JP3913347B2 - 粉粒体の漏れ防止用のシール材 - Google Patents

粉粒体の漏れ防止用のシール材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナー等の粉粒体の漏れ防止用のシール材に関するものである。さらに詳しくは、トナーを用いる電子複写機の現像ローラとそのローラを覆うハウジングとの間隙からトナーの飛散漏れを防止する粉粒体の漏れ防止用のシール材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子写真複写機やファクシミリ等の電子写真装置の装置内に設けられている現像器は、帯電された現像ローラ等がハウジングに覆われた状態で設けられている。そして、現像ローラに帯電付着したトナーが感光体のローラに付与され、トナーの像が形成される。この場合、現像ローラの両端部における前記ハウジングには現像ローラに接触するシール材が設けられ、トナーの飛散漏れが防止されている。
【0003】
このシール材には、フッ素樹脂製の繊維からなるフェルトにより形成された摺動層を、スポンジ等からなる支持層に接着した層体構造のものが用いられている。そして、毛羽の毛先が現像ローラの両端部周面に接触するようにハウジング内面に接着剤によって接合されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のシール材は、摺動層がフェルトにより形成されているため、毛羽の抜け落ち等の理由から、長時間の使用によりトナーのシール性が低下し、トナーが現像ローラの両端から外方へ漏れるという問題があった。さらに、粉粒体に加え、抜け落ちた毛羽が飛散するという問題もあった。
【0005】
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、毛羽の抜け落ちがなく、トナー等の粉粒体に対する良好な捕集性を示し、粉粒体の漏れを確実に防止することができる粉粒体の漏れ防止用のシール材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明は、粉粒体の移動する部分に配置され、粉粒体の移動を遮るように機能する粉粒体の漏れ防止用のシール材であって、粉粒体の移動する方向と交差する方向に延びる表タテ糸と裏タテ糸、及び粉粒体の移動する方向に延びるヨコ糸よりなる多重の織物組織を構成することにより、前記表タテ糸及び裏タテ糸に山部と谷部を形成し、少なくとも、前記表タテ糸の山の高さが前記裏タテ糸の山の高さより高くなるように設定することにより、前記表タテ糸のみが、被接触体に接触するように構成するとともに、前記表タテ糸と裏タテ糸の高低差による、すき間を有し、少なくとも前記表タテ糸の山と谷の位置を異なる層についてそれぞれずらして、粉粒体の移動を遮るように構成したものである。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明において、前記表タテ糸の太さを前記裏タテ糸の太さより太くなるように設定したものである。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明において、前記表タテ糸の太さを400〜20000デニール相当、裏タテ糸の太さを5〜1000デニール相当に設定したものである。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明において、前記多重の織物組織の裏面にコーティング層を形成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、この発明の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
【0013】
図4に示すように、感光体ドラム12は、カラーレーザープリンター11内において支持軸12aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。帯電器13は、感光体ドラム12の上方位置に配置され、回転する感光体ドラム12の表面を一様に帯電させている。露光装置14は、感光体ドラム12の回転方向の帯電器13より進行側に配置され、感光体ドラム12にレーザ光による光像を照射することによって静電潜像が形成されている。
【0014】
現像装置15は、感光体ドラム12の回転方向の露光装置14より進行側に配置され、感光体ドラム12の表面の静電潜像に粉粒体としてのトナー16を供給して、静電潜像の現像を行うようになっている。転写器17は、感光体ドラム12の下方位置に配置され、感光体ドラム12と転写器17との間に供給される記録用紙18に、感光体ドラム12表面のトナー16による可視像を転写するようになっている。
【0015】
クリーニング器19は、感光体ドラム12の回転方向の転写器17より進行側に配置され、そのハウジング19a内のクリーニング用ブレード19bにより、転写後の感光体ドラム12表面に残留しているトナー16の粒子が除去される。イレーサ20は、クリーニング器19と帯電器13との間に設けられ、感光体ドラム12上に残留する電荷を消去するようになっている。上記のような機構が記録用紙18の流れに沿って複数設けられることにより、記録用紙18上にカラー印刷が行われるようになっている。
【0016】
図6に示すように、前記現像装置15はハウジング15a内に支軸21aにより回転可能に支持された現像ローラ21を備え、トナー16を感光体ドラム12に供給するようになっている。
【0017】
図4に示すように、トナー規制ブレード15bは、現像ローラ21の斜め上方位置に配置され、現像ローラ21表面に付着されたトナー16の量を規制し、薄層化する。そして、印刷時には現像ローラ21の表面にトナー16が所定の厚さで帯電付着され、現像ローラ21が回転することによってトナー16が感光体ドラム12に付与されるようになっている。
【0018】
また、図5に示すように、現像ローラ21の両端部21bとハウジング15a内周面との間には所定幅の環状の間隙が形成されており、これを塞ぐようにトナー16の漏れ防止用のシール材30がハウジング15aの内周面に接合されている。
【0019】
図1及び図2に示すように、第1実施形態のシール材30は、弾力性を有する合成樹脂製の支持層31と、その上に接着膜32を介して形成されたコーティング層33と、その上に接合される織物よりなる摺接層34とから形成されている。さらに、支持層31は、その裏面に曲面状に変形可能な柔軟性のある接着層35を有している。そして、シール材30は、現像ローラ21の軸線方向の外方すなわち、図1に矢印で示した方向へ漏出するトナー16に対してシール効果を発揮できるように、現像ローラ21の軸線方向に対して直交する面内に設けられている。
【0020】
支持層31は、シール材30が前記現像ローラ21に対し、充分密接し、かつ回転を阻害しないようにするために、弾力性を有する材料が使用される。さらに、支持層31は耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で接着可能な材料が好ましい。このような材料としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂発泡体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマー等が用いられる。本実施形態の支持層31は、難燃性のポリウレタン発泡体(イノアック社製の商品名ポロンU−32)より形成されている。また、ポリウレタン発泡体は、強度の高いポリエステル系ポリウレタン又は軟らかいポリエーテル系ポリウレタンが目的に応じて使用される。
【0021】
摺接層34は、摺動性の良い繊維よりなる表タテ糸36と裏タテ糸37とヨコ糸38とを織りなすことによって形成される織物よりなる織布として構成されている。
【0022】
表タテ糸36は、所用の摺動性を確保するために、その動摩擦係数が1以下となるように設定されたフィラメント糸を用いることが好ましい。さらに、表タテ糸36は、シール材30の摺接層34が常に現像ローラ21と摺接するように配置されることから、耐摩耗性を有する繊維により形成されるのが好ましい。また、現像ローラ21の回転によりシール材30の摺接層34には摩擦熱が発生することから、適度な耐熱性を有する繊維により形成されるのがより好ましい。このような繊維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、アラミド樹脂、フッ素樹脂等より形成される繊維が挙げられ、中でもフッ素樹脂は、動摩擦係数が低く、表タテ糸36の繊維の材料として最も好ましい。
【0023】
前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等が用いられる。これらのうち、通常は、入手が容易なPTFEが用いられる。
【0024】
表タテ糸36の太さとしては、400〜20000デニール相当の範囲が好ましい。糸の太さが400デニール相当より細い場合には、所望の粉粒体捕集効果が発揮されず、また、糸の太さを20000デニール相当より太くしても粉粒体捕集効果は、これ以上は向上しない。本実施形態の表タテ糸36は、PTFE(東レ社製の商品名トヨフロン、1200デニール/90フィラメント)製の繊維からなる2本のフィラメント糸を交撚したものが使用されている。
【0025】
裏タテ糸37は、動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能な繊維により形成されるのが好ましい。このような繊維としては、前記であげた繊維の他に、レーヨン、ポリエステル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等より形成される繊維が挙げられる。
【0026】
さらに、裏タテ糸37は、毛羽が多く嵩高なため接着性が良好なスパン糸が用いられることがより好ましい。スパン糸を用いる場合には、糸の太さを表記する際にスパン糸(番手)をデニール換算(5315/番手)して表記する必要がある。そして、裏タテ糸37の太さとしては、5〜1000デニール相当の範囲が好ましい。糸の太さが5デニール相当より細い場合には、表タテ糸36を両側で確実に押さえることができなくなるとともに、粉粒体の捕集効果が発揮されない。また、糸の太さが1000デニール相当より太い場合には、表タテ糸36の浮き上がりが減少して粉粒体の捕集効果が阻害される。
【0027】
また、裏タテ糸37には、トナー16に対して捕集性の良好な繊維を混入することが好ましい。この捕集性の良好な繊維は、繊維の表面上が正電荷に帯電されたものであり、負電荷に帯電したトナー16を繊維の表面に吸着させやすくすることができ、トナー16をシール材30内に保持しやすくする。本実施形態の裏タテ糸37としては、PET製の繊維に捕集性の良好な繊維が混入されたものが用いられ、この2種の繊維よりなる2本のスパン糸(20番手、266デニール相当)を交撚したものが使用されている。
【0028】
ヨコ糸38は、動摩擦係数が低く、耐摩耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能な繊維により形成されるのが好ましい。さらに、ヨコ糸38は、接着性が良好であり、表タテ糸36及び裏タテ糸37を効果的に押さえて織りなすことができるスパン糸により形成されるのがより好ましい。また、表タテ糸36及び裏タテ糸37をより効果的に織り込むために、熱接着性溶融糸(熱可塑性樹脂糸)を交撚させることがさらに好ましい。
【0029】
ヨコ糸38の太さとしては、5〜1000デニール相当の範囲が好ましい。糸の太さが5デニール相当より細い場合には、表タテ糸36及び裏タテ糸37を効果的に織りなすことができなくなり、1000デニール相当より太い場合には、摺接層34の厚みが増し、現像ローラ21に対する抵抗が大きくなる。本実施形態のヨコ糸38は、PETにより形成された繊維よりなるスパン糸(20番手、266デニール相当)と、熱接着性溶融糸(東レ社製の商品名エルダー)とを交撚したものが使用されている。
【0030】
上記摺接層34は、多重の織物組織として形成されている。この多重の織物組織は、同一あるいは異なる手法により糸を織りなすことによって形成された各織物組織同士を2〜4重に重ね合わせる方法である。糸を織りなし織物組織を形成する手法としては、綾織、朱子織、平織等が挙げられる。このうち、表タテ糸36を織る手法としては、綾織又は朱子織が好ましい。本実施形態では、摺接層34として、表タテ糸36を綾織して形成される組織と、裏タテ糸37を綾織して形成される組織とを重ね合わせた2重織物が使用されている。このとき、糸の密度としては、表タテ糸36と裏タテ糸37を合わせたタテ糸36,37の密度が50本/インチ、ヨコ糸38の密度が37本/インチとなるように設定されている。
【0031】
図3(a)に示すように、2重織物は、ヨコ糸38をシール材30の幅方向に延びるように配置するとともに、表タテ糸36と裏タテ糸37とをシール材30の長さ方向に延びるように配置し織りなすことによって構成されている。このとき、表タテ糸36及び裏タテ糸37は、シール材30の幅方向に所定間隔をおいて複数の層が形成されるように織りなされている。
【0032】
各糸36,37,38の配置を模式的に示すと、図3(b)に示すように、配置されている。すなわち、シール材30の幅方向(図中において横方向)において、表タテ糸36と裏タテ糸37とは、交互に配置されている。これに加え、シール材30の長さ方向(図中において縦方向)において、表タテ糸36及び裏タテ糸37は、ヨコ糸38に対して3:1の割合で摺接層34の表面に突出するように織りなされている。
【0033】
図2に示すように、表タテ糸36及び裏タテ糸37は、ヨコ糸38によって一定間隔ごとに締め付けられることにより、それらの中間部が浮き上がり、山39と谷40とを有する波形状に形成されている。このとき、裏タテ糸37の山39bは、表タテ糸36の山39aより低くなるように設定されている。そして、現像ローラ21の軸線方向すなわち、シール材30の幅方向から漏出しようとするトナー16は、表タテ糸36及び裏タテ糸37の波形状の山39a,39bに形成される隙間41内に捕集されるようになっている。さらに、図2及び図3(a),(b)に示すように、この波形の山39と谷40の位置は、異なる層について互い違いとなるようにそれぞれずらされて形成されている。このとき、矢印で示したトナー16の漏出方向において、谷40からのトナー16の移動は、異なる層の山39によって遮られるように構成されている。そして、図5及び図6に示すように、現像ローラ21の両端部21bに到ったトナー16がシール材30の摺接層34内に捕集される。
【0034】
コーティング層33を形成するコーティング剤としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のゴム系溶剤型接着剤、又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の接着性樹脂が用いられる。これらのコーティング剤は摺接層34を形成する各糸同士の間に合浸され、表タテ糸36及び裏タテ糸37の根元を強固に保持するとともに、糸のほつれを防止している。
【0035】
接着膜32は、接着剤が硬化した後も柔軟性を有するとともに、耐熱性を有するゴム系、アクリル系等の接着剤により形成されるのが好ましい。本実施形態の接着膜32は、アクリル系の接着剤により形成される。
【0036】
接着層35は、接着剤が硬化した後に曲面状に変形可能な柔軟性を有する接着剤により形成される。さらに接着層35は、耐熱性を有する接着剤により形成されるのが好ましい。このような性質を有する接着剤として、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いられる。本実施形態の接着層35は、アクリル系の感圧接着剤(住友スリーエム社製商品名F−9469PC、VHB接着剤転写テープ、厚さ0.125mm)により形成されている。この感圧接着剤としては、基材を有しないもの、又は伸びのある基材を有するものが使用される。
【0037】
次に、粉粒体の漏れ防止用のシール材30における作用について説明する。
図4に示すように、カラーレーザープリンター11で印刷を行う際には、まず、回転する感光体ドラム12の表面が帯電器13によって一様に帯電される。その後、露光装置14により感光体ドラム12にレーザ光による光像が照射され、感光体ドラム12表面に静電潜像が形成される。
【0038】
次に、現像装置15内の現像ローラ21により感光体ドラム12の表面の静電潜像にトナー16が供給され、静電潜像の現像が行われる。そして、転写器17により感光体ドラム12と転写器17との間に供給される記録用紙18に、感光体ドラム12表面のトナー16による可視像が転写される。
【0039】
転写後は、クリーニング器19のクリーニング用ブレード19bにより感光体ドラム12表面に残留しているトナー16の粒子が除去され、イレーサ20により、感光体ドラム12上に残留する電荷が消去される。
【0040】
図2、図3(a),(b)、図5及び図6に示すように、上記の現像過程において、現像ローラ21から感光体ドラム12へトナー16が供給される際に、トナー16は現像ローラ21の両端部21bからハウジング15a外方へ漏出しようとする。このとき、シール材30は、その摺接層34が現像ローラ21の両端部21bに摺接するとともに、現像ローラ21の軸線方向に対して表タテ糸36と裏タテ糸37が層をなすようにハウジング15aの内面に接合されている。このため、漏出しようとするトナー16は、シール材30の摺接層34内に効果的に案内されるとともに、現像ローラ21の両端部21bの外周面上に付着したトナー16は、主に波形に形成された表タテ糸36の山39a、さらには裏タテ糸37の山39bによってシールされる。そして、表タテ糸36の山39aの内部の隙間41内にトナー16が捕集され、トナー16を内部に捕集した表タテ糸36の山39aが壁となり、トナー16の外部への漏出が防止される。
【0041】
また、表タテ糸36の谷40からのトナー16の移動は、表タテ糸36の山39aと谷40の位置が異なる層毎に互い違いとなるように形成されていることから、異なる層の山39aによって遮られる。
【0042】
さらに、支持層31は、柔軟性及び弾力性を有する材料によって形成され、摺接層34を現像ローラ21に押し付ける方向に常に付勢するとともに、現像ローラ21の回転が阻害されないようになっている。このため、摺接層34の表面は、現像ローラ21の外周面と隙間なく接触される。このとき、表タテ糸36の山39aは、裏タテ糸37の山39bより高くなるように設定され、主に表タテ糸36の山39aだけが現像ローラ21の端部21bの外周面と摺接することから、現像ローラ21の回転は、ほとんど阻害されない。
【0043】
これに加え、表タテ糸36に用いられているフッ素樹脂繊維は、摺動性が良く、低摩擦性であることから、表タテ糸36の山39aが常に現像ローラ21と接触した状態にあっても、現像ローラ21の回転の阻害は、より効果的に防止される。また、表タテ糸36に用いられるフッ素樹脂繊維は、柔軟性と復元性を有することから、山39aが現像ローラ21の回転によりつぶされた場合でも元の形状に戻り、長時間の使用においてもシール効果を持続することができる。
【0044】
加えて、表タテ糸36の山39aが現像ローラ21の回転によりつぶされた場合においても、裏タテ糸37の山39bが現像ローラ21の端部21bに接触し、トナー16を遮って、その内部に捕集することによりトナー16の漏出が防止される。さらに、裏タテ糸37には、繊維の表面が正電荷に帯電された繊維が混入されていることから、通常、負電荷に帯電されているトナー16は、この繊維に接触することにより、繊維の表面に吸着される。従って、負電荷によって現像ローラ21の端部21bに付着しやすくなっているトナー16は、裏タテ糸37が形成する山39bの内部に容易に捕集される。
【0045】
接着層35及び接着膜32は、硬化後にも柔軟性を有する材料により形成され、シール材30が曲面状に変形可能な柔軟性を備えている。このため、曲面となっているハウジング15aの内周面にシール材30を接合した場合、シール材30にシワが形成されず、シワとハウジング15a内周面との間に形成される間隙よりトナー16が漏出することが防止される。
【0046】
第1実施形態のシール材30によって発揮される効果について記載する。
・ 第1実施形態のシール材30によれば、シール材30の摺接層34は、表タテ糸36、裏タテ糸37及びヨコ糸38を織りなすことによって形成される織物であることから、毛羽の抜け落ちを確実に防止することができる。
【0047】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、表タテ糸36及び裏タテ糸37が浮き上がるように波形状に形成されることから、トナー16等の粉粒体に対する良好な捕集性を示すことができる。
【0048】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、表タテ糸36及び裏タテ糸37によって形成される波形の山39と谷40の位置は、異なる層毎にそれぞれずらされて構成されていることから、粉粒体の漏れを確実に防止することができる。
【0049】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、摺接層34は、多重の織物組織である2重織物として構成されている。このため、摺接層34の表面に容易に波形状を形成することができる。
【0050】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、表タテ糸36の太さは400〜20000デニール、裏タテ糸37の太さは5〜1000デニールの範囲に設定されている。このように、表タテ糸36の太さを裏タテ糸37の太さより太くなるように設定したことにより、摺接層34の表面に確実に波形状を形成することができ、シール材30内部に粉粒体を良好に保持することができる。
【0051】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、表タテ糸36の動摩擦係数を1以下に設定したことにより、シール材30に良好な摺動性を付与することができる。
【0052】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、2重織物で形成される摺接層34の裏面にコーティング層33を形成したことにより、各糸36,37,38がほつれることを防止することができる。
【0053】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、摺接層34の裏面には、柔軟性及び弾力性を有する合成樹脂によって形成された支持層31が設けられている。このため、支持層31は、摺接層34を現像ローラ21に押し付ける方向に常に付勢することができるとともに、摺接層34表面を、現像ローラ21の端部21bの外周面と隙間なく接触させることができる。
【0054】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、支持層31は、柔軟性及び弾力性を有する合成樹脂によって形成されていることから、現像ローラ21の回転が阻害されることを防止することができる。
【0055】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、摺接層34を形成する裏タテ糸37は、表タテ糸36と同じく波形状に形成されるとともに、その山39bの高さは、表タテ糸36の山39aよりも低くなるように設定されている。このため、現像ローラ21の回転を阻害することなく、表タテ糸36のトナー16の捕集機能を補助し、シール材30のトナー16に対する捕集性能をより向上させることができる。
【0056】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、摺接層34を形成する裏タテ糸37には、トナー16に対して捕集性の良好な繊維が混入されている。この繊維は、繊維の表面が正電荷に帯電されていることから、負電荷に帯電されたトナー16を繊維表面上に吸着させ、シール材30のトナー16に対する捕集性能をさらに向上させることができる。
【0057】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、摺接層34を形成するヨコ糸38には、熱接着性溶融糸が交撚されている。このため、摺接層34の裏面にコーティング層33を熱溶着した際に、より強固に表タテ糸36及び裏タテ糸37を保持することができ、糸のほつれをさらに確実に防止することができる。
【0058】
・ 第1実施形態のシール材30によれば、裏タテ糸37及びヨコ糸38には、毛羽が多く嵩高いスパン糸が用いられている。このため、摺接層34の裏面において良好な接着性を得ることができ、表タテ糸36を確実に押さえて織りなすことができる。
【0059】
(第2実施形態)
以下、この発明の第2実施形態を、図7及び図8に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0060】
図7に示すように、第2実施形態のシール材30は、第1実施形態において、摺接層34は、第1ヨコ糸50と第2ヨコ糸51と押さえ糸52とを織りなすことによって形成される編物として構成されている。
【0061】
第1ヨコ糸50は、第1実施形態の表タテ糸36に相当し、第2ヨコ糸51は、裏タテ糸37に相当するとともに、押さえ糸52は、ヨコ糸38に相当し、各糸50〜52は、第1実施形態の織物とほぼ対応するように形成されている。
【0062】
摺接層34は、上記各糸50〜52を織りなすことによって多重の編物組織として形成されている。この多重の編物組織とは、異なる複数の編糸をたて又はよこの一定方向に織りなすことによって、編糸同士を重なり合わせ、多重組織を形成させるものである。糸を編む手法としては、鎖編、両面編、裏毛編、ミラノリブ編等が挙げられ、本実施形態では、摺接層34は、3本の編糸をよこ方向に織りなすミラノリブ編によって形成されている。
【0063】
ミラノリブ編において、第1ヨコ糸50及び第2ヨコ糸51は、シール材30の長さ方向の一方の向きに延びる輪53a,53bを所定間隔をおいて形成しながら、シール材30の幅方向に延びるように配置されている。また、押さえ糸52は、シール材30の長さ方向の両方の向きに2つの輪53c,53dを形成しながら、シール材30の幅方向に延びるように配置されている。そして、第1ヨコ糸50は、その輪53aの基端が押さえ糸52の一方の輪53cによって、囲まれて織られるとともに、輪53aの先端が押さえ糸52の他方の輪53dの基端によって巻込まれている。また、第2ヨコ糸51も第1ヨコ糸50と同様に、その輪53bの基端が押さえ糸52の一方の輪53cによって、囲まれて織られるとともに、輪53bの側部が押さえ糸52の他方の輪53dの先端によって巻込まれている。
【0064】
図8に示すように、第1ヨコ糸50及び第2ヨコ糸51の押さえ糸52によって巻込まれない部分、すなわち第1ヨコ糸50の輪53aの側部及び第2ヨコ糸51の輪53bの先端は、摺接層34表面より浮き上がり、シール材30の幅方向に層状の山54が形成されるようになっている。このとき、第2ヨコ糸51の輪53bの先端よりなる山54bは、第1ヨコ糸50の山54aの隙間55を塞ぐようになっている。そして、現像ローラ21の軸線方向すなわち、図7に矢印で示した方向から漏出しようとするトナー16は、第1ヨコ糸50及び第2ヨコ糸51の山54により、両ヨコ糸50,51の山54によって形成される隙間55内に捕集されるようになっている。
【0065】
さらに、この波形の山54と谷56の位置は、異なる層について互い違いとなるようにそれぞれずらされて形成されている。このとき、谷56からのトナー16の移動は、異なる層の山54によって遮られるように構成されている。
【0066】
さて、この第2実施形態におけるシール材30は、摺接層34が多重組織の編物によって形成されていることから、3本の糸50〜52を織りなすだけで多重組織が形成される。すなわち、第1実施形態のように、複数種の組織を重ね合わせることなく、多重の組織が形成される。従って、簡易な構成でシール材30の表面に容易に波形状が形成される。また、長尺な繊維を絡み合わせながら織りなすことによって摺接層34が形成されることから、糸のほつれが防止される。
【0067】
前記第2実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第2実施形態のシール材30によれば、摺接層34は、多重の編物組織により形成されている。このため、第1実施形態と比較し、簡易な構成でシール材30の表面に容易に波形状を形成することができる。
【0068】
・ 第2実施形態のシール材30によれば、摺接層34は、多重の編物組織であるミラノリブ編により形成されている。このため、摺接層34表面に波形状を有するシール材30をより容易に形成することができる。
【0069】
・ 第2実施形態のシール材30によれば、摺接層34は、長尺な繊維による編物により形成されていることから、各糸50〜52同士が絡み合うことによって、糸のほつれをより確実に防止することができる。
【0070】
(第3実施形態)
以下、この発明の第3実施形態を、図9に基づいて詳細に説明する。なお、この第3実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0071】
図9に示すように、第3実施形態のシール材30は、第1実施形態において、摺接層34は、裏タテ糸37がヨコ糸38に対して1:1の割合で摺接層34の表面に突出するように織りなされた多重組織の織物となっている。
【0072】
さて、この第3実施形態におけるシール材30は、裏タテ糸37がヨコ糸38に対して1:1の割合で摺接層34の表面に突出するように織りなされていることから、第1実施形態と比較して、裏タテ糸37とヨコ糸38とがより強固に組み合わせされる。また、裏タテ糸37の山の内部に捕集されるトナー16の量は減少するが、裏タテ糸37が表タテ糸36の両側をさらに強く押さえ、締め付けるため、表タテ糸36の浮き上がりがより大きくされる。このため、表タテ糸36の摺動層34表面に対する突出量(ボリューム)が増加し、表タテ糸36は、トナー捕集効果、柔軟性及び復元性が向上され、シール材30のシール性及び摺動性がより向上される。
【0073】
前記第3実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
・ 第3実施形態のシール材30によれば、裏タテ糸37がヨコ糸38に対して1:1の割合で摺接層34の表面に突出するように織りなされていることから、裏タテ糸37とヨコ糸38とがより強固に組み合わせされ、糸のほつれをより効果的に防止することができる。
【0074】
・ 第3実施形態のシール材30によれば、裏タテ糸37によって表タテ糸36の両側がさらに強く締め付けられることから、表タテ糸36の浮き上がりが大きくされ、表タテ糸36のボリュームが増加し、シール材30のシール性及び摺動性をより向上させることができる。
【0075】
(第4実施形態)
以下、この発明の第4実施形態を、図10に基づいて詳細に説明する。なお、この第4実施形態においては、前記第2実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0076】
図10に示すように、第4実施形態のシール材30は、第2実施形態において、摺接層34は、ダブルピケ編により形成されている。
さて、第4実施形態のシール材30によれば、第2実施形態と比較して、波形状の山54と谷56の位置が異なる層毎により確実にずらされている。
【0077】
そして、第4実施形態のシール材30によれば、第2実施形態と比較して、より簡易な構成で波形の山54と谷56の位置を異なる層毎にずらしたシール材30を提供することができる。
【0078】
なお、前記実施形態を、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第1〜第4実施形態において、裏タテ糸37又は第2ヨコ糸51に混合されたトナー16に対して捕集性の良い繊維を省略して構成すること。
【0079】
このように構成した場合、所望のシール効果が得られるとともに、製造コストが安価なシール材30を提供することができる。
・ 第1〜第4実施形態において、裏タテ糸37又は第2ヨコ糸51に混合される捕集性の良い繊維に代えて、他の構成の捕集性の良い繊維を混合すること。例えば、捕集性の良い繊維を、合成樹脂製の繊維に炭素が配合されることによって導電性を有する繊維とすること。あるいは、合成樹脂製の繊維の表面を毛羽立たせる、又は繊維に捲縮加工をする等して捕集性の良い繊維とすること。
【0080】
このように構成した場合においても、シール材30は、より良好な捕集性能を示すことができる。
・ 第1〜第4実施形態において、ヨコ糸38又は押さえ糸52に交撚された熱接着性溶融糸を省略して構成すること。
【0081】
このように構成しても、コーティング層33によって糸のほつれが防止されるとともに、製造コストを低減することができる。
・ 第1〜第4実施形態において、フィラメント糸により形成された表タテ糸36又は第1ヨコ糸50をスパン糸によって形成すること。
【0082】
このように構成しても、本質的に本実施形態と同様のシール効果を得ることができるとともに、摺接層34の裏面において、他の糸とより良好に接着することができる。
【0083】
・ 第1〜第4実施形態において、スパン糸により形成された裏タテ糸37又はヨコ糸38と第2ヨコ糸51又は押さえ糸52をフィラメント糸によって形成すること。
【0084】
このように構成しても、本質的に本実施形態と同様の捕集効果及び糸のほつれを防止する効果を得ることができるとともに、摺接層34の厚みを薄くすることができる。
【0085】
・ 第1〜第4実施形態において、PET製の繊維により形成された裏タテ糸37又はヨコ糸38と第2ヨコ糸51又は押さえ糸52をレーヨン等の他の材料よりなる繊維によって形成すること。
【0086】
このように構成しても、本質的に本実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、使用者の所望に合わせて製造コストを低減することができる。
・ 第1〜第4実施形態において、PTFE製の繊維により形成された表タテ糸36又は第1ヨコ糸50をレーヨン等の他の材料よりなる繊維によって形成すること。
【0087】
このように構成しても、本質的に本実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、製造コストを低減することができる。
・ 第1〜第4実施形態において、表タテ糸36又は第1ヨコ糸50を形成する繊維に、トナー16に対して捕集性の良い繊維を混入すること。
【0088】
このように構成した場合、トナー16の捕集機能をさらに効果的に向上させることができる。
・ 第1〜第4実施形態において、コーティング層33を省略してシール材30を構成すること。
【0089】
このように構成した場合、ヨコ糸38又は押さえ糸52によって糸のほつれが防止されるとともに、製造コストを低減することができる。
・ 第1及び第3実施形態において、他の手法によって多重の織物組織である摺接層34を形成すること。例えば、表タテ糸36を朱子織りで形成するとともに、裏タテ糸37を平織りで形成すること。
【0090】
このように構成した場合、使用者の所望に合わせて摺動性や製造コストを変化させたシール材30を提供することができる。
・ 第1及び第3実施形態において、裏タテ糸37を省略して摺接層34を形成すること。
【0091】
このように構成した場合、粉粒体の捕集性能は若干低下するが、所要のシール効果は得られるとともに、製造コストを低減することができる。
・ 第2及び第4実施形態において、他の手法によって多重の編物組織である摺接層34を形成すること。例えば、両面編で摺接層34を形成すること。
【0092】
このように構成した場合、使用者の所望に合わせて摺動性、繊維密度あるいは製造コストを変化させたシール材30を提供することができる。
・ 第2及び第4実施形態において、押さえ糸52を省略するとともに、第1ヨコ糸50又は第2ヨコ糸51のうちいずれか一本のみで摺接層34を形成すること。
【0093】
このように構成しても、編物よりなる摺接層34が形成されるとともに、製造コストを低減することができる。
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 前記コーティング層の裏面に、柔軟性及び弾力性を有する支持層を備えた請求項5に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
【0094】
このように構成することにより、多重の織物組織をより効果的に現像ローラに摺接させることができる。
(2) 前記裏タテ糸を粉粒体に対し捕集性の良い繊維により構成した請求項2又は請求項3に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
【0095】
このように構成することによって、粉粒体が現像ローラに付着することをより良好に防止することができるとともに、粉粒体に対する捕集性をさらに向上させることができる。
(3) 前記捕集性の良い繊維は、繊維に導電性粉末を配合することにより導電性にしたものである(2)に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
【0096】
このように構成することによって、粉粒体に対する捕集性をより確実に向上させることができる。
(4) 前記ヨコ糸は、熱可塑性樹脂よりなる熱接着性溶融糸を交撚したものである請求項2〜請求項5のいずれかに記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
【0097】
このように構成することにより、糸のほつれをより効果的に防止することができる。
【0098】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の粉粒体の漏れ防止用のシール材によれば、シール材は、表タテ糸及び裏タテ糸に山部と谷部を形成し、少なくとも、表タテ糸の山の高さが裏タテ糸の山の高さより高くなるように設定することにより、表タテ糸のみが、被接触体に接触するように構成するとともに、表タテ糸と裏タテ糸の高低差による、すき間を有して構成されたことから、トナー16等の粉粒体に対する良好な捕集性を示すことができる。さらに、波形の山と谷の位置は、異なる層毎にそれぞれずらされて構成されていることから、粉粒体の漏れを確実に防止することができる。
請求項2に記載の発明の粉粒体の漏れ防止用のシール材によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、表タテ糸の太さを裏タテ糸の太さより太く設定したことにより、シール材の表面に確実に波形状を形成することができ、シール材内部に粉粒体を良好に保持することができる。
【0099】
請求項3に記載の発明の粉粒体の漏れ防止用のシール材によれば、請求項2に記載の発明の効果に加えて、表タテ糸の太さが400〜20000デニール、裏タテ糸の太さが5〜1000デニールに設定されている。このように、表タテ糸の太さを裏タテ糸の太さより太く設定したことにより、シール材の表面に確実に波形状を形成することができ、シール材内部に粉粒体を良好に保持することができる。
【0100】
請求項4に記載の発明の粉粒体の漏れ防止用のシール材によれば、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、多重織り組織の裏面にコーティング層を形成したことにより、糸がほつれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のシール材を示す斜視図。
【図2】 図1の2−2線における断面図。
【図3】 (a)は、第1実施形態のシール材を示す平面図、(b)は、第1実施形態のシール材の織物を示す組織図。
【図4】 カラーレーザープリンターの概略を示す要部破断側面図。
【図5】 シール材がトナーを捕集した状態を示す部分断面図。
【図6】 現像ローラにトナーを供給する状態を示す部分破断側面図。
【図7】 第2実施形態のシール材を示す斜視図。
【図8】 図7の8−8線における断面図。
【図9】 第3実施形態のシール材の織物を示す組織図。
【図10】 第4実施形態のシール材を示す平面図。
【符号の説明】
16…粉粒体としてのトナー、30…シール材、33…コーティング層、36…表タテ糸、37…裏タテ糸、38…ヨコ糸、39…山、40…谷、50…糸としての第1ヨコ糸、51…糸としての第2ヨコ糸、52…糸としての押さえ糸、54…山、56…谷。

Claims (4)

  1. 粉粒体の移動する部分に配置され、粉粒体の移動を遮るように機能する粉粒体の漏れ防止用のシール材であって、
    粉粒体の移動する方向と交差する方向に延びる表タテ糸と裏タテ糸、及び粉粒体の移動する方向に延びるヨコ糸よりなる多重の織物組織を構成することにより、前記表タテ糸及び裏タテ糸に山部と谷部を形成し、少なくとも、前記表タテ糸の山の高さが前記裏タテ糸の山の高さより高くなるように設定することにより、前記表タテ糸のみが、被接触体に接触するように構成するとともに、前記表タテ糸と裏タテ糸の高低差による、すき間を有し、少なくとも前記表タテ糸の山と谷の位置を異なる層についてそれぞれずらして、粉粒体の移動を遮るように構成した粉粒体の漏れ防止用のシール材。
  2. 前記表タテ糸の太さを前記裏タテ糸の太さより太くなるように設定した請求項1に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
  3. 前記表タテ糸の太さを400〜20000デニール相当、裏タテ糸の太さを5〜1000デニール相当に設定した請求項2に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
  4. 前記多重の織物組織の裏面にコーティング層を形成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
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