JP5636044B2 - 織物からなるシール部材 - Google Patents

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Description

本発明は、粉体を利用する装置、例えば、複写機や、プリンターなどの電子写真画像形性装置の回転体である粉体担持体の端部からトナーなどの粉体が外部に漏れださないようにするために使用するシール部材に関する。
従来のシール部材としては、発泡体からなるシール部材、不織布からなるシール部材、植毛からなるシール部材、パイル織物からなるシール部材、その他の織物からなるシール部材、編物からなるシール部材などがある。これらのシール部材は、回転体である粉体担持体の表面が一部露出している粉体担持体における端部シール材として、多く使用されている。
回転体の端部シール材の構造として、シートの上に他の傾斜したシートを貼り付けて段差を形成し、この段差を利用して粉体のガイドとし、粉体の漏れを規制している構造が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、溝が設けられたら構造のシール部材(例えば、特許文献2参照。)も開示されている。さらに、端部シート材の上にガイドとなる段差が印刷により施されたシール構造も開示されている(例えば特許文献3参照。)。
織物であるパイル織のシール材が開示されており(例えば、特許文献4または特許文献5参照。)、また、さらに編物によるシール材が開示されている(例えば、特許文献6参照。)。
さらにパイル織で織られていないが織物であるシール部材が開示されている(例えば、特許文献7または特許文献7参照。)。
しかし、上記した従来技術において、現像剤もしくはトナーなどの粉体の洩れ防止として、流れを規制し、洩れ防止を行っている技術では、シート上にガイドとなるシートを貼り付けており、このため製造工数を多く必要とすることと、貼り付けたガイドの剥がれが懸念される。また、ゴムに溝を設けたシール材においては、その製造に金型を必要とし、初期のコストが上るため、製品コストが上がると同時に、ゴムのシール部材に摺動性を有するコーティングを施すかもしくは摺動性の良い材料を用いる必要があり、コスト的には満足するものとは言えない。
さらに、近年、トナーである粉体の小粒径化に伴い、パイルを用いたシール部材が多く見られている。ところで、このパイルを用いたシール部材は、静電植毛方法、パイル織り方法、縦編方法あるいはプレーティングパイル編方法などにより製造することが出来る。しかし、静電植毛方法は、毛抜けの防止や密度の安定化が難しく、安定化のためにパイルの密度を上げる必要がある。この結果、パイル長が1mm前後と短くなり、逆に現像ローラへの当接荷重が増大する結果、柔らかいゴムローラからなる現像ローラを用いる場合、現像ローラを磨耗させ、さらに摺り付けによるパイルの抜けの問題が生じる。
さらに、パイル織り方法では織物または編物から構成したシール部材では、パイルのカット工程、粉体の流れを規制するための斜毛工程などの多く工程が必要であり、製造上のコストが高く、さらには製造過程で所望の形状に裁断する時に発生する毛羽や、裁断時に飛散するパイルがあり、このために製造面での工夫が必要となっている。加えてパイルを構成するために多くの糸を必要としている。
一方、カットパイルを有さない織物では、糸を浮き上がらせるように波状にし、山と谷の位置を異なるように配置したものが特許文献5に開示されている。しかし、この波状に構成した織物は織物としては不安定な構成で、シール部材としては満足するものではない。さらに現像担持体の移動方向に対して所定の角度をなすように傾斜状に並ぶパイルが特許文献7にあるいは特許文献8に開示されている。また、これらの特許文献7あるいは特許文献8に開示のものは、重なり部分の段差を規則的に配置し、しかも、上記の様に傾斜状にしている。しかし、これらは重なり部分に依存するところが大きく、粉体の流れを規制するためには十分な構成となっていない。このためにシール部材の表面の部分にグリス状としたフッ素系潤滑剤を塗布することでシール性を向上させているが、シール部材としては必ずしも十分とは言えないものである。
特開平2−210476号公報 特開平9−274380号公報 特開2000−170919号公報 特開平11−143326号公報 特開平11−194612号公報 登録実用新案第3065136号公報 特開2003−107902号公報 特開2007−179080号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来の上記したシール部材の問題点や不十分な点を解消し、少ない糸量の部材で、低荷重でも粉体の流出を防止でき、従来のシール部材のようにシール部材の高さを揃えたり斜毛にする必要がなく、またシール部材の表面に生じている毛羽を除去する必要もなく、耐磨耗性に優れ、かつシール部材を配設した部分から剥がれる恐れのないシール部材、特に電子写真装置の回転体からのトナーの漏洩を防止するシール部材を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明の手段は、請求項1の手段では、粉体の漏れ防止用のシール部材において、少なくとも3種類以上の織糸を用いて織られた経糸および緯糸からなる織物のシール部材であり、少なくとも2種類以上の異なる糸径の経糸もしくは密度の異なる経糸の織り組織からなっている。これらの経糸の糸径の差もしくは経糸の織り組織の密度の差によって段差を有し、段差の厚みの厚い箇所の経糸が隣接または近接し、かつ、段差の厚みの薄い箇所の密度の低い経糸が密度の低い緯糸とで交互に平織を形成して縦縞状のストライプの織り組織に織られた織物からなることを特徴とする織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
請求項2の手段では、段差を有し、段差の厚みの厚い箇所の経糸が隣接または近接し、かつ、段差の厚みの薄い箇所の密度の低い経糸が密度の低い緯糸とで交互に平織を形成して縦縞状のストライプの織り組織に織られた織物は、厚みの厚い箇所と薄い箇所の段差から縦縞状のストライプの織り組織を形成している。この段差の厚みの厚い箇所では、複数の長繊維を紡いで形成した紡糸または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸の織糸からなる経糸の3本以上を緯糸方向に厚みの薄い箇所よりも隣接もしくは近接して連続的に配置した経糸の密度を高い密度とすることにより、経糸の断面の偏平もしくは経糸を形成する繊維の広がりを抑制し、経糸の高さ方向への変形が小さくなるように形成する。一方、この段差の厚みの薄い箇所では、紡糸または紡績糸の織糸からなる経糸を断面の偏平もしくは経糸を形成する繊維の広がりを抑制することが困難な2本以下の経糸として、経糸の密度を低い密度とすることにより、その密度により、厚みの厚い箇所よりも経糸の幅の広がる方向へ偏平もしくは経糸を形成する繊維の広がりを大きくなるように助長して厚み方向への高さが低くなるように形成する。これらの2種類の異なる経糸の密度の部分を交互に配置することで、厚み方向の偏平の差である偏平度合いもしくは経糸を形成する繊維の広がり度合いにより厚み方向の高さの差から、段差を有する縦縞状のストライプの織り組織としたことを特徴とする請求項1の手段の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
請求項3の手段では、複数の長繊維を紡いで形成した紡糸または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸の織糸からなる3本以上の経糸は、段差を有する縦縞状のストライプの織り組織を形成する厚みの厚い箇所の経糸の糸径を厚みの薄い箇所の経糸の糸径よりも大きい紡糸または紡績糸の織糸から形成している。さらに、この糸径の大きい紡糸または紡績糸の織糸からなる3本以上の経糸は、隣接もしくは近接配置されている縦縞状のストライプの織り組織を2本以下の経糸からなる糸径の小さい織糸からなる織り組織よりも、曲がり難く形成していることを特徴とする請求項2の手段の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
請求項4の手段では、段差を有する縦縞状のストライプの織り組織は、その織り組織からなる織物を用いて縦縞状のストライプの方向をシール部材として回転体に適用する場合に、適用する回転体の回転方向に対して所定の規制角度に傾斜して裁断もしくは打ち抜きによりシール部材に形成されている。そして、このシール部材を回転体である粉体担持体の端部に当接することで回転体である粉体担持体とシール部材の当接部との間から粉体の外部への漏れ出しを防止していることを特徴とする請求項3の手段の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
請求項5の手段では、適用する回転体の回転方向に対して所定の規制角度に傾斜して形成されているシール部材は、裏面にクッション性を有する弾性体もしくは発泡体を配設して所定荷重で粉体の漏れ出しを防止していることを特徴とする請求項4の手段の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
請求項6の手段では、織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材は、そのシール部材を形成する長繊維であるモノフィラメント、複数の長繊維を紡いで形成した紡糸、または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸のいずれかからなる織糸の表面に、固形物からなる固形石鹸または金属石鹸である脂肪酸塩もしくはパラフィンまたはロウである高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルからなるワックスを、摺り付けにより皮膜状に形成して有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項の手段の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
請求項7の手段では、織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材は、電子写真装置の回転体である粉体担持体のシール部材とされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項の手段の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材である。
本発明の手段のシール部材は、段差を付けた構造の織物である平織から成るので、少ない糸量で高いシール機能の発揮できる省資源の構造であり、高さを揃えるシャーリング工程や斜毛工程が無く少ない工程数からなり、使用中に毛羽が生じることも無く、また毛抜けする不安も無く、安定した使用でき、さらに耐磨耗性にも優れ、しかも剥がれる心配もないなど、極めて高品質なシール部材である。
本発明のシール部材の織物の織り組織を示す模式的平面図である。 図1の織り組織の平面図を段差の厚い箇所から緯糸方向に見た側面図である。 本発明のシール部材の織物の他の織り組織を示す模式的平面図である。 図3の織り組織の平面図を左側の経糸方向から見た側面図である。 密度の高い織り組織の経糸と密度の低い織り組織の経糸および緯糸が共にモノフィラメントである織り組織において、両経糸を断面にて示す模式的側面図である。 密度の高い織り組織の経糸と密度の低い織り組織の経糸がいずれも複数の繊維からなるマルチフィラメントであり、緯糸がモノフィラメントである織り組織において、両経糸を断面にて示す模式的側面図である。 本発明のシール部材の平織の織物の模式平面図である。 本発明のシール部材のストライプのピッチPと段差の厚みの厚い所の幅Wを示す平面図である。 振動試験機の模式的側面図である。 ストライプの規制角度の異なる3種のシール部材を示す模式的平面図である。 電子写真装置の現像機の模式的側面図である。 シール部材を取り付けた現像ローラの端部の模式的正面図である。 電子写真装置の現像機の現像ローラとシール部材の取り付け状況を分解して示す模式的側面図である。 左側にシール部材の正面図を、右側にその側面図を示す。 トナー規制ブレードを現像ローラの端部への取り付け状況を示す端部の模式的正面図である。 中央はシール部材を織物から規制角度10°として打ち抜きにより形成する取り代を示す平面図で、左側はその左側から見た側面図で、右側は規制角度10°としたシール部材の平面図である。 中央はシール部材を織物から規制角度45°として打ち抜きにより形成する取り代を示す平面図で、左側はその左側から見た側面図で、右側は規制角度45°としたシール部材の平面図である。 端部シール材を感光体ドラムなどの被クリーニング部材に当接配置した状況を示す側面図である。 ブレード支持部材の下部に端部シール材および端部シール材の背面のクリーニングブレードを配設した状況を感光体ドラムを省略してその端部側を示す模式的正面図である。
本発明のシール部材(1)の実施の形態を表および図面を参照して以下に説明する。
先ず、本発明の請求項1の実施の形態について説明する。粉体(6)が回転体(7)あるいは軸部(9)から外部へ漏れだすことを防止する作用をする織物から形成したシール部材(1)である。このシール部材は少なくとも3種類以上の織糸から構成され、密度の高い織り組織の経糸(3a)と密度の低い織り組織の経糸(3b)およびそれらと交差する緯糸(3c)から織った平織(2a)の織物から形成している。このシール部材(1)を形成する織物の織糸である密度の高い織り組織の経糸(3a)と密度の低い織り組織の経糸(3b)は少なくとも2種類以上の異なる糸径(3g)もしくは密度からなっている。これらの密度の高い織り組織の経糸(3a)の糸径(3g)と密度の低い織り組織の経糸(3b)の糸径(3g)の差もしくは密度の差によって、織物の織り組織(2b)は段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)に織られている。この平織(2a)のストライプ(4)の部分を構成する織り組織(2b)の状態を、図1に模式的に拡大して示す。
この図1に示すストライプ(4)の平織(2a)の織り組織(2b)は、段差(5)の厚みの厚い箇所(5a)つまり密度の高い織り組織の経糸(3a)の箇所では、6本の経糸(3a)と2本の緯糸(3c)から形成されており、この6本の経糸(3a)のうち4本、3本、2本の3種が横方向へ交互に移動して表側に現れ、これに伴い緯糸(3c)が2本ずつ隣接して経糸(3a)の間に縦方向へ移動して表側に現れて平織(2a)を形成している。一方、段差(5)の厚みの薄い箇所(5b)つまり密度の低い織り組織の経糸(3b)の箇所では、1本ずつの経糸(3b)が2本ずつ隣接している緯糸(3c)とそれぞれ交互に表側に現れて平織(2a)を形成している。さらに、この様にして形成された段差(5)の厚みの厚い箇所(5a)と段差(5)の厚みの薄い箇所(5b)とが交互に形成されて、図7に示す、縦縞状のストライプ(4)を形成して、シール部材(1)を形成する平織(2a)からなる織物を形成している。ここで、図1は、本発明のシール部材(1)を形成する平織(2a)の平面図を示し、図2は図1の左側の側部から見た側面図を示している。
次いで、本発明の請求項2の実施の形態について説明する。この実施の形態の織物からなる粉体(6)の漏れ防止用のシール部材(1)を形成する平織(2a)からなる織物は段差(5)からなるストライプ(4)を有するが、この段差(5)の厚みの厚い箇所(5a)では、図3に示すように、複数の長繊維を紡いで形成した紡糸(3e)または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸(3f)からなる織糸から形成した密度の高い織り組織の経糸(3a)を3本以上で、すなわちこの例では、左側に示す表側の4本とその両側の裏側の1本ずつの計6本で、連続的に隣接して、2本の緯糸(3c)に交差して配置し密な平織(2a)の部分としている。一方、段差(5)の厚みの薄い箇所(5b)では、図4に示すように、複数の繊維を紡いで形成した紡糸(3e)または紡績糸(3f)のから形成した密度の低い織り組織の経糸(3b)を2本以下、この例では1本とし、かつ隣同士の間を空けて疎に織って緯糸(3c)に交差して、図3に示す、平織(2a)の織り組織(2b)としている。なお、図5に示すように、段差(5)の厚みの厚い箇所(5a)の経糸(3a)の糸径(3g)であるD1と段差の厚みの薄い箇所(5b)の糸径(3g)であるD2は非張力時には同一の径で、D1=D2である。ところで、この平織(2a)から形成したシール部材(1)が使用時に圧力を受けると、シール部材(1)の表側では、図6に示すように、厚みの厚い箇所(5a)で、緯糸(3c)の張力を受けて経糸(3a)の断面が表側で少し偏平に変形する。この場合、隣接する経糸(3a)同士が干渉し合うので大きく偏平に変形することが抑制されて、厚みがt2である厚い箇所(5a)の織り組織(2b)により高い密度になっている。さらに、図6に示すように、経糸(3a)および経糸(3b)が共にマルチフィラメントからなるものでは、厚みがt1である厚みの薄い箇所(5b)の織り組織(2b)となっているところでは、緯糸(3c)の張力を受けて、経糸(3b)の断面が表側で上記の厚みの厚い箇所(5a)よりも一層に偏平に変形する。すなわち、厚みの薄い箇所(5b)の織り組織(2b)では、隣接して経糸(3b)が存在しないので、経糸(3b)は互いに干渉することが無く、織り組織(2b)は厚みの厚い箇所(5a)よりも経糸(3b)の幅が広がる方向へより偏平に変形し、その厚み方向の高さがより低くなって厚みの薄い織り組織(2b)として低い密度に形成されている。一方、シール部材(1)の裏側では、厚みの厚い箇所(5a)も薄い箇所(5b)も隣接して経糸(3a)あるいは経糸(3b)が存在しないので互いに干渉することが無く、従って緯糸(3c)の張力を受け、共に表側より薄く偏平に変形している。このように厚みの厚い箇所(5a)と薄い箇所(5b)からなる2種類の織り組織(2b)を交互に配置することで、厚み方向の変形の差による高さの差から段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の織り組織(2b)を形成している。
次いで、密度の高い織り組織の経糸(3a)の径のD1と密度の低い織り組織の経糸(3b)の径のD2とが同径すなわちD1=D2で共にモノフィラメント(3d)からなる織糸と、緯糸(3c)の径がD3でモノフィラメント(3d)からなる織糸とを用意し、これらの密度の高い織り組織の経糸(3a)と密度の低い織り組織の経糸(3b)および緯糸(3c)とでシール部材(1)を形成するための平織(2a)の織物を形成した。この場合、図5に見られるように、密度の低い織り組織の経糸(3b)の平織(2a)の部分の厚みt1も密度の高い織り組織の経糸(3a)の平織(2a)の部分の厚みt2も共に同一の厚みで、t1=t2である。
さらに本発明の請求項3の実施の形態について説明する。この実施の形態では、上記の請求項2の実施の形態の織物からなる粉体(6)の漏れ防止用のシール部材(1)用の平織(2a)からなる織物の、段差(5)の厚みの厚い箇所(5a)の高さ方向の糸径(3g)であるD1が厚みの薄い箇所(5b)の高さ方向の糸径(3g)であるD2と同一(すなわち高さ方向の径D1=高さ方向の径D2)であるものと異なり、段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の織り組織(2b)を形成する厚みの厚い箇所の経糸(3a)の糸径(3g)であるD1は厚みの薄い箇所の経糸(3a)である糸径(3g)のD2よりも高さ方向の変形が小さく、従って高さ方向の糸径(3g)は大きく、すなわち、高さ方向の径D1>高さ方向のD2である複数の長繊維からなる紡糸(3e)または複数の短繊維からなる紡績糸(3f)の織糸から形成されている。さらに、この高さ方向の糸径(3g)の大きい紡糸(3e)または紡績糸(3f)の織糸からなる段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の織り組織(2b)において、厚みの厚い箇所(5a)を形成する高さ方向の糸径(3g)であるD2の大きな経糸(3a)は3本以上からなって隣接もしくは近接して配置されており、このものは、縦縞状のストライプ(4)の織り組織(2b)の厚みの薄い箇所(5b)を形成する高さ方向の糸径(3g)であるD1の小さな2本以下からなる織り組織(2b)の経糸(3b)よりも、曲がり難く形成されている。
さらに、本発明の請求項4の実施の形態について説明する。この実施の形態では、上記の請求項3の実施の形態の織物からなる粉体(6)の漏れ防止用のシール部材(1)において、シール部材(1)を回転体(7)に適用する場合に、図7に示すシール部材(1)となる平織(2a)の織物を、適用する回転体(7)(現像ローラ(13a))の回転方向(7a)に対して図16の中央あるいは図17の中央に示す所定の規制角度(10)になるように、段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の織り組織(2b)の縦縞状のストライプ(4)の方向を傾斜し、図16の中央あるいは図17の中央の図の実線に示すように打ち抜きもしくは裁断により切り出してシール部材(1)に形成するものとしている。そこで、この平織(2a)の織物から切り出したシール部材(1)を回転体(7)である粉体担持体(8)の端部(8a)に当接して端部シール材(14)とすることで、粉体(6)が回転体(7)である粉体担持体(8)と端部シール材(14)であるシール部材(1)との当接部分から外部へ漏れ出すことを防止している。図16の中央のものはストライプ(4)を10°の規制角度(10)とし、図17の中央のものはストライプ(4)を45°の規制角度(10)として、それぞれ打ち抜く部分を示している。さらに、図16の右側はストライプ(4)を10°の規制角度(10)で打ち抜いて形成したシール部材(1)の平面図を示し、図17の右側はストライプ(4)を45°の規制角度(10)で打ち抜いて形成したシール部材(1)の平面図を示している。これらのシール部材(1)の裏面には弾性体(11a)を有し、図16の左側の断面図は弾性体(11a)の裏面に接着用の両面テープ(12)を有する例を示し、図17の左側の断面図は弾性体(11a)の裏面に接着用の両面テープ(12)を有しない例を示している。なお、図16の左側に示す図および図17の左側に示す図において、ストライプ(4)の厚みの厚い箇所(5a)と厚みの薄い箇所(5b)の高さの差は段差(5)である。
さらに、本発明の請求項5の実施の形態について説明する。この実施の形態では、上記の請求項4の実施の形態の織物からなる粉体(6)の漏れ防止用のシール部材(1)において、適用する回転体(7)の回転方向(7a)に対して所定の規制角度(10)に傾斜して形成されているシール部材(1)は、図14の右側に示すように、シール部材(1)の裏面にクッション性を有する弾性体(11a)または発泡体(11b)を配設し、この弾性体(11a)または発泡体(11b)に両面テープ(12)を貼着している。このシール部材(1)の両面テープ(12)を回転体(7)の支持部材(7b)に貼着して回転体(7)を支持して所定荷重で受け、粉体の漏れの防止を図っている。なお、この図13は電子写真装置(13)の現像剤担持体である回転体(7)すなわち現像ローラ(13a)の端部を分解して示し、特に現像ローラ(13a)の端部を支持する支持部材(7b)に貼付した端部シール材(14)について示しており、図14の左側はストライプ(4)を有する端部シール材(14)を示し、図14の右側は左側の図の側面図であり、図15は回転体(7)すなわち現像ローラ(13a)の軸部(9)側の端部に適用した端部シール材(14)を配設した図である。
さらに、本発明の請求項6の実施の形態について説明する。上記の請求項1〜5のいずれか1項の実施の形態における、織物から形成した粉体(6)の漏れ防止用のシール部材(1)は、シール部材(1)の表面に固形物である固形石鹸または金属石鹸からなる脂肪酸塩もしくはパラフィンまたはロウである高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルからなるワックスを摺り付けにより皮膜状に形成して有するものである。このシール部材(1)は、固形石鹸または金属石鹸あるいはワックスを表面に有するので、潤滑性が極めて良好である。従って、使用中にシール部材(1)の表面で毛羽や毛抜けが生じること無く、耐磨耗性に優れたものとなり、剥がれを生じることも無くなる。このために長期間にわたって回転体(7)である粉体担持体(8)から粉体(6)の漏れ出しが防止できる。
さらに、本発明の請求項7の実施の形態について説明する。以上に説明した請求項1〜6のいずれか1項の実施の形態の織物からなる粉体(6)の漏れ防止用のシール部材(1)は、電子写真装置(13)の現像機の現像剤担持ローラ(13b)である現像ローラ(13a)からトナー(6a)である粉体(6)が外部へ漏れ出すことを防止する端部シール材(14)として適用されている。そして、図18は像担持体である感光ドラム(13c)からなる被クリーニング部材にブラケットであるブレード支持部材(15c)に取り付けたクリーニングブレード(15b)の下部の端部に当接せしめて設けた端部シール材(14)の側面図を示しており、図19は図18の正面図から感光ドラム(13c)を除いて示したブラケットであるブレード支持部材(15c)とその下部に取り付けたクリーニングブレード(15b)とその背面の端部に設けた端部シール材(14)を示している。
本発明におけるシール部材(1)の実施例について、さらに説明すると、図1および表1に示すように、ニードル織機にて経糸(3a)の組合せ糸数を変更して、サンプルA、サンプルB、サンプルCの3種の段差(5)の異なる縦縞状のストライプ(4)の平織(2a)の織物を製作した。次いで、これらの製作された織物の裏面にコーティング処理を行った。このコーティング処理については、縦縞状のストライプ(4)の織物からなるシール部材(1)の裏面に貼り合わせた弾性体(11a)あるいは発泡体(11b)の硬さに合わせて任意に行う。この実施例では、シール部材(1)の裏面にコーティング処理した織物に弾性体(11a)を貼り付け、さらに、この弾性体(11a)を貼付した織物のストライプ(4)を任意の規制角度(10)に傾斜して切断してシール部材(1)に製作した。これらの織物の構成は、表1に示すとおりで、経糸(3a)、経糸(3b)および緯糸(3c)は共にナイロン(ポリアミド繊維の商標名)である。なお、経糸(3a)、経糸(3b)および緯糸(3c)はナイロンの以外の他の合成繊維や人造繊維あるいは天然繊維であってもよい。また、緯糸(3c)はいずれのサンプルもモノフィラメント(3d)の56テックスからなっている。
表1において、サンプルAでは、第1の経糸(3b)はISO規格の78テックスで17本のマルチフィラメントからなり、第2の経糸(3a)はISO規格の56テックスで17本のマルチフィラメントからなる。緯糸(3c)は56テックスのモノフィラメントからなる。従って、第1の経糸(3b)の方が第2の経糸(3a)よりも重く、糸径(3g)としては太くなっている。しかし、第2の経糸(3a)は6本連続に隣接して緯方向の緯糸(3c)と平織(2a)を形成して配置され、この部分の緯糸の密度としては最大に構成されており、織糸の偏平もしくは織糸を構成しているマルチフィラメントの広がりが抑制され、第2の経糸(3a)で織った厚みt2は0.22mmであり、第1の経糸(3b)で織った経糸(3b)の密度が低く、経糸(3b)が隣接もしくは近接する経糸がないため、緯糸(3c)の張力および経糸の張力により偏平もしくは織糸を構成しているマルチフィラメントの広がりが抑制されず、厚みt1は0.17mmであり、縦縞状のストライプ(4)の段差(5)はt2からt1を差し引いた0.05mmである。
表1のサンプルBでは、第1の経糸(3b)はISO規格の78テックスで17本のマルチフィラメントからなり、第2の経糸(3a)はISO規格の78テックスで24本のマルチフィラメントからなる。緯糸(3c)は56テックスのモノフィラメントからなる。従って、第1の経糸(3b)と第2の経糸(3a)は同じ重さで、さらにマルチフィラメントの数では第2の経糸(3a)が第1の経糸(3b)より多い。従って、第1の経糸(3b)の繊維密度は第2の経糸(3a)の繊維密度よりも小さく、第1の経糸(3b)の糸径が大きいので、第1の経糸(3b)で織った厚みt1は0.18mmであり、第2の経糸(3a)で織った厚みt2は0.26mmであり、縦縞状のストライプ(4)の段差(5)はt2からt1を差し引いた0.08mmであり、これはサンプルAよりも縦縞状のストライプ(4)の段差(5)が大きくなっている。
表1のサンプルCでは、第1の経糸(3b)はISO規格の78テックスで17本のマルチフィラメントからなり、第2の経糸(3a)はISO規格の122テックスで30本のマルチフィラメントからなる。緯糸(3c)は56テックスのモノフィラメントからなる。従って、第1の経糸(3b)は第2の経糸(3a)よりも軽い。マルチフィラメントの数では第2の経糸(3a)が第1の経糸(3b)より多い。従って、第2の経糸(3a)の繊維密度が第1の経糸(3b)よりもさらに小さく糸径が大きいので、第2の経糸(3a)で織った厚みt2は0.32mmであり、第1の経糸(3b)で織った厚みt1は0.17mmであり、縦縞状のストライプ(4)の段差(5)はt2からt1を差し引いた0.15mmであり、これはサンプルBよりもさらに大きく、サンプルCは縦縞状のストライプ(4)の段差(5)が最も大きくなっている。
Figure 0005636044
次に、上記のサンプルA、サンプルB、サンプルCと、さらに段差(5)が0.11mmのサンプルを加えて4種の段差(5)として、図9に示す振動試験機(19)によって、粉体容器(21)の縦カバー(22)の下端の端部シール(23)の当接シール荷重を3種に変えて、粉体容器(21)を加振機(20)により矢印で示す加振方向(25)に振動を加えてセンサー(24)で感知しながら、6μm径の粉体(6)である重合からなるトナー(6a)に振動の加速度を加え、振動の加速度40G未満で端部シール(23)の下端から外部へトナー(6a)が漏れたものは、表2、表3、表4において×で示し、40Gで漏れなかったものは○で示して、表2、表3、表4に示す漏れ試験を行った。このトナー(6a)の漏れ試験では、縦縞状のストライプ(4)からなるシール部材(1)の規制角度(10)を、図10に示す3種のシール部材(1)の角度である、0°、45°および90°とし、さらに、これらの3種の規制角度(10)のそれぞれに、端部シール(23)の当接シール荷重を3種に変えて漏れ試験を行った。なお、以下の表2、表3、表4において、○は振動の加速度40Gでトナーの漏れの生じなかったものを示し、×は振動の加速度40G未満でトナーの漏れの生じたものを示している。
先ず、振動試験機(19)の端部シール(23)の当接シール荷重を、20g/cm2、30g/cm2、100g/cm2の3種とし、縦縞状のストライプ(4)からなる端部シール(23)の規制角度(10)を、図10の左側に示すように、0°とし、さらに段差(5)が0.05mm、0.08mm、0.11mm、0.15mmである4種の端部シール(23)についての漏れ試験を行った。この結果を表2に示す。この表2に示すように、段差(5)が0.05mm、0.08mm、0.11mm、0.15mmである端部シール(23)では、3種の当接シール荷重の全てにおいて振動の加速度40Gでトナーの漏れはなく、このことを表2で○で示した。すなわち、規制角度が0°では、段差(5)が異なる4種の全ての端部シール(23)は、段差(5)の違いにかかわらず、振動の加速度40Gでトナーの漏れが生じなかった。従って、当接シール荷重が100g/cm2以下では、これらの規制角度(10)が0°である端部シール(23)は振動の加速度40Gでトナーの漏れ防止をする機能の有ることが確認された。
Figure 0005636044
次に、振動試験機(19)の端部シール(23)の当接シール荷重を、100g/cm2、200g/cm2、300g/cm2の3種とし、縦縞状のストライプ(4)からなる端部シール(23)の規制角度(10)を、図10の中央に示すように、45°とし、さらに段差(5)が0.05mm、0.08mm、0.11mm、0.15mmである4種の端部シール(23)についての漏れ試験を行った。この結果を表3に示す。この表3に示すように、段差(5)が0.05mm、0.08mm、0.11mmである端部シール(23)では、3種の当接シール荷重の全てにおいて振動の加速度40Gでトナーの漏れはなく、このことを表3で○で示した。ところで、段差(5)が0.15mmの場合は、当接シール荷重が100g/cm2および200g/cm2において、振動の加速度40G未満で漏れが生じ、シール機能は十分でなく、このことを表3で×で示した。一方、当接シール荷重が300g/cm2では、振動の加速度40Gでトナーの漏れは生じ、このことを表3で○で示した。これらの結果、端部シール(23)の規制角度(10)が45°では、当接シール荷重300g/cm2であれば、振動の加速度が40G未満でトナーの漏れはなく、段差(5)が0.05〜0.15mmで十分にトナーの漏れ防止をする機能の有することが確認された。
Figure 0005636044
さらに、振動試験機(19)の端部シール(23)の当接シール荷重を、20g/cm2、300g/cm2、550g/cm2の3種とし、縦縞状のストライプ(4)からなる端部シール(23)の規制角度(10)を、図10の右側に示すように、90°とし、その結果は表4に示した。表4の結果、段差(5)が0.05mmでは、いずれの当接シール荷重のものも、加速度40Gでトナーの漏れは無く、このことを表4で○で示した。しかし、段差(5)が0.08〜0.15mmでは、当接シール荷重300g/cm2では、いずれも振動の加速度40G未満でトナーの漏れが生じて×であり、シール機能は十分でない。これに対して、当接シール荷重550g/cm2では、段差(5)が0.08mmおよび0.11mmのものでは振動の加速度40G以上でトナーの漏れは無く、このことを表4で○で示した。一方、当接シール荷重550g/cm2であっても、段差(5)が0.15mmでは振動の加速度40G未満でトナーの漏れが生じ、このことを表4で×で示した。すなわち、端部シール(23)の規制角度(10)が90°では、当接シール荷重550g/cm2であれば、段差(5)が0.05〜0.11mmで振動の加速度が40Gでトナーの漏れは生じなかった。しかし、当接シール荷重550g/cm2であっても、段差が0.15mmであれば、振動の加速度が40G未満でトナーの漏れを生じた。以上の表2、表3および表4に示す試験の結果、シール部材(1)の規制角度(10)を設けなければ、段差の機能は発揮されず、十分に漏れ防止ができないことが確認された。
Figure 0005636044
次に、図15に示すように、電子写真装置(13)の粉体担持体(8)である回転体(7)からなる現像剤担持ローラ(13b)である現像ローラ(13a)の端部シール材(14)とする実機において、現像剤担持ローラ(13b)の表面速度を250mm/secとして、図14の左側の図に示す規制角度(10)を変化させ、この端部シール材(14)のシール性の効果について確認を進めた。この結果、表5に示すように、本発明の平織(2a)の織物で構成した段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)のシール部材(1)は、従来のパイル製品からなるシール材には無い、効果を有ることが確認された。すなわち、縦縞状のストライプ(4)の規制角度(10)が粉体をシールする方向に角度を有し、かつ段差(5)を小さくする方向もしくはシールを必要とする箇所にストライプ(4)の部分が当接することで、当接荷重が60g/cm2の低荷重であっても、シールが可能な平織(2a)の織物からなるシール部材(1)であり、かつ、電子写真装置(13)の回転体(7)である粉体担持体(8)の端部シール材(14)としても、従来にない優れたシール部材(1)である。なお、表5における当接荷重の300g/cm2は電子写真装置(13)における通常の当接荷重であり、この場合は、縦縞状のストライプ(4)の規制角度(10)が0.5°〜90°で、いずれの段差(5)においても優れたシール効果を有していた。すなわち、表5において○で示すものは、規制ブレード(15a)の内側エッジ部であっても、外側のエッジ部であっても、シール効果を有する端部シール材(14)であり、表5において×で示すものはシール効果がなくトナー(6a)が外部へ漏れだした端部シール材(14)であることを示している。なお、表5における、従来品はパイルを有する織物から形成されたシール部材である。
Figure 0005636044
本発明のシール部材(1)の構成とすることにより、図8に示す段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の幅Wおよびその織糸の経糸(3a)および図8に示す経糸(3b)の隣との間隔であるピッチの幅Pは任意に製作が可能であり、段差(5)を利用することで、段差(5)によりガイドされるシール部材(1)としての使用も可能である。さらに、電子写真装置(13)の回転体(7)の粉体担持体(8)である現像剤担持ローラ(13b)すなわち現像ローラ(13a)の端部シール材(14)として、あるいは感光体の端部シール材(14)および電子写真装置(13)の回転体(7)と中間ベルト(16a)でリンクされている供給ローラの端部シール材(14)としても使用が可能である。
上記の手段において、より低荷重で粉体(6)の漏れ防止を行う手段としては、シール部材(1)のストライプ(4)の段差(5)が大きいものよりも小さいものの方が有効である。この場合、段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の部分をシールすべき箇所に当接させることが大切である。従って、図12示すように、電子写真装置(13)の回転体(7)である粉体担持体(8)のシール部材(1)として、所定の段差(5)である場合は、シール部材(1)と当接する当接領域(18)に対して、段差(5)を有するストライプ(4)の部分で、螺旋状に当接するようにすることにより、一層の低荷重でシールできる漏れ防止効果が得られ、かつ、電子写真装置(13)の図13に示す現像ローラ(13a)のトナー(6a)の規制ブレード(15a)もしくは図18に示すクリーニングブレード(15b)の端部のエッジ部に向けて、この段差(5)を有するストライプ(4)を規制角度(10)となるように傾斜させて配設することで、シール性の効果が一層に得られる。なお、図11において、アジテータ(17)は、電子写真の現像剤である粉体(6)のトナー(6a)を攪拌する部材で、トナー(6a)を中間ベルト(16a)で駆動する供給ローラ(16)から現像ローラ(13a)である現像剤担持ローラ(13b)に供給する。加えて、粉体担持体(8)の回転スピードが早くなると、回転時に発生する粉体(6)からなる噴煙により、図12に示す粉体担持体(8)と当接する当接領域(18)であるシール領域へ、粉体(6)の噴煙が付着し、その影響による汚染が生じる。しかし、端部シール材(14)の段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)の領域が螺旋状に当接領域(18)であるシール領域に当接し、かつ、粉体担持体(8)の端面と同じ位置もしくはその外側にはみ出す状態とすることで、粉体(6)の噴煙による汚染が生じても、当接領域(18)は段差(5)を有する縦縞状のストライプ(4)によりクリーニングされ、シール領域は良好な状態に維持できる。なお、本発明の手段で使用する織糸は合成繊維からなる長繊維であるモノフィラメント(3d)や、紡糸(3e)あるいは紡績糸(3f)であり、それらの材質についても任意に選択することができる。
1 シール部材
2a 平織
2b 織り組織
3a (密度の高い織り組織の)経糸
3b (密度の低い織り組織の)経糸
3c 緯糸
3d モノフィラメント
3e 紡糸
3f 紡績糸
3g 糸径
4 ストライプ
5 段差
5a 厚みの厚い箇所
5b 厚みの薄い箇所
6 粉体
6a トナー
7 回転体
7a 回転方向
7b 支持部材
8 粉体担持体
8a 端部
9 軸部
10 規制角度
11a 弾性体
11b 発泡体
12 両面テープ
13 電子写真装置
13a 現像ローラ
13b 現像剤担持ローラ
13c 感光ドラム(像担持体)
14 端部シール材
15a 規制ブレード
15b クリーニングブレード
15c ブレード支持部材(ブラケット)
16 供給ローラ
16a 中間ベルト
17 アジテータ(攪拌部材)
18 当接領域
19 振動試験機
20 加振機
21 粉体容器
22 縦カバー
23 端部シール
24 センサー
25 加振方向

Claims (7)

  1. 粉体の漏れ防止用のシール部材において、少なくとも3種類以上の織糸を用いて織られた経糸および緯糸からなる織物のシール部材であり、少なくとも2種類以上の異なる糸径の経糸もしくは密度の異なる経糸の織り組織からなり、これらの経糸の糸径の差もしくは経糸の織り組織の密度の差によって段差を有し、段差の厚みの厚い箇所の経糸が隣接または近接し、かつ、段差の厚みの薄い箇所の密度の低い経糸が密度の低い緯糸とで交互に平織を形成して縦縞状のストライプの織り組織に織られた織物からなることを特徴とする織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
  2. 段差を有し、段差の厚みの厚い箇所の経糸が隣接または近接し、かつ、段差の厚みの薄い箇所の密度の低い経糸が密度の低い緯糸とで交互に平織を形成して縦縞状のストライプの織り組織に織られた織物は、厚みの厚い箇所と薄い箇所の段差から縦縞状のストライプの織り組織を形成し、該段差の厚みの厚い箇所では、複数の長繊維を紡いで形成した紡糸または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸の織糸からなる経糸の3本以上を緯糸方向に厚みの薄い箇所よりも隣接もしくは近接して連続的に配置した経糸の密度の高い密度により、経糸の断面の偏平もしくは経糸を形成する繊維の広がりを抑制し、経糸の高さ方向への変形が小さくなるように形成し、一方、該段差の薄い箇所では、紡糸または紡績糸の織糸からなる経糸を断面の偏平もしくは経糸を形成する繊維の広がりを抑制し難い2本以下として経糸の密度の低い密度により、厚みの厚い箇所よりも経糸の幅の広がる方向へ偏平もしくは経糸を形成する繊維の広がりを大きくなるように助長し、厚み方向への高さが低くなるように形成し、これら2種類の異なる経糸の密度を交互に配置することで、厚み方向の偏平の差である偏平度合いもしくは経糸を形成する繊維の広がり度合いにより厚み方向の高さの差から、段差を有する縦縞状のストライプの織り組織としたことを特徴とする請求項1に記載の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
  3. 複数の長繊維を紡いで形成した紡糸または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸の織糸からなる3本以上の経糸は、段差を有する縦縞状のストライプの織り組織を形成する厚みの厚い箇所の経糸の糸径を厚みの薄い箇所の経糸の糸径よりも大きい紡糸または紡績糸の織糸から形成し、この糸径の大きい紡糸または紡績糸の織糸の3本以上の経糸の隣接もしくは近接配置による縦縞状のストライプの織り組織を2本以下の経糸からなる糸径の小さい織糸からなる織り組織よりも曲がり難く形成していることを特徴とする請求項2に記載の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
  4. 段差を有する縦縞状のストライプの織り組織は、その織り組織からなる織物を用いて縦縞状のストライプの方向をシール部材として回転体に適用する場合に、適用する回転体の回転方向に対して所定の規制角度に傾斜して裁断もしくは打ち抜きによりシール部材に形成されており、該シール部材を回転体である粉体担持体の端部に当接することで回転体である粉体担持体とシール部材の当接部との間から粉体の外部への漏れ出しを防止していることを特徴とする請求項3に記載の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
  5. 適用する回転体の回転方向に対して所定の規制角度に傾斜して形成されているシール部材は、裏面にクッション性を有する弾性体もしくは発泡体を配設して有することを特徴とする請求項4に記載の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
  6. 織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材は、そのシール部材を形成する長繊維であるモノフィラメント、複数の長繊維を紡いで形成した紡糸、または複数の短繊維を紡いで形成した紡績糸のいずれかからなる織糸の表面に固形物からなる固形石鹸または金属石鹸である脂肪酸塩もしくはパラフィンまたはロウである高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルからなるワックスを摺り付けにより皮膜状に形成して有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
  7. 織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材は、電子写真装置の回転体である粉体担持体のシール部材とされていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の織物からなる粉体の漏れ防止用のシール部材。
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