JP2010001576A - 羽毛袋用不織布およびこれを用いた衣料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 羽毛布団、ダウンジャケット、クッションなどのダウンプルーフ構造体に関して、表地や裏地との摩擦によって静電気が発生することを防止して羽毛の充填作業の効率をあげることが可能であり、また衣料として着用しても、表生地に対して部分的に貼り付いてしまうことがなく、着心地に優れるとともに衣料の外観を損ねてしまうことのない、羽毛袋用不織布、羽毛充填袋およびこれを用いた衣料を提供する。
【解決手段】 羽毛を充填するための袋に用いる不織布であって、前記不織布は帯電防止加工が施されており、前記不織布の面密度は15〜60g/mであり、通気量は150〜400(cm/cm・s)[JIS L1096に規定されるフラジール法による]である羽毛袋用不織布。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば羽毛布団、ダウンジャケット、クッションなどのダウンプルーフ構造体の表生地と裏生地の間に用いる羽毛袋用の不織布に関するものであり、羽毛の充填作業の能率向上効果に優れ、また衣料として着用した時に着心地に優れた羽毛袋用不織布およびこれを用いた衣料に関する。
羽毛布団、ダウンジャケット、クッションなどのダウンプルーフ構造は表生地と裏生地の間に羽毛が充填されて形成されており、羽毛が外に抜け出すのを防止するため、表生地および裏生地に、羽毛の抜け出し防止の加工が施されている。あるいは、表生地または裏生地と羽毛との間に中生地を配して、この中生地に羽毛の抜け出し防止の加工が施されている。後者の例としては、例えば特許文献1に、表生地と裏生地を有し、かつその間に羽毛と、中生地を有する衣服において、該中生地が不織布からなり、該中生地不織布の通気量が5.0〜30.0cc/cm/secであることを特徴とする羽毛入り衣服が開示されている。
しかし、このような中生地に羽毛を充填しようとすると、中生地との摩擦によって静電気が発生し羽毛の充填作業の効率が低下してしまうという問題があった。また、この衣服を着用すると、表生地と中生地が部分的に貼り付いてしまい、ダウン衣料の外観を損ねてしまうという問題があった。
特開2005−68571号公報
本発明は、上記問題を解決することを目的としており、羽毛布団、ダウンジャケット、クッションなどのダウンプルーフ構造体に関して、表地や裏地との摩擦によって静電気が発生することを防止して羽毛の充填作業の効率をあげることが可能であり、また衣料として着用しても、表生地に対して部分的に貼り付いてしまうことがなく、着心地に優れるとともに衣料の外観を損ねてしまうことのない、羽毛袋用不織布、羽毛充填袋およびこれを用いた衣料を提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段は、請求項1に係る発明では、羽毛を充填するための袋に用いる不織布であって、前記不織布は帯電防止加工が施されており、前記不織布の面密度は15〜60g/mであり、通気量は150〜400(cm/cm・s)[JIS L1096に規定されるフラジール法による]であることを特徴とする羽毛袋用不織布である。この発明により、表地や裏地との摩擦によって静電気が発生することを防止して羽毛の充填作業の効率をあげることが可能であり、また衣料として着用しても、表生地に対して部分的に貼り付いてしまうことがないため、着心地に優れるとともに衣料の外観を損ねてしまうことのない、羽毛袋用不織布を提供することができる。
請求項2に係る発明では、前記帯電防止加工が、前記不織布の構成繊維に白色の導電性繊維を含有させる加工であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛袋用不織布であり、耐洗濯性に優れるという利点がある。また、導電性繊維が白色であるので、羽毛袋用不織布を薄手の表地と縫製した場合、表地から羽毛袋用不織布が透けて見えることがないという利点がある。
請求項3に係る発明では、前記導電性繊維が、熱可塑性重合体からなる導電層と非導電層とから形成され、導電層の一部が繊維表面に露出している複合繊維であることを特徴とする請求項2に記載の羽毛袋用不織布であり、耐洗濯性に優れると共に耐屈曲性や耐摩耗性に優れるという利点がある。
請求項4に係る発明では、前記帯電防止加工が、前記不織布に帯電防止剤を付着させる加工であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛袋用不織布であり、帯電性の度合いを要求に応じて自由に選択可能であるという利点がある。
請求項5に係る発明では、前記不織布の構成繊維がセルロース系の繊維を含有していることを特徴とする請求項4に記載の羽毛袋用不織布であり、さらに帯電性に優れるという利点がある。
請求項6に係る発明では、構成繊維の平均繊度が0.7〜2.5デシテックスであることを特徴とする1〜5の何れかに記載の羽毛袋用不織布であり、通気量を確保しつつ柔軟性に優れるという利点がある。
請求項7に係る発明では、請求項1〜6の何れかに記載の羽毛袋用不織布からなる羽毛袋に、羽毛が充填されてなることを特徴とする羽毛充填袋である。
請求項8に係る発明では、請求項7に記載の羽毛充填袋から構成されることを特徴とする衣料であり、この衣料を着用しても、表生地と羽毛袋用不織布が部分的に貼り付いてしまうことがなく、着心地に優れるとともに外観を損ねてしまうことのないという利点がある。
上述した本発明の構成によれば、羽毛布団、ダウンジャケット、クッションなどのダウンプルーフ構造体に関して、表地や裏地との摩擦によって静電気が発生することを防止して羽毛の充填作業の効率をあげることが可能であり、また衣料として着用しても、表生地に対して部分的に貼り付いてしまうことがなく、着心地に優れるとともに衣料の外観を損ねてしまうことのない、羽毛袋用不織布、羽毛充填袋およびこれを用いた衣料を提供することができる。
以下、本発明に係る羽毛袋用不織布、羽毛充填袋およびこれを用いた衣料の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
本発明の羽毛袋用不織布は、羽毛を充填するための袋に用いる不織布である。前記羽毛は、ダウンやフェザーあるいはこれらを混合したものを適用することが可能であり、ダウンとしては、例えばカモ、アヒル、ガチョウなど、水鳥の胸部分に生えている柔らかい羽を挙げることができる。この羽は中央から柔らかい糸状の羽が放射線状に伸びた球形状をしており、そのため、非常に柔らかく、細い羽が互いに絡み合い、多くの空気層を構成するために、フェザーに比べて嵩高で、保温性にも優れている。また、フェザーとしては、例えば水鳥の体を覆う羽を挙げることができる。この羽は、羽軸があり、細い毛が木の枝のように生えており、木の葉のような形状をしており、ダウンと比較して風合いは硬く、また嵩高性には劣る傾向がある。
前記袋としては、表地と裏地の間に介在可能である限りその形態は特に限定されず、例えば前記不織布を1つの袋状に形成した形態がある。また、例えば表地と裏地をそれぞれ前記不織布と重ね合わせ縫製などにより部分的に一体化させた表地複合シート及び裏地複合シートとしておき、これらの複合シートを、間隔を空けて縫製して、間隔をあけた部分が袋状になっている形態の袋がある。また、例えば裏地と前記不織布と重ね合わせ縫製などにより部分的に一体化させた裏地複合シートとしておき、この複合シートと前記不織布とを間隔を空けて縫製して、間隔をあけた部分が袋状になっている形態の袋がある。
前記表地または裏地としては、通気性の布帛からなる生地にダウンプルーフ加工が施されていることが好ましい。当該生地としては、綿織物として平織、綾織、または朱子織や、合繊織物としてフィラメント織物、スパン織物、綿混紡織物などを適用することが可能である。また、染色などの着色や意匠柄を付与した生地、或いは種々の難燃処理などの後加工を施した生地も可能である。また、より軽量化を図る上では、不織布であることも可能である。不織布の場合、ある程度の強度が必要であり、この点から前記生地が極細繊維で構成された不織布であることが好ましい。
また、前記羽毛袋用不織布は帯電防止加工が施されている。帯電防止加工としては、前記不織布に帯電防止機能を付与する手段であれば、特に限定されることはなく、例えば前記不織布の構成繊維に白色の導電性繊維を含有させる加工であることが可能であり、このような加工が施されている羽毛袋用不織布(以下、第1の不織布と称することがある。)は、洗濯によって帯電性防止効果が低下する恐れがないという利点がある。また、例えば前記不織布に帯電防止剤を付着させる加工であることが可能であり、このような加工が施されている羽毛袋用不織布(以下、第2の不織布と称することがある。)であれば、帯電防止剤の付着割合を微妙に調整可能であるので、帯電性の度合いを要求に応じて自由に選択可能であるという利点がある。
本発明では、前記羽毛袋用不織布の構造は、面密度が15〜60g/mであり、通気量が150〜400(cm/cm・s)[JIS L1096に規定されるフラジール法による]である限り、特に限定されず、従来知られている不織布の製法である乾式法、スパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、または湿式法などによって得られる不織布を適用することが可能である。これらの製法の中でも、繊維長15〜100mmの、捲縮数5〜70個/インチを有する通常ステープル繊維と呼ばれる繊維をカード機やエアレイ装置などを使用して、繊維ウェブに形成した後、加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間を通過させて、構成繊維を部分的に熱融着させる方法、熱接着性繊維による接着方式または含浸などにより接着剤を用いて構成繊維を結合する方法、あるいは構成繊維に水流により構成繊維を交絡する方法、による一般的に乾式法と呼ばれる製法によって得られる不織布であることが好ましい。乾式法による不織布であれば、白色の導電性繊維やセルロース系の繊維など機能性を有する繊維と他の繊維とを均一に混合することが容易であるので品質に優れた不織布を得ることができるという利点がある。
前記羽毛袋用不織布の面密度は15〜60g/mであることが必要であり、20〜50g/mであることがより好ましく、20〜40g/mであることが更に好ましい。面密度が上述の範囲よりも小さくなると、袋としての強度が不足して破損する場合や、羽毛が抜け出し易くなる場合があり、面密度が上述の範囲よりも大きくなると、風合いが硬くなり、例えば衣料として用いると着心地が低下する場合がある。
前記羽毛袋用不織布の厚さは0.1〜1mmであることが好ましく、0.2〜0.6mmであることがより好ましく、0.2〜0.4mmであることが更に好ましい。厚さが上述の範囲よりも小さくなると、羽毛が抜け出し易くなる場合があり、面密度が上述の範囲よりも大きくなると、風合いが硬くなり、例えば衣料として用いると着心地が低下する場合がある。なお、厚さは、0.5gf/cmの圧力下における厚さで表すものとする。
前記羽毛袋用不織布の通気量は150〜400(cm/cm・s)[JIS L1096に規定されるフラジール法による]であることが必要であり、200〜300(cm/cm・s)であることが好ましい。通気量が上述の範囲よりも小さくなると、羽毛が抜け出し易くなるという問題があり、通気量が上述の範囲よりも大きくなると、羽毛を吹き込み難くなるという問題がある。
また、前記羽毛袋用不織布の構成繊維の構成繊維の平均繊度が0.7〜2.5デシテックスであることが好ましく、1〜2デシテックスであることがより好ましい。平均繊度が上述の範囲にあることにより、通気量を確保しつつ柔軟性に優れるという利点がある。平均繊度が上述の範囲よりも小さくなると、通気量が少なくなり羽毛を吹き込み難くなる場合がある。また、平均繊度が上述の範囲よりも大きくなると、組織が粗くなり羽毛が抜け出し易くなる場合がある。なお、平均繊度の計算方法としては、各繊維の繊度をaデシテックス、bデシテックス、cデシテックス・・・として、各繊維の含有割合をそれぞれa’質量%、b’質量%、c’質量%・・・とすると、(a’/a)+(b’/b)+(c’/c)・・・=(100/x)の関係式が成り立ち、この関係式から平均繊度xを求めることができる。
(1)第1の不織布についての説明
前記不織布は、白色の導電性繊維を含有している。この白色の導電性繊維としては、白色であり且つ導電性の繊維であれば特に限定されず白色の導電性粒子を熱可塑性樹脂に練りこんで得られる樹脂ペレットを紡糸することによって得られる繊維を挙げることができる。白色の導電性粒子としては、例えば白色である酸化チタン粒子に導電性物質を塗布して得られる粒子を挙げることができる。また、前記導電性繊維が、図1(a)〜(d)に例示するように、熱可塑性重合体からなる導電層2と非導電層1とから形成され、導電層の一部が繊維表面に露出している複合繊維であることが好ましい。なお、図1(d)では、導電層は片側だけが繊維表面に露出している偏芯形状をしており、図1(a)〜(d)の中でも、特に耐洗濯性、耐屈曲性および耐摩耗性に優れている。ここで、導電層2は白色の導電性粒子を熱可塑性樹脂に練りこんで得られる樹脂からなる層であることが可能である。また、非導電層1は導電性粒子を有していない熱可塑性樹脂からなる層である。このような構成によって、本発明の羽毛袋用不織布が、耐洗濯性、耐屈曲性または耐摩耗性に優れるという利点がある。また、導電性繊維が白色であるので、羽毛袋用不織布を薄手の表地と縫製した場合、表地から羽毛袋用不織布が透けて見えることがないという利点がある。
前記導電性以外の繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリクラール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、モダアクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維や、レーヨン、ビスコースなどの再生繊維や、アセテートなどの半合成繊維などを使用でき、これらの中でも、洗濯耐性などを考慮すると、合成繊維が好ましい。
前記白色の導電性繊維の構成繊維中の含有割合は特に限定されないが、0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましく、1〜5質量%であることが更に好ましい。これらの範囲を超えて含有量が少ないと、導電性の効果が得られない場合があり、これらの範囲を超えて含有量が多いと、羽毛袋用不織布の、耐洗濯性、耐屈曲性または耐摩耗性の向上効果が得られない場合がある。
第1の不織布のより好ましい形態としては、ステープル繊維の形態の前記白色の導電性繊維0.5〜20質量%と熱可塑性樹脂からなる合成繊維99.5〜80質量%とを混合して、カード機やエアレイ装置などを使用して繊維ウェブに形成した後、この繊維ウェブを加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間を通過させて、部分的に熱融着させて得られる不織布を挙げることができ、この不織布は、風合いが極めて柔軟であるという利点がある。
本発明では、第1の不織布の摩擦耐電圧は1000V[JIS L1094に規定される織物及び編物の帯電性試験方法の5.2摩擦耐電圧測定法]以下とすることができ、より好適には700V以下とすることができる。また、ドライクリーニング後の摩擦耐電圧は4500V以下とすることができ、より好適には4000V以下とすることができる。また、洗濯後の摩擦耐電圧は4500V以下とすることができ、より好適には3000V以下とすることができる。
(2)第2の不織布についての説明
前記不織布は帯電防止剤が付着している。帯電防止剤としては、繊維製品の帯電防止加工に用いられる薬剤であれば特に限定されず、例えばアニオン性の界面活性剤、カチオン性の界面活性剤、ノニオン性の界面活性剤などを適用することができる。また、接着剤と共に用いて、繊維同士の交点を結合させると共に帯電防止剤を付着させることも可能である。帯電防止剤の付着の割合としては特に限定されないが、付着前の不織布の質量に対して、0.5〜5質量%であることが好ましく、1〜3質量%であることがより好ましく、1.5〜2質量%であることが更に好ましい。これらの範囲を超えて含有量が少ないと、導電性の効果が得られない場合があり、これらの範囲を超えて含有量が多いと、帯電防止剤が表地や裏地に移染する場合がある。
前記不織布の構成繊維としては、特に限定されず、例えば、ポリクラール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、モダアクリル繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリウレタン繊維などの合成繊維や、レーヨン、ビスコースなどの再生繊維や、アセテートなどの半合成繊維などを使用できる。
前記不織布の構成繊維は、レーヨン、ビスコースやアセテートなどのセルロース系の繊維を含有していることが好ましい。セルロース系の繊維を含有することにより、空気中の水分を吸収して、静電気の発生を防止する効果があり、帯電防止効果により優れるという利点がある。セルロース系繊維構成繊維中の含有割合は、5〜40質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましく、10〜20質量%であることが更に好ましい。これらの範囲を超えて含有量が少ないと、帯電防止の向上効果が得られない場合があり、これらの範囲を超えて含有量が多いと、羽毛袋用不織布の引張り強度等の物理的特性において、耐洗濯性が低下する場合がある。
第2の不織布のより好ましい形態としては、ステープル繊維の形態の前記セルロース系の繊維5〜40質量%と熱可塑性樹脂からなる合成繊維95〜60質量%とを混合して、カード機やエアレイ装置などを使用して繊維ウェブに形成した後、この繊維ウェブを加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間を通過させて、部分的に熱融着させることにより不織布基材を形成しておき、次いでこの不織布基材に合成樹脂のエマルジョンと界面活性剤からなる帯電防止剤液を含浸させて、乾燥して得られる不織布を挙げることができ、この不織布は、引張り強度等の物理的特性において、ドライクリーニング耐性や洗濯耐性が優れているという利点がある。
本発明では、第2の不織布の摩擦耐電圧は4000V以下とすることができ、より好適には1600V以下とすることができる。また、ドライクリーニング後の摩擦耐電圧は3500V以下とすることができ、より好適には3000V以下とすることができる。また、洗濯後の摩擦耐電圧は5400V以下とすることができ、より好適には5000V以下とすることができる。
本発明の羽毛袋用不織布は、以上の説明のように、第1の不織布または第2の不織布の形態をとることができるが、第1の不織布と第2の不織布とを併せた形態であることも可能である。すなわち、前記不織布が白色の導電性繊維を含有していると共に前記不織布に帯電防止剤が付着している形態であることが可能である。
本発明の羽毛充填袋は、前述の羽毛袋用不織布からなる羽毛袋に、羽毛が充填されることによって形成されている。充填の方法としては特に限定されず、羽毛袋用不織布を前述のように袋状に形成して、手作業で充填する方法や、空気と共に吹き込む方法を適用することができる。
本発明の衣料は、ダウンジャケット、ジャンパー、ブルゾンなどの衣料として用いることが可能である。本発明の衣料は、前記羽毛充填袋から構成されており、またこの羽毛充填袋は前記羽毛袋用不織布から構成されているので、この衣料を着用しても、表生地と羽毛袋用不織布が部分的に貼り付いてしまうことがなく、着心地に優れるとともに外観を損ねてしまうことのないという利点がある。
以下、本発明の実施例につき説明するが、これは発明の理解を容易とするための好適例にすぎず、本発明はこれら実施例の内容に限定されるものではない。
(通気量の評価)
JIS L1096「一般織物試験方法」に規定される8.27.1A法(フラジール形法)によって評価サンプルの通気量(cm/cm・s)を計測する。
(摩擦耐電圧の評価)
JIS L1094「織物及び編物の帯電性試験方法」に規定される5.2摩擦耐電圧測定法によって評価サンプルの摩擦耐電圧(V)を計測する。
(ドライクリーニング後の摩擦耐電圧の評価)
商業用ドライクリーニング装置(例:三菱パーマックMP508D)の洗濯槽(容量160リットル)に、洗濯物質量が400gになるように、試験サンプル数個に綿布などの負荷布を若干数加えて投入し、次いで溶剤テトラクロロエチレンを流し込み(溶剤量50リットル)、洗濯操作を行う。1回の洗濯操作は、40rpmで6分間洗濯、1.5分間で排液、390rpmで2分間脱液、減速0.5分後、乾燥処理を60℃で10分間行う操作として、この操作を3回繰り返し行う。その後、試験サンプルを取り出し、摩擦耐電圧の評価サンプルとする。その後、前述の(摩擦耐電圧の評価)に記載した方法によって、摩擦耐電圧(V)を計測する。
(洗濯後の摩擦耐電圧の評価)
JIS L0217:1995「繊維製品の取り扱いに関する表示記号及びその表示方法」の「付表1 記号別の試験方法−洗い方(水洗い)」の番号103に記載される試験方法に準じて洗濯操作を行う。
自動反転式洗濯機の水準線まで温度40±3℃の水を入れ(水量32リットル)、これに2g/リットルの割合で、無リン合成洗剤を加え、よく攪拌して洗剤を溶解する。洗濯物質量が600gになるように、試験サンプル数個に綿布などの負荷布を若干数加えて洗濯液に投入し、洗濯操作を行う。1回の洗濯操作は、15分間洗濯後、遠心脱水機で1分間脱水し、清水で5分間すすぎを行う操作として、この操作を5回繰り返し行う。その後、試験サンプルを自然乾燥して、摩擦耐電圧の評価サンプルとする。その後、前述の(摩擦耐電圧の評価)に記載した方法によって、摩擦耐電圧(V)を計測する。
(実施例1)
導電性繊維として3.0デシテックスの複合繊維(繊維長51mm、横断面形状が図1(d)に示す層状偏芯形で、導電層2はポリアミド樹脂、非導電層1は白色の酸化チタン粒子に導電性物質を塗布して得られた導電性粒子が練り込まれたポリアミド樹脂)2%と、1.7デシテックスのナイロン繊維(繊維長38mm)83%と、1.45デシテックスのポリエステル繊維(繊維長51mm)15%とからなる原料繊維をカード機に供給して、繊維ウェブ(ランダム繊維ウェブ)を作製した。次いで、この繊維ウェブを加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間を通過させることにより、部分的に熱融着させて面密度が28g/mで厚さが0.28mmの羽毛袋用不織布を得た。また、通気量は300(cm/cm・s)であり、摩擦耐電圧は630Vであり、ドライクリーニング後は3900Vであり、洗濯後は2700Vであった。これらの結果を表1に示す。
(実施例2)
1.3デシテックスのナイロン繊維(繊維長38mm)85%と、1.7デシテックスのレーヨン繊維(繊維長51mm)15%とからなる原料繊維をカード機に供給して、繊維ウェブ(ランダム繊維ウェブ)を作製した。次いで、この繊維ウェブを加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間を通過させることにより、部分的に熱融着させて面密度が28g/mの不織布基布を得た。次いで、ノニオン性の界面活性剤からなる帯電防止剤とアクリル系エマルジョンとからなる帯電防止剤液を準備して、前述の不織布基布にこの帯電防止剤液を含浸して、乾燥およびキュアリング後、面密度が31g/mで厚さが0.25mmの羽毛袋用不織布を得た。なお、帯電防止剤の質量比率は羽毛袋用不織布全体に対して1.8%であり、アクリル系樹脂の付着量は10%であった。また、通気量は221(cm/cm・s)であり、摩擦耐電圧は1500Vであり、ドライクリーニング後は2500Vであり、洗濯後は4950Vであった。これらの結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2と同様にして、面密度が291g/mで厚さが0.23mmの羽毛袋用不織布を得た。なお、帯電防止剤の質量比率は羽毛袋用不織布全体に対して1.8%であり、アクリル系樹脂の付着量は20%であった。また、通気量は242(cm/cm・s)であり、摩擦耐電圧は3400Vであり、ドライクリーニング後は3100Vであり、洗濯後は4650Vであった。これらの結果を表1に示す。
(比較例1)
1.7デシテックスのナイロン繊維(繊維長38mm)85%と、1.45デシテックスのポリエステル繊維(繊維長51mm)15%とからなる原料繊維をカード機に供給して、繊維ウェブ(ランダム繊維ウェブ)を作製した。次いで、この繊維ウェブを加熱した凹凸ロールと平滑ロールの間を通過させることにより、部分的に熱融着させて面密度が27g/mで厚さが0.30mmの不織布を得た。また、通気量は268(cm/cm・s)であり、摩擦耐電圧は1250Vであり、ドライクリーニング後は4950Vであり、洗濯後は5500Vであった。これらの結果を表1に示す。
(表1)
Figure 2010001576
上記の表1からも理解できるように、実施例1〜3に係る羽毛袋用不織布は、比較例1の不織布と比較して、ドライクリーニング後および洗濯後の摩擦耐電圧の値が優れており、耐久性のある帯電防止効果が認められた。また、導電性繊維を混入した実施例1では初期の摩擦耐電圧の値も優れており、ドライクリーニング後および洗濯後の摩擦耐電圧の値が更に優れていた。このように、実施例1〜3に係る羽毛袋用不織布は、羽毛布団、ダウンジャケット、クッションなどのダウンプルーフ構造体に関して、表地や裏地との摩擦によって静電気が発生することを防止して羽毛の充填作業の効率をあげることが可能であり、また衣料として着用しても、表生地に対して部分的に貼り付いてしまうことがなく、着心地に優れるとともに衣料の外観を損ねてしまうことのない羽毛袋用不織布であった。
(a)は本発明で用いる導電性繊維の断面の例、(b)は本発明で用いる導電性繊維の断面の別の例、(c)は本発明で用いる導電性繊維の断面の別の例、(d)は本発明で用いる導電性繊維の断面の別の例を示す図である。
符号の説明
1.非導電層
2.導電層

Claims (8)

  1. 羽毛を充填するための袋に用いる不織布であって、前記不織布は帯電防止加工が施されており、前記不織布の面密度は15〜60g/mであり、通気量は150〜400(cm/cm・s)[JIS L1096に規定されるフラジール法による]であることを特徴とする羽毛袋用不織布。
  2. 前記帯電防止加工が、前記不織布の構成繊維に白色の導電性繊維を含有させる加工であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛袋用不織布。
  3. 前記導電性繊維が、熱可塑性重合体からなる導電層と非導電層とから形成され、導電層の一部が繊維表面に露出している複合繊維であることを特徴とする請求項2に記載の羽毛袋用不織布。
  4. 前記帯電防止加工が、前記不織布に帯電防止剤を付着させる加工であることを特徴とする請求項1に記載の羽毛袋用不織布。
  5. 前記不織布の構成繊維がセルロース系の繊維を含有していることを特徴とする請求項4に記載の羽毛袋用不織布。
  6. 構成繊維の平均繊度が0.7〜2.5デシテックスであることを特徴とする1〜5の何れかに記載の羽毛袋用不織布。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の羽毛袋用不織布からなる羽毛袋に、羽毛が充填されてなることを特徴とする羽毛充填袋。
  8. 請求項7に記載の羽毛充填袋から構成されることを特徴とする衣料。
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