JPH09207358A - インクジェット記録方法およびその装置 - Google Patents

インクジェット記録方法およびその装置

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JPH09207358A
JPH09207358A JP31618096A JP31618096A JPH09207358A JP H09207358 A JPH09207358 A JP H09207358A JP 31618096 A JP31618096 A JP 31618096A JP 31618096 A JP31618096 A JP 31618096A JP H09207358 A JPH09207358 A JP H09207358A
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功 海老沢
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篤 新井
Hidehiko Kanda
英彦 神田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録に対する信頼性維持のために行われる予
備吐出および吸引回復を合理的に実施するようにしたイ
ンクジェット記録装置の提供。 【解決手段】 記録ヘッド34の環境温度検出手段39
と、記録ヘッド内温度検知手段33と、インク吐出回数
計数手段38と、割込み処理を行うと共に予備吐出動作
を制御する予備吐出制御および吸引回復動作を制御する
回復動作制御手段36とを具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インク滴を吐出し
てプリントを行うプリントヘッドの吐出機能に対する信
頼性維持のために吸引回復動作が行われるインクジェッ
トプリント方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタや複写機、ファクシミリ等のプ
リント装置では、画像情報に基づいて、紙やプラスチッ
ク薄板、あるいは布帛などのプリント媒体上にドットパ
ターンからなる画像をプリントしていくように構成され
ている。
【0003】かかるプリント装置は、そのプリント方式
によってインクジェット方式,ワイヤドット方式,サー
マル方式及びレーザビーム方式などに分けることができ
る。
【0004】そのうち、インクジェット方式によるもの
は、プリントヘッドからプリント媒体上にインクを吐出
してプリントを行うものであり、高精細な画像を高速で
プリントすることができ、さらに、ノンインパクト方式
であるため騒音が少なく、しかも多色のインクを使用し
てカラー画像をプリントするのが容易であるなどの利点
を有している。
【0005】さらに、本出願人の発明るバブルジェット
プリント方式は、高解像度および高速プリントをさらに
容易に実現できるもので、プリント液としてインクを使
用する形態のインクジェットプリント装置では、インク
の蒸発や気泡の混入などによるプリントへの悪影響を防
止するため、プリントヘッドのインク吐出機能に対する
信頼性維持技術が重要となる。
【0006】かかる信頼性維持技術として、予備吐出処
理や吸引回復処理を挙げることができる。
【0007】このうち、予備吐出処理はプリント媒体か
ら外れたところでインクを吐出するものであり、これに
よって、揮発成分が一部蒸発して吐出性能やプリント品
位の点で不十分となったインクを、しばらく使用してい
なかった吐出口から排出することにより、プリント品位
を維持する技術である。
【0008】この予備吐出は、インクの蒸発に対応する
ものなので、環境温度が高い場合や、あるいはプリント
ヘッドの昇温が大きい場合には頻繁に行われる。なお、
かかる予備吐出処理の間隔は、プリントヘッドの構造
や、インクの物性などによっても異なるが、一般的には
数秒から数十秒間隔であるが、この予備吐出動作を行う
にあたっては、そのときの環境温度とヘッド温度の昇温
程度とから、次の予備吐出を行うまでの時間間隔を設定
している。
【0009】一方、吸引回復処理は、吐出インクを保持
するインク路内に気泡があったり、インク路内のインク
の蒸発により、予備吐出動作によっても回復できなくな
った場合、あるいは吐出口やインク路やインク室からイ
ンクがなくなってしまったような場合などに、プリント
ヘッドをキャップと対向する位置に導いたのち、プリン
トヘッドをキャッピングし、吸引用ポンプによりキャッ
プを介してインクを吸引するなどの方法により、プリン
トヘッド内をプリントに適したインクで充填するもので
ある。
【0010】なお、従来のインクジェットプリント装置
については、良好な気泡除去能力を維持するため、なる
べく一定の気泡体積の状態で吸引が行われるように、例
えば特開平4−93260号公報に開示されているよう
に、吐出回数および放置時間の計時により、次回の吸引
処理動作時期を決定したり、あるいは吐出回数および放
置時間の計時およびプリントヘッドの温度に基づいて次
回の吸引処理動作時期を決定するなどの提案がなされて
きた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェットプリント装置では、特にその信頼性維持
技術においてプリントヘッドの周囲の温度(例えばイン
クタンク内のインク温度)とインク路およびインク室内
の温度との相違によって、プリント作業中に発生する気
泡の成長速度が考慮されておらず、無用に吸引回数を増
加させると、スループットの低下や廃棄されるインクの
量の増加を招くことになり、また、逆に吸引間隔が長す
ぎるとプリント不良を起こしかねない。
【0012】特に、バブルジェットプリント方式は、イ
ンクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、これによっ
て吐出力を発生させるものであるため、プリントを行う
ことによってプリントヘッドの温度が次第に昇温し、こ
の昇温により気泡の成長速度を変化する。
【0013】本発明の目的は、上述したような従来の問
題に着目し、その解決を図るべく、合理的に信頼性維持
のための予備吐出や吸引回復を行うようにしたインクジ
ェットプリント方法およびその装置を提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の形態
は、吐出口からインクを吐出させるためのインク路と、
このインク路にインクを供給する共通インク室とを有す
るプリントヘッドを用い、プリント媒体に向けてインク
を吐出してプリントを行うインクジェットプリント方法
であって、前記プリントヘッドの周囲温度を検出する工
程と、前記プリントヘッド内の温度の変化を認知する工
程と、前記インクの吐出回数を計数する工程と、前記吐
出口を介して前記プリントヘッド内から前記インクおよ
び気泡を吸引排出する吸引回復動作を行う工程と、前記
プリントヘッドの周囲温度および前記プリントヘッド内
の温度変化および前記インクの吐出回数に基づいて次回
の吸引回復動作の時期を設定する工程とを具え、前記次
回の吸引回復動作の時期の設定のための前記インクの吐
出回数が、前記プリントヘッドの周囲温度と前記プリン
トヘッド内の温度との差に基づいて補正されるものであ
ることを特徴とするインクジェットプリント方法にあ
る。
【0015】ここで、吐出口からプリント媒体以外に向
けてインクを吐出する予備吐出動作を行う工程と、プリ
ントヘッドの周囲温度およびプリントヘッド内の温度変
化に基づいて次回の予備吐出動作の時期を設定する工程
とをさらに具えることも可能であり、この場合、プリン
トヘッドの周囲温度とプリントヘッド内の温度との差に
基づくインクの吐出回数の補正は、予備吐出動作ごとに
行われることが好ましい。
【0016】また、次回の吸引回復動作の時期は、イン
クの吐出回数が予め設定された閾値を超えたときが好ま
しく、この場合、予め設定される閾値は、気泡が発生し
易いインクほど小さく設定されることが有効である。
【0017】一方、本発明による第2の形態は、吐出口
からインクを吐出させるためのインク路と、このインク
路にインクを供給する共通インク室とを有するプリント
ヘッドを用い、プリント媒体に向けてインクを吐出して
プリントを行うインクジェットプリント装置であって、
前記プリントヘッドの周囲温度を検出する手段と、前記
プリントヘッド内の温度の変化を認知する手段と、前記
インクの吐出回数を計数する手段と、前記吐出口を介し
て前記プリントヘッド内から前記インクおよび気泡を吸
引排出する吸引回復動作を行う吸引回復手段と、前記プ
リントヘッドの周囲温度および前記プリントヘッド内の
温度変化および前記インクの吐出回数に基づいて前記吸
引回復手段による次回の吸引回復動作の時期を設定する
吸引回復制御手段とを具え、この吸引回復制御手段は、
前記次回の吸引回復動作の時期の設定のための前記イン
クの吐出回数を、前記プリントヘッドの周囲温度と前記
プリントヘッド内の温度との差に基づいて補正するもの
であることを特徴とするインクジェットプリント装置に
ある。
【0018】本発明によると、吸引回復制御手段が、プ
リントヘッドの周囲温度およびプリントヘッド内の温度
変化およびこれらプリントヘッドの周囲温度とプリント
ヘッド内の温度との差に基づいて補正されるインクの吐
出回数に基づいて次回の吸引回復動作の時期を設定する
ことができる。
【0019】そして、この吸引回復制御手段によって設
定された吸引回復動作の時期に、吸引回復手段が吐出口
を介してプリントヘッド内からインクおよび気泡を吸引
排出する吸引回復動作を行う。
【0020】ここで、吐出口からプリント媒体以外に向
けてインクを吐出する予備吐出動作を所定の時間間隔で
行う予備吐出手段と、プリントヘッドの周囲温度とプリ
ントヘッド内の温度変化とに基づいて予備吐出手段によ
る次回の予備吐出動作の時期を設定する予備吐出制御手
段とをさらに具えてもよく、この場合、プリントヘッド
の周囲温度とプリントヘッド内の温度との差に基づくイ
ンクの吐出回数の補正は、予備吐出手段による予備吐出
動作ごとに行われることが好ましい。
【0021】また、プリントヘッドのインク路が、少な
くとも2つ以上のブロックに分割されていてもよく、こ
の場合、プリントヘッドは、それぞれのブロックごとに
異なる色のインクを収容する共通インク室を具えるよう
にしてもよく、これによって少なくとも2色以上のイン
クを吐出してプリントが可能となる。この場合、吸引回
復制御手段によって設定される次回の吸引回復動作の時
期は、少なくとも1つのブロックにおけるインクの吐出
回数が予め設定された閾値を超えたときが好ましく、こ
の場合、予め設定された閾値は、少なくとも2つ以上の
ブロックにおけるインクのうち、気泡が発生し易いイン
クほど小さく設定されることが有効である。
【0022】さらに、インクは、イエローおよびマゼン
タおよびシアンのカラーインクであってもよく、この場
合、カラーインクは、界面活性剤を多く含む表面張力の
低い超浸透型のインクであることが望ましい。
【0023】この第2の形態によるインクジェット装置
において、プリントヘッドは、インクを吐出させるため
にインクに熱エネルギーを付与する熱エネルギー発生体
をそれぞれのインク路ごとに有するものであってもよ
く、インクを貯溜するインクタンクと一体に形成され、
走査移動するキャリッジに交換自在に搭載され、このキ
ャリッジの走査移動中にインクを吐出してプリントを行
うシリアル型であってもよい。
【0024】本発明のインクジェットプリント方法およ
びその装置によると、プリントヘッドの周囲温度および
プリントヘッド内の温度変化およびこれらプリントヘッ
ドの周囲温度とプリントヘッド内の温度との差に応じて
補正されるインクの吐出回数に基づいて吸引回復手段に
よる次回の吸引回復動作の時期を設定するようにしたの
で、プリントヘッド内に発生した気泡の量を正確に把握
して、吸引回復を必要最小限にすることができる。
【0025】また、プリントヘッド内に発生する気泡の
量を加味して吸引回復動作が行われるので、プリント装
置としてスループットを低下させることなく、信頼性の
高いプリントを行うことが可能となる。
【0026】しかも、合理的に予備吐出および吸引回復
動作が実施されるので、プリント装置自体の処理能力を
一層向上させることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明方法を実現し得る本
発明によるインクジェット装置の一実施例について、図
1〜図15を参照しながら詳細に説明する。
【0028】本発明をシリアル型のインクジェットプリ
ント装置に応用した一実施例の概念を図1に示すが、本
実施例のインクジェットプリント装置は、プリントヘッ
ドとインクタンクとが一体型のインクジェットカートリ
ッジ11をキャリッジ12に交換可能に搭載してプリン
トを行うものであり、13はカートリッジ11のインク
タンクである。また、14は媒体押え板、15はプリン
ト媒体16を媒体押え板14との間に保持して媒体送り
が可能なプラテン、17は媒体送り用モータである。
【0029】18はプリント媒体16に沿ってキャリッ
ジ12を案内するガイド軸、19は、キャリッジ12と
螺合する螺旋溝20を有し、キャリッジ駆動用モータ2
1により回転駆動されるリードスクリュー、22および
23は、キャリッジ駆動用モータ21の正逆回転による
駆動力をリードスクリュー19に伝達するためのギヤで
ある。なお、キャリッジ12はガイド軸18に沿って矢
印a,b方向に走査移動し、24および25はフォトカ
プラを有するホームポジション検知手段であり、キャリ
ッジ12がこの位置にまで移動してきたとき、キャリッ
ジ12に設けたレバー26がホームポジション検知手段
24,25により検知され、キャリッジ駆動用モータ2
1の回転方向が切換えられる。
【0030】27は、キャップ部材28を支持し、クリ
ーニングブレード29と共にこの位置でキャリッジ12
の走査移動方向と直交する方向に移動可能なキャップ吸
引手段、30はキャップ支持部材であり、キャップ吸引
手段27によるキャップ部材28内の増粘インクや気泡
を除去するための回復動作は、キャリッジ駆動用モータ
21の駆動力を利用して行われるものである。31はキ
ャップ部材28の開口部であり、回復動作の吸引時にイ
ンクジェットカートリッジ11の吐出口面40(図2参
照)にその周縁部が密接する。また、32はブレード支
持部材であり、このブレード支持部材32はクリーニン
グブレード29を吐出口面40に向けて突出可能に支持
しており、回復にかかる吸引動作後の掃拭時に吐出口面
40を掃拭する。
【0031】なお、これらのキャッピング処理およびク
リーニング処理および吸引回復処理のタイミングについ
ては後で詳述するが、キャリッジ12がホームポジショ
ン側の領域にきたときに、リードスクリュー19の作用
によってそれらの対応位置で所望の処理が行われるよう
に構成されている。
【0032】33はプリントヘッド34の温度を検出す
る温度検知手段、35はプリント動作を制御するプリン
ト制御手段、36はキャップ吸引手段27による吸引回
復動作および予備吐出動作を制御する回復動作制御手
段、37はキャップ吸引手段27による吸引動作ごとに
クリアされて新たに計時するタイマ(以下、これをタイ
ムカウント手段と記述する)、38はプリントヘッド3
4によるインク吐出回数をプリント時および予備吐出時
を含めて計数する吐出回数係数手段(以下、これをドッ
トカウント手段と記述する)、39はプリントヘッド3
4の周囲部温度を検出する環境温度検出手段である。
【0033】なお、温度検知手段21は、必ずしもプリ
ントヘッド34自体に直接設けられなくても良く、例え
ば、プリントヘッド34の温度を常にその時点で予測判
断できるものであれば良い。
【0034】このような構成になるインクジェットプリ
ント装置においては、プリント制御手段35によりキャ
リッジ駆動用モータ21の駆動が制御されてキャリッジ
12によるインクジェットカートリッジ11の主走査が
行われ、その間にプリントヘッド34から所定のタイミ
ングに合せてプリントのためのインク吐出が行われる。
また、主走査によるプリント媒体16上への1走査分の
プリントごとに媒体送り用モータ17が駆動されて媒体
送りがなされ、以上の繰返しによりプリント媒体16上
に所望のプリント画像が得られるように制御される。
【0035】なお、ドットカウント手段38ではその間
にプリントヘッド34から吐出されてプリントが行われ
たドット数を計数しており、その計数値がプリントに連
れて回復動作制御手段36に信号として出力されると共
に、温度検知手段21により認識された温度が電気信号
に変換されて回復動作制御手段36に出力され、また環
境温度検出手段39によりヘッド周囲温度が検出され
る。
【0036】本実施例によるプリントヘッド34の部分
を抽出拡大した図2に示すように、プリントヘッド34
は、図1の説明で述べたようにインクタンク13と一体
のインクジェットカートリッジ11として構成される。
図2において、40はプリント媒体16の対向位置に所
定の間隔を保つ吐出口面、41は吐出口面40に所定の
ピッチで配設された吐出口、42は個々の吐出口41か
ら吐出させるインクを保持するインク路、43はヘッド
基板44上の各インク路42に形成され、インクを吐出
させるエネルギを発生する吐出素子としての電気熱変換
体、45はインクタンク13からインクの供給を受ける
共通インク室であり、各インク路42は共通インク室4
5に連通している。
【0037】かかるプリントヘッド34において、共通
インク室45に供給されたインクは、毛管現象により各
インク路42に導かれ、吐出口41のところでメニスカ
スを形成する。そして、電気熱変換体43が後述するよ
うに選択的に通電駆動されることによりインク路42内
のインクが発熱し、その急激な発熱によりこれに接する
部分が急速に加熱される。かくしてインク路42に臨む
電気熱変換体43上に気泡が発生し、この気泡の膨張に
よって対応する吐出口41からインクが吐出され、イン
ク滴となってプリント媒体16上に着弾し、ドットプリ
ントが行われる。
【0038】次に、図3および図4に従って、図1に示
すプリント制御手段35の回路構成について説明する。
プリント制御手段35は先にも述べたように媒体送り用
モータ17、キャリッジ駆動用モータ21をモータドラ
イバ46,47を介して所定のタイミングで駆動制御す
ると共にプリントヘッド34のインク吐出によるプリン
ト動作をヘッドドライバ48を介して制御するもので、
49はホスト装置50(図4参照)側からプリント信号
やその他の情報を入力するインタフェースである。ま
た、51はMPU、52はMPU51が実行する制御プ
ログラムを格納するPROM、53は各種データ(上記
プリント信号やプリントヘッド34に供給されるプリン
トデータ情報など)を保存しておくDRAMであり、プ
リントドット数や、インクタンク13や、プリントヘッ
ド34の交換回数なども記憶できる。54はプリントヘ
ッド34に対するプリントデータの供給制御にかかわる
ゲートアレイであり、インタフェース49,MPU5
1,DRAM43間のデータの転送制御をも行う。
【0039】ゲートアレイ54を含むプリントヘッド駆
動用の制御回路を表す図4において、55はホスト装置
50からのプリントデータにかかわる信号をゲートアレ
イ54に受け入れるデータラッチ回路、56はプリント
にかかわるプログラムを分割保持し、マルチプレクサ5
7に供給するセグメントシフトレジスタ、58は共通タ
イミング発生回路、59はデコーダである。一方、プリ
ントヘッド34はヘッド基板44上に配設されたダイオ
ードマトリクスを有しており、ヘッドドライバ48を介
してプリントヘッド34側に送給されるコモン信号CO
Mとセグメント信号SEGとの組合せにより、電気熱変
換体43、すなわち図4中のヒータH1〜H64を選択
的に駆動し、対応する吐出口41からインクを吐出して
プリントが行われる。
【0040】さらに詳しく説明すると、上記デコーダ5
9は、共通タイミング発生回路58が発生したタイミン
グをデコードして、コモン信号COM1〜8のいずれか
1つを選択する。データラッチ回路55は、図3に示し
たDRAM53から読み出したプリントデータを8ビッ
ト単位でラッチする。マルチプレクサ57は、このプリ
ントデータをセグメントシフトレジスタ56に従い、セ
グメント信号SEG1〜8として出力する。なお、マル
チプレクサ57からの出力は、1ビット単位や、2ビッ
ト単位、あるいは8ビット全てなど、シフトレジスタ5
6の内容によって種々変更することが可能である。そこ
で、プリント制御手段35ではインタフェース49を介
してプリント信号が入るとゲートアレイ54とMPU5
1との間でプリント信号がプリント用のプリントデータ
に変換される。そして、モータドライバ46,47が駆
動されるとともに、ヘッドドライバ48に送られたプリ
ントデータに従ってプリントヘッド34が駆動され、プ
リントが行われる。
【0041】次に、図5に従い、本発明による吸引なら
びに予備吐出による回復動作の制御手順について説明す
る。
【0042】なお、本発明にかかる回復動作の制御はい
ずれも割込み動作として回復動作制御手段36により行
われるもので、まず、かかる割込み処理の手順について
説明する。
【0043】図5に示した予備吐出割込み処理は、環境
温度検出手段39により環境温度TEを取得することか
ら開始されるもので、かかる環境温度検出手段39とし
てはプリントヘッド34の周囲温度が判断できるもので
あれば公知の如何なる手段であってもよいが、共通イン
ク室45に供給するインクを保持するインクタンク13
内のインク温度を正常に検出できる部位にサーミスタ等
の温度検出素子を配設し、この温度検出素子からの値を
モニタすることが望ましい。
【0044】予備吐出割込み処理の信号が入ると、ま
ず、ステップS1で公知の予備吐出動作が行われ、つづ
くステップS2で上述したように環境温度TEが環境温
度検出手段39(図1参照)によって検出または判断さ
れる。次のステップS3は、プリントヘッド34内の温
度(以下、これをヘッド温度と記述する)THを取得し
て昇温の程度(以下、これをヘッド温度昇温量と記述す
る)ΔTHを算出するもので、ここで、プリントヘッド
34内の温度THとは、インク路42や共通インク室4
5など電気熱変換体43の発熱によって昇温する部位の
温度であり、温度検知手段33(図1参照)からの検出
温度を指すが、特開平5−208505号に開示されて
いるように、投入エネルギから演算によって判断される
温度であってもよい。なお、温度検知手段33として
は、ヘッド基板44上に半導体製造過程で一体成形され
るダイオードセンサを一例として挙げることができる。
【0045】なお、ステップS3において行われる演算
では、下式(1)によりヘッド温度昇温量ΔTHを算出
している。
【0046】 ΔTH=TH−TE …(1)
【0047】次いで、次のステップS4において、環境
温度TEとヘッド温度昇温量ΔTHとから、次の予備吐出
までの時間間隔を決定し、さらにステップS5で、上記
の環境温度TEとヘッド温度昇温量ΔTHとに基づいて表
1のテーブルに従い、温度補正係数αを求める。
【0048】
【表1】 なお、ここで使用するヘッド温度THは、数秒から十数
秒のタイムスパンで考えた場合の温度であり、ヘッド温
度THを推定する場合であれば、1秒以下の時定数の部
分を除外したものを用いるのが好ましい。同様に温度検
知手段33を用いるのであれば、プリント動作を行って
いない行頭や、片方向プリントの場合であれば往路中で
の測定値を用いるなどして、短い時定数の温度変化の影
響を除外することが好ましい。
【0049】また、上述の温度補正係数αは、ドットカ
ウント手段38(図1参照)により計数されるドット数
に対して後述するようにして重み付けをするためのもの
であり、以下にかかる温度補正係数αを必要とする理由
について述べておく。すなわち、プリントヘッド34か
ら連続的にインクが吐出されると、共通インク室45近
傍の温度、つまりヘッド温度THは、インクタンク13
内の温度、つまり環境温度TEに比較してより高くな
る。そしてこの昇温は下記の理由により、共通インク室
45内の気泡成長を促進する。
【0050】一般的に、インクに対する基体の溶解度
は、温度が上昇するにつれて低くなるが、インクタンク
13から、より高温の共通インク室45へ流れ込んだイ
ンクにおいては、過飽和状態となった溶存気体が析出
し、その少なくとも一部は共通インク室45内に残留
し、合体して気泡として成長する。従って、プリントに
よる共通インク室45内の気泡の成長は、ヘッド温度T
Hとインクタンク13の温度(環境温度TEにほぼ等し
い)との差による気体溶解度の変化分にプリントヘッド
34を通過するインク量(吐出体積と吐出数との積)を
掛けたものに比例すると考えられる。
【0051】これをより具体的に説明する。図6は、温
度と、水に対する空気の溶解度との関係を表すグラフで
あり、温度が低いほど水に対する空気の溶解度が高いこ
とが判る。水を主成分とするインクに対する空気の溶解
度もまた、類似の傾向を示すと考えられる。そこで、こ
の図から2つのことが判る。1つは、昇温量が大きけれ
ば大きいほど気体の析出量が多くなる。もう1つは同じ
昇温量でも、初期の環境温度が低い場合のほうが気体の
析出量が多いことである。従って、昇温が大きく、しか
も、環境温度の低いような場合には、同じドット数をプ
リントしても気体の析出量が多くなる。温度補正係数α
はこのことを考慮して設定したものである。
【0052】本実施例においては、予備吐出を実施する
ための割込み処理時に、上記のようにして求められた温
度補正係数αを使用し、図7および図8に示すようにし
てドット数をドットカウント手段38により計数するも
ので、まず、図7により50msごとの割込み処理によ
って求めるプリントヘッド34のドット数係数手順につ
いて説明する。
【0053】この処理では、まずステップS11でその
割込み信号から50ms間に行われたドット数ΔCD
計数し、次のステップS12で先に求められている温度
補正係数αを掛け合わせ、補正ドット数ΔCD′を下式
(2)により算出する。
【0054】 ΔCD′=α×ΔCD (2)
【0055】そして、次のステップS13で前回の予備
吐出以降ドットカウント手段38によってその時点まで
に計数されたドット数CDに上述の補正ドット数ΔCD
を加算し、これを新たなドット数CDとして50msの
割込み処理ごとに上記の手順を繰返す。
【0056】図8はプリント媒体16の排出ごとに行う
排出時割込み処理の手順を示す。この処理においては、
まずステップS21で媒体排出時におけるドット数CD
が予め設定した閾値、例えば1×108を越えたか否か
を判定する。そして、越えているとの判断の場合にはス
テップS22に進んでプリントヘッド34の全吐出口4
1からインクを吸引する吸引回復動作を行い、ステップ
S23に進んでドットカウント手段38の初期化を行っ
てドット数CD=0とする。また、ステップS21でそ
れまでのドット数CDが1×108に到達していないと判
断した場合には、この割込み処理を終了する。
【0057】次に、複数の色のインク、例えば、図9に
示すようにイエロー(Y),マゼンタ(M),シアン
(C),ブラック(B)の4色のインクを色別に吐出可
能なそれぞれ複数の吐出素子60Y,60M,60C,
60Bと、各色別共通インク室61Y,61M,61
C,61Bと、各インク供給路62Y,62M,62
C,62Bとを有するプリントヘッド34によりカラー
プリントが可能なインクジェットプリント装置への適用
例について説明する。なお、各吐出素子60Y,60
M,60C,60Bは、吐出口面40に開口してプリン
ト媒体16に向けてインクをそれぞれ吐出し得る吐出口
と、これら吐出口にそれぞれ連通するインク路と、各イ
ンク路にそれぞれ設けられた電気熱変換体とを有する。
【0058】なお、この図9に示したプリントヘッド3
4は、上述した4色のインクをそれぞれ貯溜するインク
タンク63Y,63M,63C,63Bの着脱を可能と
する接続部64を有している。この接続部64には、先
のインク供給路62Y,62M,62C,62Bと各イ
ンクタンク側のインク供給口とをそれぞれ連通させる連
通部が設けられており、インクタンクを装着することで
各インクタンク63Y,63M,63C,63B内のイ
ンクが当該連通部を介してプリントヘッド34がわへ供
給される。また、本実施例においてはカラーインク用の
インクタンク63Y,63M,63Cは一体化され、ブ
ラックインク用のインクタンク63Bと共にプリントヘ
ッド34に設けられた枠状のタンク保持部65に着脱可
能に保持されるようになっている。インクタンク63
Y,63M,63C,63B内のインクがなくなった場
合、新たなインクタンクと交換することができる。尚、
前記カラーインク用のインクタンクはそれぞれ別体とし
てもよい。
【0059】図10〜図11に従い、本実施例による回
復動作の制御手順について説明する。
【0060】図10は予備吐出割込み処理による動作手
順を示すもので、そのステップS31〜S35における
各動作は図5に示したステップS1〜S5のそれと変わ
らず、その説明は省略する。また、図11および図12
に示す50ms割込み処理の手順ステップS41〜S4
3および排出時の割込み処理の手順ステップS51〜S
53もそれぞれ図7および図8に示したものと変わらな
いので、その説明を省略する。ただし本実施例の場合、
その動作は色別に行われるもので、図12に示す色別の
ドット数CDY,CDM,CDC,CDBの補正に使用される設
定閾値は、カラー別吐出のため、図8に示した閾値1×
108より低く、5×107に設定されている。
【0061】本実施例によると複数色の共通インク室6
1Y〜61Bを図9に示すように同一基板上に構成した
プリントヘッド34においては、他の色のプリントデュ
ーティによってヘッド温度THが大きく変動するため、
着目している色のプリントドット数CDY,CDM,CDC
DBを単純にカウントしているだけでは、気泡の成長度
合いの予測として非常に不十分である。従って、環境温
度TEとヘッド温度THとによってプリントヘッド34が
吐出したドット数CDY,CDM,CDC,CDBに対してプリ
ント中に温度補正を行うという本発明の処理により、効
果が大きく発揮される。
【0062】次に、特性の異なる複数のインクを吐出す
るプリントヘッドを具備したインクジェットプリント装
置への適用例について説明する。
【0063】本実施例においてもまたプリントヘッドは
図9に示したように、イエロー(Y),マゼンタ
(M),シアン(C),ブラック(B)の4色のインク
を用いてプリントを行うもので、同一の基板上に形成さ
れた図示しない電気熱変換素子により吐出可能な構成と
し、各色別に共通インク室や、インクタンク,インク供
給路などを有する。ただし、イエロー,マゼンタ,シア
ンの各カラーインクは、超浸透タイプで界面活性剤が比
較的多量に入った表面張力の低いインクであり、ブラッ
クインクは、プリント媒体16に浸透しにくい比較的表
面張力の高いインクを使用する。
【0064】本例は、黒文字品位を良好にでき、カラー
インク相互のにじみを最小限に抑えることが可能な重要
な技術として開発されているものへの適用例である。本
実施例による回復動作の制御手順は、図13〜図15に
示す通りであり、図13は予備吐出割込み処理による動
作手順を示すもので、そのステップS61〜S65にお
ける各色別の動作は、図5に示したステップS1〜S5
のそれに対応するものであり、基本的動作は変わらない
ので、その説明は省略する。また、図14に示す50m
s割込み処理の手順ステップS71〜S73および図1
5に示す排出時の割込み処理の手順ステップS81〜S
83における色別の動作もまた図7および図8に示した
ものと変わらないので、その説明を省略する。
【0065】なお、図14に示す50ms割込み処理で
は、ステップS72において50ms間に計数した各色
別のドット数ΔCDY,ΔCDM,ΔCDC,ΔCDBに予め取
得してある温度補正係数αを掛けて補正ドット数Δ
DY′,ΔCDM′,ΔCDC′,ΔCDB′を求め、ステッ
プS73においてこれらをそれぞれその時点までに計数
したドット数CDY,CDM,CDC,CDBに加算する。
【0066】また、図15に示す排出割込み処理では、
ステップS81において、各色のドット数CDY,CDM
DC,CDBのうち、いずれかが規定の閾値(カラーイン
クに対しては1.5×107、ブラックインクに対して
は5×107)を越えたか否かを判断し、越えていれば
ステップS82で吸引回復動作を行い、ステップS83
で全ての色のドット数CDY,CDM,CDC,CDBを初期化
する。
【0067】以上説明したように、異なる特性を有する
複数色のインクを吐出可能なプリントヘッドの場合、最
も気泡によるプリント不良の発生し易いインクの設定閾
値を最も小さくすることでプリント中に共通インク室内
に発生する気泡によるプリント不良を未然に防止するこ
とが可能となる。
【0068】本実施例では、ブラックインクに対する設
定閾値をカラーインクの約3倍としたが、プリントヘッ
ドあるいはプリント装置の構成に最適な値とすることが
望ましく、さらには簡単な構成とするために気泡による
プリント不良がほとんど発生しないブラックインクのド
ット数のカウントを行わず、カラーインクのみについて
ドット計数を行い、次回の吸引回復動作時期を決定して
も良い。
【0069】なお、本発明は、特にインクジェット方式
の中でも、インクの吐出を行わせるために利用されるエ
ネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例えば、
電気熱変換体やレーザ光など)を具え、前記熱エネルギ
ーにより液体の状態変化を生起させる方式のインクジェ
ットプリント装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば、プリントの高密度化および
高精細化が達成できるからである。
【0070】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4,723,129号明細書や、同第
4,740,796号明細書に開示されている基本的な
原理を用いて行うものが好ましい。この方式は、いわゆ
るオンデマンド型およびコンティニュアス型の何れにも
適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、
液体が保持されているシートや流路に対応して配置され
る電気熱変換体に、プリント情報に対応していて核沸騰
を越える急速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動
信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネル
ギーを発生させ、インクジェットヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせ、結果的にこの駆動信号に一対一で対応
した液体内の気泡を形成できるので有効である。この気
泡の成長および収縮により、吐出口を介してインクを吐
出させ、少なくとも1つの液滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体の吐出が達成で
き、より好ましい。このパルス形状の駆動信号として
は、米国特許第4,463,659号明細書や、同第
4,345,262号明細書に記載されているようなも
のが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関
する発明の米国特許第4,313,124号明細書に記
載されている条件を採用すると、さらに優れたプリント
を行うことができる。
【0071】また、インクジェットヘッドの構成として
は、上述の各明細書に開示されているような吐出口と流
路と電気熱変換体との組合せ構成(直線状液流路または
直角液流路)の他に、熱作用部が屈曲する領域に配置さ
れている構成を開示する米国特許第4,558,333
号明細書や、米国特許第4,459,600号明細書を
用いた構成も本発明に含まれるものである。加えて、複
数の電気熱変換体に対し、共通するスリットを電気熱変
換体の吐出部とする構成を開示する特開昭59−123
670号公報や、熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔
を吐出部に対応させる構成を開示した特開昭59−13
8461号公報に基いた構成としても、本発明の効果は
有効である。すなわち、インクジェットヘッドの形態が
どのようなものであっても、本発明によればプリントを
確実に効率良く行うことができるようになるからであ
る。
【0072】さらに、インクジェット装置がプリントで
きるプリント媒体の最大幅に対応した長さを有するフル
ラインタイプのインクジェットヘッドに対しても本発明
は有効に適用できる。そのようなインクジェットヘッド
としては、複数のインクジェットヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
インクジェットヘッドとしての構成の何れでもよい。
【0073】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定されたインクジェットヘッド、
あるいは装置本体に装着されることで装置本体との電気
的な接続や装置本体から液体の供給が可能になる交換自
在のチップタイプのインクジェットヘッド、あるいはイ
ンクジェットヘッド自体に一体的に液体を貯えるタンク
が設けられたインクジェットカートリッジを用いた場合
にも、本発明は有効である。
【0074】また、本発明のインクジェット装置の構成
として、予備的な補助手段等を付加することは本発明の
効果を一層安定できるので、好ましいものである。これ
らを具体的に挙げれば、電気熱変換体やこれとは別の加
熱素子あるいはこれらの組み合わせを用いて加熱を行う
予備加熱手段を挙げることができる。
【0075】また、搭載されるインクジェットヘッドの
種類や個数についても、例えば単色のインクに対応して
1個のみが設けられたものの他、プリント色や濃度を異
にする複数のインクに対応して複数個数設けられるもの
であってもよい。すなわち、例えばインクジェット装置
のプリントモードとしては黒色等の主流色のみのプリン
トモードだけではなく、インクジェットヘッドを一体的
に構成するか、複数個の組み合わせによるか何れでもよ
いが、異なる色の複色カラーまたは混色によるフルカラ
ーの各プリントモードの少なくとも一つを備えた装置に
も本発明は極めて有効である。
【0076】さらに加えて、以上説明した本発明の実施
例においては、室温やそれ以下で固化し、室温で軟化も
しくは液化するものを用いても良く、あるいはインクジ
ェット方式では液体自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行って液体の粘性を安定吐出範囲にある
ように温度制御するものが一般的であるから、使用プリ
ント信号付与時に液状をなすものを用いてもよい。加え
て、熱エネルギーによる昇温を、固形状態から液体状態
への状態変化のエネルギーとして使用させることで積極
的に防止するため、または液体の蒸発を防止するため、
放置状態で固化し加熱によって液化するものを用いても
よい。何れにしても熱エネルギーのプリント信号に応じ
た付与によって液化し、液体が吐出されるものや、プリ
ント媒体に到達する時点ではすでに固化し始めるものな
どのような、熱エネルギーの付与によって初めて液化す
る性質のものを使用する場合も本発明は適用可能であ
る。このような場合の液体は、特開昭54−56847
号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載さ
れるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状又は
固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対して
対向するような形態としてもよい。本発明においては、
上述した各液体に対して最も有効なものは、上述した膜
沸騰方式を実行するものである。
【0077】さらに加えて、本発明にかかるインクジェ
ット装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機
器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等
と組合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファ
クシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0078】
【発明の効果】本発明のインクジェットプリント方法お
よびその装置によると、プリントヘッドの周囲温度およ
びプリントヘッド内の温度変化およびこれらプリントヘ
ッドの周囲温度とプリントヘッド内の温度との差に応じ
て補正されるインクの吐出回数に基づいて吸引回復手段
による次回の吸引回復動作の時期を設定するようにした
ので、プリントヘッド内に発生した気泡の量を正確に把
握して、吸引回数を必要最小限にすることができる。
【0079】また、プリントヘッド内に発生する気泡の
量を加味して吸引回復動作が行われるので、プリント装
置としてスループットを低下させることなく、信頼性の
高いプリントを行うことが可能となる。
【0080】しかも、合理的に予備吐出および吸引回復
動作が実施されるので、プリント装置自体の処理能力を
一層向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェットプリント装置の一
実施例の概念図である。
【図2】図1に示したインクジェットプリント装置に搭
載されるプリントヘッドの先端部を抽出拡大した斜視図
である。
【図3】本発明にかかる制御用回路の構成を示すブロッ
ク図である。
【図4】本発明にかかるプリントヘッド駆動用回路の構
成を示すブロック図である。
【図5】図7と共に本発明の第1実施例による予備吐出
にかかわる動作手順を表すフローチャートである。
【図6】温度と、水に対する空気の溶解度との関係を表
すグラフである。
【図7】図5と共に本発明の第1実施例による予備吐出
にかかわる動作手順を表すフローチャートである。
【図8】本発明の第1実施例による排出時の吸引回復動
作の制御手順を示すフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施例に適用されるプリントヘッ
ドの構成例を模式的に示す断面図である。
【図10】図11と共に本発明の第2実施例による予備
吐出動作の制御手順を表すフローチャートである。
【図11】図10と共に本発明の第2実施例による予備
吐出動作の制御手順を表すフローチャートである。
【図12】本発明の第2実施例による排出時の吸引動作
の制御手順を示すフローチャートである。
【図13】図14と共に本発明の第3実施例による予備
吐出動作の制御手順を表すフローチャートである。
【図14】図3と共に本発明の第3実施例による予備吐
出動作の制御手順を表すフローチャートである。
【図15】本発明の第3実施例による排出時の吸引動作
の制御手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
11 インクジェットカートリッジ 12 キャリッジ 17 シート送りモータ 21 キャリッジ駆動モータ 27 吸引手段 28 キャップ部材 29 クリーニングブレード 33 ヘッド温度検知手段 34 記録ヘッド 35 プリント制御手段 36 回復動作制御手段 37 タイマ(タイムカウント手段) 38 吐出回数計数手段(ドットカウント手段) 39 環境温度検出手段 40 インク吐出口面 41 インク吐出口 43 電気熱変換体 48 ヘッドドライバ 51 CPU 52 PROM 53 DRAM 54 ゲートアレイ 55 データラッチ回路 56 マルチプレクサ 58 タイミング発生回路 59 デコーダ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/125 (72)発明者 神田 英彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口からインクを吐出させるためのイ
    ンク路と、このインク路にインクを供給する共通インク
    室とを有するプリントヘッドを用い、プリント媒体に向
    けてインクを吐出してプリントを行うインクジェットプ
    リント方法であって、 前記プリントヘッドの周囲温度を検出する工程と、 前記プリントヘッド内の温度の変化を認知する工程と、 前記インクの吐出回数を計数する工程と、 前記吐出口を介して前記プリントヘッド内から前記イン
    クおよび気泡を吸引排出する吸引回復動作を行う工程
    と、 前記プリントヘッドの周囲温度および前記プリントヘッ
    ド内の温度変化および前記インクの吐出回数に基づいて
    次回の吸引回復動作の時期を設定する工程とを具え、前
    記次回の吸引回復動作の時期の設定のための前記インク
    の吐出回数が、前記プリントヘッドの周囲温度と前記プ
    リントヘッド内の温度との差に基づいて補正されるもの
    であることを特徴とするインクジェットプリント方法。
  2. 【請求項2】 前記吐出口から前記プリント媒体以外に
    向けてインクを吐出する予備吐出動作を行う工程と、 前記プリントヘッドの周囲温度および前記プリントヘッ
    ド内の温度変化に基づいて次回の予備吐出動作の時期を
    設定する工程とをさらに具えたことを特徴とする請求項
    1に記載のインクジェットプリント方法。
  3. 【請求項3】 前記プリントヘッドの周囲温度と前記プ
    リントヘッド内の温度との差に基づく前記インクの吐出
    回数の補正は、前記予備吐出動作ごとに行われることを
    特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリント方
    法。
  4. 【請求項4】 前記次回の吸引回復動作の時期は、前記
    インクの吐出回数が予め設定された閾値を超えたときで
    あることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに
    記載のインクジェットプリント方法。
  5. 【請求項5】 前記予め設定される閾値は、気泡が発生
    し易いインクほど小さく設定されることを特徴とする請
    求項4に記載のインクジェットプリント方法。
  6. 【請求項6】 吐出口からインクを吐出させるためのイ
    ンク路と、このインク路にインクを供給する共通インク
    室とを有するプリントヘッドを用い、プリント媒体に向
    けてインクを吐出してプリントを行うインクジェットプ
    リント装置であって、 前記プリントヘッドの周囲温度を検出する手段と、 前記プリントヘッド内の温度の変化を認知する手段と、 前記インクの吐出回数を計数する手段と、 前記吐出口を介して前記プリントヘッド内から前記イン
    クおよび気泡を吸引排出する吸引回復動作を行う吸引回
    復手段と、 前記プリントヘッドの周囲温度および前記プリントヘッ
    ド内の温度変化および前記インクの吐出回数に基づいて
    前記吸引回復手段による次回の吸引回復動作の時期を設
    定する吸引回復制御手段とを具え、この吸引回復制御手
    段は、前記次回の吸引回復動作の時期の設定のための前
    記インクの吐出回数を、前記プリントヘッドの周囲温度
    と前記プリントヘッド内の温度との差に基づいて補正す
    るものであることを特徴とするインクジェットプリント
    装置。
  7. 【請求項7】 前記吐出口から前記プリント媒体以外に
    向けてインクを吐出する予備吐出動作を所定の時間間隔
    で行う予備吐出手段と、 前記プリントヘッドの周囲温度と前記プリントヘッド内
    の温度変化とに基づいて前記予備吐出手段による次回の
    予備吐出動作の時期を設定する予備吐出制御手段とをさ
    らに具えたことを特徴とする請求項6に記載のインクジ
    ェットプリント装置。
  8. 【請求項8】 前記プリントヘッドの周囲温度と前記プ
    リントヘッド内の温度との差に基づく前記インクの吐出
    回数の補正は、前記予備吐出手段による予備吐出動作ご
    とに行われることを特徴とする請求項7に記載のインク
    ジェットプリント装置。
  9. 【請求項9】 前記プリントヘッドの前記インク路が、
    少なくとも2つ以上のブロックに分割されていることを
    特徴とする請求項6から請求項8の何れかに記載のイン
    クジェットプリント装置。
  10. 【請求項10】 前記プリントヘッドは、それぞれの前
    記ブロックごとに異なる色のインクを収容する共通イン
    ク室を具え、少なくとも2色以上のインクを吐出してプ
    リントが可能であることを特徴とする請求項9に記載の
    インクジェットプリント装置。
  11. 【請求項11】 前記吸引回復制御手段によって設定さ
    れる前記次回の吸引回復動作の時期は、少なくとも1つ
    の前記ブロックにおけるインクの吐出回数が予め設定さ
    れた閾値を超えたときであることを特徴とする請求項9
    または請求項10の何れかに記載のインクジェットプリ
    ント装置。
  12. 【請求項12】 前記予め設定された閾値は、前記少な
    くとも2つ以上のブロックにおけるインクのうち、気泡
    が発生し易いインクほど小さく設定されることを特徴と
    する請求項11に記載のインクジェットプリント装置。
  13. 【請求項13】 前記インクは、イエローおよびマゼン
    タおよびシアンのカラーインクであることを特徴とする
    請求項9から請求項12の何れかに記載のインクジェッ
    トプリント装置。
  14. 【請求項14】 前記カラーインクは、界面活性剤を多
    く含む表面張力の低い超浸透型のインクであることを特
    徴とする請求項13に記載のインクジェットプリント装
    置。
  15. 【請求項15】 前記プリントヘッドは、インクを吐出
    させるためにインクに熱エネルギーを付与する熱エネル
    ギー発生体をそれぞれの前記インク路ごとに有すること
    を特徴とする請求項6から請求項14の何れかに記載の
    インクジェットプリント装置。
  16. 【請求項16】 前記プリントヘッドは、インクを貯溜
    するインクタンクと一体に形成され、走査移動するキャ
    リッジに交換自在に搭載され、このキャリッジの走査移
    動中にインクを吐出してプリントを行うシリアル型であ
    ることを特徴とする請求項6から請求項15の何れかに
    記載のインクジェットプリント装置。
  17. 【請求項17】 前記プリントヘッドは、インクを貯溜
    するインクタンクの着脱を可能とする接続部を有するこ
    とを特徴とする請求項6から請求項15の何れかに記載
    のインクジェットプリント装置。
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