JP2005251911A - 半導体装置、電気光学装置および電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 支持基板と、半導体層を有する半導体基板とを貼り合わせてなり、半導体層を能動層とする薄膜トランジスタが形成され、支持基板と半導体層との間に、導電性を有するとともに、支持基板側から薄膜トランジスタに入射する光を遮る遮光層3aが形成され、薄膜トランジスタのゲート電極3gと、遮光層3aとを電気的に接続する中継層4が形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
このため、対向基板には、各TFTに対向する位置にクロム(Cr)などの金属材料や樹脂ブラックなどからブラックマトリクスあるいはブラックマスクと呼ばれる遮光膜が形成されるのが一般的である(例えば、特許文献1参照。)。
また、さらに高速化を図るために、TFTのゲート電極と遮光膜とを電気的に接続して、電気的抵抗の小さな遮光膜をゲート信号の入力に用いる技術も知られている。
さらに、中継層を用いることにより、ゲート電極と遮光層との電気的接続部が、ゲート電極と中継層との電気的接続部、中継層と遮光層との電気的接続部に分割され、電気的接続部のアスペクト比が低くなる(電気的接続部が太く短くなる)。すると、電気的接続部の電気抵抗を低くすることができるとともに、その電気抵抗のバラツキを少なくすることができる。その結果、ゲート信号の遅延を防止することができるとともに、薄膜トランジスタのオン電流を増加および安定化(オン電流のバラツキを少なく)することができる。
例えば、この半導体装置を液晶表示装置に用いたとすると、ゲート信号の遅延が防止できることにより、薄膜トランジスタへの書き込み不足によるコントラスト低下や、液晶材への直流電圧成分の印加による輝度傾斜などを防止でき、表示品位低下を防止することができる。また、オン電流の増加および安定化を図ることにより、表示画像の明るさムラを改善することができ、多階調化を図ることができる。
この構成によれば、ゲート電極と中継層との電気的接続部および中継層と遮光層との電気的接続部のアスペクト比をより確実に低くすることができる。その結果、電気的接続部の電気抵抗をより確実に低くすることができ、ゲート信号の遅延を防止することができる。
この構成によれば、中継層が遮光層よりも半導体層に近い層に形成されているため、
中継層は、遮光層よりも広い角度から薄膜トランジスタに入射する光を遮光することができる。そのため、薄膜トランジスタのチャネル形成領域において、光電流の発生を防止しやすくなり、薄膜トランジスタのトランジスタ特性劣化を防止することができる。
例えば、この半導体装置を液晶表示装置に用いたとすると、薄膜トランジスタのトランジスタ特性劣化を防止できるので、表示画像の品位低下を防止することができる。
上記の構成を実現するために、より具体的には、ゲート電極と中継層とが、接触することにより導通していることが望ましい。
この構成によれば、中継層および遮光層と、ゲート電極および中継層とが接触しているため、中継層および遮光層の間のコンタクト抵抗と、ゲート電極および中継層の間のコンタクト抵抗とのバラツキを抑えることができるとともに、両コンタクト抵抗の値を小さくすることができる。その結果、薄膜トランジスタのオン電流を増加および安定化(オン電流のバラツキを少なく)することができる。
この構成によれば、中継層の形成後に、処理温度の高い工程、例えば半導体層に熱酸化膜を形成する工程を行っても、中継層がダメージを受けることを防止することができる。中継層が高温によるダメージを受けないため、ゲート信号の遅延を防止や、薄膜トランジスタのオン電流の増加および安定化を図ることができる。
高融点材料としてはドープトSi、高融点金属としてはCr、Ti、W、Ta、Moなどを挙げることができ、より好ましくは、中継層が、上記高融点金属の金属シリサイド膜として形成されていることが望ましい。
この構成によれば、所定のゲート電極に伝達すべきゲート信号が、遮光層を介して別のゲート電極へ伝達されることを防止することができる。そのため、半導体装置が意図しない動作をすることを防止することができる。例えば、この半導体装置を液晶表示装置に用いたとすると、画像の誤表示を防止することができ、表示画像の品位低下を防止することができる。
この構成によれば、支持基板に透明基板(好ましくはガラス基板、より好ましくは石英基板)を用いることにより、半導体装置に透光性を与えることができる。そのため、半導体装置を光透過型の電気光学装置に用いることができる。
この構成によれば、複数の薄膜トランジスタを、1種類の導電型のトランジスタで構成するため、薄膜トランジスタの製造工程を、複数の導電型のトランジスタから形成するときと比較して、簡略化することができる。そのため、半導体装置の製造工程を簡略化することができ、製造効率を向上させることができる。
すなわち、本発明の電気光学装置は、本発明の半導体装置を備えているため、薄膜トランジスタへの書き込み不足によるコントラスト低下や、液晶材への直流電圧成分の印加による輝度傾斜などを防止でき、表示品位低下を防止することができる。また、オン電流の増加および安定化を図ることにより、表示画像の明るさムラを改善することができ、多階調化を図ることができる。
すなわち、本発明の電子機器は、本発明の電気光学装置を備えているため、薄膜トランジスタへの書き込み不足によるコントラスト低下や、液晶材への直流電圧成分の印加による輝度傾斜などを防止でき、表示品位低下を防止することができる。また、オン電流の増加および安定化を図ることにより、表示画像の明るさムラを改善することができ、多階調化を図ることができる。
以下、本発明に係る半導体装置を用いた電気光学装置の第1の実施形態である液晶装置について図1から図10を参照して説明する。本実施形態の液晶装置は、スイッチング素子用のTFTとしてMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)型のTFTを用いたアクティブマトリクス型の透過型液晶装置である。また、本実施形態では、表示モードとしてTNモードを採用した場合を例示している。
なお、本明細書中に示す図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
次に、図2に基づいて、本実施形態の透過型液晶装置の平面構造について説明する。
図2に示すように、TFTアレイ基板上に、平面矩形状の複数の画素電極9が、マトリクス状に配列されており、画素電極9の縦横の境界に各々沿ってデータ線6a、走査線3a及び容量線300が延在している。本実施形態において、1つの画素電極9と、この画素電極9を囲むように配設されたデータ線6a、走査線3a、容量線300等が形成された領域が画素であり、マトリクス状に配置された画素毎に表示を行うことが可能な構造になっている。また、データ線6aと走査線3aとが交差する領域にTFT30が形成されている。
一方、画素電極9は、半導体層1aのうち、後述のドレイン領域にコンタクトホール84、85を介して電気的に接続された後述する第1ドレイン中継層3b、容量電極71aに、コンタクトホール8を介して電気的に接続されている。
また、走査線3aは遮光膜としても機能し、半導体層1aのチャネル領域を含むTFT30をTFTアレイ基板側から見て覆うように形成されている。そのため、以後、走査線3aを遮光走査線(遮光層)3aと表記する。
また、半導体層1aと遮光走査線3aとは、半導体層1aの後述のチャネル領域(図中左上がりの斜線の領域)にて対向するように互いに交差して配置されている。
なお、ゲート電極3gは、上述のように、TFT30ごとに独立して形成されていてもよいし、図3に示すように、同一の遮光走査線3aと電気的に接続されているゲート電極3gの間を接続部で接続してもよい。
また、中継層4は遮光走査線3aとゲート電極3gとを電気的に接続するとともに、遮光膜としても機能し、半導体層1aのチャネル領域を含むTFT30を、TFTアレイ基板側から見て覆うように形成されている。
次に、図4に基づいて、本実施形態の透過型液晶装置の断面構造について説明する。
図4に示すように、本実施形態の透過型液晶装置は、TFTアレイ基板(半導体基板)10と、これに対向配置される対向基板20と、前記両基板10、20間に挟持された液晶層50とを備えて構成されている。TFTアレイ基板10は、石英等の透光性材料からなる基板本体(支持基板、透明基板、ガラス基板、石英基板)10Aとその液晶層50側表面に形成された画素電極9、TFT30等を主体として構成されており、対向基板20はガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体20Aとその液晶層50側表面に形成された共通電極21とを主体として構成されている。基板本体10A、20Aに石英等の透光性材料からなる基板を用いることにより、本実施の形態の液晶装置は光透過性を有し、透過型の液晶装置とすることができる。
TFT30は、図4に示す如くLDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、ゲート電極3g、当該ゲート電極3gからの電界によりチャネルが形成される半導体層1aのチャネル領域1a’、 ゲート電極3gと半導体層1aとを絶縁する第1ゲート絶縁膜2a、第2ゲート絶縁膜2b、データ線6a、半導体層1aの低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1c、半導体層1aの高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1eを備えている。
この遮光走査線3aとTFT30との間には、基板本体10A側から順に積層された絶縁膜12aと、保護層12bと、絶縁膜12cと、貼り合わせ絶縁膜12dとからなる下地絶縁膜12が設けられている。この下地絶縁膜12は、TFT30を構成する半導体層1aと遮光走査線3aとを電気的に絶縁する機能を奏するのに加え、後続の工程にて遮光走査線3aが酸化されたり、遮光走査線3aの成分が拡散して半導体層1aが汚染されたりするのを防止できるようになっている。
絶縁膜12cと、貼り合わせ絶縁膜12dとの間には中継層4が形成され、中継層4は、絶縁膜12a、保護層12b、絶縁膜12cを貫通する中継コンタクトホール86を介して遮光走査線3aと電気的に接続されている。また、中継層4は、図5に示すように、第2ゲート絶縁膜2b、貼り合わせ絶縁膜12dを貫通するゲートコンタクトホール87を介してゲート電極3gと電気的に接続されている。
容量電極71aは、図2に示す平面図では遮光走査線3aとデータ線6aとの交差する位置を基点として遮光走査線3a及びデータ線6aに沿って延在する略L字状に形成されている。
そして、上記容量電極71aは、図4に示すように、第2ドレインコンタクトホール84および第1ドレインコンタクトホール85に形成された第1ドレイン中継層3bを介して半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eに電気的に接続されている。第2ソース中継層71bは、第1ソースコンタクトホール83を介して高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。
画素電位側容量電極としての容量電極71aは導電性を有するドープトポリシリコン膜等からなる。固定電位側容量電極としての容量線300は、導電性を有するドープトポリシリコン膜や非晶質、単結晶からなるシリコン膜等からなる第1膜72と、高融点金属を含む金属シリサイド膜などからなる第2膜73とが積層形成された多層膜からなる。
また、容量電極71aと容量線300との間に介在して蓄積容量70を構成する容量絶縁膜75は、例えば膜厚5〜200nm程度の比較的薄いHTO膜、LTO膜などの酸化シリコン膜、窒化シリコン膜、窒化酸化膜や、それらの積層膜で構成される。蓄積容量を増大させる観点からは、膜の信頼性が十分に得られる限りにおいて容量絶縁膜75は薄い程良い。
このように、容量絶縁膜75と接する側に配置される第1膜72および容量電極71aをポリシリコン膜から構成することで、容量絶縁膜75の劣化を防止し、液晶装置の信頼性を向上させることができる。
この第3層間絶縁膜42の上には、遮光走査線3aと直行する方向に延在するデータ線6aと、信号配線6bとが形成されている。
データ線6aは第3ソースコンタクトホール81を介して第2ソース中継層71bに電気的に接続され、第2ソース中継層71bを介して半導体層1aの高濃度ソース領域1dに電気的に接続されている。
第3層間絶縁膜43上には画素電極9が形成され、画素電極9は、画素コンタクトホール8を介して容量電極71aと導電接続されている。この導電接続構造により、画素電極9は、容量電極71aを中継して半導体層1aの高濃度ドレイン領域1eと電気的に接続されている。また画素電極9は、平面的には図2に示すように画像表示領域を含む領域に矩形状に形成されている。
そのため、本発明の液晶装置はゲート信号の遅延が防止できるため、TFT30への書き込み不足によるコントラスト低下や、液晶材への直流電圧成分の印加による輝度傾斜などを防止でき、表示品位低下を防止することができる。また、オン電流の増加および安定化を図ることにより、表示画像の明るさムラを改善することができ、多階調化を図ることができる。
以下、本発明に係る半導体装置の製造方法を含むアクティブマトリクス基板の製造方法を、図面を参照して説明する。本実施形態では、先の実施形態の液晶装置に備えられたTFTアレイ基板10を製造する工程を、図6から図10に示す断面工程図により詳細に説明する。
また、遮光走査線3aの膜厚は、例えば略150nm〜略200nmに形成されることが望ましく、より好ましくは、略200nmに形成されることが好ましい。
絶縁膜12a、12cの構成材料としては、酸化シリコンや、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を例示することができる。好ましくは、絶縁膜12aが高温酸化シリコン(High Temperature Oxide;以後、HTOと表記する)HTOから形成され、絶縁膜12cがTEOS(テトラエトキシシラン)−NSGから形成されることが望ましい。
絶縁膜12aの膜厚は50nm程度とされることが好ましく、絶縁膜12cの膜厚は、600nm程度とされることが好ましいが、特にその膜厚を限定するものではない。また、保護層12bとしては、例えば10nm〜50nm程度、好ましくは15nmの膜厚の窒化シリコン(SiN)膜を用いることができ、ジクロロシランとアンモニアを用いた減圧CVD法やプラズマCVD法により形成できる。
なお、上述のように、絶縁膜12cの表面に凸部が形成されたままにしてもよいし、絶縁膜12cの表面をCMP(化学的機械研磨)法などの方法を用いて研磨して、絶縁膜12cの表面を平坦化してもよい。
絶縁膜12d1の構成材料としては、酸化シリコンや、NSG(ノンドープトシリケートガラス)、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を例示することができる。好ましくは、絶縁膜12d1がTEOS(テトラエトキシシラン)−NSGから形成されることが望ましい。
このとき、中継層4を形成した領域上には、絶縁膜12d1の表面にて中継層4に倣う凸部が形成されている。
その後、絶縁膜12d1の表面をCMP法などの方法を用いて研磨して、絶縁膜12d1の表面を平坦化する。
貼り合わせに用いる単結晶シリコン基板としては、単結晶シリコン層1と、その一面側に形成された酸化膜12d2とからなる、例えば600μm程度の板厚の単結晶シリコン基板が用いられる。単結晶シリコン層1中には、例えば、加速電圧100keV、ドーズ量10×1016/cm2にて水素イオンが注入されている。酸化膜12d2は、単結晶シリコン基板1の単結晶シリコン層を50nm〜800nm程度酸化することにより形成することができる。貼り合わせ工程は、前記単結晶シリコン基板と基板本体10Aとを接触させた状態にて300℃〜350℃程度で2時間熱処理することにより2枚の基板を直接貼り合わせる方法を採用できる。この貼り合わせ工程により、単結晶シリコン層(半導体層)と絶縁層12cとの間に、貼り合わせ界面sを有する貼り合わせ絶縁膜12dが形成される。
このようなクラック等の欠陥の発生を抑制するためには、一度300℃にて貼り合わせのための熱処理を行った単結晶シリコン基板1を、ウエットエッチングまたはCMPによって100〜150μm程度まで薄くし、その後、さらに高温の熱処理を行うことが望ましい。例えば、80℃のKOH水溶液を用いて単結晶シリコン基板1の厚さが150μmとなるようにエッチングし、その後、基板本体10Aとの貼り合わせを行い、さらに450℃にて再び熱処理することにより貼り合わせ強度を高めることが望ましい。
その後、半導体層1aを約750℃〜1050℃の温度で熱酸化することにより、第1ゲート酸化膜(ゲート絶縁膜)2aを形成する。第1ゲート酸化膜2aの膜厚としては5〜50nm程度の厚さが好ましく、より好ましくは略20nmの膜厚で形成されることが好ましい。ここでの熱酸化法としては、前述したように特に形成する第1ゲート酸化膜2aの厚さに応じて、ドライ熱酸化処理又はウェット熱酸化処理を適宜に選択して用いる。
その後、第1ゲート酸化膜2aの上および貼り合わせ絶縁膜12dの上に、スパッタリング法、CVD法などにより、HTOからなる第2ゲート絶縁膜2bを形成する。第2ゲート絶縁膜2bは、その膜厚が略60nmに形成されることが好ましいが、それ以外の膜厚で形成されても良い。
本実施形態では、TFT30してNチャネルの薄膜トランジスタを形成する場合について説明するが、TFT30はPチャネルトランジスタであっても良いし、その一部がPチャネルトランジスタであっても良い。
NチャネルのTFT30を形成するために、まず、半導体層1aにボロンなどのIII族元素のドーパントを低濃度(例えば、加速電圧35keV、ドーズ量1×1012/cm2程度)でドープする。その後、さらに半導体層1a及びゲート絶縁膜2上にフォトレジストを被覆した状態で、前述の工程の1〜10倍のドーズ量でボロンなどのIII族元素をドープする。続いて、半導体層1aにNチャネルの高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを形成するために、後述する遮光走査線3aよりも幅の広いマスクでレジスト層を形成した状態で、リンなどのV族元素のドーパントを高濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、4×1015/cm2のドーズ量にて)ドープする。
PチャネルのTFTを形成する場合には、上記III族元素のドーパントに代えてリンなどのV族元素のドーパントを用いればよく、上記V族元素のドーパントに代えて、ボロン等のIII族元素のドーパントを用いる。また、以下で参照する図面においては、
高濃度ソース領域1dおよび高濃度ドレイン領域1e、ならびに、後述する低濃度ソース領域1bおよび低濃度ドレイン領域1cは、その図示を適宜省略している。
レジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、所定パターンのゲート電極3gと、第1ソース中継層3cと、第1ドレイン中継層3bと、を形成する。
その後、半導体層1aにNチャネルのLDD領域を形成するために、ゲート電極3gをマスクとして、まず、リン等のV族元素のドーパントを低濃度でドープする。具体的には、Pイオンを加速電圧70keV、ドーズ量6×1012/cm2にてドープし、図3に示した低濃度ソース領域1b及び低濃度ドレイン領域1cを形成する。
図9(A)は、半導体層1aに対するイオン注入を行う工程を示す図である。
次に、図9(B)に示すように、第1ゲート絶縁膜2b、および貼り合わせ絶縁膜12dを貫通するゲートコンタクトホール87を公知のフォトリソグラフィ法などを用いて形成する(図2参照)。この際、ゲートコンタクトホール87の深さは、遮光走査線3aにまで貫通するコンタクトホールと比較すると浅くなる。そのため、コンタクトホールの断面積と深さとの比(アスペクト比)が低くなり、ゲートコンタクトホール87を形成しやすくなる。また、ゲートコンタクトホール87の深さが浅くなるため、形成時における深さ制御が行いやすくなる。
レジストマスクを用いたフォトリソグラフィ工程、エッチング工程等により、所定パターンのゲート電極3gと、第1ソース中継層3cと、第1ドレイン中継層3bと、を形成する。
この第1層間絶縁膜41の膜厚は、約500〜1500nmとするのが好ましく、800nmとするのがより好ましい。この後、高濃度ソース領域1d及び高濃度ドレイン領域1eを活性化するため、約850℃のアニール処理を20分程度行う。
その後、第1層間絶縁膜41上に、Pイオンをポリシリコン膜の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を形成する。あるいは、減圧CVD法等によりポリシリコン膜を350nm程度の厚さで堆積し、その後、リン(P)を熱拡散してポリシリコン膜を導電化してもよい。
ドープトポリシリコン膜を成膜したら、ドープトポリシリコン膜をフォトリソグラフィ工程、エッチング工程等によりパターニングして容量電極71aおよび第2ソース中継層71bを形成する。その後、気相合成法、例えば常圧又は減圧CVD法、蒸着法等により、シリコン酸化物、シリコン窒化物、又はシリコン酸窒化物を成膜することにより、第1層間絶縁膜41、容量電極71aおよび第2ソース中継層71bを覆う容量絶縁膜75を形成する。
続いて、第2層間絶縁膜42および容量絶縁膜75を貫通して第2ソース中継層71bに達する第3ソースコンタクトホール81を形成する。
データ線6aは、第3ソースコンタクトホール81を介して第2ソース中継層71bと電気的に接続されている。
次いで、TFT30において、画素電極9と容量電極71aとを電気的に接続するために、第2層間絶縁膜42と第3層間絶縁膜43とを貫通する画素コンタクトホール8を、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより形成する。
その後、画素電極9および第3層間絶縁膜43を覆うようにポリイミド等からなる配向膜16を塗布形成すれば、先の実施形態の液晶装置に備えられたTFTアレイ基板10が得られる。
次に、本発明の第2の実施形態について図11を参照して説明する。
本実施の形態における液晶装置の基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、TFTアレイ基板が異なっている。よって、本実施の形態においては、図11を用いてTFTアレイ基板の絶縁膜周辺のみを説明し、TFT等の説明を省略する。
次に、図11に基づいて、本実施形態の透過型液晶装置の断面構造について説明する。
図11に示すように、基板本体10Aの上には、基板本体10A側から順に積層された遮光走査線3aと、絶縁膜12aと、中継層4と、貼り合わせ絶縁膜12dが設けられている。この貼り合わせ絶縁膜12dは、TFT30を構成する半導体層1aと遮光走査線3aとを電気的に絶縁する機能を奏するのに加え、後続の工程にて遮光走査線3aが酸化されたり、遮光走査線3aの成分が拡散して半導体層1aが汚染されたりするのを防止できるようになっている。
このように、本実施形態に係るTFTアレイ基板10は、基板本体10A上に貼り合わせ絶縁膜12dを介して半導体層1aが形成された複合基板(SOI基板)を用いて構成されたアクティブマトリクス基板であり、貼り合わせ絶縁膜12dは、SOI技術を用いて貼り合わされた、貼り合わせ界面を有する絶縁膜となっている。
このような構成の液晶装置を用いた電子機器として、図12に示す投射型表示装置(液晶プロジェクタ)を挙げることができる。
図12に示す投射型液晶表示装置1100では、上述した液晶装置100を含む液晶モジュールが、RGB用のライトバルブ100R、100G、100Bとして採用されている。
そして、ライトバルブ100R、100G、100Bによって各々変調された3原色に対応する光成分R、G、Bは、ダイクロイックプリズム1112(光合成手段)に3方向から入射して再度合成された後、投射レンズ1114を介してスクリーン1120などにカラー画像として投射される。
例えば、上記の実施の形態においては、この発明による液晶装置を投射型表示装置に適応して説明したが、この発明は投射型表示装置への適応に限られることなく、液晶装置を用いた携帯電話やPDAなど、その他各種の液晶装置を備えた電子機器に適応できるものである。
Claims (13)
- 支持基板と、半導体層を有する半導体基板とを貼り合わせてなり、
前記半導体層を能動層とする薄膜トランジスタが形成され、
前記支持基板と前記半導体層との間に、導電性を有するとともに、前記支持基板側から前記薄膜トランジスタに入射する光を遮る遮光層が形成され、
前記薄膜トランジスタのゲート電極と、前記遮光層とを電気的に接続する中継層が形成されていることを特徴とする半導体装置。 - 前記中継層が、前記遮光膜と前記半導体層との間に形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記中継層が、光を遮光する材料から形成され、前記支持基板側から前記薄膜トランジスタに入射する光を遮る領域に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置。
- 前記中継層と前記遮光層とが、接触することにより導通していることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記ゲート電極と前記中継層とが、接触することにより導通していることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記中継層が、高融点材料から形成されていることを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
- 前記遮光層は、異なるゲート信号が入力されるゲート電極間で電気的に独立していることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記支持基板が透明基板であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の半導体装置。
- 前記支持基板がガラス基板であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
- 前記支持基板が石英基板であることを特徴とする請求項8記載の半導体装置。
- 前記薄膜トランジスタが、1種類の導電型のトランジスタから構成されていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の半導体装置。
- 請求項1から請求項11のいずれかに記載の半導体装置を備えることを特徴とする電気光学装置。
- 請求項12記載の電気光学装置を備えることを特徴とする電子機器。
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