JP2013053194A - 芳香族ポリケトンの製造方法と芳香族ポリケトン - Google Patents

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Abstract

【課題】脂環構造を導入した芳香族ポリケトンにおいて、低温での重合が可能である芳香族ポリケトンの製造方法と芳香族ポリケトンならびに透明フィルムを提供する。
【解決手段】脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と、水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む芳香族化合物とを、酸性媒体中において縮合反応させる工程を含むことを特徴としている。
【選択図】なし

Description

本発明は、芳香族ポリケトンの製造方法と芳香族ポリケトンに関する。さらに詳しくは、本発明は、主鎖に脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法と芳香族ポリケトンに関する。
有機高分子材料の中で、優れた耐熱性と機械的特性を有し、金属代替材料となり得る特殊エンジニアリングプラスチックが近年注目されている。
主鎖に芳香環と極性官能基であるカルボニル基を含む高分子化合物は耐熱性に優れ、中でも、主鎖が芳香環とケトンカルボニル基を含む芳香族ポリケトンは耐熱性に優れているだけでなく、酸やアルカリに対する耐薬品性および難燃性に優れ、金属代替材料として用いられている。
例えば、芳香族ポリケトンの1種であるポリエーテルエーテルケトン(PEEK(登録商標))は、特殊エンジニアリングプラスチックの1つで耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性などに優れていることから各種の用途に用いられている。
近年、IT革新、オプトエレクトロニクス技術の発展に伴い透明樹脂が注目を浴びている。透明樹脂は、軽量性、耐衝撃性、加工性、生産性などにおいて優位に立つ性質を持っている。特に透明樹脂はオプトエレクトロニクス分野において、光ディスク、光ファイバー、光学フィルムなどに用いられており、透明樹脂に対する要求性能もますます高まっている。
ところで、例えば、特許文献1,2に記載されるように、近年、シクロアルカン構造(脂環構造)が高分子の構成要素として注目され、耐熱性高分子として広く知られているポリイミドやポリベンゾオキサゾールへの導入が試みられ、脂環構造の導入により耐熱性を維持したまま透明性を付与できることが明らかになっている。
脂環構造の導入により耐熱性高分子に対して透明性を付与される理由は明らかでないが、脂環構造を高分子主鎖に導入することにより分子の配列、特に結晶構造が崩れることが原因のひとつと考えられる。その一方、環状構造の剛直さにより、高分子鎖の自由度が抑制されることから熱安定性が維持されるものと考えられる。
本発明者らは、この脂環構造を芳香族ポリケトンの主鎖に導入することを検討してきた。そして非特許文献1において、脂環式ジカルボン酸クロリドとフッ化ベンゼンを反応させて得られるビス(p-フルオロベンゾイル)シクロアルカンを原料とし、これと芳香族ジオール、中でもビスフェノール類との炭酸カリウム存在下での170℃の芳香族求核置換型重合により、脂環構造を主鎖に含む芳香族ポリケトンが得られたことを報告している。
この方法により得られた脂環構造を主鎖に含む芳香族ポリケトンは、PEEK(登録商標)のように脂環構造を含まず芳香環とケトンカルボニル基およびエーテル結合のみからなる芳香族ポリケトンと比較して良好な透明性を有し、可視光領域において83%の光線透過率を有する一方で、優れた耐熱性も有しており、ポリイミドやポリベンゾオキサゾールの場合と同様に、芳香族ポリケトンにおいても脂環構造を主鎖に導入することで耐熱性を維持しながら透明性を付与できることが明らかになっている。
特開平11―60732号公報 特開2008―120869号公報
Polymer Journal, 2008, 40, 861-866.
しかしながら、非特許文献1に記載された方法で脂環構造を有する芳香族ポリケトンを合成する場合には、塩基性条件下でのジフルオリドと芳香族ジオールの求核芳香族置換反応を利用するため、合成の際に170℃以上の高い温度に長時間保持する必要があり、反応溶媒のN-メチルピロリドン(NMP)、原料、または高分子の一部に熱分解等が生じている可能性が考えられた。また、必須の原料として用いられるジフルオリドが高価であることなどから、脂環構造を有する芳香族ポリケトンにおいては製造コストが高いという問題を有していた。
そのため、脂環構造を有する芳香族ポリケトンを低温条件下で重合することが可能となれば、脂環構造を有する芳香族ポリケトンをより高品質、且つ、低コストで合成可能となることが期待できる。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、脂環構造を導入した芳香族ポリケトンにおいて、低温での重合が可能である芳香族ポリケトンの製造方法を提供することを課題としている。
また本発明は、高品質の脂環構造を有する芳香族ポリケトンを提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法は、脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と、水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む芳香族化合物とを、酸性媒体中において縮合反応させる工程を含むことを特徴としている。
この脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法において、脂環式ジカルボン酸またはその誘導体は、次式(I):
Figure 2013053194
(式中、cycは炭素数6〜30の2価の脂環式炭化水素基を示し、R1は水酸基、塩素原子、または臭素原子を示す。)で表わされ、芳香族化合物は、次式(II):
Figure 2013053194
(式中、φは次式(III-1)〜(III-3):
Figure 2013053194
(式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
Figure 2013053194
(式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子または次式(IV):
Figure 2013053194
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)で表わされる2価の基を示す。)
Figure 2013053194
(式中、R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)から選ばれるいずれかの2価の基である。)で表わされるものであることが好ましい。
この脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法において、酸性媒体は、五酸化二リンとpKa−3.0以上の有機スルホン酸との混合物であることが好ましい。
この脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法において、酸性媒体は、五酸化二リンとメタンスルホン酸との混合物であることが好ましい。
この脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法において、酸性媒体は、トリフルオロメタンスルホン酸の有機溶媒溶液であることが好ましい。
この脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法において、反応温度が50〜100℃であることが好ましい。
本発明の芳香族ポリケトンは、主鎖が、次式(V):
Figure 2013053194
(式中、cycは炭素数6〜30の2価の脂環式炭化水素基を示し、φは水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む炭素数12〜50の2価の基を示す。nは3〜1000の整数を示す。)で表される繰り返し単位を含むことを特徴としている。
この芳香族ポリケトンにおいて、φは、次式(III-1)〜(III-3):
Figure 2013053194
(式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
Figure 2013053194
(式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子または次式(IV):
Figure 2013053194
(式中、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)で表わされる2価の基を示す。)
Figure 2013053194
(式中、R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)から選ばれるいずれかの2価の基である。)で表わされるものであることが好ましい。
本発明の透明フィルムは、前記の芳香族ポリケトンを基材としていることを特徴とする。
この透明フィルムにおいて、光線透過率が90%以上であることが好ましい。
本発明の芳香族ポリケトンの製造方法によれば、脂環構造を含む芳香族ポリケトンを合成するに際して低温での重合が可能である。
また本発明によれば、高品質の脂環構造を有する芳香族ポリケトンが提供される。
実施例3〜5のフィルムのUV-vis吸収スペクトルである。 実施例6および実施例3のフィルムのUV-vis吸収スペクトルである。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明者らは、脂環構造を含む芳香族ポリケトンを合成するに際して低温での重合が可能な方法について検討を行い、非特許文献1の方法から重合方法およびモノマーの分子設計を変更した。すなわち、芳香族求核置換型重合ではなく芳香族親電子アシル化型重合に変更し、モノマーとして脂環式ジカルボン酸および水酸基を含まない芳香族化合物を用いた。
これにより、従来の芳香族求核置換型重合において求められていた170℃以上の高温条件は必要とせず、例えば60℃程度の温度で反応が進行することを見出した。
そして、このような低温条件下での重合により得られた芳香族ポリケトンは高い耐熱性を有すると共に、脂環構造が導入されたことによる高い透明性を示すことが観察された。特に、本発明によれば、非特許文献1に記載のものと比較しても高い透明性を示す芳香族ポリケトンを得ることが可能であることが示された。
本発明の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法では、脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と、水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む芳香族化合物とを、酸性媒体中において縮合反応させる。
本発明において原料に用いられる脂環式ジカルボン酸またはその誘導体としては、特に限定されないが、前記式(I)で表わされるものを好ましく用いることができる。
式(I)において、cycは炭素数6〜30の2価の脂環式炭化水素基を示し、R1は水酸基、塩素原子、または臭素原子を示す。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナン)、1,7,7-トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン(イソボルナン)、ビシクロ[2.2.2]オクタン等のビシクロアルカン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[3.3.1.13,7]デカン(アダマンタン)等のトリシクロアルカン、テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン等のテトラシクロアルカン等のシクロアルカン類や、ノルボルネン等のシクロアルケン類等の脂環式炭化水素から水素原子を2個取り除いた残基などが挙げられる。
中でも、シクロヘキシル骨格、ノルボルナン骨格、ジノルボルナン骨格、アダマンタン骨格、ジアダマンタン骨格、またはビシクロ[2.2.2]オクタン骨格を有するものが好ましく、例えば次の構造のものを好ましく用いることができる。
Figure 2013053194
有機溶媒への溶解性については、対称性が良く剛直なtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸を用いても、アシル受容体を適切に選択することで溶解性を高めることができるが、アダマンタン骨格などのようにシクロヘキサン骨格よりもさらに分子構造が剛直かつ嵩高いものを用いると、耐熱性を維持しつつ溶解性を高めることができる。また、複数の脂環式ジカルボン酸を併用して用いる共重合反応でもよい。
本発明において原料に用いられる芳香族化合物は、水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む。
水酸基を有しないことで、エステル化反応などの副反応を抑制しジアシル化反応を位置選択的かつ定量的に進行させることができる。
「相互の共役関係が弱い」とは、次の事項を包含する。ジアシル化反応を位置選択的かつ定量的に進行させるための要因の1つは、2つの芳香環がエーテル結合を介した交差共役系にあることやビフェニルのように非共平面性構造を持ち2つの芳香環が適度に捩じれていることで2つの芳香環どうしの共役を抑えられることである。2つの芳香環どうしの共役を抑えることにより、1段階目のアシル化反応の影響がもう一方の芳香環に及ばず、その芳香環の反応性を維持することができる。
芳香族化合物は、炭素数が好ましくは12〜50、より好ましくは12〜30である。そして、好ましい芳香族化合物には、2〜3個のベンゼン環またはナフタレン環が直接に結合したもの、酸素原子や2価の炭化水素基(好ましくは、メチレン基またはエチレン基(置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基で置換されていてもよい。))を介して結合したものなどが挙げられる。より具体的には、例えば、ビフェニル骨格、ビフェニルエーテル骨格、ターフェニル骨格、またはビナフチル骨格を有するものなどが挙げられる。
芳香族化合物は、前記式(II)で表わされるものを好ましく用いることができる。ジアシル化反応を位置選択的かつ定量的に進行させるための要因の1つは、アシル基の置換位置が、式(II)に含まれるジフェニルエーテル、2,2’-ジアルコキシビフェニル、2,2’-ジアルコキシビフェニルエーテルなどのようにエーテル酸素のパラ位でかつ立体的に置換しやすい位置にあることである。パラ位で置換することで、立体的に嵩高いと考えられるシクロヘキサン骨格や、さらに嵩高く剛直なポリシクロアルカン骨格を有する脂環式ジカルボン酸でもアシル化が進行する。
前記式(II)中、φは前記式(III-1)〜(III-3)のいずれかを示す。
前記式(III-1)中、R2は炭素数1〜30、好ましくは1〜10の炭化水素基を示す。
炭化水素基としては、例えば、飽和脂肪族炭化水素基、不飽和脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基などが挙げられる。
脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基等のシクロアルキル基、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチル基、iso-ペンチル基、sec-ペンチル基、neo-ペンチル基、tert-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-イコサニル基、n-トリアコンタニル基などが挙げられる。また、飽和脂肪族炭化水素基の末端部分に上記脂環式炭化水素基が導入されたものが挙げられる。
不飽和脂肪族炭化水素基としては、例えば、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。また、不飽和脂肪族炭化水素基の末端部分に上記脂環式炭化水素基が導入されたものが挙げられる。
前記式(III-1)中、R3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30、好ましくは1〜5の炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。また置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基などが挙げられる。
前記式(III-2)中、R2は炭素数1〜30、好ましくは1〜10の炭化水素基を示し、このような炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。Xは酸素原子または前記式(IV)で表わされる2価の基を示す。
前記式(IV)中、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30、好ましくは1〜5の炭化水素基を示す。このような炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。また置換基としては、例えば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルコキシ基、炭素数2〜5のアシル基などが挙げられる。
前記式(III-3)中、R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30、好ましくは1〜5の炭化水素基を示し、例えば、R3として例示したものが挙げられる。
本発明において、原料の脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と芳香族化合物は、公知の方法により合成することができ、市販品を用いることもできる。
本発明において、脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と芳香族化合物の仕込み比は、特に限定されず、例えば実質的に等モルとすることができるが、分子量の制御やその他の点を考慮して、一方の原料を過剰に、例えば0〜10mol%の範囲で過剰に用いてもよい。
原料の脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と芳香族化合物は、酸性媒体の存在下に反応させる。酸性媒体としては、例えば、(1) 五酸化二リンとpKa−3.0以上(水溶液)の有機スルホン酸との混合物、(2) トリフルオロアルカンスルホン酸の有機溶媒溶液、(3) ポリリン酸またはポリリン酸とpKa−3.0以上の有機スルホン酸との混合物、(4) 三塩化アルミニウムの有機溶媒溶液などが挙げられる。
(1)、(3)の場合は原料として脂環式ジカルボン酸が用いられ、(2)、(4)の場合は原料として脂環式ジカルボン酸誘導体(脂環式ジカルボン酸クロリドまたは脂環式ジカルボン酸ブロミド)が用いられる。
五酸化二リンとpKa−3.0以上の有機スルホン酸との混合物を用いる方法では、有機スルホン酸として、例えば、炭素数1〜5のアルカンスルホン酸などを用いることができる。これらの中でも、メタンスルホン酸が好ましい。pKaが低過ぎると、得られるポリマーの透明性に影響し得る。
五酸化二リンとpKa−3.0以上の有機スルホン酸との混合比は、粘性や縮合剤としての機能を考慮すると、質量比で好ましくは1:3〜1:30、より好ましくは1:10〜1:20である。
五酸化二リンとpKa−3.0以上の有機スルホン酸との混合物の原料に対する配合量は、原料を溶解し得る量であれば特に限定されず、触媒量から溶媒量までの範囲で用いることができるが、原料の脂環式ジカルボン酸またはその誘導体1質量部に対して5〜100質量部の範囲が好ましい。
トリフルオロアルカンスルホン酸の有機溶媒溶液を用いる方法では、トリフルオロアルカンスルホン酸として、例えば、炭素数1〜5のパーフルオロアルカンスルホン酸などを用いることができる。これらの中でも、トリフルオロメタンスルホン酸が好ましい。
トリフルオロアルカンスルホン酸の配合量は、特に限定されないが、原料の脂環式ジカルボン酸誘導体1molに対して0.2〜5molが好ましい。
有機溶媒としては、例えば、非プロトン性有機溶媒を用いることができる。非プロトン性有機溶媒としては、例えば、1,2-ジクロロエタン、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン、ニトロメタン等の含窒素有機溶媒、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド等の含硫黄有機溶媒などが挙げられる。これらは1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ハロゲン化炭化水素が好ましく、1,2-ジクロロエタンもしくは塩化メチレンが特に好ましい。
有機溶媒の配合量は、特に限定されないが、原料の脂環式ジカルボン酸誘導体1質量部に対して5〜100質量部が好ましい。
ポリリン酸は、H(HPO3)nOH(nは2以上の整数を示す。)で表わされ、例えば、ピロリン酸、トリポリリン酸、テトラポリリン酸などを単独でまたは混合物として用いることができる。また、三塩化アルミニウムの有機溶媒溶液を用いる方法においても、前記したような有機溶媒を用いることができる。
縮合反応は、原料の脂環式ジカルボン酸またはその誘導体および芳香族化合物と酸性媒体とを容器内に入れて加熱下に撹拌しながら行うことができる。縮合反応を生じさせる際の好ましい反応温度は使用する酸性媒体の種類によっても変化するが、反応温度が低すぎると反応速度が低下すると共に、縮合反応が停止する場合がある。一方、反応温度が高すぎると副反応が生じて生成される芳香族ポリケトンの特定が低下する傾向が見られる。このため、一般に縮合反応は0℃以上で行うことが好ましく、特に酸性媒体として三塩化アルミニウム等を用いる場合には10℃以上で行うことが好ましい。また、酸性媒体として五酸化二リンと有機スルホン酸との混合物や、トリフルオロアルカンスルホン酸の有機溶媒溶液等を用いる場合には20℃以上で行うことが好ましい。
また、一般に100〜120℃の温度で縮合反応を生じさせることで副反応の発生が抑制できると共に、酸性媒体として五酸化二リンと有機スルホン酸との混合物や、トリフルオロアルカンスルホン酸の有機溶媒溶液等を用いる場合には70℃以下の温度において良好な縮合反応を生じさせることができる。特に、酸性媒体として三塩化アルミニウム等を用いる場合には40℃以下の温度においても良好な縮合反応を生じさせることができる。また、必要に応じて、反応の途中で昇温や降温を行ってもよい。
反応時間は、特に限定されないが、例えば2〜100時間である。反応の圧力は特に制限はなく、例えば常圧付近で行うことができる。
反応終了後、例えば反応液を貧溶媒に滴下することによりポリマーを析出させ、水やメタノールなどにより洗浄して目的とする芳香族ポリケトンを得ることができる。得られたポリマーは乾燥後、クロロホルムなどの溶媒に溶かし、水やメタノールなどで再沈殿を繰り返すことによって数回洗浄を行うようにしてもよい。
以上の方法により得られる本発明の芳香族ポリケトンは、主鎖が、式(V)で表される繰り返し単位を含む。式(V)において、cycは炭素数6〜30の2価の脂環式炭化水素基を示し、前記のものを挙げることができる。φは水酸基を含まず、相互に共役関係にないあるいは共役関係が弱い複数の芳香族環を含む炭素数12〜50、好ましくは12〜30の2価の基であり、前記のものを挙げることができる。nは3〜1000の整数を示す。
本発明の芳香族ポリケトンは、Mnが好ましくは3000〜20000の範囲にあり、Mn/Mwが好ましくは1〜10の範囲にある。
本発明により製造される芳香族ポリケトンは、一般に400℃程度まで加熱しても熱分解が起きず、ガラス転移温度(Tg)が好ましくは90℃以上、より好ましくは150℃以上、さらに好ましくは200℃以上のものを得ることができる。したがって耐熱性の高分子材料としての実用が可能となる。
これらの中でも、φとして前記式(III-1)の主鎖にエーテル結合を含まないものを用いた芳香族ポリケトンは、ガラス転移温度を高めることができる。この点、非特許文献1の方法では芳香族求核置換型重合により製造されるため、必然的にエーテル結合が導入され高分子鎖に柔軟性が付与されるが、本発明によれば、前記式(III-1)のように主鎖にエーテル結合を含まないものを合成することもでき、ガラス転移温度の高いポリマーを得ることができる。
本発明の芳香族ポリケトンは、各種の有機溶媒に可溶であり、透明フィルムの基材として用いることができる。すなわち本発明の透明フィルムは、優れた耐熱性と有機溶媒への可溶性を併せ持つ本発明の芳香族ポリケトンを用いて成形することができる。
透明フィルムの成形には、溶媒キャスト法、溶融プレス法などを用いることができるが、簡便で低温での成形が可能であることから溶媒キャスト法が好ましい。
溶媒キャスト法は、例えば、芳香族ポリケトンを有機溶媒に溶解して0.5〜25質量%のワニスを作製し、このワニスを塗布した後、常温または加熱下において乾燥させることによってフィルムを製造できる。ワニスの塗布には、塗布スピンナーを用いた回転塗布、浸漬、印刷、ロールコーティングなどの方法を用いることもできる。
有機溶媒は、芳香族ポリケトンが溶解し適度な揮発性を持つものであれば特に限定されないが、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素などを好ましく用いることができる。
この透明フィルムは、透明樹脂として一般に用いられているPMMAやPCのレベルまで光線透過率を高めることができ、可視光領域での光線透過率が、好ましくは90%以上、より好ましくは92%以上、さらに好ましくは95%以上である。したがって、この透明フィルムは、電気素子などを構成する高分子透明層に好適である。
式(V)において、溶媒キャスト法によるフィルム成形に必要な有機溶媒への溶解性については、cycは、シクロヘキサン骨格よりも、分子構造が嵩高いアダマンタン骨格などのポリシクロヘキサン骨格においてクロロホルムなどの有機溶媒への溶解性が高まる傾向がある。
φについては、前記式(III-1)〜(III-3)のうち、(III-1)は、R2の炭素数が大きくなると有機溶媒への溶解性が高まる傾向にある。(III-2)は、有機溶媒への溶解性の点で(III-1)や(III-3)よりも高い傾向にある。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下の実施例において、1H-NMR測定はJEOL製JNM-ECX400(400MHz)を用いた。内部標準としてMe4Si(δ=0.00)、CHCl3(δ=7.24)を用いた。
13C-NMR測定はJEOL製JNM-ECX400(100MHz)を用いた。内部標準としてCDCl3(δ=77.0)を用いた。
IR測定はHORIBA製FT-210を用いた。
GPC測定は、日本分光製デガッサDG-2080-53、日本分光製送液ポンプPU-2080、日本分光製UV検出器UV-2075、日本分光製カラムオーブンCO-2065、SHODEX製カラムGPC K-804L、SHODEX製ガードカラムGPC K-Gを用いた。移動相にはCHCl3、標準物質にはポリスチレンを用いて恒温(40℃)にて測定を行った。
<実施例1>
trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸とジフェニルエーテルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(86.1mg, 0.5mmol)、ジフェニルエーテル(85.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸7.5mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集を行い、粉末状の白色固体を0.1485g、収率97%で得た。
Figure 2013053194
<実施例2>
trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸と2,2’-ジメトキシビフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(86.1mg, 0.5mmol)、2,2’-ジメトキシビフェニル(107.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸7.5mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集を行い、粉末状の白色固体を0.1575g、収率90%で得た。
Figure 2013053194
<実施例3>
trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸と2,2’-ジプロピロキシビフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(86.1mg, 0.5mmol)、2,2’-ジプロピロキシビフェニル(135.2mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸7.5mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集を行い、粉末状の白色固体を0.1707g、収率84%で得た。
Figure 2013053194
<実施例4>
trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸と2,2’-ジヘキシロキシビフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(86.1mg, 0.5mmol)、2,2’-ジヘキシロキシビフェニル(177.3mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸7.5mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集を行い、粉末状の白色固体を0.2225g、収率91%で得た。
Figure 2013053194
<実施例5>
trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸と2,2’-ジメトキシジフェニルエーテルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(86.1mg, 0.5mmol)、2,2’-ジメトキシジフェニルエーテル(115.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸7.5mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集を行い、粉末状の白色固体を0.1787g、収率98%で得た。
Figure 2013053194
(収率、分子量)
実施例において得られた芳香族ポリケトンの収率と実施例3〜5のクロロホルム可溶ポリケトンの平均分子量の結果を表6に示す。なお平均分子量MnとMwは前記のGPC測定によりポリスチレン換算で見積もった。
Figure 2013053194
(溶解性)
実施例において得られた芳香族ポリケトンの有機溶媒への溶解性試験を行った。有機溶媒はTHF、CHCl3、DMF、DMSO、NMPを用いた。その結果を表7に示す。表7において、++は常温で可溶、+は加熱により可溶、±は部分的に可溶または膨潤、−は不溶であることを示す。
Figure 2013053194
実施例3〜5の芳香族ポリケトンはクロロホルム(CHCl3)に易溶であった。
(熱的性質)
実施例において得られた芳香族ポリケトンの熱的性質の評価を行った。熱的性質は、物理的・化学的耐熱性の指標となるTg、Td5、Td10によって評価した。
Tgはポリマーのガラス転移温度であり、示差走査熱量測定(DSC)によりDSC曲線から見積もった。示差走査熱量測定はパーキンエルマー製DSC 4000を用い、窒素気流下において40℃から300℃まで昇温速度:10K/minで測定した。
Td5、Td10はそれぞれ熱分解挙動の指標となる5%重量減少温度、10%重量減少温度であり、熱重量測定(TGA)によりTGA曲線から見積もった。熱重量測定はパーキンエルマー製TGA 4000を用い、窒素気流下において40℃から800℃まで昇温速度:10K/minで測定した。
これらの測定結果を表8に示す。
Figure 2013053194
ポリマーに脂環構造を導入することで耐熱性を維持でき、PEEKと比較しても耐熱性は全体的に向上した。
(光学的性質)
実施例において得られた芳香族ポリケトンの光学的性質の評価を行った。光学的性質は、クロロホルムによる溶媒キャスト法により成形したフィルムの光線透過率によって評価した。
光線透過率はUV-vis吸収スペクトルから算出した。JASCO製V-630分光光度計を用いて波長範囲200〜800nm、走査速度200nm/minで測定を行った。スライドガラス上にポリマーのクロロホルム溶液をパスツールピペットを用いて滴下し、キャスティングした。また測定の際にはリファレンスに同一のスライドガラスを用いた。
実施例3〜5の結果を図1に示す。実施例3、4は可視光領域で光線透過率96%以上、実施例5は可視光領域で光線透過率93%以上であり、PMMA、PCと比較して同等またはそれ以上の結果が得られた。また、それぞれのフィルムのカットオフ波長は299nm、305nm、320nmであった。
本発明者らの非特許文献1では芳香族求核置換型重合により芳香族ポリケトンを合成したが、そのとき得られたポリケトンフィルムは黄土色に着色していた。そのため光線透過率は本実施例のフィルムよりも低い値であった。本実施例で合成に用いた芳香族親電子アシル化型重合は、芳香族求核置換型重合と比較して、反応温度、脱離成分、溶媒の3点で異なっているが、反応温度については本実施例の芳香族親電子アシル化型重合では60℃であり、先行研究の芳香族求核置換型重合では170℃と約110℃の差がある。この差により、高温条件下では副反応が起き、何らかの着色成分が生成したと考えられる。また脱離成分と溶媒は両反応とも水洗浄で除去することができ、着色への影響は小さいと考えられる。したがって本実施例では低温での反応がポリマーの着色を抑制したと考えられる。
<実施例6>
cis-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸と2,2’-ジメトキシジフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにcis-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(86.1mg, 0.5mmol)、2,2’-ジメトキシジフェニル(107.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸10mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集、減圧乾燥を行い、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒にメタノールを用いて再沈殿を行った。粉末状の白色固体を0.1434g、収率82%で得た。得られたポリケトンは、クロロホルム等多くの有機溶媒に難溶であった。
Figure 2013053194
<実施例7>
cis-1,3-シクロヘキサンジカルボン酸と2,2’-ジメトキシジフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにcis-1,3-アダマンタンジカルボン酸(86.0mg, 0.5mmol)、2,2’-ジメトキシジフェニル(107.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(2.0mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸10mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集、減圧乾燥を行い、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒にメタノールを用いて再沈殿を行った。粉末状の白色固体を0.1438g、収率82%で得た。
Figure 2013053194
(分子量)
実施例7において得られた芳香族ポリケトンの分子量MnとMwを前記のGPC測定によりポリスチレン換算で見積もった。ポリスチレン換算値でMn=1100、Mw =13400、Mw/Mn=12.2であった。
<実施例8>
1,3-アダマンタンジカルボン酸と2,2’-ジメトキシジフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLに1,3-アダマンタンジカルボン酸(112.1mg, 0.5mmol)、2,2’-ジメトキシジフェニル(107.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(2.0mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸10mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集、減圧乾燥を行い、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒にメタノールを用いて再沈殿を行った。粉末状の白色固体を0.1005g、収率50%で得た。
Figure 2013053194
(分子量)
実施例8において得られた芳香族ポリケトンの分子量MnとMwを前記のGPC測定によりポリスチレン換算で見積もった。ポリスチレン換算値でMn=900、Mw =8100、Mw/Mn=9.0であった。
(溶解性)
THF、CHCl3、DMF、DMSO、NMPで溶解性試験を行ったところ、DMSO以外の溶媒に易溶であった。溶解性が良好であったのは、アダマンタン骨格の嵩高さにより固体内に空孔ができ、溶媒分子が分子鎖内に入り込みやすくなったことが原因と考えられる。
(光学的性質)
実施例8において得られた芳香族ポリケトンの光学的性質の評価を行った。光学的性質は、クロロホルムによる溶媒キャスト法により成形したフィルムの光線透過率によって評価した。
実施例8の結果を実施例3の結果と共に図2に示す。実施例8は可視光領域で光線透過率96%以上、フィルムのカットオフ波長は285nmであった。
<実施例9>
二種類の脂環式ジカルボン酸であるtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸および1,3-アダマンタンジカルボン酸と2,2’-ジメトキシジフェニルとの芳香族親電子アシル化型共重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸(43.0mg, 0.25mmol)、1,3-アダマンタンジカルボン酸(56.1mg, 0.25mmol)、2,2’-ジメトキシジフェニル(107.1mg, 0.5mmol)、五酸化二リン−メタンスルホン酸混合物(1.5mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け60℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液にメタンスルホン酸10mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集、減圧乾燥を行い、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒にメタノールを用いて再沈殿を行った。粉末状の白色固体を0.1565g、収率83%で得た。
(分子量)
実施例8において得られた芳香族ポリケトンの分子量MnとMwを前記のGPC測定によりポリスチレン換算で見積もった。ポリスチレン換算値でMn=1000、Mw=7500、Mw/Mn=7.5であった。
(溶解性)
THF、CHCl3、DMF、DMSO、NMPで溶解性試験を行ったところ、すべての溶媒に易溶であった。溶解性が良好であったのは、アダマンタン骨格の嵩高さにより固体内に空孔ができ、溶媒分子が分子鎖内に入り込みやすくなった上に、二種類のジカルボン酸を用いたことにより分子の配列がさらに崩れたためと考えられる。
(熱的性質)
実施例6−9で得られたポリマーのTg、Td5の測定結果を実施例2の測定結果と共に表12に示す。
Figure 2013053194
(光学的性質)
実施例9において得られた芳香族ポリケトンの光学的性質の評価を行った。光学的性質は、クロロホルムによる溶媒キャスト法により成形したフィルムの光線透過率によって評価した。
実施例9により得られたフィルムは可視光領域で光線透過率98%以上、フィルムのカットオフ波長は280nmであった。
<実施例10>
酸性媒体にトリフルオロメタンスルホン酸を使用して、trans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸クロリドと2,2’-ジプロピロキシジフェニルとの芳香族親電子アシル化型重合により芳香族ポリケトンの合成を行った。
Figure 2013053194
ナスフラスコ30mLにtrans-1,4-シクロヘキサンジカルボン酸クロリド(106.5mg, 0.5mmol)、2,2’-ジプロポキシジフェニル(135.1mg, 0.5mmol)、トリフルオロメタンスルホン酸(0.24 g, 1.5mmol)、1,2-ジクロロエタン(1mL)、撹拌子を加え、三方コック、窒素風船を付け50℃で24h撹拌した。反応終了後の反応溶液の粘性は反応開始前より明らかに上昇していた。
加熱撹拌終了後、反応溶液に1,2-ジクロロエタン4mLを加えて希釈し、メタノール200mLの入ったビーカーに滴下した。次に、遠心分離機を用いてメタノールと水でそれぞれ1回ずつ洗浄操作を行った。最後に吸引ろ集、減圧乾燥を行い、良溶媒にクロロホルム、貧溶媒にメタノールを用いて再沈殿を行った。粉末状の白色固体を0.1718g、収率93%で得た。
(分子量)
実施例9において得られた芳香族ポリケトンの分子量MnとMwを前記のGPC測定によりポリスチレン換算で見積もった。ポリスチレン換算値でMn=1000、Mw=5700、Mw/Mn=5.7であった。

Claims (10)

  1. 脂環式ジカルボン酸またはその誘導体と、水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む芳香族化合物とを、酸性媒体中において縮合反応させる工程を含むことを特徴とする脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法。
  2. 脂環式ジカルボン酸またはその誘導体は、次式(I):
    Figure 2013053194
    (式中、cycは炭素数6〜30の2価の脂環式炭化水素基を示し、R1は水酸基、塩素原子、または臭素原子を示す。)で表わされ、芳香族化合物は、次式(II):
    Figure 2013053194
    (式中、φは次式(III-1)〜(III-3):
    Figure 2013053194
    (式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
    Figure 2013053194
    (式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子または次式(IV):
    Figure 2013053194
    (式中、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)で表わされる2価の基を示す。)
    Figure 2013053194
    (式中、R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)から選ばれるいずれかの2価の基である。)で表わされることを特徴とする請求項1に記載の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法。
  3. 酸性媒体は、五酸化二リンとpKa−3.0以上の有機スルホン酸との混合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法。
  4. 酸性媒体は、五酸化二リンとメタンスルホン酸との混合物であることを特徴とする請求項3に記載の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法。
  5. 酸性媒体は、トリフルオロメタンスルホン酸の有機溶媒溶液であることを特徴とする請求項1または2に記載の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法。
  6. 反応温度が50〜100℃であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の脂環構造を含む芳香族ポリケトンの製造方法。
  7. 主鎖が、次式(V):
    Figure 2013053194
    (式中、cycは炭素数6〜30の2価の脂環式炭化水素基を示し、φは水酸基を有さず相互に非共役または相互の共役関係が弱い複数の芳香環を含む炭素数12〜50の2価の基を示す。nは3〜1000の整数を示す。)で表される繰り返し単位を含むことを特徴とする芳香族ポリケトン。
  8. φは、次式(III-1)〜(III-3):
    Figure 2013053194
    (式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、R3はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)
    Figure 2013053194
    (式中、R2は炭素数1〜30の炭化水素基を示し、Xは酸素原子または次式(IV):
    Figure 2013053194
    (式中、R4およびR5はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)で表わされる2価の基を示す。)
    Figure 2013053194
    (式中、R6はそれぞれ独立に水素原子または置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基を示す。)から選ばれるいずれかの2価の基である。)で表わされることを特徴とする請求項7に記載の芳香族ポリケトン。
  9. 請求項7または8に記載の芳香族ポリケトンを基材としていることを特徴とするフィルム。
  10. 光線透過率が90%以上であることを特徴とする請求項9に記載のフィルム。
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