JP2005141263A - 微細粉粒体のクリーニング材及びシール材 - Google Patents

微細粉粒体のクリーニング材及びシール材 Download PDF

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康之 大原
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Abstract

【課題】 切断によって生ずる糸のほつれを防止することができる微細粉粒体のクリーニング材及びシール材を提供する。
【解決手段】 クリーニング材30は、クッション材よりなる支持層31と、支持層31の表面に接着膜32を介して接合された摺接層33と、支持層31の裏面に形成された貼付層34とから構成されている。摺接層33は、糸をタテ編みで編み上げて得られる編布より形成された基布35と、その基布35上に起毛するように編み込まれた複数のパイル糸36とから形成されている。このクリーニング材30は、微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体に取り付けられ、パイル糸36で移動体の表面に付着した微細粉粒体を掻き取って移動体表面をクリーニングするとともに、移動体と支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集し、微細粉粒体の漏れをシールするようになっている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば電子写真装置内において、感光ドラムの周囲に配設されるクリーニング部、現像部、転写部等でトナー、紙粉等の微細粉粒体のクリーニング及びシールを行うための微細粉粒体のクリーニング材及びシール材に関するものである。
従来、上記のようなクリーニング材及びシール材は、基布上に複数のパイル糸が起毛されてなり、その裏面には接着膜を介して支持層が接合されるとともに、支持層の裏面には貼付層が形成されて構成されている。前記基布は、タテ糸と該タテ糸と直交する方向に延びるヨコ糸とを織り上げることによって得られる織布より形成されるとともに、基布を形成するヨコ糸に絡ませるようにパイル糸が織り込まれている。
該クリーニング材及びシール材は、例えばクリーニング部、現像部、転写部等を構成するハウジングに対し、パイル糸の先端を感光ドラムに接触させるようにして接合されている。そして、クリーニング材ならば、感光ドラム表面からトナーを掻き取ることにより、感光ドラム表面をクリーニングするようになっている。また、シール材ならば、ハウジングと感光ドラムとの隙間から外部へ漏れ出そうとするトナーをパイル糸の内部に捕集及びブロックすることにより、隙間からのトナーの漏れをシールするようになっている。
ところが、上記クリーニング材及びシール材によれば、ハウジングの形状又は接合部の面積等に対応させるために裁断するとき、織布より形成された基布がタテ糸及びヨコ糸の延びる方向に沿って切断される。このため、基布の切断面においてタテ糸及びヨコ糸がほつれて脱落したり、織り込まれたパイル糸が脱落したり等するおそれがある。そして、脱落したタテ糸、ヨコ糸及びパイル糸により糸くずが発生したり、クリーニング材及びシール材がトナーのクリーニング機能及びシール機能を十分に発揮することができなくなるという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、切断によって生ずる糸のほつれを防止することができる微細粉粒体のクリーニング材及びシール材を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取ることにより移動体表面をクリーニングするパイル糸とを備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の微細粉粒体のシール材の発明は、微細粉粒体に接触する移動体又は該移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記支持体又は移動体に摺接して移動体と支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロックすることにより微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備えることを特徴とするものである。
請求項3に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取り、移動体表面をクリーニングするとともに、移動体と支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロックし、微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備えることを特徴とするものである。
請求項4に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明において、前記基布は、2枚が互いに対向配置された状態で編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架橋するようにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基布の間でパイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り離すことによって構成されたカットパイル形態を有することを特徴とするものである。
請求項5に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明において、前記基布の裏面にはJIS K 6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MPaのクッション材より形成された支持層を設けることを特徴とするものである。
請求項6に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明において、前記パイル糸を基布に対して一定方向に斜毛することにより、基布に対するパイル糸の角度を1〜45°に形成することを特徴とするものである。
請求項7に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項3から請求項6のいずれかに記載の発明において、前記基布の裏面にはコーティング層を設けることを特徴とするものである。
請求項8に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項3から請求項7のいずれかに記載の発明において、前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維から形成することを特徴とするものである。
請求項9に記載の微細粉粒体のシール材の発明は、請求項2に記載の発明において、前記基布は、2枚が互いに対向配置された状態で編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架橋するようにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基布の間でパイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り離すことによって構成されたカットパイル形態を有することを特徴とするものである。
請求項10に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明において、前記パイル糸を基布に対してその表面でループ状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸のループ部を切断して開繊させることにより、パイル糸が基布上で起毛するように形成することを特徴とするものである。
請求項11に記載の微細粉粒体のシール材の発明は、請求項2に記載の発明において、前記パイル糸を基布に対してその表面でループ状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸のループ部を切断して開繊させることにより、パイル糸が基布上で起毛するように形成することを特徴とするものである。
請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニング材の発明は、請求項4又は請求項10に記載の発明において、前記パイル糸が起毛された基布を帯状に裁断し、当該基布を丸棒状をなす支持軸の表面に螺旋状をなすように巻回して接着することにより、ロール状をなすように形成することを特徴とするものである。
本発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の発明によれば、切断によって生ずる糸のほつれを防止することができる。
請求項4に記載の発明によれば、請求項1又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、カットパイル形態のクリーニング材を容易かつ迅速に製造することができる。
請求項5に記載の発明によれば、請求項3又は請求項4に記載の発明の効果に加えて、パイル糸を移動体に対し、その抵抗を抑えながら十分に接触させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項3から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、移動体に対する抵抗を抑えながらパイル糸のクリーニング機能及びシール機能を十分に発揮させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、請求項3から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、基布のほつれ及びパイル糸の抜け落ちを防止することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項3から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、移動体に対する抵抗を低減することができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、カットパイル形態のシール材を容易かつ迅速に製造することができる。
請求項10に記載の発明によれば、請求項1又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、パイル糸が互いに複雑に絡みあうため、その斜毛方向を考慮する必要がなく、斜毛加工を施さずともパイル糸のパイル形態を常に均一なものとすることができる。
請求項11に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、パイル糸が互いに複雑に絡みあうため、その斜毛方向を考慮する必要がなく、斜毛加工を施さずともパイル糸のパイル形態を常に均一なものとすることができる。
請求項12に記載の発明によれば、請求項4又は請求項10に記載の発明の効果に加えて、ロール状をなすクリーニング材においても基布からのパイル糸の抜け落ちを防止することができる。
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態として電子写真装置における微細粉粒体のクリーニング材を構成した場合について説明する。そこで、まず電子写真装置の構成について説明する。
図4は電子写真装置を概念的に示した図である。電子写真装置内において移動体としての感光ドラム11は支軸11aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11の周囲にはその上方位置から回転方向に向かって順番に帯電部12、露光部13、現像部14、転写部16、クリーニング部18及びイレーサ19が配設されている。この感光ドラム11は回転時に帯電部12でその表面が帯電されるとともに、露光部13により静電潜像が形成された後、現像部14から微細粉粒体としてのトナー15が供給される。そして、転写部16により感光ドラム11及び転写部16間に供給された記録用紙17にトナー15による可視像が転写される。この後、クリーニング部18で感光ドラム11の表面に残留するトナー15が除去され、イレーサ19で残留する電荷が消去される。
図4及び図5(a),(b)に示すように、前記現像部14を構成するハウジング14dは、前面が開口された略四角箱状をなすとともに、ハウジング14dの内部には現像ローラー14aが回転可能に支持されている。現像ローラー14aの両端部には、その外径が現像ローラー14aの直径よりも大きな円筒状をなす間隔保持キャップ14bが外嵌されている。現像ローラー14aは、間隔保持キャップ14bが感光ドラム11の表面に接触されることにより、感光ドラム11から若干離間した位置に保持され、その表面と感光ドラム11の表面との間に間隙14cを形成している。そして、現像ローラー14aの表面のトナー15は、間隙14cにおいて、静電気により現像ローラー14aの表面から感光ドラム11の表面へ供給されるようになっている。
前記クリーニング部18を構成する支持体としてのハウジング23は前面が開口された略四角箱状をなすとともに、天板内面には支持板20を介してクリーニングブレード21が揺動可能に支持されている。感光ドラム11の表面に残留するトナー15は、このクリーニングブレード21の先端縁で掻き取られるようになっている。クリーニングブレード21の先端縁とハウジング23の開口底縁との間にはトナー回収通路22が形成され、掻き取られたトナー15がここからハウジング23内へ回収される。ハウジング23の前面両側部には一対の取付部23aが突設されている。これら取付部23aと感光ドラム11の両端部との間には隙間が形成されており、この隙間を塞ぐように平面L字状をなすクリーニング材30が取付部23a上に貼付されている。
次に、クリーニング材30の構成について説明する。
図1に示すように、クリーニング材30はクッション材よりなる支持層31と、支持層31の表面に接着膜32を介して接合された摺接層33と、支持層31の裏面に形成された貼付層34とから構成されている。また、前記摺接層33は合成樹脂製の基布35と、その基布35上に起毛された複数のパイル糸36とから形成されるベロア材より構成されている。そして、クリーニング材30は、シート状をなす摺接層33、支持層31及び貼付層34を互いに貼り合わせた状態で、ダイカット加工法等で切り抜くことにより形成されている。
図5(a),(b)に示すように、クリーニング材30は、摺接層33のパイル糸36を感光ドラム11の両端に接触させるようにして取付部23aに貼付されている。そして、クリーニング材30は、そのパイル糸36で感光ドラム11の表面に付着したトナー15を掻き取って感光ドラム11表面をクリーニングするとともに、感光ドラム11とハウジング23の隙間から漏れ出るトナー15を捕集してハウジング23の外部への漏れをシールするようになっている。
図1に示すクリーニング材30において、前記支持層31を形成するクッション材としては、弾力性を有するとともに耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で接着可能な材料より形成されたものを用いることが好ましい。このようなクッション材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー等が用いられる。
また、クッション材は、JIS K 6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MPaであることが好ましく、0.5〜2MPaであることがより好ましい。圧縮荷重値が0.3MPa未満の場合、感光ドラム11に対して摺接層33を十分に摺接させることができなくなる。また、圧縮荷重値が3MPaより大きい場合、感光ドラム11の摺接層33に対する抵抗が大きくなり、その回転が阻害されるおそれがある。この実施形態の支持層31は難燃性のポリウレタン発泡体(イノアック社製の商品名モルトプレンSM−55)から形成されている。
前記接着膜32及び貼付層34は、接着剤が硬化した後でも柔軟性を有する接着剤により形成されるのが好ましい。さらに接着膜32及び貼付層34は耐熱性を有するとともに、曲げた状態でも使用することができるように曲面状に変形可能な材料により形成されるのが好ましい。このような性質を有する粘着剤として、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。これら接着膜32及び貼付層34は支持層31の表面及び裏面に対し、感圧接着剤を塗布するか、又は伸びのある芯材の両面に感圧接着剤を塗布してなる両面粘着テープを貼付して形成される。この実施形態の接着膜32及び貼付層34はアクリル系の接着剤を使用した両面粘着テープ(接着膜32が日東電工社製の商品名♯500、貼付層34が日東電工社製の商品名♯5000NC)により形成されている。
前記摺接層33を形成する基布35は、図2に示すように、地糸35aでループを形成しながら該ループを縦方向に連結させるタテ編みで編み上げて得られる編布より形成されている。また、図2では示されていないが、前記パイル糸36はこの編布の各地糸35aに絡むようにして、地糸35aのループが連結される方向の垂直方向に交差するように編み上げられている。なお、編布より基布35を形成する場合、地糸をヨコ編みで編み上げる方法も挙げられるが、この場合、ヨコ編みで編み上げられた編布は、切断したときに糸が非常にほつれやすく、さらには伸びを有するものとなる。従って、ヨコ編みで編み上げられた編布を基布に用いると、ダイカット加工法等で切り抜く際、基布がほつれたり、伸びたり等してクリーニング材を正確な形状に切り抜くことができなくなるため、基布35にはタテ編みで編み上げられた編布が用いられている。
前記地糸35aには耐久性、柔軟性の高い糸が用いられており、このような糸としてはフィラメント糸、紡績糸等が挙げられる。地糸35aを形成する繊維には動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能なものを用いることが好ましい。このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維、綿等よりなる天然繊維等が挙げられる。この実施形態において地糸35aにはポリエステル繊維からなる嵩高い紡績糸が使用されている。
前記摺接層33を形成するパイル糸36は、耐久性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れるとともに、摺動性の良い複数本の繊維を撚糸加工することにより形成されている。このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フッ素樹脂等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維が挙げられる。なかでも、フッ素樹脂よりなる合成繊維は摩擦係数が低く、パイル糸36の材質として最も好ましい。
前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が用いられる。これらのうち、通常は、入手が容易なPTFEが用いられる。
パイル糸36を形成する繊維の太さは、繊維が柔軟性を維持しながら毛倒れしない程度の剛性を保持できる範囲である3〜20デシテックスであることが好ましく、5〜10デシテックスであることがより好ましい。この実施形態のパイル糸36には、1本当たりの太さが約7.3デシテックスのPTFEよりなる合成繊維を撚糸加工し、その太さが220デシテックス/30フィラメントとなるように形成されたものが用いられている。
パイル糸36が前記基布35に対し、地糸35aに絡むようにして編み込まれることにより、摺接層33を構成するベロア材が形成される。この状態でパイル糸36は、その基端部が地糸35aにより締め付けられて基布35上に立設されるとともに、上端部で各繊維同士の間隔が広がることにより基布35上に起毛されている。さらに、地糸35aには嵩高な紡績糸が用いられていることから、パイル糸36の基端部がより強固に締め付けられ、パイル糸36の基端部が基布35に確実に保持されている。また、基布35の裏面には図示しない合成樹脂製のコーティング層が設けられている。該コーティング層はエマルションよりなるコーティング剤より形成され、基布35を形成する地糸35aの間に含浸されてほつれを防止するとともに、パイル糸36の基端部と基布35とを接合している。
上記のような編布よりなる基布35上にパイル糸36が起毛されたベロア材は、図3に示すダブルラッセル編機を用いて形成されている。すなわち、ダブルラッセル編機は、その両側部に編布を編成するための一対の対向する編部41が配設されている。各編部41にはそれぞれの上方から地糸35aが給糸されることにより、各編部41で編布よりなる基布35が互いに対向するようにそれぞれ編成されるようになっている。この実施形態では、24ゲージ/2.54cm(1インチ)のダブルラッセル編機を用い、コース方向で地糸35aが2.54cm当たり32本となるように構成した編布よりなる基布35が形成されている。
図3中に実線及び二点鎖線で示すように、パイル糸36は両編部41の間を往復動しながら給糸され、各編部41でそれぞれ編成された基布35の間を架橋するように両基布35に編み込まれている。パイル糸36により架橋された状態の2枚の基布35は、各編部41から下方へと排出されるようになっている。そして、パイル糸36の中間部をカッター42で切断し、2枚の基布35を切り離すことにより、基布35と所定長さに切り揃えられたパイル糸36とから構成されるカットパイル形態のベロア材が2枚同時に形成される。
ベロア材を形成する際、パイル糸36は、これを形成する繊維の本数が基布35の表面において、2.54cmの面積内に1万〜20万本となるように基布35に編み込まれることが好ましい。繊維の本数を1万本未満とすると、所望とするクリーニング機能及びシール機能を得にくくなり、20万本より多くした場合、感光ドラム11に対する抵抗が大きくなってその回転が阻害されるおそれがある。
加えて、パイル糸36の基布35表面からの高さは、0.5〜5mmであることが好ましい。パイル糸36の高さが0.5mmより低いとき、パイル糸36が基布35の表面全体を覆うことができなくなり、パイル糸36同士の間に隙間が生じ、トナー15のシール機能が損なわれるおそれがある。また、パイル糸36同士の間の隙間から基布35の一部が感光ドラム11表面に接触され、感光ドラム11に対する抵抗が大きくなるおそれもある。また、パイル糸36の高さが5mmより高い場合には感光ドラム11との接触部分が大きくなって、抵抗が大きくなったり、パイル糸36が感光ドラム11との接触によりへたりを生じやすく、トナー15に対するクリーニング機能及びシール機能を十分に発揮することができなくなったり、あるいは製造コストが嵩んだり等するおそれがある。
また、パイル糸36は、その先端部が感光ドラム11の回転方向に延びるように斜毛されている。パイル糸36を斜毛する際には基布35に対するパイル糸36の角度を1〜45°に形成することが好ましく、1〜20°に形成することがより好ましい。基布35に対するパイル糸36の角度が1°未満の場合、パイル糸36のほぼ全体が感光ドラム11に接触されてしまい、トナー15を十分に掻き取ることができなくなる。45°より大きくなると、パイル糸36同士の間隔が拡がり、パイル糸36内に捕集されたトナー15が漏れ出てしまうおそれがある。
次に、前記クリーニング材30の作用について以下に記載する。
さて、クリーニング材30を製造する際には、まずダブルラッセル編機を用いて2枚のベロア材を同時に形成し、各ベロア材を摺接層33としてその裏面にコーティング層を設けた後、これに接着膜32を介して支持層31を貼り合わせる。次いで、支持層31の裏面に貼付層34を形成した後、ダイカット加工法で平面L字状に切り抜くことによりクリーニング材30が製造される。クリーニング材30を切り抜くとき、摺接層33の基布35は、図2に示すようなタテ編みによって得られる編布より形成されており、地糸35a同士が複雑に絡みあっていることから、その切断面での糸同士のほつれが抑制される。
図4及び図5(a),(b)に示すように、クリーニング材30は、その内側縁が現像部14の間隔保持キャップ14bの内端縁に揃えられた状態で、クリーニング部18を構成するハウジング23の取付部23aに貼付される。この状態でパイル糸36が感光ドラム11に摺接され、感光ドラム11の表面において、パイル糸36が間隔保持キャップ14bと接触する箇所に付着したトナー15を掻き取ることにより、感光ドラム11の表面がクリーニングされる。掻き取られたトナー15は、パイル糸36を形成する繊維に付着して取り込まれたり、基布35を形成する地糸35aの編み目内に詰まったり等されることによって摺接層33内に捕集される。
一方、クリーニングブレード21において、感光ドラム11の表面から掻き取られたトナー15は横方向に流れ、ハウジング23の外方へ漏れ出そうとする。このとき、クリーニング材30は上に挙げたトナー15を捕集する機能と、これに加え、パイル糸36及び支持層31がトナー15に対する壁となり、その漏れ出しをブロックすることによってもトナー15のシール機能を発揮する。
上記のようにして、クリーニング材30は、感光ドラム11表面をクリーニングしながら、これよりも外端側へのトナー15の漏れをシールする。このため、現像ローラー14aの両端に設けられた間隔保持キャップ14b及び感光ドラム11の間へのトナー15の進入が防止され、現像ローラー14aと感光ドラム11との間の間隙14cがほぼ一定幅に保持される。
前記第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ クリーニング材30を構成する摺接層33の基布35は、タテ編みで得られる編布より形成されている。この編布は、地糸35aがループを形成しながら、該ループを縦方向に連結するように編み上げて構成されており、地糸35a同士が複雑に絡みあっていることから、その切断面において、切断によって生ずる糸のほつれを防止することができる。そして、地糸35aに絡むようにして編み込まれたパイル糸36の基端部が地糸35aでしっかりと保持されることにより、基布35からのパイル糸36の抜け落ちを防止することができる。
・ また、タテ編みで得られる編布は、元来伸縮しにくく、基布35の編み目が拡がったり、地糸35a同士の絡みが緩んだり等することによるパイル糸36の抜け落ちを確実に防止することができる。
・ 摺接層33を構成するベロア材はダブルラッセル編機を用いることにより、地糸35a及びパイル糸36をそれぞれ編み上げるとともに、パイル糸36をその中間部で切断することにより、同時に2枚を製造することができる。このため、編布よりなる基布35と該基布35上に起毛されたパイル糸36とからなるカットパイル形態のベロア材を容易かつ迅速に製造することができる。
・ クリーニング材30の支持層31を形成する合成樹脂材料にはJIS K6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MPaのものが用いられている。このため、感光ドラム11の回転を阻害することなく、摺接層33のパイル糸36を十分に接触させることができる。
・ クリーニング材30のパイル糸36は、基布35に対する角度が1〜45°でその先端部が感光ドラム11の回転方向に延びるように斜毛されている。このため、パイル糸36を感光ドラム11に効果的に接触させることができ、トナー15を十分に掻き取ることができるとともに、掻き取られたトナー15をパイル糸36内に効果的に捕集することができる。
・ 摺接層33の裏面にはエマルションよりなるコーティング層が設けられており、該コーティング層により、基布35の編み目の拡がりを効果的に抑制し、パイル糸36の基端部を確実に保持することができる。
・ パイル糸36は、フッ素樹脂製の合成繊維より形成されており、感光ドラム11に対する抵抗を低減することができる。
なお、第1実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記クリーニング材30によりクリーニング及びシールされる微細粉粒体はトナー15のみに限らず、例えば紙粉、埃等であってもよい。
・ 前記クリーニング材30は、摺接層33さえ備えていれば、支持層31、接着膜32、コーティング層及び貼付層34のうち少なくとも1つを省略して構成してもよい。例えば、接着膜32を省略し、エマルション等のコーティング剤より形成されたコーティング層を介して支持層31の表面に摺接層33を接合してもよい。又は、コーティング層を省略し、接着膜32により基布35とパイル糸36の基端部とを接合してもよい。若しくは、支持層31等を省略し、摺接層33及びコーティング層のみでクリーニング材30を構成してもよい。
・ クリーニング材30をクリーニング部18よりも感光ドラム11の回転方向の前方又は後方に配設し、クリーニング機能のみを発揮させるように構成してもよい。このクリーニングのみを行うクリーニング材30は、摺接層33さえ備えていれば、支持層31、接着膜32、コーティング層及び貼付層34のうち少なくとも1つを省略して構成してもよい。
・ 前記のクリーニング材30と同じく、クッション材よりなる支持層と、支持層の表面に接着膜を介して接合された摺接層と、摺接層の裏面に設けられたコーティング層と、支持層の裏面に形成された貼付層とからなる微細粉粒体の漏れをシールするシール材を構成してもよい。このシール材は、例えば平面縦長四角状をなすように形成され、現像ローラー14aとハウジング14dとの間において、現像ローラー14aの両端部に接触し、かつ両間隔保持キャップ14bよりも内端側に位置するように設けられている。さて、シール材は、移動体としての現像ローラー14aのほぼ半周部分に接触するようにして、支持体としてのハウジング14dに接合される。そして、現像ローラー14aの表面にトナー15が供給されるとき、現像ローラー14aとハウジング14dとの隙間から間隔保持キャップ14bの表面へ漏れ出そうとするトナー15を摺接層のパイル糸内に捕集及びブロックすることにより、シール材がトナー15の漏れをシールするようになっている。
このように、タテ編みによって得られる編布により摺接層の基布を形成したシール材においても、その切断面において切断によって生ずる糸のほつれを防止することができるとともに、そのシール機能を有効に発揮することができる。また、このシール材は現像ローラー14aに接合してもよい。さらには、摺接層さえ備えていれば、支持層、接着膜、コーティング層及び貼付層のうち少なくとも1つを省略してシール材を構成してもよい。
・ 実施形態及び前に挙げたクリーニング機能とシール機能の両機能を発揮するクリーニング材、シール機能のみを発揮するシール材及びクリーニング機能のみを発揮するクリーニング材を、現像部14及びクリーニング部18のみならず、微細粉粒体が付着する箇所ならば、例えば転写部16を構成する転写ベルト、記録用紙17を搬送する搬送ベルト等に設けてもよい。あるいは、電子写真装置以外に、例えば微細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備においてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送するコンベア等のクリーニング材としてもよい。その他にも、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り装置のシート挿入口等のクリーニング材としてもよい。さらには、引き違いサッシ、箪笥、食器棚等の家具、車両の窓枠等において隙間を塞ぐシール材としてもよい。
・ 基布35を形成する編布は、ダブルラッセル編機に限らず、ダブルトリコット編機を用いて編成してもよい。
・ パイル糸36に導電性繊維を用い、導電性を付与してもよい。パイル糸36に導電性を付与する方法としては、例えばニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子等のような導電性物質を原糸段階で練り込む方法が挙げられる。また、パイル糸36を形成する繊維の表面を導電性物質を含む加工液によって被覆する方法により導電性を付与してもよい。このように構成した場合、静電気が帯電された状態のトナー15を除電することができ、感光ドラム11の表面に静電気により付着したトナー15をも容易に掻き取ることができる。
・ さらにまた、パイル糸36のみならず、支持層31、接着膜32、コーティング層及び貼付層34のうち少なくとも1つに前に挙げた導電性物質を練り込む等して導電性を付与してもよい。このように構成した場合、静電気の除電効果を高めることができるとともに、パイル糸36を含めたクリーニング材又はシール材全体に導電性を付与した場合には帯電させることも可能である。
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態について説明する。なお、この第2実施形態については、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図8は第2実施形態の画像形成装置を概念的に示した図である。この画像形成装置のクリーニング部18において、ハウジング23内にはロール状をなすクリーニング材30aがその表面を感光ドラム11の表面に接触させた状態で支持軸37により回転可能に支持されている。クリーニングブレード21は、その先端をクリーニング材30aの周面に接触させるように、クリーニング材30aの隣接位置に配設されている。そして、感光ドラム11の表面に残留するトナー15はクリーニング材30aのパイル糸36で掻き取られるとともに、クリーニングブレード21によってクリーニング材30aから掻き落とされ、ハウジング23内に回収されている。
図6に示すように、ロール状をなすクリーニング材30aはアルミニウム、ステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる支持軸37と、この支持軸37の表面に接合された帯状をなすパイル編物38とにより構成されている。そして、支持軸37の表面に接着剤を塗布し、その上にパイル編物38を螺旋状をなすように巻回して接着することにより、クリーニング材30aがロール状に形成されている。
図7に示すように、パイル編物38は、地糸をタテ編みで編み上げて得られる編布よりなる基布35と、基布35に対して地糸に絡むようにして編み込まれ、その上に起毛された複数のパイル糸36とからなるベロア材より構成されている。基布35の地糸には前に挙げたような、動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能な合成繊維、半合成繊維、天然繊維等よりなる耐久性、柔軟性の高いフィラメント糸、紡績糸等の糸が用いられている。また、基布35の裏面には合成樹脂製のコーティング層39が設けられている。該コーティング層39はエマルションよりなるコーティング剤より形成され、基布35を形成する地糸35aの間に含浸されてほつれを防止するとともに、パイル糸36の基端部と基布35とを接合している。
パイル糸36には前に挙げたような、耐久性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れるとともに、摺動性の良好な合成繊維、半合成繊維等よりなる糸が用いられ、なかでも、フッ素樹脂よりなる合成繊維は摩擦係数が低く、最も好ましい。フッ素樹脂としては、前に挙げたものの他にテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)も挙げられる。パイル糸36を形成する繊維の太さは、繊維が柔軟性を維持しながら毛倒れしない程度の剛性を保持できる範囲である3〜20デシテックスであることが好ましく、5〜10デシテックスであることがより好ましい。この実施形態のパイル糸36には、1本当たりの太さが約8.8デシテックスのFEPよりなる合成繊維を撚糸加工して太さが440デシテックス/50フィラメントとなるように形成されたものが用いられている。
上記のパイル編物38は、シングルトリコット編機を用いて形成されている。このシングルトリコット編機は地糸及びパイル糸36でループを形成しつつ、地糸及びパイル糸36を垂直方向に交差するように絡めながら、それぞれのループを縦方向に連結させるタテ編みでパイル編物38を編み上げるように構成されている。この実施形態では、40ゲージ/2.54cm(1インチ)のシングルトリコット編機を用い、コース方向で地糸が2.54cm当たり40本となるように基布35が形成されている。
図9に示すように、シングルトリコット編機で得られたパイル編物38は、シート状をなす基布35の表面でループ状に編み込まれたパイル糸36が複数のループ部36aを形成している。また、パイル糸36の各ループ部36aは、それぞれがオーバーラップしながらパイル編物38のウェール方向(図9中に矢印で示す方向)に連なって配設されており、基布35に対してパイル糸36が高密度に編み込まれている。なお、パイル編物38をヨコ編で形成した場合には基布35の表面に形成されるパイル糸36の各ループ部36a同士をオーバーラップさせることができず、基布35に対してパイル糸36を高密度に編み込むことはできない。
シングルトリコット編機で得られたパイル編物38は、図10に示すような装置を使用することによって開繊処理が施され、パイル糸36の各ループ部36aがそれぞれ切断されるようになっている。すなわち、開繊処理を施す装置は、略円柱状をなす支持体43aと、支持体43aの周面から突設された複数の針43bとから形成された針状体としての針布ローラー43を有している。この針布ローラー43はその針43bの先端をパイル糸36のループ部36aに摺接させながら回転することができるようにるように配設されている。そして、この針布ローラー43が回転し、その針43bでパイル糸36の各ループ部36aを引っ掻くことにより、パイル糸36はループ部36aで切断されるようになっている。
針43bで引っ掻かれ、ループ部36aで切断されたパイル糸36は、その基端部が地糸により締め付けられていることから、上端部で各繊維同士の間隔が広がることにより開繊され、基布35上に起毛されるように構成されている。この状態で基布35上に起毛された各パイル糸36は、基布35の表面から直立しておらず、それぞれが複雑に絡みあっている。このため、起毛されたパイル糸36は、ボリューム感を増し、クッション性に優れたものとなり、感光ドラム11に対して柔らかに接触し、感光ドラム11の傷付きを抑制することが可能となる。また、各パイル糸36同士が複雑に絡みあっていることから、それぞれのパイル糸36の斜毛方向を考慮する必要がなく、斜毛加工を省略することが可能となる。
上記のようにしてパイル糸36が基布35表面で起毛されたパイル編物38は、シート状の形態のまま、図11に示すような装置を使用することによってシャーリング加工が施され、基布35の表面からその上端までが所定高さとなるように切り揃えられている。すなわち、シャーリング加工を施す装置は略円柱状をなすロータリー刃44を備えており、このロータリー刃44は基布35の表面から所定高さを維持した状態で回転可能に配設されている。そして、パイル糸36はその上端部がロータリー刃44に接触され、切断されることによって所定高さに切り揃えられるように構成されている。そして、パイル糸36が所定高さに切り揃えられたパイル編物38は、その基布35の部分で裁断されることによって帯状に形成され、支持軸37に接着されるようになっている。
シャーリング加工を施す際、基布35表面からパイル糸36の上端までの高さは0.5〜5mmであることが好ましい。パイル糸36の高さが0.5mm未満の場合、パイル糸36が基布35の表面全体を覆うことができず、パイル糸36同士の間に生じた隙間から基布35の一部が感光ドラム11表面に接触し、接触抵抗が大きくなるおそれがある。パイル糸36の高さが5mmより高い場合、感光ドラム11との接触部分が大きくなって抵抗が大きくなったり、感光ドラム11との接触によりパイル糸36がへたりを生じやすく、トナー15に対するクリーニング機能を十分に発揮することができなくなったり、あるいは製造コストが嵩んだり等するおそれがある。
次に、前記クリーニング材30aの作用について以下に記載する。
さて、クリーニング材30aを製造する際には、まずシングルトリコット編機を用い、図9に示すような1枚のシート状をなすパイル編物38を形成し、その裏面にコーティング層39を設ける。次いで、図10に示すような装置を用いてパイル糸36に開繊処理を施し、基布35上に起毛させた後、図11に示すような装置を用いてシャーリング加工を施し、基布35の表面からのパイル糸36の高さを0.5〜5mmの範囲内に切り揃える。
シャーリング加工を施した後、基布35を裁断することにより、シート状をなすパイル編物38が帯状に成形される。このとき、基布35はタテ編みによって得られる編布より形成されており、地糸同士が複雑に絡みあっていることから、その切断面での糸同士のほつれが抑制される。また、各パイル糸36同士が複雑に絡みあい、それぞれの斜毛方向を考慮する必要がないため、ウェール方向又はこれと直交するゲージ方向のいずれの方向から基布35を裁断してもパイル糸36の斜毛形態に変化はなく、均一なパイル形態となる。そして、開繊処理及びシャーリング加工が施された後、帯状に裁断されたパイル編物38が支持軸37の周面に螺旋状に巻回され、接着されることによってロール状のクリーニング材30aが製造される。
図8に示すように、ロール状のクリーニング材30aは、その表面のパイル糸36が感光ドラム11に摺接されるように、クリーニング部18のハウジング23内に回転可能に支持される。そして、クリーニング材30aは感光ドラム11の表面に付着したトナー15をその表面のパイル糸36で掻き取り、感光ドラム11の表面をクリーニングする。掻き取られたトナー15は、互いに絡みあうパイル糸36内に捕集されるとともに、クリーニングブレード21の先端がクリーニング材30aの表面に摺接されることによってパイル糸36内からハウジング23の内底面上に掻き落とされ、回収される。また、各パイル糸36同士が複雑に絡みあい、ボリューム感を増すことによってクッション性を有していることから、感光ドラム11の表面をクリーニングするときのパイル糸36の摺接による感光ドラム11の傷付きが防止される。
前記第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ ロール状をなすクリーニング材30aを構成するパイル編物38の基布35は、タテ編みで得られる編布より形成されている。この編布は、地糸がループを形成しながら、該ループを縦方向に連結するように編み上げて構成されており、地糸同士が複雑に絡みあっていることから、その切断面において、切断によって生ずる糸のほつれを防止することができる。そして、地糸に絡むようにして編み込まれたパイル糸36の基端部が地糸でしっかりと保持されることにより、基布35からのパイル糸36の抜け落ちを防止することができる。
・ パイル編物38は、シングルトリコット編機を用いて基布35上にループ状をなすようにパイル糸36を編み込んだ後、開繊処理を施してパイル糸36を基布35上で起毛させることによって形成されている。このシングルトリコット編機は、ダブルラッセル編機と比較して糸の入れ替え等といった編み工程の切り替えが容易であるため、少量生産する場合に好適であり、製造時間の短縮化を図ることができる。また、パイル糸36は開繊処理を施した後に基布35の表面から直立せず、互いに複雑に絡みあっているため、パイル糸36の斜毛方向を考慮する必要がない。このため、ウェール方向又はゲージ方向のいずれの方向から基布35を裁断してもパイル糸36の斜毛形態に変化はなく、斜毛加工を施さずともパイル糸36のパイル形態を常に均一なものとすることができる。
・ さらに、開繊処理は針布ローラー43をパイル糸36に摺接させ、その針43bでループ部36a引っ掻いて切断することにより行われるため、パイル糸36の開繊を容易かつ迅速に行うことができる。
・ 加えて、この実施形態ではロール状のクリーニング材30aを形成する際、支持軸37に巻回される前に、ベロア材としてのパイル編物38にシャーリング加工が施されている。従来、ロール状のクリーニング材を形成する場合には支持軸に予めベロア材を巻回し、接着した後、シャーリング加工を施すようになっている。このため、従来の方法と比較し、ベロア材としてのパイル編物38を平面上に保持した状態でシャーリング加工を施すことができるため、パイル糸36の高さを精度よく揃えることができるとともに、シャーリング加工を簡易に行うことができ、より小径のロール状クリーニング材を形成することができる。
・ 基布35の裏面にはエマルションよりなるコーティング層39が設けられており、該コーティング層39により、基布35の編み目の拡がりを効果的に抑制し、パイル糸36の基端部を確実に保持することができる。
・ パイル糸36は、フッ素樹脂製の合成繊維より形成されており、感光ドラム11に対する抵抗を低減することができる。
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態について説明する。なお、この第3実施形態については、前記第1及び第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
第3実施形態のクリーニング材は、図9に示すような、シングルトリコット編機で得られたパイル編物38から構成されている。すなわち、該クリーニング材は、基布35と、その基布35上に起毛された複数のパイル糸36とを備えている。基布35は、地糸をタテ編みで編み上げて得られる編布から形成されたものである。複数のパイル糸36は、基布35に対して地糸に絡むようにして編み込まれ、その上に起毛されたものである。そして、複数のパイル糸36は、それぞれが基布35の表面にループ状に編み込まれており、複数のループ部36aを形成している。
なお、当該クリーニング材は、このパイル編物38のみから構成してもよい。また、パイル編物38によって前記摺接層33を形成することにより、前記第1実施形態と同様のクリーニング材としてもよい。さらには、パイル編物38を前記支持軸37の表面に巻回して接着することにより、前記第2実施形態と同様のロール状のクリーニング材としてもよい。
さて、第3実施形態のクリーニング材において、パイル編物38は、シングルトリコット編機で得られた後、前記開繊処理を施すことなく、あるいはパイル糸36のループ部36aが切断されない程度に前記開繊処理を施すことによって形成される。この前記開繊処理は、前記第2実施形態と同様に、図10に示すような装置を使用することによって施される。当該クリーニング材において、パイル編物38は、前記開繊処理の有無に係わらず、基布35上で起毛するパイル糸36がループ部36aを維持したまま切断によらず形成されており、切断によって生ずるパイル糸36のほつれを防止することができる。また、第3実施形態のクリーニング材は、図11に示すような装置を使用してパイル編物38にシャーリング加工を施す必要もなく、第2実施形態のものに比べ、製造の簡易化及び短時間化と、シャーリング加工による毛屑(パイル糸36の糸屑)発生の低減が図られる。
なお、前記開繊処理を施した場合、パイル糸36は、図10に示す装置の針布ローラー43の針43bに引っ掛かり、基布35に対して引っ張り上げられることにより、前記開繊処理を施さないものに比べて嵩高くなる。また、前記開繊処理の有無に係わらず、基布35表面からパイル糸36の上端までの高さは、好ましくは0.5〜5mmであり、より好ましくは1〜3mmである。さらに、ループ部36a間の隙間を埋める、感光ドラム11等の移動体に対する摺動抵抗を低減する等の観点から、複数のパイル糸36は、一定方向に斜毛あるいは傾斜させることが好ましい。
当該クリーニング材は、感光ドラム11の表面にループ部36aを有するパイル糸36を摺接させることにより、感光ドラム11の表面に付着したトナー15を掻き取り、この感光ドラム11の表面をクリーニングする。この際、該パイル糸36は、前記第1実施形態あるいは第2実施形態のものに比べ、掻き取り性能が向上している。すなわち、前記第1実施形態あるいは第2実施形態のパイル糸36は、主としてその毛先を感光ドラム11の表面に摺接させることにより、トナー15を掻き取る。これに対し、本実施形態のパイル糸36は、ループ部36aを感光ドラム11の表面に摺接させ、トナー15を掻き取る。従って、当該パイル糸36は、毛先を摺接させるものに比べ、感光ドラム11に対する接触面積が大きくなり、掻き取り性能が向上する。つまり、当該クリーニング材は、移動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取るためのクリーニング材としての用途に好適なものである。なお、当該クリーニング材は、掻き取られたトナー15等の微細粉粒体をループ部36aの内側に収容し、捕集することも可能である。このため、当該クリーニング材を構成するパイル編物38は、微細粉粒体を掻き取るのみならず、微細粉粒体を捕集及びブロックして該微細粉粒体の漏れをシールするためのクリーニング材としても使用することができる。あるいは、パイル編物38は、微細粉粒体を捕集及びブロックして該微細粉粒体の漏れをシールするためのシール材としても使用することができる。
前記第3実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ シングルトリコット編機で得られたパイル編物38において、ループ部36aを切断することなくパイル糸36を形成したことにより、切断によって生ずるパイル糸36のほつれを防止することができる。また、当該クリーニング材においては、その製造の簡易化及び短時間化を図ることができる。なお、パイル編物38において、基布35は、編布より形成されていることから、その切断面における糸のほつれを防止されている。従って、当該クリーニング材は、製造の簡易化及び短時間化による製造コストの低減を図りつつ、パイル糸36のみならず基布35においても、切断によって生ずる糸のほつれを防止することができる。
・ また、ループ部36aを切断したパイル糸36に比べ、感光ドラム11等の移動体に対する接触面積を大きくすることができる。このため、トナー15等の微細粉粒体に対する掻き取り性能の向上を図ることができる。
なお、第2及び第3実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ パイル糸36に導電性繊維を用い、導電性を付与してもよい。パイル糸36に導電性を付与する方法としては、例えばニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子等のような導電性物質を原糸段階で練り込む方法が挙げられる。また、パイル糸36を形成する繊維の表面を導電性物質を含む加工液によって被覆する方法により導電性を付与してもよい。このように構成した場合、静電気が帯電された状態のトナー15を除電することができ、感光ドラム11の表面に静電気により付着したトナー15をも容易に掻き取ることができる。
・ また、上記のようにパイル糸36に導電性を付与した場合には、このロール状のクリーニング材30aを、第2実施形態で示したクリーニング部18に設けられるものに限らず、例えば図8に示す画像形成装置において感光ドラム11に摺接される、帯電部12の帯電ブラシ12a、現像部14の現像ローラー14a等の全てに採用したり、又はこれらのうち少なくとも一部を組み合わせて採用したりしてもよい。
・ 加えて、上に挙げたような感光ドラム11に摺接されるものに限らず、例えば、図12に示すように、別形態の画像形成装置内において、記録用紙17を転写部16へと移送するための転写ベルト45に摺接されるクリーニング材30aに採用してもよい。
すなわち、転写ベルト45は、一対のローラ46の間に張設されており、前記転写部16は、転写ベルト45によって囲まれた内側に配設されている。この転写ベルト45よりも下方位置にはクリーナー部47を構成するハウジング47aが配設されている。ハウジング47a内には、クリーニング材30aが転写ベルト45の表面に接触した状態で回転可能に支持されている。このクリーニング材30aの下方位置には除去ローラ48がクリーニング材30aに対して圧触されるようにして回転可能に支持されている。また、除去ローラ48の下方位置には除去ブレード49がその先端を除去ローラ48の周面に接触させるように配設されている。
そして、クリーニング材30aが転写ベルト45表面に摺接されると、転写ベルト45の表面に付着された紙粉、トナー、埃等が除電されるとともに、クリーニング材30aによって掻き取られる。その後、紙粉、トナー、埃等は、クリーニング材30aの表面から除去ローラ48及び除去ブレード49を介してハウジング47a内に回収される。このように転写ベルト45をクリーニングするためのクリーニング材30aとして構成した場合においても、導電性を付与したパイル糸36により、クリーニング材30aが転写ベルト45に付着した紙粉、トナー、埃等を良好に除去することができる。
・ 上記のようにパイル糸36に導電性を付与する場合、パイル糸36を導電性繊維と、化学繊維よりなる絶縁性繊維とを混織して形成してもよい。なお、前記化学繊維よりなる絶縁性繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、ナイロン、アクリル、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維等が挙げられる。このようにパイル糸36を導電性繊維と絶縁性繊維を混織して形成した場合には、コストが嵩む導電性繊維の使用量を低減することにより、製造コストの低減を図ることができる。
・ さらにまた、パイル糸36のみならず、基布35及びコーティング層39のうち少なくとも一方に前に挙げた導電性物質を練り込む等して導電性を付与してもよい。このように構成した場合、静電気の除電効果を高めることができるとともに、パイル糸36を含めたクリーニング材全体に導電性を付与した場合には帯電させることも可能である。
・ 前記クリーニング材30aによりクリーニングされる微細粉粒体はトナー15のみに限らず、例えば紙粉、埃等であってもよい。
・ 前記クリーニング材30aのパイル編物38は、コーティング層39を省略し、基布35及びパイル糸36のみで構成してもよい。
・ 基布35を形成する編布は、シングルトリコット編機に限らず、シングルラッセル編機を用いて編成してもよい。
・ パイル糸36のループ部36aの切断は針布ローラー43による針43bの引っ掛けによらずとも、例えばループ部36a内にカッター等を挿入し、切断してもよい。
・ 第2実施形態ではロール状をなすクリーニング材は、支持軸37にシングルトリコット編機又はシングルラッセル編機を用いて得られるパイル編物を巻回して形成した。しかし、これに限らず第1実施形態で示したダブルトリコット編機又はダブルラッセル編機を用いて得られるベロア材をパイル編物とし、これを帯状に裁断した後、支持軸37に巻回してロール状をなすクリーニング材を形成してもよい。このように構成した場合にも、パイル編物を構成する基布のほつれを効果的に防止することができるとともに、パイル編物の形成後又はロール状をなすクリーニング材を形成後にパイル糸を一定方向に斜毛させる斜毛加工を施すことにより、クリーニング材に回転方向性を付与することができる。
・ 第2実施形態ではシングルトリコット編機又はシングルラッセル編機を用いて得られるパイル編物38を支持軸37に巻回してロール状をなすクリーニング材30aを形成した。しかし、これに限らずパイル編物38をベロア材とし、これを所定形状に切り抜いて摺接層を形成した後、その裏面に支持層、接着膜、コーティング層及び貼付層を貼付して第1実施形態で示したようなクリーニング機能及びシール機能を発揮するクリーニング材を構成してもよい。また、パイル編物38を用いてこのようなクリーニング材を形成する場合、摺接層さえ備えていれば、支持層、接着膜、コーティング層及び貼付層のうち少なくとも1つを省略して構成してもよい。さらには、このようなクリーニング材をクリーニング部18よりも感光ドラム11の回転方向の前方又は後方に配設し、クリーニング機能のみを発揮させるように構成してもよい。
・ シングルトリコット編機又はシングルラッセル編機を用いて得られるパイル編物38を用い、これを摺接層として、第1実施形態のクリーニング材と同じく、摺接層と、クッション材よりなる支持層と、支持層の表面に接着膜を介して接合された摺接層と、摺接層の裏面に設けられたコーティング層と、支持層の裏面に形成された貼付層とからなる微細粉粒体の漏れをシールするシール材を構成してもよい。このシール材は、例えば平面縦長四角状をなすように形成され、第1実施形態の現像ローラー14aとハウジング14dとの間において、現像ローラー14aの両端部に接触し、かつ両間隔保持キャップ14bよりも内端側に位置するように設けられている。そして、現像ローラー14aの表面にトナー15が供給されるとき、現像ローラー14aとハウジング14dとの隙間から間隔保持キャップ14bの表面へ漏れ出そうとするトナー15を摺接層のパイル糸内に捕集及びブロックすることにより、シール材がトナー15の漏れをシールするようになっている。このように、タテ編みによって得られる編布により摺接層の基布を形成したシール材においても、その切断面において切断によって生ずる糸のほつれを防止することができるとともに、そのシール機能を有効に発揮することができる。また、このシール材は現像ローラー14aに接合してもよい。さらには、摺接層さえ備えていれば、支持層、接着膜、コーティング層及び貼付層のうち少なくとも1つを省略してシール材を構成してもよい。
・ 前に挙げたクリーニング機能とシール機能の両機能を発揮するクリーニング材、シール機能のみを発揮するシール材及びクリーニング機能のみを発揮するクリーニング材を、現像部14及びクリーニング部18のみならず、微細粉粒体が付着する箇所ならば、例えば転写部16を構成する転写ベルト、記録用紙17を搬送する搬送ベルト等に設けてもよい。
あるいは、電子写真装置以外に、例えば微細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備においてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送するコンベア等のクリーニング材としてもよい。その他にも、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り装置のシート挿入口等のクリーニング材としてもよい。さらには、引き違いサッシ、箪笥、食器棚等の家具、車両の窓枠等において隙間を塞ぐシール材としてもよい。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
・ 前記パイル糸の基布の表面からの高さが0.5〜5mmであることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸を十分に接触させることができる。
・ 前記基布の表面において、パイル糸を形成する繊維は2.54cmの面積内に1万〜20万本が配設されることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸のクリーニング機能及びシール機能を十分に発揮させることができる。
・ 前記パイル糸を形成する繊維の太さが3〜20デシテックスであることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸が必要以上に毛倒れすることを抑制することができる。
・ 前記基布を形成する糸として、紡績糸を使用することを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、パイル糸の基端部を効果的に保持することができる。
・ 前記パイル糸を導電性繊維により形成することを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、クリーニング材により除電を行うこともできる。
・ 前記パイル糸を針状体に摺接させ、当該針状体でパイル糸のループ部を引っ掻いて切断することを特徴とする請求項10に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、パイル糸の切断を容易かつ迅速に行うことができる。
・ 前記パイル糸を針状体に摺接させ、当該針状体でパイル糸のループ部を引っ掻いて切断することを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成した場合、パイル糸の切断を容易かつ迅速に行うことができる。
・ 前記パイル糸を開繊し、基布上で起毛させた後、パイル糸を基布の表面からその高さが0.5〜5mmとなるように切り揃えることを特徴とする請求項10又は請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、パイル糸の高さを精度よく揃えることができるとともに、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸を十分に接触させることができる。
・ 前記パイル糸を開繊し、基布上で起毛させた後、パイル糸を基布の表面からその高さが0.5〜5mmとなるように切り揃えることを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成した場合、パイル糸の高さを精度よく揃えることができるとともに、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸を十分に接触させることができる。
・ 前記パイル糸は基布に対し、シングルトリコット編機又はシングルラッセル編機を使用して編み込まれることを特徴とする請求項10に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、少量生産するときに編み工程の切り替えを容易なものとすることができる。
・ 前記パイル糸は基布に対し、シングルトリコット編機又はシングルラッセル編機を使用して編み込まれることを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成した場合、少量生産するときに編み工程の切り替えを容易なものとすることができる。
・ 前記パイル糸は基布に対し、ダブルトリコット編機又はダブルラッセル編機を使用して編み込まれることを特徴とする請求項4に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、カットパイル形態のクリーニング材を容易に製造することができる。
・ 前記パイル糸は基布に対し、ダブルトリコット編機又はダブルラッセル編機を使用して編み込まれることを特徴とする請求項9に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成した場合、カットパイル形態のシール材を容易に製造することができる。
・ 前記基布の裏面にはコーティング層を設けることを特徴とする請求項10又は請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、基布のほつれ及びパイル糸の抜け落ちを防止することができる。
・ 前記基布の裏面にはコーティング層を設けることを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成した場合、基布のほつれ及びパイル糸の抜け落ちを防止することができる。
・ 前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維から形成することを特徴とする請求項10又は請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、移動体に対する抵抗を低減することができる。
・ 前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維から形成することを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成した場合、移動体に対する抵抗を低減することができる。
・ 前記パイル糸を導電性繊維により形成することを特徴とする請求項10又は請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場合、クリーニング材により除電を行うこともできる。
第1実施形態のベロア材を示す斜視図。 基布の編み形態を示す概念図。 ダブルラッセル編機により基布を編成する状態を示す概念図。 第1実施形態の電子写真装置を示す概念図。 (a)はベロア材が感光ドラムに接触した状態を示す斜視図、(b)はベロア材が感光ドラムに接触した状態を示す平面図。 第2実施形態のクリーニング材を製造する状態を示す正面図。 第2実施形態のパイル編物を示す斜視図。 第2実施形態の電子写真装置を示す概念図。 開繊処理前のパイル編物を示す斜視図。 パイル編物に開繊処理を施す状態を示す概念図。 パイル編物にシャーリング加工を施す状態を示す概念図。 別形態の電子写真装置を示す概念図。
符号の説明
11…移動体としての感光ドラム、15…微細粉粒体としてのトナー、23…支持体としてのハウジング、30…クリーニング材、30a…ロール状をなすクリーニング材、31…支持層、35…基布、35a…地糸、36…パイル糸、36a…ループ部、37…支持軸、39…コーティング層。

Claims (12)

  1. 微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取ることにより移動体表面をクリーニングするパイル糸とを備えることを特徴とする微細粉粒体のクリーニング材。
  2. 微細粉粒体に接触する移動体又は該移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記支持体又は移動体に摺接して移動体と支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロックすることにより微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備えることを特徴とする微細粉粒体のシール材。
  3. 微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取り、移動体表面をクリーニングするとともに、移動体と支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロックし、微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備えることを特徴とする微細粉粒体のクリーニング材。
  4. 前記基布は、2枚が互いに対向配置された状態で編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架橋するようにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基布の間でパイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り離すことによって構成されたカットパイル形態を有することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  5. 前記基布の裏面にはJIS K 6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MPaのクッション材より形成された支持層を設けることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  6. 前記パイル糸を基布に対して一定方向に斜毛することにより、基布に対するパイル糸の角度を1〜45°に形成することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  7. 前記基布の裏面にはコーティング層を設けることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  8. 前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維から形成することを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  9. 前記基布は、2枚が互いに対向配置された状態で編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架橋するようにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基布の間でパイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り離すことによって構成されたカットパイル形態を有することを特徴とする請求項2に記載の微細粉粒体のシール材。
  10. 前記パイル糸を基布に対してその表面でループ状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸のループ部を切断して開繊させることにより、パイル糸が基布上で起毛するように形成することを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  11. 前記パイル糸を基布に対してその表面でループ状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸のループ部を切断して開繊させることにより、パイル糸が基布上で起毛するように形成することを特徴とする請求項2に記載の微細粉粒体のシール材。
  12. 前記パイル糸が起毛された基布を帯状に裁断し、当該基布を丸棒状をなす支持軸の表面に螺旋状をなすように巻回して接着することにより、ロール状をなすように形成することを特徴とする請求項4又は請求項10に記載の微細粉粒体のクリーニング材。
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