JP4309294B2 - シール織物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真方式で画像を形成する際に、像担持体などの回転体の端部をシールする回転体用シール材などとして使用するシール織物の製造方法に関する。
従来から、電子写真方式を利用する画像形成装置が、プリンタ、複写装置、ファクシミリ装置などとして広く用いられている。電子写真方式の画像形成装置を利用して画像を形成する際には、トナーと呼ばれる微細な着色粉末を現像剤として使用する。電子写真方式では、感光ドラムなどの像担持体に静電潜像を形成し、トナーで現像して、記録用紙などに転写し、トナーを記録用紙などに定着させる。トナーは現像ユニットの容器などに貯蔵され、現像ローラの外周面に付着した状態で感光ドラムなどの表面まで移動する。現像ローラや感光ドラムは回転しながら、その外周面にトナーを付着させる。現像ローラや感光ドラムには、たとえば軸線方向の外方などに、トナーが洩れないよう、回転体用シールが設けられる。
従来から回転体用シールのシール材としては、フェルトシールが用いられている。フェルトシールは、スポンジなどの発泡性の基材の表面にフェルトを配置し、フェルトの表面を現像ローラや感光ドラムの外周面に接触させてシールを行う。また、中空繊維または多孔性中空繊維による糸をパイル用の糸として使用する回転体用シール材も提案されている(たとえば、特許文献1参照。)。
特開2003−56713号公報
電子写真方式の画像形成装置に用いる現像ローラや感光ドラムの側方は、サイドシールでトナーの洩れを防ぐようにしているけれども、充分な封止は困難である。トナーが洩れると、現像ユニットの容器内に1回トナーを充填してから、次に充填を必要とするまでの寿命が短くなり、ランニングコストが上昇する。また、現像ユニットの周辺が洩れたトナーで汚れ易くなるので、トナーによる汚れが広がらないようなカバーなどが必要となる。
従来の画像形成装置で、現像ローラや感光ドラムに対する端部のサイドシールに用いるシール材には、フェルトやスポンジ、もしくはフェルトとスポンジを重ねたシール材や、パイル生地から伸びるループ状のパイル糸をカットしてカットパイル糸として起毛させたシール材などが使用されている。フェルトを使用した現像ユニットでは、摺動性を上げたテフロン(登録商標)フェルトなどを用いている。スポンジを使用する場合は、密封性の高いシリコンスポンジを用いたりしている。しかし、現像ローラに対しての密着性を上げるため、強圧縮もしくは強い押し圧にてトナーのシールを行っているため、現像ユニットを回転駆動するトルクが高くなり、伝達機構の歯車の摩耗やバンディングなどの現象を生じさせている。逆に圧縮力を下げると、トナーがサイドシールなどの内部に入り込み、さらに他の部分へのトナーの落下や飛散で、機内汚染による印字品質の低下が発生する。
また、糸をパイル状にして起毛させたシール材を使用する場合では、永久歪みを考慮して、繊維が太い糸を使用すると、弾性力が高くなり、駆動に要するトルクが上昇してコストが上昇してしまう。糸の繊維の太さを細くすると、充分な弾性が得られず、シール漏れが発生してしまう。さらに、パイル状の糸の根元の空隙が大きくなり、この空隙に粉体であるトナーが入り込むと、シール材としての弾力が強くなりすぎる問題も生じる。
本発明の目的は、粉体に対する回転体用シール材として効率よく製造可能なシール織物の製造方法を提供することである。
本発明は、粉体を担持する回転体の端部をシールする回転体用シール材として使用するシール織物の製造方法であって、
捲縮性または収縮性を有する繊維と有しない繊維とを含む糸を毛の糸として用い、張力を与えながらパイル組織の織物を製造する製織工程と、
パイル組織のパイル長を刈り揃えるシャーリング工程と、
加熱しながら基布の糸を層状にずらしてカットパイルを基布の表面に対して傾斜させるとともに、毛の糸に含まれる捲縮性または収縮性を有する繊維を縮れさせる斜毛工程とを含み、該斜毛工程において、外周面に軸線方向に対して傾斜している溝が間隔をあけて複数形成されている回転ローラ形のシリンダを、加熱して、パイルをパイル織目に対して両側から内側に向かって傾斜させる工程を含むことによってパイルの斜毛と捲縮または収縮を同時に行うことを特徴とするシール織物の製造方法である。
また本発明で、前記斜毛工程は、前記捲縮性または収縮性を有しない繊維に対するつや出し工程中に含まれることを特徴とする。
本発明によれば、捲縮性または収縮性を有する繊維と有しない繊維とを含む糸を毛の糸として用い、張力を与えながらパイル組織の織物を製造し、パイル組織のパイル長を刈り揃えるので、捲縮性または収縮性を有する繊維も、捲縮性または収縮性を有しない繊維と同様な長さのパイルとして製織され、パイル長を揃えて切断することができる。斜毛工程で基布の糸を層状にずらしてカットパイルを斜毛させるので、カットパイルは基布の表面から傾斜して起毛され、回転体用シール材として使用する際に、毛先に沿って粉体を案内する方向性を与えることができる。毛の糸に含まれる捲縮性または収縮性を有する繊維は、加熱によって縮まるので、捲縮性または収縮性を有しない繊維の根元の空隙を埋め、粉体が入り込むのを防ぐことができる。粉体を案内するカットパイルを、パイル組織の織物を斜毛させて形成するので、表面から傾斜して伸びる細い繊維と、その根元を埋める縮んだ繊維とを有するシール材を効率よく製造することができる。
また本発明によれば、斜毛工程は、捲縮性または収縮性を有しない繊維に対するつや出し工程中に含まれるので、捲縮性または収縮性を有しない繊維に対しては、基布の表面から傾斜して伸びるように揃え、その根元に捲縮性または収縮性を有する繊維を縮ませることができる。
また本発明によれば、つや出し工程は、外周面に軸線方向に対して傾斜している溝が間隔をあけて複数形成されている回転ローラ形のシリンダを、加熱して行うので、毛の糸に含まれる捲縮性または収縮性を有しない繊維を斜毛させるとともに、捲縮性または収縮性を有する繊維を縮ませることができる。
図1は、本発明の実施の一形態であるシール織物の製造方法で実行される概略的な工程手順を示す。ステップs1では、パイル織物の毛の糸を、混繊して形成する。毛の糸の素材は、捲縮性または収縮性を有しない繊維としてレーヨンなどの細い繊維を使用し、捲縮性または収縮性を有する繊維としてアクリルなどの繊維を使用する。さらに多孔性中空繊維を混ぜることが好ましい。たとえば、1.5D(デニール)のレーヨン繊維を40%、1.5Dのアクリル繊維を30%、および2〜3Dの多孔性中空繊維を30%の割合で混ぜて毛の糸を形成する。レーヨン繊維およびアクリル繊維は、太さが20〜30μmの極細繊維である。次のステップs2では、毛の糸を例えば地の糸と一定の割合で並べて経糸とし、地の緯糸を織込んでパイル織物を製造する。経糸には一定の張力が与えられるので、毛の糸に捲縮性または収縮性を有する繊維が含まれていても、縮まないでパイル織物を製造することができる。地の経糸としてはたとえばポリエステルとレーヨンとを使用し、地の緯糸としてはたとえばポリエステルを使用する。毛の糸は、たとえば2.54mm角の面積当り28万本以上の高密度で基布に織込まれる。製織されたパイル織物は、経糸の長さ分だけの帯状であり、ロールに巻取られる。
ステップs3では、製織されたパイル織物を連続的に巻戻して再び巻取りながら、パイル部分のパイル長を揃えて切断するシャーリングを行う。以下、ステップs13の型抜きまで、帯状のパイル織物に対して各工程を施す。このシャーリングによって、毛の糸に捲縮性または収縮性を有する繊維が含まれていても、縮まないで長さをそろえたカットパイルを得ることができる。ステップs4では、カットパイルをほぐす全解毛の毛割を行う。ステップs5では、カットパイルのパイル長を揃えるように切断するシャーリングを行う。ステップs6では、カットパイルを傾斜させる角度出しの毛割を行う。ステップs7では、加熱しながら、カットパイルとなっている毛の糸のうち、捲縮性または収縮性を有しない繊維を基布の表面に対して傾斜させる斜毛の工程として、ポリッシャの工程を行う。この際に、捲縮性または収縮性を有する繊維を縮まらせることができる。
次のステップs8では、斜毛されたカットパイルに対し、捌きの毛割りを行う。ステップs9では、カットパイルのパイル長を揃えるシャーリングを行う。ステップs10では、基布の裏面側に接着剤を塗布するコーティングを行う。ステップs11では、カットパイルをさらに毛割りで捌く。ステップs12では、シャーリングで、さらにパイル長を揃える。ステップs13では、シール材としての型抜きを行う。ステップs14では、カットパイルの部分などから、切れた繊維などのケバを取除くケバ取りを行って、シール材を製造する工程手順を終了する。
図2は、図1の工程で製造される回転体用シール材1を含む現像装置の部分的な断面構成を示す。回転体用シール材1は、基布2の表面からパイル糸3を起毛させたパイル織物で構成される。基布2は、緯糸と経糸とで製織され、経糸の一部がパイル糸3として起毛される。パイル糸3には、捲縮部4が設けられ、根元の空隙を減少させることができる。回転体用シール材1は、支持板5の表面で支持され、パイル糸3の先端が現像ローラ6の表面6aに接触する。現像ローラ6は、回転軸7の軸線7aまわりに回転する。回転体用シール材1は、現像ローラ6の表面に付着する粉体状の現像剤像であるトナー8に対するシールを行う。
すなわち、回転体用シール材1は、電子写真方式の画像形成装置で現像ユニットに備えられる現像ローラ6が回転軸7を中心として回転する際に、現像ローラ6が担持する粉末状の現像剤であるトナー8を封止するために使用される。回転体用シール材1は、トナー8が軸線7a方向の端部に漏れないように、現像ローラ6の外表面上に密着しながら、トナー8の移動を阻止している。回転体用シール材1は、パイル織りでループ状に形成された後、ループの先端を切断してカットパイルとして形成され、起毛させたパイル糸3が回転方向に傾斜するように斜毛されている。回転体用シール材1の半径方向の外方には、基布2が設けられる。基布2のさらに外方には、金属あるいは硬質合成樹脂製の支持板5が設けられる。パイル糸3および基布2を含む回転体用シール材1および支持板5は、現像ローラ6に対する端部シールを構成する。
図3は、図2に示す回転体用シール材1と現像ローラ6の外周面との関係を示す。回転体用シール材1は、現像ローラ6の外周面に対し、サイドシールタイプとして機能する。回転体用シール材1は、現像ローラ6の外周面に密着し、軸線方向の中間に印字幅に合わせてトナー層10を形成し、その軸線方向の両端側にトナーが付着しないブランク部分11,12を設けるために使用される。トナー層10の厚みを規制するために、ブレード13が設けられる。現像ローラ6の回転軸7は、現像ユニット24の筐体に回転可能に支持され、現像ローラ6のトナー層23には、現像ユニット14の内部からトナーが供給される。トナー層10でのトナーの厚みは、トナー規制部材であるブレード13によって調整され、一定以下に保たれる。回転体用シール材1で、カットパイルとしてシールを形成するパイル糸3を、回転方向に傾斜させて斜毛させることによって、トナーの移動方向を回転方向にそろえ、軸方向には移動しないようにすることができる。
回転体用シール材1のパイル糸3は、捲縮繊維または収縮繊維を含む縮れた繊維による糸を素材に含む。トナーなどの粉体を担持する現像ローラ6などの回転体の端部をシールする回転体用シール材1は、捲縮繊維または収縮繊維を含む縮れた繊維による糸を素材に含むので、捲縮繊維または収縮繊維による縮れた繊維の部分が根元の空隙を小さくし、トナーなどの粉体が根元に入り込まないようにすることができる。繊維の縮れによる弾性も利用することができ、粉体が根元に入り込まないので、シール材としての反発弾性が強くなりすぎることがなく、適正な弾性を維持し、比較的低荷重で糸間の気密性を挙げることが可能となり、駆動トルクが小さくても充分なシールを行うことができる。
図4は、図3の現像ユニット14を含む画像形成装置の部分的な構成を簡略化して示す。電子写真方式の画像形成に使用する現像装置である現像ユニット14では、現像ローラ6に対し、供給ローラ15からトナー8を供給する。現像ローラ6および供給ローラ15に対し、バイアス電圧を印加するために、直流電源16a,16bも設けられている。なお、バイアス電圧は、直流電圧ばかりではなく、交流電圧を重畳させる場合もある。
本実施形態の画像形成装置20では、像担持体である感光ドラム21の表面に形成される静電潜像をトナー8によって顕像化する現像が行われる。感光ドラム21の表面には、通常は電気絶縁性を示し、光が照射されると導電性を示す光導電性絶縁体物質である感光体の層が形成されている。感光ドラム21は、回転方向21a、すなわち図4の時計回リ方向に回転し、その表面を帯電状態にするために帯電器22が設けられている。帯電器22の回転方向21aに関する下流側には、現像ユニット14が設けられる。現像ユニット14は、トナー8を貯留する容器23を備えている。容器23内のトナー8は、供給ローラ15および現像ローラ6を経て、感光ドラム21の現像に使用される。現像によって、感光ドラム21の外周面には、静電潜像に応じてトナー8の画像が形成される。
回転方向21aに関して、現像ユニット14の下流側では、感光ドラム21の外周面に記録用紙24が接触し、その下方には転写器25が設けられる。感光ドラム21の外周面に現像によって形成されているトナー8による画像は、記録用紙24の表面に転写される。回転方向21aに関して帯電器22の上流側には、清掃器26が配置される。記録用紙24は、感光ドラム21の外周面と接触した後、定着器27に搬送され、加熟ローラ28および加圧ローラ29によって加熱および加圧される。記録用紙24上に転写されたトナー8による画像は、トナー8が融着して記録用紙24の表面に定着される。
電子写真方式の画像形成では、帯電器22によって一様に帯電される感光ドラム21の表面に光照射30が行われると、光が照射された部分の電荷が消失して、静電潜像が形成される。光照射30は、たとえば、レーザプリンタでは記録すべき画像に対応して強度が変調されたレーザ光ビームであり、複写装置では原稿表面からの反射光である。現像ユニット14からは、帯電した粉体現像剤であるトナー8が供給され、感光ドラム21の表面の静電潜像を顕在化させる。トナー8は、電気絶縁性が高く、転写器25から、トナー8と反対極性のコロナ放電を行うと、感光ドラム21の表面のトナーが吸引されて、記録用紙24の表面に転写される。記録用紙24上に転写されたトナーは、定着器27の加熟加圧によって一旦溶融した後、記録用紙24の表面に固定される。感光ドラム21の表面に残存するトナー8は、清掃器26で除去され、帯電器22による帯電に支障が生じないようにしている。
現像ユニット14は、容器23内にトナー8が貯蔵され、開口23aで光ドラム21と接触する現像ローラ6を介して、トナー8を感光ドラム21に供給する。容器23内のトナー8を現像ローラ6の表面に効率的に付着させるため供給ローラ15が設けられている。供給ローラ15は、現像ローラ6に接触しながら容器23内のトナー8を撹枠しつつ現像ローラ6の方へ搬送する。現像ユニット14の容器23に対して回転する現像ローラ6の外周上に付着しているトナー層の厚みが一定以下となるように、現像剤規制部材であるブレード13で規制される。トナー8を帯電させるために、直流電源31a,31bが設けられる。直流電源31a,31bは、トナー8を円滑に供給ローラ15から現像ローラ6に移行させるため、絶対値の電圧において、供給ローラ15に付与する電圧の方が高く設定されている。
図5は、図2の回転体用シール材1で図4の開口23aでトナーの封止を行う考え方を示す。回転体用シール材1では、織目の方向を実線の矢印で示すように、回転体である現像ローラ6などの外周面の回転方向に対し、たとえば45°に傾斜させる。カットパイルは、織目の方向のうち、現像ローラ6などの回転体の外周面が移動する方向で両側から間隔が狭くなるような内向きを斜毛の方向とする。このように内向きに傾斜させて斜毛させた状態で用いることによって、開口23aからトナーが容器外側へ行こうとするのを、破線で示すように堰き止めることができる。なお、斜毛は、織目の方向として、経糸の方向に、カットパイルを基布2の表面に対して45〜60°に傾斜させるものとする。斜毛を、織目の方向に対しても傾斜させることができる。このような場合は、織目の方向を傾斜させないで、カットパイルを内向きに傾斜させることができる。最終的に、カットパイルが0°を越えて90°以下の範囲で内向きに傾斜していればよい。
図6は、回転体用シール材1の断面構造を模式的に示す。基布2は、たとえば、上層経糸31および下層経糸32と、緯糸33とで形成する。経糸の層数は、3層以上にすることもできるのは、もちろんである。緯糸33のうち、Aで示す緯糸にパイル糸3を巻付ける。パイル糸3は、ループ状のパイルとして織られる。ループの先端は切断され、カットパイルとしてのパイル糸3が形成される。他のB,C,Dで示す緯糸は、45°〜60°程度の角度で傾くように、配列方向33aを揃える。このような斜毛によって、現像ローラなどの回転体に対する追従性を向上させることができる。
図7は、本実施形態の回転体用シール材1を従来からのフェルトシール40と比較して、模式的に示す。(a)に示す回転体用シール材1では、細い繊維のパイル糸3の先端が現像ローラの表面6aに柔らかく当接するので、追従性が良好であり、接触圧も小さくすることができる。繊維密度は、たとえば、1平方cm当り4.3万本(1平方インチ当り28万本)程度とすることが好ましい。パイル糸3の根元の部分には、捲縮部4が存在するので、トナーが入りコンで、反発弾性が上昇するのを防ぐことができる。(b)に示すフェルトシール40では、スポンジなどの発泡材41の表面にフェルト42の層を設ける。シール性を良好にするために接触圧力を上昇させると、フェルト42の層にトナーが凝集し、シール性が低下し、トナー洩れが生じてしまう。
回転体用シール材1では、さらに、縮れた繊維がパイル状に形成されるパイル糸3に含まれるので、基布2から起毛して先端をシールに利用することができ、低荷重でも粉体に対するシールを行うことができる。縮む性質は、いわゆるバルキー性として知られており、羊毛などで顕著である。パイル状に束ねる糸では、根元に空隙が生じやすいけれども、バルキー性を利用して、根元の空隙を減少させることができる。合成繊維でも、アクリル系やポリエステル系の糸は、熱可塑性を利用して捲縮性を持たせることができる。パイル糸3として、熱収縮性の異なる糸を混繊し、パイル糸3の先端を切断して切離すシャーリング後に、斜毛の際に加熱するのを利用して、熱収縮率の高い糸をランダムに収縮させると、根元の空隙を埋めるようにすることができる。この空隙にトナーが入り込まないようにすることができる。なお、縮まない糸は、ストレートな状態であり、トナーの流れを規制することができる。
以上のように、本実施形態では、粉体を担持する回転体の端部をシールする回転体用シール材1として使用するシール織物の製造方法は、製織工程と、シャーリング工程と、斜毛工程とを含む。製織工程では、捲縮性または収縮性を有する繊維と有しない繊維とを含む糸を毛の糸であるパイル糸3として用い、張力を与えながらパイル組織の織物を製造する。毛の糸には張力を与えるので、捲縮性または収縮性を有する繊維も、縮まないでパイル部分を形成させることができる。シャーリング工程では、パイル組織のパイル長を刈り揃えるので、捲縮性または収縮性を有する繊維も、捲縮性または収縮性を有しない繊維と同様な長さに切断される。斜毛工程では、加熱しながら基布2の糸を層状にずらしてカットパイルを基布の表面に対して傾斜させるとともに、パイル糸3に含まれる捲縮性または収縮性を有する繊維を縮れさせる。斜毛工程で基布2の糸を層状にずらしてカットパイルを斜毛させるので、カットパイルは基布2の表面から傾斜して起毛され、回転体用シール材1として使用する際に、毛先に沿って粉体を案内する方向性を与えることができる。捲縮性または収縮性を有しない繊維のみでパイル糸3を形成すると、根元の部分の空隙に粉体が入り込んで、回転体用シール材1としての弾力が強くなりすぎるようになってしまう。パイル糸3に含まれる捲縮性または収縮性を有する繊維は、加熱によって縮まるので、捲縮性または収縮性を有しない繊維の根元の空隙を埋め、粉体が入り込むのを防ぐことができる。粉体を案内するカットパイルを、パイル組織の織物を斜毛させて形成するので、表面から傾斜して伸びる細い繊維と、その根元を埋める縮んだ繊維とを有する回転体用シール材1を効率よく製造することができる。
図8は、図1のステップs3のシャーリング工程終了後のパイル織物の模式的な断面構成を示す。図6に比較して、基布2の上層経糸31および緯糸33の上層部分と、下層経糸32および緯糸33の下層部分とのずれがなく、パイル糸3は基布2の表面に対してほぼ垂直に起立している。図1のステップs6での毛割工程で、パイル糸3を傾斜させる角度出しを行い、ステップs7のポリッシャ工程で加熱することによって、図6に示すようにパイル糸3を傾斜させることができる。
すなわち、図1のステップs7のポリッシャの工程は、同時に斜毛工程も含んでいる。斜毛工程は、捲縮性または収縮性を有しない繊維に対するつや出し工程であるポリッシャ工程中に含まれるので、捲縮性または収縮性を有しない繊維に対しては、基布2の表面から傾斜して伸びるように揃え、その根元に捲縮性または収縮性を有する繊維を縮ませることができる。
図9は、図1のステップs3、ステップs5、ステップs9およびステップs12で使用するシャーリング装置の模式的な構成を示す。回転体用シール材1は、ロール状に巻かれた状態のパイル織物として供給され、連続的に巻戻されて、再びロール状に巻取られるまでの間に、ロータリカッタ50の部分を通過し、パイル糸3の先端が切り揃えられる。回転用シール材1の裏面側には押圧部材51の先端が押し当てられ、パイル糸3が起毛している基布2の表面をロータリカッタ50の刃先に近付ける。ロータリカッタ50に対する押圧部材51の位置の調整で、切揃えるパイル長を設定することができる。
図10は、図1のステップs4、ステップs6、ステップs8、およびステップs11に示す毛割の工程で使用する装置の模式的な構成を示す。2つの針付きローラ61,62には、外周面に多数の針が植設されている。一方の針付きローラ61は、回転用シール材1の移動方向に対して、外周面の移動の接線方向が逆方向となるように回転する。他方の針付きローラ62は、回転用シール材1の移動方向に対して、外周面の移動の接線方向が同方向となるように回転する。押圧部材63,63は、針付きローラ61,62の外周面に対して、それぞれ接近または離反が可能である。押圧部材63,64を針付きローラ61,62にそれぞれ接近させると、回転用シール材1の表面から起毛するパイル糸3の先端を針が引っかけて、毛割を行うことができる。押圧部材63,64を針付きローラ61,62の外周面から離反させると、回転用シール材1は、支持ロール65,65のみによって支持され、パイル糸3の先端が針付きローラ61,62には触れないようにすることができる。
図10(a)は、2つの押圧部材63,64を針付きローラ61,62にそれぞれ接近させ、両方の針付きローラ61,62で全解毛を行う状態を示す。図1のステップs6としては、複数回繰返し、押圧部材63,64を徐々に針付きロール61,62側に接近させ、全解毛の程度を徐々に深くしていくことが望ましい。図10(b)は、押圧部材63のみ針付きロール63に接近させる角度出しの毛割工程を示す。図1では、ステップs6に対応する。パイル糸3に対して、相対的に高速度に移動する針が作用するので、パイル糸3は傾斜するように引張られ、基布2の上下の層をずらすことができる。図10(c)は、押圧部材64のみを針付きローラ62に接近させて捌きを行う毛割工程を示す。図1のステップs8およびステップs11で行われる。
図11は、図1のステップs9でのポリッシャ工程に使用する加熱ロール70の概略的な構成を示す。加熱ロール70は、外周面が170℃程度に加熱され、外周面には、軸線方向に対して傾斜している溝71が設けられている。たとえば加熱ロール70の直径が400mm程度であるときには、幅が30〜40mm程度の溝71が加熱ロール70の外周面に間隔をあけて複数、たとえば4〜5箇所に形成されている。加熱ロール70は、本来はパイル糸3の捲縮を伸してつや出し効果を与えるために行う。
本実施形態では、つや出し工程である図1のポリッシャ工程で、外周面に軸線方向に対して傾斜している溝が間隔をあけて複数形成されている回転ローラ形のシリンダを、加熱して行うので、毛の糸に含まれる捲縮性または収縮性を有しない繊維を斜毛させるとともに、捲縮性または収縮性を有する繊維を縮ませることができる。
本発明の実施の一形態であるシール織物の製造方法で実行される概略的な工程手順を示す行程図である。 図1の工程で製造される回転体用シール材1を含む現像装置の部分的な構成を示す断面図である。 図2に示す回転体用シール材1と現像ローラ6の外周面との関係を示す斜視図である。 図3の現像ユニット14を含む画像形成装置の部分的な構成を簡略化して示す断面図である。 図2の回転体用シール材1で図4の開口23aでトナーの封止を行う考え方を示す図である。 回転体用シール材1の断面構造を模式的に示す図である。 図2の回転体用シール材1を従来からのフェルトシール40と比較して、模式的に示す図である。 図1のステップs3のシャーリング工程終了後のパイル織物の断面構成を、模式的に示す図である。 図1のステップs3、ステップs5、ステップs9およびステップs12で使用するシャーリング装置の模式的な構成を示す簡略化した断面図である。 図1のステップs4、ステップs6、ステップs8、およびステップs11に示す毛割の工程で使用する装置の模式的な構成を示す簡略化した断面図である。 図1のステップs9でのポリッシャ工程に使用する加熱ロール70の概略的な構成を示す簡略化した斜視図である。
符号の説明
1 回転体用シール材
2 基布
3 パイル糸
6 現像ローラ
7 回転軸
8 トナー
13 ブレード
14 現像ユニット
20 画像形成装置
21 感光ドラム
50 ロータリカッタ
61,62 針付きロール
70 加熱ロール

Claims (2)

  1. 粉体を担持する回転体の端部をシールする回転体用シール材として使用するシール織物の製造方法であって、
    捲縮性または収縮性を有する繊維と有しない繊維とを含む糸を毛の糸として用い、張力を与えながらパイル組織の織物を製造する製織工程と、
    パイル組織のパイル長を刈り揃えるシャーリング工程と、
    加熱しながら基布の糸を層状にずらしてカットパイルを基布の表面に対して傾斜させるとともに、毛の糸に含まれる捲縮性または収縮性を有する繊維を縮れさせる斜毛工程とを含み、該斜毛工程において、外周面に軸線方向に対して傾斜している溝が間隔をあけて複数形成されている回転ローラ形のシリンダを、加熱して、パイルをパイル織目に対して両側から内側に向かって傾斜させる工程を含むことによってパイルの斜毛と捲縮または収縮を同時に行うことを特徴とするシール織物の製造方法。
  2. 前記斜毛工程は、前記捲縮性または収縮性を有しない繊維に対するつや出し工程中に含まれることを特徴とする請求項1記載のシール織物の製造方法。
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