JP2018038711A - 清掃機器用ブラシ体 - Google Patents

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深町 忠則
Tadanori Fukamachi
忠則 深町
敏幸 中山
Toshiyuki Nakayama
敏幸 中山
大祐 伊藤
Daisuke Ito
大祐 伊藤
庸一郎 内海
Yoichiro Uchiumi
庸一郎 内海
雄士 佐々木
Yuji Sasaki
雄士 佐々木
晶三 加田
Akizo Kada
晶三 加田
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Abstract

【課題】清掃機器におけるブラシ体の被取付部の溝形状に合った取付凸部を有したブラシ体を安価な製造コストで提供する。【解決手段】清掃機器のブラシ取り付け用の被取付溝部に固定して用いられるブラシ体1であって、繊維束から成るブラシ毛4がU字状に折り返された状態で少なくとも一列に並列してブラシ層を形成し、U字状の折り返し部の近傍において、前記ブラシ層の両面に編目を配列するダブルラッセル組織によりブラシ毛1を保持して、前記両面の編目列、およびその内側に配置された挿入糸により、長手方向に延びる取付凸部5を形成し、この取付凸部5を前記被取付溝部内に係合可能にする。【選択図】図3

Description

本発明は、各種の清掃機器に使用されるブラシ体に関するもので、中でも掃除機ヘッドの吸い込み口に設けられる集塵ブラシや、エアコンの内部に設けられる清掃機器用ブラシ体に関するものである。
従来、掃除機のヘッドの吸込口には、ブラシが回転可能に設けられており、このブラシにより床面の塵をかき出して吸い込むことが行われている。また、エアコンのフィルターを自動で清掃するためのブラシがエアコン内に設けられている。
一般的なブラシの製造法としては、繊維束を円状の孔へU字状に屈曲させながら挿入して金属片で固定する植毛法や二重パイル織物による方法があるが、前者の植毛法に関しては挿入箇所である円状の孔を設けるに一定の間隔が必要であることから密に植毛することが困難であり、また、後者のパイル織物においては、毛先を整えるシャーリング工程や、パイル抜け防止の基布糊付けなどによる二次加工コストがかかっていた。
ブラシ毛を密に設ける方法として、例えば、<特許文献1>では、複数の導電性ブラシ毛がU字状に屈曲して並列され、このブラシ毛の屈曲部側に2列の鎖編で一体に保持された経編技術による除塵ブラシが提案されており、この経編技術であれば1台の経編機により多数本取りで編成することができ、高い生産性が得られることから最近ではブラシの生産に多用されている
しかしながら、同ブラシを掃除機の吸い込みヘッドの回転体に装着させるには、回転体に形成された被取付溝部(スロット)に挿入して係合させる必要があり、別途ブラシ毛のU字状の屈曲部側に凸状の取付部を樹脂成形加工で作製せねばならず、ブラシ自体は高い生産性を誇っているが、取付部を設けるための樹脂成形加工に高い製造コストを費やさねばならないという問題がある。
そのような問題点に対して、<特許文献2>では、ブラシの片面側の編目と反対面における補助糸の周期的な交差部により、被取付部の大きさに合わせた凸部を設け、被取付部に係合させる方法が提案されている。
しかしながら、<特許文献2>の技術では使用する糸繊度などにより大きさの異なる凸部を形成させることができるが、ブラシ体の長手方向に対する直交方向の切断面においてブラシ毛の軸方向を中心として左右非対称の編構造であるから、凸部自体を対称形状にすることが難しく、被取付部に係合できてもどちらかの側に隙間が生じてブラシ毛の固定が不安定となるために、形を整えるための成形加工が必要となるのが問題である。
特開平10−023927号公報 特開2013−094391号公報
本発明は、従来のブラシ体に上記のような問題があったことに鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、清掃機器におけるブラシ体の被取付部の溝形状に合った取付凸部を有したブラシ体を安価な製造コストで提供することにある。
本発明者が上記技術的課題を解決するために採用した手段を、添付図面を参照して説明すれば、次のとおりである。
即ち、本発明は、清掃機器のブラシ取り付け用の被取付溝部に固定して用いられるブラシ体であって、
繊維束から成るブラシ毛がU字状に折り返された状態で少なくとも一列に並列してブラシ層を形成し、U字状の折り返し部の近傍において、前記ブラシ層の両面に編目を配列するダブルラッセル組織によりブラシ毛を保持して、
前記両面の編目列、およびその内側に配置された挿入糸により、長手方向に延びる取付凸部を形成し、
この取付凸部を前記被取付溝部内に係合可能にするという技術的手段により清掃機器用ブラシ体を完成させた。
また、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、ブラシ体の長手方向に対する直交方向における取付凸部の切断面において、ブラシ毛の軸方向を中心として左右の繊維量を同じにするという技術的手段を採用することもできる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、繊維束から成るブラシ毛がU字状に折り返された状態で一列に並列して単一層からなるブラシ層を形成し、U字状の折り返し部の近傍において、前記ブラシ層の両面に編目を配列するダブルラッセル組織によりブラシ毛を保持するという技術的手段を採用することもできる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、取付凸部における編目列を形成する編糸と挿入糸の少なくとも一方において、高融点ポリマーが芯で、その表面に低融点ポリマーが被覆された芯鞘型の複合繊維糸を用いて、
前記低融点ポリマーの熱溶融により取付凸部内で部分的または全体的に溶融接着して、硬化させるという技術的手段を採用することもできる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、取付凸部における編目列を形成する編糸と挿入糸のうち、芯鞘型の複合繊維糸の占める割合を65重量%以上にするという技術的手段を採用することもできる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、硬化した低融点ポリマーによる取付凸部を、ブラシ体の長手方向に対する直交方向における取付凸部の切断面において、ブラシ毛の軸方向を中心として左右対称にするという技術的手段を採用することもできる。
更にまた、本発明は、上記課題を解決するために、必要に応じて上記手段に加え、取付凸部における挿入糸が、複数本の糸が引き揃えられ、または撚糸の形態で集合しており、その合計繊度を1000〜10000Dtexの繊度の範囲で挿入するという技術的手段を採用することもできる。
更にまた、本発明は前記ブラシ体を用いた清掃機器も含まれる。
本発明にあっては、繊維束から成るブラシ毛がU字状に折り返された状態で少なくとも一列に並列してブラシ層を形成し、U字状の折り返し部の近傍において、前記ブラシ層の両面に編目を配列するダブルラッセル組織によりブラシ毛を保持して、
前記両面の編目列、およびその内側に配置された挿入糸により、長手方向に延びる取付凸部を形成し、この取付凸部を前記被取付溝部内に係合可能にしたことによって、後加工によって取付け部を整えるための成形加工することなく使用することができ、また取付凸部の形状は挿入糸の太さや本数により自由に選択できる。
また、本発明のブラシ体はダブルラッセル組織を採用しているので、ブラシ体の長さ方向に対して直交方向における取付凸部の切断面の形状を、ブラシ毛の軸方向を中心として左右対称形にすることができ、そうすることで被取付溝部に対して隙間なく装着させることができ、ブラシ毛の向きを所定の方向に安定維持させて固定させることができる。
更にまた、必要に応じて、取付凸部における編目列を形成する編糸と挿入糸の少なくとも一方において、高融点ポリマーが芯で、その表面に低融点ポリマーが被覆された芯鞘型の複合繊維糸が用いて、前記低融点ポリマーの熱溶融により取付凸部内で部分的または全体的に溶融接着して、硬化させることにより、被取付溝部への装着が容易となり、また取付け後においても係合状態が安定し、さらにはブラシ毛自体もより強固に固着されるので耐久性を有したブラシ体が得られる。
更にまた、必要に応じて、挿入糸として引き揃え、または撚糸の形態で合計繊度が1000〜10000Dtexの繊度の範囲とすることで取付凸部の大きさを容易に変えることができる。
本発明の実施形態のブラシ体の構造を表す概略図である。 本発明の実施形態のブラシ体のダブルラッセル組織図である。 本発明の実施形態のブラシ体の切断面を表す概略断面図である。 本発明の実施形態のブラシ体の使用状態を表す概略斜視図である。 本発明の実施形態のブラシ体の使用状態を表す概略断面図である。
本発明を実施するための形態を、具体的に図示した図面に基づいて、更に詳細に説明すると、次のとおりである。
『第1実施形態』
本発明の第1実施形態を図1から図5に基づいて説明する。図1は本発明のブラシ体を形成するダブルラッセル編構造の一実施例を示し、符号1はブラシ体(本体)、符号2(2a・2b)は編目、符号3(3a・3b)は挿入糸、符号4はブラシ毛である。
編目2(2a・2b)は鎖編組織で、裏側編目2bと表側編目2aとがそれぞれ2列でブラシ体1の長手方向(図では上下方向)に編成され、その裏側編目2bと表側編目2aとの間に、裏側2針よこ振り挿入糸3bと表側2針よこ振り挿入糸3aとが配置されており、さらに裏側2針よこ振り挿入糸3bと表側2針よこ振り挿入糸3aとの間にブラシ毛4が配置されている。
即ち、各糸は編構造の裏側から編目2b、2針よこ挿入糸3b、ブラシ毛4、2針よこ挿入糸3a、編目2aの順に位置し、ブラシ毛4の軸方向を中心として左右の繊維量が同じとなり、ほぼ左右対称の状態で各糸が配置している。
図2は図1に示すダブルラッセル編構造のダブルラッセル組織図を示し、表側の鎖編2aのアンダーラップにより表側2針よこ振り挿入糸3aとブラシ毛4を包み込んで一体化し、一方、裏側の鎖編2bのアンダーラップは裏側2針よこ振り挿入糸3bとブラシ毛4を包み込み、表側の鎖編2aと裏側の鎖編2bが交互にブラシ毛4に亘っていることによりブラシ毛4を中心にして一体化されている。
また、ブラシ毛4は11針間のよこ振り挿入させて、その振りの折り返し両端部に表側の鎖編2aと裏側の鎖編2bをそれぞれ2列隣接させ、その鎖編2列間によこ挿入糸3a・3bを配して編成し、編成後に幅方向のブラシ毛4の中央付近を切断することで、左右に2本のブラシ体1を得ることができる。
ブラシ毛4の長さは、ブラシ毛4のよこ振り量(長さ)を変えることで決まるので、ブラシ体1の用途により適宜よこ振り量を決めればよく、また、鎖編の列数についても2列に限定されることなく要求される機能により適宜選択することできる。
本実施形態のブラシ体1の編成条件における編成密度としては、ブラシの用途により異なるが、ブラシ毛4の繊維束の太さが細く、緻密な配列が望まれるものは高密度に編成する必要があり、一方、太い繊維束で強力な掃き出しを狙う用途では粗密度に編成となることから、例えば、使用するラッセル編機のゲージとしては、16〜24ゲージ/25.4mm程度で、コース密度としては、10〜25コース/25.4mmの範囲であることが好ましい
また、本実施形態のブラシ体1のブラシ毛4の素材としては、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、アクリル繊維等の合成繊維、炭素繊維やステンレス繊維、あるいは導電物質を含む合成繊維等の導電性繊維などを採用することができる。
図3はブラシ体1の長手方向に対する直交方向の切断面を示し、ブラシ毛4の下方はブラシ毛4がU字型に折り返された端部であって、その折り返し部の近傍に上述した編構造により、図3において左側方向から表編目2a、表側よこ振り挿入糸3a、ブラシ毛4、裏側よこ振り挿入糸3b、裏側鎖編目2bの順の構成となっており、ブラシ毛4以外の編構造部が取付凸部5として形成されている。
図4は一般家庭用掃除機の吸い込み口などに用いられている清掃機器の回転体を示し、ブラシ体1は使用頻度や使用環境によってブラシ毛4の摩耗、あるいは毛抜けなどが生じるために、交換可能な構造となっており、ブラシ体1はこの回転体11の長手方向に沿って被取付溝部12が螺旋状に設けられ、その被取付溝部12は図5の断面図に示す係合状態になるように、ブラシ体1の取付凸部5が被取付溝部12内に収まる形で回転体11の端部から着脱できる構造である。
そのようなことから、通常のブラシ体はブラシ毛の抜け防止と被取付溝部への挿入用の凸部形成を目的にブラシ毛の基部を合成樹脂によって成形加工を施す必要があり、製造コストが高くなっていた。本発明のブラシ体1においては、取付凸部5を上述したような合成樹脂による成形加工することなく、編構造のみで取付凸部5を形成することができるので、その取付凸部5の大きさは、編目2a・2bを成す編糸の繊度、挿入糸3a・3bの繊度と挿入本数などの変更で、種々の被取付溝部12に対応することできる。
また、取付凸部5を極端に大きくする目的でよこ振り挿入糸3a・3bとブラシ毛4の間に太線度の硬直な線状体、あるいは撚糸などを直線状に挿入させることもできる。
通常、被取付溝部の断面形状は、ブラシ毛の位置に対して左右対称であることから、ブラシ体1の長手方向に対する直交方向における取付凸部の切断面の形状も対称であること好ましく、本発明のブラシ体1においてはダブルラッセル組織を採用しているので、ブラシ毛の軸方向を中心として左右の繊維量が同じになるために、取付凸部5の形状が実質的に左右対称となり、被取付溝部に隙間なく装着でき、ブラシ毛4が傾くことなく清掃機器の回転ブラシの回転軸に装着させることができる。
また、ブラシ体1の取付凸部5は被取付溝部12に収まり、ブラシ毛4に繰り返し受ける衝撃に対して強固に固定されていなければ、被取付溝部12内での振動によって取付凸部5が摩耗し、場合によっては被取付溝部12から外れること考えられ、そのような懸念から鎖編目2a・2bをそれぞれ2列以上配列させて取付凸部5の高さを高くした垂直側面と、挿入糸3a・3bは2列以上並ぶ全鎖編目2a・2bに亘ってジグザグに挿入させて挿入糸3a・3bの折り返し部と上下の編目2a・2b側部による上面/下面の水平面により断面形状を矩形にしておけばブラシ毛4に負荷が生じても動くようなことが起こらず、しっかりと固定される。
取付凸部5の好適なサイズとしては大きい方が被取付溝部12との接触面積が増大して安定するが、被取付溝部自体が拡幅してしまうおそれがあり、取付凸部5の高さ2〜15mm、幅は3〜10mmが好ましく、そしてブラシ体1が被取付溝部から外れることを防ぐためには、上面の中央に立毛するブラシ毛4の根元の側面から端部までの距離を少なくとも1mm以上、より好ましくは2mm以上確保する。
本実施形態のブラシ体1の編目2a・2bの編糸、および挿入糸3a・3bに用いる糸種としては、一般に経編でよく使用されているポリアミド繊維、ポリエステル繊維等のマルチフィラメント糸、およびそれらの加工糸を採用することができる。
本実施形態における編目2a・2bの編糸の繊度としては、200〜2000dtex程度であることが好ましい。200dtex以下でも編成可能であるが、細繊度となるとの編目自体の厚みが薄くなるので、取付凸部5の十分な厚みが得られず、また、編構造自体を強固に締め付けつけることが難しいので、硬質な取付凸部5の形成ができない問題があるからであり、一方、編糸の繊度が2000dtex以上となると取付凸部5の厚みを厚くして強度を上げる意味では好ましいが、編針のフックに収まらず編成不能となる問題があるからである。
また、挿入糸3a・3bは、複数本の糸を引き揃えたり、または撚糸の形態で各繊維を集合させ、その合計繊度が1000〜10000Dtexの繊度の範囲(太繊度糸)で挿入されていることが好ましく、このように、繊維糸を集合させて挿入することで、挿入糸が剛直となって変形し難いので取付凸部5の形状安定が保たれる。
ブラシ体1のブラシ毛4として挿入する糸繊度は、対象とする掃除機器等により異なるが、繊度で1000〜10000dtex程度となるように引き揃え等の方法で用いること好ましい。
繊度が1000dtex以下ではブラシ毛4としての剛性が不足して十分な掃き取り効果が期待できないからであり、一方、ブラシ毛4が10000dtex以上の太線度となるとブラシ毛4の剛性が高く成り過ぎて掃除面の凹部にブラシ毛4の先端が行き届かない問題が生じることや、編構造でブラシ毛を強固に拘束することが難しくなり、耐久性が低下するからである。
本発明においては、特に、上述したように取付凸部5を樹脂成型加工することなく形成するものであるから、ブラシ毛4に掛かる衝撃力が取付凸部5に伝播するのを抑え、耐久性を向上させる意味合いからブラシ毛4の繊度を細く、または柔軟な素材を選択することが好ましい。
なお、掃除機の吸い込み口の回転ブラシ体等はコンパクトに設計されていることから、被取付溝部12の大きさが余り大きくできないという制約があり、取付凸部5が収まる箇所の幅とブラシ毛4の根元が収まる隙間に十分な差を設けることによって係合強度を確保する必要性があることから、ブラシ毛4自体の幅を狭くするためにブラシ毛4を単一層でできるだけ薄い層とすることが好ましく、層の厚みとしてはブラシ毛4の根元の厚みで3mm以下にすることが好ましい。
『第2実施形態』
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、編目2a・2bを形成する編糸と挿入糸3a・3bの少なくとも一方において、低融点ポリマーを含む繊維糸を配置して、各繊維糸同士の交錯部が部分的または全体的に溶融接着する。そうすることによって、ブラシ毛4の抜け防止にもなるし、編糸、および挿入糸を構成する各繊維同士、あるいは編糸や挿入糸の交錯部が接着によって硬化し、取付凸部5を硬直化させることができる。
低融点ポリマーを含む繊維糸としては、通常の繊維糸を芯にして低融点ポリマー糸でカバーリングしたカバーリング糸、通常の繊維糸と低融点ポリマー糸とを交絡加工した混繊糸、あるいは高融点ポリマーを芯にその表面に低融点ポリマーを被覆した芯鞘型の複合繊維糸など挙げられる。
普通糸と低融点ポリマー糸とをそれぞれ単独で交編すると、熱処理された際に低融点ポリマー糸が溶融切断すると同時に熱収縮して塊状となり、その塊部が存在する箇所は接着するが、その他の箇所は接着されないという問題点があるが、芯鞘型の複合繊維糸であれば、低融点ポリマーが溶融切断するような現象がなく、各単繊維同士が確実に接着されるので、あたかも樹脂加工したような硬さで硬直化し、形態安定した取付凸部5を得ることができる。
取付凸部5を硬直化させることで、ブラシ毛4の抜け防止や被取付溝部12への固定の安定化を得ることができ、さらにはブラシ体1の交換において、取付凸部5が柔軟である場合における、被取付溝部12の端部から押し込む力が取付凸部5の先端まで十分に伝わらず挿入させにくい問題を解消することができる。一方、掃除機の回転ブラシでは被取付溝部12が螺旋状や、サッシ溝など掃除用の円筒状ブラシ付き吸い込み口のように曲率半径の小さい円弧状の溝においては、取付凸部5の剛性が余りにも高いと曲率に沿わず挿入できない問題が生じるが、本実施形態の取付凸部5においては、低融点ポリマー糸の使用割合により要求される剛性を得ることができ、回転ブラシの螺旋溝程度であれば芯鞘複合糸100%使用による取付凸部5で挿入可能である。
また、少なくとも編目2a・2bに芯鞘複合糸を配置させることによって、取付凸部5の側面は比較的弾性率の低い低融点ポリマーで覆われることになるので、その低融点ポリマーが被取付溝部12の面との間で緩衝材となり、ブラシ体1の耐久性を向上させる効果がある。
融点の異なる芯鞘型の複合繊維糸としては市販されている複合繊維糸を用いることができ、実際の製造面における低融点ポリマーの溶融接着時間を短くし、生産効率を上げるためには、融点の低い低融点ポリマーが好ましいが、耐熱性を考慮する必要性から、芯となる高融点ポリマーの溶融温度が220℃以上で、低融点ポリマーの溶融温度が120〜170℃程度であることが好ましい。
また、市販されている融点の異なる芯鞘型の複合繊維糸は比較的細繊度であることから、本発明のブラシ体1に用いる場合、複数本を引き揃え、または比較的甘撚りの撚糸加工した糸を用いることができる。
また、本発明のブラシ体1を編成した直後の編機上、または別ラインで低融点ポリマーを熱溶融させる際に、ブラシ毛4に加わる熱により、熱収縮してブラシ毛4の長さが不安定化するという懸念があるので、熱収縮しない炭素繊維あるいは熱収縮の小さい合成繊維糸をブラシ毛4として採用することが好ましい。
本発明のブラシ体1を構成する編糸2a・2b、および挿入糸3a・3bの全部に融点の異なる芯鞘型の複合繊維糸を用いることで、従来の樹脂で成形加工されたブラシ体と同様のものとなり最も好ましい態様であるが、材料費を下げる目的で普通糸と混ぜて用いることもできる。この場合、芯鞘型の複合繊維糸の使用量が取付凸部を形成する編糸と挿入糸全体の65重量%以上であることが好ましく、芯鞘型の複合繊維糸の使用量の割合が65%以下となると未接着の部分が増え、樹脂加工並の十分な強度が得られない。
また、本実施形態では、硬化した低融点ポリマーによる取付凸部を、ブラシ体の長手方向に対する直交方向における取付凸部の切断面において、ブラシ毛の軸方向を中心として左右対称にすることができる。この際、熱溶融して滲出した樹脂が糸の外側に付着して取付凸部を成形できるように、低融点ポリマーの樹脂量を適宜調整する。
本発明は、上述したブラシ体1が装着された電気掃除機の吸引口に設けられる回転ブラシ体、緩衝体、シール(機密)材としてのもので、空気調和機(エアコン)フィルター掃除機器も含まれるものである。
カールマイヤー製のタイプHDRSE−STの18ゲージのダブルラッセル経編機を用い、図2に示す組織、および表1に示す糸使いで、筬G2、G4による鎖編目を2列並列させ、コース密度を15.2本/25.4cmでブラシ体を製作し、製編後に設定温度140℃の連続乾燥炉内を処理時間67秒となる低速度で通過させて、ポリエステル芯鞘複合糸の低融点ポリマーを溶融させ、各糸同士間を接着させた。そしてブラシ毛の長さの中央をスリット(カット)して2本ブラシ体を得た。
得られたブラシ体の寸法は表2に示す通りで、熱処理前の取付凸部の弾性率に対して、熱処理により、ポリエステル芯鞘複合糸の鞘部分の低融点ポリマーによる各繊維間の接着効果により弾性率が向上した。実際に取付凸部の形状に合わせた被取付溝部を作製し挿入させてみたが、難なく挿入でき、そして挿入後にブラシ毛を揺すってみたが取付凸部が溝内で動くことなく収まっていることが確認できた。
本発明は、概ね上記のように構成されるが、本発明は図示の実施形態に限定されるものではなく、「特許請求の範囲」の記載内において種々の変更が可能であって、例えば、ブラシ毛4は単一層に限らず、複数本の多層構造であっても良い。
本発明のブラシ体は、取付け部が従来のように樹脂成型加工を施すことなくダブルラッセルの編構造で形成し、必要に応じて、使用糸の接着機能により硬直化させることもできるので安価な製造コストで提供できることから種々の用途に適用でき、産業上の利用価値は非常に高い。
1 ブラシ体
2 編目
2a 表編目
2b 裏編目
3 挿入糸
3a 表側挿入糸
3b 裏側挿入糸
4 ブラシ毛
5 取付凸部
11 清掃機器の回転体
12 被取付溝部

Claims (7)

  1. 清掃機器のブラシ取り付け用の被取付溝部に固定して用いられるブラシ体であって、
    繊維束から成るブラシ毛がU字状に折り返された状態で少なくとも一列に並列してブラシ層を形成し、U字状の折り返し部の近傍において、前記ブラシ層の両面に編目を配列するダブルラッセル組織によりブラシ毛が保持されており、
    前記両面の編目列、およびその内側に配置された挿入糸により、長手方向に延びる取付凸部が形成され、
    この取付凸部が前記被取付溝部内に係合可能であることを特徴とする清掃機器用ブラシ体。
  2. ブラシ体の長手方向に対する直交方向における取付凸部の切断面において、ブラシ毛の軸方向を中心として左右の繊維量が同じであることを特徴とする請求項1記載の清掃機器用ブラシ体。
  3. 繊維束から成るブラシ毛がU字状に折り返された状態で一列に並列して単一層からなるブラシ層を形成し、U字状の折り返し部の近傍において、前記ブラシ層の両面に編目を配列するダブルラッセル組織によりブラシ毛が保持されていることを特徴とする請求項1または2項記載の清掃機器用ブラシ体。
  4. 取付凸部における編目列を形成する編糸と挿入糸の少なくとも一方において、高融点ポリマーが芯で、その表面に低融点ポリマーが被覆された芯鞘型の複合繊維糸が用いられており、
    前記低融点ポリマーの熱溶融により取付凸部内で部分的または全体的に溶融接着されて、硬化していることを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに項記載の清掃機器用ブラシ体。
  5. 硬化した低融点ポリマーによる取付凸部が、ブラシ体の長手方向に対する直交方向における取付凸部の切断面において、ブラシ毛の軸方向を中心として左右対称であることを特徴とする請求項4項記載の清掃機器用ブラシ体。
  6. 取付凸部における編目列を形成する編糸と挿入糸のうち、芯鞘型の複合繊維糸の占める割合が65重量%以上であることを特徴とする請求項4または5項記載の清掃機器用ブラシ体。
  7. 取付凸部における挿入糸が、複数本の糸が引き揃えられ、または撚糸の形態で集合しており、その合計繊度が1000〜10000Dtexの繊度の範囲で挿入されていることを特徴とする請求項1〜6の何れか一つに記載の清掃機器用ブラシ体。
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