JP2005232334A - 無機化合物樹脂分散体、成形ペレット及び成形品 - Google Patents

無機化合物樹脂分散体、成形ペレット及び成形品 Download PDF

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Abstract

【課題】 透明性、特定波長遮蔽性、機械物性及び外観が良好な熱可塑性樹脂成形品が提供可能な分散性に優れる無機化合物樹脂分散体を得ること。
【解決手段】 1次粒径が0.1μm以下の金属酸化物(A)と、1次粒径が0.1μm以下の硫酸金属塩(B)と、反応性シリコーン(C)と、熱可塑性樹脂(D)とを含む無機化合物樹脂分散体。これを溶融混練して得られる成形ペレット。無機化合物樹脂分散体または成形ペレットを用いて得られる成形品。
【選択図】 なし

Description

本発明は無機化合物樹脂分散体に関する。更に詳しくは分散性、透明性、特定波長遮蔽性、機械物性及び外観が良好な熱可塑性樹脂成形品に関する。
金属酸化物は特定波長を遮蔽する機能を有する。また、粒径を制御することにより、透明性を必要とする用途への展開が期待されている。例えば0.1μm以下の粒径では可視光の散乱が抑えられて透明性の機能を有する。
しかしながら、金属酸化物はその凝集力が非常に強い。特に粒径0.1μm以下の粒子は表面エネルギーが大きいため容易に凝集するので、樹脂などに練り込む場合には非常に分散状態が悪く、上記機能を充分に発揮させることは不可能であった。更に、粒子の表面活性が非常に大きくなることによって、樹脂劣化を促進する大きな要因となっていた。
上記の問題を解決するために、粒径0.06μm以下の微細な無機化合物にチタネートカップリング剤を表面処理して分散性を保持し、所望の耐候性を得る技術がある(特許文献1)。
また、酸化チタン超微粒子に有機ポリシロキサンと酸化チタンアモルファスを用いることにより樹脂中の分散性を向上する技術(特許文献2)や、酸化チタン超微粒子にトリアルコキシシラン類を結合させて樹脂中に分散させた技術も開示されている(特許文献3)。
更に、表面修飾を施した半導体超微粒子と樹脂とを反応させることにより粒子生成と凝集を抑制しつつ半導体超微粒子を分散させた樹脂組成物を得る方法も報告されている(特許文献4)。
しかし、これらの公報が開示する樹脂組成物技術を用いても、高度の分散性、透明性と優れた物性を兼備する樹脂組成物又は成形品を得ることは困難であった。
従って、特定波長遮蔽と透明性を有する上記用途へは、有機系化合物の使用が主流となっていた。有機系化合物のうち、最も代表的なものとしてベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。ベンゾトリアゾール系化合物は、その吸収作用により即効的な遮蔽効果は発現するが、持続性・安全性等の問題から使用が制限される場合があった。
特開平7−003070号公報 特開2001−2417号公報 特開平5−221640号公報 特開平11−43556号公報
本発明は上記の問題点を解決すべく、分散性、透明性に優れ且つ物性低下を抑制した、特定波長の遮蔽性に優れた無機化合物樹脂分散体及び成形品を提供することを目的とする。
本発明の第1の発明は、1次粒径が0.1μm以下の金属酸化物(A)と、1次粒径が0.1μm以下の硫酸金属塩(B)と、反応性シリコーン(C)と、熱可塑性樹脂(D)とを含む無機化合物樹脂分散体である。
第2の発明は、金属酸化物(A)が0.01〜50重量%である第1の発明に記載の無機化合物樹脂分散体である。
第3の発明は、金属酸化物(A)100重量部に対して、硫酸金属塩(B)0.01〜100重量部である第1又は第2の発明に記載の無機化合物樹脂分散体である。
第4の発明は、金属酸化物(A)が酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウムの群から選ばれる1種以上である第1〜3の発明いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体である。
第5の発明は、硫酸金属塩(B)の屈折率が1.45〜1.64である第1〜第4の発明いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体である。
第6の発明は、硫酸金属塩(B)が硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウムの群から選ばれる1種以上である第5の発明に記載の無機化合物樹脂分散体である。
第7の発明は、反応性シリコーン(C)の粘度が10〜1000mm/sの範囲にある第1〜第6の発明いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体である。
第8の発明は、熱可塑性樹脂(D)のアッベ数が20以上である第1〜第7の発明いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体である。
第9の発明は、第1〜第8の発明いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体を溶融混練して得られる成形ペレットである。
第10の発明は、第1〜第8の発明いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体を用いて得られる成形品である。
第11の発明は、第9の発明に記載の成形ペレットを用いて得られる成形品である。
本発明の無機化合物樹脂分散体は、1次粒径が0.1μm以下の金属酸化物(A)と、1次粒径が0.1μm以下の硫酸金属塩(B)と、反応性シリコーン(C)と、熱可塑性樹脂(D)とを含むので、熱可塑性樹脂(D)の透明性、機械物性を低下させず、また反応性シリコーン(C)が金属酸化物(A)の表面を被覆することにより安定した無機化合物の分散が得られ、特定波長の遮蔽性に優れる。
本発明の無機化合物樹脂分散体は、金属酸化物(A)が0.01〜50重量%なので、無機化合物の分散性と特定波長の遮蔽性が更に優れる。
また、金属酸化物(A)100重量部に対して、硫酸金属塩(B)0.01〜100重量部である請求項1又は2に記載の無機化合物樹脂分散体なので、透明性、分散性が更に優れ、樹脂物性を損ねない。
また、金属酸化物(A)が酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウムの群から選ばれる1種以上なので更に透明性の点で好ましい。
本発明の無機化合物樹脂分散体は、硫酸金属塩(B)の屈折率が1.45〜1.64なので透明性を損ねることなく無機分散体の透明性向上を達成することができる。
また、硫酸金属塩(B)が硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウムの群から選ばれる1種以上なので、更に好ましい。
本発明の無機化合物樹脂分散体は、反応性シリコーン(C)の粘度が10〜1000mm/sの範囲なので、分散性が良好で成形品の外観を損ねるフラッシュなどが生じない。
また、熱可塑性樹脂(D)のアッベ数が20以上なので、色収差や透明性等の質を損ねない成形品が得られる。
本発明の成形ペレットは、上記の無機化合物樹脂分散体を溶融混練して得られるので、反応性シリコーン(C)が熱可塑性樹脂(D)に反応し架橋することによって樹脂劣化を抑制し、機械物性を保持することができる。
本発明の成形品は、上記無機化合物分散体又は成形ペレットを用いて得られるので、分散性、透明性、特定波長遮蔽性、機械物性及び外観良好等の特性を有する。
<金属酸化物(A)>
本発明で用いられる金属酸化物(A)の1次粒径は、本発明で目的とする機能を発揮させる観点から0.1μm以下のものである。0.001〜0.05μmが好ましく、0.005〜0.04μmがより好ましい。
金属酸化物(A)の具体例として酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム等の無機金属酸化物が挙げられる。透明性、低着色性の点で特に酸化亜鉛が好ましい。
金属酸化物(A)には表面処理を行ってもよい。具体例としてはシリカ、アルミナなどの無機処理あるいはシロキサン、シラン、ポリオールなどの有機処理が挙げられる。また、金属酸化物(A)の種類により吸収波長が異なるため、目的に応じて上記金属酸化物(A)の種類や粒径が異なるものを混合して用いることもできる。
<硫酸金属塩(B)>
本発明で用いられる硫酸金属塩(B)は、金属酸化物(A)の透明化助剤としての役割を有する。
硫酸金属塩(B)の1次粒径は、本発明で目的とする機能を発揮させる観点から0.1μm以下のものである。0.001〜0.05μmが好ましい。
硫酸金属塩(B)は、透明性の観点から屈折率1.45〜1.64のものが好ましい。また、硫酸バリウム(屈折率1.636)、硫酸マグネシウム(屈折率1.455)、硫酸カルシウム(屈折率1.526)、硫酸カリウム(屈折率1.495)がより好ましく、硫酸バリウムが特に好ましい。
<反応性シリコーン(C)>
本発明で用いられる反応性シリコーン(C)は、金属酸化物(A)の表面を被覆して分散性を向上したり、樹脂を架橋して樹脂の物性低下を抑制する。
反応性シリコーン(C)とは、官能基で変性されたシリコーン(官能基を有するオルガノポリシロキサン)のことであり、具体例としてメチルハイドロジェンポリシロキサン、カルボキシ変性ポリシロキサン、アルコール変性ポリシロキサン、エポキシ変性ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、メタクリル変性ポリシロキサン、メルカプト変性ポリシロキサン、フェノール変性ポリシロキサンが挙げられる。
反応性シリコーン(C)は樹脂毎に最適なものを選択することが好ましい。また、1の官能基変性の他、2以上の異種官能基で変性された反応性シリコーン(C)も使用できる。更に、(A)の表面被覆用、(D)の物性保持用として、異種の反応性シリコーン(C)を併用することもできる。
これらの反応性シリコーン(C)の官能基は、分子内の主鎖、側鎖、両末端あるいは側鎖と末端両末端の双方に付随するものが挙げられるが、いずれも好ましく使用できる。
反応性シリコーン(C)の粘度としては、スピンドル型回転粘度計にて25℃における測定値が10〜1000mm/sのものが均一に混合できる観点から好ましい。粘度が10mm/s未満であると成形時に未反応シリコーンがガス化し成形品のフラッシュの原因となる場合がある。また粘度が1000mm/sを超えると金属酸化物(A)表面への均一な被覆が困難となり、分散性の向上が好ましくない傾向がある。
<熱可塑性樹脂(D)>
本発明で用いられる熱可塑性樹脂(D)としては、透明性の指標としてのアッベ数が20以上である樹脂が好ましい。更に好ましくは30以上である。
ここでいうアッベ数とは、ブラウンフォーファーのc線、d線、F線に対する屈折率から求められる分散率の逆数であり、アッベ数が高いものほど色収差が少なく、レンズ用途など光学材料として有用とされる。
具体例として以下のものが挙げられる。
芳香族ポリカーボネート樹脂:3価以上の多価フェノール類を共重合成分として含有しても良い1種以上のビスフェノール類とビスアルキルカーボネート、ビスアリールカーボネート、ホスゲン等の炭酸エステル類との反応により製造される重合体。
スチレン系樹脂:ポリスチレン樹脂、ポリ(α−メチルスチレン)、スチレン−アクリロニトリル共重合体(SAN)、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体等。
アクリル系樹脂:ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリメタクリル酸シクロヘキシル(PCHM)、ポリアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル−メタクリル酸シクロヘキシル共重合体等。
非晶質ポリオレフィン樹脂:ノルボルネン類の開環メタセシス重合体の二重結合体の二重結合に水添して得られるシクロオレフィンポリマー類やエチレンとノルボルネン系炭化水素共重合体、ポリテトラシクロドデセン類等。
芳香族ポリエステル樹脂:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等。
熱可塑性樹脂(D)の形態は特に規定されるものではないが、金属酸化物(A)等の分散性を考慮するとパウダー状が好ましい。
<無機化合物樹脂分散体>
本発明の無機化合物樹脂分散体は上記(A)〜(D)成分を分散することによって得られる。各構成成分の混合方法として好ましく挙げられるものとしては、(A)と(C)の混合物に(B)、(D)を添加、(A)と(B)と(C)との混合物に(D)を添加、または(A)〜(D)を同時に混合がある。
これらをアトライター、ボールミル、サンドミル、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、ジェットミル、Q型ミキサー、メカノフュージョン等で混合分散処理し粉体状、顆粒状等の任意の形状を得ることができる。これら分散媒体の流動、回転、衝突によるせん断力によって、熱可塑性樹脂(D)表面への無機化合物の分散が得られる。このとき、反応性シリコーン(C)が金属酸化物(A)の表面を被覆することにより分散性を向上させる作用を有する。
本発明の樹脂分散体における金属酸化物(A)の含有量は0.01〜50重量%が好ましく、0.1〜20重量%が更に好ましい。0.1〜10重量%が特に好ましい。0.01重量%未満であると金属酸化物(A)の光線選択透過性の効果が発揮できない場合があり、また50重量%を超えると分散性に支障をきたす場合がある。
本発明の樹脂分散体における硫酸金属塩(B)の含有量は、金属酸化物(A)100重量部に対して0.01〜100重量部が好ましく、0.1〜10重量部が特に好ましい。0.01重量部未満であると硫酸金属塩(B)の透明性に対する効果が発揮できない場合があり、100重量部を超えて添加すると分散性を阻害したり、熱可塑性樹脂(D)の劣化を促進する要因になる場合がある。
<成形ペレット>
本発明の成形ペレットは、本発明の無機化合物樹脂分散体を溶融混練しペレット状、粒状、ビーズ状等に押出成形して得られる。ペレット状等の形態をとることにより熱可塑性樹脂成形品の製造に際してハンドリングしやすくなる。溶融混練の際に反応性シリコーン(C)が樹脂を架橋して樹脂の物性低下を抑制する作用を有する。
本発明の成形ペレットはマスターバッチでもよい。マスターバッチは無機化合物濃度が比較的高く、成形品製造の際に成形樹脂で希釈して用いられる。また、本発明の成形ペレットはコンパウンドでも良い。コンパウンドはマスターバッチと比べて無機化合物濃度が比較的低く成形品と同じ組成であり、成形品製造の際にそのままの組成で用いられるものである。
<成形品>
本発明の成形品は、上記樹脂分散体と熱可塑性樹脂(D)とを直接溶融混合して成形されたものでも良い。溶融混合の際に反応性シリコーン(C)が樹脂を架橋して樹脂の物性低下を抑制する作用を有する。
また、無機化合物濃度が比較的高い樹脂分散体を溶融押出して得られるマスターバッチペレットと、成形樹脂とを混合して成形したものであっても良いし、無機化合物濃度が比較的低い樹脂分散体と熱可塑性樹脂(D)とを溶融混合してコンパウンド化し、コンパウンドをそのまま成形したものであっても良い。
成形方法としては押出成形、射出成形、ブロー成形等の何れの方法で得られるものであってもよい。本発明の成形品は、薄肉での透明性に優れ、更に耐衝撃性に優れるためOA機器や家電製品の内部部品や筐体などに好適である。かかる用途として例えば、液晶ディスプレイ用シートとして、偏向フィルム、位相差フィルム、バックライト用導光板、光拡散シート、集光シートなどの多様な光学フィルムやシートに利用することができる。
<その他の成分>
また、本発明の無機化合物樹脂分散体、成形ペレット及び成形品には、本発明の効果を阻害しない範囲で、各目的に応じて各種添加剤を使用することができる。
一般的な分散剤としては、熱可塑性樹脂(D)との相溶性が良好であり、熱可塑性樹脂(D)に影響を及ぼさないものであれば特に制限されない。
例えばステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、エチレンビスアマイド、低分子量ポリエステル、低分子量ポリアミド、低分子量ポリカーボネート、モンタン酸エステル、スチレン−無水マレイン酸共重合体樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体樹脂、αオレフィン/無水マレイン酸共重合体樹脂、酸化ワックス、グリセリンワックス、ポリスチレンワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス及びこれらの誘導体、酸変性体や水酸基変性体からなるワックス等が挙げられる。これら任意のものを1種で、または併用ができる。
ここで、低分子量とはJIS K 7199で規定されているキャピラリー型粘度計にて、220℃条件下、10kg加重にて、1000Pa・s以下のものを示す。
また、補強剤(タルク、マイカ、クレー、ワラストナイト、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、ミルドファイバー、ガラスフレーク、炭素繊維、炭素フレーク、カーボンビーズ、カーボンミルドファイバー、金属フレーク、金属繊維、金属コートガラス繊維、金属コート炭素繊維、金属コートガラスフレーク、シリカ、セラミック粒子、セラミック繊維、アラミド粒子、アラミド繊維、ポリアリレート繊維、グラファイト、導電性カーボンブラック、各種ウイスカーなど)、有機アルカリ金属塩及び有機アルカリ土類金属塩以外の難燃剤(ハロゲン系、リン酸エステル系、金属塩系、赤リン、金属水和物系など)、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、離型剤、滑剤、摺動剤(PTFE粒子など)、光拡散剤(アクリル架橋粒子、シリコーン架橋粒子、極薄ガラスフレーク、炭酸カルシウム粒子など)、蛍光増白剤、蓄光顔料、蛍光染料、帯電防止剤、流動改質剤、結晶核剤、無機及び有機の抗菌剤、グラフトゴムに代表される衝撃改質剤、赤外線吸収剤、フォトクロミック剤が挙げられる。
以下に、本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下、「重量部」は単に「部」、「重量%」は単に「%」と記載する。
1.無機化合物樹脂分散体及び成形ペレットの作製
(実施例1)
1次粒径0.03μmの酸化亜鉛(A)と、1次粒径0.03μmの硫酸バリウム(B)と、カルボキシ変性ポリシロキサン(粘度:125mm/s、東レ・ダウコーニング社製、両末端変性タイプ)(C)と、パウダー状のポリカーボネート樹脂(アッベ数:30)(D)とを、(A)/(B)/(C)/(D)=5%/0.5%/2%/92.5%の比率で配合し、Q型ミキサー(三井鉱山社製)にて周速100m/secで5分間分散処理し無機化合物樹脂分散体を得た。
その後、30mm二軸押出機によって溶融押出を行い成形ペレットを得た。
(実施例2)
(C)をアルコール変性ポリシロキサン(粘度:55mm/s、東レ・ダウコーニング社製、両末端変性タイプ)に変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例3)
(A)を1次粒径0.03μmの酸化セリウムに変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例4)
(A)を1次粒径0.03μmの酸化チタンに変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例5)
(A)を1次粒径0.03μmの酸化鉄に変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例6)
(A)を1次粒径0.03μmの酸化ジルコニウムに変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例7)
(D)をポリエチレンテレフタレート(アッベ数:24)に変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例8)
(D)をポリスチレン(アッベ数:31)に変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(実施例9)
(C)をアミノ変性ポリシロキサン(粘度:13mm/s、東レ・ダウコーニング社製、両末端変性タイプ)に変更し、(D)を側差にメチルエステル基を持つ非晶性ポリオレフィン樹脂(アッベ数:57)に変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(比較例1)
(A)の代わりに(A´)として1次粒径0.5μmの酸化亜鉛に変更した以外は実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(比較例2)
(A)として1次粒径0.03μmの酸化亜鉛と、(D)としてパウダー状のポリカーボネート樹脂(アッベ数:30)とを(A)/(C)=5%/95%の比率で配合し、実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(比較例3)
(C)の代わりに(C´)として非反応性のジメチルポリシロキサン(粘度:100mm/s、東レ・ダウコーニング社製)に変更し、(B)は添加せずに(A)/(C´)/(D)=5%/2%/93%の比率で配合し、実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(比較例4)
(A)として1次粒径0.03μmの酸化亜鉛と、(C)としてカルボキシ変性ポリシロキサン(粘度:125mm/s、東レ・ダウコーニング社製、両末端変性タイプ)と、(D)としてパウダー状のポリカーボネート樹脂(アッベ数:30)とを(A)/(C)/(D)=5%/2%/93%の比率で配合し、実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
(比較例5)
(A)として1次粒径0.03μmの酸化亜鉛と、(B)として1次粒径0.03μmの硫酸バリウムと、(D)としてパウダー状のポリカーボネート樹脂(アッベ数:30)とを、(A)/(B)/(D)=5%/0.5%/94.5%の比率で配合し、実施例1と同じ条件で分散体と成形ペレットを得た。
2.成形品の作製
実施例及び比較例で得られた成形ペレットと、各々の成形ペレット作製の際に使用した熱可塑性樹脂を使用して、金属酸化物((A)または(A´))の最終濃度が0.3%となるように配合し、射出成形機により1mm厚のインジェクションプレート及びアイゾット試験片を得た。
3.評価方法
(金属酸化物の分散性の評価)
透過型電子顕微鏡(TEM):日立製作所社製H−9000UHR型透過型電子顕微鏡(加速電圧300kV)にて、1mm厚のインジェクションプレートの観察を行った。
○:最大粒子塊が0.05μm未満。
△:最大粒子塊が0.05μm以上0.1μm未満。
×:0.1μm以上の凝集体があり。
(透明性の評価)
ビックケミー・ジャパン社製HAZE−GARD PLUSにて、1mm厚のインジェクションプレートのHAZEを測定した。10以下の値を透明性を有すると判断した。
(特定波長遮蔽性の評価)
島津製作所社製UV−265FWにて、1mm厚のインジェクションプレートにおける波長350nmの光線透過率の平均を求めた。平均とは成形品の任意の10箇所における透過率の算術平均値をいう。ここで350nmという特定波長を測定する理由として、金属酸化物(A)の基礎吸収により樹脂の光分解が顕著となる波長を有効に遮蔽することが可能だからである。
(機械物性の評価)
実施例及び比較例のアイゾット試験片のアイゾット衝撃強度(ASTM D256)の物性保持率を求めた。保持率とは、熱可塑性樹脂単独のアイゾット衝撃強度値を100%としたときの各衝撃強度値の保持率である。
○:96%以上の保持率
△:90〜96%未満の保持率
×:90%未満の保持率
(成形品外観の評価)
1mm厚インジェクションプレート各10枚の表面を目視にて観察し、揮発成分による成形品表面の荒れ(フラッシュ)について以下のように評価した。
○:全くフラッシュが観察されなかった。
△:1枚以上にフラッシュが観察された。
×:全てにフラッシュが観察された。
Figure 2005232334
本発明の無機化合物樹脂分散体、成形ペレット及び成形品は、透明性、機械物性に優れ且つ特定波長の遮蔽性に優れるため光学材料としても有用である。

Claims (11)

  1. 1次粒径が0.1μm以下の金属酸化物(A)と、1次粒径が0.1μm以下の硫酸金属塩(B)と、反応性シリコーン(C)と、熱可塑性樹脂(D)とを含む無機化合物樹脂分散体。
  2. 金属酸化物(A)が0.01〜50重量%である請求項1に記載の無機化合物樹脂分散体。
  3. 金属酸化物(A)100重量部に対して、硫酸金属塩(B)0.01〜100重量部である請求項1又は2に記載の無機化合物樹脂分散体。
  4. 金属酸化物(A)が酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム、酸化鉄、酸化ジルコニウムの群から選ばれる1種以上である請求項1〜3いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体。
  5. 硫酸金属塩(B)の屈折率が1.45〜1.64である請求項1〜4いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体。
  6. 硫酸金属塩(B)が硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウムの群から選ばれる1種以上である請求項5に記載の無機化合物樹脂分散体。
  7. 反応性シリコーン(C)の粘度が10〜1000mm/sの範囲にある請求項1〜6いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体。
  8. 熱可塑性樹脂(D)のアッベ数が20以上である請求項1〜7いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体を溶融混練して得られる成形ペレット。
  10. 請求項1〜8いずれかに記載の無機化合物樹脂分散体を用いて得られる成形品。
  11. 請求項9に記載の成形ペレットを用いて得られる成形品。
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