JP2014162856A - 透明樹脂材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 物性がよく、且つ透明度が高く、且つ剛性が高い透明樹脂材料及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 透明樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂と、無機材料からなる無機粒子とを有する。無機粒子の一次粒子、もしくは無機粒子の凝集体である二次凝集体がポリカーボネート樹脂に分散している。
【選択図】 図1
Description
本発明は、透明樹脂材料及びその製造方法に関する。
車両用ガラス材料の代替品として、ポリカーボネート樹脂からなる透明樹脂材料が販売されている。樹脂材料は、一般の無機ガラスに比べて熱に対する線膨張係数が大きく、また曲げ剛性については無機ガラスに劣る。このため、一般の無機ガラスの物性に近い透明樹脂材料は未だ開発されていない。曲げ剛性を得るために樹脂成形品を十分な厚みにする必要がある。このため、樹脂成形品の膨張量が大きくなり、設計自由度が少ない。
そこで、従来より、透明樹脂材料に無機微粒子を混合させることにより成形品の物性を改良させる試みがなされている。
例えば、特許文献1には、ポリカーボネート樹脂に改質シリカ組成物を混合することが提案されている。改質シリカ組成物は、シリカ微粒子のシラノール基の疎水率、アルキル基の割合を調整し改質することで、樹脂材料の透明性及び剛性を改良している。しかし、改質シリカ組成物を添加したことによる物性の改良の程度が不十分である。
特許文献2には、シリカ材料とアクリル樹脂のプレポリマーとを混合し、重合させることで、透明樹脂材料を得ることが提案されている。シリカ材料は、シランカップリング剤とオルガノシラザンで表面処理が施されて、樹脂との親和性と凝集抑制が両立されている。しかし、ポリカーボネート樹脂とシリカ材料とを混合した場合の物性については示されていない。
特許文献3には、シリカ微粒子などのフィラーと、エラストマー又は樹脂を、スクリューで高せん断力を与えることにより、フィラーを分散させることが開示されている。しかし、ポリカーボネート樹脂を用いた場合の物性は示されていない。
特許文献4には、熱可塑性樹脂と溶剤と無機微粒子の混合物を調製し、力学的負荷を与え、その後溶剤を除去させることで、高アスペクト比の無機微粒子の着色と凝集を少なくすることが開示されている。しかし、無機微粒子のアスペクト比が高いため、成形品の一方向には線膨張係数を低減させることはできるが、他方向には逆に線膨張係数が高くなる可能性がある。また、成形品形状によっては、針状フィラーの向きが一方向に揃ってしまうと、成形品の透明度が低下する可能性がある。樹脂組成物を2wt%以上溶かす溶媒に対して力学的に解膠した無機微粒子を再度解膠させるとしている。しかし、一度凝集した微粒子を再解膠させるのは難しい。また、大量に溶剤を蒸発させることになるため、コスト、環境負荷に対して問題となる。
特許文献5には、ポリアクリル酸とポリカーボネートとをエステル結合してグラフト化した分散剤を、芳香族ポリカーボネート樹脂とシリカ充填剤とを混合させることが開示されている。分散剤の分子量は低いため、大量に添加するには不向きである。また、分散剤の分散度についての記載はない。
発明者は、ポリカーボネート樹脂を用いて、透明度が高く、線膨張係数が低く、且つ剛性の高い透明樹脂材料を開発した。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、透明度が高く、線膨張係数を低く、且つ剛性を高くした透明樹脂材料及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明の透明樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂と、無機材料からなる無機粒子とを有するとともに、前記無機粒子の一次粒子、もしくは前記無機粒子の凝集体である二次凝集体が前記ポリカーボネート樹脂に分散していることを特徴とする。
本発明の透明樹脂材料の製造方法は、ポリカーボネート樹脂と無機材料からなる無機粒子と相容化剤との混合物にせん断力を付与することにより、前記無機粒子の一次粒子、もしくは前記無機粒子の凝集体である二次凝集体を、前記ポリカーボネート樹脂に分散させて透明樹脂材料を得ることを特徴とする。
本発明の透明樹脂材料では、無機粒子の一次粒子、もしくは無機粒子の凝集体である二次凝集体がポリカーボネート樹脂の中に分散している。このため、本発明の透明樹脂材料は、透明度が高く、線膨張係数が低く、且つ剛性が高い。
本発明の透明樹脂材料及びその製造方法について詳細に説明する。
(透明樹脂材料)
本発明の透明樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂と、無機材料からなる無機粒子とよりなる。無機粒子は、ポリカーボネート樹脂の中で、一次粒子或いは二次凝集体を形成しても良く、微細に分散している。無機粒子の一次粒子の粒子径及び二次凝集体の凝集サイズは小さい。このため、透明樹脂材料を通過する光を散乱させにくく、ポリカーボネート樹脂の高い透明度を損なわない。また、無機粒子の一次粒子及び二次凝集体がポリカーボネート樹脂に分散することで、透明樹脂材料の線膨張係数を低くする。
本発明の透明樹脂材料は、ポリカーボネート樹脂と、無機材料からなる無機粒子とよりなる。無機粒子は、ポリカーボネート樹脂の中で、一次粒子或いは二次凝集体を形成しても良く、微細に分散している。無機粒子の一次粒子の粒子径及び二次凝集体の凝集サイズは小さい。このため、透明樹脂材料を通過する光を散乱させにくく、ポリカーボネート樹脂の高い透明度を損なわない。また、無機粒子の一次粒子及び二次凝集体がポリカーボネート樹脂に分散することで、透明樹脂材料の線膨張係数を低くする。
また、ポリカーボネート樹脂は、元来、透明度が高く、軽量で、しかも耐衝撃性の高い樹脂材料である。このような高い透明性及び剛性をもつポリカーボネート樹脂に、無機粒子の一次粒子及び二次凝集体を分散させることで、ポリカーボネート樹脂の剛性がさらに改良される。このため、透明度が高く、且つ剛性の優れた透明樹脂材料を得ることができる。
無機粒子は、凝集しやすい性質をもつため、表面処理により凝集を抑制させることができる。ポリカーボネート樹脂の中で、無機材料からなる一次粒子が二次凝集体を形成した状態で微細に分散している。無機粒子の二次凝集体をポリカーボネート樹脂に微細に分散させるためには、後述の相容化剤の下で高いせん断力を付与するとよい。相容化剤は、透明樹脂材料の中でせん断力を受けて、少なくともその一部が分解される。
ポリカーボネート樹脂に分散した無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズは10nm以上350nm以下であることが好ましい。透明樹脂材料では、無機粒子の一次粒子又は二次凝集体が、ポリカーボネート樹脂の中で微細に分散している。ここで、ポリカーボネート樹脂の中において、無機粒子のすべてが二次凝集体を形成している場合と、無機粒子が一次粒子のままで存在しているものと二次凝集体を形成しているものが混在している場合がある。前者の場合には、「無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズ」は、二次凝集体の凝集サイズの平均値をいう。後者の場合には、一次粒子のままで存在している該一次粒子の粒子径と二次凝集体の凝集サイズの平均値をいう。無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズが10nm以上350nm以下である場合には、透明樹脂材料に入射された光が散乱しにくく、透明樹脂材料の透明性が高くなる。無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズが10nm未満の場合には、二次凝集体が微小すぎて、このようなサイズになるまでに多大なせん断力が必要とされ、製造コストがかかるおそれがある。無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズが350nmを超える場合には、透明樹脂材料に入射された光が、透明樹脂材料の中の二次凝集体によって散乱するおそれがあり、透明樹脂材料の透明度が低下するおそれがある。
無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズの上限は、300nm、更に200nmであることが望ましく、無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズの下限は、15nm、更に20nmであることが望ましい。この場合には、透明樹脂材料の製造コストを抑えつつ、透明度を高くすることができる。無機粒子の一次粒子の粒子径及び二次凝集体の凝集サイズは、例えば、透明樹脂材料のTEM(透過型電子顕微鏡)観察により測定することができる。
無機粒子の一次粒子径は、3nm以上100nm以下であることが好ましい。ここで、「無機粒子の一次粒子径」は、ポリカーボネート樹脂の中でとる分散形態にかかわらず、無機粒子の一次粒子の平均粒径をいう。即ち、ポリカーボネート樹脂の中で一次粒子のまま存在している該一次粒子、及び、二次凝集体を構成している一次粒子の平均粒径をいう。この範囲の一次粒子径をもつ無機粒子は、二次凝集体を形成したときに、光の散乱を低減させ、透明樹脂材料の透明度を高くすることができる。無機粒子の一次粒子径が3nm未満の場合には、無機粒子が過小で、取り扱いにくくなるおそれがある。無機粒子の一次粒子径が100nmを超える場合には、二次凝集体を形成したときに、光を散乱させ易くなり、透明樹脂材料の透明性を低下させるおそれがある。
更に、無機粒子の一次粒子径の上限は、80nmであり、下限は3nmとすることが望ましい。無機粒子の一次粒子径は、光散乱及びSEM(走査型電子顕微鏡)観察により測定される。
前記無機粒子は、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びアルミナの中から選ばれる1種以上からなることが好ましく、中でもシリカからなることが望ましい。透明樹脂材料の物性を効果的に改良することができるからである。
無機粒子には、表面処理剤が結合されていることが好ましい。表面処理剤は、無機粒子の表面と、ポリカーボネート樹脂との相容性及び/又は接着性を高くする処理剤であるとよい。無機粒子の二次凝集体が、ポリカーボネート樹脂に微細に分散しやすくなり、透明樹脂材料の物性及び透明度を高くすることができる。ポリカーボネート樹脂との相容性及び/又は接着性を高くする表面処理剤は、カップリング剤などが挙げられる。中でも、カップリング剤が好ましい。
無機粒子には、カップリング剤が結合していることが好ましい。カップリング剤は、無機粒子とポリカーボネート樹脂との接着性を向上させる仲介役として働く。このため、無機粒子の二次凝集体とポリカーボネート樹脂との接着性が高まり、ポリカーボネート樹脂の線膨張係数を低くし、剛性を高めることができる。
カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤は、有機物とケイ素から構成される化合物で、分子中に親水性の高い反応基と、疎水性の高い反応基を持つ。シランカップリング剤は、親水性が高い無機粒子と、疎水性の高いポリカーボネート樹脂との間の接着性を向上させる仲介役となる。無機粒子表面にシランカップリング剤を結合させることにより、透明樹脂材料の物性が更に優れる。
シランカップリング剤は、一般的には、YSi(OR1)3−nR2 n・・・式(1)で表される。式(1)中、Siはケイ素、Yは反応性官能基、OR1は加水分解性基である。Yは、例えば、アミノ基、エポキシ基、メタクリル基、ビニル基、メルカプト基、アクリル基などの、有機材料と結合し得る反応基である。OR1は、メトキシ基、エトキシ基、アセチルオキシ基などの、加水分解し得る反応基である。R2は、メチル基、エチル基などの疎水基である。nは、0以上2以下の整数である。
シランカップリング剤としては、例えば、フェニルシランカップリング剤などを用いることが好ましい。フェニルシランカップリング剤は、例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどをあげることができる。
ポリカーボネート樹脂は、透明な樹脂材料である。ポリカーボネート樹脂は、特に限定されず、例えば、市販のものを用いることができる。例えば、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリオルガノシロキサン含有芳香族ポリカーボネート樹脂、脂肪族ポリカーボネート樹脂、脂環式ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。上記のなかでも、芳香族ポリカーボネート樹脂が望ましい。
透明樹脂材料を100質量%であったときに、無機粒子の含有量は1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、さらには、無機粒子の含有量は2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。この場合には、透明樹脂材料の物性を効果的に改良することができる。無機粒子の含有量が1質量%未満では、透明樹脂材料の物性の改良の程度が低くなるおそれがある。無機粒子の含有量が20質量%を超える場合には、無機粒子が比較的大きな二次凝集体を形成しやすく、透明樹脂材料の透明性を低下させるおそれがある。
透明樹脂材料を100質量%であったときに、ポリカーボネート樹脂の含有量は80質量%以上99質量%以下であることが好ましい。この場合には、ポリカーボネート樹脂の良好な物性を生かしつつ、無機粒子により良好にポリカーボネート樹脂を改質させることができる。
透明樹脂材料には、ポリカーボネート樹脂と無機粒子の他に、後述の相容化剤の分解物又は変性物が存在していてもよい。更に、紫外線吸収剤、耐候剤などの添加剤が含まれていても良い。
(透明樹脂材料の製造方法)
本発明の透明樹脂材料の製造方法では、ポリカーボネート樹脂と、無機粒子と、相容化剤との混合物にせん断力を付与している。無機粒子とポリカーボネート樹脂は、元来、互いに相容化しにくい材料であり、無機粒子は凝集して二次凝集体を形成する傾向にある。そのため、相容化剤をポリカーボネート樹脂と無機粒子に添加した状態でこれらにせん断力を付与することで、相容化剤の仲介によって無機粒子の一次粒子、若しくは無機粒子の凝集体である二次凝集体をポリカーボネート樹脂に微細に分散させることができる。無機粒子の一次粒子若しくは二次凝集体は、ポリカーボネート樹脂の中で微細に分散することで、透明樹脂材料に入射した光を散乱させにくくなる。また、透明樹脂材料の線膨張係数を低くし、且つ剛性を高くする。よって、透明度が高く、物性に優れた透明樹脂材料を得ることができる。
本発明の透明樹脂材料の製造方法では、ポリカーボネート樹脂と、無機粒子と、相容化剤との混合物にせん断力を付与している。無機粒子とポリカーボネート樹脂は、元来、互いに相容化しにくい材料であり、無機粒子は凝集して二次凝集体を形成する傾向にある。そのため、相容化剤をポリカーボネート樹脂と無機粒子に添加した状態でこれらにせん断力を付与することで、相容化剤の仲介によって無機粒子の一次粒子、若しくは無機粒子の凝集体である二次凝集体をポリカーボネート樹脂に微細に分散させることができる。無機粒子の一次粒子若しくは二次凝集体は、ポリカーボネート樹脂の中で微細に分散することで、透明樹脂材料に入射した光を散乱させにくくなる。また、透明樹脂材料の線膨張係数を低くし、且つ剛性を高くする。よって、透明度が高く、物性に優れた透明樹脂材料を得ることができる。
ポリカーボネート樹脂、無機粒子、及び必要に応じて添加される表面処理剤、並びに相容化剤からなる混合物に付与されるせん断力は、ポリカーボネート樹脂の中で無機粒子が微細に分散する程度とするとよい。
前記混合物にせん断力を付与することにより、相容化剤の少なくとも一部を分解又は変性させることが好ましい。更には、相容化剤の少なくとも一部を分解又は変性させて、透明樹脂材料を透明にすることができる程度とすることが望ましい。例えば、このような大きさのせん断力の条件は、例えばせん断成形加工装置(スクリュー直径φ2.775cm)(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いた場合、スクリュー回転速度が1500rpm以上3000rpm以下であり、処理時間5秒以上120秒以下であることがよい。
混合物にせん断力が付与されるときの条件は、せん断部設定温度が200℃以上300℃以下であることがよく、更には230℃以上250℃以下であることが好ましい。せん断部設定温度は、上記の全自動小型高せん断成形加工装置において、混練部の設定温度をいう。
また、混合物にせん断力を付与するときには、混合物の温度が200℃以上400℃以下であることが好ましい。この場合には、ポリカーボネート樹脂における無機粒子の分散性が高く、しかも相容化剤の少なくとも一部を分解させて、透明度の高い透明樹脂材料を製造することができる。
例えば上記のせん断成形加工装置を用いて混合物にせん断力を付与するときには、混練時の混合物の温度は280℃以上390℃以下であり、スクリュー回転数は1500rpm以上2500rpm以下であり、混練時間は5秒間以上90秒間以下であることが好ましい。混練時の混合物の温度は、上記のせん断成形加工装置において、混練部において混練されている混合物の温度をいう。上記せん断成形加工装置としては、例えば、全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いるとよい。
混合物にせん断力を付与することにより、無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは二次凝集体の凝集サイズを10nm以上350nm以下とすることが好ましい。この場合には、透明度の高い透明樹脂材料を得ることができる。
無機粒子は、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びアルミナの中から選ばれる1種以上からなることが好ましい。無機粒子には、予め、表面処理が施されることが好ましい。無機粒子とポリカーボネート樹脂との相容性及び/又は接着性を高めることができ、ポリカーボネート樹脂に無機粒子を微細に分散させることができ、また、ポリカーボネート樹脂の物性を改質させることができる。
無機粒子の表面処理は、カップリング剤を用いる処理であることがよい。この場合には、無機粒子とポリカーボネート樹脂との接着性を高めることができ、ポリカーボネート樹脂の物性を効果的に改質することができる。カップリング剤の中でも、シランカップリング剤がよい。シランカップリング剤としては、例えば、フェニルシランカップリング剤が挙げられる。
せん断力が付与される無機粒子の一次粒子径は、3nm以上100nm以下であることが好ましい。この場合には、透明性の高い透明樹脂材料を製造することができる。
相容化剤は、無機粒子とポリカーボネート樹脂との相容性を高める働きをする。相容化剤は、PMMA(ポリメチルメタクリレート)、メタクリル酸メチル単位を有する共重合体等のアクリル系樹脂などを用いることがよい。
ポリカーボネート樹脂は、無機粒子及び相容化剤とともにせん断力が付与される。
せん断力が付与される無機粒子の質量に対する相容化剤の質量の比は、0.1以上50以下であることが好ましい。また、せん断力が付与されるポリカーボネート樹脂の質量に対する相容化剤の質量の比は、5以上30以下であることが好ましい。この場合には、相容化剤の仲介によって無機粒子がポリカーボネート樹脂に相容しやすくなり、無機粒子の二次凝集体をポリカーボネート樹脂中に微細に分散させることができる。
透明樹脂材料の質量を100質量%であったときに、無機粒子の質量は1質量%以上20質量%以下であることが好ましく、さらには、無機粒子の質量は2質量%以上15質量%以下であることが好ましい。この場合には、ポリカーボネート樹脂に無機粒子を均一に微細に分散させることができ、優れた物性の透明樹脂材料を得ることができる。
本発明の透明樹脂材料の製造方法において、無機粒子と相容化剤とポリカーボネート樹脂とを別々に混練機に添加してせん断力を付与しても良い。
または、無機粒子及び相容化剤からなる予備混合物を、ポリカーボネート樹脂に加えた状態で、せん断力を付与することが好ましい。予め無機粒子及び相容化剤からなる予備混合物を調製しておき、調製した予備混合物をポリカーボネート樹脂に加えた状態で、これらにせん断力を付与することで、本来相容しにくい無機粒子及びポリカーボネート樹脂を、相容化剤の仲介によって更に均一に微細に分散させることができる。
無機粒子と相容化剤とを混合してなる予備混合物を得るために、無機粒子と相容化剤にせん断力を付与するとよい。付与されるせん断力は、相容化剤を分解させない程度の小さい力であるとよい。相容化剤が分解すると、無機粒子とともにポリカーボネート樹脂に混合した時に、無機粒子とポリカーボネート樹脂との相容性を高めることができないおそれがあるからである。予備混合物を得るために付与されるせん断力の程度は、例えば、同方向回転2軸混練押出機(スクリュー直径φ25mm、シリンダー直径(D)に対するシリンダー軸方向長さ(L)の比(L/D)は41)を用いた場合、50rpm以上500rpm以下であることがよい。混練時の予備混合物の温度は200℃以上250℃以下であることがよい。上記の同方向回転2軸混練押出機としては、パーカーコーポレーション株式会社製のものを用いることができる。
予備混合物は、無機粒子と相容化剤のみで構成されているとよい。予備混合物をポリカーボネート樹脂に混合させた時に、無機粒子の分散性がよくなるからである。
予備混合物中の無機粒子の質量に対する相容化剤の質量の比は、0.1以上50以下であることが好ましい。この場合には、予備混合物をポリカーボネート樹脂に混合した時に、無機粒子がポリカーボネート樹脂に微細に分散することができる。予備混合物は、無機粒子と相容化剤とから構成されているが、ポリカーボネート樹脂の一部を含んでいてもよい。予備混合物の中での無機粒子の質量比は、透明樹脂材料の中の無機粒子の質量比よりも高く、また、予備混合物の中でのポリカーボネート樹脂の質量比は、透明樹脂材料の中でのポリカーボネート樹脂の質量比率よりも低くする。
本発明の透明樹脂材料は、押出成形、射出成形などの公知の成形法により成形される。
本発明の透明樹脂材料は、例えば、フロントガラス、サンルーフ、三角窓、バックドアガラス、リヤサイドガラスなどの車両用ガラスの他、電化製品の筐体などに用いられる。
本発明の実施例及び比較例に係る樹脂材料を製造した。
(実施例1)
まず、ポリカーボネート樹脂(PC、帝人化成株式会社製、1250Y)と、相容化剤としてのPMMA(ポリメチルメタクリレート;チーメイ製、CM−205)と、無機粒子としての表面処理ナノシリカ粒子(アドマテックス株式会社製、YA010C−SP3)とを準備した。表面処理ナノシリカ粒子は、シリカ(SiO2)をフェニルシランカップリング剤により表面処理を施してなる。表面処理ナノシリカ粒子の一次粒子径は、10nmである。ポリカーボネート樹脂及びPMMAは、ペレット状を呈している。ポリカーボネート樹脂は120℃で10時間乾燥させた。PMMAは70℃で10時間乾燥させた。
まず、ポリカーボネート樹脂(PC、帝人化成株式会社製、1250Y)と、相容化剤としてのPMMA(ポリメチルメタクリレート;チーメイ製、CM−205)と、無機粒子としての表面処理ナノシリカ粒子(アドマテックス株式会社製、YA010C−SP3)とを準備した。表面処理ナノシリカ粒子は、シリカ(SiO2)をフェニルシランカップリング剤により表面処理を施してなる。表面処理ナノシリカ粒子の一次粒子径は、10nmである。ポリカーボネート樹脂及びPMMAは、ペレット状を呈している。ポリカーボネート樹脂は120℃で10時間乾燥させた。PMMAは70℃で10時間乾燥させた。
同方向回転2軸混練押出機(パーカーコーポレーション株式会社製、スクリュー直径φ25mm、シリンダー直径(D)に対するシリンダー軸方向長さ(L)の比(L/D)は41)を用いて、PMMAと表面処理ナノシリカ粒子を混合して、予備混合物を得た。予備混合物中のPMMAと表面処理ナノシリカ粒子の混合質量比は8:2であった。PMMAは、ホッパからシリンダー内の混合部に供給した。ナノシリカ粒子は、シリンダー中間部から混練部に供給した。シリンダー内の混練時の予備混合物の温度は220℃に設定した。スクリュー回転数は200rpmであった。混練部の先端に設けた押出口から、ストランドを得て、ペレタライザーにより粉砕し、予備混合物からなるペレットを得た。
全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いて、予備混合物からなるペレットと、ペレット状のポリカーボネート樹脂とからなる混合物を混練し、厚さ2mmの薄板を成形した。予備混合物とポリカーボネート樹脂との混合質量比は、10:90であった。高せん断部設定温度は235〜250℃であった。混練時の混合物の温度は280〜390℃であった。スクリュー回転数は2000rpmであった。混練時間は60秒間であった。得られた樹脂材料中での無機粒子の含有量は2.2質量%であった。樹脂材料からなる薄板は、普通のガラスと同程度に透明で、薄板を通して向こう側が鮮明に見えた。
(実施例2)
まず、実施例1と同様の表面処理ナノシリカ粒子を準備した。同方向回転2軸混練押出機(パーカーコーポレーション株式会社製、スクリュー直径φ25mm、シリンダー直径(D)に対するシリンダー軸方向長さ(L)の比(L/D)は41)を用いて、PMMAと表面処理ナノシリカ粒子を混合して、予備混合物を得た。予備混合物中のPMMAと表面処理ナノシリカ粒子の混合質量比は7:3であった。PMMAは、ホッパからシリンダー内の予備混合物に供給した。表面処理ナノシリカ粒子は、シリンダー中間部から混練部に供給した。シリンダー内の混練時の予備混合物の温度は220℃に設定した。スクリュー回転数は200rpmであった。混練部の先端に設けた押出口から、ストランドを得て、ペレタライザーにより粉砕し、予備混合物からなるペレットを得た。
まず、実施例1と同様の表面処理ナノシリカ粒子を準備した。同方向回転2軸混練押出機(パーカーコーポレーション株式会社製、スクリュー直径φ25mm、シリンダー直径(D)に対するシリンダー軸方向長さ(L)の比(L/D)は41)を用いて、PMMAと表面処理ナノシリカ粒子を混合して、予備混合物を得た。予備混合物中のPMMAと表面処理ナノシリカ粒子の混合質量比は7:3であった。PMMAは、ホッパからシリンダー内の予備混合物に供給した。表面処理ナノシリカ粒子は、シリンダー中間部から混練部に供給した。シリンダー内の混練時の予備混合物の温度は220℃に設定した。スクリュー回転数は200rpmであった。混練部の先端に設けた押出口から、ストランドを得て、ペレタライザーにより粉砕し、予備混合物からなるペレットを得た。
全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いて、予備混合物からなるペレットと、ペレット状のポリカーボネート樹脂とからなる混合物を混練し、厚さ2mmの薄板を成形した。予備混合物とポリカーボネート樹脂との混合質量比は、13.3:86.7であった。高せん断部設定温度は230〜250℃であった。混練時の混合物の温度は280〜390℃であった。スクリュー回転数は2500rpmであった。混練時間は90秒間であった。得られた樹脂材料中での無機粒子の含有量は4.4質量%であった。樹脂材料からなる薄板は、普通のガラスと同程度に透明で、薄板を通して向こう側が鮮明に見えた。
(比較例1)
実施例1のポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、1250Y)を単独で用いた以外は、実施例1と同様にして、全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いて、厚さ2mmの薄板を成形した。比較例1の薄板は、向こう側が見え、透明であった。
実施例1のポリカーボネート樹脂(帝人化成株式会社製、1250Y)を単独で用いた以外は、実施例1と同様にして、全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いて、厚さ2mmの薄板を成形した。比較例1の薄板は、向こう側が見え、透明であった。
(比較例2)
全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いた際の、混練時のスクリュー回転数を200rpmとする以外は、実施例1と同様にして、樹脂材料からなる薄板を製造した。混練時の混合物の温度は240〜260℃であった。製造された比較例2の薄板は、向こう側が見えず、不透明であった。
全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いた際の、混練時のスクリュー回転数を200rpmとする以外は、実施例1と同様にして、樹脂材料からなる薄板を製造した。混練時の混合物の温度は240〜260℃であった。製造された比較例2の薄板は、向こう側が見えず、不透明であった。
(比較例3)
全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いた際の、混練時のスクリュー回転数を200rpmとする以外は、実施例2と同様にして、樹脂材料からなる薄板を製造した。混練時の混合物の温度は240〜260℃であった。製造された比較例3の薄板は、向こう側が見えず、不透明であった。
全自動小型高せん断成形加工装置(ニイガタマシンテクノ製、NHSS2−28)を用いた際の、混練時のスクリュー回転数を200rpmとする以外は、実施例2と同様にして、樹脂材料からなる薄板を製造した。混練時の混合物の温度は240〜260℃であった。製造された比較例3の薄板は、向こう側が見えず、不透明であった。
(TEM観察)
実施例1及び比較例2の樹脂材料についてのTEM観察の結果を図1及び図2に示す。図1及び図2の左図は低倍率のTEM観察写真、図1及び図2の右図は高倍率のTEM観察写真である。
実施例1及び比較例2の樹脂材料についてのTEM観察の結果を図1及び図2に示す。図1及び図2の左図は低倍率のTEM観察写真、図1及び図2の右図は高倍率のTEM観察写真である。
図1に示すように、実施例1の樹脂材料では、表面処理ナノシリカ粒子の二次凝集体が、ポリカーボネート樹脂の中で、微細に均一に分散していた。表面処理ナノシリカ粒子の多くは、凝集して二次凝集体を形成していた。二次凝集体は、凝集サイズが100nmの球形状を呈していた。相容化剤として添加したPMMAは、存在しなくなっていた。このことは、後述の核磁気共鳴法(NMR)によって確認された。これは、高せん断力の付与及び高温混練(280〜390℃)により、PMMAが変性又は分解したためであると考えられる。実施例1の樹脂材料が透明なのは、表面処理ナノシリカ粒子の一次粒子はもちろん、表面処理ナノシリカ粒子の二次凝集体の凝集サイズが光の波長(約380〜750nm)よりも小さく、また、樹脂材料中にPMMAが存在しなくなったためであると考えられる。
図2に示すように、比較例2の樹脂材料では、表面処理ナノシリカ粒子の二次凝集体が、ポリカーボネート樹脂中において、大きな凝集体として存在していた。また、表面処理ナノシリカ二次凝集体の周囲には、PMMAが存在していた。このことは、核磁気共鳴法により確認された。表面処理ナノシリカ粒子の二次凝集体及びそれを囲むPMMAの凝集サイズは可視光の波長以上に大きく、長さが約400〜1000nmの帯状を呈していた。比較例2が不透明なのは、ポリカーボネート樹脂中に大きな表面処理ナノシリカ粒子の二次凝集体及びそれを囲むPMMAが存在したことにより、光が散乱され、透過光が減少したことに由来すると考えられる。
(NMR測定)
実施例1及び比較例2で得られた樹脂材料について、PMMAの存在を明らかにするために、1H_NMRスペクトルを測定した。NMRスペクトルの測定では、CDCl3を溶媒とし、500MHzのNMR(核磁気共鳴装置、日本電子製、JNM−LA500)を用いた。NMRスペクトルの測定結果を図3に示す。
実施例1及び比較例2で得られた樹脂材料について、PMMAの存在を明らかにするために、1H_NMRスペクトルを測定した。NMRスペクトルの測定では、CDCl3を溶媒とし、500MHzのNMR(核磁気共鳴装置、日本電子製、JNM−LA500)を用いた。NMRスペクトルの測定結果を図3に示す。
図3に示したように、実施例1及び比較例2のいずれも、ポリカーボネート(PC)由来のピークが認められた。そして、高せん断を印加した実施例1の樹脂材料のスペクトルには、PMMA由来のピーク3.60ppm(−OCH 3)及び1.04ppmと0.88ppm(−CH 3)は認められなかった。一方、低せん断を印加した比較例2の樹脂材料のスペクトルには、PMMA由来のピーク3.60ppm(−OCH 3)及び1.04ppmと0.88ppm(−CH 3)が認められた。これらの結果より、実施例1では高せん断の溶融混練中にPMMAが分解又は変性したと考えられた。
(線膨張係数測定)
実施例1、実施例2及び比較例1で得られた透明な樹脂材料について、−50〜50℃における線膨張係数を測定した。この線膨張係数は、粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−220」)を用いて、JIS K7244−4に記載の動的機械特性の試験方法に準拠して測定した。測定条件は、引張モード、−100〜200℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分、周波数10Hz、歪0.05%であった。本条件で測定された温度変化に対する薄板の伸びを線膨張係数とした。線膨張係数の測定結果を表1に示す。
実施例1、実施例2及び比較例1で得られた透明な樹脂材料について、−50〜50℃における線膨張係数を測定した。この線膨張係数は、粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−220」)を用いて、JIS K7244−4に記載の動的機械特性の試験方法に準拠して測定した。測定条件は、引張モード、−100〜200℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分、周波数10Hz、歪0.05%であった。本条件で測定された温度変化に対する薄板の伸びを線膨張係数とした。線膨張係数の測定結果を表1に示す。
表面処理ナノシリカ粒子の添加により、線膨張係数を低く抑制することが可能であり、表面処理ナノシリカ粒子の添加量が多い程、線膨張係数が下がることがわかった。
(貯蔵弾性率測定)
実施例1,実施例2及び比較例1で得られた透明な樹脂材料について、23℃での貯蔵弾性率を測定した。貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−220」)を用いて、JISK7244−4に記載の動的機械特性の試験方法に準拠して測定した。測定条件は、引張モード、―100〜200℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分、周波数10Hz、歪0.05%であった。貯蔵弾性率を表1に示す。
実施例1,実施例2及び比較例1で得られた透明な樹脂材料について、23℃での貯蔵弾性率を測定した。貯蔵弾性率は、粘弾性測定装置(アイティー計測制御社製「DVA−220」)を用いて、JISK7244−4に記載の動的機械特性の試験方法に準拠して測定した。測定条件は、引張モード、―100〜200℃の温度範囲で、昇温速度5℃/分、周波数10Hz、歪0.05%であった。貯蔵弾性率を表1に示す。
表面処理ナノシリカ粒子の添加により、樹脂材料の貯蔵弾性率が向上した。表面処理ナノシリカ粒子の添加量が多い程、貯蔵弾性率が向上することがわかった。
これらの結果を表2にまとめる。表2において、透明性は、薄板の透明性の評価結果である。目視で薄板の向こう側が見えた場合を○、目視で薄板の向こう側が見えなかった場合を×であった。
表2において、物性は、上記の線膨張係数と貯蔵弾性率の測定結果を基にして判断した評価結果である。比較例2,3の樹脂材料は、不透明であるため、物性を評価しなかった。表2の物性は、各薄板についての相対評価であり、線膨張係数が小さく且つ貯蔵弾性率が大きい場合を○、線膨張係数が大きく且つ貯蔵弾性質が小さい場合を×とした。
表2において、総合評価は、上記の各種評価結果を基にした相対評価であり、透明性が高く且つ物性がよい場合は○、それ以外の場合は×とした。
以上より、無機粒子の一次粒子もしくは二次凝集体がナノメータ(nm)単位で微分散した結果、透明性が高く、物性(線膨張係数及び剛性)が優れた材料となることがわかった。
Claims (17)
- ポリカーボネート樹脂と、無機材料からなる無機粒子とを有するとともに、
前記無機粒子の一次粒子、もしくは前記無機粒子の凝集体である二次凝集体が前記ポリカーボネート樹脂に分散している透明樹脂材料。 - 前記無機粒子の一次粒子の粒子径もしくは前記二次凝集体の凝集サイズは10nm以上350nm以下である請求項1記載の透明樹脂材料。
- 前記無機粒子の一次粒子径は、3nm以上100nm以下である請求項1又は2に記載の透明樹脂材料。
- 前記無機粒子は、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びアルミナの中から選ばれる1種以上からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の透明樹脂材料。
- 前記無機粒子の表面には、カップリング剤が結合している請求項1〜4のいずれか1項に記載の透明樹脂材料。
- 前記透明樹脂材料を100質量%であったときに、前記無機粒子の含有量は1質量%以上20質量%以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の透明樹脂材料。
- ポリカーボネート樹脂と無機材料からなる無機粒子と相容化剤との混合物にせん断力を付与することにより、前記無機粒子の一次粒子、もしくは前記無機粒子の凝集体である二次凝集体を、前記ポリカーボネート樹脂に分散させて透明樹脂材料を得る透明樹脂材料の製造方法。
- 前記無機粒子及び前記相容化剤からなる予備混合物を、前記ポリカーボネート樹脂に加えた状態で、前記せん断力を付与する請求項7記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記無機粒子は、シリカ、ジルコニア、チタニア、及びアルミナの中から選ばれる1種以上からなる請求項7又は8に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記無機粒子には、予め、カップリング処理がされている請求項7〜9のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記相容化剤は、ポリメチルメタクリレートからなる請求項7〜10のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記混合物中の無機粒子の含有量に対する相容化剤の含有量の質量比は、0.1以上50以下である請求項7〜11のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 透明樹脂材料の質量を100質量%であったときに、前記無機粒子の質量は1質量%以上20質量%以下である請求項7〜12のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記混合物にせん断力を付与するときには、前記混合物の温度が200℃以上400℃以下である請求項7〜13のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記混合物にせん断力を付与することにより、前記相容化剤の少なくとも一部を分解又は変性させる請求項7〜14のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記混合物にせん断力を付与することにより、前記無機粒子の一次粒子径もしくは前記二次凝集体の凝集サイズを10nm以上350nm以下とする請求項7〜15のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
- 前記混合物にせん断力を付与するときには、前記混合物の温度は280℃以上390℃以下であり、スクリュー回転数は1500rpm以上2500rpm以下であり、混練時間は5秒間以上90秒間以下である請求項7〜16のいずれか1項に記載の透明樹脂材料の製造方法。
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JP2017186700A (ja) * | 2016-04-06 | 2017-10-12 | 株式会社アドマテックス | 易開繊性繊維材料及びその製造方法 |
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- 2013-02-26 JP JP2013035339A patent/JP2014162856A/ja active Pending
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