JP2005187629A - 複合電解質、その製造方法、並びにそれを用いた電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高水準のプロトン伝導性を達成しつつ、水に対する可溶化及び著しい膨潤が十分に防止されており、膜として自立性を有すると共に化学的安定性にも優れている複合電解質を提供すること。
【解決手段】 フッ素系樹脂からなる多孔質基材31の表面に、下記一般式(1):
−X−NH−X− (1)
[式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
で表されるイミド基33を介してフッ素系高分子電解質32が結合していることを特徴とする複合電解質。
【選択図】 図3

Description

本発明は、複合電解質、その製造方法、並びにそれを用いた電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池に関する。
燃料電池は、アノードに供給する還元剤を含むガス(以下、「燃料ガス」又は「アノード反応ガス」という)の酸化反応と、カソードに供給する酸化剤を含むガス(以下、「カソード反応ガス」という)の還元反応とからなる電気化学反応を利用して発生する電気エネルギーを外部に直接取り出すものであり、比較的低い温度領域の作動条件において高い発電効率を得ることが可能である。また、燃料電池は、上記の電池反応に伴って発生する熱エネルギーの回収も容易である。そのため、燃料電池を備えた発電システムは、カルノー効率の制約を受ける熱機関と比較して高い総合エネルギー効率を達成することが可能となる。更に、燃料電池は、還元剤として水素を用い、酸化剤として酸素を用いた場合には反応生成物が原理的に水のみとなるため、地球環境への悪影響がほとんどないクリーンな発電システムとして注目されている。
このような燃料電池は、電極活物質、電解質及び作動温度等によって分類されるが、中でも電解質として高分子電解質等からなるイオン交換膜(電解質膜)を用いた固体高分子型燃料電池(或いは高分子電解質型燃料電池)は、比較的低温で作動可能でありかつ小型化及び軽量化が容易であること等から、電気自動車等の移動車両や小型コジェネレーションシステムの電源等としての実用化が期待されており、性能向上のための様々な検討がなされている。
このような用途に用いられる電解質膜としては、例えば、ナフィオン(登録商標、デュポン社製)に代表される非架橋型のパーフルオロカーボンスルホン酸系電解質が知られている。しかしながら、ナフィオンに代表されるパーフルオロカーボンスルホン酸系電解質は、非架橋型であるために耐熱性が低く、ガラス転移温度近傍である130℃以上でクリープ(融解)するという性質があった。そのため、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸系電解質を用いた場合には作動温度を100℃以下とする必要があり、一酸化炭素による電極触媒の被毒の防止や効率の点で有利な100℃以上の高温条件下で使用できないという問題があった。また、従来のパーフルオロカーボンスルホン酸系電解質においてプロトン伝導性を上げるためにイオン交換基を有するモノマの割合を増やすと主鎖の結晶性が低下するため、電解質膜の強度が低下し、更に水に著しく膨潤・可溶化して形状が維持できなくなるという問題があり、プロトン伝導性の向上にも限界があった。
また、他の電解質としては、例えば、特開平11−7969号公報(特許文献1)に記載されている(−SOCFCONH−)をユニットとする重合体のようないわゆるフッ素系アイオネン電解質が知られている。しかしながら、フッ素系アイオネン電解質は、それ自体が水溶性であり、自立性を有する電解質膜としては使用することができないという問題があった。
さらに、自立性を有する電解質膜としては、例えば、特開2002−83514号公報(特許文献2)に記載されているリン酸基、ホスホン酸基又はホスフィン酸基を側鎖に有するポリマーを多孔質膜の空孔内に担持させた電解質膜のようないわゆるフィリング電解質膜が知られている。しかしながら、従来のフィリング電解質膜において空孔内に担持される電解質は炭化水素系電解質であり、化学的安定性が十分ではないという問題があった。
特開平11−7969号公報 特開2002−83514号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高水準のプロトン伝導性を達成しつつ、水に対する可溶化及び著しい膨潤が十分に防止されており、膜として自立性を有すると共に化学的安定性にも優れている複合電解質を提供することを目的とする。また、本発明は、上記本発明の複合電解質を効率よくかつ確実に製造することが可能な方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、上記本発明の複合電解質を用いており、低湿高温時であっても優れたプロトン伝導性及び化学的安定性を達成することが可能な電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、プロトン伝導性に優れたフッ素系高分子電解質を、強度及び形状安定性に優れたフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面にカルボニルスルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基又はビスカルボニルイミド基を介して結合せしめることにより、電解質の水に対する溶解が十分に防止されると共にプロトン伝導性及び化学的安定性が向上して前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の複合電解質は、
フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に、下記一般式(1):
−X−NH−X− (1)
[式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
で表されるイミド基を介してフッ素系高分子電解質が結合していることを特徴とする複合電解質である。
また、本発明の複合電解質の製造方法は、
主鎖及び/又は側鎖の末端の少なくとも一部として下記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質を準備する工程と、
フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に下記官能基Yを導入する工程と、
前記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質と前記官能基Yが導入された多孔質基材とを反応せしめて複合電解質を得る工程と、
を含む複合電解質の製造方法であって、前記官能基Y及び前記官能基Yは、それらが反応して下記一般式(1):
−X−NH−X− (1)
[式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
で表されるイミド基を形成し得るものであり、該イミド基を介して前記フッ素系高分子電解質が前記多孔質基材の表面に結合していることを特徴とする複合電解質の製造方法である。
さらに、本発明の電解質膜は、前記本発明の複合電解質からなることを特徴とする電解質膜である。
また、本発明の膜電極接合体は、ガス拡散電極であるアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、その電解質膜が前記本発明の複合電解質からなるものであることを特徴とする膜電極接合体である。なお、本発明において「膜電極接合体」とは、電解質膜と電極とが熱処理等(例えばホットプレス等)により互いに接合されて一体化させられた状態のもの、又は、電解質膜と電極とが分離可能に接触させられた状態のものを示す。また、本発明において「ガス拡散電極」とは、触媒を含んでおりかつガス拡散性及び電気伝導性を有する触媒層を少なくとも有する電極を示す。
さらに、本発明の燃料電池は、前記本発明の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池である。
なお、本発明において電解質の水に対する溶解が十分に防止されると共にプロトン伝導性及び化学的安定性が向上する理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、本発明の複合電解質においては、フッ素系高分子電解質がフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面にカルボニルスルホニルイミド基、ビススルホニルイミド基又はビスカルボニルイミド基という共有結合により化学的に結合しているため、フッ素系高分子電解質がフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に強固に保持されており、電解質の水に対する溶出や著しい膨潤が十分に防止される。そして、担体となっているフッ素系樹脂からなる多孔質基材は強度及び形状安定性に優れていることから、本発明の複合電解質も強度及び形状安定性に優れており、膜としての自立性を有している。また、フッ素系高分子電解質自体も炭化水素系電解質に比べて化学的安定性に優れているが、本発明においては更に化学的安定性に優れているフッ素系樹脂からなる多孔質基材にフッ素系高分子電解質が強固に結合しているため、より高い化学的安定性が達成される。更に、フッ素系高分子電解質自体もプロトン伝導性を有しているが、本発明においてはパーフルオロ骨格に結合している前記イミド基が強酸基(イオン交換基)として機能しており、さらにフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面にもイオン交換基が導入される余地があるため、より高いプロトン伝導性が達成される。なお、パーフルオロ骨格に結合している前記イミド基が強酸基として機能する理由としては、N−H結合に寄与する電子が電気陰性度の大きなフッ素原子に引っ張られてパーフルオロ骨格側に移動し、窒素原子に結合している水素原子がプロトンとして放出され易くなったためと推察される。
本発明においては、前記フッ素系高分子電解質が、イオン交換基当量重量(EW)が120〜650g/eq.のものであることが好ましい。このようにイオン交換基当量重量(EW)が極めて低いフッ素系高分子電解質は、高い電気伝導性を発揮するものの水に溶解してしまうため従来は自立性を有する電解質膜に用いることが困難であったが、本発明においてはこのようなフッ素系高分子電解質を用いた場合であっても水に対する溶出や著しい膨潤が十分に防止されるようになる。したがって、本発明においては、イオン交換基当量重量(EW)が極めて低いフッ素系高分子電解質であっても自立性を有する電解質膜として用いることができるようになった点が特に優れており、このようなフッ素系高分子電解質を用いることによって電気伝導性の更なる向上が達成されるようになる。
なお、ここでいう「イオン交換基当量重量(EW)」とは、電解質に導入されているイオン交換基の単位モル(プロトンを1当量(1モル)放出可能なイオン交換基に換算)あたりの電解質の重量(分子量)[g/eq.(g/mol)]を表し、値が小さいほどイオン交換基の密度が高いことを示している。このようなイオン交換基当量重量(EW)は、H−NMRスペクトロスコピー、元素分析、酸塩基滴定、非水酸塩基滴定等により測定可能であるが、本発明においては以下の方法により求めた値を採用する。すなわち、先ず、フッ素系高分子電解質の乾燥重量W[g]を測定する。次いで、そのフッ素系高分子電解質を10重量%塩化ナトリウム水溶液中に浸漬し、25℃、1気圧の条件下で10分間攪拌することによってイオン交換基中のプロトンと溶液中のNaイオンとをイオン交換せしめ、プロトンを放出させる。その溶液から電解質を取り出した後、0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定し、その中和点における滴定量A[リットル]から下記数式:
EW=W/(0.1×A)
(式中、EWは電解質のイオン交換基当量重量[g/eq.]、Wは電解質の乾燥重量[g]、Aは0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液の中和滴定量A[リットル]を示す。)
によりイオン交換基当量重量[g/eq.]を求める。上記数式からも明らかな通り、本発明におけるイオン交換基当量重量(EW)は、電解質の乾燥重量(g)を、その電解質から10重量%塩化ナトリウム水溶液中に25℃、1気圧の条件下で放出可能なプロトンの当量(モル)で除した値に相当する。
また、本発明においては、前記フッ素系高分子電解質が、下記一般式(2):
Figure 2005187629
[式(2)中、同一分子内のYは同一でも異なっていてもよく、それぞれスルホニルハライド基、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルハライド基、カルボニルアミド基、カルボニルアミド金属塩、N−アルキルシリルカルボニルアミド基及びN−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩からなる群から選択される少なくとも一つの官能基であり、aは0以上、bは1以上、cは1以上、dは0〜3、eは0〜8の整数をそれぞれ示す。]
で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000であるフッ素系高分子電解質、又は、下記一般式(3):
−[(CF−Z−NH−Z−(CF−Y (3)
[式(3)中、Yは式(2)中のYと同義であり、Z及びZは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基又はスルホニル基であり、mは1〜10、nは1以上の整数をそれぞれ示す。]
で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000であるフッ素系高分子電解質であることが好ましく、さらに、前記多孔質基材に導入された官能基Yがスルホニルハライド基、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルハライド基、カルボニルアミド基、カルボニルアミド金属塩、N−アルキルシリルカルボニルアミド基及びN−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩からなる群から選択される少なくとも一つの官能基であることが好ましい。フッ素系高分子電解質が有している官能基Y及び多孔質基材に導入された官能基Yが前記の官能基であると、両者を化学的に結合する前記一般式(1)で表されるイミド基が効率良くかつ確実に形成される傾向にある。
本発明によれば、高水準のプロトン伝導性を達成しつつ、水に対する可溶化及び著しい膨潤が十分に防止されており、膜として自立性を有すると共に化学的安定性にも優れている複合電解質、並びに、低湿高温時であっても優れたプロトン伝導性及び化学的安定性を達成することが可能な電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池を提供することが可能となる。また、本発明の製造方法によれば、上記本発明の複合電解質を効率よくかつ確実に製造することが可能となる。
以下、必要に応じて図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
(複合電解質及びその製造方法)
先ず、本発明の複合電解質及びその製造方法の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明の複合電解質は、フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に、下記一般式(1):
−X−NH−X− (1)
[式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
で表されるイミド基を介してフッ素系高分子電解質が結合していることを特徴とするものである。また、本発明の複合電解質の製造方法は、
主鎖及び/又は側鎖の末端の少なくとも一部として下記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質を準備する工程(第1の工程)と、
フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に下記官能基Yを導入する工程(第2の工程)と、
前記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質と前記官能基Yが導入された多孔質基材とを反応せしめて複合電解質を得る工程(第3の工程)と、
を含む複合電解質の製造方法であって、前記官能基Y及び前記官能基Yは、それらが反応して前記一般式(1)で表されるイミド基を形成し得るものであり、該イミド基を介して前記フッ素系高分子電解質が前記多孔質基材の表面に結合していることを特徴とする複合電解質の製造方法である。
本発明にかかるフッ素系高分子電解質は、高分子鎖中にC−F結合を含むものであり、高分子鎖中にC−F結合及びC−H結合の双方を有するもの(以下、これを「フッ素・炭化水素系化合物」という。)、あるいは、高分子鎖中にC−F結合を含みかつC−H結合を含まないもの(以下、これを「パーフルオロ系化合物」という。)のいずれであっても良い。なお、フッ素系高分子電解質には、その主鎖及び/又は側鎖としてC−F結合の他、C−Cl結合やその他の結合(例えば、−O−、−S−、−CO−、−SO−、−NH−、−N(R)−等)が含まれていても良い。このようなフッ素系高分子電解質は、C−F結合を有しているために耐熱性及び耐酸化性に優れている。また、後述するように、前記一般式(1)で表されるイミド基はパーフルオロ骨格との相互作用によって強酸基として機能する。そのため、耐熱性、耐酸化性及び高電気伝導性により優れた複合電解質を得る観点から、フッ素系高分子電解質としてパーフルオロ系化合物を用いることがより好ましい。
また、本発明にかかるフッ素系高分子電解質は、その主鎖及び/又は側鎖にイオン交換基(極性基)を有しているものであり、このようなイオン交換基としては末端酸基{スルホン酸基(−SOH)、カルボン酸基(−COH)、ホスホン酸基(−PO)、ホスフィン酸基(−PO)等}及び/又は中間酸基{ビススルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)、スルホニルカルボニルイミド基(−CO−NH−SO−)、ビスカルボニルイミド基(−CO−NH−CO−)等}が好ましい。なお、このような中間酸基は、その一端又は両端がパーフルオロ骨格に結合している場合には強酸基として機能し、フッ素系高分子電解質に高い電気伝導性が付与されることとなる。これは、N−H結合に寄与する電子が、電気陰性度の大きなフッ素原子に引っ張られてパーフルオロ骨格側に移動し、窒素原子に結合している水素原子がプロトンとして放出され易くなるためと推察される。また、本発明にかかるフッ素系高分子電解質は、主鎖のみからなるものであっても、主鎖及び側鎖からなるものであってもよく、前者の場合は主鎖にイオン交換基が導入されることとなる。一方、後者の場合は、主鎖及び側鎖の双方又は一方にイオン交換基が導入されていればよいが、側鎖の一部若しくは全部にイオン交換基が導入されていることが好ましい。また、側鎖が分岐構造を有している場合、イオン交換基は、分岐した枝のいずれか1つに導入されていても良く、あるいは、2個以上の枝に導入されていても良い。さらに、本発明にかかるフッ素系高分子電解質においては複数種類のイオン交換基が導入されていてもよい。
このような本発明にかかるフッ素系高分子電解質の重合度や分子量は特に限定されないが、製造のし易さの観点からフッ素系高分子電解質のGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量は500〜1000000程度であることが好ましく、1000〜100000程度であることがより好ましい。また、フッ素系高分子電解質は、公知の方法によって架橋されているものでもよい。本発明にかかるフッ素系高分子電解質に導入されるイオン交換基の数も特に限定されないが、前述のイオン交換基当量重量(EW)が120〜650g/eq.のものであることが好ましく、200〜500g/eq.のものであることがより好ましい。このようにイオン交換基当量重量(EW)が極めて低いフッ素系高分子電解質は、高い電気伝導性を発揮するものの水に溶解してしまうため従来は自立性を有する電解質膜に用いることが困難であったが、本発明においてはこのようなフッ素系高分子電解質を用いた場合であっても水に対する溶出や著しい膨潤が十分に防止されるようになる。したがって、本発明においては、イオン交換基当量重量(EW)が前記範囲内のフッ素系高分子電解質を用いることによって電気伝導性の更なる向上が達成される傾向にあり、イオン交換基当量重量(EW)が前記上限を超えると得られる電気伝導性が低下する傾向にある。一方、イオン交換基当量重量(EW)が前記下限未満では、化学的な安定性が低下して耐久性が低くなる傾向にある。
さらに、本発明にかかるフッ素系高分子電解質においては、その主鎖及び/又は側鎖の末端の少なくとも一部に、後述する多孔性基材の表面に導入される官能基Yと反応して前記一般式(1)で表されるイミド基を形成し得る官能基Yが結合していることが好ましい。このような官能基Yとしては、(i)スルホニルハライド基{−SOCl、−SOBr等}、(ii)スルホンアミド基{−SONH}、(iii)スルホンアミド金属塩{−SONHLi、−SONHNa、−SONHK等}、(iv)N−アルキルシリルスルホンアミド基{−SONHSi(CH等}、(v)N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩{−SONLiSi(CH、−SONNaSi(CH、−SONKSi(CH等}、(vi)カルボニルハライド基{−COCl、−COBr等}、(vii)カルボニルアミド基{−CONH}、(viii)カルボニルアミド金属塩{−CONHLi、−CONHNa、−CONHK等}、(ix)N−アルキルシリルカルボニルアミド基{−CONHSi(CH等}、(x)N−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩{−CONLiSi(CH、−CONNaSi(CH、−CONKSi(CH等}が好ましいものとして挙げられる。本発明にかかるフッ素系高分子電解質はこのような官能基Yを複数有していてもよく、その場合は複数の官能基Yは同一でも異なっていてもよい。
このような本発明にかかるフッ素系高分子電解質としては、プロトン伝導性の高さ、化学的安定性の高さ及び製造のし易さの観点から下記一般式(2):
Figure 2005187629
[式(2)中、Yは前述の官能基Yであり、aは0以上、bは1以上、cは1以上、dは0〜3、eは0〜8の整数をそれぞれ示す。]
で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000(より好ましくは1000〜100000)である部分アミド化されたパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子電解質が好ましい。また、同様に、プロトン伝導性の高さ、化学的安定性の高さ及び製造のし易さの観点から、本発明にかかるフッ素系高分子電解質としては下記一般式(3):
−[(CF−Z−NH−Z−(CF−Y (3)
[式(3)中、Yは前述の官能基Yであり、Z及びZは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基又はスルホニル基であり、mは1〜10、nは1以上の整数をそれぞれ示す。]
で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000(より好ましくは1000〜100000)であるアミド化されたフッ素系アイオネン電解質も好ましい。
このような本発明にかかるフッ素系高分子電解質として主鎖及び/又は側鎖の末端の少なくとも一部として前記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質を準備する工程が本発明の製造方法における第1の工程に相当する。このような工程としては、前記本発明にかかるフッ素系高分子電解質が市販されている場合はそのままの状態で準備する工程であってもよく、或いは、以下のような公知の方法で前記本発明にかかるフッ素系高分子電解質を合成する工程であってもよい。
すなわち、前記一般式(2)で表される部分アミド化されたパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子電解質は、例えば特開2001−319521号公報に記載されているような以下の方法により合成される。すなわち、例えば以下に示す一般式(4)〜(6):
Figure 2005187629
Figure 2005187629
Figure 2005187629
[式(4)〜(6)中のa、b、cはそれぞれ前記一般式(2)中のa、b、cと同義である。]
で表されるもののような各種公知のパーフルオロカーボンスルホニルフルオライド系高分子化合物にアンモニア又はアミン化合物(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等)を接触させてスルホニルフルオライド基の一部をスルホンアミド化せしめた後、残ったスルホニルフルオライド基を加水分解せしめてスルホン酸金属塩に変換し、さらにそのスルホン酸金属塩をプロトン化せしめてスルホン酸に変換することによって前記一般式(2)で表されるフッ素系高分子電解質が得られる。なお、アミド化処理する際の具体的な方法及び条件は特に制限されず、アンモニア又はアミン化合物を直接接触させてもよいし、アンモニア又はアミン化合物を適当な溶媒(フロン溶媒、1,4−ジオキサン溶液、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等)に溶解して接触させてもよいし、アンモニア又はアミン化合物の蒸気に晒してもよい。また、加水分解処理する際の具体的な方法及び条件も特に制限されず、アルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)及び/又は酸(塩酸、硫酸等)を用いる方法等の公知の加水分解方法が適宜用いられる。さらに、プロトン化処理する際の具体的な方法及び条件も特に制限されず、強酸(硫酸、塩酸等)やプロトン型の強イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂)を用いる公知のプロトン化処理法が適宜用いられる。
また、前記一般式(3)で表されるアミド化されたフッ素系アイオネン電解質は、例えば特開平11−7969号公報に記載されているような以下の方法により合成される。すなわち、例えば(i)フルオロスルホニルフルオロカルボニルパーフルオロアルキレン(フルオロスルホニルアセチルフルオライド等)、(ii)ジフルオロスルホニルパーフルオロアルキレン(1,3−ジフルオロスルホニルヘキサフルオロプロピレン等)、(iii)ジフルオロカルボニルパーフルオロアルキレン(1,3−ジフルオロカルボニルヘキサフルオロプロピレン等)等のパーフルオロカーボン誘導体にアルカリ金属(Li、Na、K等)のビス(トリアルキルシリル)アミド又はアルカリ金属の窒化物を反応させてフッ素系アイオネン電解質の前駆体であるアルカリ金属塩を合成し、それを強酸(硫酸、塩酸等)やプロトン型の強イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂)を用いてプロトン化することによって前記一般式(3)で表されるフッ素系高分子電解質が得られる。なお、前記フッ素系アイオネン電解質の前駆体であるアルカリ金属塩は、特表平3−501860号公報やDesMarteau et al.,Inorg.Chem.,Vol.23,
p.3720(1984)等に記載されている各種公知のスルホニルイミドの合成法によっても合成可能である。
本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材は、その表面(特に細孔内表面)に前記一般式(1)で表されるイミド基を介して前記フッ素系高分子電解質を担持する担体として機能するものであり、強度及び形状安定性に優れたフッ素系樹脂であるポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリブロモトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−ブロモトリフルオロエチレン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体、ポリテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等からなる多孔質基材が好適に用いられる。このようなフッ素系樹脂の重合度や分子量は特に制限されないが、強度及び形状安定性等の観点からフッ素系樹脂の重量平均分子量は10000〜10000000程度であることが好ましい。
また、本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材の平均細孔径や空隙率も特に制限されないが、平均細孔径は0.001μm〜100μm程度、空隙率は10%〜99%程度であることが好ましい。平均細孔径が上記下限未満ではフッ素系高分子電解質の細孔内への導入が阻害され易くなる傾向にあり、他方、上記上限を超えるとフッ素系高分子電解質を担持する多孔質基材の表面積が不十分となって電気伝導性が低下する傾向にある。また、空隙率が上記下限未満では細孔内に担持されるフッ素系高分子電解質の量が不十分となって電気伝導性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると多孔質基材の強度及び形状安定性が低下する傾向にある。
本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材の形状も特には制限されないが、得られた複合電解質をそのまま本発明の電解質膜として用いることができることからフィルム状又は膜状のものが好ましい。その場合、フィルム状又は膜状の多孔質基材の厚さは特に制限されないが、5〜200μm程度が好ましい。多孔質基材の厚さが上記下限未満では得られる電解質膜の強度が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると得られる電解質膜の膜抵抗が増加して電気伝導性が低下する傾向にある。
さらに、本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材においては、その表面(特に細孔内表面)に、前述のフッ素系高分子電解質の官能基Yと反応して前記一般式(1)で表されるイミド基を形成し得る官能基Yが導入されていることが好ましい。このような官能基Yとしては、(i)スルホニルハライド基{−SOCl、−SOBr等}、(ii)スルホンアミド基{−SONH}、(iii)スルホンアミド金属塩{−SONHLi、−SONHNa、−SONHK等}、(iv)N−アルキルシリルスルホンアミド基{−SONHSi(CH等}、(v)N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩{−SONLiSi(CH、−SONNaSi(CH、−SONKSi(CH等}、(vi)カルボニルハライド基{−COCl、−COBr等}、(vii)カルボニルアミド基{−CONH}、(viii)カルボニルアミド金属塩{−CONHLi、−CONHNa、−CONHK等}、(ix)N−アルキルシリルカルボニルアミド基{−CONHSi(CH等}、(x)N−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩{−CONLiSi(CH、−CONNaSi(CH、−CONKSi(CH等}が好ましいものとして挙げられ、前記官能基Yが(i)又は(vi)の場合は官能基Yとしては(ii)〜(v)、(vii)〜(x)のいずれかがより好ましく、前記官能基Yが(ii)〜(v)、(vii)〜(x)のいずれかの場合は官能基Yとしては(i)又は(vi)がより好ましい。また、本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材にはこのような官能基Yが複数種類導入されていてもよい。
本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に導入される官能基Yの量(密度)は特に制限されないが、その密度は0.001〜1mmol/g程度であることが好ましい。官能基Yの密度が上記下限未満ではフッ素系高分子電解質の量が不十分となって電気伝導度が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると多孔質基材の強度が低下する傾向にある。
このような本発明にかかるフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面(特に細孔内表面)に前記官能基Yを導入する工程が本発明の製造方法における第2の工程に相当し、このような工程としては以下の(i)〜(v)のような公知の方法を好適に採用することが可能である。
(i)先ず、例えば特開2003−201571号公報や特開2000−104868号公報に記載されている金属ナトリウム法により、フッ素系樹脂からなる多孔質基材を表面処理(親水化処理)する。すなわち、金属ナトリウム−アンモニア錯塩、金属ナトリウム−ナフタレンとテトラヒドロフランとの錯化合物等を含有するナトリウム系フッ素樹脂表面処理剤(潤工社製テトラエッチ等)にフッ素系樹脂からなる多孔質基材を−50〜100℃にて含浸せしめ、その表面に親水基(水酸基等)を導入する。次に、親水化処理された多孔質基材の表面を、例えば過酸化水素等の酸化剤を用いて0〜100℃にて酸化処理して表面にカルボキシル基が導入された多孔質基材を得る。さらに、その多孔質基材を、例えば塩化チオニル、五塩化リン、塩化ホスホリル(V)、フッ化ナトリウム等のハロゲン化剤を用いて0〜200℃にてハロゲン化処理することにより、前記官能基Yが導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材を得る。
(ii)先ず、例えば特開2002−105216号公報に記載されているスルホン化処理により、スルホン酸基が表面に導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材を得る。すなわち、ポリクロロトリフルオロエチレン等の塩素基を有するフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に、例えば亜鉛等の存在下で二酸化硫黄を0〜200℃にて反応せしめてスルフィン酸基を導入し、続いて過酸化水素等の酸化剤を用いて0〜100℃にて酸化処理して表面にスルホン酸基が導入された多孔質基材を得る。次に、その多孔質基材を、例えば塩化チオニル、五塩化リン、塩化ホスホリル(V)、フッ化ナトリウム等のハロゲン化剤を用いて0〜200℃にてハロゲン化処理することにより、前記官能基Yが導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材を得る。
(iii)先ず、酸素存在雰囲気中にてフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に電子線を照射し、表面を活性化する。その際の条件は特に制限されないが、酸素分圧が0.01〜10気圧、電子線照射量が10Gy〜1000KGy、温度が−50〜200℃程度が一般的に好ましい。次に、表面が活性化された多孔質基材の表面を、例えば過酸化水素等の酸化剤を用いて0〜100℃にて酸化処理して表面にカルボキシル基が導入された多孔質基材を得る。さらに、その多孔質基材を、例えば塩化チオニル、五塩化リン、塩化ホスホリル(V)、フッ化ナトリウム等のハロゲン化剤を用いて0〜200℃にてハロゲン化処理することにより、前記官能基Yが導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材を得る。
(iv)先ず、酸素存在雰囲気中にてフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面をプラズマで処理し、表面を活性化する。その際の条件は特に制限されないが、酸素分圧が0.01〜10気圧、高周波誘導法(1〜100MHz、0.1〜100KW)、温度が0〜200℃程度が一般的に好ましい。次に、表面が活性化された多孔質基材の表面を、例えば過酸化水素等の酸化剤を用いて0〜100℃にて酸化処理して表面にカルボキシル基が導入された多孔質基材を得る。さらに、その多孔質基材を、例えば塩化チオニル、五塩化リン、塩化ホスホリル(V)、フッ化ナトリウム等のハロゲン化剤を用いて0〜200℃にてハロゲン化処理することにより、前記官能基Yが導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材を得る。
(v)上記の(i)〜(iv)の方法により得られたカルボニルハライド基及び/又はスルホニルハライド基が導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材に、アンモニア又はアミン化合物(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等)を接触させてそれらの基をアミド化せしめることにより、前記官能基Yが導入されたフッ素系樹脂からなる多孔質基材を得る。なお、アミド化処理する際の具体的な方法及び条件は特に制限されず、アンモニア又はアミン化合物を直接接触させてもよいし、アンモニア又はアミン化合物を適当な溶媒(フロン溶媒、1,4−ジオキサン溶液、テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等)に溶解して接触させてもよいし、アンモニア又はアミン化合物の蒸気に晒してもよい。
そして、本発明の複合電解質においては、前述のフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に、下記一般式(1):
−X−NH−X− (1)
[式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
で表されるイミド基を介して前述のフッ素系高分子電解質が結合している。このように、前述のフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に前述のフッ素系高分子電解質が、ビススルホニルイミド基(−SO−NH−SO−)、スルホニルカルボニルイミド基(−CO−NH−SO−)又はビスカルボニルイミド基(−CO−NH−CO−)という共有結合を構成する基により化学的に強固に結合しているため、電解質の水に対する溶出や著しい膨潤が十分に防止され、さらに化学的安定性の向上及びプロトン伝導性の向上が達成される。
このような本発明の複合電解質においてフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に結合しているフッ素系高分子電解質の量は特に制限されないが、フッ素系高分子電解質の量が多孔質基材100重量部に対して10〜2000重量部程度であることが好ましい。フッ素系高分子電解質の量が上記下限未満では得られる複合電解質における電気伝導性が不十分となる傾向にあり、他方、上記上限を超えると得られる複合電解質の強度及び形状安定性が不十分となる傾向にある。
なお、本発明の複合電解質においては、フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に結合するフッ素系高分子電解質として複数種類のものが混在していてもよく、また、複数種類の前記イミド基が存在してもよい。
さらに、本発明の複合電解質においては、フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に存在する反応性の官能基(例えば前記官能基Y)の全てが前記イミド基の形成に寄与している必要はなく、また、フッ素系高分子電解質の主鎖及び/又は側鎖に存在する反応性の官能基(例えば前記官能基Y)の全てが前記イミド基の形成に寄与している必要もない。なお、本発明の複合電解質を構成するフッ素系高分子電解質の全ての重合体分子が前記イミド基を介してフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面上に結合していることが特に好ましいが、必ずしもその必要はなく、フッ素系高分子電解質の20重量%以上の重合体分子が前記イミド基を介してフッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面上に結合していることが好ましい。また、本発明の複合電解質において前記イミド基の形成に寄与していない反応性の官能基はプロトン化処理されていることが好ましい。
このような本発明の複合電解質を、前記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質と前記官能基Yが導入された多孔質基材とを反応せしめて得る工程が本発明の製造方法における第3の工程に相当し、このような工程としては以下のような方法を好適に採用することが可能である。
すなわち、前記官能基Yが導入された多孔質基材を、前記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質を含有する溶液又は分散媒中に浸漬させて両者を反応させることにより、本発明の複合電解質が得られる。なお、この反応に使用する溶媒は特に制限されないが、塩基{例えば、トリエチルアミン、ピリジン、DBU(1,8−diazabicyclo[5.4.0]−7−undecene)、DBN(1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5)等のアミン化合物や、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、ナトリウムアルコキシド等の金属塩基や、ナトリウムハイドライド、カリウムハイドライド、カルシウムハイドライド、リチウムアルミニウムハイドライド、ナトリウムボロンハイドライド等の金属水素化物や、ブチルリチウム、ナトリウムシクロペンタジエニド、フェニルリチウム等の有機金属化合物}の存在する溶媒中で反応せしめることが好ましい。また、溶液又は分散媒中のフッ素系高分子電解質の濃度(含有量)は特に制限されないが、一般的には1〜80重量%程度好ましい。さらに、反応温度も特に制限されないが、一般的には−50〜200℃程度好ましい。
さらに、本発明の複合電解質を製造する際には、上記の反応の後に、前記イミド基の形成に寄与していない反応性の官能基をプロトン化することが好ましい。その方法は特に制限されないが、アルカリで加水分解したり、強酸(硝酸、硫酸、塩酸等)やプロトン型の強イオン交換樹脂(カチオン交換樹脂)を用いる公知のプロトン化処理法等が適宜用いられる。
次に、本発明の電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池の好適な実施形態について詳細に説明する。図1は、本発明の電解質膜30を備えた本発明の膜電極接合体1の好適な一実施形態を示す模式断面図である。また、図2は図1に示した膜電極接合体1を備える本発明の燃料電池2の好適な一実施形態を示す模式断面図である。図2に示す燃料電池2は、移動車両や小型コジェネレーションシステムの電源として採用すると好適な燃料電池である。この燃料電池2は、アノード反応ガスと、カソード反応ガスとを利用した電気化学反応によって電気エネルギーを発生する。
この燃料電池2は、主として、平板状の膜電極接合体1と、膜電極接合体1の両側に配置された2つのセパレータ40とセパレータ50とから構成されている。更に、膜電極接合体1は、主として、ガス拡散電極であるアノード10と、ガス拡散電極であるカソード20と、アノード10とカソード20との間に配置されるプロトン伝導性を有する電解質膜30とから構成されている。
この燃料電池2では、例えば、メタノールや天然ガスといった炭化水素系原燃料を水蒸気改質して生成される水素含有ガス(燃料ガス)がアノード反応ガスとして用いられ、例えば、空気等の酸素含有ガスがカソード反応ガスとして用いられる。この場合、アノード10においては以下の(I)式に、カソード20においては以下の(II)式に、それぞれ示す電極反応が進行し、全体として(III)式に示す全電池反応が進行する。
2→2H++2e- (I)
(1/2)O2+2H++2e-→H2O (II)
2+(1/2)O2→H2O (III)。
以下、図1及び図2に基づいて本実施形態の各構成要素の詳細について説明する。先ず、電解質膜30は、前記本発明の複合電解質からなる膜状の成形体であり、前記本発明の複合電解質がフィルム状又は膜状のものである場合はそのものであってもよい。また、本発明の電解質膜30は、前記本発明の複合電解質の積層体であってもよく、更なる支持体と組み合わせたものであってもよい。但し、本発明の複合電解質はそれ自体が高い強度及び形状安定性を有するものであるため、本発明の電解質膜30として前記本発明の複合電解質のみからなるものを用いることが好ましい。本発明の電解質膜30の厚さは特に制限されないが、5〜200μm程度が好ましい。電解質膜30の厚さが上記下限未満では電解質膜の強度が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると電解質膜の膜抵抗が増加して電気伝導性が低下する傾向にある。
次に、アノード10及びカソード20について説明する。ガス拡散電極であるアノード10は、ガス拡散層12とガス拡散層12上に形成された触媒層11とからなる。また、ガス拡散電極であるカソード20もガス拡散層22とガス拡散層22上に形成された触媒層21とからなる。
ガス拡散層12及びガス拡散層22は、膜電極接合体1に供給されたアノード反応ガス又はカソード反応ガスを触媒層側に円滑かつ均一に供給すると共に、触媒層11及び21における電極反応によって生じる電子を膜電極接合体1の外部回路(図示せず)に放出させる役割や未反応ガスや電解質膜30の加湿に過剰な反応生成水等を外部に放出する役割を担うものである。ガス拡散層12及び22の構成材料としては、例えば、電子伝導性を有する多孔質体(例えば、撥水化剤とカーボン粉末とからなる層が表面に形成されたカーボンクロスやカーボンペーパー)が使用される。
アノード10の触媒層11は、上記(I)式に示す電極反応が進行する反応場となる。一方、燃料電池2のカソードの触媒層21は、上記(II)式に示す電極反応が進行する反応場となる。これらのアノード10の触媒層11及びカソードの触媒層21の構成は、それぞれの電極反応を促進する触媒を含んでおり、ガス拡散性及び電気伝導性を有していれば特に限定されるものではない。例えば、触媒粒子(Pt粒子、Pt合金粒子等)が担持された表面積の大きな多孔質担体(カーボンブラック微粒子)と、これを被覆するイオン交換樹脂(パーフルオロカーボンスルホン酸系重合体等)等の高分子電解質とを主体として構成してもよい。これらの触媒、担体及び高分子電解質の材質は、特に限定されるものではなく、用途に応じて種々の材質を用いることができる。
なお、アノード10の触媒層11及び/又はカソードの触媒層21は、イオン交換樹脂を含有させない構成としてもよい。また、触媒層11及び触媒層21には、必要に応じて撥水化剤(フッ素系樹脂等)を含有させてもよい。
セパレータ40及びセパレータ50は、図2に示すように、1つの膜電極接合体1に対して、アノード10側とカソード20側とにそれぞれ1体ずつ装着される。セパレータ40及びセパレータ50は、例えば、カーボンを圧縮してガス不透過とした緻密質カーボンといったようなガス不透過の電子伝導性部材により形成され、図2に示すように、矩形薄板状を呈する。
さらに、セパレータ40のアノード10との接触面に形成された各溝は、膜電極接合体1のアノード10の表面とにより、アノード反応ガス流路41を画成する。また、セパレータ50のカソード接触面に形成された各溝は、膜電極接合体1のカソード20の表面とにより、カソード反応ガス流路51を画成する。
次に、膜電極接合体1の製造方法について説明する。膜電極接合体1の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の技術により形成することができる。例えば、触媒層11及び触媒層12に高分子電解質を含有させる場合には、以下のような形成方法に従って製造される。
触媒層11及び触媒層12を形成する第1の方法としては、先ず、触媒層11及び触媒層12の構成材料を含むペースト(又はインク)をそれぞれ調製し、次に、各ペースト(又はインク)を電解質膜30両側の表面にそれぞれ噴霧、塗布、濾過転写するなどして厚さが均一になるように形成する方法がある。ここで、予め用意したPTFEやポリエチレンテレフタレートなどの基材平板上に触媒層11及び触媒層12を塗布等により形成した後、これを電解質膜30にホットプレス等により転写する、いわゆる転写法を用いてもよい。そして、触媒層11及び触媒層12をそれぞれ形成した電解質膜30と、撥水化処理したカーボンクロス等のガス拡散層12と、ガス拡散層22との接合を行う。なお、ガス拡散層12と触媒層11、並びに、ガス拡散層22と触媒層21をそれぞれ接合させずに接触させた状態としてもよい。
また、触媒層11及び触媒層12を形成する第2の方法としては、各ペースト(又はインク)を撥水化処理したカーボンクロス等のガス拡散層12又はガス拡散層22の表面に、噴霧、塗布、濾過転写するなどして厚さが均一になるように形成する方法がある。ここで、予め用意したPTFEやポリエチレンテレフタレートなどの基材平板上に触媒層11及び触媒層12を塗布等により形成した後、これをガス拡散層12又はガス拡散層22にホットプレス等により転写する転写法を用いてもよい。そして、電解質膜30と、触媒層11を形成したガス拡散層12と、触媒層12を形成したガス拡散層22との接合を行う。なお、電解質膜30と触媒層11及び触媒層21とをそれぞれ接合させずに接触させた状態としてもよい。
なお、上記の2つの方法における接合方法は特に限定されず、例えば、ホットプレスやロールプレスにより行ってもよい。更に、接着剤を用いて非加熱により両者を接合させてもよい。
更に、触媒層11及び触媒層12を、高分子電解質を含有させない構成とする場合には、電解質膜30の表面に、例えば、スパッタ法などにより触媒粒子と導電性多孔体粒子とを同時に蒸着させることにより形成することができる。
以上説明したような方法により、本発明の膜電極接合体1が完成する。そして、セパレータ40とセパレータ50との間に図2に示すような状態で膜電極接合体1を配置することにより、本発明の燃料電池2が完成する。
なお、上記の実施形態においては、1つのセルのみの構成を有する燃料電池について説明したが、本発明の燃料電池はこれに限定されるものではなく、セルを複数積層したいわゆるスタック構造を有するものであってもよい。
更に、本発明の複合電解質、電解質膜及び膜電極接合体の用途は上記燃料電池に限定されるものではなく、例えば、電気分解セル、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、水素又は酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサー等に使用することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
厚さ70μm、平均細孔径0.1μmの市販多孔質PTFE(空隙率68%、日東電工社製)を、Na系フッ素樹脂表面処理剤(潤工社、テトラエッチ)の中に浸漬して25℃にて10秒間減圧含浸(圧力0.01MPa)せしめ、多孔質PTFEの細孔内表面を含む全表面に水酸基を導入せしめた。次いで、その多孔質PTFEを10%過酸化水素水に浸漬して80℃にて1時間酸化処理することにより、表面にカルボキシル基が導入された多孔質PTFEを得た。さらに、その多孔質PTFEを、五塩化リンと塩化ホスホリル(V)との混合溶液{PCl/POCl=3/7(重量/重量)}の中に浸漬して90℃にて10時間ハロゲン化処理することにより、全表面のカルボキシル基をクロライド化した。このようにして得られた多孔質PTFEのカルボニルクロライド基の密度は約0.1mmol/gであった。
他方、THFとDMFの混合溶媒{THF/DMF=50/50(vol./vol.)}100ml中にFCOCFSOFを18g溶解し、室温で等モル量のビス(トリメチルシリル)アミドリチウムを含有するTHF溶液を滴下し、10時間攪拌して重合反応を進行せしめた。重合反応終了後、得られる重合体の末端をアミド基に変換するために過剰のビス(トリメチルシリル)アミドリチウムを加えて10時間攪拌した後、溶媒を留去し、得られた重合体をTHFで洗浄し、さらにカチオン交換樹脂(デュポン社製、商品名:NafionNR50レジン)を用いてプロトン化せしめて図3に示す末端反応性のフッ素系高分子重合体(アミド化されたフッ素系アイオネン電解質)32’を得た。このようにして得られたフッ素系高分子重合体のGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量は約10万であり、イオン交換基当量重量(EW)は約150g/eq.であった。
次に、表面にカルボニルクロライド基が導入された多孔質PTFE31を、図3に示す末端反応性のフッ素系高分子重合体32’のトリエチルアミン/THF溶液(重合体濃度5重量%、トリエチルアミン/THF=1/5(vol./vol.))に浸潰し、60℃にて48時間反応を進行せしめて図3に示す反応によって複合電解質膜を得た。続いて、得られた複合電解質膜を水洗し、さらに硝酸(濃度15重量%)中でイオン交換(プロトン化)することにより、図3に示すようにフッ素系アイオネン電解質32がスルホニルカルボニルイミド基33を介して多孔質PTFE31の全表面に結合している本発明の複合電解質膜を得た。
得られた複合電解質膜を水による煮沸溶出試験により確認したところ、重量減少はなく、その可能性のある反応機構から考えて図3に示すフッ素系アイオネン電解質32がスルホニルカルボニルイミド基33を介して多孔質PTFE31の表面に結合していることが確認された。また、得られた複合電解質膜におけるフッ素系アイオネン電解質の含有量は、多孔質PTFE100重量部に対して約200重量部であった。
また、得られた複合電解質膜を100℃の水中に24時間以上放置しても安定しており、水に対して十分な自立性を有するものであった。さらに、得られた複合電解質膜を3%過酸化水素水中にて煮沸したところ、1時間後も重量減少は見られず、化学的安定性が十分に高いことが確認された。
さらに、得られた複合電解質膜のプロトン導電率(電気伝導度)を、25℃の純水中において交流4端子法(測定周波数10kHz)により測定した膜抵抗と膜断面積とから求めたところ、プロトン導電率は0.20S/cmと高い値を示した。
(実施例2)
実施例1で用いたものと同じ多孔質PTFEに、酸素存在雰囲気(酸素分圧0.02MPa)中にて電子線を照射し(加速電圧2MeV、電子線照射量1KGy、温度25℃)、多孔質PTFEの細孔内表面を含む表面を活性化せしめた。次いで、その多孔質PTFEを10%過酸化水素水に浸漬して1時間煮沸することにより、表面にカルボキシル基が導入された多孔質PTFEを得た。このようにして得られた多孔質PTFEをカルボキシル基が導入された多孔質PTFEとして用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の複合電解質膜を得た。
得られた複合電解質膜は、実施例1で得られたものと同様に水に対して十分な自立性及び化学的安定性を有するものであり、そのプロトン導電率は0.18S/cmと高い値を示した。
(実施例3)
実施例1で用いたものと同じ多孔質PTFEに、酸素存在雰囲気(酸素分圧0.01MPa)中にてプラズマ処理を施し(高周波誘導法(5MHz、10KW)、温度30℃、処理時間10分)、多孔質PTFEの細孔内表面を含む表面を活性化せしめた。次いで、その多孔質PTFEを10%過酸化水素水に浸漬して1時間煮沸することにより、表面にカルボキシル基が導入された多孔質PTFEを得た。このようにして得られた多孔質PTFEをカルボキシル基が導入された多孔質PTFEとして用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の複合電解質膜を得た。
得られた複合電解質膜は、実施例1で得られたものと同様に水に対して十分な自立性及び化学的安定性を有するものであり、そのプロトン導電率は0.16S/cmと高い値を示した。
(実施例4)
FCOCFSOFに代えてFSOCFCFCFSOF22gを用いた以外は実施例1と同様にして、図4に示す末端反応性のフッ素系高分子重合体(アミド化されたフッ素系アイオネン電解質)32’を得た。このようにして得られたフッ素系高分子重合体のGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量は約20万であり、イオン交換基当量重量(EW)は約270g/eq.であった。次に、このようにして得られた図4に示すフッ素系高分子重合体32’をフッ素系高分子重合体として用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の複合電解質膜を得た。なお、複合電解質膜を得る際の反応は図4に示す反応式であった。
得られた複合電解質膜は、実施例1で得られたものと同様に水に対して十分な自立性及び化学的安定性を有するものであり、そのプロトン導電率は0.13S/cmと高い値を示した。
(実施例5)
コポリ四フッ化エチレン−トリフルオロクロロエチレン(トリフルオロクロロエチレン含有率10モル%、重量平均分子量約100万)を延伸処理することにより多孔質化した膜(厚さ50μm、平均細孔径0.1μm、空隙率80%)を、特開2002−105216号公報の実施例1に記載された方法と同じ方法によって処理し、その表面に露出した塩素基をスルホン酸基に変換せしめた。さらに、その多孔質膜を、NaFを含有する五塩化リン溶液(NaF濃度10重量%)の中に浸漬して100℃にて10時間ハロゲン化処理することにより、全表面のスルホン酸基をクロライド化(スルホニルクロライド:図5に示す)又はフルオライド化(スルホニルフルオライド:図示せず)せしめた。このようにして得られた多孔質膜の全表面におけるスルホニルハライド基の密度は約0.1mmol/gであり、その内の約50%がスルホニルクロライド基であった。次に、このようにして得られた図5に示す多孔質膜31を多孔質基材として用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の複合電解質膜を得た。なお、複合電解質膜を得る際の反応は図5に示す反応式であった。
得られた複合電解質膜を水による煮沸溶出試験により確認したところ、重量減少はなく、その可能性のある反応機構から考えて図5に示すフッ素系アイオネン電解質32がビススルホニルイミド基33を介して多孔質膜31の表面に結合していることが確認された。また、得られた複合電解質膜におけるフッ素系アイオネン電解質の含有量は、多孔質膜100重量部に対して約200重量部であった。
得られた複合電解質膜は、実施例1で得られたものと同様に水に対して十分な自立性及び化学的安定性を有するものであり、そのプロトン導電率は0.20S/cmと高い値を示した。
(実施例6)
下記一般式(4):
Figure 2005187629
で表されるパーフルオロカーボンスルホニルフルオライド系高分子化合物(GPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量約50万、イオン交換基当量重量(EW)500g/eq.)にアンモニアガスを5分間接触させてスルホニルフルオライド基の3%をスルホンアミド化せしめた後、残ったスルホニルフルオライド基を水酸化カリウム/ジメチルスルホキシド/水{3/7/10(重量/重量/重量)}の混合溶媒を用いて加水分解せしめた後に15重量%硝酸を用いてプロトン化せしめてスルホン酸に変換することによって図6に示す部分アミド化されたパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子重合体32’を得た。次に、このようにして得られた図6に示す部分アミド化されたパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子重合体32’をフッ素系高分子重合体として用いた以外は実施例1と同様にして、本発明の複合電解質膜を得た。なお、複合電解質膜を得る際の反応は図6に示す反応式であった。
得られた複合電解質膜を水/アルコール{1/1(vol./vol.)}の混合溶媒による煮沸溶出試験により確認したところ、重量減少はなく、その可能性のある反応機構から考えて図6に示すパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子電解質32がスルホニルカルボニルイミド基33を介して多孔質PTFE31の表面に結合していることが確認された。また、得られた複合電解質膜におけるパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子電解質の含有量は、多孔質PTFE100重量部に対して約300重量部であった。
得られた複合電解質膜は、実施例1で得られたものと同様に水に対して十分な自立性及び化学的安定性を有するものであり、そのプロトン導電率は0.13S/cmと高い値を示した。
(比較例1)
実施例1において得られた図3に示す末端反応性のフッ素系高分子重合体(アミド化されたフッ素系アイオネン電解質)32’を用いて、溶媒として水を用いたキャスト法により製膜(膜厚100μm)したところ、得られた膜は水中で可溶化してしまい、自立性はなかった。
(比較例2)
実施例1で用いたものと同じ多孔質PTFEを、その表面に対する処理(カルボニルクロライド基の導入)を行わないでそのまま用いた以外は実施例1と同様にして、その表面へのフッ素系高分子重合体(図3に示すアミド化されたフッ素系アイオネン電解質32’)の導入を試みた。しかしながら、処理後の多孔質PTFEには全く電解質が導入されておらず、最初の多孔質PTFEのままであり、そのプロトン導電率は0S/cmであった。
(比較例3)
実施例6で用いたものと同じ多孔質PTFEを、その表面に対する処理(カルボニルクロライド基の導入)を行わないでそのまま用いた以外は実施例6と同様にして、その表面へのフッ素系高分子重合体(図6に示す部分アミド化されたパーフルオロカーボンスルホン酸系高分子重合体32’)の導入を試みた。しかしながら、処理後の多孔質PTFEには全く電解質が導入されておらず、最初の多孔質PTFEのままであり、そのプロトン導電率は0S/cmであった。
以上説明したように、本発明の複合電解質においては、高水準のプロトン伝導性が達成されると共に水に対する可溶化及び著しい膨潤が十分に防止されており、膜として自立性を有しかつ化学的安定性にも優れている。したがって、本発明の複合電解質を用いることによって、低湿高温時であっても優れたプロトン伝導性及び化学的安定性を達成することが可能な電解質膜、膜電極接合体及び燃料電池を提供することが可能となる。さらに、このようにプロトン伝導性、強度、形状安定性及び化学的安定性に優れている本発明の複合電解質は、燃料電池以外にも例えば、電気分解セル、ハロゲン化水素酸電解装置、食塩電解装置、水素又は酸素濃縮器、湿度センサー、ガスセンサー等に使用することができ、本発明はこのような諸分野において非常に有用なものである。
本発明の複合電解質からなる電解質膜を備えた本発明の膜電極接合体の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 図1に示した本発明の膜電極接合体を備えた本発明の燃料電池の好適な一実施形態を示す模式断面図である。 実施例1における反応を模式的に示す反応式である。 実施例4における反応を模式的に示す反応式である。 実施例5における反応を模式的に示す反応式である。 実施例6における反応を模式的に示す反応式である。
符号の説明
1…膜電極接合体、2…燃料電池、10…アノード、11…アノード触媒層、12…ガス拡散層、20…カソード、21…カソード触媒層、22…ガス拡散層、30…電解質膜、31…フッ素系樹脂多孔質基材、32…フッ素系高分子電解質、32’…結合する前のフッ素系高分子電解質、33…イミド基、40…セパレータ、41…アノード反応ガス流路、50…セパレータ、51…カソード反応ガス流路。

Claims (9)

  1. フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に、下記一般式(1):
    −X−NH−X− (1)
    [式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
    で表されるイミド基を介してフッ素系高分子電解質が結合していることを特徴とする複合電解質。
  2. 前記フッ素系高分子電解質が、イオン交換基当量重量(EW)が120〜650g/eq.のものであることを特徴とする請求項1記載の複合電解質。
  3. 前記フッ素系高分子電解質が、下記一般式(2):
    Figure 2005187629
    [式(2)中、同一分子内のYは同一でも異なっていてもよく、それぞれスルホニルハライド基、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルハライド基、カルボニルアミド基、カルボニルアミド金属塩、N−アルキルシリルカルボニルアミド基及びN−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩からなる群から選択される少なくとも一つの官能基であり、aは0以上、bは1以上、cは1以上、dは0〜3、eは0〜8の整数をそれぞれ示す。]
    で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000であるフッ素系高分子電解質、又は、下記一般式(3):
    −[(CF−Z−NH−Z−(CF−Y (3)
    [式(3)中、Yは式(2)中のYと同義であり、Z及びZは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基又はスルホニル基であり、mは1〜10、nは1以上の整数をそれぞれ示す。]
    で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000であるフッ素系高分子電解質であり、前記多孔質基材にスルホニルハライド基、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルハライド基、カルボニルアミド基、カルボニルアミド金属塩、N−アルキルシリルカルボニルアミド基及びN−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩からなる群から選択される少なくとも一つの官能基Yが導入されており、該フッ素系高分子電解質における官能基Yの少なくとも一部が該多孔質基材に導入された官能基Yの少なくとも一部と共に前記イミド基を形成していることを特徴とする請求項1又は2記載の複合電解質。
  4. 主鎖及び/又は側鎖の末端の少なくとも一部として下記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質を準備する工程と、
    フッ素系樹脂からなる多孔質基材の表面に下記官能基Yを導入する工程と、
    前記官能基Yを有するフッ素系高分子電解質と前記官能基Yが導入された多孔質基材とを反応せしめて複合電解質を得る工程と、
    を含む複合電解質の製造方法であって、前記官能基Y及び前記官能基Yは、それらが反応して下記一般式(1):
    −X−NH−X− (1)
    [式(1)中、X及びXは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基(−CO−)又はスルホニル基(−SO−)である。]
    で表されるイミド基を形成し得るものであり、該イミド基を介して前記フッ素系高分子電解質が前記多孔質基材の表面に結合していることを特徴とする複合電解質の製造方法。
  5. 前記フッ素系高分子電解質が、イオン交換基当量重量(EW)が120〜650g/eq.のものであることを特徴とする請求項4記載の複合電解質の製造方法。
  6. 前記フッ素系高分子電解質が、下記一般式(2):
    Figure 2005187629
    [式(2)中、同一分子内のYは同一でも異なっていてもよく、それぞれスルホニルハライド基、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルハライド基、カルボニルアミド基、カルボニルアミド金属塩、N−アルキルシリルカルボニルアミド基及びN−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩からなる群から選択される少なくとも一つの官能基であり、aは0以上、bは1以上、cは1以上、dは0〜3、eは0〜8の整数をそれぞれ示す。]
    で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000であるフッ素系高分子電解質、又は、下記一般式(3):
    −[(CF−Z−NH−Z−(CF−Y (3)
    [式(3)中、Yは式(2)中のYと同義であり、Z及びZは同一でも異なっていてもよく、それぞれカルボニル基又はスルホニル基であり、mは1〜10、nは1以上の整数をそれぞれ示す。]
    で表されかつGPC法(ポリスチレン換算)による重量平均分子量が500〜1000000であるフッ素系高分子電解質であり、前記多孔質基材に導入された官能基Yがスルホニルハライド基、スルホンアミド基、スルホンアミド金属塩、N−アルキルシリルスルホンアミド基、N−アルキルシリルスルホンアミド金属塩、カルボニルハライド基、カルボニルアミド基、カルボニルアミド金属塩、N−アルキルシリルカルボニルアミド基及びN−アルキルシリルカルボニルアミド金属塩からなる群から選択される少なくとも一つの官能基であり、該フッ素系高分子電解質における官能基Yの少なくとも一部が該多孔質基材に導入された官能基Yの少なくとも一部と共に前記イミド基を形成していることを特徴とする請求項4又は5記載の複合電解質の製造方法。
  7. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の複合電解質からなることを特徴とする電解質膜。
  8. ガス拡散電極であるアノード及びカソードと、前記アノードと前記カソードとの間に配置された電解質膜とを有する膜電極接合体であって、前記電解質膜が請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の複合電解質からなるものであることを特徴とする膜電極接合体。
  9. 請求項8に記載の膜電極接合体を備えることを特徴とする燃料電池。
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