JP3810693B2 - 貼合せ製品の一体化物の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば画像形成装置等の内部に装着されてトナーのクリーニング材、シール材等として使用される貼合せ製品を出荷等のために複数個を一体化した貼合せ製品の一体化物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のような貼合せ製品として、例えばクリーニング材は基布及び同基布上に起毛されたパイル糸よりなるベロア材と、ベロア材の裏面に接合された支持層と、支持層の裏面に形成された粘着剤よりなる貼付層とより構成されている。このクリーニング材を製造する際には、まずシート状をなすベロア材を作製した後、ベロア材の裏面に両面粘着テープを介して支持層を接着する。さらに、当該支持層の裏面に両面粘着テープを貼り付けて貼付層を形成した後、この貼付層に離型紙が貼付されたままの状態でダイカット加工法により所定形状に裁断することで形成されている。
【0003】
このダイカット加工法は製品を裁断し、シート状をなす製品から複数のクリーニング材を離型紙とともに切り抜く方法である。この方法により形成されたクリーニング材はそれぞれの裏面に離型紙が貼付されたままの状態で各個別に単品として回収される。しかし、各クリーニング材が単品であることから、画像形成装置の所定箇所に貼り付ける際にはクリーニング材の裏面からそれぞれ1枚ずつ離型紙を剥がさねばならず、このような作業が煩雑になるという問題があった。
【0004】
加えて、貼付後に残される離型紙はサイズが小さく、枚数も多いことから、画像形成装置の内部に入り込んだり等してしまうおそれがある。このように画像形成装置の内部に入り込んだ離型紙は取り去りにくく、また機能障害等を引き起こすおそれもあることから、剥がされた離型紙を確実に処分しなければならず、小さな離型紙を一枚ずつ拾い集める等のような煩雑な作業が必要となるという問題もあった。
【0005】
一方、上記ダイカット加工法とは別の裁断方法としてキスカット加工法が挙げられる。当該キスカット加工法は離型紙を残し、シート状をなす製品のみを裁断した後、余剰部分となる箇所を離型紙から剥がし、取り除く方法である。このキスカット加工法により形成された貼合せ製品はシート状をなす離型紙上に複数個が一体化された状態で得られる。そして、キスカット加工法で得られた貼合せ製品は複数個が一体化されていることから、貼合せ製品の裏面からそれぞれ1枚ずつ離型紙を剥がさずとも、1枚の離型紙上から簡易に剥がすことが可能となる。また、貼合せ製品の貼付後に残される離型紙はサイズが大きく、枚数も少ないことから、その処分に係る作業は簡易である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記クリーニング材のようなベロア材を含む貼合せ製品は、裁断後に糸くず等のようなベロア材の切屑が発生してしまうため、当該切屑を除去するための除去処理を施さねばならない。ダイカット加工法で得られた貼合せ製品の場合、各個別にそれぞれが単品として回収されるため、各貼合せ製品毎にエアーを吹き付けたり等することにより、十分な除去処理を施すことが可能である。
【0007】
しかし、キスカット加工法で得られた貼合せ製品の場合、離型紙上で複数個が一体化された状態となっており、除去処理中に高い割合で離型紙から貼合せ製品が剥がれてしまうことから、十分に除去処理を施すことができない。このため、現在までのところ、ベロア材を含む貼合せ製品、特にクリーニング材等のようなサイズが小さいものの裁断をキスカット加工法で行うことは極めて難しく、前に挙げたような問題点があるとしてもダイカット加工法で行うしかなかった。
【0008】
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、キスカット加工法で裁断した後に切屑を十分に除去することができるように構成された貼合せ製品の一体化物を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、基布及び同基布上に起毛されたパイル糸を備えるベロア材を含み、画像形成装置内で微細粉粒体に接触する可動体に前記パイル糸を接触させて微細粉粒体のクリーニング又はシールを行うための貼合せ製品の裏面側に粘着剤よりなる貼付層を設け、同貼付層を介してシート状をなす離型紙上に貼合せ製品を剥離可能に複数個貼付することにより、複数個の貼合せ製品を離型紙上で一体化して構成した貼合せ製品の一体化物であって、前記ベロア材及び貼付層を含むシート材にその裏面に離型紙が貼付された状態で同離型紙を残してシート材のみから貼合せ製品を裁断するためのキスカット加工を施すとともに、同キスカット加工時にベロア材から発生する切屑を除去するための除去処理と、当該キスカット加工後にシート材の貼合せ製品以外の箇所となる余剰部を離型紙から剥がして除去するための剥離処理とを施して形成することを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項1に記載の発明において、前記基布は糸を織り上げて得られる織布又は同糸を編み上げて得られる編布より形成されるとともに、離型紙上における貼合せ製品同士の間隔が当該糸の2〜10本分であることを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記除去処理は、前記剥離処理の前に回転ブラシでブラッシングして行うことを含むものであることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記除去処理は、前記剥離処理の後に回転ブラシでブラッシングして行うことを含むものであることを特徴とするものである。
【0013】
請求項5に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明において、前記除去処理は、離型紙及び貼合せ製品上から貼合わせ製品に網体を被せつつ切屑を吸引することによって行うものを含むものであることを特徴とするものである。
【0014】
請求項6に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項1から請求項5にいずれかに記載の発明において、前記キスカット加工は、貼合せ製品の周縁形状に対応した枠状をなす切断刃が複数並設された型枠を用い、同型枠をシート材に押し付けることによって施されるとともに、切断刃同士の距離に基づいて規定される貼合せ製品同士の間隔が1.5〜7mmであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項7に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項6に記載の発明において、前記キスカット加工は、前記型枠でシート材の一部を裁断する裁断作業を行い、同シート材の未裁断部と型枠とが対応するようにシート材又は型枠を前記切断刃が並設される方向と直交する方向に相対移動させて当該裁断作業を繰り返すことにより、シート材に対し裁断作業を連続して行うことによって施されるものであるとともに、前記貼り合わせ製品の周縁を延長するように前記相対移動の方向に切断刃を延長して補助刃を設け、キスカット加工時に同補助刃で前記補助刃により形成されるシート材の切目の端部が各裁断作業でそれぞれ重なるように余剰部を切断して複数の分割片に分割し、前記剥離処理は、各分割片をそれぞれ離型紙から剥がすことによって行うものであることを特徴とするものである。
請求項8に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法の発明は、請求項7に記載の発明において、前記剥離処理は、前記複数の分割片に分割された余剰部のうち、前記各裁断作業毎に補助刃による切目の端部同士をそれぞれ重ねることによって連続して形成され、前記相対移動の方向に一直線状に延びる分割切目に沿って裁断されたシート材上で、当該分割切目に沿って各貼合せ製品の間に位置する複数の第1分割片を離型紙から剥がす場合において、一長側縁が前記分割切目に位置合わせされる長板状をなす支持体と、当該支持体の前記一長側縁から横方向に突設され各貼合せ製品上に配設される複数の押圧部とを備えた押さえ治具を用いて、前記支持体の前記一長側縁を分割切目に位置合わせするとともに、各押圧部が各貼合せ製品をそれぞれ上方から押さえ付ける状態としつつ前記離型紙から前記第1分割片を剥がすことを特徴とするものである。
請求項9に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法は、請求項7に記載の発明において、前記裁断作業において、前記シート材の未裁断部と型枠とが対応するようにシート材又は型枠を相対移動させる場合に、キスカット加工の開始時及び終了時において前記切断刃が前記シート材の縁からはみ出した状態となるように前記切断刃に対し前記シート材を当該切断刃の略半分の距離だけずれた位置に相対移動させることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の貼合せ製品として画像形成装置における微細粉粒体のクリーニング材を構成した場合の実施形態を詳細に説明する。まず、クリーニング材の構成について説明する。
【0017】
図5に示すように、クリーニング材30は平面L字状をなし、クッション材よりなる支持層31と、支持層31の表面に接着剤より形成された接着膜32を介して接合される摺接層33とを備えている。この摺接層33は合成樹脂製の基布35と、その基布35上に起毛された複数本のパイル糸36とから形成されるベロア材より構成されている。そして、支持層31の裏面に粘着剤より形成された貼付層34が設けられることによりクリーニング材30が形成されている。
【0018】
前記支持層31を形成するクッション材としては、弾力性を有するとともに耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で接着可能な材料より形成されたものを用いることが好ましい。このようなクッション材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂の発泡体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー等が用いられる。
【0019】
前記接着膜32は、接着剤が硬化した後でも柔軟性を有する接着剤により形成されるのが好ましい。さらに接着膜32は耐熱性を有するとともに、曲げた状態でも使用することができるように曲面状に変形可能な材料により形成されるのが好ましい。このような性質を有する接着剤としてはゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が挙げられる。この接着膜32は支持層31の表面に感圧接着剤を塗布するか、又は伸びのある芯材の両面に感圧接着剤を塗布してなる両面粘着テープを貼付して形成される。
【0020】
前記摺接層33を形成する基布35は、互いに交差する方向に延びるタテ糸及びヨコ糸を織り上げて得られる織布又は地糸を編み上げて得られる編布より形成されている。また、織布又は編布等を形成する糸には耐久性、柔軟性の高い糸が用いられており、このような糸としてはフィラメント糸、紡績糸等が挙げられる。加えて、糸を形成する繊維には動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能なものを用いることが好ましい。このような繊維としては、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維、綿等よりなる天然繊維等が挙げられる。
【0021】
前記摺接層33を形成するパイル糸36は、基布35が織布であれば同織布にパイル織りし、編布であれば同編布にパイル編みすることによって基布35上に起毛されている。また、基布35の裏面には図示しない合成樹脂製のコーティング層が設けられ、同コーティング層を形成するエマルションよりなるコーティング剤が基布35を形成する糸の間に含浸されることにより、基布35のほつれが防止され、パイル糸36の基端部と基布35とが接合されている。
【0022】
当該パイル糸36は耐久性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れるとともに、摺動性の良い複数本の繊維を撚糸加工することにより形成されている。このような繊維としては、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、フッ素樹脂等よりなる合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維が挙げられる。なかでも、フッ素樹脂よりなる合成繊維は摩擦係数が低く、パイル糸36の材質として最も好ましい。このフッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が挙げられる。
【0023】
前記貼付層34は柔軟性を有する粘着剤により形成される。さらに貼付層34は耐熱性を有するとともに、曲げた状態でも使用することができるように曲面状に変形可能な材料により形成されるのが好ましい。このような性質を有する粘着剤として、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。この貼付層34は支持層31の裏面に感圧接着剤を塗布して形成するか、あるいは伸びのある芯材の両面に感圧接着剤を塗布してなる両面粘着テープを支持層31の裏面に貼付して形成される。この実施形態の貼付層34はアクリル系の感圧接着剤を使用した両面粘着テープ(住友スリーエム社製商品名F−9469PC、VHB接着剤転写テープ、厚さ0.125mm)により形成されている。
【0024】
図1に示すように、貼合せ製品の一体化物は、上記のクリーニング材30がシート状をなす離型紙45の表面に複数個配設され、その貼付層34を介して剥離可能に貼付されることにより構成されている。当該離型紙45はポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂製のフィルム、紙等から形成されている。該離型紙45にはシリコーンが含浸されており、これと異なる系統であるアクリル系の粘着剤よりなる貼付層34は離型紙45に対して弱い粘着力しか発揮せず、離型紙45から貼付層34を容易に剥離することができるように構成されている。そして、離型紙45を湾曲させながらクリーニング材30を手でめくり上げることで各クリーニング材30を離型紙45からそれぞれ剥離することができる。
【0025】
貼合せ製品の一体化物は、シート状をなす摺接層33、支持層31、貼付層34及び離型紙45を互いに貼り合わせて形成されたシート材から、離型紙45を残してクリーニング材30のみを切り抜くキスカット加工法で形成されている。このキスカット加工法について説明する。
【0026】
図3(a)は、キスカット加工法で用いられる型枠50を示す斜視図である。型枠50は、木材等よりなる基台53と、同基台53上に並列して設けられた開口枠状をなす複数の刃体55と、各刃体55の開口を塞ぐように配設された平板状の刃板54とを備えている。これら刃体55及び刃板54で囲まれた部分によりクリーニング材30の周縁形状に対応したL字枠状をなす切断刃51が形成されている。また、当該切断刃51を形成する刃板54は、その両端部分がクリーニング材30の周縁となる一側縁を延長するように、切断刃51から横方向へそれぞれ延長されている。この切断刃51から延長された刃板54の両端部分によって補助刃56がそれぞれ形成されている。
【0027】
図3(b)に示すように、キスカット加工法において、型枠50はその切断刃51を下方に向けた状態で配設される。型枠50の下方位置にはシート状をなす摺接層33、支持層31、貼付層34及び離型紙45を互いに貼り合わせて形成されたシート材52が摺接層33を上に向けた状態で配置されている。シート材52は型枠50が接近し、その切断刃51を押し付けることにより摺接層33側から裁断される。このとき、シート材52に切断刃51が押し付けられる応力を調整することにより、離型紙45は裁断されず、シート材52の摺接層33から貼付層34までの範囲が裁断される。
【0028】
キスカット加工法において、型枠50がシート材52に向かって接近し、シート材52を裁断した後、シート材52から離間するまでを一度の裁断作業とする。一度の裁断作業ではシート材52の一部で短手方向に並ぶ各クリーニング材30が形成される。図3(b)中に矢印で示すように、キスカット加工は、シート材52をその長手方向へ移動させながら、シート材52に対し型枠50を上下方向に往復動させて裁断作業を繰り返すというように、シート材52に対し連続して裁断作業を行うことで施される。そして、キスカット加工が施されることにより、離型紙45が残された状態のまま、シート材52のみから複数のクリーニング材30が打ち抜かれる。
【0029】
図4に示すように、キスカット加工により裁断されたシート材52には前記切断刃51及び補助刃56により複数の切目57が形成されている。これら切目57のうち、切断刃51で形成された切目57により平面L字状に囲まれた部分がクリーニング材30となる。そして、裁断されたシート材52において、クリーニング材30となる部分以外は全て余剰部58とされる。ここで、当該余剰部58についてより詳しく説明する。
【0030】
余剰部58は、シート材52の長手方向に一直線状に延びる分割切目57aにより、複数の分割片として各クリーニング材30の間に位置する複数の第1分割片58aと、シート材52の一長側縁部上で始端から終端まで延びる帯状の第2分割片58bとに分割されている。当該分割切目57aは、キスカット加工時において、各裁断作業毎に形成される補助刃56による切目の端部同士をそれぞれ重ねることによって形成されている。
【0031】
すなわち、前工程の裁断作業で図4中に実線で示すような切目57が形成された後、シート材52は後工程の裁断作業を行うため、その未裁断部に図4中に破線で示した切断刃51が配置されるように移動される。この後工程の裁断作業を行うとき、シート材52は、前工程の裁断作業で補助刃56により形成された切目端部59に補助刃56の端部が重なるように移動される。同後工程の裁断作業で図4中に二点鎖線で示すような切目57が形成されたとき、前工程の裁断作業による切目端部59と、後工程の裁断作業による切目端部59とが重なり合う。
【0032】
補助刃56は切断刃51から延長されて形成されていることから、各裁断作業において、同補助刃56によるそれぞれの切目は、切断刃51による切目57のうちクリーニング材30の一側縁を形成する切目57の延長線上に位置する。このため、前工程の裁断作業による切目端部59と、後工程の裁断作業による切目端部59とを重ねることでクリーニング材30の一側縁を形成する切目57同士が同一直線上に配置される。その後、各裁断作業によるそれぞれの切目端部59同士を重ね合わせながら裁断作業を連続して行うことで、切断刃51による切目57及び補助刃56による切目により、シート材52の長手方向に一直線状に延びる分割切目57aが形成される。
【0033】
前記第2分割片58bは、上記の分割切目57aがシート材52の一長側縁に重なったり、交差したり等することを防止するために設けられる。当該第2分割片58bを設けることにより、分割切目57aがシート材52の一長側縁に重なったり、交差したり等して形状不良のクリーニング材30が形成されることを防止することができる。また、第1分割片58aの両端部にはそれぞれ分割片としての第3分割片58cが切目57によって第1分割片58aから分割可能に形成されている。これら第3分割片58cはキスカット加工の開始時及び終了時において、切断刃51に対しシート材52を半分程度位置ずれさせ、意図的に形状不良となるように裁断作業を行うことで形成される。当該第3分割片58cが形成されるように裁断作業を行う場合、前記切断刃51がシート材52上の短側縁部からはみ出した状態で切目57が形成される。このため、当該切目57を含む分割切目57aは途中で途切れることなくシート材52の短側縁まで確実に形成され、余剰部58を第1分割片58a及び第2分割片58bに確実に分割することができる。
【0034】
離型紙45上において、クリーニング材30同士の間隔は好ましくは当該クリーニング材30の基布35を形成する糸の2〜10本分である。糸2本分よりも間隔が狭い場合、切断刃51で基布35を裁断したときに基布35を形成する糸が切断されやすく、クリーニング材30としたときに基布35がほつれてしまうおそれがある。糸10本分よりも間隔が広い場合、余剰部58の面積が拡がって無駄が多くなり、製造コストが嵩むおそれがある。
【0035】
また、図4に示すように、切断刃51同士の間隔に基づいて規定されるクリーニング材30同士の間隔Wは、好ましくは1.5〜7mmであり、より好ましくは2〜4mmである。クリーニング材30同士の間隔Wを1.5mmより狭くすると、切断刃51同士の間隔はこれ以上に狭くなる。すると、キスカット加工時に切断刃51を構成する刃体55と刃板54の根元部分で基台53が割れたり、クリーニング材30、特にその支持層31から大きな応力が加わったり等することにより切断刃51が変形し、クリーニング材30を所定形状とすることができなくなるおそれがある。間隔Wが7mmより広い場合、余剰部58の面積が拡がって無駄が多くなり、製造コストが嵩むおそれがある。
【0036】
加えて、前記補助刃56の長さは好ましくは1〜4mmであり、補助刃56による切目端部59の重なりは好ましくは0.5〜3mmである。型枠50の移動に基づいて規定されるクリーニング材30同士の間隔Lは、前記補助刃56の長さを2倍した長さから、切目端部59の重なりを引いた長さで求められる。そして、当該間隔Lは、好ましくは1.5〜7.5mmであり、より好ましくは2〜4mmである。間隔Lを1.5mmより狭くした場合、補助刃56の長さ及び重なりのうち少なくとも一方を短くしなければならない。すると、補助刃56による切目端部59同士を重ねにくくなり、分割切目57aを一直線状に形成しにくくなるおそれがある。間隔Wが7.5mmより広い場合、余剰部58の面積が拡がって無駄が多くなり、製造コストが嵩むおそれがある。
【0037】
図2に示すように、キスカット加工が施されたシート材52は、押さえ治具60を利用することによって前記余剰部58を離型紙45から剥がして除去する剥離処理が施されている。当該押さえ治具60は、長板状をなす支持体61と、同支持体61の一長側縁から横方向に突設された複数の押圧部62とから形成されている。当該押圧部62は、クリーニング材30と対応する形状となるように平面L字状に形成されている。
【0038】
剥離処理を行う際には、まず余剰部58の第2分割片58b及び第3分割片58cが離型紙45から剥がされる。次いで、押さえ治具60の支持体61の一長側縁が分割切目57aに位置合わせされ、各押圧部62がクリーニング材30上に配設される。この状態で各押圧部62でクリーニング材30をそれぞれ上方から押さえ付けることにより離型紙45からのクリーニング材30の剥離が防止される。このとき、分割切目57aがクリーニング材30の一側縁と同一直線上で重なるように形成されていることから、支持体61は第1分割片58aに接触せず、支持体61から突出する押圧部62のみがクリーニング材30に接触する。
【0039】
その後、押さえ治具60の押圧部62でクリーニング材30を押さえ付けながら、離型紙45に対し余剰部58の第1分割片58aがシート材52の一側縁側から順番に剥がされる。このように第1分割片58aを剥がすとき、予め第2分割片58b及び第3分割片58cをそれぞれ剥がしておくことにより、第1分割片58aに指をかけやすくなっており、第1分割片58aを容易に剥がすことが可能となる。そして、第1分割片58aを全て剥がした後、図1に示すように離型紙45上にはクリーニング材30のみが残り、貼り合わせ製品の一体化物が形成される。
【0040】
前記押圧部62は、支持体61の一長側縁を分割切目57aに位置合わせした状態でその周縁がクリーニング材30の周縁よりも内側に位置するように、クリーニング材30と比較してそのサイズが小さく形成されている。このとき、クリーニング材30の周縁から押圧部62の周縁までの間隔は好ましくは0.5〜3mmである。間隔が0.5mmより狭いと、クリーニング材30から押圧部62がはみ出し、第1分割片58aを押さえ付けてしまうおそれがある。間隔が3mmより広いと、クリーニング材30を十分に押さえ付けることができず、剥離処理時に離型紙45からクリーニング材30が剥離してしまうおそれがある。
【0041】
上記の剥離処理が施された直後に貼り合わせ製品の一体化物には除去処理が施される。図7に示すように、当該除去処理を施す際、クリーニング材30はその上方から金網、合成樹脂製のネット等よりなる網体71が被せられることにより、離型紙45からの剥離を防止されている。また、当該網体71上には真空吸引を行うためのノズル72が配設されている。そして、クリーニング材30、離型紙45上等に付着したベロア材の切屑が網体71越しにノズル72内へ真空吸引されることにより、貼り合わせ製品の一体化物から除去される。除去処理後、クリーニング材30は複数個が離型紙45上に貼付されたままの状態で貼り合わせ製品の一体化物として出荷される。
【0042】
出荷先でクリーニング材30は離型紙45上から剥がされた後、画像形成装置内のクリーニング部に貼り付けて使用される。ここで、画像形成装置の構成について説明する。
【0043】
図6は画像形成装置を概念的に示した図である。画像形成装置内において可動体としての感光ドラム11は支軸11aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11の周囲にはその上方位置から回転方向に向かって順番に帯電部12、露光部13、現像部14、転写部16、クリーニング部18及びイレーサ19が配設されている。
【0044】
前記現像部14を構成するハウジング14dの内部には現像ローラー14aが回転可能に支持されている。現像ローラー14aの両端部には円筒状をなす間隔保持キャップ14bが外嵌されている。同間隔保持キャップ14bが感光ドラム11の表面に接触されることにより、現像ローラー14aは感光ドラム11から若干離間した位置に保持される。そして、帯電部12でその表面が帯電され、露光部13により静電潜像が形成された感光ドラム11の表面には現像ローラー14aからトナー15が静電気により供給される。
【0045】
前記クリーニング部18を構成するハウジング23の天板内面には支持板20を介してクリーニングブレード21が揺動可能に支持されている。転写部16により感光ドラム11から記録用紙17にトナー15による可視像が転写された後、感光ドラム11の表面に残留するトナー15はクリーニングブレード21により掻き取られ、ハウジング23内へ回収される。ハウジング23の前面には取付部23aが突設されている。同取付部23aと感光ドラム11との間には隙間が形成され、この隙間を塞ぐように前記クリーニング材30が取付部23a上に貼付されている。
【0046】
クリーニング材30は、感光ドラム11の表面で前記間隔保持キャップ14bと接触する箇所に付着したトナー15をパイル糸36で掻き取り、感光ドラム11のクリーニングを行う。また、掻き取られたトナー15はパイル糸36を形成する繊維に付着したり等して捕集される。一方、ハウジング23の外方へ漏れ出そうとするトナー15は、パイル糸36及び支持層31が壁となりその漏れ出しをブロックされる。そして、当該クリーニング材30は感光ドラム11表面のクリーニングを行いながら、クリーニング材30よりも外方へのトナー15の漏れをシールする。
【0047】
前記の実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 実施形態の貼合せ製品の一体化物は、シート材52をキスカット加工で裁断した後、剥離処理を施してクリーニング材30以外の余剰部58を除去し、その後除去処理を施してベロア材から発生する切屑を取り除いて形成されている。当該貼合せ製品の一体化物は、一枚のシート状をなす離型紙45上に複数個のクリーニング材30が貼付され、一体化されて構成されている。このため、使用時には一枚の離型紙45上から所望とする個数分のクリーニング材30を剥がせばよいため、離型紙45からクリーニング材30を剥がす作業を容易に行うことができる。また、離型紙45からのクリーニング材30の剥離を防止してクリーニング材30以外の余剰部58を容易に除去できるように構成したことにより、除去処理を十分に施すことができる。
【0048】
・ クリーニング材30同士の間隔を基布35を形成する糸の2〜10本分としたことにより、キスカット加工時に基布35を形成する糸が切断され、同糸からの切屑の発生を抑えることができる。
【0049】
・ 除去処理を余剰部58の剥離処理の直後に施すことから、余剰部58を剥がすときに抜け落ちたり等する切屑も効果的に除去することができる。
・ また、除去処理はクリーニング材30に網体71を被せた状態で同網体71越しに真空吸引することによって行われるため、除去処理時における離型紙45からのクリーニング材30の剥離を効果的に抑制することができる。
【0050】
・ キスカット加工時にクリーニング材30同士の間隔Wを1.5〜7mm、間隔Lを1.5〜7.5mmとすることにより、一枚のシート材52からより多くのクリーニング材30を効果的に得ることができる。
【0051】
・ さらにまた、キスカット加工時に余剰部58を切断して複数の第1分割片58a、第2分割片58b及び複数の第3分割片58cとすることにより、これより後の工程で離型紙45からのクリーニング材30の剥離を防止した状態で余剰部58を容易に除去することができる。これに加え、第2分割片58b及び複数の第3分割片58cを予め剥がすことにより第1分割片58aに指をかけやすくなり、剥離処理を簡易に行うことができる。
【0052】
・ さらに、補助刃56が各裁断作業毎に形成する切目の端部同士を重ねるように構成したことにより、第1分割片58a同士及び第1分割片58aと第2分割片58bとの境界となる分割切目57aを直線状に形成することができる。また、当該分割切目57aはシート材52の長手方向へ延びるように形成されている。このため、分割切目57aを短手方向へ延びるように形成することと比較した場合、第1分割片58aの枚数を減らすことが可能であり、第1分割片58aを剥がすために必要な作業時間の短縮化を図ることができる。
【0053】
・ 従来のキスカット加工法においては、シート状をなす製品のみを裁断した後、余剰部分となる箇所を離型紙から剥がすとき、貼付層を形成する粘着剤が再粘着されることにより、余剰部分となる箇所とともに貼合せ製品も離型紙から剥がれてしまう場合があった。このため、従来は貼合せ製品を指等で押さえながら余剰部分となる箇所を剥がすことで貼合せ製品の剥離が抑制されていた。しかし、貼合せ製品が実施形態のクリーニング材30のようにサイズが小さく、クッション材を有することにより高い柔軟性が付与され、さらには厚みのある立体的なものの場合、指では十分に押さえることができず、高い確率で貼合せ製品が剥離してしまう。当該実施形態において、キスカット加工後に施される剥離処理は、押さえ治具60を使用することによりクリーニング材30を離型紙45に押さえ付けた状態で行われる。このクリーニング材30を形成する場合にも、貼付層34を形成する粘着剤同士が再粘着されることにより、第1分割片58a及び第2分割片58bを剥がす際にクリーニング材30も一緒に剥がれてしまうおそれはある。しかし、当該押さえ治具60を用いることによってその各押圧部62でクリーニング材30の一つ一つを確実に押さえ付けることが可能であり、余剰部58を剥がす際の離型紙45からのクリーニング材30の剥離を確実に防止することができる。
【0054】
・ また、従来でも棒状の治具等を使用して押さえ付けるならば貼合せ製品を押さえることは十分に可能ではあるが、この場合、余剰部分を剥がすときに貼合せ製品を押さえている治具が干渉してしまう。当該実施形態では、前に挙げたように余剰部58を第1分割片58a、第2分割片58b及び第3分割片58cに分割し、さらに押さえ治具60は各分割片をも考慮してそのサイズ、形状等が調整されている。このため、各分割片を剥がすときの押さえ治具60の干渉を確実に抑えることができる。
【0055】
・ キスカット加工は、シート材52をその長手方向へ移動させながら、シート材52に対し型枠50を上下方向に往復動させて裁断作業を繰り返すというように、シート材52に対し連続して裁断作業を行うことで施される。同キスカット加工において、離型紙45の切断を防止するためには型枠50の加圧力を最適な値に微調節することと、型枠50とシート材52とを可能な限り平行に維持することが必要とされる。このため、シート材52と同じ又は大きなサイズの型枠50を使用するよりも、小さなサイズの型枠50を使用するほうが重量バランス等の面から好ましい。従って、シート材52よりも小さなサイズの型枠50を用いて連続して裁断作業を行うことにより、裁断作業時にシート材52に対する型枠50の加圧力の微調節を行いやすく、また型枠50とシート材52とを平行に維持しやすくすることができる。そして、離型紙45を切断することなくシート材52のみを確実に裁断することができる。加えて、シート材52のサイズを変更する場合にも、裁断作業の回数の変更、型枠50に対するシート材52の移動方向の変更等といった簡単な変更作業で容易に対応することができる。
【0056】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ キスカット加工の直後に除去処理を施し、その後で剥離処理を施してもよい。この場合、例えば図8に示すように、ノズル72内にブラシ73を回転可能に取り付け、同ブラシ73によりブラッシングを行いながらベロア材から切屑を掻き出すとよい。また、剥離処理の前及び後の両方で除去処理を施してもよい。このように構成した場合、ブラシ73によりベロア材のパイル糸36内等に入り込んだ切屑も除去することができる。
【0057】
・ また、図8に示す除去処理を行うための装置において、ブラシ73を正極性又は負極性に帯電させてもよい。このように構成した場合、静電気が帯電された状態の切屑をも効果的に除去することができる。
【0058】
・ 除去処理は真空吸引によって行われることに限らず、例えばシート材52を振動させ、切屑をシート材52上から落下させることにより行ってもよいし、あるいは網体71越しにエアーを吹き付け、切屑を吹き飛ばすことにより行ったり等してもよい。さらには、真空吸引、振動、エアーの吹き付け等の組み合わせて行うことにより、除去処理を施してもよい。
【0059】
・ さらに、除去処理を施す際、例えば空気をイオン化するためのエアーイオナイザー等を使用し、除去処理を施すための装置内部、作業台上等を除電することにより、除電雰囲気中で除去処理を施してもよい。特に、前に挙げたようなエアーを吹き付けて除去処理を行う場合、吹き付けるエアーをイオン化し、除電効果を付与するように構成してもよい。このように構成した場合、静電気によりシート材52、離型紙45等に付着する切屑をも効果的に除去することができる。
【0060】
・ 例えば図9に示すように、型枠50の切断刃51を開口枠状をなす複数の刃体55と、これら刃体55の開口を塞ぐように設けられた一枚の長板状をなす刃板54とで構成してもよい。この型枠50においては、刃板54の両端部及び刃体55の間の部分がそれぞれ補助刃56となる。そして、このような型枠50を用いることにより、余剰部を分割する分割切目をシート材の短手方向へ延びるように形成してもよい。
【0061】
・ キスカット加工は、シート材52を固定した状態で型枠50を上下方向へ往復動させながら横方向へ移動させて施してもよい。
・ 前記基布35は織布又は編布以外にも合成樹脂製のシート材、フィルム、不織布等で形成してもよい。また、パイル糸36は基布35にパイル織り又はパイル編みする以外にも、静電植毛、打ち込み等することで起毛させてもよい。
【0062】
・ 前記クリーニング材30によりクリーニング及びシールされる微細粉粒体はトナー15のみに限らず、例えば紙粉、埃等であってもよい。
・ 前記クリーニング材30は、摺接層33さえ備えていれば、支持層31、接着膜32及びコーティング層のうち少なくとも1つを省略して構成してもよい。例えば、接着膜32を省略し、エマルション等のコーティング剤より形成されたコーティング層を介して支持層31の表面に摺接層33を接合してもよい。又は、コーティング層を省略し、接着膜32により基布35とパイル糸36の基端部とを接合してもよい。若しくは、支持層31等を省略し、摺接層33及びコーティング層のみでクリーニング材30を構成してもよい。
【0063】
・ 貼合せ製品はクリーニング材30に限定されるものではなく、例えば画像形成装置内において、パイル糸内に微細粉粒体を捕集することにより、微細粉粒体の漏れをシールするためのシール材としてもよい。また、クリーニング材30及びシール材ともに、微細粉粒体が付着する箇所ならば、クリーニング部18のみならず、例えば現像部14、転写部16を構成する転写ベルト、記録用紙17を搬送する搬送ベルト等に設けてもよい。あるいは、電子写真装置以外に、例えば微細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備においてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送するコンベア等のクリーニング材としてもよい。その他にも、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り装置のシート挿入口等のクリーニング材としてもよい。さらには、引き違いサッシ、箪笥、食器棚等の家具、車両の窓枠等において隙間を塞ぐシール材としてもよい。
【0064】
・ パイル糸36に導電性繊維を用い、導電性を付与してもよい。パイル糸36に導電性を付与する方法としては、例えばニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子等のような導電性物質を原糸段階で練り込む方法が挙げられる。また、パイル糸36を形成する繊維の表面を導電性物質を含む加工液によって被覆する方法により導電性を付与してもよい。このように構成した場合、静電気が帯電された状態のトナー15を除電することができ、感光ドラム11の表面に静電気により付着したトナー15をも容易に掻き取ることができる。
【0065】
・ 例えば、金属塊を切削加工等することによって切断刃及び補助刃と基台とが一体的に形成された型枠を形成してもよい。
・ キスカット加工時において、第3分割片58cを形成することなく裁断を行ってもよい。この場合、第3分割片58cが形成されないようにシート材52の裁断を行った後、シート材52の端部で途切れた分割切目57aがシート材52の端縁に達するようにカッター等を用いて切目を形成することが好ましい。このように構成した場合、第3分割片58cを省略した分量だけ、一枚のシート材52からより多くのクリーニング材30を得ることができる。
【0066】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 基布及び同基布上に起毛されたパイル糸を備えるベロア材を含み、画像形成装置内で微細粉粒体に接触する可動体に前記パイル糸を接触させて微細粉粒体のクリーニング又はシールを行うための貼合せ製品の裏面側に粘着剤よりなる貼付層を設け、同貼付層を介してシート状をなす離型紙上に貼合せ製品を剥離可能に複数個貼付することにより、複数個の貼合せ製品を離型紙上で一体化して構成した貼合せ製品の一体化物の製造方法であって、貼合せ製品の周縁形状に対応した枠状をなす複数の切断刃と、貼り合わせ製品の周縁を延長するように各切断刃を延長して設けられた補助刃とを有する型枠を用い、前記ベロア材及び貼付層を含み、その裏面に離型紙が貼付されたシート材の表面に型枠を押し付け、離型紙を残して切断刃でシート材を裁断して貼合せ製品を形成するとともに、シート材の貼合せ製品以外の箇所となる余剰部を前記補助刃で切断して複数の分割片に分割し、各分割片をそれぞれ離型紙から剥がして余剰部を除去する貼合せ製品の一体化物の製造方法。このように構成した場合、離型紙からの貼り合わせ製品の剥離を抑えながら、余剰部を簡易に取り除くことができる。
【0067】
(2) 前記貼合せ製品上をブラッシングした後に真空吸引を行うことを特徴とする請求項4に記載の貼合せ製品の一体化物。このように構成した場合、キスカット加工後にベロア材から発生する切屑をより効果的に除去することができる。
【0068】
(3) 前記貼合せ製品を押さえ治具を利用して離型紙に押さえ付けながら、各分割片を離型紙から剥がすことによって剥離処理を施すことを特徴とする請求項6又は請求項7に記載の貼合せ製品の一体化物。このように構成した場合、剥離処理時における離型紙からの貼り合わせ製品の剥離を防止することができる。
【0069】
(4) 前記押さえ治具は貼合せ製品の形状と対応する形状をなす複数の押圧部を有するとともに、当該押圧部をその周縁が貼合せ製品の周縁から内側に位置するように形成することを特徴とする(3)に記載の貼合せ製品の一体化物。このように構成した場合、剥離処理時における離型紙からの貼り合わせ製品の剥離を確実に防止することができる。
【0070】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明によれば、キスカット加工法で裁断した後に切屑を十分に除去することができる。
【0071】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、キスカット加工時におけるベロア材からの切屑の発生を抑えることができる。
請求項3、4に記載の発明によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、キスカット加工時にベロア材から発生する切屑を効果的に除去することができる。
【0072】
請求項に記載の発明によれば、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の効果に加えて、除去処理時における離型紙からの貼り合わせ製品の剥離を抑制しながら、切屑を効果的に除去することができる。
【0073】
請求項に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、一枚のシート材からより多くの貼り合わせ製品を効果的に得ることができる。
【0075】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明の効果に加えて、分割片同士の境界を直線状に形成することができる。
請求項8に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、従来でも棒状の治具等を使用して押さえ付けるならば貼合せ製品を押さえることは十分に可能ではあるが、この場合余剰部分を剥がすときに貼合せ製品を押さえている治具が干渉してしまうため、本発明では、各分割片をも考慮してそのサイズ、形状等が調整されている押さえ治具により各貼合せ製品を押さえるため、第1分割片等に分割された余剰部の各分割片を剥がすときでも、押さえ治具の干渉を確実に抑えることができる。
請求項9に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明の効果に加えて、キスカット加工の開始時及び終了時において、切断刃に対しシート材を相対移動方向に切断刃の半分程度位置ずれさせ、切断刃がシート材上の短側縁部からはみ出した状態で切目が形成される。このように意図的に形状不良となるように裁断作業を行うことで、分割切目は途中で途切れることなくシート材の縁まで確実に形成されるとともに、剥離作業においてシート材の縁に第1分割片以外の分割片が生じて離型紙からの容易に除去することができる。これに加え、これらを予め剥がすことにより第1分割片に指をかけやすくなり、剥離処理を簡易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態の貼り合わせ製品の一体化物を示す斜視図。
【図2】 余剰部を離型紙から剥がす状態を示す分解斜視図。
【図3】 (a)はキスカット加工で使用する型枠を示す斜視図、(b)はキスカット加工でシート材を裁断する状態を示す概念図。
【図4】 裁断されたシート材を示す平面図。
【図5】 クリーニング材を示す斜視図。
【図6】 画像形成装置を示す概念図。
【図7】 除去処理を施す状態を示す概念図。
【図8】 別形態の除去処理を施す状態を示す概念図。
【図9】 キスカット加工で使用する別形態の型枠を示す斜視図。
【符号の説明】
W…切断刃同士の距離に基づいて規定される貼合せ製品同士の間隔、11…可動体としての感光ドラム、15…微細粉粒体としてのトナー、34…貼付層、35…基布、36…パイル糸、45…離型紙、50…型枠、51…切断刃、52…シート材、56…補助刃、57…切目、58…余剰部、58a…分割片としての第1分割片、58b…分割片としての第2分割片、58c…分割片としての第3分割片。

Claims (9)

  1. 基布及び同基布上に起毛されたパイル糸を備えるベロア材を含み、
    画像形成装置内で微細粉粒体に接触する可動体に前記パイル糸を接触させて微細粉粒体のクリーニング又はシールを行うための貼合せ製品の裏面側に粘着剤よりなる貼付層を設け、同貼付層を介してシート状をなす離型紙上に貼合せ製品を剥離可能に複数個貼付することにより、複数個の貼合せ製品を離型紙上で一体化して構成した貼合せ製品の一体化物の製造方法であって、
    前記ベロア材及び貼付層を含むシート材にその裏面に離型紙が貼付された状態で同離型紙を残してシート材のみから貼合せ製品を裁断するためのキスカット加工を施すとともに、
    同キスカット加工時にベロア材から発生する切屑を除去するための除去処理と、
    当該キスカット加工後にシート材の貼合せ製品以外の箇所となる余剰部を離型紙から剥がして除去するための剥離処理とを施して形成することを特徴とする貼合せ製品の一体化物の製造方法
  2. 前記基布は糸を織り上げて得られる織布又は同糸を編み上げて得られる編布より形成されるとともに、
    離型紙上における貼合せ製品同士の間隔が当該糸の2〜10本分であることを特徴とする請求項1に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法
  3. 前記除去処理は、
    前記剥離処理の前に回転ブラシでブラッシングして行うことを含むものであること特徴とする請求項1又は請求項2に記載の貼合わせ製品の一体化物の製造方法。
  4. 前記除去処理は、
    前記剥離処理の後に回転ブラシでブラッシングして行うことを含むものであること特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の貼合わせ製品の一体化物の製造方法。
  5. 前記除去処理は、
    離型紙及び貼合せ製品上から貼合わせ製品に網体を被せつつ切屑を吸引することによって行うものを含むものであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法
  6. 前記キスカット加工は、貼合せ製品の周縁形状に対応した枠状をなす切断刃が複数並設された型枠を用い、
    同型枠をシート材に押し付けることによって施されるとともに、
    切断刃同士の距離に基づいて規定される貼合せ製品同士の間隔が1.5〜7mmであることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法
  7. 前記キスカット加工は、
    前記型枠でシート材の一部を裁断する裁断作業を行い、
    同シート材の未裁断部と型枠とが対応するようにシート材又は型枠を前記切断刃が並設される方向と直交する方向に相対移動させて当該裁断作業を繰り返すことにより、シート材に対し裁断作業を連続して行うことによって施されるものであるとともに、
    前記貼り合わせ製品の周縁を延長するように前記相対移動の方向に切断刃を延長して補助刃を設け、
    キスカット加工時に同補助刃で前記補助刃により形成されるシート材の切目の端部が各裁断作業でそれぞれ重なるように余剰部を切断して複数の分割片に分割し、
    前記剥離処理は、各分割片をそれぞれ離型紙から剥がすことによって行うものであることを特徴とする請求項6に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法
  8. 前記剥離処理は、前記複数の分割片に分割された余剰部のうち、前記各裁断作業毎に補助刃による切目の端部同士をそれぞれ重ねることによって連続して形成され、前記相対移動の方向に一直線状に延びる分割切目に沿って裁断されたシート材上で、当該分割切目に沿って各貼合せ製品の間に位置する複数の第1分割片を離型紙から剥が す場合において、
    一長側縁が前記分割切目に位置合わせされる長板状をなす支持体と、当該支持体の前記一長側縁から横方向に突設され各貼合せ製品上に配設される複数の押圧部とを備えた押さえ治具を用いて、
    前記支持体の前記一長側縁を分割切目に位置合わせするとともに、各押圧部が各貼合せ製品をそれぞれ上方から押さえ付ける状態としつつ前記離型紙から前記第1分割片を剥がすことを特徴とする請求項7に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法。
  9. 前記裁断作業において、前記シート材の未裁断部と型枠とが対応するようにシート材又は型枠を相対移動させる場合に、キスカット加工の開始時及び終了時において前記切断刃が前記シート材の縁からはみ出した状態となるように前記切断刃に対し前記シート材を当該切断刃の略半分の距離だけずれた位置に相対移動させることを特徴とする請求項7に記載の貼合せ製品の一体化物の製造方法。
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