JP2005162675A - 廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法 - Google Patents

廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 廃芳香族ポリカーボネートを安価で大量に処理し、高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法を提供する。
【解決手段】 (A)廃芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下、解重合反応せしめる工程(a工程)、(B)解重合反応後の反応液に水を加えて析出した固型分を溶解させる工程(b工程)、(C)有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相とを分液し、金属水酸化物水溶液相を回収する工程(c工程)、(D)この金属水酸化物水溶液に酸を加え芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ濾過する工程(d工程)および(E)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄した後、(E−1)遠心分離機を用いて洗浄液を除去する工程(e−1工程)または(E−2)ろ過器を用いて洗浄液を除去する工程(e−2工程)からなる廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下に分解し、得られた固体の芳香族ジヒドロキシ化合物を洗浄し高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法に関する。また、得られた高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物をポリカーボネートの製造工程に使用する芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。
芳香族ポリカーボネート(以下、PCと略すことがある)は、優れた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐寒性、透明性等を有しており、レンズ、コンパクトディスク等の光ディスク、建築材料、自動車部品、OA機器のシャーシー、カメラボディー等様々な用途に利用されている材料であり、その需要は年々増加している。PCの需要の増加に伴い、廃棄されるPC製品の多くは焼却若しくは地中に埋める等の方法で処理される。これは、PCの需要の増加から石油資源の枯渇を加速させるだけでなく、地球環境の悪化を促進する。そこで、廃棄されたプラスチックを再利用(リサイクル)することが重要になってきた。
廃プラスチックをリサイクルする方法は、(1)廃プラスチックを熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル、(2)廃プラスチックを製品にある割合で混合し、加工して製品とするマテリアルリサイクル、(3)廃プラスチックを化学的に分解してプラスチックの原材料にまで戻して、プラスチック製造に再使用するケミカルリサイクルがある。しかし、サーマルリサイクルは、プラスチックを焼却して熱を取りだすので、二酸化炭素と水が生成し、本質的には地球環境を破壊し、資源を減少させていることになる。マテリアルリサイクルは、資源の消費に関しては、一番環境の負荷が少なく、環境的に望ましいが、混合できる製品が限定されていたり、製品に混入できる割合が少なく、リサイクルできる量が限られる。ケミカルリサイクルは、プラスチックを原材料まで分解するので、そのまま製造に利用することが可能であり、産業上有用なリサイクル方法である。
PCをケミカルリサイクルする方法として、過剰のアルカリ水溶液で分解させ、中和して芳香族ジヒドロキシ化合物を生成する方法は昔から知られており、例えば特許文献1には、PCと1〜30%のアルカリ水溶液を耐圧容器に入れ、100℃以上、好ましくは150℃以上で加水分解後、酸性にした後メタノールに溶解し、活性炭処理して着色成分を除去後、再沈殿して白色ビスフェノールを得ている。特許文献2には、ポリカーボネートスクラップをバルクまたは溶液でケン化し、未ケン化の成分を分離し、ケン化混合物をホスゲン化し、まったく精製工程および処理工程なしでポリカーボネート重合工程に用いる方法が示されている。特許文献3には、アルカリ触媒存在下、PCをフェノールで分解し、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアリールを回収する方法が示されている。また、特許文献4には、トルエン、キシレン、ベンゼンまたはジオキサン溶剤中で、少量のアルカリを触媒として、エステル交換反応を行い、炭酸ジアルキルと芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法が示されている。また、特許文献5には、PCを塩化アルキル、エーテル類または芳香族炭化水素系溶媒等の溶媒と触媒としての3級アミンの存在下、低級アルコールとエステル交換させて芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアルキルを得る方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法は薄いアルカリ性水溶液を用いているので反応が高温になり、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物の純度が低く、黄色の着色成分をメタノール/水から再沈殿する等精製に大きな労力が必要で、また廃液処理が非常に煩雑となる。特許文献2の方法は精製工程なしで重合反応に使用するので、プラスチックにほぼ必須である、添加剤、着色剤などをPC製造工程に混入することになり、製品品質に影響を及ぼす。また、末端停止剤が反応初期段階に混入することになるので、レンズやコンパクトディスク等の市場で求められているような精密な分子量制御は困難である。特許文献3〜5の方法は、炭酸ジアリールや炭酸ジアルキル等の副生成物が生成し、目的とする芳香族ジヒドロキシ化合物の分離回収工程が煩雑になる。
特公昭40−016536号公報 特開昭54−048869号公報 特開平06−056985号公報 特開平10−259151号公報 特開2002−212335号公報
本発明の目的は、廃芳香族ポリカーボネート(例えば不要となったCD、CD−ROM、DVD等の芳香族ポリカーボネート製品)を安価で大量に処理し、高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を用いてCD等に使用できる高品質の芳香族ポリカーボネートを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、これらの問題を解決するために鋭意検討した結果、廃芳香族ポリカーボネートを金属水酸化物の水溶液を用いた穏和な条件で、分解反応を進行させ、芳香族ジヒドロキシ化合物の金属水酸化物水溶液を得、さらに酸を用いて芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ、ろ過して回収し、この芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒と水で洗浄処理し、この洗浄液を特定の濾過方式で濾過分離をすることにより高品質の芳香族ジヒドロキシ化合物が得られること、さらに該芳香族ジヒドロキシ化合物を用いて製造された芳香族ポリカーボネートの品質は市販のジヒドロキシ化合物を用いて製造した芳香族ポリカーボネートの品質と遜色ないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明によれば、
1.(A)廃芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下、解重合反応せしめる工程(a工程)、(C)解重合反応後有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相とを分液し、金属水酸化物水溶液相を回収する工程(c工程)、(D)この金属水酸化物水溶液に酸を加え芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ濾過する工程(d工程)および(E)(E−1)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する工程(e−1工程)または(E−2)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する工程(e−2工程)からなる廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
2.(A)廃芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下、解重合反応せしめる工程(a工程)、(B)解重合反応後の反応液に水を加えて析出した固型分を溶解させる工程(b工程)、(C)有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相とを分液し、金属水酸化物水溶液相を回収する工程(c工程)、(D)この金属水酸化物水溶液に酸を加え芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ濾過する工程(d工程)および(E)(E−1)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する工程(e−1工程)または(E−2)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する工程(e−2工程)からなる廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
3.(I)廃芳香族ポリカーボネートを溶媒の存在下アルカリ性条件下解重合反応せしめて得られた平均粒径100〜1000μmの芳香族ジヒドロキシ化合物粉粒体を、(i)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する(i工程)または(ii)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する(ii工程)ことを特徴とする廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
4.得られた芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる水溶性塩が500ppm以下である前項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
5.得られた芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる芳香族モノヒドロキシ化合物が100ppm以下である前項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
6.前記d工程において使用する酸が塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸である前項1または前項2記載の廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
7.前記e−1工程、e−2工程、i工程またはii工程後の芳香族ジヒドロキシ化合物の含液率が5〜35%である前項1〜3のいずれか1項に記載の廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
8.前記a工程、e−1工程、e−2工程、i工程およびii工程において使用する有機溶媒がハロゲン化炭化水素化合物溶媒である前項1〜3のいずれか1項に記載の廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
9.前項1〜8のいずれか1項に記載の方法により得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を芳香族ポリカーボネートの製造工程に用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法。
が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、使用される廃芳香族ポリカーボネートは、界面重合法や溶融重合法等公知の方法で製造されたものでよく、分子量は粘度平均分子量で1000〜100000のものが好ましい。廃芳香族ポリカーボネートの形状はパウダー、ペレット、シート、フィルム、成形品等特に限定されない。例えば、CD、CD−R、DVD等の光ディスクにおいて、廃棄されたものや成形不良のものなど不要になった廃光ディスクをそのままあるいは印刷膜や金属膜を剥離し除去したものを分解に使用することができる。また、分解に用いられる廃芳香族ポリカーボネートとして、ポリカーボネート製造途中に目標とする分子量に到達せず、パウダーあるいはペレット化されなかったポリカーボネートの溶液から溶媒を除去し、乾燥した固形物でもよい。ここで、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
該ポリカーボネートは、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4′−ジヒドロキシジフェニルエステル等のジヒドロキシ化合物の単独または2種以上の混合物から製造されたものである。
また、末端停止剤(分子量調節剤)としては、1価のフェノール化合物が好ましく用いられ、フェノール、p−クレゾール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオキシフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ(1’−メチル−1’−フェニルエチル)フェノール、β−ナフトール、α−ナフトール、p−(2’,4’,4’−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4’−メトキシフェニル)−2−(4’’−ヒドロキシフェニル)プロパン等のフェノール類等の単独または2種以上の混合物が用いられる。
本発明において、まず、(A)廃芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下、解重合反応せしめる工程(a工程)が行われる。
a工程では、有機溶媒の存在下で芳香族ポリカーボネートの分解(解重合反応)が行われる。有機溶媒を使用すると分解反応が低温で進み易く好ましい。
有機溶媒の使用量は、ポリカーボネート樹脂100重量部に対し40〜2000重量部の範囲が好ましく、200〜1000重量部がさらに好ましく、450〜700重量部が特に好ましい。溶媒量が40重量部より少ないと、初期の混合が不十分で、さらに充分膨潤または溶解せず、分解反応終了までの時間が長くなることがある。また2000重量部より多いと、反応系内のカーボネート結合濃度、触媒濃度が低くなり、分解反応速度が低下し、分解反応時間が長くなり、また溶媒の回収コストが高くなることがある。
本発明に用いる有機溶媒としては、ハロゲン化炭化水素化合物溶媒が好ましく、具体的にはジクロロメタン、ジクロロエタンおよびクロロホルムからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒が好適であり、特にジクロロメタンが好適である。これらの溶媒は、ポリカーボネートの良溶媒で、実際にポリカーボネートの製造工程において反応溶媒として用いられており、分解、分離後の芳香族ジヒドロキシ化合物に溶媒が残留していても、ポリカーボネート製造に悪影響を及ぼさないからである。
解重合反応において、廃ポリカーボネートをあらかじめ有機溶媒に溶解しておいてもよいし、全てを溶解させずに分解反応を行なう反応器に投入してもよい。反応器とは別に溶解槽を使用し、有機溶媒にポリカーボネート樹脂を溶解させた場合、有機溶媒に溶解しない不純物、例えば成型品中に含まれる添加剤、金属膜、コーティング剤、充填剤等をろ過し、除去することが可能である。除去しないで分解反応を行った場合、これらの不純物も分解され、芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩水溶液に混入し、不純物分解物が混ざったままポリカーボネート製造工程に該水溶液を使用すると、製品のポリカーボネート樹脂の品質に悪影響を及ぼす可能性があるので、あらかじめ不溶物を除去することが好ましい。
また、a工程では、ポリカーボネートの分解剤として金属水酸化物が使用される。金属水酸化物としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の水酸化物が好適に用いられ、アルカリ金属の水酸化物がより好適に用いられ、具体的には水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく使用され、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
金属水酸化物の使用量は、ポリカーボネート樹脂のカーボネート結合1モルに対し4.1〜8.0モルが好ましい。使用量が4.1モルより少ないと分解反応が非常に遅く、8.0モルより多いとコストが高くなり、かつ、芳香族ジヒドロキシ化合物を単離、回収する際に使用する酸水溶液の量も多くなり、経済的に好ましくない。
金属水酸化物は水溶液の状態で使用する。金属水酸化物の濃度は、35重量%〜55重量%が好ましい。35重量%より低いと分解速度が遅くなり、55重量%を超えると金属水酸化物が析出しスラリーになりやすく、スラリーになった場合かえって反応が遅くなる。
本発明において、分解反応を行う温度は30℃〜120℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。30℃未満の場合は分解反応時間が長くなり、処理効率が著しく劣ることがある。また、120℃を越えると、加熱のエネルギーが多く必要となり、さらに分解処理中に溶液の色が褐色に着色し易くなり、品質の良い芳香族ジヒドロキシ化合物の水溶液が得られなくなることがある。また、沸点以上においての反応は圧力容器が必要となり、設備費がかかり経済的に不利となる。
分解反応中に生成した芳香族ジヒドロキシ化合物は、塩基性条件下では酸化されやすいので、反応溶液中に酸化防止剤を添加することが好ましい。また、工程内の酸素濃度を不活性ガスにより、低減しておくことも有効である。
酸化防止剤として、重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、ハイドロサルファイトナトリウム(Na)等が挙げられる。これらを1種または2種以上混合して用いても差し支えない。酸化防止剤の使用量は芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.05〜4.0重量部が好ましい。0.05〜4.0重量部の範囲であると酸化防止効果があり、また、コスト的に有利で、分解反応速度が低下せず好ましい。
不活性ガスの種類として、窒素、アルゴン等が挙げられる。窒素がコスト的に有利であり好ましい。
本発明における芳香族ポリカーボネート樹脂の分解反応は、界面反応であり、有機溶媒に溶解、または膨潤している芳香族ポリカーボネート樹脂が金属水酸化物水溶液と攪拌され、界面で接触して分解される。この反応は不可逆であり、芳香族ポリカーボネート樹脂のカーボネート結合が切れ、芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩と炭酸金属塩に分解する。
a工程の解重合反応後、生成する芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩と炭酸金属塩が金属水酸化物水溶液に溶解せず、固型分として析出している場合は、(B)解重合反応後の反応液に水を加えて析出した固型分を溶解させる工程(b工程)を行ない、その後c工程に移る。これに対して、解重合反応後生成する芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩と炭酸金属塩が金属水酸化物水溶液に溶解している場合は直接後述するc工程に移る。
解重合反応後の反応液に水を加えて析出した固型分を溶解させる工程(b工程)では、解重合反応後の反応液に水を加えて攪拌し、析出した芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩と炭酸金属塩を溶解させる。加える水の量は、完全に固型分が溶解する量以上を投入するが、多く投入しすぎると水溶液中の芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩濃度が低下し、次の芳香族ポリカーボネート製造工程において反応速度の低下、廃液蒸留コスト増となるので、完全に固体が溶解する量の最小量が好ましい。分解液に水を加え固型分を溶解させると、有機溶媒相と芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液相との2つの相に分離する。
次に、(C)有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相とを分液し、金属水酸化物水溶液相を回収する工程(c工程)が行われる。
有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相をデカンター等の液液分離器で分離して水相を回収する。液液分離器において分離が不十分であると、水相に粒状に浮遊している重液相が次の工程に混入し、製品に影響を及ぼすので、水相をさらに有機溶媒と接触させ、可能な限り除去することが好ましい。この方法は、洗浄塔による接触、撹拌機、液液分離器による分離、遠心分離機など、公知の方法が使用できる。
回収した金属水酸化物水溶液は、次いで(D)この金属水酸化物水溶液に酸を加え芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ濾過する工程(d工程)が行われる。酸はそのままあるいは酸水溶液で加えることができる。
芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させる好適な方法は、ハロゲン化炭化水素化合物溶媒の存在下あるいは非存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液を攪拌および/または循環している造粒槽に、酸水溶液を加えるという方法である。該方法によれば、水相、有機溶媒相に溶解しない芳香族ジヒドロキシ化合物がスラリーとして得られ、このスラリーをろ過することにより、芳香族ジヒドロキシ化合物を得ることができる。水相の最終pHは4〜10にするのが好ましい。さらに好ましくはpH6〜8.5の範囲である。
使用する酸の種類は特に限定はないが、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等の無機酸が好ましく用いられる。
固体として得られた芳香族ジヒドロキシ化合物のろ過の方法は、ろ過器、遠心分離機、遠心沈降装置等を挙げることができる。遠心分離機がろ過後の含液率が低く、好ましい。
ろ過後に得られた芳香族ジヒドロキシ化合物は、未精製であり、水相、有機溶媒相に存在していた芳香族ジヒドロキシ化合物以外の不純物、例えば、末端停止剤、成型品の着色剤等の添加剤、ポリカーボネート由来の炭酸塩、金属水酸化物と酸水溶液が反応して生成した中性塩等が含まれている。
これらの不純物を除去するために、次いで(E)(E−1)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する工程(e−1工程)または(E−2)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する工程(e−2工程)が行われる。
e−1工程においては、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する。
有機溶媒としては、25℃における芳香族ジヒドロキシ化合物の溶解度が20g/L以下で、25℃における芳香族モノヒドロキシ化合物(末端停止剤)の溶解度が50g/L以上である溶媒が好ましく、具体的にはジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素化合物溶媒が好ましく、ジクロロメタン(塩化メチレン)が特に好ましく用いられる。水は50μS/cm以下の電気伝導度の純水を用いることが好ましい。
また、洗浄される芳香族ジヒドロキシ化合物は、その平均粒径(重量平均粒子径)が好ましくは100〜1000μm、より好ましくは100〜800μm、特に好ましくは200〜600μmである。前記範囲の平均粒径の芳香族ジヒドロキシ化合物を使用すると効率良く洗浄できるため好ましい。
遠心分離機の金属製脱水部(バスケット部)の孔径は1〜50mmが好ましく、5〜20mmが特に好ましい。また金属製脱水部に取り付ける濾過フィルターの材質は綿やPET、ナイロン製等の樹脂製が好ましく、濾過フィルターの孔径が好ましくは10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μm、さらに好ましくは10〜300μmである。
洗浄の方法は、固体の芳香族ジヒドロキシ化合物を攪拌槽に移し、有機溶媒と水を同時または別々に投入し、攪拌して、遠心分離機を用いて洗浄液を除去する方法、遠心分離機内で有機溶媒と水を同時または交互に振りかけ、そのまま遠心分離で洗浄液を除去する方法等が挙げられる。また、バッチ式で有機溶媒を使用して洗浄し洗浄液を除去した後、水を使用して洗浄し洗浄液を除去する(有機溶媒と水を使用する順序は逆でもよい)方法が好ましく、それぞれ2回以上洗浄する方法が好ましい。
有機溶媒で洗浄する場合、一度の洗浄時間は1分〜60分の範囲が好ましく、洗浄温度は5〜40℃の範囲が好ましい。一度の洗浄に使用する有機溶媒の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100重量部に対して好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。
水で洗浄する場合、一度の洗浄時間は1〜60分の範囲が好ましく、洗浄温度は5〜80℃の範囲が好ましい。一度の洗浄に使用する水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100重量部に対して好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。
そして、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000G、好ましくは遠心力200〜700Gの条件により洗浄液は除去される。遠心力が100Gを下回ると十分な洗浄効果が得られず、芳香族ジヒドロキシ化合物中に水溶性塩が残存する。1000Gを越えると水溶性塩の残存量は減少するが、動力が過大になりコストアップにつながり経済的に不利となる。
また、e−2工程においては、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する。
有機溶媒としては、25℃における芳香族ジヒドロキシ化合物の溶解度が20g/L以下で、25℃における芳香族モノヒドロキシ化合物(末端停止剤)の溶解度が50g/L以上である溶媒が好ましく、具体的にはジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素化合物溶媒が好ましく、ジクロロメタン(塩化メチレン)が特に好ましく用いられる。水は50μS/cm以下の電気伝導度の純水を用いることが好ましい。
また、洗浄される芳香族ジヒドロキシ化合物は、その平均粒径(重量平均粒子径)が好ましくは100〜1000μm、より好ましくは100〜800μm、特に好ましくは200〜600μmである。前記範囲の平均粒径の芳香族ジヒドロキシ化合物を使用すると効率良く洗浄できるため好ましい。
洗浄の方法は、固体の芳香族ジヒドロキシ化合物を攪拌槽に移し、有機溶媒と水を同時または別々に投入し、攪拌して、ろ過する方法が好ましい。また、バッチ式で有機溶媒を使用して洗浄し洗浄液を除去した後、水を使用して洗浄し洗浄液を除去する(有機溶媒と水を使用する順序は逆でもよい)方法が好ましく、それぞれ2回以上洗浄する方法が好ましい。
有機溶媒で洗浄する場合、一度の洗浄時間は1分〜60分の範囲が好ましく、洗浄温度は5〜40℃の範囲が好ましい。一度の洗浄に使用する有機溶媒の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100重量部に対して好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。
水で洗浄する場合、一度の洗浄時間は1〜60分の範囲が好ましく、洗浄温度は5〜80℃の範囲が好ましい。一度の洗浄に使用する水の量は、芳香族ジヒドロキシ化合物100重量部に対して好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜500重量部である。
使用するろ過器は目開き1〜100μm、好ましくは10〜50μmのフィルターを備えている。目開きが1μmを下回ると濾過時間が長くなり生産効率が落ちるため好ましくなく、100μmを超えると生成した芳香族ジヒドロキシ化合物の粉体が母液と共に流出し易くなり、歩留まり低下ひいてはコストアップとなるため好ましくない。フィルターの材質はPET、ナイロン、セルロース等の樹脂製、もしくはセラミック、ステンレス等の金属製のものが好ましく用いられる。
そして、芳香族ジヒドロキシ化合物の濾過時の差圧を0.01MPa以上、好ましくは0.05MPa以上与えることが必要である。また、差圧の上限は特に限定されないが1MPa以下で十分な効果を有する。
e−1工程とe−2工程とを比較すると、遠心分離器の場合は装置が濾過器に比べ小さくなること、得られるケークの含水率が低くなり洗浄回数が少なくても高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物が得られることからe−1工程を採用することが好ましい。
e−1工程またはe−2工程後に得られた固形の芳香族ジヒドロキシ化合物の含液率は5〜35%になるように濾過条件を設定することが好ましい。含液率を5%未満に下げる為には過大な濾過分離器が必要になり、35%を越えると水溶性塩等の不純物を多く含むため、洗浄、濾過のサイクルを繰り返すことが必要になり、芳香族ジヒドロキシ化合物の収率低下につながるため好ましくない。
また、本発明において(I)廃芳香族ポリカーボネートを溶媒の存在下アルカリ性条件下解重合反応せしめて得られた平均粒径100〜1000μmの芳香族ジヒドロキシ化合物粉粒体を、(i)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する(i工程)または(ii)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する(ii工程)ことを特徴とする廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法が提供される。
この方法は、廃芳香族ポリカーボネートを溶媒の存在下アルカリ性条件下解重合反応せしめ、平均粒径(重量平均粒子径)100〜1000μmの芳香族ジヒドロキシ化合物粉粒体を得る。平均粒径は100〜800μmが好ましく、200〜600μmが特に好ましい。前記平均粒径を有する芳香族ジヒドロキシ化合物粉粒体は所望であればアルカリ水溶液に酸を添加して析出させる方法やアルコール等の良溶媒の溶液に水等の非溶媒を添加する方法等の手段を用いて得られる。そして、この芳香族ジヒドロキシ化合物粉粒体は、(i)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する(i工程)または(ii)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する(ii工程)ことにより、高品質の芳香族ジヒドロキシ化合物が得られる。なお、i工程は前記e−1工程と、ii工程は前記e−2工程とそれぞれ同様の操作が行われる。
洗浄後の芳香族ジヒドロキシ化合物は、高品質で芳香族ジヒドロキシ化合物の純度が好ましくは99.5%以上となる。また、芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる水溶性塩は好ましくは500ppm以下であり、より好ましくは300ppm以下である。さらに、芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる芳香族モノヒドロキシ化合物は好ましくは100ppm以下である。かかる品質を満足する芳香族ジヒドロキシ化合物を用いて製造された芳香族ポリカーボネートの品質は市販の芳香族ジヒドロキシ化合物を用いて製造した芳香族ポリカーボネートの品質と遜色ないものとなる。芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる水溶性塩が500ppmを超えると、これを用いて製造したポリカーボネートの耐熱性が低下する。また、芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる芳香族モノヒドロキシ化合物が100ppmを超えると、これを用いてポリカーボネートを製造する際に分子量制御が困難になり、得られたポリカーボネートは耐熱性が低下する。
本発明の方法で得られた固形の芳香族ジヒドロキシ化合物は、芳香族ポリカーボネートの製造工程に再使用することができる。再使用する方法としては、溶融重合法ではそのまま使用することができ、また、界面重合法では金属水酸化物水溶液に所望の濃度で溶解し、芳香族ポリカーボネートの製造に使用することが可能である。その際、芳香族ジヒドロキシ化合物を金属水酸化物水溶液に溶解した溶液を加熱し、残存する有機溶媒を揮発したものを使用することも好ましい。
また、本発明の方法で回収した芳香族ジヒドロキシ化合物と市販の芳香族ジヒドロキシ化合物とを一緒に芳香族ポリカーボネートの製造に使用しても構わない。回収した芳香族ジヒドロキシ化合物と市販の芳香族ジヒドロキシ化合物を混合する方法は、固体同士、固体と液体、液体同士を混合する方法のどの方法であってもよい。
本発明の方法で回収した芳香族ジヒドロキシ化合物を原料として用いて得られるポリカーボネート樹脂は、色相および熱安定性に優れることから、例えば光磁気ディスク、各種追記型ディスク、デジタルオーディオディスク(いわゆるコンパクトディスク)、光学式ビデオディスク(いわゆるレーザディスク)、デジタル・バーサイル・ディスク(DVD)等の光学ディスク基板用の材料として、あるいはシリコンウエハー等の精密機材収納容器の材料として好適に使用でき、殊に光学ディスク基板用の材料として好適に採用される。
本発明によれば、廃ポリカーボネート樹脂を分解し、洗浄して得られた高品質の芳香族ジヒドロキシ化合物は芳香族ポリカーボネート製造の原材料として再利用できる。本発明の奏する工業的効果は格別である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に断り書きのない場合、部は重量部を表す。なお、評価は次に示す方法で行った。
(1)色相(b値)
ポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度340℃で、厚さ2mmの50mm角板を成形した。その成形板を色差計(日本電色(株)製)を用いてb値を測定した。
(2)熱安定性(△E)
ポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度340℃で10分間滞留させたものとさせないものの試験片(厚さ2mmの50mm角板)をそれぞれ作成し、その色相の変化(△E)を測定した。色相の変化は、色差計(日本電色(株)製)でそれぞれのL、a、b値を測定し、下記式を用いて算出した。
ΔE=[(L′−L)+(a′−a)+(b′−b)1/2
(L、a、bは滞留させないもの、L′、a′、b′は10分間滞留させたもの)
(3)ビスフェノールA水溶液中のビスフェノールA濃度
ビスフェノールA水溶液を0.1〜0.5重量%になるように水酸化ナトリウム水溶液で薄め、UV計で波長294nmの吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線により水溶液中のビスフェノールA濃度を測定した。
(4)ビスフェノールAの純度およびp−ターシャリーブチルフェノール量(有機物中のビスフェノールA純度およびp−ターシャリーブチルフェノール量)
Waters社製高速液体クロマトグラフィを用い、サンプル(有機物)0.2gに内部標準としてo−クレゾールを添加したアセトニトリル1mLを加え、溶解し、アセトニトリル/0.2%酢酸水溶液を展開溶媒としてクロマトグラフを得、あらかじめ作成した検量線により、ビスフェノールAの純度およびp−ターシャリーブチルフェノール量を求めた。
(5)ビスフェノールA中の水溶性塩濃度
固体のビスフェノールA100gと純水50gとを混合、攪拌し、ビスフェノールA中の水溶性塩を水で抽出し、この水を蒸発乾固させ重量割合を求めた。
(6)ビスフェノールAの含液率
ビスフェノールAを140℃、3時間乾燥した前後の重量差を乾燥前のビスフェノールAの重量で除した値を含液率とした。
(7)ビスフェノールAの平均粒径
ビスフェノールAを2.0mm、1.0mm、0.71mm、0.425mm、0.3mm、0.18mm、0.075mmの目開きを持つ篩を使用して、篩い分けた後、重量を基準とした累積粒度分布グラフを作成し、累積重量が50%になるところの粒径を求め、これを平均粒径とした。
[実施例1]
攪拌槽に市販のコンパクトディスク100部と塩化メチレン600部を投入し、6時間攪拌した。コンパクトディスクの膜は、ポリカーボネート/塩化メチレン溶液中に分散していた。この溶液を目開き10μmのセルロース製フィルタを取り付けたろ過器(アドバンテック製)に通し、コンパクトディスクの膜(印刷、UV硬化樹脂、アルミ膜等)を除去した。温度計、撹拌機及び還流冷却器、水浴付き反応器に、該ポリカーボネート/塩化メチレン溶液264部(ドープ濃度14.2%)、50%水酸化ナトリウム水溶液71部、ハイドロサルファイトナトリウム0.6部を投入し、攪拌した。その後、水浴温度を40℃に調節したところ、8分後に激しく還流が始まり、20分後には激しさは収まった。反応5時間後、内部は固体が析出しており、固体を一部取り分析したところ、ビスフェノールAナトリウム塩と炭酸ナトリウムであった。水浴の温度調節を止めて、337.5部の純水を投入し、1時間攪拌を継続して固体を溶解した。
分液ロートに反応混合物を移し、455部の水相と224部の有機相に分離した。水相はアルカリ性水溶液であり、ビスフェノールA、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、p−ターシャリーブチルフェノールナトリウム塩を含んでいた。また、有機相はエバポレータで塩化メチレンを蒸発、回収し、残さは廃棄した。残さは未反応ポリカーボネートと添加剤の分解物であり、重量を測定したところ1.1部であった。
分離した水相455部に塩化メチレン100部を加え、激しく混合したあと静置し、水相と塩化メチレン相と分離した。塩化メチレンはエバポレータで回収した。この操作を3回繰り返し行い、ビスフェノールA水溶液(ビスフェノールA濃度76.6g/L)を得た。
ビスフェノールA水溶液455部を、温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器に移し、新たに塩化メチレン170部を加えて攪拌した。攪拌しながら98%濃硫酸36.1部を滴下ロートを使用し1時間かけて滴下した。攪拌を停止させ、内部を確認すると、反応器内は水相、塩化メチレン相、析出したビスフェノールAの3相に分かれていた。
このスラリーをPET製の孔径50μmのろ過フィルターを取り付けた遠心分離機(タナベウィルテック(株)製遠心分離機CT−20−20型)により300Gの遠心力でろ過し、遠心分離機内で運転しながら、温度20℃の塩化メチレン45部、温度20℃の電気伝導度が10μS/cmの純水45部、前記塩化メチレン45部、前記純水45部をそれぞれ5分間かけてこの順番で固体に振りかけ、リンス洗浄を行った。その後、固体を遠心分離機内から掻き出した。ビスフェノールA中の含液率は30%であった。乾燥後重量を測定したところ28.2部であった。この固体の平均粒径は400μmであった。ビスフェノールAの純度を測定したところ99.6%であり、p−t−ブチルフェノール量は90ppm、水溶性塩は200ppmであった。
[実施例2]
実施例1において得られたスラリーを遠心分離機により800Gの遠心力でろ過する以外は実施例1と同様に処理した。ビスフェノールA中の含液率は7%であった。乾燥後重量を測定したところ28部であった。この固体の平均粒径は500μmであった。ビスフェノールAの純度を測定したところ99.8%であり、p−t−ブチルフェノール量は50ppm、水溶性塩は90ppmであった。
[比較例1]
実施例1において得られたスラリーを遠心分離機により80Gの遠心力でろ過する以外は実施例1と同様に処理した。ビスフェノールA中の含液率は40%であった。乾燥後重量を測定したところ28.7部であった。この固体の平均粒径は1000μmであった。ビスフェノールAの純度を測定したところ98.8%であり、p−t−ブチルフェノール量は150ppm、水溶性塩は650ppmであった。
[実施例3]
実施例1において得られたスラリーを50μmのフィルターを設けたろ過器を使用し0.08Mpaの差圧でろ過した。温度20℃の塩化メチレン45部を5分間かけてろ過器に入れ前記ろ過器で0.08Mpaの差圧でろ過し、温度20℃の電気伝導度が10μS/cmの純水45部を5分間かけてろ過器に入れ前記ろ過器で0.08Mpaの差圧でろ過し、前記塩化メチレン45部を5分間かけてろ過器に入れ前記ろ過器で0.08Mpaの差圧でろ過し、前記純水45部を5分間かけてろ過器に入れ前記ろ過器で0.08Mpaの差圧でろ過して固体のビスフェノールAを得た。ビスフェノールA中の含液率は30%であった。乾燥後重量を測定したところ28部であった。この固体の平均粒径は600μmであった。ビスフェノールAの純度を測定したところ99.7%であり、p−t−ブチルフェノール量は50ppm、水溶性塩は80ppmであった。
[実施例4]
実施例1において得られたスラリーを5μmのフィルターを設けたろ過器を使用し0.18Mpaの差圧でろ過する以外は実施例3と同様に処理した。ビスフェノールA中の含液率は34%であった。乾燥後重量を測定したところ28.6部であった。この固体の平均粒径は500μmであった。ビスフェノールAの純度を測定したところ99.9%であり、p−t−ブチルフェノール量は30ppm、水溶性塩は180ppmであった。
[比較例2]
実施例1において得られたスラリーを500μmのフィルターを設けたろ過器を使用し0.005Mpaの差圧でろ過する以外は実施例3と同様に処理した。ビスフェノールA中の含液率は46%であった。乾燥後重量を測定したところ23.5部であった。この固体の平均粒径は800μmであった。ビスフェノールAの純度を測定したところ98.2%であり、p−t−ブチルフェノール量は180ppm、水溶性塩は780ppmであった。
[実施例5] ポリカーボネート樹脂の製造
(A)温度計、撹拌機、還流冷却器、循環器付き反応器に、イオン交換水650部、25%水酸化ナトリウム水溶液252部を仕込み、これに実施例1で得られたビスフェノールA170部、塩化メチレン13部およびハイドロサルファイト0.34部を加え、循環しながら温度を30℃に保持し40分間で溶解し、ビスフェノールA水溶液を調合した。
(B)温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器に、(A)で調合したビスフェノールA水溶液367部を仕込み、塩化メチレン181部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン28.3部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部および固体のp−ターシャリーブチルフェノール1.55部を加え、乳化せしめた後、10分後にトリエチルアミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物に塩化メチレン400部を加え混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離して、ポリカーボネート樹脂濃度14.5重量%有機溶媒溶液を得た。(この操作を、反応機2機を用いて繰り返し行った。)
この有機溶媒溶液に水150部を加えて攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この有機相にpH3の塩酸水200部を加え、攪拌混合しトリエチルアミン等を抽出した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。次いでさらに分離した有機相にイオン交換水200部を加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この操作を水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで(4回)繰返した。得られた精製ポリカーボネート樹脂溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
次に、該有機溶媒溶液を軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けた内壁の材質がSUS316L製の1000Lニーダーにイオン交換水100Lを投入し、水温42℃にて塩化メチレンを蒸発させて粉粒体とし、該粉粒体と水の混合物を水温95℃にコントロールされた攪拌機付熱水処理槽を有した熱水処理工程の熱水処理槽に投入し、粉粒体25部、水75部の混合比で30分間攪拌機混合した。この粉粒体と水の混合物を遠心分離機で分離して塩化メチレン0.5重量%、水45重量%の含有粉粒体を得た。次に、この粉粒体を140℃にコントロールされているSUS316L製伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/h(ポリカーボネート樹脂換算)で連続供給して、平均乾燥時間3時間の条件で乾燥して粉粒体を得た。
この粉粒体にトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.010重量%、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)を0.010重量%、ステアリン酸モノグリセリドを0.080重量%加え混合した。次に、かかる粉粒体をベント式二軸押出機[東芝機械(株)製TEM−50B]によりシリンダー温度280℃、乾式真空ポンプを用いてベント吸引圧700Paで吸引脱気しながら溶融混練押出し、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例6]
実施例5において、(A)で使用するビスフェノールAを実施例2で得られたビスフェノールAを使用する以外は、実施例5と同様な操作をして、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
[比較例3]
実施例5において、(A)で使用するビスフェノールAを比較例1で得られたビスフェノールAを使用する以外は、実施例5と同様な操作をして、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例7]
実施例5において、(A)で使用するビスフェノールAを実施例3で得られたビスフェノールAを使用する以外は、実施例5と同様な操作をして、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
[実施例8]
実施例5において、(A)で使用するビスフェノールAを実施例4で得られたビスフェノールAを使用する以外は、実施例5と同様な操作をして、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
[比較例4]
実施例5において、(A)で使用するビスフェノールAを比較例2で得られたビスフェノールAを使用する以外は、実施例5と同様な操作をして、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
Figure 2005162675

Claims (9)

  1. (A)廃芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下、解重合反応せしめる工程(a工程)、(C)解重合反応後有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相とを分液し、金属水酸化物水溶液相を回収する工程(c工程)、(D)この金属水酸化物水溶液に酸を加え芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ濾過する工程(d工程)および(E)(E−1)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する工程(e−1工程)または(E−2)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する工程(e−2工程)からなる廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  2. (A)廃芳香族ポリカーボネートを有機溶媒および金属水酸化物水溶液の存在下、解重合反応せしめる工程(a工程)、(B)解重合反応後の反応液に水を加えて析出した固型分を溶解させる工程(b工程)、(C)有機溶媒相と金属水酸化物水溶液相とを分液し、金属水酸化物水溶液相を回収する工程(c工程)、(D)この金属水酸化物水溶液に酸を加え芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ濾過する工程(d工程)および(E)(E−1)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する工程(e−1工程)または(E−2)得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する工程(e−2工程)からなる廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  3. (I)廃芳香族ポリカーボネートを溶媒の存在下アルカリ性条件下解重合反応せしめて得られた平均粒径100〜1000μmの芳香族ジヒドロキシ化合物粉粒体を、(i)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、遠心分離機を用いて遠心力100〜1000Gの条件でろ過して洗浄液を除去する(i工程)または(ii)有機溶媒及び/又は水で洗浄し、ろ過器を用いて0.01Mpa以上の差圧条件下で目開き1〜100μmのフィルターによりろ過して洗浄液を除去する(ii工程)ことを特徴とする廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  4. 得られた芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる水溶性塩が500ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  5. 得られた芳香族ジヒドロキシ化合物に含まれる芳香族モノヒドロキシ化合物が100ppm以下である請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  6. 前記d工程において使用する酸が塩酸、硫酸、硝酸またはリン酸である請求項1または請求項2記載の廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  7. 前記e−1工程、e−2工程、i工程またはii工程後の芳香族ジヒドロキシ化合物の含液率が5〜35%である請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  8. 前記a工程、e−1工程、e−2工程、i工程およびii工程において使用する有機溶媒がハロゲン化炭化水素化合物溶媒である請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法により得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を芳香族ポリカーボネートの製造工程に用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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