JP2005270630A - パイル用繊維糸、モップ用基布、モップ及び清掃用具 - Google Patents

パイル用繊維糸、モップ用基布、モップ及び清掃用具 Download PDF

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Abstract

【目的】 清掃によりモップに絡み付いた繊維屑を洗浄によって容易に脱離でき、洗浄後の仕上りを良好にするパイル用繊維糸及びモップ用基布を開発する。
【構成】 本発明に係るパイル用繊維糸及びモップ用基布4は、多数の短繊維50を絡み合わせた単糸52とこの単糸52を複数本撚り合せた原糸54とこの原糸54を複数本揃えて撚りを掛けて形成した複合糸56から構成される。パイル用繊維糸は平均太さ3d以下の短繊維50で、太さ4S〜15Sの単糸52から形成され、モップ用基布4は平均太さ1.4d〜4.8dの短繊維50で、太さ5S〜35Sの単糸52から形成される。このパイル用繊維糸から形成されたパイル8を使用して構成されたモップ2は、ダスト捕集性に優れ、清掃によって繊維屑116がパイル8やモップ用基布4に絡んでも、洗浄によって自動的に除去される。
【選択図】 図4

Description

本発明は、床面や壁面を清掃するための清掃具に関し、更に詳細には、モップ把持部に装着されるモップにおいて、前記モップを構成するモップ用基布、モップ用パイル、及びそのパイルを形成するパイル用繊維糸に関する。
従来から、家庭や職場の清掃用具として清掃用モップが広く利用されてきた。近年、レンタルモップ等の普及により、その需要は店舗や家庭で増大している。特に、モップがモップ把持部から取り外せるタイプの清掃用モップがよく利用されている。この清掃用モップは、床面等に直接接触するモップと保持具から構成され、保持具はモップを装着するモップ把持部と人が握る柄から構成されている。柄の先端はジョイントを介してモップ把持部に連結され、モップを回転可能に保持し、容易に着脱できる仕組になっている。
このモップは楕円形や長方形などの形状を成し、モップ用基布の下面全体に多数のパイルを植設して構成されている場合と、基布に植設しないで多数のパイルを直接糸状に結束して構成されている場合がある。これらのパイルは複数本の単糸を撚って、これを適当な長さに縫着して形成される。このパイルやモップ用基布には、従来、綿繊維が使用されてきた。綿繊維を使用したモップは価格が安く、使用後の洗浄性がよいので広く使用されてきが、綿繊維は吸水性が大きいので乾燥に時間を要し、洗浄回数が多くなるほど損耗して綿ぼこりが多数発生するという問題があった。また、多数回の洗浄により、綿繊維が保有する親水性のOH基を失って収縮し、弾力性が低下するためダスト捕集性が悪くなるという欠点も有していた。
そのため、現在では、モップに化繊糸がよく利用される。化繊糸にはフィラメント糸(長繊維からなる連続糸)とスパン糸(短繊維からなる撚り糸)がある。フィラメント糸は軽量で洗浄後の乾燥時間が短いが、糸の外周面が比較的平滑なためダスト捕集性が悪くなるという欠点がある。他方、スパン糸ではダスト捕集性はよいが、捕集されたホコリが洗浄によっても容易に除去できないという弱点がある。即ち、通常の洗浄ではホコリ除去が困難であるから、特別洗浄が必要となる。従って、洗浄にコストが掛かり、製品の価格を押し上げる要因となっている。
このような技術的背景の下で本件出願人は、メッシュ状のモップ用基布にパイルを網目状に縫着してモップを形成する技術を特開平5−277054号として発表した。また、モップを把持部に装着する技術として、特開2001−104228号が公表されている。
特開平5−277054号公報 特開2001−104228号公報
前記特許文献1は、メッシュ状のモップ用基布にパイルを植設してモップを形成している。この公知技術以前では、モップ用基布に厚布を使用していたからモップ用基布の洗浄性が悪く、使用すればするほど汚れが蓄積し、洗浄してもその汚れを容易に除去できなかった。ところが、この公知技術により、モップ用基布をメッシュ状に変更したから、洗浄水の水切れがよく、汚れが蓄積することが少なくなり、モップ用基布の洗浄性は従来に比べ改善された。ところが、モップ用基布の下面に植設された多数のパイルの洗浄効率は十分には改善されず、以前と同様の水準にあった。本発明者等はこのモップを用いて、清掃・洗浄の繰り返し試験をした結果、特徴的な弱点を発見するに到った。この状況について図27を用いて説明する。
図27は、従来の清掃用具の概略斜視図である。清掃用具110はモップ保持具111にモップ102を装着して構成される。モップ保持具111は把持部114に形成されたジョイント115を介して、柄112を回動自在に連結して構成される。モップ102は、基布104(図27では把持部114の下に隠れている)の下面に多数のパイル108を植設して構成され、基布104の上面左右には袋状部107,107が形成されている。前記把持部114の左右端部を袋状部107,107に挿入してモップ102はモップ保持具111に装着され、清掃用具110が完成される。
この清掃用具110を用いて床等を掃除し、その後モップを洗浄して再び掃除を行い、掃除・洗浄を多数回繰り返した。その結果、粒子性のホコリ(塵埃)は洗浄によって効率的に除去されることが分かったが、糸屑や髪の毛などの繊維屑116がパイルに絡みつき、洗浄してもその多くが除去できないことが分かった。しかも、掃除・洗浄の反復回数が多くなるに従って、洗浄後にモップ、特にパイルに絡み付く繊維屑116は次第に増加することが確認された。
前記特許文献2の公知技術は、モップ用基布の表裏両面にパイルを植設し、このモップ用基布を把持部に固定する技術に関するものであって、洗浄後にパイルに絡み付く繊維屑116については、特許文献1と同様の問題を有している。
このような繊維屑116は、機械洗浄で除去することがほとんど困難であり、洗浄して乾燥させた後、人手によって丹念に除去する以外に方法がなかった。特に、レンタルモップ等の洗浄においては処理量が多量であるから、この繊維屑116の除去作業が作業効率を低下させる原因となっていた。作業効率の低下は洗浄コストの増大を招き、最終的にはレンタル料金の価格上昇を引き起こす。
本発明者等は鋭意研究した結果、モップ用基布やパイルを形成する繊維とそれらに絡み付いた繊維屑量との相関関係に着目し、本発明を完成させたものである。従って、本発明の目的はモップ用基布やパイルを形成する繊維に特有の条件を保持させることによって、高ダスト捕集性を有しながら繊維屑が絡み付くことを極力抑制し、また、絡み付いても洗浄によって容易に脱離させることのできるモップ及びそれを用いた清掃用具を提供することである。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の第1の形態は、多数のパイルが植設されたモップを形成するためのパイル用繊維糸において、多数の短繊維を絡み合わせて単糸とし、この単糸複数本を撚り合せて原糸とし、この原糸複数本を撚り合せて複合糸としたとき、前記単糸、原糸及び複合糸からなるパイル用繊維糸群から選択されたパイル用繊維糸であり、短繊維の平均太さが3d(デニール)以下で、単糸の太さが4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)であるパイル用繊維糸である。
本発明の第2の形態は、第1形態のパイル用繊維糸から形成された多数のパイルを植設したモップである。
本発明の第3の形態は、第2形態のモップをモップ把持部に装着した清掃用具である。
本発明の第4の形態は、モップ用基布に多数のパイルが植設されたモップを構成するモップ用基布において、多数の短繊維を絡み合わせて単糸を形成し、この単糸複数本を撚り合せて原糸とし、この原糸複数本を撚り合せて複合糸としたとき、この単糸、原糸及び複合糸からなる基布用繊維糸群から基布用繊維糸を選択し、この基布用繊維糸により形成されたモップ用基布で、短繊維の平均太さが4.8d(デニール)以下で、単糸の太さが5S(英国式番手)〜35S(英国式番手)であるモップ用基布である。
本発明の第5の形態は、第4形態において、短繊維の平均太さが1.4d(デニール)〜4.8d(デニール)のモップ用基布である。
本発明の第6の形態は、第4形態又は第5形態のモップ用基布に多数のパイルを植設したモップである。
本発明の第7の形態は、第4形態のモップ用基布に多数のパイルを植設したモップであり、平均太さが3d(デニール)以下の多数の短繊維を絡み合わせて4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)の太さを有する単糸を形成し、この単糸複数本を撚り合せて原糸とし、この原糸複数本を撚り合せて複合糸としたとき、前記単糸、原糸及び複合糸からなるパイル用繊維糸群から選択されたパイル用繊維糸により形成されたパイルを前記モップ用基布に植設したモップである。
本発明の第8の形態は、第6形態又は第7形態のモップをモップ把持部に装着した清掃用具である。
本発明の第1の形態によれば、平均太さが3d(デニール)以下の短繊維で、太さが4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)の単糸、この単糸から作られた原糸及び複合糸から選択されたパイル用繊維糸を用いるから、柔軟性・ダスト捕集性・洗浄性(繊維屑除去性)に優れたモップ用パイルを形成できる。本発明者等はパイルやモップ用基布の最小構成単位が短繊維であることに着目し、ダスト捕集性と洗浄性も短繊維の性質に依存すると考えた。通常、短繊維は、長さが約38mm、約51mm、約76mm等の短い繊維であり、d(デニール)は繊維の太さを表わす単位で、デニール数が大きくなるほど太くなる。短繊維の性質を規定しているのは、材質、長さ及び太さであり、特に短繊維の太さに着目し、太さが細くなるほどダスト捕集性と洗浄性(繊維屑の除去性)が向上することを発見した。また、この短繊維を絡み合わせて形成された単糸の太さはS(英国式番手)で表され、1S、2S、3Sと数が大きくなるほど単糸の太さは細くなり、4S以上の単糸から形成されるパイル用繊維糸はより柔軟性に富んでいる。本発明者等は、単糸のデニール数と英国式番手数を変えて各種のパイル用繊維糸を形成し、このパイル用繊維糸からパイルを作製してダスト捕集性と洗浄性を試験した。その結果、特に平均太さが3d(デニール)以下の短繊維で4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)の太さの単糸を基礎にしたパイル用繊維糸を用いてパイルを作成すれば、ダスト捕集性・吸水性の良い、しかも洗浄性(繊維屑の除去性)の高いモップ用パイルを形成できることを発見した。3d(デニール)以下の細い短繊維を絡み合わせて形成された単糸は多数の間隙を内包し、表面積が大きく柔軟性に富んでいるから、ダスト捕集性に優れている。しかも、洗浄すると洗浄水を十分吸収して柔軟になり、絡み付いた繊維屑が脱離し易くなる効果を有している。4S(英国式番手)以上の単糸は細くて柔軟性があるが、細くなり過ぎると繊維として弾力性と耐久性が逆に低下する。本発明者等は、モップ用パイルの弾力性と耐久性の限界として単糸の太さが15S以下であることを発見した。従って、繊維種に応じて4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)の単糸を適宜選択してパイル用繊維糸を形成すれば、弾力性と耐久性を有し、しかも良好なダスト捕集性と洗浄性を有したパイルを作製できる。このように、3d(デニール)以下の短繊維からなる、4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)の単糸から形成される原糸及び複合糸から選択されるパイル用繊維糸はダスト捕集性が高く耐久性を有すると同時に、絡み付いた繊維屑が脱離し易く、また一本一本の単糸が細いので脱水性もよいという利点を有している。パイル用繊維糸は単糸でもよい、また原糸あるいは複合糸でもよいことは云うまでもない。以下の記載では、dはデニールを表し、Sは英国式番手を表しているから、主としてd及びSの記号を用いて説明し、デニール及び英国式番手の文字は省略する。
本発明の第2の形態によれば、平均太さが3d以下の短繊維で、太さ4S〜15Sの単糸、原糸、複合糸から形成されるパイルからモップが形成されるので、柔軟でダスト捕集性がよく、特に洗浄性(繊維屑除去性)のよいモップを作製できる。前述したように、平均太さ3d以下の短繊維から形成される単糸は柔軟性が高く、単糸の中でも太さ4S以上の単糸は細いのでより一層柔軟性が高くなる。従って、この単糸、原糸、複合糸から選択されるパイル用繊維糸から形成されたパイルは柔軟性が高く、洗浄時において吸水→膨張→柔軟という一連の過程によりパイルは洗剤を含んだ洗浄水の水流にほぐされて、パイルに絡まった糸屑や髪の毛などの従来容易に除去できなかった繊維屑を容易に除去できる。これは、本発明に係るパイルが洗浄水の渦流に柔軟に追従して容易に撹乱されることに他ならない。その結果、パイルに絡み付いたダストを容易に除去できるだけでなく、従来除去できなかった繊維屑も容易に除去できる。通常の洗浄では容易に脱離できなかった繊維屑も除去できる。従って、通常の洗浄で再使用できるので、清掃用モップの製品価格のコストダウンを実現できる。パイルに合成繊維を使用すれば耐損耗性に一段と優れた清掃用モップを提供でき、多数回の洗浄による品質低下を防止できる高品質な清掃用モップを提供できる。4S以上の単糸は細くて柔軟性があるが、細くなり過ぎると繊維として弾力性と耐久性が逆に低下する。本発明者等は、弾力性と耐久性の限界として単糸の太さが15S以下であることを発見した。従って、繊維種に応じて4S〜15Sの太さの単糸を適宜選択すれば、弾力性と耐久性を有し、しかも良好なダスト捕集性と洗浄性を有したモップを形成できる。例えば、柔軟性と弾力性が要求される床用モップとか、柔軟性が要求されるハンディモップなど使用目的に応じたモップを提供できる。通常の洗浄では容易に脱離できなかった繊維屑も効率的に除去できる利点を有する。
本発明の第3の形態によれば、平均太さが3d以下の短繊維で太さ4S〜15Sの単糸、この単糸から形成される原糸又は複合糸を用いて形成されたパイルを使用したモップを、モップ把持部に装着して清掃できるので効率よく清掃ができる。この清掃用具は柔軟でダスト捕集性がよく、従来のモップと比較して洗浄性、特に繊維屑除去性に優れているので、家庭用だけでなく産業用にも利用できる。モップの形状とモップ保持具を工夫すれば各種の用途に利用でき、例えば床用、天井用、壁用、ハンディ用等に利用できる。また、モップ把持部を取り替えれば道路清掃用、自動車清掃用、家庭用、業務用等に利用でき、機械化することにより清掃作業を自動化することもできる。
本発明の第4の形態によれば、平均太さが4.8d以下の短繊維で、太さが5S〜35Sの単糸、この単糸から形成される原糸及び複合糸から選択された基布用繊維糸からモップ用基布が作製されるので、従来除去が困難であった繊維屑を容易に離脱できる。縦糸及び横糸を織成したモップ用基布では、基布用繊維糸群から縦糸及び横糸を選択する。編布、不織布の場合には、基布用繊維糸群から選択された基布用繊維糸により形成される。従って、モップ用基布から繊維屑を除去する人手作業が極力抑制され、場合によっては不要とすることができる利点がある。本発明者等はモップ用基布の最小構成単位が短繊維であることに着目し、ダスト捕集性と洗浄性も短繊維の性質に依存すると考えて本発明を完成したものである。本発明者等は、デニール数を変えて各種のモップ用基布を作製してダスト捕集性と洗浄性を試験した。その結果、特に平均太さが4.8d(デニール)以下の短繊維からモップ用基布を作製すれば、吸水性の良い、しかも洗浄性(繊維屑の除去性)の高いモップ用基布を形成できることを発見した。平均太さが4.8d以下の細い短繊維を絡み合わせて形成された単糸は多数の間隙を内包し、表面積が大きく柔軟性に富んでいる。この単糸、またこの単糸から形成された原糸及び複合糸などの基布用繊維糸は、柔軟性、吸水性に優れている。従って、この基布用繊維糸を洗浄すると、洗浄水を十分吸収して柔軟になり、絡み付いた繊維屑が脱離し易くなる効果を有している。しかも太さ5S以上の単糸は細くて柔軟性に優れているが、細くなり過ぎると繊維としての弾力性と耐久性が逆に低下する。モップ用基布においては、本発明者等は弾力性と耐久性の限界として、単糸の太さが35S以下であることを発見した。従って、繊維種に応じて5S〜35Sの単糸を基本とする基布用繊維糸によりモップ用基布を作製すれば、弾力性と耐久性を有し、しかも高洗浄性を有したモップ用基布を作製できる。このように、平均太さが4.8d以下の短繊維で、太さが5S〜35Sの単糸、この単糸から形成される原糸及びその複合糸から形成されるモップ用基布は、耐久性を有すると同時に、絡み付いた繊維屑が脱離し易いなど洗浄性が向上する効果を奏する。
本発明の第5の形態によれば、平均太さが1.4d〜4.8dの短繊維からモップ用基布が形成されるので耐久性に優れている。前述したように、平均太さが4.8d以下の細い短繊維から形成される単糸は柔軟性が高く、5S〜35Sの単糸は太さが細いのでより一層柔軟性が高い。従って、この単糸から形成されるモップ用基布は、柔軟性が高く、洗浄時において吸水・膨張・柔軟という一連の過程により、モップ用基布は洗剤を含んだ洗浄水の水流にほぐされて、モップ用基布に絡まった糸屑や髪の毛などの従来容易に除去できなかった繊維屑を容易に脱離させることが可能となった。これは、本発明に係るモップ用基布が洗浄水の渦流に柔軟に順応して容易に撹乱される性質を有することに他ならない。その結果、モップ用基布に絡み付いたダストを容易に除去できるだけでなく、従来除去できなかった繊維屑も容易に除去できる特徴を有する。本発明者等は短繊維のデニール数を変えて基布用繊維糸の耐久性を調べた。その結果、平均太さが1.4d〜4.8dの短繊維から形成された基布用繊維糸が、柔軟性が高く耐久性に優れていることを発見した。従って、平均太さが1.4d〜4.8dの短繊維から形成された基布用繊維糸をモップ用基布に使用すれば、柔軟で、耐久性に優れたモップ用基布を作製できる。
本発明の第6の形態によれば、本発明に係るモップは、短繊維の平均太さが4.8d以下、特に1.4d〜4.8dからなり、5S〜35Sの太さの単糸、この単糸から形成される原糸及びその複合糸から形成されたモップ用基布にパイルが植設されている。従って、このモップは従来除去が困難であった、基布に付着した髪の毛や繊維屑などの繊維屑を容易に除去できるので、清掃後の洗浄効率を高めることができる。しかもこのモップは洗浄することにより何回も使用することができるので経済的で、レンタルモップとして利用すれば製品コストを低減できる効果がある。
本発明の第7の形態によれば、本発明に係るパイルを本発明に係るモップ用基布に植設してモップを作製するので、高洗浄性を有したモップを作製できる。このモップを構成するパイルと基布は、柔軟で洗浄性、特に繊維屑除去性に優れている。従って、従来除去が困難であったパイルに絡み付いた繊維屑も容易に離脱できるので、繊維屑を除去する人手作業が極力抑制され、場合によっては不要とすることができる利点がある。本発明に係るモップのパイルを形成するパイル用繊維糸は次の条件を有しておればよい。第1に、パイル用繊維糸が、平均太さが3d以下の短繊維から形成された単糸で、単糸の太さが4S〜15Sであること。第2に、パイル用繊維糸が、この単糸から形成された原糸やその複合糸であること。このいずれかに該当するパイル用繊維糸から形成されたパイルであれば、本発明に係るモップに適用できる。また、本発明に係るモップ用基布を形成する基布用繊維糸は次の条件を有しておればよい。第1は、基布用繊維糸が、平均太さ1.4d〜4.8dの短繊維から形成された単糸で、単糸の太さが5S〜35Sであること。第2に、基布用繊維糸が、この単糸から形成された原糸やその複合糸であること。このいずれかに該当する基布用繊維糸から形成された基布であれば、本発明に係るモップに適用できる。このパイルとモップ用基布から構成されるモップは柔軟性と弾力性に優れており、しかもダスト捕集性と洗浄性に優れている。パイルやモップ用基布に合成繊維を使用すれば耐損耗性に優れたモップを提供できる。
本発明の第8の形態によれば、本発明に係るモップ用基布にパイルを植設したモップを、モップ把持部に装着して使用できるので効率よく清掃することができる。このモップを構成するパイルに本発明のパイルを使用すれば、柔軟でダスト捕集性がよく、通常の洗浄では容易に脱離できなかった繊維屑も除去できる清掃用具を提供できる。この清掃用具は、モップの基布に付着した髪の毛や糸屑などの繊維屑も容易に除去できる特徴を有している。従って、通常の洗浄で再使用できるので、清掃用具の製品価格のコストダウンを実現できる。特に、レンタルモップにおいては、洗浄作業の効率を大幅に上げることができ、企業収益の改善とレンタル料金の低下を実現できる。また、この清掃用具のモップに合成繊維を使用すれば、耐損耗性に一段と優れた清掃用具を提供でき、多数回の洗浄による品質低下を防止することができる。この清掃用具はダスト捕集性に優れ、洗浄性、特に繊維屑の除去性に優れているので、家庭用だけでなく業務用等に利用できる。
以下に、本発明に係るモップ及び清掃道具の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1はモップとモップ保持具の概略説明図である。(1A)は本実施形態の清掃用具に使用されるモップ2の模式図である。モップ2は、楕円状のモップ用基布4と、その下面に植設された多数のパイル8から構成される。植設方法としては、縫着、融着など各種の公知方法を利用できる。モップ用基布4は綿繊維や合成繊維を網目状に織成して構成され、モップ用基布4の上面に同繊維種からなる袋状部6,6が設けられている。この袋状部6,6は後述する把持部14の端部14a,14aを装着するためのもので、袋状部6,6の開口部が互いに対向するように配置されている。また、上述したように、モップ用基布4の下面に本発明のパイル用繊維糸から形成されたパイル8が多数植設されている。
(1B)はモップ2を固定し保持するモップ保持具10の概略斜視図である。モップ保持具10は、モップ2を装着するパイプや合成樹脂成型体から構成される把持部14と、モップ2を手動操作するための柄12から構成され、柄12の基端にはグリップ15が形成されている。柄12の先端はジョイント13を介して把持部14に連結され、把持部14に対し柄12を上方半空間に旋回自在に構成され、モップの操作性を良好にしている。把持部14は両端に端部14a,14aを有し、この端部14a,14aを前記モップ繊維体2の袋状部6,6に装着して、モップ繊維体2をモップ保持具10に固定する。
把持部14は折曲部16,16で下方に折れ曲がり、モップ2を容易に着脱できる構造になっている。端部14a、14aを折曲自在としたが、折曲不能であってもよい。例えば、把持部14の下面に係止ファスナーを固着し、モップ用基布4の上面に係止ファスナーを固着し、係止ファスナー同士の係り合いにより、把持部14とモップ2を一体化してもよい。
図2は本実施形態におけるモップ用パイルの形成図である。(2A)は短繊維50を撚り合わせて単糸52を形成する説明図である。本実施形態では3d以下の短繊維を使用する。短繊維の長さは、例えば約38mm、約51mmの程度で、これらの短繊維を多数撚り合わして単糸52を形成する。天然繊維には綿のように短繊維であるものが多いが、化学繊維ではフィラメント糸のような長繊維を短く切断して短繊維を形成する場合がある。(2B)は単糸52を表している。多数の短繊維50を平行に揃え撚り合わせて単糸52を形成する。前記フィラメント糸のような長繊維の化学繊維は、短く切断して短繊維にしてから単糸52を形成する。単糸52の太さは前記Sで表し、大小各種の太さを形成できる。本発明のモップ用パイルに使用される単糸の平均の太さは少なくとも4S以上であり、好適には4S以上で15S以下に調節される。この単糸52を複数本撚り合わして原糸54を形成する。(2C)は5本の単糸から構成される原糸54を表している。単糸52の種類により各種の原糸54を作成でき、複数種の混紡からなる原糸54も形成できる。原糸54の撚りかたとその回数は多種多様であり、目的に応じて適宜調整される。(2D)は2本の原糸54を撚り合わせて形成された複合糸56である。(2E)は単糸52、原糸54及び複合糸56などのパイル用繊維糸から形成されたパイル8が示され、パイル端部9がループ状に形成されたループパイル8aは「ほつれ」などが生じることが少ない。(2F)ではパイル端部9がカットされたカットパイル8bが示されている。モップ2としてループパイル8aとカットパイル8bのいずれを使用するかは目的に応じて適宜選択される。
図3は本実施形態における基布用繊維糸の形成図である。(3A)〜(3D)は図2と同様であるので説明を省略する。この基布用繊維糸からモップ用基布4が作製される。
図4は本実施形態における基布用繊維糸から形成されたモップ用基布にパイルが植設されたモップの模式図である。モップ2は、モップ用基布4に多数のパイル8が植設されている。このモップ用基布4は、単糸52、原糸54及び複合糸56の基布用繊維糸を縦糸3a、横糸3bとし、この縦糸3a、横糸3bをメッシュ状に織り合わせて楕円形状を形成している。また、モップ用基布4の上面に袋状部6がモップ用基布4の両端に設けられ、モップ用基布4と袋状部6の端部は縁取りとして縁かがり5aが形成されている。このモップ用基布4には不織布、織物布、編物布などの種類があり、複数種の基布用繊維糸を用いて混紡モップ用基布を作製することもできる。このモップ用基布4に前記パイル8を多数植設して本発明に係るモップ2は作製される。このモップ用基布4は洗浄性がよく、従来除去が困難であった繊維屑も容易に洗い落とすことができる。
図5は本実施形態におけるモップ用基布に植設されたパイルの断面図である。モップ2は、モップ用基布4の縦糸3aと横糸3bにより形成された小孔(メッシュ)7にパイル8が多数打ち込まれて形成されている。 パイル8をモップ用基布4に植設する方法には、モップ用基布4に縫い付けたり融着させる方法とモップ用基布4にパイル8を直接打ち込んでモップ2を完成する方法がある。本実施形態においてはモップ用基布4の長手方向に両サイドと中央の3列にパイルが植設されているが、配列数は適宜増減できる。パイル8は一般的に11Sの単糸2本撚りを使用し、パイルの長さは用途により異なる。パイル8をモップ用基布4に縫い付ける場合は5〜200mm、特に30〜100mmの長さが好ましい。また、モップ用基布4にパイル8を打ち込む場合は、2mm〜15mm、特に7mm前後の長さが好ましい。パイルの打ち込み本数は縦糸16本/インチ〜24本/インチ、中でも24本/インチ前後、横糸30本/インチ〜60本/インチ、中でも50本/インチ前後がこのましい。また、パイル8は複数種の繊維から形成でき、このパイルの配列及びパイルの植設パターン等は、モップの用途に応じて適宜調整される。
図6は本実施形態における、基布にパイルを植設しないでパイルを糸状に結束して形成されたモップの模式図である。(6A)パイルを糸状に結束して形成されたモップを使用した清掃用具の斜視図である。清掃用具2は芯材11aの外周に形成された溝に、糸状に結束された多数のパイル8を巻き付けて構成されている。(6B)は前記糸状に結束されたパイル8を作製するときの説明図である。前記パイル用繊維糸から形成されたパイル8を図のように一定長さに束ねて、その中央に結束部11bを設けて糸状に結束されている。パイル8の端部は点線で示されている切断部11cでカットされている。
前記したパイル8やモップ用基布4に用いられる繊維糸には、綿などの天然繊維のほか、払拭性のよい化学繊維、例えばナイロン繊維、アクリル繊維、レーヨン等のセルロース性繊維やポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリ塩化ビニル繊維等が利用でき、またこれらの混紡繊維が利用できる。これらは紡績糸、マルチフィラント等の形で、また巻縮糸、未巻縮糸の形で利用される。
このモップ2は、例えばダスト吸着用油剤を含浸させて使用する。ダスト吸着用油剤としては、鉱物油や合成潤滑油等があり、これにカチオン界面活性剤等の界面活性剤を添加して使用することがある。ダスト吸着用油剤の含浸量は一般的に5〜50重量%であるが、使用目的に応じて適宜調整して使用する。
[モップ用パイル]
以下の実施例の記載では、dはデニールを表し、Sは英国式番手即ち、綿番手を表しているから、主としてd及びSの記号を用いて説明し、デニール及び英国式番手の文字は省略する。本実施例では短繊維として綿繊維とナイロン繊維を用いる。綿繊維としては、0.5d、1d、2d、3dからなる4種類の太さの短繊維を用意し、ナイロン繊維としては、0.5d、1d、2d、3d、4d、6dからなる6種類の太さの短繊維を用意した。各短繊維に関し1S、2S、4S、6S、8S、11S、13S、15S、17S、19Sからなる10種類の太さの単糸を形成する。従って、100種類の単糸が形成される。1S、2S、4S、6S、8S、11Sの単糸は2本、13S、15S、17S、19Sの単糸は3本を揃えて、それぞれ1〜2回/インチの割合で撚り合わせて原糸とした。この同じ英国式番手の原糸を2本揃え、2〜3回/インチの割合で撚りをかけて清掃部材用パイルを作成した。従って、100種類の清掃部材用パイルが用意された。
このパイルを基布に植設して、100種類のモップが形成された。これら100種のモップを、汚れがほぼ同一条件の家庭に供給して一週間の清掃にかけた。これらを回収して同一条件で洗浄し、再び清掃工程に回した。清掃→洗浄を9回反復した。最後に、第10回目の清掃→洗浄を行った後、パイルのダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性(洗浄性)、洗浄後の仕上り及びパイルの耐久性について確認試験が行われた。
[実施例1〜10:パイル(綿繊維)]
図7は実施例1〜10の一覧図である。0.5dの短繊維(ナイロン繊維)を用いて単糸が形成され、この単糸から形成された原糸及びその複合糸から形成されたパイルについて上記項目別に目視で判定し、優は◎、良は○、可は△、不可は×で表している。パイルのダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性は従来のパイルとの比較により判定し、洗浄後の仕上りについては柔軟性の観点から判定した。パイルの耐久性については外観の損耗から判定した。図7において、実施例9,10に不具合が生じた。パイルの耐久性に問題があり、単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例11〜20:パイル(綿繊維)]
図8は実施例11〜20の一覧図である。平均太さが1dの短繊維を用いて単糸を形成し、それぞれの単糸、原糸及び複合糸から形成されたパイルについて実施例1〜10と同様の方法で判定した。図8において、実施例19、20に不具合が生じた。実施例19、20ともパイルの耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例21〜30:パイル(綿繊維)]
図9は実施例21〜30の一覧図である。平均太さが2dの短繊維を用いて単糸を形成した。図9において、実施例21、30に不具合が生じた。実施例21は洗浄後の仕上りに、実施例30はパイルの耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例31〜40:パイル(綿繊維)]
図10は実施例31〜40の一覧図である。平均太さが3dの短繊維を用いて単糸を形成した。実施例31、32に不具合が生じた。実施例31はダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例32は洗浄後の仕上りに問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
以上の実施例1〜40の判定結果から、綿製パイルを構成する単糸が、平均太さ3d以下の短繊維から形成され、しかも単糸の太さが4S〜15Sの範囲において、ダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性、洗浄後の仕上り及びパイルの耐久性に不具合がなかった。従って、平均太さが3d以下の短繊維から形成された、太さが4S〜15Sの単糸、この単糸から形成される原糸及びその複合糸から作製された綿製パイルは、本発明の目的である高洗浄性(繊維屑除去性大)を有することが証明された。
[実施例41〜50:パイル(ナイロン繊維)]
図11は実施例41〜50の一覧図である。0.5dの短繊維(ナイロン繊維)を用いて単糸を形成し、この単糸から原糸及び複合糸などのパイル用繊維糸を形成し、このパイル用繊維糸から作製されたモップ用パイルについて実施例1〜10と同様の方法で判定した。図11において、実施例49、50に不具合が生じた。パイルの耐久性に問題があり、単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例51〜60:パイル(ナイロン繊維)]
図12は実施例51〜60の一覧図である。平均太さが1dの短繊維を用いて単糸を形成した。図12において、実施例51、60に不具合が生じた。実施例51は洗浄後の仕上りに、実施例60はパイルの耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例61〜70:パイル(ナイロン繊維)]
図13は実施例61〜70の一覧図である。平均太さが2dの短繊維を用いて単糸を形成した。図13において、実施例61、62に不具合が生じた。実施例61は洗浄後の繊維屑除去性と洗浄後の仕上りに、実施例62は洗浄後の仕上りに問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例71〜80:パイル(ナイロン繊維)]
図14は実施例71〜80の一覧図である。平均太さが3dの短繊維を用いて単糸を形成した。実施例71、72に不具合が生じた。実施例71はダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例72は洗浄後の仕上りに問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例81〜90:パイル(ナイロン繊維)]
図15は実施例81〜90の一覧図である。平均太さが4dの短繊維を用いて単糸を形成した。実施例81、82、83に不具合が生じた。実施例81及び実施例82はダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例83は洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに問題がある。
[実施例91〜100:パイル(ナイロン繊維)]
図16は実施例91〜100の一覧図である。平均太さが6dの短繊維を用いて単糸を形成した。実施例91、92、93、94に不具合が生じた。実施例91、92,93はダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例94は洗浄後の繊維屑除去性に問題がある。
以上の実施例41〜100の判定結果から、ナイロン製パイルを構成する単糸が、平均太さ3d以下の短繊維から形成され、しかも単糸の太さが4S〜15Sの範囲において、ダスト捕集性、洗浄後の繊維屑除去性、洗浄後の仕上り及びパイルの耐久性に不具合がなかった。従って、平均太さが3d以下の短繊維から形成された、太さが4S〜15Sの単糸、この単糸から形成される原糸及びその複合糸から作製されたナイロン製パイルは、本発明の目的である高洗浄性(繊維屑除去性大)を有することが証明された。
[モップ用基布]
綿繊維としては、1d、1.4d、2.5d、3dからなる4種類の太さの短繊維を用意し、ナイロン繊維としては、1d、1.4d、2.5d、3.6d、4.8d、5.4dからなる6種類の太さの短繊維を用意した。各短繊維に関し1S、3S、5S、11S、17S、23S、29S、35S、37S,39Sからなる10種類の太さの単糸を形成する。1S〜17Sの単糸は1本を用い、23S〜39Sの単糸は2本を揃えて、2〜3回/インチの割合で撚りをかけてモップ用基布の縦糸を作成した。従って、100種類のモップ用基布に使用される縦糸が用意された。これらの縦糸と、横糸として縦糸と同じ太さの短繊維から形成された11S(英国式番手)の単糸1本を用いてモップ用基布を作成し、パイルを植設して100種類のモップを形成した。これら100種のモップを汚れがほぼ同一条件の家庭に供給して、モップ用パイルと同様の確認試験が行われた。
[実施例101〜110:モップ用基布(綿繊維)]
図17は実施例101〜110の一覧図である。平均太さが1dの短繊維(綿繊維)を用いて単糸を形成し、この単糸、原糸及び複合糸から縦糸を形成し、横糸に同じ太さの短繊維からなる、11Sの単糸1本を用いてモップ用基布を作製した。図17において、実施例108、109、110に不具合が生じた。モップ用基布の耐久性に問題があり、単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例111〜120:モップ用基布(綿繊維)]
図18は実施例111〜120の一覧図である。平均太さが1.4dの短繊維を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。図18において、実施例119、120に不具合が生じた。実施例119、120はモップ用基布の耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例121〜130:モップ用基布(綿繊維)]
図19は実施例121〜130の一覧図である。平均太さが2.5dの短繊維を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。図19において、実施例121、130に不具合が生じた。実施例121は洗浄後の仕上りに、実施例130は基布の耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例131〜140:モップ用基布(綿繊維)]
図20は実施例131〜140の一覧図である。平均太さが3dの短繊維を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。実施例131、140に不具合が生じた。実施例131は洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例140はモップ用基布の耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
以上の実施例121〜140の判定結果から、平均太さが1.4d〜3dの短繊維からなる、太さが5S〜35Sの単糸、この単糸から形成された原糸及びその複合糸から形成された縦糸と、同じ太さの短繊維からなる、太さ11Sの単糸、この単糸から形成された原糸及びその複合糸から形成された横糸で作製された綿基布は、洗浄後の繊維屑除去性、洗浄後の仕上り及び耐久性に不具合がなかった。従って、本発明に係る綿基布は、高洗浄性(繊維屑除去性大)を有することが証明された。
[実施例141〜150:モップ用基布(ナイロン繊維)]
図21は実施例141〜150の一覧図である。平均太さが1dの短繊維(ナイロン繊維)を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。図21において、実施例149、150に不具合が生じた。モップ用基布の耐久性に問題があり、単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例151〜160:モップ用基布(ナイロン繊維)]
図22は実施例151〜160の一覧図である。平均太さが1.4dの短繊維を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。図22において、実施例151、159、160に不具合が生じた。実施例151は洗浄後の繊維屑除去性に、実施例159、160はモップ用基布の耐久性に問題があった。これも単糸の太さが原因と考えられる。
[実施例161〜170:モップ用基布(ナイロン繊維)]
図23は実施例161〜170の一覧図である。平均太さが2.5dの短繊維を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。図23において、実施例161、170に不具合が生じた。実施例161は洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例170は基布の耐久性に問題があった。
[実施例171〜180:モップ用基布(ナイロン繊維)]
図24は実施例171〜180の一覧図である。平均太さが3.6dの短繊維を用いて単糸を形成しモップ用基布を作製した。実施例171、172に不具合が生じた。実施例171は洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例172は洗浄後の繊維屑除去性に問題があった。
[実施例181〜190:モップ用基布(ナイロン繊維)]
図25は実施例181〜190の一覧図である。平均太さが4.8dの短繊維を用いて単糸を形成してモップ用基布を作製した。実施例181、182に不具合が生じた。実施例181及び実施例182は洗浄後の繊維屑除去性と洗浄後の仕上りに問題がある。
[実施例191〜200:モップ用基布(ナイロン繊維)]
図26は実施例191〜200の一覧図である。平均太さが5.4dの短繊維を用いて単糸を形成してモップ用基布を作製した。実施例191、192、193、194に不具合が生じた。実施例191、192、193は洗浄後の繊維屑除去性及び洗浄後の仕上りに、実施例194は洗浄後の繊維屑除去性に問題がある。
以上の実施例141〜200の判定結果から、平均太さが1.4d〜4.8dの短繊維からなる、太さが5S〜35Sの単糸、この単糸から形成された原糸及びその複合糸から形成された縦糸と、同じ太さの短繊維からなる、太さ11Sの単糸で、この単糸から形成された原糸及びその複合糸から形成された横糸で作製されたナイロン基布は、洗浄後の繊維屑除去性、洗浄後の仕上り及び耐久性に不具合がなかった。従って、本発明に係るナイロン基布は、高洗浄性(繊維屑除去性大)を有することが証明された。
本発明に係る短繊維の太さが3d以下で、太さが4S〜15Sの単糸、原糸及び複合糸から形成されたパイルは高ダスト捕集性と高洗浄性を有し、本発明に係る短繊維の平均太さが1.4d〜4.8dの短繊維で、太さが5S〜35Sの単糸、原糸及び複合糸から形成されたモップ用基布も高洗浄性を有している。従って、本発明に係るパイルとモップ用基布を用いて作製されたモップは、家庭用に利用されるだけでなく、広く産業一般に利用することができる。
本実施形態におけるモップとモップ保持具の概略説明図である。 本実施形態におけるモップ用パイルの形成図である。 本実施形態における基布用繊維糸の形成図である。 本実施形態における基布用繊維糸から形成されたモップ用基布にパイルが植設されたモップの模式図である。 本実施形態におけるモップ用基布に植設されたパイルの断面図である。 本実施形態における、基布にパイルを植設しないでパイルを糸状に結束して形成されたモップの模式図である。 実施例1〜10の一覧図である。 実施例11〜20の一覧図である。 実施例21〜30の一覧図である。 実施例31〜40の一覧図である。 実施例41〜50の一覧図である。 実施例51〜60の一覧図である。 実施例61〜70の一覧図である。 実施例71〜80の一覧図である。 実施例81〜90の一覧図である。 実施例91〜100の一覧図である。 実施例101〜110の一覧図である。 実施例111〜120の一覧図である。 実施例121〜130の一覧図である。 実施例131〜140の一覧図である。 実施例141〜150の一覧図である。 実施例151〜160の一覧図である。 実施例161〜170の一覧図である。 実施例171〜180の一覧図である。 実施例181〜190の一覧図である。 実施例191〜200の一覧図である。 従来の清掃用モップの概略斜視図である。
符号の説明
2 モップ
3a 縦糸
3b 横糸
4 モップ用基布
5a 縁かがり
6 袋状部
7 小孔(メッシュ)
8 パイル
8a ループパイル
8b カットパイル
9 パイル端部
10 モップ保持具
11a 芯材
11b 結束部
11c 切断部
12 柄
13 ジョイント
14 把持部
14a 端部
15 グリップ
50 短繊維
52 単糸
54 原糸
56 複合糸
102 モップ
104 基布
107 袋状部
108 パイル
110 清掃用具
111 モップ保持具
112 柄
114 把持部
115 ジョイント
116 繊維屑

Claims (8)

  1. 多数のパイルが植設されたモップを形成するためのパイル用繊維糸において、多数の短繊維を絡み合わせて単糸とし、この単糸複数本を撚り合せて原糸とし、この原糸複数本を撚り合せて複合糸としたとき、前記単糸、原糸及び複合糸からなるパイル用繊維糸群から選択されたパイル用繊維糸であり、前記短繊維の平均太さが3d(デニール)以下で、単糸の太さが4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)であることを特徴とするパイル用繊維糸。
  2. 請求項1に記載のパイル用繊維糸から形成された多数のパイルを植設したことを特徴とするモップ。
  3. 請求項2に記載のモップをモップ把持部に装着したことを特徴とする清掃用具。
  4. モップ用基布に多数のパイルが植設されたモップを構成するモップ用基布において、多数の短繊維を絡み合わせて単糸を形成し、この単糸複数本を撚り合せて原糸とし、この原糸複数本を撚り合せて複合糸としたとき、前記単糸、原糸及び複合糸からなる基布用繊維糸群から基布用繊維糸を選択し、この基布用繊維糸により形成されたモップ用基布で、前記短繊維の平均太さが4.8d(デニール)以下で、前記単糸の太さが5S(英国式番手)〜35S(英国式番手)であることを特徴とするモップ用基布。
  5. 前記短繊維の平均太さが1.4d(デニール)〜4.8d(デニール)である請求項4に記載のモップ用基布。
  6. 請求項4又は5に記載のモップ用基布に多数のパイルを植設したことを特徴とするモップ。
  7. 請求項4に記載のモップ用基布に多数のパイルを植設したモップであり、平均太さが3d(デニール)以下の多数の短繊維を絡み合わせて4S(英国式番手)〜15S(英国式番手)の太さを有する単糸を形成し、この単糸複数本を撚り合せて原糸とし、この原糸複数本を撚り合せて複合糸としたとき、前記単糸、原糸及び複合糸からなるパイル用繊維糸群から選択された、パイル用繊維糸により形成されたパイルを前記モップ用基布に植設したことを特徴とするモップ。
  8. 請求項6又は7に記載のモップをモップ把持部に装着したことを特徴とする清掃用具。
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