JP2007528453A - 集塵繊維製品を得る方法、およびこのようにして得られる集塵製品 - Google Patents
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Abstract
集塵繊維製品を得る方法であって、マルチフィラメントに織った合繊糸がパイル糸(2)として使用され、パイル糸はソーイングコア(1)に沿って縫い付けられ、切断されて、コアから放射状に延びるホイスカーの密な連続を有する複合糸が得られ、各ホイスカーはマイクロフィラメントの束から成り、複合糸は前記集塵製品を実現するために編機または織機に供給される。本発明のかかる複合糸を用いて作られる集塵繊維製品、特に5本指の手袋(3)は、添加剤または化学的処理を使用せずに、ほこりを捕捉する非常に高い能力、使用しても長期間変わらない能力を有する。
Description
発明の分野
本発明は、いわゆる「集塵」繊維製品、すなわち、ほこりを保持することが可能であり、この特性によって、家具、備品、およびより広く、任意の屋内または屋外の表面のほこりを払うのを目的とする製品の分野に関する。より具体的には、本発明は、すなわち、5本指の集塵手袋を製造するために使用される糸を得る方法に関連する。本発明はまた、このようにして得られる糸、およびこの糸を用いて製造される集塵繊維製品に及ぶ。
本発明は、いわゆる「集塵」繊維製品、すなわち、ほこりを保持することが可能であり、この特性によって、家具、備品、およびより広く、任意の屋内または屋外の表面のほこりを払うのを目的とする製品の分野に関する。より具体的には、本発明は、すなわち、5本指の集塵手袋を製造するために使用される糸を得る方法に関連する。本発明はまた、このようにして得られる糸、およびこの糸を用いて製造される集塵繊維製品に及ぶ。
従来技術の説明
ほこりを捕捉する特性を有する種々の種類の繊維製品が知られており、利用できる。かかる特性は化学的添加剤の使用によって、あるいは織物の機械的特性に作用することによって得られる。実際に、特に毛の多い、または海綿状の製品は、織物によるほこりの含浸作用を引き起こすことが明らかである。
ほこりを捕捉する特性を有する種々の種類の繊維製品が知られており、利用できる。かかる特性は化学的添加剤の使用によって、あるいは織物の機械的特性に作用することによって得られる。実際に、特に毛の多い、または海綿状の製品は、織物によるほこりの含浸作用を引き起こすことが明らかである。
本説明に関する限りの関心の1つである、この生産的なオプションは、繊維製品が、多数回洗濯された後でさえも、長期間にわたって再利用されることが可能であるという利点を本質的に有する。さらに、化成品が全く使用されないという事実は、製品をより環境に優しくし、ユーザーに対する製品の許容性に関する禁忌を無くする。しかしながら、純粋に機械的な解決策を用いて、化学的処理などによって得られる集塵能力に匹敵することは困難である。
別の関心のある点は繊維製品の全体の形状である。実際に、製品は、清掃作業をより便利に、かつ効率的にするように、ほぼ長手袋形の構成を有利にとることができる。これに関して、5本指の手袋の実際の形状は、手に対するより密な嵌め合いを確実にするために、そしてより正確な、かつより制御可能なダスティング作用のためにも、特に有利であるだろう(単一の指は、穴、隙間、割れ目、またはその他の動きを妨げる部位に達するために使用されることが可能である)。しかしながら、この方針は今まで成功裏に進められなかった。化学的添加剤を使用しない5本指の集塵手袋の製造は、先行技術におけるように、毛の多い特性が半製品(すなわち、既に編んだ、または織った織物)に対する処理によって達成される場合は、実際には実現可能なオプションではない(少なくとも、高過ぎる生産コストによって)。この場合には、2枚の織物を結合して、単一のポケット、またはせいぜい長手袋を作るのが精いっぱいであり、実際にこれは市場が現在提供することである。
5本指の手袋を糸から直接作る適切な編機を使用する理論的可能性は、この分野では未だ適切に活かされなかった。完成した手袋を従来の処理にさらして毛の多い織物を作ることは、明らかに不可能である。代替案は、本質的に毛の多い、または少なくとも海綿状の手袋を作るように、或るバルキネスを既に有する糸から始まるものであろう。かかる代替案は、完成した手袋が、どんな場合でも編機の正しい動作を損なうこと無しに、長期の使用および多数回の洗濯の後でさえも、十分に毛の多いままであることを確実にできる、適切な糸を開発するのが困難であるために、過去において省みられることはなかった。
発明の要旨
まさに上述した生産の可能性を見直し、徹底的に調査することによって、本出願人は、化学的添加剤を含む製品の塵捕捉能力に等しいか、またはそれよりもさらに優れた塵捕捉能力を有するが、化学的添加剤の欠点のない集塵繊維製品を得ることができる方法に到達した。特に、今認識された新しい繊維材料が本質的に備える上述の塵捕捉能力を有する全体の形状に由来する使用上の利点に適合する5本指の集塵手袋を実現するという結果が達成された。
まさに上述した生産の可能性を見直し、徹底的に調査することによって、本出願人は、化学的添加剤を含む製品の塵捕捉能力に等しいか、またはそれよりもさらに優れた塵捕捉能力を有するが、化学的添加剤の欠点のない集塵繊維製品を得ることができる方法に到達した。特に、今認識された新しい繊維材料が本質的に備える上述の塵捕捉能力を有する全体の形状に由来する使用上の利点に適合する5本指の集塵手袋を実現するという結果が達成された。
かかる結果は、本発明に従って、基本的には、集塵繊維製品、特に5本指の手袋(しかしそれに限らない)を得る方法を設けることによって達成され、この方法の本質的特徴は、添付した特許請求の範囲の請求項1によって規定される。方法、およびこのようにして得られる集塵繊維製品のさらなる有利な特徴は、他の請求項に規定される。
好ましい実施形態の説明
本発明による方法では、市場で入手できる、ノンインタレースの平行結集したポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸が好ましく、総数136本のマイクロフィラメントを有する番手が78dTexであればなお一層好ましい、マルチフィラメントに織った合繊糸が使用される。この種の糸で作られた織物は、糸の一般的にかさばる構造の効果として軟らかくてビロードのようであるけれども、糸の軸に沿って配置したフィラメントが、清浄する表面に対して明らかにほとんど無関係であるので、ほこりを捕捉する能力が小さいだろう。
本発明による方法では、市場で入手できる、ノンインタレースの平行結集したポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸が好ましく、総数136本のマイクロフィラメントを有する番手が78dTexであればなお一層好ましい、マルチフィラメントに織った合繊糸が使用される。この種の糸で作られた織物は、糸の一般的にかさばる構造の効果として軟らかくてビロードのようであるけれども、糸の軸に沿って配置したフィラメントが、清浄する表面に対して明らかにほとんど無関係であるので、ほこりを捕捉する能力が小さいだろう。
本発明によれば、前記糸は、同様に合繊糸、典型的には、平行マルチフィラメントのポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸から作られた、ソーイングコアから放射状に延びるパイルの形成のために使用される。より具体的には、パイル糸は、それぞれがマイクロフィラメントの束から成る放射状の「ホイスカー(whiskers)」が密に連続するように、コアに沿って縫い付けられ、同時に切断される。この工程は、切断され、縫い付けられた飾り糸を製造するための公知の機械、例えば、ニードルスピンドル付きの装置(実際には、縫い針および角針付きの小型の適合丸編機)、例を挙げると、モンターレ(Montale)(ピストイア(Pistoia))のイタリアの会社パファシステム(PAFASYSTEM)S.r.lによって製造されるモデル リーガフィル(LEGAFIL) FT240を用いて行われ得る。
図1を参照すると、かかる作業によって生じる複合糸はこのようにしてコア1を有し、このコア1から、コアの軸に沿ってかなりの長さ(約3mm〜約10mm)ならびに密度を有するパイル2が連続して放射状に延びる。最適な効果は、有効な糸を1センチメートル当たり6本の二重ホイスカーという線密度で分布することによって得られる。従って、糸の1センチ毎に、コア1の両側から連続して延びる、約1632本のマイクロフィラメント(136×6×2)があることになる。
ここで図4および5を参照すると、このようにして得られた複合飾り糸は2つの有利な効果を有する。第1に、単純なマルチフィラメントの織り糸の使用と比較してフィラメントの数が指数関数的な増加する。複合糸が、適切な手袋製造機(以下に明記)を用いて5本指の手袋3(図4)を作るために使用されるとすれば、単純な計算によると、1つの手袋当たりのマイクロフィラメントの大体の数は1400万を超える。これと対照的に、市場で入手可能な単純なマルチフィラメントの織り糸で作られる手袋では、およそのフィラメントの数は、2448本(それぞれ136本のマイクロフィラメントが18糸)である。
さらに、図5から明らかなように、本発明によって複合糸で作られた織物では、ともに密接にまとめられ、パイル2を形成するフィラメントは、出来るだけ効率良くほこりを除去し、捕捉するために、ほこりが払われる面Sに対してある角度をなすように配置される。
パイルの均一性、その線密度、および、この種の糸で、ソーイングコアに固定される堅さは、先行技術による他の一般的に「毛の多い」糸(ブークレ糸、起毛した糸、シェニール糸、その他何でも)では可能なものではない。従って、かかる糸の場合は、添加剤または化学的処理がなく、本質的な塵捕捉能力を有する糸を直接織ったり編んだりすることによって、従って、既に織られたか、編まれた物に対する精製処理を必要とせずに、有効な集塵繊維製品を得るための基盤が確立されていることは明らかである。かかる可能性は、適切な編機、例えばシマセイキ(SHIMA SEIKI)機械モデルSFGゲージ5、あるいはマツヤ(MATSUYA)ゲージ5を用いて5本指の手袋を作るために、特定の利点とともに、明らかに活かされ得る。
上述の複合糸の有利な特徴は完成品において出来るだけ変わらず保たれ、従って最大の清掃効率を有することを確かにするために、本発明は、以下に述べる、2つのさらなる重要な生産工程を提供する。
これらの工程の第1は、織ったり編んだりする前に糸を安定させるために必要である蒸気処理に関連する。蒸気処理は、この処理中、または製造後、そして完成した集塵物品の寿命時間中ででも、フィラメントの収縮を引き起こすのを防止するために、糸に該処理を、圧力釜内で、特別な条件で施すことが特に有利である。より具体的には、糸のリールがクロスワインディング角度を最大にするように配置した糸案内を用いて作られ、糸が長さの短い円筒形糸巻きに非常にしっかり巻かれて、高さHに対して大きい直径Dを有する(D/H比は少なくとも約1.5に等しい)リールを得ると利点がある。この最後の点に関する限り、図2を参照すると、糸巻き5付きのリール4は約1.5〜4.5のD/H比を有することが好ましく、2.5〜4.5のD/H比を有することがさらに好ましいだろう。
このように、リールは大きい表面・容積比によって特徴付けられ、繊維の強い機械的圧縮作用と同時に、蒸気の材料への浸透をこのようにして促進して、パイルの起こり得る収縮を防止する。約100℃の温度で約40分間行われる処理中、リールは、糸がこの工程ですでに周囲の環境のほこりを吸収して、汚れ、不快な黒ずんだ色になるかもしれない危険を最小にするために、容器、例えば、プラスチック材料のシートで覆われた上部が開いた箱の中に保護される。明らかに、この種の製品では、きれいな色合いは、これによりユーザーはよごれの除去がすぐに分かるので、非常に重要な特徴である。
さらなる工程は、蒸気処理後、そして糸がリールから繰り出され、織機または編機、特に手袋編機に入れられる直前の工程に関連する。図3を参照すると、糸がリールから繰り出される場合に、パイル2を形成するフィラメントは、このリールの形成時に前もって受けた放射状の圧縮によって、コア1に対して傾いており、結果として糸の容積は小さくなる。本発明によれば、それ故に糸は、軸が進む方向を向いているフィラメントの向きを変えるために固定リング6に通す。リング6の直径はパイルと係合する程度であり、このようにして実現される当接作用の結果、それが糸のコア1に対するほぼ垂直な位置に戻るまで、それを後方へ回転させる。このようにして、糸が機械に供給される場合に、パイル2は最大の開きを再度有し、これは、糸のかさばりが完成品でも維持され得ることを確かにすることになる。
上述のように、パイル2がコア1に取り付けられるかたさは、織るまたは編む工程時の糸の安定性を確かにする。これは、糸の断片の離散による機械に関する機能不良および問題を回避するだけでなく、得られる集塵製品が、多数回洗濯した後でも、最大清掃効率を確保することができることを確かにする。
本発明によって、添加剤または化学的処理を使用せずに、ほこりを捕捉する非常に優れた能力、使用しても長期間変わらない能力を有する集塵繊維製品を得るという目的は、このようにして達成される。本発明は集塵クロスを作るために有利に利用され得るけれども、それは5本指の集塵手袋を作るに際して明らかに特に有利に利用されるはずである。従って繊維材料の特別な品質は、清掃をより容易に、より速く、より正確に、そしてより効率良くする構成によってさらに向上するはずである。
変形体および/または変更態様は、添付した特許請求の範囲に規定される本発明自体の保護の範囲をこのために逸脱せずに、集塵繊維製品を得る方法、および本発明によって作られる繊維製品、特に5本指の手袋に導入され得る。
図面の簡単な説明
集塵繊維製品を得る方法、および集塵繊維製品、特に、本発明によって作られる5本指の手袋の特徴および利点は、添付図面を参照して、単に例として与えられ、かつ制限するためではない実施形態についての次の説明によってさらに明確になるだろう。
集塵繊維製品を得る方法、および集塵繊維製品、特に、本発明によって作られる5本指の手袋の特徴および利点は、添付図面を参照して、単に例として与えられ、かつ制限するためではない実施形態についての次の説明によってさらに明確になるだろう。
Claims (21)
- マルチフィラメントに織った合繊糸を使用して集塵繊維製品を製造する方法であって、
コア糸(1)から放射状に延びるホイスカーが密に連続するように、前記織った糸をパイル糸(2)として切断し、前記コア糸(1)に縫い付けることによって複合糸を形成し、
各ホイスカーはマイクロフィラメントの束から成るものであり、
前記複合糸が、前記集塵製品を実現するための編機または織機に供給されることを特徴とする方法。 - 前記織ったパイル糸(2)は、ノンインタレースの平行結集したポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸である請求項1に記載の方法。
- 前記織ったパイル糸(2)は、総数136本のマイクロフィラメントを備えた番手が78dTexを有する請求項2に記載の方法。
- 前記コア糸(1)は、平行マルチフィラメント・ポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸である請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
- 前記コア糸から連続して延びる前記ホイスカーは、3mm〜10mmの長さを有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 前記パイル糸(2)は、コア糸(1)の1センチメートル当たり6本の二重ホイスカーという線密度で分布する請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記複合糸は、縫い針および角針付きの小型の適合丸編機を用いて実現される請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- 前記複合糸を編機または織機に供給するに先だって、リール(4)が、当該複合糸を長さの短い円筒形糸巻き(5)の周りに、クロスワインディング角度を最大にするように、きっちりと巻きつけることによって作られ、前記リールは少なくとも約1.5に等しい直径/高さ比(D/H)を有し、前記リールは糸を安定させるために蒸気処理を受ける請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
- 前記比(D/H)は、1.5〜4.5である請求項8に記載の方法。
- 前記比(D/H)は、2.5〜4.5である請求項9に記載の方法。
- 前記蒸気処理は、プラスチック材料のシートで覆われた上部が開いた箱の中に保護された前記リール(4)を用いて圧力釜内で行われる請求項8〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記蒸気処理は、約100℃の温度で約40分間行われる請求項11に記載の方法。
- 前記織機または編機に入れるのに先だって、直径が前記パイル糸(2)と係合する程度の固定リング(6)に、前記パイル糸(2)の向きを変えるために前記複合糸を通し、そしてこのようにして生じる当接作用の結果、それを後方へ回転させて、前記コア糸(1)にほぼ垂直な状態にする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記複合糸は、5本指の手袋(3)を糸から直接作るための編機に供給される請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 集塵繊維製品であって、
コア糸(1)から放射状に延びるホイスカーが密に連続するように、マルチフィラメントに織った合繊糸をパイル糸(2)として切断し、前記コア糸(1)に縫い付けることによって形成した複合糸を用いて作られ、
各ホイスカーがマイクロフィラメントの束から成ることを特徴とする集塵繊維製品。 - 前記織ったパイル糸は、ノンインタレースの平行結集したポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸である請求項15に記載の集塵繊維製品。
- 前記織ったパイル糸(2)は、総数136本のマイクロフィラメントの番手が78dTexを有する請求項16に記載の集塵繊維製品。
- 前記コア糸(1)は、平行マルチフィラメント・ポリアミド、ポリエステル、またはポリプロピレンの糸である請求項15〜17のいずれか一項に記載の集塵繊維製品。
- 前記コア糸(1)から連続して延びる前記ホイスカーは、3mm〜10mmの長さを有する請求項15〜17のいずれか一項に記載の集塵繊維製品。
- 前記パイル糸(2)は、コア糸(1)の1センチメートル当たり6本の二重ホイスカーという線密度で分布する請求項15〜19のいずれか一項に記載の集塵繊維製品。
- 当該製品は、5本指の手袋(3)である請求項15〜20のいずれか一項に記載の集塵繊維製品。
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