JP4266599B2 - インクジェット記録装置及び該装置の予備吐出制御方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び該装置の予備吐出制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置及び該装置の予備吐出制御方法に関し、特に、インクを吐出するノズルが所定方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを、記録に使用するインクの種類に対応して複数備えており、各記録ヘッドからインクを記録媒体上に吐出して記録を行う、インクジェット記録装置において、記録に無関係の予備吐出を実行する際の制御に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ファクシミリ等に於ける情報出力装置として、所望される文字や画像等の情報を用紙やフィルム等シート状の記録媒体に記録を行うプリンタが広く使用されている。
【0003】
プリンタの記録方式としては様々な方式が知られているが、用紙等の記録媒体に非接触記録が可能である、カラー化が容易である、静粛性に富む、等の理由でインクジェット方式が近年特に注目されており、又その構成としては所望される記録情報に応じてインクを吐出する記録ヘッドをキャリッジに装着すると共に用紙等の記録媒体の送り方向と交差する方向に往復走査しながら記録を行なうシリアル記録方式が安価で小型化が容易などの点から一般的に広く用いられている。
【0004】
インクジェットプリンタでは、以下の二つの理由から、予備吐出と呼ばれる記録とは無関係の吐出を行うものが多い。
【0005】
第1に、記録を行わない時間が長くなるとともに記録ヘッドのノズル先端から、インクに含まれる揮発成分(溶剤)が蒸発してインクが増粘することによって吐出不良が生じる。このような吐出不良と吐出不良に起因する記録品質の劣化とを回避するために、予備吐出を実施する。
【0006】
第2に、インクジェットプリンタでは、ノズル先端からインクの溶剤が蒸発して吐出不良が生じるのを防止するために、定期的に吸引回復動作を実施するものが一般的である。このとき、カラー記録を行うべく複数色のインクを吐出する記録ヘッドを備えたプリンタにおいて、複数色のインクが吐出されるノズルを1つのキャップで吸引するように構成されていると、吸引されたインクがキャップ内で混ざって記録ヘッドのオリフィス面に付着し、逆にノズル内へ吸い込まれることでノズル内で混色が発生する。このようなインクの混色は、吐出面をクリーニングブレードなどで清掃(ワイピング)する際にも生じ得る。
【0007】
この混色したインクによって記録されるのを防止するために、予備吐出を行って対処する方法が広く実施されている。すなわち、混色したインクを記録とは無関係な吐出により排出する。
【0008】
予備吐出が行われるタイミングとしては、記録開始直前と、記録の実行中とがある。すなわち、記録開始直前には、ノズル先端部の不良インクを排出するために予備吐出を実施し、正常なインクをノズルに充填させてから記録を開始する。また、記録中には、記録ヘッドの温度、プリンタ内部の温度や湿度などの条件から、正常な吐出が可能である時間を算出し、その時間以下の時間間隔で定期的に予備吐出を実施する。
【0009】
ところで、インクジェットプリンタに対するユーザの要求は近年更に高くなってきており、高画質化、高速化、低価格化、及び小型化が一層強く求められている。
【0010】
このうち、高画質化を達成するために、吐出されるインク滴の微小化と使用するインクの多色化が図られている。吐出されるインク滴を微小とすることは、記録媒体上に形成される記録ドットの微小化を意味し、特に自然画像におけるハイライト部の粒状感の低減に大きく寄与する。インクの多色化については、従来の一般的なインクジェットプリンタは、ブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4種類のインクで画像を形成していたが、ハイライト部、中濃度部の画質を向上させるため、染料濃度を下げた淡い色合いのライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)の2種類を加えた6種類のインクを用いるプリンタが提案されている。
【0011】
一方、高速化を達成すべく、1色あたりのノズル数を増やすこと、及び駆動周波数を高くすることが行われている。
【0012】
このような多色化、多ノズル化により、記録に用いる総ノズル数は従来と比較して大幅に増加している。このため、全ノズルを同時に吐出すること(全色全吐)が可能な構成とするには、大電流を瞬間的に記録ヘッドに供給できる電源ユニットが必要になる。
【0013】
しかしながら、そのような電源ユニットを備えると、コスト及びサイズの面で非常に不利であり、低価格化と小型化というユーザーの要求を満たすことが困難になる。
【0014】
更に、全色全吐で記録を行うのは、1パス記録においてベタ記録など特殊なパターンを受信した場合のみであり、通常の記録動作で全色全吐記録を実施するのは非常に稀である。
【0015】
このため、全色全吐記録時に必要な電流を供給することは出来ないが、簡単な構成の小型で安価な電源ユニットを搭載し、記録の際には、同時に駆動されるノズル数(同時吐出数)をカウントし、搭載した電源ユニットで供給可能な電流に相当する同時吐出数を越えた場合には、記録パス数を増やすなど記録方法を切り替えるように制御することが提案されている。
【0016】
駆動周波数が高くなり、ノズル数が多くなることにより、単位時間あたりにインクタンクから記録ヘッドへ流れるインク量も増大する。通常、インクタンクから記録ヘッドへ単位時間あたり供給可能なインク量は、機械的構造による限界があり、限界を越えたインク量を供給しようとすると、インクが正常に供給されず気泡を含んだ状態となり、吐出不良の原因となる。
【0017】
しかしながら、インクタンクから記録ヘッドへ供給可能なインク量を多くするためには、インクタンクや供給経路のサイズを大型化する必要があるので、高価格化や大型化を招き、やはりユーザーの要求に応えることが困難になる。
【0018】
このため、インクタンクから供給可能なインク量の観点から、各色毎に全ノズルから吐出する(単色全吐)場合に、駆動周波数が制限される場合がある。
【0019】
以上のような理由により、記録ヘッドの最大駆動周波数で全色全吐の予備吐出を実施することが困難な場合が多い。
【0020】
従って、予備吐出を実行する際に、駆動周波数を単色全吐が実施可能な周波数に設定し、吐出する色を制限し、その色について所定数の予備吐出を実施した後、予備吐出する色を切り替えて順番に予備吐出を行う(順次予備吐出)ことが行われている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような順次予備吐出を行う場合にも、以下のような問題が生じる。
【0022】
全色同時に予備吐出を行わず、各色毎に順次予備吐出を実行するため、予備吐出の開始から終了までの時間が長くなる。
【0023】
また、吸引回復動作や吐出面のワイピング動作などによって混色したインクは、ノズルから液室内へと時間とともに拡散するため、予備吐出を開始するまでの時間が長くなると、混色インクが液室内まで拡散し、多量のインクを排出しなければ混色を解消することが出来なくなってしまう。
【0024】
すなわち、各色毎に予備吐出を行う順次予備吐出では、予備吐出が実際に開始されるまでに他のインクよりも時間を要するインクが存在するため、排出インク量(予備吐出数)を多くしなければならない。予備吐出によって消費されるインク量が増大すると、プリンタのランニングコストが上昇することとなる。
【0025】
本発明は以上のような状況に鑑みてなされたものであり、小型化及び低価格化を達成しつつ、予備吐出に要する時間を短縮し、予備吐出によるインク消費量を低減することが可能な、インクジェット記録装置及び該装置の予備吐出制御方法を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の一態様としてのインクジェット記録装置は、インクを吐出するノズルが所定方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを、記録に使用するインクの種類に対応して複数備えており、各記録ヘッドからインクを記録媒体上に吐出して記録を行う、インクジェット記録装置であって、
記録とは無関係にインクを吐出する予備吐出動作を実行する際に、複数の記録ヘッドのうち一部の記録ヘッドを対象として全てのノズルから1回のインク吐出動作を所定の周期で繰り返し予備吐出を実行する予備吐出実行手段と、
各記録ヘッドにおける前記予備吐出実行手段による予備吐出の周期よりも短い周期で、前記予備吐出を実行する記録ヘッドを切り換える、記録ヘッド切り換え手段と、
各記録ヘッドの全てのノズルで所望する回数の予備吐出が実行されるまで、前記予備吐出実行手段及び前記記録ヘッド切り換え手段を制御する吐出数制御手段と、を備える。
【0027】
また、上記目的を達成する本発明の別の態様としてのインクジェット記録装置の予備吐出制御方法は、インクを吐出するノズルが所定方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを、記録に使用するインクの種類に対応して複数備えており、各記録ヘッドからインクを記録媒体上に吐出して記録を行う、インクジェット記録装置において、記録とは無関係にインクを吐出する予備吐出動作を実行する際の予備吐出制御方法であって、
複数の記録ヘッドのうち一部の記録ヘッドを対象として全てのノズルから1回のインク吐出動作を所定の周期で繰り返し予備吐出を実行する予備吐出実行工程と、
各記録ヘッドにおける前記予備吐出実行工程における予備吐出の周期よりも短い周期で、前記予備吐出を実行する記録ヘッドを切り換える、記録ヘッド切り換え工程と、
各記録ヘッドの全てのノズルで所望する回数の予備吐出が実行されるまで、前記予備吐出実行工程及び前記記録ヘッド切り換え工程を制御する吐出数制御工程と、を備える。
【0028】
本発明の目的は、上記インクジェット記録装置に対応した、インクジェット記録装置の予備吐出制御方法、コンピュータプログラム、及び記憶媒体によっても達成される。
【0031】
このようにすると、記録装置の電源が全ての記録ヘッドの全ノズルを同時に駆動できる能力を有していないときに、同時に駆動可能なノズル数を1回の予備吐出で駆動するように、1回の予備吐出で駆動する記録ヘッドあるいは各記録ヘッドのノズルの組合せを設定すれば、1つの記録ヘッドで所望の回数の予備吐出を行った後に予備吐出を行う記録ヘッドを切り換える場合と比較して、予備吐出における駆動周期を記録装置の最大駆動周波数まで上昇できると共に、予備吐出を開始してからの待ち時間が大幅に短縮されるので、混色インクの液室内への拡散を抑制して予備吐出での混色インクの排出効率を高めることができる。
【0032】
従って、構成が簡単でサイズが小さい電源を使用してインクジェット記録装置の小型化及び低価格化を達成しつつ、予備吐出に要する時間を短縮し、予備吐出によるインク消費量を低減することが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照して本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0034】
なお、以下に説明する実施形態では、インクジェット記録方式を用いた記録装置としてプリンタを例に挙げ説明する。
【0035】
本明細書において、「記録」(「プリント」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、または媒体の加工を行う場合も表すものとする。
【0036】
また、「記録媒体」とは、一般的な記録装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラスチック・フィルム、金属板、ガラス、セラミックス、木材、皮革等、インクを受容可能なものも表すものとする。
【0037】
さらに、「インク」(「液体」と言う場合もある)とは、上記「記録(プリント)」の定義と同様広く解釈されるべきもので、記録媒体上に付与されることによって、画像、模様、パターン等の形成または記録媒体の加工、或いはインクの処理(例えば記録媒体に付与されるインク中の色剤の凝固または不溶化)に供され得る液体を表すものとする。
【0038】
[第1の実施形態]
<装置本体の概略説明>
図1は、本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタIJRAの構成の概要を示す外観斜視図である。図1において、駆動モータ5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア5009〜5011を介して回転するリードスクリュー5005の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCはピン(不図示)を有し、ガイドレール5003に支持されて矢印a,b方向を往復移動する。キャリッジHCには、記録ヘッドIJHとインクタンクITとが着脱可能に構成されたインクジェットカートリッジIJCが搭載されている。
【0039】
5002は紙押え板であり、キャリッジHCの移動方向に亙って記録用紙Pをプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトカプラで、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切り換え等を行うためのホームポジション検知器である。
【0040】
5016は記録ヘッドIJHのノズルの吐出面をキャップするキャップ部材5022を支持する部材で、5015はこのキャップ内を吸引する吸引器で、キャップ部材5022がノズルの吐出面に接した状態(キャップクローズ)で、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードで、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部材であり、本体支持板5018にこれらが支持されている。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードが本例に適用できることは言うまでもない。
【0041】
又、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切り換え等の公知の伝達機構で移動制御される。
【0042】
これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側の領域に来た時にリードスクリュー5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の動作を行うようにすれば、本例にはいずれも適用できる。
【0043】
更に、本実施形態では、記録ヘッドIJHのノズル列がキャップ部材5022の前面となる位置にキャリッジHCを移動させ、キャップ部材とノズルとが離間した状態(キャップオープン)で、キャリッジを静止させて予備吐出を行う。
【0044】
<制御構成の説明>
次に、上述した装置の記録制御を実行するための制御構成について説明する。
【0045】
図2はインクジェットプリンタIJRAの制御回路の構成を示すブロック図である。制御回路を示す同図において、1700は記録信号を入力するインターフェース、1701はMPU、1702はMPU1701が実行する制御プログラムを格納するROM、1703は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくDRAMである。1704は記録ヘッドIJHに対する記録データの供給制御を行うゲートアレイ(G.A.)であり、インターフェース1700、MPU1701、RAM1703間のデータ転送制御も行う。1710は記録ヘッドIJHを搬送するためのキャリアモータ、1709は記録紙搬送のための搬送モータである。1705は記録ヘッドを駆動するヘッドドライバ、1706,1707はそれぞれ搬送モータ1709、キャリアモータ1710を駆動するためのモータドライバである。
【0046】
上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース1700に記録信号が入るとゲートアレイ1704とMPU1701との間で記録信号がプリント用の記録データに変換される。そして、モータドライバ1706、1707が駆動されると共に、ヘッドドライバ1705に送られた記録データに従って記録ヘッドが駆動され、記録が行われる。
【0047】
ここでは、MPU1701が実行する制御プログラムをROM1702に格納するものとしたが、EEPROM等の消去/書き込みが可能な記憶媒体を更に追加して、インクジェットプリンタIJRAと接続されたホストコンピュータから制御プログラムを変更できるように構成することもできる。
【0048】
なお、上述のように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離可能に構成して、インクがなくなったときにインクタンクITだけを交換できるようにしても良いが、これらインクタンクITと記録ヘッドIJHとを一体的に形成して交換可能なインクカートリッジIJCを構成しても良い。
【0049】
<インクカートリッジの説明>
図3は、インクタンクITと記録ヘッドIJHとを分離した状態のインクカートリッジIJCを示す外観斜視図である。インクカートリッジIJCは、図3に示すように、インクタンクITと記録ヘッドIJHとが分離可能である。インクカートリッジIJCの記録ヘッド側底面にはキャリッジHCに搭載されたときには、キャリッジHC側から供給される電気信号を受け取るための電極(不図示)が設けられており、この電気信号によって、前述のように記録ヘッドIJHが駆動されてインクが吐出される。
【0050】
なお、本実施形態のインクジェットプリンタは、ブラック(Bk)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)、シアン(C)、マゼンタ(M)、及びイエロー(Y)の6種類のインクを使用してカラー記録を行うように構成されているが、図3に示すように、各インクに対応したインクタンクを独立して交換可能である。各インクタンクITにはインクを保持するために繊維質状もしくは多孔質状のインク吸収体が設けられている。
【0051】
記録ヘッドIJHは、各インクに対応して512個のノズルが配列された6つの記録ヘッドが一体となったユニットとして形成されており、各記録ヘッドを最大で24kHzの周波数で駆動可能である。
【0052】
インクタンクITから記録ヘッドIJHに供給されたインクは、共通液室を介して各ノズルに通じる液路にそれぞれ導かれる。各液路には熱エネルギーを発生する発熱素子としてヒータが設けられており、駆動信号が印加されてヒータが通電されると周囲のインクが急激に加熱されて液路内に気泡が発生し、この気泡の膨張により対応するノズルからインク滴が吐出される。
【0053】
<予備吐出動作の説明>
以下、本実施形態における予備吐出動作について、従来の予備吐出動作と比較して説明する。
【0054】
なお、上述のように記録ヘッドの最大駆動周波数は24kHzであるが、以下の説明では、インクタンクからのインク供給能力により、同一のインクを対応する全てのノズルから吐出させる場合(単色全吐)の最大駆動周波数は、8kHzであると想定する。
【0055】
また、プリンタの電源ユニット(不図示)は、2種類のインクに対応する全てのノズル(1024個)を同時に駆動可能な電流を供給できるものと想定する。
【0056】
(従来の予備吐出動作の例)
図4は、従来の予備吐出動作の例を時間に沿って模式的に示す図である。図示した例では、6つのインクに対して2色全吐を3回行って予備吐出動作を行う。なお、この例では各ノズルに500回の吐出動作(500発とも呼ぶ)を行わせる場合を示している。
【0057】
より詳細には、最初にBk及びLCの全てのノズル(1024個)を、駆動周波数8kHzで、500発の予備吐出を行う。次に、LM及びCの全てのノズルを、駆動周波数8kHzで、500発の予備吐出を行う。最後に、M及びYの全てのノズルを、駆動周波数8kHzで、500発の予備吐出を行う。
【0058】
このように2色毎に順次予備吐出を行うと、Bk及びLCのノズルに対する予備吐出が開始されてからM及びYのノズルに対する予備吐出が開始されるまでに、(500+500)/8000=0.125(秒)の時間が経過するため、この間に混色インクがノズルから液室内へ拡散してしまう可能性が大きくなる。
【0059】
また、全てのノズルに対する予備吐出が終了するまでに要する時間は、(500+500+500)/8000=0.1875(秒)である。
【0060】
(本実施形態の動作シーケンス)
本実施形態のプリンタでは、記録時と吸引回復動作のシーケンスにおいて、以下で説明するような予備吐出動作を行う。
【0061】
1.記録時
プリンタが記録信号をホスト装置から受信し、記録を開始する際に、キャップオープン状態であれば、給紙を行って記録を開始する。一方、キャップクローズ状態であれば、キャップオープンし、各ノズルあたり200発の予備吐出を実行した後、給紙を行って記録を開始する。この予備吐出は、キャッピング放置時にインク溶剤の蒸発により不良インク(増粘インク、染料濃度上昇インクなど)となった可能性の高いノズル周辺のインクを排出するために行われる。
【0062】
記録中に、前回予備吐出からの時間を計測し、所定時間(本実施形態では5秒)経過したら、記録走査を終了した後、キャップへ各ノズルあたり10発の予備吐出を実行する。この予備吐出は、ノズル先端からのインク溶剤の蒸発に起因する吐出不良を回避するために行われる。
【0063】
記録終了後には、キャリッジをホームポジションへ移動して吐出面をワイピングする。ワイピングは、記録時にヘッド吐出面に付着したインク滴を除去し、正常な吐出を続けるためのものである。そして、ワイピング後にはキャップに対し、各ノズル500発の予備吐出を実行する。この予備吐出は、ワイピングによりノズル内に押し込められた不良インク(混色インクなど)を排出するために実行される。なお、この予備吐出終了後には、キャップを開放したままポンプを駆動して、キャップ内に溜まった予備吐出インクを排出する。
【0064】
2.吸引回復動作
プリンタがホスト装置から吸引回復信号を受信すると吸引回復動作を開始する。まず、キャップオープン状態であれば、キャップクローズし、ポンプを駆動してキャップ内を減圧し、ノズルからインクを吸引する。所定時間経過後に、大気連通弁を開放して、キャップ内を大気圧に戻し、吸引を終了する。その後も、ポンプを駆動しキャップ内に残ったインクを排出する。
【0065】
次に、キャップオープンしてワイピングを実行する。このワイピングにより、吐出面に付着した残りのインクを除去する。
【0066】
そして、キャップに対し、各ノズルあたり10000発の予備吐出を実行する。この予備吐出は、ノズル内に侵入した混色インクを排出するために行われる。予備吐出実行後、キャップを開放したままポンプを駆動し、キャップ内に溜まった予備吐出インクを排出する。
【0067】
このように、吸引回復動作では、吸引終了後、ポンプを駆動しキャップ内のインクを排出しているときに、吐出面に付着している残りのインクが、ノズルに接触して、タンク内の負圧によりノズル内へ吸い込まれる場合と、及び、ワイピングを実行したときに、ワイパーにより吐出面のインクがノズル内へ押し込まれる場合とに、混色インクが発生する可能性があるため、予備吐出でのインク消費量が多い。
【0068】
(本実施形態の予備吐出動作)
上記の各シーケンスで実行される予備吐出動作について、図5を参照して詳細に説明する。図5は、(a)で本実施形態の予備吐出での各記録ヘッドの駆動状態を示し、(b)で予備吐出で吐出されるインクを時間に沿って模式的に示している。
【0069】
上記のように、本実施形態のプリンタでは、各記録ヘッドの最大駆動周波数は24kHz、インクタンクのインク供給能力は単色全吐に対して8kHz、電源が同時に駆動可能なノズル数は、1024ノズルであり2つの記録ヘッドの全ノズル数に対応する。
【0070】
各記録ヘッドに対する予備吐出動作を説明すると、最初に、Bk及びLCの全ノズルに対して、1発の予備吐出を実行する(2色全吐)。次に、(b)にT11で示す41.66μs(記録ヘッドの最大駆動周波数24kHzの間隔に相当)の経過後、LM及びCの全ノズルを、1発予備吐出する。そして、再度41.7μsの経過後、すなわち、Bk及びLCの予備吐出を行ってから、41.66×2=83.33μs=T12の経過後、M及びYの全ノズルを1発予備吐出する。
【0071】
以上の処理を8kHzの間隔に相当する周期、125μs=TLで、所定数に達するまで繰り返す。
【0072】
以上のように本実施形態の予備吐出動作では、各タイミングで同時に駆動されるノズル数は1024であり電源の供給能力の範囲内である。また各記録ヘッドに着目した駆動周波数は、図5(a)に示すようにいずれも8kHzであり、インクタンクのインク供給能力の範囲内である。
【0073】
更に、Bk及びLCの予備吐出動作を開始してから、LM及びCの予備吐出開始までの時間T11は41.66μs、M及びYの予備吐出開始までの時間T12は83.33μsである。従来の予備吐出では、それぞれ、0.0625(秒)及び0.125(秒)であるので、1/1500に短縮されたこととなる。このため、記録ヘッドのノズル内での混色インクの拡散が進んでない状態で予備吐出が実行されるので、比較的少ない予備吐出発数で混色を解消することが可能であり、予備吐出で消費されるインク量を低減することができる。
【0074】
また、予備吐出に要する合計時間について従来の予備吐出と比較すると、予備吐出発数が500の場合、予備吐出に要する合計時間は、従来の予備吐出では0.1875(秒)要するのに比べ、本実施形態では、125×500+83.33=62625μs≒0.0626(秒)となり、約1/3に短縮することが出来る。
【0075】
[第2の実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について説明する。第2の実施形態も第1の実施形態と同様なインクジェットプリンタであり、上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0076】
図6は、図5と同様に、(a)で本実施形態の予備吐出での各記録ヘッドの駆動状態を示し、(b)で予備吐出で吐出されるインクを時間に沿って模式的に示す図である。以下図6を参照して本実施形態の予備吐出動作について説明する。
【0077】
本実施形態のプリンタも、各記録ヘッドの最大駆動周波数は24kHz、インクタンクのインク供給能力は単色全吐に対して8kHz、電源が同時に駆動可能なノズル数は、1024ノズルであり2つの記録ヘッドの全ノズル数に対応する。
【0078】
本実施形態では、(a)に示すように、各記録ヘッドを、デューティを1/3で駆動して予備吐出を実行する。この場合、(b)に示すように、各記録ヘッドの駆動ノズル数が均等になるような吐出パターンで駆動する。
【0079】
図6の(b)に示したパターンは、全色の記録ヘッドで同時に予備吐出を開始し、各記録ヘッドの駆動周波数は、最大周波数(24kHz)である。より具体的には、例えば、各記録ヘッドで、ノズル番号1から85と257から342の171ノズルを最初に駆動し、24kHzの間隔に相当する、T1で表わす41.66μsの経過後に、ノズル番号86から171と343から427の171ノズルを駆動し、予備吐出が開始されてからT2で表わす83.33μsの経過後に、ノズル番号172から256と428から512の170ノズルを駆動する。
【0080】
以上の処理を8kHzの間隔に相当する周期、125μs=TLで、所定数に達するまで繰り返す。
【0081】
以上のように本実施形態の予備吐出動作では、各タイミングで同時に駆動されるノズル数は1024であり電源の供給能力の範囲内である。また各記録ヘッドに着目した駆動周波数は、24kHzであるが、同時に駆動されるノズル数が1/3であるので、インクタンクのインク供給能力の範囲内である。
【0082】
このように、本実施形態では、全ての色で予備吐出を同時に開始することが可能であり、インク毎に予備吐出の開始時間が異なることがなく、各インクに対して同じ予備吐出動作を実行できるので、全てのインクの状態を均等に保つことが可能となる。
【0083】
本実施形態でも上記第1の実施形態と同様に、記録ヘッドのノズル内での混色インクの拡散が進んでない状態で予備吐出が実行されるので、比較的少ない予備吐出発数で混色を解消することが可能であり、予備吐出で消費されるインク量を低減することができる。予備吐出に要する合計時間についても従来の予備吐出と比較して、約1/3に短縮することが出来るという効果がある。
【0084】
本実施形態では、デューティを1/3に低下させているので、1つの記録ヘッドから同時に排出されるインクの量は1/3に減少しているが、8kHzの周波数に対応する時間間隔(125μs)内でインクタンクから供給されるインクの量は第1の実施形態と同じである。
【0085】
なお、本実施形態では、予備吐出の際の駆動デューティを1/3、駆動周波数を24kHzと想定して説明したが、インクタンクのインク供給能力を越えない範囲であれば、デューティの値は各色のインクを同時に吐出させることができるような値とすればよい。
【0086】
すなわち、1つのインクタンクからのインクの供給能力(=インク排出効率)を、単色全吐可能周波数で表わす場合、
予備吐出デューティ × 駆動周波数 ≦ 単色全吐可能周波数
の範囲で設定可能である。但し、混色インクを短時間で排出すると共に、予備吐出に要する時間を最少とするためにインク排出効率を最大限とするのが好ましいので、
予備吐出デューティ × 駆動周波数 = 単色全吐可能周波数
となる条件で予備吐出を実行するのが好ましい。
【0087】
[第3の実施形態]
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態も第1の実施形態と同様なインクジェットプリンタであり、上記第1の実施形態と同様な部分については説明を省略し、本実施形態の特徴的な部分を中心に説明する。
【0088】
図7は、図5及び図6と同様に、(a)で本実施形態の予備吐出での各記録ヘッドの駆動状態を示し、(b)で予備吐出で吐出されるインクを時間に沿って模式的に示す図である。以下図7を参照して本実施形態の予備吐出動作について説明する。
【0089】
本実施形態のプリンタも、各記録ヘッドの最大駆動周波数は24kHz、インクタンクのインク供給能力は単色全吐に対して8kHz、電源が同時に駆動可能なノズル数は、1024ノズルであり2つの記録ヘッドの全ノズル数に対応する。
【0090】
本実施形態でも第2の実施形態と同様に、図7(a)に示すように、各記録ヘッドを、デューティを1/3で駆動して予備吐出を実行する。この場合、(b)に示すように、各記録ヘッドの駆動ノズル数が均等になり、かつ液室内に内向きのインク流れが発生するような吐出パターンで駆動する。
【0091】
図8は、記録ヘッド内部のインクの流れを模式的に示す断面図である。図示されたように記録ヘッドIJHの全ノズルから同時にインクが吐出される場合、インクは流路81から液室82に供給されるが、液室の端部82a及び82bに、インクの淀みが生じる。このため、液室の中央付近にある混色インクは、予備吐出で効率的に排出されるが、液室端部82a及び82b付近にある混色インクを排出するためには、予備吐出によるインク排出量を多くする必要がある。
【0092】
本実施形態では、このようなインクの流れに起因する排出効率の低下に対処するため、液室端部82a及び82b付近のインクを先に排出させることにより、液室82内部に端部から中央へ向かうインクの流れを形成して、端部付近にある混色インクを効率的に排出させる。
【0093】
図7の(b)に示したパターンは、各記録ヘッドで端部から中央へ向かうようなパターンで同時に予備吐出を開始し、各記録ヘッドの駆動周波数は、最大周波数(24kHz)である。より具体的には、例えば、各記録ヘッドで、ノズル番号1から85と427から512の171ノズルを最初に駆動し、24kHzの間隔に相当する、T1で表わす41.66μsの経過後に、ノズル番号86から171と342から426の171ノズルを駆動し、予備吐出が開始されてからT2で表わす83.33μsの経過後に、ノズル番号172からから341の170ノズルを駆動する。
【0094】
以上の処理を8kHzの間隔に相当する周期、125μs=TLで、所定数に達するまで繰り返す。
【0095】
以上説明したように本実施形態は、第2の実施形態と略同様の予備吐出動作を行うが、予備吐出でのノズルの駆動パターンが異なっている。従って、本実施形態の効果としては、第2の実施形態の効果に加え、液室端部にある混色インクを効率的に排出することができるという効果がある。
【0096】
本実施形態でも第2の実施形態と同様に、インクタンクのインク供給能力を越えない範囲であれば、デューティの値は各色のインクを同時に吐出させることができるような値とすることができる。
【0097】
[その他の実施形態]
以上の実施形態は、特にインクジェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために利用されるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式を用いることにより記録の高密度化、高精細化が達成できる。
【0098】
その代表的な構成や原理については、例えば、米国特許第4723129号明細書、同第4740796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に1対1で対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効である。
【0099】
この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0100】
このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4463359号明細書、同第4345262号明細書に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313124号明細書に記載されている条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができる。
【0101】
記録ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に熱作用面が屈曲する領域に配置されている構成を開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4459600号明細書に記載された構成も本発明に含まれるものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスロットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギーの圧力波を吸収する開口を吐出部に対応させる構成を開示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成としても良い。
【0102】
さらに、記録装置が記録できる最大記録媒体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているような複数記録ヘッドの組み合わせによってその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0103】
加えて、上記の実施形態で説明した記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドのみならず、装置本体に装着されることで、装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッドを用いてもよい。
【0104】
また、以上説明した記録装置の構成に、記録ヘッドに対する回復手段、予備的な手段等を付加することは記録動作を一層安定にできるので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段などがある。また、記録とは別の吐出を行う予備吐出モードを備えることも安定した記録を行うために有効である。
【0105】
さらに、記録装置の記録モードとしては黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってでも良いが、異なる色の複色カラー、または混色によるフルカラーの少なくとも1つを備えた装置とすることもできる。
【0106】
なお、本発明は、複数の機器(例えばホストコンピュータ,インターフェース機器,リーダ,プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、一つの機器からなる装置(例えば、複写機,ファクシミリ装置など)に適用してもよい。また、本発明の目的は、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、達成されることは言うまでもない。
【0107】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0108】
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、フロッピディスク,ハードディスク,光ディスク,光磁気ディスク,CD−ROM,CD−R,磁気テープ,不揮発性のメモリカード,ROMなどを用いることができる。
【0109】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0110】
さらに、記憶媒体から読出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0111】
本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明した(図5から図7に示す)吐出パターンでの予備吐出を実行させるプログラムコードが格納されることになる。
【0112】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、記録装置の電源が全ての記録ヘッドの全ノズルを同時に駆動できる能力を有していないときに、同時に駆動可能なノズル数を1回の予備吐出で駆動するように、1回の予備吐出で駆動する記録ヘッドあるいは各記録ヘッドのノズルの組合せを設定すれば、1つの記録ヘッドで所望の回数の予備吐出を行った後に予備吐出を行う記録ヘッドを切り換える場合と比較して、予備吐出における駆動周期を記録装置の最大駆動周波数まで上昇できると共に、予備吐出を開始してからの待ち時間が大幅に短縮されるので、混色インクの液室内への拡散を抑制して予備吐出での混色インクの排出効率を高めることができる。
【0113】
従って、構成が簡単でサイズが小さい電源を使用してインクジェット記録装置の小型化及び低価格化を達成しつつ、予備吐出に要する時間を短縮し、予備吐出によるインク消費量を低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施の形態であるインクジェットプリンタの構成の概要を示す外観斜視図である。
【図2】図1のインクジェットプリンタの制御回路の構成を示すブロック図である。
【図3】インクタンクと記録ヘッドとを分離した状態のインクカートリッジを示す外観斜視図である。
【図4】従来の予備吐出動作の例を時間に沿って模式的に示す図である。
【図5】第1の実施形態の予備吐出動作を時間に沿って模式的に示す図である。
【図6】第2の実施形態の予備吐出動作を時間に沿って模式的に示す図である。
【図7】第3の実施形態の予備吐出動作を時間に沿って模式的に示す図である。
【図8】記録ヘッド内部のインクの流れを模式的に示す断面図である。

Claims (7)

  1. インクを吐出するノズルが所定方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを、記録に使用するインクの種類に対応して複数備えており、各記録ヘッドからインクを記録媒体上に吐出して記録を行う、インクジェット記録装置であって、
    記録とは無関係にインクを吐出する予備吐出動作を実行する際に、複数の記録ヘッドのうち一部の記録ヘッドを対象として全てのノズルから1回のインク吐出動作を所定の周期で繰り返し予備吐出を実行する予備吐出実行手段と、
    各記録ヘッドにおける前記予備吐出実行手段による予備吐出の周期よりも短い周期で、前記予備吐出を実行する記録ヘッドを切り換える、記録ヘッド切り換え手段と、
    各記録ヘッドの全てのノズルで所望する回数の予備吐出が実行されるまで、前記予備吐出実行手段及び前記記録ヘッド切り換え手段を制御する吐出数制御手段と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 同じノズルは、1つの記録ヘッドの全ノズルを同時に駆動可能な最大周波数に対応した周期で駆動されることを特徴とする請求項に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記予備吐出実行手段が同時に駆動するノズルの数が、電源が同時に駆動可能なノズル数と等しいことを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記記録ヘッドを切り換える周期は、前記記録ヘッドを駆動可能な最大周波数に対応した周期であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. インクを吐出するノズルが所定方向に配列されたノズル列を有する記録ヘッドを、記録に使用するインクの種類に対応して複数備えており、各記録ヘッドからインクを記録媒体上に吐出して記録を行う、インクジェット記録装置において、記録とは無関係にインクを吐出する予備吐出動作を実行する際の予備吐出制御方法であって、
    複数の記録ヘッドのうち一部の記録ヘッドを対象として全てのノズルから1回のインク吐出動作を所定の周期で繰り返し予備吐出を実行する予備吐出実行工程と、
    各記録ヘッドにおける前記予備吐出実行工程における予備吐出の周期よりも短い周期で、前記予備吐出を実行する記録ヘッドを切り換える、記録ヘッド切り換え工程と、
    各記録ヘッドの全てのノズルで所望する回数の予備吐出が実行されるまで、前記予備吐出実行工程及び前記記録ヘッド切り換え工程を制御する吐出数制御工程と、を備えることを特徴とするインクジェット記録装置の予備吐出制御方法。
  6. 請求項に記載のインクジェット記録装置の予備吐出制御方法の各工程を、コンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
  7. 請求項に記載のコンピュータプログラムを格納したことを特徴とするコンピュータで読み取り可能な記憶媒体。
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