより支持される。呼吸マスク装置を装着するのに必要な保持力は、たとえば、マスク使用者の後頭部の周りに巻きつけられるヘッドバンドを有する固定具によりもたらされ得る。状況によっては、シールリップ具が装着される領域および前頭部支持具の接触領域に、表面圧が生じる場合があり、これにより、呼吸マスク装置の着用に関する快適性のレベルに深刻な悪影響が及ぼされる。マスクを着用する人物の個々の顔の作りに応じて、所望の密着性を得るためにかなりのマスク押圧力が部分的に必要である。この状況では、呼吸マスクが患者の顔に押し当てられているゾーンの領域において、前頭部領域に受け入れ難いほどの明確にわかる圧覚点も生じ得る。
［発明の目的］
本発明の目的は、呼吸マスク装置を正確な装着位置に固定することができ、かつ高レベルの着用快適性を得ることができる構造を提供することである。
【０００２】
本発明によると、その目的は、弓状体と、マスク使用者の顔面に押し当てられるシールリップ手段と、呼吸ガスを、弓状体に備えられ、マスクの使用者の鼻孔および／または口と連通するマスクの内部空間に供給する呼吸ガス導管手段と、シールリップ手段を弓状体に接合して装着させるための装着構造とを備え、該装着構造は、呼吸ガス導管部材が取り付けられるキャリア部を有する、呼吸マスク装置により達成される。
【０００３】
このように頑強な構造からなり、都合のよい方法で洗浄することができ、かつ高レベルの密着性を特徴とする呼吸マスク装置を提供することが可能であることが有利である。
【０００４】
本発明の特に好ましい実施形態によると、呼吸ガス導管部材は管接続部の形態である。このような管接続部は、洗浄器耐久性のあるプラスチック材料からできることにより、呼吸ガス導管部材が比較的高温で、滅菌プロセスで洗浄され得るようにすることが好ましい。管接続部は、内径が１２ｍｍ〜３４ｍｍの範囲であるような構成であることが好ましい。管接続部は、ほぼ円形または好ましくは多角形の断面を有し得る。管接続部は、０°〜４５°の範囲の角度で呼吸ガスの流れの方向をわずかに変える、導管ベンドの形態であってよい。
【０００５】
特に管接続部の形態である導管部材は、キャリア部に着脱自在に取り付け可能であることが好ましい。呼吸ガス導管部材をキャリア部に連結するためにラッチ具が設けられることが好ましい。本発明の特定の態様によると、ラッチ具はバヨネットまたは回転ラッチ具の形態であることが有利である。
【０００６】
呼吸マスク装置の装着構造は、シールリップ手段および／または弓状体に着脱自在に連結され得るフレーム部を含むことが有利である。好ましくは、フレーム部はリングまたはループ構成で弓状体を取り囲むように設計される。キャリア部はプラスチック材料からできることが有利であり、保持部材を備え、この保持部材により、たとえばヘッドバンドの下方ウェブバンド機構に連結されることができる。有利には、これらの保持部材は保持ループまたはクリップの形態であり、上述の下方ウェブバンド機構の端部がこれに通され得る。保持ループはキャリア部と一体化して形成されることが好ましい。保持ループにより形成された貫通開口の内周壁は、成形工具に関して、摺動押し出し部材の使用を伴わずに、金型から保持ループを取り出すことを可能にする形状であることが好ましい。
【０００７】
呼吸ガス導管部材の固定をもたらすキャリア部は、フレーム部と一体化して形成されることが有利である。この点で、キャリア部は呼吸ガス導管部材が着脱自在に挿入され得る挿入開口を有するように設計されることが有利である。キャリア部はフレーム部により画定されたフレーム面にほぼ垂直に延びるように構成されることが好ましい。
【０００８】
挿入開口の領域では、キャリア部は、管接続部の形態の呼吸ガス導管部材と係合され得るような連結構造を形成することが好ましい。
【０００９】
弓状体は連結部を備え、この連結部により呼吸ガス導管部材に密封接続され得ることが好ましい。好ましくは、弓状体はエラストマー材料から製造され、その弾性膨張により管接続部の一部に嵌まり、この管接続部の一部は挿入開口を通り、シールリップ手段まで達する。好ましくは、シールリップ手段まで延びる管接続部の部分に周縁ビードすなわちリッジが設けられ、この周縁ビードにより、弓状体および管接続部が、確実に接合状態に保たれる。
【００１０】
本発明の特に好ましい実施形態によると、弓状体はシールリップ手段と一体化して形成される。このように、シールリップ手段と弓状体との間の遷移領域のギャップすなわち継ぎ目を回避することが可能であることが有利である。さらに、シールリップ手段および弓状体は、一体化したエラストマー構成要素の形態で、フレーム部に挿入されることが可能であることが有利である。
【００１１】
特に好ましい実施形態によると、特に、ＣＯ₂を装填した呼吸ガスの周囲大気への確実な排出は、弓状体に開口が設けられ、それを通して弓状体の内部領域にある圧力下の呼吸ガスが周囲大気へと逃げることができることにより達成される。開口はその断面が出口方向で拡大しているようなものであることが好ましい。これらの出口開口は、呼吸マスク装置の装着位置で、マスクの使用者の鼻孔付近の領域のできるだけ近くに配置されるように構成されることが好ましい。
【００１２】
本発明の特定の態様によると、装着構造は呼吸マスク装置をマスクの使用者の前頭部領域で支持するための前頭部支持具を含む。前頭部支持具は、ピボット具により、弓状体を取り囲むフレーム部に接続されることが有利である。この構成により、前頭部支持具の位置は、マスクの使用者の個々の顔の作りすなわち構造に適合することが可能であることが有利である。好ましくは、ピボット具は、前頭部支持具を様々に位置決めすることができる弓状トラックガイド手段を含む。
【００１３】
キャリア部に着脱自在に連結可能であることが好ましい呼吸ガス導管部材は、たとえば、回転連結構造の一部を形成することもできるドッキングポートを形成することが有利である。ドッキングポートにさらなる接続具、特に小さい管接続部を設けることが可能であり、この接続具により、たとえば圧力測定ホースを呼吸マスク装置に連結することができるか、またはおそらく酸素のさらなる供給を行うことができる。
【００１４】
前頭部支持具は、熱可塑性材料からでき、前頭部クッション手段を備えることが好ましい。前頭部クッション手段は、パッド状の構成であり、かつプラグ接続構造により前頭部支持具の収納部に連結され得るエラストマー要素により形成されることが好ましく、この収納部は、ループ状の構成であることが好ましい。その場合、前頭部支持具はエラストマー要素が種々の位置で前頭部支持具に嵌められ得るように設計されることが好ましい。好ましくは、エラストマー要素はまた、ループ部に固定される方法により、マスクの使用者の前頭部に対するエラストマー要素の接触領域の種々の位置を得ることも可能であるような構成である。エラストマー要素は、シリコーンゴム材料からできることが好ましく、その接触面領域では、マスクの使用者の前頭部の表面への接触力の伝達が、生理学的に十分に適合した表面圧の下で行われるような形状にされる。これは特に、エラストマー要素の接触側から離れた背面側に、マスクの使用者に押し当てられる接触部の傾斜移動を可能にする、偏心配置された支持脚が設けられることにより達成することができる。
【００１５】
好ましくは、ループ部には、前頭部支持具がヘッドバンドの上前頭部バンド機構に連結されるようにする連結部も設けられる。これらの連結部は、バンドストリップの形態であり得る。前頭部支持具が、たとえばマジックテープによって、クッション付きであることが好ましい前頭部バンド機構に固定されることも可能である。
【００１６】
本発明のさらなる態様によると、本発明の別の目的は呼吸マスクの使用に関連して前頭部領域にいかなる圧覚点が生じることも防止することである。
【００１７】
本発明によると、この目的は装着位置でマスクの使用者の前頭部領域に押し当てられるように設けられる接触要素を含む、呼吸マスク用の前頭部支持具であって、接触要素を移動可能に保持する保持具が設けられる前頭部支持具により達成される。
【００１８】
これにより、呼吸マスク装置が、患者の組織に対して著しく低下した表面圧の下で、患者の前頭部領域において支持されることを確実にすることが可能であることが有利である。本発明により設けられる接触要素の移動度は、マスクの使用者の個々の前頭部領域の曲率に自動的に適合することができることを意味する。このように、接触要素が大きい表面積を有することが可能であることがさらに有利であり、それにより、表面圧の著しい低減を達成することが可能であることが有利である。
【００１９】
本発明の特定の態様により好ましい前頭部支持具の実施形態は、ホルダがピボットホルダの形態であることにより可能である。このピボットホルダは、通常の接触向きにほぼ平行な少なくとも１つの軸を中心とした接触要素の傾斜移動を可能にすることが有利である。このピボットホルダは、特に好ましい実施形態によると玉継手を含むピボットまたはヒンジ具により形成され得ることが好ましい。ピボットホルダの代替として、またはこの構成と組み合わせて、ピボット具がエラストマー構造により形成されることが可能である。接触要素のホルダの移動範囲は、１０°〜３０°の範囲であることが好ましい。その角度範囲内で、考えられる全ての前頭部の作りを十分に考慮に入れることが可能である。
【００２０】
本発明の特定の態様によると、接触要素は、エラストマー材料、たとえば、完全に透明であるかまたは色付きのシリコーンゴム材料から形成される。特にこの実施形態では、接触要素は、パッド状または板状の構成であることが好ましい。その場合、接触要素は、接触要素が前頭部の表面に当てられた時に表面圧に関して規定された分布が可能となるように、凹状に内側に湾曲していることが好ましい。本発明の特に好ましい実施形態によると、この表面圧は、接触要素の縁から所定間隔内に、ほぼ均一な表面圧があり、この表面圧が接触要素の縁領域において外側に向かって徐々に低下するように選択される。
【００２１】
本発明の特に好ましい実施形態によると、前頭部支持具は、複数の、好ましくは２つの、互いに隣接して配置された接触要素を含む。接触要素は、呼吸マスク装置の装着位置において、マスクの使用者の左右の眉の上に位置付けられるように配置されることが好ましい。２つの接触要素は、可撓性のブリッジまたはストラップ具によりともに接続されることが好ましい。このように、接触面積をより増大させることができる一方で、同時に、互いに対して接触要素が捩れる可能性を明確な方法で制限することができる。特にこの実施形態では、２つの接触要素は、互いに一体的に形成されることが好ましい。平面図での接触要素の構成は、ほぼ円形の外輪郭に制限されない。たとえば、楕円形または他の多角形の外輪郭を用いることも可能である。
【００２２】
各接触要素を旋回可能に移動できるように取り付けるためのピボット具もまた、接触要素と一体的に形成されることが好ましい。明確なピボットの特性は、ピボット具の適当な幾何学的構成により得ることができる。
【００２３】
ピボット具は、各接触要素の表面圧に関して、中心点を通って延びる力の作用線上に、または少なくとも当該作用線付近に配置されるように配置されることが好ましい。これにより、表面圧の分布を均一にすることがさらに促進される。
【００２４】
接触要素は、接触要素が吸い付くことにより患者の前頭部の表面に当てられないようにするような外形であることが好ましい。患者の前頭部の表面への前頭部支持具の吸い付きはさらに、接触要素に貫通孔または通路が設けられて、これを通して接触要素とマスクの使用者の前頭部との間の中間領域に空気が通ることができることにより回避することもできる。
【００２５】
玉継手構造は、マスクの使用者の前頭部の水平方向および垂直方向の形状への良好な適合性をもたらすことが有利である。ピボット具、特に玉継手手段は、ロック可能に設計されることもできる。ピボット具は、所与の軸を中心に、特に水平軸を中心に、特に有利な方法で傾斜可能であることが好ましい場合もある。接触要素の曲率は、異なる曲率半径が水平方向および垂直方向に与えられるように選択することができる。曲率半径は、通常の前頭部の曲率半径よりも小さいことが好ましい。
【００２６】
玉継手構造の代替として、たとえばピボットピンにより、カルダン懸架機構を用いることも可能である。ピボット具の旋回移動の角度は、所定の当接角度に制限されることが好ましい。接触要素の材料特性は、実質的に抗殺菌作用を有し、かつおそらく創傷治癒を促進させるように作用するように選択されることが好ましい。
【００２７】
有利には、クッション手段、特にゲル体クッション手段、あるいは空気または液体クッション手段を、接触面の領域に設けることができる。その場合、用いる液体、空気、またはゲルの量を変えることにより、使用者に対する呼吸マスクの位置を調整することが可能であることが有利である。
【００２８】
有利には、接触要素の取り付け位置は調整可能に可変である。接触要素の代替として、またはこの機構と組み合わせて、複数の連結オプションを備えることにより、適当な選択的な連結によって前頭部に対する間隔を変えることができるようにすることも可能である。たとえば２つ、好ましくは３つ以上の連結オプションにより粗調整を実施すること、および限られた微調整範囲内で好ましくは無段の微調整を実施することが可能である。複数の置換オプションを与えることが可能であり、この場合、個々の連結の置換により、前頭部に対する間隔に関して、それぞれ異なる設定が生じる。締結構造を設けることも可能であり、この締結構造により、前頭部に対する間隔の無段調整が可能である。連結手段は、規定の接着位置が得られることにより、個別に無段適合される設定が接着手段により永続的に維持されるように設計することができる。
【００２９】
本発明の特に好ましい実施形態によると、特に高レベルの着用快適性は、マスクの使用者の皮膚表面と接触する接触要素の表面部が、ビロードのような艶消し面を有することにより得られる。本発明の特に好ましい実施形態によると、接触要素の少なくとも接触面の領域には、セルフクリーニング効果を有する表面構造が設けられ得る。このような表面構造は、たとえばハスの葉状の表面構造を有してもよい。接触要素には、少なくとも接触面の領域に、ゲル体を設けてもよい。
【００３０】
本発明のさらなる態様によると、本発明によれば、本明細書の冒頭部分に明記した目的は、前頭部支持具を備える呼吸マスク装置用の装着具であって、前頭部支持具は、右アーム要素および左アーム要素を有し、これらのアーム要素には、左前頭部ゾーンおよび右前頭部ゾーンそれぞれに押し当てられるようになっている接触部が設けられ、アーム要素はそれぞれ、旋回軸を中心に旋回可能に移動できるように配置される、装着具により達成される。
【００３１】
これにより、呼吸マスク装置は、種々の顔の作りに適合することが有利であり得る前頭部支持具により、マスク使用者の前頭部領域において支持されることが可能となることが有利である。
【００３２】
本発明の特に好ましい実施形態によると、所定の旋回位置にアーム要素の向きをそらすための調整駆動具が設けられる。調整駆動具は、両アーム要素が調整駆動具により同時に、すなわち一度に旋回可能であるように設計されることが好ましい。調整駆動具は、たとえば、ねじまたは螺旋駆動手段によりピボットホイールの回転軸に関して半径方向に変位可能な作動部材と係合している調整ホイールを含み得る。
【００３３】
好ましくは、アーム要素それぞれの旋回軸は、正面図で装着位置で見ると、眉を結ぶ横線に関して横切るように、特に垂直に延びるように方向付けられる。これにより、前頭部支持具が、マスクの使用者の前頭部の曲率に厳密に適合し、それにより、鼻梁を横切るシールリップ具の接触ゾーンの領域において装着具により保持される呼吸マスクが正確に設定されることが可能となることが有利である。
【００３４】
本発明の特定の態様によると、アーム要素はそれぞれ、各自に関連する旋回軸を中心に旋回可能であり、２つのアーム部材の旋回軸は、眉を結ぶ横線の高さで互いに離間している。アーム部材の２つの旋回軸の間隔は、眉を結ぶ横線の高さで、１０ｍｍ〜５０ｍｍであることが好ましい。アーム部材の長さは、旋回軸のそれぞれの間隔に応じて、２５ｍｍ〜７５ｍｍである。
【００３５】
本発明のさらなる態様によると、上述の実施形態と比較してさらに向上した、マスクの使用者の個々の前頭部の曲率への前頭部支持具の適合性は、アーム部材の旋回軸が互いに対して８°〜４５°の範囲の角度αで互いに対して傾斜している場合に得られる。旋回軸を画定する構造は、互いに対する旋回軸の角度αが調整可能に可変であるように設計されることが可能であることが有利である。
【００３６】
好ましくは、旋回軸は、マスクの使用者の正面図に関して、眉を結ぶ横線とマスクの使用者の顎との間の領域と交わるように確定される。これにより、統計上圧倒的に多い顔の作りに関して、特に良好な適合性が得られる。
【００３７】
旋回軸は、それぞれが各ヒンジ具を備えることが好ましい。ヒンジ具は、複数部品のピボット機構の形態であってもよく、または、本発明の特に好ましい実施形態によると、フィルムヒンジの形態であってもよい。この実施形態では、アーム部材およびアーム部材を旋回可能に取り付けるために設けられたヒンジ基本構造は、ワンピースで、すなわちプラスチック材料から一体化して製造されることが可能である。
【００３８】
本発明の特定の態様によると、調整駆動具は、螺旋構造により作動部材に連結される調整ホイールを含み、作動部材により、アーム要素は規定の旋回位置に向きをそらされ得る。調整ホイールは、装着具の装着位置において患者の前頭部の表面にほぼ垂直な向きにある軸を中心に回転可能に取り付けられることが好ましい。調整ホイールは、直径が２０ｍｍ〜５０ｍｍの範囲であり、その外周領域には、調整ホイールを回転させるのに必要な指の力を確実に伝達させることができる外形が、好ましくは溝ひだ付き、すなわち溝付き構造が設けられる。調整ホイールは、呼吸マスク装置の呼吸ガス導管部と前頭部支持具の基部との間の中間領域に配置されることが好ましい。その場合、調整ホイールを回転させるのに必要な指の力は、親指および人差し指により加えることが可能であり、その場合、呼吸マスク装置に関連する呼吸ガス導管は、指で、すなわち親指および人差し指で掴まれる。
【００３９】
本発明のさらなる態様によると、本発明によれば、本明細書の冒頭部分に記載した本発明の目的は、前頭部支持具を有する呼吸マスク装置用の装着具であって、前頭部支持具は、右アーム要素および左アーム要素を有し、両アーム要素は旋回軸により呼吸マスクに旋回可能に移動できるように連結され、旋回軸は、呼吸マスク装置の装着位置において、マスクの使用者の眉を結ぶ横線にほぼ平行に延び、アーム要素の旋回位置を確定するための調整駆動具が設けられる、装着具によっても達成される。
【００４０】
このように、前頭部支持具により、シールリップ具の、マスクの使用者の鼻梁を横切るゾーンの面圧（接触圧力）を調整することが可能であることが有利である。
【００４１】
本発明のさらなる詳細および特徴は図面を参照して以下の説明から明らかとなるであろう。
【００４２】
図１に示す呼吸マスク装置は、エラストマー材料、特にシリコーンゴムからできるシールリップ手段１と、弓状体２とを含む。シールリップ手段１は、マスクの使用者の鼻領域を受け入れるように設けられた収納開口の輪郭に沿い、その状況では、好ましくはマスクの使用者の鼻梁および上唇の領域を横切るように設計される。この場合、シールリップ手段１はほぼ鞍形の輪郭を有する。この実施形態では、シールリップ手段１および弓状体２は、エラストマー材料からワンピースで作られ、フレーム部３に収容される。
【００４３】
フレーム部３は、プラスチック材料からでき、保持クリップすなわちループ４を有し、保持クリップすなわちループ４はフレーム部３と一体化して製造される。呼吸マスク装置の装着位置では、保持ループ４は、マスクの使用者の頬の高さまたは鼻の両脇の高さに配置され、下方ウェブバンド機構の連結を可能にする。弓状体２をフレーム部３に確実に連結するために保持構造５があり、保持構造５により、弓状体２がフレーム部３にラッチ係合することによってフレーム部３の接合位置に固定され得る。保持構造５は、フレーム部３の表側に係合する保持ノーズ５ａを含む。
【００４４】
弓状体２には使用済みの呼吸ガスを周囲大気に排出するための複数の出口開口６が設けられる。
【００４５】
呼吸マスク装置はさらに、この実施形態ではフレーム部３と一体化して形成されるキャリア部７を含む。
【００４６】
ここではドッキングポート８の形態である呼吸ガス導管部材は、キャリア部７に着脱自在に固定される。ドッキングポート８は、ホース接続スリーブ９が回転可能に移動できるように嵌まる環状フランジ（ここでは見えない）を含む。ホース接続スリーブ９は、呼吸ガスホースの端部が嵌められ得るホース接続部９ａを含む。
【００４７】
本発明による呼吸マスク装置はさらに、調整具１１によりフレーム部３に移動可能に連結される前頭部支持具１０を含む。
【００４８】
調整具１１は、ここで図示されている旋回軸Ｘを中心に、フレーム部３に関する前頭部支持具１０の旋回移動を可能にするような構成である。調整具１１は、固定機構を含み、これにより、前頭部支持具１０およびフレーム部３は選択された相対位置に固定されることができる。
【００４９】
前頭部支持具１０は、前頭部クッション要素１４が取りつけられ得るループ部１２を含む。ループ部１２には、フレーム３と同様に、保持ループすなわちクリップ１５が設けられて、呼吸マスク装置を所定位置に固定するように設けられたヘッドバンドの上方ウェブバンド機構にループ部１２を連結するようにする。
【００５０】
前頭部クッション要素１４は、エラストマー材料からでき、装着位置でマスクの使用者に面する下面１４ａに、表面圧に関する所定の分布を伴う接触面を形成する。前頭部クッション要素１４はそれぞれ、押し込み足１６によりループ部１２に連結される。押し込み足１６は、押し込み足の軸１７を中心に矢印Ｐで示すように前頭部クッション要素１４を旋回させることにより、マスクの使用者の前頭部の表面に対する前頭部クッション要素１４の下面１４ａの種々の接触位置を達成することを可能にするように、各前頭部クッション要素１４に偏心して設けられる。種々の接触位置は、前頭部クッション要素１４の旋回位置の選択により、また押し込み足１６を受け入れるように設けられた収納開口１８の選択により達成することができる。ここで示した実施形態では、２つの互いに離間した収納開口１８は、ループ部１２の左右の前頭部クッション要素１４ぞれぞれに設けられる。
【００５１】
前頭部クッション要素１４は、図２に示すように、押し込み足１６を収納開口１８から引き抜くことによりループ部１２から取り外すことができる。この実施形態では、収納開口１８の中心線は、互いに約１０ｍｍ離間している。各前頭部クッション要素１４の押し込み足１６（これに関しては図１を参照）の偏心距離もまた、約１０ｍｍである。押し込み足１６の偏心配置および収納開口１８の離間配置の結果として、マスクの使用者の眉を結ぶ線にほぼ垂直な、約３０ｍｍの範囲の前頭部クッション要素の高さ方向の変動が得られる。２０ｍｍの範囲にわたる接触位置の変動もまた、横方向に、すなわち眉を結ぶ上述の線の方向に可能である。上方ウェブバンド機構を連結するように設けられた保持ループ１５は、保持ループにより画定された貫通開口１５ａが、マスクの使用者に対しては前頭部クッション要素１４により覆い隠されるように、収納開口１８に近接して配置される。
【００５２】
図２に示す図では、図１に示すホース接続スリーブ９は、ドッキングポート８から取り外されている。この図では、ドッキングポート８と一体化して形成され、かつ複数の舌要素１９ａを有する環状フランジ１９を見ることが可能であり、舌要素１９ａは、ドッキングポート８により形成される貫通通路の中心に向かって弾性撓み可能である。舌要素１９ａには、保持ビードすなわちリッジ２０が設けられ、これは、ホース接続スリーブ９に相補関係で設けられた内周溝と係合し得る。保持ビード２０の幾何学的形状、回転スリーブ９の内周溝、および舌要素１９ａの弾性は、ホース接続スリーブ９が、所与の引張力を越えた場合に、工具の使用を伴わずに環状フランジ１９から引き出されることができるように適合される。環状フランジ１９およびホース接続スリーブ９は、ホース接続スリーブ９が環状フランジ１９上に容易に回転可能に保持されるような方法で嵌まるようにも設計されている。
【００５３】
この実施形態では、ドッキングポート８には、プラグまたはホース要素を嵌めることができるホース接続部２１、２２が設けられる。ホース接続部２１、２２はそれぞれドッキングポート８に形成された呼吸ガス通路へ通じる各貫通通路を形成する。使用中でない場合は、ホース接続部２１、２２は、ホース接続部２１、２２に摩擦ロック関係で嵌まることが好ましいプラグまたはキャップ要素（図示せず）により閉鎖され得る。この実施形態では、ホース接続部２１、２２は、２つの直立溝壁２３、２４により区切られた溝の窪みに配置される。ドッキングポート８は、差し込み式の接続構造によりキャリア部７に連結される。
【００５４】
図３の図からわかるように、この実施形態では、ドッキングポート８をキャリア部７に連結するための保持接続構造は、回転ラッチまたはバヨネット接続構造２５の形態である。バヨネット接続構造２５は、挿入凹部２６により互いに離間している、２つの互いに直径方向に対向した保持ブリッジ２７を含む。ロック位置では保持ブリッジ２７はドッキングポートの押し込みフランジ部２８（図４）に設けられた２つの保持突起と係合する。
【００５５】
キャリア部７は、フレーム部３と一体化して形成され、その点で挿入開口を形成し、この挿入開口は、挿入接続部２８を受け入れるように設けられ、かつそれに沿って部分的に保持ブリッジ２７がある。キャリア部７とフレーム部３との間の遷移領域には、２つのガイドフランク（案内側部）３０が設けられ、ガイドフランク３０もまたフレーム部３と一体化して設けられ、調整手段１１の一部を形成する。ガイドフランク３０は前頭部支持具１０の連結部３２が変位可能にガイドされる弓状ガイド手段３１を形成する。弓状ガイド手段３１およびその中にガイドされる連結部３２の領域は、前頭部支持具１０およびフレーム部３が図１にすでに示した旋回軸Ｘを中心に互いに対して移動可能であるようになっている。ガイドフランク３０には、調整手段１１を解除位置に移動させる解除力を加えるための作動ゾーン３３が設けられる。解除力は、特に、親指および人差し指でドッキングポート８の周りを把持して、それらの指先に力を加えると、作動ゾーンに加えることができる。ここで設けられる弓状ガイド手段３１の代替として、調整手段１１が、前頭部支持具１０とフレーム部３との間で、弓状経路とは異なる移動経路に沿って相対移動が可能となるような構成であることも可能である。前頭部支持具１０に、図１に示す前頭部クッション要素１４とは構造が異なる前頭部クッション具を取り付けることも可能である。
【００５６】
図４は、本発明による呼吸マスク装置の装着構造であって、本発明によるドッキングポート８がキャリア部７に形成された挿入開口に挿入され、挿入開口の領域に設けられたバヨネットクロージャ具により所定位置に正確に固定された組み立て状態にある、装着構造を示す。この実施形態では、ドッキングポート８は導管部材を形成し、これはパイプベンドの性質を有し、それによってホース接続スリーブ９（図１）により流れる呼吸ガスの流れの向きがマスクの使用者の鼻先に向かって約３０°の角度でそらされる。そのようにして呼吸ガスを弓状体２（図１）により画定されるマスクの内部空間に供給することにより、ガスがマスクの使用者の鼻梁の上を都合よく流れることになる。
【００５７】
本発明による呼吸マスク装置のモジュール構造により、それぞれの使用状況をよりよく考慮に入れた呼吸マスク装置の構成を実施することが可能となる。キャリア部７に嵌まるドッキングポート８は、フレーム部３に向かってキャリア部７よりも突出した挿入接続部２８を有する。弓状体２の挿入開口部は、わずかな弾性膨張により挿入接続部２８に嵌まり得る。挿入接続部２８には、周縁ビード３４が設けられ、周縁ビード３４により、弓状体２および挿入接続部２８が規定の接合位置に保持される。この周縁ビード３４は、それに対応して弓状体２に設けられた内周溝と係合することができ、すなわち、弓状体２の内面に嵌まることができる。キャリア部７およびドッキングポート８は、ドッキングポート８が鼻梁の領域に架かる呼吸ガス導管部を形成するような構成である。これによりごくわずかにしか視野が遮られないことが保証される。
【００５８】
図５は、フレーム部３を形成する一体部材のさらなる斜視図を示す。フレーム部３とワンピースで作られるガイドフランク３０は、作動ゾーン３３に解除力を加えることにより、ガイドフランク３０が作動ガイド手段３１の領域において互いから離れて付勢されるような構成である。本実施形態では、そのために、弓状脚３５によりレバー／傾斜効果がもたらされる。弓状ガイド手段３１の領域におけるガイドフランク３０の戻り移動は、用いられる材料の弾性の結果として起こる。固定効果は、連結部３２の接触ゾーン（ガイドフランク３０間にガイドされる）の摩擦ロック締結により得ることができる。その代替として、またはそれと組み合わせて、確実にロック係合させて連結することにより、たとえば細歯機構（セレーション機構）の使用により、固定効果を得ることも可能である。
【００５９】
好ましくは、フレーム部３に関して前頭部支持具１０の旋回移動の最大範囲を制限する当接具が設けられる。当接具は、たとえば作動ゾーン３３に加えられる作動力を増加させることにより、前頭部支持具１０がフレーム部３に接続されたピボット構造から離間し得る状態になるように移動するように設計されることが可能である。
【００６０】
図５に示す図は、フレーム部３への弓状体２の位置決めおよび固定を改善する、フレーム部３の外側に凹陥した領域３６も示す。フレーム部３への弓状体２の位置決めは、２つの固定板３７によってさらに促進され、固定板３７はフレーム部３の下面の保持ループ４の領域に設けられ、弓状体２のシールリップ手段１の遷移領域に設けられた締結ポケット部に係合する。フレーム部３はほぼ鞍形の輪郭を有し、呼吸マスク装置の装着位置において概ねマスクの使用者の鼻の両脇の高さにある領域で最大幅をなす。保持ループ４は、最大幅のゾーンＢからマスクの使用者の眼の領域まで上方に延びる。保持ループ４に隣接する貫通開口の内縁は、これらの開口を通るバンド部が擦り切れ得る可能性を防止するために、丸みのある形状になっている。この図はドッキングポートをキャリア部７に固定するようになっているラッチ具も示す。
【００６１】
図６は、フレーム部３の下面に設けられた固定板３７を別の角度から示す。固定板３７は接合方向を横切る方向に測定した場合、０．８ｍｍ〜３ｍｍの範囲の厚さｔを有する。固定板は接合方向に向かってテーパー状の形状である。固定板３７、特に弓状体２に押し当てられるフレーム部３の内周領域には、弓状体の連結をさらに補助する外形が設けられ得る。好ましくは、フレーム部３の周縁方向に延びる細かい溝が、フレーム部３および弓状体２のフレーム部３に押し当てられる部分に設けられる。
【００６２】
キャリア部７のバヨネット接続構造２５は、連結位置にドッキングポート８の端部位置として構成される端部当接部３８を含む。この実施形態では、差込接続構造２５は端部当接部３８によって画定される端部位置に最大の固定力が達成されるように設計される。
【００６３】
図７は、本発明による呼吸マスク装置(前頭部クッション要素１４（図１）は除いてある)を、旋回軸Ｘの方向から見た、完全に組み立てられた状態で示している。この図に見られるように、本発明に従ってキャリア部７に着脱自在に挿入され得るドッキングポート８は、回転可能に支持されたホース接続スリーブ９にエラストマー弓状体２を連結する連結要素を形成し、これにより呼吸ガスの供給流が、角度α（この実施形態では３２°である）でそらされる。
【００６４】
ドッキングポート８は、複数のドッキングポート８を含むとともに弓状体２を種々のホースシステムに連結し得る接続部材を形成するセットから選択され得る。ドッキングポート８に嵌まるホース接続スリーブ９により、種々の呼吸ガス導管システムとの適合性が保証され得る。所与のタイプの面にそれぞれ適合する複数のシールリップ手段を設けること、および、本発明による呼吸マスク装置に関して、マスクの使用者の個々の顔の作りを特に十分に考慮するとともにシールリップ手段１と弓状体２と備えるエラストマー要素が本発明によるマスク装置と一体となっていることに伴う要件に適した構成を達成することが可能である。複数の変形形態の前頭部支持具（ただし、これらの複数の変形形態の前頭部支持具は調整手段１１と適合性がある）を設けること、および、本発明によるマスク装置に特に個々の顔の作りを十分に考慮した変形形態の前頭部支持具１０を嵌めることも可能である。図１に示した前頭部クッション要素の代替として、前頭部支持具１０には、マスクの使用者の前頭部に弾性接触するための他の種類の前頭部クッション具を嵌めることもできる。そのような種類のクッション具を、たとえば上方前頭部バンド機構と一体にすること、および、そのようなクッション付き前頭部バンド機構に、たとえばマジックテープ構造によって、前頭部支持具を嵌めることも可能である。
【００６５】
本発明は先の実施形態に限定されない。例として、本発明に従って設計されたフレーム部３にエラストマー材料からできていない弓状体２を嵌めることも可能である。
【００６６】
図８に示した前頭部支持具は、接触要素４２を旋回可能に保持するための保持具４１を有する。このため保持具４１はこの図では玉継手機構の一部を形成する複数の固定要素４４を有する旋回可能ホルダ４３を含む。
【００６７】
この図に示した実施形態では、接触要素４２は板状の構成であり、エラストマー材料（ここでは、完全に透明なシリコーンゴムである）から形成される。接触要素４２は固定要素４４によって空間に少なくとも２つの軸を中心に傾斜可能に取り付けられる。接触要素４２ができる限り容易に動くことを確実にするため、固定要素４４と接触要素４２の固定シャンク部（不図示）との間に、球状外表面（これに関する詳細は図９を参照してさらに十分に説明される）を有するリング体が設けられる。
【００６８】
保持具４１はさらに、保持具４１を呼吸マスク４６に連結するための連結部４５を含む。
【００６９】
この図に示した実施形態では、連結部５５は、呼吸マスク４６の対応する相補的な構造をした接続部４７に直接嵌まり得るリング状要素の形態である。この図に示した実施形態では、保持具４１には固定部４８が設けられ、保持具４１はこの固定部４８によってヘッドバンドに接続され得る。
【００７０】
図９は、接触要素４２の好ましい実施形態を示す。接触要素４２はエラストマー材料から形成され、わずかに凹状に湾曲した接触面４９を有する。接触要素４２には複数の微細な貫通孔５０が設けられており、これらの貫通孔を通して、接触要素４２と患者の前頭部との間におそらくは画定される中間空間に関して周囲大気との均圧が達成され得る。これにより接触要素４２が患者の前頭部領域に対し吸い付くことが有利に防止される。
【００７１】
この図に示した実施形態では、接触要素４２はシャンク部５１を有する。シャンク部５１には球状外表面を形成するリング要素５２が設けられている。このリング要素５２と組み合わせたこの機構により、比較的容易に動くことができる玉継手具が可能となる。この代替として、リング要素を省くこと、および、接触要素４２のシャンク部５１に対応する球状部を直接設けることも可能である。
【００７２】
図１０に示した本発明の実施形態は、一体形の中央ブリッジすなわちストラップ５４によりともに接続される２つの接触要素４２を有する。中央ストラップ５４は、十分な角度範囲にわたって互いに対し２つの接触要素４２の旋回移動および傾斜移動をなおも可能にするように設計される。２つの接触要素４２の互いの中心からの間隔は、マスクの使用者の両眼間の距離にほぼ相当することが好ましい。
【００７３】
図１１は、接触要素４２のさらなる実施形態を示しており、この場合、接触要素の一部の傾斜（接触面をなす）は、ここでは接触要素５２と一体化して形成されているエラストマー構造５５により達成される。この図に示された実施形態では、エラストマー構造は、一時的な弾性膨張により球状トラニオン部に嵌まり得るほぼ球状の内部空間を有する。この図に示された実施形態では、接触要素は、接触要素が所定位置に適切に嵌まると平坦になる凹状に湾曲した基部体も有する。
【００７４】
接触要素の基部体の曲率は、面圧が平坦面に加えられたときに面圧に関して規定された分布がもたらされるように選択されることが好ましい。面圧に関するこのような分布は、図１２において例として示されている。この場合、下方の曲線ａ１は、初期位置にある接触要素の接触面を表す。この図に直線として示した線ａ２は、接触要素４２の接触面を表し、適宜、装着位置において変形する。表面圧に関する分布（ここでは矢印５６の集まりによる簡潔な形で示されている）は、接触要素の接触面の変形のコンテキストで生じる。ここでは、中心Ｚから始まって縁領域に向かって、初めは面圧に関してほぼ均一な分布となり、縁Ｒに向かう領域ｒ／５では表面圧は次第に低下するように、表面圧に関する分布が選択される。
【００７５】
本発明は、本明細書において上述した実施形態に限定されない。たとえば、ここで選択されている板形状から逸脱して、前頭部接触要素が矩形または多角形の形状であることも可能である。
【００７６】
図１３はマスクの使用者の顔面を表した正面図を示している。呼吸マスク装置を装着する、すなわち嵌める場合、たとえば、呼吸マスク装置のシールリップ具とマスク使用者の顔面とによって画定されるシールリップ接触ゾーン２０１が、上唇領域２０２から始まって、鼻孔２０３から鼻梁４にかけて周りに延在し、好ましくは眼の高さと同じ位置にまで及ぶ。
【００７７】
呼吸マスク装置は、より詳細に以下に説明する前頭部支持具によりマスクの使用者の前頭部領域で支持される。好ましくは、前頭部領域での支持は、眉２０５を結ぶ横線２０６の上方に位置する２つの接触ゾーン２０７、２０８によりなされる。ここで示した図では、前頭部領域にある呼吸マスク装置のための支持は２つの接触ゾーン２０７、２０８でなされ、ここでは、接触ゾーン２０７、２０８の重心Ｓ１、Ｓ２の間隔は、マスク使用者の両眼間の間隔にほぼ相当することが好ましい。シールリップ接触ゾーン２０１の領域にある呼吸マスク装置のシールリップ具の面圧は、接触ゾーン２０７、２０８の接触をもたらすために設けられる接触要素が旋回軸Ｘ０、Ｘ１、Ｘ１’、Ｘ２、Ｘ２’を中心として、好ましくは横軸Ｙ０を中心としても旋回可能である限り、調整可能に可変である。
【００７８】
マスク使用者の顔上での呼吸マスク装置の支持は、呼吸マスク装置および前頭部支持具が、マスクの使用者の顔上の実質的に３つの相互に離間したゾーンにて支持されるように、より詳細に以下に説明する装着具によってなされ得る。この場合、前頭部支持具は、前頭部領域の接触ゾーン２０７、２０８で支持される。呼吸マスク装置は、シールリップ接触ゾーン２０１によってマスクの使用者の顔上に支持される。装着具および呼吸マスク装置がマスク使用者の顔上の３つの主要な支持ゾーンにて支持されることにより、有利には、呼吸マスクの静定的な支持がなされる。前頭部領域に前頭部支持具を保持するのに必要とされる保持力は、上方ヘッドバンド機構により加えられることが好ましい。呼吸マスク装置を鼻領域に固定するため、下方ベルト機構があることが好ましく、この下方ベルト機構により、マスク使用者の顔面の両側に作用するとともに頬に対して側方に向けられる引張力２０９および２１０によって、呼吸マスク装置がマスク使用者の顔面に引き付けられる。引張力２０９、２１０は、好ましくはマスクの使用者の後頭部領域に巻きつけられる下方ベルト機構によって加えられる。
【００７９】
前頭部支持具の支持構成の調整を可能にする旋回軸Ｘ０、Ｘ１、Ｘ１’、Ｘ２、Ｘ２’は、好ましくは、マスクの使用者の前頭部領域から上唇領域２０２の方に向って延びる。ここに示された軸Ｘ１、Ｘ２は互いに平行関係に向けられ、鼻梁幅、特にマスク使用者の涙管の開口領域における鼻梁幅にほぼ相当する間隔ａだけ互いに離間している。
【００８０】
互いに対し傾斜している旋回軸Ｘ１’、Ｘ２’はまた、接触ゾーン２０７、２０８の高さで、鼻梁幅の領域で離間していることが好ましい。軸Ｘ１’、Ｘ２’は、マスク使用者の鼻の下部と顎２１１との間の領域でこの２本の軸Ｘ１’、Ｘ２’が交差するように選択されることが好ましい角度αで互いに大して傾斜する。
【００８１】
斜視図としての図１４は、調整駆動具２１２を示しており、この調整駆動具２１２によって、左アーム要素２１４および右アーム要素２１５の旋回位置は、基部２１６に関して調整可能に変更することができる。
【００８２】
この場合、調整駆動具２１２は、左アーム要素２１４に関連した連結部材２１７と、右アーム要素２１５に関連した連結部材２１８を含む。
【００８３】
２つの連結部材２１７、２１８のそれぞれには、調整ホイール２２２と係合する少なくとも１つの係合部２１９、２２１が設けられており、ここでは調整ホイール２２２は、調整ホイール２２２の下面に設けられた螺旋構造２２３（右下のスケッチを参照）によって、上に持ち上げた状態で示されている。調整ホイール２２２を、回転軸２２４を中心に回すことにより、矢印記号２２５、２２６で示すように、係合部２１９、２２１は、連結部材２１７、２１８とともに半径方向に変位する。
【００８４】
示した実施形態では、連結部材２１７、２１８はそれぞれ関連する左アーム要素２１４および右アーム要素２１５に移動可能に連結される。示した実施形態では、関連するアーム要素２１４、２１５への連結部材２１７、２１８の連結は、いずれの場合にも、ヒンジ部２２７および２２８それぞれによって行われ、このヒンジ部により、関連したアーム要素２１４、２１５に関する連結部材２１７、２１８の旋回移動が可能になる。アーム要素２１４、２１５はヒンジ接続部２２９、２３０によって基部２１６に連結される。ここではヒンジ接続部２２９、２３０はフィルムヒンジの形態である。この場合、アーム要素２１４、２１５は、基部２１６と一体化して形成される。ヒンジ接続部２２９、２３０は、図１とともに本明細書において先に言及したように、それぞれ旋回軸Ｘ１、Ｘ１’およびＸ２、Ｘ２’として構成される。ヒンジ部２２７、２２８およびヒンジ接続部２２９、２３０の領域において各アーム要素に加えられる一対の力の結果として、それぞれのアーム要素は、基部２１６に関して、回転軸２２４から係合部２１９、２２１の半径方向間隔によって特定される旋回位置に移動され得る。係合部２１９、２２１の最大の半径方向ストローク移動、ならびにヒンジ部２２７、２２８およびヒンジ接続部２２９、２３０の空間位置は、たとえば５４０°の回転角度による調整ホイール２２２の回転移動の範囲内で、アーム要素２１４、２１５の旋回角度βを０°〜４０°の範囲内に調整することが可能であるように選択される。
【００８５】
調整ホイール２２２は、プラスチック材料からなり、中心回転トラニオンすなわち突起（ここでは不可視）により、基部２１６に設けられた孔２３１内に嵌められる。ここでは、調整ホイール２２２は、直径が４５ｍｍであり、調整ホイール２２２の外側には、調整ホイール２２２を回すことによって達成される調整程度（effect）を示すマーク２３２が設けられている。
【００８６】
ここに示した実施形態では、基部２１６はさらなるヒンジ接続部２３３によって保持部２３４に連結される。ここに示されているヒンジ接続部２３３は、図１３に示した旋回軸Ｙ０として構成される。基部２１６に関する保持部２３４の旋回移動は、左アーム要素２１４および右アーム要素２１５に関して本明細書において上述したのと同じように、係合部２３６により調整ホイール２２２と係合し、矢印記号２３７で示したように回転軸２２４に関して半径方向に移動可能である連結部材２３５によって行われる。保持部２３４は、中間構造（ここでは詳細には図示せず）によって呼吸マスク装置のマスク基部体に接続される。
【００８７】
左アーム要素２１４および右アーム要素２１５には、より詳細に以下に説明するように接触パッドが取り付けられ、この接触パッドによりアーム要素２１４、２１５がマスクの使用者の接触ゾーン２０７、２０８に押し当てられる。
【００８８】
同じくより詳細に以下に説明するように、アーム要素２１４、２１５は、好ましくは上方ヘッドバンド機構によりマスク使用者の前頭部領域へ引っ張ることができる。
【００８９】
図１５は調整ホイール２２２の回転軸２２４に関し半径方向に移動可能な連結部材２１８が、関連するアーム要素２１５とワンピースで形成される調整駆動具２１２のさらなる変形形態を示しており、この場合、フィルムヒンジ構造２３８により十分な旋回移動度が達成される。基部２１６もまた、アーム要素２１５とワンピースで形成され、図１４に示した実施形態と同様に、同じくフィルムヒンジの形態のヒンジ接続部２３０によりアーム要素２１５に連結される。フィルムヒンジ構造２３８およびヒンジ接続部２３０によって画定される、力が加えられる部分は、調整ホイール２２２によって調整され得る連結部材２１８の半径方向ストローク移動の結果として、アーム要素２１５の旋回角度βを十分に得ることが可能であるように互いに離間する。
【００９０】
調整ホイール２２２は基部２１６から直立した回転トラニオンすなわち突起２３９に回転可能に取り付けられる。調整ホイール２２２の下面（基部２１６に面している）は、上述の実施形態のように螺旋構造を有し、この螺旋構造は、連結部材２１８と一体化して設けられた係合部２２１と係合する。
【００９１】
図１６は、調整駆動具２１２の他の実施形態を記載している。この場合も同じく、調整駆動具２１２は、回転トラニオンすなわち突起２４０によって基部２１６に回転可能に連結された調整ホイール２２２を含む。調整ホイール２２２の下面（基部２１６のに面している）には螺旋構造２４１が設けられており、この螺旋構造２４１は、アーム要素２１４に設けられた係合部２１９’と直接係合する。アーム要素２１４は、この場合も同じくフィルムヒンジの形態のヒンジ接続部２２９によって基部２１６に旋回可能に移動できるように連結される。回転トラニオン２１４によって規定される、回転軸２２４を中心とした調整ホイール２２２の回転により、回転軸２２４からの係合部２１９’の種々の間隔を設定することができ、それにより、アーム要素２１４が基部２１６に関してそれぞれの所望の旋回位置に旋回可能となる。
【００９２】
図１７は、本発明による調整駆動具２１２の他の実施形態を示しており、ここでは、基部２１６およびアーム要素２１４はヒンジ具２４３によってともに連結される別個の部品の形態である。アーム要素２１４には、連結部材２１７が旋回可能に取り付けられるノブ２４４が設けられている。本明細書において上述した実施形態と同様に、連結部材２１７は、螺旋構造２２３により調整ホイール２２２と係合する係合部１９を有する。調整ホイール２２２の回転により、連結部材２１７は、半径方向に画定されるように変位されることができ、そのような変位の際、基部２１６に関して規定の角度位置に来るようにヒンジ具２４３を中心に旋回する。制動手段を設けることが可能であり、この制動手段によって、調整ホイール２２２が所望の回転位置に十分にしっかりと固定される。このような種類の制動具は、たとえば微細なラッチ用または移動止め用突起によって具現されることができ、これらの突起は、互いに相対して移動する構成要素の相対移動の過程でそれぞれ係合および係脱し、このような動きは、組み込まれた部品の固有の弾性によって可能となる。螺旋構造が実質的にオートロックであるように設計されることも可能である。
【００９３】
図１８は呼吸マスク装置２４４が内部に収容されている、本発明による装着具を示す。呼吸マスク装置２４４は、マスク基部体２４５と、マスク基部体２４５に連結されるシールリップ具２４６とを有する。シールリップ具２４６は、エラストマー材料、好ましくは全体が透明であるシリコーンゴムからできており、図１３に示すように、装着位置にてマスク使用者のシールリップ接触ゾーン２０１を密封接触させる。マスク基部体２４５として構成されるマスク内部への呼吸ガスの供給は、同じくエラストマー材料からできているとともにベローズ構造の形態の可撓性導管部２４７によって行われる。可撓性導管部には、内径が１２ｍｍ〜１５ｍｍの範囲である呼吸ホース接続部２４８が接続されている。呼吸ホース接続部２４８は、前頭部支持具の基部２１６に連結される。前頭部支持具２１６は調整ホイール２２２を含み、ここでは調整ホイール２２２は、可撓性導管部２４７または呼吸ホース様接続部２４８と基部２１６との間の中間領域に配置される。調整ホイール２２２は、マスクの使用者が親指と人差し指の指先で可撓性導管部２４７の周りを把持することによって回され得る。調整ホイール２２２を回転させることにより、アーム要素２１４および２１５が旋回軸Ｘ_nを中心に旋回することが可能となる。このようにして、マスク使用者の前頭部領域との接触が行われる前頭部パッド２４９が、基部２１６に関して調整可能に位置決めされることが可能となる。アーム要素２１５（２１４）にはアイ部２５０が設けられ、このアイ部２５０に上方ヘッドバンド機構２５１の一部が通される。
【００９４】
示された実施形態では、基部２１６は、ヒンジ接続部２３３によって保持部２３４に旋回可能に移動できるように接続される。保持部２３４は、フレーム状の構成であり、少なくとも側部領域においてマスク基部体２４５を取り囲んでいる。ヒンジ部２３４にもアイ部２５０が設けられ、このアイ部２５０に下方ヘッドバンド機構（図示せず）の一部が通され得る。アイ部２５２を含むか、またはアイ部２５２と組み合わせた設計構成の代替として、保持部２３４またはマスク基部体２４５をヘッドバンド機構に連結するための他の連結構造を設けることも可能である。
【００９５】
ヒンジ接続部２３３によって画定される旋回軸Ｙ０を中心とした基部体２１６の旋回移動は、この実施形態では、軸Ｘ１、Ｘ２を中心としたアーム要素２１４、２１５の旋回移動と同時に行われる。
【００９６】
呼吸ホース接続部２４８は、基部２１６に連結される。本実施形態では、連結は、調整ホイール２２２をガイドする保持足２５３によって行われる。保持足２５３は、基部２１６のプラグ接続部に嵌められ、保持具２５４が設けられており、この保持具２５４により、呼吸ホース接続部２４８に接続された呼吸ガス導管の端部がさらに固定される。マスク使用者の前頭部に押し当てられるよう意図された前頭部パッド２４９は、それぞれのアーム要素２１４、２１５に変位可能に取り付けられる。
【００９７】
図１９は、呼吸マスク用の装着具を示しており、左アーム要素２１４、右アーム要素２１５、および保持部２３４は、調整ホイール２２２によって作動可能である調整駆動具２１２によって決まったやり方で、軸Ｘ１、Ｘ２、およびＹ０を中心に傾斜可能である。これらの構成要素の傾斜移動は、いずれの場合も、それらの部品と関連した連結部材２１７、２１８、および２３５によって行われる。マスク使用者に対してのアーム要素２１４、２１５のための支持は、すでに図１８を参照して言及した前頭部パッド２４９によるものであり、この実施形態では、この前頭部パッド２４９は、それぞれのアーム要素２１４、２１５に設けられた挿入開口２５５に挿入され得る。
【００９８】
この場合、保持部２３４は、高強度のプラスチック材、好ましくはポリアミドからなり、フレーム状の構成である。保持部２３４は、２つの保持アーム２５６、２５７を含み、これらの保持アームにはそれぞれ、各アイ部２５２が設けられ、このアイ部に下方ベルト機構の端部が通され得る。
【００９９】
保持アーム２５６、２５７には係合構造２５８、２５９が設けられ、これらの係合機構によって、保持アームがマスク基部体と係合することができる。保持部２３４でのマスク基部体の固定はさらに、保持部２３４と一体形成された保持またはラッチ突起２６０により行われる。基部２１６の、保持部２３４から離れている側面には、押圧部２６１が設けられ、この押圧部２６１に呼吸ホース接続部が嵌まり得る。図１８において示したように、呼吸ホース接続部２４８は、呼吸ガスを、マスク基部体により画定されているマスク内部に通す役目を果たす。
【０１００】
図２０は、呼吸マスク装置２４４が設けられた装着具を示しており、本明細書で上述したのと同様に、この装着具は調整駆動具２１２を含み、調整駆動具２１２により、この調整駆動具２１２の基部２１６から両側に突設したアーム要素２１４、２１５が調整可能に旋回され得る。本明細書に上述した実施形態から逸脱した形態の場合、マスク基部体２４５は、アーム要素の調整移動（調整駆動具２１２によって生じる）とは別に、シールリップ具のゾーンの、マスク使用者の鼻梁に隣接している領域に概ね延びているとともに眉を結ぶ横線２０６にほぼ平行に延びた旋回軸Ｙ１を中心に傾斜可能である。保持部２３４に関するマスク基部体２４５の旋回位置は拘束具２６２によって固定され得る。呼吸ガス導管の接続のために設けられた呼吸ホース接続部２４８に対するマスク基部体２４５の十分な移動度が、図１８に示した実施形態でも同じく設けられている可撓性導管部２４７によって得られる。この実施形態では、マスク基部体は、エラストマー材料、好ましくはシリコーンゴムからなるシールリップ具２４６と一体化して形成されることが好ましい。この実施形態における呼吸ホース接続部２４８は、基部２１６にしっかりと連結され、硬質の熱可塑性材料からできている。
【０１０１】
アーム要素２１４、２１５にもまた、マスク使用者の前頭部表面に押し当てられるように設けられた前頭部パッド２４９’が取り付けられており、前頭部パッド２４９’は、それぞれのアーム要素２１５、２１４と一体形成されたトラニオンすなわち突起２６２に傾斜可能に架かっている。トラニオン２６２間にも同じく、上方バンド機構の端部を通すためのアイ部２５０が位置している。基部２１６が、保持部２３４から保持足２５３にかけて延びたアーム部２５３ａ上を変位可能にガイドされることが可能である。これにより、同様に、シールリップ具２４６からの前頭部支持具の垂直方向の間隔を様々に変えることが可能となる。
【０１０２】
図２１は、図１９および図２０に示した実施形態に関する例として用いることができる保持部２３４の他の実施形態を示す。保持部２３４にはマスク基部体（ここでは図示せず）の連結をなす連結構造が設けられ、この連結手段によって、マスク基部体が保持部２３４に種々の連結位置で連結され得る。
【０１０３】
図２２は、呼吸マスクの接続部２６４（この図に示されている）に呼吸ホース接続部２４８によって嵌められ得る前頭部支持具を示している。
【０１０４】
呼吸ホース接続部２４８は保持足２５３によって前頭部支持具の基部２１６に連結される。呼吸ホース接続部４８と基部２１６との間に配置されている調整ホイール２２２によって、連結部材２１７、２１８は調整ホイール２２２の回転軸２２４に関して半径方向に調整可能に移動することができる。アーム要素２１４、２１５は、連結部材２１７、２１８を適当に位置決めすることによって軸Ｘ１、Ｘ２を中心に区分的に旋回される。
【０１０５】
アーム要素２１４、２１５には前頭部接触パッド２４９が取り付けられており、この前頭部接触パッドにより、アーム要素２１４、２１５がマスク使用者の前頭部領域に支持される。アーム要素２１４、２１５の前頭部パッド２４９にはアイ部２５０が設けられており、このアイ部２５０に上方ベルト機構のそれぞれの端部が通され得る。
【０１０６】
図２３は、たとえば図３５に示した呼吸マスク２００とともに使用することができる前頭部支持具を示している。この前頭部支持具は、軟質材料、特にエラストマー材料からできている前頭部支持部２０１を含み、この前頭部支持部２０１は、ヘッドバンド機構の上方ヘッドバンド部（それぞれ図３７を参照）によってマスクコネクタの前頭部領域に装着され得る。この実施形態では、前頭部支持部２０１は、２つの舌部２０２を含み、この舌部にヘッドバンド機構の固定バンド部が通され得る。前頭部支持部２０１には連結構造２０３が取り付けられており、この連結構造２０３により、前頭部支持部の下方支持面２０５の前面の連結構造の幾何学的形状により画定される間隔で導管接続要素２０４が支持される。この実施形態では、導管接続要素も同じくエラストマー材料から形成され、この導管接続要素は２つの接合開口２０６、２０７を有し、これらの開口によって、導管接続要素２０４が連結構造２０３の２つの肢部２０８、２０９に十分にしっかり嵌められ得る。
【０１０７】
導管接続要素２０４および連結構造２０３は、導管接続要素２０４が前頭部支持部２０１に対して無段で軸Ｘ１（図２３に示されている）の方向に位置決めされることができるような構成であることができる。前頭部支持部２０１に対する導管接続要素２０４の位置に関するさらなる調整オプションも、前頭部支持部２０１に連結構造２０３を連結する種々の可能な方法を提供されることによって具現され得る。ここに示した実施形態では、ここでは前頭部支持部２０１内を一対となって通っている長手方向肢２０８、２１０が、前頭部支持部２０１において変位可能に支持されることが可能である。長手方向肢２０９、２１０の寸法、および長手方向肢を通すために前頭部支持部に設けられる通路は、所望の相対位置に連結構造２０３を十分に摩擦固定することを保証するように確立されることが好ましい。
【０１０８】
連結構造２０３は、呼吸マスクの接続管部（それぞれ図３５を参照）が連結構造２０３に嵌まることができるようなサイズである貫通通路２１２を形成する。通路２１２はさらに、呼吸ガスホースが、洗浄用弁装置によって、呼吸マスクから離れた側の内部に嵌まることができるような寸法である。
【０１０９】
マスクの使用者の個々の顔構造に応じて必要とされる、前頭部支持部２０１の支持面２０５と連結構造２０３との間隔は、種々の連結構造２０３を備えることによるか、あるいは塑性変形（たとえば連結構造２０３を曲げることによる）によって調整することができる。
【０１１０】
図２４は、前頭部支持具の他の実施形態を示している。この前頭部支持具も同じく、十分に弾性変形可能な材料、好ましくはシリコーンゴムからできている前頭部支持部２０１を含む。導管路要素２０４ａは、調整具２１４によって前頭部支持部２０１において変位可能に支持される。導管路要素２０４ａは、図２３を参照して呼吸ガス導管とのマスクの側部の接続部の連結を可能にする接続要素として本明細書に上述したものと同様の構成とすることができる。この代替として、導管路要素２０４ａが、呼吸導管部を単に取り囲み、その際に、高さに関して前頭部支持部２０１まで調整可能に呼吸導管部を連結するような設計構成とすることも可能である。
【０１１１】
この実施形態では、調整具２１４は２つの調整駆動具２１５を含み、この調整駆動具によって、前頭部支持部２０１の支持面２０５に対する導管路要素２０４ａの中心軸Ｚの間隔が無段階に調整可能となる。この実施形態では、調整駆動具２１５、２１６には、外周面に設けられた刻みによって相互に回転可能な、内周面に雌ねじが設けられたスリーブである、雌ねじ付きスリーブが設けられる。この内周面に雌ねじ付きスリーブは、調整ねじ２１７、２１８のねじ山部（図示せず）と係合し、それにより、それぞれの内周面に雌ねじが設けられたスリーブの手動による回転により、内周面に雌ねじが設けられたスリーブとそれに係合した調整ねじとによって形成されたストラットの有効長さを無段で調整できるようにする。導管接続要素２０４ａの間隔も同じく、マスクの使用者がこれらのストラットの有効長さを変えることによって個々に調整することができる。
【０１１２】
前頭部支持部をヘッドバンド機構に連結するための連結手段も、また前頭部支持部２０１に設けられる。この実施形態では、これらの連結手段はループ要素２２０、２２１によって可能である。
【０１１３】
図２５から分かるように、前頭部支持部２０１には支持位置２２２、２２３が設けられており、これらの支持位置には片側にそれぞれ、２つの調整駆動具２１５、２１６がアンカー固定されている。導管路要素２０４ａにも同じく支持位置２２４が設けられており、この位置において、調整ねじ２１７、２１８の端部が実質的に回転不能にアンカー固定されている。
【０１１４】
ここでのこの構成は、導管路要素２０４ａをそれぞれの支持位置２２２、２２３に連結する構造の動作長さが、２つの調整駆動具２１５、２１６の作動によって無段で可変であるようなものである。内周面に雌ねじが設けられたスリーブ（図２５に示され、外周に刻み付けられている）の回転（図２４の矢印記号を参照）により、前頭部支持部２０１に対する導管路要素２０４ａの位置を軸Ｘ、Ｙ（図２５に示されている）の方向のいずれにも調整することが可能である。導管路要素２０４ａが長軸Ｚに関してわずかに旋回することもさらに可能である。
【０１１５】
図２６は、図２４および図２５の実施形態において実施された、前頭部支持部２０１を上方ヘッドバンドに連結する連結構造を示す詳細な形態である。ループ要素２２０は、前頭部支持部２０１のそのようなヘッドバンド連結構造の領域にアンカー固定される。前頭部支持部２０１には舌２２７が設けられており、この舌２２７は端が薄くなっており、前頭部支持部の装着位置においてループ要素２２０とマスクの使用者の前頭部との間に延び、そのような状態で、ループ要素２２０の周りに沿ったヘッドバンドの領域のクッションとなり、前頭部支持部２０１により生じる表面積に対する圧力の緩やかな低下を促す。
【０１１６】
図２７は、図２４および図２５の実施形態に用いることができる調整駆動具２１５の好ましい実施形態を示している。調整駆動具２１５は外周に刻み２３０が付けられているとともに、雌ねじ構造をした内穴を有するスリーブ２３１を有する。スリーブ２３１は、ここでは球状構成をし、シート要素に回転可能に嵌まることができるピボット部２３２を含む。ピボット部２３２は、ピボット部２３２が十分な角度領域にわたって確実に回転可能かつ傾斜可能であるようにばねリング２３４によってシート要素２３３に固定され得るが、軸方向に固定されるようにシート要素２３３にアンカー固定される。調整ねじ２１７のねじ山部２３５は、組み立てられた状態でスリーブ２３０と螺合する。調整ねじ２１７には、同じくシート要素２３７に嵌まることができる固定ヘッド２３６が設けられている。シート要素２３７との固定ヘッド２３５の連結は、スリーブの側部に設けられたピボット部２３２にシート要素を連結する方法から逸脱して、調整ねじ２１７がシート要素２３７に実質的に回転不能に固定されるように実施される。
【０１１７】
図２７に示した調整駆動具２１５は、２つのシート要素２３３、２３７の間隔がスリーブ２３１の個々の回転によって無段で調整されることを可能にする。
【０１１８】
図２４および図２５の実施形態において設けられた導管路要素２０４ａはまた、呼吸ガス導管の一部をなす構成であるようなものとすることができる。導管路要素２０４ａについてのこのような構成は、図２８に示す。導管路要素２０４ａは、調整駆動具、およびこの実施形態において設けられる可撓性ホース導管部２３９と協働する支持部２３８を含む。ホース導管部２３９には押し込みスリーブが設けられており、この押し込みスリーブによって、さらなるホース導管が回転可能に接続され得る。
【０１１９】
図２９は、マスクの使用者の前頭部に押し当てられる前頭部支持面２０５の領域における前頭部支持部２０１の好ましい実施形態の詳細な図を示す。前頭部支持部２０１には空洞２４０が設けられており、この空洞２４０は、接触面２０５の領域に面圧の特に均一な分布をもたらすことができる。
【０１２０】
図３０は、導管接続要素２０４または導管路要素２０４ａを、呼吸マスク２００に設けられた接続部２００ａをさらなる呼吸ガス導管部材２００ｂに連結するために用いることができる方法を示す、簡略化した断面の形態の図である。この実施形態では、呼吸ガス導管部材２００ｂは、ドイツ特許出願ＤＥ１９８．．．に特に記載されているような洗浄用弁の一部をなす。呼吸マスク２００にはループ部２００ｃが設けられ、このループ部２００ｃによって、呼吸マスク２００は、下方ヘッドバンド機構によってマスクの使用者の鼻の領域に固定され得る。
【０１２１】
図３１は、図２３を参照して本明細書においてすでに上述した実施形態にほとんどの点で共通する前頭部支持具を示す。導管接続要素２０４（および２０４ａ）は、ループ要素２４３によって前頭部支持部２０１に連結される。前頭部支持部の下面（接触面２０５）に対する導管接続要素２０４の中心軸Ｚの間隔の調整は、この場合、ループ要素２４３が適切に選択された孔２４４に嵌まることができるという点で達成される。前頭部支持部にループ要素２４３をアンカー固定するためにどの孔２４４を選択するかに応じて、接触面２０５に対する中心軸Ｚの種々の間隔が可能となる。前頭部支持部２０１は、固定ストラップ２４５によって上方ヘッドバンド機構２４６に固定され得る。この実施形態では上方ヘッドバンド機構２４６はバンド部２４７含み、このバンド部２４７は、前頭部支持部２０１の下側にある２つの固定ストラップ２４５間に延び、この場合マスク使用者の前頭部に対する前頭部支持部のさらなるクッションとなる。
【０１２２】
図３２は、前頭部に呼吸マスク装置を支持する前頭部支持具を示しており、この前頭部支持具はまた、支持する高さを無段で調整することを可能にする。この実施形態では、呼吸マスクの接続部に嵌めることができる導管接続要素２０４が、連結構造２０３に旋回可能に連結される。この実施形態では、連結構造２０３は、図３３に例として示すように、曲げワイヤ部材の形態である。連結構造２０３は調整駆動具２１５とともに、Ｋ１で略図で示したストラット三角形を形成する。この場合、ストラットＳ１は連結構造２０３によって形成され、ストラットＳ２は導管接続要素２０４によって形成され、ストラット３は調整駆動具２１５によって形成される。調整駆動具２１５の好ましい構造は、図３４に示される。図３４の調整駆動具は、旋回可能であるが回転不能に連結構造２０３に、図３２に見られるようなピボットヘッド２５１によって連結されるねじ山スピンドル２５０有する。ねじ山スピンドル２５０は、内周面に雌ねじを設けられたスリーブ２３１と係合し、このスリーブ２３１は、シート要素２３３によって、導管接続要素２０４の半径方向突起部２５２に回転可能にアンカー固定される。スリーブ２３１の回転により、ピボットヘッド２５１とシート要素２３３との間の有効な間隔を変えることが可能となり、したがって導管接続要素２０４に対して連結構造２０３を旋回させることが可能となる。このようにして、導管接続要素２０４に接続された呼吸マスクに対する下方肢２０３ａの種々の相対位置、したがって種々の前頭部間隔を実施することが可能である。
【０１２３】
図３５は、呼吸マスク２００とこれに連結される前頭部支持具とを備える呼吸マスク装置を示す。前頭部支持具は、ここではエラストマー材料からできている弾性変形可能な導管部２６０を含む。呼吸ガス導管部２６０は、調整駆動具２１５によって調整可能に湾曲し得る。この実施形態では、調整駆動具は、内周面に雌ねじが設けられたスリーブ２３１（ねじ山スピンドル２５０と係合する）を有するねじ具を含む。スリーブ２３０の回転により、Ｅ１点とＥ２点との間隔を変えることが可能となる。このような間隔の変更時に、この図に見られる連結構造２０３は弾性変形される。連結構造２０３の変形特性は、連結構造２０３のクッション材２６１が常に呼吸マスク２００に対し好ましい向きをとるように選択される。調整駆動具２１５、呼吸ガス導管部２６０、および旋回ループ要素２６２は、ストラット三角形を形成し、このストラット三角形の基部構造は、図３２ないし図３４を参照して本明細書で上述したストラット三角形およびその三角形に含まれる略図Ｋ１にほぼ相当する。
【０１２４】
クッション材２６１は、該クッション材の位置が軸Ｚ２（図３５に示されている）の方向に調整可能に可変であるように、連結構造２０３に着脱自在に連結される。
【０１２５】
図３６は、呼吸マスク２００に嵌めることができる導管路要素２０４ａを有する前頭部支持具を示している。このような導管路要素２０４ａには、管スリーブ要素２７０を回転可能かつ旋回可能に取り付けることができるようにする玉継手トラニオンが設けられている。ここにおける管スリーブ要素２７０は、管スリーブ要素２７０が導管路要素２０４ａのトラニオン部に、実質的にシール関係であるがトラニオン部上で十分容易に可動であるように保持されるような構成の球状部２７１を含む。管スリーブ要素２７０には、連結構造２０３と螺合する雄ねじ山部２７２が設けられている。連結構造２０３は、好ましくはクッション付き上方ヘッドバンド機構２４６に連結され得る肢部２０３ａを含む。中心軸Ｚを中心とした管スリーブ要素２７０の回転により、雄ねじ部２７２と連結構造２０３との螺合によって、Ｅ１点とＥ２点との間隔を無段で変えることが可能である。調整ループ要素２６２は、Ｅ１点、Ｅ２点の領域においてそれぞれ連結構造２０３および導管路要素２０４に旋回可能に連結される。この実施形態では、管スリーブ要素２７０は連結構造２０３と接合して、図３６に示されている略図Ｋ２のストラットＳ１を形成する。一部が呼吸マスクに直接嵌まることができる導管路要素２０４ａは、ストラットＳ２を形成し、この三角形において、旋回ループ要素２６２がストラットＳ３を形成する。ストラットＳ１の動作長さを変えることによって、管スリーブ要素２７０および該管スリーブ要素２７０と接合する連結構造２０３が、図３６に示されている軸Ｙを中心として無段で旋回することが可能である。
【０１２６】
図３５および図３６を参照して本明細書において上述した前頭部支持具は、呼吸マスクの支持が、使用者の鼻梁に係止する領域にて個々の顔構造にマスクが無段適合することを可能にさせる。鼻梁領域の面圧は、本明細書において上述した特に２つの実施形態において変更することができ、これに関して、前頭部支持具によりもたらされる、呼吸ガス導管側の接触部の特定の変化を伴うことがない。
【０１２７】
図３７は、呼吸マスクの快適な装着のための、上述した前頭部支持具および呼吸マスク装置とともに使用することができる前頭部装置を示している。
【０１２８】
使用者の顔に対する呼吸マスクの圧力は、上方ヘッドバンド機構２４６および下方ヘッドバンド機構２７５により適切な保持力を加えることによりもたらされ得る。下方ヘッドバンド機構２７５を省くこと、特に、図３７に示されているループ要素２４６により上唇の領域に面圧を発生させるのに必要とされるトルクを伝達することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【０１２９】
【図１】本発明による呼吸マスク装置の斜視図を示す。
【図２】ホース接続スリーブのない、本発明による呼吸マスク装置のさらなる斜視図を示す。
【図３】先に示した呼吸マスク装置の装着構造の斜視図を示す。
【図４】ドッキングポートが接続された装着構造の斜視図を示す。
【図５】キャリア部およびフレーム部から形成される一体部材の斜視図を示す。
【図６】ドッキングポートを連結するために設けられるラッチ具を説明するための、図５に示す一体部材のさらなる斜視図を示す。
【図７】本発明による呼吸マスク装置の側面図を示す。
【図８】２つの旋回可能に取り付けられたパッド状の接触要素を有する前頭部支持具、および指標として呼吸マスクの簡略斜視図を示す。
【図９】旋回可能に取り付けられた接触要素の好ましい実施形態を示す簡略断面図を示す。
【図１０】互いに一体的に形成され、それぞれに旋回可能な取り付け手段が個別に設けられている、２つの接触要素の平面図を示す。
【図１１】接触要素を旋回可能に取り付けるための凹曲接触面および部分球状部を有する、接触要素のさらなる実施形態を示す。
【図１２】接触要素の中心領域から接触要素の縁領域に向かって変化する、接触要素の中心領域からの表面圧の好ましい分布を説明するためのスケッチを示す。
【図１３】アーム要素の旋回可能な取り付けに関して重要である、前頭部支持具の好ましい接触ゾーンおよび旋回軸の好ましい向きを説明するための、人物の顔領域の正面図を示す。
【図１４】アーム要素を調整可能に旋回させるための調整駆動具を説明するための斜視図である。
【図１５】フィルムヒンジ構造を備える調整駆動具の変形形態の構造を説明するための詳細図を示す。
【図１６】同様にフィルムヒンジと、調整ホイールの下面に設けられ、かつアーム要素の係合部と直接係合している螺旋溝領域とを有する調整駆動具の実施形態を説明するための、さらなる詳細図を示す。
【図１７】ピボットピンゾーンにより旋回可能に取り付けられるアーム要素を有する調整駆動具のさらなる実施形態の簡略断面図を示す。
【図１８】呼吸マスク装置が設けられた装着具の簡略側面図を示す。
【図１９】呼吸マスクの装着のための一体的な前頭部支持具を有する装着具の簡略斜視図を示す。
【図２０】呼吸マスク装置が旋回可能に移動できるように収容された呼吸マスク装着具の側面図を示す。
【図２１】呼吸マスク装置に連結するために設けられた装着具のキャリア部の詳細図を示す。
【図２２】たとえば呼吸マスクの呼吸ガス導管部に嵌められ得るような、呼吸マスク装置の装着具の斜視図を示す。
【図２３】ヘッドバンド部と、導管部を支持するためにヘッドバンド部に接続される連結構造とを有する、前頭部支持具の斜視図である。
【図２４】前頭部の間隔および導管部の横方向の位置を調整するための調整機構を有する、前頭部支持具のさらなる実施形態の斜視図を示す。
【図２５】同じくその正面図を示す。
【図２６】末端が平坦であるループ支持体を有する前頭部接触部の端部領域の詳細図を示す。
【図２７】たとえば図２４および図２５に示す実施形態で用いられ得るような調整駆動具のねじ山スピンドルの変形形態を示すための部分線図を示す。
【図２８】前頭部支持具で支持され得る一体マスク接続ソケットを有する、エラストマー材料からできた導管部を示す略図である。
【図２９】細孔または空洞によるクッション付き構造である前頭部支持の変形形態を示す断面図を示す。
【図３０】前頭部支持体の、呼吸マスクの接続部と導管部（ここでは、洗浄用アダプタ、ＡＥＲＯＣＬＩＣＫのマスク側ソケット（MAP Medizin-Technologie GmbHの登録商標）、Ｗｉｓｐｅｒ−Ｓｗｉｖｅｌ（Respironics））との間の領域に形成された接続領域の断面図である。
【図３１】前頭部支持具の本発明によるさらなる変形形態を示す略図である。
【図３２】前頭部支持体が調整可能に軸支された、接続アダプタの実施形態を示す。
【図３３】図３２の前頭部支持体の湾曲ワイヤの変形形態を示す。
【図３４】図３２の調整具のねじ山スリーブ／スピンドルの変形形態を示す。
【図３５】曲率が無段可変である管部を有する呼吸マスク装置と管部に連結された前頭部支持具との実施形態を示す。
【図３６】可変曲率導管部のさらなる変形形態の側面図を示す。
【図３７】特に上述の前頭部支持具とともに用いるためのヘッドバンド機構の斜視図を示す。

Claims (44)

1. 弓状体と、
   マスク使用者の顔面に押し当てられるシールリップ手段と、
   前記弓状体に備えられ、呼吸用ガスをマスクの使用者の鼻孔および／または口と連通するマスクの内部空間に供給する呼吸ガス導管手段と、
   前記シールリップ手段を前記弓状体に接合して装着させる装着構造とを備え、
   該装着構造は呼吸ガス導管部材が着脱自在に連結されるキャリア部を有することを特徴とする呼吸マスク装置。
2. 前記呼吸ガス導管部材は管接続部の形態であることを特徴とする請求項１に記載の呼吸マスク装置。
3. 前記装着構造はフレーム部を含むことを特徴とする請求項１または請求項２に記載の呼吸マスク装置。
4. 前記フレーム部は前記キャリア部と一体化して形成されることを特徴とする請求項１ないし３の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
5. 前記キャリア部は挿入開口を有し、前記呼吸ガス導管部材は前記挿入開口に着脱自在に挿入され得ることを特徴とする請求項１ないし４の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
6. 前記呼吸ガス導管部材を前記キャリア部に固定するラッチ具が設けられることを特徴とする請求項１ないし５の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
7. 前記ラッチ具はバヨネットまたは回転ラッチ具の形態であることを特徴とする請求項１ないし６の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
8. 前記キャリア部は、前記フレーム部に関してほぼ横方向に向いていることを特徴とする請求項１ないし７の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
9. 前記弓状体は前記呼吸ガス導管部材に密封連結されることを特徴とする請求項１ないし８の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
10. 前記弓状体はエラストマー材料からできることを特徴とする請求項１ないし９の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
11. 前記弓状体は前記シールリップ手段と一体化して形成されることを特徴とする請求項１ないし１０の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
12. 前記弓状体にはＣＯ₂を装填した呼吸ガスの排出用の開口が設けられることを特徴とする請求項１ないし１１の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
13. 前記装着構造は前頭部領域で該装置を支持するための前頭部支持具を含むことを特徴とする請求項１ないし１２の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
14. ピボット具が設けられ、前記前頭部支持具は前記フレーム部（３）に旋回可能に移動できるように連結されることを特徴とする請求項１ないし１３の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
15. 前記ピボット具は弓状トラックガイド手段を含み、前記前頭部支持具はガイド部を有することを特徴とする請求項１ないし１４の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置。
16. 弓状体と、
    マスク使用者の顔面に押し当てられるシールリップ手段と、
    前記弓状体に備えられ、呼吸用ガスをマスクの使用者の鼻孔および／または口と連通するマスクの内部空間に供給する呼吸ガス導管手段と、
    前記シールリップ手段を前記弓状体に接合して装着させる装着構造とを備え、
    前記弓状体および前記シールリップ手段は、エラストマー材料から一体化して製造され、着脱自在に固定可能なユニットとして前記装着構造に挿入され得ることを特徴とする呼吸マスク装置。
17. フレーム部（３）と、該フレーム部（３）に着脱自在に連結可能な前頭部支持具（１０）と、前記シールリップ手段（１）および前記弓状体（２）からなる一体部材とから、モジュール様式で組み立てられ得ることを特徴とする請求項１６に記載の呼吸マスク装置。
18. 装着位置でマスクの使用者の前頭部領域に接触するように設けられる接触要素を備える、呼吸マスク用の前頭部支持具であって、前記接触要素を傾斜可能に移動できるように保持する保持具を備えることを特徴とする前頭部支持具。
19. 前記ホルダはピボットホルダの形態であることを特徴とする請求項１８に記載の前頭部支持具。
20. 前記ホルダはピボット具を含むことを特徴とする請求項１８または請求項１９に記載の前頭部支持具。
21. 前記ピボット具はエラストマー構造で形成されることを特徴とする請求項１８ないし２０の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
22. 前記ピボット具は玉継手具の形態であることを特徴とする請求項１８ないし２１の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
23. 前記接触要素はエラストマー材料から形成されることを特徴とする請求項１８ないし２２の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
24. 前記接触要素はパッド状の構成であることを特徴とする請求項１８ないし２３の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
25. 前記接触要素は凹状に内側に湾曲した接触面を形成し、その曲率が表面圧に関して規定された分布をもたらすように適合されることを特徴とする請求項１８ないし２４の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
26. ２つの接触要素が設けられることを特徴とする請求項１８ないし２５の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
27. 前記２つの接触要素はともに接続される請求項１８ないし２６の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
28. 前記接触要素は互いに一体的に形成されることを特徴とする請求項１８ないし２７の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
29. 前記ピボット具は前記接触要素と一体的に形成されることを特徴とする請求項１８ないし２８の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
30. 前記ピボット具は対応する前記接触要素の表面圧に関して、中心点を通って延びる、力の作用線上、または該作用線付近にあるような構成および配置であることを特徴とする請求項１８ないし２９の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
31. 前記接触面は患者の前頭部の表面に対する吸い付きを防止するような外形であることを特徴とする、請求項１８ないし３０の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
32. 前記接触要素には孔または通路が設けられることを特徴とする請求項１８ないし３１の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
33. マスクの使用者の皮膚表面と接触する前記接触要素の少なくとも表面部は、ビロードのような艶消し面を有することを特徴とする請求項１８ないし３２の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
34. 該前頭部支持具の連結に関して複数の連結オプションが備えられ、選択的な連結、特に差し込み式の接続により、種々の前頭部間隔が調整され得ることを特徴とする請求項１８ないし３３の少なくとも１項に記載の前頭部支持具。
35. 前頭部支持具を有する呼吸マスク装置（４５）用の装着具であって、前記前頭部支持具は、右アーム要素（１４）および左アーム要素（１５）を有し、該アーム要素（１４、１５）には、マスク使用者の左前頭部ゾーンおよび右前頭部ゾーンそれぞれに押し当てられる接触部が設けられ、前記アーム要素（１４、１５）はそれぞれ、旋回軸（Ｘ１、Ｘ２、Ｙ）を中心に旋回可能に移動できることを特徴とする装着具。
36. 所定の旋回位置に前記アーム要素（１４、１５）の向きをそらすための調整駆動具（１２）が設けられることを特徴とする請求項３５に記載の装着具。
37. 前記アーム要素（１４、１５）のそれぞれの前記旋回軸（Ｘ１、Ｘ１’、Ｘ２、Ｘ２’）は、正面では、眉を結ぶ横線（６）に関して横切るように、特にほぼ垂直に延びるように向けられることを特徴とする請求項３５または請求項３６に記載の装着具。
38. 前記旋回軸（Ｘ１、Ｘ１’、Ｘ２、Ｘ２’）は、前記横線（６）の高さで互いに離間していることを特徴とする請求項３５ないし３７の少なくとも１項に記載の呼吸マスク装置用の装着具。
39. 前記旋回軸（Ｘ１’、Ｘ２’）は、角度αで互いに関して傾斜していることを特徴とする請求項３５ないし３８の少なくとも１項に記載の装着具。
40. 前記旋回軸は、マスク正面において、前記横線（６）とマスク使用者の顎領域（１１）との間の領域と交わることを特徴とする請求項３５ないし３９のいずれか１項に記載の装着具。
41. 前記旋回軸（Ｘ１、Ｘ１’、Ｘ２、Ｘ２’、Ｙ０）はヒンジ具を備えることを特徴とする請求項３５ないし４０の少なくとも１項に記載の装着具。
42. 前記ヒンジ具はフィルムヒンジ構造で形成されることを特徴とする請求項３５ないし４１の少なくとも１項に記載の装着具。
43. 前記調整駆動具（１２）は螺旋またはねじ山構造（２３）により連結部材（１７、１８）と係合する調整ホイール（２２）を有することを特徴とする請求項３５ないし４２の少なくとも１項に記載の装着具。
44. 前頭部支持具を備える呼吸マスク装置用の装着具であって、前記前頭部支持具は右アーム要素（１４）および左アーム要素（１５）を有し、２つの該アーム要素（１４、１５）は旋回軸により旋回可能に移動できるように配置され、該旋回軸は装着位置においてマスク使用者の眉（５）を結ぶ横線（６）にほぼ平行に延び、前記旋回軸を中心に移動可能な該装着具の部材の旋回位置を確定するための調整駆動具（１２）が設けられることを特徴とする装着具。

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