JP2003117496A - 微細粉粒体のクリーニング材及びシール材 - Google Patents

微細粉粒体のクリーニング材及びシール材

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JP2003117496A
JP2003117496A JP2001298334A JP2001298334A JP2003117496A JP 2003117496 A JP2003117496 A JP 2003117496A JP 2001298334 A JP2001298334 A JP 2001298334A JP 2001298334 A JP2001298334 A JP 2001298334A JP 2003117496 A JP2003117496 A JP 2003117496A
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pile
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cleaning material
yarn
pile yarn
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JP2001298334A
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English (en)
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Yasuyuki Ohara
康之 大原
Masaru Nakayama
勝 中山
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Tsuchiya TSCO Co Ltd
Original Assignee
Tsuchiya TSCO Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断によって生ずる糸のほつれを防止するこ
とができる微細粉粒体のクリーニング材及びシール材を
提供する。 【解決手段】 クリーニング材30は、クッション材よ
りなる支持層31と、支持層31の表面に接着膜32を
介して接合された摺接層33と、支持層31の裏面に形
成された貼付層34とから構成されている。摺接層33
は、糸をタテ編みで編み上げて得られる編布より形成さ
れた基布35と、その基布35上に起毛するように編み
込まれた複数のパイル糸36とから形成されている。こ
のクリーニング材30は、微細粉粒体に接触する移動体
に対向する支持体に取り付けられ、パイル糸36で移動
体の表面に付着した微細粉粒体を掻き取って移動体表面
をクリーニングするとともに、移動体と支持体の隙間か
ら漏れ出る微細粉粒体を捕集し、微細粉粒体の漏れをシ
ールするようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば電子写真
装置内において、感光ドラムの周囲に配設されるクリー
ニング部、現像部、転写部等でトナー、紙粉等の微細粉
粒体のクリーニング及びシールを行うための微細粉粒体
のクリーニング材及びシール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、上記のようなクリーニング材及び
シール材は、基布上に複数のパイル糸が起毛されてな
り、その裏面には接着膜を介して支持層が接合されると
ともに、支持層の裏面には貼付層が形成されて構成され
ている。前記基布は、タテ糸と該タテ糸と直交する方向
に延びるヨコ糸とを織り上げることによって得られる織
布より形成されるとともに、基布を形成するヨコ糸に絡
ませるようにパイル糸が織り込まれている。
【0003】該クリーニング材及びシール材は、例えば
クリーニング部、現像部、転写部等を構成するハウジン
グに対し、パイル糸の先端を感光ドラムに接触させるよ
うにして接合されている。そして、クリーニング材なら
ば、感光ドラム表面からトナーを掻き取ることにより、
感光ドラム表面をクリーニングするようになっている。
また、シール材ならば、ハウジングと感光ドラムとの隙
間から外部へ漏れ出そうとするトナーをパイル糸の内部
に捕集及びブロックすることにより、隙間からのトナー
の漏れをシールするようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記クリー
ニング材及びシール材によれば、ハウジングの形状又は
接合部の面積等に対応させるために裁断するとき、織布
より形成された基布がタテ糸及びヨコ糸の延びる方向に
沿って切断される。このため、基布の切断面においてタ
テ糸及びヨコ糸がほつれて脱落したり、織り込まれたパ
イル糸が脱落したり等するおそれがある。そして、脱落
したタテ糸、ヨコ糸及びパイル糸により糸くずが発生し
たり、クリーニング材及びシール材がトナーのクリーニ
ング機能及びシール機能を十分に発揮することができな
くなるという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、切断によって生ずる糸のほつれを防止す
ることができる微細粉粒体のクリーニング材及びシール
材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の微細粉粒体のクリーニング材の
発明は、微細粉粒体に接触する移動体に対向する支持体
に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編布より
形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移動体に
摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取ること
により移動体表面をクリーニングするパイル糸とを備え
ることを特徴とするものである。
【0007】請求項2に記載の微細粉粒体のシール材の
発明は、微細粉粒体に接触する移動体又は該移動体に対
向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得ら
れる編布より形成された基布と、該基布上に起毛され、
前記支持体又は移動体に摺接して移動体と支持体の隙間
から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロックすることに
より微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備える
ことを特徴とするものである。
【0008】請求項3に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材の発明は、微細粉粒体に接触する移動体に対向する
支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編
布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移
動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取
り、移動体表面をクリーニングするとともに、移動体と
支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロッ
クし、微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備え
ることを特徴とするものである。
【0009】請求項4に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明にお
いて、前記基布は、2枚が互いに対向配置された状態で
編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架橋するよ
うにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基布の間で
パイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り離すこと
によって構成されたカットパイル形態を有することを特
徴とするものである。
【0010】請求項5に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材の発明は、請求項3又は請求項4に記載の発明にお
いて、前記基布の裏面にはJIS K 6400の硬さ
試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MP
aのクッション材より形成された支持層を設けることを
特徴とするものである。
【0011】請求項6に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材の発明は、請求項3から請求項5のいずれかに記載
の発明において、前記パイル糸を基布に対して一定方向
に斜毛することにより、基布に対するパイル糸の角度を
1〜45°に形成することを特徴とするものである。
【0012】請求項7に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材の発明は、請求項3から請求項6のいずれかに記載
の発明において、前記基布の裏面にはコーティング層を
設けることを特徴とするものである。
【0013】請求項8に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材の発明は、請求項3から請求項7のいずれかに記載
の発明において、前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維か
ら形成することを特徴とするものである。
【0014】請求項9に記載の微細粉粒体のシール材の
発明は、請求項2に記載の発明において、前記基布は、
2枚が互いに対向配置された状態で編み上げられるとと
もに、2枚の基布の間を架橋するようにそれぞれにパイ
ル糸を編み込んだ後、両基布の間でパイル糸の中間部を
切断し、2枚の基布を切り離すことによって構成された
カットパイル形態を有することを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項10に記載の微細粉粒体のクリーニ
ング材の発明は、請求項1又は請求項3に記載の発明に
おいて、前記パイル糸を基布に対してその表面でループ
状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸のループ部
を切断して開繊させることにより、パイル糸が基布上で
起毛するように形成することを特徴とするものである。
【0016】請求項11に記載の微細粉粒体のシール材
の発明は、請求項2に記載の発明において、前記パイル
糸を基布に対してその表面でループ状をなすように編み
込んだ後、当該パイル糸のループ部を切断して開繊させ
ることにより、パイル糸が基布上で起毛するように形成
することを特徴とするものである。
【0017】請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニ
ング材の発明は、請求項4又は請求項10に記載の発明
において、前記パイル糸が起毛された基布を帯状に裁断
し、当該基布を丸棒状をなす支持軸の表面に螺旋状をな
すように巻回して接着することにより、ロール状をなす
ように形成することを特徴とするものである。
【0018】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、この発明
の第1実施形態として電子写真装置における微細粉粒体
のクリーニング材を構成した場合について説明する。そ
こで、まず電子写真装置の構成について説明する。
【0019】図4は電子写真装置を概念的に示した図で
ある。電子写真装置内において移動体としての感光ドラ
ム11は支軸11aにより回転可能に支持され、その表
面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11
の周囲にはその上方位置から回転方向に向かって順番に
帯電部12、露光部13、現像部14、転写部16、ク
リーニング部18及びイレーサ19が配設されている。
この感光ドラム11は回転時に帯電部12でその表面が
帯電されるとともに、露光部13により静電潜像が形成
された後、現像部14から微細粉粒体としてのトナー1
5が供給される。そして、転写部16により感光ドラム
11及び転写部16間に供給された記録用紙17にトナ
ー15による可視像が転写される。この後、クリーニン
グ部18で感光ドラム11の表面に残留するトナー15
が除去され、イレーサ19で残留する電荷が消去され
る。
【0020】図4及び図5(a),(b)に示すよう
に、前記現像部14を構成するハウジング14dは、前
面が開口された略四角箱状をなすとともに、ハウジング
14dの内部には現像ローラー14aが回転可能に支持
されている。現像ローラー14aの両端部には、その外
径が現像ローラー14aの直径よりも大きな円筒状をな
す間隔保持キャップ14bが外嵌されている。現像ロー
ラー14aは、間隔保持キャップ14bが感光ドラム1
1の表面に接触されることにより、感光ドラム11から
若干離間した位置に保持され、その表面と感光ドラム1
1の表面との間に間隙14cを形成している。そして、
現像ローラー14aの表面のトナー15は、間隙14c
において、静電気により現像ローラー14aの表面から
感光ドラム11の表面へ供給されるようになっている。
【0021】前記クリーニング部18を構成する支持体
としてのハウジング23は前面が開口された略四角箱状
をなすとともに、天板内面には支持板20を介してクリ
ーニングブレード21が揺動可能に支持されている。感
光ドラム11の表面に残留するトナー15は、このクリ
ーニングブレード21の先端縁で掻き取られるようにな
っている。クリーニングブレード21の先端縁とハウジ
ング23の開口底縁との間にはトナー回収通路22が形
成され、掻き取られたトナー15がここからハウジング
23内へ回収される。ハウジング23の前面両側部には
一対の取付部23aが突設されている。これら取付部2
3aと感光ドラム11の両端部との間には隙間が形成さ
れており、この隙間を塞ぐように平面L字状をなすクリ
ーニング材30が取付部23a上に貼付されている。
【0022】次に、クリーニング材30の構成について
説明する。図1に示すように、クリーニング材30はク
ッション材よりなる支持層31と、支持層31の表面に
接着膜32を介して接合された摺接層33と、支持層3
1の裏面に形成された貼付層34とから構成されてい
る。また、前記摺接層33は合成樹脂製の基布35と、
その基布35上に起毛された複数のパイル糸36とから
形成されるベロア材より構成されている。そして、クリ
ーニング材30は、シート状をなす摺接層33、支持層
31及び貼付層34を互いに貼り合わせた状態で、ダイ
カット加工法等で切り抜くことにより形成されている。
【0023】図5(a),(b)に示すように、クリー
ニング材30は、摺接層33のパイル糸36を感光ドラ
ム11の両端に接触させるようにして取付部23aに貼
付されている。そして、クリーニング材30は、そのパ
イル糸36で感光ドラム11の表面に付着したトナー1
5を掻き取って感光ドラム11表面をクリーニングする
とともに、感光ドラム11とハウジング23の隙間から
漏れ出るトナー15を捕集してハウジング23の外部へ
の漏れをシールするようになっている。
【0024】図1に示すクリーニング材30において、
前記支持層31を形成するクッション材としては、弾力
性を有するとともに耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で
接着可能な材料より形成されたものを用いることが好ま
しい。このようなクッション材としては、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂の発泡
体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPD
M)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴ
ム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマ
ー等が用いられる。
【0025】また、クッション材は、JIS K 64
00の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.
3〜3MPaであることが好ましく、0.5〜2MPa
であることがより好ましい。圧縮荷重値が0.3MPa
未満の場合、感光ドラム11に対して摺接層33を十分
に摺接させることができなくなる。また、圧縮荷重値が
3MPaより大きい場合、感光ドラム11の摺接層33
に対する抵抗が大きくなり、その回転が阻害されるおそ
れがある。この実施形態の支持層31は難燃性のポリウ
レタン発泡体(イノアック社製の商品名モルトプレンS
M−55)から形成されている。
【0026】前記接着膜32及び貼付層34は、接着剤
が硬化した後でも柔軟性を有する接着剤により形成され
るのが好ましい。さらに接着膜32及び貼付層34は耐
熱性を有するとともに、曲げた状態でも使用することが
できるように曲面状に変形可能な材料により形成される
のが好ましい。このような性質を有する粘着剤として、
ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。これ
ら接着膜32及び貼付層34は支持層31の表面及び裏
面に対し、感圧接着剤を塗布するか、又は伸びのある芯
材の両面に感圧接着剤を塗布してなる両面粘着テープを
貼付して形成される。この実施形態の接着膜32及び貼
付層34はアクリル系の接着剤を使用した両面粘着テー
プ(接着膜32が日東電工社製の商品名♯500、貼付
層34が日東電工社製の商品名♯5000NC)により
形成されている。
【0027】前記摺接層33を形成する基布35は、図
2に示すように、地糸35aでループを形成しながら該
ループを縦方向に連結させるタテ編みで編み上げて得ら
れる編布より形成されている。また、図2では示されて
いないが、前記パイル糸36はこの編布の各地糸35a
に絡むようにして、地糸35aのループが連結される方
向の垂直方向に交差するように編み上げられている。な
お、編布より基布35を形成する場合、地糸をヨコ編み
で編み上げる方法も挙げられるが、この場合、ヨコ編み
で編み上げられた編布は、切断したときに糸が非常にほ
つれやすく、さらには伸びを有するものとなる。従っ
て、ヨコ編みで編み上げられた編布を基布に用いると、
ダイカット加工法等で切り抜く際、基布がほつれたり、
伸びたり等してクリーニング材を正確な形状に切り抜く
ことができなくなるため、基布35にはタテ編みで編み
上げられた編布が用いられている。
【0028】前記地糸35aには耐久性、柔軟性の高い
糸が用いられており、このような糸としてはフィラメン
ト糸、紡績糸等が挙げられる。地糸35aを形成する繊
維には動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有
し、接着剤で接着可能なものを用いることが好ましい。
このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリ
プロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、ポリエステ
ル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等よりなる合成繊維、レーヨン等よりな
る半合成繊維、綿等よりなる天然繊維等が挙げられる。
この実施形態において地糸35aにはポリエステル繊維
からなる嵩高い紡績糸が使用されている。
【0029】前記摺接層33を形成するパイル糸36
は、耐久性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れるととも
に、摺動性の良い複数本の繊維を撚糸加工することによ
り形成されている。このような繊維としては、超高分子
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド
樹脂、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、フッ素樹脂等よりな
る合成繊維、レーヨン等よりなる半合成繊維が挙げられ
る。なかでも、フッ素樹脂よりなる合成繊維は摩擦係数
が低く、パイル糸36の材質として最も好ましい。
【0030】前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等
が用いられる。これらのうち、通常は、入手が容易なP
TFEが用いられる。
【0031】パイル糸36を形成する繊維の太さは、繊
維が柔軟性を維持しながら毛倒れしない程度の剛性を保
持できる範囲である3〜20デシテックスであることが
好ましく、5〜10デシテックスであることがより好ま
しい。この実施形態のパイル糸36には、1本当たりの
太さが約7.3デシテックスのPTFEよりなる合成繊
維を撚糸加工し、その太さが220デシテックス/30
フィラメントとなるように形成されたものが用いられて
いる。
【0032】パイル糸36が前記基布35に対し、地糸
35aに絡むようにして編み込まれることにより、摺接
層33を構成するベロア材が形成される。この状態でパ
イル糸36は、その基端部が地糸35aにより締め付け
られて基布35上に立設されるとともに、上端部で各繊
維同士の間隔が広がることにより基布35上に起毛され
ている。さらに、地糸35aには嵩高な紡績糸が用いら
れていることから、パイル糸36の基端部がより強固に
締め付けられ、パイル糸36の基端部が基布35に確実
に保持されている。また、基布35の裏面には図示しな
い合成樹脂製のコーティング層が設けられている。該コ
ーティング層はエマルションよりなるコーティング剤よ
り形成され、基布35を形成する地糸35aの間に含浸
されてほつれを防止するとともに、パイル糸36の基端
部と基布35とを接合している。
【0033】上記のような編布よりなる基布35上にパ
イル糸36が起毛されたベロア材は、図3に示すダブル
ラッセル編機を用いて形成されている。すなわち、ダブ
ルラッセル編機は、その両側部に編布を編成するための
一対の対向する編部41が配設されている。各編部41
にはそれぞれの上方から地糸35aが給糸されることに
より、各編部41で編布よりなる基布35が互いに対向
するようにそれぞれ編成されるようになっている。この
実施形態では、24ゲージ/2.54cm(1インチ)
のダブルラッセル編機を用い、コース方向で地糸35a
が2.54cm当たり32本となるように構成した編布
よりなる基布35が形成されている。
【0034】図3中に実線及び二点鎖線で示すように、
パイル糸36は両編部41の間を往復動しながら給糸さ
れ、各編部41でそれぞれ編成された基布35の間を架
橋するように両基布35に編み込まれている。パイル糸
36により架橋された状態の2枚の基布35は、各編部
41から下方へと排出されるようになっている。そし
て、パイル糸36の中間部をカッター42で切断し、2
枚の基布35を切り離すことにより、基布35と所定長
さに切り揃えられたパイル糸36とから構成されるカッ
トパイル形態のベロア材が2枚同時に形成される。
【0035】ベロア材を形成する際、パイル糸36は、
これを形成する繊維の本数が基布35の表面において、
2.54cm2の面積内に1万〜20万本となるように
基布35に編み込まれることが好ましい。繊維の本数を
1万本未満とすると、所望とするクリーニング機能及び
シール機能を得にくくなり、20万本より多くした場
合、感光ドラム11に対する抵抗が大きくなってその回
転が阻害されるおそれがある。
【0036】加えて、パイル糸36の基布35表面から
の高さは、0.5〜5mmであることが好ましい。パイ
ル糸36の高さが0.5mmより低いとき、パイル糸3
6が基布35の表面全体を覆うことができなくなり、パ
イル糸36同士の間に隙間が生じ、トナー15のシール
機能が損なわれるおそれがある。また、パイル糸36同
士の間の隙間から基布35の一部が感光ドラム11表面
に接触され、感光ドラム11に対する抵抗が大きくなる
おそれもある。また、パイル糸36の高さが5mmより
高い場合には感光ドラム11との接触部分が大きくなっ
て、抵抗が大きくなったり、パイル糸36が感光ドラム
11との接触によりへたりを生じやすく、トナー15に
対するクリーニング機能及びシール機能を十分に発揮す
ることができなくなったり、あるいは製造コストが嵩ん
だり等するおそれがある。
【0037】また、パイル糸36は、その先端部が感光
ドラム11の回転方向に延びるように斜毛されている。
パイル糸36を斜毛する際には基布35に対するパイル
糸36の角度を1〜45°に形成することが好ましく、
1〜20°に形成することがより好ましい。基布35に
対するパイル糸36の角度が1°未満の場合、パイル糸
36のほぼ全体が感光ドラム11に接触されてしまい、
トナー15を十分に掻き取ることができなくなる。45
°より大きくなると、パイル糸36同士の間隔が拡が
り、パイル糸36内に捕集されたトナー15が漏れ出て
しまうおそれがある。
【0038】次に、前記クリーニング材30の作用につ
いて以下に記載する。さて、クリーニング材30を製造
する際には、まずダブルラッセル編機を用いて2枚のベ
ロア材を同時に形成し、各ベロア材を摺接層33として
その裏面にコーティング層を設けた後、これに接着膜3
2を介して支持層31を貼り合わせる。次いで、支持層
31の裏面に貼付層34を形成した後、ダイカット加工
法で平面L字状に切り抜くことによりクリーニング材3
0が製造される。クリーニング材30を切り抜くとき、
摺接層33の基布35は、図2に示すようなタテ編みに
よって得られる編布より形成されており、地糸35a同
士が複雑に絡みあっていることから、その切断面での糸
同士のほつれが抑制される。
【0039】図4及び図5(a),(b)に示すよう
に、クリーニング材30は、その内側縁が現像部14の
間隔保持キャップ14bの内端縁に揃えられた状態で、
クリーニング部18を構成するハウジング23の取付部
23aに貼付される。この状態でパイル糸36が感光ド
ラム11に摺接され、感光ドラム11の表面において、
パイル糸36が間隔保持キャップ14bと接触する箇所
に付着したトナー15を掻き取ることにより、感光ドラ
ム11の表面がクリーニングされる。掻き取られたトナ
ー15は、パイル糸36を形成する繊維に付着して取り
込まれたり、基布35を形成する地糸35aの編み目内
に詰まったり等されることによって摺接層33内に捕集
される。
【0040】一方、クリーニングブレード21におい
て、感光ドラム11の表面から掻き取られたトナー15
は横方向に流れ、ハウジング23の外方へ漏れ出そうと
する。このとき、クリーニング材30は上に挙げたトナ
ー15を捕集する機能と、これに加え、パイル糸36及
び支持層31がトナー15に対する壁となり、その漏れ
出しをブロックすることによってもトナー15のシール
機能を発揮する。
【0041】上記のようにして、クリーニング材30
は、感光ドラム11表面をクリーニングしながら、これ
よりも外端側へのトナー15の漏れをシールする。この
ため、現像ローラー14aの両端に設けられた間隔保持
キャップ14b及び感光ドラム11の間へのトナー15
の進入が防止され、現像ローラー14aと感光ドラム1
1との間の間隙14cがほぼ一定幅に保持される。
【0042】前記第1実施形態によって発揮される効果
について、以下に記載する。 ・ クリーニング材30を構成する摺接層33の基布3
5は、タテ編みで得られる編布より形成されている。こ
の編布は、地糸35aがループを形成しながら、該ルー
プを縦方向に連結するように編み上げて構成されてお
り、地糸35a同士が複雑に絡みあっていることから、
その切断面において、切断によって生ずる糸のほつれを
防止することができる。そして、地糸35aに絡むよう
にして編み込まれたパイル糸36の基端部が地糸35a
でしっかりと保持されることにより、基布35からのパ
イル糸36の抜け落ちを防止することができる。
【0043】・ また、タテ編みで得られる編布は、元
来伸縮しにくく、基布35の編み目が拡がったり、地糸
35a同士の絡みが緩んだり等することによるパイル糸
36の抜け落ちを確実に防止することができる。
【0044】・ 摺接層33を構成するベロア材はダブ
ルラッセル編機を用いることにより、地糸35a及びパ
イル糸36をそれぞれ編み上げるとともに、パイル糸3
6をその中間部で切断することにより、同時に2枚を製
造することができる。このため、編布よりなる基布35
と該基布35上に起毛されたパイル糸36とからなるカ
ットパイル形態のベロア材を容易かつ迅速に製造するこ
とができる。
【0045】・ クリーニング材30の支持層31を形
成する合成樹脂材料にはJIS K6400の硬さ試験
A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3〜3MPaの
ものが用いられている。このため、感光ドラム11の回
転を阻害することなく、摺接層33のパイル糸36を十
分に接触させることができる。
【0046】・ クリーニング材30のパイル糸36
は、基布35に対する角度が1〜45°でその先端部が
感光ドラム11の回転方向に延びるように斜毛されてい
る。このため、パイル糸36を感光ドラム11に効果的
に接触させることができ、トナー15を十分に掻き取る
ことができるとともに、掻き取られたトナー15をパイ
ル糸36内に効果的に捕集することができる。
【0047】・ 摺接層33の裏面にはエマルションよ
りなるコーティング層が設けられており、該コーティン
グ層により、基布35の編み目の拡がりを効果的に抑制
し、パイル糸36の基端部を確実に保持することができ
る。
【0048】・ パイル糸36は、フッ素樹脂製の合成
繊維より形成されており、感光ドラム11に対する抵抗
を低減することができる。なお、第1実施形態は、次の
ように変更して具体化することも可能である。
【0049】・ 前記クリーニング材30によりクリー
ニング及びシールされる微細粉粒体はトナー15のみに
限らず、例えば紙粉、埃等であってもよい。・ 前記ク
リーニング材30は、摺接層33さえ備えていれば、支
持層31、接着膜32、コーティング層及び貼付層34
のうち少なくとも1つを省略して構成してもよい。例え
ば、接着膜32を省略し、エマルション等のコーティン
グ剤より形成されたコーティング層を介して支持層31
の表面に摺接層33を接合してもよい。又は、コーティ
ング層を省略し、接着膜32により基布35とパイル糸
36の基端部とを接合してもよい。若しくは、支持層3
1等を省略し、摺接層33及びコーティング層のみでク
リーニング材30を構成してもよい。
【0050】・ クリーニング材30をクリーニング部
18よりも感光ドラム11の回転方向の前方又は後方に
配設し、クリーニング機能のみを発揮させるように構成
してもよい。このクリーニングのみを行うクリーニング
材30は、摺接層33さえ備えていれば、支持層31、
接着膜32、コーティング層及び貼付層34のうち少な
くとも1つを省略して構成してもよい。
【0051】・ 前記のクリーニング材30と同じく、
クッション材よりなる支持層と、支持層の表面に接着膜
を介して接合された摺接層と、摺接層の裏面に設けられ
たコーティング層と、支持層の裏面に形成された貼付層
とからなる微細粉粒体の漏れをシールするシール材を構
成してもよい。このシール材は、例えば平面縦長四角状
をなすように形成され、現像ローラー14aとハウジン
グ14dとの間において、現像ローラー14aの両端部
に接触し、かつ両間隔保持キャップ14bよりも内端側
に位置するように設けられている。さて、シール材は、
移動体としての現像ローラー14aのほぼ半周部分に接
触するようにして、支持体としてのハウジング14dに
接合される。そして、現像ローラー14aの表面にトナ
ー15が供給されるとき、現像ローラー14aとハウジ
ング14dとの隙間から間隔保持キャップ14bの表面
へ漏れ出そうとするトナー15を摺接層のパイル糸内に
捕集及びブロックすることにより、シール材がトナー1
5の漏れをシールするようになっている。
【0052】このように、タテ編みによって得られる編
布により摺接層の基布を形成したシール材においても、
その切断面において切断によって生ずる糸のほつれを防
止することができるとともに、そのシール機能を有効に
発揮することができる。また、このシール材は現像ロー
ラー14aに接合してもよい。さらには、摺接層さえ備
えていれば、支持層、接着膜、コーティング層及び貼付
層のうち少なくとも1つを省略してシール材を構成して
もよい。
【0053】・ 実施形態及び前に挙げたクリーニング
機能とシール機能の両機能を発揮するクリーニング材、
シール機能のみを発揮するシール材及びクリーニング機
能のみを発揮するクリーニング材を、現像部14及びク
リーニング部18のみならず、微細粉粒体が付着する箇
所ならば、例えば転写部16を構成する転写ベルト、記
録用紙17を搬送する搬送ベルト等に設けてもよい。
【0054】あるいは、電子写真装置以外に、例えば微
細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機
等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備に
おいてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送
するコンベア等のクリーニング材としてもよい。その他
にも、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出
機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカ
ード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り
装置のシート挿入口等のクリーニング材としてもよい。
さらには、引き違いサッシ、箪笥、食器棚等の家具、車
両の窓枠等において隙間を塞ぐシール材としてもよい。
【0055】・ 基布35を形成する編布は、ダブルラ
ッセル編機に限らず、ダブルトリコット編機を用いて編
成してもよい。 ・ パイル糸36に導電性繊維を用い、導電性を付与し
てもよい。パイル糸36に導電性を付与する方法として
は、例えばニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金
属化合物、炭素等の微粒子等のような導電性物質を原糸
段階で練り込む方法が挙げられる。また、パイル糸36
を形成する繊維の表面を導電性物質を含む加工液によっ
て被覆する方法により導電性を付与してもよい。このよ
うに構成した場合、静電気が帯電された状態のトナー1
5を除電することができ、感光ドラム11の表面に静電
気により付着したトナー15をも容易に掻き取ることが
できる。
【0056】・ さらにまた、パイル糸36のみなら
ず、支持層31、接着膜32、コーティング層及び貼付
層34のうち少なくとも1つに前に挙げた導電性物質を
練り込む等して導電性を付与してもよい。このように構
成した場合、静電気の除電効果を高めることができると
ともに、パイル糸36を含めたクリーニング材又はシー
ル材全体に導電性を付与した場合には帯電させることも
可能である。
【0057】(第2実施形態)以下、この発明の第2実
施形態について説明する。なお、この第2実施形態につ
いては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明す
る。
【0058】図8は第2実施形態の画像形成装置を概念
的に示した図である。この画像形成装置のクリーニング
部18において、ハウジング23内にはロール状をなす
クリーニング材30aがその表面を感光ドラム11の表
面に接触させた状態で支持軸37により回転可能に支持
されている。クリーニングブレード21は、その先端を
クリーニング材30aの周面に接触させるように、クリ
ーニング材30aの隣接位置に配設されている。そし
て、感光ドラム11の表面に残留するトナー15はクリ
ーニング材30aのパイル糸36で掻き取られるととも
に、クリーニングブレード21によってクリーニング材
30aから掻き落とされ、ハウジング23内に回収され
ている。
【0059】図6に示すように、ロール状をなすクリー
ニング材30aはアルミニウム、ステンレス鋼等の金属
製の丸棒よりなる支持軸37と、この支持軸37の表面
に接合された帯状をなすパイル編物38とにより構成さ
れている。そして、支持軸37の表面に接着剤を塗布
し、その上にパイル編物38を螺旋状をなすように巻回
して接着することにより、クリーニング材30aがロー
ル状に形成されている。
【0060】図7に示すように、パイル編物38は、地
糸をタテ編みで編み上げて得られる編布よりなる基布3
5と、基布35に対して地糸に絡むようにして編み込ま
れ、その上に起毛された複数のパイル糸36とからなる
ベロア材より構成されている。基布35の地糸には前に
挙げたような、動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐
熱性を有し、接着剤で接着可能な合成繊維、半合成繊
維、天然繊維等よりなる耐久性、柔軟性の高いフィラメ
ント糸、紡績糸等の糸が用いられている。また、基布3
5の裏面には合成樹脂製のコーティング層39が設けら
れている。該コーティング層39はエマルションよりな
るコーティング剤より形成され、基布35を形成する地
糸35aの間に含浸されてほつれを防止するとともに、
パイル糸36の基端部と基布35とを接合している。
【0061】パイル糸36には前に挙げたような、耐久
性、柔軟性が高く、耐摩耗性に優れるとともに、摺動性
の良好な合成繊維、半合成繊維等よりなる糸が用いら
れ、なかでも、フッ素樹脂よりなる合成繊維は摩擦係数
が低く、最も好ましい。フッ素樹脂としては、前に挙げ
たものの他にテトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP)も挙げられる。パイル糸
36を形成する繊維の太さは、繊維が柔軟性を維持しな
がら毛倒れしない程度の剛性を保持できる範囲である3
〜20デシテックスであることが好ましく、5〜10デ
シテックスであることがより好ましい。この実施形態の
パイル糸36には、1本当たりの太さが約8.8デシテ
ックスのFEPよりなる合成繊維を撚糸加工して太さが
440デシテックス/50フィラメントとなるように形
成されたものが用いられている。
【0062】上記のパイル編物38は、シングルトリコ
ット編機を用いて形成されている。このシングルトリコ
ット編機は地糸及びパイル糸36でループを形成しつ
つ、地糸及びパイル糸36を垂直方向に交差するように
絡めながら、それぞれのループを縦方向に連結させるタ
テ編みでパイル編物38を編み上げるように構成されて
いる。この実施形態では、40ゲージ/2.54cm
(1インチ)のシングルトリコット編機を用い、コース
方向で地糸が2.54cm当たり40本となるように基
布35が形成されている。
【0063】図9に示すように、シングルトリコット編
機で得られたパイル編物38は、シート状をなす基布3
5の表面でループ状に編み込まれたパイル糸36が複数
のループ部36aを形成している。また、パイル糸36
の各ループ部36aは、それぞれがオーバーラップしな
がらパイル編物38のウェール方向(図9中に矢印で示
す方向)に連なって配設されており、基布35に対して
パイル糸36が高密度に編み込まれている。なお、パイ
ル編物38をヨコ編で形成した場合には基布35の表面
に形成されるパイル糸36の各ループ部36a同士をオ
ーバーラップさせることができず、基布35に対してパ
イル糸36を高密度に編み込むことはできない。
【0064】シングルトリコット編機で得られたパイル
編物38は、図10に示すような装置を使用することに
よって開繊処理が施され、パイル糸36の各ループ部3
6aがそれぞれ切断されるようになっている。すなわ
ち、開繊処理を施す装置は、略円柱状をなす支持体43
aと、支持体43aの周面から突設された複数の針43
bとから形成された針状体としての針布ローラー43を
有している。この針布ローラー43はその針43bの先
端をパイル糸36のループ部36aに摺接させながら回
転することができるようにるように配設されている。そ
して、この針布ローラー43が回転し、その針43bで
パイル糸36の各ループ部36aを引っ掻くことによ
り、パイル糸36はループ部36aで切断されるように
なっている。
【0065】針43bで引っ掻かれ、ループ部36aで
切断されたパイル糸36は、その基端部が地糸により締
め付けられていることから、上端部で各繊維同士の間隔
が広がることにより開繊され、基布35上に起毛される
ように構成されている。この状態で基布35上に起毛さ
れた各パイル糸36は、基布35の表面から直立してお
らず、それぞれが複雑に絡みあっている。このため、起
毛されたパイル糸36は、ボリューム感を増し、クッシ
ョン性に優れたものとなり、感光ドラム11に対して柔
らかに接触し、感光ドラム11の傷付きを抑制すること
が可能となる。また、各パイル糸36同士が複雑に絡み
あっていることから、それぞれのパイル糸36の斜毛方
向を考慮する必要がなく、斜毛加工を省略することが可
能となる。
【0066】上記のようにしてパイル糸36が基布35
表面で起毛されたパイル編物38は、シート状の形態の
まま、図11に示すような装置を使用することによって
シャーリング加工が施され、基布35の表面からその上
端までが所定高さとなるように切り揃えられている。す
なわち、シャーリング加工を施す装置は略円柱状をなす
ロータリー刃44を備えており、このロータリー刃44
は基布35の表面から所定高さを維持した状態で回転可
能に配設されている。そして、パイル糸36はその上端
部がロータリー刃44に接触され、切断されることによ
って所定高さに切り揃えられるように構成されている。
そして、パイル糸36が所定高さに切り揃えられたパイ
ル編物38は、その基布35の部分で裁断されることに
よって帯状に形成され、支持軸37に接着されるように
なっている。
【0067】シャーリング加工を施す際、基布35表面
からパイル糸36の上端までの高さは0.5〜5mmで
あることが好ましい。パイル糸36の高さが0.5mm
未満の場合、パイル糸36が基布35の表面全体を覆う
ことができず、パイル糸36同士の間に生じた隙間から
基布35の一部が感光ドラム11表面に接触し、接触抵
抗が大きくなるおそれがある。パイル糸36の高さが5
mmより高い場合、感光ドラム11との接触部分が大き
くなって抵抗が大きくなったり、感光ドラム11との接
触によりパイル糸36がへたりを生じやすく、トナー1
5に対するクリーニング機能を十分に発揮することがで
きなくなったり、あるいは製造コストが嵩んだり等する
おそれがある。
【0068】次に、前記クリーニング材30aの作用に
ついて以下に記載する。さて、クリーニング材30aを
製造する際には、まずシングルトリコット編機を用い、
図9に示すような1枚のシート状をなすパイル編物38
を形成し、その裏面にコーティング層39を設ける。次
いで、図10に示すような装置を用いてパイル糸36に
開繊処理を施し、基布35上に起毛させた後、図11に
示すような装置を用いてシャーリング加工を施し、基布
35の表面からのパイル糸36の高さを0.5〜5mm
の範囲内に切り揃える。
【0069】シャーリング加工を施した後、基布35を
裁断することにより、シート状をなすパイル編物38が
帯状に成形される。このとき、基布35はタテ編みによ
って得られる編布より形成されており、地糸同士が複雑
に絡みあっていることから、その切断面での糸同士のほ
つれが抑制される。また、各パイル糸36同士が複雑に
絡みあい、それぞれの斜毛方向を考慮する必要がないた
め、ウェール方向又はこれと直交するゲージ方向のいず
れの方向から基布35を裁断してもパイル糸36の斜毛
形態に変化はなく、均一なパイル形態となる。そして、
開繊処理及びシャーリング加工が施された後、帯状に裁
断されたパイル編物38が支持軸37の周面に螺旋状に
巻回され、接着されることによってロール状のクリーニ
ング材30aが製造される。
【0070】図8に示すように、ロール状のクリーニン
グ材30aは、その表面のパイル糸36が感光ドラム1
1に摺接されるように、クリーニング部18のハウジン
グ23内に回転可能に支持される。そして、クリーニン
グ材30aは感光ドラム11の表面に付着したトナー1
5をその表面のパイル糸36で掻き取り、感光ドラム1
1の表面をクリーニングする。掻き取られたトナー15
は、互いに絡みあうパイル糸36内に捕集されるととも
に、クリーニングブレード21の先端がクリーニング材
30aの表面に摺接されることによってパイル糸36内
からハウジング23の内底面上に掻き落とされ、回収さ
れる。また、各パイル糸36同士が複雑に絡みあい、ボ
リューム感を増すことによってクッション性を有してい
ることから、感光ドラム11の表面をクリーニングする
ときのパイル糸36の摺接による感光ドラム11の傷付
きが防止される。
【0071】前記第2実施形態によって発揮される効果
について、以下に記載する。 ・ ロール状をなすクリーニング材30aを構成するパ
イル編物38の基布35は、タテ編みで得られる編布よ
り形成されている。この編布は、地糸がループを形成し
ながら、該ループを縦方向に連結するように編み上げて
構成されており、地糸同士が複雑に絡みあっていること
から、その切断面において、切断によって生ずる糸のほ
つれを防止することができる。そして、地糸に絡むよう
にして編み込まれたパイル糸36の基端部が地糸でしっ
かりと保持されることにより、基布35からのパイル糸
36の抜け落ちを防止することができる。
【0072】・ パイル編物38は、シングルトリコッ
ト編機を用いて基布35上にループ状をなすようにパイ
ル糸36を編み込んだ後、開繊処理を施してパイル糸3
6を基布35上で起毛させることによって形成されてい
る。このシングルトリコット編機は、ダブルラッセル編
機と比較して糸の入れ替え等といった編み工程の切り替
えが容易であるため、少量生産する場合に好適であり、
製造時間の短縮化を図ることができる。また、パイル糸
36は開繊処理を施した後に基布35の表面から直立せ
ず、互いに複雑に絡みあっているため、パイル糸36の
斜毛方向を考慮する必要がない。このため、ウェール方
向又はゲージ方向のいずれの方向から基布35を裁断し
てもパイル糸36の斜毛形態に変化はなく、斜毛加工を
施さずともパイル糸36のパイル形態を常に均一なもの
とすることができる。
【0073】・ さらに、開繊処理は針布ローラー43
をパイル糸36に摺接させ、その針43bでループ部3
6a引っ掻いて切断することにより行われるため、パイ
ル糸36の開繊を容易かつ迅速に行うことができる。
【0074】・ 加えて、この実施形態ではロール状の
クリーニング材30aを形成する際、支持軸37に巻回
される前に、ベロア材としてのパイル編物38にシャー
リング加工が施されている。従来、ロール状のクリーニ
ング材を形成する場合には支持軸に予めベロア材を巻回
し、接着した後、シャーリング加工を施すようになって
いる。このため、従来の方法と比較し、ベロア材として
のパイル編物38を平面上に保持した状態でシャーリン
グ加工を施すことができるため、パイル糸36の高さを
精度よく揃えることができるとともに、シャーリング加
工を簡易に行うことができ、より小径のロール状クリー
ニング材を形成することができる。
【0075】・ 基布35の裏面にはエマルションより
なるコーティング層39が設けられており、該コーティ
ング層39により、基布35の編み目の拡がりを効果的
に抑制し、パイル糸36の基端部を確実に保持すること
ができる。
【0076】・ パイル糸36は、フッ素樹脂製の合成
繊維より形成されており、感光ドラム11に対する抵抗
を低減することができる。なお、第2実施形態は、次の
ように変更して具体化することも可能である。
【0077】・ パイル糸36に導電性繊維を用い、導
電性を付与してもよい。パイル糸36に導電性を付与す
る方法としては、例えばニッケル等の金属、酸化亜鉛、
酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子等のような導電
性物質を原糸段階で練り込む方法が挙げられる。また、
パイル糸36を形成する繊維の表面を導電性物質を含む
加工液によって被覆する方法により導電性を付与しても
よい。このように構成した場合、静電気が帯電された状
態のトナー15を除電することができ、感光ドラム11
の表面に静電気により付着したトナー15をも容易に掻
き取ることができる。
【0078】・ また、上記のようにパイル糸36に導
電性を付与した場合には、このロール状のクリーニング
材30aを、第2実施形態で示したクリーニング部18
に設けられるものに限らず、例えば図8に示す画像形成
装置において感光ドラム11に摺接される、帯電部12
の帯電ブラシ12a、現像部14の現像ローラー14a
等の全てに採用したり、又はこれらのうち少なくとも一
部を組み合わせて採用したりしてもよい。
【0079】・ 加えて、上に挙げたような感光ドラム
11に摺接されるものに限らず、例えば、図12に示す
ように、別形態の画像形成装置内において、記録用紙1
7を転写部16へと移送するための転写ベルト45に摺
接されるクリーニング材30aに採用してもよい。
【0080】すなわち、転写ベルト45は、一対のロー
ラ46の間に張設されており、前記転写部16は、転写
ベルト45によって囲まれた内側に配設されている。こ
の転写ベルト45よりも下方位置にはクリーナー部47
を構成するハウジング47aが配設されている。ハウジ
ング47a内には、クリーニング材30aが転写ベルト
45の表面に接触した状態で回転可能に支持されてい
る。このクリーニング材30aの下方位置には除去ロー
ラ48がクリーニング材30aに対して圧触されるよう
にして回転可能に支持されている。また、除去ローラ4
8の下方位置には除去ブレード49がその先端を除去ロ
ーラ48の周面に接触させるように配設されている。
【0081】そして、クリーニング材30aが転写ベル
ト45表面に摺接されると、転写ベルト45の表面に付
着された紙粉、トナー、埃等が除電されるとともに、ク
リーニング材30aによって掻き取られる。その後、紙
粉、トナー、埃等は、クリーニング材30aの表面から
除去ローラ48及び除去ブレード49を介してハウジン
グ47a内に回収される。このように転写ベルト45を
クリーニングするためのクリーニング材30aとして構
成した場合においても、導電性を付与したパイル糸36
により、クリーニング材30aが転写ベルト45に付着
した紙粉、トナー、埃等を良好に除去することができ
る。
【0082】・ 上記のようにパイル糸36に導電性を
付与する場合、パイル糸36を導電性繊維と、化学繊維
よりなる絶縁性繊維とを混織して形成してもよい。な
お、前記化学繊維よりなる絶縁性繊維としては、レーヨ
ン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、ナイロン、アクリ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成繊維等が挙
げられる。このようにパイル糸36を導電性繊維と絶縁
性繊維を混織して形成した場合には、コストが嵩む導電
性繊維の使用量を低減することにより、製造コストの低
減を図ることができる。
【0083】・ さらにまた、パイル糸36のみなら
ず、基布35及びコーティング層39のうち少なくとも
一方に前に挙げた導電性物質を練り込む等して導電性を
付与してもよい。このように構成した場合、静電気の除
電効果を高めることができるとともに、パイル糸36を
含めたクリーニング材全体に導電性を付与した場合には
帯電させることも可能である。
【0084】・ 前記クリーニング材30aによりクリ
ーニングされる微細粉粒体はトナー15のみに限らず、
例えば紙粉、埃等であってもよい。 ・ 前記クリーニング材30aのパイル編物38は、コ
ーティング層39を省略し、基布35及びパイル糸36
のみで構成してもよい。
【0085】・ 基布35を形成する編布は、シングル
トリコット編機に限らず、シングルラッセル編機を用い
て編成してもよい。 ・ パイル糸36のループ部36aの切断は針布ローラ
ー43による針43bの引っ掛けによらずとも、例えば
ループ部36a内にカッター等を挿入し、切断してもよ
い。
【0086】・ 第2実施形態ではロール状をなすクリ
ーニング材は、支持軸37にシングルトリコット編機又
はシングルラッセル編機を用いて得られるパイル編物を
巻回して形成した。しかし、これに限らず第1実施形態
で示したダブルトリコット編機又はダブルラッセル編機
を用いて得られるベロア材をパイル編物とし、これを帯
状に裁断した後、支持軸37に巻回してロール状をなす
クリーニング材を形成してもよい。このように構成した
場合にも、パイル編物を構成する基布のほつれを効果的
に防止することができるとともに、パイル編物の形成後
又はロール状をなすクリーニング材を形成後にパイル糸
を一定方向に斜毛させる斜毛加工を施すことにより、ク
リーニング材に回転方向性を付与することができる。
【0087】・ 第2実施形態ではシングルトリコット
編機又はシングルラッセル編機を用いて得られるパイル
編物38を支持軸37に巻回してロール状をなすクリー
ニング材30aを形成した。しかし、これに限らずパイ
ル編物38をベロア材とし、これを所定形状に切り抜い
て摺接層を形成した後、その裏面に支持層、接着膜、コ
ーティング層及び貼付層を貼付して第1実施形態で示し
たようなクリーニング機能及びシール機能を発揮するク
リーニング材を構成してもよい。また、パイル編物38
を用いてこのようなクリーニング材を形成する場合、摺
接層さえ備えていれば、支持層、接着膜、コーティング
層及び貼付層のうち少なくとも1つを省略して構成して
もよい。さらには、このようなクリーニング材をクリー
ニング部18よりも感光ドラム11の回転方向の前方又
は後方に配設し、クリーニング機能のみを発揮させるよ
うに構成してもよい。
【0088】・ シングルトリコット編機又はシングル
ラッセル編機を用いて得られるパイル編物38を用い、
これを摺接層として、第1実施形態のクリーニング材と
同じく、摺接層と、クッション材よりなる支持層と、支
持層の表面に接着膜を介して接合された摺接層と、摺接
層の裏面に設けられたコーティング層と、支持層の裏面
に形成された貼付層とからなる微細粉粒体の漏れをシー
ルするシール材を構成してもよい。このシール材は、例
えば平面縦長四角状をなすように形成され、第1実施形
態の現像ローラー14aとハウジング14dとの間にお
いて、現像ローラー14aの両端部に接触し、かつ両間
隔保持キャップ14bよりも内端側に位置するように設
けられている。そして、現像ローラー14aの表面にト
ナー15が供給されるとき、現像ローラー14aとハウ
ジング14dとの隙間から間隔保持キャップ14bの表
面へ漏れ出そうとするトナー15を摺接層のパイル糸内
に捕集及びブロックすることにより、シール材がトナー
15の漏れをシールするようになっている。このよう
に、タテ編みによって得られる編布により摺接層の基布
を形成したシール材においても、その切断面において切
断によって生ずる糸のほつれを防止することができると
ともに、そのシール機能を有効に発揮することができ
る。また、このシール材は現像ローラー14aに接合し
てもよい。さらには、摺接層さえ備えていれば、支持
層、接着膜、コーティング層及び貼付層のうち少なくと
も1つを省略してシール材を構成してもよい。
【0089】・ 前に挙げたクリーニング機能とシール
機能の両機能を発揮するクリーニング材、シール機能の
みを発揮するシール材及びクリーニング機能のみを発揮
するクリーニング材を、現像部14及びクリーニング部
18のみならず、微細粉粒体が付着する箇所ならば、例
えば転写部16を構成する転写ベルト、記録用紙17を
搬送する搬送ベルト等に設けてもよい。
【0090】あるいは、電子写真装置以外に、例えば微
細粉粒体(粉末あるいは顆粒)の薬剤を包装する包装機
等に設けられた粉粒体の送りローラ、工場の生産設備に
おいてフィルム等の成型品を加工する際に成型品を搬送
するコンベア等のクリーニング材としてもよい。その他
にも、情報読取り装置等のレンズ、銀行の現金自動引出
機のキャッシュカード挿入口、公衆電話機のテレホンカ
ード挿入口、自動販売機の紙幣挿入口等といった読取り
装置のシート挿入口等のクリーニング材としてもよい。
さらには、引き違いサッシ、箪笥、食器棚等の家具、車
両の窓枠等において隙間を塞ぐシール材としてもよい。
【0091】さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 ・ 前記パイル糸の基布の表面からの高さが0.5〜5
mmであることを特徴とする請求項3から請求項8のい
ずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このよう
に構成した場合、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸
を十分に接触させることができる。
【0092】・ 前記基布の表面において、パイル糸を
形成する繊維は2.54cm2の面積内に1万〜20万
本が配設されることを特徴とする請求項3から請求項8
のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。この
ように構成した場合、移動体への抵抗を抑えつつ、パイ
ル糸のクリーニング機能及びシール機能を十分に発揮さ
せることができる。
【0093】・ 前記パイル糸を形成する繊維の太さが
3〜20デシテックスであることを特徴とする請求項3
から請求項8のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニ
ング材。このように構成した場合、移動体への抵抗を抑
えつつ、パイル糸が必要以上に毛倒れすることを抑制す
ることができる。
【0094】・ 前記基布を形成する糸として、紡績糸
を使用することを特徴とする請求項3から請求項8のい
ずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。このよう
に構成した場合、パイル糸の基端部を効果的に保持する
ことができる。
【0095】・ 前記パイル糸を導電性繊維により形成
することを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか
に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成
した場合、クリーニング材により除電を行うこともでき
る。
【0096】・ 前記パイル糸を針状体に摺接させ、当
該針状体でパイル糸のループ部を引っ掻いて切断するこ
とを特徴とする請求項10に記載の微細粉粒体のクリー
ニング材。このように構成した場合、パイル糸の切断を
容易かつ迅速に行うことができる。
【0097】・ 前記パイル糸を針状体に摺接させ、当
該針状体でパイル糸のループ部を引っ掻いて切断するこ
とを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体のシール
材。このように構成した場合、パイル糸の切断を容易か
つ迅速に行うことができる。
【0098】・ 前記パイル糸を開繊し、基布上で起毛
させた後、パイル糸を基布の表面からその高さが0.5
〜5mmとなるように切り揃えることを特徴とする請求
項10又は請求項12に記載の微細粉粒体のクリーニン
グ材。このように構成した場合、パイル糸の高さを精度
よく揃えることができるとともに、移動体への抵抗を抑
えつつ、パイル糸を十分に接触させることができる。
【0099】・ 前記パイル糸を開繊し、基布上で起毛
させた後、パイル糸を基布の表面からその高さが0.5
〜5mmとなるように切り揃えることを特徴とする請求
項11に記載の微細粉粒体のシール材。このように構成
した場合、パイル糸の高さを精度よく揃えることができ
るとともに、移動体への抵抗を抑えつつ、パイル糸を十
分に接触させることができる。
【0100】・ 前記パイル糸は基布に対し、シングル
トリコット編機又はシングルラッセル編機を使用して編
み込まれることを特徴とする請求項10に記載の微細粉
粒体のクリーニング材。このように構成した場合、少量
生産するときに編み工程の切り替えを容易なものとする
ことができる。
【0101】・ 前記パイル糸は基布に対し、シングル
トリコット編機又はシングルラッセル編機を使用して編
み込まれることを特徴とする請求項11に記載の微細粉
粒体のシール材。このように構成した場合、少量生産す
るときに編み工程の切り替えを容易なものとすることが
できる。
【0102】・ 前記パイル糸は基布に対し、ダブルト
リコット編機又はダブルラッセル編機を使用して編み込
まれることを特徴とする請求項4に記載の微細粉粒体の
クリーニング材。このように構成した場合、カットパイ
ル形態のクリーニング材を容易に製造することができ
る。
【0103】・ 前記パイル糸は基布に対し、ダブルト
リコット編機又はダブルラッセル編機を使用して編み込
まれることを特徴とする請求項9に記載の微細粉粒体の
シール材。このように構成した場合、カットパイル形態
のシール材を容易に製造することができる。
【0104】・ 前記基布の裏面にはコーティング層を
設けることを特徴とする請求項10又は請求項12に記
載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した
場合、基布のほつれ及びパイル糸の抜け落ちを防止する
ことができる。
【0105】・ 前記基布の裏面にはコーティング層を
設けることを特徴とする請求項11に記載の微細粉粒体
のシール材。このように構成した場合、基布のほつれ及
びパイル糸の抜け落ちを防止することができる。
【0106】・ 前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維か
ら形成することを特徴とする請求項10又は請求項12
に記載の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成
した場合、移動体に対する抵抗を低減することができ
る。
【0107】・ 前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維か
ら形成することを特徴とする請求項11に記載の微細粉
粒体のシール材。このように構成した場合、移動体に対
する抵抗を低減することができる。
【0108】・ 前記パイル糸を導電性繊維により形成
することを特徴とする請求項10又は請求項12に記載
の微細粉粒体のクリーニング材。このように構成した場
合、クリーニング材により除電を行うこともできる。
【0109】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれば
次のような効果を奏する。請求項1、請求項2又は請求
項3に記載の発明によれば、切断によって生ずる糸のほ
つれを防止することができる。
【0110】請求項4に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、カットパイ
ル形態のクリーニング材を容易かつ迅速に製造すること
ができる。
【0111】請求項5に記載の発明によれば、請求項3
又は請求項4に記載の発明の効果に加えて、パイル糸を
移動体に対し、その抵抗を抑えながら十分に接触させる
ことができる。
【0112】請求項6に記載の発明によれば、請求項3
から請求項5のいずれかに記載の発明の効果に加えて、
移動体に対する抵抗を抑えながらパイル糸のクリーニン
グ機能及びシール機能を十分に発揮させることができ
る。
【0113】請求項7に記載の発明によれば、請求項3
から請求項6のいずれかに記載の発明の効果に加えて、
基布のほつれ及びパイル糸の抜け落ちを防止することが
できる。
【0114】請求項8に記載の発明によれば、請求項3
から請求項7のいずれかに記載の発明の効果に加えて、
移動体に対する抵抗を低減することができる。請求項9
に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果に
加えて、カットパイル形態のシール材を容易かつ迅速に
製造することができる。
【0115】請求項10に記載の発明によれば、請求項
1又は請求項3に記載の発明の効果に加えて、パイル糸
が互いに複雑に絡みあうため、その斜毛方向を考慮する
必要がなく、斜毛加工を施さずともパイル糸のパイル形
態を常に均一なものとすることができる。
【0116】請求項11に記載の発明によれば、請求項
2に記載の発明の効果に加えて、パイル糸が互いに複雑
に絡みあうため、その斜毛方向を考慮する必要がなく、
斜毛加工を施さずともパイル糸のパイル形態を常に均一
なものとすることができる。
【0117】請求項12に記載の発明によれば、請求項
4又は請求項10に記載の発明の効果に加えて、ロール
状をなすクリーニング材においても基布からのパイル糸
の抜け落ちを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のベロア材を示す斜視図。
【図2】 基布の編み形態を示す概念図。
【図3】 ダブルラッセル編機により基布を編成する状
態を示す概念図。
【図4】 第1実施形態の電子写真装置を示す概念図。
【図5】 (a)はベロア材が感光ドラムに接触した状
態を示す斜視図、(b)はベロア材が感光ドラムに接触
した状態を示す平面図。
【図6】 第2実施形態のクリーニング材を製造する状
態を示す正面図。
【図7】 第2実施形態のパイル編物を示す斜視図。
【図8】 第2実施形態の電子写真装置を示す概念図。
【図9】 開繊処理前のパイル編物を示す斜視図。
【図10】 パイル編物に開繊処理を施す状態を示す概
念図。
【図11】 パイル編物にシャーリング加工を施す状態
を示す概念図。
【図12】 別形態の電子写真装置を示す概念図。
【符号の説明】
11…移動体としての感光ドラム、15…微細粉粒体と
してのトナー、23…支持体としてのハウジング、30
…クリーニング材、30a…ロール状をなすクリーニン
グ材、31…支持層、35…基布、35a…地糸、36
…パイル糸、36a…ループ部、37…支持軸、39…
コーティング層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/16 G03G 15/16 3B202 21/00 21/00 4L002 21/10 D04B 21/02 // D04B 21/02 21/16 21/16 G03G 21/00 314 Fターム(参考) 2H071 BA27 BA35 BA36 BA42 BA43 DA08 DA09 DA13 EA10 2H077 AD02 AD06 CA12 FA22 GA02 2H134 GA01 GA05 GA10 GB02 HB01 HB03 HB12 HB13 HB19 HB20 HD01 KD04 KD12 KE03 KE04 KE07 KF08 KG03 KG08 KH07 KH10 2H200 FA08 GA23 GA44 GB02 GB12 GB13 HA02 HA12 HA28 HB03 JA02 JB06 JB42 LB02 LB08 LB12 LB35 LB36 LB37 LC08 LC10 MA04 MA20 MB02 MB03 MC11 3B116 AA47 AB33 BA08 BA12 BA22 3B202 AA30 AB03 AB12 AB30 BA03 BC01 EA01 EB05 EC01 EE01 EF10 EG12 4L002 AA05 AA06 AA07 AA08 CA01 CB01 CB03 DA02 DA03 EA00 FA06

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微細粉粒体に接触する移動体に対向する
    支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編
    布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移
    動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取
    ることにより移動体表面をクリーニングするパイル糸と
    を備えることを特徴とする微細粉粒体のクリーニング
    材。
  2. 【請求項2】 微細粉粒体に接触する移動体又は該移動
    体に対向する支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みし
    て得られる編布より形成された基布と、該基布上に起毛
    され、前記支持体又は移動体に摺接して移動体と支持体
    の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロックする
    ことにより微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを
    備えることを特徴とする微細粉粒体のシール材。
  3. 【請求項3】 微細粉粒体に接触する移動体に対向する
    支持体に取り付けられ、地糸をタテ編みして得られる編
    布より形成された基布と、該基布上に起毛され、前記移
    動体に摺接してその表面に付着した微細粉粒体を掻き取
    り、移動体表面をクリーニングするとともに、移動体と
    支持体の隙間から漏れ出る微細粉粒体を捕集及びブロッ
    クし、微細粉粒体の漏れをシールするパイル糸とを備え
    ることを特徴とする微細粉粒体のクリーニング材。
  4. 【請求項4】 前記基布は、2枚が互いに対向配置され
    た状態で編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架
    橋するようにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基
    布の間でパイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り
    離すことによって構成されたカットパイル形態を有する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項3に記載の微細粉
    粒体のクリーニング材。
  5. 【請求項5】 前記基布の裏面にはJIS K 640
    0の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が0.3
    〜3MPaのクッション材より形成された支持層を設け
    ることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の微細
    粉粒体のクリーニング材。
  6. 【請求項6】 前記パイル糸を基布に対して一定方向に
    斜毛することにより、基布に対するパイル糸の角度を1
    〜45°に形成することを特徴とする請求項3から請求
    項5のいずれかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  7. 【請求項7】 前記基布の裏面にはコーティング層を設
    けることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれか
    に記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  8. 【請求項8】 前記パイル糸をフッ素樹脂製の繊維から
    形成することを特徴とする請求項3から請求項7のいず
    れかに記載の微細粉粒体のクリーニング材。
  9. 【請求項9】 前記基布は、2枚が互いに対向配置され
    た状態で編み上げられるとともに、2枚の基布の間を架
    橋するようにそれぞれにパイル糸を編み込んだ後、両基
    布の間でパイル糸の中間部を切断し、2枚の基布を切り
    離すことによって構成されたカットパイル形態を有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の微細粉粒体のシール
    材。
  10. 【請求項10】 前記パイル糸を基布に対してその表面
    でループ状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸の
    ループ部を切断して開繊させることにより、パイル糸が
    基布上で起毛するように形成することを特徴とする請求
    項1又は請求項3に記載の微細粉粒体のクリーニング
    材。
  11. 【請求項11】 前記パイル糸を基布に対してその表面
    でループ状をなすように編み込んだ後、当該パイル糸の
    ループ部を切断して開繊させることにより、パイル糸が
    基布上で起毛するように形成することを特徴とする請求
    項2に記載の微細粉粒体のシール材。
  12. 【請求項12】 前記パイル糸が起毛された基布を帯状
    に裁断し、当該基布を丸棒状をなす支持軸の表面に螺旋
    状をなすように巻回して接着することにより、ロール状
    をなすように形成することを特徴とする請求項4又は請
    求項10に記載の微細粉粒体のクリーニング材。
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