JP3231249U - 敷物用パイル材 - Google Patents
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Abstract
【課題】砂塵や水滴の透過性が良好であって、かつパイルの基布に対するグリップ性が強い敷物用パイル材を提供する。【解決手段】基布2と、この基布2に植え込まれたパイル3より成る敷物用パイル材1において、前記基布2は、第1のメッシュ列2aと、目開きが第1のメッシュ列よりも大きい第2のメッシュ列2bを有し、この第1のメッシュ列2aに対してパイル3をステッチが1〜20/インチ、ゲージが2〜20/インチとなるように植え込んで敷物用パイル材1を形成する。【選択図】図2
Description
この考案は、家屋の玄関や車輌内などに敷かれるマットや人工芝などに用いられる透過性の良好な敷物用パイル材に関する。
例えば砂ぼこりの多い砂丘付近等において、従来から用いられている通常の靴拭きマットを使用した場合、マット表面のパイルやパイルの間隙に砂ぼこりがすぐに堆積して所謂目詰りが生じ、靴拭きマットの用をなさなくなる。このような現象は、パイルの密度を粗くしただけでは、解決することはできない。砂塵はパイルばかりでなくパイルが植え込まれた基布にも付着し堆積するからである。さらに、マットに厚く付着した砂塵を除去するのも容易でない。また、砂塵以外にも、例えば浴室やキッチンなどの多量の湿気や水分にさらされる環境下では、吸水性材料でマットを形成してもすぐに飽和状態になって用をなさなくなる問題がある。さらに、屋外で使用される人工芝のような敷物では、透水性と共にパイルが激しい衝撃に耐えるよう基布に強固に植え込まれる必要性がある。
本考案者は、先の出願(特願2017−49726号)において、比較的大きなメッシュを均一に形成した基布に、所定の間隔をあけてパイルを植設したパイル材を提案している。これによって砂塵や水滴等がパイルや基布に滞溜せずに透過し、パイルの塵埃捕捉機能も低下させない等の効果をあげることができる。
しかしながら、基布のメッシュが粗いことから、パイルの基布に対するグリップ性が低下するのを免れず、また透過性を良くしながら同時にパイル密度を高めるのが難しいため、パイル全体として耐衝撃性と共に払拭機能を向上させるのが困難であるという問題が生じている。
そこで、この考案の課題は、砂塵や水滴等の透過性が良好であって、かつパイルの基布に対するグリップ性を高めることである。
上記の課題を解決するために、この考案は、基布と、この基布に植え込まれたタフトパイルより成る敷物用パイル材において、前記基布に、1〜5列の第1のメッシュ列と第1のメッシュ列よりも目開きの大きな1〜5列の第2のメッシュ列が交互に形成され、前記第1のメッシュ列の目開きが0〜100mm2、第2のメッシュ列の目開きが1〜150mm2であり、前記第1のメッシュ列にタフトパイルが植え込まれた構成を採用したのである。
前記第2のメッシュ列の目開きを4mm2〜25mm2にしておくのが好ましい。前記パイルのステッチは1〜20/インチ、ゲージは2〜20/インチが好ましい。またパイルは複数のパイル糸より成り、基布の裏面において互に接合されかつ基布に固着されているのが好ましい。この基布に合成樹脂を浸透し、弾力性を付与しておくのがよい。また基布を形成する経緯糸の交絡部を互に固着しておくのが好ましい。
この考案によれば、上記のように、パイル材の基布にパイルを植設する部分のメッシュの粗さを比較的小さくしたので、パイルのグリップ性が向上し、かつパイルを密に植設できるので払拭機能も向上する一方、パイルを植設しない部分のメッシュを大きくしたので水滴や砂塵等の透過性は充分に維持することができる。
また、洗剤等の流通性も良好であるため、塵埃等の付着物を容易に除去することができ、洗浄を効率的に行なうことができる。
以下、この考案の実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、敷物用パイル材1は、基布2と、この基布2に植え込まれたタフトパイル3より成る。基布2は、図3に模式的に示すように、目開きの大きさが比較的小さい第1のメッシュ列2aと、目開きの大きさが比較的大きい即ち目開きが第1のメッシュ列2aより大きい第2のメッシュ列2bが、パイル3の植設方向即ちステッチ方向に交互に配列されたものである。それぞれのメッシュ列2a、2bの目開き及び目形はほぼ均一であるのが好ましい。
図示の場合、2列のメッシュ列2aと1列のメッシュ列2bが交互に配列されているが、これに限らず図4に示すように、2列のメッシュ列2aと2列のメッシュ列2bを交互に配列することもでき、要はメッシュ列2aが1〜5列、メッシュ列2bが1〜5列の範囲であればいずれでもよく、交互に配列される大小のメッシュ列2a、2bの列数も、一つの基布2中においてランダムであってもよい。
第1のメッシュ列2aの個々の目開きの面積は、パイルのグリップ性の観点から0〜100mm2、特に1mm2〜10mm2が好ましく、第2のメッシュ列2bの個々の目開きの面積は、透過性の観点から1mm2〜150mm2、特に4mm2〜25mm2の範囲が好ましい。但し、メッシュ列2aの目開き面積は、メッシュ列2bのそれよりも小さくしておく。メッシュの目形は、ほぼ正方形または長方形であるが、形成方法によってはその他の多角形や略円形または楕円形に近い形状を呈することができる。
図5は、ラッセル機を用いて編成した経編地によって基布2を形成した組織図である。図示のように、鎖編み糸2cを経糸とし、挿入糸2dを緯糸として、これらの経糸と緯糸に囲まれたメッシュが縦方向に連続してメッシュ列2aと2bを形成する。このとき、経糸を通さない針抜きと筬の振り幅を大きくすることによって、より大きな目開きのメッシュ列2bが形成される。このようにして、図3に模式的に示すような目開きの小さい2列のメッシュ列2aと、目開きの大きい1列のメッシュ列2bを有する基布2が編成される。その他織物において、経糸または緯糸の間隔を変化させてメッシュの異なる基布2を形成することができる。
この基布2には、ジュートや木綿等の天然繊維やポリエステル、ポリアミド、ポリプピレン等の合成繊維の1種または2種以上から成る撚糸または無撚糸が用いられる。繊度は300〜50000デニールの範囲が好ましい。さらに編織後に、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂を塗布したり、これらの溶液に浸漬した後、乾燥固化しておくことができる。また、低融点合成樹脂例えばポリウレタンやEVA樹脂を、予め外面に塗布した弾力性の高い撚糸または無撚糸から成る網目状編織地を加熱して、経緯糸の交絡部を互に固着しておいてもよい。これらの処理によって、基布2の柔軟性を抑制し弾力性を向上させると同時に、メッシュの形状を安定化し、均一性を維持することができる。
上記のような基布2に設けられた比較的目開きの小さい第1のメッシュ列2aにパイル3がタフティング等の手段で植え込まれる。タフトパイル3のステッチ及びゲージは、メッシュ列2aのメッシュの形成規格に応じて選択すべきであるが、ステッチは1〜20/インチ(25.4mm)、ゲージは2〜20/インチが好ましい。一方比較的目開きの大きい第2のメッシュ列2bには、パイルを植設せず、ギャップとして残しておく。
前記タフトパイル3のパイル糸としては、木綿、羊毛等の天然繊維や、ポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン等の合成繊維の1種または2種以上から成る撚糸または無撚糸が用いられる。また複数本のパイル糸を同時に植え込むことができる。トータルの繊度は300〜20000デニールである。このようなパイル糸から成るパイル3は、カットパイルでもループパイルでもよい。図1はカットパイルを示している。パイル長も一定に限らず、異なった長さのパイルが混在していてもよい。
上記のようにタフトパイル3を植え込んだ基布2の裏面からパイル3の列に沿ってローラ等で接着剤を塗布することができる。これによってタフトパイル3のパイル糸相互及び基布2とパイル3を強固に接合し、パイル3の抜け落ちを防止することができる。接着剤としては、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBA)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等の合成ゴムやエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が用いられる。
この考案に係る敷物用パイル材は、これをそのまま敷物として使用してもよいが、基布2の裏面にさらにゴムや不織布等から成るバッキングシートを固着したり、着脱自在に重ね合せて使用することができる。また、バッキングシートと基布2との間に、エアウィーブ(商品名)等の多孔質構造体を積層することもできる。
以上のように、敷物用パイル材は、比較的目開きの小さいメッシュ列と目開きの大きいメッシュ列を交互に基布に設け、目開きの小さいメッシュ列にタフトパイルを植え込んだので、パイルの基布に対するグリップ性、耐衝撃性が強化されると同時に、パイルを密に植え込むことができ払拭機能も向上する一方、目開きの大きいメッシュ列によって砂塵等の粒子の粗い塵埃や水滴を透過し目詰りが生じないため、砂塵の多い地域や多湿環境下において、ダストコントロールマットや車輌用マットとして、或はバスマットやキッチンマットとして、さらには人工芝として有用である。
1 敷物用パイル材
2 基布
2a、2b メッシュ列
2c 経糸
2d 緯糸
3 タフトパイル
2 基布
2a、2b メッシュ列
2c 経糸
2d 緯糸
3 タフトパイル
Claims (6)
- 基布と、この基布に植え込まれたパイルより成るパイル材において、前記基布に、1〜5列の第1のメッシュ列と第1のメッシュ列よりも目開きの大きな1〜5列の第2のメッシュ列が交互に形成され、前記第1のメッシュ列の目開きが0〜100mm2、第2のメッシュ列の目開きが1〜150mm2であり、前記第1のメッシュ列にタフトパイルが植え込まれたことを特徴とする敷物用パイル材。
- 前記第2のメッシュ列の目開きが4mm2〜25mm2である請求項1に記載の敷物用パイル材。
- 前記タフトパイルのステッチは1〜20/インチ、ゲージは2〜20/インチである請求項1または2に記載の敷物用パイル材。
- 前記タフトパイルは複数のパイル糸より成り、基布の裏面において互に接合されかつ基布に固着されている請求項1〜3のいずれかに記載の敷物用パイル材。
- 前記基布に合成樹脂が浸透されて弾力性が付与された請求項1〜4のいずれかに記載の敷物用パイル材。
- 前記基布を形成する経緯糸の交絡部が互に固着されている請求項1〜5のいずれかに記載の敷物用パイル材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020005521U JP3231249U (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | 敷物用パイル材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020005521U JP3231249U (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | 敷物用パイル材 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017114106A Continuation JP2018202071A (ja) | 2017-06-09 | 2017-06-09 | 敷物用パイル材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP3231249U true JP3231249U (ja) | 2021-03-25 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2020005521U Active JP3231249U (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | 敷物用パイル材 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3231249U (ja) |
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2020
- 2020-12-22 JP JP2020005521U patent/JP3231249U/ja active Active
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