JP4870207B2 - 画像形成装置用のシール材 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子写真方式の画像形成装置内において、感光ドラム等の回転体の端部からのトナー等の粉粒体の漏れをシールするための画像形成装置用のシール材に関する
一般に、電子写真方式の画像形成装置は、現像部及びクリーニング部を備えている。現像部では、ハウジング内にて帯電された現像ローラ(回転体)に付着したトナーが感光ドラム(回転体)に転写され、感光ドラムの周面にトナーの像が形成されるようになっている。そして、ハウジングにおける現像ローラの端部と対応する部位には、ハウジング外へのトナー漏れを抑制するためのシール材が現像ローラの周面と接触するように配設されている。また、クリーニング部では、回転する感光ドラムの周面に板状のブレードを接触させて該周面に付着したトナーを掻き取るようになっている。感光ドラムの周面から掻き取られたトナーは、ブレードの端部からハウジング外へ漏れ出し易いため、ハウジングにおけるブレードの端部と対応する部位にはハウジング外へのトナー漏れを抑制するためのシール材が感光ドラムの周面と接触するように配設されている。
このような現像ローラや感光ドラム等の回転体の端部からハウジング外へのトナー漏れを抑制するシール材として、従来から特許文献1に記載のシール材が知られている。特許文献1のシール材では、弾力性を有するフォーム材上に接着剤を塗布して多数のパイル糸(毛羽)を静電植毛(以下、単に「植毛」と言う。)し、該パイル糸が回転体と接触するように、フォーム材をハウジングにおける現像ローラや感光ドラム等の回転体の端部と対応する部位に配設している。
ここで、上記のようなシール材においては、トナー漏れを抑制するためパイル糸が高密度に植毛されている必要がある一方、回転体と接触するため、回転体に対する摺動抵抗が低いことも重要である。
ところで、特許文献1のシール材では、植毛された各パイル糸の長さがほぼ一定になっている。このため、パイル糸を高密度に植毛しようとした場合には、静電植毛時の立毛性を向上させるため、各パイル糸を短くする必要がある。この結果、パイル糸が高密度に植毛されてトナー漏れの抑制機能は高められるものの、各パイル糸が短いので該各パイル糸の剛性が高くなって回転体に対する摺動抵抗が高くなってしまうという問題があった。一方、特許文献1のシール材において、各パイル糸を長くした場合には、各パイル糸の柔軟性が確保されて回転体に対する摺動抵抗が低減されるものの、静電植毛時の立毛性が悪化してパイル糸の植毛密度が小さくなるため、トナー漏れの抑制機能が低下してしまうという問題があった。
因みに、各パイル糸を長くした場合において静電植毛時の立毛性を向上させる方法としては、各パイル糸を太くすることが考えられるが、各パイル糸を太くすると、パイル糸の植毛密度が小さくなるだけでなく、パイル糸の剛性も高くなってしまうため、シール材としての機能が確保されなくなる。
なお、こうした実情は、上記シール材に限らず、例えば感光ドラム等の回転体に潤滑剤を塗布したり感光ドラム等の回転体に多数のパイル糸を摺接させてトナーなどの粉粒体を掻き取ったりなどするためのブラシにも共通するものである。
特開平11−125971号公報
本発明は、このような課題に着目してなされたものである。その目的とするところは、回転体に対する摺動抵抗を低減しつつ、粉粒体に対するシール性を高めることが可能な画像形成装置用のシール材を提供することにある。
記の目的を達成するために、本発明の画像形成装置用のシール材は、多数のパイル糸が接着剤を介して静電植毛された層を有し、画像形成装置内において前記層のパイル糸が回転体の周面に接触するように配置することにより、該回転体の端部からの粉粒体の漏れをシールする画像形成装置用のシール材であって、前記層には、長さの異なる複数種類のパイル糸が静電植毛されているとともに、前記長さの異なるパイル糸は全て直毛で構成されており、前記層において、前記複数種類のパイル糸は、それぞれの長さに応じた植毛領域を有し、各植毛領域が重複していることを要旨とする。
通常、パイル糸は、静電植毛する場合、短いほど高密度に植毛されやすく剛性が高くなる一方、長いほど低密度に植毛されやすく柔軟性が高くなる。この点、上記構成によれば、長さの異なる複数種類のパイル糸のうち、相対的に短い種類のパイル糸が、相対的に長い種類のパイル糸同士の根元付近の隙間を埋めることによって回転体の端部からの粉粒体の漏れが好適に抑制される。一方、相対的に長い種類のパイル糸が湾曲しながら回転体に対して柔軟に摺接することによって回転体に対する摺動抵抗が低減される。したがって、回転体に対する摺動抵抗を低減しつつ、粉粒体に対するシール性を高めることが可能となる。
また、相対的に長い種類のパイル糸が湾曲して相対的に短い種類のパイル糸を覆いながら回転体に摺接する。このため、層全体でバランスよく、回転体に対する摺動抵抗を低減しつつ、粉粒体に対するシール性を高めることが可能となる。
本発明の画像形成装置用のシール材は、前記層がフォーム材であることが好ましい。
本発明の画像形成装置用のシール材は、前記層が織物からなる基布であることが好ましい。
第1実施形態の画像形成装置を示す斜視図。 第1実施形態の画像形成装置のクリーニング部を示す平面図。 図2のクリーニング部の要部拡大図。 第1実施形態のシール材を示す斜視図。 図4のシール材の要部拡大断面図。 第1実施形態のシール材の作用を説明するための断面図。 第1実施形態の変更例のシール材を示す斜視図。 第1実施形態の変更例において、(a)はシール材の平面図、(b)は(a)の正面図。 第1実施形態の変更例のシール材を示す要部拡大断面図。 第1実施形態の変更例のシール材を示す要部拡大断面図。 第2実施形態のブラシを支持軸に巻着してロールブラシを形成する際の状態を示す正面図。 第2実施形態のブラシを示す斜視図。 図12のA−A線矢視拡大断面図。 図12のB−B線矢視拡大断面図。 第2実施形態におけるロールブラシの使用状態を示す簡略側面図。 第2実施形態の変更例のブラシを示す断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、画像形成装置のクリーニング部について説明する。
図1及び図2に示すように、電子写真方式による画像形成装置10内には、回転体としての感光ドラム11が図1中の矢印方向へ回転可能に支持されており、その周囲には現像部の現像ローラ12及びクリーニング部13が配設されている。なお、図示はされていないが、感光ドラム11の周囲には、現像ローラ12及びクリーニング部13の他に帯電部、露光部、転写部、除電部等も配設されている。感光ドラム11は、帯電部でその周面が帯電され、露光部で該周面に静電潜像が形成された後、現像ローラ12から供給されたトナーにより該周面で静電潜像が可視像として現像され、転写部で該周面の可視像を記録用紙に転写させる。そして、可視像を転写した後、感光ドラム11の周面に残留する粉粒体としてのトナーがクリーニング部13で除去され、残留する電荷が除電部で消去される。このトナーには、解像度の高い転写画像を得るため流動性の高いものが使用され、具体的には粒径が10μm以下の微細なトナーが使用される。
クリーニング部13は、前面が開口された箱状をなすハウジング14を備えている。ハウジング14の天板内面には支持板15が感光ドラム11へ向かって斜め下方へ延びるように取付けられ、この支持板15の先端裏面にブレード16が支持されている。ブレード16は、長板状に形成され、感光ドラム11の軸線と略平行に延びるように配設されるとともに、先端縁を感光ドラム11の周面に摺接させた状態でその基端部を介して支持板15に揺動可能に取付けられている。また、ブレード16の先端縁とハウジング14の開口下縁との間には、トナー回収通路17が形成されている。これらハウジング14、支持板15、ブレード16、及びトナー回収通路17によってクリーニング部13が構成されている。そして、感光ドラム11の周面に残留するトナーは、ブレード16によって掻き取られ、トナー回収通路17からハウジング14内へ回収される。
ハウジング14の両側壁においてトナー回収通路17の両端部と対応する位置には、矩形状をなす支持突部18が感光ドラム11へ向かってそれぞれ突出するように形成されている。また、これらの支持突部18の前面18aは、感光ドラム11の外周面に沿うように円弧状(曲面状)に形成されている。各支持突部18の前面18aと感光ドラム11の周面との間には隙間が形成されている。そして、これらの隙間を塞ぐように、各支持突部18の前面18a上にはシール材21が貼付されている。
各シール材21は、支持突部18に貼付された状態でブレード16の各端部側方に配設されている。また、シール材21は、支持突部18の前面18aが円弧状に形成されていることから、感光ドラム11の外周面に沿うように円弧状に湾曲された状態、すなわち曲げ変形された状態で支持突部18の前面18aに貼付されている。このシール材21は、ブレード16の感光ドラム11に接触する側の端部、すなわち前端部の隅角部16aに対応するように、平面L字状に形成されている。そして、図3に示すように、両シール材21の内側面21aには、ブレード16の隅角部16aが接触している。また、両シール材21の上面は、感光ドラム11の両端部の周面にそれぞれ接触している。
次に、シール材21の構成について説明する。
図4及び図5に示すように、シール材21は、支持層22と、支持層22の表面に接着層23を介して接着された摺接層24と、支持層22の裏面に形成された補強層25と、該補強層25における支持層22とは反対側の面に形成された貼付層26とが積層された構成を有している。摺接層24は、支持層22上に接着層23を介して植毛された複数のパイル糸27により構成されている。そして、シール材21は、摺接層24が前記各層22〜26のうち最上層となるようにして、前記支持突部18(図1参照)に貼付層26を介して貼付されている。
支持層22はフォーム材により形成され、シール材21に弾力性を付与し、摺接層24を感光ドラム11に隙間なく十分に接触させるように設けられている。このとき、パイル糸27が植毛された摺接層24について、シール材21に高い摺動性が求められる場合、パイル糸27は細く、その植毛密度も可能な限り高い方が望ましい。このため、パイル糸27の材質にもよるが、パイル糸27の太さは0.5〜5デシテックス(10000mあたりのグラム数)の範囲内に設定することが望ましく、パイル糸27の長さは0.5〜3mmの範囲内に設定することが望ましい。そして、パイル糸27の長さが0.5〜3mmの範囲内の場合、シール材21の弾力性が十分に発揮され難くなるため、シール材21には支持層22を設ける必要がある。
この支持層22を形成するフォーム材としては、弾力性及び耐熱性を有するとともに、変形(へたり)に対する耐久性が高く、接着剤で接着可能な材料より形成されたものを用いることが好ましい。特に、前記フォーム材には、JIS(日本工業規格) K6400の硬さ試験A法に準拠する25%圧縮荷重値が、0.3〜3MPaであるものを使用することが好ましく、0.5〜2MPaであるものを使用することがより好ましい。フォーム材の圧縮荷重値が過剰に低い場合、感光ドラム11に摺接層24を十分に摺接させることができなくなる。また、圧縮荷重値が過剰に高い場合、感光ドラム11と摺接層24との間の摺接抵抗が大きくなり、感光ドラム11の回転が阻害されるおそれがある。
また、前記フォーム材には、JIS K6400に基づく引っ張り強度が10〜200kPaであるものを使用することが好ましく、JIS K6400に基づく引っ張り強度が30〜100kPaであるものを使用することがより好ましい。フォーム材の引っ張り強度が10kPaよりも小さい場合には、シール材21の使用時にフォーム材が破壊されるおそれがあり、フォーム材の引っ張り強度が200kPaよりも大きい場合には、曲面への追従性が悪くなる。さらに、前記フォーム材には、25mmあたりのセル数(気孔数)が20〜100個であるものを使用することが好ましい。フォーム材の25mmあたりのセル数が20個よりも少ない場合には、フォーム材の表面が粗くなりすぎて、該フォーム材からなる支持層22の表面に、接着層23を形成する接着剤がフォーム材のセル内に入り込んで均一に塗布されなくなり、接着剤が不足した部分にクレーターやピンホールが発生してしまう。一方、フォーム材の25mmあたりのセル数が100個よりも多い場合には、曲面への追従性が悪くなる。
このようなフォーム材としては、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリプロピレン等の発泡樹脂、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、クロロプレンゴム等の合成ゴム、あるいは天然ゴム、オレフィン系、スチレン系等の熱可塑性エラストマーが挙げられる。この実施形態の支持層22には、フォーム材として難燃性のポリウレタン発泡体(イノアック社製の商品名モルトプレンSM−55,厚さ2.5mm,25mmあたりのセル数55個)が使用されている。
接着層23は、硬化後にも柔軟性を有する接着剤で形成することが好ましい。さらに接着層23は、耐熱性を有するとともに、曲げた状態でも使用することができるように、曲面状に変形可能な材料で形成することが好ましい。このような性質を有する接着剤としては、一般的にアクリル酸エチルエステルやアクリル酸ブチルエステルなどのアクリル系エステルエマルジョン樹脂が用いられる。アクリル酸エチルエステルは、接着力が強いものの、柔軟性が低く、逆にアクリル酸ブチルエステルは、柔軟性に富むものの、アクリル酸エチルエステルよりも接着力が弱い。したがって、これらの接着剤は、シール材21の要求性能に応じて適宜選択される。この実施形態では、接着層23がアクリル酸ブチルエステルエマルジョンの接着剤により形成されている。
摺接層24を構成する複数のパイル糸27は、図5に示すように、相対的に長い複数の長パイル糸27aと相対的に短い複数の短パイル糸27bとにより構成されている。したがって、摺接層24は、各長パイル糸27aと各短パイル糸27bとが混じり合った状態で接着層23を介して支持層22上に植毛されることによって構成されている。すなわち、摺接層24において、各長パイル糸27aと各短パイル糸27bとは、支持層22上におけるこれらの植毛領域が、全体にわたって重複している。
この場合、各長パイル糸27a及び各短パイル糸27bは、それらの基端部が支持層22上に接着層23により密接した状態でそれぞれ接着されているとともに、上方に向かってそれぞれ真っ直ぐに延びている。なお、各パイル糸27は、該各パイル糸27同士が密集して支え合っているため、適度なクッション性を維持している。
ここで、本実施形態において、植毛装置(図示略)により複数のパイル糸27を支持層22上に植毛する方法としては、ダウン方式(散布−振動−高圧静電気方式)やアップ方式(高圧静電気方式)を採用することができ、シール材21の要求品質や生産数に応じて適宜選択される。
ダウン方式とは、上方から落下させた複数のパイル糸27が、植毛装置内に形成された高圧静電場を通過するとき、該電場に沿って各パイル糸27の向きを揃えて支持層22上の接着層23に静電吸引により突き刺さらせて植毛する方法であり、生産性に優れている。アップ方式とは、ベルトコンベア上を流れる複数のパイル糸27を、植毛装置内に形成された高圧静電場の吸引力により、ベルトコンベアの上側に配置された支持層22上の接着層23に突き刺さらせて植毛する方法であり、植毛ロスが少なく均一で高密度に植毛することができる。
また、複数のパイル糸27を支持層22上に植毛する際には、各長パイル糸27a及び各短パイル糸27bは、それぞれ別々の植毛室において別工程で植毛される。すなわち、複数のパイル糸27は、長さの異なる2種類(各長パイル糸27a及び各短パイル糸27b)のものからなるため、その種類の数(この実施形態では2室)だけ植毛室を用意する必要がある。
また、各長パイル糸27a及び各短パイル糸27bを支持層22上に植毛する際の順序としては、どちらから先に植毛してもよいが、各長パイル糸27aから先に植毛することが好ましい。これは、短いパイル糸よりも長いパイル糸の方が植毛密度を低くコントロールし易く、後工程で短いパイル糸を植毛するための余地が残し易いからである。
因みに、短いパイル糸から先に植毛した場合、短いパイル糸は植毛密度を低くコントロールすることが困難であるため、短いパイル糸が高密度に植毛されてしまい、後工程で長いパイル糸を十分に植毛できなくなるおそれがある。すなわち、短いパイル糸から先に植毛した場合には、後工程で長いパイル糸を植毛するための余地を残すことが難しい。
本実施形態のパイル糸27、すなわち長パイル糸27a及び短パイル糸27bは、ともに繊度が3.5デシテックスの繊維よりなる糸からなっている。そして、本実施形態では、長パイル糸27aの長さは2mmに設定されているとともに、短パイル糸27bの長さは0.8mmに設定されている。長パイル糸27a及び短パイル糸27bの材料には、ポリアミド系樹脂繊維やレーヨンなどを使用することができるが、特にポリアミド系樹脂繊維は、長パイル糸27a及び短パイル糸27bの太さの設定範囲が広く、用途に合わせて長パイル糸27a及び短パイル糸27bの硬さをそれぞれ容易に調整できる。このため、本実施形態の長パイル糸27a及び短パイル糸27bの材料にはポリアミド系樹脂繊維が使用されている。
補強層25には、織物、編物、樹脂フィルムなどを用いることができるが、本用途としては、支持層22の変形を抑制しつつ、適度な伸縮性を有することが必要である。編物は一般に伸縮性に富んでいるが、補強層25に織物や樹脂フィルムを用いる場合には、伸縮性を有するものでなければならない。このため、補強層25には、編物を用いることが好ましい。本実施形態において、補強層25は、経編みの一種であるハーフトリコット編みで、ポリアミド系樹脂繊維からなる糸により厚さが0.4mmになるように編まれた編物で形成されている。補強層25が厚すぎるとシール材21の柔軟性に支障をきたすため、補強層25は薄いほど好ましい。このため、ハーフトリコット編みで編まれた編物は、一般的に入手しやすく、薄い生地の加工に適しているため、本用途に好適である。なお、補強層25は、支持層22の裏面に接着剤(例えば、酢酸ビニル系エマルジョン樹脂など)や熱溶着により貼り合わされる。
貼付層26は、硬化後に柔軟性を有するとともに、使用済みのシール材21を支持突部18から剥がすことができるように、粘着剤で形成することが好ましい。また、貼付層26は、接着層23と同様に耐熱性を有し、曲面状に変形可能な材料で形成することが好ましい。そして、貼付層26は、補強層25における支持層22とは反対側の面にゴム系、アクリル系等の感圧粘着剤を塗布して、又は芯材の両面に感圧粘着剤を塗布してなる両面粘着テープを貼付して形成される。この実施形態の貼付層26はアクリル系の粘着剤を使用した両面粘着テープ(日東電工社製の商品名♯5000NS)により形成されている。
次に、シール材21の作用について説明する。
始めに、本実施形態では、シール材21と感光ドラム11とは、図6に示すように、シール材21の各短パイル糸27bの先端が感光ドラム11の周面に当接するような位置関係にある。このため、シール材21の各長パイル糸27aは、湾曲した状態で感光ドラム11の周面に摺接している。
さて、図1及び図2に示すように、前記ブレード16が回転している感光ドラム11の周面からトナーを掻き取るとき、トナーはブレード16の側端部及びトナー回収通路17から、支持突部18と感光ドラム11との間の隙間を介し、ブレード16の長手方向(感光ドラム11の軸方向)に沿って外部に漏出しようとする。
一方、図6に示すように、シール材21は、各短パイル糸27bに比べて柔軟性の高い各長パイル糸27aが湾曲して各短パイル糸27bを覆いながら感光ドラム11の周面に摺接するとともに、各長パイル糸27aよりも高密度に植毛された各短パイル糸27bが各長パイル糸27a同士の根元付近の隙間を埋めている。このため、外部に漏出しようとするトナーは、シール材21の各パイル糸27、特に短パイル糸27bによって効果的に捕集及びブロックされ、感光ドラム11周辺のトナーによる汚染が抑制される。このとき、シール材21の各パイル糸27は、主にその長パイル糸27aが感光ドラム11の周面に柔軟に摺接するようになるため、該各パイル糸27の感光ドラム11の周面に対する摺動抵抗が低減される。したがって、シール材21の感光ドラム11の周面に対する摺動抵抗が低減されつつ、シール材21のトナーに対するシール性が高められる。
以上詳述した第1実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)シール材21は、各短パイル糸27bに比べて柔軟性の高い各長パイル糸27aが屈曲して各短パイル糸27bを覆いながら感光ドラム11の周面に柔軟に摺接するとともに、各長パイル糸27aよりも高密度に植毛された各短パイル糸27bが各長パイル糸27a同士の根元付近の隙間を埋めている。このため、シール材21は、感光ドラム11の端部からのトナーの漏れを主に各短パイル糸27bによって抑制することができるとともに、主に各長パイル糸27aが感光ドラム11の周面に柔軟に摺接することで感光ドラム11の周面に対する摺動抵抗を低減することができる。したがって、シール材21の感光ドラム11の周面に対する摺動抵抗を低減しつつ、シール材21のトナーに対するシール性を高めることができる。
(2)各長パイル糸27aと各短パイル糸27bとは、それぞれの植毛領域がシール材21の全体にわたって重複しているため、摺接層24全体でバランスよく、感光ドラム11の周面に対する摺動抵抗を低減しつつ、トナーに対するシール性を高めることができる。
(変更例)
なお、上記第1実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
図7に示すように、シール材21を、支持層22と接着層23との間に補強層25が配置されるように構成してもよい。この場合、補強層25は、レーヨン製の糸の織物からなる基布によって構成され、貼付層26を介して支持層22に貼り合わされる。この補強層25を構成する基布の織物組織を形成する手法としては、綾織、朱子織、平織等が挙げられる。ここでは、基布はその表面が平滑となり、接着性が良好となる綾織によって形成されている。このときの糸の密度としては、タテ糸の密度が30本/cm、ヨコ糸の密度が20本/cmとなるように設定されている。
さらに、この場合、シール材21の支持層22を形成するフォーム材には、難燃性のポリウレタン発泡体(イノアック社製の商品名モルトプレンSC,厚さ2.0mm,25mmあたりのセル数31個)が使用されている。また、摺接層24を構成する各長パイル糸27a及び各短パイル糸27bは、繊度が2デシテックスのレーヨン繊維からなっており、これらの長さはそれぞれ2mm及び0.8mmに設定されている。
ところで、上述したように、フォーム材の25mmあたりのセル数が20個よりも少ない場合には、接着剤がセル内に入り込んで均一に塗布されなくなり、接着剤が不足した部分では、クレーターやピンホールが発生してしまう。たとえ、フォーム材の25mmあたりのセル数が20個以上であっても、このセル数の下限付近(21個の場合や22個の場合など)では接着剤が不均一に塗布されやすい傾向にあるため、パイル糸27の植毛むらが発生しやすい。本仕様のシール材21は、このような場合におけるパイル糸27の植毛むらを抑制するために好適である。
このように構成すれば、支持層22を形成するフォーム材の発泡倍率が高く、接着剤がセル内に入り込んで不均一に塗布されるような場合であっても、補強層25に接着剤が塗布されることにより、接着剤がセル内に入り込むことを抑制することができる。このため、補強層25の表面に、接着剤を均一に塗布(接着層23を均一に形成)することができるので、補強層25の表面に接着剤により複数のパイル糸27(摺接層24)を好適に植毛することができる。
図8(a)、(b)に示すように、各シール材21の摺接層24において、各パイル糸27は、感光ドラム11の軸方向中央部を基準として、該中央部から相対的に遠い領域、すなわち図中の左側の領域に各短パイル糸27bを植毛し、該中央部から相対的に近い領域、すなわち図中の右側の領域に各長パイル糸27aを植毛してもよい。この場合、各短パイル糸27bと各長パイル糸27aとは区分して植毛されている。このようにすれば、主に各長パイル糸27aが湾曲しながら感光ドラム11に柔軟に摺接するため、各短パイル糸27bよりも柔軟性に富んだ各長パイル糸27aによって感光ドラム11に対する摺動抵抗を好適に低減しつつ、各長パイル糸27aよりも高密度に植毛された各短パイル糸27bによってトナーに対するシール性を好適に高めることができる。
シール材21の摺接層24において、各パイル糸27を構成する各長パイル糸27a及び各短パイル糸27bは、それぞれの植毛領域をシール材21の配置場所などの状況に応じて変更してもよい。すなわち、この場合、状況に応じて、適宜各長パイル糸27a及び各短パイル糸27bの植毛領域の配置パターンを変更してもよい。このようにすれば、状況に応じて、感光ドラム11に対する摺動抵抗を好適に低減しつつ、トナーに対するシール性を好適に高めることができる。
図9に示すように、シール材21の摺接層24において、各パイル糸27を、各長パイル糸27a、各短パイル糸27b、及び長パイル糸27aよりも短く短パイル糸27bよりも長い複数の中パイル糸27cによって構成してもよい。すなわち、摺接層24を構成する各パイル糸27を、長さの異なる3種類(長パイル糸27a、短パイル糸27b、及び中パイル糸27c)のパイル糸によって構成してもよい。あるいは、摺接層24を構成する各パイル糸27を、長さの異なる4種類以上のパイル糸によって構成してもよい。
図10に示すように、シール材21の摺接層24を、基布28上に複数のパイル糸27が立設されたパイル織物またはパイル編物によって構成するとともに、各パイル糸27の一部を捲縮し、捲縮された捲縮パイル糸28bが捲縮されていない他の非捲縮パイル糸28aよりも基布28からの高さが低くなるように配置してもよい。このようにすれば、各非捲縮パイル糸28aは各捲縮パイル糸28bを覆うように湾曲しながら感光ドラム11に柔軟に摺接するとともに、各捲縮パイル糸28bは嵩が増えた状態で各非捲縮パイル糸28a同士の根元付近の隙間を効果的に埋める。すなわち、この場合、摺接層24がパイル織物またはパイル編物によって構成されているため、各パイル糸27が束単位で基布28上に配設される。このため、各非捲縮パイル糸28a同士の根元付近には隙間が生じやすくなるが、この隙間が、嵩が増えた状態の各捲縮パイル糸28bによって効果的に埋められる。したがって、感光ドラム11に対する摺動抵抗を低減しつつ、トナーに対するシール性を飛躍的に高めることができる。
また、上記の摺接層24を構成するパイル織物またはパイル編物は、パイル糸の一部に熱収縮糸を撚糸混毛し、織り加工後または編み加工後に、熱処理を行うことで得られる。この場合、熱処理を行うことで、熱収縮糸のみが熱収縮して捲縮パイル糸28bとなる。
なお、ここでは、シール材21において、摺接層24を構成するパイル織物またはパイル編物の基布28の裏面を、貼付層26を介して支持層22上に接合しているが、熱溶着や接着剤によって接合してもよい。
摺接層24を構成する長パイル糸27a及び短パイル糸27bの比率は、シール材21の使用条件に応じて適宜変更してもよい。このように長パイル糸27a及び短パイル糸27bの比率を変更することは、静電植毛時における印加電圧、パイル糸の太さ、パイル糸の投入量、前記ベルトコンベアの移動速度などを変更することにより可能である。
長パイル糸27a及び短パイル糸27bは、シール材21の使用条件に応じて材質や太さを適宜個別に変更してもよい。すなわち、長パイル糸27aと短パイル糸27bとは、シール材21の使用条件に応じて互いに材質や太さを異ならせるようにしてもよい。例えば、長パイル糸27aを短パイル糸27bよりも太くすると、長パイル糸27aの植毛密度が低くなるようにコントロールし易くなるとともに、長パイル糸27aに適度な剛性を付与することができる。この場合、感光ドラム11の周面に対する各長パイル糸27aの接触面積が低減されるので、感光ドラム11に対する各長パイル糸27aの摺動抵抗を低減することができる。
シール材21において、補強層25は省略してもよい。
シール材21において、支持層22の表面及び裏面の双方に補強層25を設けるように構成してもよい。
シール材21を、現像ローラ12の端部からのトナー漏れをシールするために用いてもよい。
支持層22は、必ずしもフォーム材で形成する必要はない。例えば、支持層22をゴム等の弾力性を有する材料によって形成してもよいし、あるいは弾力性を有さない硬質の合成樹脂材料によって形成してもよい。
シール材21において、パイル糸27の表面を、シリコン樹脂、あるいはフッ素樹脂よりなる薬剤でコーティングしてもよい。このようにすれば、パイル糸27の感光ドラム11に対する摺動性を効果的に向上させることができる。
上記実施形態では長パイル糸27aと短パイル糸27bとを別々の植毛室でそれぞれ静電植毛していたが、長パイル糸27aと短パイル糸27bとを同じ1つの植毛室において静電植毛するようにしてもよい。この場合、予め長パイル糸27aと短パイル糸27bとを均一に混合しておくことが必要である。このようにすれば、パイル糸27を植毛する工程を簡略化することができる。また、パイル糸27が長さの異なる3種類以上のパイル糸からなる場合であっても、各種のパイル糸を同じ1つの植毛室において静電植毛するようにしてもよい。この場合、上記と同様に、予め各種のパイル糸を均一に混合しておくことが必要である。
パイル糸27を感光ドラム11の回転方向に沿って傾斜させてもよい。このようにすれば、シール材21の感光ドラム11に対する摺動性をより一層向上させることができる。
パイル糸27を感光ドラム11における端部から中央部に向かう方向に傾斜させてもよい。このようにすれば、シール材21のトナーに対するシール性能をより一層向上させることができる。また、パイル糸27を傾斜させる場合、感光ドラム11の回転方向に沿う方向を0°、感光ドラム11における端部から中央部に向かう方向を90°とした場合、パイル糸27の傾斜方向は、0°〜90°の間の範囲内であれば、いずれの方向であってもよい。すなわち、パイル糸27は、支持層22から感光ドラム11の中央部に向かう方向(図3におけるX方向)とこの方向に対して直交する方向(図3におけるY方向)との間の任意の方向に向かって傾斜させてもよい。このようにすれば、シール材21の摺動性能とシール性能とのバランスを状況に応じて最適に保つことができる。なお、パイル糸27を傾斜させるための工程は、支持層22上にパイル糸27を植毛する工程で予めパイル糸27を斜めに植毛することで省略することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図11〜図16に基づいて説明する。
なお、各図におけるパイル糸は模式的に描いたものであり、例えばパイル糸を構成する単繊維の本数は必ずしも実際の本数と一致するものではない。
図11に示すように、ロールブラシ30は、アルミニウム、ステンレス鋼等の金属製の丸棒よりなる支持軸31と、該支持軸31の表面に螺旋状に巻着した帯状のパイル織物よりなるブラシ32とを備えている。図12、図13及び図14に示すように、ブラシ32は、タテ糸34及びヨコ糸35を織り上げた織布よりなる帯状の基布33と、該基布33のヨコ糸35に絡ませるようにパイル織りで織り込まれたU字状の複数のパイル糸36とを備えたパイル織物によって構成されている。したがって、基布33の表面上には、複数のパイル糸36が均一に立設されている。
基布33を構成するタテ糸34及びヨコ糸35には耐久性、柔軟性の高い糸が使用され、このような糸としてはフィラメント糸、又は紡績糸及び綿糸等が挙げられる。本実施形態では、タテ糸34及びヨコ糸35に、柔軟性が高く嵩高い紡績糸が使用されている。また、基布33における各パイル糸36が立設された面とは反対側の面である裏面には合成樹脂からなるコーティング層37が形成されており、このコーティング層37により各パイル糸36の根元と基布33とが強固に接合されている。
各パイル糸36は、非熱収縮糸からなる複数の第1パイル糸36aと熱収縮糸からなる複数の第2パイル糸36bとを撚糸及び混毛したものである。なお、図13及び図14においては、各パイル糸36が6本の第1パイル糸36aと1本の第2パイル糸36bとによってそれぞれ構成されているように描いているが、実際にはこの限りではなく、各パイル糸36を構成する第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bのそれぞれの本数を任意に設定してもよい。
そして、ブラシ32を構成するパイル織物の織り加工後に所定温度で熱処理を行うことで、熱収縮しない第1パイル糸36aと熱収縮する第2パイル糸36bとの間で基布33の表面からの高さに差が生じるようになっている。この場合、第1パイル糸36aは第2パイル糸36bよりも長く、基布33上において第1パイル糸36aが立設された立設領域と第2パイル糸36bが立設された立設領域とは重複している。
また、本実施形態では、第1パイル糸36aの繊度が3デシテックスに設定され、第2パイル糸36bの繊度が10デシテックスに設定されている。さらに、第2パイル糸36bは第1パイル糸36aよりも剛性が高く設定されており、換言すれば、第1パイル糸36aは第2パイル糸36bよりも柔らかく設定されている。
そして、このようにして構成されたロールブラシ30は、図15に示すように、画像形成装置10内において互いに対向するように所定間隔を置いて配置された感光ドラム11と固形潤滑剤38との間に配置される。すなわち、ロールブラシ30は、感光ドラム11の周面及び固形潤滑剤38の双方に接触するように配置されて、感光ドラム11の周面に固形潤滑剤38を塗布するための塗布ブラシとして使用される。固形潤滑剤38は、直方体状をなし、感光ドラム11の軸線と平行に延びている。ロールブラシ30の軸線も感光ドラム11の軸線と平行である。
また、ロールブラシ30は、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの双方が固形潤滑剤38に摺接するとともに、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bのうち第1パイル糸36aのみが感光ドラム11の周面に摺接するように配置されている。なお、本実施形態では、図15において、ロールブラシ30及び感光ドラム11は共に反時計方向に回転されるようになっているが、ロールブラシ30と感光ドラム11とが互いに逆方向に回転するようにしてもよい。この場合、ロールブラシ30と感光ドラム11との間での回転方向の組み合わせは、使用態様に応じて適宜変更される。
次に、ロールブラシ30の作用について説明する。
さて、感光ドラム11の周面に固形潤滑剤38を塗布する場合には、まず、ロールブラシ30及び感光ドラム11を図15の反時計方向に回転させる。すると、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bが固形潤滑剤38の表面上を摺動するとともに、第1パイル糸36aが感光ドラム11の周面上を摺動する。このとき、固形潤滑剤38は硬いため、第1パイル糸36aによってはほとんど削られず、第1パイル糸36aよりも剛性の高い第2パイル糸36bによって主に削り取られる。したがって、固形潤滑剤38の表面は粗くなり、削り取られた固形潤滑剤38が残存している。
引き続き、粗くされた固形潤滑剤38の表面上を第1パイル糸36aが摺動することで、削り取られた固形潤滑剤38が第1パイル糸36aに付着する。そして、固形潤滑剤38が付着した第1パイル糸36aが順次感光ドラム11の周面上を摺動して、固形潤滑剤38が感光ドラム11の周面上に塗布される。このとき、感光ドラム11の周面には、第1パイル糸36aよりも剛性の高い第2パイル糸36bが接触することはなく、第2パイル糸36bよりも柔らかい第1パイル糸36aのみがソフトに接触するため、感光ドラム11の周面に傷がつくことは少ない。
仮に、ロールブラシ30の各パイル糸36を第1パイル糸36aのみによって構成した場合には、該第1パイル糸36aにより感光ドラム11の周面が傷つけられ難くすることはできるものの、固形潤滑剤38の一部を削り取ってその表面を粗くすることが困難になってしまう。一方、ロールブラシ30の各パイル糸36を第2パイル糸36bのみによって構成した場合には、該第2パイル糸36bにより固形潤滑剤38を容易に削ることはできるものの、感光ドラム11の周面が傷つけられ易くなってしまう。
この点、本実施形態のロールブラシ30ではパイル糸36が第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bによって構成されているため、第2パイル糸36bによって固形潤滑剤38を容易に削りつつ、第1パイル糸36aによって感光ドラム11の周面を傷つけないように該周面に固形潤滑剤38を塗布することができる。
以上詳述した第2実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(3)ブラシ32のパイル糸36は、相対的に柔らかい第1パイル糸36aと、該第1パイル糸36aよりも基布33からの高さが低く、且つ相対的に剛性の高い第2パイル糸36bとによって構成されている。すなわち、ロールブラシ30におけるブラシ32は、固形潤滑剤38を削ることに適した第2パイル糸36bと、感光ドラム11の周面を傷つけないように該周面に固形潤滑剤38を塗布することに適した第1パイル糸36aとを備えている。したがって、ロールブラシ30は、第2パイル糸36bによって固形潤滑剤38を効果的に削るという性能と、第1パイル糸36aによって固形潤滑剤38を感光ドラム11の周面に該周面を傷つけることなくソフトに塗布するという性能との2つの性能を発揮することができる。
(4)ブラシ32のパイル糸36のうち、第2パイル糸36bが熱によって収縮する熱収縮糸によって構成されている。このため、パイル糸36全体を加熱すれば、第2パイル糸36bのみが熱収縮するので、第1パイル糸36aよりも第2パイル糸36bの基布33からの高さを容易に低くすることができる。
(変更例)
なお、上記第2実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図16に示すように、第2パイル糸36bを捲縮させることによって、第1パイル糸36aよりも第2パイル糸36bの基布33からの高さを低くするようにしてもよい。この場合、第2パイル糸36bを捲縮糸によって構成することで、第2パイル糸36bの基布33からの高さの低減を容易に行うことができる。
・第1パイル糸36aよりも第2パイル糸36bの方が基布33からの高さが高くなるようにしてもよい。
・第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの双方を熱収縮糸によって構成するようにしてもよい。この場合、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの熱収縮率が互いに異なるように設定して、熱収縮後における第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの基布33からの高さが互いに異なるようにする必要がある。
・第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bのうち少なくとも一方を絶縁糸によって構成してもよいし、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bのうち少なくとも一方を導電糸によって構成してもよい。あるいは、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bのうち一方を導電糸によって構成するとともに他方を絶縁糸によって構成してもよい。
・第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの双方を捲縮糸によって構成するようにしてもよい。この場合、第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの捲縮度合いは互いに異なるように設定して、捲縮加工後における第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの基布33からの高さが互いに異なるようにする必要がある。
・第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの繊度が互いに同じになるように構成してもよいし互いに異なるように構成してもよい。
・第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの基布33上における密度が互いに同じになるように構成してもよいし互いに異なるように構成してもよい。
・第1パイル糸36a及び第2パイル糸36bの材質が互いに同じになるように構成してもよいし互いに異なるように構成してもよい。
・ブラシ32のパイル糸36は、互いに基布33からの高さが異なる3種類以上のパイル糸によって構成してもよい。
・ブラシ32は支持軸31に巻着してロールブラシ30として使用するようにしたが、ブラシ32を単独で使用するようにしてもよい。この場合、ブラシ32の形態は用途に応じて適宜変更される。
・ロールブラシ30を、感光ドラム11の周面に付着したトナーや塵埃等を除去するためのクリーニングブラシとして使用してもよいし、感光ドラム11を帯電させるための帯電ブラシとして使用してもよいし、あるいは帯電した感光ドラム11の除電を行うための除電ブラシとして使用してもよい。

Claims (3)

  1. 多数のパイル糸が接着剤を介して静電植毛された層を有し、画像形成装置内において前記層のパイル糸が回転体の周面に接触するように配置することにより、該回転体の端部からの粉粒体の漏れをシールする画像形成装置用のシール材であって、
    前記層には、長さの異なる複数種類のパイル糸が静電植毛されているとともに、前記長さの異なるパイル糸は全て直毛で構成されており、
    前記層において、前記複数種類のパイル糸は、それぞれの長さに応じた植毛領域を有し、各植毛領域が重複していることを特徴とする画像形成装置用のシール材。
  2. 前記層がフォーム材であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用のシール材。
  3. 前記層が織物からなる基布であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用のシール材。
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