JP2005298738A - 樹脂粒子及び樹脂粒子の製造方法 - Google Patents

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貴宏 大村
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寛 前中
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Abstract

【課題】40℃以上250℃以下の温度により粒子全体の少なくとも一部に空隙が生じる低温分解性の樹脂粒子、及び該樹脂粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、1時間以内に粒子全体の10〜100重量%にあたる部分に空隙が生じる樹脂粒子、好ましくは40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質を含有する樹脂粒子、好ましくは40℃以上250℃以下の蒸発及び/又は昇華開始温度を持つ物質を含有する樹脂粒子、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質を媒体中に懸濁させたスラリー、又は、前記物質を媒体中に溶解させた溶液を調整した後、媒体を乾燥させ粒子化する樹脂粒子の製造方法、好ましくは噴霧乾燥により、スラリー又は溶液を液滴として噴霧して媒体を乾燥させて粒子化する樹脂粒子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、低温熱分解性を有する樹脂粒子、及び該樹脂粒子の製造方法に関する。
有機ポリマー、特に、ポリアクリル酸エステル、ポリスチレン、ポリエチレン等に代表される熱可塑性ポリマーは、加熱することによって分解する性質である熱分解性、及び比較的軟化点温度が高く成形し易い性質である成形性を有している。この熱分解性と成形性を利用して、有機ポリマーはセラミックの成形用バインダー、熱記録用樹脂、或いは熱崩壊性接着剤として用いられている。また、有機ポリマーをミクロンサイズの樹脂粒子とし、セラミックと混合することによって、軽量陶器やグラスフィルターを製造する際に用いられている。
セラミック用のバインダーや軽量化材として樹脂粒子を用いる場合は、非酸素雰囲気下又は酸素雰囲気下での焼成による熱分解又は燃焼によって、樹脂成分が除去される。ここで、焼成により樹脂成分を完全に除去し得る温度が、セラミック原料粉末、ガラス粉末等の融着温度より十分に低くない場合には、樹脂由来のカーボン等の残滓が焼結体の内部に残留してしまう恐れがあった。更に、完全に除去し得る温度が融着温度より高いと、焼結体が変形してしまうという恐れがあった。従って、樹脂由来のカーボン等の残滓を残すことなく、より低温で除去できる樹脂粒子が望まれていた。
そのような樹脂材料として、例えば、特許文献1には、熱分解温度の低い解重合性ポリマーとして、スチレンモノマーとα−メチルスチレンモノマーよりなる熱分解性スチレン系共重合体が提案されている。しかしながら効果は十分とはいえず、樹脂を多量に使用してより軽量な陶器を製造しようとすると、焼成工程を250℃以上の高温で長時間行う必要があることから、製造工程全体に長時間を要し、製造効率が低下してしまうという問題点があった。更に、樹脂の燃焼熱の増加により得られるセラミック焼結体に大きな歪みがかかり、変形が生じるという問題もあった。よって、更に低温で除去し得る樹脂粒子が強く要望されていた。
特開平6−41241号公報
本発明は、上記現状に鑑み、40℃以上250℃以下の温度により粒子全体の少なくとも一部に空隙が生じる低温分解性の樹脂粒子、及び該樹脂粒子の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1記載の発明は、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、1時間以内に粒子全体の10〜100重量%にあたる部分に空隙が生じる樹脂粒子を提供する。
また、請求項2記載の発明は、40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質を含有する請求項1記載の樹脂粒子を提供する。
また、請求項3記載の発明は、40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質が、マロン酸、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−カルバモイルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、又は、ポリα−メチルスチレン、ポリアルキレングリコール、ポリペルオキシド、ポリシロキサン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリロレインのうち少なくともいずれかを主鎖又は側鎖に有するポリマーである請求項2記載の樹脂粒子を提供する。
また、請求項4記載の発明は、40℃以上250℃以下の蒸発及び/又は昇華開始温度を持つ物質を含有する請求項1記載の樹脂粒子を提供する。
また、請求項5記載の発明は、アルカン、脂肪酸、脂肪酸エステル、アルコール、水、樟脳、ナフタレンのうち少なくともいずれかの蒸発及び/又は昇華性物質を含有する請求項4記載の樹脂粒子を提供する。
また、請求項6記載の発明は、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質を媒体中に懸濁させたスラリー、又は、前記物質を媒体中に溶解させた溶液を調整した後、媒体を乾燥させ粒子化する樹脂粒子の製造方法を提供する。
また、請求項7記載の発明は、噴霧乾燥により、スラリー又は溶液を液滴として噴霧して媒体を乾燥させて粒子化する請求項6記載の樹脂粒子の製造方法を提供する。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明の樹脂粒子は、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、1時間以内に粒子全体の10〜100重量%にあたる部分に空隙が生じるものである。
本発明者らは、鋭意検討の結果、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、粒子全体の一部に空隙が生じる樹脂粒子を、例えば、セラミック用バインダーや軽量化材として用いれば、常温においてはハンドリング性よく成形でき、焼成においては燃焼熱に起因するセラミック成形品の変形を抑制しながら、焼成工程等に要する時間を短縮して製造効率を向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明において、化学反応とは、樹脂粒子の構成成分を消失させる分解反応や燃焼反応を意味し、状態変化とは、樹脂粒子の構成成分を流出又は消失させる融解、蒸発、昇華等の相変化を意味する。
上記40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、空隙が生じる樹脂粒子としては、化学反応及び/又は状態変化が生じる温度で加熱したときに、空隙が生じる樹脂粒子であり、1時間以内に粒子全体の10〜100重量%にあたる部分に空隙が生じることが必要である。空隙の発生に要する時間が1時間より長いと、製造効率が低下する。また、空隙が粒子全体の10重量%未満では、発熱量を減少させ変形を抑制する効果が十分でないことがある。好ましくは1時間以内に粒子全体の30〜100重量%にあたる部分に空隙が生じる樹脂粒子である。
上記40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、空隙が生じる樹脂粒子としては、具体的には、例えば、分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質を含有する樹脂粒子(以下、第1の態様の樹脂粒子ともいう)、蒸発開始温度が40℃以上250℃以下である蒸発性物質、又は、昇華開始温度が40℃以上250℃以下である昇華性物質を含有する樹脂粒子(以下、第2の態様の樹脂粒子ともいう)等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子は、40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質を含有することが好ましい。
また、本発明の樹脂粒子は、40℃以上250℃以下の蒸発及び/又は昇華開始温度を持つ物質を含有することが好ましい。
まず、第1の態様の樹脂粒子について説明する。
第1の態様の樹脂粒子は、分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質を含有する。これにより、上記分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質の分解温度以上の温度をかけることにより、上記物質が分解して、樹脂粒子のうちの少なくとも上記分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質からなる部分に空隙が生じる。
上記分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質としては特に限定されないが、例えば、マロン酸、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−カルバモイルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等の物質が挙げられる。
更に、上記分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質としては、ポリα−メチルスチレン、ポリアルキレングリコール、ポリペルオキシド、ポリシロキサン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリロレインのうち少なくともいずれかを主鎖又は側鎖に有するポリマー等が挙げられる。ここで、ポリ(メタ)アクリル酸エステルとはポリメタクリル酸エステル又はポリアクリル酸エステルを意味する。
本発明の樹脂粒子は、40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質が、マロン酸、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−カルバモイルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、又は、ポリα−メチルスチレン、ポリアルキレングリコール、ポリペルオキシド、ポリシロキサン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリロレインのうち少なくともいずれかを主鎖又は側鎖に有するポリマーであることが好ましい。
上記ポリアルキレングリコールとしては特に限定されず、例えば、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらのポリアルキレングリコールは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ポリペルオキシドとしては特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸エステル又はその誘導体と酸素の共重合体;スチレン又はその誘導体と酸素の共重合体;ソルビン酸又はその誘導体と酸素の共重合体等が挙げられる。これらのポリペルオキシドは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第1の態様の樹脂粒子における、上記分解開始温度が40℃以上250℃以下である物質の含有量の好ましい下限は10重量%である。10重量%未満であると、発熱量を減少させ変形を抑制する効果が十分でないことがある。より好ましい下限は30重量%である。含有量の好ましい上限は99重量%である。99重量%を超えると、樹脂粒子としての形状が保てなかったり、常温では取り扱い難かったり、保存性に劣ったりすることがある。但し、分解開始温度が40℃以上250℃以下であるポリマーのみを用いる場合については、樹脂粒子の全てが、上記分解開始温度が40℃以上250℃以下であるポリマーのみからなっていてもよい。
次に、第2の態様の樹脂粒子について説明する。
第2の態様の樹脂粒子は、蒸発開始温度40℃以上250℃以下である蒸発性物質、又は、昇華開始温度が40℃以上250℃以下である昇華性物質を含有する。これにより、上記蒸発性物質の蒸発開始温度、又は昇華性物質の昇華開始温度以上の温度をかけることにより、上記蒸発性物質又は昇華性物質が気化して樹脂粒子から排出され、樹脂粒子に空隙が生じる。
上記蒸発性物質としては特に限定されないが、例えば、アルカン、脂肪酸、脂肪酸エステル、アルコール、水等が挙げられる。
また、上記昇華性物質としては特に限定されないが、例えば、樟脳、ナフタレン等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子は、アルカン、脂肪酸、脂肪酸エステル、アルコール、水、樟脳、ナフタレンのうち少なくともいずれかの蒸発及び/又は昇華性物質を含有することが好ましい。
上記蒸発性物質の多くは、常温においては液状であることから、これを含有する樹脂粒子は形状安定性に欠けることがある。このような場合には、上記蒸発性物質により膨潤されたゲルを用いることが好ましい。
上記ゲルとしては、例えば、寒天、ゼラチン、セルロース、ポリビニルアルコール、無機塩、又はヒドロキシステアリン酸からなるもの等が好適である。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
第2の態様の樹脂粒子における、上記蒸発性物質又は昇華性物質の含有量の好ましい下限は10重量%である。10重量%未満であると、発熱量を減少させ変形を抑制する効果が十分でないことがある。より好ましい下限は30重量%である。含有量の好ましい上限は99重量%である。99重量%を超えると、樹脂粒子としての形状が保てなかったり、常温では取り扱い難かったり、保存性に劣ったりすることがある。
本発明の樹脂粒子を製造する方法としては特に限定されず、例えば、上記40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質の存在下で、ビニルモノマーを用い、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法、ソープフリー重合法、ミニエマルジョン重合法等の従来公知の重合方法により樹脂粒子を製造する方法等が挙げられる。
また、上記蒸発性物質又は昇華性物質を有機樹脂等で被覆しカプセル化して用いてもよい。カプセル化する方法としては特に限定されず、例えば、コアセルベーション法、液中乾燥法、界面重合法、in−situ重合法等が挙げられる。
更に、樹脂粒子を製造する簡便な方法としては、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質を媒体中に懸濁させたスラリー、又は、前記物質を媒体中に溶解させた溶液を調整した後、媒体を乾燥させ粒子化する方法等が挙げられる。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質を媒体中に懸濁させたスラリー、又は、前記物質を媒体中に溶解させた溶液を調整した後、媒体を乾燥させ粒子化することが好ましい。
上記媒体を乾燥させ粒子化する方法としては、特に限定されないが、例えば、噴霧乾燥法、真空乾燥法等が挙げられ、なかでも、粒径調節をし易い点から噴霧乾燥法が好ましく用いられる。
本発明の樹脂粒子の製造方法は、噴霧乾燥により、スラリー又は溶液を液滴として噴霧して媒体を乾燥させて粒子化することが好ましい。
上記噴霧乾燥を行う際には、上記40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質に対し、これを懸濁又は溶解させる液体が添加される。上記液体の種類としては特に限定されず、例えば、水、有機溶剤等が挙げられる。
また、噴霧された液滴が乾燥後に粒子形状を保持するために、上記スラリー又は溶液には樹脂成分等が添加されることが好ましい。上記樹脂成分としては、例えば、ポリビニルアルコール、セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、スチレン等の汎用樹脂等が挙げられる。なお、上記40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質が樹脂成分の場合は、新たに樹脂成分を添加しなくともよい。
本発明における樹脂粒子の粒子径の好ましい下限は1μm、好ましい上限は1000μmである。1μm未満又は1000μmを超えると、噴霧乾燥により収率よく粉体を得ることが難しくなることがある。より好ましい下限は5μm、より好ましい上限は200μmである。
本発明の樹脂粒子は、上述の構成よりなるので、40℃以上250℃以下の温度により粒子全体の少なくとも一部に空隙が生じる低温分解性のものを得ることが可能となった。
また、本発明の樹脂粒子は、上記特性を利用して焼成時の変形抑制や、製造効率の向上を図ることができ、セラミック用のバインダーや軽量化材として好適に利用できる。
更に、本発明の樹脂粒子の製造方法は、上述の構成よりなるので、40℃以上250℃以下の温度により粒子全体の少なくとも一部に空隙が生じる低温分解性の樹脂粒子が得られる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳しく説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリビニルアルコール10重量%水溶液100重量部に、マロン酸90重量部を溶解した。得られた溶液を藤崎電機社製マイクロミストドライヤMDL−050にて噴霧乾燥し、平均粒子径34μmの樹脂粒子を得た。乾燥条件は、熱風温度160℃、熱風流量40ml/秒、溶液供給スピード32.5g/分であった。
セイコーインスツルメンツ社製DSC−6200を用いて、室温(約25℃)から、昇温速度10℃/分にて昇温しながら加熱減量分析を行ったところ、マロン酸の分解開始によるものと思われる重量減少が130℃より見られ、50重量%減少温度は155℃であった。また、250℃(25分以内)における重量減少率は94重量%であった。
(実施例2)
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1重量%水溶液80重量部に、ペルオキソ二硫酸アンモニウム0.1重量部を溶解したものに、メタクリル酸メチル20重量部を添加し、ホモジナイザーにて撹拌乳化した。得られた乳化液をオートクレーブにて60℃3時間加熱し乳化重合を行った。冷却後得られたエマルジョン(スラリー)は、平均粒子径95nm、固形分濃度約20重量%であった。
得られたエマルジョン100重量部に、マロン酸80重量部を溶解した。得られたスラリーを藤崎電機社製マイクロミストドライヤMDL−050にて噴霧乾燥し、平均粒子径67μmの樹脂粒子を得た。乾燥条件は、熱風温度160℃、熱風流量40ml/秒、スラリー供給スピード32.5g/分であった。
セイコーインスツルメンツ社製DSC−6200を用いて、室温(約25℃)から、昇温速度10℃/分にて昇温しながら加熱減量分析を行ったところ、マロン酸の分解開始によるものと思われる重量減少が130℃より見られ、50重量%減少温度は155℃であった。また、250℃(25分以内)における重量減少率は80重量%であった。
(実施例3)
酢酸エチル200重量部に、ナフタレン90重量部、エチルセルロース10重量部を溶解した。得られた溶液を藤崎電機社製マイクロミストドライヤMDL−050にて噴霧乾燥し、平均粒子径22μmの樹脂粒子を得た。乾燥条件は、熱風温度130℃、熱風流量40ml/秒、溶液供給スピード25.0g/分であった。
セイコーインスツルメンツ社製DSC−6200を用いて、室温(約25℃)から、昇温速度10℃/分にて昇温しながら加熱減量分析を行ったところ、ナフタレンの昇華開始によるものと思われる重量減少が180℃より見られ、50重量%減少温度は220℃であった。また、250℃(25分以内)における重量減少率は84重量%であった。
(比較例1)
水溶性セルロースの10重量%水溶液を藤崎電機社製マイクロミストドライヤMDL−050にて噴霧乾燥し、平均粒子径16μmの樹脂粒子を得た。乾燥条件は、熱風温度160℃、熱風流量40ml/秒、溶液供給スピード25.0g/分であった。
セイコーインスツルメンツ社製DSC−6200を用いて、室温(約25℃)から、昇温速度10℃/分にて昇温しながら加熱減量分析を行ったところ、わずかな重量減少が230℃より見られたが、250℃(25分以内)における重量減少率は4重量%であった。
本発明によれば、40℃以上250℃以下の温度により粒子全体の少なくとも一部に空隙が生じる低温分解性の樹脂粒子、及び該樹脂粒子の製造方法を提供できる。
また、本発明の樹脂粒子は、低温分解性に優れているので、セラミック用のバインダーや軽量化材として好適に利用できる。

Claims (7)

  1. 40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により、1時間以内に粒子全体の10〜100重量%にあたる部分に空隙が生じることを特徴とする樹脂粒子。
  2. 40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質を含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂粒子。
  3. 40℃以上250℃以下の分解開始温度を持つ物質が、マロン酸、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2−カルバモイルアゾホルムアミド、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、又は、ポリα−メチルスチレン、ポリアルキレングリコール、ポリペルオキシド、ポリシロキサン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリ(メタ)アクリロニトリル、ポリ(メタ)アクリロレインのうち少なくともいずれかを主鎖又は側鎖に有するポリマーであることを特徴とする請求項2記載の樹脂粒子。
  4. 40℃以上250℃以下の蒸発及び/又は昇華開始温度を持つ物質を含有することを特徴とする請求項1記載の樹脂粒子。
  5. アルカン、脂肪酸、脂肪酸エステル、アルコール、水、樟脳、ナフタレンのうち少なくともいずれかの蒸発及び/又は昇華性物質を含有することを特徴とする請求項4記載の樹脂粒子。
  6. 40℃以上250℃以下の温度で生じる化学反応及び/又は状態変化により消失する物質を媒体中に懸濁させたスラリー、又は、前記物質を媒体中に溶解させた溶液を調整した後、媒体を乾燥させ粒子化することを特徴とする樹脂粒子の製造方法。
  7. 噴霧乾燥により、スラリー又は溶液を液滴として噴霧して媒体を乾燥させて粒子化することを特徴とする請求項6記載の樹脂粒子の製造方法。
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