JP5393832B2 - カーペット製造方法、カーペット裏貼装置及びカーペット - Google Patents
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Description
その二次基布は、パイルのバックステッチを隠して見栄えを良くし、施工時の張力に耐える強度を付与し、使用中のタフテッドカーペットの寸法安定性と形状安定性を向上させる等の目的で用いられている。
このようなタフテッドカーペットは、一次基布にはポリプロピレン繊維糸条その他の熱可塑性合成繊維糸条が用いられ、二次基布には熱可塑性合成繊維糸条の他にジュート繊維糸条が用いられる(例えば、特許文献1参照)。
二次基布をタフト生機に貼り合わせるには、一般にSBRラテックスに炭酸カルシウムからなる充填剤や分散剤、増粘剤を混合したエマルジョンコンパウンド接着剤が使用されている。
この接着剤には、当然、一次基布に貼り合わせた二次基布が剥がれたりしないように、所定の接着強度が求められるが、従来は、接着強度を増すために接着剤の増量することで対応しており、一次基布が接着性の劣るポリプロピレン繊維糸条で構成されていれば、尚更、接着剤の量が増える傾向にある。
そこで、破断伸度が6%以下で形状が安定し、洗濯時に収縮し難い全芳香族ポリエステル繊維になる二次基布が提案された(例えば、特許文献2参照)。
又、前記ジュート二次基布は、タフト生機の裏面にエマルジョンコンパウンド接着剤によっては貼り合わせ難い欠点があり、その欠点を解消するためにジュート二次基布に繊維製薄膜材を載置してニードリングによって機械的に絡み合いを与え、その載置した繊維製薄膜材を介してタフト生機の裏面に貼り合わせることが提案された(例えば、特許文献3参照)。
タフテッドカーペットのパイル面に図柄を描出する方法として、数種類のパイル糸を選択的に一次基布に差し込み、パイル糸の数種類に応じた数種類のパイルによって図柄を描出することは公知である(例えば、特許文献4,5,6,7,8参照)。
そして、タフト生機のバックステッチ面56aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤の塗膜は、その含有する水分が蒸発して嵩を縮めると共に、バックステッチ53aの内部に浸透して嵩を縮めることにもなるので、図3で示すように、バックステッチの太さM(直径)やバックステッチ間のゲージ間隔G(タフトゲージ)が大きい場合には、塗布した接着剤54は、バックステッチ53aの側周面や一次基布51の裏面、或いは、二次基布52の表面(一次基布51に近い側の面)に沿って薄い塗膜Pを成すだけになり、バックステッチ間に塗着した接着剤54の中に隣り合うバックステッチ間53a・53aの谷溝Cに亘る空洞Kが生じる。
特に、パイル糸の数種類に応じた数種類のパイルを選択的植設して図柄を描出した多彩なタフト生機のバックステッチ面56aでは、図4で示すように、その選択されるパイル糸の数種類に応じた数種類のバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)や選択されて切り替わるパイル糸の端末が重なり合って高く隆起した突出部分Hが発生し、その突出部分Hのバックステッチ間の谷溝Cも深くなり、バックステッチの突出部分Hの表面積も拡がって接着剤54がバックステッチ内部に吸収され易くなるので、バックステッチ間の谷溝Cに生じる空洞Kも大きくなる(図3参照)。
その二次基布52に付着して残った接着剤54は、バックステッチ53aと相当する箇所(隆起部分R)で隆起しており、この隆起部分Rが、一次基布51のバックステッチ53aを覆う接着剤54で最も隆起した部分(隆起部分R’)と一体になることで、二次基布52がタフト生機56に接着されていたことが分かる。
つまり、それらの隆起部分Rと隆起部分R’以外の他の部分である空洞Kでは、一次基布51と二次基布52が剥離状態にあり、一次基布51と二次基布52は接着していないことになる。
従って、一次基布51の裏面から隆起したバックステッチ53aの高さでもあるパイル糸の太さMやゲージ間隔Gが所定の値を越えると、そのパイル糸の太さMやゲージ間隔Gに応じて隣り合うバックステッチ間53a・53aに亘る大きな空洞Kが生じてしまい、その結果、より多くの接着剤54を使用しても、二次基布52のタフト生機56に対する強い接着強度は望めなくなる。
そして、発泡させた接着剤14を介して、タフト生機16に二次基布12を貼り合わせる場合、隣り合うバックステッチ間13a・13aで毛羽15を伝って接着剤14が十分に広がり、その後接着剤14が乾燥しても毛羽15の周面に残ることから、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
それと共に、上述したように、運搬時等での毛羽15の毛倒れの虞れが低減し、隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込む毛羽15が増加し、毛羽15が入り込んだ状態で、接着剤14を介して、二次基布12がタフト生機16に裏貼りされることから、アンカリング効果(投錨効果)が生じ、接着強度の向上が図れると同時に、アンカリング効果が生じる分だけ接着剤14の使用量を低減することが出来、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
又、貼付手段22と起毛手段23との間に、起毛された毛羽15を起立状態にさせる整毛手段24を設けることで、裏貼り工程における毛羽15が、より一層確実に起立状態となり、隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込む毛羽15が更に増加することから、タフト生機16と二次基布12との接着強度の更なる向上が図れる。
しかし、本発明では、二次基布12が裏貼り工程で起毛処理されたものであるか否かに拘らず、二次基布12の起毛毛羽15を貼り合わせる直前まで起立状態に保つこととしたので、図2に示すように、一次基布11の裏面とバックステッチ13aの隆起部分の間に高い凹凸差(M)があっても、貼り合わせる直前に毛羽立てされたジュート繊維単糸の毛羽15が、隣り合うバックステッチ間13a・13aにおいて一次基布11の裏面近傍まで深くバックステッチ間13a・13aの谷溝Cに入り込み易くなる。
そして、この入り込んだ毛羽15を伝って、接着剤14が隣り合うバックステッチ間13a・13aの谷溝Cに入り込み、接着剤14による塗膜Pが、バックステッチ13aや各基布11、12と同様に谷溝Cにも毛羽15に沿って形成され、その毛羽15と接着剤14が一体になった塗膜Qによって隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間の谷溝Cが細分され、谷溝Cに細かい小空洞Jが形成される。
そのように、隣り合うバックステッチ間13a・13aに亘るほど大きな空洞(K)ではなく、毛羽15と接着剤14が一体になった塗膜Qによって細かく仕切られた小さな空洞Jとなり、タフト生機16と二次基布12との接着面積がバックステッチ13aの隆起部分R以外の範囲まで、即ち、従来剥離状態にあったバックステッチ間の空洞部分(K)まで広がるので、タフト生機16と二次基布12との接着強度が向上する。
しかし、パイル糸は嵩高に膨らんでおり、その横断面には空隙があり、パイル糸の嵩比重kは、そのパイル糸を構成している繊維の比重ρの30%未満と考えられ、従って、嵩高に膨らんだパイル糸の太さM(μm)は、計算式M(μm)=11.28×(T÷0.3ρ)1/2 によって算定すべきことになる。
因に、特許第2656372号公報に記載された実施例3に係るアクリル系繊維(ρ=1.15)に成るパイルをステッチ密度を8.5/吋として植設したパイル高さが10mmであり、パイル目付けが700g/m2 のタフト生機では、ステッチ間距離が3mm(3=25.4÷8.5)となることからパイル層目付けは609g/m2 (609=700×20÷23)となり、面積1m2 当りのパイル層の体積が10000cc(=面積1m2 ×パイル高さ10mm)となり、パイル層の嵩比重は0.05(≒0.0609×ρ=0.0609×1.15)となるので、パイル層を構成しているパイル糸の太さM(μm)は、計算式M(μm)=11.28×(T÷0.05ρ)1/2 によって算定すべきことになる。
この計算式に従うと、ポリエステル繊維(ρ=1.38)に成る総繊度1000dtexのバックステッチの太さMは554(μm)、総繊度3000dtexのバックステッチの太さMは960(μm)、総繊度5000dtexのバックステッチの太さMは1230(μm)、総繊度10000dtexのバックステッチの太さMは1753(μm)になる。
又、羊毛繊維(ρ=1.32)に成る総繊度1000dtexのバックステッチの太さMは567(μm)、総繊度3000dtexのバックステッチの太さMは982(μm)、総繊度5000dtexのバックステッチの太さMは1267(μm)、総繊度10000dtexのバックステッチの太さMは1793(μm)になる。
しかし実際には、タフテッド機によってタフト生機を生産するタフティング工程から二次基布12を貼り合わせる裏貼り工程へとタフト生機16を移動する搬送過程において、タフト生機16は巻き上げられ、或いは、積み上げられて一時的に保管され、その間において、バックステッチ面16aの突出部分Hには、その巻き上げられ、或いは、積み上げられたタフト生機16からの重圧が作用するので、突出部分Hの実際の高さは総じて2〜3mm高くなる。
しかし、本発明では、塗膜Pは一体になった起毛毛羽15に補強されて破断し難く、図2に示す如く、タフト生機16から二次基布12を剥がしても、二次基布側(12)に接着剤14が殆ど残存せず、それとは逆にタフト生機側(16)には起毛毛羽15が大量に残存し、そのタフト生機側(16)に残存することになる毛羽15がアンカリング効果を発揮することになるので、接着剤自体(14)によって生じる接着強度以外に、タフト生機16と二次基布12の剥離時には総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布12から突き出た起毛毛羽15を引き千切る力も加わって高い接着強度が顕現する。
従って、たとえ、一次基布11が接着し難いポリプロピレン繊維で構成されていても、タフト生機16と二次基布12の間の接着強度が更に向上する。
又、図2に円で囲んで示すように、剥離した二次基布12には破断した毛羽端末15’が残存するとしても、接着剤14の塗膜Pは剥離されて殆ど残らないことからしても明らかなように、接着剤14が二次基布12の布目隙間Aに浸入することはなく、二次基布12の美観が保たれる。
そして、バックステッチ間13a・13aの谷溝Cに毛羽15が入り込んで生じる接着強度の増加分だけ、タフト生機16と二次基布12の貼り合わせに必要な接着剤14の使用量を減らすことも可能になり、「タフト生機と二次基布間の接着強度の向上」と「接着剤の使用量の低減」の両立が実現される。
そして、ジュート繊維単糸12aの総繊度を2000dtex未満にし、或いは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を8本/25.4mm未満にし、或いは又、ジュート二次基布12の目付けを180g/m2 未満にすると、ジュート二次基布が起毛処理時に摩耗し易く、強度的に安定したジュート二次基布12は得られず、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなる。
又、ジュート繊維単糸12aの総繊度を4000dtexを超えて太くし、或いは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を15本/25.4mmを超えて緻密にし、或いは又、ジュート二次基布12の目付けを280g/m2 を超えて緻密にすると、起毛処理時に単糸内部のジュート繊維が掻き出し難く、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなる。
又、ジュート二次基布12の布目隙間Aの縦横の寸法を900μm未満にすれば、ジュート二次基布12を貼り合わせた際にタフト生機16のバックステッチ面16aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤14の含有する水分がジュート二次基布12を透過し難くなり、それとは逆に、布目隙間Aの縦横の寸法を2500μmを超えて大きくすれば、布目隙間Aからエマルジョンコンパウンド接着剤14が滲み出し易くなる。
タフト生機16の隣り合うバックステッチ13aとバックステッチ13aの間のタフトゲージ間隔Gは2.5mm(1/10吋ゲージ)以上に設定されるが、具体的に言えば、そのタフトゲージ間隔Gは、タフテッド機において隣り合うニードルとニードルの間隔によって設定される。
タフテッド機には、配置されるニードル間の間隔に応じて称される1/10吋ゲージ・タフテッド機、1/8吋ゲージ・タフテッド機、5/32吋ゲージ・タフテッド機、1/5吋ゲージ・タフテッド機、1/4吋ゲージ・タフテッド機、1/2吋ゲージ・タフテッド機などがある。
本発明には、その1/10吋ゲージ・タフテッド機、1/8吋ゲージ・タフテッド機、5/32吋ゲージ・タフテッド機、1/5吋ゲージ・タフテッド機、および、1/4吋ゲージ・タフテッド機の何れかが適用される。
1/8吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは3.2mm(1/8吋ゲージ)となる。
5/32吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは4mm(5/32吋ゲージ)となる。
1/5吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは5mm(1/5吋ゲージ)となる。
1/4吋ゲージ・タフテッド機によって形成されるタフト生機16のタフトゲージ間隔Gは6mm(1/4吋ゲージ)となる。
タフトゲージ間隔Gの粗いタフテッド機で形成されるタフト生機16のバックステッチ面16aの凹凸差(M)やバックステッチ間の谷溝Cは大きく、バックステッチ間には大きな空間(K)が生じるとしても、総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成されたジュート二次基布12を起毛し、その起毛毛羽15をタフト生機16に貼り合わせる直前まで起立状態に保つことで、十分な接着強度を確保することが出来、更に、アンカリング効果で生じる接着強度分の接着剤14を減らすことが可能になる。
その配合される充填剤は、格別な機能性を有しない炭酸カルシウムや珪藻土、クレー等でもよいが、難燃性能を有する水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウム、消臭性能を有するゼオライトやセピオライト、白色顔料を兼ねた酸化チタン等、エマルジョンコンパウンドに配合して溶解せず固形物として分散する微粒子であればよい。
接着剤14の発泡は、例えば、所謂フロスマシン(空気注入攪拌装置)を使用して行ない、その場合の接着剤14の供給容量と空気容量との割合、即ち、起泡倍率は1.5倍乃至2.5倍、即ち2.0倍前後になるように空気を機械的に接着剤に混入する。
そのように接着剤14を発泡状態にすれば、貼り合わせ時に隣り合うバックステッチ間13a・13aで毛羽15を伝って接着剤14が十分に広がることで、たとえ貼り合わせ後に乾燥しても、毛羽15の周囲を被覆する接着剤14の塗膜Qが残ることから、接着強度の向上と接着剤の低減を両立できる。
又、7オンスのジュート二次基布の経糸密度の13本/25.4mmは511.811本/mでもあり、緯糸密度の10本/25.4mmは393.701本/mでもある。
7オンスのジュート二次基布1m2 当りの経糸と緯糸の本数を合計すると、経糸が511.811本で緯糸が393.701本であるから、その合計本数は905.512本となり、この7オンスのジュート二次基布の縦横各1mの部分を構成している長さ1mのジュート繊維単糸の905.512本を繋ぎ合わせれば、そのジュート二次基布の縦横各1mの部分を構成しているジュート繊維単糸の合計長さは905.512m(905.512m/m2 )となる。
この7オンスのジュート二次基布の縦横各1mの部分を構成しているジュート繊維単糸の合計長さが905.512mであり、その合計長さ905.512mのジュート繊維単糸の質量が237gとなるから、dtex単位で表示されるジュート繊維単糸の繊度の基準長さである10000m当りの質量は237g/905。512m=2617g/10000m≒2620g/10000mと算定され、その算定値から7オンスのジュート二次基布を構成しているジュート繊維単糸の総繊度は2620dtexと算定されることになる。
7オンスのジュート二次基布1m2 当りの経糸の本数は511.811本/mであるから、その経糸の7オンスのジュート二次基布1m2 に占める面積比率は45.1%となり、7オンスのジュート二次基布の隣り合う経糸間には1073(μm)の隙間が発生する。
7オンスのジュート二次基布1m2 当りの緯糸の本数は393.701本であるから、その緯糸の7オンスのジュート二次基布1m2 に占める面積比率は34.7%となり、7オンスのジュート二次基布の隣り合う緯糸間には1659(μm)の隙間が発生する。
従って、7オンスのジュート二次基布の布目隙間Aの大きさはタテ1659(μm)×ヨコ1073(μm)となる。
6オンスのジュート二次基布では、グラム/メートル単位に換算された目付けは203g/m2 となり、そのジュート繊維単糸の総繊度は2578dtexとなり、そのジュート繊維単糸の太さNは874(μm)となり、その布目隙間Aの大きさはタテ1666(μm)×ヨコ1666(μm)となる。
又、8オンスのジュート二次基布では、グラム/メートル単位に換算された目付けは271g/m2 となり、そのジュート繊維単糸の総繊度は2647dtexとなり、そのジュート繊維単糸の太さNは886(μm)となり、その布目隙間Aの大きさはタテ1230(μm)×ヨコ929(μm)となる。
そのジュート繊維単糸12aの総繊度を2000dtex以上とするのは、総繊度が2000dtex以下であれば、起毛処理時にジュート繊維単糸12aが摩耗して強度的に安定したジュート二次基布12は得られず、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなるからであり、このことは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を8本/25.4mm以上とし、目付けを180g/m2 以上とする理由でもある。
それとは逆に、ジュート繊維単糸12aの総繊度を4000dtex以下とするのは、ジュート繊維単糸12aの総繊度が荷造り紐のように太過ぎれば、起毛処理時に単糸内部のジュート繊維を掻き出し難く、タフト生機への貼り合わせに必要な起毛毛羽15をジュート二次基布12の一方面に効果的に形成し得なくなるからであり、このことは、ジュート二次基布12の経糸密度および緯糸密度を15本/25.4mm未満にし、目付けを280g/m2 未満にする理由でもある。
本発明において、ジュート二次基布12の布目隙間Aの縦横の寸法を900μm以上とするは、布目隙間Aが細かければ、ジュート二次基布12を貼り合わせた際にタフト生機16のバックステッチ面16aに塗布されたエマルジョンコンパウンド接着剤14の含有する水分がジュート二次基布12を透過し難く、その乾燥に長時間を要し効率的でなく、乾燥エネルギーの浪費になり、布目隙間Aの縦横の寸法を2500μm以下とするは、布目隙間Aの縦横の寸法を2500μmを超えて大きくするときは、起毛毛羽15に覆われるとしても布目隙間Aからエマルジョンコンパウンド接着剤14が滲み出し易くなり、その滲み出し防ぐために起毛毛羽15を緻密にしようとすれば起毛処理時にジュート繊維単糸12aが摩耗して強度的に安定したジュート二次基布12が得難くなるからである。
供給装置Sは、タフト生機16を巻き出す巻出装置S1と、この巻出装置S1から巻き出されたタフト生機16のバックステッチ面16aに接着剤14を塗布する塗布装置S2とを備えている。
つまり、二次基布12を送り出しから、二次基布12の起毛し、一次基布11に裏貼りするまでの工程を一貫して行うことが可能であり、作業効率の向上が図れる。
つまり、このバックアップロール23bが起毛ロール23aに近接すれば、二次基布12がより起毛される(より多くの毛羽15が生じる)こととなり、逆に、バックアップロール23bが起毛ロール23aから離反すれば、起毛具合が抑えられる(生じる毛羽15が少なくなる)。
起毛ロール23aの周面の細かい突起物には、紡績反毛機用ガーネットワイヤーや紡績カード機用針布、サンドペーパー等を適用することが出来る。
起毛手段23には、起毛ロール23aに代えて、ニードルパンチング装置を適用することも可能であるが、装置が大仕掛けでコスト高にもなり、強度的に安定した二次基布が得難くなるので、ニードルパンチング装置をカーペット裏貼装置20に付設することは好ましくない。
この掃揃ロール24aから貼付手段22までの間に、二次基布12の起毛毛羽15に触れるガイドロールやガイドバーその他の付属部材は配置されていない。
従って、二次基布12の毛羽15は、接着剤14の塗布されたタフト生機16のバックステッチ面16aに貼り合わされるまで起立状態に保たれる。
二次基布12とタフト生機16は、これら一対のニップロール22a・22bの間に挟まれて貼り合わされ、整毛手段24を通過した二次基布12の起毛毛羽15は、その一対のニップロール22a・22bの間で初めてタフト生機16のバックステッチ面16aに触れることになる。
このように、貼り合わせる直前に二次基布12の一方面を毛羽立てることによって、一次基布11の裏面とバックステッチ13aの隆起部分との凹凸差があっても、その直前に毛羽立てされた毛羽15が、隣り合うバックステッチ間13a・13aの一次基布11の裏面近傍まで谷溝Cに深く入り込むことになる。
そして、この入り込んだ毛羽15を伝って、接着剤14が隣り合うバックステッチ間13a・13aに入り込み、接着剤14の塗膜Pが毛羽15に沿って谷溝Cにも形成されることになる。
そして、図2に示すように、タフト生機16から二次基布12を剥がしても、アンカリング効果を示すようにタフト生機側にはジュート繊維毛羽15が接着剤の塗膜Pと一体になって多量に残存し、二次基布12側には破断したジュート繊維毛羽15の端末15’は認められても接着剤の塗膜Pが殆ど認められないことからして、接着剤自体の破断強度以外にジュート繊維毛羽15に生じる破断強度も作用するものと思われるが、タフト生機16と二次基布12の間に強い接着強度が認められる。
この接着剤滲み出し防止効果は、タフト生機16から二次基布12を剥がしても二次基布12側に破断したジュート繊維毛羽15の端末15’は認められても接着剤の塗膜は殆ど認められないことで分かることであるが、このことは タフト生機16から剥がした際に接着剤54の塗膜Pが隆起部分Rとなって残存する従来技術に係る二次基布(図3参照)と接着剤の塗膜Pは殆ど認められない本発明に係る二次基布(図2参照)を見比べれば一目瞭然である。
11・51:一次基布
12・52:二次基布
12a・52a:ジュート繊維単糸
13・53:パイル
13a・53a:バックステッチ
14・54:接着剤
15:毛羽
15’:切断毛羽端末
16・56:タフト生機
16a・56a:バックステッチ面
20:カーペット裏貼装置
21:送出装置
22:貼付手段
22a・22b:ニップロール
23:起毛手段
23a:起毛ロール
23b:バックアップロール
24:整毛手段
24a:掃揃ロール
S :供給装置
S0:カーペット仕上装置
S1:巻出装置
S2:塗布装置
A :布目隙間
C :バックステッチ間の谷溝
K :バックステッチ間の空洞
J :小空洞
P・Q:塗膜
R :隆起部分
M :パイル糸の太さ
G :タフトゲージ間隔
N :ジュート繊維単糸の太さ
D :乾燥装置
W :巻取装置
H :突出部分
Claims (9)
- 一次基布(11)にパイル(13)を植え込んで成るタフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出した裏面に、ジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布(12)の一方面を、接着剤(14)を介して貼り合わせるカーペット製造方法であって、前記二次基布(12)の一方面を起毛すると共に、前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前に前記二次基布(12)の起毛毛羽(15)を起立状態に整毛し、前記二次基布(12)の一方面の起毛毛羽(15)を前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つことを特徴とするカーペット製造方法。
- 発泡させた前記接着剤(14)を介して、前記タフト生機(16)に二次基布(12)を貼り合わせることを特徴とする請求項1に記載のカーペット製造方法。
- パイル(13)が植え込まれた長尺状のタフト生機(16)を供給する供給装置(S)と、当該供給装置(S)の下流側に配置されていて前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に接着剤(14)を塗布する接着剤塗布装置(S2)と、当該接着剤塗布装置(S2)の下流側に配置されていて接着剤(14)の塗布された前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面へと長尺状の二次基布(12)を送り出す送出装置(21)と、当該送出装置(21)の下流側において前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に二次基布(12)の一方面を接着剤(14)を介して貼り合わせる貼付手段(22)とが設けられていると共に、
当該貼付手段(22)と送出装置(21)との間に、前記二次基布(12)の一方面の起毛毛羽(15)を前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つ整毛手段(24)が設けられていることを特徴とするカーペット裏貼装置。 - パイル(13)が植え込まれた長尺状のタフト生機(16)を供給する供給装置(S)と、当該供給装置(S)の下流側に配置されていて前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に接着剤(14)を塗布する接着剤塗布装置(S2)と、当該接着剤塗布装置(S2)の下流側に配置されていて接着剤(14)の塗布された前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面へと長尺状の二次基布(12)を送り出す送出装置(21)と、当該送出装置(21)の下流側において前記タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出する裏面に二次基布(12)の一方面を接着剤(14)を介して貼り合わせる貼付手段(22)とが設けられていると共に、
当該貼付手段(22)と送出装置(21)との間に、前記二次基布(12)の一方面を起毛させる起毛手段(23)、および、前記二次基布(12)の一方面の起毛毛羽(15)を前記タフト生機(16)の裏面に貼り合わせる直前まで起立状態に保つ整毛手段(24)が設けられていることを特徴とするカーペット裏貼装置。 - 前記整毛手段(24)が、前記二次基布(12)の一方面に当接する掃揃装置、前記二次基布(12)の一方面から離れる方向に真空引きする真空装置、前記二次基布(12)に他方面から一方面に向けて気体を吹き込む噴射装置の何れかであること特徴とする請求項4に記載のカーペット裏貼装置。
- 一次基布(11)にパイル(13)を植え込んで成るタフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出した裏面に、総繊度2000dtex以上4000dtex以下のジュート繊維単糸を経糸と緯糸に用いて織成された二次基布(12)の一方面を、接着剤(14)を介して裏貼りして構成され、
タフト生機(16)のバックステッチ(13a)が露出した裏面に裏貼りされる二次基布(12)の貼合面が起毛されており、その二次基布(12)の貼合面から起毛されたジュート繊維の起毛毛羽(15)が突き出ており、
その二次基布(12)の貼合面から突き出た起毛毛羽(15)がタフト生機(16)の裏面において隣り合うバックステッチ(13a)とバックステッチ(13a)の間の谷溝(C)に入り込み、その入り込んだ起毛毛羽(15)が前記接着剤(14)と一体になった塗膜(Q)を形成し、その起毛毛羽(15)と接着剤(14)が一体になった塗膜(Q)によって隣り合うバックステッチ(13a)とバックステッチ(13a)の間の谷溝(C)が細分された小空洞(J)を形成していることを特徴とするカーペット。 - 前記パイル(13)は、単繊維繊度20dtex未満の天然繊維又は化学繊維に成る総繊度1000dtex以上10000dtex以下の多繊糸条によって構成されており、タフト生機(16)の隣り合うバックステッチ(13a)とバックステッチ(13a)の間のタフトゲージ間隔(G)が2.5mm(1/10吋ゲージ)以上であることを特徴とする請求項6に記載のカーペット。
- 前記タフト生機(16)が、タフテッド機の幅方向に配列されて隣合う3本以上の複数本のニードルを1組とし、その1組となる3本以上の複数本のニードルに3種類以上の異色数種のパイル糸を通し、その1組の複数本のニードルの数と同数となる数ステッチサイクルにわたって、その1組の各ニードルが隣合うゲージ分ずつ各ステッチサイクル毎にタフテッド機の左右何れか一方向に連続してニードルを移動し、その数ステッチサイクルにおいて1組の複数本のニードルからパイル糸ループを受け取ることが出来る位置にあるルーパーに、その1組の複数本のニードルの何れか1本のニードルから1個のパイル糸ループを選択的に引き渡す操作をタフテッド機を通過する一次基布11に対して繰り返して構成されており、前記異色数種のパイル糸のバックステッチ(53a−1,53a−2,53a−3,53a−4………)がタフト生機(16)のバックステッチ面(16a)に介在していることを特徴とする請求項7に記載のカーペット。
- 前記二次基布(12)の経糸密度および緯糸密度が8本/25.4mm以上15本/25.4mm以下であり、前記二次基布(12)の目付けが180g/m2 以上280g/m2 以下であり、前記二次基布(12)の全面に経糸と緯糸に囲まれた縦横の寸法が900μm以上2500μm以下の布目隙間Aが分布している請求項7と請求項8の何れかに記載のカーペット。
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