JP2005335238A5 - - Google Patents

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記録装置、及び、記録装置のメンテナンス方法、記録装置のメンテナンスプログラム
本発明は、記録装置、及び、記録装置のメンテナンス方法、記録装置のメンテナンスプログラムの技術分野に係り、特に、インクジェット式の記録装置が備える記録ヘッドの自動メンテナンス動作の制御の技術分野に属する。
従来から、用紙等の被記録媒体上にインクを選択的に吐出して画像を記録する記録ヘッドを備えたインクジェットプリンタが多々実現されている。このようなインクジェットプリンタにおいては記録ヘッドのインク吐出口が非常に小さいため、記録をしない期間が長くなると、インクの水分の蒸発によりインクが高粘性化してインク流路の詰まり等が生じたり、インクが固化してインク吐出口に詰まったりすることがある。このような場合、被記録媒体上に画像を記録しようとしても記録のかすれや白スジ等が発生し、記録品質が劣化する。かかる記録品質の劣化を事前に回避するために、所定の時間間隔毎に記録ヘッドに対して自動的にメンテナンス動作を実行する技術が案出されている(特許文献1)。
しかし、これらのメンテナンス動作ではある程度の量のインクを廃棄することとなるので、利用者からしてみればこの廃棄インク量を極力減らしたいはずであり、またそのような要望は大きい。特に、ごく稀にしか被記録媒体上に記録をしない利用者にとっては切実な問題である。即ち、所定の時間間隔毎に自動的にメンテナンス動作が実行されることで廃棄されるインク量が、記録に使用されるインク量に比して無視し得ない程多くなってしまい、ほとんど記録をしていないのに、いつの間にかインクが無くなってしまうという事態が生じる虞れがあるからである。
そこで、このような自動メンテナンス動作の実行又は禁止を利用者に選択させるようにした技術も案出されている(特許文献2)。
特開平7−68795号公報、図3参照 特開2003−182052号公報、図11参照
しかしながら、特許文献2に記載のインクジェット式記録装置では、単に自動メンテナンス動作の実行又は禁止を利用者に選択させているだけなので、利用者により一度自動メンテナンス動作の禁止設定がなされるとその設定が解除されるまで自動メンテナンス動作は実行されない。この場合、利用者の知らない間にインクがなくなってしまうという問題点は解決されるものの、上述した通り、インク吐出口が詰まってしまうという問題は解決されない。
そこで本発明は、上記問題点を解決するために、インクジェットプリンタの記録状況に基づいて自動メンテナンス処理の動作間隔を自動的に可変とすることで、自動メンテナンス処理の動作時に廃棄されるインク量を容易に低減するとともに、できるだけインク吐出口の詰まりも抑制することのできる記録装置、記録装置のメンテナンス方法、及び記録装置のメンテナンスプログラムを提供することを目的としている。
以下、本発明について上記課題を解決するための手段を説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
上記課題を解決するために、請求項1にかかる記録装置は、少なくとも一つのノズル口(21a〜24a)等のインク吐出口からインクを選択的に吐出することにより記録紙(P)等の被記録媒体上に情報を記録する記録ヘッド(21〜24)等の記録ヘッドと、記録ヘッドに対して自動的に吐出能回復処理を行う回復機構(17)等の自動回復手段とを備えるインクジェットプリンタ(1)等のインクジェット式の記録装置において、記録装置の記録状況を検出するCPU(41)等の記録状況検出手段と、記録状況検出手段によって検出された記録状況に基づいて、自動回復手段による自動回復処理動作間隔を制御するCPU(41)等の制御手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、記録状況検出手段は記録装置の記録状況を検出し、検出された記録状況に基づいて自動回復手段による自動回復処理動作間隔を制御する。従って、記録状況に基づいて自動回復処理動作間隔を決定するので、ユーザの使用形態に適合させて自動回復処理動作間隔が設定される。不必要な自動回復処理を省くことができ、廃棄されるインク量を少なくすることができ、装置のランニングコストを低減することができる。また、記録ヘッドを使用可能な状態に維持することができるので、装置の信頼性向上に寄与する。
請求項2にかかる記録装置は、請求項1に記載された記録装置において、前回の記録動作からの経過時間を計時する記録タイマ(60)等の計時手段を更に備え、計時手段により計時された経過時間に基づいて、制御手段は自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、計時手段は前回の記録動作からの経過時間を計測し、計時された経過時間に基づいて制御手段は自動回復処理動作間隔を制御する。従って、経過時間に基づいて適切な自動回復処理動作間隔を決定することができる。記録ヘッドを使用可能な状態に維持することができるので、装置の信頼性向上に寄与する。
請求項3にかかる記録装置は、請求項2に記載された記録装置において、経過時間が3ヶ月等の第1の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作の禁止を設定することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、経過時間が第1の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作を禁止する。従って、第1の所定時間よりも長期間記録されないとき、自動回復処理動作が禁止され、廃棄されるインク量をなくすことができる。
請求項4にかかる記録装置は、請求項2又は請求項3に記載された記録装置において、経過時間が第1の所定時間以内で、且つ20日等の第2の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも長い第2の間隔に設定することを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、経過時間が第1の所定時間よりも短く第2の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも長い第2の間隔に設定する。従って、経過時間に基づいて自動回復処理動作間隔を長い周期に設定するので、不必要な自動回復処理を省くことができ、廃棄されるインク量を少なくすることができる。
請求項5にかかる記録装置は、請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載された記録装置において、経過時間が第2の所定時間以内であるとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、経過時間が第2の所定時間以内であるとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定する。従って、経過時間に基づいて自動回復処理動作間隔を第3の間隔に設定するので、自動回復処理を短い周期で実行し、記録ヘッドを使用可能な状態に維持することができる。
請求項6にかかる記録装置は、請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載された記録装置において、前回の自動回復処理動作以後に記録された被記録媒体の記録枚数をカウントする枚数カウンタ(61)等の記録枚数カウント手段を更に備え、記録枚数カウント手段によりカウントされた記録枚数に基づいて、制御手段は自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、記録枚数カウント手段は前回の自動回復処理動作以後に記録された記録枚数をカウントし、制御手段はカウントされた記録枚数に基づいて自動回復処理動作間隔を制御する。従って、記録枚数に基づいて適切な自動回復処理動作間隔を決定することができる。
請求項7にかかる記録装置は、請求項6に記載された記録装置において、記録枚数カウント手段によりカウントされた記録枚数が所定枚数よりも多いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定することを特徴とする。
請求項7に係る発明によれば、記録枚数カウント手段によりカウントされた記録枚数が所定枚数よりも多いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定する。従って、記録枚数に基づいて自動回復処理動作間隔を第3の間隔に設定するので、自動回復処理を短い周期で実行し、記録ヘッドを使用可能な状態に維持することができる。
請求項8にかかる記録装置は、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載された記録装置において、被記録媒体に対する記録比率を検出するドットカウンタ(62)等の記録比率検出手段を更に備え、記録比率検生手段により検出された記録比率に基づいて、制御手段は自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする。
請求項8に係る発明によれば、記録比率検出手段は被記録媒体に対する記録比率を検出し、制御手段は検出された記録比率に基づいて自動回復処理動作間隔を制御する。従って、記録比率に基づいて適切な自動回復処理動作間隔を決定することができる。
請求項9にかかる記録装置は、請求項8に記載された記録装置において、記録比率検出手段により検出された記録比率が所定比率よりも多いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定することを特徴とする。
請求項9に係る発明によれば、検出された記録比率が所定比率よりも多いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第3の間隔に設定する。従って、記録比率に基づいて自動回復処理動作間隔を第3の間隔に設定するので、自動回復処理を短い周期で実行し、記録ヘッドを使用可能な状態に維持することができる。
請求項10にかかる記録装置は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載された記録装置において、前回の自動回復処理動作以後に記録ヘッドが記録する情報を、主に文字データによって構成される第1の情報と主に文字データ以外のデータによって構成される第2の情報とに分類し、各々の情報の数をカウントする情報カウンタ(65)等の情報カウント手段を更に備え、情報カウント手段がカウントした第1の情報の数と第2の情報の
数に基づいて、制御手段は自動回復処理動作間隔の制御を第1の情報用の制御と第2の情報用の制御とに切り替えることを特徴とする。
請求項10に係る発明によれば、情報カウント手段が前回の自動回復処理動作以後に記録ヘッドが記録する情報を第1の情報と第2の情報とに分類して各々の情報の数をカウントし、制御手段はカウントされた第1の情報の数と第2の情報の数に基づいて自動回復処理動作間隔を第1の情報用の制御と第2の情報用の制御とに切り替える。従って、第1の情報の数と第2の情報の数に基づいて自動回復処理動作間隔が制御されるので、適切な自動回復処理動作間隔を決定することができる。
請求項11にかかる記録装置は、請求項10に記載された記録装置において、制御手段が第2の情報用の自動回復処理動作間隔の制御を実行するとき、記録状況検出手段が備える記録タイマ(60)等の計時手段により計時された前回の記録動作からの経過時間に基づいて、制御手段は自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする。
請求項11に係る発明によれば、計時手段は前回の記録動作からの経過時間を計時し、制御手段が第2の情報用の自動回復処理動作間隔の制御を実行するとき、計時された経過時間に基づいて制御手段は自動回復処理動作間隔を制御する。従って、第2の情報用の自動回復処理動作間隔の制御を実行するとき、経過時間に基づいて適切な自動回復処理動作間隔を決定することができる。
請求項12にかかる記録装置は、請求項11に記載された記録装置において、経過時間が3ヶ月等の第3の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作の禁止を設定することを特徴とする。
請求項12に係る発明によれば、経過時間が第3の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作を禁止する。従って、第3の所定時間よりも長期間記録されないとき、自動回復処理動作が禁止され、廃棄されるインク量をなくすことができる。
請求項13にかかる記録装置は、請求項11又は請求項12に記載された記録装置において、経過時間が第3の所定時間以内で、且つ20日等の第4の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも長い第2の間隔に設定することを特徴とする。
請求項13に係る発明によれば、経過時間が第3の所定時間よりも短く第4の所定時間よりも長いとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも長い第2の間隔に設定する。従って、経過時間に基づいて自動回復処理動作間隔を長い周期に設定するので、不必要な自動回復処理を省くことができ、廃棄されるインク量を少なくすることができる。
請求項14にかかる記録装置は、請求項11乃至請求項13の何れか一項に記載された記録装置において、経過時間が第4の所定時間以内であるとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔に設定することを特徴とする。
請求項14に係る発明によれば、経過時間が第4の所定時間以内であるとき、制御手段は自動回復処理動作間隔を第1の間隔に設定する。従って、経過時間に基づいて自動回復処理動作間隔を第1の間隔に設定するので、適切な自動回復処理動作間隔を設定することができる。
請求項15にかかる記録装置は、請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載された記
録装置において、自動回復処理動作の実行又は禁止を設定する操作パネル(55)等の設定手段を更に備え、設定手段により自動回復処理動作の禁止が設定されているとき、制御手段は自動回復処理動作を実行しないことを特徴とする。
請求項15に係る発明によれば、設定手段は自動回復処理動作の実行又は禁止を設定し、自動回復処理動作の禁止が設定されているとき、制御手段は自動回復処理動作を実行しない。従って、自動回復処理動作の禁止が設定されているとき、設定手段の設定に基づいて自動回復処理動作を実行しないので、廃棄されるインク量をなくすことができる。
本発明によれば、自動メンテナンスの動作内容、例えば、自動メンテナンス処理1回当たりに廃棄されるインク量の低減や、自動メンテナンス動作時のインク吐出圧、インク吐出速度の制御といった複雑な操作をするのではなく、自動メンテナンスの動作間隔を制御することで廃棄されるインク量を低減すると共にインク吐出口の詰まりも抑制でき、製品の製造原価とランニングコストの低減および信頼性向上に寄与する。
以下、本発明に係る記録装置の最良の形態を、インクジェットプリンタを例として図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施の形態であるインクジェットプリンタ1の斜視図であり、図中、フレーム2は2点鎖線で示している。なお、図1中の矢印Xはキャリッジ8の移動方向を示し、矢印Zは吸引キャップユニット25及び保護キャップ19の移動方向を示している。
インクジェットプリンタ(以下、単に「プリンタ」と称す。)1は、第1及び第2ヘッドユニット6,7を搭載したキャリッジ8を図1の矢印X及び反矢印X方向(以下、単に「主走査方向」と称す。)へ移動させるとともに、被記録媒体としての記録紙Pを矢印Y方向に間欠的に搬送することにより記録紙P上にフルカラー記録を行うことができるシリアルプリンタである。
プリンタ1のフレーム2には、紙や薄膜プラスチック等の記録対象物である記録紙Pを搬送するためのプラテンローラ3が回転可能に取り付けられており、このプラテンローラ3と平行にガイドロッド4及びガイド部材5が固着されている。このガイドロッド4上には、第1ヘッドユニット6及び第2ヘッドユニット7を搭載したキャリッジ8が記録紙Pの搬送方向(副走査方向)と直交する方向に移動可能に支持されている。また、キャリッジ8の上端面には、上述したガイド部材5が当接され、このガイド部材5の下方にはキャリッジ8に固着されるベルト9が設けられている。
ベルト9は、フレーム2の一方の側(図1右側)に設けられたキャリッジ(CR)モー
タ10によって回転駆動される駆動プーリ11と、フレーム2の他方の側(図1左側)に設けられる従動プーリ12との間に架け渡されている。キャリッジモータ10により駆動プーリ11が回転されると、この駆動プーリ11及び従動プーリ12間でベルト9が主走査方向へ移動される。このベルト9の移動によって、キャリッジ8は、ガイドロッド4及びガイド部材5に沿ってプラテンローラ3との平行方向、すなわち、主走査方向へ移動される。なお、キャリッジモータ10には、ステッピングモータ又はDCモータが使用される。
キャリッジ8には、第1及び第2ヘッドユニット6,7と、その第1ヘッドユニット6へインクを供給するインクタンク13,14と、第2ヘッドユニット7へインクを供給するインクタンク15,16とが搭載されている。第1ヘッドユニット6及び第2ヘッドユニット7はキャリッジ8の下部に設けられており、各ヘッドユニット6,7の下面にはインクを吐出するノズル面6a,7a(図2参照)がそれぞれ形成されている。各ノズル面6a,7aは、プラテンローラ3の外周面と対向して配置されており、プラテンローラ3により搬送される記録紙Pへインクを吐出する。なお、第1及び第2ヘッドユニット6,7の詳細については後述する。
フレーム2の他方の側(図1左側)には、第1及び第2ヘッドユニット6,7によるインクの吐出不良状態を回復させるため、自動回復手段としての回復機構17が設けられている。この回復機構17は、主に、第1ヘッドユニット6のノズル面6a又は第2ヘッドユニット7のノズル面7aを密閉してインクを吸引する吸引ユニット18と、プリンタ1の不使用時にノズル面6a,7aを覆ってインクの乾燥を防止する保護キャップ19と、ノズル面6a,7aに付着したインクを拭うためのワイパ部材20とを備えている。
次に、図2を参照して第1及び第2ヘッドユニット6,7及び回復機構17の詳細について説明する。
図2は、第1及び第2ヘッドユニット6,7を搭載したキャリッジ8と回復機構17との正面図であり、第1及び第2記録ヘッド6,7の一部を断面視している。なお、図1と同様に図2中の矢印Xはキャリッジ8の移動方向(主走査方向)を示し、矢印Zは吸引キャップユニット25及び保護キャップ19の移動方向を示す。また、図2では吸引ポンプ26を2点鎖線で示している。
図2に示すように、第1ヘッドユニット6の下部には、2色のインクを記録紙Pの記録面に向けて吐出するために記録ヘッドとしての2つの記録ヘッド21,22が一体的に並設されており、これらの記録ヘッド21,22の下端面にノズル面6aが形成されている。各記録ヘッド21,22は、インクを吐出可能なインク吐出口としての複数のノズル口21a,22aをそれぞれ備えており、これらのノズル口21a,22aからそれぞれ異なる色のインクを吐出することができる。
一方、第2ヘッドユニット7の下部には、第1ヘッドユニット6と同様に、2色のインクを記録紙Pの記録面に向けて吐出するために記録ヘッドとしての記録ヘッド23,24が一体的に並設されており、これらの記録ヘッド23,24の下端面にノズル面7aが形成されている。各記録ヘッド23,24は、インクを吐出可能なインク吐出口としての複数のノズル口23a,24aをそれぞれ備えており、これらのノズル口23a,24aからそれぞれ異なる色のインクを吐出することができる。なお、各ノズル口21a〜24aは、キャリッジ8の移動方向と直交する方向(図2の紙面に対する垂直方向)に概ね等間隔で一列状に複数個設けられている。
また、キャリッジ8に搭載される4つのインクタンク13〜16には、図2の左側から
順にブラック、イエロー、シアン、マゼンダの4色のインクが充填されている。このインクタンク13〜16のそれぞれは、順に各記録ヘッド21〜24に対して個別に異なる色のインクを供給するものである。具体的には、記録ヘッド21のノズル口21aからブラックのインク、記録ヘッド22のノズル口22aからイエローのインク、記録ヘッド23のノズル口23aからシアンのインク、及び記録ヘッド24のノズル口24aからマゼンダのインクが吐出される。よって、複数の記録ヘッド21〜24の各ノズル口21a〜24aから4色のインクを吐出して、記録紙Pにフルカラーの記録を行うことができるようにしている。
各インクタンク13〜16は、キャリッジ8の上部にそれぞれ個別に着脱可能に搭載されており、インクの不足したインクタンク13〜16のいずれかを個別に交換することができるように構成されている。また、キャリッジ8には、各インクタンク13〜16の交換をそれぞれについて検出するインクタンク交換センサ51が設けられている(図3参照)。よって、インクタンク13〜16についての交換をインクタンク交換センサ51により検出することで、個別に検出することができる。
回復機構17は、インクタンク13〜16の交換により気泡が侵入したり、インク詰まり等が発生した記録ヘッド21〜24を正常な状態に回復させるためのものである。回復機構17の吸引ユニット18は、主に、ノズル面6a,7aとそれぞれ個別に当接してノズル口21a,22a又はノズル口23a,24aをそれぞれ個別に密閉することができる吸引キャップユニット25と、その吸引キャップユニット25により密閉されたノズル口21a,22a又はノズル口23a,24a内のインクを吸引するための負圧(吸引力)を発生する吸引ポンプ26(図1及び図2参照)と、を備えている。
また、吸引キャップユニット25の下方には、吸引ユニット18及びワイパ部材20の動作を制御する部材であるカム部材27が配設されている。このカム部材27は、クラッチ機構(図示せず)を介して、プラテンローラ3を回転駆動するLFモータ53(図3参照)と接続可能に構成されており、このカム部材27の回転により吸引ユニット18及びワイパ部材20が連動して作動される。
回復機構17によれば、まず、図1に示すキャリッジモータ10によりキャリッジ8が回復機構17へ向けて矢印X方向と反対の方向へ移動され、ノズル面6a又はノズル面7aが吸引キャップユニット25と対向する位置(パージ位置)に第1ヘッドユニット6又は第2ヘッドユニット7が到達すると、カム部材27により吸引キャップユニット25が矢印Z方向へ上昇され、吸引キャップユニット25の上面がノズル面6a,7aのいずれかに当接される。その後、カム部材27によって吸引ポンプ26が作動されると、吸引ポンプ26により発生された負圧によって、ノズル口21a,22a又はノズル口23a,24aから気泡や乾燥固化したインクを吸引して、ノズル口21a,22a又はノズル口23a,24aからのインクの吐出状態を回復させることができる。
また、吸引キャップユニット25におけるプラテンローラ3側と反対側の位置(図2左側)には、第1及び第2ヘッドユニット6,7のノズル面6a,7aを覆う保護キャップ19が配設されている。保護キャップ19は、各ノズル面6a,7aをそれぞれ個別に覆うキャップ部19a,19bを備え、このキャップ部19a,19bによって、記録ヘッド21〜24による記録が行われない場合に、ノズル面6a,7aを覆ってインクの乾燥を防止するようにしている。
また、吸引キャップユニット25におけるプラテンローラ3側の位置(図2右側)には、吸引キャップユニット25に隣接してワイパ部材20が配設されている。このワイパ部材20はへら状に形成されており、キャリッジ8の移動に伴って第1ヘッドユニット6の
ノズル面6a及び第2ヘッドユニット7のノズル面7aを拭うものである。このワイパ部材20は、ノズル口21a〜24aを拭う場合に各ノズル面6a,7aと当接するようにカム部材27によって矢印Z方向へ突出され、ノズル口21a〜24aを拭わない場合に各ノズル面6a,7aから退避するようにカム部材27によって反矢印Z方向へと後退される。
さらに、図2に示すように、吸引ユニット18は第1ヘッドユニット6のノズル面6aに当接される吸引キャップユニット25を備えている。この吸引キャップユニット25の下端にはチューブ部材28,29の一端がそれぞれ連結され、これらのチューブ部材28,29の他端が図示しない開閉弁及び図示しないチューブを介して吸引ポンプ26が接続されている。これらのチューブ及びチューブ部材28,29には、吸引キャップユニット25の吸引口と連通するインク流路が形成されている。
図3はプリンタ1の電気的構成を示したブロック図である。
図3に示すように、プリンタ1は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit:中央情報処理装置)41と、そのCPU41により実行される各種の制御プログラムやデータを記憶した書換不可能な不揮発メモリであるROM42と、各種データなどを記憶するための揮発性メモリであるRAM43とを備えている。更に、各種データ等を記憶するための不揮発性メモリであるEEPROM67も備えている。なお、ROM42には、図4乃至図9のフローチャートに示すプログラムが格納されている。この格納されたプログラムによって、CPU41は、記録状況検出手段、制御手段としての機能を果たす。
これらのCPU41、及び、ROM42、RAM43、EEPROM67は、アドレスバス44及びデータバス45を介して互いに接続されている。アドレスバス44及びデータバス45は、制御回路46にも接続されており、この制御回路46には、イメージメモリ47、記録ヘッド21〜24を駆動制御する駆動回路48、セントロニクスインターフェイス(以下、「セントロI/F」と称す)49と、そのセントロI/F49を介して外部機器であるパーソナルコンピュータ(以下「PC」と称す)50及びディジタルカメラ(以下「デジカメ」と称す)64、インクタンク交換センサ51、計時手段としての記録タイマ60、記録枚数カウント手段としての枚数カウンタ61、記録比率検出手段としてのドットカウンタ62、情報カウント手段としての情報カウンタ65、メンテナンスタイマ66など、が接続されている。
記録タイマ60は、記録ヘッド21〜24ごとに前回の記録時からの経過時間を計時し、かかる経過時間をプリンタ1の停止中でも計時するように電池などでバックアップされている。
枚数カウンタ61は、前回のメンテナンス動作以後の記録枚数をカウントしている。
ドットカウンタ62は、各記録ヘッド毎にインクを吐出した回数をカウントし記憶している。
情報カウンタ65は、前回の自動回復処理動作以後に記録される情報を、主に文字データによって構成される第1の情報としてのテキストデータであるか、或いは、主に文字データ以外のデータ(画像データ)によって構成される第2の情報としての画像データであるかを、入力された記録データに付された識別データに基づいて分類し、各々の情報の数(テキストデータの数Tと画像データの数G)をカウントしている。
メンテナンスタイマ66は、前回のメンテナンス自動回復処理動作以後の経過時間を計時し、プリンタ1の停止中でも計時するように電池などでバックアップされている。メンテナンス動作終了時、又は、パージ処理終了時に、計時している経過時間をクリアしリスタートする。
記録状況検出手段としてのCPU41は、記録タイマ60、及び、枚数カウンタ61、ドットカウンタ62、情報カウンタ65の出力に基づいて各記録ヘッド21〜24ごとに記録状況を検出している。
制御手段としてのCPU41は、メンテナンスの動作間隔を判断、制御し、所定の動作間隔が経過したときに、回復機構17に対してメンテナンス動作を行うように指示を出す。
CPU41には、キャリッジ(CR)モータ10を駆動するモータ駆動回路52と、プラテンローラ3に回転力を供給するLFモータ53を駆動するためのモータ駆動回路54と、設定手段としての操作パネル55とが接続されている。
また、CPU41は、ユーザが例えば記録不良状態を認識し、パージキー55aを押下した場合において、パージキー55aの指示入力操作によりパージポンプ駆動回路63に制御信号を出力して吸引ポンプ26を駆動させる。
操作パネル55は、ユーザがプリンタ1の設定などを行う場合に各種の操作を人為的に行うためのものであり、パージキー55a等を備えている。パージキー55aは、回復機構17による回復動作(パージ処理)を実行するためのキースイッチである。よって、ユーザは、パージキー55aを押下することによって、パージ処理を実行することができる。また、操作パネル55は、自動メンテナンス動作の実行又は禁止を設定する。
記録ヘッド21〜24は駆動回路48によって駆動され、この駆動回路48は制御回路46によって制御される。CPU41は、ROM42に予め記憶されたプログラムに従い、記録タイミング信号TS及び制御信号RSを生成し、制御回路46へ転送する。
制御回路46はゲートアレイで構成されており、記録タイミング信号TS及び制御信号RSに従い、イメージメモリ47に記憶されている画像データに基づいて、その画像データを記録紙Pに形成するための記録データDATA、その記録データDATAと同期する転送クロックTCK、ストローブ信号STB、記録クロックCLKを生成し、駆動回路48へ転送する。
また、制御回路46は、PC50又はデジカメ64からセントロI/F49を介して転送されてくる画像データを、イメージメモリ47に記憶させる。そして、制御回路46は、外部機器からセントロニクスI/F49を介して転送されてくるセントロニクス・データに基づいてセントロニクス・データ受信割込信号WSを生成し、CPU41へ転送する。なお、各信号DATA、TCK、STB、CLKは、駆動回路48と制御回路46とを接続するハーネスケーブル56〜59を介して転送される。
次に、本発明にかかるプリンタ1の動作を図4乃至図9に示すフローチャートを用いて説明する。
図4は本発明の一実施の形態にかかるプリンタ1の記録動作のメインルーチンを示すフローチャート、図5は図4の記録動作における自動メンテナンス設定のサブルーチンを示すフローチャート、図6は図4の記録動作における記録処理のサブルーチンを示すフロー
チャートである。
図4に示すように、電源が投入されるとプリンタ1は待機状態となって(ステップ1:以下S1と称す。他のステップも同様。)、操作パネル55からの入力や、接続されているPC50またはデジカメ64などの外部機器からの入力があるまで待機状態が継続される(S2)。
何らかの信号入力があったとき(S2:Y)、入力された信号が記録データか否かが判断される(S3)。入力された信号が記録データではないと判断されると(S3:N)、S10が実行されるが、このS10については後述する。
入力された信号が記録データであると判断されると(S3:Y)、記録データに付された識別データが検出される(S4)。そして、検出された識別データを基に記録データがテキストデータか否かが判断される(S5)。ここで、識別データとは、記録データに付されたデータであって、記録データがテキストデータかテキストデータ以外のデータ(画像データ)かを示すデータである。識別データは入力される1個の記録データに必ず1個付されている。
記録データがテキストデータであると判断されると(S5:Y)、EEPROM67に記憶されているテキストデータの数Tが1だけインクリメントされ(S6)、S7が実行される。
これに対して、入力された記録データがテキストデータではないと判断されると、即ち、記録データが画像データであるとき(S5:N)、EEPROM67に記憶されている画像データの数Gが1だけインクリメントされ(S12)、S7が実行される。
S7では、今回の記録が前回の記録からどれだけ経過しているかが判断される。具体的には、記録タイマ60に記憶されている前回の記録が行われたときの時間からの経過時間を基にして第1の所定時間である3ヶ月を経過しているか否かが判断される(S7)。前回の記録から3ヶ月が経過していると判断されると(S7:N)、メンテナンス処理が実行される(S13)。S13のメンテナンス処理の内容については後述する。
一方、前回の記録から3ヶ月以内であると判断されると(S7:Y)、或いは、メンテナンス処理(S13)が終了すると、図6に示す記録処理(S8)のサブルーチンが実行される。記録処理(S8)のサブルーチンの具体的な内容は図6を用いて後に詳述する。
記録処理(S8)が終了すると、終了動作(S9)が実行される。この終了動作(S9)においては、記録タイマ60の内容(計時した時間)がクリアされるとともに、計時がリスタートされるのである。その後、待機状態(S1)へと戻る。
一方、入力信号が記録データではないと判断されると(S3:N)、その入力信号が操作パネル55上のパージキー55aの押下によるパージ指示信号か否かが判断される(S10)。パージキー55aの押下であると判断されると(S10:Y)、パージ処理(S11)のサブルーチンが実行され、パージ処理の終了後、待機状態(S1)へと戻る。
入力信号が記録データでなくパージキー55aの押下によるパージ指示信号でもないと判断されると(S10:N)、その入力信号が自動メンテナンス設定のためのキー入力による信号か否かが判断される(S14)。これは、例えば、操作パネル55上の図示しないメニューキーが押下されてから図示しないスクロールキーが複数回押下されることで、操作パネル55上の図示しないLCD等の表示部に「自動メンテナンス設定?」と表示さ
せた後、図示しない設定キーが押下されることにより実行される。
自動メンテナンス設定のためのキー入力による信号であると判断されると(S14:Y)、図5に示す自動メンテナンス設定処理(S15)のサブルーチンが実行される。そして、このサブルーチンが終了したら、待機状態(S1)へと戻る。
入力信号が自動メンテナンス設定のためのキー入力による信号ではないと判断されると(S14:N)、その入力信号に応じたその他の処理動作(S16)が実行される。そして、その他の処理動作が終了したら、待機状態(S1)へと戻る。
以上の一連の動作に従って、プリンタ1は記録動作やその他の動作を繰り返し行っている。
次に、上述した自動メンテナンス設定処理(S15)のサブルーチンを図5を用いて説明する。
図4に示すフローチャートのS14においてYとなり、即ち、自動メンテナンス設定のためのキー入力による信号が入力されたときから、図5に示す自動メンテナンス設定処理(S15)のサブルーチンは開始される。即ち、操作パネル55上の図示しない表示部に「自動メンテナンスON?」又は「自動メンテナンスOFF?」と表示されているので、いずれかの表示のときに図示しない設定キーが押下されることにより、自動メンテナンス設定のためのキー入力による信号が入力される。従って、表示部に「自動メンテナンスON?」と表示されているときに設定キーが押下されれば(S21:Y)、S22が実行され、表示部に「自動メンテナンスOFF?」と表示されているときに設定キーが押下されれば(S21:N)、S23が実行される。尚、「自動メンテナンスON?」と「自動メンテナンスOFF?」の表示の切り替えは、操作パネル55上の図示しないスクロールキーにより実行される。
従って、操作パネル55上の図示しない表示部に「自動メンテナンスON?」と表示されているときに設定キーが押下されると(S21:Y)、EEPROM67内の自動メンテナンスフラグがONに設定される(S22)。即ち、EEPROM67内の自動メンテナンスフラグ記憶領域に「1」が記憶される。
一方、図示しない表示部に「自動メンテナンスOFF?」と表示されているときに設定キーが押下されると(S21:N)、EEPROM67内の自動メンテナンスフラグがOFFに設定される(S23)。即ち、EEPROM67内の自動メンテナンスフラグ記憶領域に「0」が記憶される。
そして、以上の動作が終了したとき自動メンテナンス設定の処理が終了し、図4に示すメインのフローチャートへと戻る。
次に、記録処理(S8)のサブルーチンを図6を用いて説明する。
図4に示すフローチャートのS7において今回の記録が前回の記録から3ヶ月以内であると判断されたときから、或いは、S13のメンテナンス処理が終了したときから、図6に示す記録処理(S8)のサブルーチンは開始される。
プリンタ1に入力された記録データが記録用紙の1頁分に相当するデータ量か否かが判断され(S31)、記録データが1頁分に足らないと判断されると(S31:N)、更なる記録データの入力があるまで待機する。
一方、入力された記録データが1頁分のデータに相当すると判断されるか、或いは、記録データ中に頁の終了コード或いは記録データ自体の終了コードが現れたと判断されると(S31:Y)、そのデータの記録が実行される(S32)。
次に、記録ヘッド21〜24毎にインクの吐出回数をカウントし記憶しているドットカウンタ62の内容(インクの吐出回数)が更新されると共に、枚数カウンタ61に記憶されている記録枚数nが1だけインクリメントされる(S33)。尚、記録枚数nはテキストデータと画像データとを区別していない。
続いて、次の記録があるか否かが判断され(S34)、次頁の記録データが存在すると判断されると(S34:Y)、S31に戻って、次の記録処理が継続して行われる。
一方、次頁以降の記録データの入力がないと判断されると(S34:N)、記録処理(S8)は終了され、図4に示すメインのフローチャートのS9が実行される。S9は上述したので、ここでは詳述しない。
次に、本発明のポイントである自動メンテナンスの動作間隔の設定を、本発明の一実施の形態に即して図7及び図8に示すフローチャートを使って説明する。ここで、図7は本発明の一実施の形態における自動メンテナンスの動作間隔の設定のフローチャート、図8は図7の自動メンテナンスの動作間隔の設定における画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチンを示すフローチャートである。
自動メンテナンスの動作間隔の設定のフローチャートは、所定のタイミングで、例えば、10分間隔で、割り込み処理によって実行される。この割り込み処理は、CPU41がプリンタ1の動作状況を判断し、プリンタ1が記録動作を実行していないときに実行される。
自動メンテナンスの動作間隔の設定の開始時に、EEPROM67に記憶されているテキストデータの数Tと画像データの数Gとが比較される(S51)。画像データの数Gに比してテキストデータの数Tが著しく多いとき、複数の記録ヘッド21〜24の中の特定の記録ヘッドだけが使用され、使用されない他の記録ヘッドではインクの乾燥により詰まりが生じ得ると考えられる。一方、テキストデータの数Tと画像データの数Gとの差がそれほど多くないとき、インクの乾燥等によって複数の記録ヘッドの間で差異が余り生じていないと考えられる。よって、S51においてテキストデータの数Tと画像データの数Gとを比較して、第1の情報用の制御であるテキストデータの記録が多い場合の自動メンテナンスの動作間隔の設定(S52〜S57、S59〜S61)と、第2の情報用の制御である画像データの出力が多い場合の自動メンテナンスの動作間隔の設定(S58;S71〜S76)とに切り替えている。
テキストデータの数Tが画像データの数Gよりも所定の数だけ多いとき、例えば、テキストデータの数Tが画像データの数Gの5倍を超えている(T>5G)と判断されると(S51:Y)、S52が実行される。これは、T>5Gのとき、記録紙Pに記録されたデータが画像データよりもテキストデータのほうが顕著に多いので、テキストデータの記録に使用される特定の記録ヘッド、例えば、ブラックの記録ヘッド21だけが頻繁に使用され、他の色の記録ヘッドはあまり使用されないため、ブラック以外の記録ヘッド22〜24ではインクの乾燥が進んでいると考えられる。従って、記録ヘッド間の乾燥の度合いの差異が無視できないほど大きいため、後述する記録ヘッド間の乾燥の度合いの差異が無視し得る場合(S51:N)とは別個に自動メンテナンスの動作間隔が設定される。
これに対して、テキストデータの数Tが画像データの数Gの5倍を超えていないと判断されると(S51:N)、画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチン(S58)が実行される。T>5Gではないとき、記録ヘッド21〜24の乾燥の度合いの差異は無視し得る程度に小さいと考えられるので、それに応じた自動メンテナンスの動作間隔が設定されるのである。この画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチン(S58)の処理の内容については図8を用いて後述する。
テキストデータの数Tが画像データの数Gの5倍を超えていると判断されると(S51:Y)、EEPROM67に記憶されている自動メンテナンスフラグがONに設定されているかが判断される(S52)。自動メンテナンスフラグがONに設定されていない(OFFに設定されている)と判断されると(S52:N)、ユーザが自動メンテナンスを希望していないか、或いは、後述するように、プリンタ1が長期間にわたって記録に使用されていない(S59又はS76において自動メンテナンスフラグが自動的にOFFに設定された)のであるから、自動メンテナンスの動作間隔が設定されることなく、この処理は終了する。
一方、自動メンテナンスフラグがONに設定されていると判断されると(S52:Y)、ユーザが自動メンテナンスを希望しているのであるから、自動メンテナンスの動作間隔を設定するために次のステップが実行される。即ち、前回の記録から第1の所定時間が経過しているか否か、具体的には、前回の記録から3ヶ月が経過しているか否かが判断される(S53)。
前回の記録から3ヶ月が経過していると判断されると(S53:N)、プリンタ1は少なくとも3ヶ月間、記録に使用されていないということであるから、自動メンテナンスによってインクがこれ以上消費されるのを防ぐため、自動メンテナンスフラグはOFFに設定される(S59)。これは、ユーザが長期間にわたってプリンタ1を使用していないため、使用しないプリンタ1を使用可能な状態に維持するために定期的に自動メンテナンスを行ってインクを消費(廃棄)することは経済的ではないので、自動メンテナンスをしないという設定に自動的に変更されるのである。なお、長期間の不使用の状態が続いた後にユーザがプリンタ1の使用再開を希望するときは、上述した通り、図4のメンテナンス処理(S13)が記録処理(S8)の前に実行されるので、問題はない。また、ユーザが操作パネル55上のパージキー55aを押下してパージ処理を実行することで、記録ヘッド21〜24を使用可能な状態とすることもできる。
一方、前回の記録から3ヶ月以内であると判断されると(S53:Y)、プリンタ1の使用状況をより詳細に把握して自動メンテナンスの動作間隔を決定するため、前回の記録から第2の所定時間が経過しているか否か、具体的には、前回の記録から20日が経過しているか否かが判断される(S54)。
前回の記録から少なくとも20日が経過していると判断されると(S54:N)、自動メンテナンス周期フラグを第1の間隔である『通常周期』よりも長い第2の間隔である『長周期』に設定する(S60)。主にテキストデータの記録を行い、しかも、20日よりも長い間(但し、3ヶ月以内)記録をしていないことからあまり記録をしないユーザであると考えられるからである。よって、『長周期』に設定することで自動メンテナンスの実行によるインクの消費量を減らすことができるのである。なお、このユーザは主にテキストデータの記録を行っているので、特定の1個の記録ヘッド、例えば、ブラックの記録ヘッドだけは使用されていることが判る。このようにユーザの使用形態に適合させて自動メンテナンスの動作間隔が設定される。ここで、自動メンテナンス周期フラグとは、自動メンテナンスをどのくらいの周期(頻度)で実行させるかを示すフラグをいい、例えば、第1の間隔である『通常周期』、『通常周期』よりも長い第2の間隔である『長周期』、『
通常周期』よりも短い第3の間隔である『短周期』の3種類のいずれかに設定され、EEPROM67に記憶される。
一方、前回の記録から20日以内であると判断されると(S54:Y)、このユーザは頻繁に記録を行っていると判断されるので、記録枚数nによって記録ヘッド21〜24の間に乾燥の度合いの差異が生じ得ると考えられる。よって、記録枚数nが予め定めた所定枚数と比較される(S55)。
記録枚数nが所定枚数よりも少ないと判断されると(S55:N)、頻繁に記録を行っているものの記録枚数はそれほど多くはないということになるので記録ヘッド21〜24間の乾燥の度合いの差異も少ないため、自動メンテナンス周期フラグは第1の間隔である『通常周期』に設定される(S61)。
これに対して、記録枚数nが所定枚数以上であると判断されると(S55:Y)、このユーザはテキストデータの記録を頻繁に行っており、しかも、記録枚数nも多いと考えられる。従って、特定の1個の記録ヘッド、例えば、ブラックの記録ヘッドだけが頻繁に使用され、記録ヘッド21〜24間の乾燥の度合いに差異が生じていることが推定される。そこで、プリンタ1の使用状況をより詳細に把握して自動メンテナンスの動作間隔を設定するため、記録ヘッド21〜24毎の記録比率が予め定められた所定の比率と比較される(S56)。ここで、記録比率とは、ドットカウンタ62に記憶された記録ヘッド21〜24毎のインクの吐出回数を記録枚数nで除して得られる値をいう。記録ヘッド21〜24毎に比較を行い、いずれか一色でも記録ヘッドの記録比率が予め定めた所定比率(閾値)を超えていたらS56はYと判断される。
4本の記録ヘッドの記録比率のいずれもが所定比率よりも小さいと判断されると(S56:N)、記録ヘッド21〜24間の乾燥の度合いの差異が少ないと考えられるので、自動メンテナンス周期フラグは『通常周期』に設定される(S61)。
一方、4本の記録ヘッドの記録比率のうちいずれか1つでも記録比率が所定比率よりも大きいと判断されると(S56:Y)、その記録ヘッドだけ(例えば、ブラックの記録ヘッドだけ)が記録時に高い比率で使用され、記録ヘッド21〜24間の乾燥の度合いの差異が大きいと考えられるので、自動メンテナンス周期フラグは第3の間隔である『短周期』に設定される(S57)。
次に、図7中の画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチン(S58)について図8を用いて説明する。
図7のフローチャート中のS51において、T>5Gではないと判断されると、図8に示す画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチンは開始される。
最初に、自動メンテナンスフラグがONになっているか否かが判断される(S71)。そして、自動メンテナンスフラグがONでない(OFFである)と判断されると(S71:N)、ユーザが自動メンテナンスを希望していないか、或いは、上述したように、プリンタ1が長期間にわたって記録に使用されていない(S59又はS76において自動メンテナンスフラグが自動的にOFFに設定された)のであるから、画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定処理は終了する。
一方、自動メンテナンスフラグがONであると判断されると(S71:Y)、ユーザが自動メンテナンスを希望しているということであるから、自動メンテナンスの動作間隔を決定するためにS72が実行される。即ち、前回の記録から第3の所定時間を経過してい
るか否か、具体的には、3ヶ月を経過しているか否かが判断される(S72)。
前回の記録から3ヶ月が経過していると判断されると(S72:N)、プリンタ1は少なくとも3ヶ月間記録に使用されていないということであるから、自動メンテナンスによってインクがこれ以上消費されるのを防ぐため、自動メンテナンスフラグはOFFに設定される(S76)。これは、ユーザが長期間にわたってプリンタ1を使用していないため、使用しないプリンタ1を使用可能な状態に維持するために定期的に自動メンテナンスを行ってインクを消費することは経済的ではないので、自動メンテナンスをしないという設定に自動的に変更されるのである。なお、長期間の不使用の状態が続いた後にユーザがプリンタ1の使用再開を希望するときは、上述した通り、図4のメンテナンス処理(S13)が記録処理(S8)の前に実行されるので、問題はない。また、ユーザが操作パネル55上のパージキー55aを押下してメンテナンスを実行することで、プリンタ1を使用可能な状態に戻すこともできる。
一方、前回の記録から3ヶ月以内であると判断されると(S72:Y)、プリンタ1の使用状況をより詳細に把握して自動メンテナンスの動作間隔を決定するため、前回の記録から第4の所定時間が経過しているか否か、具体的には、前回の記録から20日が経過しているか否かが判断される(S73)。
前回の記録から少なくとも20日が経過していると判断されると(S73:N)、自動メンテナンス周期フラグは第2の間隔である『長周期』に設定される(S75)。前回の記録からの経過時間が20日を越えるものの3ヶ月以内であるから、ユーザは頻繁にプリンタ1を使用するユーザではないと推定される。従って、自動メンテナンスが『長周期』で行われるように自動メンテナンス周期フラグが設定し直されることで自動メンテナンスによって消費されるインクの量を減らすことが可能となる。あまり記録をしないユーザではあるが、記録されるデータは画像データであるので、複数の記録ヘッドの状態はほぼ均等であると考えられる。よって、自動メンテナンスの動作間隔も『長周期』で足りるのである。
一方、前回の記録から20日以内であると判断されると(S73:Y)、自動メンテナンス周期フラグが『通常周期』に設定される(S74)。頻繁に記録を行うユーザであるので、自動メンテナンス周期フラグもそれに合わせて『通常周期』と設定されることで、記録ヘッド21〜24は常に使用可能な状態に維持されるのである。
以上に説明した一連の動作が終了すると、画像データ用のメンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチンの処理(S58)が終了するので、処理は図7に示す自動メンテナンスのフローチャートへ戻る。
次に、自動メンテナンス実行の処理を図9を用いて説明する。
自動メンテナンス実行の処理は、所定のタイミングで、例えば、毎日午前11時から正午までの1時間の間に10分間隔で、割り込み処理によって実行される。具体的には、割り込み処理の開始時にプリンタ1の動作状況が判断され、プリンタ1が記録動作を実行していないとき、この自動メンテナンス処理が実行される。逆に、記録動作の実行中であれば、所定時間の経過後、例えば、10分経過後に、再度プリンタ1の動作状況の判断の割り込み処理がされ、条件を満たすとき自動メンテナンス処理が実行される。
自動メンテナンス処理が実行されると、まずEEPROM67内に記憶されている自動メンテナンスフラグが検出され(S41)、自動メンテナンスフラグがONであるか否かが判断される(S42)。
自動メンテナンスフラグがOFFであると判断されると(S42:N)、ユーザは自動メンテナンスの実行を希望していないか、或いは、上述したように、プリンタ1の長期間にわたる不使用によって自動メンテナンス処理が禁止された(S59又はS76)のであるから、この自動メンテナンス処理は実行されることなく図9に示すフローチャートは終了する。
一方、自動メンテナンスフラグがONであると判断されると(S42:Y)、ユーザは自動メンテナンスの実行を希望しているのであるから、前回の自動メンテナンス処理からの経過時間がメンテナンスタイマ66から検出される(S43)。そして、検出された経過時間が予め定められている『短周期』以上か否かが判断される(S44)。
経過時間が『短周期』以上であると判断されると(S44:Y)、EEPROM67内に記憶されている自動メンテナンス周期フラグが検出され(S45)、現在の自動メンテナンス周期フラグが『短周期』、『通常周期』、『長周期』のうちのいずれかに設定されているかの判断がされる(S46)。
自動メンテナンス周期フラグが『短周期』に設定されていると判断されると(S46:『短』)、S44の判断により自動メンテナンスを実行すべきタイミングであることが判るので、メンテナンス処理が実行される(S48)。メンテナンス処理(S48又は前述のステップS13)では、ノズルの洗浄やパージ、フラッシングといった一般的なノズルの洗浄動作が実行される。このメンテナンス処理自体は公知の処理であるので、ここでは詳述しない。
一方、自動メンテナンス周期フラグが『通常周期』に設定されていると判断されると(S46:『通常』)、メンテナンスタイマ66に記憶されている経過時間が『通常周期』以上か否かが判断される(S47)。経過時間が『通常周期』以上であると判断されると(S47:Y)、経過時間が自動メンテナンスが実行される周期に既に到達していることになるので、メンテナンス処理(S48)が実行される。
一方、経過時間が『通常周期』よりも短いと判断されると(S47:N)、まだ自動メンテナンスを実行すべきタイミングになっていないことになるので、このメンテナンス処理(S48)は実行されることなく、図9のフローチャートは終了する。
自動メンテナンス周期フラグが『長周期』に設定されていると判断されると(S46:『長』)、メンテナンスタイマ66に記憶されている経過時間が『長周期』以上か否かが判断される(S50)。経過時間が『長周期』以上であると判断されると(S50:Y)、経過時間が自動メンテナンスが実行される周期に既に到達していることになるので、メンテナンス処理が実行される(S48)。
一方、経過時間が『長周期』よりも短いと判断されると(S50:N)、まだ自動メンテナンスを実行すべきタイミングになっていないことになるので、このメンテナンス処理(S48)は実行されることなく、図9のフローチャートは終了する。
そして、メンテナンス処理(S48)が終了すると、終了動作(S49)が実行される。即ち、メンテナンスタイマ66の内容がクリアされてリスタートされると共に、EEPROM67内に記憶されているテキストデータの数T、及び、画像データの数G、枚数カウンタ61に記憶された記録枚数nがゼロクリアされる。また、記録ヘッド21〜24毎にインクを吐出した回数をカウントし記憶しているドットカウンタ62の内容がゼロクリアされる。
上記実施の形態は以下の効果を有する。
● インクジェットプリンタ1の記録状況に基づいてCPU41は自動メンテナンスの動作間隔を決定するので、ユーザの使用形態に適合させて自動メンテナンスの動作間隔が設定される。不必要な自動回復処理を省くことができ、廃棄されるインク量を少なくすることができ、装置のランニングコストを低減することができる。また、記録ヘッド21〜24を使用可能な状態に維持することができるので、装置の信頼性向上に寄与する。
● 前回の記録動作からの経過時間に基づいてCPU41は適切な自動メンテナンスの動作間隔を決定することができる。記録ヘッド21〜24を使用可能な状態に維持することができるので、装置の信頼性向上に寄与する。
● 前回の記録動作からの経過時間が第1の所定時間よりも長いとき、CPU41は自動メンテナンスを禁止するので、廃棄されるインク量をなくすことができる。
● 前回の記録動作からの経過時間が第1の所定時間よりも短く第2の所定時間よりも長いとき、CPU41は自動メンテナンスの動作間隔を『長周期』に設定するので、不必要な自動回復処理を省くことができ、廃棄されるインク量を少なくすることができる。
● 前回の記録動作からの経過時間が第2の所定時間以内であるとき、CPU41は自動メンテナンスの動作間隔を『短周期』に設定するので、自動回復処理を短い周期で実行し、記録ヘッド21〜24を使用可能な状態に維持することができる。
● 枚数カウンタ61によってカウントされた記録枚数nに基づいてCPU41は適切な自動メンテナンスの動作間隔を決定することができる。
● 枚数カウンタ61によってカウントされた記録枚数nに基づいてCPU41は自動メンテナンスの動作間隔を『短周期』に設定するので、自動回復処理を短い周期で実行し、記録ヘッド21〜24を使用可能な状態に維持することができる。
● ドットカウンタ62によって検出された記録比率に基づいてCPU41は適切な自動メンテナンスの動作間隔を決定することができる。
● ドットカウンタ62によって検出された記録比率が所定比率よりも多いとき、CPU41は自動メンテナンスの動作間隔を『短周期』に設定するので、自動回復処理を短い周期で実行し、記録ヘッド21〜24を使用可能な状態に維持することができる。
● 情報カウンタ65によってカウントされたテキストデータの数Tと画像データの数Gに基づいてCPU41は自動メンテナンスの動作間隔を制御するので、適切な自動メンテナンスの動作間隔を決定することができる。
● 第2の情報用の自動メンテナンスの動作間隔の制御を実行するとき、前回の記録動作からの経過時間に基づいてCPU41は適切な自動メンテナンスの動作間隔を決定することができる。
● 第2の情報用の自動メンテナンスの動作間隔の制御を実行するとき、前回の記録動作からの経過時間が第3の所定時間よりも長いとき、CPU41は自動メンテナンスを禁止るので、廃棄されるインク量をなくすことができる。
● 第2の情報用の自動メンテナンスの動作間隔の制御を実行するとき、前回の記録動作からの経過時間が第3の所定時間よりも短く第4の所定時間よりも長いとき、CPU41は自動メンテナンスの動作間隔を『長周期』に設定するので、不必要な自動回復処理を省くことができ、廃棄されるインク量を少なくすることができる。
● 第2の情報用の自動メンテナンスの動作間隔の制御を実行するとき、前回の記録動作からの経過時間が第4の所定時間以内であるとき、CPU41は自動メンテナンスの動作間隔を『通常周期』に設定するので、適切な自動メンテナンスの動作間隔を設定することができる。
● 操作パネル55によって自動回復処理動作の禁止が設定されているとき、CPU41は自動回復処理動作を実行しないので、廃棄されるインク量をなくすことができる。
● メンテナンスの動作内容、例えば、メンテナンス1回当たりに廃棄されるインク量の低減や、インク吐出圧、インク吐出速度の制御といった複雑な操作をするのではなく、自動メンテナンスの動作間隔を制御するので、簡易な構成で本発明を実現することができ、
製品の製造原価低減に寄与する。
なお、本発明の実施の形態は上記に限定されるものではなく、例えば以下のように変形してもよい。
○ 上記実施の形態においては、自動メンテナンス動作を記録ヘッドのパージ処理として説明したが、これに限らず、記録ヘッドのフラッシングであっても良いし、パージ処理とフラッシングの組み合わせであっても良い。例えば、特定の記録ヘッドだけをメンテナンスすれば足りる状況において、プリンタの機構の構成上、連続して並んだ記録ヘッドを同時にパージすることしかできないとき、インク節約のために特定のインク吐出口だけをフラッシングするようにしても良い。
○ 上記実施の形態ではメンテナンスの動作間隔の操作として説明をしてきたが、これに限らず、メンテナンスの動作内容の操作と組み合わせるようにしても良い。即ち、メンテナンスの動作間隔を通常よりも長くしたときには、インク吸引圧を上げる、インク吸引量を増やす、或いは、パージの回数を増やす、などとしても良い。
○ 上記実施の形態において、記録タイマ60又はメンテナンスタイマ66はCPU41と別の構成として表現されていたが(図3参照)、CPU41内部のタイマを利用して計時を行うこととしてもよい。ソフトウエアだけで対応することが可能で、装置の原価上昇を抑えることができる。
○ 上記実施の形態においては、記録がされる度に記録タイマ60をリセットして再度計時を開始していたが、それ以外にも、記録する度に最後に記録した時間として記録時間を記録するようにしておき、自動メンテナンスの動作間隔を設定する度に、現在の時間との差から前回記録時からの経過時間を計算するようにしても良い。
○ 尚、上記実施の形態では、インクジェットプリンタを基にして本発明を説明したが、特許請求の範囲その他の記載にもあるように、インクジェットプリンタとしての機能を備えた記録装置であれば本発明は適用可能であり、例えば、プリンタ機能の他に、ファクシミリ機能、スキャナ機能、コピー機能、及び、ビデオプリンタ機能のいずれかを備えた記録装置であっても本発明は適用できる。
○ 上記実施の形態においては、複数のインクカートリッジが搭載可能なカラープリンタを基に説明をしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1個のインクカートリッジしか搭載されない単色のプリンタであっても適用可能である。
○ 上記実施の形態において、図4乃至図9に示すフローチャートに対応するプログラムをフレキシブルディスク等の記録媒体に記録しておき、又は、インターネット等のネットワークを介して取得して記録しておき、これらをプリンタに内蔵されたマイクロコンピュータ等のコンピュータで読み出して実行させることも可能である。
○ 本発明は、インク吐出方式がいわゆるバブルジェット(登録商標)式又はピエゾ(圧電素子)方式の両者のインクジェットプリンタに適用可能である。
以上に説明したように、本発明は、自動メンテナンス機能を有するインクジェットプリンタに好適であるが、これに限定されるものではなく、自動メンテナンスの動作間隔を自ら設定する装置に適用することが可能であり、例えばインクジェットプリンタとしての機能を備え、更に、ファクシミリ機能、スキャナ機能、コピー機能、及び、ビデオプリンタ機能のいずれかを備えた記録装置の分野に適用すれば特に顕著な効果が得られる。
図1は、本発明の一実施の形態であるプリンタ1の斜視図である。 図2は、本発明の一実施の形態である第1及び第2ヘッドユニット6,7を搭載したキャリッジ8と回復機構17との正面図である。 図3は、本発明の一実施の形態であるプリンタ1の電気的構成を示したブロック図である。 図4は、本発明の一実施の形態にかかるプリンタ1の記録動作のメインルーチンを示すフローチャートである。 図5は、図4に示す記録動作における自動メンテナンス設定のサブルーチンを示すフローチャートである。 図6は、図4に示す記録動作における記録処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 図7は、本発明の一実施の形態にかかる自動メンテナンスの動作間隔の設定のフローチャートである。 図8は、図7に示す自動メンテナンスの動作間隔の設定における画像データ用の自動メンテナンスの動作間隔の設定のサブルーチンを示すフローチャートである。 図9は、自動メンテナンス実行のサブルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
P:記録紙(被記録媒体)
1:インクジェットプリンタ(記録装置)
6,7:第1ヘッドユニット及び第2ヘッドユニット
6a,7a:ノズル面
13〜16:インクタンク
17:回復機構(自動回復手段)
18:吸引ユニット
19:保護キャップ
19a,19b:キャップ部
21〜24:記録ヘッド(記録ヘッド)
21a〜24a:ノズル口(インク吐出口)
25:吸引キャップユニット
26:吸引ポンプ
41:CPU(記録状況検出手段)(制御手段)
42:ROM
43:RAM
49:セントロI/F
50:PC
55:操作パネル(設定手段)
55a:パージキー
60:記録タイマ(計時手段)
61:枚数カウンタ(記録枚数カウント手段)
62:ドットカウンタ(記録比率検出手段)
63:パージポンプ駆動回路
64:デジカメ
65:情報カウンタ(情報カウント手段)
66:メンテナンスタイマ
67:EEPROM

Claims (15)

  1. 少なくとも一つのインク吐出口からインクを選択的に吐出することにより被記録媒体上に情報を記録する記録ヘッドと、当該記録ヘッドに対して自動的に吐出能回復処理を行う自動回復手段とを備えるインクジェット式の記録装置において、
    当該記録装置の記録状況を検出する記録状況検出手段と、
    前記記録状況検出手段によって検出された記録状況に基づいて、前記自動回復手段による自動回復処理動作間隔を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする記録装置。
  2. 請求項1に記載された記録装置において、
    前回の記録動作からの経過時間を計時する計時手段を更に備え、
    前記計時手段により計時された経過時間に基づいて、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする記録装置。
  3. 請求項2に記載された記録装置において、
    前記経過時間が第1の所定時間よりも長いとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作の禁止を設定することを特徴とする記録装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載された記録装置において、
    前記経過時間が第1の所定時間以内で、且つ第2の所定時間よりも長いとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも長い第2の間隔に設定することを特徴とする記録装置。
  5. 請求項2乃至請求項4の何れか一項に記載された記録装置において、
    前記経過時間が第2の所定時間以内であるとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定することを特徴とする記録装置。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか一項に記載された記録装置において、
    前回の自動回復処理動作以後に記録された被記録媒体の記録枚数をカウントする記録枚数カウント手段を更に備え、
    前記記録枚数カウント手段によりカウントされた前記記録枚数に基づいて、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とするに記載の記録装置。
  7. 請求項6に記載された記録装置において、
    前記記録枚数カウント手段によりカウントされた前記記録枚数が所定枚数よりも多いとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定することを特徴とする記録装置。
  8. 請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載された記録装置において、
    被記録媒体に対する記録比率を検出する記録比率検出手段を更に備え、
    前記記録比率検生手段により検出された前記記録比率に基づいて、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする記録装置。
  9. 請求項8に記載された記録装置において、
    前記記録比率検出手段により検出された前記記録比率が所定比率よりも多いとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも短い第3の間隔に設定することを特徴とする記録装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載された記録装置において、
    前回の自動回復処理動作以後に前記記録ヘッドが記録する情報を、主に文字データによって構成される第1の情報と主に文字データ以外のデータによって構成される第2の情報とに分類し、各々の情報の数をカウントする情報カウント手段を更に備え、
    前記情報カウント手段がカウントした第1の情報の数と第2の情報の数に基づいて、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔の制御を第1の情報用の制御と第2の情報用の制御とに切り替えることを特徴とする記録装置。
  11. 請求項10に記載された記録装置において、
    前記制御手段が第2の情報用の自動回復処理動作間隔の制御を実行するとき、前記記録状況検出手段が備える計時手段により計時された前回の記録動作からの経過時間に基づいて、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を制御することを特徴とする記録装置。
  12. 請求項11に記載された記録装置において、
    前記経過時間が第3の所定時間よりも長いとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作の禁止を設定することを特徴とする記録装置。
  13. 請求項11又は請求項12に記載された記録装置において、
    前記経過時間が第3の所定時間以内で、且つ第4の所定時間よりも長いとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を第1の間隔よりも長い第2の間隔に設定することを特徴とする記録装置。
  14. 請求項11乃至請求項13の何れか一項に記載された記録装置において、
    前記経過時間が第4の所定時間以内であるとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作間隔を第1の間隔に設定することを特徴とする記録装置。
  15. 請求項1乃至請求項14の何れか一項に記載された記録装置において、
    前記自動回復処理動作の実行又は禁止を設定する設定手段を更に備え、
    前記設定手段により前記自動回復処理動作の禁止が設定されているとき、前記制御手段は前記自動回復処理動作を実行しないことを特徴とする記録装置。
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