JP2005202382A - 光プリント回路基板、面実装型半導体パッケージ、及びマザーボード - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (a)熱硬化性もしくは紫外線硬化性でありかつ硬化完了時のTgが130℃以上であることを特徴とする硬化性樹脂と、(b)繊維状無機充填剤を必須成分とし、更に波長850nmの光線における直線光線透過率が40%以上であり、25℃〜130℃における熱膨張係数が40ppm/℃以下であることを特徴とする透明プラスチック複合シートを利用した光プリント回路基板。さらにはそれを用いた面実装型半導体パッケージ。さらにはその半導体パッケージを用いたマザーボード。
【選択図】 図1
Description
一方、光半導体パッケージや光マザーボードの形態を工夫することにより効率よく精度を向上できるという提案がなされている(特許文献2参照)。しかしながら、位置決め精度などの生産性の改善は、なお不十分であろうし、また光半導体パッケージ自身のコストも比較的高価であろうと予測されるために、安価簡便に実用化できるとは言えなかった。
また、既存のBGAを利用した比較的安価な光半導体パッケージの提案もある(非特許文献1参照)。これは、BGA基板の実装面(裏面)に発光素子及び/又は受光素子を実装して、それを透明封止樹脂で封止し、駆動用のIC等はBGA基板の表面に別途実装して、この部分は通常の不透明の封止樹脂で封止しているものである。従来のBGA基板を利用することにより光電子部品としては比較的低コスト化されてはいるが、基板の裏表に素子を実装することにより組み立てと封止の工程が2倍になりコストは結局高くなる。BGA基板を透明なものにすれば表面の片面実装だけですむため大幅なコストダウンが望めるが、従来よく使用されてきた透明プラスチックシート、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)やPES(ポリエーテルサルホン)に関しては熱膨張係数が大きいために、そもそも回路基板として使用することが困難であり、BGA用基板として十分な実用性を有した光プリント回路基板の提案は過去には皆無であった。
(1) (a)硬化完了時のTgが150℃以上である硬化性樹脂と、(b)繊維状無機充填剤を必須成分とし、更に波長850nmの光線における直線光線透過率が40%以上であり、25℃〜130℃における熱膨張係数が40ppm/℃以下であることを特徴とする透明プラスチック複合シートを使用した光プリント回路基板。
(2) (a)硬化性樹脂がエポキシ樹脂である(1)に示される光プリント回路基板。
(3) (a)硬化性樹脂が1分子中に2個以上の官能基を有する(メタ)アクリレートである(1)に示される光プリント回路基板。
(4) 更に(c)粉体状無機充填剤を配合する事を特徴とする(1)〜(3)に示される光プリント回路基板。
(5) (a)硬化性樹脂の動的粘弾性法によるTgが200℃以上であることを特徴とする(1)〜(4)に示される光プリント回路基板。
(6) (b)繊維状無機充填剤が、ガラスクロスである(1)〜(5)に示される光プリント回路基板。
(7) (1)〜(6)に示される光プリント回路基板を支持体として使用した面実装型半導体パッケージ。
(8) (1)〜(6)に示される光プリント回路基板を支持体として使用したボールグリッドアレイ型半導体パッケージ。
(9) 実装されている素子の一部もしくは全部が受光素子及び/又は発光素子である(7)、(8)に示される半導体パッケージ。
(10) 前記受光素子及び/又は発光素子がフェイスダウン状態で実装されている(9)に示される半導体半導体パッケージ。
(11) (7)〜(10)に示される半導体パッケージを利用したマザーボード。
(12) 配線の一部又は全部に光導波路を使用した(11)に示されるマザーボード。
本発明中の(a)における硬化性樹脂において、好適に使用されるものとしては熱硬化性樹脂が挙げられるが、熱硬化性樹脂とは、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂等、熱によって三次元架橋し硬化する樹脂一般を示す。これらは単独でも混合しても良い。また用いる樹脂が硬化剤及び硬化促進剤を必要とする場合はそれを併用することができる。熱硬化性樹脂として最も好適に使用されるものはエポキシ樹脂である。特に式(1)〜(5)で示される脂環式エポキシ樹脂や式(6)で示されるトリグリシジルイソシアヌレートなどが望ましい物として例示できる。このとき硬化剤としてアミン系、特にジシアンジアミドと芳香族アミン、テトラメチレンヘキサミン及びフェノールノボラック系硬化剤や酸無水物系硬化剤が使用されるか、あるいは硬化剤を配合せず、エポキシ単独重合を選択することができる。硬化剤等は特に限定しないが、成型品の透明性から酸無水物系硬化剤が好ましい。例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水ナジック酸、無水グルタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチル水添無水ナジック酸、水添無水ナジック酸、などが例として挙げられる。硬化促進剤としては、特に限定はしないが、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート等の有機燐系や、1.8−ジアザビシクロウンデセン、トリエチレンジアミン、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等の窒素系の硬化促進剤かそれらのアダクト品が好適に使用される。なおエポキシ単独重合の時は酢酸、安息香酸、サリチル酸、パラトルエンスルホン酸、三フッ化硼素アミン錯体、三フッ化硼素のアンモニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、アルミニウム錯体等のカチオン系硬化促進剤を用いることが好ましい。これらの硬化促進剤は単独でも2種以上を併用して使用しても良い。
粉体状無機充填剤(2):ナノジルコニア試作品(平均粒子径15μm、球状、メチルエチルケトンゾル、10wt%配合)
粉体状無機充填剤(3):NEガラス粉末(平均粒子径3μm、破砕状)
樹脂(A)100重量部に、表1に示された重量部の紛体状無機充填剤、及び1,3ジオキソラン30重量部と混合してワニスとした。このワニスを厚さ180μmのSガラス系ガラスクロスもしくは厚さ80μmのNEガラスクロスに含侵し、120℃で3分間乾燥しプリプレグ化した後、得られたプリプレグを1〜6枚ほど離型処理したガラス板に挟み込み、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら250℃で2時間硬化させ、透明プラスチック複合シートを得た。
樹脂(B)100重量部に表1に示された重量部の紛体状無機充填剤を混合し、減圧下で溶剤を除去した。この樹脂組成物を80℃で加熱溶融させた状態で厚さ80μmのNEガラス系ガラスクロスに含侵し、両側から離型処理したPETフィルムで挟み、片側約2000mJ/cm2のUV光を両側から同時に照射して連続的に重合・硬化させた。その後更に200℃で2時間硬化させ、透明プラスチック複合シートを得た。
樹脂(C)100重量部、及び1,3ジオキソラン30重量部と混合してワニスとした。厚さ80μmのEガラスクロスに含侵し、120℃で3分間乾燥しプリプレグ化した後、得られたプリプレグを4枚、離型処理したガラス板に挟み込み、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら250℃で2時間硬化させ、透明プラスチック複合シートを得た。
(1)線膨張係数
セイコー電子(株)製TMA/SS120C型熱応力歪測定装置を用いて、窒素雰囲気下、1分間に5℃の割合で温度を30℃から400℃まで上昇させて20分間保持し、30℃〜150℃の時の値を測定して求めた。荷重を5gにし、引張モードで測定を行った。測定は、独自に設計した石英引張チャック(材質:石英,線膨張係数0.5ppm)を用いた。一般に使われているインコネル製のチャックは、それ自体の線膨張が高いことやサンプルの支持形態に不具合があり、100μmを超える厚いシートに適用すると線膨張係数が圧縮モードで測定した結果よりも大きくなったり、測定ばらつきが大きくなる問題があった。したがって、石英引張チャックを独自に設計し、それを用いて線膨張係数を測定することにした。この引張チャックを用いることにより、圧縮モードで測定した場合とほぼ同様の値で測定できることを確認している。
(2)光線透過率
分光光度計U3200(日立製作所製)で850nmの直線光線透過率を測定した。
(3)Tg
動的粘弾性測定装置DMS210(セイコー電子工業製)を用い、30℃から300℃までの温度域を5℃/分の昇温速度で昇温させ、窒素雰囲気中で計測を行った。tanδピークの温度をTgとして計測した。
以上の結果を基にして、光プリント回路基板としての適性、特に透明性と熱膨張係数を評価した。透明性に関しては、直線透過率が40%以上であるものが適性があると判定した。また熱膨張係数に関しては、40ppm/℃よりも小さいものが適性があると判定した。
樹脂(A)の場合、得られたプリプレグを離型処理したガラス板に挟み込み真空プレス機を用いてプレス成形するときに、35μmの厚みの銅箔をプリプレグの両面に置いておくことにより、銅箔をラミネートした基板を得る。その後でエッチングにより回路パターンを形成して、光プリント回路基板を得た。
樹脂(B)の場合は、上記の方法で一旦樹脂板を得た後に、熱硬化性の接着剤を塗布した35μm厚の銅箔を、ラミネーターを用いてラミネートした後に接着剤を加熱硬化させることで銅箔をラミネートした基板を得る。その後でエッチングにより回路パターンを形成して、24mm角の光プリント回路基板を得た。
この回路基板の中央部に、10mm角の模擬素子を銀ペーストで実装し、さらに半導体封止樹脂のEME−7730を用いてその上からトランスファ成形を行い、24mm角のBGAパッケージを得た。成形条件は175℃で2分。ポストキュアは175℃4時間で行った。
得られたパッケージの反り量を、表面粗さ計を用いて計測した。
またBGAパッケージとしての適性としては、反り量が小さいほど実装性に問題が少ないと判断した。今回は反り量が700μm以下の場合は実装性に問題がないと判定した。
図4に示すマザーボードを試作した。なおここで図4は、光プリント回路基板をBGA基板として使用した半導体パッケージ(BGAパッケージ)を実装したマザーボードを示し、マザーボードにおける信号は光導波路を利用して光信号で通信する様子を示している。樹脂Aを用いて作成したBGA基板(実施例1のもの)に、面実装受光素子及び面実装発光素子をフェイスダウンで接続し、発光/受光素子からパッケージ外部へ配線を導いておく。マザーボード側の光導波路は石英製の光ファイバを利用し、マザーボード表面に光配線を形成した。ミラーにはガラス表面にアルミを蒸着したものを使用した。この実験で、光による信号の送信と受信が可能であることが証明された。
図5に示すマザーボードを試作した。なおここで図5は、光プリント回路基板をBGA基板として使用した半導体パッケージ(BGAパッケージ)を実装したマザーボードを示し、更にマザーボードとして光プリント配線板を使用し、マザーボードにおける信号はマザーボード中を光信号で通信する様子を示している。実施例8におけるマザーボードの代わりに下記の配合の光プリント回路基板を作成し使用した。樹脂Aを100重量部、粉体状無機充填剤(1)を100重量部、1.3ジオキソランを30重量部配合したワニスを作成し、それを厚さ80μmのNEガラスクロスに含侵し、120℃で3分間乾燥しプリプレグ化した後、得られたプリプレグを6枚、35μmの厚みの銅箔に挟み込み、真空プレス機を用いて30kg/cm2の圧力でプレスしながら250℃で2時間硬化させ、透明プラスチック複合シートを得た。これの表面をエッチング処理し、銅配線を作成し、マザーボードを作成した。石英製の光ファイバによる光導波路は使用しなかった。マイクロレンズは紫外線硬化性樹脂を利用して形成した。この実験でも、光による信号の送信と受信が可能であることを証明できた。
2 透明プラスチック複合シートによるBGA基板(光フ゜リント回路基板)
3 LSI
4 フェイスダウンでBGA基板に実装された受光素子及び/又は発光素子
5 半田ボール
11 半導体封止樹脂
12 透明プラスチック複合シートによるBGA基板(光フ゜リント回路基板)
13 LSI
14 フェイスダウンでBGA基板に実装された受光素子及び/又は発光素子
15 半田ボール
16 マザーボード
17 光導波路
18 光導波路中の光信号
21 半導体封止樹脂
22 透明プラスチック複合シートによるBGA基板(光フ゜リント回路基板)
23 LSI
24 フェイスダウンでBGA基板に実装された受光素子及び/又は発光素子
25 半田ボール
26 光プリント回路基板を利用したマザーボード
27 マザーボード内を通過する光信号
28 ミラー
29 マイクロレンズ
31 半導体封止樹脂
32 透明プラスチック複合シートによるBGA基板(光フ゜リント回路基板)
33 フェイスダウンでBGA基板に実装された面実装受光素子及びは発光素子
34 発光/受光素子からの信号を外部に取り出す電気配線
35 半田ボール
36 マザーボード
37 石英光ファイバによる光導波路
38 ミラー
39 光導波路中の光信号
41 半導体封止樹脂
42 透明プラスチック複合シートによるBGA基板(光フ゜リント回路基板)
43 フェイスダウンでBGA基板に実装された面実装受光素子及び発光素子
44 発光/受光素子からの信号を外部に取り出す電気配線
45 半田ボール
46 光プリント回路基板を利用したマザーボード
47 マザーボード内を通過する光信号
48 ミラー
49 マイクロレンズ
Claims (12)
- (a)硬化完了時のTgが150℃以上である硬化性樹脂と、(b)繊維状無機充填剤を必須成分とし、更に波長850nmの光線における直線光線透過率が40%以上であり、25℃〜130℃における熱膨張係数が40ppm/℃以下であることを特徴とする透明プラスチック複合シートを使用した光プリント回路基板。
- (a)硬化性樹脂がエポキシ樹脂である請求項1記載の光プリント回路基板。
- (a)硬化性樹脂が1分子中に2個以上の官能基を有する(メタ)アクリレートである請求項1記載の光プリント回路基板。
- 更に(c)粉体状無機充填剤を配合する事を特徴とする請求項1〜3何れか記載の光プリント回路基板。
- (a)硬化性樹脂の動的粘弾性法によるTgが200℃以上である請求項1〜4の何れか記載の光プリント回路基板。
- (b)繊維状無機充填剤が、ガラスクロスである請求項1〜5の何れか記載の光プリント回路基板。
- 請求項1〜6の何れか記載の光プリント回路基板を支持体として使用した面実装型半導体パッケージ。
- 請求項1〜6の何れか記載の光プリント回路基板を支持体として使用したボールグリッドアレイ型半導体パッケージ。
- 実装されている素子の一部もしくは全部が受光素子及び/又は発光素子である請求項7又は8記載の半導体パッケージ。
- 前記受光素子及び/又は発光素子がフェイスダウン状態で実装されている請求項9記載の半導体半導体パッケージ。
- 請求項7〜10の何れか記載の半導体パッケージを利用したマザーボード。
- 配線の一部又は全部に光導波路を使用した請求項11記載のマザーボード。
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