JP5182227B2 - 光信号伝送用基板および電子機器 - Google Patents
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Description
しかし、基板に貫通孔を形成方法では、工程が増えることに加えて、光素子の位置合わせを行うのが困難であるといった問題があった。
また、本発明の別の目的は、上述したような光信号伝送用基板を用いることにより、性能の優れた電子機器を提供することにある。
(1)第1基板と、コア部とクラッド部とを有する光導波路層と、第2基板とがこの順に積層されてなる光信号伝送用基板であって、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方が実質的に透明な透明基板であって、前記第1基板と光導波路層との間に、前記コア部よりも屈折率の低い第1クラッド層を有するものであることを特徴とする光信号伝送用基板。
(2)前記透明基板は、前記コア部を伝送する光信号を、その機能を損なうこと無く有効に透過するものである上記(1)に記載の光信号伝送用基板。
(3)前記透明基板は、前記光信号が透過する際の光信号の減衰率が20%以下である上記(1)または(2)に記載の光信号伝送用基板。
(4)前記第1基板および前記第2基板の両方ともが前記透明基板である上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(5)前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方の基板の熱膨張係数が、30〜150℃で、40ppm以下である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(6)前記第1基板および前記第2基板の両方の熱膨張係数が、30〜150℃で、40ppm以下である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(7)前記透明基板は、ポリイミド樹脂フィルムである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(8)前記ポリイミド基板は、ポリイミド樹脂層と、接着層との少なくとも2層の積層構造で構成されている上記(7)に記載の光信号伝送用基板。
(9)前記ポリイミド基板の表面粗さRzは、1.0μm以下である上記(7)または(8)に記載の光信号伝送用基板。
(10)前記透明基板は、ガラス繊維に第1樹脂を有する樹脂組成物を含漬してなるものである上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(11)前記ガラス繊維の屈折率と、前記第1樹脂の屈折率との差が、0.01以下である上記(9)に記載の光信号伝送用基板。
(12)前記第1樹脂は、エポキシ樹脂である上記(10)または(11)に記載の光信号伝送用基板。
(13)前記樹脂組成物は、前記第1樹脂と前記ガラス繊維との屈折率差を調整するための第2樹脂を含有するものである上記(10)または(12)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(14)前記透明基板は、ガラス繊維に第1樹脂を有する樹脂組成物を含漬してなる基板の表面に接着層を設けてなるものである上記(10)または(13)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(15)前記第1基板および前記第2基板の屈折率が、前記コア部よりも低いものである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(16)前記第2基板と光導波路層との間に、前記コア部よりも屈折率の低い第2クラッド層を有するものである上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(17)前記第1基板の光導波路が積層される面と反対側の面には、導体層が設けられているものである上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(18)前記第2基板の光導波路が積層される面と反対側の面には、導体層が設けられているものである上記(1)ないし(17)のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
(19)上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の光信号伝送用基板を備えたことを特徴とする電子機器。
また、本発明の別の目的は、上述したような光信号伝送用基板を用いることにより、性能の優れた電子機器を得ることができる。
本発明の光信号伝送用基板は、第1基板と、コア部とクラッド部とを有する光導波路層と、第2基板とがこの順に積層されてなる光信号伝送用基板であって、前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方が実質的に透明な基板であることを特徴とする。
また、本発明の電子機器は、上記に記載の光信号伝送用基板を備えたことを特徴とする。
まず、光信号伝送用基板について、好適な図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示す光信号伝送用基板100は、第1基板1と、光導波路層2と、第2基板3とがこの順に積層されている。
光導波路層2は、クラッド層21と、コア層22と、クラッド層23とがこの順に積層されている。
また、コア層22は、図2に示すように光信号を伝送するコア部221と、コア部の側面に配置され、コア部221よりも屈折率が低いクラッド部222とが形成されている。
このように、コア部221は、側面をクラッド部222で、上下面をクラッド層21および23で囲まれているので、コア部221に進入した光信号がコア部221内部で全反射を繰り返して、所定の方向に伝送されることになる。
前記減衰率の測定は、前記各基板について島津製作所株式会社製UV−3000を用い、波長300〜1600nmの領域で光減衰率を測定した。ここで、光信号の波長としては具体的に850nm、1060nm、1310nm等が挙げられ、これらの波長に対する減衰率が20%以下であることが好ましい。
実質的に透明な第1基板1を得るためには、ガラス繊維の屈折率と、第1樹脂の屈折率との差が、0.01以下であることが好ましく、特に0.005以下であることが好ましい。差が前記範囲内であると、特に第1基板1内部での光の直進性に優れる。
また、ガラス繊維を構成するガラスは、特に限定されないが、例えばEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス等が挙げられる。これらの中でもEガラス、TガラスおよびSガラスから選ばれる1種以上のガラスが好ましい。これにより、ガラス繊維基材の高弾性化を達成することができ、熱膨張係数も小さくすることができ
なお、光硬化する場合は必要に応じて硬化反応を促進させるため増感剤、酸増殖剤等もあわせて用いることが可能である。
これらの樹脂の併用割合を制御することにより、任意の屈折率に調整することができる。
また、前記樹脂組成物には、柔軟性付与するなどのため、所望の特性を損なうことのない範囲で、単官能のエポキシ化合物を併用してもよい。この場合、樹脂全体の屈折率をガラス繊維の屈折率に合うように配合量を調整する。
前記接着層としては、例えばアクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤、シリコーン系接着剤の他、各種ホットメルト接着剤(ポリエステル系、変性オレフィン系)等が挙げられる。また、特に耐熱性の高いものとして、ポリイミド、ポリイミドアミド、ポリイミドアミドエーテル、ポリエステルイミド、ポリイミドエーテル等の熱可塑性ポリイミド接着剤で構成されるものが挙げられる。
一方、光信号伝送用基板に可撓性が要求されない場合には、第1基板1の厚さは、10〜200μmが好ましく、特に20〜100μmが好ましい。
クラッド層21およびクラッド層23は、コア部21よりも屈折率が低いものであれば特に限定されない。
クラッド層21、23を構成する材料として、具体的にはアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリシラン、ポリシラザン、また、ベンゾシクロブテン系樹脂やノルボルネン系樹脂等の環状オレフィン系樹脂のような各種樹脂材料が挙げられる。
これらの中でもエポキシ樹脂、ノルボルネン樹脂が好ましい。これにより、密着性、透明性、耐熱性を向上することができる。
また、コア層22を形成するためのフィルムに紫外線等の活性エネルギ線を照射することにより、フィルム中に構造変調を生じさせコア部221と、クラッド部222とを形成する方法の場合、フィルムを構成する材料として、活性エネルギ線の照射により、照射部の構造が変化するものを選択する必要がある。このように活性エネルギ線の照射により構造が変化するものとしては、照射により分子の一部が脱離するようなもの、照射により重合反応が開始するもの等が挙げられる。具体的には、ポリシラン(例:ポリメチルフェニルシラン)、ポリシラザン(例:ペルヒドロポリシラザン)等のシラン系樹脂や、前述したような構造変化を伴う材料のベースとなる樹脂としては、分子の側鎖または末端に官能基を有する以下の(1)〜(6)のような樹脂が挙げられる。(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエンとの共重合体およびノルボルネン型モノマーと非共役ジエンと他のモノマーとの付加共重合体、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂等のノルボルネン系樹脂、その他、光硬化反応性モノマーを重合することにより得られるアクリル系樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、図示しないが光導波路層2には、コア部221に入射する光信号の進行方向を変えるための反射部(ミラー)またはコア部221を進行してきた光信号を出射するために光信号の進行方向を変えるための反射部(ミラー)を有していても良い。
なお、上述したような光信号伝送用基板100では、光導波路を内層に設けることができるので、それによって透明基板の表面を有効に活用できる。したがって、透明基板の素子実装密度を向上させることもできる。
次に、図3を用いて第2実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第2実施形態における光伝送用基板100は、第1基板1と、コア層22で構成される光導波路層2と、第2基板3とがこの順に積層されている。すなわち、第2実施形態では、光導波路層2にクラッド層を有していない点が第1実施形態とは異なっている。このため、第2実施形態における第1基板1および第2基板3は、第1実施形態におけるクラッド層を兼ねることになる。したがって、第1基板1および第2基板3は共に、実質的に透明な透明基板であり、かつコア部221よりも屈折率が低いものである必要がある。これにより、コア部221を伝送する光がクラッド部、第1基板1および第2基板3との間で全反射して、光信号の伝送が可能となっている。より具体的には、第1基板1および第2基板3のいずれもがコア部221を伝送する光の波長に対して実質的に透明であることが好ましい。
このような光信号伝送用基板100は、例えば第1基板1上に、コア層を形成するコア層形成用のワニスを塗布し、成膜した後、パターニングすることでコア部を形成した後、第2基板3を積層することで得ることができる。
このような平坦化剤としては、例えば、エポキシ基等の官能基を有する環状オレフィン系樹脂(特に、官能基を有するノルボルネン系樹脂)、多官能アクリレート、エポキシ樹脂等が挙げられる。
次に、図4を用いて第3実施形態について説明するが、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明する。
第3実施形態における光信号伝送用基板100では、第1基板1の光導波路層2が積層される面と反対側の面(図4中の上側の面)に導体層4が形成されており、第2基板3の光導波路層2が積層される面と反対側の面(図4中下側の面)に導体層4が形成されている。ここで導体層4としては、例えば銅箔、アルミ箔、ニッケル箔等の金属箔を挙げる事ができる。
この導体層4に回路パターンを形成し、光素子等を搭載することで光電気混載基板を得ることができる。
なお、図4に示す実施形態では、導体層4が両面に配置されているものについて説明したが、これに限定されず、どちらか一方の面のみに導体層4が配置されていても良い。
また、導体層4は、エッチング処理等により回路パターンが形成されているものであっても良い。
また、光導波路層2として、クラッド層を有していないものを用いても良い(図5)。
このような電子機器としては、具体的にはコンピューター、サーバー、携帯電話、ゲーム機器、メモリーテスター、外観検査ロボット等を挙げることができる。
・透明基板の作製
Tガラス系ガラスクロス(厚さ90μm、屈折率1.523、日東紡製)に水添ビフェニル型脂環式エポキシ樹脂(ダイセル化学工業性、E−BP)100重量部、芳香族スルホニウム系熱カチオン触媒(三新化学製SI−100L)1重量部を混合した樹脂組成物を含浸させ脱泡して、透明基板を得た。次に、この透明基板の両面を銅箔で挟んで80℃で2時間加熱後、250℃で更に2時間加熱し厚さ0.1mmの積層体を得た。
(1)単層の光導波路フィルムの調製
<ヘキシルノルボルネン(HxNB)/ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン(diPhNB)系コポリマーの合成>
HxNB(CAS番号:第22094−83−3番)(9.63g、0.054モル)、diPhNB(CAS番号:第376634−34−3番)(40.37g、0.126モル)、1−ヘキセン(4.54g、0.054モル)及びトルエン(150g)を、ドライボックス内の500mL容シーラムボトルに入れて混合し、さらにオイルバスにおいて80℃に加熱しながら撹拌して溶液とした。得られた溶液に、パラジウム重合触媒(Pd1446)(1.04×10−2g、7.20×10−6モル)及びN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(略称:DANFABA)(2.30×10−2g、2.88×10−5モル)を、それぞれ濃縮ジクロロメタン溶液(0.1mL)の形態で添加した。添加後の混合物を、マグネチックスターラで80℃において2時間撹拌した。その後、反応混合物(トルエン溶液)をより大きなビーカーに移し変え、これに貧溶媒であるメタノール(1L)を滴下すると、繊維状の白色固形分が沈殿した。沈殿した固形分をろ過して60℃のオーブン内で真空乾燥させたところ、乾燥質量19.0g(収率38%)の生成物が得られた。得られた生成物の分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC:THF溶媒、ポリスチレン換算)で測定したところ、質量平均分子量(Mw)は118,000であり、数平均分子量(Mn)は60,000であった。得られた生成物を1H−NMRで測定し、HxNB/diPhNB系コポリマー(x=0.32、y=0.68、n=5)であることを同定した。このコポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmにおいて、TEモードが1.5695、そしてTMモードが1.5681であった。
イエローライト下、上記HxNB/diPhNB系コポリマーをメシチレンに溶解して10質量%のコポリマー溶液(30g)を調製した。これとは別に、100mL容ガラス瓶に、HxNB(42.03g、0.24モル)及びビス−ノルボルネンメトキシジメチルシラン(SiX、CAS番号:第376609−87−9番)(7.97g、0.026モル)を入れ、さらに2種類の酸化防止剤[Ciba社製Irganox1076(0.5g)及びIrgafos168(0.125g)]を加えてモノマー酸化防止剤溶液を得た。上記のコポリマー溶液30.0gに、上記のモノマー酸化防止剤溶液3.0gと、Pd(PCy3)2(OAc)2(Pd785)(メチレンクロライド0.1mLあたり、4.95×10−4g、6.29×10−7モル)と、吸収極大波長220nmの光酸発生剤[RHODORSIL(登録商標)PHOTOINITIATOR 2074(CAS番号:第178233−72−2番)](メチレンクロライド0.1mLあたり、2.55×10−3g、2.51×10−6モル)とを加えて均一に溶解させた後、細孔径0.2μmのフィルターでろ過して光導波路形成用ワニスを調製した。
厚さ250μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムの上に、光導波路形成用ワニス10gを注ぎ、これをドクターブレードでほぼ一定の厚さになるように広げて光導波路形成用ワニスの塗膜を形成させた(乾燥前の厚さ70μm)。得られた塗膜をPETフィルムと共にホットプレート上に配置して50℃で45分間加熱することによりトルエンを蒸発させて厚さ50μmの乾燥塗膜を得た。得られた乾燥塗膜に、クラッド部に対応する所定の開口パターンを有するフォトマスクを通して、メタルハライドランプを用いて波長300nm未満又は365nm以下の紫外光を照射した(照射量500mJ/cm2)。照射後の塗膜をオーブンに入れ、最初に50℃で30分間、続いて85℃で30分間、その後150℃で60分間の加熱処理を施した。最初の50℃で10分間加熱した時点で、塗膜内の導波路パターンを目視で確認することができた(照射部がクラッド部、未照射部がコア部)。加熱処理後、塗膜をPETフィルムから剥離して光導波路フィルム(単層の光導波路フィルム)を得た。
<デシルノルボルネン(DeNB)/メチルグリシジルエーテルノルボルネン(AGENB)系コポリマーの合成>
DeNB(CAS番号:第22094−85−5番)(16.4g、0.07モル)、AGENB(CAS番号:第3188−75−8番)(5.41g、0.03モル)及びトルエン(58.0g)を、ドライボックス内の500mL容シーラムボトルに入れて混合し、さらにオイルバスにおいて80℃に加熱しながら撹拌して溶液とした。この溶液に、(η6−トルエン)Ni(C6F5)2(0.69g、0.0014モル)のトルエン溶液(5g)を添加した。添加後の混合物を、マグネチックスターラで室温において4時間撹拌した。その混合物に、トルエン(87.0g)を加えて激しく撹拌した。その後反応混合物(トルエン溶液)をより大きなビーカーに移し変え、これに貧溶媒であるメタノール(1L)を滴下すると、繊維状の白色固形分が沈殿した。固形分をろ過して集めて60℃のオーブン内で真空乾燥させたところ、乾燥質量17.00g(収率87%)の生成物が得られた。得られた生成物の分子量をGPC(THF溶媒、ポリスチレン換算)で測定したところ、Mwは75,000であり、Mnは30,000であった。得られた生成物を1H−NMRで測定し、DeNB/AGENB系コポリマー(x=0.77、y=0.23、n=10)であることを同定した。このコポリマーの屈折率をプリズムカップリング法で測定したところ、波長633nmにおいて、TEモードが1.5153、そしてTMモードが1.5151であった。
イエローライト下、上記コポリマー10gを脱水トルエンに溶解して20質量%のコポリマー溶液(50g)を調製した。この溶液に、2種類の酸化防止剤[Ciba社製Irganox1076(0.01g)及びIrgafos168(0.0025g)]と吸収極大波長335nmの第2の光酸発生剤(東洋インキ製造社製、商品名「TAG−382」)(0.2g)とを加えて均一に溶解させた後、細孔径0.2μmのフィルターでろ過してクラッド層形成用ワニスを調製した。
上記透明基板を水平台の上に配置し、クラッド用ワニス10gを注ぎ、ドクターブレードでほぼ一定の厚さになるように広げてクラッド用ワニスの塗膜を形成させた(乾燥前の厚み:30μm)。この塗膜をPETフィルムと共に乾燥機に入れて50℃で15分間加熱することによりトルエンを蒸発させて厚み20μmの乾燥塗膜を得た。
上記クラッドフィルム付透明基板(大きさ:20×20cm)に上記光導波路フィルム(大きさ:20×20cm)を1枚挟み込み、3層積層体を得た。得られた3層積層体を、120℃に設定されたラミネーターに投入して、0.5MPaの圧力下、5分間熱圧着させた。その後3層積層体を室温・常圧に戻した。次いで、高圧水銀ランプから紫外光を照射した(照射量:100mJ/cm2)。照射後の3層積層体を、放置することなく直ちに(放置時間0分)乾燥機に入れ、150℃で30分間加熱することにより、クラッドフィルム材料を硬化させ(クラッド層化)、光導波路と透明基盤との密着力強化を完了させて、光信号伝送用基板を得た。
得られた光信号伝送用基板の光損失を、レーザーダイオード又は面発光型レーザ(VCSEL)から発生させた光を、光ファイバーを通してコア部の一端から入力し、光信号伝送用基板中の光導波路を通り抜け、コア部の他端から出てきた光の出力を測定し、下記数式(F1)で表される総光損失を求めた。
総光損失(dB)=−10log(P1/P0) ・・・(F1)
上記式中、P1は第2のコア部の出口で測定された出力であり、P0は、光ファイバーを第1のコア部の一端に結合する前の光ファイバーの端部における光源の測定出力である。なお、光損失はそれぞれ2つ又は3つの試料について測定し、その平均値を算出した。その結果、光損失値は0.068dB/cmであった。
また、得られた光信号伝送用基板を、島津製作所株式会社製UV−3000を用い、波長850nmの領域で光減衰率を測定した結果、減衰率は15%以下であった。
1a 反対側の面
2 光導波路層
21 クラッド層
22 コア層
221 コア部
222 クラッド部
23 クラッド層
3 第2基板
4 導体層
100 光信号伝送用基板
Claims (19)
- 第1基板と、コア部とクラッド部とを有する光導波路層と、第2基板とがこの順に積層されてなる光信号伝送用基板であって、
前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方が実質的に透明な透明基板であって、前記第1基板と光導波路層との間に、前記コア部よりも屈折率の低い第1クラッド層を有するものであることを特徴とする光信号伝送用基板。 - 前記透明基板は、前記コア部を伝送する光信号を、その機能を損なうこと無く有効に透過するものである請求項1に記載の光信号伝送用基板。
- 前記透明基板は、前記光信号が透過する際の光信号の減衰率が20%以下である請求項1または2に記載の光信号伝送用基板。
- 前記第1基板および前記第2基板の両方ともが前記透明基板である請求項1ないし3のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記第1基板および前記第2基板の少なくとも一方の基板の熱膨張係数が、30〜150℃で、40ppm以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記第1基板および前記第2基板の両方の熱膨張係数が、30〜150℃で、40ppm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記透明基板は、ポリイミド樹脂フィルムである請求項1ないし6のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記ポリイミド基板は、ポリイミド樹脂層と、接着層との少なくとも2層の積層構造で構成されている請求項7に記載の光信号伝送用基板。
- 前記ポリイミド基板の表面粗さRzは、1.0μm以下である請求項7または8に記載の光信号伝送用基板。
- 前記透明基板は、ガラス繊維に第1樹脂を有する樹脂組成物を含漬してなるものである請求項1ないし6のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記ガラス繊維の屈折率と、前記第1樹脂の屈折率との差が、0.01以下である請求項9に記載の光信号伝送用基板。
- 前記第1樹脂は、エポキシ樹脂である請求項10または11に記載の光信号伝送用基板。
- 前記樹脂組成物は、前記第1樹脂と前記ガラス繊維との屈折率差を調整するための第2樹脂を含有するものである請求項10または12のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記透明基板は、ガラス繊維に第1樹脂を有する樹脂組成物を含漬してなる基板の表面に接着層を設けてなるものである請求項10または13のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記第1基板および前記第2基板の屈折率が、前記コア部よりも低いものである請求項1ないし14のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記第2基板と光導波路層との間に、前記コア部よりも屈折率の低い第2クラッド層を有するものである請求項1ないし15のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記第1基板の光導波路が積層される面と反対側の面には、導体層が設けられているものである請求項1ないし16のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 前記第2基板の光導波路が積層される面と反対側の面には、導体層が設けられているものである請求項1ないし17のいずれかに記載の光信号伝送用基板。
- 請求項1ないし18のいずれかに記載の光信号伝送用基板を備えたことを特徴とする電子機器。
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