JP2004090264A - インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム - Google Patents

インクジェット記録装置及びその制御方法、プログラム Download PDF

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Hitoshi Sugimoto
杉本 仁
Osamu Iwasaki
岩崎 督
Takeshi Yazawa
矢澤 剛
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Abstract

【課題】無駄なインク消費を低減し、かつ効率の良い高速な印刷を行なえるインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムを提供する。
【解決手段】MPU42は、外部機器から受信する記録データに基づいて、記録ヘッド1の予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する。前回の予備吐出動作からの経過時間を予備吐出タイマー60で計測する。そして、その経過時間と選択された予備吐出時間間隔に基づいて、予備吐出動作を制御する。
また、MPU42は、記録データに基づいて、記録モードがモノクロモードであるかカラーモードであるかを判定し、その判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方法は、低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、カラ−化が容易等からプリンタや複写機等に利用されている。
【0003】
インクジェット記録方式は、記録ヘッドからインク液滴を紙、OHPフィルム等の記録媒体に吐出させて記録する方式である。そのため、吐出した主インク滴以外に発生した微細なインク滴(ミスト)や記録媒体へ吐出したインク滴の跳ね返り等によって記録ヘッドの吐出口面にインクが付着し、これが吐出口の周りに多量に集まったり、又これに紙粉等の異物が付着すると吐出が阻害されて思わぬ方向に吐出したり(ヨレなど)、インク液滴が吐出しない(不吐出)といった弊害を引き起こす。
【0004】
そこで、インクジェット記録装置では、ミストや記録媒体からのインク滴の跳ね返りによる吐出口面の不要なインク及び紙粉等のインク吐出部の付着物を清掃除去する工程としてゴム等の弾性部材で形成したブレードと、記録手段の吐出口面を相対移動により掃拭(ワイピング)する構成を一般的に採用している。このワイピング動作は、インクジェット記録装置の信頼性を高めるための重要な技術となっている。
【0005】
従来のインクジェット記録装置のワイピング動作の制御においては、記録時間による制御や記録ドット数による制御、さらにはこれらを組み合わせた制御が行われている。
【0006】
このワイピング動作は、記録ヘッドの吐出口面に付着したインクの濡れが吐出不良を引き起こす前に実行されるように設定されるのが一般的である。
【0007】
例えば、特開平7−125228号では、記録ドット数および記録時間をカウントし、記録ドット数及び記録時間のそれぞれに基づいて記録中のワイピング動作の時期を制御している。
【0008】
オンデマンド型のインクジェット記録方式の記録動作においては、一つの記録ヘッドに設けられた複数の吐出口の全てを常に使用しているわけではなく、ある時間以上は使用されない不使用ノズルがある。また、カラー記録装置のように複数の記録ヘッドを有する場合でも、記録データが転送されない(記録をしない)記録ヘッド全体が不使用の場合もある。
【0009】
このように吐出口面がキャップされない状態で、記録ヘッドを搭載するキャリッジが走査または停止されると、ある時間連続してインク吐出が行われない吐出口面及び吐出口内のインクが蒸発乾燥してしまい、結果として吐出性能の低下、記録画像の低下を引き起こしてしまう現象が生じる。この現象を防止するために、インクジェット記録装置では、一般的にある時間間隔毎に記録データとは無関係に所定の場所でインクの吐出を行い、記録ヘッドのノズル内のインクを排出してフレッシュなインクにすることによって吐出状態を常に適性に保つことが行われている。このようなインク吐出動作は、予備吐出動作と呼ばれている。
【0010】
この予備吐出動作は、前述したワイピング動作の後にも行われるのが通常である。これは、ワイピング動作によってワイパーブレードに付着した増粘したインクなどが吐出口内に押し込まれることが有り、このワイパーブレードにより押し込まれたインクを排除するために、予備吐出動作を行う。
【0011】
上記予備吐出動作による吐出インクは、被記録媒体やインクジェット記録装置内部に飛散して汚れが発生しないように、回復動作を行う回復ユニットのキャップ内や別に設けた予備吐出位置と呼ばれる場所に向けて吐出され、最終的に廃インクタンク内に貯蔵される。
【0012】
また、ノズル内に気泡が入ったり、ノズル内のインクが増粘・固着することによりノズル内に目詰まりが発生した場合や、ワイピング動作や予備吐出動作では除去しきれなかった吐出口面の異物等を取り除く手段としては、キャップとこれに接続された吸引ポンプからなる吸引回復機構がある。
【0013】
これは、吸引ポンプによって発生された負圧によりノズル内からインクを吸出し、記録ヘッド内の気泡や増粘したインクや異物などが取り除かれ、正常な吐出に回復することを行っている。この吸引回復動作の後には、記録ヘッドの吐出口面に残留したインク滴を除去するためにワイピング動作を行い、さらに予備吐出動作を行うようにするのが一般的である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上述の予備吐出動作の時間間隔は、記録ヘッドの吐出特性に応じて設定され、インクの組成や吐出ノズル形態や駆動素子の能力などによって異なっている。最近では、画質を向上させるために画像の記録密度が増加してきており、これと共に吐出量もだんだん小さくなってきている。
【0015】
また、黒インクを吐出する記録ヘッドとカラーインクを吐出する記録ヘッドの吐出量が異なるものや、さらに同じノズルから吐出量の異なるインク滴(例えば、大小液滴)を切り換えて吐出させることが可能な記録ヘッドも製品化されている。
【0016】
また、近年、カラープリンタが主流となりインクの数も増え、インクジェット記録装置の記録ヘッドは、染料インクや顔料インク、さらにはインクによる画像品位や画像信頼性(耐水性など)を向上させるための透明あるいは半透明な画像品位向上液なども吐出させるようになってきている。
【0017】
これらインクや液体は画像品位や画像信頼性をさらに向上させるために日々改良が行われている。インクジェット記録装置においては、インク(または液体)の組成が異なることによる物性の違いによって吐出性能が異なる場合もある。このように記録ヘッドから吐出されるインクの種類および吐出量などが異なる場合、各記録ヘッドによってインクの吐出安定性も異なる。
【0018】
従って、複数の記録ヘッドを用いた記録ヘッドの場合、先に述べた予備吐出の時間間隔は一番吐出特性の不安定な記録ヘッドに最適な時間間隔に合わせることが必要となってくる。このため、記録データによっては、吐出特性の一番安定している記録ヘッドしか用いない場合でも、一番吐出特性の低い記録ヘッドに合わせて短い時間間隔にて予備吐出を行う必要があった。
【0019】
特に、インクジェット記録装置では、黒とカラーではその特性が異なる場合が多い。例えば、黒インクが顔料インクでカラーインクが染料インクである場合や、黒インクは紙に対して浸透性があまりなく、カラーインクは紙に対して浸透しやすい場合や、さらに、黒インクの吐出量がカラーインクの吐出量よりも大きい場合などがある。
【0020】
このように、黒とカラーでその特性を異ならせている理由としては、黒インクは文字品位を重視し、カラーインクは発色性や色境界のにじみなどを考慮しているためである。そのため、黒インクを吐出する記録ヘッドとカラーインクを吐出する記録ヘッドとは吐出特性が異なる場合がある。
【0021】
これにより、ある時間連続してインク吐出が行われない吐出口は、インクが蒸発乾燥してしまい結果として吐出性能の低下、更には、記録画像の低下を引き起こす。そして、この吐出性能の低下の度合いも異なることがあるので、従来は吐出性能の低いものに合せて予備吐出動作制御を行っていた。
【0022】
また、吐出量が大きいノズルの方が発熱素子の発泡力が大きくなるように設計されているため、予備吐出の最適時間間隔が長いという傾向がある。最近のインクジェット記録装置では、高画質化のために記録ヘッドの解像度は高く、吐出量が小さくなってきており、予備吐出の時間間隔は短くなる傾向にある。予備吐出の時間間隔が短くなるということは、予備吐出をする頻度が高くなることであり、スループットを低下させる要因になる。
【0023】
さらに、近年、記録データに応じてページ内でも記録モードを切り換えて記録することが行われており、記録データの色情報に応じて印刷モードを制御し、高速に印刷することが特開平08‐156331号で提案されている。このような場合、ページ内において記録データに応じて印刷モードを切り換えても常に予備吐出時間間隔を一定にしてしまうと、印刷モードによっては必要以上に予備吐出をしてしまうことが生じてしまう。
【0024】
また、記録に使用されるインクの種類を記録前に検出する検出手段を有し、記録に関与するインクあるいは記録ヘッドに関する回復動作と記録に関与しないインクあるいは記録ヘッドに関する回復動作の内容を異ならせるように制御することが、特開平09−011505号に記載されている。これは記録に使用しないノズルからの回復によるインクの消費をしないようにした制御であり、これには記録データに応じて予備吐出時間間隔を変えることや吐出ノズルによる最適予備吐時間間隔の違いなどについての記載は何ら無い。
【0025】
また、特開2001−121724には、高画質記録モードによる記録の前に吐出口からインクを予備吐出する際にカラーインクよりブラックインクの吐出回数を少なくすることが提案されており、実施形態中にはファイン記録か否かで予備吐出条件を変えているが、記録データに応じて予備吐出時間間隔を変えることや、記録ヘッドやインクによって最適予備吐出時間間隔が異なることなどについては何ら開示されていない。
【0026】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、無駄なインク消費を低減し、かつ効率の良い高速な印刷を行なえるインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムを提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録装置は以下の構成を備える。即ち、
インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置であって、
前記記録データに基づいて、前記記録ヘッドの予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する選択手段と、
前回の予備吐出動作からの経過時間を計測する計測手段と、
前記経過時間と前記選択手段で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記予備吐出動作を制御する制御手段と
を備える。
【0028】
また、好ましくは、記録データに基づいて、記録モードがモノクロモードであるかカラーモードであるかを判定する判定手段を更に備え、
前記選択手段は、前記判定手段で判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する。
【0029】
また、好ましくは、前記モノクロモードに対応する予備吐出時間間隔は、前記カラーモードに対応する予備吐出時間間隔よりも長い。
【0030】
また、好ましくは、前記予備吐出動作は、予備吐出量が異なる第1及び第2予備吐出動作を有し、
前記制御手段は、前記経過時間と前記選択手段で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記第1あるいは第2予備吐出動作を実行する。
【0031】
また、好ましくは、記録データに基づく予備吐出モードを指定する指定手段を更に備え、
前記指定手段で予備吐出モードが指定されている場合、前記制御手段は、前記記録データと前記指定手段で指定されている予備吐出モードに基づいて、前記第1あるいは第2予備吐出動作を実行する。
【0032】
また、好ましくは、前記記録データに基づいて、記録モードが、大きい吐出量のインク滴のみで記録を行なう第1記録モードであるか、小さい吐出量のインク滴を少なくとも用いて記録を行なう第2記録モードであるかを判定する判定手段を更に備え、
前記選択手段は、前記判定手段で判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する。
【0033】
また、好ましくは、前記第1記録モードに対応する予備吐出時間間隔は、前記第2記録モードに対応する予備吐出時間間隔よりも長い。
【0034】
上記の目的を達成するための本発明によるインクジェット記録装置の制御方法は以下の構成を備える。即ち、
インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置の制御方法であって、
前記記録データに基づいて、前記記録ヘッドの予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する選択工程と、
前回の予備吐出動作からの経過時間を計測する計測工程と、
前記経過時間と前記選択工程で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記予備吐出動作を制御する制御工程と
を備える。
【0035】
上記の目的を達成するための本発明によるプログラムは以下の構成を備える。即ち、
インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置を制御するためのプログラムであって、
前記記録データに基づいて、前記記録ヘッドの予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する選択工程のプログラムコードと、
前回の予備吐出動作からの経過時間を計測する計測工程のプログラムコードと、
前記経過時間と前記選択工程で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記予備吐出動作を制御する制御工程のプログラムコードと
を備える。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。
【0037】
<実施形態1>
図1は本発明に適用したインクジェット記録装置の概略図を示す図である。
【0038】
図1において、1は記録ヘッド(カートリッジ)であり、上方に4つのインクタンク部、下方に各インクタンクに対応する記録ヘッド部を有しており、さらに記録ヘッド部を駆動するための信号などを受容するためのコネクタが設けてある。
【0039】
尚、以下の説明では、各インクタンクとそれに対応する記録ヘッド部全体を記録ユニット1A〜1Dと呼び、これら記録ユニット1A〜1Dの全体または任意の一つを指す場合でも、単に記録ヘッド1で示すことにする。
【0040】
2は、キャリッジである。キャリッジ2には、記録ヘッド1が有する4個の記録ヘッドユニット1A,1B,1C,1Dが位置決めして交換可能に搭載されており、かつ記録ヘッドユニット1A,1B,1C,1Dの各記録ヘッド部を駆動するための信号等を伝達するためのコネクタホルダーが設けてあり、記録ヘッド部と電気的に接続されるようになっている。記録ヘッドユニット1A,1B,1C,1Dに対応する各インクタンク部にはそれぞれ異なる色のインクが収容されており、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)インクを収納しそれぞれのインクで吐出記録する。
【0041】
尚、以下の説明において、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、の各色に対応する記録ヘッドユニット1A,1B,1Cをまとめてカラー記録ヘッド、ブラック(Bk)に対応する記録ヘッドユニット1Dをブラック記録ヘッドと呼ぶ場合がある。
【0042】
実施形態1では、ブラックインクに顔料インクを使用し、カラーインク(Y,M,Cインク)に染料インクを使用している。また、ブラックインクの1ドット辺りのインク量は約30pl、カラーインクの1ドット辺りのインク量は約5plとしている。実施形態1で使用する各記録ヘッド部の各色の最適予備吐出時間は、例えば、ブラック記録ヘッドが約10秒、カラー記録ヘッドは約5秒であるとする。そして、このように使用するインクの種類やノズルからのインク吐出量の違いなどによって最適な予備吐出時間間隔は異なってくる。
【0043】
キャリッジ2は、主走査方向に延在させて装置本体設置されたガイドシャフト3に沿って往復移動可能に案内指示されている。そして、キャリッジ2は主走査モータ4により、モータプーリ5、従動プーリ6およびタイミングベルト7を介して駆動され、その位置および主走査方向への往復移動が制御される。
【0044】
用紙などの被記録媒体8は、記録ヘッド1による記録位置の前後に配置されている被記録媒体8の挟持搬送を行うための搬送ローラ対9、10および11、12により、記録ヘッド部の吐出口面と対向する位置(記録部)を通して主走査方向とは略垂直な方向(副走査方向)へ搬送される。
【0045】
被記録媒体8は、記録ヘッド1において平坦な記録面を形成するようにその裏面をプラテン(不図示)により支持されている。この時、キャリッジ2に搭載された記録ヘッド1は、キャリッジ2から下方へ突出して搬送ローラ10、12間に位置し、記録ヘッド1の吐出口形成面は被記録媒体8の記録面に平行に対向するようになっている。
【0046】
実施形態1のインクジェット記録装置においては、回復系ユニット14が図1の左側にあるホームポジション側に配設してある。回復系ユニット14において、15は記録ヘッド1の吐出口面にそれぞれ対応して設けたキャップであり、上下方向に昇降可能である。そして、キャリッジ2がホームポジションにあるときには記録ヘッド1の吐出口面と接合して、これをキャッピングし、記録ヘッド1の吐出口内のインクが乾燥蒸発することによる増粘・固着やごみなどの付着によって吐出不良になるのを防いでいる。
【0047】
また、キャップ15はポンプ16と連通されており、記録ヘッド1が万一吐出不良になった場合や吐出口内にインクがなくなった時、キャップ15と記録ヘッド1の吐出口面とを接合させ、ポンプ16を用いてキャップ15内に負圧を生じさせてインクを吸引排出する吸引回復動作も行う。
【0048】
また、キャップ15は予備吐出を行う場所も兼ねている。ある時間連続してインク吐出が行われない吐出口は、インクが蒸発乾燥してしまい結果として吐出性能の低下記録画像の低下を引き起こす。そのため、これを防止するためにインクジェット記録装置では、一般的にある時間間隔毎に、記録データとは無関係に所定の場所でインク吐出を行いノズル内のインクを排出することで、フレッシュなインクにする予備吐出と呼ばれる動作を行っている。予備吐出を行う場所は、キャップ15内に限らず、別の場所に予備吐出部を設けるように構成されることもある。
【0049】
さらに、18はゴムなどの弾性部材で形成されたワイピング部材としてのブレードであり、17はブレード18を保持するためのブレードホルダーである。ブレード18は吐出口面を傷つけることのないように、一般的に記録ヘッド1より低い硬度の材料で作られている。また、ブレード18と記録ヘッド1との相対的な位置関係に対する許容度を増すために、ブレード18は弾性部材で作られる場合が多い。
【0050】
ブレード18に使用される材料としては、天然ゴム、ニトリルゴム、ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、塩素化ブチルゴム、シリコンゴム、ポリスチレンラバー、ポリ塩化ビニル、ポリウレタンゴム等の弾性体が一般的に使用される。また、その他にポリウレタン、ポリエチレンなどの発泡体または焼結体が使用されることもある。
【0051】
実施形態1においては、キャリッジ2の移動によって駆動されるブレード昇降機構(不図示)により、ブレードホルダー17に支持されたブレード18は記録ヘッド部の吐出口形成面に付着したインクをワイピングすべく突出(上昇)した位置(ワイピング位置)と、記録ヘッド1の吐出口面と干渉しないように後退(下降)した位置(待機位置)とに昇降可能となっている。
【0052】
そして、キャリッジ2が図中左のホームポジションのキャップ位置へ移動した時にブレード18がワイピング位置に上昇するようにしてある。また、キャップ位置から記録領域側へ移動するときに、ブレード18は記録ヘッド1の吐出口面と当接しながら相対移動してワイピングが行われる。さらに、キャリッジ2が記録領域側に移動してブレード18が吐出口面から外れると、ブレード18は待機位置に降下し、吐出口面と干渉しなくなるようになっている。
【0053】
記録ヘッド1は、熱エネルギーを利用してインクを吐出するインクジェット記録手段であって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を備えたものである。
【0054】
図2は実施形態1の記録ヘッド1のインク吐出部(記録吐出部)13の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【0055】
図2において、被記録媒体8と所定の間隔(例えば、約0.5〜2.0ミリ程度)をおいて対面する吐出口面21には、所定のピッチで複数の吐出口22が形成され、共通液室23と吐出口22とを連通する各液路24の壁面に沿ってインク吐出のためのエネルギーを発生する電気熱変換体(発熱抵抗体など)25が配置されている。
【0056】
実施形態1において、記録ヘッド1は、吐出口22の列がキャリッジ2の主走査方向と交叉する方向に並ぶような位置関係でキャリッジ2に搭載されている。そして、記録ヘッド1は、駆動信号を印加することによって電気熱変換体25に熱エネルギーを発生せしめ、この熱エネルギーによって液路24内のインクを膜沸騰させ、この気泡の成長・収縮によって生じる圧力によってインク滴を吐出させて記録を行うものである。
【0057】
上述のように構成されたインクジェット記録装置の各部を制御する制御回路の一例を、図3を参照して説明する。
【0058】
図3は実施形態1のインクジェット記録装置の制御回路を示す図である。
【0059】
41は記録データを入力するインターフェースであり、このインターフェース41を介してホストコンピュータ等の外部機器で生成された記録データを受信することが可能である。42はマイクロプロセッサユニット(MPU)である。また、43は、MPU42が実行する、後述する各種フローチャートを実行するためのプログラムを含む制御プログラムを格納するプログラムROMである。また、以下に説明する予備吐出時間間隔、各種閾値等の記録関連情報もここに格納されている。
【0060】
44は記録データや記録ヘッド1に供給される記録用画像データ等の各種データを保存しておくDRAMである。45は記録ヘッド1に対する記録用画像データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース41とMPU42とDRAM44との間のデータの転送制御も行うようになっている。
【0061】
46は電気的に読み書き可能なEEPROMであり、このEEPROM46に記憶されたデータはインクジェット記録装置の電源を切られても保持されるようになっている。このデータには、例えば、インクジェット記録装置の実行した累積記録枚数、インク残量や廃インク量等の情報がある。
【0062】
4は記録ヘッド1を搭載したキャリッジ2を搬送するためのキャリアモータである。20は被記録媒体8の搬送のための搬送モータである。47は記録ヘッド1を駆動するためのヘッドドライバである。48と49はそれぞれ搬送モータ20とキャリアモータ4を駆動するためのモータドライバである。
【0063】
50は各種センサであり、被記録媒体8の有無を検出するセンサやキャリッジ2のホームポジションセンサや温度センサ等であり、これらのセンサにより、キャリッジ2の位置や被記録媒体8の有無や環境温度を認識することができる。
【0064】
インターフェース41に記録データが入力されると、ゲートアレイ45とMPU42との間で記録データが記録用画像データに変換される。そして、モータドライバ48、49が駆動されるとともに、ヘッドドライバ47に送られる画像データに従って記録ヘッド1が駆動され、記録が行われる。
【0065】
60は、前回の予備吐出からの経過時間を計測する予備吐出タイマーであり、MPU42によって、その動作が制御される。
【0066】
実施形態1では、記録データの色情報を管理し、その色情報に応じて予備吐出時間間隔を設定し、この設定された予備吐出時間間隔にて記録データの印刷を行う構成について説明する。この構成によれば、記録データに最適な予備吐出間隔で効率的に記録を行うことができる。
【0067】
具体的には、実施形態1では、ブラック記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔をTBKY、カラー記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔をTCLYとし、TBKY>TCLYという関係にある記録ヘッド1を用い、記録データの色情報に応じて、モノクロモード(ブラックインクのみで記録するモード)とカラーモード(ブラックインク及びカラーインクで記録するモード、またはカラーインクのみで記録するモード)に切り換え、それぞれのモードに応じて予備吐出時間間隔を変更する。
【0068】
また、予備吐出動作による予備吐出量とは、1回の予備吐出動作によって吐出される吐出量、あるいは複数回の予備吐出動作によって吐出される総吐出量を意味するものである。つまり、予備吐出量は、吐出回数(吐出発数)×吐出量で規定されるものである。
【0069】
以下、実施形態1のインクジェット記録装置における予備吐出動作の詳細について、図4を用いて説明する。
【0070】
図4は実施形態1のインクジェット記録装置の予備吐出動作を示すフローチャートである。
【0071】
まず、ステップS101で、記録命令を受信した時に、キャッピングされていればキャップ15を離脱させ、被記録媒体8を給紙する。次に、ステップS102で、BK,C,M,Yの記録ヘッド部の全てのノズルより予備吐出位置にて予備吐出を行う。次に、ステップS103で、前回の予備吐出からの経過時間Tを計測する予備吐出タイマー60をリセットしてスタートさせる。
【0072】
次に、ステップS104で、これから記録する記録データがモノクロモードかカラーモードかを判定する。この判定は、記録走査における記録データ中にC,M,Yのカラーデータが有るか無いかを判定し、C,M,Yのカラーデータのうち、少なくとも1つがある場合にはカラーモードと判定する。一方、ブラックのモノクロデータのみである場合にはモノクロモードと判定する。
【0073】
ステップS104において、モノクロモードである場合(ステップS104でYES)、ステップS105に進み、前回の予備吐出からの予備吐出タイマー60の経過時間TがBkヘッドの最適予備吐出時間間隔TBKY以上であるか否かを判定する。経過時間TがTBKY未満である場合(ステップS105でNO)、ステップS108に進む。そして、ステップS108で、モノクロモードで記録ヘッド1の1走査分の記録動作を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0074】
一方、経過時間TがTBKY以上である場合(ステップS105でYES)、ステップS106に進み、BK,C,M,Yの記録ヘッド部の全てのノズルより予備吐出位置にて予備吐出を実行する。次に、ステップS107で、再度予備吐出タイマー60をリセットして再スタートさせる。次に、ステップS108で、モノクロモードで記録ヘッド1の1走査分の記録動作を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0075】
一方、ステップS104において、カラーモードである場合(ステップS104でNO)、ステップS109に進み、前回の予備吐出からの予備吐出タイマー60の経過時間Tがカラーノズルの最適予備吐出時間間隔TCLY以上であるか否かを判定する。経過時間TがTCLY未満である場合(ステップS109でNO)、ステップS112に進む。
【0076】
一方、経過時間TがTCLY以上である場合(ステップS109でYES)、ステップS110に進み、Bk,C,M,Yの記録ヘッド部の全てのノズルより予備吐出位置にて予備吐出を実行する。次に、ステップS111で、予備吐出タイマー60をリセットして再スタートさせる。次に、ステップS112で、カラーモードで記録ヘッド1の1走査分の記録を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0077】
ステップS113で、記録すべき記録データが引き続き残っているか否かを判定する。記録データが残っている場合(ステップS113でNO)、ステップS104に戻り、記録すべてき記録データが終了するまで、同様に記録走査を繰り返す。そして、被記録媒体8に対応する1頁分の記録データが終了すれば(ステップS113でYES)、ステップS114に進み、被記録媒体8の排紙動作を行い、キャッピング動作を実行して終了する。
【0078】
以上説明したように、実施形態1によれば、これから記録する記録データに応じて最適な予備吐出時間にて予備吐出動作を行うように制御するため、モノクロデータのみのモノクロモードでの記録走査時は予備吐出回数を少なくでき、また、カラーモードに切り換った時には、それに対応した予備吐出ができる。これにより、効率の良い記録が行える。
【0079】
<実施形態2>
実施形態2は、実施形態1の応用例であり、カラーモードにおいて、2種類の最適予備吐出時間間隔TCLY1とTCLY2を閾値として設定し、これらの閾値と予備吐出タイマー60の経過時間Tとの関係に基づいて、2種類の予備吐出を行なう構成について説明する。
【0080】
図5は実施形態2のインクジェット記録装置の予備吐出動作を示すフローチャートである。
【0081】
尚、図5において、ステップS201〜ステップS208は、実施形態1の図4のステップS101〜ステップ108と同じ処理であるため、その説明は省略する。
【0082】
ステップS204において、カラーモードである場合(ステップS204でNO)、ステップS209に進み、前回の予備吐出からの予備吐出タイマー60の経過時間Tがカラーヘッドの最適予備吐出時間間隔(第1閾値)TCLY1以上であるか否かを判定する。経過時間TがTCLY1未満である場合(ステップS209でNO)、ステップS214に進む。ステップS214で、カラーモードで記録ヘッド1の1走査分の記録動作を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0083】
一方、経過時間TがTCLY1以上である場合(ステップS209でYES)、スッテプ210に進み、経過時間Tが第2閾値TCLY2以上であるか否かを判定する。経過時間TがTCLY2未満である場合(ステップS210でNO)、ステップS211に進み、予備吐出位置にて予備吐出Aを実行する。一方、経過時間TがTCLY2以上である場合(ステップS210でYES)、ステップS212に進み、予備吐出位置にて予備吐出Bを実行する。
【0084】
尚、予備吐出Bの予備吐出量は、予備吐出Aの予備吐出量よりも多くなるように設定されている。
【0085】
ステップS213で、予備吐出タイマー60をリセットし再スタートさせる。次に、ステップS214で、カラーモードで記録ヘッド1の1走査分の記録を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0086】
ステップS215で、記録すべき記録データが引き続き残っているか否かを判定する。記録データが残っている場合(ステップS215でNO)、ステップS204に戻り、記録すべき記録データが終了するまで、同様に記録走査を繰り返す。そして、被記録媒体8に対応する1頁分の記録データが終了すれば(ステップS215でYES)、ステップS216に進み、被記録媒体8の排紙動作を行い、キャッピング動作を実行して終了する。
【0087】
実施形態2では、ブラック記録ヘッドの最適予備吐出時間をTBKY=10秒、カラー記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔をTCLY1=5秒、第2閾値TCLY2=6秒に設定している。
【0088】
これは、前回の記録走査までモノクロモードで記録していて、途中からカラーモードに切り換った場合に、カラーの記録にも関わらず経過時間Tがカラー記録ヘッドの最適予備吐時間間隔TCLY1を越えて10秒近くに達している場合がある。このような場合、モノクロモードからカラーモードに切り換った最初の時には、カラー記録ヘッドの吐出状態がより不安定な状態になっているため、通常(予備吐出A)よりも少なくともカラー記録ヘッドの予備吐出量を多くしてやることにより、カラー記録ヘッドの吐出安定性をより確実にすることができる。
【0089】
以上説明したように、実施形態2によれば、カラーモードにおいて、2種類の閾値を設定することにより、経過時間Tがカラー記録ヘッドの最適予備吐出時間に近いか、またはカラー記録ヘッドの最適予備吐出時間を大幅に越えてしまっているかを判断して予備吐出量を制御することができる。特に、実施形態2は、ブラック記録ヘッドの最適予備吐出時間とカラー記録ヘッドの最適予備吐出時間が大きく異なる場合に特に有効となる。
【0090】
<実施形態3>
実施形態3は、実施形態2の応用例であり、カラー記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔が実施形態2の場合よりも短い場合を想定して、記録走査ごとに予備吐出を行う構成について説明する。
【0091】
図6は実施形態3のインクジェット記録装置の予備吐出動作を示すフローチャートである。
【0092】
まず、ステップS301で、記録命令を受信した時に、キャッピングされていればキャップ15を離脱させ、被記録媒体8を給紙する。次に、ステップS302で、BK,C,M,Yの記録ヘッド部の全てのノズルより予備吐出位置にて予備吐出を行う。次に、ステップS303で、予備吐出タイマー60をリセットしてスタートさせる。
【0093】
次に、ステップS304で、記録中に行う予備吐出モードの初期設定としてカラーモードに対するカラー予備吐出モード(COLOR)を指定し、変数PreheatModeをCOLORに設定する。この変数PreheatModeは、これからの予備吐出の間隔や予備吐出の種類を何にするかを決定するための変数である。
【0094】
次に、ステップ305で、これから記録する記録データがモノクロモードかカラーモードかを判定する。モノクロモードである場合(ステップS306でYES)、ステップ306に進み、現在の予備吐出モードがCOLORモードであるか否かを判定する。COLORモードでない場合(ステップS306でNO)、ステップS308に進む。一方、COLORモードである場合(ステップS306でYES)、ステップS307に進み、予備吐出モードの変数PreheatModeに、モノクロモードに対するモノクロ予備吐出モード(MONO)を設定する。これにより、予備吐出モードがMONOモードに設定したことがDRAM44に記憶される。
【0095】
ステップ308で、前回の予備吐出からの予備吐出タイマー60の経過時間Tがブラック記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔TBKY以上であるか否かを判定する。経過時間TがTBKY未満である場合(ステップS308でNO)、ステップS311に進む。そして、ステップS311で、モノクロモードで記録ヘッド1の1走査分の記録動作を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0096】
一方、経過時間TがTBKY以上である場合(ステップS308でYES)、ステップS309に進み、予備吐出位置にて予備吐出Aを実行する。次に、ステップS310で、予備吐出タイマー60をリセットして再スタートさせる。次に、ステップS311で、モノクロモードで記録ヘッド1の1走査分の記録動作を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0097】
一方、カラーモードである場合(ステップS304でNO)、ステップS312に進み、現在の予備吐出モードがCOLORモードであるか否かを判定する。COLORモードである場合(ステップS312でYES)、ステップS315に進み、予備吐出位置にて予備吐出Aを実行する。一方、COLORモードでない場合(ステップS312でNO)、ステップS313に進み、予備吐出モードの変数PreheatModeに、COLORを設定する。これにより、予備吐出モードがカラー予備吐出モードに設定したことがDRAM44に記憶される。そして、ステップS314で、予備吐出位置にて予備吐出Bを実行する。
【0098】
尚、予備吐出Bの予備吐量は、予備吐出Aの予備吐出量よりも多くなるように設定されている。
【0099】
ステップS316で、予備吐出タイマー60をリセットし再スタートさせる。次に、ステップS317で、カラーモードで記録ヘッド1の1走査分の記録を実行し、所定量の被記録媒体8の搬送を行う。
【0100】
ステップS318で、記録すべき記録データが引き続き残っているか否かを判定する。記録データが残っている場合(ステップS318でNO)、ステップS305に戻り、記録すべき記録データが終了するまで、同様に記録走査を繰り返す。そして、被記録媒体8に対応する1頁分の記録データが終了すれば(ステップS318でYES)、ステップS319に進み、被記録媒体8の排紙動作を行い、キャッピング動作を実行して終了する。
【0101】
実施形態3では、カラー記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔が実施形態2の場合よりも短い場合を想定し、記録走査ごとに予備吐出を行うようにしたものであるが、これに加えて、実施形態2のように、最適予備吐出時間間隔と予備吐出タイマー60の経過時間Tの比較を行い、その比較結果に基づいて、予備吐出動作を制御するようにして良い。
【0102】
以上説明したように、実施形態3によれば、ブラック予備吐出モードからカラー予備吐出モードに切り換ったことが、予備吐出モードの設定状況を規定する変数PreheatModeをチェックすることで判断できる。これにより、カラー記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔がブラック記録ヘッドの最適予備吐出時間間隔との差が大きい場合でも予備吐出モードの切り換りを判断して、切り換り時にはより多くの予備吐出量で予備吐出を実行することにより、予備吐出時間間隔の長いブラック予備吐出モードから切り換った時のカラー記録ヘッドの吐出安定性を確保できる。
【0103】
尚、上述の実施形態3においては、予備吐出モードを規定する変数PreheatModeを設定して予備吐出モードを切り換えるようにしたが、これに限定されるものではなく記録モード等の情報から切り換るようにしても良い。
【0104】
また、上記各実施形態では、記録データに応じてモノクロモードとカラーモードに自動的に切りかえて、各記録モードに対応する予備吐出時間間隔を切りかえるようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、記録ヘッドによっては、同じ色でも吐出量の異なるインク滴を吐出可能なものも製品化されており、記録データに応じて大きい吐出量のインク滴のみで記録を行なう記録モードと、小さい吐出量のインク滴を少なくとも用いて(小のみでも大小混在でも良い)記録を行なう記録モードとで予備吐出時間間隔を切りかえるようにしてもよい。
【0105】
更に、4色(Bk,C,M,Y)の記録モードと、淡いインクや特色を用いた6色または7色の記録モードとで、予備吐出時間間隔を切りかえるようにしても良い。また、予備吐出時間間隔を3つ以上設定できるようにしても良い。
【0106】
加えて、用途や目的、あるいは記録ヘッド1の構造等のヘッド条件に基づいて、上記各実施形態を任意に組み合わせて、予備吐出動作を制御しても良いことは言うまでもない。
【0107】
このように、本発明によれば、ページ中でも記録データに応じて自動的に記録モードに対応する予備吐出動作を切り替えることができ、さらに切り替えられた記録モードに応じて予備吐出時間間隔を最適化するようにしたため、高速かつ安定した記録を行うことができる。
【0108】
尚、以上の実施形態において、記録ヘッドから吐出される液滴はインクであるとして説明し、さらにインクタンクに収容される液体はインクであるとして説明したが、その収容物はインクに限定されるものではない。例えば、記録画像の定着性や耐水性を高めたり、その画像品質を高めたりするために記録媒体に対して吐出される処理液のようなものがインクタンクに収容されていても良い。
【0109】
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0110】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状をすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0111】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0112】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるものである。
【0113】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0114】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0115】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0116】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0117】
さらに加えて、本発明に係る記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けられるものの他、リーダ等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を取るものであっても良い。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、無駄なインク消費を低減し、かつ効率の良い高速な印刷を行なえるインクジェット記録装置及びその制御方法、プログラムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用したインクジェット記録装置の概略図を示す図である。
【図2】実施形態1の記録ヘッド1のインク吐出部(記録吐出部)13の構造を模式的に示す部分斜視図である。
【図3】実施形態1のインクジェット記録装置の制御回路を示す図である。
【図4】実施形態1のインクジェット記録装置の予備吐出動作を示すフローチャートである。
【図5】実施形態2のインクジェット記録装置の予備吐出動作を示すフローチャートである。
【図6】実施形態3のインクジェット記録装置の予備吐出動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 キャリッジ
3 ガイドシャフト
4 モータ
5 モータプーリ
6 従動プーリ
7 タイミングベルト
8 被記録媒体
9〜12 搬送ローラ対
13 インク吐出部
14 回復系ユニット
15 キャップ
16 ポンプ
17 ブレードホルダー
18 ブレード
20 搬送モータ
21 吐出口面
22 吐出口
23 共通液室
24 液路
25 電気熱変換体
41 インターフェース
42 MPU
43 ROM
44 DRAM
45 ゲートアレイ
46 ROM
47 ヘッドドライバ
48、49 モータドライバ
50 センサ
60 予備吐出タイマー

Claims (15)

  1. インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置であって、
    前記記録データに基づいて、前記記録ヘッドの予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する選択手段と、
    前回の予備吐出動作からの経過時間を計測する計測手段と、
    前記経過時間と前記選択手段で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記予備吐出動作を制御する制御手段と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 記録データに基づいて、記録モードがモノクロモードであるかカラーモードであるかを判定する判定手段を更に備え、
    前記選択手段は、前記判定手段で判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記モノクロモードに対応する予備吐出時間間隔は、前記カラーモードに対応する予備吐出時間間隔よりも長い
    ことを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記予備吐出動作は、予備吐出量が異なる第1及び第2予備吐出動作を有し、
    前記制御手段は、前記経過時間と前記選択手段で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記第1あるいは第2予備吐出動作を実行する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  5. 記録データに基づく予備吐出モードを指定する指定手段を更に備え、
    前記指定手段で予備吐出モードが指定されている場合、前記制御手段は、前記記録データと前記指定手段で指定されている予備吐出モードに基づいて、前記第1あるいは第2予備吐出動作を実行する
    ことを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記記録データに基づいて、記録モードが、大きい吐出量のインク滴のみで記録を行なう第1記録モードであるか、小さい吐出量のインク滴を少なくとも用いて記録を行なう第2記録モードであるかを判定する判定手段を更に備え、
    前記選択手段は、前記判定手段で判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記第1記録モードに対応する予備吐出時間間隔は、前記第2記録モードに対応する予備吐出時間間隔よりも長い
    ことを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置の制御方法であって、
    前記記録データに基づいて、前記記録ヘッドの予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する選択工程と、
    前回の予備吐出動作からの経過時間を計測する計測工程と、
    前記経過時間と前記選択工程で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記予備吐出動作を制御する制御工程と
    を備えることを特徴とするインクジェット記録装置の制御方法。
  9. 記録データに基づいて、記録モードがモノクロモードであるかカラーモードであるかを判定する判定工程を更に備え、
    前記選択工程は、前記判定工程で判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する
    ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  10. 前記モノクロモードに対応する予備吐出時間間隔は、前記カラーモードに対応する予備吐出時間間隔よりも長い
    ことを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  11. 前記予備吐出動作は、予備吐出量が異なる第1及び第2予備吐出動作を有し、
    前記制御工程は、前記経過時間と前記選択工程で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記第1あるいは第2予備吐出動作を実行する
    ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  12. 記録データに基づく予備吐出モードを指定する指定工程を更に備え、
    前記指定工程で予備吐出モードが指定されている場合、前記制御工程は、前記記録データと前記指定工程で指定されている予備吐出モードに基づいて、前記第1あるいは第2予備吐出動作を実行する
    ことを特徴とする請求項11に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  13. 前記記録データに基づいて、記録モードが、大きい吐出量のインク滴のみで記録を行なう第1記録モードであるか、小さい吐出量のインク滴を少なくとも用いて記録を行なう第2記録モードであるかを判定する判定工程を更に備え、
    前記選択工程は、前記判定工程で判定された記録モードに対応する予備吐出時間間隔を選択する
    ことを特徴とする請求項8に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  14. 前記第1記録モードに対応する予備吐出時間間隔は、前記第2記録モードに対応する予備吐出時間間隔よりも長い
    ことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録装置の制御方法。
  15. インクを吐出する吐出口を有する記録ヘッドを用いて、記録データに基づく記録を行なうインクジェット記録装置を制御するためのプログラムであって、
    前記記録データに基づいて、前記記録ヘッドの予備吐出動作の予備吐出時間間隔を選択する選択工程のプログラムコードと、
    前回の予備吐出動作からの経過時間を計測する計測工程のプログラムコードと、
    前記経過時間と前記選択工程で選択された予備吐出時間間隔に基づいて、前記予備吐出動作を制御する制御工程のプログラムコードと
    を備えることを特徴とするプログラム。
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