複写装置、ファクシミリ装置等の画像形成装置を遠隔管理する画像形成装置遠隔管理システムは、被遠隔管理装置である画像形成装置と、この画像形成装置とのデータ通信を制御するデータ通信装置と、データ通信装置と電話回線等を介して接続される中央制御装置と、で構成されており、データ通信装置は、中央制御装置と画像形成装置とのデータ通信を仲介するほか、定期的に画像形成装置にポーリングを送信して、画像形成装置の状態をチェックする。
このような画像形成装置遠隔管理システムにおいて、データ通信装置と画像形成装置との間をコードレス化する要求が多くなっている。すなわち、データ通信装置と画像形成装置の間を有線で接続する場合、長距離にわたって通信線を施設しなければならなかったり、画像形成装置の設置位置の変更の度に、通信線の施設を張り替えなければならなかったりして、労力とコストがかかること、通信線に足を引っかけて切断してしまい、遠隔管理機能に支障をきたしてしまったりすることが多いこと等により、コードレス化(無線化)が要望されている。
一般的に、無線システムにおいては、ある無線システムでの送信が、他の無線システムでの通信を妨害したり、複数の無線システムが、同時に送信を開始することによって、無線送信が衝突したりすることがないように、無線設備標準規格等で通信仕様が定められている。
この無線設備標準規格の仕様としては、例えば、無線設備標準規格ARIB STD−T67があり、この無線設備標準規格ARIB STD−T67 に準拠した無線装置としては、例えば、図19に示す無線装置1000がある。
無線装置1000は、制御部1001、外部I/F1002、不揮発性メモリ1003、スイッチ部1004、送信部1005、受信部1006及びLED表示部1007等を備えており、送信部1005と受信部1006にアンテナ1008が接続されている。
外部I/F1002には、無線装置1000の接続される外部装置が接続され、外部I/F1002は、当該外部装置との信号及びデータの授受を行う。
不揮発性メモリ1003は、制御部1001による無線装置1000の制御に必要な各種データやプログラム等が格納され、制御部1001は、不揮発性メモリ1003内のプログラムに基づいて無線装置1000の各部を制御して、無線通信動作処理を実行する。
スイッチ部1004には、無線装置1000の操作に必要な各種操作を行うスイッチが設けられており、LED表示部1007は、各種LED(Light Emitting Diode)を点灯・点滅等を行って無線装置100の動作状態等を表示する。
送信部1005は、制御部1001の制御下で、送信処理を実行し、受信部1006は、制御部1001の制御下で、受信処理を実行する。
そして、ARIB STD−T67で定められているチャネルと周波数は、図20に示すようになっており、二つの無線装置1000が通信するときには、一方の無線装置1000が、高群の周波数を送信周波数、低群の周波数を受信周波数として使用し、他方の無線装置1000が、高群の周波数を受信周波数、低群の周波数を送信周波数として使用する。また、図20に示すチャネル番号10は、周波数制御チャネルとして使用することが定められている。
無線装置1000の相互の無線通信は、通常、一方の無線装置1000から他方の無線装置1000への無線通信回線接続要求の発信で始められ、いま、無線局Aから無線局Bへ無線通信回線接続要求を送信して、無線局Aと無線局Bの無線通信回線を接続するときの無線局Aの動作処理は、図21のように示される。
すなわち、無線局Aは、図21に示すように、送信要求を無線局Bに無線通信回線接続要求を送信すると(ステップS1001)、データ通信用CH(チャネル)(ARIB STD−T67では1〜9CH)の何れかのCHを選択して(ステップS1002)、当該選択したCHについてキャリアセンスする(ステップS1003)。ここで、キャリアセンスとは、所定のCHについて、そのCHを他の無線装置1000が使用していないかを調べることをいう。例えば、制御部1001は、受信部1006の受信周波数をそのCHの周波数に同調させたときの、無線電波の入力強度を調べ、その強度が所定のレベル以上あるときは、そのCHが使用中であると判断し、所定のレベルより低いときは空きCHであると判断する。
次に、制御部1001は、キャリアセンスの結果に基づいて選択したCHが使用可能であるかチェックし(ステップS1004)、そのCHが使用中であると判断されたときには、予め設定されている所定回数キャリアセンスしたかチェックして(ステップS1005)、所定回数キャリアセンスしていないときには、ステップS1002に戻って、通信CHの選択から上記同様に処理する(ステップS1002〜S1005)。ステップS1005で、制御部1001は、他のCHについてキャリアセンスし、所定回数、キャリアセンスしても空きCHが見つからないときは、無線通信回線接続がNGであると判断して、処理を終了する(ステップS1015)。
ステップS1004で、キャリアセンスの結果、そのCHが空きCHであると判断されたときは、制御部1001は、そのCH情報と不揮発性メモリ1003から読み出したB局IDを無線接続制御情報に付加して無線接続制御情報を構成し(ステップS1006)、送受信CHを周波数制御CH(ARIB STD−T67の場合、10CH)にセットして(ステップS1007)、周波数制御CHキャリアセンスする(ステップS1008)。
制御部1001は、周波数制御CHのキャリアセンスの結果に基づいて選択した周波数制御CHが使用可能であるかチェックし(ステップS1009)、そのCHが使用中であると判断されたときには、予め設定されている所定回数キャリアセンスしたかチェックして(ステップS1010)、所定回数キャリアセンスしていないときには、ステップS1008に戻って、周波数制御CHのキャリアセンスから再度行って(ステップS1008〜S1010)、ステップS1010で、所定回数キャリアセンスしても周波数制御CHの空き状態を検出できなかったときは、無線通信回線接続がNGであると判断して、処理を終了する(ステップS1015)。
ステップS1009で、キャリアセンスの結果、周波数制御CHの空きが確認されると、制御部1001は、送信部1005の送信周波数を周波数制御CHにセットして、上記無線接続制御情報を含む無線通信回線接続要求を送信する(ステップS1011)。
この無線局Aが送信する無線接続制御情報のデータフォーマットは、例えば、図22に示すように構成されており、ビット同期、フレーム同期、メーカーコード、A局ID、B局ID、CH情報及びパリティからなっている。
制御部1001は、無線通信回線接続要求を行うと、受信部1006を先に捕捉された空きCHの周波数にセットして(ステップS1012)、無線局B(B局)からの無線通信回線接続の応答があるかチェックし(ステップS1013)、B局からの応答がないと、予め設定されている所定時間が経過したか、すなわち、タイムオーバーかチェックする(ステップS1014)。ステップS1014で、タイムオーバーでないときには、制御部1001は、ステップS1013に戻って、B局からの応答があるかチェックし(ステップS1013)、B局からの応答がないまま、ステップS1014で、所定時間経過すると、無線通信回線接続がNGであると判断して、処理を終了する(ステップS1015)。
ステップS1013で、所定時間内にB局からの応答があると、制御部1001は、両者(A局とB局)の無線通信回線が接続されたと判断して、送信部1005の送信周波数を先に捕捉されたCHの周波数にセットして、外部装置から受信したデータの送信を開始する(ステップS1017)。
そして、上記無線局Aから無線局Bへ無線通信回線接続要求を送信して、無線局Aと無線局Bの無線通信回線を接続するときの無線局Bの無線通信回線接続動作処理は、図23のように実行される。
すなわち、無線局Bは、通常、無線受信部を周波数制御CHの周波数に同調させておき、周波数制御CHで送信される無線通信回線接続要求を監視し(ステップS1101)、無線通信回線接続要求が受信されると、B局の制御部1001は、無線接続制御情報のメーカーコード、局IDが自己の不揮発性メモリ1004に記憶されているメーカーコード、局ID(呼出名称)と一致しているかを調べる(ステップS1102、S1103)。
ステップS1102またはステップS1103で、メーカーコード、局IDが一致していないときには、制御部1001は、その無線通信回線接続要求の受信を無効として、ステップS1101に戻って、無線通信回線接続要求の受信待ちの状態から上記同様に処理する(ステップS1101、S1103)。
ステップS1102で、メーカーコードが一致し、ステップS1103で、受信した局ID が自己の局IDと一致すると、制御部1001は、受信した無線接続制御情報のCH情報に基づいて、送受信CHをセット、すなわち、送信部1005の送信周波数を当該CHの周波数にセットするとともに、受信部1006の受信周波数を当該CHの周波数にセットし(ステップS1104)、指定CHをキャリアセンスして(ステップS1105)、指定CHが使用可能かどうかチェックする(ステップS1106)。
ステップS1106で、指定CHが使用中であって、使用不可であると判断されたときには、制御部1001は、ステップS1101に戻って、無線通信回線接続要求の受信待ちの状態から上記同様に処理する(ステップS1101〜S1106)。
ステップS1106で、指定CHが使用可能であると、制御部1001は、無線通信回線接続応答を送信する(ステップS1107)。
上記処理を行うことで、無線局Aと無線局Bは、他の無線システムの通信を妨害したり、無線送信同士が衝突したりすることのないように、特定のCHを用いた無線通信を開始することができる。
ただし、キャリアセンスしてから実際に送信を開始するまでには、わずかながら遅延があるため、複数の無線装置が、まったく同時にキャリアセンスを開始したようなときには、無線送信の衝突を防止することはできない。このようなときには、通常、送信情報が破壊され、対抗局が正常にその送信を受信することができなくなるため、無線通信処理を停止せざるを得なくなる。
また、無線通信を開始するときは、必ず周波数制御CHを使用するため、同種の無線装置が多く設置されているような環境では、周波数制御CHがふさがった状態になっている場合が多くなり、無線通信回線の形成に失敗することが多くなる。
このような無線システムを、画像形成装置を外部装置とする無線装置を用いて、画像形成装置の遠隔管理システムにおけるデータ通信装置と画像形成装置間の通信の無線化に使用したシステムとしては、本出願人が先に提案した画像形成装置管理システムがある(特許文献1参照)。
この画像形成装置管理システムは、複写機等の画像形成装置と通信回線を介して接続されたデータ通信装置と、該データ通信装置と公衆回線を介して接続された中央制御装置とを備え、前記中央制御装置が、前記公衆回線、前記データ通信装置、および前記通信回線を介して前記画像形成装置を遠隔管理する遠隔管理手段を有する画像形成装置管理システムにおいて、前記データ通信装置と前記画像形成装置との間の通信回線を無線化する無線装置を設け、前記無線装置が、前記データ通信装置に有線接続され、該データ通信装置から出力されるデータを監視し、所定の制御データを検出した時に無線通信動作を開始する無線親局と、前記画像形成装置に有線接続され、前記無線親局からの前記所定の制御データを受信した時に無線通信動作を開始する無線子局とからなり、データ通信装置は、定期的に画像形成装置へポーリング送信行うため、定期的に、上記無線送信開始動作が行われることになる。
図1〜図17は、本発明のデータ通信装置、画像形成装置管理システム及び無線親局の第1実施例を示す図であり、図1は、本発明のデータ通信装置、画像形成装置管理システム及び無線親局の第1実施例を適用した画像形成装置管理システム1のシステムブロック構成図である。
図1において、画像形成装置管理システム1は、遠隔管理対象の画像形成装置としての複写装置100に無線子局200が接続され、この無線子局200と無線通信する無線親局300がデータ通信装置400に接続されている。データ通信装置400は、公衆回線500を介して中央制御装置600に接続されている。
画像形成装置管理システム1は、データ通信装置200が公衆回線500を介して接続されている中央制御装置600からの指令を無線親局300と無線子局200との無線通信を介して複写装置100に転送したり、逆に複写装置100からの各種通報を公衆回線500を経由して中央制御装置600に転送する。
なお、1台のデータ通信装置400は、1台の複写装置100に対して通信制御するものに限るものではなく、図2に示すように、複数台の複写装置100a〜100nに対して通信制御するものであってもよい。また、データ通信装置400は、24時間通電されており、通常、複写装置100の電源がオフになっている夜間においても、中央制御装置600との通信が可能となっている。図2の場合、各複写装置100a〜100nは、それぞれ無線子局200a〜200nを備えている。
そして、複写装置100は、その制御部が、図3に示すように回路ブロック構成されており、CPU(Central Processing Unit )101、リアルタイムクロック回路102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104、不揮発性RAM(Random Access Memory)105、入出力ポート106、複数のシリアル通信制御ユニット107、108、109及びパーソナルI/F110等を備えていて、各部は、システムバス111により接続されている。
ROM103は、複写装置100としての基本プログラム等の各種プログラム及び必要なデータが予め格納されており、CPU101は、RAM104をワークメモリとして利用しつつ複写装置100の各部を制御して、複写装置100としての処理を実行する。
リアルタイムクロック回路102は、時刻情報を発生するものであり、発振器及び分周器等を備えて、各種クロックを発生して、CPU101は、リアルタイムクロック回路102のクロックを読み込むことで、現在の時刻等を計時する。
不揮発性RAM105は、図示しない操作表示部等からのモード指示の内容等の各種動作指示内容や動作内容等を記憶するメモリであり、複写装置100の電源がオフになっても記憶内容を保持する。
入出力ポート106は、複写装置100内のモータ、ソレノイド、クラッチ等の出力負荷やセンサ・スポット類が接続されており、信号の入出力を行う。
シリアル通信制御ユニット107、108、109には、それぞれ図示しない操作表示部、原稿送り部及び転写紙後処理部が接続され、各シリアル通信制御ユニット107、108、109は、これらの操作表示部、原稿送り部及び転写紙後処理部との信号のやりとりを行う。
パーソナルI/F110は、無線子局200及び無線親局300によって形成される無線回線を介してデータ通信装置400との間の通信を司るインタフェース回路であり、CPU101のデータ通信装置400との通信処理のための負荷を軽減するために設けられている。なお、CPU101の処理能力が充分あれば、パーソナルI/F110の機能をCPU101に取り込んでもよい。
パーソナルI/F110の主な機能は、(a)データ通信装置400からのポーリング、セレクティングの監視、(b)データ通信装置400への肯定応答、否定応答処理、(c)データ通信装置400との間の送受信データの正当性のチェック、パリティチェック及びエラー発生時の再送要求処理、(d)データ通信装置400との間の送受信データのヘッダ処理である。
システムバス111は、アドレスバス、コントロールバス、データバスからなるバスラインであり、CPU101、リアルタイムクロック回路102、ROM103、RAM104、不揮発性RAM105、入出力ポート106、シリアル通信制御ユニット107〜109及びパーソナルI/F110を相互に接続する。
そして、上記パーソナルI/F110は、図4に示すように回路ブロック構成されており、CPU120、デュアルポートメモリ121、レジスタ122〜125、入力ポート126、シリアル通信制御ユニット127、デバイスコード設定スイッチ128及びローカルバス129によって構成されている。
CPU120は、中央処理装置、ROM、RAM及びそれらを接続するバス等からなるワンチップのマイクロコンピュータであり、このパーソナルI/F110の全体を統括的に制御する。
デュアルポートメモリ121は、CPU120と図3のCPU101の双方から読み書き可能であり、パーソナルI/F110と複写装置コントローラ(PPCコントローラ)112との間でのテキストデータの授受に使用されるデータメモリである。
なお、複写装置コントローラ112は、上記CPU101、リアルタイムクロック回路102、ROM103、RAM104、不揮発性RAM105、入出力ポート106及びシリアル通信制御ユニット107〜109で構成される。
レジスタ122〜125は、上記テキストデータの授受時に、制御用として使用される。
デバイスコード設定スイッチ128は、複写装置100毎に固有のデバイスコード(識別番号)を設定するためのものであり、デバイスコード設定スイッチ128で設定されたデバイスコードは、データ通信装置400からのポーリング、セレクティング時のデバイスコード識別用として使用される。
シリアル通信制御ユニット127は、例えば、RS−485で無線子局200と接続され、無線子局200と無線親局300によって形成される無線回線を介してデータ通信装置400との通信を制御する。
そして、上記データ通信装置400は、例えば、図5に示すようにブロック構成されており、CPU401、ROM402、RAM403、不揮発性RAM404、リアルタイムクロック回路(以下、RTCという。)405、シリアル通信I/F406、網制御装置(以下、NCUという。)407、モデム408及びLED表示部409等を備えている。
CPU401は、ROM402内の制御プログラムに従って、無線親局300及び無線子局200により形成される無線通信回線を経由した複写装置100との送受信の制御、公衆回線500を経由した中央制御装置600に対する指令信号の送受信の制御、無線通信回線経由での複写装置100からの各種通報による公衆回線500経由での中央制御装置600に対する発呼や公衆回線500を複写装置100側に接続するか、一般電話機(TEL)またはファクシミリ装置(FAX)側に接続するかの切替制御等のデータ通信装置400の全体を統括的に制御する。
ROM402は、CPU401が使用する制御プログラムを含む各種固定データを格納している読み出し専用メモリであり、RAM403は、CPU401がデータ処理を行う際にワークメモリ等として使用する一時記憶用メモリである。不揮発性RAM404は、中央制御装置600及び複写装置100の一方から他方への送信データや複写装置100が複数あるときに、その中から1台を特定するそれぞれのデバイスコード(識別番号)及びIDコード、中央制御装置600の電話番号、回線接続が成功しなかった場合の再発呼回数(リトライ回数)、再発呼間隔等を記憶するメモリであり、電池によってバックアップされている。
RTC405は、時刻情報を発生するものであり、CPU401がそれを読み込むことによって現在の時刻を知ることができる。
シリアル通信I/F406は、無線親局300及び無線子局200により形成される無線通信回線を介して複写装置100との間のデータ通信を行うインタフェース回路である。
NCU407は、データ通信装置100を公衆回線500に通信可能に接続し、自動発着信機能を備えている。モデム408は、送受信するデータを変復調する。
LED表示部409は、データ通信装置400の電源入力状態やデータ通信装置400が公衆回線500に通信可能に接続されていない時等にその旨をLEDを点灯・点滅して通知する。
上記NCU407は、図6に示すように回路ブロック構成されており、保護回路411、ループ電流検出回路412、リンギング検出回路413、ライン切替回路414及びループ形成回路415等を備えている。
保護回路411は、公衆回線500からのノイズからNCU407を保護するための回路であり、ループ電流検出回路412は、ループ形成回路415により形成される直流ループに流れる電流を検出するもので、図示しない両方向性のフォトカプラ等を備えている。
リンギング検出回路413は、公衆回線500からのリンギングを検出し、ライン切替回路414は、公衆回線500を図5のモデム408側に接続するか、外付けの一般電話機(TEL)またはファクシミリ装置(FAX)側に接続するかを切り替える。
ループ形成回路415は、オフフックして公衆回線500を捕捉した際、すなわち、公衆回線500のラインL1、L2を直流的に閉結した際に、直流ループを形成して、公衆回線500とモデム信号の送受信を行う。
上記無線親局300は、図7に示すようにブロック構成されており、アンテナ301、無線の送信部302、無線の受信部303、制御部304、RS−485ドライバ305、LED表示部306、スイッチ部307及び不揮発性メモリ308等を備えている。
無線の送信部302は、制御部304から入力される送信データを無線信号に変換してアンテナ301へ出力する。すなわち、送信部302は、所定の周波数の信号を制御部304から入力される送信データにより変調し、無線信号としてアンテナ301へ出力する。
無線の受信部303は、アンテナ301から入力される無線信号を受信データ(所定の制御データ)に変換して、制御部304へ出力する。すなわち、受信部303は、アンテナ301から入力される無線信号の所定の周波数帯に対して復調して、受信データとして制御部304へ出力し、また、所定の周波数の強度を制御部304へ提供する。
制御部304は、CPU、ROM、RAM等で構成され、無線の送信部302、受信部303、RS−485ドライバ305及びLED表示部306の制御を行う。
RS−485ドライバ305は、シリアル通信I/F、RS−485の制御を行い、LED表示部306は、無線親局300の動作状態及び無線子局200からの受信結果の表示に使用される。
スイッチ部307は、各種スイッチにより構成され、無線親局300の動作モードの設定等に使用される。
不揮発性メモリ308は、無線親局300の呼出名称、メーカーコード、デバイス管理テーブル等の無線通信に必要な情報を記憶する。ここで、呼出名称とは、個々の無線局に固有に与えられる数字によるコードであり、製造時に書き込まれる。本実施例の無線親局300では、この呼出名称を親局IDとして使用する。メーカーコードは、製造メーカー等を識別するためのコードであり、製造時等に書き込まれる。デバイス管理テーブルは、無線子局200の子局IDと複写装置100のデバイスコード(識別番号)を対応づけて管理するものであり、送信の際には、データ通信装置400から提供されるデバイスコード(識別番号)に基づいて送信先の無線子局200を判別するのに使用する。
なお、無線親局機能をデータ通信装置400に内蔵して、上記無線親局300の制御部機能をデータ通信装置400の制御部であるCPU401で、無線親局300の表示部機能をデータ通信装置400の表示部409で、無線親局300の不揮発性メモリ機能をデータ通信装置400の不揮発性メモリ(不揮発性RAM)404で行うようにしてもよい。
そして、上記無線子局200は、図8に示すようにブロック構成されており、アンテナ201、無線の送信部202、無線の受信部203、制御部204、RS−485ドライバ205、LED表示部206、スイッチ部207及び不揮発性メモリ208等を備えている。
無線の送信部202は、制御部204から入力される送信データを無線信号に変換してアンテナ201へ出力する。すなわち、送信部202は、所定の周波数の信号を制御部204から入力される送信データにより変調し、無線信号としてアンテナ201へ出力する。
無線の受信部203は、アンテナ201から入力される無線信号を受信データ(所定の制御データ)に変換して、制御部204へ出力する。すなわち、受信部203は、アンテナ201から入力される無線信号の所定の周波数帯に対して復調して、受信データとして制御部204へ出力し、また、所定の周波数の強度を制御部204へ提供する。
制御部204は、 CPU、ROM、RAM等で構成され、無線の送信部202、受信部203、RS−485ドライバ205及びLED表示部206の制御を行う。
RS−485ドライバ205は、シリアル通信I/F、RS−485の制御を行い、LED表示部206は、無線子局200の動作状態及び無線親局300への送信結果の表示に使用される。
スイッチ部207は、各種スイッチにより構成され、無線子局200の動作モードの設定等に使用される。
不揮発性メモリ208は、無線子局200の呼出名称、メーカーコード、親局ID等の無線通信に必要な情報を記憶する。ここで、呼出名称は、個々の無線局に固有に与えられる数字によるコードであり、製造時に書き込まれる。本実施例の無線子局200では、この呼出名称を子局IDとして使用する。メーカーコードは、製造メーカー等を識別するためのコードであり、製造時等に書き込まれる。親局IDは、通信すべき相手となる無線親局300の呼出名称(親局ID)であり、製造時または設置時等に予め入力される。
なお、無線子局200の機能を複写装置100に内蔵して、上記無線子局200の制御部機能を複写装置100の制御部であるCPU101で、無線子局200の不揮発性メモリ機能を複写装置100の不揮発性メモリ(不揮発性RAM)105で、無線子局200の表示部機能を複写装置100の表示部で行うようにしてもよい。
再び、図1において、中央制御装置600は、公衆回線500を介して、データ通信装置400との間で通信を行って、当該データ通信装置400が無線親局400と複写装置100に接続されている無線子局200を介して複写装置100の管理に必要な管理データを取得した当該管理データを入手することで、複写装置100の管理を行う。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例の画像形成装置管理システム1は、画像形成装置としての複写装置1の管理を行う中央制御装置600が、公衆回線500を介してデータ通信装置400から管理対象の複写装置100の管理データを取得して複写装置100の管理を行う。
この無線親局300と無線子局200の通信動作について説明する。無線親局300と無線子局200の無線通信は、通常、無線親局300から無線子局200への無線通信回線接続要求の発信で開始される。データ通信装置400と複写装置100との通信は、後述するように、データ通信装置400が出力するポーリングまたはセレクティングによって開始される。
したがって、無線親局300は、データ通信装置400に接続されているI/Fライン(シリアル通信I/F406、RS−485、RS−485ドライバ305)から順次入力されるデータを不揮発性メモリ308に一時バッファリングしながら、ポーリングコマンドまたはセレクティングコマンドに一致するデータを検出する処理を行い、そのデータ(ポーリング/セレクティング)を検出したときに、そのデータに含まれる、データの送信先となる複写装置100のデバイスコード(識別番号)を検出する。
次に、無線親局300は、検出されたデバイスコード(識別番号)の複写装置100の接続されている無線子局200の子局IDを、不揮発性メモリ308のデバイス管理テーブルから読み出して、その子局IDを基に無線子局200への無線通信回線接続要求を出力する。無線親局300は、この無線通信回線接続要求に対する無線子局200からの応答があると、バッファリングしておいたデータについての通信を開始する。
まず、無線親局300の無線通信回線接続動作処理について、図9に基づいて説明する。
無線親局300は、データ通信装置400に接続されているI/Fライン(シリアル通信I/F406、RS−485、RS−485ドライバ305)から順次入力されるデータを不揮発性メモリ308に一時バッファリングしながら、ポーリングコマンドまたはセレクティングコマンドに一致するデータを検出する処理を行って、そのデータ(ポーリング/セレクティング)を検出すると(ステップS101)、データ通信用CH(チャネル)(ARIB STD−T67では1〜9CH)の何れかのCHを選択して(ステップS102)、当該選択したCHについてキャリアセンスする(ステップS103)。
ここで、キャリアセンスとは、所定のCHについて、そのCHを他の無線親機300が使用していないかを調べることをいう。例えば、制御部304は、受信部303の受信周波数をそのCHの周波数に同調させたときの、無線電波の入力強度を調べ、その強度が所定のレベル以上あるときは、そのCHが使用中であると判断し、所定のレベルより低いときは空きCHであると判断する。
次に、無線親局300の制御部304は、キャリアセンスの結果に基づいて選択したCHが使用可能であるかチェックし(ステップS104)、そのCHが使用中であると判断されたときには、予め設定されている所定回数キャリアセンスしたかチェックして(ステップS105)、所定回数キャリアセンスしていないときには、ステップS102に戻って、通信CHの選択から上記同様に処理する(ステップS102〜S105)。ステップS105で、制御部304は、他のCHについてキャリアセンスし、所定回数、キャリアセンスしても空きCHが見つからないときは、ステップS101に戻って、ポーリングコマンドまたはセレクティングコマンドの検出から上記同様に処理を行う。
ステップS104で、キャリアセンスの結果、そのCHが空きCHであると判断されたときは、制御部304は、そのCH情報と不揮発性メモリ308のデバイス管理テーブルから導き出した子局IDを無線接続制御情報に付加し(ステップS106)、送受信CHを周波数制御CH(ARIB STD−T67の場合、10CH)にセットして(ステップS107)、周波数制御CHキャリアセンスする(ステップS108)。
制御部304は、周波数制御CHのキャリアセンスの結果に基づいて選択した周波数制御CHが使用可能であるかチェックし(ステップS109)、そのCHが使用中であると判断されたときには、予め設定されている所定回数キャリアセンスしたかチェックして(ステップS110)、所定回数キャリアセンスしていないときには、ステップS108に戻って、周波数制御CHのキャリアセンスから再度行って(ステップS108〜S110)、ステップS110で、所定回数キャリアセンスしても周波数制御CHの空き状態を検出できなかったときは、無線通信回線接続がNGであると判断して、無線通信回線接続動作を終了して、ステップS101に戻って、ポーリングコマンドまたはセレクティングコマンドの検出から上記同様に処理を行う。
ステップS109で、キャリアセンスの結果、周波数制御CHの空きが確認されると、制御部304は、送信部302の送信周波数を周波数制御CHにセットして(ステップS111)、上記無線接続制御情報を含む無線通信回線接続要求を送信する(ステップS112)。
この無線親局300が送信する無線接続制御情報のデータフォーマットは、例えば、図10に示すように構成されており、ビット同期、フレーム同期、メーカーコード、A局ID、B局ID、CH情報及びパリティからなっている。
制御部304は、無線通信回線接続要求を行うと、受信部303を先に捕捉した空きCHの周波数にセットして(ステップS113)、無線子局200からの無線通信回線接続の応答があるかチェックし(ステップS114)、無線子局200からの応答がないと、予め設定されている所定時間が経過したか、すなわち、タイムオーバーかチェックする(ステップS115)。ステップS115で、タイムオーバーでないときには、制御部304は、ステップS114に戻って、無線子局200からの応答があるかチェックし(ステップS114)、無線子局200からの応答がないまま、ステップS115で、所定時間経過すると、無線通信回線接続がNGであると判断して、無線通信回線接続動作を終了して、ステップS101に戻って、ポーリングコマンドまたはセレクティングコマンドの検出から上記同様に処理を行う。
ステップS114で、無線子局200から応答があると、制御部304は、両局(無線親局300と無線子局200)の無線通信回線が接続されたと判断して、送信部302の送信周波数を先に捕捉されたCHの周波数にセットして、データ通信装置400から受信してバッファリングしていたポーリングまたはセレクティングを含むデータの送信を開始する(ステップS116)。
そして、上記無線親局300から無線子局200へ無線通信回線接続要求を送信して、無線親局300と無線子局200の無線通信回線を接続するときの無線子局200の無線通信回線接続動作処理は、図11に示すように実行される。
すなわち、無線子局200は、通常、無線受信部を周波数制御CHの周波数に同調させておき、周波数制御CHで送信される無線通信回線接続要求を監視し(ステップS201)、無線通信回線接続要求が受信されると、無線子局200の制御部204は、無線接続制御情報のメーカーコード、親局ID、子局IDが自己の不揮発性メモリ208に記憶されているメーカーコード、親局ID及び子局ID(呼出名称)と一致しているかを調べる(ステップS202、S203、S204)。
ステップS202、ステップS203、または、ステップS204で、メーカーコード、親局ID、子局IDが一致していないときには、制御部204は、その無線通信回線接続要求の受信を無効として、ステップS201に戻って、無線通信回線接続要求の受信待ちの状態から上記同様に処理する(ステップS201〜S204)。
ステップS202で、メーカーコードが自己の不揮発性メモリ208に格納されているメーカーコードと一致し、ステップS203で、受信した親局IDが自己の不揮発性メモリ208に格納されている親局IDと一致し、ステップS204で、受信した子局IDが自己の不揮発性メモリ208に格納されている子局ID(呼出名称)と一致すると、制御部204は、受信した無線接続制御情報のCH情報に基づいて、送受信CHをセット、すなわち、送信部202の送信周波数を当該CHの周波数にセットするとともに、受信部203の受信周波数を当該CHの周波数にセットし(ステップS205)、指定CHをキャリアセンスして(ステップS206)、指定CHが使用可能かどうかチェックする(ステップS207)。
ステップS207で、指定CHが使用中であって、使用不可であると判断されたときには、制御部204は、ステップS201に戻って、無線通信回線接続要求の受信待ちの状態から上記同様に処理する(ステップS201〜S207)。
ステップS207で、指定CHが使用可能であると、制御部204は、無線通信回線接続応答を送信する(ステップS208)。
上記処理を行うことで、無線親局300と無線子局200の無線通信回線が形成され、この通信回線を介してデータ通信装置400と複写装置100が通信を実施することができる。
そして、いま、本実施例の画像形成装置管理システム1が、図2に示したように、それぞれ無線子局200a〜200nを備えた複写装置100a〜100nを備え、データ通信装置400が、無線親局300で、各無線子局200a〜200nと上記手順で無線通信回線を形成して、各複写装置100a〜100nと通信を行うものとした場合、その機能として、大きく分けて次の(1)〜(3)の3種類の機能を有している。
(1)中央制御装置600から各複写装置100a〜100nへの通信制御機能
(2)複写装置100a〜100nから中央制御装置600またはデータ通信装置400への通信制御機能
(3)データ通信装置400独自の制御機能
そして、上記(1)の中央制御装置600から複写装置100a〜100nへの通信制御には、例えば、以下の(a)〜(c)に示す機能がある。
(a)特定の複写装置100a〜100nのトータル画像形成枚数(積算画像形成枚数)、給紙段(給紙トレイ)毎の画像形成枚数、転写紙サイズ毎の画像形成枚数、ミスフィード回数、転写紙サイズ毎のミスフィード回数、転写紙搬送位置毎のミスフィード回数等の読み取り及びリセット機能
(b)それぞれの複写装置100a〜100nを構成するユニットの制御電圧、電流、抵抗、タイミング等の調整値の設定及び読み取り機能
(c)(2)の通信制御機能による複写装置100a〜100nから中央制御装置600への通信制御に対する結果返送機能
画像形成装置管理システム1は、上記制御機能を、中央制御装置600からの指令信号をデータ通信装置400が受信して、データ通信装置400から複写装置100a〜100nへのセレクティングによって行う。セレクティングとは、複数接続されている複写装置100a〜100nの中から1台を選択して通信する機能をいう。
データ通信装置400は、このセレクティング動作を、図12及び図13に示すように実行する。なお、各複写装置100a〜100nは、上述のように、ユニークな(特定の)デバイスコード(識別番号)を有している。
そして、データ通信装置400は、図12に示すように、いずれか(特定)の複写装置100a〜100nに対してセレクティング要求が発生すると、予め定められたセレクティング機能を示す特定コードまたはコードの組み合わせと選択すべき複写装置100a〜100nのデバイスコードとをシリアル通信I/F406に送出して、セレクティング送信を行う(ステップS301)。
各複写装置100a〜100nは、セレクティング機能を示す特定コードまたはコードの組み合わせにより、次に続くデバイスコードと自己のデバイスコードとを比較し、両コードが一致したときに自分がセレクティングされたことを知る。
そして、セレクティングされた複写装置100a〜100nは、送出すべきデータがある場合には、予め定められた特定コードまたはコードの組み合わせによるビジー(Busy)応答を出力する。そして、セレクティングされた複写装置100a〜100nは、送出すべきデータがない場合には、セレクティングに対応可能か否かを判断して、対応可能であると、予め定められた特定コードまたはコードの組み合わせによる肯定応答を出力し、対応不可能であれば、予め定められた特定コードまたはコードの組み合わせによる否定応答(通信エラーの情報)を出力する。
そして、セレクティング送信を行ったデータ通信装置400は、予め設定されている所定時間内に肯定応答を受信するか、ビジー応答を受信するか、あるいは、否定応答を受信するかをチェックし(ステップS303〜S306)、データ通信装置400が出力したデバイスコードに対応する複写装置100a〜100nが電源オフ(OFF)等の理由で肯定応答も否定応答も出力できず、いずれの応答も受信することなく所定時間が経過すると、すなわち、タイムアウトすると、異常終了を送信し(ステップS307)、セレクティング動作を終了して、ポーリングに戻る。
ステップS304で、ビジー(Busy)応答を受信するか、ステップS305で、否定応答を受信すると、データ通信装置400は、正常終了を送信し(ステップS308)、セレクティング動作を終了して、ポーリングに戻る(ステップS307)。
そして、ステップS303で、肯定応答を受信すると、データ通信装置400は、図13に示すように、テキスト送信を行い(ステップS309)、予め設定されている所定時間内に肯定応答を受信するか、否定応答を受信するかをチェックする(ステップS310〜S312)。
ステップS310で、肯定応答を受信すると、データ通信装置400は、送信が完了したかチェックし(ステップS313)、送信が完了していないときには、ステップS309に戻って、テキスト送信から上記同様に処理する(ステップS309〜S313)。
ステップS313で、送信が終了すると、データ通信装置400は、正常終了を送信して(ステップS314)、図12に示すように、ポーリングに戻る。
ステップS310で、肯定応答を受信することなく、ステップS311で、否定応答を受信すると、データ通信装置400は、予め設定されている所定回数再送したかチェックし(ステップS315)、所定回数再送していないときには、テキストの再送を行って(ステップS316)、ステップS310に戻って、上記同様の処理を行う(ステップS310〜S316)。
ステップS311で、否定応答を受信して、ステップS315で、所定回数再送を行うと、データ通信装置400は、異常終了を送信して(ステップS321)、図12に示すように、ポーリングに戻る。
そして、ステップS310からステップS312の処理で、肯定応答も否定応答も受信することなく、所定時間が経過してタイムアウトすると、データ通信装置400は、予め設定されている所定回数だけ応答要求したかチェックし(ステップS318)、所定回数応答要求していないときには、応答要求を送信して(ステップS319)、ステップS310に戻って、上記同様に処理する(ステップS310〜S319)。
ステップS318で、所定回数応答要求を送信すると、タイムアウトエラーをセットし(ステップS320)、異常終了を送信して(ステップS321)、図12に示すように、ポーリングに戻る。
すなわち、データ通信装置400は、データ通信装置400が出力したデバイスコードに対応する複写装置100a〜100nが電源オフ(OFF)等の理由で肯定応答も否定応答も出力できない場合には、予め定められた一定時間経過後にセレクティング動作を終了する。
そして、上記(2)の複写装置100a〜100nから中央制御装置600またはデータ通信装置400への通信制御機能には、例えば、以下の(a)〜(e)に示す通信制御機能がある。
(a)複写装置100a〜100nは、それぞれ画像形成動作が不可能となる故障等の異常が発生した場合に、その旨を示すデータ(通報要因)を即時にデータ通信装置400及び公衆回線500を介して中央制御装置600へ通報する(緊急通報機能)
(b)複写装置100a〜100nは、使用者(顧客)による操作表示部上のキー操作により、画像形成モードから画像形成モードとは異なる使用者が必要な要求(修理依頼やサプライ補給依頼等)を出力するための使用者要求入力モードに移行し、操作表示部の文字表示器(ディスプレイ)に使用者要求入力画面を表示し、その画面上の所定のキーの押下によって使用者が必要な要求が入力された場合に、その旨を示すデータを即時にデータ通信装置400及び公衆回線500を介して中央制御装置600へ通報する(緊急通報機能)
(c)複写装置100a〜100nは、それぞれ積算画像形成枚数が予め設定された一定枚数(通報レベル値)に達した場合に、その旨を示すデータを即時にデータ通信装置400及び公衆回線500を介して中央制御装置600へ通報する(緊急通報機能)
(d)複写装置100a〜100nは、それぞれ積算画像形成枚数が予め設定された一定期間に到達したときにその旨を示すデータをデータ通信装置400へ通報し、データ通信装置400は、その日(当日)の指定時刻(この指定時刻は、中央制御装置600により設定され、データ通信装置400に記憶されている)にそれまでに受信したデータをまとめて公衆回線500を介して中央制御装置600へ通報する(非緊急通報機能)。この通信制御機能には、指定時刻に達する前にそれまでに受信したデータの通報回数が予め定められた回数に達した場合、その指定時刻を待たずに中央制御装置600への送信を行う通信制御機能も含まれる。
(e)複写装置100a〜100nは、それぞれ画像形成動作開始は可能であるが、交換部品の指定回数、指定時間への接近、センサの規格レベルへの到達等の予防保全を必要とする事象が発生したときにその旨を示すデータをデータ通信装置400へ通報し、そのデータ通信装置400がその日の指定時刻(この指定時刻は、中央制御装置600により設定され、データ通信装置400に記憶されている)にそれまでに受信したデータをまとめて公衆回線500を介して中央制御装置600へ通報する(非緊急通報機能)。この通信制御機能には、指定時刻に達する前にそれまでに受信したデータの通報回数が予め定められた回数に達した場合、その指定時刻を待たずに中央制御装置600への送信を行う通信制御機能も含まれる。
そして、上記通信制御は、データ通信装置400からのポーリング時に行う。ここでいうポーリングとは、接続されている複数台の複写装置100a〜100nを順番に指定し、その指定された複写装置100a〜100nからの通信要求の有無を確認する機能である。
そして、データ通信装置400は、このポーリング動作を、図14及び図15に示すように実行する。
すなわち、データ通信装置400は、ポーリング要求が発生すると、図14に示すように、複写装置100a〜100nに対して、順次ポーリングを実施する。
なお、以下の説明では、複写装置100aに対するポーリング要求処理について説明するが、他の複写装置100b〜100nに対しても同様である。
データ通信装置400は、上記ポーリング要求が発生すると、予め定められたポーリング機能を示す特定コードまたはコードの組み合わせと、選択すべき複写装置100a〜100n、いま、複写装置100aに対するポーリングであるので、複写装置100aのデバイスコード(識別番号)と、をシリアル通信インタフェースRS−485上に送出して、ポーリング送信を行う(ステップS401)。
各複写装置100a〜100nは、ポーリング機能を示す特定コードまたはコードの組み合わせにより、次に続くデバイスコードと自己のデバイスコードとを比較し、両コードが一致したときに自分がポーリングされたことを知る。
次に、ポーリングされた複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100aは、送出データ(データ通信装置400または中央制御装置600に対する通信要求)があればデータ通信装置との通信を開始し、通信要求がないときまたは開始した通信が終了したときは、予め定められた特定コードまたはコードの組み合わせによる終了応答を出力してデータ通信装置400との通信を終了する。
そこで、データ通信装置400は、予め設定されている所定時間内にテキストを受信するか、終了応答を受信するかをチェックし(ステップS402〜S404)、ステップS402で、テキストを受信すると、図15に示すように、受信中断であるかチェックする(ステップS405)。
ステップS405で、受信中断でないときには、データ通信装置400は、データエラーを検出したかチェックし(ステップS406)、データエラーを検出しないときには、受信応答を送信して(ステップS407)、予め設定されている所定時間内に終了応答を受信したか、または、テキストを受信したかをチェックする(ステップS408、S409、S410)。
ステップS408で、終了応答を受信すると、データ通信装置400は、図14に示すように、当該複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100aに対するポーリング処理を終了して、次の、複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bに対するポーリング処理に移行する。
ステップS409で、テキストを受信すると、データ通信装置400は、ステップS405に戻って、上記同様に処理する(ステップS405〜S410)。
ステップS405で、受信中断であると、データ通信装置400は、予め設定されている所定回数受信を行ったかチェックし(ステップS411)、所定回数受信していないときには、再送要求を送信して(ステップS412)、ステップS409に移行して、テキストを受信したかのチェックから上記同様に処理する(ステップS405〜S412)。
ステップS411で、受信中断を所定回数受信すると、データ通信装置400は、図14に示すように、当該複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100aに対するポーリング処理を終了して、次の、複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bに対するポーリング処理に移行する。
ステップS406で、データエラーを検出すると、データ通信装置400は、テキストを所定回数受信したかチェックし(ステップS413)、所定回数受信していないときには、再送要求を送信して(ステップS412)、ステップS409に移行して、テキストを受信したかのチェックから上記同様に処理する(ステップS405〜S413)。
ステップS413で、所定回数受信すると、データ通信装置400は、図14に示すように、当該複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100aに対するポーリング処理を終了して、次の、複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bに対するポーリング処理に移行する。
また、ステップS410で、複写装置100aが電源オフ(OFF)等の理由で通信を開始できなかったり、あるいは、終了応答も出力できない場合等のために、終了応答もテキストも受信することなく、所定時間が経過してタイムアウトすると、データ通信装置400は、図14に示すように、当該複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100aに対するポーリング処理を終了して、次の、複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bに対するポーリング処理に移行する。
そして、データ通信装置400は、上述のようにして複写装置100aに対してポーリング処理を行うと、図14に示すように、次の複写装置100a〜100nである複写装置100bについても同様にポーリング処理を行い、複写装置100bについて上記同様にポーリング処理を行うと、その次の複写装置100cについても同様に処理するというポーリング処理を各複写装置100a〜100nに対して順に行う。
そして、上記(3)のデータ通信装置400の独自の制御機能には、例えば、以下の(a)、(b)に示す機能がある。
(a)トータルカウンタ値(積算画像形成枚数)の読み出し機能
(b)(2)の複写装置100a〜100nから中央制御装置600への通信制御に対する結果返送機能
データ通信装置400は、この(a)のトータルカウンタ値の読み出し制御機能を、データ通信装置400から複写装置100a〜100nへの1日1回定時(0時0分、ただし、この時刻に複写装置100a〜100nの電源がオフ(OFF)になっている場合は、この時刻以降に初めて電源がオン(ON)になったとき)のセレクティングによって行う。
データ通信装置400は、接続されている複写装置100a〜100n毎にトータルカウンタ用のメモリを2個(いま、この2個のメモリを、それぞれメモリA、メモリBとする)用意されており、上記1日1回のセレクティングによって読み取ったトータルカウンタ値をメモりAに書き込む。したがって、メモリAは毎日(ただし、例えば、休日のように1日中複写装置100a〜100nの電源がON状態にならない場合は、この限りではない)前日の値が書き換えられることになる。また、毎月1回、予め決められた日時(この日時は、中央制御装置600により設定され、データ通信装置400内の不揮発性RAM404に記憶される)にメモリAに記憶されているトータルカウンタ値をメモリBにコピーする。
データ通信装置400から中央制御装置600へは、メモリBの内容が送られるが、その転送方法には、以下の(a)、(b)に示す2通りの方法がある。
(a)中央制御装置600は、上記日時(メモリAの内容がメモリBにコピーされる日時)以降にデータ通信装置400のメモリBに記憶されたトータルカウンタ値を読みに行く。
(b)データ通信装置400は、上記日時以降に自発呼してメモリBに記憶されたトータルカウンタ値を公衆回線500を介して中央制御装置600へ送出する。なお、自発呼を行う日時も、中央制御装置600により設定され、データ通信装置400内の不揮発性RAM404に記憶される。
なお、データ通信装置400は、例えば、白黒コピー用、アプリケーションコピー用、カラーコピー用等の種々のトータルカウンタ値に対応するために、接続されている複写装置100a〜100n毎にメモリA、Bを組み合わせたメモリを複数組備えている。
そして、本実施例の画像形成装置管理システム1では、上記通信データ装置400による各複写装置100a〜100nに対するポーリングを、図16及び図17に示すように、各複写装置100a〜100nに対してランダムな時間間隔で行う。
なお、図16及び図17では、図14及び図15に示したポーリング処理と同様の処理ステップには、同一のステップナンバーを付して、その詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施例の画像形成装置システム1の通信データ装置400は、図16に示すように、ポーリング要求が発生して、ポーリング送信を行うと(ステップS401)、所定時間内にテキスト受信するか、終了応答を受信するかをチェックして(ステップS402〜S404)、ステップS404で、テキスト受信することなく、また、終了応答を受信することなく、所定時間が経過してタイムアウトすると、ランダム時間待った後(ステップS501)、次の複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bのポーリング処理を同様に開始する。この次の複写装置100bでのポーリング処理においても、同様に、次の複写装置100a〜100nである複写装置100cのポーリング処理に移行する際に、ランダム時間の待ち時間を空ける。
また、上記ステップS403で、終了応答を受信すると、データ通信装置400は、図17に示すように、図15の場合と同様の処理を行って(ステップS405〜S413)、所定回数受信中断を受信すると(ステップS411)、図16のステップS501に移行して、ランダム時間待った後(ステップS501)、次の複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bのポーリング処理を同様に開始する。
また、データ通信装置400は、図17の処理で、データエラーを所定回数受信すると(ステップS413)、図16のステップS501に移行して、ランダム時間待った後(ステップS501)、次の複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bのポーリング処理を同様に開始する。
さらに、図17の処理のステップS408で、終了応答を受信すると、データ通信装置400は、図16のステップS501に移行して、ランダム時間待った後(ステップS501)、次の複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bのポーリング処理を同様に開始する。
また、図17の処理の処理で、複写装置100aが電源オフ(OFF)等の理由で通信を開始できなかったり、あるいは、終了応答も出力できない場合等のために、終了応答もテキストも受信することなく、所定時間が経過してタイムアウトすると(ステップS410)、データ通信装置400は、図16のステップS501に移行して、ランダム時間待った後(ステップS501)、次の複写装置100a〜100n、すなわち、複写装置100bのポーリング処理を同様に開始する。
このように、本実施例のデータ通信装置400は、無線子局200a〜200nを有する複数の複写装置100a〜100nを遠隔管理する中央制御装置600に公衆回線500を介して接続され、無線子局200a〜200nと無線通信回線を確立してデータ通信して、当該無線子局200a〜200nの接続されている複写装置100a〜100nから管理情報を取得する無線親局300を有し、当該無線親局300を介して取得した管理情報を公衆回線500を介して中央制御装置600に送信するに際して、データ通信装置400が、無線親局300と各複写装置100a〜100nの各無線子局200a〜200nを介して、ポーリング送信を行って通知すべき管理情報の有無を問い合わせるポーリング機能を有し、当該ポーリング送信をランダムな時間間隔で送出している。
したがって、同一の無線システムが近設されていても、無線送信の衝突を抑制することができ、長期間にわたって無線接続に失敗することを防止して、安定した無線通信を行うことができるとともに、利用性を向上させることができる。
また、本実施例の画像形成装置管理システム1は、無線子局200a〜200nを有する複数の複写装置100a〜100nを遠隔管理する中央制御装置600に、公衆回線500を介して接続されたデータ通信装置400が、無線子局200a〜200nと無線通信回線を確立してデータ通信して当該無線子局200a〜200nの接続されている複写装置100a〜100nから管理情報を取得する無線親局300を有し、当該無線親局300を介して取得した管理情報を公衆回線500を介して中央制御装置600に送信するに際して、データ通信装置400が、無線親局300と各複写装置100a〜100nの各無線子局200a〜200nを介して、ポーリング送信を行って通知すべき管理情報の有無を問い合わせるポーリング機能を有し、当該ポーリング送信をランダムな時間間隔で送出している。
したがって、同一の無線システムが近設されていても、無線送信の衝突を抑制することができ、長期間にわたって無線接続に失敗することを防止して、複写装置100a〜100nの遠隔管理サービスを安定して提供することができる。