JP2011083377A - タフテッド敷物 - Google Patents
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Abstract
【課題】洗濯しても基布の剥離や接着剤の漏出が生じないタフテッド敷物の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、一次基布と、この一次基布の表面から延出するようタフティングしたパイル群と、一次基布の裏面側に接着剤により貼合される二次基布とを備える敷物であって、上記接着剤が主成分として天然ゴムと合成ゴムとを含み、接着剤中の天然ゴムの配合率が30質量%以上80質量%以下、合成ゴムの配合率が15質量%以上20質量%以下である洗濯可能なタフテッド敷物である。上記二次基布を構成する縦糸及び横糸の繊度が1000dtex以上9000dtex以下であり、この二次基布の織り密度が3本/cm以上8本/cm以下であるとよい。また、上記接着剤の一次基布への積層量は、1800g/m2以上2200g/m2以下であることが好ましい。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、一次基布と、この一次基布の表面から延出するようタフティングしたパイル群と、一次基布の裏面側に接着剤により貼合される二次基布とを備える敷物であって、上記接着剤が主成分として天然ゴムと合成ゴムとを含み、接着剤中の天然ゴムの配合率が30質量%以上80質量%以下、合成ゴムの配合率が15質量%以上20質量%以下である洗濯可能なタフテッド敷物である。上記二次基布を構成する縦糸及び横糸の繊度が1000dtex以上9000dtex以下であり、この二次基布の織り密度が3本/cm以上8本/cm以下であるとよい。また、上記接着剤の一次基布への積層量は、1800g/m2以上2200g/m2以下であることが好ましい。
【選択図】図1
Description
本発明は、洗濯しても基布の剥離や接着剤の漏出が生じないタフテッド敷物に関するものである。
タフテッド敷物は、基布にパイル糸を差し込む刺繍カーペットの一種である。このようなタフテッド敷物は、天然繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等を用いて形成された一次基布にパイル糸をタフティング(植設)した後、一次基布の裏面に接着剤を塗布し、更に二次基布を重ね合わせて一次基布と二次基布とを接着一体化して製造されている。かかるタフテッド敷物は、その毛足の長い独特の風合いや感触から、装飾品又は実用品として広く使用されている。
このような一次基布と二次基布とを接着剤で一体化させたタフテッド敷物としては、一次基布に長さの異なるパイルが植設された敷物において、前記長さの異なるパイルをカットパイルとし、更にカットパイルを染色したもの(特開平7−23844号公報)等が提案されている。
しかしながら、このような従来の敷物を洗濯すると、一次基布と二次基布とが容易に剥離したり、また、一次基布と二次基布とを接着している接着剤が敷物裏面に漏出する等の不都合が生じる。
本発明は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、一次基布と二次基布とを天然ゴム及び合成ゴムを主成分とする接着剤で接着することで、洗濯しても基布の剥離や接着剤の漏出が生じないタフテッド敷物の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた発明は、
一次基布と、
この一次基布の表面から延出するようタフティングしたパイル群と、
一次基布の裏面側に接着剤により貼合される二次基布とを備える敷物であって、
上記接着剤が主成分として天然ゴムと合成ゴムとを含み、
接着剤中の天然ゴムの配合率が30質量%以上80質量%以下、合成ゴムの配合率が15質量%以上20質量%以下である洗濯可能なタフテッド敷物である。
一次基布と、
この一次基布の表面から延出するようタフティングしたパイル群と、
一次基布の裏面側に接着剤により貼合される二次基布とを備える敷物であって、
上記接着剤が主成分として天然ゴムと合成ゴムとを含み、
接着剤中の天然ゴムの配合率が30質量%以上80質量%以下、合成ゴムの配合率が15質量%以上20質量%以下である洗濯可能なタフテッド敷物である。
当該タフテッド敷物は、パイル群をタフティングした一次基布と、この一次基布を底面から支持する二次基布とを、主成分として天然ゴム及び合成ゴムを含む接着剤で固着して構成される。この接着剤が天然ゴム及び合成ゴムを主成分とすることで、タフテッド敷物に対して柔軟性、耐久性を付与しつつ、洗濯時における一次基布と二次基布との剥離を効果的かつ確実に防止することができる。
上記接着剤中の天然ゴムの配合率は、30質量%以上80質量%以下であるとよい。この天然ゴムの配合率を上記範囲とすることで、一次基布と二次基布との接着性が向上し、タフテッド敷物に良好な柔軟性及び耐久性を付与しつつ、洗濯時における剥離強度を確実に向上させることができる。また、上記合成ゴムの配合率は、15質量%以上20質量%以下であるとよい。この合成ゴムの配合率を上記範囲とすることで、上述した天然ゴムの配合率調整による効果に加えて、接着剤が形成する接着層に対して優れた耐熱性、耐摩耗性、耐老化性、防水性を付与することができる。
上記二次基布を構成する縦糸及び横糸の繊度が1000dtex以上9000dtex以下であり、この織布の織り密度が3本/cm以上8本/cm以下であるとよい。この二次基布を構成する縦糸及び横糸の繊度を上記範囲とすることで、二次基布からの接着剤の漏出を確実に防止できると共に、接着剤が含浸した縦糸及び横糸に対して良好な剛性を付与することができる。また、二次基布の織り密度の範囲を上記範囲とすることで、縦糸及び横糸により構成される網目の面積が減少し、二次基布からの接着剤の漏出を確実に防止することができる。つまり、二次基布の縦糸及び横糸の繊度及び織り密度を上述の範囲に調整することで、タフテッド敷物の柔軟性、耐久性、防水性、接着剤漏出防止性をバランス良く確実に実現することができる。
上記一次基布が方形に形成され、二次基布が一次基布の外縁部を縦及び横共に一定幅で切除した形状に形成され、一次基布と二次基布とが縦方向、横方向及び中心が一致するよう重畳されており、この二次基布よりはみ出した一次基布の外縁部の四隅部が二次基布の頂点を底辺中央とする略二等辺三角形に切除され、その外縁部が二次基布の裏面に折り返され、隣り合う切除辺が縫合されているとよい。このように、一次基布の外縁部の切除、折り返し、接着、縫合を行うことで、一次基布及び二次基布を一体的かつ強力に固着させることができ、その結果、通常の使用や洗濯に対しても、基布の折り返し部分が剥離することなく、タフテッド敷物に対して極めて高い耐久性を付与することができる。
上記接着剤の積層量は、1800g/m2以上2200g/m2以下であるとよい。この接着剤の積層量を上記範囲とすることで、一次基布と二次基布とを強力に接着しつつ、二次基布の裏面からの接着剤の漏出を効果的かつ確実に防止することができる。
上記二次基布として、樹脂又はゴムを含む網状滑り止めシートが用いられていることが好ましい。このように、二次基布が樹脂又はゴムを含む網状滑り止めシートであることにより、二次基布と接地面との摩擦力を向上させ、タフテッド敷物に対して高い滑り止め効果及び安全性を付与することができる。
以上説明したように、本発明のタフテッド敷物は、天然ゴム及び合成ゴムを主成分とする接着剤を用いて一次基布と二次基布とを接着させることから、一次基布及び二次基布の剥離や二次基布からの接着剤の漏出を確実に防止することができる。その結果、本発明のタフテッド敷物は、通常の使用時においても十分な取り扱い容易性、耐久性を発揮することができると共に、繰り返して洗濯する場合においても、接着剤の漏出や型崩れ等が生じることがなく、広く好適に使用され得る。
以下、適宜図面を参照しつつ本発明の実施の形態を詳説する。
(タフテッド敷物)
図1のタフテッド敷物1は、一次基布2、パイル3、接着層4、二次基布5を主として備える層状の構造体である。
図1のタフテッド敷物1は、一次基布2、パイル3、接着層4、二次基布5を主として備える層状の構造体である。
一次基布2は、タフテッド敷物1の基礎となる繊維構造体であり、後述するパイル3の植立の安定性を確保し、接着層4を介して二次基布5を固着する方形の部材である。このような一次基布2の構造上の形態としては、織布、編布又は網状の構造体が挙げられる。この一次基布2の構造上の形態が織布、編布又は網状の構造体であることで、一次基布2の柔軟性を確保しつつ、後述するパイル3のタフティング作業の容易化を図ることができる。
一次基布2を構成する繊維素材の種類としては、特に限定されず、例えば綿、麻、バンブー、麦藁、稲藁、い草、葦、シュロ、羊毛、繊獣毛、シルク、カシミア等の天然繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン、共重合ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、共重合ポリエステルなどのポリエステル系繊維;ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−46、ナイロン−66、共重合ナイロンなどのポリアミド系繊維;ポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネートなどの生分解性繊維;ビニロン繊維;アクリル繊維;レーヨン繊維;アラミド繊維;再生セルロース繊維等が挙げられる。中でも、洗濯後における良好な乾燥性を示し、入手容易性及び低コスト性に優れる綿を採用するとよい。
一次基布2の厚さの上限としては7mmが好ましく、6mmがより好ましく、5mmが特に好ましい。また、一次基布2の厚さの下限としては1mmが好ましく、1.5mmがより好ましく、2mmが特に好ましい。このように一次基布2の厚さの上限及び下限を設定することで、一次基布2の柔軟性及び引張強度をバランス良く発揮することができる。この一次基布2の厚さが1mm未満であると、一次基布2の耐久性が著しく低下するため好ましくない。また、一次基布2の厚さが7mmを超えると、折り曲げや裁断が困難となり、加工効率の低下が生じるため好ましくない。
パイル3は、上記一次基布2の表面から延出するようタフティングされた繊維構造体である。このパイル3は、図1に示す通り、一次基布2の表面を貫通し、ループを形成しつつ一次基布2の裏面を貫通して表面から延出することから、一次基布2の耐久性を向上させると共に、タフテッド敷物1独特の肌触りや風合いを発揮することができる。なお、このようなパイル3の構造上の形態としては、紡績糸、フィラメント糸、タスラン加工糸、捲縮加工糸、交絡糸、撚糸、無撚糸等が挙げられる。
パイル3を構成する繊維素材の種類としては特に限定されず、例えば上述したポリオレフィン系繊維;ポリエステル系繊維;ポリアミド系繊維;生分解性繊維;ビニロン繊維;アクリル繊維;レーヨン繊維;アラミド繊維;再生セルロース繊維の他に、アクリロニトリルと塩化ビニル等との共重合繊維であって難燃性のアクリル系繊維等が挙げられる。中でも、タフテッド敷物1特有の手触りや風合いを実現できると共に、安価で意匠性を向上するための加工や着色が容易であるアクリル繊維、アクリル系繊維、ポリエステル系繊維を採用するとよい。
パイル3の形状としては、特に限定されず、例えばループパイル、カットパイル又はこれらの形状を混在したものが挙げられる。ループパイルとしては、パイルの高さが一定に揃うレベルループや、パイルに高低をつけて立体的な変化を持たせるマルチレベルループが挙げられる。また、カットパイルとしては、パイルを密に打ち込みベルベット調に仕上げたベロアカット、弾力性及びボリューム感に富むサキソニーカット、パイル一本毎に強い撚りが付与され方向性が少ないハードツイストカット、豊かな風合い及び肌触りを付与するシャギーカット等が挙げられる。
接着層4は、主として接着剤から構成され、一次基布2の裏面側と二次基布5とを貼合するものである。この接着層4は、一次基布2及び後述する二次基布5を一体的に固着すると共に、一次基布2にタフティングされたパイル3の脱落を防止することができる。
接着層4を構成する接着剤は、主成分として天然ゴムと合成ゴムとを含む。この接着層4を構成する接着剤が主として天然ゴム及び合成ゴムを含むことで、タフテッド敷物1に対して良好な柔軟性及び衝撃耐久性を付与すると共に、洗濯時においても接着層4が分解等することなく安定し、その結果、一次基布2と二次基布5との剥離を効果的かつ確実に防止することができる。なお、上記天然ゴムとしては、cis−ポリイソプレンを主成分とする公知の天然ゴムを採用することができる。
上記合成ゴムの種類としては、特に限定されず、例えばジエン合成ゴム、オレフィン合成ゴム、ビニル合成ゴム、多硫化物合成ゴム、含珪素合成ゴム、含フッ素合成ゴム、ウレタン合成ゴム、含リン合成ゴム、クロロヒドリンゴム、ポリプロピレンオキシドゴム、ポリエーテルポリエステルブロック共重合体ゴム等が挙げられる。かかる合成ゴムは、1種又は2種以上を併用して使用することができる。
ジエン合成ゴムとしては、例えばブタジエンゴム(シス・トランス型)、イソプレンゴム、メチルゴム、ブチルゴム、ポリペンタジエンゴム、ニトリルゴム(アクリロニトリルブタジエン共重合体、アクリロニトリルイソプレン共重合体など)、スチレンブタジエンゴム(ブチルベンゼンゴム)、アクリレートブタジエン共重合体ゴム、イソブチレンイソプレン共重合体ゴム、アクリロニトリルクロロプレン共重合体ゴム、クロロプレンゴム、ポリエチレンブチルグラフト共重合体ゴム、スチレンブタジエンビニルピリジン共重合体ゴム等が挙げられる。中でも、耐熱性、耐摩耗性、耐老化性を発揮すると共に良好な防水性を発揮するスチレンブタジエンゴムを採用することが好ましい。
オレフィン合成ゴムとしては、例えばイソブチレン重合体ゴム、イソブチルエーテル重合体ゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、塩素化ポリエチレンゴム、塩素化ブチルゴム、塩素化ポリプロピレンゴム、ポリシクロペンテンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム等が挙げられる。
ビニル合成ゴムとしては、例えばアクリルゴム(アクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステルクロロエチルビニルエーテル共重合体など)等が挙げられる。多硫化物合成ゴムとしては、ポリアルキレンサルファイドゴム(エチレンサルファイドプロピレンサルファイド共重合体など)等が挙げられる。含珪素合成ゴムとしては、シリコーンゴム(アルキルシロキサン縮合物など)等が挙げられる。含フッ素合成ゴムとしては、フッ素ゴム(ジヒドロパーフロロアルキルアクリレート重合体、トリフルオロクロロエチレンビニリデンフロライド共重合体、ヘキサフロロプロピレンビニリデンフロライド共重合体など)、ポリフッ化チオカルボニルゴム等が挙げられる。ウレタン合成ゴムとしては、ポリエーテルウレタンゴム、ポリエステルウレタンゴム等が挙げられる。含リン合成ゴムとしては、ポリホスファゼン等が挙げられる。
また、上記天然ゴム及び合成ゴムのゴム成分には、任意成分として、さらにカルボキシルメチルセルロースなどの食品添加物、天然樹脂強化剤、脂肪酸カリウム石鹸、滑石粉などのタルク、水酸化ナトリウム、防腐剤、促進剤、酸化防止剤、ピロリン酸ナトリウム、酸化亜鉛、水等を含有させることができる。
接着層4における接着剤中の天然ゴムの配合率の上限としては80質量%が好ましく、70質量%がより好ましく、60質量%が特に好ましい。また、接着層4における接着剤中の天然ゴムの配合率の下限としては、30質量%が好ましく、35質量%がより好ましく、40質量%が特に好ましい。このように接着層4における接着剤中の天然ゴムの配合率の上限及び下限を設定することで、一次基布2と二次基布5との接着性を向上させ、タフテッド敷物1に良好な柔軟性及び耐久性を付与すると共に、洗濯時における水に対する剥離強度を確実に向上させることができる。特に、接着層4における接着剤中の天然ゴムの配合率を40質量%以上60質量%以下とすることで、二次基布5からの接着剤の漏出を極めて効果的かつ確実に防止することができる。この天然ゴムの配合率が30質量%未満であると、一次基布2と二次基布5との接着性が極端に低下するため好ましくない。また、この天然ゴムの配合率が80質量%を超えると、二次基布5の繊維間から接着剤が漏出しやすくなるため好ましくない。
接着層4における接着剤中の合成ゴムの配合率の上限としては20質量%が好ましく、18質量%がより好ましい。また、接着層4における接着剤中の合成ゴムの配合率の下限としては15質量%が好ましく、16質量%がより好ましい。このように接着層4における接着剤中の合成ゴムの配合率の上限及び下限を設定することで、接着層4に対して優れた耐熱性、耐摩耗性、耐老化性、防水性を付与することができる。この合成ゴムの配合率が15質量%未満であると、接着層4における防水性を確保することが困難となるため好ましくない。また、この合成ゴムの配合率が20質量%を超えると、接着層4の粘着性が過度に高くなり、取扱いが困難となるため好ましくない。
接着層4における接着剤の積層量の上限としては2200g/m2が好ましく、2000g/m2がより好ましい。また、接着層4における接着剤の積層量の下限としては1800g/m2が好ましく、1900g/m2がより好ましい。このように接着層4における接着剤の積層量の上限及び下限を設定することで、一次基布2と二次基布5とを強力に接着させ、タフテッド敷物1に対して柔軟性及び耐久性をバランス良く付与すると共に、十分な剥離強度を発揮させることができる。この接着層4における接着剤の積層量が1800g/m2未満であると、一次基布2及び二次基布5の剥離強度が著しく低下するため好ましくない。また、接着層4における接着剤の積層量が2200g/m2を超えると、二次基布5の繊維間より接着剤が漏出しやすくなるため好ましくない。
二次基布5は、一次基布2の裏面側に接着剤により貼合される繊維構造体であり、タフテッド敷物1を裏面より支持する方形の部材である。この二次基布5の構造上の形態としては、上述の一次基布2の場合と同様に、織布、編布又は網状の構造体が挙げられる。また、二次基布5を構成する繊維素材の種類としては、上述の一次基布2の場合と同様の繊維素材が挙げられる。
このような二次基布5として、樹脂又はゴムを含む網状滑り止めシートが用いられているとよい。このように、二次基布5が樹脂又はゴムを含む網状滑り止めシートであることにより、一次基布2と二次基布5との接着性を維持しつつ、二次基布5と接地面との摩擦力を向上させ、その結果、タフテッド敷物1に対して高い滑り止め効果及び安全性を付与することができる。
上記網状滑り止めシートを構成するゴム素材としては、上述の天然ゴムや合成ゴム等を1種又は2種以上併用して使用することができる。
上記網状滑り止めシートを構成する樹脂素材としては、特に限定されないが、例えばフェノール樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂;ポリエチレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリアミド、ナイロン、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、グラスファイバー強化ポリエチレンテレフタレート、環状ポリオレフィン、ポリフェニレンスルファイド、ポリテトラフロロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルサルフォン、非晶ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、熱可塑性ポリイミド、ポリアミドイミドなどの熱可塑性樹脂等が挙げられる。中でも、良好な柔軟性及び耐久性を発揮するエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂が好ましい。
二次基布5が織布である場合においては、二次基布5を構成する縦糸及び横糸の繊度の上限が、9000dtexであることが好ましく、5000dtexであることがより好ましい。また、二次基布5を構成する縦糸及び横糸の繊度の下限としては1000dtexが好ましく、1500dtexがより好ましい。このように二次基布5を構成する縦糸及び横糸の繊度の上限及び下限を設定することで、二次基布5からの接着剤の漏出を確実に防止できると共に、接着剤が含浸した縦糸及び横糸に対して良好な剛性を付与することができる。この二次基布5を構成する縦糸及び横糸の繊度が1000dtex未満であると、二次基布5の引張硬度が極端に低下するため好ましくない。また、二次基布5を構成する縦糸及び横糸の繊度が9000dtexを超えると、二次基布5の重量が過度に重くなり、取り扱いが困難となるため好ましくない。
織布である二次基布5の織り密度の上限としては8本/cmが好ましく、7本/cmがより好ましい。また、この二次基布5の織り密度の下限としては3本/cmが好ましく、5本/cmがより好ましい。このように二次基布5の織り密度の上限及び下限を設定することで、タフテッド敷物1に良好な引張強度や耐久性を付与しつつ、かかる縦糸及び横糸により構成される網目の面積を減少させ、その結果、二次基布5の網目からの接着剤の漏出を確実に防止することができる。かかる二次基布5の織り密度が3本/cm未満であると、二次基布5の網目から漏出する接着剤の量が多くなるため好ましくない。また、二次基布5の織り密度が8本/cmを超えると、二次基布5の縦糸及び横糸が構成する網目の面積が減少し、二次基布5の柔軟性が低下するため好ましくない。
二次基布5の厚さの上限としては10mmが好ましく、8mmがより好ましく、7mmが特に好ましい。また、二次基布5の厚さの下限としては1.5mmが好ましく、2mmがより好ましく、2.5mmが特に好ましい。このように、二次基布5の厚さの上限及び下限を設定することで、二次基布5の柔軟性や耐久性を向上させつつ、二次基布5の網目からの接着剤の漏出防止効果を向上することができる。この二次基布5の厚さが1.5mm未満であると、二次基布5の網目から接着剤が流出しやすくなるため好ましくない。また、二次基布5の厚さが8mmを超えると、タフテッド敷物1の柔軟性が低下し、折り曲げ等の取扱いが困難となるため好ましくない。
(タフテッド敷物の製造方法)
次に、タフテッド敷物1の製造方法について詳説する。
次に、タフテッド敷物1の製造方法について詳説する。
一次基布2に、フックガン等を用いてパイル3をタフティングする。また、かかる一次基布2の形状に基づき、二次基布5を、一次基布2の外縁部を縦及び横共に一定幅で切除した形状に裁断する。
パイル3をタフティングした一次基布2の裏面に対して接着剤を積層し、接着層4を形成する。この接着剤の積層方法としては、特に限定されず、例えばロールコーター法、ダイレクトコート法、ナイフコート法、スプレーコート法等が挙げられる。
上述の通り、裏面に接着剤を積層した一次基布2及び所定の寸法に裁断・形成した二次基布5を、一次基布2と二次基布5との縦方向、横方向及び中心がそれぞれ一致するように重畳する。このように、接着剤により一体的に接着された一次基布2及び二次基布5を乾燥する。かかる乾燥は、自然乾燥でも良いが、乾燥室にて少なくとも100℃以上の温度で3時間以上行うとよい。
このように乾燥させた一次基布2及び二次基布5について、二次基布5よりはみ出した一次基布2の外縁部の四隅部を、二次基布の頂点を底辺中央とする略二等辺三角形に切除する。次いで、図3に示す通り、かかる一次基布2の外縁部に上述の接着剤を積層して接着層6を形成させ、この外縁部を二次基布5の裏面に折り返して接着し、更に隣り合う切除辺同士を縫合糸7により縫合する。このような一次基布2の外縁部の切除、折り返し、接着、縫合を行うことで、一次基布2及び二次基布5を一体的かつ強力に固着させ、繰り返しの使用や洗濯に対しても上述の折り返し部分が剥離することなく、タフテッド敷物1に対して極めて高い耐久性を付与することができる。なお、上述の一次基布2の外縁部に接着剤を積層し、二次基布5の裏面に折り返して接着させる場合において、折り返した一次基布2に対しては、アイロン等で圧着加熱するアイロン処理を行うとよい。このようなアイロン処理を行うことで、一次基布2の折り返し部分に対する接着性をより一層向上させることができる。
なお、本発明のタフテッド敷物は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、本発明のタフテッド敷物は、取扱いが容易となる柔軟性や高い耐久性を確保しつつ、繰り返して洗濯しても破損や型崩れ等を確実に防止できることから、室内用カーペット、玄関用マット、入り口用マット、浴室用マット、台所用マット、廊下用マット、乳幼児用プレイマットとして好適に使用され得る。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例の記載に基づいて本発明が限定的に解釈されるものではない。
[実施例]
(パイル)
パイルとして、ポリエステル紡績糸(ポリエチレンテレフタレート短繊維;番手W−1/4)を用いた。
(パイル)
パイルとして、ポリエステル紡績糸(ポリエチレンテレフタレート短繊維;番手W−1/4)を用いた。
(一次基布)
一次基布の素材は綿であり、570(縦糸)×702(横糸)本/m2の織布を、縦500mm×横900mmのサイズに裁断したものを用いた。
一次基布の素材は綿であり、570(縦糸)×702(横糸)本/m2の織布を、縦500mm×横900mmのサイズに裁断したものを用いた。
(タフティング)
一次基布に対して、パイルを目付700g/m2(毛足の長さ:約7mm)となるようにゲージ間隔1/10(インチ)、ステッチ10本/インチの条件でタフティングした。
一次基布に対して、パイルを目付700g/m2(毛足の長さ:約7mm)となるようにゲージ間隔1/10(インチ)、ステッチ10本/インチの条件でタフティングした。
(接着剤)
接着剤は、天然ゴムを40質量%、合成ゴムを20質量%、任意成分を40質量%の割合で配合・調整した。かかる任意成分は、カルボキシルメチルセルロース、天然樹脂強化剤、脂肪酸カリウム石鹸、滑石粉、水酸化ナトリウム、防腐剤、促進剤、酸化防止剤、ピロリン酸ナトリウム、酸化亜鉛及び水であった。
接着剤は、天然ゴムを40質量%、合成ゴムを20質量%、任意成分を40質量%の割合で配合・調整した。かかる任意成分は、カルボキシルメチルセルロース、天然樹脂強化剤、脂肪酸カリウム石鹸、滑石粉、水酸化ナトリウム、防腐剤、促進剤、酸化防止剤、ピロリン酸ナトリウム、酸化亜鉛及び水であった。
(二次基布)
二次基布の素材は綿であり、545(縦糸)×717(横糸)本/m2の織布を、縦400mm×横800mmのサイズに裁断したものを用いた。
二次基布の素材は綿であり、545(縦糸)×717(横糸)本/m2の織布を、縦400mm×横800mmのサイズに裁断したものを用いた。
(タフテッド敷物の製造)
パイルをタフティングした一次基布の裏面に、接着剤を積層量が1860g/m2となるように調整してダイレクトコート法により積層した。この一次基布に二次基布を、一次基布と二次基布との縦方向、横方向及び中心が一致するように重畳した後、100℃の乾燥室で約4時間乾燥させた。乾燥後、この一次基布及び二次基布が一体となった構造体に対して、シャーリング加工及びカービング加工を行った。
パイルをタフティングした一次基布の裏面に、接着剤を積層量が1860g/m2となるように調整してダイレクトコート法により積層した。この一次基布に二次基布を、一次基布と二次基布との縦方向、横方向及び中心が一致するように重畳した後、100℃の乾燥室で約4時間乾燥させた。乾燥後、この一次基布及び二次基布が一体となった構造体に対して、シャーリング加工及びカービング加工を行った。
上記乾燥後、二次基布よりはみ出した一次基布の外縁部の四隅部を、二次基布の頂点を底辺中央とする略二等辺三角形に切除し、この一次基布の外縁部に上述の接着剤をダイレクトコート法により積層し、二次基布の裏面に折り返して接着させ、かかる接着部分に対して60℃のアイロン処理を行い、最後に隣り合う切除辺を縫合した。このように折り返した一次基布の外縁部の幅は約50mmであった。
[比較例]
接着剤について、天然ゴムを10質量%、合成ゴムを10質量%、任意成分を80質量%の割合で配合・調整した以外は、実施例と同様であった。
接着剤について、天然ゴムを10質量%、合成ゴムを10質量%、任意成分を80質量%の割合で配合・調整した以外は、実施例と同様であった。
(洗濯試験)
上記実施例及び比較例で得られた各タフテッド敷物に対してJISL−0217(105法)に準拠して以下の洗濯試験を行った。洗濯試験は、30℃の液温下で弱水流で洗濯ネットを使用し、その後、吊り干しにて室温で自然乾燥させた。なお、洗剤はアタック(登録商標)(花王株式会社製)を洗濯水に対して0.1質量%の配合率で使用した。
上記実施例及び比較例で得られた各タフテッド敷物に対してJISL−0217(105法)に準拠して以下の洗濯試験を行った。洗濯試験は、30℃の液温下で弱水流で洗濯ネットを使用し、その後、吊り干しにて室温で自然乾燥させた。なお、洗剤はアタック(登録商標)(花王株式会社製)を洗濯水に対して0.1質量%の配合率で使用した。
上記実施例及び比較例で得られた各タフテッド敷物を上記条件で洗濯し、完全に乾燥させた。この洗濯・乾燥作業を10回繰り返し、1回目、5回目及び10回目の乾燥後の実施例及び比較例について、(A)一次基布及び二次基布の剥離、(B)二次基布からの接着剤の漏出を確認した。その結果を下記表1に示す。
表1より、実施例においては、基布の剥離や接着剤の漏出が認められず、比較例と比べて良好な耐久性、接着剤漏出防止性を発揮することが確認できた。また、実施例で得られたタフテッド敷物は10回洗濯・乾燥後の寸法変化率が縦−1.5%〜−2.0%、横−1.0%〜−1.5%と非常に良好であり、繰り返し洗濯してもほとんど縮まないことが確認できた(寸法変化率の「−」は縮みを示す)。
以上のように、本発明のタフテッド敷物は、パイル、一次基布、二次基布及び接着層という極めて単純な構成を有し、いずれも入手容易で安価な材料から製造することが可能であるため、低コスト化や大量生産を容易に実現することができる。
1 タフテッド敷物
2 一次基布
3 パイル
4 接着層
5 二次基布
6 接着層
7 縫合糸
2 一次基布
3 パイル
4 接着層
5 二次基布
6 接着層
7 縫合糸
Claims (5)
- 一次基布と、
この一次基布の表面から延出するようタフティングしたパイル群と、
一次基布の裏面側に接着剤により貼合される二次基布とを備える敷物であって、
上記接着剤が主成分として天然ゴムと合成ゴムとを含み、
接着剤中の天然ゴムの配合率が30質量%以上80質量%以下、合成ゴムの配合率が15質量%以上20質量%以下である洗濯可能なタフテッド敷物。 - 上記二次基布を構成する縦糸及び横糸の繊度が1000dtex以上9000dtex以下であり、
この織布の織り密度が3本/cm以上8本/cm以下である請求項1に記載のタフテッド敷物。 - 上記一次基布が方形に形成され、
上記二次基布が一次基布の外縁部を縦及び横共に一定幅で切除した形状に形成され、
上記一次基布と上記二次基布とが縦方向、横方向及び中心が一致するよう重畳されており、
この二次基布よりはみ出した一次基布の外縁部の四隅部が二次基布の頂点を底辺中央とする略二等辺三角形に切除され、その外縁部が二次基布の裏面に折り返され、隣り合う切除辺が縫合されている請求項1又は請求項2に記載のタフテッド敷物。 - 上記接着剤の積層量が1800g/m2以上2200g/m2以下である請求項1、請求項2又は請求項3に記載のタフテッド敷物。
- 上記二次基布として、樹脂又はゴムを含む網状滑り止めシートが用いられている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のタフテッド敷物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009237512A JP2011083377A (ja) | 2009-10-14 | 2009-10-14 | タフテッド敷物 |
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ID=44076813
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JP2009237512A Withdrawn JP2011083377A (ja) | 2009-10-14 | 2009-10-14 | タフテッド敷物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2011083377A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014091002A (ja) * | 2012-11-06 | 2014-05-19 | Suminoe Textile Co Ltd | 涼感カ−ペット |
JP2017051402A (ja) * | 2015-09-09 | 2017-03-16 | 東リ株式会社 | 内装材及びその製造方法 |
JP6124490B1 (ja) * | 2016-09-14 | 2017-05-10 | 株式会社オーノ | タフテッドカーペットと二次基布 |
-
2009
- 2009-10-14 JP JP2009237512A patent/JP2011083377A/ja not_active Withdrawn
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