JPH11194612A - 粉粒体の漏れ防止用のシール材 - Google Patents

粉粒体の漏れ防止用のシール材

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JPH11194612A
JPH11194612A JP9360158A JP36015897A JPH11194612A JP H11194612 A JPH11194612 A JP H11194612A JP 9360158 A JP9360158 A JP 9360158A JP 36015897 A JP36015897 A JP 36015897A JP H11194612 A JPH11194612 A JP H11194612A
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Yasuyuki Ohara
康之 大原
Katsumi Hakamata
克實 袴田
Masaru Nakayama
勝 中山
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TSUCHIYA TEISUKO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛羽の抜け落ちがなく、トナー等の粉粒体に
対する良好な捕集性を示し、粉粒体の漏れを確実に防止
することができる粉粒体の漏れ防止用のシール材を提供
する。 【解決手段】 シール材30は、支持層31と、その上
に接着膜32を介して形成されたコーティング層33
と、その上に接合される摺接層34とから形成されてい
る。摺接層34は、表タテ糸36と裏タテ糸37とヨコ
糸38とを織りなすことによって形成される織物として
構成されている。表タテ糸36と裏タテ糸37は、ヨコ
糸38によって一定間隔ごとに締め付けられることによ
り、異なる層ごとに互い違いとなる山と谷とを有する波
形状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、トナー等の粉粒
体の漏れ防止用のシール材に関するものである。さらに
詳しくは、トナーを用いる電子複写機の現像ローラとそ
のローラを覆うハウジングとの間隙からトナーの飛散漏
れを防止する粉粒体の漏れ防止用のシール材に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真複写機やファクシミリ等
の電子写真装置の装置内に設けられている現像器は、帯
電された現像ローラ等がハウジングに覆われた状態で設
けられている。そして、現像ローラに帯電付着したトナ
ーが感光体のローラに付与され、トナーの像が形成され
る。この場合、現像ローラの両端部における前記ハウジ
ングには現像ローラに接触するシール材が設けられ、ト
ナーの飛散漏れが防止されている。
【0003】このシール材には、フッ素樹脂製の繊維か
らなるフェルトにより形成された摺動層を、スポンジ等
からなる支持層に接着した層体構造のものが用いられて
いる。そして、毛羽の毛先が現像ローラの両端部周面に
接触するようにハウジング内面に接着剤によって接合さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
シール材は、摺動層がフェルトにより形成されているた
め、毛羽の抜け落ち等の理由から、長時間の使用により
トナーのシール性が低下し、トナーが現像ローラの両端
から外方へ漏れるという問題があった。さらに、粉粒体
に加え、抜け落ちた毛羽が飛散するという問題もあっ
た。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、毛羽の抜け落ちがなく、トナー等の粉粒
体に対する良好な捕集性を示し、粉粒体の漏れを確実に
防止することができる粉粒体の漏れ防止用のシール材を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材
の発明は、粉粒体の移動する部分に配置され、粉粒体の
移動を遮るように機能する粉粒体の漏れ防止用のシール
材であって、糸を粉粒体の移動する方向と交差する方向
に延ばし、かつ粉粒体の移動する方向に層を形成するよ
うに織りなすとともに、糸を浮き上がるように波形状に
形成し、その波形の山と谷の位置を異なる層についてそ
れぞれずらして、粉粒体の移動を遮るように構成したも
のである。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明において、前記
糸は、粉粒体の移動する方向と交差する方向に延びる表
タテ糸と裏タテ糸及び粉粒体の移動する方向に延びるヨ
コ糸よりなる多重の織物組織を構成するとともに、表タ
テ糸を波形状に形成したものである。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明において、前記
表タテ糸の太さを400〜20000デニール相当、裏
タテ糸の太さを5〜1000デニール相当に設定したも
のである。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項2又は請
求項3に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明に
おいて、前記少なくとも表タテ糸の動摩擦係数を1以下
に設定したものである。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求
項4に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明にお
いて、前記多重の織物組織の裏面にコーティング層を形
成したものである。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1に記載
の粉粒体の漏れ防止用のシール材の発明において、前記
糸は、多重の編物組織を構成するものである。請求項7
に記載の発明は、請求項6に記載の粉粒体の漏れ防止用
のシール材の発明において、前記多重の編物組織を、両
面編、裏毛編又はダブル組織編により形成するものであ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】(第1実施形態)以下、この発明
の第1実施形態を、図1〜図6に基づいて詳細に説明す
る。
【0013】図4に示すように、感光体ドラム12は、
カラーレーザープリンター11内において支持軸12a
により回転可能に支持され、その表面において帯電可能
に構成されている。帯電器13は、感光体ドラム12の
上方位置に配置され、回転する感光体ドラム12の表面
を一様に帯電させている。露光装置14は、感光体ドラ
ム12の回転方向の帯電器13より進行側に配置され、
感光体ドラム12にレーザ光による光像を照射すること
によって静電潜像が形成されている。
【0014】現像装置15は、感光体ドラム12の回転
方向の露光装置14より進行側に配置され、感光体ドラ
ム12の表面の静電潜像に粉粒体としてのトナー16を
供給して、静電潜像の現像を行うようになっている。転
写器17は、感光体ドラム12の下方位置に配置され、
感光体ドラム12と転写器17との間に供給される記録
用紙18に、感光体ドラム12表面のトナー16による
可視像を転写するようになっている。
【0015】クリーニング器19は、感光体ドラム12
の回転方向の転写器17より進行側に配置され、そのハ
ウジング19a内のクリーニング用ブレード19bによ
り、転写後の感光体ドラム12表面に残留しているトナ
ー16の粒子が除去される。イレーサ20は、クリーニ
ング器19と帯電器13との間に設けられ、感光体ドラ
ム12上に残留する電荷を消去するようになっている。
上記のような機構が記録用紙18の流れに沿って複数設
けられることにより、記録用紙18上にカラー印刷が行
われるようになっている。
【0016】図6に示すように、前記現像装置15はハ
ウジング15a内に支軸21aにより回転可能に支持さ
れた現像ローラ21を備え、トナー16を感光体ドラム
12に供給するようになっている。
【0017】図4に示すように、トナー規制ブレード1
5bは、現像ローラ21の斜め上方位置に配置され、現
像ローラ21表面に付着されたトナー16の量を規制
し、薄層化する。そして、印刷時には現像ローラ21の
表面にトナー16が所定の厚さで帯電付着され、現像ロ
ーラ21が回転することによってトナー16が感光体ド
ラム12に付与されるようになっている。
【0018】また、図5に示すように、現像ローラ21
の両端部21bとハウジング15a内周面との間には所
定幅の環状の間隙が形成されており、これを塞ぐように
トナー16の漏れ防止用のシール材30がハウジング1
5aの内周面に接合されている。
【0019】図1及び図2に示すように、第1実施形態
のシール材30は、弾力性を有する合成樹脂製の支持層
31と、その上に接着膜32を介して形成されたコーテ
ィング層33と、その上に接合される織物よりなる摺接
層34とから形成されている。さらに、支持層31は、
その裏面に曲面状に変形可能な柔軟性のある接着層35
を有している。そして、シール材30は、現像ローラ2
1の軸線方向の外方すなわち、図1に矢印で示した方向
へ漏出するトナー16に対してシール効果を発揮できる
ように、現像ローラ21の軸線方向に対して直交する面
内に設けられている。
【0020】支持層31は、シール材30が前記現像ロ
ーラ21に対し、充分密接し、かつ回転を阻害しないよ
うにするために、弾力性を有する材料が使用される。さ
らに、支持層31は耐久性及び耐熱性が高く、接着剤で
接着可能な材料が好ましい。このような材料としては、
ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の合成
樹脂発泡体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム
(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるい
は天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エ
ラストマー等が用いられる。本実施形態の支持層31
は、難燃性のポリウレタン発泡体(イノアック社製の商
品名ポロンU−32)より形成されている。また、ポリ
ウレタン発泡体は、強度の高いポリエステル系ポリウレ
タン又は軟らかいポリエーテル系ポリウレタンが目的に
応じて使用される。
【0021】摺接層34は、摺動性の良い繊維よりなる
表タテ糸36と裏タテ糸37とヨコ糸38とを織りなす
ことによって形成される織物よりなる織布として構成さ
れている。
【0022】表タテ糸36は、所用の摺動性を確保する
ために、その動摩擦係数が1以下となるように設定され
たフィラメント糸を用いることが好ましい。さらに、表
タテ糸36は、シール材30の摺接層34が常に現像ロ
ーラ21と摺接するように配置されることから、耐摩耗
性を有する繊維により形成されるのが好ましい。また、
現像ローラ21の回転によりシール材30の摺接層34
には摩擦熱が発生することから、適度な耐熱性を有する
繊維により形成されるのがより好ましい。このような繊
維としては、超高分子ポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリアミド、アラミド樹脂、フッ素樹脂等より形成され
る繊維が挙げられ、中でもフッ素樹脂は、動摩擦係数が
低く、表タテ糸36の繊維の材料として最も好ましい。
【0023】前記フッ素樹脂としては、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエ
チレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体
(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合
体(ETFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等
が用いられる。これらのうち、通常は、入手が容易なP
TFEが用いられる。
【0024】表タテ糸36の太さとしては、400〜2
0000デニール相当の範囲が好ましい。糸の太さが4
00デニール相当より細い場合には、所望の粉粒体捕集
効果が発揮されず、また、糸の太さを20000デニー
ル相当より太くしても粉粒体捕集効果は、これ以上は向
上しない。本実施形態の表タテ糸36は、PTFE(東
レ社製の商品名トヨフロン、1200デニール/90フ
ィラメント)製の繊維からなる2本のフィラメント糸を
交撚したものが使用されている。
【0025】裏タテ糸37は、動摩擦係数が低く、耐摩
耗性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能な繊維に
より形成されるのが好ましい。このような繊維として
は、前記であげた繊維の他に、レーヨン、ポリエステ
ル、ナイロン、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート(PET)等より形成される繊維が挙げられる。
【0026】さらに、裏タテ糸37は、毛羽が多く嵩高
なため接着性が良好なスパン糸が用いられることがより
好ましい。スパン糸を用いる場合には、糸の太さを表記
する際にスパン糸(番手)をデニール換算(5315/
番手)して表記する必要がある。そして、裏タテ糸37
の太さとしては、5〜1000デニール相当の範囲が好
ましい。糸の太さが5デニール相当より細い場合には、
表タテ糸36を両側で確実に押さえることができなくな
るとともに、粉粒体の捕集効果が発揮されない。また、
糸の太さが1000デニール相当より太い場合には、表
タテ糸36の浮き上がりが減少して粉粒体の捕集効果が
阻害される。
【0027】また、裏タテ糸37には、トナー16に対
して捕集性の良好な繊維を混入することが好ましい。こ
の捕集性の良好な繊維は、繊維の表面上が正電荷に帯電
されたものであり、負電荷に帯電したトナー16を繊維
の表面に吸着させやすくすることができ、トナー16を
シール材30内に保持しやすくする。本実施形態の裏タ
テ糸37としては、PET製の繊維に捕集性の良好な繊
維が混入されたものが用いられ、この2種の繊維よりな
る2本のスパン糸(20番手、266デニール相当)を
交撚したものが使用されている。
【0028】ヨコ糸38は、動摩擦係数が低く、耐摩耗
性と適度な耐熱性を有し、接着剤で接着可能な繊維によ
り形成されるのが好ましい。さらに、ヨコ糸38は、接
着性が良好であり、表タテ糸36及び裏タテ糸37を効
果的に押さえて織りなすことができるスパン糸により形
成されるのがより好ましい。また、表タテ糸36及び裏
タテ糸37をより効果的に織り込むために、熱接着性溶
融糸(熱可塑性樹脂糸)を交撚させることがさらに好ま
しい。
【0029】ヨコ糸38の太さとしては、5〜1000
デニール相当の範囲が好ましい。糸の太さが5デニール
相当より細い場合には、表タテ糸36及び裏タテ糸37
を効果的に織りなすことができなくなり、1000デニ
ール相当より太い場合には、摺接層34の厚みが増し、
現像ローラ21に対する抵抗が大きくなる。本実施形態
のヨコ糸38は、PETにより形成された繊維よりなる
スパン糸(20番手、266デニール相当)と、熱接着
性溶融糸(東レ社製の商品名エルダー)とを交撚したも
のが使用されている。
【0030】上記摺接層34は、多重の織物組織として
形成されている。この多重の織物組織は、同一あるいは
異なる手法により糸を織りなすことによって形成された
各織物組織同士を2〜4重に重ね合わせる方法である。
糸を織りなし織物組織を形成する手法としては、綾織、
朱子織、平織等が挙げられる。このうち、表タテ糸36
を織る手法としては、綾織又は朱子織が好ましい。本実
施形態では、摺接層34として、表タテ糸36を綾織し
て形成される組織と、裏タテ糸37を綾織して形成され
る組織とを重ね合わせた2重織物が使用されている。こ
のとき、糸の密度としては、表タテ糸36と裏タテ糸3
7を合わせたタテ糸36,37の密度が50本/イン
チ、ヨコ糸38の密度が37本/インチとなるように設
定されている。
【0031】図3(a)に示すように、2重織物は、ヨ
コ糸38をシール材30の幅方向に延びるように配置す
るとともに、表タテ糸36と裏タテ糸37とをシール材
30の長さ方向に延びるように配置し織りなすことによ
って構成されている。このとき、表タテ糸36及び裏タ
テ糸37は、シール材30の幅方向に所定間隔をおいて
複数の層が形成されるように織りなされている。
【0032】各糸36,37,38の配置を模式的に示
すと、図3(b)に示すように、配置されている。すな
わち、シール材30の幅方向(図中において横方向)に
おいて、表タテ糸36と裏タテ糸37とは、交互に配置
されている。これに加え、シール材30の長さ方向(図
中において縦方向)において、表タテ糸36及び裏タテ
糸37は、ヨコ糸38に対して3:1の割合で摺接層3
4の表面に突出するように織りなされている。
【0033】図2に示すように、表タテ糸36及び裏タ
テ糸37は、ヨコ糸38によって一定間隔ごとに締め付
けられることにより、それらの中間部が浮き上がり、山
39と谷40とを有する波形状に形成されている。この
とき、裏タテ糸37の山39bは、表タテ糸36の山3
9aより低くなるように設定されている。そして、現像
ローラ21の軸線方向すなわち、シール材30の幅方向
から漏出しようとするトナー16は、表タテ糸36及び
裏タテ糸37の波形状の山39a,39bに形成される
隙間41内に捕集されるようになっている。さらに、図
2及び図3(a),(b)に示すように、この波形の山
39と谷40の位置は、異なる層について互い違いとな
るようにそれぞれずらされて形成されている。このと
き、矢印で示したトナー16の漏出方向において、谷4
0からのトナー16の移動は、異なる層の山39によっ
て遮られるように構成されている。そして、図5及び図
6に示すように、現像ローラ21の両端部21bに到っ
たトナー16がシール材30の摺接層34内に捕集され
る。
【0034】コーティング層33を形成するコーティン
グ剤としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のゴ
ム系溶剤型接着剤、又はエチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリメタクリル酸メチル等の接着性樹脂が用いられ
る。これらのコーティング剤は摺接層34を形成する各
糸同士の間に合浸され、表タテ糸36及び裏タテ糸37
の根元を強固に保持するとともに、糸のほつれを防止し
ている。
【0035】接着膜32は、接着剤が硬化した後も柔軟
性を有するとともに、耐熱性を有するゴム系、アクリル
系等の接着剤により形成されるのが好ましい。本実施形
態の接着膜32は、アクリル系の接着剤により形成され
る。
【0036】接着層35は、接着剤が硬化した後に曲面
状に変形可能な柔軟性を有する接着剤により形成され
る。さらに接着層35は、耐熱性を有する接着剤により
形成されるのが好ましい。このような性質を有する接着
剤として、ゴム系、アクリル系等の感圧接着剤が用いら
れる。本実施形態の接着層35は、アクリル系の感圧接
着剤(住友スリーエム社製商品名F−9469PC、V
HB接着剤転写テープ、厚さ0.125mm)により形
成されている。この感圧接着剤としては、基材を有しな
いもの、又は伸びのある基材を有するものが使用され
る。
【0037】次に、粉粒体の漏れ防止用のシール材30
における作用について説明する。図4に示すように、カ
ラーレーザープリンター11で印刷を行う際には、ま
ず、回転する感光体ドラム12の表面が帯電器13によ
って一様に帯電される。その後、露光装置14により感
光体ドラム12にレーザ光による光像が照射され、感光
体ドラム12表面に静電潜像が形成される。
【0038】次に、現像装置15内の現像ローラ21に
より感光体ドラム12の表面の静電潜像にトナー16が
供給され、静電潜像の現像が行われる。そして、転写器
17により感光体ドラム12と転写器17との間に供給
される記録用紙18に、感光体ドラム12表面のトナー
16による可視像が転写される。
【0039】転写後は、クリーニング器19のクリーニ
ング用ブレード19bにより感光体ドラム12表面に残
留しているトナー16の粒子が除去され、イレーサ20
により、感光体ドラム12上に残留する電荷が消去され
る。
【0040】図2、図3(a),(b)、図5及び図6
に示すように、上記の現像過程において、現像ローラ2
1から感光体ドラム12へトナー16が供給される際
に、トナー16は現像ローラ21の両端部21bからハ
ウジング15a外方へ漏出しようとする。このとき、シ
ール材30は、その摺接層34が現像ローラ21の両端
部21bに摺接するとともに、現像ローラ21の軸線方
向に対して表タテ糸36と裏タテ糸37が層をなすよう
にハウジング15aの内面に接合されている。このた
め、漏出しようとするトナー16は、シール材30の摺
接層34内に効果的に案内されるとともに、現像ローラ
21の両端部21bの外周面上に付着したトナー16
は、主に波形に形成された表タテ糸36の山39a、さ
らには裏タテ糸37の山39bによってシールされる。
そして、表タテ糸36の山39aの内部の隙間41内に
トナー16が捕集され、トナー16を内部に捕集した表
タテ糸36の山39aが壁となり、トナー16の外部へ
の漏出が防止される。
【0041】また、表タテ糸36の谷40からのトナー
16の移動は、表タテ糸36の山39aと谷40の位置
が異なる層毎に互い違いとなるように形成されているこ
とから、異なる層の山39aによって遮られる。
【0042】さらに、支持層31は、柔軟性及び弾力性
を有する材料によって形成され、摺接層34を現像ロー
ラ21に押し付ける方向に常に付勢するとともに、現像
ローラ21の回転が阻害されないようになっている。こ
のため、摺接層34の表面は、現像ローラ21の外周面
と隙間なく接触される。このとき、表タテ糸36の山3
9aは、裏タテ糸37の山39bより高くなるように設
定され、主に表タテ糸36の山39aだけが現像ローラ
21の端部21bの外周面と摺接することから、現像ロ
ーラ21の回転は、ほとんど阻害されない。
【0043】これに加え、表タテ糸36に用いられてい
るフッ素樹脂繊維は、摺動性が良く、低摩擦性であるこ
とから、表タテ糸36の山39aが常に現像ローラ21
と接触した状態にあっても、現像ローラ21の回転の阻
害は、より効果的に防止される。また、表タテ糸36に
用いられるフッ素樹脂繊維は、柔軟性と復元性を有する
ことから、山39aが現像ローラ21の回転によりつぶ
された場合でも元の形状に戻り、長時間の使用において
もシール効果を持続することができる。
【0044】加えて、表タテ糸36の山39aが現像ロ
ーラ21の回転によりつぶされた場合においても、裏タ
テ糸37の山39bが現像ローラ21の端部21bに接
触し、トナー16を遮って、その内部に捕集することに
よりトナー16の漏出が防止される。さらに、裏タテ糸
37には、繊維の表面が正電荷に帯電された繊維が混入
されていることから、通常、負電荷に帯電されているト
ナー16は、この繊維に接触することにより、繊維の表
面に吸着される。従って、負電荷によって現像ローラ2
1の端部21bに付着しやすくなっているトナー16
は、裏タテ糸37が形成する山39bの内部に容易に捕
集される。
【0045】接着層35及び接着膜32は、硬化後にも
柔軟性を有する材料により形成され、シール材30が曲
面状に変形可能な柔軟性を備えている。このため、曲面
となっているハウジング15aの内周面にシール材30
を接合した場合、シール材30にシワが形成されず、シ
ワとハウジング15a内周面との間に形成される間隙よ
りトナー16が漏出することが防止される。
【0046】第1実施形態のシール材30によって発揮
される効果について記載する。 ・ 第1実施形態のシール材30によれば、シール材3
0の摺接層34は、表タテ糸36、裏タテ糸37及びヨ
コ糸38を織りなすことによって形成される織物である
ことから、毛羽の抜け落ちを確実に防止することができ
る。
【0047】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、表タテ糸36及び裏タテ糸37が浮き上がるように
波形状に形成されることから、トナー16等の粉粒体に
対する良好な捕集性を示すことができる。
【0048】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、表タテ糸36及び裏タテ糸37によって形成される
波形の山39と谷40の位置は、異なる層毎にそれぞれ
ずらされて構成されていることから、粉粒体の漏れを確
実に防止することができる。
【0049】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34は、多重の織物組織である2重織物とし
て構成されている。このため、摺接層34の表面に容易
に波形状を形成することができる。
【0050】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、表タテ糸36の太さは400〜20000デニー
ル、裏タテ糸37の太さは5〜1000デニールの範囲
に設定されている。このように、表タテ糸36の太さを
裏タテ糸37の太さより太くなるように設定したことに
より、摺接層34の表面に確実に波形状を形成すること
ができ、シール材30内部に粉粒体を良好に保持するこ
とができる。
【0051】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、表タテ糸36の動摩擦係数を1以下に設定したこと
により、シール材30に良好な摺動性を付与することが
できる。
【0052】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、2重織物で形成される摺接層34の裏面にコーティ
ング層33を形成したことにより、各糸36,37,3
8がほつれることを防止することができる。
【0053】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34の裏面には、柔軟性及び弾力性を有する
合成樹脂によって形成された支持層31が設けられてい
る。このため、支持層31は、摺接層34を現像ローラ
21に押し付ける方向に常に付勢することができるとと
もに、摺接層34表面を、現像ローラ21の端部21b
の外周面と隙間なく接触させることができる。
【0054】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、支持層31は、柔軟性及び弾力性を有する合成樹脂
によって形成されていることから、現像ローラ21の回
転が阻害されることを防止することができる。
【0055】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34を形成する裏タテ糸37は、表タテ糸3
6と同じく波形状に形成されるとともに、その山39b
の高さは、表タテ糸36の山39aよりも低くなるよう
に設定されている。このため、現像ローラ21の回転を
阻害することなく、表タテ糸36のトナー16の捕集機
能を補助し、シール材30のトナー16に対する捕集性
能をより向上させることができる。
【0056】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34を形成する裏タテ糸37には、トナー1
6に対して捕集性の良好な繊維が混入されている。この
繊維は、繊維の表面が正電荷に帯電されていることか
ら、負電荷に帯電されたトナー16を繊維表面上に吸着
させ、シール材30のトナー16に対する捕集性能をさ
らに向上させることができる。
【0057】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34を形成するヨコ糸38には、熱接着性溶
融糸が交撚されている。このため、摺接層34の裏面に
コーティング層33を熱溶着した際に、より強固に表タ
テ糸36及び裏タテ糸37を保持することができ、糸の
ほつれをさらに確実に防止することができる。
【0058】・ 第1実施形態のシール材30によれ
ば、裏タテ糸37及びヨコ糸38には、毛羽が多く嵩高
いスパン糸が用いられている。このため、摺接層34の
裏面において良好な接着性を得ることができ、表タテ糸
36を確実に押さえて織りなすことができる。
【0059】(第2実施形態)以下、この発明の第2実
施形態を、図7及び図8に基づいて詳細に説明する。な
お、本実施形態においては、前記第1実施形態と異なる
点を中心に説明する。
【0060】図7に示すように、第2実施形態のシール
材30は、第1実施形態において、摺接層34は、第1
ヨコ糸50と第2ヨコ糸51と押さえ糸52とを織りな
すことによって形成される編物として構成されている。
【0061】第1ヨコ糸50は、第1実施形態の表タテ
糸36に相当し、第2ヨコ糸51は、裏タテ糸37に相
当するとともに、押さえ糸52は、ヨコ糸38に相当
し、各糸50〜52は、第1実施形態の織物とほぼ対応
するように形成されている。
【0062】摺接層34は、上記各糸50〜52を織り
なすことによって多重の編物組織として形成されてい
る。この多重の編物組織とは、異なる複数の編糸をたて
又はよこの一定方向に織りなすことによって、編糸同士
を重なり合わせ、多重組織を形成させるものである。糸
を編む手法としては、鎖編、両面編、裏毛編、ミラノリ
ブ編等が挙げられ、本実施形態では、摺接層34は、3
本の編糸をよこ方向に織りなすミラノリブ編によって形
成されている。
【0063】ミラノリブ編において、第1ヨコ糸50及
び第2ヨコ糸51は、シール材30の長さ方向の一方の
向きに延びる輪53a,53bを所定間隔をおいて形成
しながら、シール材30の幅方向に延びるように配置さ
れている。また、押さえ糸52は、シール材30の長さ
方向の両方の向きに2つの輪53c,53dを形成しな
がら、シール材30の幅方向に延びるように配置されて
いる。そして、第1ヨコ糸50は、その輪53aの基端
が押さえ糸52の一方の輪53cによって、囲まれて織
られるとともに、輪53aの先端が押さえ糸52の他方
の輪53dの基端によって巻込まれている。また、第2
ヨコ糸51も第1ヨコ糸50と同様に、その輪53bの
基端が押さえ糸52の一方の輪53cによって、囲まれ
て織られるとともに、輪53bの側部が押さえ糸52の
他方の輪53dの先端によって巻込まれている。
【0064】図8に示すように、第1ヨコ糸50及び第
2ヨコ糸51の押さえ糸52によって巻込まれない部
分、すなわち第1ヨコ糸50の輪53aの側部及び第2
ヨコ糸51の輪53bの先端は、摺接層34表面より浮
き上がり、シール材30の幅方向に層状の山54が形成
されるようになっている。このとき、第2ヨコ糸51の
輪53bの先端よりなる山54bは、第1ヨコ糸50の
山54aの隙間55を塞ぐようになっている。そして、
現像ローラ21の軸線方向すなわち、図7に矢印で示し
た方向から漏出しようとするトナー16は、第1ヨコ糸
50及び第2ヨコ糸51の山54により、両ヨコ糸5
0,51の山54によって形成される隙間55内に捕集
されるようになっている。
【0065】さらに、この波形の山54と谷56の位置
は、異なる層について互い違いとなるようにそれぞれず
らされて形成されている。このとき、谷56からのトナ
ー16の移動は、異なる層の山54によって遮られるよ
うに構成されている。
【0066】さて、この第2実施形態におけるシール材
30は、摺接層34が多重組織の編物によって形成され
ていることから、3本の糸50〜52を織りなすだけで
多重組織が形成される。すなわち、第1実施形態のよう
に、複数種の組織を重ね合わせることなく、多重の組織
が形成される。従って、簡易な構成でシール材30の表
面に容易に波形状が形成される。また、長尺な繊維を絡
み合わせながら織りなすことによって摺接層34が形成
されることから、糸のほつれが防止される。
【0067】前記第2実施形態によって発揮される効果
について、以下に記載する。 ・ 第2実施形態のシール材30によれば、摺接層34
は、多重の編物組織により形成されている。このため、
第1実施形態と比較し、簡易な構成でシール材30の表
面に容易に波形状を形成することができる。
【0068】・ 第2実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34は、多重の編物組織であるミラノリブ編
により形成されている。このため、摺接層34表面に波
形状を有するシール材30をより容易に形成することが
できる。
【0069】・ 第2実施形態のシール材30によれ
ば、摺接層34は、長尺な繊維による編物により形成さ
れていることから、各糸50〜52同士が絡み合うこと
によって、糸のほつれをより確実に防止することができ
る。
【0070】(第3実施形態)以下、この発明の第3実
施形態を、図9に基づいて詳細に説明する。なお、この
第3実施形態においては、前記第1実施形態と異なる点
を中心に説明する。
【0071】図9に示すように、第3実施形態のシール
材30は、第1実施形態において、摺接層34は、裏タ
テ糸37がヨコ糸38に対して1:1の割合で摺接層3
4の表面に突出するように織りなされた多重組織の織物
となっている。
【0072】さて、この第3実施形態におけるシール材
30は、裏タテ糸37がヨコ糸38に対して1:1の割
合で摺接層34の表面に突出するように織りなされてい
ることから、第1実施形態と比較して、裏タテ糸37と
ヨコ糸38とがより強固に組み合わせされる。また、裏
タテ糸37の山の内部に捕集されるトナー16の量は減
少するが、裏タテ糸37が表タテ糸36の両側をさらに
強く押さえ、締め付けるため、表タテ糸36の浮き上が
りがより大きくされる。このため、表タテ糸36の摺動
層34表面に対する突出量(ボリューム)が増加し、表
タテ糸36は、トナー捕集効果、柔軟性及び復元性が向
上され、シール材30のシール性及び摺動性がより向上
される。
【0073】前記第3実施形態によって発揮される効果
について、以下に記載する。 ・ 第3実施形態のシール材30によれば、裏タテ糸3
7がヨコ糸38に対して1:1の割合で摺接層34の表
面に突出するように織りなされていることから、裏タテ
糸37とヨコ糸38とがより強固に組み合わせされ、糸
のほつれをより効果的に防止することができる。
【0074】・ 第3実施形態のシール材30によれ
ば、裏タテ糸37によって表タテ糸36の両側がさらに
強く締め付けられることから、表タテ糸36の浮き上が
りが大きくされ、表タテ糸36のボリュームが増加し、
シール材30のシール性及び摺動性をより向上させるこ
とができる。
【0075】(第4実施形態)以下、この発明の第4実
施形態を、図10に基づいて詳細に説明する。なお、こ
の第4実施形態においては、前記第2実施形態と異なる
点を中心に説明する。
【0076】図10に示すように、第4実施形態のシー
ル材30は、第2実施形態において、摺接層34は、ダ
ブルピケ編により形成されている。さて、第4実施形態
のシール材30によれば、第2実施形態と比較して、波
形状の山54と谷56の位置が異なる層毎により確実に
ずらされている。
【0077】そして、第4実施形態のシール材30によ
れば、第2実施形態と比較して、より簡易な構成で波形
の山54と谷56の位置を異なる層毎にずらしたシール
材30を提供することができる。
【0078】なお、前記実施形態を、次のように変更し
て具体化することも可能である。 ・ 第1〜第4実施形態において、裏タテ糸37又は第
2ヨコ糸51に混合されたトナー16に対して捕集性の
良い繊維を省略して構成すること。
【0079】このように構成した場合、所望のシール効
果が得られるとともに、製造コストが安価なシール材3
0を提供することができる。 ・ 第1〜第4実施形態において、裏タテ糸37又は第
2ヨコ糸51に混合される捕集性の良い繊維に代えて、
他の構成の捕集性の良い繊維を混合すること。例えば、
捕集性の良い繊維を、合成樹脂製の繊維に炭素が配合さ
れることによって導電性を有する繊維とすること。ある
いは、合成樹脂製の繊維の表面を毛羽立たせる、又は繊
維に捲縮加工をする等して捕集性の良い繊維とするこ
と。
【0080】このように構成した場合においても、シー
ル材30は、より良好な捕集性能を示すことができる。 ・ 第1〜第4実施形態において、ヨコ糸38又は押さ
え糸52に交撚された熱接着性溶融糸を省略して構成す
ること。
【0081】このように構成しても、コーティング層3
3によって糸のほつれが防止されるとともに、製造コス
トを低減することができる。 ・ 第1〜第4実施形態において、フィラメント糸によ
り形成された表タテ糸36又は第1ヨコ糸50をスパン
糸によって形成すること。
【0082】このように構成しても、本質的に本実施形
態と同様のシール効果を得ることができるとともに、摺
接層34の裏面において、他の糸とより良好に接着する
ことができる。
【0083】・ 第1〜第4実施形態において、スパン
糸により形成された裏タテ糸37又はヨコ糸38と第2
ヨコ糸51又は押さえ糸52をフィラメント糸によって
形成すること。
【0084】このように構成しても、本質的に本実施形
態と同様の捕集効果及び糸のほつれを防止する効果を得
ることができるとともに、摺接層34の厚みを薄くする
ことができる。
【0085】・ 第1〜第4実施形態において、PET
製の繊維により形成された裏タテ糸37又はヨコ糸38
と第2ヨコ糸51又は押さえ糸52をレーヨン等の他の
材料よりなる繊維によって形成すること。
【0086】このように構成しても、本質的に本実施形
態と同様の効果を得ることができるとともに、使用者の
所望に合わせて製造コストを低減することができる。 ・ 第1〜第4実施形態において、PTFE製の繊維に
より形成された表タテ糸36又は第1ヨコ糸50をレー
ヨン等の他の材料よりなる繊維によって形成すること。
【0087】このように構成しても、本質的に本実施形
態と同様の効果を得ることができるとともに、製造コス
トを低減することができる。 ・ 第1〜第4実施形態において、表タテ糸36又は第
1ヨコ糸50を形成する繊維に、トナー16に対して捕
集性の良い繊維を混入すること。
【0088】このように構成した場合、トナー16の捕
集機能をさらに効果的に向上させることができる。 ・ 第1〜第4実施形態において、コーティング層33
を省略してシール材30を構成すること。
【0089】このように構成した場合、ヨコ糸38又は
押さえ糸52によって糸のほつれが防止されるととも
に、製造コストを低減することができる。 ・ 第1及び第3実施形態において、他の手法によって
多重の織物組織である摺接層34を形成すること。例え
ば、表タテ糸36を朱子織りで形成するとともに、裏タ
テ糸37を平織りで形成すること。
【0090】このように構成した場合、使用者の所望に
合わせて摺動性や製造コストを変化させたシール材30
を提供することができる。 ・ 第1及び第3実施形態において、裏タテ糸37を省
略して摺接層34を形成すること。
【0091】このように構成した場合、粉粒体の捕集性
能は若干低下するが、所要のシール効果は得られるとと
もに、製造コストを低減することができる。 ・ 第2及び第4実施形態において、他の手法によって
多重の編物組織である摺接層34を形成すること。例え
ば、両面編で摺接層34を形成すること。
【0092】このように構成した場合、使用者の所望に
合わせて摺動性、繊維密度あるいは製造コストを変化さ
せたシール材30を提供することができる。 ・ 第2及び第4実施形態において、押さえ糸52を省
略するとともに、第1ヨコ糸50又は第2ヨコ糸51の
うちいずれか一本のみで摺接層34を形成すること。
【0093】このように構成しても、編物よりなる摺接
層34が形成されるとともに、製造コストを低減するこ
とができる。さらに、前記実施形態より把握できる技術
的思想について以下に記載する。 (1) 前記コーティング層の裏面に、柔軟性及び弾力
性を有する支持層を備えた請求項5に記載の粉粒体の漏
れ防止用のシール材。
【0094】このように構成することにより、多重の織
物組織をより効果的に現像ローラに摺接させることがで
きる。 (2) 前記裏タテ糸を粉粒体に対し捕集性の良い繊維
により構成した請求項2又は請求項3に記載の粉粒体の
漏れ防止用のシール材。
【0095】このように構成することによって、粉粒体
が現像ローラに付着することをより良好に防止すること
ができるとともに、粉粒体に対する捕集性をさらに向上
させることができる。 (3) 前記捕集性の良い繊維は、繊維に導電性粉末を
配合することにより導電性にしたものである(2)に記
載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
【0096】このように構成することによって、粉粒体
に対する捕集性をより確実に向上させることができる。 (4) 前記ヨコ糸は、熱可塑性樹脂よりなる熱接着性
溶融糸を交撚したものである請求項2〜請求項5のいず
れかに記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
【0097】このように構成することにより、糸のほつ
れをより効果的に防止することができる。
【0098】
【発明の効果】以上詳述したように、この発明によれ
ば、次のような効果を奏する。請求項1に記載の発明の
粉粒体の漏れ防止用のシール材によれば、シール材は、
糸を織りなすことによって形成されることから、毛羽の
抜け落ちを確実に防止することができる。また、糸が浮
き上がるように波形状に形成されることから、トナー1
6等の粉粒体に対する良好な捕集性を示すことができ
る。さらに、波形の山と谷の位置は、異なる層毎にそれ
ぞれずらされて構成されていることから、粉粒体の漏れ
を確実に防止することができる。請求項2に記載の発明
の粉粒体の漏れ防止用のシール材によれば、請求項1に
記載の発明の効果に加えて、シール材は、多重織り組織
で構成されていることから、シール材の表面に容易に波
形状を形成することができる。
【0099】請求項3に記載の発明の粉粒体の漏れ防止
用のシール材によれば、請求項2に記載の発明の効果に
加えて、表タテ糸の太さが400〜20000デニー
ル、裏タテ糸の太さが5〜1000デニールに設定され
ている。このように、表タテ糸の太さを裏タテ糸の太さ
より太く設定したことにより、シール材の表面に確実に
波形状を形成することができ、シール材内部に粉粒体を
良好に保持することができる。
【0100】請求項4に記載の発明の粉粒体の漏れ防止
用のシール材によれば、請求項2又は請求項3に記載の
発明の効果に加えて、表タテ糸の動摩擦係数を1以下に
設定したことにより、シール材に良好な摺動性を付与す
ることができる。
【0101】請求項5に記載の発明の粉粒体の漏れ防止
用のシール材によれば、請求項2〜請求項4のいずれか
に記載の発明の効果に加えて、多重織り組織の裏面にコ
ーティング層を形成したことにより、糸がほつれること
を防止することができる。
【0102】請求項6に記載の発明の粉粒体の漏れ防止
用のシール材によれば、請求項1に記載の発明の効果に
加えて、シール材は、多重組織の編物より構成されてい
る。このことから、簡易な構成でシール材の表面に容易
に波形状を形成することができ、シール材内部に粉粒体
を確実に保持することができる。
【0103】請求項7に記載の発明の粉粒体の漏れ防止
用のシール材によれば、請求項6に記載の発明の効果に
加えて、多重組織の編物は、両面編、裏毛編又はダブル
組織編により形成されることから、表面に波形状を有す
るシール材をより容易に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のシール材を示す斜視図。
【図2】 図1の2−2線における断面図。
【図3】 (a)は、第1実施形態のシール材を示す平
面図、(b)は、第1実施形態のシール材の織物を示す
組織図。
【図4】 カラーレーザープリンターの概略を示す要部
破断側面図。
【図5】 シール材がトナーを捕集した状態を示す部分
断面図。
【図6】 現像ローラにトナーを供給する状態を示す部
分破断側面図。
【図7】 第2実施形態のシール材を示す斜視図。
【図8】 図7の8−8線における断面図。
【図9】 第3実施形態のシール材の織物を示す組織
図。
【図10】 第4実施形態のシール材を示す平面図。
【符号の説明】
16…粉粒体としてのトナー、30…シール材、33…
コーティング層、36…表タテ糸、37…裏タテ糸、3
8…ヨコ糸、39…山、40…谷、50…糸としての第
1ヨコ糸、51…糸としての第2ヨコ糸、52…糸とし
ての押さえ糸、54…山、56…谷。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒体の移動する部分に配置され、粉粒
    体の移動を遮るように機能する粉粒体の漏れ防止用のシ
    ール材であって、 糸を粉粒体の移動する方向と交差する方向に延ばし、か
    つ粉粒体の移動する方向に層を形成するように織りなす
    とともに、糸を浮き上がるように波形状に形成し、その
    波形の山と谷の位置を異なる層についてそれぞれずらし
    て、粉粒体の移動を遮るように構成した粉粒体の漏れ防
    止用のシール材。
  2. 【請求項2】 前記糸は、粉粒体の移動する方向と交差
    する方向に延びる表タテ糸と裏タテ糸及び粉粒体の移動
    する方向に延びるヨコ糸よりなる多重の織物組織を構成
    するとともに、表タテ糸を波形状に形成した請求項1に
    記載の粉粒体の漏れ防止用のシール材。
  3. 【請求項3】 前記表タテ糸の太さを400〜2000
    0デニール相当、裏タテ糸の太さを5〜1000デニー
    ル相当に設定した請求項2に記載の粉粒体の漏れ防止用
    のシール材。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも表タテ糸の動摩擦係数を
    1以下に設定した請求項2又は請求項3に記載の粉粒体
    の漏れ防止用のシール材。
  5. 【請求項5】 前記多重の織物組織の裏面にコーティン
    グ層を形成した請求項2〜請求項4のいずれかに記載の
    粉粒体の漏れ防止用のシール材。
  6. 【請求項6】 前記糸は、多重の編物組織を構成するも
    のである請求項1に記載の粉粒体の漏れ防止用のシール
    材。
  7. 【請求項7】 前記多重の編物組織を、両面編、裏毛編
    又はダブル組織編により形成する請求項6に記載の粉粒
    体の漏れ防止用のシール材。
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