WO2011125658A1 - 光導波路構造体および電子機器 - Google Patents

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Abstract

 本発明により、パターン形状の設計の自由度が広く、寸法精度の高いコア部(光路)を簡単な方法で形成することができ、また、可撓性および耐久性に優れる光導波路を備えた光導波路構造体、およびかかる光導波路構造体を備えた電子機器が提供される。本発明の一例を以下に挙げる。光導波路構造体(1)は、コア層(93)とクラッド層(91)、(92)とを積層してなる光導波路(9)と、可撓性を有する基板(2)と導体層(5)とを備える配線基板と、光導波路(9)の両端部に設けられた発光素子(3)および受光素子(4)とを有している。コア層(93)は、その層内に伝送光の光路を構成するコア部とクラッド部とを有し、コア部は、(A)環状オレフィン樹脂と、(B)前記(A)とは屈折率が異なり、かつ環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうちの少なくとも一方と、(C)光酸発生剤と、を含む組成物で構成されたコア層に対し光を選択的に照射することにより形成されたものである。

Description

光導波路構造体および電子機器
 本発明は、光導波路構造体および電子機器に関するものである。
 本願は、2010年4月6日に、日本に出願された特願2010-088097号、及び2010年4月7日に、日本に出願された特願2010-089047号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
 近年、光通信の分野における光部品として、光分岐結合器(光カプラ)、光合分波器等が開発されており、これらに用いる光導波路型素子が有望視されている。この光導波路型素子(以下、単に「光導波路」ともいう。)としては、従来の石英系光導波路の他、製造(パターニング)が容易で汎用性に富むポリマー系光導波路があり、最近では後者の開発が盛んに行われている。
 このような光導波路は、通常、基板上に所定の配置(パターン)で形成され、光導波路構造体として取り扱われる。この光導波路構造体としては、基板上に所定の電気配線回路と、コア部およびクラッド部で構成される光導波路とを形成し、さらにこの光導波路に発光素子および受光素子を取り付けたものが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
 しかしながら、上記特許文献1に記載の光導波路構造体では、次のような問題点がある。
1.光導波路の形成工程が複雑であり、伝送光の光路を構成するコア部のパターン形状の設計、選択の自由度が狭い。
2.コア部のパターン形状の精度や寸法精度が悪い。
3.光信号の伝送効率が低い。
4.電気配線パターンと組み合わせた場合に、該電気配線パターンの設計における自由度が狭い。
特開2004-146602号公報
 本発明の目的は、パターン形状の設計の自由度が広く、寸法精度の高いコア部(光路)を簡単な方法で形成することができ、また、可撓性および耐久性に優れる光導波路を備えた光導波路構造体、およびかかる光導波路構造体を備えた電子機器を提供することにある。
 また本発明の目的は、パターン形状の設計の自由度が広く、寸法精度の高いコア部(光路)を簡単な方法で形成することができ、また、発光素子や受光素子との光結合効率および耐久性に優れる光導波路を備えた光導波路構造体および電子機器を提供することにある。
 このような目的は、下記(1)~(75)の本発明により達成される。
 (1) 可撓性を有するフレキシブル基板と、その少なくとも一方の面に設けられ、電気配線が形成された導体層とを備える配線基板と、
 前記配線基板の一方の面側に設けられ、互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを備える光導波路と、を有し、
 前記コア部は、
(A)環状オレフィン樹脂と、
(B)前記(A)とは屈折率が異なり、かつ、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうちの少なくとも一方と、
(C)光酸発生剤と、
を含む組成物で構成されたコア層に対し活性放射線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されたものであることを特徴とする光導波路構造体。
 (2) 前記(B)の環状エーテル基は、オキセタニル基またはエポキシ基である上記(1)に記載の光導波路構造体。
 (3) 前記(A)の環状オレフィン樹脂は、ノルボルネン系樹脂である上記(1)または(2)に記載の光導波路構造体。
 (4) 前記(B)は、前記(A)よりも屈折率が低く、
 前記環状オレフィン樹脂は、前記(C)の光酸発生剤から発生する酸により脱離し、脱離により、前記(A)の屈折率を低下させる脱離性基を有するものである上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (5) 前記(A)の環状オレフィン樹脂は、側鎖に前記(C)の光酸発生剤から発生する酸により脱離する脱離性基を有し、
 前記(B)は、下記式(100)に記載の第1モノマーを含むものである上記(2)に記載の光導波路構造体。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000002
 (6) 前記(B)は、さらに、エポキシ化合物およびオキセタニル基を2つ有するオキセタン化合物のうち、少なくとも一方を第2モノマーとして含むものである上記(5)に記載の光導波路構造体。
 (7) 前記第2モノマーと前記第1モノマーとの割合は、重量比(前記第2モノマーの重量/前記第1モノマーの重量)で、0.1~1.0である上記(6)に記載の光導波路構造体。
 (8) 前記脱離性基は、-O-構造、-Si-アリール構造および-O-Si-構造のうちの少なくとも1つを有するものである上記(4)ないし(6)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (9) 前記(A)の環状オレフィン樹脂は、ノルボルネン系樹脂である上記(5)ないし(8)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (10) 前記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネンの付加重合体である上記(9)に記載の光導波路構造体。
 (11) 前記ノルボルネンの付加重合体は、下記式(101)に記載の繰り返し単位を有するものである上記(10)に記載の光導波路構造体。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000003
[式中のnは、0以上9以下の整数である。]
 (12) 前記ノルボルネンの付加重合体は、下記式(102)に記載の繰り返し単位を有するものである上記(10)または(11)に記載の光導波路構造体。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000004
 (13) 前記式(100)に記載の第1モノマーの含有量は、前記環状オレフィン樹脂100重量部に対して、1重量部以上50重量部以下である上記(5)ないし(12)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (14) 前記コア層の活性放射線が照射された領域と、未照射領域とで、前記(B)由来の構造体濃度が異なっている上記(1)ないし(13)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (15) 前記コア層の活性放射線が照射された領域と未照射領域の屈折率差が0.01以上である上記(1)ないし(14)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (16) 前記コア層の活性放射線が照射された領域を前記クラッド部の少なくとも一部とし、未照射領域を前記コア部の少なくとも一部とする上記(1)ないし(15)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (17) 前記光導波路は、細長い形状をなしており、
 前記光導波路は、その長手方向における1箇所または2箇所以上で、部分的に、前記配線基板に固定されている上記(1)ないし(16)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (18) 前記光導波路の固定は、接着剤によりなされている上記(17)に記載の光導波路構造体。
 (19) 前記光導波路は、細長い形状をなしており、
 前記光導波路は、その長手方向における2箇所以上で、部分的に、前記配線基板に固定されており、
 前記2箇所以上の固定箇所のうち、隣り合う固定箇所間において、前記光導波路は、撓むように設けられている上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (20) 前記配線基板は、前記配線基板を貫通する貫通孔を備えており、
 前記光導波路は、前記貫通孔に挿通されることにより、前記配線基板に部分的に固定されている上記(17)ないし(19)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (21) 前記貫通孔は、平面視において、前記光導波路の長手方向に沿った長軸を有する細長い形状をなしている上記(20)に記載の光導波路構造体。
 (22) 当該光導波路構造体において、前記配線基板の可撓性の大きい領域と前記光導波路とが、平面視で互いにずれている部分を有している上記(1)ないし(21)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (23) 前記配線基板は、相対的に可撓性の大きいリジッド部と、相対的に可撓性の小さいフレキシブル部とを有しており、
 前記光導波路が前記配線基板に固定されている箇所は、前記フレキシブル部に位置している上記(17)ないし(22)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (24) 前記配線基板は、細長い形状をなしており、かつ、その一部において、前記フレキシブル基板の一方の面側に設けられた硬質のリジッド基板を備えており、
 当該光導波路構造体は、前記リジッド基板が位置しているリジッド部と、それ以外の領域であるフレキシブル部とを有している上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (25) 前記フレキシブル部を複数有しており、
 複数の前記フレキシブル部のうち、一部のフレキシブル部は、前記光導波路のみで構成されている上記(24)に記載の光導波路構造体。
 (26) 前記リジッド部は、その内部に設けられた、光信号が通過可能な光信号通過領域を有しており、
 前記光信号通過領域の一端と、前記光導波路とが光学的に接続されるよう構成されている上記(24)または(25)に記載の光導波路構造体。
 (27) 前記光信号通過領域は、前記リジッド部を厚さ方向に貫通するよう設けられている上記(26)に記載の光導波路構造体。
 (28) 前記配線基板上に載置された、受光部を有する受光素子と、発光部を有する発光素子とを有し、
 前記受光部および前記発光部と、前記光導波路とが、それぞれ光学的に接続されている上記(1)ないし(23)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (29) 前記光導波路を複数有しており、
 前記光導波路ごとに、前記受光素子と前記発光素子とを有している上記(28)に記載の光導波路構造体。
 (30) 前記受光素子と前記光導波路との接続部、および、前記発光素子と前記光導波路との接続部が、それぞれ樹脂モールドにより覆われている上記(28)または(29)に記載の光導波路構造体。
 (31) 前記受光素子と、前記受光素子の動作を制御する受光用電気素子と、前記電気配線のうち、前記受光素子と前記受光用電気素子とを接続する一部と、を備える受光回路と、
 前記発光素子と、前記発光素子の動作を制御する発光用電気素子と、前記電気配線のうち、前記発光素子と前記発光用電気素子とを接続する一部と、を備える発光回路と、を有している上記(28)ないし(30)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (32) 前記発光素子、前記受光素子、前記受光用電気素子および前記発光用電気素子は、それぞれ樹脂モールドにより覆われている上記(31)に記載の光導波路構造体。
 (33) 前記受光回路は、前記フレキシブル基板の一端部に設けられ、前記発光回路は、前記フレキシブル基板の他端部に設けられており、
 前記電気配線のうち、前記受光回路と前記発光回路とに含まれるもの以外の少なくとも一部を第1の電気配線としたとき、該第1の電気配線は、前記フレキシブル基板の一端部から他端部まで配されている上記(31)または(32)に記載の光導波路構造体。
 (34) 前記第1の電気配線は、前記受光回路および前記発光回路と電気的に分離されている上記(33)に記載の光導波路構造体。
 (35) 前記フレキシブル基板の一端部に設けられ、前記受光回路を外部と接続するための外部接続端子および前記第1の電気配線を外部と接続するための外部接続端子を備える第1の端子部と、
 前記フレキシブル基板の他端部に設けられ、前記発光回路を外部と接続するための外部接続端子および前記第1の電気配線を外部と接続するための外部接続端子を備える第2の端子部と、を有している上記(33)または(34)に記載の光導波路構造体。
 (36) 前記電気配線は、前記発光回路および前記受光回路と前記外部接続端子との間を接続する第2の電気配線を含んでいる上記(35)に記載の光導波路構造体。
 (37) 前記光導波路、前記受光回路、前記発光回路および前記外部接続端子は、直線状に配置されている上記(35)または(36)に記載の光導波路構造体。
 (38) 前記配線基板は、細長い形状をなしており、
 前記外部接続端子は、前記配線基板の長手方向に沿って配列している複数のパッドを有している上記(35)ないし(37)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (39) 前記配線基板は、細長い形状をなしており、
 前記外部接続端子は、前記配線基板の幅方向に沿って配列している複数のパッドを有している上記(35)ないし(37)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (40) 前記配線基板は、複数枚の前記フレキシブル基板と、複数層の前記導体層とを交互に積層してなる多層基板である上記(1)ないし(39)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (41) 上記(1)ないし(40)のいずれかに記載の光導波路構造体を備えたことを特徴とする電子機器。
 (42) 互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを備える光導波路を有し、
 前記コア部は、一方の端部に向かって横断面積が連続的に大きくなる拡張部分を有するものであり、かつ、
(A)環状オレフィン樹脂と、
(B)前記(A)とは屈折率が異なり、かつ、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうちの少なくとも一方と、
(C)光酸発生剤と、
を含む組成物で構成されたコア層に対し活性放射線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されたものであることを特徴とする光導波路構造体。
 (43) 前記(B)の環状エーテル基は、オキセタニル基またはエポキシ基である上記(42)に記載の光導波路構造体。
 (44) 前記(A)の環状オレフィン樹脂は、ノルボルネン系樹脂である上記(42)または(43)に記載の光導波路構造体。
 (45) 前記(B)は、前記(A)よりも屈折率が低く、
 前記環状オレフィン樹脂は、前記(C)の光酸発生剤から発生する酸により脱離し、脱離により、前記(A)の屈折率を低下させる脱離性基を有するものである上記(42)ないし(44)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (46) 前記(A)の環状オレフィン樹脂は、側鎖に前記(C)の光酸発生剤から発生する酸により脱離する脱離性基を有し、
 前記(B)は、下記式(100)に記載の第1モノマーを含むものである上記(43)に記載の光導波路構造体。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000005
 (47) 前記(B)は、さらに、エポキシ化合物およびオキセタニル基を2つ有するオキセタン化合物のうち、少なくとも一方を第2モノマーとして含むものである上記(46)に記載の光導波路構造体。
 (48) 前記第2モノマーと前記第1モノマーとの割合は、重量比(前記第2モノマーの重量/前記第1モノマーの重量)で、0.1~1.0である上記(47)に記載の光導波路構造体。
 (49) 前記脱離性基は、-O-構造、-Si-アリール構造および-O-Si-構造のうちの少なくとも1つを有するものである上記(45)ないし(47)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (50) 前記(A)の環状オレフィン樹脂は、ノルボルネン系樹脂である上記(46)ないし(49)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (51) 前記ノルボルネン系樹脂は、ノルボルネンの付加重合体である上記(50)に記載の光導波路構造体。
 (52) 前記ノルボルネンの付加重合体は、下記式(101)に記載の繰り返し単位を有するものである上記(51)に記載の光導波路構造体。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000006
[式中のnは、0以上9以下の整数である。]
 (53) 前記ノルボルネンの付加重合体は、下記式(102)に記載の繰り返し単位を有するものである上記(51)または(52)に記載の光導波路構造体。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000007
 (54) 前記式(100)に記載の第1モノマーの含有量は、前記環状オレフィン樹脂100重量部に対して、1重量部以上50重量部以下である上記(46)ないし(53)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (55) 前記コア層の活性放射線が照射された領域と、未照射領域とで、前記(B)由来の構造体濃度が異なっている上記(42)ないし(54)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (56) 前記コア層の活性放射線が照射された領域と未照射領域の屈折率差が0.01以上である上記(42)ないし(55)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (57) 前記コア層の活性放射線が照射された領域を前記クラッド部の少なくとも一部とし、未照射領域を前記コア部の少なくとも一部とする上記(42)ないし(56)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (58) 前記拡張部分において、前記光導波路の一方の端部に向かって、前記コア部の平面視における幅が連続的に大きくなっている上記(42)ないし(57)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (59) 前記拡張部分において、前記光導波路の一方の端部に向かって、前記コア部の厚さが連続的に大きくなっている上記(42)ないし(58)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (60) 前記拡張部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記光導波路の一方の端部に向かって開いた放物線に沿うよう形成されている上記(42)ないし(59)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (61) 前記拡張部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線または厚さ方向における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記コア部の前記一方の端部の端面に対して45度以上90度未満の角度をなしている上記(42)ないし(60)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (62) 前記コア部は、前記一方の端部の端面の面積が、前記他方の端部の端面の面積より大きくなっている上記(42)ないし(61)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (63) 前記コア部の前記一方の最端部の平面視における幅が、前記他方の最端部の平面視における幅より大きくなっている上記(42)ないし(62)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (64) 前記コア部の前記一方の最端部の厚さが、前記他方の最端部の厚さより厚くなっている上記(42)ないし(63)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (65) 前記コア部は、さらに、前記拡張部分より他方の端部側に設けられ、他方の端部に向かって横断面積が連続的に小さくなる縮小部分を有している上記(42)ないし(64)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (66) 前記縮小部分において、前記光導波路の他方の端部に向かって、前記コア部の平面視における幅が連続的に小さくなっている上記(65)に記載の光導波路構造体。
 (67) 前記縮小部分において、前記光導波路の他方の端部に向かって、前記コア部の厚さが連続的に小さくなっている上記(65)または(66)に記載の光導波路構造体。
 (68) 前記縮小部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記光導波路の一方の端部に向かって開いた放物線に沿うよう形成されている上記(65)ないし(67)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (69) 前記縮小部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線または厚さ方向における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記コア部の前記一方の端部の端面に対して45度以上90度未満の角度をなしている上記(65)ないし(68)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (70) 前記光導波路は、複数の前記コア部を備えている上記(42)ないし(69)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (71) 前記複数のコア部は、並列して設けられており、
 前記複数のコア部のうち、隣り合う少なくとも2つは、一方の端部の位置および他方の端部の位置の少なくともいずれかが互いに長手方向にずれている上記(70)に記載の光導波路構造体。
 (72) 前記複数のコア部のうち、隣り合う少なくとも2つにおいて、前記一方の端部の位置と、前記他方の端部の位置とが、互いに反対の位置になるよう構成されている上記(70)または(71)に記載の光導波路構造体。
 (73) 前記光導波路は、光路を屈曲させる光路変換部を有しており、
 前記光路変換部は、外部からの光を屈曲させ前記コア部に導く、または、前記コア部を伝搬してきた光を屈曲させ外部に導くよう構成されている上記(42)ないし(72)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (74) さらに、前記光導波路の少なくとも一方の面に設けられ、基板と、その少なくとも一方の面に設けられ、電気配線が形成された導体層とを備える配線基板を有している上記(42)ないし(73)のいずれかに記載の光導波路構造体。
 (75) 上記(42)ないし(74)のいずれかに記載の光導波路構造体を備えたことを特徴とする電子機器。
 本発明によれば、光の照射という簡単な方法でコア部のパターニングをすることができ、コア部のパターン形状の設計の自由度が広く、しかも寸法精度の高いコア部が得られる。
 また、コア部の寸法精度が高いので、発光素子や受光素子に対して、優れた光結合効率を有する光導波路が得られる。
 また、コア部をノルボルネン系樹脂(環状オレフィン系樹脂)を主とする樹脂組成物で構成した場合には、前記変形に対し特に強く欠陥が生じ難いという効果が高い他、コア部とクラッド部との屈折率の差をより大きくすることができ、しかも、耐熱性に優れ、その結果、より高性能で耐久性に優れる光導波路が得られる。
 また、電気回路、光回路ともに、形成が容易で、種々の形状のものを寸法精度よく形成することができる。特に、光回路については、露光パターンの選択により、どのような形状や配置の光路(コア部)でも形成することができ、また、細い光路でもシャープに形成することができるので、回路の集積化に寄与し、デバイスの小型化が図られる。
 このような本発明の光導波路構造体は、光回路(光導波路のパターン)や電気回路の設計の幅が広く、歩留まりが高く、光伝送性能を高く維持し、信頼性、耐久性に優れ、汎用性に富む。そのため、本発明の光導波路構造体を備えることにより、信頼性の高い種々の電子部品および電子機器が得られる。
本発明の光導波路構造体の第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す光導波路の斜視図である。 本発明の光導波路構造体の第1実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第2実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第3実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第4実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第5実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第6実施形態を示す断面図である。 図8に示す光導波路構造体を中央付近で折り曲げた状態を説明するための図である。 本発明の光導波路構造体の第7実施形態を示す断面図である。 図10に示す光導波路構造体の平面図である。 本発明の光導波路構造体の第8実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第9実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第10実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第11実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第11実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第12実施形態を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第13実施形態を示す断面図である。 光導波路の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 光導波路の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 光導波路の製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 実施例における曲げ損失の測定方法を模式的に示す図である。 本発明の光導波路構造体の第14実施形態を示す断面図である。 図23に示す光導波路の斜視図である。 図23に示す光導波路のコア層を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第15実施形態のコア層を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第16実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第17実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第18実施形態を示す断面図である。 本発明の光導波路構造体の第18実施形態のコア層を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第19実施形態のコア層を示す平面図である。 本発明の光導波路構造体の第19実施形態を示す平面図である。 光導波路の第1製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 光導波路の第1製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 光導波路の第1製造方法の工程例を模式的に示す断面図である。 光導波路の第2製造方法の工程例を模式的に示す斜視図である。 光導波路の第2製造方法の工程例を模式的に示す斜視図である。 光導波路の第2製造方法の工程例を模式的に示す斜視図である。 実施例における曲げ損失の測定方法を模式的に示す図である。
 以下、本発明の光導波路構造体および電子機器について添付図面に示す好適実施形態に基づき詳細に説明する。
<第1実施形態:図1~3>
 図1は、本発明の光導波路構造体の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す光導波路の斜視図、図3は、本発明の光導波路構造体の第1実施形態を示す平面図である。なお、以下の説明では、図1中の上側を「上」とし、下側を「下」とする。また、図1、2は、層の厚さ方向(各図の上下方向)が誇張して描かれている。
 図1に示すように、本発明の光導波路構造体1は、基板2と、基板2の下面に設けられた導体層5と、基板2上に設けられた発光素子3および受光素子4と、発光素子3の発光部31と受光素子4の受光部41との間に設けられた光導波路9とを備えている。
 光導波路9は、図2中下側からクラッド層(下側クラッド層)91、コア層93およびクラッド層(上側クラッド層)92をこの順に積層してなるものであり、コア層93には、所定パターンのコア部94とクラッド部95とが形成されている。コア部94は、伝送光の光路を形成する部分であり、クラッド部95は、コア層93に形成されているものの伝送光の光路を形成せず、クラッド層91、92と同様の機能を果たす部分である。
 コア層93の構成材料としては、光(例えば紫外線)の照射により、あるいはさらに加熱することにより屈折率が変化する材料とされる。このような材料の好ましい例としては、ベンゾシクロブテン系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー(樹脂)等の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とするものが挙げられ、ノルボルネン系ポリマーを含む(主材料とする)ものが特に好ましい。
 このような材料で構成されたコア層93は、曲げ等の変形に対する耐性に優れ、特に繰り返し湾曲変形した場合でも、コア部94とクラッド部95との剥離や、コア層93と隣接する層(クラッド層91、92)との層間剥離が生じ難く、コア部94内やクラッド部95内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路9の光伝送性能が維持され、耐久性に優れた光導波路9が得られる。
 また、コア層93の構成材料には、例えば、酸化防止剤、屈折率調整剤、可塑剤、増粘剤、補強剤、増感剤、レベリング剤、消泡剤、密着助剤および難燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。酸化防止剤の添加は、高温安定性の向上、耐候性の向上、光劣化の抑制という効果がある。このような酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリフェノール系等のフェノール系や、芳香族アミン系のものが挙げられる。また、可塑剤、増粘剤、補強剤の添加により、曲げに対する耐性をさらに増大させることもできる。
 前記酸化防止剤に代表される添加剤の含有率(2種以上の場合は合計)は、コア層93の構成材料全体に対し、0.5~40重量%程度が好ましく、3~30重量%程度がより好ましい。この量が少なすぎると、添加剤の機能を十分に発揮することができず、量が多すぎると、添加剤の種類や特性によっては、コア部94を伝送する光(伝送光)の透過率の低下、パターニング不良、屈折率不安定等を生じるおそれがある。
 コア層93の形成方法としては、塗布法が挙げられる。塗布法としては、コア層形成用組成物(ワニス等)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法が挙げられる。また、塗布法以外の方法、例えば、別途製造されたシート材を接合する方法を採用することもできる。
 以上のようにして得られたコア層93に対し、マスクを用いて光(活性放射線)を選択的に照射し、所望の形状のコア部94をパターニングする。
 露光に用いる光としては、可視光、紫外光、赤外光、レーザー光等の活性エネルギー光線が挙げられる。また、光を用いるのではなく、X線等の電磁波や、電子線等の粒子線を用いるようにしてもよい。
 コア層93において、光が照射された部位は、その屈折率が低下し、光が照射されなかった部位との間で屈折率の差が生じる。例えば、コア層93の光が照射された部位がクラッド部95となり、照射されなかった部位がコア部94となる。クラッド部95の屈折率は、クラッド層91、92の屈折率とほぼ等しい。
 また、コア層93に対し光を所定のパターンで照射した後、加熱することにより、コア部94を形成する場合もある。この加熱工程を付加することにより、コア部94とクラッド部95との屈折率の差がより大きくなるので好ましい。なお、この原理等については、後に詳述する。
 形成されるコア部94のパターン形状としては、特に限定されず、直線状、湾曲部を有する形状、異形、光路の分岐部、合流部または交差部を有する形状、集光部(幅等が減少している部分)または光拡散部(幅等が増大している部分)、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせた形状等、いかなるものでもよい。光の照射パターンの設定により、いかなる形状のコア部94をも容易に形成することができる点が、本発明の特徴である。
 光導波路9の各部の構成材料およびコア部94の形成方法等については、後に詳述する。
 基板2は、可撓性および絶縁性を有するフレキシブル基板である。
 基板2の構成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、トリアゾール樹脂、ポリシアヌレート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンザオキサゾール樹脂、ノルボルネン樹脂等が挙げられる。また、これらの材料は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
 また、基板2は、複数の層の積層体であってもよい。例えば、組成(種類)が同じ樹脂材料からなる第1の層と第2の層とを積層したもの、それぞれ組成(種類)が異なる樹脂材料からなる第1の層と第2の層とを積層したものが挙げられる。なお、積層体における層構成は、これに限定されないことは言うまでもない。
 基板2の厚さは、特に限定されないが、通常、5~50μm程度であるのが好ましく、10~40μm程度であるのがより好ましい。基板2の厚さが前記範囲内であれば、光導波路構造体1は十分な可撓性を有するものとなる。
 基板2が有する可撓性は、例えば人の手で容易に屈曲させることができる程度のものである。具体的には、基板2のヤング率(引張弾性率)は、一般的な室温環境下(20~25℃前後)で1~20GPa程度であるのが好ましく、2~12GPa程度であるのがより好ましい。
 基板2の下面に接合された導体層5は、それぞれ、所定の形状にパターニングされて、所望の配線または回路を構成している。導体層5の構成材料としては、例えば、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料が挙げられる。導体層5の厚さは、特に限定されないが、通常、3~120μm程度が好ましく、5~70μm程度がより好ましい。
 導体層5は、例えば、金属箔の接合(接着)、金属メッキ、蒸着、スパッタリング等の方法により形成されたものである。導体層5へのパターニングは、例えばエッチング、印刷、マスキング等の方法を用いることができる。
 一方、基板2には、貫通孔21が形成されており、貫通孔21内には導電材料(例えば、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料)が充填され、導体ポスト22が設けられている。この導体ポスト22は、導体層5と基板2の上面側とを電気的に接続している。
 発光素子3は、基台30と、基台30の表面に固定された発光部31と、発光部31の電極パッドと基台30の電極パッドとを接続する金属ワイヤ32と、基台30の下面に設けられ、発光部31を外部回路と接続するための外部電極33とを有している。また、発光部31および金属ワイヤ32は、基台30の表面に半球状に盛られた樹脂モールド34で覆われている。
 外部電極33に通電がなされると、発光部31が発光する。
 発光素子3は、外部電極33が導体ポスト22に接合(電気的に接続)されるようにして基板2上に搭載されている。
 一方、受光素子4は、基台40と、基台40の表面に固定された受光部41と、受光部41の電極パッドと基台40の電極パッドとを接続する金属ワイヤ42と、基台40の下面に設けられ、受光部41を外部回路と接続するための外部電極43とを有している。また、受光部41および金属ワイヤ42は、基台40の表面に半球状に盛られた樹脂モールド44で覆われている。
 受光部41が光信号を受光すると、電気信号に変換され、外部電極43から出力される。
 受光素子4は、外部電極43が導体ポスト22に接合(電気的に接続)されるようにして基板2上に搭載されている。
 なお、発光素子3における発光部31および受光素子4における受光部41は、それぞれ1つの発光点または1つの受光点で構成されているものの他、発光点または受光点が複数個集合したものでもよい。発光点または受光点が複数個集合したものとしては、例えば、発光点または受光点が列状(例えば発光点または受光点が1×4個、1×12個)または行列状(例えば発光点または受光点がn×m個:n、mは2以上の整数)に配置されたものや、複数の発光点または受光点がランダム(不規則)に配置されたもの等が挙げられる。
 樹脂モールド34は、発光素子3の基台30の右側において、発光部31等を封止している。これにより、発光部31が外部に露出することなく封止された構造となるため、汚れ、損傷、酸化等から発光部31が保護される。その結果、発光素子3の信頼性が向上する。
 また、樹脂モールド44は、受光素子4の基台40の左側において、受光部41等を封止している。これにより、受光部41が外部に露出することなく封止された構造となるため、汚れ、損傷、酸化等から受光部41が保護される。その結果、受光素子4の信頼性が向上する。
 また、樹脂モールド34、44の構成材料としては、絶縁性を有する樹脂材料が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノルボルネン樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
 光導波路9は、発光部31の発光点と、受光部41の受光点とを結ぶように、発光素子3と受光素子4との間に設けられている。これにより、発光点と受光点とが光導波路9により光学的に接続されている。
 光導波路9のコア部94は、平面視で(図1の上方から見たとき)各発光点や各受光点と重なるようなパターン形状で形成されている。このコア部94は、クラッド部95に比べて屈折率が高く、また、クラッド層91、92に対しても屈折率が高い。クラッド層91および92は、それぞれ、コア部94の下部および上部に位置するクラッド部を構成するものである。このような構成により、コア部94は、図2に示すように、その外周の全周をクラッド部に囲まれた導光路として機能する。
 光導波路9の両端部(発光素子3および受光素子4との接続部)は、発光素子3に設けられた樹脂モールド34および受光素子4に設けられた樹脂モールド44で覆われており、発光素子3および受光素子4に固定されている。これにより、光導波路9、発光素子3および受光素子4は、一体化され、1つの部品(光配線)として取り扱うことが可能になる。
 なお、図2に示す光導波路9は、1つのコア部94を有するものであるが、1つの光導波路9に形成されるコア部94の数は、例えば、1つの発光部31に設けられる発光点の個数や、1つの受光部41に設けられる受光点の数に応じて設定され、特に限定されるものではない。
 本実施形態の光導波路構造体1では、導体層5および導体ポスト22を介して発光素子3の外部電極33へ通電がなされると、発光部31の発光点が発光し、図1中右方へ向かって発せられた光は、光導波路9のコア部94に入る。光導波路9では、コア部94とクラッド部(クラッド層91、92および側方のクラッド部95)との界面で反射を繰り返しながら、コア部94内をその長手方向(図1中右方向)に沿って進む。そして、受光部41の受光点に光が到達すると、受光部41において光信号が電気信号へと変換され、外部電極43から出力される。
 このような光導波路構造体1は、後に詳述するが、光導波路9が高分子材料で構成されているため可撓性を有し、かつ、基板2も可撓性を有するフレキシブル基板であるため、光導波路構造体1全体も優れた可撓性を有するものとなる。その結果、例えば折り曲げ操作を繰り返したとしても、破壊することがなく、耐久性に優れた光導波路構造体1が得られる。
 また、光導波路9と基板2とは、直接固定されていないので、折り曲げ操作をした際に、光導波路9と基板2とが自由に動くことができる。その結果、局所的な応力集中が防止され、折り曲げ操作に伴う光導波路9の破壊をより確実に防止することができる。
<第2実施形態:図4>
 図4には、本発明の光導波路構造体1の第2実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図4は、第2実施形態の平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、光導波路9、発光素子3および受光素子4の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、1つの基板2上にそれぞれ3つずつの光導波路9、発光素子3および受光素子4が設けられている。これにより、並行して3つの光導波路9で光通信を行うことができるので、光導波路構造体1の光通信の大容量化が可能になる。また、光導波路9、発光素子3および受光素子4は、一体化され、1つの部品(光配線)として取り扱うことができるので、基板2上に搭載する光配線の本数を適宜変更することのみで、光導波路構造体1における光通信の容量を容易に変更することができる。
<第3実施形態:図5>
 図5には、本発明の光導波路構造体1の第3実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図5は、第3実施形態の平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、光導波路9、発光素子3および受光素子4の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、1つの基板2上に3つの光導波路9と、発光点が3つある発光部31を備えた発光素子3と、受光点が3つある受光部41を備えた受光素子4とが設けられている。これにより、並行して3つの光導波路9で光通信を行うことができるので、光導波路構造体1の光通信の大容量化が可能になる。また、3つの光導波路9、発光素子3および受光素子4は、一体化され、1つの部品(光配線)として取り扱うことができる。このため、基板2上に搭載する作業が容易になり、光導波路構造体1の製造が容易になる。
<第4実施形態:図6>
 図6には、本発明の光導波路構造体1の第4実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図6は、第4実施形態の平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、光導波路9、発光素子3および受光素子4の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、1つの基板2上に3つのコア部94が形成された1つの光導波路9と、発光点が3つある発光部31を備えた発光素子3と、受光点が3つある受光部41を備えた受光素子4とが設けられている。これにより、並行して3つの光導波路9で光通信を行うことができるので、光導波路構造体1の光通信の大容量化が可能になる。また、光導波路9、発光素子3および受光素子4は、一体化され、1つの部品(光配線)として取り扱うことができる。このため、基板2上に搭載する作業が容易になり、光導波路構造体1の製造が容易になる。
<第5実施形態:図7>
 図7には、それぞれ、本発明の光導波路構造体1の第5実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図7は、第5実施形態の断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、光導波路9の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、光導波路9は、細長い形状をなしているが、その長手方向における中心から左側にずれた点と、右側にずれた点の2箇所で、基板2に対して部分的に固定されている。このようにして部分的に固定することにより、光導波路9と基板2との間は、固定箇所で拘束されるものの、それ以外の箇所では拘束されないこととなる。このような光導波路構造体1では、光導波路9および基板が、互いに比較的自由に変形することができるので、変形に伴って両者の間に生じる応力集中が緩和され易い。
 例えば光導波路構造体1をその長手方向の中心で折り曲げた際には、折り曲げ部の内側に位置するかあるいは外側に位置するかによって、基板2と光導波路9との間に位置ずれが生じるが、光導波路構造体1の長手方向の中心付近では基板2と光導波路9とが拘束されていないので、前記位置ずれを容易に許容することができる。その結果、位置ずれに伴う応力が部分的に集中するのが防止され、折り曲げに伴って光導波路構造体1が破壊されるのを防止することができる。
 図7に示す光導波路9は、基板2に対して2つの固定部81で固定されている。この2つの固定部81は、接着機能を有する部材であればよく、例えば、接着剤、粘着フィルム、両面粘着テープ等の各種接着部材で構成される。
 各固定部81の位置は、特に限定されないが、基板2の端部からそれぞれ基板2の全長の10~40%程度内側の位置であるのが好ましく、15~35%程度内側の位置がより好ましい。
 また、光導波路9と基板2との間を部分的に固定することにより、全く固定しない場合に比べて、折り曲げ操作の際に光導波路9が激しく動くのを防止することができる。これにより、激しく動いた光導波路9が他の部材と干渉して、光導波路9の破壊を招いたり、光導波路9と発光素子3および受光素子4との接続部が外れてしまうのを確実に防止することができる。
 なお、固定部81の数や配置は、特に限定されず、折り曲げ操作に伴う折り曲げ部の位置等に応じて適宜設定される。例えば、固定部81の数は、1つでもよく、3つ以上でもよい。また、固定部81の配置は、中央付近に配置しないようにするのが好ましく、さらには、光導波路構造体1の長手方向の中央に対して対称の関係になるよう配置されるのがより好ましい。
<第6実施形態:図8、9>
 図8、9には、それぞれ、本発明の光導波路構造体1の第6実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1、5実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図8は、第6実施形態の断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、光導波路9の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図8に示す光導波路9は、基板2に対して2つの固定部81で固定されており、2つの固定部81の間では、光導波路9が撓むようにして設けられている。具体的には、光導波路9は、上方に突出するように撓んだ撓み部96を有している。この撓み部96と基板2との間には、撓み部96以外の光導波路9と基板2との間に比べて、より大きな隙間が生じている。
 光導波路9が撓み部96を有していると、光導波路構造体1の長手方向の中央付近では、撓み部96を有していない場合に比べて、光導波路構造体1を折り曲げ易くなる。
 図9は、図8に示す光導波路構造体1を中央付近で折り曲げた状態を説明するための図である。
 図9では、光導波路構造体1の両端部を下に押し下げるようにして折り曲げている。この折り曲げ操作により、光導波路構造体1の中央付近が上方に突出するように(上面が山折りになるように)変形するが、この際、折り曲げ部の内側に位置する基板2には圧縮力が、折り曲げ部の外側に位置する光導波路9には引張力が、それぞれ付与される。
 光導波路9が撓み部96を有していない場合、光導波路9はこの引張力によって引き延ばされることとなり、光導波路9には引張応力が発生する。このため、光導波路9には意図しない変形が生じ、光信号の伝送効率が低下するおそれがある。
 これに対し、光導波路9が図8に示すような撓み部96を有している場合、光導波路9に引張力が付与されたとしても、撓み部96が元の状態、すなわち撓みが解消された状態に戻ることはあっても、著しい引張応力の発生は抑制される。このため、光導波路9の意図しない変形が抑制され、光信号の伝送効率の低下を抑制することができる。
 また、撓み部96を設けたことにより、折り曲げた際に光導波路9と基板2との間には隙間が残り易く(図9参照)、このため光導波路9と基板2とが干渉するのを防止することができる。このため、折り曲げ操作と折り曲げを解除する操作とを繰り返し行った場合でも、基板2との干渉による光導波路9の破壊が防止される。その結果、光導波路構造体1の耐屈曲性、耐久性をより高めることができる。
 さらには、撓み部96を設けたことにより、折り曲げ操作の際に手に加わる力は、主に基板2を折り曲げる際に生じる抗力のみであり、撓み部96が撓み続けている限りは、光導波路9の抗力が手に加わることはない。このため、折り曲げ操作がより容易になるばかりか、光導波路9には応力がほとんど発生しないので、耐久性を高めることができる。
 また、光導波路9が各固定部81で部分的に固定されていることにより、撓み部96の復元力が発光素子3や受光素子4に直接波及するのを防止することができる。したがって、この復元力によりこれらの素子が破壊されてしまうのを防止することができる。
 さらに、撓み部96における撓み量は、図8に示すようなわずかな量である必要はなく、撓み部96が半円以上の周長を有するような弧を描く程度の撓み量であってもよい。また、この場合、撓み部96を任意の軸に巻き取るようにしてもよい。
 また、光導波路9に撓み部96を設けるのではなく、基板2に撓み部を設けるようにしてもよい。この場合、光導波路構造体1の中央付近が下方に突出するように(下面が山折りになるように)変形させた際に、上述した作用・効果が得られることとなる。なお、基板2に設ける撓み部の構成は、上述した撓み部96と同様である。
<第7実施形態:図10、11>
 図10、11には、それぞれ、本発明の光導波路構造体1の第7実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第5実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図10は、第7実施形態の断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、固定部81の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図10に示す固定部81は、接着部材ではなく、基板2に設けられた2つの貫通孔23により構成されている。2つの貫通孔23は、前記第5実施形態における固定部81と同様の位置に設けられている。そして、各貫通孔23に光導波路9を挿通することにより、光導波路9は、基板2の表側から、図10の左側に位置する貫通孔23を通って、一旦基板2の裏側に配された後、右側に位置する貫通孔23を通って、再び基板2の表側へと配されている。このように光導波路9を、基板2の表側と裏側とを縫うように配置することで、光導波路9は各貫通孔23近傍において基板2に確実に固定される。しかも、接着部材等の部材を用いることなく、単に光導波路9を各貫通孔23に挿通するのみで、光導波路9の固定が完了するので、光導波路構造体1の構造の簡略化および製造容易性を高めることができる。
 図11は、図10に示す光導波路構造体1の平面図である。
 各貫通孔23は、平面視において、光導波路9の長手方向に沿った長軸を有する細長い形状をなしている。このように各貫通孔23が細長い形状をなしていると、この各貫通孔23に光導波路9を挿通する際に、光導波路9を小さい曲率半径を折り曲げる必要がなく、緩やかな曲線を描くように曲げるだけで挿通することができる。その結果、光導波路9が破断したり、クラッド層91、92とコア層93との間が剥離したりするのを防止することができる。
 さらには、各貫通孔23が細長い形状をなしていると、光導波路9と各貫通孔23との間に隙間が生じる。この隙間は、光導波路構造体1に折り曲げ操作を行った場合、光導波路9と各貫通孔23との間で、長手方向の位置ずれが容易になる。このため、仮に光導波路9に引張力が付与されたとしても、著しい引張応力が発生するのを確実に防止することができる。
 なお、各貫通孔23の長軸の長さは、光導波路9の厚さや基板2の厚さ等に応じて適宜設定されるが、光導波路9や基板2が厚い場合には、それに応じて長くするのが好ましい。
 また、貫通孔23の数や配置は、特に限定されず、折り曲げ操作に伴う折り曲げ部の位置等に応じて適宜設定される。例えば、貫通孔23の数は、1つでもよく、3つ以上でもよい。なお、貫通孔23の数が奇数である場合、発光素子3および受光素子4の基板2に対する配置を、それぞれ互いに表裏反対になるようにすればよい。
 また、貫通孔23の配置は、中央付近に配置しないようにするのが好ましく、さらには、光導波路構造体1の長手方向の中央に対して対称の関係になるよう配置されるのがより好ましい。
<第8実施形態:図12>
 図12には、本発明の光導波路構造体1の第8実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図12は、第8実施形態の平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、基板2の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図12に示す基板2は、平面視において、光導波路9と重なることなく、互いにずれている部分を有している。このような基板2を有する光導波路構造体1は、折り曲げ操作を行った際に、光導波路9と基板2との干渉を防止することができる。したがって、折り曲げ操作をした際に光導波路9が損傷を受け難くなる。
 図12(a)に示す基板2は、中央付近に設けられた切り欠き24を有しており、この切り欠き24が設けられた部分では、基板2の幅が基板2の長手方向の両端部における幅よりも狭くなっている。このため、この部分では、基板2の剛性が低下しているので、光導波路構造体1をより容易に折り曲げることができる。
 また、切り欠き24は、平面視において光導波路9と重なるように設けられているため、この部分において、基板2と光導波路9とが互いにずれることとなる。
 一方、図12(b)に示す基板2は、中央付近に設けられ、基板2の長手方向に沿って形成された細長い形状の貫通孔25を有している。この貫通孔25が設けられた部分では、やはり基板2の実質的な幅が基板2の長手方向の両端部における幅よりも狭くなっている。
 また、貫通孔25は、平面視において光導波路9と重なるように設けられているため、この部分において、基板2と光導波路9とが互いにずれることとなる。
 なお、切り欠き24や貫通孔25の形状は特に限定されず、例えば切り欠き24は、基板2の幅方向の両側にそれぞれ設けられていてもよい。
<第9実施形態:図13>
 図13には、本発明の光導波路構造体1の第9実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第5実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図13は、第9実施形態の断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、配線基板の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図13に示す配線基板は、フレキシブル基板である基板2と、基板2の長手方向の両端部の下面にそれぞれ積層された硬質のリジッド基板である基板6と、基板2の下面に設けられた導体層5と、基板6の下面に設けられた導体層51とを有している。
 基板6には、貫通孔61が形成されており、貫通孔61内には導電材料(例えば、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料)が充填され、導体ポスト62が形成されている。この導体ポスト62は、導体層5と導体層51とを電気的に接続している。
 基板6としては、基板2より剛性の大きい絶縁性基板であればよく、例えば、紙、ガラス布、樹脂フィルム等を基材とし、この基材に、フェノール系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シアネート樹脂、ポリイミド系樹脂、フッ素系樹脂等の樹脂材料を含浸させたものが挙げられる。
 具体的には、ガラス布・エポキシ銅張積層板等のガラス基材銅張積層板や、ガラス不織布・エポキシ銅張積層板等のコンポジット銅張積層板に使用される絶縁基板のほか、ポリエーテルイミド樹脂基板、ポリエーテルケトン樹脂基板、ポリサルフォン系樹脂基板等の耐熱・熱可塑性の有機系リジッド基板や、アルミナ基板、窒化アルミニウム基板、炭化ケイ素基板等のセラミックス系リジッド基板が挙げられる。
 また、基板6の平均厚さは、特に限定されないが、好ましくは300μm~3mm程度、より好ましくは500μm~2.5mm程度とされる。このような厚さの基板6は、十分な剛性を有するものとなる。
 さらに、基板6は、1枚の基板であってもよいが、複数層の基板を積層してなる多層基板(ビルドアップ基板)であってもよい。この場合、多層基板の層間には、パターニングされた導電層が含まれており、任意の電気回路が形成されていてもよい。これにより、基板6が小面積であっても、内部に複雑な電気回路を構築することができ、回路の高密度化が図られる。
 このようなリジッド基板である基板6を設けたことにより、光導波路構造体1の長手方向の両端部は、相対的に剛性が高いリジッド部11となる。一方、基板6が設けられていない光導波路構造体1の長手方向の中央付近は、基板2の可撓性がそのまま維持されるため、相対的に可撓性が高いフレキシブル部12となる。このため、光導波路構造体1は、中央付近で折り曲げ操作が容易になる一方、両端部は折り曲げ難くなる。その結果、光導波路構造体1の両端部に設けられた発光素子3や受光素子4が、折り曲げ操作に伴って脱落したり、あるいは破壊されたりするのを防止することができる。
<第10実施形態:図14>
 図14には、本発明の光導波路構造体1の第10実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第9実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図14は、第10実施形態の断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、配線基板の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図14に示す配線基板は、フレキシブル基板である基板2と、基板2の長手方向の両端部の上面および下面にそれぞれ3枚ずつ積層された硬質のリジッド基板である基板6と、基板2の下面に設けられた導体層5と、最上層の基板6の上面に設けられた導体層51および最下層の基板6の下面に設けられた導体層51とを有している。
 光導波路構造体1の長手方向の両端部は、基板6が設けられているため、相対的に剛性が高いリジッド部11となる。一方、基板6が設けられていない光導波路構造体1の長手方向の中央付近は、基板2の可撓性がそのまま維持されるため、相対的に可撓性が高いフレキシブル部12となる。
 具体的には、リジッド部11は、下面に導体層51を備えた基板6と、下面に導体層5を備えた基板2と、基板6と、光導波路9と、上面に導体層51を備えた基板6とが、下方からこの順で積層されてなる積層体で構成されている。このため、3枚の基板6によって、リジッド部11の剛性がより大きくなっている。
 また、図14の左側のリジッド部11には、表面実装型の発光素子3と、発光素子3の発光を駆動する発光用IC(発光用電気素子)35とが搭載されている。発光素子3と発光用IC35との間は、導体層51を介して電気的に接続されている。これにより、発光素子3の発光を発光用IC35により制御することができる。すなわち、左側のリジッド部11には、発光素子3と発光用IC35とを有する発光回路300が構築されている。
 一方、図14の右側のリジッド部11には、表面実装型の受光素子4と、受光素子4により受光した信号を増幅する受光用IC(受光用電気素子)45とが搭載されている。受光素子4と受光用IC45との間は、導体層51を介して電気的に接続されている。これにより、受光素子4で受光し、電気信号に変換した後、この電気信号を受光用IC45に入力される。すなわち、右側のリジッド部11には、受光素子4と受光用IC45とを有する受光回路400が構築されている。
 以上のようにして発光回路300と受光回路400との間で光通信が行われる。
 また、各リジッド部11には、それを厚さ方向に貫通する貫通孔61が形成されており、貫通孔61内には導電材料が充填され、導体ポスト62が形成されている。この導体ポスト62は、導体層5および各導体層51をそれぞれ電気的に接続している。
 このような各リジッド部11では、剛性が大きいため、光導波路構造体1に折り曲げ操作を行った際には、リジッド部11が折れ曲がり難いため、発光回路300や受光回路400の破壊が防止される。
 さらには、最上層の2枚の基板6には、発光素子3の発光部31の位置および受光素子4の受光部41の位置に合わせて、それぞれ貫通孔63が設けられている。
 また、光導波路9のうち、各貫通孔63の直下に対応する位置には、それぞれ光路変換部97が形成されている。
 各光路変換部97は、光導波路9の一部を除去することにより、除去した部分の内面の一部が光導波路9のコア部94の軸線に対してほぼ45°傾斜する傾斜面を有するように形成される。この傾斜面は、発光部31からの光をコア部94に導くよう90°の角度で反射したり、コア部94を伝搬してきた光を受光部41に導くように90°の角度で反射したりする反射面として機能する。
 また、各貫通孔63は、発光部31からの光を光路変換部97まで導いたり、光路変換部97からの光を受光部41まで導く光信号通過領域として機能する。
 以上のような2つの光路変換部97および2つの光信号通過領域(貫通孔63)により、発光部31と受光部41との間が光学的に接続されている。
 一方、フレキシブル部12では、下面に導体層5を備えた基板2と、光導波路9とが、基板6の厚さ分の隙間を介して下方からこの順で配置されている。すなわち、フレキシブル部12は、光導波路9からなるフレキシブル部と、基板2からなるフレキシブル部の、2つのフレキシブル部からなるものである。
 このようなフレキシブル部12では、光導波路構造体1に折り曲げ操作を行った際には、光導波路9と基板2との干渉が防止され、光導波路9が損傷を受けるのを防止することができる。
 また、2つのフレキシブル部のうち、一方は光導波路9のみで構成されている。このような構成であれば、光導波路9の両端部以外の部分を、別の部材と接着する必要がないので、接着に伴う光導波路9の変形を確実に防止することができる。
<第11実施形態:図15、16>
 図15、16には、本発明の光導波路構造体1の第11実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図15は、第11実施形態の平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、配線基板の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図15に示す配線基板は、基板2と、基板2の長手方向の一端から他端まで配設された2本の第1の電気配線(導体層)52とを有している。
 各第1の電気配線52の両端部には、それぞれ電極パッド551が設けられており、電気通信用外部接続端子55bを構成している。
 また、基板2の左側端部には発光回路300が設けられ、一方、右側端部には受光回路400が設けられている。発光回路300と受光回路400との間には、光導波路9が設けられている。
 発光回路300は、基板2上に隣接して配置された発光素子3および発光用IC35と、これらの間を電気的に接続する第3の電気配線53とを有している。
 同様に、受光回路400は、基板2上に隣接して配置された受光素子4および受光用IC45と、これらの間を電気的に接続する第3の電気配線53とを有している。
 発光回路300からは、基板2の左端にかけて4本の第2の電気配線(導体層)54が配設されており、その端部にはそれぞれ電極パッド551が設けられている。同様に、受光回路400からは、基板2の右端にかけて4本の第2の電気配線(導体層)54が配設されており、その端部にはそれぞれ電極パッド551が設けられている。これらの各電極パッドにより、光通信用外部接続端子55aが構成されている。なお、各電極パッド551は、それぞれの端面に沿って配列している。
 これらの各端子のうち、基板2の左端に位置する電気通信用外部端子55bと光通信用外部接続端子55aとを合わせて第1の端子部55が構成され、基板2の右端に位置する電気通信用外部端子55bと光通信用外部接続端子55aとを合わせて第2の端子部55’が構成されている。
 このような光導波路構造体1では、第1の端子部55と第2の端子部55’との間で、光通信のみでなく、電気通信も並行して行うことができる。このため、回路設計の自由度が飛躍的に高まり、回路の集積度を高めることができる。併せて、電気通信用の構造体を別途用意する必要がないという利点もある。
 また、各第1の電気配線52は、発光回路300や受光回路400と電気的に分離されているため、これらの回路で発生するノイズの影響を受け難い。このため、各第1の電気配線52では信頼性の高い電気通信を行うことができる。
 なお、本実施形態では、光通信用外部接続端子55aと、光導波路9、発光回路300および受光回路400が、直線状に配置されている。このような構成の光導波路構造体1は、例えば、対向配置された回路間の接続に有用なものとなる。
 図16は、第11実施形態の断面図である。
 図16に示すように、発光回路300を構成する発光素子3、発光用IC35および第3の電気配線53は、樹脂モールド34で覆われている。同様に、受光回路400を構成する受光素子4、受光用IC45および第3の電気配線53は、樹脂モールド44で覆われている。
 このような樹脂モールド34、44を設けることにより、発光回路300および受光回路400が外部に露出することなく封止された構造となるため、汚れ、損傷、酸化等から発光回路300や受光回路400が保護される。その結果、各回路の信頼性が向上する。
<第12実施形態:図17>
 図17には、本発明の光導波路構造体1の第12実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第11実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図17は、第12実施形態の平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、第1の端子部55および第2の端子部55’の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図17に示す第1の端子部55および第2の端子部55’は、基板2の長手方向の端面付近ではなく、長手方向の端部の側面側に設けられている。具体的には、図17に示す第1の端子部55を構成する各電極パッド551は、基板2の左側端部の側端面に沿って配列している。同様に、図17に示す第2の端子部55’を構成する各電極パッド551は、基板2の右側端部の幅方向の側端面に沿って配列している。
 なお、各電極パッド551の配置は、図17の配置に限定されず、例えば、第2の端子部55’を構成する各電極パッド551は、図17とは反対側の側端面に沿って配列するようにしてもよい。
 さらに、各第1の電気配線52は、光導波路9と同一面上に設けるのではなく、基板2を介して光導波路9の裏面側に設けるようにしてもよい。
 以上のような光導波路構造体1は、例えば、平面上の2点間を接続するのに有用な構造体となる。
<第13実施形態:図18>
 図18には、本発明の光導波路構造体1の第13実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1について説明するが、前記第11実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図18は、第13実施形態の断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1は、配線基板の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図18に示す配線基板は、複数層の基板2と層間や層表面に設けられた導体層とを有する積層基板(多層基板)で構成されている。また、基板2には、貫通孔21が形成されており、貫通孔21内には導電材料が充填され、導体ポスト22が形成されている。
 積層基板の層間や下面に設けられた導体層5は、パターニングされたものであり、任意の電気回路が形成されている。これにより、基板2が1層である場合に比べて、配線基板に形成する電気回路の集積度を高めることができる。
<第14実施形態:図23~25>
 図23は、本発明の光導波路構造体の第14実施形態を示す断面図、図24は、図23に示す光導波路の斜視図、図25は、図23に示す光導波路のコア層を示す平面図である。なお、以下の説明では、図23中の上側を「上」とし、下側を「下」とする。また、図23、24は、層の厚さ方向(各図の上下方向)が誇張して描かれている。
 図23に示すように、本発明の光導波路構造体1001は、基板1002と、基板1002の下面に設けられた導体層1005と、基板1002上に設けられた発光素子1003および受光素子1004と、発光素子1003の発光部1031と受光素子1004の受光部1041との間に設けられた光導波路1009とを備えている。基板1002と導体層1005とで配線基板が構成されている。
 光導波路1009は、図24中下側からクラッド層(下側クラッド層)1091、コア層1093およびクラッド層(上側クラッド層)1092をこの順に積層してなる帯状のものであり、コア層1093には、帯状をなす光導波路1009の長手方向に沿って設定された細長い所定パターンのコア部1094とクラッド部1095とが形成されている。コア部1094は、伝送光の光路を形成する部分であり、クラッド部1095は、コア層1093に形成されているものの伝送光の光路を形成せず、クラッド層1091、1092と同様の機能を果たす部分である。
 コア層1093の構成材料としては、光(例えば紫外線)の照射により、あるいはさらに加熱することにより屈折率が変化する材料とされる。このような材料の好ましい例としては、ベンゾシクロブテン系ポリマー、ノルボルネン系ポリマー(樹脂)等の環状オレフィン系樹脂を含む樹脂組成物を主材料とするものが挙げられ、ノルボルネン系ポリマーを含む(主材料とする)ものが特に好ましい。
 このような材料で構成されたコア層1093は、曲げ等の変形に対する耐性に優れ、特に繰り返し湾曲変形した場合でも、コア部1094とクラッド部1095との剥離や、コア層1093と隣接する層(クラッド層1091、1092)との層間剥離が生じ難く、コア部1094内やクラッド部1095内にマイクロクラックが発生することも防止される。その結果、光導波路1009の光伝送性能が維持され、耐久性に優れた光導波路1009が得られる。
 また、コア層1093の構成材料には、例えば、酸化防止剤、屈折率調整剤、可塑剤、増粘剤、補強剤、増感剤、レベリング剤、消泡剤、密着助剤および難燃剤等の添加剤が含まれていてもよい。酸化防止剤の添加は、高温安定性の向上、耐候性の向上、光劣化の抑制という効果がある。このような酸化防止剤としては、例えば、モノフェノール系、ビスフェノール系、トリフェノール系等のフェノール系や、芳香族アミン系のものが挙げられる。また、可塑剤、増粘剤、補強剤の添加により、曲げに対する耐性をさらに増大させることもできる。
 前記酸化防止剤に代表される添加剤の含有率(2種以上の場合は合計)は、コア層1093の構成材料全体に対し、0.5~40重量%程度が好ましく、3~30重量%程度がより好ましい。この量が少なすぎると、添加剤の機能を十分に発揮することができず、量が多すぎると、添加剤の種類や特性によっては、コア部1094を伝送する光(伝送光)の透過率の低下、パターニング不良、屈折率不安定等を生じるおそれがある。
 コア層1093の形成方法としては、塗布法が挙げられる。塗布法としては、コア層形成用組成物(ワニス等)を塗布し硬化(固化)させる方法、硬化性を有するモノマー組成物を塗布し硬化(固化)させる方法が挙げられる。また、塗布法以外の方法、例えば、別途製造されたシート材を接合する方法を採用することもできる。
 以上のようにして得られたコア層1093に対し、マスクを用いて光(活性放射線)を選択的に照射し、所望の形状のコア部1094をパターニングする。
 露光に用いる光としては、可視光、紫外光、赤外光、レーザー光等の活性エネルギー光線が挙げられる。また、光を用いるのではなく、X線等の電磁波や、電子線等の粒子線を用いるようにしてもよい。
 コア層1093において、光が照射された部位は、その屈折率が低下し、光が照射されなかった部位との間で屈折率の差が生じる。例えば、コア層1093の光が照射された部位がクラッド部1095となり、照射されなかった部位がコア部1094となる。クラッド部1095の屈折率は、クラッド層1091、1092の屈折率とほぼ等しい。
 また、コア層1093に対し光を所定のパターンで照射した後、加熱することにより、コア部1094を形成する場合もある。この加熱工程を付加することにより、コア部1094とクラッド部1095との屈折率の差がより大きくなるので好ましい。なお、この原理等については、後に詳述する。
 形成されるコア部94のパターン形状は、図24に示すように、左側の端部(長手方向の一方の端部)に向かって幅が連続的に大きくなる拡幅部分(拡張部分)1941と、右側の端部(長手方向の他方の端部)に向かって幅が連続的に小さくなる減幅部分(縮小部分)1942と、これらの拡幅部分1941と減幅部分1942との間に設けられ、幅が一定になっている等幅部分1940とで構成されている。一方、コア部1094が形成されたコア層1093は、図23に示すように、その厚さが一定である。したがって、図24に示す拡幅部分1941は、左側の端部に向かってコア部1094の横断面積が連続的に大きくなっている部分であり、減幅部分1942は、右側の端部に向かってコア部1094の横断面積が連続的に小さくなっている部分である。さらには、等幅部分1940は、コア部1094の横断面積が一定になっている部分である。
 コア部1094のパターン形状は、上記の拡幅部分1941および減幅部分1942以外に、湾曲部を有する形状、分岐部、合流部または交差部を有する形状、あるいはこれらのうちの2以上を組み合わせた形状等、いかなる形状を有するものでもよい。なお、これらのパターンの形成においては、光の照射パターンの設定により、いかなるパターン形状をも容易に実現することができる点が、本発明の特徴である。
 光導波路1009の各部の構成材料およびコア部1094の形成方法等については、後に詳述する。
 基板1002は、可撓性および絶縁性を有するフレキシブル基板である。
 基板1002の構成材料としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミド・トリアジン樹脂、トリアゾール樹脂、ポリシアヌレート樹脂、ポリイソシアヌレート樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリベンザオキサゾール樹脂、ノルボルネン樹脂等が挙げられる。また、これらの材料は、単独で使用してもよく、複数を混合して使用してもよい。
 また、基板1002は、複数の層の積層体であってもよい。例えば、組成(種類)が同じ樹脂材料からなる第1の層と第2の層とを積層したもの、それぞれ組成(種類)が異なる樹脂材料からなる第1の層と第2の層とを積層したものが挙げられる。なお、積層体における層構成は、これに限定されないことは言うまでもない。
 基板2の厚さは、特に限定されないが、通常、5~50μm程度であるのが好ましく、10~40μm程度であるのがより好ましい。基板1002の厚さが前記範囲内であれば、光導波路構造体1は十分な可撓性を有するものとなる。
 基板2が有する可撓性は、例えば人の手で容易に屈曲させることができる程度のものである。具体的には、基板1002のヤング率(引張弾性率)は、一般的な室温環境下(20~25℃前後)で1~20GPa程度であるのが好ましく、2~12GPa程度であるのがより好ましい。
 基板1002の下面に接合された導体層1005は、それぞれ、所定の形状にパターニングされて、所望の配線または回路を構成している。導体層1005の構成材料としては、例えば、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料が挙げられる。導体層1005の厚さは、特に限定されないが、通常、3~120μm程度が好ましく、5~70μm程度がより好ましい。
 導体層1005は、例えば、金属箔の接合(接着)、金属メッキ、蒸着、スパッタリング等の方法により形成されたものである。導体層1005へのパターニングは、例えばエッチング、印刷、マスキング等の方法を用いることができる。
 一方、基板1002には、貫通孔1021が形成されており、貫通孔1021内には導電材料(例えば、銅、銅系合金、アルミニウム、アルミニウム系合金等の各種金属材料)が充填され、導体ポスト1022が設けられている。この導体ポスト1022は、導体層1005と基板1002の上面側とを電気的に接続している。
 発光素子1003は、基台1030と、基台1030の表面に固定された発光部1031と、発光部1031の電極パッドと基台1030の電極パッドとを接続する金属ワイヤ1032と、基台1030の下面に設けられ、発光部1031を外部回路と接続するための外部電極1033とを有している。また、発光部1031および金属ワイヤ1032は、基台1030の表面に半球状に盛られた樹脂モールド1034で覆われている。
 外部電極1033に通電がなされると、発光部1031が発光する。
 発光素子1003は、外部電極1033が導体ポスト1022に接合(電気的に接続)されるようにして基板1002上に搭載されている。
 一方、受光素子1004は、基台1040と、基台1040の表面に固定された受光部1041と、受光部1041の電極パッドと基台1040の電極パッドとを接続する金属ワイヤ1042と、基台1040の下面に設けられ、受光部1041を外部回路と接続するための外部電極1043とを有している。また、受光部1041および金属ワイヤ1042は、基台1040の表面に半球状に盛られた樹脂モールド1044で覆われている。
 受光部1041が光信号を受光すると、電気信号に変換され、外部電極1043から出力される。
 受光素子1004は、外部電極1043が導体ポスト1022に接合(電気的に接続)されるようにして基板1002上に搭載されている。
 なお、発光素子1003における発光部1031および受光素子1004における受光部1041は、それぞれ1つの発光点または1つの受光点で構成されているものの他、発光点または受光点が複数個集合したものでもよい。発光点または受光点が複数個集合したものとしては、例えば、発光点または受光点が列状(例えば発光点または受光点が1×4個、1×12個)または行列状(例えば発光点または受光点がn×m個:n、mは2以上の整数)に配置されたものや、複数の発光点または受光点がランダム(不規則)に配置されたもの等が挙げられる。
 樹脂モールド1034は、発光素子1003の基台1030の右側において、発光部1031等を封止している。これにより、発光部1031が外部に露出することなく封止された構造となるため、汚れ、損傷、酸化等から発光部1031が保護される。その結果、発光素子1003の信頼性が向上する。
 また、樹脂モールド1044は、受光素子1004の基台1040の左側において、受光部1041等を封止している。これにより、受光部1041が外部に露出することなく封止された構造となるため、汚れ、損傷、酸化等から受光部1041が保護される。その結果、受光素子1004の信頼性が向上する。
 また、樹脂モールド1034、1044の構成材料としては、絶縁性を有する樹脂材料が好ましく、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノルボルネン樹脂、シリコン樹脂等が挙げられる。
 光導波路1009は、発光部1031の発光点と、受光部1041の受光点とを結ぶように、発光素子1003と受光素子1004との間に設けられている。これにより、発光点と受光点とが光導波路1009により光学的に接続されている。
 光導波路1009のコア部1094は、平面視で(図23の上方から見たとき)各発光点や各受光点と重なるようなパターン形状で形成されている。このコア部1094は、クラッド部1095に比べて屈折率が高く、また、クラッド層1091、1092に対しても屈折率が高い。クラッド層1091および1092は、それぞれ、コア部1094の下部および上部に位置するクラッド部を構成するものである。このような構成により、コア部1094は、図24に示すように、その外周の全周をクラッド部に囲まれた導光路として機能する。
 光導波路1009の両端部(発光素子1003および受光素子1004との接続部)は、発光素子1003に設けられた樹脂モールド1034および受光素子1004に設けられた樹脂モールド1044で覆われており、発光素子1003および受光素子1004に固定されている。これにより、光導波路1009、発光素子1003および受光素子1004は、一体化され、1つの部品(光配線)として取り扱うことが可能になる。
 なお、図24に示す光導波路1009は、1つのコア部1094を有するものであるが、1つの光導波路1009に形成されるコア部1094の数は、例えば、1つの発光部1031に設けられる発光点の個数や、1つの受光部1041に設けられる受光点の数に応じて設定され、特に限定されるものではない。
 本実施形態の光導波路構造体1001では、導体層1005および導体ポスト1022を介して発光素子1003の外部電極1033へ通電がなされると、発光部1031の発光点が発光し、図23中右方へ向かって発せられた光は、光導波路1009のコア部1094に入る。光導波路1009では、コア部1094とクラッド部(クラッド層1091、1092および側方のクラッド部1095)との界面で反射を繰り返しながら、コア部1094内をその長手方向(図23中右方向)に沿って進む。そして、受光部1041の受光点に光が到達すると、受光部1041において光信号が電気信号へと変換され、外部電極1043から出力される。
 このような光導波路構造体1001は、後に詳述するが、光導波路1009が高分子材料で構成されているため可撓性を有し、かつ、コア部1094とクラッド部1095との屈折率差が大きいので、光導波路1009が折り曲げられたときでも、十分な伝送効率を有するものとなる。
 また、光導波路1009と基板1002とは、直接固定されていないので、折り曲げ操作をした際に、光導波路1009と基板1002とが自由に動くことができる。そして、局所的な応力集中が防止され、折り曲げ操作に伴う光導波路1009の破壊を防止することができる。その結果、耐久性に優れた光導波路構造体1001が得られる。
 ここで、光導波路構造体1001が有する光導波路1009は、平面視において、コア部1094の幅が左側の端部に向かって連続的に大きくなる拡幅部分1941と、コア部1094の幅が右側の端部に向かって連続的に小さくなる減幅部分1942とを有している。
 図25(a)に示す拡幅部分1941では、左側の端部に向かってその幅が一定の割合で連続的に大きくなっている。また、図25(a)に示す減幅部分1942では、右側の端部に向かってその幅が一定の割合で連続的に小さくなっている。
 図23に示すように、拡幅部分1941の左側の端面に対向するように発光素子1003の発光点を配置することにより、拡幅部分1941には、高い効率で光を入射させることができる。すなわち、拡幅部分1941の左側の端面は、右側の端面に比べて面積が大きくなっているため、発光点から放射された光を効率よく受光することができる。特に、発光素子1003として半導体レーザーを用いた場合、光が所定の広がり角度をもって放射されるため、拡幅部分1941の左側の端面の面積が大きいことは、発光素子1003とコア部1094との光結合効率を高める観点で有効である。加えて、拡幅部分1941の左側の端面の面積が大きいので、拡幅部分1941の左側の端面に対する発光点の位置が多少ずれても、発光素子1003とコア部1094との光結合効率が著しく低下することが抑制される。したがって、発光素子1003を実装する際の位置許容量を大きくすることができ、実装容易性が高められる。
 また、拡幅部分1941の左側の最端部の幅をW1とし、右側の最端部の幅をW2としたとき、W2は、好ましくはW1の0.1~0.9倍程度、より好ましくはW1の0.2~0.8倍程度とされる。これにより、コア部1094からの光の漏れを抑制した拡幅部分1941を形成することができる。その結果、発光素子1003とコア部1094との光結合効率をより高めることができる。
 また、拡幅部分1941において、コア部1094とクラッド部1095との境界線と、前記コア部1094の左側の端部の端面とがなす角度α1は、好ましくは45度以上90度未満、より好ましくは50度以上85度以下とされる。これにより、コア部1094とクラッド部1095との境界面における反射条件を損なうことなく、拡幅部分1941を形成することができる。その結果、発光素子1003とコア部1094との光結合効率をより高めることができる。なお、コア部1094とクラッド部1095との境界線と、前記コア部1094の左側の端部の端面とがなす角度は、90度以下となる角度の方を前記α1とする。
 一方、図23に示すように、減幅部分1942の右側の端面に対向するように受光素子1004の受光点を配置することにより、減幅部分1942から出射した光を、高い効率で受光点に入射させることができる。すなわち、減幅部分1942の右側の端面は、左側の端面に比べて面積が小さくなっているため、より細く絞られた光を出射することができ、受光点の有効面積に対して確実に入射させることができる。その結果、コア部1094と受光素子1004との光結合効率を高めることができる。加えて、減幅部分1942の右側の面積が小さいので、減幅部分1942の右側の端面に対する受光点の位置が多少ずれても、受光素子1004とコア部1094との光結合効率が著しく低下することが抑制される。したがって、受光素子1004を実装する際の位置許容量を大きくすることができ、実装容易性が高められる。
 また、減幅部分1942の左側の最端部の幅をW3とし、右側の最端部の幅をW4としたとき、W4は、好ましくはW3の0.1~0.9倍程度、より好ましくはW3の0.2~0.8倍程度とされる。これにより、コア部1094からの光の漏れを抑制した減幅部分1942を形成することができる。その結果、コア部1094と受光素子1004との光結合効率をより高めることができる。
 また、減幅部分1942において、コア部1094とクラッド部1095との境界線と、前記コア部1094の右側の端部の端面とがなす角度α2は、好ましくは45度以上90度未満、より好ましくは50度以上85度以下とされる。これにより、コア部1094とクラッド部1095との境界面における反射条件を損なうことなく、減幅部分1942を形成することができる。その結果、コア部1094と受光素子1004との光結合効率をより高めることができる。なお、コア部1094とクラッド部1095との境界線と、前記コア部1094の右側の端部の端面とがなす角度は、90度以下となる角度の方を前記α2とする。
 また、幅W1は、幅W4より大きくなるよう設定される。これにより、拡幅部分1941の左側の端面の面積が、減幅部分1942の右側の端面の面積より大きくなるため、上述したような効果がより確実に得られる。
 なお、拡幅部分1941および減幅部分1942の長さは、それぞれ特に限定されないが、例えば幅W2に対して3~10倍程度とするのが好ましい。
 図25(b)は、図25(a)に示す光導波路1009の他の構成例である。
 図25(b)に示す光導波路1009は、拡幅部分1941および減幅部分1942の位置が異なる以外は、図25(a)に示す光導波路1009と同様である。すなわち、図25(a)では、拡幅部分1941がコア部1094の左側の端部に、減幅部分1942が右側の端部にそれぞれ設けられているのに対し、図25(b)では、拡幅部分1941がコア部1094の左側の端部から所定の距離だけ内側(右側)に移動しており、また、減幅部分1942はコア部1094の右側の端部から所定の距離だけ内側(左側)に移動している。そして、拡幅部分1941とコア部1094の左側の端面との間、および、減幅部分1942とコア部1094の右側の端面との間には、それぞれ横断面積が一定になっている等幅部分1940が位置している。
 このような図25(b)に示す光導波路1009は、拡幅部分1941の左側の端部の幅W1および減幅部分1942の右側の端部の幅W4が、図25(a)の場合と同様であるため、図25(a)と同様の作用・効果を奏するものとなる。すなわち、この光導波路1009は、発光素子1003や受光素子1004に対して光結合効率の高いものとなる。
 なお、拡幅部分1941や減幅部分1942の位置、数等は特に限定されず、それぞれ複数個が設けられていてもよい。
<第15実施形態:図26>
 図26には、本発明の光導波路構造体1001の第15実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1001について説明するが、前記第14実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図26は、第15実施形態のコア層を示す平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1001は、光導波路1009の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図26(a)に示す光導波路1009では、平面視における拡幅部分1941’および減幅部分1942’におけるコア部1094とクラッド部1095との境界線が、曲線をなしている。この曲線は、拡幅部分1941’では、コア部1094の左側の端部(一方の端部)に向かって開いた放物線である。また、減幅部分1942’においても、この曲線は、コア部1094の左側の端部(一方の端部)に向かって開いた放物線である。
 このような拡幅部分1941’では、左側の端面の面積が大きいため、入射光の入射効率が向上する。また、発光素子1003から出射され、コア部1094に入射した光がコア部1094とクラッド部1095との境界面で反射される際に、前記放物線の焦点に集光するように反射される。その結果、コア部1094における光の漏れ量を低減させることができる。また、減幅部分1942’においても、コア部1094を伝搬してきた光が、コア部1094とクラッド部1095との境界面で反射される際に集光する。その結果、減幅部分1942’の右側の端面からは、より細く絞られた光を出射することができる。これにより、図26(a)に示す光導波路1009は、発光素子1003や受光素子1004に対して光結合効率の高いものとなる。
 図26(b)は、図26(a)に示す光導波路1009の他の構成例である。
 図26(b)に示す光導波路1009は、拡幅部分1941’および減幅部分1942’の位置が異なる以外は、図26(a)に示す光導波路1009と同様である。すなわち、図26(a)では、拡幅部分1941’がコア部1094の左側の端部に、減幅部分1942’が右側の端部にそれぞれ設けられているのに対し、図26(b)では、拡幅部分1941’がコア部1094の左側の端部から所定の距離だけ内側(右側)に移動しており、また、減幅部分1942’はコア部1094の右側の端部から所定の距離だけ内側(左側)に移動している。そして、拡幅部分1941’とコア部1094の左側の端部との間、および、減幅部分1942’とコア部1094の右側の端部との間には、それぞれ幅(横断面積)が一定になっている等幅部分1940が位置している。
 このような図26(b)に示す光導波路1009は、拡幅部分941’の左側の端部の幅W1および減幅部分1942’の右側の端部の幅W4が、図26(a)の場合と同様であるため、図26(a)と同様の作用・効果を奏するものとなる。すなわち、この光導波路1009は、発光素子1003や受光素子1004に対して光結合効率の高いものとなる。
<第16実施形態:図27>
 図27には、本発明の光導波路構造体1001の第16実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1001について説明するが、前記第14実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図27は、第16実施形態を示す断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1001は、光導波路1009の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図27(a)に示す光導波路1009は、その左側の端部に向かってコア層1093の厚さが連続的に大きくなる厚膜部分(拡張部分)1943と、右側の端部に向かってコア層1093の厚さが連続的に小さくなる薄膜部分(縮小部分)1944と、これらの厚膜部分1943と薄膜部分1944との間に設けられ、厚さが一定になっている等厚部分1945とで構成されている。一方、コア部1094の平面視における幅は、図示しないものの一定になっている。したがって、図27(a)に示す厚膜部分1943は、左側の端部に向かってコア部1094の横断面積が連続的に大きくなっている部分であり、薄膜部分1944は、右側の端部に向かってコア部1094の横断面積が連続的に小さくなっている部分である。さらには、等厚部分1945は、コア部1094の横断面積が一定になっている部分である。
 このような光導波路1009に対しては、厚膜部分1943の左側の端面に対向するように発光素子1003の発光点を配置することにより、厚膜部分1943には、高い効率で光を入射させることができる。すなわち、発光素子1003とコア部1094との光結合効率を高めることができる。加えて、厚膜部分1943の左側の端面の面積が大きいので、厚膜部分1943の左側の端面に対する発光点の位置が多少ずれても、発光素子1003とコア部1094との光結合効率が著しく低下することが抑制される。したがって、発光素子1003を実装する際の位置許容量を大きくすることができ、実装容易性が高められる。
 また、厚膜部分1943の左側の最端部の厚さをT1とし、右側の最端部の厚さをT2としたとき、T2は、好ましくはT1の0.1~0.9倍程度、より好ましくはT1の0.2~0.8倍程度とされる。これにより、コア部1094からの光の漏れを抑制した厚膜部分1943を形成することができる。その結果、発光素子1003とコア部1094との光結合効率をより高めることができる。
 また、厚膜部分1943において、縦断面におけるコア部1094と各クラッド層1091、1092との境界線と、前記コア部1094の左側の端部の端面とがなす角度β1は、好ましくは45度以上90度未満、より好ましくは50度以上85度以下とされる。これにより、コア部1094と各クラッド層1091、1092との境界面における反射条件を損なうことなく、厚膜部分1943を形成することができる。その結果、発光素子1003とコア部1094との光結合効率をより高めることができる。なお、コア部1094と各クラッド層1091、1092との境界線と、前記コア部1094の左側の端部の端面とがなす角度は、90度以下となる角度の方を前記β1とする。
 一方、図27(a)に示すように、薄膜部分1944の右側の端面に対向するように受光素子1004の受光点を配置することにより、薄膜部分1944から出射した光を、高い効率で受光点に入射させることができる。すなわち、薄膜部分1944の右側の端面は、左側の端面に比べて面積が小さくなっているため、より細く絞られた光を出射することができ、受光点の有効面積に対して確実に入射させることができる。その結果、コア部1094と受光素子1004との光結合効率を高めることができる。加えて、薄膜部分1944の右側の面積が小さいので、薄膜部分1944の右側の端面に対する受光点の位置が多少ずれても、受光素子1004とコア部1094との光結合効率が著しく低下することが抑制される。したがって、受光素子1004を実装する際の位置許容量を大きくすることができ、実装容易性が高められる。
 また、薄膜部分1944の左側の最端部の厚さをT3とし、右側の最端部の厚さをT4としたとき、T4は、好ましくはT3の0.1~0.9倍程度、より好ましくはT3の0.2~0.8倍程度とされる。これにより、コア部1094からの光の漏れを抑制した薄膜部分1944を形成することができる。その結果、コア部1094と受光素子1004との光結合効率をより高めることができる。
 また、薄膜部分1944において、縦断面におけるコア部1094と各クラッド層1091、1092との境界線と、前記コア部1094の右側の端部の端面とがなす角度β2は、好ましくは45度以上90度未満、より好ましくは50度以上85度以下とされる。これにより、コア部1094と各クラッド層1091、1092との境界面における反射条件を損なうことなく、薄膜部分1944を形成することができる。その結果、コア部1094と受光素子1004との光結合効率をより高めることができる。なお、コア部1094と各クラッド層1091、1092との境界線と、前記コア部1094の右側の端部の端面とがなす角度は、90度以下となる角度の方を前記β2とする。
 また、厚さT1は、厚さT4より大きくなるよう設定される。これにより、厚膜部分1943の左側の端面の面積が、薄膜部分1944の右側の端面の面積より大きくなるため、上述したような効果がより確実に得られる。
 なお、厚膜部分1943および薄膜部分1944の長さは、それぞれ特に限定されないが、例えばコア部1094の幅に対して3~10倍程度とするのが好ましい。
 一方、各クラッド層1091、1092の厚さは、厚膜部分1943や薄膜部分1944に関わらず一定になっている。
 図27(b)は、図27(a)に示す光導波路1009の他の構成例である。
 図27(b)に示す光導波路1009は、各クラッド層1091、1092に厚さが部分的に異なっている以外は、図27(a)に示す光導波路1009と同様である。すなわち、図27(b)では、各クラッド層1091、1092のうち、厚膜部分1943に対応する部分の厚さが、コア部1094の左側の端部に向かって連続的に小さくなっており、一方、薄膜部分1944に対応する部分の厚さは、コア部1094の右側の端部に向かって連続的に大きくなっている。なお、図27(b)に示す光導波路1009の全厚は、全体で一定である。
 このような光導波路1009では、図27(a)のように発光素子1003や受光素子1004とコア部1094との光結合効率を十分に高められるとともに、薄膜部分1944の機械的強度を高めることができる。すなわち、薄膜部分1944における厚さの減少を補うように各クラッド層1091、1092の厚さが大きくなっているので、光導波路1009の右側の端部の機械的強度の低下が防止される。これにより、光導波路1009と受光素子1004とを組み立てる際に、右側の端部が損傷してしまうのを防止することができる。
 図27(c)は、図27(a)に示す光導波路1009の他の構成例である。
 図27(c)に示す光導波路1009は、クラッド層1091の厚さが部分的に異なっている一方、クラッド層1092の厚さが一定になっている以外は、図27(a)に示す光導波路1009と同様である。すなわち、図27(c)では、クラッド層1091の厚膜部分1943に対応する部分の厚さが、コア部1094の左側の端部に向かって連続的に小さくなっており、一方、薄膜部分1944に対応する部分の厚さは、コア部1094の右側の端部に向かって連続的に大きくなっている。また、クラッド層1092の厚さは、厚膜部分1943や薄膜部分1944に関わらず一定になっている。
 このような光導波路1009では、図27(b)に示す光導波路1009と同様の作用・効果が得られる。
 図27(d)は、図27(a)に示す光導波路1009の他の構成例である。
 図27(d)に示す光導波路1009は、厚膜部分1943および薄膜部分1944の位置が異なる以外は、図27(a)に示す光導波路1009と同様である。すなわち、図27(a)では、厚膜部分1943がコア部1094の左側の端部に、薄膜部分1944が右側の端部にそれぞれ設けられているのに対し、図27(d)では、厚膜部分1943がコア部1094の左側の端部から所定の距離だけ内側(右側)に移動しており、また、薄膜部分1944がコア部1094の右側の端部から所定の距離だけ内側(左側)に移動している。そして、厚膜部分1943とコア部1094の左側の端面との間、および、薄膜部分1944とコア部1094の右側の端面との間には、それぞれ横断面積が一定になっている等厚部分1945が位置している。
 このような光導波路1009では、図27(a)に示す光導波路1009と同様の作用・効果が得られる。
 なお、前述した第14、第15実施形態では、コア部1094の幅のみが連続的に変化しており、本実施形態(第16実施形態)では、コア層1093の厚さのみが連続的に変化しているが、コア部1094の幅とコア層1093の厚さの双方が連続的に変化していてもよい。すなわち、拡幅部分1941におけるコア層1093の厚さが厚膜部分1943のように変化してもよく、減幅部分1942におけるコア層1093の厚さが薄膜部分1944のように変化していてもよい。この場合、各実施形態に比べて、前述した作用・効果がより顕著なものとなる。
<第17実施形態:図28>
 図28には、本発明の光導波路構造体1の第17実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1001について説明するが、前記第16実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図28は、第17実施形態を示す断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1001は、光導波路1009の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図28(a)に示す光導波路1009では、横断面における厚膜部分1943’および薄膜部分1944’におけるコア部1094と各クラッド層1091、1092との境界線が、曲線をなしている。この曲線は、厚膜部分1943’では、コア部1094の左側の端部(一方の端部)に向かって開いた放物線である。また、薄膜部分1944’においても、この曲線は、コア部1094の左側の端部(一方の端部)に向かって開いた放物線である。
 このような厚膜部分1943’では、左側の端面の面積が大きいため、入射光の入射効率が向上する。また、発光素子1003から出射され、コア部1094に入射した光がコア部1094とクラッド部1095との境界面で反射される際に、前記放物線の焦点に集光するように反射される。その結果、コア部1094における光の漏れ量を低減させることができる。また、薄膜部分1944’においても、コア部1094を伝搬してきた光が、コア部1094とクラッド部1095との境界面で反射される際に集光する。その結果、薄膜部分1944’の右側の端面からは、より細く絞られた光を出射することができる。これにより、図28(a)に示す光導波路1009は、発光素子1003や受光素子1004に対して光結合効率の高いものとなる。
 図28(b)、図28(c)および図28(d)は、それぞれ図28(a)に示す光導波路1009の他の構成例である。
 これらは、それぞれ図27(b)、図27(c)および図27(d)に示す厚膜部分1943および薄膜部分1944におけるコア部1094と各クラッド層1091、1092との境界線が、放物線をなしている以外、図28(a)に示す光導波路1009と同様である。
 なお、前述した第14、第15実施形態では、コア部1094の幅のみが連続的に変化しており、本実施形態(第17実施形態)では、コア層1093の厚さのみが連続的に変化しているが、コア部1094の幅とコア層1093の厚さの双方が連続的に変化していてもよい。すなわち、拡幅部分1941や拡幅部分1941’におけるコア層1093の厚さが厚膜部分1943や厚膜部分1943’のように変化してもよく、減幅部分1942や減幅部分1942’におけるコア層1093の厚さが薄膜部分1944や薄膜部分1944’のように変化していてもよい。この場合、各実施形態に比べて、前述した作用・効果がより顕著なものとなる。
<第18実施形態:図29、30>
 図29には、本発明の光導波路構造体1001の第18実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1001について説明するが、前記第14実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図29は、第18実施形態を示す断面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1001は、基板1002と導体層1005とで構成される配線基板の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図29に示す配線基板は、光導波路1009の長手方向の両端部の上面にそれぞれ積層された基板1002と、各基板1002の上面に設けられた導体層1005とを有している。
 図29の左側の基板1002には、表面実装型の発光素子1003と、発光素子1003の発光を駆動する発光用IC(発光用電気素子)1035とが搭載されている。発光素子1003と発光用IC1035との間は、導体層1005に形成された電気配線を介して電気的に接続されている。これにより、発光素子1003の発光を発光用IC1035により制御することができる。すなわち、左側の基板1002には、発光素子1003と発光用IC1035とを有する発光回路1300が構築されている。
 一方、図29の右側の基板1002には、表面実装型の受光素子1004と、受光素子1004により受光した信号を増幅する受光用IC(受光用電気素子)1045とが搭載されている。受光素子1004と受光用IC1045との間は、導体層1005に形成された電気配線を介して電気的に接続されている。これにより、受光素子1004で受光し、電気信号に変換した後、この電気信号が受光用IC1045に入力されて増幅される。すなわち、右側の基板1002には、受光素子1004と受光用IC1045とを有する受光回路1400が構築されている。
 また、光導波路1009のうち、発光素子1003の発光部1031の直下に対応する位置には、光路変換部1971が形成されている。一方、光導波路1009のうち、受光素子1004の受光部1041の直下に対応する位置には、光路変換部1972が形成されている。
 各光路変換部1971、1972は、光導波路1009の一部を除去することにより、除去した部分の内面の一部が光導波路1009のコア部1094の軸線に対してほぼ45°傾斜する傾斜面を有するように形成される。この傾斜面は、発光部1031からの光をコア部1094に導くよう90°の角度で反射したり、コア部1094を伝搬してきた光を受光部1041に導くように90°の角度で反射したりする反射面として機能する。
 そして、発光部1031と受光部1041との間を、光路変換部1971、コア部1094および光路変換部1972により光学的に接続することができる。これにより、発光回路1300と受光回路1400との間で光を授受することで、光通信を行うことができる。
 なお、基板1002の厚さが薄い場合または基板1002が透光性を有している場合には、図29のように基板1002を透過するようにして発光素子1003や受光素子1004と光導波路1009とを光学的に接続することができるが、必要に応じて、基板1002を透過する光の光路に沿って貫通孔を形成するようにしてもよい。
 また、反射面には、必要に応じて金属膜等からなる反射膜を設けるようにしてもよい。さらには、除去した部分にコア部1094よりも低屈折率の材料を充填するようにしてもよい。
 図30は、第18実施形態が備える光導波路1009のコア層1093を示す平面図である。
 図30に示すコア層1093(光導波路1009)は、平面視において、コア部1094の幅が左側の端部に向かって連続的に大きくなる拡幅部分1941と、コア部1094の幅が右側の端部に向かって連続的に小さくなる減幅部分1942とを有している。
 また、拡幅部分1941に隣接する光路変換部1971は、その平面視形状が、拡幅部分1941の左側の端面を包含するように、細長い形状をなしている。このような光路変換部1971は、発光素子1003の発光点から放射された光を効率よく受光して反射することができる。その結果、光路変換部1971は、発光素子1003とコア部1094との光結合効率の向上に寄与する。
 一方、減幅部分1942に隣接する光路変換部1972も、その平面視形状が、減幅部分1942の右側の端面を包含する形状をなしている。減幅部分1942からは細く絞られた光が出射するため、光路変換部1972の大きさを小さくすることができる。
 このような各光路変換部1971、1972とコア部1094とにより、光配線1098が構築されている。
 なお、図29では、光導波路1009の両端部にそれぞれ基板1002を積層しているが、この基板1002の大きさは、光導波路1009の全体にわたって積層される程度の大きさであってもよい。この場合、基板1002の長手方向の全体にわたって導体層1005を設け、この導体層1005中に電気配線を形成することで、上述した光通信と並行して電気通信も行うことができる。これにより、光導波路構造体1001の回路設計の自由度が飛躍的に高まり、回路の集積度も高めることができる。併せて、電気通信用の構造体を別途用意する必要がなくなるという利点もある。
<第19実施形態:図31、32>
 図31には、本発明の光導波路構造体1001の第19実施形態が示されている。以下、この光導波路構造体1001について説明するが、前記第14、18実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
 図31は、第19実施形態が有する光導波路のコア層を示す平面図である。
 本実施形態の光導波路構造体1001は、光導波路1009の構成が前記と異なり、それ以外は同様である。
 すなわち、図31に示すコア層1093(光導波路1009)には、平面視において、第18実施形態にかかるコア部1094と、それに対応する光路変換部1971、1972とで構成される光配線1098が、4本(複数本)並列に形成されている。
 4本の光配線1098は、それぞれ端部に光路変換部1971と光路変換部1972とを有するものであるが、互いに隣り合うもの同士で光路変換部1971と光路変換部1972の位置が反転している。すなわち、4本の光配線1098のうち、図31の一番上に位置するものと、上から3番目に位置するものは、光路変換部1971がコア層1093の左側に位置するよう形成されている。一方、4本の光配線1098のうち、図31の上から2番目と4番目に位置するものについては、光路変換部971がコア層1093の右側に位置するよう形成されている。
 このように光配線1098のうち隣り合うもの同士が長手方向に交互に反転していることにより、より大きなスペースを必要とする拡幅部分1941同士が隣り合うことがなくなる。これにより、光配線1098同士をより近接配置することができ、光配線1098の配設密度を高めることができる。その結果、光導波路構造体1001の小型化および高集積化を図ることができる。
 また、4本の光配線1098のうち、光路変換部1971が右側に位置している2本と、光路変換部1971が左側に位置している2本とが、長手方向にずれるよう形成されている。これにより、光配線1098同士の離間距離をさらに近づけることが可能になる。これは、比較的大きなスペースを必要とする光路変換部1971および光路変換部1972が長手方向にずれるため、これらの干渉を避けることができ、光配線1098同士の間隔に余裕ができるためである。
 なお、図31に示す4本の光配線1098の長さは、いずれも同程度であるが、それぞれの長さが異なる場合などは、コア部1094の左側または右側のいずれかがずれるように形成されていてもよい。
 また、図31では、4本の光配線1098のうち、光路変換部1971が右側に位置している2本、および、光路変換部1971が左側に位置している2本は、それぞれ長手方向の同じ位置に形成されているが、これらについても長手方向にずれるよう形成してもよい。これにより、光配線1098同士の離間距離をさらに近づけることができる。
 図32は、第19実施形態を示す平面図である。
 図32に示す光導波路構造体1001は、光導波路1009の長手方向の両端部の上面にそれぞれ積層された基板1002と、各基板1002の上面に設けられた導体層1005とを備える配線基板を有している。
 図32の左側の基板1002には、各光路変換部1971の位置に応じて、2つの表面実装型の発光素子1003と、1つの発光用IC1035とが搭載されている。各発光素子1003と発光用IC1035との間は、導体層1005に形成された電気配線1051を介して電気的に接続されている。これにより、発光素子1003の発光を発光用IC1035により制御することができる。すなわち、左側の基板1002には、発光素子1003と発光用IC1035とを有する発光回路300が構築されている。
 また、左側の基板1002には、各光路変換部1972の位置に応じて、2つの表面実装型の受光素子1004と、1つの受光用IC1045とが搭載されている。各受光素子1004と受光用IC1045との間は導体層1005に形成された電気配線1051を介して電気的に接続されている。これにより、受光素子1004で受光し、電気信号に変換した後、この電気信号が受光用IC1045に入力されて増幅される。すなわち、左側の基板には、受光素子1004と受光用IC1045とを有する受光回路1400も構築されており、発光回路1300と受光回路1400とが混載されている。
 一方、図32の右側の基板1002にも、左側の基板1002と同様、発光回路1300と受光回路1400とが混載されている。
 このような光導波路構造体1001によれば、複数の光通信のチャンネル(光配線1098)を有しているにもかかわらず、比較的小面積の基板1002に複数チャンネル対応の発光回路1300と受光回路1400とを混載することができる。その結果、光導波路構造体1001の小型化および高集積化を図ることができる。
 以上、第1~第19実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない限り、他の構成のものでもよい。また、本発明は、第1~第19実施形態のうちの任意の2以上の実施形態が備える構成を組み合わせたものでもよい。
 上述したような本発明の光導波路構造体は、折り曲げ操作を行うことにより、基板2や光導波路9が屈曲した状態(屈曲状態)と、折り曲げ操作を解除し、基板2や光導波路9を伸張させた状態(伸張状態)とを自在にとり得るものとなる。このため、例えばヒンジ部またはスライド部を有する携帯電話、ゲーム機、PDA、ノート型パソコン等の電子機器のヒンジ部やスライド部に対して好適に用いることができる。例えば携帯電話において、ヒンジ部を介した2点間を光導波路構造体で接続した場合、携帯電話のヒンジ部を閉じたときには、光導波路構造体が屈曲状態をとり、ヒンジ部を開いたときには、光導波路構造体が伸張状態をとることとなる。
 このようにすれば、光導波路構造体は、可動部を挟む2点間の電気的接続および光学的接続を、長期にわたって維持することができる。このため、光導波路構造体を備えた携帯電話(電子機器)は、その信頼性を高めることができる。
 また、上述したような本発明の光導波路構造体は、発光素子や受光素子、他の光導波路、光ファイバーの光通信用部品に対して光学的に接続した際に、光結合効率を高め得る光導波路を有するものとなる。特に指向性の低い発光素子や、受光の有効領域が狭い受光素子を接続した場合でも、伝送効率を高めることができる。また、光導波路と光通信用部品との位置ずれの許容範囲を広くすることができるので、光導波路または光通信用部品の実装が容易になり、光導波路構造体の製造容易性が向上する。
 また、本発明の光導波路構造体を備えることにより、2点間で高品質の光通信を行うことができるため、信頼性の高い電子機器(本発明の電子機器)が得られる。
 なお、本発明の光導波路構造体を適用する電子機器は、上記のものに限定されず、例えば、携帯電話、ゲーム機、ルーター装置、WDM装置、パソコン、テレビ、ホーム・サーバー等の電子機器類への適用が好適である。これらの電子機器では、いずれも、例えばLSI等の演算装置とRAM等の記憶装置との間で、大容量のデータを高速に伝送する必要がある。したがって、このような電子機器が本発明の光導波路構造体を備えることにより、電気配線に特有なノイズ、信号劣化等の不具合が解消されるため、その性能の飛躍的な向上が期待できる。
 さらに、光導波路部分では、電気配線に比べて発熱量が大幅に削減される。このため、基板内の集積度を高めて小型化が図られるとともに、冷却に要する電力を削減することができ、電子機器全体の消費電力を削減することができる。
<光導波路の製造方法>
 次に、前記各実施形態における、光導波路9、1009(以下、光導波路9とも表記する)の製造方法および各部の構成材料等について説明するが、特にコア部94、1094(以下、コア部94とも表記する)の形成方法について詳細に説明する。
 まず、コア部94の形成方法の説明に先立って、コア部94の形成に用いられる感光性樹脂組成物について説明する。
(感光性樹脂組成物)
 本実施形態において用いる感光性樹脂組成物は、
(A)環状オレフィン樹脂と、
(B)(A)とは屈折率が異なり、かつ、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうち少なくともいずれか一方と、
(C)光酸発生剤と、
を備える。
 なかでも、光の伝搬損失の発生を確実に抑制するという観点から、
 側鎖に(C)光酸発生剤から発生する酸により脱離する脱離性基を有する環状オレフィン樹脂(A)と、
 下記式(100)のモノマーとを含むことが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000008
 このような感光性樹脂組成物は、フィルム状に成形されて光導波路形成用フィルムとされ、さらに、屈折率が異なる領域を含むフィルム、例えば、光導波路フィルムとして使用される。
 すなわち、このような感光性樹脂組成物を使用することで、光の伝搬損失の発生が抑制された光導波路フィルム等を提供することができる。なかでも、湾曲した光導波路を形成した場合において、光の伝搬損失の発生を顕著に抑制することができる。
 さらに、このような光導波路フィルムを使用した光配線、前記光配線と、電気回路とを備える光電気混載基板を提供することができる。このような光配線および光電気混載基板によれば、従来の電気配線で問題となっていたEMI(電磁波障害)の改善が可能となり、従来よりも信号伝達速度を大幅に向上することができる。
 また、光導波路フィルムを使用した電子機器も提供できる。光導波路フィルムを用いることにより、省スペース化が図られるため、電子機器の小型化に寄与する。
 このような電子機器としては、具体的には、コンピューター、サーバー、携帯電話、ゲーム機器、メモリーテスター、外観検査ロボット等を挙げることができる。
 以下、感光性樹脂組成物の成分について順次詳述する。
 ((A)環状オレフィン樹脂)
 成分(A)の環状オレフィン樹脂は、感光性樹脂組成物のフィルム成形性を確保するために添加されるものであり、ベースポリマーとなるものである。
 ここで、環状オレフィン樹脂は、無置換のものであってもよいし、水素が他の基により置換されたものであってもよい。
 環状オレフィン樹脂としては、例えばノルボルネン系樹脂、ベンゾシクロブテン系樹脂等が挙げられる。
 なかでも、耐熱性、透明性等の観点からノルボルネン系樹脂を使用することが好ましい。
 ノルボルネン系樹脂としては、例えば、
(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、
(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα-オレフィン類との付加共重合体、
(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体のような付加重合体、
(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、
(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα-オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、
(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加したポリマーのような開環重合体が挙げられる。これらの重合体としては、ランダム共重合体、ブロック共重合体、交互共重合体等が挙げられる。
 これらのノルボルネン系樹脂は、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができる。
 これらの中でも、ノルボルネン系樹脂としては、付加(共)重合体が好ましい。付加(共)重合体は、透明性、耐熱性および可撓性に富むことからも好ましい。たとえば、感光性樹脂組成物によりフィルムを形成した後、電気部品等を、半田を介して実装することがある。このような場合において、高い耐熱性、すなわち、耐リフロー性を有することが必要となるため、付加(共)重合体が好ましい。また、感光性樹脂組成物によりフィルムを形成し、製品に組み込んだ際に、たとえば、80℃程度の環境下にて使用される場合がある。このような場合においても、耐熱性を確保するという観点から、付加(共)重合体が好ましい。
 なかでも、ノルボルネン系樹脂は、重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位や、アリール基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。
 重合性基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位としては、エポキシ基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、(メタ)アクリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位、および、アルコキシシリル基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位がのうちの少なくとも1種が好適である。これらの重合性基は、各種重合性基の中でも、反応性が高いことから好ましい。
 また、このような重合性基を含むノルボルネンの繰り返し単位を、2種以上含むものを用いれば、可撓性と耐熱性の両立を図ることができる。
 一方、アリール基を含む置換基を有するノルボルネンの繰り返し単位を含むことにより、アリール基に由来する極めて高い疎水性によって、吸水による寸法変化等をより確実に防止することができる。
 さらに、ノルボルネン系ポリマーは、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むものが好ましい。なお、アルキル基は、直鎖状または分岐状のいずれであってもよい。
 アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むことにより、ノルボルネン系ポリマーは、柔軟性が高くなるため、高いフレキシビリティ(可撓性)を付与することができる。
 また、アルキルノルボルネンの繰り返し単位を含むノルボルネン系ポリマーは、特定の波長領域(特に、850nm付近の波長領域)の光に対する透過率が優れることからも好ましい。
 このようなことから、ノルボルネン系樹脂としては、以下の式(1)~(4)、(8)~(10)で表されるものが好適である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000009
 (式(1)中、Rは、炭素数1~10のアルキル基を表し、aは、0~3の整数を表し、bは、1~3の整数を表し、p/qが20以下である。)
 式(1)のノルボルネン系樹脂は、以下のようにして製造することができる。
 Rを有するノルボルネンと、側鎖にエポキシ基を有するノルボルネンとをトルエンに溶かし、Ni化合物(A)を触媒として用いて溶液重合させることで(1)を得る。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000010
 なお、側鎖にエポキシ基を有するノルボルネンの製造方法は、たとえば、(i)(ii)の通りである。
(i)ノルボルネンメタノール(NB-CH-OH)の合成
 DCPD(ジシクロペンタジエン)のクラッキングにより生成したCPD(シクロペンタジエン)とαオレフィン(CH2=CH-CH2-OH)を高温高圧下で反応させる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000011
(ii)エポキシノルボルネンの合成
 ノルボルネンメタノールとエピクロルヒドリンとの反応により生成する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000012
 なお、式(1)において、bが2もしくは3の場合には、エピクロルヒドリンのメチレン基がエチレン基、プロピレン基等になったものを使用する。
 式(1)で表されるノルボルネン系樹脂の中でも、可撓性と耐熱性の両立を図ることが可能との観点から、特に、Rが炭素数4~10のアルキル基であり、aおよびbがそれぞれ1である化合物、例えば、ブチルボルネンとメチルグリシジルエーテルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとメチルグリシジルエーテルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとメチルグリシジルエーテルノルボルネンとのコポリマー等が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000013
 (式(2)中、Rは、炭素数1~10のアルキル基を表し、Rは、水素原子またはメチル基を表し、cは、0~3の整数を表し、p/qが20以下である。)
 式(2)のノルボルネン系樹脂は、R2を有するノルボルネンと、側鎖にアクリルおよびメタクリル基を有するノルボルネンとをトルエンに溶かし、上述したNi化合物(A)を触媒に用いて溶液重合させることで得ることができる。
 なお、式(2)で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、可撓性と耐熱性との両立の観点から、特に、Rが炭素数4~10のアルキル基であり、cが1である化合物、例えば、ブチルボルネンとアクリル酸2-(5-ノルボルネニル)メチルとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとアクリル酸2-(5-ノルボルネニル)メチルとのコポリマー、デシルノルボルネンとアクリル酸2-(5-ノルボルネニル)メチルとのコポリマー等が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000014
 (式(3)中、Rは、炭素数1~10のアルキル基を表し、各Xは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基を表し、dは、0~3の整数を表し、p/qが20以下である。)
 式(3)の樹脂は、R4を有するノルボルネンと、側鎖にアルコキシシリル基を有するノルボルネンとをトルエンに溶かし、上述したNi化合物(A)を触媒に用いて溶液重合させることで得ることができる。
 なお、式(3)で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、特に、Rが炭素数4~10のアルキル基であり、dが1または2、Xがメチル基またはエチル基である化合物、例えば、ブチルボルネンとノルボルネニルエチルトリメトキシシランとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとノルボルネニルエチルトリメトキシシランとのコポリマー、デシルノルボルネンとノルボルネニルエチルトリメトキシシランとのコポリマー、ブチルボルネンとトリエトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとトリエトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとトリエトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、ブチルボルネンとトリメトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとトリメトキシシリルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとトリメトキシシリルノルボルネンとのコポリマー等が好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000015
 (式中、Rは、炭素数1~10のアルキル基を表し、AおよびAは、それぞれ独立して、下記式(5)~(7)で表される置換基を表すが、同時に同一の置換基であることはない。また、p/q+rが20以下である。)
 R5を有するノルボルネンと、側鎖にA1およびA2を有するノルボルネンとをトルエンに溶かし、Ni化合物(A)を触媒に用いて溶液重合させることで(4)を得る。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000016
 (式(5)中、eは、0~3の整数を表し、fは、1~3の整数を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000017
 (式(6)中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、gは、0~3の整数を表す。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000018
 (式(7)中、Xは、それぞれ独立して、炭素数1~3のアルキル基を表し、hは、0~3の整数を表す。)
 なお、式(4)で表されるノルボルネン系ポリマーとしては、例えば、ブチルノルボルネン、ヘキシルノルボルネンまたはデシルノルボルネンのいずれかと、アクリル酸2-(5-ノルボルネニル)メチルと、ノルボルネニルエチルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルノルボルネンまたはトリメトキシシリルノルボルネンのいずれかとのターポリマー、ブチルボルネン、ヘキシルノルボルネンまたはデシルノルボルネンのいずれかと、アクリル酸2-(5-ノルボルネニル)メチルと、メチルグリシジルエーテルノルボルネンとのターポリマー、ブチルボルネン、ヘキシルノルボルネンまたはデシルノルボルネンのいずれかと、メチルグリシジルエーテルノルボルネン、ノルボルネニルエチルトリメトキシシラン、トリエトキシシリルノルボルネンまたはトリメトキシシリルノルボルネンのいずれかとのターポリマー等が挙げられる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000019
 (式(8)中、Rは、炭素数1~10のアルキル基を表し、Rは、水素原子、メチル基またはエチル基を表し、Arは、アリール基を表し、Xは、酸素原子またはメチレン基を表し、Xは、炭素原子またはシリコン原子を表し、iは、0~3の整数を表し、jは、1~3の整数を表し、p/qが20以下である。)
 Rを有するノルボルネンと、側鎖に-(CH2)-X1-X2(R8)3-j(Ar)jを含むノルボルネンとをトルエンに溶かし、Ni化合物を触媒に用いて溶液重合させることで(8)を得る。
 なお、式(8)で表されるノルボルネン系ポリマーの中でも、Xが酸素原子、Xがシリコン原子、Arがフェニル基であるものが好ましい。
 さらには、可撓性、耐熱性および屈折率制御の観点から特に、Rが炭素数4~10のアルキル基であり、Xが酸素原子、Xがシリコン原子、Arがフェニル基、Rがメチル基、iが1、jが2である化合物、例えば、ブチルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマー、デシルノルボルネンとジフェニルメチルノルボルネンメトキシシランとのコポリマー等が好ましい。
 具体的には、以下のようなノルボルネン系樹脂を使用することが好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000020
 (式(9)におけるR、R,p、q、iは、式(8)と同じである。)
 また、可撓性と耐熱性および屈折率制御の観点から、式(8)において、Rが炭素数4~10のアルキル基であり、Xがメチレン基、Xが炭素原子、Arがフェニル基、Rが水素原子、iが0、jが1である化合物、例えば、ブチルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー、ヘキシルノルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー、デシルノルボルネンとフェニルエチルノルボルネンとのコポリマー等であってもよい。
 さらに、ノルボルネン系樹脂として、次のようなものを使用してもよい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000021
 (式(10)において、R10は、炭素数1~10のアルキル基を表し、R11は、アリール基を示し、kは0以上、4以下である。p/qは20以下である。)
 また、p/q~p/q、p/q、p/qまたはp/q+rは、20以下であればよいが、15以下であるのが好ましく、0.1~10程度がより好ましい。これにより、複数種のノルボルネンの繰り返し単位を含む効果が如何なく発揮される。
 以上のようなノルボルネン系樹脂は、脱離性基を有するものであることが好ましい。ここで、脱離性基とは、酸の作用により離脱するものである。
 具体的には、分子構造中に、-O-構造、-Si-アリール構造および-O-Si-構造のうちの少なくとも1つを有するものが好ましい。かかる酸離脱性基は、カチオンの作用により比較的容易に離脱する。
 このうち、離脱により樹脂の屈折率に低下を生じさせる離脱性基としては、-Si-ジフェニル構造および-O-Si-ジフェニル構造の少なくとも一方が好ましい。
 例えば、式(8)で表されるノルボルネン系ポリマーの中で、Xが酸素原子、Xがシリコン原子、Arがフェニル基であるものが脱離性基を有するものとなる。
 また、式(3)においては、アルコキシシリル基のSi-O-Xの部分で脱離する場合がある。
 例えば、式(9)のノルボルネン系樹脂を使用した場合、光酸発生剤(PAGと表記)から発生した酸により、以下のように反応が進むと推測される。なお、ここでは、脱離性基の部分のみを示し、また、i=1の場合で説明している。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000022
 さらに、式(9)の構造に加えて、側鎖にエポキシ基を有するものであってもよい。このようなものを使用することで密着性に優れたフィルムが形成可能という効果がある。
 具体例として以下のようなものとなる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000023
 (式(31)において、p/q+rは、20以下である。)
 式(31)で示される化合物は、たとえば、ヘキシルノルボルネンと、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン(側鎖に-CH2-O-Si(CH3)(Ph)2を含むノルボルネン)およびエポキシノルボルネンをトルエンに溶かし、Ni化合物を触媒に用いて溶液重合させることで得ることができる。
 ((B)環状エーテル基を有するモノマー、環状エーテル基を有するオリゴマー)
 次に、(B)の成分について説明する。
 成分(B)は、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうちの少なくとも一方である。この成分(B)は、成分(A)の樹脂と屈折率が異なり、かつ、成分(A)の樹脂と相溶性のあるものであればよい。成分(B)と、成分(A)の樹脂との屈折率差は、0.01以上であることが好ましい。
 なお、成分(B)の屈折率は、成分(A)の樹脂よりも高いものであってもよいが、成分(B)は、成分(A)の樹脂よりも屈折率が低いことが好ましい。
 成分(B)の環状エーテル基を有するモノマー、環状エーテル基を有するオリゴマーは、酸の存在下において開環により重合するものである。モノマー、オリゴマーの拡散性を考慮すると、このモノマーの分子量(重量平均分子量)、オリゴマーの分子量(重量平均分子量)は、それぞれ100以上、400以下であることが好ましい。
 成分(B)は、たとえば、オキセタニル基あるいは、エポキシ基を有する。このような環状エーテル基は、酸により開環しやすいため、好ましい。
 オキセタニル基を有するモノマー、オキセタニル基を有するオリゴマーとしては、下記式(11)~(20)の群から選ばれるものが好ましい。これらを使用することで波長850nm近傍での透明性に優れ、可撓性と耐熱性の両立が可能という利点がある。また、これらを単独でも混合して用いても差し支えない。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000024
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000025
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000026
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000027
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000028
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000029
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000030
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000031
(式(18)においてnは0以上、3以下である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000032
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000033
 以上のようなモノマーおよびオリゴマーのなかでも、成分(A)の樹脂との屈折率差を確保する観点から式(13)、(15)、(16)、(17)、(20)で表される化合物を使用することが好ましい。
 さらには、成分(A)の樹脂との屈折率差がある点、分子量が小さく、モノマーの運動性が高い点、モノマーが容易に揮発しない点を考慮すると、式(20)、式(15)で表される化合物を使用することが特に好ましい。
 また、オキセタニル基を有する化合物としては、以下の式(32)、式(33)で表される化合物を使用することができる。式(32)で表される化合物としては、東亞合成製の商品名TESOX等、式(33)で表される化合物としては、東亞合成製の商品名OX-SQ等を使用することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000034
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000035
 (式(33)において、nは1または2である)
 また、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーとしては、たとえば、以下のようなものがあげられる。このエポキシ基を有するモノマー、オリゴマーは、酸の存在下において開環により重合するものである。
 エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーとしては、以下の式(34)~(39)で表されるものを使用することができる。なかでも、エポキシ環のひずみエネルギーが大きく反応性に優れるという観点から式(36)~(39)で表される脂環式エポキシモノマーを使用することが好ましい。
 なお、式(34)で表される化合物は、エポキシノルボルネンであり、このような化合物としては、たとえば、プロメラス社製 EpNBを使用することができる。式(35)で表される化合物は、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシランであり、この化合物としては、たとえば、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製 Z-6040を使用することができる。また、式(36)で表される化合物は、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランであり、この化合物としては、たとえば、東京化成製 E0327を使用することができる。
 さらに、式(37)で表される化合物は、3、4-エポキシシクロヘキセニルメチル-3、’4’-エポキシシクロヘキセンカルボキシレートであり、この化合物としては、たとえば、ダイセル化学社製 セロキサイド2021Pを使用することができる。また、式(38)で表される化合物は、1,2-エポキシ-4-ビニルシクロヘキサンであり、この化合物としては、たとえば、ダイセル化学社製 セロキサイド2000を使用することができる。
 さらに、式(39)で表される化合物は、1,2:8,9ジエポキシリモネンであり、この化合物としては、たとえば、(ダイセル化学社製 セロキサイド3000)を使用することができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000036
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000037
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000038
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000039
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000040
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000041
 さらに、(B)の成分として、オキセタニル基を有するモノマー、オキセタニル基を有するオリゴマーと、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーとが併用されていてもよい。
 オキセタニル基を有するモノマー、オキセタニル基を有するオリゴマーは重合を開始する開始反応が遅いが、生長反応が速い。これに対し、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーは、重合を開始する開始反応が速いが、生長反応が遅い。そのため、オキセタニル基を有するモノマー、オキセタニル基を有するオリゴマーと、エポキシ基を有するモノマー、エポキシ基を有するオリゴマーとを併用することで、光を照射した際に、光照射部分と、未照射部分との屈折率差を確実に生じさせることができる。
 この(B)成分の添加量は、(A)成分100重量部に対し、1重量部以上、50重量部以下であることが好ましく、2重量部以上、20重量部以下であることがより好ましい。これにより、コア/クラッド間の屈折率変調を可能にし、可撓性と耐熱性との両立が図れるという効果がある。
 ((C)光酸発生剤)
 光酸発生剤としては、光のエネルギーを吸収してブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成するものであればよく、例えば、トリフェニルスルフォニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリス(4-t-ブチルフェニル)スルホニウム-トリフルオロメタンスルホネートなどのスルホニウム塩類、p-ニトロフェニルジアゾニウムヘキサフルオロホスフェートなどのジアゾニウム塩類、アンモニウム塩類、ホスホニウム塩類、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、(トリキュミル)ヨードニウム-テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのヨードニウム塩類、キノンジアジド類、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタンなどのジアゾメタン類、1-フェニル-1-(4-メチルフェニル)スルホニルオキシ-1-ベンゾイルメタン、N-ヒドロキシナフタルイミド-トリフルオロメタンサルホネートなどのスルホン酸エステル類、ジフェニルジスルホンなどのジスルホン類、トリス(2,4,6-トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(3.4-メチレンジオキシフェニル)-4,6-ビス-(トリクロロメチル)-s-トリアジンなどのトリアジン類などの化合物を挙げることができる。これらの光酸発生剤は、単独、または複数を組み合わせて使用することができる。
 光酸発生剤の含有量は、(A)成分100重量部に対し0.01重量部以上、0.3重量部以下であることが好ましく、0.02重量部以上、0.2重量部以下であることがより好ましい。これにより、反応性の向上という効果がある。
 感光性樹脂組成物は、以上の(A)、(B)、(C)の成分に加えて、増感剤等の添加剤を含有していてもよい。
 増感剤は、光に対する光酸発生剤の感度を増大して、光酸発生剤の活性化(反応または分解)に要する時間やエネルギーを減少させる機能や、光酸発生剤の活性化に適する波長に光の波長を変化させる機能を有するものである。
 このような増感剤としては、光酸発生剤の感度や増感剤の吸収のピーク波長に応じて適宜選択され、特に限定されないが、たとえば、9,10-ジブトキシアントラセン(CAS番号第76275-14-4番)のようなアントラセン類、キサントン類、アントラキノン類、フェナントレン類、クリセン類、ベンツピレン類、フルオラセン類(fluoranthenes)、ルブレン類、ピレン類、インダンスリーン類、チオキサンテン-9-オン類(thioxanthen-9-ones)等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
 増感剤の具体例としては、例えば、2-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、4-イソプロピル-9H-チオキサンテン-9-オン、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン、フェノチアジン(phenothiazine)またはこれらの混合物が挙げられる。
 増感剤の含有量は、感光性樹脂組成物中で、0.01重量%以上であるのが好ましく、0.5重量%以上であるのがより好ましく、1重量%以上であるのがさらに好ましい。なお、上限値は、5重量%以下であるのが好ましい。
 以上の感光性樹脂組成物のうち、成分(A)として側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン樹脂と、成分(C)の光酸発生剤と、成分(B)として下記式(100)に記載の第1モノマーと、を含む感光性樹脂組成物が特に好ましい。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000042
 以下、特に好ましいこの感光性樹脂組成物について説明する。
 前記側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン樹脂を構成する環状オレフィン樹脂(A)としては、前述したようなものを使用できるが、例えばシクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体モノマーの重合体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体モノマーの重合体等が挙げられる。これらの中でも多環体モノマーの重合体の中から選ばれる1種以上の環状オレフィン樹脂が好ましく用いられる。これにより、樹脂の耐熱性を向上することができる。
 なお、重合形態としては、ランダム重合、ブロック重合等の公知の形態を適用することができる。例えばノルボルネン型モノマーの重合の具体例としては、ノルボルネン型モノマ-の(共)重合体、ノルボルネン型モノマ-とα-オレフィン類などの共重合可能な他のモノマ-との共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物などが具体例に該当する。これら環状オレフィン樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とがあり、前述の中でも付加重合法で得られる環状オレフィン樹脂(特にノルボルネン系樹脂)が好ましい(すなわち、ノルボルネン系化合物の付加重合体)。これにより、透明性、耐熱性および可撓性に優れる。
 前記脱離性基としては、光酸発生剤から発生する酸(H)の作用により分子の一部が切断されて離脱するものである。具体的には、分子構造中(側鎖)に、前述したような-O-構造、-Si-アリール構造および-O-Si-構造のうちの少なくとも1つを有するものが好ましい。上述したような離脱性基は、酸(H)の作用により比較的容易に離脱する。
 上述した脱離性基の中でも離脱により樹脂の屈折率に低下を生じさせる離脱性基としては、-Si-ジフェニル構造および-O-Si-ジフェニル構造の少なくとも一方が好ましい。
 前記脱離性基の含有量は、特に限定されないが、前記側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン樹脂中の10~80重量%であるのが好ましく、特に20~60重量%であるのがより好ましい。含有量が前記範囲内であると、特に可撓性と屈折率変調機能(屈折率差を大きくする効果)との両立に優れる。
 このような側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン樹脂としては、下記式(101)および/または下記式(102)で示される繰り返し単位を有するものが好ましい。これにより、樹脂の屈折率を高くすることができる。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000043
 (式101においてnは0以上、9以下の整数である。)
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000044
 前記感光性樹脂組成物は、上記式(100)に記載のモノマー(以下、第1モノマーという)を含む。これにより、さらに左右のコア/クラッド間の屈折率差を拡大することができる。
 第1モノマーの含有量は、特に限定されないが、前記側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン樹脂100重量部に対して1重量部以上、50重量部以下であることが好ましく、特に2重量部以上、20重量部以下であることが好ましい。これにより、コア/クラッド間の屈折率変調を可能にし、可撓性と耐熱性との両立が図られる。
 このように、上述した第1モノマーを側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン樹脂と併用した場合に、コア/クラッド間の屈折率変調と、可撓性とのバランスに優れることの理由は、以下の通りと考えられる。
 まず、以上のような感光性樹脂組成物を用いた場合に、コア/クラッド間の屈折率変調に優れるのは、光照射等によって発生した酸により、第1モノマーが重合反応を開始するとき、第1モノマーがその反応性に優れているからである。第1モノマーの反応性が優れていると、第1モノマーの硬化性が高くなり、第1モノマーの濃度勾配によって生じる第1モノマーの拡散性が向上する。それによって、光照射領域と、未照射領域との屈折率差を大きくすることができる。
 また、第1モノマーは一官能であるために、重合反応が進行して感光性樹脂組成物としての架橋密度はそれほど高くはならない。そのため、可撓性にも優れている。
 前記感光性樹脂組成物は、特に限定されないが、前記第1モノマーと異なる第2モノマーを含んでいてもよい。なお、前記第1モノマーと異なる第2モノマーとは、構造が異なるモノマーでもよく、分子量が異なるモノマーでもよい。
 なかでも、第2モノマーは、成分(B)として含まれており、例えばエポキシ化合物、式(100)で示されるものと異なる他のオキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等が挙げられる。これらの中でもエポキシ化合物(特に脂環式エポキシ化合物)および2官能のオキセタン化合物(オキセタニル基を2つ有するモノマー)の少なくとも1種が好ましい。これにより、前記第1モノマーと前記環状オレフィン樹脂との反応性を向上させることができ、それによって透明性を保持しつつ、導波路の耐熱性を向上させることができる。
 第2モノマーとしては、具体的には、上記式(15)の化合物、上記式(12)の化合物、上記式(11)の化合物、上記式(18)の化合物、上記式(19)の化合物、上記式(34)~(39)の化合物が挙げられる。
 前記第2モノマーの含有量は、特に限定されないが、前記環状オレフィン樹脂100重量部に対して1重量部以上、50重量部以下であることが好ましく、特に2重量部以上、20重量部以下であることがより好ましい。これにより、前記第1モノマーとの反応性を向上させることができる。
 また、前記第2モノマーと前記第1モノマーとの併用割合も特に限定されないが、重量比(前記第2モノマーの重量/前記第1モノマーの重量)で、0.1~1が好ましく、特に0.1~0.6が好ましい。併用割合が前記範囲内であると、反応性の速さと導波路の耐熱性とのバランスに優れる。
 光酸発生剤の含有量は、特に限定されないが、前記側鎖に脱離性基を有する環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.01重量部以上、0.3重量部以下であることが好ましく、特に0.02重量部以上、0.2重量部以下であることがより好ましい。含有量が下限値未満であると反応性が低下する場合があり、前記上限値を超えると光導波路に着色が生じて光損失が低下する場合がある。
 前記感光性樹脂組成物は、上述した環状オレフィン系樹脂、光酸発生剤、第1モノマーおよび第2モノマー以外に、硬化触媒、酸化防止剤等を含んでいてもよい。
 また、上述した感光性樹脂組成物は、コア部94の形成用の組成物として用いることができる。
(光導波路の製造方法及び光導波路の第1製造方法)
 図19、20、21は、それぞれ、光導波路の製造方法の工程例を、図33~35は、それぞれ、光導波路の第1製造方法の工程例を、模式的に示す断面図である。
 ここでは、成分(B)が成分(A)の環状オレフィン樹脂よりも屈折率が低いものである場合の感光性樹脂組成物を用いて光導波路を製造する方法を例にして説明する。
 まず、図19(A)、図33(A)に示すように、感光性樹脂組成物を溶媒に溶かしてワニス900、1900(以下、ワニス900とも表記する)を調製し、このワニス900をクラッド層91、1091(以下、クラッド層91とも表記する)上に塗布する。
 感光性樹脂組成物をワニス状に調製する溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2-ジメトキシエタン(DME)、1,4-ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ジエチレングリコールエチルエーテル(カルビトール)などのエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン、メシチレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン、メチルピロリドンなどの芳香族複素環化合物系溶媒、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N-ジメチルアセトアミド(DMA)などのアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2-ジクロロエタンなどのハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチルなどのエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホランなどの硫黄化合物系溶媒の各種有機溶媒、または、これらを含む混合溶媒が挙げられる。
 次に、光導波路9のクラッド層91上にワニス900を塗布した後、乾燥させて、溶媒を蒸発(脱溶媒)させる。これにより、図19(B)、図33(B)に示すように、ワニス900は、光導波路形成用のフィルム910、1910(以下、フィルム910とも表記する)となる。このフィルム910は、後述する光の照射により、コア部94とクラッド部95、1095(以下、クラッド部95とも表記する)とが形成されたコア層93、1093(以下、コア層93とも表記する)となる。
 ここで、ワニス900を塗布する方法としては、たとえば、ドクターブレード法、スピンコート法、ディッピング法、テーブルコート法、スプレー法、アプリケーター法、カーテンコート法、ダイコート法の方法が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。クラッド層91としては、たとえば、後述するコア部94よりも屈折率が低いシートが使用され、たとえば、ノルボルネン系樹脂と、エポキシ樹脂とを含むシートが使用される。
 次に、フィルム910に対し、選択的に光(たとえば、紫外線)を照射する。
 この際、図20(A)、図34(A)に示すように、フィルム910の上方に開口が形成されたマスクMを配置する。このマスクMの開口を介して、フィルム910に対し、光を照射する。
 用いられる光としては、例えば、波長200~450nmの範囲にピーク波長を有するものが挙げられる。これにより、光酸発生剤の組成にもよるが、光酸発生剤を比較的容易に活性化させることができる。
 また、光の照射量は、特に限定されないが、0.1~9J/cm程度であるのが好ましく、0.2~6J/cm程度であるのがより好ましく、0.2~3J/cm程度であるのがさらに好ましい。
 なお、レーザー光のように指向性の高い光を用いる場合には、マスクMの使用を省略することもできる。
 フィルム910のうち、光が照射された領域では、光酸発生剤から酸が発生することとなる。発生した酸により、成分(B)が重合する。
 光が照射されていない領域では、光酸発生剤から酸が発生しないため、成分(B)は重合しない。照射部分では、成分(B)が重合しポリマーとなるため、成分(B)量が少なくなる。これに応じて、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散し、これにより、照射部分と未照射部分とで屈折率差が生じる。
 ここで、成分(B)が、環状オレフィン樹脂よりも屈折率が低い場合には、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散することで、未照射部分の屈折率が高くなるとともに、照射部分の屈折率は低くなる。
 なお、成分(B)が重合したポリマーと、環状エーテル基を有するモノマーとの屈折率差は、0以上、0.001以下程度であり、屈折率は略同じであると考えられる。
 このように上述した感光性樹脂組成物を使用した場合には、光酸発生剤から発生する酸により、成分(B)の重合を開始させることが可能である。
 さらに、本発明に用いられる環状オレフィン樹脂は必ずしも脱離性基を有していなくてもよいが、成分(A)として、脱離性基を有する環状オレフィン樹脂を使用している場合には、以下の作用が生じる。
 光を照射した部分では、光酸発生剤から発生した酸により、環状オレフィン樹脂の脱離性基が脱離することとなる。-Si-アリール構造、-Si-ジフェニル構造および-O-Si-ジフェニル構造等の脱離性基の場合、離脱により樹脂の屈折率が低下することとなる。そのため、照射部分の屈折率は脱離性基の脱離前に比べてさらに低下することとなる。
 次に、フィルム910を加熱する。この加熱工程において、光を照射した照射部分の成分(B)がさらに重合する。一方で、この加熱工程において、未照射部分の成分(B)は揮発することとなる。これにより、未照射部分では、成分(B)が少なくなり、環状オレフィン樹脂に近い屈折率となる。
 このフィルム910においては、図20(B)、図34(B)に示すように、光が照射された領域がクラッド部95となり、未照射領域がコア部94となる。コア部94における前記成分(B)由来の構造体濃度と、クラッド部95における前記成分(B)由来の構造体濃度とが異なる。具体的には、コア部94における成分(B)由来の構造体濃度は、クラッド部95における成分(B)由来の構造体濃度より低い。
 また、クラッド部95は、コア部94よりも屈折率が低くなり、クラッド部95とコア部94との屈折率差は、0.01以上となる。以上のようにして、フィルム910には、コア部94とクラッド部95とが形成され、コア層93が得られる。
 この加熱工程における加熱温度は、特に限定されないが、30~180℃程度であるのが好ましく、40~160℃程度であるのがより好ましい。
 また、加熱時間は、光を照射した照射部分の成分(B)の重合反応がほぼ完了するように設定するのが好ましく、具体的には、0.1~2時間程度であるのが好ましく、0.1~1時間程度であるのがより好ましい。
 その後、このコア層93上に、クラッド層91と同様のフィルムを貼り付ける。このフィルムがクラッド層92、1092(以下、クラッド層92とも表記する)となる。一対のクラッド層91、92は、クラッド部95とは異なる方向から、コア部94を挟むように配置されることとなる。
 なお、クラッド層92は、フィルム状のものを貼り付けるのではなく、コア層93上に液状材料を塗布し硬化(固化)させる方法によっても形成することができる。
 以上の工程により、図21、図35に示す光導波路9が得られる。
 また、本発明において用いる感光性樹脂組成物により光導波路9を得た場合には、特に半田耐リフロー性に優れる。さらに、光導波路9を曲げた場合であっても光損失を少なくすることができる。
 なお、上記の説明では、クラッド層91上に直接、感光性樹脂組成物を供給し、フィルム910(コア層93)を形成する場合について説明したが、別の基材上にフィルム910(コア層93)を形成した後、得られたコア層93をクラッド層91またはクラッド層92上に転写し、その後、コア層93を介してクラッド層91とクラッド層92とを重ね合わせるようにしてもよい。
 次に、本実施形態の作用効果について説明する。
 本実施形態において用いる感光性樹脂組成物に光を当てると、光酸発生剤から酸が発生し、照射部分のみにおいて、成分(B)が重合されることとなる。そうすると、照射部分における成分(B)の量が少なくなるため、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散し、これにより、照射部分と未照射部分とで屈折率差が生じる。具体的には、本実施形態では、ベースポリマーとして、成分(B)よりも屈折率が高い置換または無置換の環状オレフィン樹脂を使用しているため、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散することで、未照射部分の屈折率が、照射部分の屈折率よりも高くなる。
 これに加え、光照射後、感光性樹脂組成物の加熱を行うと、未照射部分から成分(B)が揮発する。これにより、照射部分と未照射部分とでさらに屈折率差が生じる。
 このように感光性樹脂組成物を使用することで、照射部分と未照射部分とで確実に屈折率差を形成することができる。また、本発明によれば、単に光を照射するという簡単な方法でコア部をパターニングすることができる。例えば、フォトマスク等の露光パターンを適宜選択することにより、どのような形状や配置の光路(コア部)でも形成することができ、また、細い光路でもシャープに形成することができるので、回路の集積化に寄与し、デバイスの小型化が図られる。すなわち、本発明によれば、コア部のパターン形状の設計の自由度が広く、しかも寸法精度の高いコア部が得られる。
 なお、従来、オキセタニル基等を有するノルボルネン系樹脂を、熱酸発生剤により架橋させる技術が知られている。しかしながら、このような技術に用いられる組成物は、ベースポリマーとして、オキセタニル基等を有するノルボルネン系樹脂を含有する。そして、組成物全体を加熱させ、組成物全体において架橋構造を生じさせるものである。そのため、従来用いられていたこの組成物には、選択的に光を照射し、酸を発生させることで、選択的に重合を生じさせ、モノマー濃度が少なくなった領域にモノマーが拡散して、濃度差ができるという技術的思想は全くない。
 これに対し、本実施形態において用いる感光性樹脂組成物は、選択的に光を照射すると、酸の発生により照射部分における成分(B)の量が少なくなるため、未照射部分の成分(B)が照射部分に拡散し、これにより、照射部分と未照射部分とで屈折率差が生じることを見出したものである。
 また、環状オレフィン樹脂を、光酸発生剤から発生する酸により脱離し、脱離により、成分(A)の環状オレフィン樹脂の屈折率を低下させる脱離性基を有するものとした場合には、光を照射した領域の屈折率を、未照射領域に比べ確実に低下させることができる。
 一方で、環状オレフィン樹脂を脱離性基を有しないものとした場合には、側鎖が化学的に安定となるため、光照射や、加熱等の条件により、コア部、クラッド部の屈折率が変動してしまうことを抑制できる。
 さらに、本実施形態では、成分(A)としてノルボルネン系樹脂を使用している。これにより、特定波長における光透過性を確実に高めることができ、伝搬損失の低減を確実に図ることができる。
 また、クラッド部95は、コア部94よりも屈折率が低く、クラッド部95とコア部94との屈折率差を0.01以上とすることで、確実に光をコア部94に閉じ込めることができ、光の伝搬損失の発生を抑制できる。
 一方、従来、光導波路形成用の組成物として、ポリマー、モノマー、助触媒および触媒前駆体を含むものが知られている。
 このうち、モノマーは、光の照射により反応物を形成し、光を照射した領域の屈折率を、未照射領域の屈折率と異ならせ得るものである。
 また、触媒前駆体は、モノマーの反応(重合反応、架橋反応等)を開始させ得る物質であり、光の照射により活性化した助触媒の作用により、活性化温度が変化する物質である。この活性化温度の変化により、光の照射領域と未照射領域との間で、モノマーの反応を開始させる温度が異なり、その結果、照射領域のみにおいて反応物を形成させることができる。
 これに対し、本実施形態において用いる感光性樹脂組成物は、このような多量の金属元素を含む物質を必要としない。このため、上述したような伝搬損失の増加が防止され、伝搬効率に優れかつ耐熱性に優れた光導波路9が得られる。
 このような従来の組成物を用いた場合でも光照射によりコア部とクラッド部とを作り分けることができるが、本実施形態に用いられる感光性樹脂組成物によれば、コア部94とクラッド部95との屈折率差をより拡大するとともに、耐熱性が向上するため、より信頼性の高い光導波路9が得られる。これは主に、成分(A)および成分(B)の組成を最適化したことによるものである。
 一方、上記の触媒前駆体には、パラジウム等の金属元素を比較的多量に含んでいるため、光導波路を伝搬する光を吸収して、伝搬損失を増加させるという副作用をもたらす。特に、光導波路を湾曲させた際には、その傾向が顕著であった。また、触媒前駆体を含んでいることにより、耐熱性が低下し、リフロー時に伝搬効率が低下するという問題もあった。
 このような従来の組成物を用いた場合でも光照射によりコア部とクラッド部とを作り分けることができるが、本実施形態に用いられる感光性樹脂組成物によれば、コア部1094とクラッド部1095との屈折率差をより拡大するとともに、耐熱性が向上するため、より信頼性の高い光導波路1009が得られる。これは、成分(A)および成分(B)の組成を最適化したことによるものである。
 以上のような光導波路の第1製造方法により、光導波路1009が得られる。
(光導波路の第2製造方法)
 なお、第16実施形態および第17実施形態に係る光導波路1009を製造する際には、上記方法により平面視におけるコア部1094の形状を形作るのに加え、以下の方法により縦断面におけるコア層1093の形状を形作る。
 以下、光導波路の第2製造方法について説明するが、縦断面におけるコア層1093の形状を形作る点以外は、第1製造方法と同様である。
 図36~38は、それぞれ、光導波路の第2製造方法の工程例を模式的に示す斜視図である。なお、図36~38では、コア層1093およびクラッド層1092を透過するように描いている。また、図38では、コア部94に相当する領域にドットを付している。
 まず、図36(a)に示すように、クラッド層1091を用意する。このクラッド層1091の上面は、製造しようとするコア層1093の厚さの変化に応じて、所定の段差が形成されている。なお、ここでは、図27(c)に示す光導波路1009を製造する場合を例に説明する。図27(c)に示す光導波路1009では、その左側の端部に厚膜部分1943が設けられ、右側の端部に薄膜部分1944が設けられている。一方、クラッド層1091の上面は、コア層1093の厚さ変化に応じて上下しているのに対し、下面は水平な平滑面となっている。図36(a)では、このクラッド層1091をそれぞれ両端側に延長したものを下側クラッド層用母材1091’として用意する。この下側クラッド層用母材1091’は、長手方向の左側の端面からわずかに右側に移動した箇所に、左側の端部に向かって上面が左下がりに徐々に低くなる第1の面1911と、それに続いて左上がりに徐々に高くなる第2の面1912とを有している。また、長手方向の右側の端面からわずかに左側に移動した箇所には、右側の端部に向かって上面が右上がりに徐々に高くなる第3の面1913と、それに続いて右下がりに徐々に低くなる第4の面1914とを有している。このうち、第1の面1911および第3の面1913の上面の傾斜の程度は、それぞれ、図27(c)に示すコア層1093の厚膜部分1943および薄膜部分1944の下面の傾斜の程度にそれぞれ対応している。一方、第2の面1912および第4の面1914の上面の傾斜の程度は、それぞれ第1の面1911および第3の面1913を反転したものと同じである。また、これらの面以外の上面は、水平面となっている。
 次に、感光性樹脂組成物を溶媒に溶かしてワニス1900を調製し、このワニス1900を下側クラッド層用母材1091’上に塗布する。その後、乾燥を経て、フィルム1910を得る(図36(b)参照)。
 次に、フィルム1910に対し、選択的に光を照射する。この際、図36(c)に示すように、フィルム1910の上方に開口が形成されたマスクMを配置し、この開口を介してフィルム1910に光を照射する。これにより、照射領域と未照射領域との間に屈折率差が生じる。なお、ここでは、光が照射された領域がクラッド部1095となり、未照射領域がコア部1094となる(図37(d)参照)。以上のようにして、フィルム1910にコア層1093が形成される。
 次に、得られたフィルム1910と下側クラッド層用母材1091’の積層体を、図37(e)に示す2つの切断面Sで切断する。この2つの切断面Sは、下側クラッド層用母材1091’の上面に設けられた第1の面1911と第2の面1912との境界線、および、第3の面1913と第4の面1914との境界線にそれぞれ沿う面である。前記積層体を切断面Sで切断することにより、(下側)クラッド層1091とコア層1093との積層体が得られる(図37(f)参照)。
 次に、図38(g)に示すように、コア層1093上にクラッド層1092を貼り付ける。以上の工程により、図38(h)に示す光導波路1009が得られる。
 なお、上記の説明では、図27(c)に示す光導波路1009を製造する方法について説明したが、必要に応じて、フィルム1910を乾燥させる際に、フィルム1910の上面を成形(例えば、機械加工、型押し等)しつつ乾燥させればよい。これにより、フィルム1910の上面を上下させることができ、図27(a)、図27(b)および図27(d)に示す光導波路1009を製造することもできる。
 また、工程の順序は上記のものに限定されず、例えば、クラッド層1092を形成するための母材を貼り付けてから、切断面Sで切断するようにしてもよい。
 以上、本発明について説明したが、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
 また、前記実施形態では、感光性樹脂組成物を使用して、光導波路フィルムを形成したが、これに限らず、ホログラム等に使用してもよい。前述の感光性樹脂組成物は、屈折率が高い領域と、屈折率が低い領域とが混在するフィルムを形成するのに適している。
 次に、本発明の実施例について説明する。
A.光導波路の製造
(実施例1)
(1)脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成
 水分および酸素濃度がいずれも1ppm以下に制御され、乾燥窒素で充満されたグローブボックス中において、ヘキシルノルボルネン(HxNB)7.2g(40.1mmol)、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン12.9g(40.1mmol)を500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加え、シリコン製のシーラーを被せて上部を密栓した。
 次に、100mLバイアルビン中に下記化学式(B)で表わされるNi触媒1.56g(3.2mmol)と脱水トルエン10mLを計量し、スターラーチップを入れて密栓し、触媒を十分に撹拌して完全に溶解させた。
 この下記化学式(B)で表わされるNi触媒溶液1mLをシリンジで正確に計量し、上記2種のノルボルネンを溶解させたバイアル瓶中に定量的に注入し室温で1時間撹拌したところ、著しい粘度上昇が確認された。この時点で栓を抜き、テトラヒドロフラン(THF)60gを加えて撹拌を行い、反応溶液を得た。
 100mLビーカーに無水酢酸9.5g、過酸化水素水18g(濃度30%)、イオン交換水30gを加えて撹拌し、その場で過酢酸水溶液を調製した。次にこの水溶液全量を上記反応溶液に加えて12時間撹拌してNiの還元処理を行った。
 次に、処理の完了した反応溶液を分液ロートに移し替え、下部の水層を除去した後、イソプロピルアルコールの30%水溶液を100mL加えて激しく撹拌を行った。静置して完全に二層分離が行われた後で水層を除去した。この水洗プロセスを合計で3回繰り返した後、油層を大過剰のアセトン中に滴下して生成したポリマーを再沈殿させ、ろ過によりろ液と分別した後、60℃に設定した真空乾燥機中で12時間加熱乾燥を行うことにより、ポリマー#1を得た。ポリマー#1の分子量分布は、GPC測定によると、Mw=10万、Mn=4万であった。また、ポリマー#1中の各構造単位のモル比は、NMRによる同定によると、ヘキシルルボルネン構造単位が50mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位が50mol%であった。またメトリコンによる屈折率は1.55(測定波長;633nm)であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000045
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000046
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(式20(式100)で示した第1モノマー、東亜合成製 CHOX、CAS#483303-25-9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)2g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV1を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 シリコンウエハ上に感光性ノルボルネン樹脂組成物(プロメラス社製 Avatrel2000Pワニス)をドクターブレードにより均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、塗布された全面に紫外線を100mJ照射し、乾燥機中120℃で1時間加熱して、塗膜を硬化させて、下側クラッド層を形成させた。形成された下側クラッド層は、厚みが20μmであり、無色透明であり、屈折率は1.52(測定波長;633nm)であった。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV1をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 ポリエーテルスルホン(PES)フィルム上に、予め乾燥厚み20μmになるようにAvatrel2000Pを積層させたドライフィルムを、上記コア層に貼り合わせ、140℃に設定された真空ラミネーターに投入して熱圧着を行った。その後、紫外線を100mJ全面照射し乾燥機中120℃で1時間加熱して、Avatrel2000Pを硬化させて、上側クラッド層を形成させ、光導波路を得た。このとき、上側クラッド層は、無色透明であり、その屈折率は1.52であった。
(4)評価
(光導波路の損失評価)
 850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して上記光導波路に導入し、200μmφの光ファイバーで受光を行って光の強度を測定した。なお、測定にはカットバック法を採用した。光導波路の長手方向を横軸にとり、挿入損失を縦軸にプロットしていったところ、測定値はきれいに直線上に並び、その傾きから伝搬損失は0.03dB/cmと算出することができた。
(コア部とクラッド部との屈折率差)
 上記(コア層の形成)で形成した、水平方向に隣接する左右のコア部-クラッド部間の屈折率差は、次のように求めた。
 カナダ国 EXFO社製 Optical waveguide analyzer OWA-9500により波長656nmのレーザー光を光導波路に照射し、コア領域およびクラッド領域の屈折率をそれぞれ実測して、それらの差を算出した。その結果、屈折率差は0.02であった。
(実施例2)
(1)脱離性基を有しないノルボルネン系樹脂の合成
 水分および酸素濃度がいずれも1ppm以下に制御され、乾燥窒素で充満されたグローブボックス中において、ヘキシルノルボルネン(HxNB)9.4g(53.1mmol)、フェニルエチルノルボルネン10.5g(53.1mmol)を500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加え、シリコン製のシーラーを被せて上部を密栓した。
 次に、100mLバイアルビン中に上記化学式(B)で表わされるNi触媒2.06g(3.2mmol)と脱水トルエン10mLを計量し、スターラーチップを入れて密栓し、触媒を十分に撹拌して完全に溶解させた。
 上記化学式(B)で表わされるNi触媒溶液1mLをシリンジで正確に計量し、上記2種のノルボルネンを溶解させたバイアル瓶中に定量的に注入し室温で1時間撹拌したところ、著しい粘度上昇が確認された。この時点で栓を抜き、テトラヒドロフラン(THF)60gを加えて撹拌を行い、反応溶液を得た。
 100mLビーカーに無水酢酸9.5g、過酸化水素水18g(濃度30%)、イオン交換水30gを加えて撹拌し、その場で過酢酸水溶液を調製した。次にこの水溶液全量を上記反応溶液に加えて12時間撹拌してNiの還元処理を行った。
 次に、処理の完了した反応溶液を分液ロートに移し替え、下部の水層を除去した後、イソプロピルアルコールの30%水溶液を100mL加えて激しく撹拌を行った。静置して完全に二層分離が行われた後で水層を除去した。この水洗プロセスを合計で3回繰り返した後、油層を大過剰のアセトン中に滴下して生成したポリマーを再沈殿させ、ろ過によりろ液と分別した後、60℃に設定した真空乾燥機中で12時間加熱乾燥を行うことにより、ポリマー#2を得た。ポリマー#2の分子量分布は、GPC測定によると、Mw=9万、Mn=4万であった。また、ポリマー#2中の各構造単位のモル比は、NMRによる同定によると、ヘキシルルボルネン構造単位が50mol%、フェニルエチルノルボルネン構造単位が50mol%であった。またメトリコンによる屈折率は1.54(測定波長;633nm)であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000047
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#2 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(式20で示したもの、東亜合成製 CHOX、CAS#483303-25-9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)2g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV2を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV2をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上側クラッド層を作製した
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.04dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.01であった。
(実施例3)
(1)脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成
 実施例1と同様の方法でノルボルネン系樹脂を作製した。
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、2官能オキセタンモノマー(式(15)で示したもの、東亜合成製、DOX、CAS#18934-00-4、分子量214、沸点119℃/0.67kPa)2g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV3を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV3をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上側クラッド層を作製した。
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.04dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.01であった。
(実施例4)
(1)脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成
 実施例1と同様の方法でノルボルネン系樹脂を作製した。
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、脂環式エポキシモノマー(式(37)で示したもの、ダイセル化学製、セロキサイド2021P、CAS#2386-87-0、分子量252、沸点188℃/4hPa)2g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV4を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV4をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上側クラッド層を作製した。
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.04dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.01であった。
(実施例5)
(1)脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成
 実施例1と同様の方法でノルボルネン系樹脂を作製した。
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(式20で示したもの、東亜合成製 CHOX)1g、脂環式エポキシモノマー(ダイセル化学製、セロキサイド2021P)1g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV5を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV5をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上側クラッド層を作製した。
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.03dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.01であった。
(実施例6)
(1)脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成
 実施例1と同様の方法でノルボルネン系樹脂を作製した。
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(式20で示したもの、東亜合成製 CHOX)1.5g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV6を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV6をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上側クラッド層を作製した。
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.03dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.01であった。
(実施例7)
(1)脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成
 水分および酸素濃度がいずれも1ppm以下に制御され、乾燥窒素で充満されたグローブボックス中において、ヘキシルノルボルネン(HxNB)6.4g(36.1mmol)、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン(diPhNB)8.7g(27.1mmol)、エポキシノルボルネン(EpNB)4.9g(27.1mmol)を500mLバイアル瓶に計量し、脱水トルエン60gと酢酸エチル11gを加え、シリコン製のシーラーを被せて上部を密栓した。
 次に、100mLバイアルビン中に上記化学式(B)で表わされるNi触媒1.75g(3.2mmol)と脱水トルエン10mLを計量し、スターラーチップを入れて密栓し、触媒を十分に撹拌して完全に溶解させた。
 この上記化学式(B)で表わされるNi触媒溶液1mLをシリンジで正確に計量し、上記3種のノルボルネンを溶解させたバイアル瓶中に定量的に注入し室温で1時間撹拌したところ、著しい粘度上昇が確認された。この時点で栓を抜き、テトラヒドロフラン(THF)60gを加えて撹拌を行い、反応溶液を得た。
 100mLビーカーに無水酢酸9.5g、過酸化水素水18g(濃度30%)、イオン交換水30gを加えて撹拌し、その場で過酢酸水溶液を調製した。次にこの水溶液全量を上記反応溶液に加えて12時間撹拌してNiの還元処理を行った。
 次に、処理の完了した反応溶液を分液ロートに移し替え、下部の水層を除去した後、イソプロピルアルコールイソプロピルアルコールの30%水溶液を100mL加えて激しく撹拌を行った。静置して完全に二層分離が行われた後で水層を除去した。この水洗プロセスを合計で3回繰り返した後、油層を大過剰のアセトン中に滴下して生成したポリマーを再沈殿させ、ろ過によりろ液と分別した後、60℃に設定した真空乾燥機中で12時間加熱乾燥を行うことにより、ポリマー#3を得た。ポリマー#3の分子量分布は、GPC測定によると、Mw=8万、Mn=4万であった。また、ポリマー#3中の各構造単位のモル比は、NMRによる同定によると、ヘキシルルボルネン構造単位が40mol%、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位が30mol%、エポキシノルボルネン構造単位が30mol%であった。またメトリコンによる屈折率は1.53(測定波長;633nm)であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000048
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#3 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(式20で示したもの、東亜合成製 CHOX)1.0g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスV7を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に感光性樹脂組成物ワニスV7をドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、非常に鮮明な導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上層クラッドを作製した。
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.04dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.02であった。
 以上、実施例1~7で得られた光導波路フィルムの評価結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000049
 実施例1~7では、感光性樹脂組成物に光を当てると、光酸発生剤から、酸が発生し、照射部分のみにおいて、環状エーテル基を有するモノマーが重合する。そして、照射部分における未反応モノマー量が少なくなるため、照射部分/未照射部分間で生じた濃度勾配を解消するために未照射部分のモノマーが照射部分に拡散する。
 また、光照射後、加熱を行うと、未照射部分からモノマーが揮発する。
 以上より、コア部とクラッド部との間でモノマー由来の構造体濃度が異なり、クラッド部では、環状エーテル基を有するモノマー由来の構造体が多くなり、コア部では、環状エーテル基を有するモノマー由来の構造体が少なくなる。このことは、コア部とクラッド部との間で0.01以上の比較的大きな屈折率差が生じることから認められる。
 なお、実施例1~7では、直線状の光導波路を形成したが、曲線状(曲率半径10mm程度)の光導波路を形成した場合には、光損失が少ないことが顕著になる。
 さらには、実施例1~7で得られた光導波路フィルムは、耐熱性が高く、260℃の耐リフロー性を有している。
(実施例8)
(1)脱離性基を有するノルボルネン樹脂の合成
 脱離性基を有するノルボルネン系樹脂の合成において、ジフェニルメチルノルボルネンメトキシシラン12.9g(40.1mmol)に代えて、フェニルジメチルノルボルネンメトキシシラン10.4g(40.1mmol)を用いた以外は実施例1と同様にした。得られた側鎖に脱離性基を有するノルボルネン系樹脂B(式103)の分子量は、GPC測定によると、Mw=11万、Mn=5万であった。また、各構造単位のモル比は、NMRによる同定によると、ヘキシルノルボルネン構造単位が50mol%、フェニルジメチルノルボルネンメトキシシラン構造単位が50mol%であった。またメトリコンによる屈折率は1.53(測定波長;633nm)であった。
(2)感光性樹脂組成物の製造
 ポリマー#1に代えて、ノルボルネン系樹脂Bを使用した点以外は、実施例1と同様に感光性樹脂組成物を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
 ノルボルネン系樹脂Bを含む上記感光性樹脂組成物を使用した点以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。
 実施例1と同様に、光導波路の損失評価を行ったところ、得られた光導波路フィルムの伝搬損失は0.03dB/cmであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000050
(実施例9)
(1)感光性樹脂組成物として以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
 実施例1で得られたノルボルネン系樹脂10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、シクロヘキシルオキセタンモノマー(式(100)で示した第1モノマー、東亜合成製 CHOX、CAS#483303-25-9、分子量186、沸点125℃/1.33kPa)1g、2官能オキセタンモノマー(式(104)で示した第2モノマー、東亜合成製、DOX、CAS#18934-00-4、分子量214、沸点119℃/0.67kPa)1g、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄なコア層用の感光性樹脂組成物ワニスを調製した。
(2)光導波路フィルムの製造
 上記(1)の感光性樹脂組成物を使用した点以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。
 実施例1と同様に、光導波路の損失評価を行ったところ、得られた光導波路フィルムの伝搬損失は0.04dB/cmであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000051
(実施例10)
 環状オレフィンとして以下のものを用いた以外は、実施例1と同様にした。
(1)ノルボルネン系樹脂Cの合成
 公知の手法(例えば特開2003-252963号公報)を用いてフェニルエチルノルボルネン(PENB)モノマーの開環メタセシス重合を行い、下記式(105)で表されるノルボルネン系樹脂Cを得た。
(2)感光性樹脂組成物製造
 ポリマー#1に代えて、ノルボルネン系樹脂Cを使用した点以外は、実施例1と同様に感光性樹脂組成物を得た。
(3)光導波路フィルムの製造
 ノルボルネン系樹脂Cを含む上記感光性樹脂組成物を使用した点以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを得た。
 実施例1と同様に、光導波路の損失評価を行ったところ、得られた光導波路フィルムの伝搬損失は0.05dB/cmであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-C000052
(実施例11)
 第1モノマーの配合量を0.5gにした以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを作製した。
 なお、得られた光導波路フィルムの伝搬損失は、0.10dB/cmであった。
(実施例12)
 第1モノマーの配合量を4.0gに以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを作製した。
 なお、得られた光導波路フィルムの伝搬損失は、0.10dB/cmであった。
(比較例1)
 第1モノマーを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、光導波路フィルムを作製した。
 なお、得られた光導波路フィルムの伝搬損失は、0.90dB/cmであった。
(比較例2)
(1)各成分の合成
<触媒前駆体:Pd(OAc)(P(Cy)の合成>
 漏斗を装備した2口丸底フラスコで、Pd(OAc)(5.00g、22.3mmol)とCHCl(30mL)からなる赤茶色懸濁液を-78℃で攪拌した。
 漏斗に、P(Cy)(13.12mL(44.6mmol))のCHCl溶液(30mL)を入れ、そして、15分かけて上記攪拌懸濁液に滴下した。その結果、徐々に赤褐色から黄色に変化した。
 -78℃で1時間攪拌した後、懸濁液を室温に温め、さらに2時間攪拌して、ヘキサン(20mL)で希釈した。
 次に、この黄色の固体を空気中でろ過し、ペンタンで洗浄し(5×10mL)、真空乾燥させた。
 2次収集物は、ろ液を0℃に冷却して分離し、上記と同様に洗浄して乾燥させた。これにより、触媒前駆体を得た。
(2)感光性樹脂組成物の製造
 精製した上記ポリマー#1 10gを100mLのガラス容器に秤量し、これにメシチレン40g、酸化防止剤Irganox1076(チバガイギー社製)0.01g、ジメチルビス(ノルボルネンメトキシ)シラン(SiX)2.4g、上記触媒前駆体(2.6E-2g)、光酸発生剤 RhodorsilPhotoinitiator 2074(Rhodia社製、CAS# 178233-72-2)(1.36E-2g、酢酸エチル0.1mL中)を加え均一に溶解させた後、0.2μmのPTFEフィルターによりろ過を行い、清浄な感光性樹脂組成物ワニスを得た。
(3)光導波路フィルムの製造
(下側クラッド層の作製)
 実施例1と同様の下側クラッド層を作製した。
(コア層の形成)
 上記下側クラッド層上に調製したワニスをドクターブレードによって均一に塗布した後、45℃の乾燥機に15分間投入した。溶剤を完全に除去した後、フォトマスクを圧着して紫外線を500mJ/cmで選択的に照射した。マスクを取り去り、乾燥機中45℃で30分、85℃で30分、150℃で1時間と三段階で加熱を行った。加熱後、導波路パターンが現れているのが確認された。また、コア部およびクラッド部の形成が確認された。
(上側クラッド層の形成)
 実施例1と同様の上側クラッド層を作製した
(4)評価
 実施例1と同じ方法により、評価を行った。伝搬損失は0.05dB/cmと算出することができた。コア部とクラッド部の屈折率差は0.005であった。
B.光導波路の評価
 各実施例および比較例で得られた光導波路について、以下の評価を行った。評価項目を内容とともに示す。得られた結果を表2に示す。
1.光損失
 850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して上記光導波路に導入し、200μmφの光ファイバーで受光を行って光の強度を測定した。なお、測定にはカットバック法を採用し、導波路長を横軸、挿入損失を縦軸にプロットしていったところ、測定値はきれいに直線上に並び、その傾きから伝搬損失を算出した。
2.耐熱性
 上記光導波路を高温高湿槽(85℃、85%RH)に投入し、湿熱処理500時間後の伝搬損失を評価した。また、リフロー処理(N雰囲気下、最大温度260℃/60秒)による伝搬損失の劣化の有無も並行して確認した。
 なお、ここでの伝搬損失の測定は、1の光損失の測定方法と同じである。
3.光導波路の曲げ損失
 10mmの曲率半径を有する光導波路フィルムの光強度の曲げ損失を評価した。850nmVCSEL(面発光レーザー)より発せられた光を50μmφの光ファイバーを経由して上記光導波路フィルムの端面に導入し、200μmφの光ファイバーで他端から受光を行って光の強度を測定した(下記式参照)。長さの等しい光導波路フィルムを曲げたときに生じる損失の増分を「曲げ損失」と定義し、図22、図39に示すように、光導波路フィルムを曲線状にした場合の挿入損失と光導波路フィルムを直線状にした場合の挿入損失との差で「曲げ損失」を表した。
 挿入損失[dB]= -10log(出射光強度/入射光強度)
 曲げ損失=(曲線での挿入損失)-(直線での挿入損失)
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000053
 表2から明らかなように実施例1,8-12は、光損失が低く、光導波路の性能が優れていることが示された。
 また、実施例1,8-12は、高温高湿処理後およびリフロー処理後の光損失も小さく、耐熱性にも優れていることが示された。
 また、特に実施例1,8,9,10は、曲げ損失も小さく、光導波路を屈曲させて用いても十分な性能を発揮することが示唆された。
 さらに、各実施例および比較例で得られた光導波路フィルムを用いて、前記第1実施形態にかかる光導波路構造体を作製したところ、各実施例で得られた光導波路フィルムを用いた光導波路構造体は、それぞれ、各比較例で得られた光導波路フィルムを用いた光導波路構造体に比べて、伝送損失の低いものが得られた。
 また、各実施例で得られた光導波路フィルムを用いた光導波路構造体は、いずれも優れた可撓性を有しており、さらには上述したように光導波路フィルムの曲げ損失が低いことから、折り曲げ操作を繰り返し行っても、高品質の光通信を維持することができた。
 また、各実施例および比較例と同様の方法により、拡幅部分および減幅部分を有する光導波路フィルムを作製したところ、それぞれの実施例および比較例と同様の方法で作製した、コア部の幅が一定である光導波路フィルムに比べて、光損失の低下が認められた。
 また、同様にして、各実施例および比較例と同様の方法により、厚膜部分および薄膜部分を有する光導波路フィルムを作製したところ、やはり光損失の低下が認められた。
 本発明の光導波路構造体は、光回路(光導波路のパターン)や電気回路の設計の幅が広く、歩留まりが高く、光伝送性能を高く維持し、信頼性、耐久性に優れ、汎用性に富む。そのため、本発明の光導波路構造体を備えることにより、信頼性の高い種々の電子部品および電子機器が得られる。以上のことから、本発明は産業上きわめて有用である。
 1     光導波路構造体
 2     基板
 21    貫通孔
 22    導体ポスト
 23    貫通孔
 24    切り欠き
 25    貫通孔
 3     発光素子
 30    基台
 31    発光部
 32    金属ワイヤ
 33    外部電極
 34    樹脂モールド
 35    発光用IC(発光用電気素子)
 300   発光回路
 4     受光素子
 41    受光部
 42    金属ワイヤ
 43    外部電極
 44    樹脂モールド
 45    受光用IC(受光用電気素子)
 400   受光回路
 5     導体層
 51    導体層
 52    第1の電気配線
 53    第3の電気配線
 54    第2の電気配線
 551   電極パッド
 55a   光通信用外部接続端子
 55b   電気通信用外部接続端子
 55    第1の端子部
 55’   第2の端子部
 6     基板
 61    貫通孔
 62    導体ポスト
 63    貫通孔(光信号通過領域)
 81    固定部
 9     光導波路
 91    クラッド層
 92    クラッド層
 93    コア層
 94    コア部
 95    クラッド部
 96    撓み部
 97    光路変換部
 900   ワニス
 910   フィルム
 M     マスク
 1001  光導波路構造体
 1002  基板
 1021  貫通孔
 1022  導体ポスト
 1003  発光素子
 1030  基台
 1031  発光部
 1032  金属ワイヤ
 1033  外部電極
 1034  樹脂モールド
 1035  発光用IC(発光用電気素子)
 1300  発光回路
 1004  受光素子
 1040  基台
 1041  受光部
 1042  金属ワイヤ
 1043  外部電極
 1044  樹脂モールド
 1045  受光用IC(受光用電気素子)
 1400  受光回路
 1005  導体層
 1051  電気配線
 1009  光導波路
 1091  クラッド層
 1091’ 下側クラッド層用母材
 1911  第1の面
 1912  第2の面
 1913  第3の面
 1914  第4の面
 1092  クラッド層
 1093  コア層
 1094  コア部
 1940  等幅部分
 1941、1941’ 拡幅部分(拡張部分)
 1942、1942’ 減幅部分(縮小部分)
 1943、1943’ 厚膜部分(拡張部分)
 1944、1944’ 薄膜部分(縮小部分)
 1945  等厚部分
 1095  クラッド部
 1971、1972  光路変換部
 1098  光配線
 1900  ワニス
 1910  フィルム
 S     切断面

Claims (22)

  1.  互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを備える光導波路を有し、
     前記コア部は、一方の端部に向かって横断面積が連続的に大きくなる拡張部分を有するものであり、かつ、
    (A)環状オレフィン樹脂と、
    (B)前記(A)とは屈折率が異なり、かつ、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうちの少なくとも一方と、
    (C)光酸発生剤と、
    を含む組成物で構成されたコア層に対し活性放射線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されたものであることを特徴とする光導波路構造体。
  2.  前記(B)の環状エーテル基は、オキセタニル基またはエポキシ基である請求項1に記載の光導波路構造体。
  3.  前記(A)の環状オレフィン樹脂は、側鎖に前記(C)の光酸発生剤から発生する酸により脱離する脱離性基を有し、
     前記(B)は、下記式(100)に記載の第1モノマーを含むものである請求項2に記載の光導波路構造体。
    [化1]
    Figure JPOXMLDOC01-appb-I000001
  4.  前記拡張部分において、前記光導波路の一方の端部に向かって、前記コア部の平面視における幅が連続的に大きくなっている請求項1ないし3のいずれかに記載の光導波路構造体。
  5.  前記拡張部分において、前記光導波路の一方の端部に向かって、前記コア部の厚さが連続的に大きくなっている請求項1ないし4のいずれかに記載の光導波路構造体。
  6.  前記拡張部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記光導波路の一方の端部に向かって開いた放物線に沿うよう形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の光導波路構造体。
  7.  前記拡張部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線または厚さ方向における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記コア部の前記一方の端部の端面に対して45度以上90度未満の角度をなしている請求項1ないし6のいずれかに記載の光導波路構造体。
  8.  前記コア部は、前記一方の端部の端面の面積が、前記他方の端部の端面の面積より大きくなっている請求項1ないし7のいずれかに記載の光導波路構造体。
  9.  前記コア部の前記一方の最端部の平面視における幅が、前記他方の最端部の平面視における幅より大きくなっている請求項1ないし8のいずれかに記載の光導波路構造体。
  10.  前記コア部の前記一方の最端部の厚さが、前記他方の最端部の厚さより厚くなっている請求項1ないし9のいずれかに記載の光導波路構造体。
  11.  前記コア部は、さらに、前記拡張部分より他方の端部側に設けられ、他方の端部に向かって横断面積が連続的に小さくなる縮小部分を有している請求項1ないし10のいずれかに記載の光導波路構造体。
  12.  前記縮小部分において、前記光導波路の他方の端部に向かって、前記コア部の平面視における幅が連続的に小さくなっている請求項11に記載の光導波路構造体。
  13.  前記縮小部分において、前記光導波路の他方の端部に向かって、前記コア部の厚さが連続的に小さくなっている請求項11または12に記載の光導波路構造体。
  14.  前記縮小部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記光導波路の一方の端部に向かって開いた放物線に沿うよう形成されている請求項11ないし13のいずれかに記載の光導波路構造体。
  15.  前記縮小部分において、前記コア部は、平面視における前記コア部と前記クラッド部との境界線または厚さ方向における前記コア部と前記クラッド部との境界線が、前記コア部の前記一方の端部の端面に対して45度以上90度未満の角度をなしている請求項11ないし14のいずれかに記載の光導波路構造体。
  16.  前記光導波路は、複数の前記コア部を備えている請求項1ないし15のいずれかに記載の光導波路構造体。
  17.  前記複数のコア部は、並列して設けられており、
     前記複数のコア部のうち、隣り合う少なくとも2つは、一方の端部の位置および他方の端部の位置の少なくともいずれかが互いに長手方向にずれている請求項16に記載の光導波路構造体。
  18.  前記複数のコア部のうち、隣り合う少なくとも2つにおいて、前記一方の端部の位置と、前記他方の端部の位置とが、互いに反対の位置になるよう構成されている請求項16または17に記載の光導波路構造体。
  19.  前記光導波路は、光路を屈曲させる光路変換部を有しており、
     前記光路変換部は、外部からの光を屈曲させ前記コア部に導く、または、前記コア部を伝搬してきた光を屈曲させ外部に導くよう構成されている請求項1ないし18のいずれかに記載の光導波路構造体。
  20.  さらに、前記光導波路の少なくとも一方の面に設けられ、基板と、その少なくとも一方の面に設けられ、電気配線が形成された導体層とを備える配線基板を有している請求項1ないし19のいずれかに記載の光導波路構造体。
  21.  請求項1ないし20のいずれかに記載の光導波路構造体を備えたことを特徴とする電子機器。
  22.  可撓性を有するフレキシブル基板と、その少なくとも一方の面に設けられ、電気配線が形成された導体層とを備える配線基板と、
     前記配線基板の一方の面側に設けられ、互いに屈折率が異なるコア部とクラッド部とを備える光導波路と、を有し、
     前記コア部は、
    (A)環状オレフィン樹脂と、
    (B)前記(A)とは屈折率が異なり、かつ、環状エーテル基を有するモノマーおよび環状エーテル基を有するオリゴマーのうちの少なくとも一方と、
    (C)光酸発生剤と、
    を含む組成物で構成されたコア層に対し活性放射線を選択的に照射することにより所望の形状に形成されたものであることを特徴とする光導波路構造体。
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