JP5393832B2 - カーペット製造方法、カーペット裏貼装置及びカーペット - Google Patents

カーペット製造方法、カーペット裏貼装置及びカーペット Download PDF

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Description

本発明は、タフト生機の裏面に、ジュート繊維から成る二次基布を貼り合わせるカーペットの製造方法と裏貼装置、並びに、これらの方法や装置で二次基布が裏貼りされたタフテッドカーペットに関するものである。
従来、タフテッドカーペットは、タフティング機により一次基布にパイル糸を差し込んでパイルを植設(植え付け、タフティング)して成るタフト生機の裏面に二次基布を貼り合わせることによって製造されている。
その二次基布は、パイルのバックステッチを隠して見栄えを良くし、施工時の張力に耐える強度を付与し、使用中のタフテッドカーペットの寸法安定性と形状安定性を向上させる等の目的で用いられている。
このようなタフテッドカーペットは、一次基布にはポリプロピレン繊維糸条その他の熱可塑性合成繊維糸条が用いられ、二次基布には熱可塑性合成繊維糸条の他にジュート繊維糸条が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
二次基布をタフト生機に貼り合わせるには、一般にSBRラテックスに炭酸カルシウムからなる充填剤や分散剤、増粘剤を混合したエマルジョンコンパウンド接着剤が使用されている。
この接着剤には、当然、一次基布に貼り合わせた二次基布が剥がれたりしないように、所定の接着強度が求められるが、従来は、接着強度を増すために接着剤の増量することで対応しており、一次基布が接着性の劣るポリプロピレン繊維糸条で構成されていれば、尚更、接着剤の量が増える傾向にある。
化学繊維に成る基布が適用されたタフテッドカーペットは、破断伸度が15〜30%で歪みが生じて波打ち状態になり易いことから、歩行頻度の多い場所での使用には不向きとされる。それに対してジュート繊維(黄麻)に成るジュート二次基布が適用されたタフテッドカーペットは、破断伸度が10%以下で形状が安定しており、歩行頻度の多い場所での使用には好適であるが、洗濯時の収縮率が大きく、頻繁に洗濯されるマットには不向きとされる。
そこで、破断伸度が6%以下で形状が安定し、洗濯時に収縮し難い全芳香族ポリエステル繊維になる二次基布が提案された(例えば、特許文献2参照)。
又、前記ジュート二次基布は、タフト生機の裏面にエマルジョンコンパウンド接着剤によっては貼り合わせ難い欠点があり、その欠点を解消するためにジュート二次基布に繊維製薄膜材を載置してニードリングによって機械的に絡み合いを与え、その載置した繊維製薄膜材を介してタフト生機の裏面に貼り合わせることが提案された(例えば、特許文献3参照)。
タフテッドカーペットのパイル面に図柄を描出する方法として、数種類のパイル糸を選択的に一次基布に差し込み、パイル糸の数種類に応じた数種類のパイルによって図柄を描出することは公知である(例えば、特許文献4,5,6,7,8参照)。
特開平07−034373号公報 実開平03−087478号公報(実公平7−46215) 特開2002−146660号公報(特許第3465187号) 特開平01−040657号公報(特公平1−57177) 特開平03−294561号公報(特公平6−35701) 特開平03−294562号公報(特許第3465187号) 特開平06−049763号公報(特公平7−109057) 特開平11−124764号公報
二次基布を貼り合わせる際にタフト生機のバックステッチ面56aに塗布する接着剤の塗布量を増やしたのでは、タフテッドカーペットの重量増加やコスト高につながる。
そして、タフト生機のバックステッチ面56aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤の塗膜は、その含有する水分が蒸発して嵩を縮めると共に、バックステッチ53aの内部に浸透して嵩を縮めることにもなるので、図3で示すように、バックステッチの太さM(直径)やバックステッチ間のゲージ間隔G(タフトゲージ)が大きい場合には、塗布した接着剤54は、バックステッチ53aの側周面や一次基布51の裏面、或いは、二次基布52の表面(一次基布51に近い側の面)に沿って薄い塗膜Pを成すだけになり、バックステッチ間に塗着した接着剤54の中に隣り合うバックステッチ間53a・53aの谷溝Cに亘る空洞Kが生じる。
特に、パイル糸の数種類に応じた数種類のパイルを選択的植設して図柄を描出した多彩なタフト生機のバックステッチ面56aでは、図4で示すように、その選択されるパイル糸の数種類に応じた数種類のバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)や選択されて切り替わるパイル糸の端末が重なり合って高く隆起した突出部分Hが発生し、その突出部分Hのバックステッチ間の谷溝Cも深くなり、バックステッチの突出部分Hの表面積も拡がって接着剤54がバックステッチ内部に吸収され易くなるので、バックステッチ間の谷溝Cに生じる空洞Kも大きくなる(図3参照)。
このような空洞Kについて詳解すれば、タフト生機56のバックステッチ面56aから二次基布52を剥がした場合、その一次基布51の裏面からバックステッチ53aの外周面にかけて接着剤54の塗膜Pが残るだけでなく、剥がした二次基布側(52)にも接着剤54の塗膜Pが残る(図3参照)。
その二次基布52に付着して残った接着剤54は、バックステッチ53aと相当する箇所(隆起部分R)で隆起しており、この隆起部分Rが、一次基布51のバックステッチ53aを覆う接着剤54で最も隆起した部分(隆起部分R’)と一体になることで、二次基布52がタフト生機56に接着されていたことが分かる。
つまり、それらの隆起部分Rと隆起部分R’以外の他の部分である空洞Kでは、一次基布51と二次基布52が剥離状態にあり、一次基布51と二次基布52は接着していないことになる。
従って、一次基布51の裏面から隆起したバックステッチ53aの高さでもあるパイル糸の太さMやゲージ間隔Gが所定の値を越えると、そのパイル糸の太さMやゲージ間隔Gに応じて隣り合うバックステッチ間53a・53aに亘る大きな空洞Kが生じてしまい、その結果、より多くの接着剤54を使用しても、二次基布52のタフト生機56に対する強い接着強度は望めなくなる。
又、ジュート繊維は吸湿膨潤するので、エマルジョンコンパウンドのように水分を多量に含む接着剤54が付着したジュート繊維単糸52aでは、その単糸52aを構成しているジュート繊維とジュート繊維の間の繊維間隙間が塞がれてジュート繊維単糸52aの内部に接着剤54が浸透せず、接着剤54はジュート二次基布52の布目隙間Aに浸入して投錨効果を発揮することになるとしても、その投錨効果を大きくしようとするときは、接着剤54は布目隙間Aに深く浸入して反対面、即ち、タフテッドカーペットの裏面であるジュート二次基布52の表面に滲み出し、タフテッドカーペットの裏面を汚染することにもなり、タフテッドカーペットの外観品質が損なわれる。
接着剤54のジュート二次基布表面への滲み出しを回避するには、ジュート二次基布の目付けを増やし、ジュート二次基布の経糸密度と緯糸密度を緻密にし、布目隙間Aを小さくすればよいのであるが、そうする場合にはジュート二次基布がコスト高になるだけではなく、バックステッチ面56aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤54の塗膜Pの乾燥がジュート二次基布に抑えられてタフテッドカーペットの生産効率が低下し、その乾燥エネルギーの浪費にもなる。
勿論、ニードリングによる機械的絡み合いの与えられた繊維製薄膜材が載置されているジュート二次基布(前記特許文献3参照)では、その載置した繊維製薄膜材によってジュート二次基布52の表面への接着剤54の滲み出しは抑えられるものの、接着剤54によってタフト生機に貼り合わされているのは載置された繊維製薄膜材であり、ジュート二次基布は、繊維製薄膜材に機械的に絡み合っているとしても、接着剤54を介してタフト生機のバックステッチ53aに直接貼り合わされてはおらず、二次基布51の伸縮を抑え、歩行頻度の多い場所での使用に耐えるタフト生機の寸法安定性や形状安定性には寄与しない。
そこで、本発明は、タフテッドカーペット裏面の美観を保ちながら、パイル糸の太さMやゲージ間隔Gの大小に無関係に、タフト生機と二次基布の接着強度を高め、裏貼りに必要な接着剤の使用量を低減することが出来るカーペット製造方法とカーペット裏貼装置及び歩行頻度の多い場所での使用に耐える寸法安定性と形状安定性に優れたタフテッドカーペットを実現することを目的とする。
本発明に係るカーペット製造方法は、一次基布11にパイル13を植え込んで成るタフト生機16のバックステッチ13aが露出した裏面に、ジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布12の一方面を、接着剤14を介して貼り合わせるカーペット製造方法であって、前記二次基布12の一方面を起毛すると共に、前記タフト生機16の裏面に貼り合わせる直前に前記二次基布12の起毛毛羽15を起立状態に整毛し、前記二次基布12の一方面の起毛毛羽15を前記タフト生機16の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つことを第1の特徴とする。
本発明に係るカーペット製造方法の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、発泡させた前記接着剤14を介して、前記タフト生機16に二次基布12を貼り合わせる点にある。
本発明に係るカーペット裏貼装置20は、パイル13が植え込まれた長尺状のタフト生機16を供給する供給装置Sと、当該供給装置Sの下流側に配置されていて前記タフト生機16のバックステッチ13aが露出する裏面に接着剤14を塗布する接着剤塗布装置S2と、当該接着剤塗布装置S2の下流側に配置されていて接着剤14の塗布された前記タフト生機16のバックステッチ13aが露出する裏面へと長尺状の二次基布12を送り出す送出装置21と、当該送出装置21の下流側において前記タフト生機16のバックステッチ13aが露出する裏面に二次基布12の一方面を接着剤14を介して貼り合わせる貼付手段22とが設けられていると共に、当該貼付手段22と送出装置21との間に、前記二次基布12の一方面の起毛毛羽15を前記タフト生機16の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つ整毛手段24が設けられていることを第1の特徴とする。
本発明に係るカーペット裏貼装置20の第2の特徴は、パイル13が植え込まれた長尺状のタフト生機16を供給する供給装置Sと、当該供給装置Sの下流側に配置されていて前記タフト生機16のバックステッチ13aが露出する裏面に接着剤14を塗布する接着剤塗布装置S2と、当該接着剤塗布装置S2の下流側に配置されていて接着剤14の塗布された前記タフト生機16のバックステッチ13aが露出する裏面へと長尺状の二次基布12を送り出す送出装置21と、当該送出装置21の下流側において前記タフト生機16のバックステッチ13aが露出する裏面に二次基布12の一方面を接着剤14を介して貼り合わせる貼付手段22とが設けられていると共に、当該貼付手段22と送出装置21との間に、前記二次基布12の一方面を起毛させる起毛手段23、および、前記二次基布12の一方面の起毛毛羽15を前記タフト生機16の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つ整毛手段24が設けられていることにある。
本発明に係るカーペット裏貼装置20の第3の特徴は、上記第1と第2の何れかの特徴に加えて、前記整毛手段24が、前記二次基布12の一方面に当接する掃揃装置、前記二次基布12の一方面から離れる方向に真空引きする真空装置、前記二次基布12に他方面から一方面に向けて気体を吹き込む噴射装置の何れかである点にある。
本発明において、「タフト生機16の裏面に貼り合わせる直前に二次基布12の一方面を毛羽立て、その毛羽15を貼り合わせる直前まで起立状態に保つ」とは、タフト生機16への二次基布12の裏貼り工程とは別工程で二次基布12に起毛処理を施し、その起毛処理された起毛二次基布12を裏貼り工程に搬入してタフト生機16に貼り合わせる場合において、その搬送過程で押し倒された起毛毛羽15を、二次基布に当接する掃揃装置や、起毛毛羽15を二次基布から離れる方向に真空引きする真空装置、或いは、起毛面の反対面から二次基布に気体を吹き込む噴射装置などの整毛手段24によって起立状態に復元し、その復元された起毛毛羽15をガイドロールやガイドバーその他の裏打装置の付属部材によって押し倒すことなく、接着剤14の塗布されたタフト生機16の接着剤塗布面へと二次基布12の起毛面を導くことを意味する。
又、本発明において、「タフト生機16の裏面に貼り合わせる直前に二次基布12の一方面を起毛し、その起毛毛羽15を貼り合わせる直前まで起立状態に保つ」とは、タフト生機16への二次基布12の裏貼り工程において二次基布12に起毛処理を施してタフト生機16に貼り合わせる場合においては、その起毛処理された毛羽15をガイドロールやガイドバーその他の裏打装置の付属部材によって押し倒すことなく、そのまま接着剤14の塗布されたタフト生機16の接着剤塗布面へと二次基布12の起毛面を導くことを意味する。
その裏貼り工程において二次基布12に起毛処理を施す場合において、その起毛工程から裏貼り工程までの距離が長く、その起毛工程から裏貼り工程に至る二次基布の搬送過程で二次基布の起毛面にガイドロールやガイドバーその他の裏打装置の付属部材が触れて起毛毛羽15が押し倒される場合には、その搬送過程に二次基布に当接する掃揃装置や、起毛毛羽15を二次基布から離れる方向に真空引きする真空装置、或いは、起毛面の反対面から二次基布に気体を吹き込む噴射装置などの整毛手段24を設け、その整毛手段24によってガイドロールやガイドバーその他の裏打装置の付属部材に触れて押し倒された起毛毛羽15を起立状態に復元し、接着剤14の塗布されたタフト生機16の接着剤塗布面へと二次基布12の起毛面を導くことになる。
そのように、二次基布12の一方面を起毛してからタフト生機16に貼り合わせるまでの間、毛羽15を起立状態にさせ、隣り合うバックステッチ間13a・13aに確実に毛羽15を入り込ませることで、隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込む所定量の毛羽15が確保され、タフト生機16と二次基布12との接着強度が向上する。
そして、発泡させた接着剤14を介して、タフト生機16に二次基布12を貼り合わせる場合、隣り合うバックステッチ間13a・13aで毛羽15を伝って接着剤14が十分に広がり、その後接着剤14が乾燥しても毛羽15の周面に残ることから、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
加えて、本発明に係るカーペット裏貼装置20は、二次基布12を送り出す送出装置21と、タフト生機16に二次基布12を貼り合わせる貼付手段22との間に、二次基布12を起毛させる起毛手段23を設けることで、二次基布12を送り出しから、二次基布12の起毛、そして、タフト生機16への裏貼りまでを一貫して行うことが可能となり、裏貼り仕上げの作業効率の向上が図れる。
それと共に、上述したように、運搬時等での毛羽15の毛倒れの虞れが低減し、隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込む毛羽15が増加し、毛羽15が入り込んだ状態で、接着剤14を介して、二次基布12がタフト生機16に裏貼りされることから、アンカリング効果(投錨効果)が生じ、接着強度の向上が図れると同時に、アンカリング効果が生じる分だけ接着剤14の使用量を低減することが出来、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
又、貼付手段22と起毛手段23との間に、起毛された毛羽15を起立状態にさせる整毛手段24を設けることで、裏貼り工程における毛羽15が、より一層確実に起立状態となり、隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込む毛羽15が更に増加することから、タフト生機16と二次基布12との接着強度の更なる向上が図れる。
整毛手段24は、掃揃装置や真空装置、或いは、噴射装置で構成してもよく、その機構は、二次基布12の起毛面を撫でる櫛板やドクター(平板)、ブラシロール、吸引機構(バキューム)、送風機構(コンプレッサー)と言った単純な構造のものでもよいので、カーペット裏貼装置20の簡素化が図れる。
ジュート繊維(黄麻)は、種子繊維である繊維長30mm未満の木綿繊維と同様に植物繊維ではあるが、木綿繊維とは異なり植物の木質繊維素より成る繊維長1200mm以上の長い幹繊維であり、剛直で弾性変形し難く、起毛処理されてジュート繊維単糸12aや二次基布12の表面に突き出た起毛毛羽15は押し倒され易く、一旦押し倒された起毛毛羽15は起立状態に復元し難い。
しかし、本発明では、二次基布12が裏貼り工程で起毛処理されたものであるか否かに拘らず、二次基布12の起毛毛羽15を貼り合わせる直前まで起立状態に保つこととしたので、図2に示すように、一次基布11の裏面とバックステッチ13aの隆起部分の間に高い凹凸差(M)があっても、貼り合わせる直前に毛羽立てされたジュート繊維単糸の毛羽15が、隣り合うバックステッチ間13a・13aにおいて一次基布11の裏面近傍まで深くバックステッチ間13a・13aの谷溝Cに入り込み易くなる。
そして、この入り込んだ毛羽15を伝って、接着剤14が隣り合うバックステッチ間13a・13aの谷溝Cに入り込み、接着剤14による塗膜Pが、バックステッチ13aや各基布11、12と同様に谷溝Cにも毛羽15に沿って形成され、その毛羽15と接着剤14が一体になった塗膜Qによって隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間の谷溝Cが細分され、谷溝Cに細かい小空洞Jが形成される。
そのように、隣り合うバックステッチ間13a・13aに亘るほど大きな空洞(K)ではなく、毛羽15と接着剤14が一体になった塗膜Qによって細かく仕切られた小さな空洞Jとなり、タフト生機16と二次基布12との接着面積がバックステッチ13aの隆起部分R以外の範囲まで、即ち、従来剥離状態にあったバックステッチ間の空洞部分(K)まで広がるので、タフト生機16と二次基布12との接着強度が向上する。
本発明に係るカーペット10は、一次基布11にパイル13を植え込んで成るタフト生機16のバックステッチ13aが露出した裏面に、総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布12の一方面を、接着剤14を介して裏貼りして構成され、タフト生機16のバックステッチ13aが露出した裏面に裏貼りされる二次基布12の貼合面が起毛されており、その二次基布12の貼合面から起毛されたジュート繊維の起毛毛羽15が突き出ており、その二次基布12の貼合面から突き出た起毛毛羽15がタフト生機16の裏面において隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間の谷溝(C)に入り込み、その入り込んだ起毛毛羽15が前記接着剤14と一体になった塗膜Qを形成し、その起毛毛羽15と接着剤14が一体になった塗膜Qによって隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間の谷溝Cが細分された小空洞Jを形成していることを第1の特徴とする。
本発明に係るカーペット10の第2の特徴は、上記第1の特徴に加えて、前記パイル13は、単繊維繊度20dtex未満の天然繊維又は化学繊維に成る総繊度1000dtex以上10000dtex以下の多繊糸条によって構成されており、タフト生機16の隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間のタフトゲージ間隔Gが2.5mm(1/10吋ゲージ)以上である点にある。
タフト生機16は、数種類のパイル糸を選択的に一次基布11に差し込んで構成され、タフト生機16のパイル面にパイル糸の数種類に応じた数種類のパイル13による図柄が描出されており、選択的に一次基布11に差し込まれて切り替わるパイル糸の端末がタフト生機16の裏面であるバックステッチ面16aに介在しているものであってもよい。
本発明に係るカーペット10の第3の特徴は、上記第2の特徴に加えて、前記タフト生機16が、タフテッド機の幅方向に配列されて隣合う3本以上の複数本のニードルを1組とし、その1組となる3本以上の複数本のニードルに3種類以上の異色数種のパイル糸(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)を通し、その1組の複数本のニードルの数と同数となる数ステッチサイクルにわたって、その1組の各ニードルが隣合うゲージ分ずつ各ステッチサイクル毎にタフテッド機の左右何れか一方向に連続してニードルを移動し、その数ステッチサイクルにおいて1組の複数本のニードルからパイル糸ループを受け取ることが出来る位置にあるルーパーに、その1組の複数本のニードルの何れか1本のニードルから1個のパイル糸ループ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)を選択的に引き渡す操作を、タフテッド機を通過する一次基布11に対して繰り返して構成されており、前記異色数種のパイル糸のバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)がタフト生機16のバックステッチ面16aに介在している点にある。
カーペットのパイル糸のように、単繊維繊度20dtex未満の天然繊維又は化学繊維に成る総繊度T(dtex)の多繊糸条の太さ、即ち、紡績糸やマルチフィラメント糸の太さM’(μm)は、その多繊糸条の繊維の比重をρとし、その多繊糸条を真円形断面形状のモノフィラメント糸と仮定すると、計算式M’(μm)=11.28×(T÷ρ)1/2 によって算定することが出来る。
しかし、パイル糸は嵩高に膨らんでおり、その横断面には空隙があり、パイル糸の嵩比重kは、そのパイル糸を構成している繊維の比重ρの30%未満と考えられ、従って、嵩高に膨らんだパイル糸の太さM(μm)は、計算式M(μm)=11.28×(T÷0.3ρ)1/2 によって算定すべきことになる。
因に、特許第2656372号公報に記載された実施例3に係るアクリル系繊維(ρ=1.15)に成るパイルをステッチ密度を8.5/吋として植設したパイル高さが10mmであり、パイル目付けが700g/m2 のタフト生機では、ステッチ間距離が3mm(3=25.4÷8.5)となることからパイル層目付けは609g/m2 (609=700×20÷23)となり、面積1m2 当りのパイル層の体積が10000cc(=面積1m2 ×パイル高さ10mm)となり、パイル層の嵩比重は0.05(≒0.0609×ρ=0.0609×1.15)となるので、パイル層を構成しているパイル糸の太さM(μm)は、計算式M(μm)=11.28×(T÷0.05ρ)1/2 によって算定すべきことになる。
そのように、嵩高に膨らんだパイル糸の太さM(μm)を、M(μm)=11.28×(T÷0.3ρ)1/2 と設定される計算式によって算定する場合、緊張状態にないバックステッチ13aの太さM(μm)も、その計算式M(μm)=11.28×(T÷0.3ρ)1/2 によって算定すべきことになる。
この計算式に従うと、ポリエステル繊維(ρ=1.38)に成る総繊度1000dtexのバックステッチの太さMは554(μm)、総繊度3000dtexのバックステッチの太さMは960(μm)、総繊度5000dtexのバックステッチの太さMは1230(μm)、総繊度10000dtexのバックステッチの太さMは1753(μm)になる。
又、羊毛繊維(ρ=1.32)に成る総繊度1000dtexのバックステッチの太さMは567(μm)、総繊度3000dtexのバックステッチの太さMは982(μm)、総繊度5000dtexのバックステッチの太さMは1267(μm)、総繊度10000dtexのバックステッチの太さMは1793(μm)になる。
従って、タフテッド機の幅方向に配列されて隣合う3本以上の複数本のニードルを1組とし、その1組となる3本以上の複数本のニードルに3種類以上の異色数種のパイル糸(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)を通し、その1組の複数本のニードルの数と同数となる数ステッチサイクルにわたって、その1組の各ニードルが隣合うゲージ分ずつ各ステッチサイクル毎にタフテッド機の左右何れか一方向に連続してニードルを移動し、その数ステッチサイクルにおいて1組の複数本のニードルからパイル糸ループを受け取ることが出来る位置にあるルーパーに、その1組の複数本のニードルの何れか1本のニードルから1個のパイル糸ループ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)を選択的に引き渡す操作を、タフテッド機を通過する一次基布11に対して繰り返して構成されたタフト生機16のバックステッチ面16aには、図4に図示するように、数種類のバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)や選択されて切り替わるパイル糸の端末が重なり合って高く隆起した突出部分Hが発生し、例えば、総繊度3000dtexの2〜3種類のバックステッチが重なり合った突出部分Hの高さは2〜3mmになり、総繊度5000dtexの2〜3種類のバックステッチが重なり合った突出部分Hの高さは3〜4mmになり、総繊度10000dtexの2〜3種類のバックステッチが重なり合った突出部分Hの高さは4〜5mmになることになる。
しかし実際には、タフテッド機によってタフト生機を生産するタフティング工程から二次基布12を貼り合わせる裏貼り工程へとタフト生機16を移動する搬送過程において、タフト生機16は巻き上げられ、或いは、積み上げられて一時的に保管され、その間において、バックステッチ面16aの突出部分Hには、その巻き上げられ、或いは、積み上げられたタフト生機16からの重圧が作用するので、突出部分Hの実際の高さは総じて2〜3mm高くなる。
そのように、数種類のパイル糸を選択的に一次基布11に差し込んで構成され、タフト生機のパイル面にパイル糸の数種類に応じた数種類のパイル13による図柄が描出されており、選択的に一次基布11に差し込まれて切り替わるパイル糸の端末がタフト生機16の裏面であるバックステッチ面16aに介在しているタフト生機16のバックステッチ面16aに総じて2mm〜3mmも突き出た突出部分Hが発生するが、起毛毛羽15がガイドロールやガイドバーその他の裏打装置の付属部材に押し倒されることなく起立状態を保って接着剤14の塗布されたタフト生機16の接着剤塗布面に導かれ、一次基布11の裏面近傍まで深くバックステッチ間13a・13aの谷溝Cに起毛毛羽15が入り込み、その入り込んだ毛羽15を伝って形成される接着剤14の塗膜Qに細かく谷溝Cが仕切られ、谷溝Cに細かい小空洞Jが形成され、その塗膜Qと一体になった起毛毛羽15によるアンカリング効果で二次基布12とタフト生機16の間に十分な接着強度が確保される。
充填剤の配合されたエマルジョンコンパウンドの塗膜Pの強度は、その充填剤の配合量が増えるにつれて低下する。
しかし、本発明では、塗膜Pは一体になった起毛毛羽15に補強されて破断し難く、図2に示す如く、タフト生機16から二次基布12を剥がしても、二次基布側(12)に接着剤14が殆ど残存せず、それとは逆にタフト生機側(16)には起毛毛羽15が大量に残存し、そのタフト生機側(16)に残存することになる毛羽15がアンカリング効果を発揮することになるので、接着剤自体(14)によって生じる接着強度以外に、タフト生機16と二次基布12の剥離時には総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布12から突き出た起毛毛羽15を引き千切る力も加わって高い接着強度が顕現する。
従って、たとえ、一次基布11が接着し難いポリプロピレン繊維で構成されていても、タフト生機16と二次基布12の間の接着強度が更に向上する。
又、図2に円で囲んで示すように、剥離した二次基布12には破断した毛羽端末15’が残存するとしても、接着剤14の塗膜Pは剥離されて殆ど残らないことからしても明らかなように、接着剤14が二次基布12の布目隙間Aに浸入することはなく、二次基布12の美観が保たれる。
そして、バックステッチ間13a・13aの谷溝Cに毛羽15が入り込んで生じる接着強度の増加分だけ、タフト生機16と二次基布12の貼り合わせに必要な接着剤14の使用量を減らすことも可能になり、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
そして、本発明に係るカーペット10は、タフト生機16の裏面に、接着剤14を介して、起毛された総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布12の起毛された側を貼り合わせることで、隣り合うバックステッチ間13a・13aに毛羽15を入り込ませることが可能となり、この状態で接着剤14を介して貼り合わせることから、二次基布12のタフト生機16に対するアンカリング効果も生じ、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
本発明に係るカーペット10の第4の特徴は、上記第2と第3の何れかの特徴に加えて、前記二次基布12の経糸密度および緯糸密度が8本/25.4mm〜15本/25.4mmであり、前記二次基布12の目付けが180g/m2 〜280g/m2 であり、前記二次基布12の全面に経糸と緯糸に囲まれた縦横の寸法が900μm〜2500μmの布目隙間Aが分布している点にある。
本発明によると、二次基布12が剛直で弾性変形し難いジュート繊維で構成され、その表面に形成される起毛毛羽15は押し倒され易く起立状態に自立し難いものであっても、その起毛毛羽15が、タフト生機16のバックステッチ間の深い谷溝Cや大きな空間(K)に入り込んで接着剤14が一体になった塗膜Qを形成し、その起毛毛羽15と接着剤14が一体になった塗膜Qによって隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間の谷溝Cが細分され、谷溝Cに細かい小空洞Jが形成され、起毛毛羽15によるアンカリング効果で二次基布12とタフト生機16の間に十分な接着強度が確保されるので、バックステッチ13aの太さ(M)やタフトゲージ間隔(G)の大小、或いは、バックステッチ面16aで重なり合うバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)の本数に関わらず、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現され、ジュート繊維製二次基布12が裏貼りされていて寸法安定性と形状安定性に優れ、歩行頻度の多い場所での使用に耐えるタフテッドカーペット10が得られる。
二次基布12を構成しているジュート繊維単糸12aは、下撚と上撚が重なって強度的に安定した合撚糸に比して単糸の方が強度的に弱く毛羽立ち易いが故に、起毛処理時に二次基布12の物性が大きく損なわれることがなく、その形状安定性や寸法安定性が保たれる。
そして、ジュート繊維単糸12aの総繊度を2000dtex未満にし、或いは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を8本/25.4mm未満にし、或いは又、ジュート二次基布12の目付けを180g/m2 未満にすると、ジュート二次基布が起毛処理時に摩耗し易く、強度的に安定したジュート二次基布12は得られず、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなる。
又、ジュート繊維単糸12aの総繊度を4000dtexを超えて太くし、或いは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を15本/25.4mmを超えて緻密にし、或いは又、ジュート二次基布12の目付けを280g/m2 を超えて緻密にすると、起毛処理時に単糸内部のジュート繊維が掻き出し難く、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなる。
又、ジュート二次基布12の布目隙間Aの縦横の寸法を900μm未満にすれば、ジュート二次基布12を貼り合わせた際にタフト生機16のバックステッチ面16aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤14の含有する水分がジュート二次基布12を透過し難くなり、それとは逆に、布目隙間Aの縦横の寸法を2500μmを超えて大きくすれば、布目隙間Aからエマルジョンコンパウンド接着剤14が滲み出し易くなる。
これらの点で、本発明では、二次基布12の経糸密度および緯糸密度が8本/25.4mm以上15本/25.4mm以下であり、二次基布12の目付けが180g/m2 〜280g/m2 であり、二次基布12の全面に経糸と緯糸に囲まれて分布する布目隙間Aの縦横の寸法が900μm以上2500μm以下であるため、二次基布12を物性を損なうことなく起毛処理し、エマルジョンコンパウンド接着剤14の乾燥を損なうことなくタフト生機16に貼り合わせて、エマルジョンコンパウンド接着剤14の布目隙間Aからの滲み出しがなく、形状安定性と寸法安定性に優れたタフテッドカーペットを得ることが出来る。
本発明に係るカーペット仕上装置の概要図である。 本発明に係るカーペットの斜視図であり、その一部を円で囲んで拡大して図示している。 カーペットの斜視図であり、その一部を円で囲んで拡大して図示している。 タフト生機のバックステッチ面の斜視図である。
本発明に係るカーペット10は、所期の目的を達成するために、一次基布11と、この一次基布11に植設されたパイル13と、このパイル13のバックステッチ13aが露出したタフト生機16の裏面に裏貼りされた二次基布12とを備えている。
タフト生機16の隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間のタフトゲージ間隔Gは2.5mm(1/10吋ゲージ)以上に設定されるが、具体的に言えば、そのタフトゲージ間隔Gは、タフテッド機において隣り合うニードルとニードルの間隔によって設定される。
タフテッド機には、配置されるニードル間の間隔に応じて称される1/10吋ゲージ・タフテッド機、1/8吋ゲージ・タフテッド機、5/32吋ゲージ・タフテッド機、1/5吋ゲージ・タフテッド機、1/4吋ゲージ・タフテッド機、1/2吋ゲージ・タフテッド機などがある。
本発明には、その1/10吋ゲージ・タフテッド機、1/8吋ゲージ・タフテッド機、5/32吋ゲージ・タフテッド機、1/5吋ゲージ・タフテッド機、および、1/4吋ゲージ・タフテッド機の何れかが適用される。
1/10吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは2.5mm(1/10吋ゲージ)となる。
1/8吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは3.2mm(1/8吋ゲージ)となる。
5/32吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは4mm(5/32吋ゲージ)となる。
1/5吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは5mm(1/5吋ゲージ)となる。
1/4吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは6mm(1/4吋ゲージ)となる。
総繊度の細いパイル糸は、タフトゲージ間隔Gの細かいタフテッド機、例えば、1/10吋ゲージ・タフテッド機に適用され、総繊度の太いパイル糸は、タフトゲージ間隔Gの粗いタフテッド機、例えば、1/4吋ゲージ・タフテッド機に適用される。
タフトゲージ間隔Gの粗いタフテッド機で形成されるタフト生機16のバックステッチ面16aの凹凸差(M)やバックステッチ間の谷溝Cは大きく、バックステッチ間には大きな空間(K)が生じるとしても、総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成されたジュート二次基布12を起毛し、その起毛毛羽15をタフト生機16に貼り合わせる直前まで起立状態に保つことで、十分な接着強度を確保することが出来、更に、アンカリング効果で生じる接着強度分の接着剤14を減らすことが可能になる。
裏貼りに用いる接着剤14は、スチレンブタジエン共重合体(SBR)、エチレン酢酸ビニル系共重合体(EVA)、アクリルニトリルブダジエン共重合体(NBR)、エチレン・ビニルアセテート共重合体(EVA)等のエマルジョンコンパウンドに充填剤や分散剤、増粘剤、安定剤等を配合して調製される。
その配合される充填剤は、格別な機能性を有しない炭酸カルシウムや珪藻土、クレー等でもよいが、難燃性能を有する水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム、消臭性能を有するゼオライトやセピオライト、白色顔料を兼ねた酸化チタン等、エマルジョンコンパウンドに配合して溶解せず固形物として分散する微粒子であればよい。
接着剤14は、ガス(空気等)を注入しつつ撹拌して細かく分散させ、発泡状(フォーム)や多孔質形状に組成しても良い。
接着剤14の発泡は、例えば、所謂フロスマシン(空気注入攪拌装置)を使用して行ない、その場合の接着剤14の供給容量と空気容量との割合、即ち、起泡倍率は1.5倍乃至2.5倍、即ち2.0倍前後になるように空気を機械的に接着剤に混入する。
そのように接着剤14を発泡状態にすれば、貼り合わせ時に隣り合うバックステッチ間13a・13aで毛羽15を伝って接着剤14が十分に広がることで、たとえ貼り合わせ後に乾燥しても、毛羽15の周囲を被覆する接着剤14の塗膜Qが残ることから、接着強度の向上と接着剤の低減を両立できる。
ジュート二次基布12には、1ヤード平方の目付けが5.5オンスで経糸密度が9本/25.4mm、緯糸密度が8本/25.4mmの5.5オンス織布、1ヤード平方の目付けが6オンスで経糸密度が10本/25.4mm、緯糸密度が10本/25.4mmの6オンス織布、1ヤード平方の目付けが7オンスで経糸密度が13本/25.4mm、緯糸密度が10本/25.4mmの7オンス織布、および、1ヤード平方の目付けが8オンスで経糸密度が14本/25.4mm、緯糸密度が12本/25.4mmの8オンス織布が使用される。
例えば、7オンスのジュート二次基布の目付けをグラム/メートル単位に換算すると、7オンス/(ヤード)2 =237.340g/m2 ≒237g/m2 となる。
又、7オンスのジュート二次基布の経糸密度の13本/25.4mmは511.811本/mでもあり、緯糸密度の10本/25.4mmは393.701本/mでもある。
7オンスのジュート二次基布1m2 当りの経糸と緯糸の本数を合計すると、経糸が511.811本で緯糸が393.701本であるから、その合計本数は905.512本となり、この7オンスのジュート二次基布の縦横各1mの部分を構成している長さ1mのジュート繊維単糸の905.512本を繋ぎ合わせれば、そのジュート二次基布の縦横各1mの部分を構成しているジュート繊維単糸の合計長さは905.512m(905.512m/m2 )となる。
この7オンスのジュート二次基布の縦横各1mの部分を構成しているジュート繊維単糸の合計長さが905.512mであり、その合計長さ905.512mのジュート繊維単糸の質量が237gとなるから、dtex単位で表示されるジュート繊維単糸の繊度の基準長さである10000m当りの質量は237g/905。512m=2617g/10000m≒2620g/10000mと算定され、その算定値から7オンスのジュート二次基布を構成しているジュート繊維単糸の総繊度は2620dtexと算定されることになる。
ジュート繊維単糸の横断面にもパイル糸の横断面と同程度の空隙があり、ジュート繊維単糸の嵩比重kがジュート繊維の比重ρ(=1.43)の30質量%未満とすると、7オンスのジュート二次基布を構成している総繊度2620dtexのジュート繊維単糸の太さN(μm)は、計算式N(μm)=11.28×(2620÷0.3ρ)1/2 によって882(μm)と算定される。
7オンスのジュート二次基布1m2 当りの経糸の本数は511.811本/mであるから、その経糸の7オンスのジュート二次基布1m2 に占める面積比率は45.1%となり、7オンスのジュート二次基布の隣り合う経糸間には1073(μm)の隙間が発生する。
7オンスのジュート二次基布1m2 当りの緯糸の本数は393.701本であるから、その緯糸の7オンスのジュート二次基布1m2 に占める面積比率は34.7%となり、7オンスのジュート二次基布の隣り合う緯糸間には1659(μm)の隙間が発生する。
従って、7オンスのジュート二次基布の布目隙間Aの大きさはタテ1659(μm)×ヨコ1073(μm)となる。
7オンスのジュート二次基布と同様に、5.5オンスのジュート二次基布のグラム/メートル単位に換算された目付けは186g/m2 となり、そのジュート繊維単糸の総繊度は2953dtexとなり、そのジュート繊維単糸の太さNは936(μm)となり、その布目隙間Aの大きさはタテ2238(μm)×ヨコ1885(μm)となる。
6オンスのジュート二次基布では、グラム/メートル単位に換算された目付けは203g/m2 となり、そのジュート繊維単糸の総繊度は2578dtexとなり、そのジュート繊維単糸の太さNは874(μm)となり、その布目隙間Aの大きさはタテ1666(μm)×ヨコ1666(μm)となる。
又、8オンスのジュート二次基布では、グラム/メートル単位に換算された目付けは271g/m2 となり、そのジュート繊維単糸の総繊度は2647dtexとなり、そのジュート繊維単糸の太さNは886(μm)となり、その布目隙間Aの大きさはタテ1230(μm)×ヨコ929(μm)となる。
これらの5.5オンス乃至8オンスのジュート二次基布が示すように、本発明では総繊度が2000dtex以上4000dtex以下、好ましくは2300dtex以上3200dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸の双方に使用し、目付けが総じて180g/m2 以上280g/m2 以下になるように8本/25.4mm以上15本/25.4mm以下となる経糸密度および緯糸密度をもって織成され、縦横の寸法が総じて900μm以上2500μm以下の布目隙間Aが全面に分布して表裏間が透視可能な目粗なジュート二次基布12が使用される。
そのように、ジュート二次基布を構成するジュート繊維単糸の総繊度は2000dtex〜4000dtexであり、その総繊度が2000dtexのジュート繊維単糸の太さNは770μm(=11.28×(2000÷0.3ρ)1/2 )であり、総繊度が4000dtexのジュート繊維単糸の太さNは1089μm(=11.28×(4000÷0.3ρ)1/2 )と太く、それらは起毛されており、ジュート二次基布12がエマルジョンコンパウンド接着剤14に馴染み易くなっていても、タフト生機16のバックステッチ面16aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤14に触れて吸湿膨潤し、エマルジョンコンパウンド接着剤14は、水分がジュート繊維単糸12aに移行して流動性を失うので、そのようにジュート二次基布12の布目隙間Aが透視可能な程度に大きくても、滲み出たエマルジョンコンパウンド接着剤14によってジュート二次基布12が汚染されることはない。
特に、空気を注入しつつ撹拌して気泡を細かく分散させてエマルジョンコンパウンド接着剤14を2倍前後(1.5倍乃至2.5倍)に泡立ててタフト生機裏面のバックステッチ面16aに塗布するときは、エマルジョンコンパウンド接着剤14がジュート二次基布12の布目隙間Aを透過し難く、ジュート二次基布12の汚染が回避され、又、バックステッチ間13a・13aの谷溝Cに充填されたエマルジョンコンパウンド接着剤14はバックステッチ内部(13a)に吸収され難くなるだけではなく、その谷溝Cに充填されたエマルジョンコンパウンド接着剤14に押し返されることなくジュート二次基布12の起毛毛羽15が谷溝Cに入り込み、そのバックステッチ間13a・13aの谷溝Cに入り込む一本一本の起毛毛羽15がエマルジョンコンパウンド接着剤14に包み込まれ易く、起毛毛羽15と一体になった塗膜Qによってバックステッチ間13a・13aの谷溝Cが細かい小空洞Jに仕切られ易くなる。
本発明において、ジュート二次基布12を構成する経糸と緯糸の双方にジュート繊維単糸12aを使用するのは、下撚と上撚が重なって強度的に安定した合撚糸に比して単糸の方が強度的に弱く、毛羽立ち易く、起毛し易いからである。
そのジュート繊維単糸12aの総繊度を2000dtex以上とするのは、総繊度が2000dtex以下であれば、起毛処理時にジュート繊維単糸12aが摩耗して強度的に安定したジュート二次基布12は得られず、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなるからであり、このことは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を8本/25.4mm以上とし、目付けを180g/m2 以上とする理由でもある。
それとは逆に、ジュート繊維単糸12aの総繊度を4000dtex以下とするのは、ジュート繊維単糸12aの総繊度が荷造り紐のように太過ぎれば、起毛処理時に単糸内部のジュート繊維を掻き出し難く、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなるからであり、このことは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を15本/25.4mm未満にし、目付けを280g/m2 未満にする理由でもある。
本発明において、ジュート二次基布12の布目隙間Aの縦横の寸法を900μm以上とするは、布目隙間Aが細かければ、ジュート二次基布12を貼り合わせた際にタフト生機16のバックステッチ面16aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤14の含有する水分がジュート二次基布12を透過し難く、その乾燥に長時間を要し効率的でなく、乾燥エネルギーの浪費になり、布目隙間Aの縦横の寸法を2500μm以下とするは、布目隙間Aの縦横の寸法を2500μmを超えて大きくするときは、起毛毛羽15に覆われるとしても布目隙間Aからエマルジョンコンパウンド接着剤14が滲み出し易くなり、その滲み出し防ぐために起毛毛羽15を緻密にしようとすれば起毛処理時にジュート繊維単糸12aが摩耗して強度的に安定したジュート二次基布12が得難くなるからである。
従って、エマルジョンコンパウンド接着剤14を2倍前後(1.5倍乃至2.5倍)に泡立てて調製するとしても、ジュート二次基布12の経糸と緯糸には総繊度が2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸12aを使用し、目付けが180g/m2 以上280g/m2 以上で縦横の寸法が900μm〜2500μmの布目隙間Aが全面に分布するように、8本/25.4mm以上15本/25.4mm以下の経緯密度をもってジュート二次基布12を調製することが本発明の好ましい態様となる。
以下、起毛手段23を備えたカーペット10の仕上装置について説明すると、図1に示すように、カーペット仕上装置S0は、パイル13が植え込まれたタフト生機16の供給装置Sと、この供給装置Sの下流側に設けられていてタフト生機16のバックステッチ面16aに二次基布12を貼り合わせるカーペット裏貼装置20と、このカーペット裏貼装置20の下流側に設けられていて裏貼りされたカーペット10を乾燥する乾燥装置Dと、この乾燥装置Dの下流側に設けられ且つカーペット10を巻き取る巻取装置Wを備えている。
供給装置Sは、タフト生機16を巻き出す巻出装置S1と、この巻出装置S1から巻き出されたタフト生機16のバックステッチ面16aに接着剤14を塗布する塗布装置S2とを備えている。
カーペット裏貼装置20は、ロール状に巻回された長尺状の二次基布12を送り出す送出装置21と、この送出装置21から送り出された二次基布12の一方面を起毛する起毛手段23と、この起毛手段23で起毛された毛羽15を立毛状態にさせる整毛手段24と、この整毛手段24によって起毛された二次基布12を、パイル13が植え込まれたタフト生機16のバックステッチ面16aに貼り合わせる貼付手段22とを備えている。
つまり、二次基布12を送り出しから、二次基布12の起毛し、一次基布11に裏貼りするまでの工程を一貫して行うことが可能であり、作業効率の向上が図れる。
起毛手段23は、周面が細かい突起物で構成された起毛ロール23aと、二次基布12を間に挟んで起毛ロール23aの反対側に設けられたバックアップロール23bとによって構成され、バックアップロール23bを起毛ロール23aに向けて進退操作することで、二次基布12の起毛具合を調節することが出来るようになっている。
つまり、このバックアップロール23bが起毛ロール23aに近接すれば、二次基布12がより起毛される(より多くの毛羽15が生じる)こととなり、逆に、バックアップロール23bが起毛ロール23aから離反すれば、起毛具合が抑えられる(生じる毛羽15が少なくなる)。
起毛ロール23aの周面の細かい突起物には、紡績反毛機用ガーネットワイヤーや紡績カード機用針布、サンドペーパー等を適用することが出来る。
起毛手段23には、起毛ロール23aに代えて、ニードルパンチング装置を適用することも可能であるが、装置が大仕掛けでコスト高にもなり、強度的に安定した二次基布が得難くなるので、ニードルパンチング装置をカーペット裏貼装置20に付設することは好ましくない。
又、整毛手段24は、周面にブラシを取り付けた掃揃ロール24aによって構成され、起毛手段23の下流側の貼付手段22の直前に設けられている。
この掃揃ロール24aから貼付手段22までの間に、二次基布12の起毛毛羽15に触れるガイドロールやガイドバーその他の付属部材は配置されていない。
従って、二次基布12の毛羽15は、接着剤14の塗布されたタフト生機16のバックステッチ面16aに貼り合わされるまで起立状態に保たれる。
貼付手段22は、タフト生機16のパイル面から接着剤14の塗布されたバックステッチ面16aを二次基布12に向けて押圧する上ニップロール22aと、二次基布12をタフト生機16のバックステッチ面16aに向けて押圧する下ニップロール22bとの一対のニップロールによって構成されている。
二次基布12とタフト生機16は、これら一対のニップロール22a・22bの間に挟まれて貼り合わされ、整毛手段24を通過した二次基布12の起毛毛羽15は、その一対のニップロール22a・22bの間で初めてタフト生機16のバックステッチ面16aに触れることになる。
この起毛手段23と整毛手段24を備えたカーペット裏貼装置20では、タフト生機16に貼り合わせる直前に二次基布12の一方面が起毛され、その起毛毛羽15が押し倒されることなく起立状態を保ってタフト生機16のバックステッチ面16aに貼り合わされる。
このように、貼り合わせる直前に二次基布12の一方面を毛羽立てることによって、一次基布11の裏面とバックステッチ13aの隆起部分との凹凸差があっても、その直前に毛羽立てされた毛羽15が、隣り合うバックステッチ間13a・13aの一次基布11の裏面近傍まで谷溝Cに深く入り込むことになる。
そして、この入り込んだ毛羽15を伝って、接着剤14が隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込み、接着剤14の塗膜Pが毛羽15に沿って谷溝Cにも形成されることになる。
従って、隣り合うバックステッチ間13a・13aに亘る大きな空洞(K)が発生することはなく、バックステッチ間13a・13aの谷溝Cは塗膜Qと一体になった毛羽15に細かく仕切られた多孔質構造の小空洞Jとなり、バックステッチ間13a・13aの谷溝Cにおいてタフト生機16と二次基布12の間が塗膜Qと一体になった毛羽15に結ばれ、接着剤14の接着に寄与する箇所がバックステッチ13aの隆起部分R(図3参照)以外の範囲まで広がり、タフト生機16と二次基布12の間の接着強度が高まる。
そして、図2に示すように、タフト生機16から二次基布12を剥がしても、アンカリング効果を示すようにタフト生機側にはジュート繊維毛羽15が接着剤の塗膜Pと一体になって多量に残存し、二次基布12側には破断したジュート繊維毛羽15の端末15’は認められても接着剤の塗膜Pが殆ど認められないことからして、接着剤自体の破断強度以外にジュート繊維毛羽15に生じる破断強度も作用するものと思われるが、タフト生機16と二次基布12の間に強い接着強度が認められる。
本発明によると、タフテッドカーペットの裏面であるジュート二次基布12の表面への接着剤14の滲み出しが抑えられる。
この接着剤滲み出し防止効果は、タフト生機16から二次基布12を剥がしても二次基布12側に破断したジュート繊維毛羽15の端末15’は認められても接着剤の塗膜は殆ど認められないことで分かることであるが、このことは タフト生機16から剥がした際に接着剤54の塗膜Pが隆起部分Rとなって残存する従来技術に係る二次基布(図3参照)と接着剤の塗膜Pは殆ど認められない本発明に係る二次基布(図2参照)を見比べれば一目瞭然である。
本発明では、タフト生機16に貼り合わせる直前に毛羽立て出来るものであればよく、図1に図示するカーペット裏貼装置20や仕上装置S1は、あくまでも例示である。
本発明に係るカーペット裏貼装置やカーペット製造方法は、ウィルトンカーペット生機やアキスミンスターカーペット生機の裏面にジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成されたジュート織布を補強基布として接着剤を滲み出させることなく確り貼り合わせるために利用することが出来る。
10:カーペット
11・51:一次基布
12・52:二次基布
12a・52a:ジュート繊維単糸
13・53:パイル
13a・53a:バックステッチ
14・54:接着剤
15:毛羽
15’:切断毛羽端末
16・56:タフト生機
16a・56a:バックステッチ面
20:カーペット裏貼装置
21:送出装置
22:貼付手段
22a・22b:ニップロール
23:起毛手段
23a:起毛ロール
23b:バックアップロール
24:整毛手段
24a:掃揃ロール
S :供給装置
S0:カーペット仕上装置
S1:巻出装置
S2:塗布装置
A :布目隙間
C :バックステッチ間の谷溝
K :バックステッチ間の空洞
J :小空洞
P・Q:塗膜
R :隆起部分
M :パイル糸の太さ
G :タフトゲージ間隔
N :ジュート繊維単糸の太さ
D :乾燥装置
W :巻取装置
H :突出部分

Claims (9)

  1. 一次基布(11)にパイル(13)を植え込んで成るタフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出した裏面に、ジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布(12)の一方面を、接着剤(14)を介して貼り合わせるカーペット製造方法であって、前記二次基布(12)の一方面を起毛すると共に、前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前に前記二次基布(12)の起毛毛羽(15)を起立状態に整毛し、前記二次基布(12)の一方面の起毛毛羽(15)を前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つことを特徴とするカーペット製造方法。
  2. 発泡させた前記接着剤(14)を介して、前記タフト生機(16)に二次基布(12)を貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載のカーペット製造方法。
  3. パイル(13)が植え込まれた長尺状のタフト生機(16)を供給する供給装置(S)と、当該供給装置(S)の下流側に配置されていて前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に接着剤(14)を塗布する接着剤塗布装置(S2)と、当該接着剤塗布装置(S2)の下流側に配置されていて接着剤(14)の塗布された前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面へと長尺状の二次基布(12)を送り出す送出装置(21)と、当該送出装置(21)の下流側において前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に二次基布(12)の一方面を接着剤(14)を介して貼り合わせる貼付手段(22)とが設けられていると共に、
    当該貼付手段(22)と送出装置(21)との間に、前記二次基布(12)の一方面の起毛毛羽(15)を前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つ整毛手段(24)が設けられていることを特徴とするカーペット裏貼装置。
  4. パイル(13)が植え込まれた長尺状のタフト生機(16)を供給する供給装置(S)と、当該供給装置(S)の下流側に配置されていて前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に接着剤(14)を塗布する接着剤塗布装置(S2)と、当該接着剤塗布装置(S2)の下流側に配置されていて接着剤(14)の塗布された前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面へと長尺状の二次基布(12)を送り出す送出装置(21)と、当該送出装置(21)の下流側において前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に二次基布(12)の一方面を接着剤(14)を介して貼り合わせる貼付手段(22)とが設けられていると共に、
    当該貼付手段(22)と送出装置(21)との間に、前記二次基布(12)の一方面を起毛させる起毛手段(23)、および、前記二次基布(12)の一方面の起毛毛羽(15)を前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つ整毛手段(24)が設けられていることを特徴とするカーペット裏貼装置。
  5. 前記整毛手段(24)が、前記二次基布(12)の一方面に当接する掃揃装置、前記二次基布(12)の一方面から離れる方向に真空引きする真空装置、前記二次基布(12)に他方面から一方面に向けて気体を吹き込む噴射装置の何れかであること特徴とする請求項4に記載のカーペット裏貼装置。
  6. 一次基布(11)にパイル(13)を植え込んで成るタフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出した裏面に、総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布(12)の一方面を、接着剤(14)を介して裏貼りして構成され、
    タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出した裏面に裏貼りされる二次基布(12)の貼合面が起毛されており、その二次基布(12)の貼合面から起毛されたジュート繊維の起毛毛羽(15)が突き出ており、
    その二次基布(12)の貼合面から突き出た起毛毛羽(15)がタフト生機(16)の裏面において隣り合うバックステッチ(13a)とバックステッチ(13a)の間の谷溝(C)に入り込み、その入り込んだ起毛毛羽(15)が前記接着剤(14)と一体になった塗膜(Q)を形成し、その起毛毛羽(15)と接着剤(14)が一体になった塗膜(Q)によって隣り合うバックステッチ(13a)とバックステッチ(13a)の間の谷溝(C)が細分された小空洞(J)を形成していることを特徴とするカーペット。
  7. 前記パイル(13)は、単繊維繊度20dtex未満の天然繊維又は化学繊維に成る総繊度1000dtex以上10000dtex以下の多繊糸条によって構成されており、タフト生機(16)の隣り合うバックステッチ(13a)とバックステッチ(13a)の間のタフトゲージ間隔(G)が2.5mm(1/10吋ゲージ)以上であることを特徴とする請求項6に記載のカーペット。
  8. 前記タフト生機(16)が、タフテッド機の幅方向に配列されて隣合う3本以上の複数本のニードルを1組とし、その1組となる3本以上の複数本のニードルに3種類以上の異色数種のパイル糸を通し、その1組の複数本のニードルの数と同数となる数ステッチサイクルにわたって、その1組の各ニードルが隣合うゲージ分ずつ各ステッチサイクル毎にタフテッド機の左右何れか一方向に連続してニードルを移動し、その数ステッチサイクルにおいて1組の複数本のニードルからパイル糸ループを受け取ることが出来る位置にあるルーパーに、その1組の複数本のニードルの何れか1本のニードルから1個のパイル糸ループを選択的に引き渡す操作をタフテッド機を通過する一次基布11に対して繰り返して構成されており、前記異色数種のパイル糸のバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)がタフト生機(16)のバックステッチ面(16a)に介在していることを特徴とする請求項7に記載のカーペット。
  9. 前記二次基布(12)の経糸密度および緯糸密度が8本/25.4mm以上15本/25.4mm以下であり、前記二次基布(12)の目付けが180g/m2 以上280g/m2 以下であり、前記二次基布(12)の全面に経糸と緯糸に囲まれた縦横の寸法が900μm以上2500μm以下の布目隙間Aが分布している請求項7と請求項8の何れかに記載のカーペット。
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