JP2012172276A - 防寒衣服 - Google Patents
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Abstract
【課題】衣服全体の伸縮性に優れ、かつ軽量で、ダウンプルーフ性にも優れた防寒衣服を提供する。
【解決手段】少なくとも2枚よりなる身生地と充填物2とを有する衣服であって、身生地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲かつ厚さが0.05〜0.30g/m2の範囲かつ目付が10〜80g/m2の範囲かつ通気度が0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲である織物を使用し、該身生地同士の間に充填物2が介在し、該充填物2に羽毛または中綿を単独または組み合わせたものを使用してなることを特徴とする防寒衣服。
【選択図】図1
【解決手段】少なくとも2枚よりなる身生地と充填物2とを有する衣服であって、身生地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲かつ厚さが0.05〜0.30g/m2の範囲かつ目付が10〜80g/m2の範囲かつ通気度が0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲である織物を使用し、該身生地同士の間に充填物2が介在し、該充填物2に羽毛または中綿を単独または組み合わせたものを使用してなることを特徴とする防寒衣服。
【選択図】図1
Description
本発明は、伸縮性布帛を用い、優れた保温性と伸縮性を両立する防寒衣服に関するものである。
従来から、伸縮性布帛を用いた防寒衣料としては、熱収縮率差5%以上を有する異収縮複合糸条で構成された防風性編地を用いた衣料が知られている(特許文献1参照)。しかし、従来の異収縮複合糸条で構成した防風性編地で羽毛や中綿などの充填物入り衣服を提供した場合、一定量の防風性能はあるものの、編地の膨らみ感に伴う空隙が生地の伸縮効果により増減することから、羽毛や中綿の充填により構成される空気層が減少するとともに、ダウンプルーフ性が考慮されていないため、着用中などに羽毛や中綿が噴き出すのが実状であった。
この改善として、合成樹脂がダイレクトコーティング加工されてなる伸縮性生地を用いた防風性衣服や、ポリエステル系熱可塑樹脂多孔体のシートで構成されたダウンジャケットが知られ、使用者の動き追従性と防寒性、並びにダウンプルーフ性を具備してなることが知られている(特許文献2から特許文献4参照)。
しかしながら、これら技術を適用した防寒衣服は、身生地の伸縮性に優れる反面、元々厚い編地にさらにコーティング加工するため、厚く重いことに加え、キルト部が伸縮性を有さないミシン糸により縫製されているため縫目付近で伸縮の動きが制限されてしまうという問題があり、衣服全体が伸縮性に優れつつ、薄く軽量で、ダウンプルーフ性にも優れた防寒衣服が望まれている。
この改善として、合成樹脂がダイレクトコーティング加工されてなる伸縮性生地を用いた防風性衣服や、ポリエステル系熱可塑樹脂多孔体のシートで構成されたダウンジャケットが知られ、使用者の動き追従性と防寒性、並びにダウンプルーフ性を具備してなることが知られている(特許文献2から特許文献4参照)。
しかしながら、これら技術を適用した防寒衣服は、身生地の伸縮性に優れる反面、元々厚い編地にさらにコーティング加工するため、厚く重いことに加え、キルト部が伸縮性を有さないミシン糸により縫製されているため縫目付近で伸縮の動きが制限されてしまうという問題があり、衣服全体が伸縮性に優れつつ、薄く軽量で、ダウンプルーフ性にも優れた防寒衣服が望まれている。
そこで、本発明の目的はかかる従来技術の欠点を改良し、本発明の目的は、かかる上記従来の問題を解消することを課題とし、ダウンプルーフ性に優れ、かつ伸縮性と軽量性を向上させた防寒衣服を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明の防寒衣服は下記の構成から成る。
(1) 少なくとも2枚よりなる身生地と充填物とにより構成される衣服であって、
1)身生地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲、
2)厚さが0.05〜0.30g/m2の範囲、
3)目付が10〜80g/m2の範囲、
4)通気度が0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲、
5)タテ糸とヨコ糸が繊度8dtex〜60dtexの範囲、
6)密度が80〜300本/2.54cmの範囲である織物を使用し、
7)該身生地同士の間に充填物が介在し、該充填物に羽毛または中綿を単独または組み合わせたものを使用し、
8)前記身生地と充填物との間において、充填物を部分的に仕切るキルト部を有し、キルト部の伸長率が10〜50%の範囲であり、
9)前記身生地と充填物との間にキルト部以外の別生地を有さないことを特徴とする防寒衣服。
(2) 前記キルト部がミシン縫製より構成され、
1)縫糸の繊度が150〜350dtexの範囲、
2)伸度が20%〜50%の範囲、
3)ミシン針がボールポイント先端形状、
4)幹の太さが0.57〜0.72mmの範囲、
5)針目数が10〜15針/3cmの範囲、
であることを特徴とする上記(1)に記載の防寒衣服。
(1) 少なくとも2枚よりなる身生地と充填物とにより構成される衣服であって、
1)身生地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲、
2)厚さが0.05〜0.30g/m2の範囲、
3)目付が10〜80g/m2の範囲、
4)通気度が0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲、
5)タテ糸とヨコ糸が繊度8dtex〜60dtexの範囲、
6)密度が80〜300本/2.54cmの範囲である織物を使用し、
7)該身生地同士の間に充填物が介在し、該充填物に羽毛または中綿を単独または組み合わせたものを使用し、
8)前記身生地と充填物との間において、充填物を部分的に仕切るキルト部を有し、キルト部の伸長率が10〜50%の範囲であり、
9)前記身生地と充填物との間にキルト部以外の別生地を有さないことを特徴とする防寒衣服。
(2) 前記キルト部がミシン縫製より構成され、
1)縫糸の繊度が150〜350dtexの範囲、
2)伸度が20%〜50%の範囲、
3)ミシン針がボールポイント先端形状、
4)幹の太さが0.57〜0.72mmの範囲、
5)針目数が10〜15針/3cmの範囲、
であることを特徴とする上記(1)に記載の防寒衣服。
本発明によれば、伸縮性に優れ、かつ軽量で、ダウンプルーフ性にも優れた防寒衣服を得ることができる。
以下、図面に示す一態様を用いて、本発明の防寒衣服を詳細に説明する。
図1は、本発明の防寒衣服の一態様を示す正面図である。
図2は、本発明の防寒衣服の他の態様の例を示す正面図である。
図3は、図1に示した防寒衣服の部分拡大断面図(斜視図)である。
図4は、図1に示した防寒衣服の他の態様の例を示す部分拡大断面図(斜視図)である。
図5は、本発明の防寒衣服の身生地1の部分拡大図である。
図1は、本発明の防寒衣服の一態様を示す正面図である。
図2は、本発明の防寒衣服の他の態様の例を示す正面図である。
図3は、図1に示した防寒衣服の部分拡大断面図(斜視図)である。
図4は、図1に示した防寒衣服の他の態様の例を示す部分拡大断面図(斜視図)である。
図5は、本発明の防寒衣服の身生地1の部分拡大図である。
本発明の防寒衣服を構成する要素として、少なくとも身生地1と充填物2がある。少なくとも2枚の身生地1の間に充填物2を充填し、衣服を構成するものである。
防寒衣服としては、例えばジャケットやインナー、パンツ等、上衣、下衣のいずれであってもよい。
また、本発明の防寒衣服前記身生地においては、図1および図3に示すとおり、身生地と充填物との間において、充填物を部分的に仕切るキルト部を付与し、充填物の偏りを抑制する仕様とすることは何ら差し支えない。その場合、少なくとも2枚の身生地1の間に充填物2を充填した後、キルト加工によりキルト部3を構成するものである。また、身生地1とその間に詰められた充填物2とキルト部3からなる部分が、前身頃と後身頃のみなど、その衣服を構成する一部分のみであっても構わない。
身生地1の素材には、綿などの天然繊維やウールなどの動物性繊維、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維が用いられる。充填物2には、羽毛や合繊繊維中綿、またウールや綿などを単独もしくは混合したものが用いられる。
本発明でいう身生地1とは、図3に示すように、衣服の表面、すなわち着用時における外側と人体側から見える側に位置する生地を指す。
身生地1の素材としては、不織布、織物、編物のいずれでも良いが、より好ましくは高密度の織物が外観のふくらみ感とハリ感が良く、保温性に優れるうえ、通気度が低く充填物2を構成する繊維の貫通が少ないため好ましい。
身生地1の伸長率としては、タテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲であることが、人体運動時の皮膚伸びと同等のストレッチを有し、運動追従性が良いため好ましい。10%未満の場合、着用中に実感できる運動追従性を得がたい。逆に55%を超えると羽毛充填やミシン縫製作業が困難となるうえに衣服としての審美性が劣ることとなる。より好適には20〜40%の範囲である。
また、身生地1の厚さ1cとしては、0.05〜0.30g/m2の範囲であることが、ソフトな質感に優れ好ましい。0.05g/m2未満の場合、着用中に身生地1の引裂や破断が生じやすい。逆に0.30g/m2を超えると、素材の嵩高感と風合い硬化が生じる。より好適には、0.10〜0.25mmの範囲である。
また、身生地1の目付としては、10〜80g/m2の範囲であることが、衣服の軽量性に優れ好ましい。10g/m2未満の場合、縫製生産工程における身生地1の把持動作等のハンドリング性が悪い。逆に80g/m2を超えると、衣服全体に重量感が生じる。より好適には40〜70g/m2の範囲である。
また、身生地1の通気度としては、0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲であることが、ダウンプルーフ性に優れ好ましい。0.1cc/cm2/sec未満の場合、空気の通気経路がキルト部3など局所に集中するため、充填物2が当該箇所より噴出しやすい。逆に1.5cc/cm2/secを超える場合、充填物2が身生地1より噴出しやすい。より好適には0.3〜1.0cc/cm2/secの範囲である。
本発明において、身生地1が前記厚さ1c、目付を達成するための好ましい態様として、身生地1の織物は、タテ糸1aとヨコ糸1bが繊度8dtex〜60dtexの範囲にある糸を使用することが好ましい。8dtex未満の場合、製織時の糸切れ発生など生産性に劣るものとなる。逆に55dtexを越えると糸が太くなり、目的とする厚みや目付を得られない。より好適には15dtex〜55dtexの範囲である。
本発明において、身生地1が前記通気度を達成するための好ましい態様として、身生地1の織物は、密度が80〜300本/2.54cmの範囲にあることが、織物のタテ糸1aまたはヨコ糸1b同士の糸間隔から構成される空隙を抑制でき好適である。80本/2.54cm未満の場合、織物のタテ糸1aまたはヨコ糸1b同士の糸間隔増大により空隙が大きくなり、目的とする通気度を得られない。逆に、300本/2.54cmを越えると、製織における糸の打込み本数が多くなり製織性に劣る。より好適には100〜250本/2.54cmの範囲である。
身生地1の構成方法としては、例えば、素材にポリトリメチレンテレフタレート糸、ポリエステルとポリトリメチレンテレフタレート糸のバイメタル糸やスパンデックス糸などや、合繊異収縮混繊糸やケン縮加工糸等を用いることにより素材の伸縮性を付与し、さらにこれを織布することにより、伸縮性を保持させつつ薄さと軽量性を持たせる方法が好適に用いられる。
また、本発明の防寒衣服は、例えばジャケットやパンツ等、上衣、下衣のいずれであってもよい。また、本発明の表地や裏地、充填材料には、抗菌防臭加工、蓄熱加工、撥水加工、吸水加工や帯電防止加工等、必要用途に応じて任意の加工をすることもできる。
また、本発明の身表地1や充填物2には、抗菌防臭加工、蓄熱加工、撥水加工、吸水加工や帯電防止加工等、必要用途に応じて任意の加工をすることもできる。
本発明においては、身生地1に細繊度の伸縮構造糸を高密度に織布させることにより、衣服の軽量性と通気性、伸縮性とダウンプルーフ性を得ることが可能となる。
本発明の防寒衣服は、身生地1と充填物2の間に、少なくとも1枚の別生地4を挿入し、充填物2の身生地1への貫通を抑制させることは何ら差しつかえないが、より好ましくは別生地4を挿入しないことが衣服全体の軽量感を訴求でき好ましい。
本発明の防寒衣服の仕様においては、充填物2の片寄りを防止してなおふくらみ感、ハリ感があるものとすることが好ましく、身生地1をキルト加工によりキルト部3を構成することが好適である。さらには、衣服全体において伸縮性を確保するために、伸長特性は身生地1のみならず、キルト部3においても一定の範囲の伸長率を付与することが好ましい。
キルト部3の伸長率としては、10〜50%の範囲であることが、身生地1の伸長に追従しつつかつ加工時が容易であるため好ましい。伸長率が10%未満の場合、身生地1とキルト部3との伸長率の乖離が大きく、着用、運動時の衣服全体の伸縮性に劣る。逆に、50%を越えると、キルト部3のキルト加工が困難になり、加工時に身生地1とキルト部3との伸びによる歪みが生じ外観品位が低下するなどの問題が起きやすい。より好適には15%〜40%の範囲である。
キルト加工の方法としては、伸縮性を有するミシン糸あるいは縫目を用いたミシン縫製あるいは超音波ウェルダー等による融着やテープ接着など、いずれでも良い。なかでもミシン縫製が、引張りなど実着用に耐えうる強度を有し、かつ生産が容易で加工コストも安価であるため好適である。その際、ミシン糸は縫製後に膨らみやすく、かつ伸長性を有した素材を使用することが充填物2の縫目からの噴出を抑制しつつ身生地1のストレッチに追従する点で好ましい。かかるミシン糸の製造において、糸構造は表面凹凸が少なく、かつ縫製後にふくらみやすい加工条件であることが、縫製時の充填物2の引き出しが少なく、かつ縫目の針穴を塞ぎ充填物2の吹き出しが少なく好ましい。具体的には、糸伸度は20%〜50%の範囲にあり、かつ撚り数は200〜1100T/mの範囲にあり、かつ糸繊度は150〜350dtexの範囲にあり、かつフィラメントカウント数は50〜150本の範囲にあることが好ましい。なおミシン針においては、ミシン縫製時の針貫通抵抗が少なく、身生地1を切断せずかつ針穴が小さいものであることが好ましい。
針形状は針幹が細くかつ先端がボールポイント形状のものが好適に使用される。好ましい針番手としては#8〜#10あるいは0.57〜0.72mmの範囲にあり、先端形状としてはボールポイント形状であることが好ましい。ミシン糸素材には、綿などの天然繊維やポリエステルやナイロンなどの合成繊維、ポリウレタンやポリトリメチレンテレフタレート等の弾性糸など、いずれを用いたものであっても良いが、より好適にはポリエステルあるいはナイロン素材である。ポリエステル充填物2には、羽毛や合繊繊維中綿、またウールや綿などを単独もしくは混合したものが用いられる。
さらにミシン縫製によりキルト部3を構成する際、構成方法は本縫いや環縫い、千鳥縫いなどいずれでも良いが、より好ましくは本縫いまたは千鳥縫いのいずれかが、縫い代からの充填物2の吹き出しが少なく、かつ縫目からの充填物2の吹出しが少なく好適である。
なお、キルト部3以外の縫製箇所、例えば縫い代を有する地縫い箇所などで、オーバーロック縫い、あるいはインターロック縫い、あるいはパイピング縫いなどを行い、縫い端をかがり処理することが、縫い代からの充填物2の吹き出しが少なく、かつ縫い代端の糸がほつれにくいため好適である。
キルト部3のキルト加工においては、一定方向に一定間隔で行うことが好ましい。身生地1のキルト線同士の間隔は、5cm〜15cmの範囲が充填物2の片寄りが少なく、ふくらみ感とハリ感に優れ好ましい。5cm未満であると、キルト線が多数見え、キルト線に囲まれた面の面積が小さいため、ふくらみ感、ハリ感がなく、外観品位が悪い。逆に15cmを超えると、充填物2の片寄りが生じやすくなり、洗濯耐久性が悪い。より好適には9〜12cmの範囲である。
本発明においては、身生地1とキルト部3両方において伸縮性を付与することにより、衣服全体での伸縮性を得ることが可能となる。
防寒衣服としては、例えばジャケットやインナー、パンツ等、上衣、下衣のいずれであってもよい。
また、本発明の防寒衣服前記身生地においては、図1および図3に示すとおり、身生地と充填物との間において、充填物を部分的に仕切るキルト部を付与し、充填物の偏りを抑制する仕様とすることは何ら差し支えない。その場合、少なくとも2枚の身生地1の間に充填物2を充填した後、キルト加工によりキルト部3を構成するものである。また、身生地1とその間に詰められた充填物2とキルト部3からなる部分が、前身頃と後身頃のみなど、その衣服を構成する一部分のみであっても構わない。
身生地1の素材には、綿などの天然繊維やウールなどの動物性繊維、ポリエステルやナイロンなどの合成繊維が用いられる。充填物2には、羽毛や合繊繊維中綿、またウールや綿などを単独もしくは混合したものが用いられる。
本発明でいう身生地1とは、図3に示すように、衣服の表面、すなわち着用時における外側と人体側から見える側に位置する生地を指す。
身生地1の素材としては、不織布、織物、編物のいずれでも良いが、より好ましくは高密度の織物が外観のふくらみ感とハリ感が良く、保温性に優れるうえ、通気度が低く充填物2を構成する繊維の貫通が少ないため好ましい。
身生地1の伸長率としては、タテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲であることが、人体運動時の皮膚伸びと同等のストレッチを有し、運動追従性が良いため好ましい。10%未満の場合、着用中に実感できる運動追従性を得がたい。逆に55%を超えると羽毛充填やミシン縫製作業が困難となるうえに衣服としての審美性が劣ることとなる。より好適には20〜40%の範囲である。
また、身生地1の厚さ1cとしては、0.05〜0.30g/m2の範囲であることが、ソフトな質感に優れ好ましい。0.05g/m2未満の場合、着用中に身生地1の引裂や破断が生じやすい。逆に0.30g/m2を超えると、素材の嵩高感と風合い硬化が生じる。より好適には、0.10〜0.25mmの範囲である。
また、身生地1の目付としては、10〜80g/m2の範囲であることが、衣服の軽量性に優れ好ましい。10g/m2未満の場合、縫製生産工程における身生地1の把持動作等のハンドリング性が悪い。逆に80g/m2を超えると、衣服全体に重量感が生じる。より好適には40〜70g/m2の範囲である。
また、身生地1の通気度としては、0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲であることが、ダウンプルーフ性に優れ好ましい。0.1cc/cm2/sec未満の場合、空気の通気経路がキルト部3など局所に集中するため、充填物2が当該箇所より噴出しやすい。逆に1.5cc/cm2/secを超える場合、充填物2が身生地1より噴出しやすい。より好適には0.3〜1.0cc/cm2/secの範囲である。
本発明において、身生地1が前記厚さ1c、目付を達成するための好ましい態様として、身生地1の織物は、タテ糸1aとヨコ糸1bが繊度8dtex〜60dtexの範囲にある糸を使用することが好ましい。8dtex未満の場合、製織時の糸切れ発生など生産性に劣るものとなる。逆に55dtexを越えると糸が太くなり、目的とする厚みや目付を得られない。より好適には15dtex〜55dtexの範囲である。
本発明において、身生地1が前記通気度を達成するための好ましい態様として、身生地1の織物は、密度が80〜300本/2.54cmの範囲にあることが、織物のタテ糸1aまたはヨコ糸1b同士の糸間隔から構成される空隙を抑制でき好適である。80本/2.54cm未満の場合、織物のタテ糸1aまたはヨコ糸1b同士の糸間隔増大により空隙が大きくなり、目的とする通気度を得られない。逆に、300本/2.54cmを越えると、製織における糸の打込み本数が多くなり製織性に劣る。より好適には100〜250本/2.54cmの範囲である。
身生地1の構成方法としては、例えば、素材にポリトリメチレンテレフタレート糸、ポリエステルとポリトリメチレンテレフタレート糸のバイメタル糸やスパンデックス糸などや、合繊異収縮混繊糸やケン縮加工糸等を用いることにより素材の伸縮性を付与し、さらにこれを織布することにより、伸縮性を保持させつつ薄さと軽量性を持たせる方法が好適に用いられる。
また、本発明の防寒衣服は、例えばジャケットやパンツ等、上衣、下衣のいずれであってもよい。また、本発明の表地や裏地、充填材料には、抗菌防臭加工、蓄熱加工、撥水加工、吸水加工や帯電防止加工等、必要用途に応じて任意の加工をすることもできる。
また、本発明の身表地1や充填物2には、抗菌防臭加工、蓄熱加工、撥水加工、吸水加工や帯電防止加工等、必要用途に応じて任意の加工をすることもできる。
本発明においては、身生地1に細繊度の伸縮構造糸を高密度に織布させることにより、衣服の軽量性と通気性、伸縮性とダウンプルーフ性を得ることが可能となる。
本発明の防寒衣服は、身生地1と充填物2の間に、少なくとも1枚の別生地4を挿入し、充填物2の身生地1への貫通を抑制させることは何ら差しつかえないが、より好ましくは別生地4を挿入しないことが衣服全体の軽量感を訴求でき好ましい。
本発明の防寒衣服の仕様においては、充填物2の片寄りを防止してなおふくらみ感、ハリ感があるものとすることが好ましく、身生地1をキルト加工によりキルト部3を構成することが好適である。さらには、衣服全体において伸縮性を確保するために、伸長特性は身生地1のみならず、キルト部3においても一定の範囲の伸長率を付与することが好ましい。
キルト部3の伸長率としては、10〜50%の範囲であることが、身生地1の伸長に追従しつつかつ加工時が容易であるため好ましい。伸長率が10%未満の場合、身生地1とキルト部3との伸長率の乖離が大きく、着用、運動時の衣服全体の伸縮性に劣る。逆に、50%を越えると、キルト部3のキルト加工が困難になり、加工時に身生地1とキルト部3との伸びによる歪みが生じ外観品位が低下するなどの問題が起きやすい。より好適には15%〜40%の範囲である。
キルト加工の方法としては、伸縮性を有するミシン糸あるいは縫目を用いたミシン縫製あるいは超音波ウェルダー等による融着やテープ接着など、いずれでも良い。なかでもミシン縫製が、引張りなど実着用に耐えうる強度を有し、かつ生産が容易で加工コストも安価であるため好適である。その際、ミシン糸は縫製後に膨らみやすく、かつ伸長性を有した素材を使用することが充填物2の縫目からの噴出を抑制しつつ身生地1のストレッチに追従する点で好ましい。かかるミシン糸の製造において、糸構造は表面凹凸が少なく、かつ縫製後にふくらみやすい加工条件であることが、縫製時の充填物2の引き出しが少なく、かつ縫目の針穴を塞ぎ充填物2の吹き出しが少なく好ましい。具体的には、糸伸度は20%〜50%の範囲にあり、かつ撚り数は200〜1100T/mの範囲にあり、かつ糸繊度は150〜350dtexの範囲にあり、かつフィラメントカウント数は50〜150本の範囲にあることが好ましい。なおミシン針においては、ミシン縫製時の針貫通抵抗が少なく、身生地1を切断せずかつ針穴が小さいものであることが好ましい。
針形状は針幹が細くかつ先端がボールポイント形状のものが好適に使用される。好ましい針番手としては#8〜#10あるいは0.57〜0.72mmの範囲にあり、先端形状としてはボールポイント形状であることが好ましい。ミシン糸素材には、綿などの天然繊維やポリエステルやナイロンなどの合成繊維、ポリウレタンやポリトリメチレンテレフタレート等の弾性糸など、いずれを用いたものであっても良いが、より好適にはポリエステルあるいはナイロン素材である。ポリエステル充填物2には、羽毛や合繊繊維中綿、またウールや綿などを単独もしくは混合したものが用いられる。
さらにミシン縫製によりキルト部3を構成する際、構成方法は本縫いや環縫い、千鳥縫いなどいずれでも良いが、より好ましくは本縫いまたは千鳥縫いのいずれかが、縫い代からの充填物2の吹き出しが少なく、かつ縫目からの充填物2の吹出しが少なく好適である。
なお、キルト部3以外の縫製箇所、例えば縫い代を有する地縫い箇所などで、オーバーロック縫い、あるいはインターロック縫い、あるいはパイピング縫いなどを行い、縫い端をかがり処理することが、縫い代からの充填物2の吹き出しが少なく、かつ縫い代端の糸がほつれにくいため好適である。
キルト部3のキルト加工においては、一定方向に一定間隔で行うことが好ましい。身生地1のキルト線同士の間隔は、5cm〜15cmの範囲が充填物2の片寄りが少なく、ふくらみ感とハリ感に優れ好ましい。5cm未満であると、キルト線が多数見え、キルト線に囲まれた面の面積が小さいため、ふくらみ感、ハリ感がなく、外観品位が悪い。逆に15cmを超えると、充填物2の片寄りが生じやすくなり、洗濯耐久性が悪い。より好適には9〜12cmの範囲である。
本発明においては、身生地1とキルト部3両方において伸縮性を付与することにより、衣服全体での伸縮性を得ることが可能となる。
以下、本発明について実施例を挙げてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、実施例中の評価方法、測定方法は以下の方法を用いた。また、測定結果は、表1の通りである。
[伸長率(伸び率)]:JISL1096 B法に準じ、身生地1のタテ方向とヨコ方向、およびキルト部3それぞれについて測定した。
[厚さ]:JIS L1018に基づいて、身生地1の厚さ1cについて測定した。
[目付け(単位面積当たりの質量)]:JIS L1018に準じて、身生地1の目付について測定した。
[通気度]:JIS L1018に基づいて身生地1の通気度について測定した。
[運動追従性]:衣服着用状態で両腕を前で組み、背中と肘部分の着用感について、◎、○、△、×、××の5段階で評価した。本発明の防寒衣服は、◎、○以上を良好とした。表1に評価基準を示す。
[充填物吹き出し]:財団法人 日本繊維製品品質技術センターの試験基準、QTEC法に基づき、身生地1に充填物2を10g入れたミニ座布団を作成し、ICIピリン具ボックスにゴム管(JISL1076)4本と一緒にいれ、10時間運転後の噴出した充填物2の個数を計測した。本発明の防寒衣服は、5個未満を良好とした。
なお、実施例中の評価方法、測定方法は以下の方法を用いた。また、測定結果は、表1の通りである。
[伸長率(伸び率)]:JISL1096 B法に準じ、身生地1のタテ方向とヨコ方向、およびキルト部3それぞれについて測定した。
[厚さ]:JIS L1018に基づいて、身生地1の厚さ1cについて測定した。
[目付け(単位面積当たりの質量)]:JIS L1018に準じて、身生地1の目付について測定した。
[通気度]:JIS L1018に基づいて身生地1の通気度について測定した。
[運動追従性]:衣服着用状態で両腕を前で組み、背中と肘部分の着用感について、◎、○、△、×、××の5段階で評価した。本発明の防寒衣服は、◎、○以上を良好とした。表1に評価基準を示す。
[充填物吹き出し]:財団法人 日本繊維製品品質技術センターの試験基準、QTEC法に基づき、身生地1に充填物2を10g入れたミニ座布団を作成し、ICIピリン具ボックスにゴム管(JISL1076)4本と一緒にいれ、10時間運転後の噴出した充填物2の個数を計測した。本発明の防寒衣服は、5個未満を良好とした。
[実施例1]
図1に示した防寒衣服、すなわちタテ糸1aに33dtex−20fナイロン倦縮フィラメント糸と、ヨコ糸1bに52dtex−30fナイロン倦縮フィラメント糸を使用し、タテ糸1aの密度149本/2.54cm、ヨコ糸1bの密度115本/2.54cmに仕上げたタフタ織物を得た。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施し、カレンダーロールを用いて160℃にて圧力をかけシレー加工を行い、身生地1を得た。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向20.0%、ヨコ方向34.0%、厚さ1cは0.22mm、目付は63.7g/m2、通気度は0.60cc/cm2/secであった。
次に、ポーランドグースダウンをダウン混用率90%となるよう、洗浄乾燥後、精製加工し充填物2を得た。
次に、身生地1を2枚重ねて袋状に縫製した後、身生地1同士の間の空間に充填物2を充填し、身生地1のヨコ糸1b方向に、ミシン縫製によりキルト部3を構成した。その際、ミシン糸は伸度30%のナイロンフィラメント#50を使用し、ミシン針は針番手#9のボールポイント針を使用して本縫い縫製を行った。キルト部3の伸長率は25%であった。
得られた身生地1/充填物2/キルト部3を使用して、ダウンジャケット仕様に縫製し、本発明の防寒衣服を製造した。表2にその結果を示す。
[実施例2]
図1に示した防寒衣服、すなわち実施例1のタテ糸1aに22dtex−7fナイロンフィラメント糸と、ヨコ糸1bに26dtex−20fナイロン倦縮フィラメント糸を使用し、タテ糸1aの密度225本/2.54cm、ヨコ糸1bの密度160本/2.54cmに仕上げたツイル織物を得た。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施し、カレンダーロールを用いて160℃にて圧力をかけシレー加工を行い、身生地1を得た。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向6.0%、ヨコ方向20.5%、厚さ1cは0.18mm、目付は45.7g/m2、通気度は0.50cc/cm2/secであった。
次に、ポーランドグースダウンをダウン混用率90%となるよう、洗浄乾燥後、精製加工し充填物2を得た。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。得られたキルト部3の伸長率は20.5%であった。表2にその結果を示す。
[実施例3]
図1に示した防寒衣服、すなわち実施例1のタテ糸1aに8dtex−5fナイロンフィラメント糸と、ヨコ糸1bに58dtex−35fナイロン倦縮フィラメント糸を使用し、タテ糸1aの密度250本/2.54cm、ヨコ糸1bの密度118本/2.54cmに仕上げたタフタ織物を得た。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施し、カレンダーロールを用いて160℃にて圧力をかけシレー加工を行った。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施しカレンダーロールを用いて190℃にて圧力をかけカレンダーリングを行なった離型布上にポリウレタン溶液を150g/m2の割合でナイフオーバーロールコーターを使用しコーティングした。 次いでジメチルホルムアミド10重量%含有した水溶液を凝固層とする浴槽中に30℃にて3分間浸漬してポリウレタン塗布液を湿式凝固させ、次いで80℃の温湯にて10分間湯洗し、140℃にて熱風乾燥して、離型布上にポリウレタン微多孔皮膜を得た。
図1に示した防寒衣服、すなわちタテ糸1aに33dtex−20fナイロン倦縮フィラメント糸と、ヨコ糸1bに52dtex−30fナイロン倦縮フィラメント糸を使用し、タテ糸1aの密度149本/2.54cm、ヨコ糸1bの密度115本/2.54cmに仕上げたタフタ織物を得た。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施し、カレンダーロールを用いて160℃にて圧力をかけシレー加工を行い、身生地1を得た。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向20.0%、ヨコ方向34.0%、厚さ1cは0.22mm、目付は63.7g/m2、通気度は0.60cc/cm2/secであった。
次に、ポーランドグースダウンをダウン混用率90%となるよう、洗浄乾燥後、精製加工し充填物2を得た。
次に、身生地1を2枚重ねて袋状に縫製した後、身生地1同士の間の空間に充填物2を充填し、身生地1のヨコ糸1b方向に、ミシン縫製によりキルト部3を構成した。その際、ミシン糸は伸度30%のナイロンフィラメント#50を使用し、ミシン針は針番手#9のボールポイント針を使用して本縫い縫製を行った。キルト部3の伸長率は25%であった。
得られた身生地1/充填物2/キルト部3を使用して、ダウンジャケット仕様に縫製し、本発明の防寒衣服を製造した。表2にその結果を示す。
[実施例2]
図1に示した防寒衣服、すなわち実施例1のタテ糸1aに22dtex−7fナイロンフィラメント糸と、ヨコ糸1bに26dtex−20fナイロン倦縮フィラメント糸を使用し、タテ糸1aの密度225本/2.54cm、ヨコ糸1bの密度160本/2.54cmに仕上げたツイル織物を得た。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施し、カレンダーロールを用いて160℃にて圧力をかけシレー加工を行い、身生地1を得た。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向6.0%、ヨコ方向20.5%、厚さ1cは0.18mm、目付は45.7g/m2、通気度は0.50cc/cm2/secであった。
次に、ポーランドグースダウンをダウン混用率90%となるよう、洗浄乾燥後、精製加工し充填物2を得た。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。得られたキルト部3の伸長率は20.5%であった。表2にその結果を示す。
[実施例3]
図1に示した防寒衣服、すなわち実施例1のタテ糸1aに8dtex−5fナイロンフィラメント糸と、ヨコ糸1bに58dtex−35fナイロン倦縮フィラメント糸を使用し、タテ糸1aの密度250本/2.54cm、ヨコ糸1bの密度118本/2.54cmに仕上げたタフタ織物を得た。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施し、カレンダーロールを用いて160℃にて圧力をかけシレー加工を行った。
次いで、予めポリエチレンテレフタレートタフタにシリコーン系撥水剤を用いて撥水処理を施しカレンダーロールを用いて190℃にて圧力をかけカレンダーリングを行なった離型布上にポリウレタン溶液を150g/m2の割合でナイフオーバーロールコーターを使用しコーティングした。 次いでジメチルホルムアミド10重量%含有した水溶液を凝固層とする浴槽中に30℃にて3分間浸漬してポリウレタン塗布液を湿式凝固させ、次いで80℃の温湯にて10分間湯洗し、140℃にて熱風乾燥して、離型布上にポリウレタン微多孔皮膜を得た。
このポリウレタン微多孔皮膜上にポリエステル系ポリウレタン樹脂(有効成分70重量%)100重量部、トリメチロールプロパン−トルイレンジイソシアネート(モル比1:3)付加物を15重量部および架橋促進剤5重量部をキシロール60重量部に溶解した接着剤液を30メッシュの格子状に彫刻したグラビアロールを用いて35g/m2塗布し、100℃にて熱風乾燥した。この接着剤塗布面に上述の編物を無張力の状態にて貼り合わせ、マングルにて軽くニップ後、100℃の熱風で10分間処理し、40℃で24時間熟成した後、離型布を剥離し、生地表層に微多孔皮膜を積層した身生地1を得た。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向12.0%、ヨコ方向53.0%、厚さ1cは0.28mm、目付は78.0g/m2、通気度は0.80cc/cm2/secであった。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。得られたキルト部3の伸長率は48.0%であった。表2にその結果を示す。
[実施例4]
実施例1の身生地1に、別生地4を重ねて袋状に縫製した後、身生地1と別生地4の間の空間に充填物2を充填し、身生地1のヨコ糸1b方向に、ミシン縫製によりキルト部3を構成した。その後、別生地4の外側面に、新たに身生地1を重ねて縫製で繋ぎ合わせた。
なお別生地4は、タテ糸1a、ヨコ糸1bそれぞれ55dtex36フィラメントのポリエステルフィラメントを使用し、密度が190本/2.54cm、140本/2.54cmの平組織の織物生機を使用し、該生機をリラックス精練後、130℃でサーキュラ染色を行い乾燥後、上180度/下60度のカレンダー加工を行ない、別生地4を得た。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。得られたキルト部3の伸長率は9.0%であった。表2にその結果を示す。
[比較例1]
タテ糸1a、ヨコ糸1bともに33dtex10フィラメントのポリエステルフィラメントを使用し、密度160本/inch、152本/inchにて平組織の織物を製織した後、該生機をリラックス精練後、130℃でサーキュラ染色を行い乾燥後、上180度/下60度のカレンダー加工を行ない、身生地1を得た。その他の構成は実施例1と同様にした。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向1.1%、ヨコ方向1.5%、厚さ1cは0.34mm、目付は117g/m2、通気度は1.47cc/cm2/sec、キルト部3の伸長率は1.0%であった。表2にその結果を示す。
[比較例2]
90番手(63dtex)ウールスパン糸を使用し、コース密度72/2.54cm、ウェール密度72/2.54cmに仕上げた天竺編物を身生地1として使用し、該身生地1に、別生地4を重ねて袋状に縫製した後、身生地1と別生地4の間の空間に充填物2を充填し、身生地1のヨコ糸1b方向に、ミシン縫製によりキルト部3を構成した。その後、別生地4の外側面に、新たに身生地1を重ねて縫製で繋ぎ合わせ、ダウンジャケット仕様に縫製し、本発明の防寒衣服を製造した。
なお別生地4は、身生地1と同様の構成とし、その他の構成は実施例4と同様とした。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向56%、ヨコ方向140%、厚さ1cは0.33mm、目付は97g/m2、通気度は2.11cc/cm2/sec、キルト部3の伸長率は70.0%であった。表2にその結果を示す。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向12.0%、ヨコ方向53.0%、厚さ1cは0.28mm、目付は78.0g/m2、通気度は0.80cc/cm2/secであった。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。得られたキルト部3の伸長率は48.0%であった。表2にその結果を示す。
[実施例4]
実施例1の身生地1に、別生地4を重ねて袋状に縫製した後、身生地1と別生地4の間の空間に充填物2を充填し、身生地1のヨコ糸1b方向に、ミシン縫製によりキルト部3を構成した。その後、別生地4の外側面に、新たに身生地1を重ねて縫製で繋ぎ合わせた。
なお別生地4は、タテ糸1a、ヨコ糸1bそれぞれ55dtex36フィラメントのポリエステルフィラメントを使用し、密度が190本/2.54cm、140本/2.54cmの平組織の織物生機を使用し、該生機をリラックス精練後、130℃でサーキュラ染色を行い乾燥後、上180度/下60度のカレンダー加工を行ない、別生地4を得た。
なお、その他の構成は実施例1と同様にした。得られたキルト部3の伸長率は9.0%であった。表2にその結果を示す。
[比較例1]
タテ糸1a、ヨコ糸1bともに33dtex10フィラメントのポリエステルフィラメントを使用し、密度160本/inch、152本/inchにて平組織の織物を製織した後、該生機をリラックス精練後、130℃でサーキュラ染色を行い乾燥後、上180度/下60度のカレンダー加工を行ない、身生地1を得た。その他の構成は実施例1と同様にした。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向1.1%、ヨコ方向1.5%、厚さ1cは0.34mm、目付は117g/m2、通気度は1.47cc/cm2/sec、キルト部3の伸長率は1.0%であった。表2にその結果を示す。
[比較例2]
90番手(63dtex)ウールスパン糸を使用し、コース密度72/2.54cm、ウェール密度72/2.54cmに仕上げた天竺編物を身生地1として使用し、該身生地1に、別生地4を重ねて袋状に縫製した後、身生地1と別生地4の間の空間に充填物2を充填し、身生地1のヨコ糸1b方向に、ミシン縫製によりキルト部3を構成した。その後、別生地4の外側面に、新たに身生地1を重ねて縫製で繋ぎ合わせ、ダウンジャケット仕様に縫製し、本発明の防寒衣服を製造した。
なお別生地4は、身生地1と同様の構成とし、その他の構成は実施例4と同様とした。
得られた身生地1の伸長率はタテ方向56%、ヨコ方向140%、厚さ1cは0.33mm、目付は97g/m2、通気度は2.11cc/cm2/sec、キルト部3の伸長率は70.0%であった。表2にその結果を示す。
表2から明らかなように、本発明の防寒衣服は、身生地1のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲かつ厚さが0.05〜0.30g/m2の範囲かつ目付が10〜80g/m2の範囲かつ通気度が0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲かつ織物とすることによって、運動追従性および充填物2の吹出し抑制に優れた防寒衣服となった。
また、身生地1と充填物2との間に別生地4を有さず、身生地の織物のタテ糸1aとヨコ糸が繊度8dtex〜60dtexの範囲にある糸を使用し、かつ密度を80〜300本/inchの範囲とし、キルト部の伸長率が10〜50%の範囲において、より運動追従性および充填物2の吹出し抑制に優れた防寒衣服となった。
また、身生地1と充填物2との間に別生地4を有さず、身生地の織物のタテ糸1aとヨコ糸が繊度8dtex〜60dtexの範囲にある糸を使用し、かつ密度を80〜300本/inchの範囲とし、キルト部の伸長率が10〜50%の範囲において、より運動追従性および充填物2の吹出し抑制に優れた防寒衣服となった。
すなわち、本発明の防寒衣服は、発明の要素を多く満たす程、評価は高いものとなった。
本発明は、冬季に使用される保温ジャケットやダウンベスト等の防寒衣服として利用することができる。
0 :防寒衣服
1 :身生地
1a:身生地のタテ糸
1b:身生地のヨコ糸
1c:身生地の厚さ
2 :充填物
3 :キルト部
4 :別生地
1 :身生地
1a:身生地のタテ糸
1b:身生地のヨコ糸
1c:身生地の厚さ
2 :充填物
3 :キルト部
4 :別生地
Claims (2)
- 少なくとも2枚よりなる身生地と充填物とにより構成される衣服であって、
1)身生地のタテ方向またはヨコ方向の少なくとも一方の伸長率が10〜55%の範囲、
2)厚さが0.05〜0.30g/m2の範囲、
3)目付が10〜80g/m2の範囲、
4)通気度が0.1〜1.5cc/cm2/secの範囲、
5)タテ糸とヨコ糸が繊度8dtex〜60dtexの範囲、
6)密度が80〜300本/2.54cmの範囲である織物を使用し、
7)該身生地同士の間に充填物が介在し、該充填物に羽毛または中綿を単独または組み合わせたものを使用し、
8)前記身生地と充填物との間において、充填物を部分的に仕切るキルト部を有し、キルト部の伸長率が10〜50%の範囲であり、
9)前記身生地と充填物との間にキルト部以外の別生地を有さないことを特徴とする防寒衣服。 - 前記キルト部がミシン縫製より構成され、
1)縫糸の繊度が150〜350dtexの範囲、
2)伸度が20%〜50%の範囲、
3)ミシン針がボールポイント先端形状、
4)幹の太さが0.57〜0.72mmの範囲、
5)針目数が10〜15針/3cmの範囲、
であることを特徴とする請求項1に記載の防寒衣服。
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JP2011034232A JP2012172276A (ja) | 2011-02-21 | 2011-02-21 | 防寒衣服 |
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---|---|---|---|---|
CN103757787A (zh) * | 2014-02-18 | 2014-04-30 | 吴江市恒泽布业有限公司 | 一种羽绒服胆料的生产方法 |
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-
2011
- 2011-02-21 JP JP2011034232A patent/JP2012172276A/ja not_active Withdrawn
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