JP4232641B2 - 電気光学装置の製造方法 - Google Patents

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本発明はSOI技術を適用した電気光学装置の製造方法に関するものである。
近年、液晶パネルを表示部とする電気光学装置が種々の電子機器に搭載されて利用されている。液晶パネルは一対の基板間に液晶が封入されたものであり、一方の基板をなす薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下、TFTと略記する。)アレイ基板と、これに対向配置された他方の基板をなす対向基板とを備えている。
TFTアレイ基板は、光透過性の絶縁基板からなる基板本体と、スイッチング素子としてのTFTと、透明導電膜からなる画素電極と、配向膜とを主体として構成されている。液晶パネルの表示領域内に設けられた画素スイッチング用TFTの能動層と、非表示領域内に設けられた周辺駆動回路用TFTの能動層とは、同一の半導体層からなる。他方、対向基板は、光透過性基板からなる基板本体と、対向電極と、配向膜と、遮光膜とを主体として構成されている。このように構成され、画素電極と対向電極とが対向するように配置されたTFTアレイ基板と対向基板との間には、液晶層が形成されている。
TFTアレイ基板では、高速化、低消費電力化、高集積化等の観点から、周辺駆動回路および画素スイッチング素子を構成する各TFTの能動層に単結晶シリコンを用いることが好ましい。単結晶シリコンを基板本体上に形成する技術としては、SOI(Silicon On Insulator)技術が知られている。この技術は、例えばガラス基板等の支持基板と単結晶シリコン基板とを貼り合わせて複合基板とした上で、単結晶シリコン層をTFTの能動層として加工するものである。また、支持基板上に積層された単結晶シリコン層の膜厚を調整する技術としては、単結晶シリコン表面を高温加熱処理によってシリコン酸化膜とした後に、このシリコン酸化膜を除去する犠牲酸化法が一般的である。
犠牲酸化法においては酸化膜の除去工程が不可欠となり、一般にウエットエッチングが利用される。これはウェットエッチングが半導体層に対する酸化膜の選択比を非常に大きくできる点と、半導体層に対してプラズマなどによるダメージを与えないという利点を有するためである。ところが、ウエットエッチングは反応速度が低いために、複合基板が長時間エッチャントに曝されることとなり、その結果、半導体基板と支持基板との接合界面にエッチャントが浸透し、半導体層の剥がれが発生するという問題があった。
この問題を回避する手段として、支持基板と半導体基板とに長時間の高温熱処理を施して強固に張り合わせることが提案されるが、支持基板として石英やガラス等を使用する場合には、これらの材料の軟化点以上の温度での加熱ができないという問題が生じる。さらに、半導体基板として単結晶シリコン基板を使用すると、支持基板とシリコンとの熱膨張係数が大きく異なるので、高温熱処理によって大きな応力が膜厚の小さな半導体基板にかかり、その結晶性を乱すことによって応力が開放され、半導体層の特性を低下させるという問題があった。
このような問題点の改善策として、犠牲酸化法における酸化膜の除去工程において、半導体層と支持基板との貼り合わせ界面にエッチャントが浸透しないように、半導体層の端面を保護膜で覆う方法がある。(例えば特許文献1参照。)
特開2002−353466号公報
ウエットエッチングは反応速度が低いために、処理時間が長くなることは既に上述した。表示に支障のない程度の非常に微細なピンホールが存在する半導体基板に長時間のウエットエッチングを施すと、この微細ピンホールからエッチャントが浸透する。そしてこのエッチャントによって、半導体基板の下層に位置する各種の下地層や支持基板が侵食されることがある。この侵食によって形成された欠損は元の微細ピンホールを中心としてドーム状に広がり、その径は元のピンホールよりも大きくなるので、このような基板を液晶パネルとした際には、画素の欠陥やボケ等に代表される表示画像品位の低下を招くという問題があった。特にプロジェクタのライトバルブとして用いた場合には、この欠損が拡大投影されて視認しやすくなるという問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであって、複合基板における欠損の発生が起こらない製造条件、特に犠牲酸化膜を除去する工程でのエッチング条件を規定することにより、表示階調のバラつき、周辺駆動回路の動作不良、および画素欠陥などの製品歩留まりを低下させる要因がない電気光学装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の電気光学装置の製造方法は、支持基板と単結晶半導体基板とを貼り合わせて複合基板とする工程と、この複合基板を酸化処理して単結晶半導体基板側の表層に酸化膜を形成する工程と、この酸化膜をエッチングにより除去して単結晶半導体層とする工程とを具備し、上記酸化膜の除去工程における最大エッチング量は、除去すべき酸化膜の最小膜厚と、単結晶半導体層の最小膜厚との合計よりも小さいことを特徴とする。なお、本発明で言うところの「最大(最小)エッチング量」、「最大(最小)膜厚」などの「最大」、「最小」とは、製造プロセスにおけるウエハ間バラツキ、ウエハ内バラツキ、バッチ間バラツキ等の各種バラツキにおける最大値、もしくは最小値という意味で用いている。具体的にどのバラツキにおける最大値、最小値を採用するかは、プロセス設計者が適宜選択できる。
単結晶半導体基板には、表示に支障のない程度に充分に微細なピンホールが存在する場合がある。このような単結晶半導体基板に熱酸化処理を施すと、その表面に酸化膜が形成されると共に、ピンホールの内側面にも酸化膜が形成され、ピンホール内が酸化膜で充填された状態となる。このピンホール内に充填された酸化膜の膜厚は、酸化膜除去後に残る単結晶半導体層の膜厚に相当する。犠牲酸化法において酸化膜をウエットエッチングで除去する際、エッチャントのピンホール内への浸入は他の部分に比べて遅れるので、ピンホール内のエッチレートは小さくなる。
これらのことから、犠牲酸化法における酸化膜の除去工程においては、初めに単結晶半導体基板の表層部に形成された酸化膜が除去された後、単結晶半導体層のピンホール内に充填された酸化膜が完全に除去されない限りは単結晶半導体層の下層部にエッチャントが浸入することがない。加えて、このピンホール内に充填された酸化膜のエッチングレートは他の部分よりも小さいので、このピンホール内の酸化膜の膜厚と、除去すべき酸化膜の膜厚との合計量を規定することによって、下地層へのエッチャントの侵入が起こらない状態でのエッチング条件を決定することができる。つまり、最大エッチング量を、除去すべき酸化膜の膜厚と単結晶半導体層との膜厚との合計値によって規定することにより、下地層および支持基板へのエッチャントの浸入を許さないエッチング条件が得られることとなる。
また酸化膜の除去工程は、ドライエッチングの後にウエットエッチングを行うことが好ましい。
酸化膜の除去工程においてドライエッチングを採用することにより、エッチング速度を大きくすることができ、処理時間を短縮することができる。一般にドライエッチングが施された基板表面は荒れるが、これに続いてウエットエッチングを行うことにより、酸化膜層の下にある半導体層をオーバーエッチすることなく酸化膜を除去することができる。また除去すべき酸化膜の膜厚が大きくても、ドライエッチングとウエットエッチングとを併用することにより、エッチング時間が短時間で済むので、半導体膜の剥がれ等の不良が発生し難くなる。
酸化膜の除去工程における最小エッチング量は、除去すべき酸化膜の最大膜厚よりも大きいことが好ましい。
この条件は犠牲酸化法における酸化膜除去をエッチング処理で完全に除去できるように規定するものであって、この条件を満たすように除去工程を行うことにより、単結晶半導体層にダメージを与えることなく効率良く、かつ除去すべき酸化膜を過不足なく除去することができる。
酸化膜の除去工程における最大ドライエッチング量は、除去すべき酸化膜の最小膜厚より小さいことが好ましい。
ドライエッチングはプラズマを使ったものであるので、酸化膜の除去工程をすべてドライエッチングで行うと、単結晶半導体層の表層部が活性雰囲気に曝されることとなる。このような状態では単結晶半導体層に活性化雰囲気処理によるダメージが誘起されることがある。単結晶半導体層は後にTFTの能動層となるので、このようなダメージ誘起を避けるようにエッチング条件を規定する必要がある。ドライエッチングの最大量を、除去すべき酸化膜の最も薄いところよりも小さく規定することによって、単結晶半導体層がドライエッチングに曝されるのを避けることができる。よって、単結晶半導体層にダメージを加えることなく、酸化膜の除去を効率良く行うことができる。
酸化膜の除去工程における最大ウエットエッチング量は1200Å未満であることが好ましい。
半導体層と支持基板との貼り合わせ端面から50μm以上の深度でエッチャントが侵入すると、貼り合わせ端面からの剥がれの発生度合いが急激に増加する。これを防止するには、エッチャントの浸入深度を30μm未満に制御すればよい。ウエットエッチングにおけるエッチングレートはエッチャントの種類に依存してほぼ一定であり、犠牲酸化法で好適に用いられる汎用エッチャントの場合には800Å/分である。また、貼り合わせ端面からの接合界面へのエッチャントの侵入速度は、上記エッチングレートと比例関係にあり、その速度は20μm/分程度である。よって貼り合わせ端面からのエッチャントの侵入深度を30μm未満に抑えるためには、ウエットエッチングの処理時間は90秒未満である必要があり、これを、除去すべき酸化膜のウエットエッチング量に直すと1200Å未満となる。ウエットエッチングの最大量を規定することにより、半導体層と支持基板との剥がれを発生させることなく酸化膜の除去を行うことができる。
本発明の電気光学装置の製造方法にあっては、支持基板が絶縁性基板からなることが好ましく、さらには透明基板であることが好ましい。例えば、ガラスまたは石英からなることが好ましい。これによれば、透過型の電気光学装置を製造することができる。透過型の電気光学装置は、光利用効率の高い光学系を用いることができるため、高性能な電気光学装置を提供できる。
半導体基板は単結晶シリコン基板であることが好ましい。単結晶シリコン基板を用いることにより、基板本体上に単結晶シリコン薄膜を能動層として積層する構造が実現できることとなるので、キャリア移動度が高く、高性能のスイッチング素子が高い集積度で形成でき、高品位の電気光学装置を提供できる。
本発明の電子機器は、本発明の製造方法によって得られた電気光学装置を備えたことを特徴とする。本発明によれば、その表示部に欠損がない高品位の電気光学装置および電子機器を提供することができる。また、製造歩留まりも高めることができる。特に、本電気光学装置を投射型表示装置の光変調手段として用いた場合、画素部の欠損等が拡大投影されることによる表示品質の低下を防止できるため、本発明の効果がより良く発揮される。
以下、本発明に係る実施の形態について詳細に説明する。本実施の形態においては電気光学装置の例として、TFTをスイッチング素子として用いたアクティブマトリクス型の電気光学装置を取り上げて説明する。本実施の形態は、支持基板上に単結晶半導体基板を貼り合わせた複合基板において、TFTスイッチング素子を形成するための単結晶半導体層の薄膜化処理を犠牲酸化法で行い、その際の酸化膜の除去を本発明によって規定されたエッチング条件下で施すところが特徴となっている。
[電気光学装置の構成]
はじめに本発明に係る一実施形態の電気光学装置の構造についてアクティブマトリクス型の電気光学装置を取り上げて説明する。この電気光学装置は、本発明の電気光学装置の製造方法により製造されたものである。
図1は、本発明の液晶パネルの一実施形態の全体構成を示す平面図である。この液晶パネルは、本発明の製造方法で薄膜化された単結晶半導体層を有する複合基板を備えてなるものであって、図1は、この複合基板上にスイッチング素子としてのTFTを搭載したTFTアレイ基板を、そこに形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た状態を示した平面図である。また、図2は、図1のA−A’断面図であり、図3は、図1のB−B’断面図である。
この液晶パネルは一対の基板間に液晶が封入されたものであり、一方の基板をなすTFTアレイ基板10と、これに対向配置された他方の基板をなす対向基板20とを備えている。
図1は、TFTアレイ基板10をその上に形成された各構成要素とともに対向基板20の側から見たものである。図1に示すように、TFTアレイ基板10の上には、シール材51がその縁に沿って設けられており、その内側には、シール材51に並行して額縁としての遮光膜53が設けられている。また、図1において、符号52は、表示領域を示している。表示領域52は、額縁としての遮光膜53の内側の領域であり、液晶パネルの表示に実質的に寄与する領域である。また符号54は、表示領域の外側の領域である周辺回路領域を示している。
周辺回路領域54には、データ線駆動回路101および外部回路接続端子102がTFTアレイ基板10の一辺に沿って設けられ、走査線駆動回路104がこの一辺に隣接する2辺に沿って設けられ、プリチャージ回路103が残る一辺に沿って設けられている。さらに、データ線駆動回路101、プリチャージ回路103、走査線駆動回路104と外部回路接続端子102との間をつなぐための複数の配線105が設けられている。また、対向基板20のコーナー部に対応する位置には、TFTアレイ基板10と対向基板20との間で電気的導通をとるための導通材106が設けられている。そしてシール材51とほぼ同じ輪郭を持つ対向基板20が当該シール材51によりTFTアレイ基板10に固着されている。
また、図2および図3に示すように、TFTアレイ基板10は、石英などの光透過性の絶縁基板からなる支持基板10Aと、その液晶層50側の表面上に形成され、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電性膜からなる画素電極9aと、表示領域52に設けられた画素スイッチング用TFT(スイッチング素子)30および周辺回路領域54に設けられた駆動回路用TFT(スイッチング素子)31と、ポリイミド膜等の有機膜から形成され、ラビング処理等の所定の配向処理が施された配向膜16とを主体として構成されている。
他方、対向基板20は、石英からなる基板本体20Aと、その液晶層50側の表面上に形成された対向電極21と、配向膜22と、金属などからなり、各画素部の開口領域以外の領域に設けられた遮光膜23、および、遮光膜23と同じかあるいは異なる材料からなる額縁としての遮光膜53とを主体として構成されている。
このように構成され、画素電極9aと対向電極21とが対向するように配置されたTFTアレイ基板10と対向基板20との間には、液晶層50が形成されている。
また、図2に示すように、支持基板10Aの液晶層50側の表面上において、各画素スイッチング用TFT30に対応する位置には、遮光膜11が設けられている。また、遮光膜11と複数の画素スイッチング用TFT30との間には、第1層間絶縁膜12が設けられている。第1層間絶縁膜12は、画素スイッチング用TFT30を構成する半導体膜1aを遮光膜11から電気的に絶縁するために設けられるものである。
図2および図3に示すように、画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、走査線3aからの電界によりチャネルが形成される半導体膜1aのチャネル領域1a’、ゲート電極3cからの電界によりチャネルが形成される半導体膜1aのチャネル領域1k’、走査線3a及びゲート電極3cと半導体膜1aとを絶縁するゲート絶縁膜2、データ線6a、半導体膜1aの低濃度ソース領域1b、1g及び低濃度ドレイン領域1c、1h、半導体膜1aの高濃度ソース領域(ソース領域)1d、1i並びに高濃度ドレイン領域1e、1j(ドレイン領域)を備えている。
また、この液晶パネルにおいては、図2に示すように、ゲート絶縁膜2を走査線3aに対向する位置から延設して誘電体膜として用い、半導体膜1aを延設して第1蓄積容量電極1fとし、更にこれらに対向する容量線3bの一部を第2蓄積容量電極とすることにより、蓄積容量70が構成されている。容量線3bおよび走査線3aは、同一のポリシリコン膜または、ポリシリコン膜と、金属単体、合金、金属シリサイド等の積層構造からなる。蓄積容量70の誘電体膜と画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31のゲート絶縁膜2とは同一の酸化膜からなっている。また画素スイッチング用TFT30のチャネル領域1a’、ソース領域1d、ドレイン領域1eと、駆動回路用TFT31のチャネル領域1k’、ソース領域1i、ドレイン領域1jと、第1蓄積容量電極1fとは、同一の半導体膜1aからなっている。半導体膜1aは、単結晶シリコンから形成されたものであり、SOI(Silicon On Insulator)技術により絶縁性の支持基板10A上に形成されている。このように、トランジスタの能動層となる半導体膜1aに単結晶シリコンを用いることで、トランジスタの高性能化及び高集積化を図ることができる。
また図2に示すように、走査線3a、ゲート絶縁膜2の上には、画素スイッチング用TFT30の高濃度ソース領域1dへ通じるコンタクトホール5と、画素スイッチング用TFT30の高濃度ドレイン領域1eへ通じるコンタクトホール8が各々形成された第2層間絶縁膜4が形成されている。さらに、データ線6aおよび第2層間絶縁膜4の上には、画素スイッチング用TFT30の高濃度ドレイン領域1eへのコンタクトホール8が形成された第3層間絶縁膜7が形成されている。また、画素電極9aは、このように構成された第3層間絶縁膜7の上面に設けられている。
一方、図3に示すように、駆動回路用TFT31には画素電極9aは接続されておらず、駆動回路用TFT31のソース領域1iにはソース電極6bが、ドレイン領域1jにはドレイン電極6cが、それぞれ接続されている。
画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31の各積層膜において、それぞれの能動層となる半導体膜1aは単結晶シリコン膜からなり、いずれも30nm以上100nm以下、好ましくは40nm以上60nm以下の範囲で一定の膜厚とする。半導体膜1aが30nm以上、好ましくは40nm以上であれば、チャネル領域1a´の膜厚による閾値電圧等のトランジスタ特性のバラつきを小さくすることができる。また半導体膜1aの膜厚が100nm以下、好ましくは60nm以下とすることにより、遮光層11a防止することができない迷光が半導体膜1aに照射されても、光励起の電子正孔対の生成量を小さく抑えることができる。よって、光リーク電流が小さくできるとともに、画素として十分な機能を果たすスイッチング素子とすることができる。
なお本実施形態において、半導体膜1aは単結晶シリコン膜に限定されるものではなく、多結晶半導体からなる場合についても本実施の態様と同様の構造を適用することが勿論である。
[電気光学装置の製造方法]
以下に、上記構造を有する電気光学装置の製造方法について図面を参照して説明する。
まず、図4、図5および図8に基づいて、支持基板10Aの表面上に遮光層11と第1層間絶縁膜12、半導体膜1a、ゲート絶縁膜2とを形成して複合基板250とするまでの工程について詳細に説明する。なお、図1〜図3と、図4、図5および図8とは、異なる縮尺で示している。図4、図5および図8は、いずれもこの工程における支持基板10Aを図2および図3に示した液晶パネルの断面図に対応させて示す工程図である。
はじめに、支持基板10Aを用意する。この支持基板10Aは透明な絶縁体からなり、例えばガラス基板、石英基板である。この支持基板10Aを、好ましくは窒素等の不活性ガス雰囲気下、約850〜1300℃、より好ましくは1000℃の高温でアニール処理し、支持基板10Aに歪が発生しなくなるように前処理をすることが望ましい。すなわち、製造工程において処理される最高温度に合わせて支持基板10Aを同温度か、それ以上の温度で熱処理しておくことが望ましい。このように処理された支持基板10Aの表面上の全面に、図4(a)に示したように、Ti、Cr、W、Ta、MoおよびPbのうちの少なくとも一つを含む金属単体、合金、金属シリサイド等を、スパッタリング法、CVD法、電子ビーム加熱蒸着法などにより、例えば150〜200nmの膜厚で積層することにより、遮光膜11を形成する。
次に、支持基板10Aの表面上の全面にフォトレジストを形成し、最終的に形成する遮光膜11aのパターンを有するフォトマスクを用いてフォトレジストを露光する。その後、フォトレジストを現像することにより、図4(b)に示したように、最終的に形成する遮光膜11aのパターンを有するフォトレジスト207を形成する。次にフォトレジスト207をマスクとして遮光層11のエッチングを行い、その後、フォトレジスト207を剥離することにより、基板本体10Aの表面上において、画素スイッチング用TFT30の形成領域には、図4(c)に示したように、所定パターンを有する遮光膜11aが形成される。
ついで、図4(d)に示したように、所定のパターンを有する遮光膜11aが形成された支持基板10Aの表面上に、スパッタリング法、CVD法などの薄膜形成技術により、第1層間絶縁層12となる絶縁膜13を形成する。この絶縁膜13の材料としては、酸化シリコン、窒化シリコンのほか、PSG(リンシリケートガラス)、BSG(ボロンシリケートガラス)、BPSG(ボロンリンシリケートガラス)などの高絶縁性ガラス等を例示することができる。また、絶縁膜13は、上記絶縁体材料の単一層であるほか、複数の絶縁体材料を組み合わせて積層したものであってもよい。例えば、膜厚50nmのHTO膜と、膜厚15nmのSiN膜、膜厚160nmのTEOS−NSG膜とを、遮光膜11a上に順次積層して、絶縁膜13とすることができる。絶縁膜13の膜厚は、400〜1000nm、より好ましくは800nm程度とする。この工程にて、遮光膜11上に積層された絶縁膜13の表面には、凸部13aが形成されるので、CMP(化学的機械研磨)法などの方法を用いて、図4(e)に示したように、表面を平坦化する。
次に、図5(a)に示したように、支持基板10Aと単結晶半導体基板206との貼り合わせを行い、複合基板250とする。
まず、単結晶半導体基板206として単結晶シリコン基板を用意する。単結晶半導体基板206の厚さは例えば600μmであり、支持基板10Aと貼り合わされる側の表面には、酸化膜層206bが形成されると共に、水素イオン(H)が例えば加速電圧100keV、ドーズ量10×1016/cmにて注入されている。酸化膜層206bは、単結晶半導体基板206の表面を0.05〜0.8μm程度、酸化することにより形成できる。
貼り合わせ工程は、たとえば300℃で2時間熱処理することによって2枚の基板を直接貼り合わせる。貼り合わせ強度をさらに高めるためには、さらに熱処理温度を上げて450℃程度にする必要があるが、石英などからなる支持基板10Aと単結晶半導体基板206の熱膨張係数には大きな差があるため、このまま加熱すると単結晶半導体基板206aにクラックなどの欠陥が発生し、製造されるTFTアレイ基板10の品質が劣化する恐れがある。
このようなクラックなどの欠陥の発生を抑制するためには、一度300℃にて貼り合わせのための熱処理を行った単結晶半導体基板206をウエットエッチングまたはCMPによって100〜150μm程度まで薄くした後に、さらに高温の熱処理を行うことが望ましい。例えば80℃のKOH水溶液を用い、単結晶半導体基板206の厚さが150μm程度になるようにエッチングを行った後、さらに450℃にて再び熱処理して貼り合わせ強度を高めることが望ましい。
次に、支持基板10A上に貼り合わされた単結晶半導体基板206に熱処理を施すことによって、単結晶半導体基板206の一部を剥離させて、図5(b)に示すような薄膜の単結晶半導体層206aを支持基板10A上に形成する。この基板の剥離現象は、単結晶半導体基板206内に予め導入された水素イオンによって、単結晶半導体基板206の表面近傍のある層で半導体の結合が分断されるために生じるものである。
ここでの熱処理は、例えば貼り合わせた2枚の基板を毎分20℃の昇温速度にて600℃まで加熱することによって行うことができる。この熱処理により、図5(a)に示したように、単結晶半導体基板206の表層部が分離して、支持基板10Aの表面上には約200nm±5nm程度の単結晶半導体層206aが形成される。なお、単結晶半導体層206aの膜厚は、前に述べた単結晶半導体基板206に対して行われる水素イオン注入の加速電圧を変えることによって50nm〜3000nmまで任意の膜厚で形成することができる。また単結晶半導体基板206の表層部分離後に、単結晶半導体層206aの表面を平滑化するために、化学的機械研磨処理を行うこともできる。
なお、薄膜化した単結晶半導体層206aは、ここに述べた方法以外に、単結晶半導体基板206の表面を研磨して膜厚を3〜5μmとした後、さらにPACE(Plasma Assisted Chemical Etching)法によってその膜厚を0.05〜0.8μm程度までエッチングして仕上げる方法や、多孔質半導体上に形成したエピタキシャル半導体層を多孔質半導体層の選択エッチングによって貼り合わせ基板上に転写するELTRAN(Epitaxial Layer Transfer)法によっても得ることができる。
ついで犠牲酸化法によって、単結晶半導体層206aをさらに薄膜化する。これにはまず、図5(c)に示したように、単結晶半導体層206aに熱酸化処理を施すことにより、その表層部に犠牲酸化膜206cを形成した後、この犠牲酸化膜206cを除去して、図5(d)に示したように、さらに単結晶半導体層206aを薄膜化する。この工程はトランジスタ素子のチャネル部にあたる単結晶半導体層206aの膜厚を制御するためになされるものであって、完全空乏型のトランジスタを形成するためには、単結晶半導体層206aの膜厚を30nm〜100nmの範囲で一定にするのが好ましい。
犠牲酸化膜206cが形成される際には単結晶半導体層206aからシリコンが一定割合で供給されるので、犠牲酸化膜206cの形成膜厚を設定することによって、単結晶半導体層206aが消費される量が決定できる。完全に犠牲酸化膜206cが除去されると仮定すれば、除去すべき単結晶半導体層206の膜厚ではなく、犠牲酸化膜206cの形成膜厚を制御することによって、単結晶半導体層206aの薄膜化の度合いを制御することができる。
除去すべき単結晶半導体層206aの膜厚Aは、形成される犠牲酸化膜206cの膜厚Cと比例関係にあり、C=A÷0.45が成り立つ。さらにこの反応は熱酸化反応であるため、製膜の均一性が高いうえに精度も良好であり、その製膜のバラつきは±1%の範囲内となっている。たとえば1500Åの単結晶半導体層206aを500Åにまで薄膜化する場合には、A=1000より1000÷0.45=2222となり、±22の誤差が生じるので、形成すべき犠牲酸化膜206cの膜厚は、2200〜2244Åの範囲となる。そしてこのようにして形成された犠牲酸化膜206cを過不足なく完全に除去することによって、酸化反応で消費されずに残った単結晶半導体層206aが所望膜厚で正確に薄膜化されることとなる。
犠牲酸化膜206cの除去量は、これを過不足なく正確に除去できなければならないので、その最小エッチング量Eminは犠牲酸化膜206cの最大膜厚Tox maxよりも大きい必要性がある。(条件(1):Emin>Tox max)
さらに犠牲酸化膜206cの除去を行う上で、その除去量をより良く制御するには、除去すべき犠牲酸化膜206cの最小膜厚と、単結晶半導体層206aの最小膜厚との合計より小さくなるように設定すればよい。すなわち最大エッチング量Emaxは犠牲酸化膜206cの最小膜厚Tox minと、薄膜化された後の単結晶半導体層206aの膜厚Tsiとの合計を超えない必要性がある。(条件(2):Emax<Tox min+Tsi)
本発明では、単結晶半導体層206aの最小膜厚Tsiに着目することにより、犠牲酸化膜206cを過不足なく除去するための条件を規定することができる。以下に、その理由を説明する。
単結晶半導体基板206には、表示に支障がなく、かつスイッチング素子の能動層とした際にも支障が生じない程度に充分に小さなピンホールが存在する場合がある。このような単結晶半導体基板206に犠牲酸化処理を施すと、単結晶半導体層206aの表面に犠牲酸化膜206cが形成されると共に、この微細ピンホールの内側面にも犠牲酸化膜206cが形成される。この微細ピンホール内で犠牲酸化膜206cは単結晶半導体層206aの表層部に形成されるものと同様に成長するが、微細ピンホールの径が充分に小さいため、ピンホール径が拡大しないまま、ピンホール内が犠牲酸化膜206cで充填されることとなる。一方で、単結晶半導体層206aの膜厚は犠牲酸化によって薄膜化されるので、微細ピンホールの高さも単結晶半導体層206aの薄膜化された膜厚と等しくなり、その内部に充填される犠牲酸化膜206cの厚さも薄膜化された単結晶半導体層206aの膜厚に相当する。
犠牲酸化膜206cをウエットエッチングで除去する際、上記微細ピンホール内へのエッチャントの浸入は他の部分に比べて遅れるので、このピンホール内のエッチレートは小さくなる。
よって犠牲酸化膜206cの除去工程では、表層部の犠牲酸化膜206cが除去された後、遅れて微細ピンホール内に浸入してくるエッチャントによって、ピンホール内の犠牲酸化膜が完全に除去されない限りはその下層部の絶縁膜13や遮光膜11にエッチャントが浸入することがない。加えて、このピンホール内に充填された犠牲酸化膜206cのエッチングレートは他の部分よりも小さいので、このピンホール内の犠牲酸化膜の膜厚(単結晶半導体層206aの膜厚に等しい。)と、表層部の犠牲酸化膜206cの膜厚との合計量を規定することによって、単結晶半導体層206aの下層へのエッチャントの侵入が起こらない状態でのエッチング条件を決定することができる。
つまり最大エッチング量Emaxを、犠牲酸化膜206cの最小膜厚Tox minと単結晶半導体層206aの膜厚Tsiとの合計値より小さく設定することにより、下地層および支持基板へのエッチャントの浸入を許さない除去条件が得られることとなる。
犠牲酸化膜206cのエッチング工程は特に限定されるものではないが、ドライエッチングの後にウエットエッチングを行うことが好ましい。これら2種のエッチングを併用することによって、互いの利点を利用することが可能となる。ドライエッチングは短時間で多量の膜厚を除去できる利点があるが、その製膜表面を荒らすという欠点がある。ウエットエッチングは製膜表面にダメージを与える恐れがない上に、製膜表面の均一性に富むが、長時間の処理時間を要するという欠点があるので、ウエットエッチングの処理時間は可能な限り短い方が好ましい。過剰エッチングやエッチャントの浸入による基板の剥離や欠損を防止するためである。本発明の製造方法においては、トータルエッチング量の大部分をドライエッチングで行い、単結晶半導体層206aと接触する最終仕上げエッチングをウエットエッチングで行うことが好ましい。
ドライエッチングの反応雰囲気は化学的に活性度が高く、エッチングレートが大きい一方で、犠牲酸化膜206cの全量をドライエッチングで除去してしまうと、単結晶半導体層206aが活性雰囲気に曝されることとなる。単結晶半導体層206aは、スイッチング素子の能動層となる部分であるので、その表面の平滑度を高く保つと共に欠陥やダメージがない状態に保持する必要があるので、このような活性雰囲気と接触することを極力避ける必要がある。換言すれば、ドライエッチングが単結晶半導体層206aに達しないように制御される必要があるので、ドライエッチングによる犠牲酸化膜206cの最大除去量Dmaxは犠牲酸化膜206cの最小膜厚Tox minより小さい必要がある。(条件(3):Dmax<Tox min)
これに対してウエットエッチングは反応が穏やかであるので、単結晶半導体層206aと接触しても、スイッチング素子の能動層とする際にダメージを与えるような問題がない。その一方で長時間の処理時間を要するので、エッチャントが単結晶半導体基板206と支持基板10Aとの貼り合わせ端面や、表示に支障のない程度の微細ピンホールから基板内部へ浸入して、剥がれや欠損を発生させるという欠点がある。
本発明の製造方法においては、エッチャントが基板内部へ浸入する量を規定することによりウエットエッチングによる不都合の発生を防止する。ウエットエッチングの場合には、エッチング速度は基板の大きさによらず、エッチャントの種類に依存している。半導体製造工程において汎用されるエッチャントである温度80℃のKOH水溶液のエッチング速度は、800Å/分である。一方、単結晶半導体層206aと支持基板10Aとの貼り合わせ端面におけるこのエッチャントの浸入速度は、30秒間で10μmである。貼り合わせ端面からのエッチャントの浸入深度が50μmに達すると、急激に剥離減少の発生度合いが増加するので、エッチャントの浸入深度は30μm未満に抑えることが好ましい。エッチャントの浸入深度が30μm未満であるウエットエッチング時間は90秒未満であり、この時間内で行える犠牲酸化膜206cのウエットエッチング量は1200Å未満となる。よってウエットエッチングによる犠牲酸化膜206cの最大除去量Wmaxは1200Åより小さくすればよい。(条件(4):Wmax<1200)
[除去条件の設定]
上記の4条件を満たすような除去工程を実際に設定するには、図6に示したようなグラフから求めることができる。図6は、単結晶半導体層206aの初期膜厚が1500Åの複合基板250に犠牲酸化処理を行って、単結晶半導体層206aの膜厚Tsiを500Åに薄膜化する際の条件を決定するために作図したものである。ここでは、1000Åの膜厚のシリコンを除去するものであって、縦軸は犠牲酸化処理におけるドライエッチング量(Å)、横軸は同処理におけるウエットエッチング量(Å)である。形成される犠牲酸化膜206cのばらつきは±1%、犠牲酸化膜206cのエッチングにおける各エッチングレートの面内バラつきはドライエッチングで±5%、ウエットエッチングで±10%である。図中、条件(1)は◇によって示される直線、条件(2)は□によって示される直線、条件(3)は△で示される直線、条件(4)は×で示される直線である。これらの4条件を表す直線の交点A−B−C−Dに囲まれたウインドウ(グラフ中の斜線部分)内で犠牲酸化処理におけるドライエッチングとウエットエッチングの割合を規定することができる。つまり犠牲酸化処理を施す複合基板250の初期仕様であるところの犠牲酸化膜206cの膜厚値と、目標とする単結晶半導体層206aの膜厚値とを用いて、エッチングの条件を決定することができるわけである。
交点A−B−C−Dで囲まれたウインドウ内では、犠牲酸化膜206cのオーバーエッチングを防止する目的で、必要最小限のエッチングを行うことが望ましいので、条件(1)を表す◇を結んだ直線近傍の条件を選択することが良い。また単結晶半導体層206aにおけるHF欠陥の発生を防止するには、ウエットエッチング量が少ない方が好ましいので、ドライエッチング量ができるだけ大きくなるようにウインドウ内から条件を選択することが好ましい。このような条件を満たすものとしては、図6に示したウインドウでは、例えばドライエッチング量を1800Å、ウエットエッチング量を600Åとして犠牲酸化処理におけるエッチング条件とすればよい。この条件で、ドライエッチングを行った後にウエットエッチングを行えば、貼り合わせ端部での剥がれによる異物不良や、過剰なエッチングによるパターン欠陥の発生が起こらないので、高い歩留まりで単結晶半導体層の薄膜化を行うことができる。
さらに、図6で示したウインドウと同様に、1000Å分の膜厚のシリコンを除去する場合であっても、犠牲酸化処理後に残存する単結晶半導体層206aの目標膜厚が大きな場合には、全く同条件であってもウインドウ枠が広がる結果となる。図7は、初期膜厚2000Åの単結晶半導体層206aを目標膜厚が1000Åとなるように、1000Å分犠牲酸化によって除去する場合のウインドウを示したものであって、単結晶半導体層206aの膜厚以外は図6の各条件と全く同様の条件設定を行っている。
図7に示されたウインドウ内では、たとえばドライエッチング量を2000Åとし、ウエットエッチング量を600Åとする設定のほか、ドライエッチング量を2020Åとし、ウエットエッチング量を400Åとする設定等、種々の条件を選択する自由度ができる。そして、グラフで示されたウインドウ内で最もウエットエッチング量が少ない条件を選択することによって、過剰なウエットエッチングによるパターン欠陥や剥がれ等の不良の発生を防止することができるので、歩留まりの向上ばかりでなく、電気光学装置とした際に高品位の画像表示が可能となる。
なお、初期条件となる犠牲酸化膜206cおよび単結晶半導体層206aの目標膜厚の選択条件によっては、各条件(1)〜(4)の直線によって必ずしも4個の交点が現れるとは限らず、条件が破綻してウインドウが設定できない場合もある。このような場合には、条件(1)〜(3)および薄膜化する単結晶半導体層206aの膜厚および犠牲酸化膜206cの膜厚等の各条件を見直すことによって、ウインドウを再考することができる。
上記4条件によって犠牲酸化膜206cの除去量を制御可能であることに着目することによって、短時間でかつ表面荒れのない除去を効率よく行うことができる。さらに犠牲酸化膜206cの大部分をドライエッチングによって除去した後に、単結晶半導体層206aと隣接する少量の残存部分をウエットエッチングによって除去するので、複合基板250の各構成層へ全くダメージを与えることなく処理を行うことができるので、表示階調の変動バラつきや周辺駆動回路の動作不良、さらには画像欠陥などの製品歩留まりを低下させるような基板の欠損を発生させることがなく、製造歩留まりを向上させることができるばかりでなく、高品位の電気光学装置の製造に好適である。
このようにして所望の膜厚を有する単結晶半導体膜206aが複合基板250の最表層とされる。この単結晶半導体層206aに、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程等で所定のパターニングを行って、図8(a)に示したように、画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31の能動層となる半導体膜1aを形成する。表示領域中のデータ線6a下で容量線3bが形成される領域と、走査線3aに沿って容量線3bが形成される領域においては、単結晶半導体層206aは第1蓄積容量電極1fとされる。
さらに、能動層となる半導体膜1aおよび第1蓄電容量電極1fが形成された基板本体10Aに、短時間(1例として約10分〜約90分程度)の熱処理を施して、能動層となる半導体膜1aおよび第1蓄電容量電極1fの表面上に、酸化シリコン膜2aを形成した後に、HTO膜2bを積層して、図8(b)に示したように、ゲート絶縁膜2とする。ゲート絶縁膜2の膜厚は、約10nm〜約60nm程度が好ましい。酸化シリコン膜2aの膜厚は8nm程度に薄い方が好ましいが、最大20nm程度であってもよい。また、HTO膜2bの膜厚は、60nm程度が好ましい。また、本実施の態様にあっては、ゲート絶縁膜2は2層の積層膜であるが、この構成はこれに限定されるものではなく、単一膜であっても、複数の絶縁膜の積層膜であってもよい。
このような複合基板250からは、各種の電気光学装置用基板が製造可能であるが、以下、図2および図3に示した液晶パネルのTFTアレイ基板とする方法を詳細に説明する。
[TFTの製造方法]
まず、図9(a)に示すように、Nチャネルの半導体膜1aに対応する位置にレジスト膜301を形成し、Pチャネルの半導体膜1aにPなどのV族元素のドーパント302を低濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、2×1011/cm2のドーズ量にて)ドープする。
図9(b)に示すように、図示を省略するPチャネルの半導体膜1aに対応する位置にレジスト膜を形成し、Nチャネルの半導体膜1aにBなどのIII族元素のドーパント303を低濃度で(例えば、Bイオンを35keVの加速電圧、1×1012/cm2のドーズ量にて)ドープする。
次に、図9(c)に示すように、Pチャネル、Nチャネル毎に各半導体膜1aのチャネル領域1a’の端部を除く基板10の表面にレジスト膜305を形成し、Pチャネルについて、図9(a)に示した工程の約1〜10倍のドーズ量のPなどのV族元素のドーパント306、Nチャネルについて図9(b)に示した工程の約1〜10倍のドーズ量のBなどのIII族元素のドーパント306をドープする。
次に、図9(d)に示すように、半導体膜1aを延設してなる第1蓄積容量電極1fを低抵抗化するため、支持基板10A表面の第1蓄積容量電極1f以外の部分に対応する部分にレジスト膜307(走査線3aよりも幅が広い)を形成し、これをマスクとしてその上からPなどのV族元素のドーパント308を低濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、3×1014/cm2のドーズ量にて)ドープする。
次に、図10(a)に示すように、減圧CVD法等によりポリシリコン層3を350nm程度の厚さで堆積した後、リン(P)を熱拡散し、ポリシリコン膜3を導電化する。又は、Pイオンをポリシリコン膜3の成膜と同時に導入したドープトシリコン膜を用いてもよい。これにより、ポリシリコン層3の導電性を高めることができる。更にポリシリコン層3の導電性を高めるため、ポリシリコン層3の上部に、Ti、W、Co及びMoのうちの少なくとも一つを含む、金属単体、合金、金属シリサイド等を、スパッタリング法、CVD法、電子ビーム加熱蒸着法などにより、例えば150〜200nmの膜厚に堆積した層構造にすることも可能である。
次に、図10(b)に示すように、レジストマスクを用いたフォトリソグラフィー工程、エッチング工程等により、図2に示した如き所定パターンの走査線3aと共に容量線3bを形成する。尚、この後、支持基板10Aの裏面に残存するポリシリコンを支持基板10Aの表面をレジスト膜で覆ってエッチングすることにより除去する。
次に、図10(c)に示すように、半導体膜1aに駆動回路用TFT31のPチャネルのLDD領域を形成するために、Nチャネルの半導体膜1aに対応する位置をレジスト膜309で覆い、ゲート電極3cを拡散マスクとして、BなどのIII族元素のドーパント310を低濃度で(例えば、BF2イオンを90keVの加速電圧、3×1013/cm2のドーズ量にて)ドープし、Pチャネルの低濃度ソース領域1g及び低濃度ドレイン領域1hを形成する。
続いて、図10(d)に示すように、半導体膜1aに画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31のPチャネルの高濃度ソース領域1d、1i及び高濃度ドレイン領域1e、1jを形成するために、Nチャネルの半導体膜1aに対応する位置をレジスト膜309で覆った状態で、かつ、図示はしていないが走査線3aよりも幅の広いマスクでレジスト層をPチャネルに対応する走査線3a上に形成した状態で、同じくBなどのIII族元素のドーパント311を高濃度で(例えば、BF2イオンを90keVの加速電圧、2×1015/cm2のドーズ量にて)ドープする。
次に、図11(a)に示すように、半導体膜1aに画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31のNチャネルのLDD領域を形成するために、Pチャネルの半導体膜1aに対応する位置をレジスト膜(図示せず)で覆い、走査線3a(ゲート電極)を拡散マスクとして、PなどのV族元素のドーパント60を低濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、6×1012/cm2のドーズ量にて)ドープし、Nチャネルの低濃度ソース領域1b、1g及び低濃度ドレイン領域1c、1hを形成する。
続いて、図11(b)に示すように、半導体膜1aに画素スイッチング用TFT30および駆動回路用TFT31のNチャネルの高濃度ソース領域1d、1i及び高濃度ドレイン領域1e、1jを形成するために、走査線3aよりも幅の広いマスクでレジスト62をNチャネルに対応する走査線3a上に形成した後、同じくPなどのV族元素のドーパント61を高濃度で(例えば、Pイオンを70keVの加速電圧、4×1015/cm2のドーズ量にて)ドープする。以上により、画素スイッチング用TFT30が製造される。なお、本実施形態においては、画素スイッチング用TFT30の製造方法について説明したが、全く同様にして駆動回路用TFT31を製造することができる。
次に、図11(c)に示すように、容量線3b及び走査線3aを覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第2層間絶縁膜4を形成する。第2層間絶縁膜4の膜厚は、約500〜1500nmが好ましく、更に800nmがより好ましい。
この後、高濃度ソース領域1d、1i及び高濃度ドレイン領域1e、1jを活性化するために約850℃のアニール処理を20分程度行う。
次に、図11(d)に示すように、データ線に対するコンタクトホール5を、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチングにより或いはウエットエッチングにより形成する。また、走査線3aや容量線3bを図示しない配線と接続するためのコンタクトホールも、コンタクトホール5と同一の工程により第2層間絶縁膜4に開孔する。
次に、図12(a)に示すように、第2層間絶縁膜4の上に、スパッタ処理等により、遮光性のAl等の低抵抗金属や金属シリサイド等を、金属膜6として、約100〜700nmの厚さ、好ましくは約350nmに堆積する。
さらに、図12(b)に示すように、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程等により、データ線6aを形成する。
次に、図12(c)に示すように、データ線6a上を覆うように、例えば、常圧又は減圧CVD法やTEOSガス等を用いて、NSG、PSG、BSG、BPSGなどのシリケートガラス膜、窒化シリコン膜や酸化シリコン膜等からなる第3層間絶縁膜7を形成する。第3層間絶縁膜7の膜厚は、約500〜1500nmが好ましく、更に800nmがより好ましい。
次に、図13(a)に示すように、画素スイッチング用TFT30において、画素電極9aと高濃度ドレイン領域1eとを電気的に接続するためのコンタクトホール8を、反応性エッチング、反応性イオンビームエッチング等のドライエッチング或いはウエットエッチングにより形成する。
次に、図13(b)に示すように、第3層間絶縁膜7の上に、スパッタ処理等により、ITO等の透明導電性薄膜9を、約50〜200nmの厚さに堆積する。
さらに、図13(c)に示すように、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程等により、画素電極9aを形成する。なお、本実施形態の液晶装置が反射型液晶装置である場合には、Al等の反射率の高い不透明な材料から画素電極9aを形成してもよい。
続いて、画素電極9aの上にポリイミド系の配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように、且つ所定方向にラビング処理を施すこと等により、配向膜16が形成される。
以上のようにして、TFTアレイ基板(電気光学装置用基板)10が製造される。
以上、説明したように、本実施の態様では、犠牲酸化法によって単結晶半導体層206aを薄膜化する際の犠牲酸化膜206cの除去工程でのエッチング条件を規定することによって、過剰なドライエッチングで犠牲酸化膜206c下の単結晶半導体層206aがダメージを受けることがなくなる。また犠牲酸化膜206cを過不足なく完全にエッチングで除去することができるので、所望の膜厚となった単結晶半導体膜206a上に犠牲酸化膜206cが残存して、その後のスイッチング素子等の製造工程での不具合を発生することがなくなる。さらにドライエッチングとウエットエッチングを併用することにより、特にウエットエッチングの処理時間を短くすることができるので、複合基板250の貼り合わせ端面からのエッチャントの浸入による剥がれの発生を防止することができる。また、ウエットエッチングの処理時間が必要最小限とすることができるので、単結晶半導体層206a表面から複合基板250の内部へのエッチャントの浸入を防止でき、ウエットエッチングによる単結晶半導体膜206aおよびその下地層の過剰エッチングによる欠陥の発生を防止することができる。これらのことから、複合基板250を高い製造歩留まりで提供可能となる。
[電気光学装置の製造方法]
対向基板20の製造方法及びTFTアレイ基板10と対向基板20とから液晶パネルを製造する方法について説明する。
図2に示した対向基板20については、基板本体20Aとしてガラス基板等の光透過性基板を用意し、基板本体20Aの表面上に、遮光膜23及び周辺見切りとしての遮光膜53を形成する。遮光膜23及び周辺見切りとしての遮光膜53は、例えばCr、Ni、Alなどの金属材料をスパッタリングした後、フォトリソグラフィー工程、エッチング工程を経て形成される。なお、これらの遮光膜23、53は、上記の金属材料の他、カーボンやTiなどをフォトレジストに分散させた樹脂ブラックなどの材料から形成してもよい。
その後、基板本体20Aの表面上の全面にスパッタリング法などにより、ITO等の透明導電性薄膜を、約50〜200nmの厚さに堆積することにより、対向電極21を形成する。更に、対向電極21の表面上の全面にポリイミドなどの配向膜の塗布液を塗布した後、所定のプレティルト角を持つように、且つ所定方向にラビング処理を施すこと等により、配向膜22を形成する。以上のようにして、対向基板20が製造される。
そして、上述のように製造されたTFTアレイ基板10と対向基板20とを、配向膜16及び22が互いに対向するようにシール材51により貼り合わせ、真空吸引法などの方法により、両基板間の空間に、例えば複数種類のネマティック液晶を混合してなる液晶を吸引して、所定の厚みを有する液晶層50を形成することにより、上記構造の液晶パネルが製造される。
そして、最後に、対向基板20の投射光が入射する側およびTFTアレイ基板10の出射光が出射する側に各々、例えば、TN(Twisted Nematic)モード、VA(VerticallyAligned)モード、PDLC(Polymer Dipersed Liquid Crystal)モード等の動作モードや、ノーマリーホワイトモード/ノーマリーブラックモードの別に応じて、偏光フィルム、位相差フィルム、偏光手段などが所定の方向で配置される。
このようにして製造された液晶パネルでは、TFTアレイ基板10において半導体層の欠損を原因とした表示階調の変動バラつきや画素欠陥等の表示特性の劣化のほか、周辺駆動回路における動作不良が起こらないので、高品位の画像表示が可能となる。
[電子機器]
次に、上記実施態様の電気光学装置を備えた電子機器の一例である投射型表示装置ついて説明する。
図14は、本発明の投射型表示装置の一例を示した概略構成図である。図14において、投射型表示装置1100は、上述した液晶パネル(電気光学装置)を3個用意し、おのおのRGB用の液晶装置962R、962Gおよび962Bとして用いた投射型表示装置の光学系の概略構成図を示す。本例の投射型表示装置の光学系には、光源装置(光源)920と、均一照明光学系923が採用されている。そして、投射型表示装置は、この均一照明光学系923から出射される光束Wを赤(R)、緑(G)、青(B)に分離する色分離手段としての色分離光学系924と、各色光束R、G、Bを変調する変調手段としての3つのライトバルブ925R、925G、925Bと、変調された後の色光束を再合成する色合成手段としての色合成プリズム910と、合成された光束を投射面100の表面に拡大投射する投射光学系としての投射レンズユニット906を備えている。また、青色光束Bを対応するライトバルブ925Bに導く導光系927をも備えている。
均一照明光学系923は、2つのレンズ板921、922と反射ミラー931を備えており、反射ミラー931を挟んで2つのレンズ板921、922が直交する状態に配置されている。均一照明光学系923の2つのレンズ板921、922は、それぞれマトリクス状に配置された複数の矩形レンズを備えている。光源装置920から出射された光束は、第1のレンズ板921の矩形レンズによって複数の部分光束に分割される。そして、これらの部分光束は、第2のレンズ板922の矩形レンズによって3つのライトバルブ925R、925G、925B付近で重畳される。したがって、均一照明光学系923を用いることにより、光源装置920が出射光束の断面内で不均一な照度分布を有している場合でも、3つのライトバルブ925R、925G、925Bを均一な照明光で照明することが可能となる。
各色分離光学系924は、青緑反射ダイクロイックミラー941と、緑反射ダイクロイックミラー942と、反射ミラー943から構成される。まず、青緑反射ダイクロイックミラー941において、光束Wに含まれている青色光束Bおよび緑色光束Gが直角に反射され、緑反射ダイクロイックミラー942の側に向かう。赤色光束Rはこのミラー941を通過して、後方の反射ミラー943で直角に反射されて、赤色光束Rの出射部944から色合成プリズム910の側に出射される。
次に、緑反射ダイクロイックミラー942において、青緑反射ダイクロイックミラー941において反射された青色、緑色光束B、Gのうち、緑色光束Gのみが直角に反射されて、緑色光束Gの出射部945から色合成光学系の側に出射される。緑反射ダイクロイックミラー942を通過した青色光束Bは、青色光束Bの出射部946から導光系927の側に出射される。本例では、均一照明光学素子の光束Wの出射部から、色分離光学系924における各色光束の出射部944、945、946までの距離がほぼ等しくなるように設定されている。
色分離光学系924の赤色、緑色光束R、Gの出射部944、945の出射側には、それぞれ集光レンズ951、952が配置されている。したがって、各出射部から出射した赤色、緑色光束R、Gは、これらの集光レンズ951、952に入射して平行化される。
このように平行化された赤色、緑色光束R、Gは、ライトバルブ925R、925Gに入射して変調され、各色光に対応した画像情報が付加される。すなわち、これらの液晶装置は、図示しない駆動手段によって画像情報に応じてスイッチング制御されて、これにより、ここを通過する各色光の変調が行われる。一方、青色光束Bは、導光系927を介して対応するライトバルブ925Bに導かれ、ここにおいて、同様に画像情報に応じて変調が施される。なお、本例のライトバルブ925R、925G、925Bは、それぞれさらに入射側偏光手段960R、960G、960Bと、出射側偏光手段961R、961G、961Bと、これらの間に配置された液晶パネル962R、962G、962Bとからなる液晶ライトバルブである。
導光系927は、青色光束Bの出射部946の出射側に配置した集光レンズ954と、入射側反射ミラー971と、出射側反射ミラー972と、これらの反射ミラーの間に配置した中間レンズ973と、ライトバルブ925Bの手前側に配置した集光レンズ953とから構成されている。集光レンズ946から出射された青色光束Bは、導光系927を介して液晶装置962Bに導かれて変調される。各色光束の光路長、すなわち、光束Wの出射部から各液晶装置962R、962G、962Bまでの距離は青色光束Bが最も長くなり、したがって、青色光束の光量損失が最も多くなる。しかし、導光系927を介在させることにより、光量損失を抑制することができる。
各ライトバルブ925R、925G、925Bを通って変調された各色光束R、G、Bは、色合成プリズム910に入射され、ここで合成される。そして、この色合成プリズム910によって合成された光が投射レンズユニット906を介して所定の位置にある投射面100の表面に拡大投射されるようになっている。
このような投射型表示装置は、ライトバルブとして本発明の実施形態の液晶パネル(電気光学装置)962R、962G、962Bを備えており、複合基板に形成された欠陥(HF欠陥やSecco欠陥等)が視認可能な程度まで拡大投影されることとなるが、本発明の製造方法を用いてこれらの欠陥の発生を確実に防止することができるので高品質な表示を実現することができる。
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。支持基板10Aは必ずしも絶縁材料である必要はなく、半導体や導電材料からなる基板を用いてもよい。また、本実施形態の液晶パネルでは、TFTアレイ基板10の周辺回路領域54に駆動回路用TFT31が設けられているものとしたが、周辺回路領域54に駆動回路用TFT31が設けられていないものとしてもよく、特に限定されない。さらに上記実施形態では、電気光学装置の例として透過型液晶装置を説明したが、これ以外にも、反射型の液晶装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等、種々の装置に対して本発明を適用することができる。
本発明の電気光学装置の一例である液晶パネルの全体構成を説明するための平面図であり、TFTアレイ基板をその上に形成された各構成要素とともに対向基板の側から見た状態を示した平面図である。 図1のA−A’断面図である。 図1のB−B’断面図である。 本発明の電気光学装置の製造方法に好適に用いられる支持基板の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法に好適に用いられる複合基板の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法における犠牲酸化工程でのエッチング条件を規定するためのグラフである。 本発明の電気光学装置の製造方法における犠牲酸化工程でのエッチング条件を規定するためのグラフである。 本発明の電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の電気光学装置の製造方法を示す工程図である。 本発明の投射型表示装置の一例を示した概略構成図である。
符号の説明
10A…支持基板、250…複合基板、206…単結晶半導体基板、206a…単結晶半導体層、206c…犠牲酸化膜

Claims (4)

  1. 支持基板と単結晶半導体基板とを貼り合わせて複合基板とする工程と、
    この複合基板を酸化処理して単結晶半導体基板側の表層に酸化膜を形成する工程と、
    この酸化膜をエッチングにより除去して所定の膜厚の単結晶半導体層とする工程とを具備し、
    上記酸化膜の除去工程において、ドライエッチングの後にウエットエッチングを行い、上記酸化膜の除去工程における最大エッチング量は、除去すべき酸化膜の最小膜厚と単結晶半導体層の最小膜厚との合計よりも小さく、上記酸化膜の除去工程における最小エッチング量は除去すべき酸化膜の最大膜厚よりも大きく、上記酸化膜の除去工程における最大ドライエッチング量は、除去すべき酸化膜の最小膜厚より小さく、上記単結晶半導体基板として単結晶シリコン基板を用いるとともに、上記ウエットエッチングのエッチャントとして温度80℃のKOH水溶液を用い、上記酸化膜の除去工程における最大ウエットエッチング量は1200Å未満であることを特徴とする電気光学装置の製造方法。
  2. 上記酸化膜の除去工程において、ドライエッチング量をウエットエッチング量よりも大きくすることを特徴とする請求項1記載の電気光学装置の製造方法。
  3. 上記支持基板は、透明基板であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気光学装置の製造方法。
  4. 上記支持基板は、ガラス基板または石英基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の電気光学装置の製造方法。
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