JP3122466U - トナーシール材 - Google Patents

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一英 稲田
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Abstract

【課題】
レーザビームプリンタ、ファクシミリのような写真画像形成プロセスまたは各種の作業機器において、感光ドラムや現像ローラなどの周面に密接できることにより、高いトナーの漏出防止性を発揮するトナーシール材を提供する。
【解決手段】
耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に配置し且つ少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布と、該基布を介してフェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層とを備える。
【選択図】図2

Description

本考案は、主に電子複写機、レーザビームプリンタ、ファクシミリのような写真画像形成プロセスにおいて、感光ドラムや現像ローラなどの湾曲面に配置した際に皺が殆ど発生せずに密接できるトナーシール材に関する。
電子複写機やレーザビームプリンタなどの電子写真画像形成プロセスにおいて、現在では感光ドラム、現像ローラおよび他の基材を一体化し、カートリッジとして着脱自在にしてメンテナンスをユーザ自身で行う方式が一般的である。このプロセスカートリッジは、クリーニング機構で生じた廃トナーをクリーニング容器内へ排出し、該カートリッジの交換時に同時に廃棄する。プロセスカートリッジにおいて、感光ドラムや現像ローラの周辺は常温より高く、一時的に100℃前後に達することがある。このため、感光ドラムや現像ローラの付近では、シール材として摺動性および耐熱性が優れたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)繊維のフェルトを使用することが一般的である。
これらのシール材は、稼動部材のスムースな回転を維持し且つ高い密接度を要求されるため、通常、感光ドラムなどに接触するフェルト材と、弾性を付与するウレタンフォーム層との2層構造になっている。この種のシール材の公知例として、特開昭61−129664号、特開平4−134374号、登録実用新案第2537613号が存在し、PTFE繊維フェルトには、ニードルパンチフェルト、植毛シートまたは平滑処理フェルトが存在する。
電子写真画像形成プロセスに用いるシール材に関して、近年においてトナー微粒子が10μm以下のようにいっそう微細化し且つ重合トナー粒子などの出現により、通常のPTFE繊維のフェルト単独であると、トナーの漏出防止およびトナー掻き取り性を十分に発現させることが困難であった。この際に、ウレタンフォーム層をフェルト裏面に設置しても、十分なトナーの漏出防止およびトナー掻き取り性を得ることはできない。本出願人は、実用新案登録第3111895号および第3112862号において、繊維断面に鋭角が形成されたPTFE繊維のニードルフェルトを使用することにより、トナーの漏出防止およびトナー掻き取り性を高めている。このフェルトは、感光ドラムや現像ローラの周辺における平坦な個所に用いた場合、トナーの漏出防止およびトナー掻き取り性を十分に発現する。
特開昭61−129664号公報 特開平4−134374号公報 登録実用新案第2537613号公報 実用新案登録第3111895号公報 実用新案登録第3112862号公報
PTFE繊維のニードルフェルトは、たとえ繊維断面が鋭角に形成されていても、ローラ周面などの湾曲面に配置すると、それを湾曲した際に細かな横皺が発生することにより、トナーの漏出防止およびトナー掻き取り性が不十分になることがある。このような横皺は、下方のクッション層を厚くしたり、該クッション層を相当に軟質化しても少なからず
発生し、現状では回避できない問題であると認識されている。
このために、特開平11−61101号や特開2003−223047号のように、業界の一部では緻密なパイル状織物からなるシール材を使用し、トナーの漏出防止性を高めることを意図している。パイル状織物のシール材は、モケット織のパイル長が3〜4mmというように長いことにより、PTFE繊維フェルトに比べてクッション性が高く、しかも湾曲面でも十分なシール性を発揮する。この反面、このパイル状織物を織成する織機は特注機となり、非常に高価であるうえに使用糸量も倍になって製造コストが高くなる。また、起毛処理後のパイル糸の基部には空隙が残存しやすく、このパイル基部からトナー微粒子が一部漏出することを回避できず、しかもトナーの漏出防止と同時に残トナーの掻き取りを達成することは殆ど期待できない。
本考案は、主に電子写真画像形成プロセスに用いるトナーシール材に関する前記の問題点を改善するために提案されたものであり、感光ドラムや現像ローラなどの湾曲面に配置した際に皺が殆ど発生せず、該湾曲面と密接することで優れたトナー漏出防止性を発揮するトナーシール材を提供することを目的としている。本考案の他の目的は、高いトナーの漏出防止性とともに、感光ドラムなどの稼動部材の湾曲面に残ったトナーも効果的に掻き取れるトナーシール材を提供することである。
本考案に係るトナーシール材は、感光ドラムや現像ローラのような稼動部材の湾曲面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防止する。本考案のトナーシール材は、耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に配置し且つ少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布と、該基布を介してフェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層とを備える。
本考案に係るトナーシール材は、耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に配置し且つ少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布と、該基布を介してフェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層と、フェルト材およびクッション層を所定の位置に固定するための接着層とを備えていてもよい。
本考案のトナーシール材において、基布は、少なくとも一方向に伸縮性を有する編物または伸縮性織物であると好ましい。この編物または伸縮性織物において、その一部または全部にポリウレタン弾性繊維糸を用いていてもよい。
本考案のトナーシール材において、フェルト材が、摺動性が高いフッ素系繊維を含有すると好ましく、該フェルト材が、フィルム割繊法で製造した白色のPTFE繊維および/またはマトリックス紡糸法で製造した茶色のPTFE繊維で構成されると特に好ましい。このフェルト材の表面には、スプレー、コーティングまたはディッピングによってウレタン樹脂加工またはフッ素樹脂加工を施すことも可能である。
本考案を図面によって説明すると、図2に例示するようなトナーシール材8に用いるフェルト材1(図1)は、主として耐熱性の有機繊維からカードラップを形成し、該ラップをニードルパンチングで一体化する。この一体化において、ニードルパンチングの後に、高圧のウォータジェット処理を行ったり、さらに所望に応じて熱処理によって所定の厚みと密度に定めてもよい。フェルト材1には、PTFE樹脂、FEP樹脂(テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂)のようなフッ素系樹脂などで樹脂加工を施してもよく、この樹脂加工は表面スプレーやコーティングまたは含浸処理で行う。
フェルト材1の裏面には、少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布2を配置して一体化させる。基布2は、通常、カードラップをニードルパンチングする際に、該ラップの下側に配置してラップのフェルト化と同時に一体化させればよい。この基布は、別個のニードルパンチまたは熱融着フィルムなどを介してフェルト材1と一体化してもよい。
フェルト材1を構成する有機繊維は、一時的に100℃前後に達する感光ドラムや現像ローラの湾曲面に使用できる程度に耐熱性であればよく、高い摺動性の点でフッ素系繊維であると好ましい。耐熱性の有機繊維は、トナーシール材8を180〜230℃に達するような高温環境で使用する場合には、フィルム割繊法で製造した白色のPTFE繊維またはマトリックス紡糸法で製造した茶色のPTFE繊維であると好ましく、白色のPTFE繊維と茶色のPTFE繊維を混綿すると、物性およびコストの点で特に好ましい。
耐熱性の有機繊維として、PTFE繊維以外のフッ素系繊維、ポリイミド繊維および/またはアラミド繊維を用いることも可能である。この有機繊維には、その物性を損なわない程度に、分割法によって製造した耐熱性の有機繊維または他の無機または有機繊維を混綿してもよい。これらの繊維で構成するフェルト材1は、熱安定性やクリーニング性などが良好である。
フィルム割繊法では、溶融成膜法などにより薄膜フィルム10(図3)を作製した後にマイクロスリットし、場合によっては、さらに延伸、熱処理することで断面矩形状の有機繊維11を製造する。PTFE繊維の場合には、樹脂微粒子に石油系などの助剤を加えてペースト状にしたものを押出成形で生テープ状に成形した後に、得られた薄膜フィルム10をマイクロスリッタで割繊後、延伸、熱処理することによってPTFE繊維を得る。得られたPTFE繊維11の断面が矩形状である。この製法による有機繊維は、単糸の繊度が通常1デシテックス以上で繊維断面に鋭角が形成された極細テープ状である。この製法によるPTFE繊維は白色であり、エマルジョン紡糸法つまりマトリックス紡糸法による茶色のPTFE繊維とは異なっている。
また、分割法で製造する繊維について、該繊維の分割前には、少なくとも2成分以上の非相溶性の繊維形成性樹脂で構成される多成分系の複合繊維12(図4、図5)である。複合繊維12における熱可塑性樹脂14,15との組み合わせ例は、ポリエステル/ナイロン繊維、ポリエステル/ポリプロピレン繊維、ポリエステル/ポリエチレン/ポリプロピレン繊維、ポリエステル/ナイロン/ポリプロピレン繊維などであり、この組み合わせ以外にも適宜の組み合わせを採用できる。複合繊維12は、ニードルパンチングなどの機械的作用、加熱作用または溶媒による化学的処理によって分割され、所定の縦方向の筋目に沿って割繊されて8本、16本または24本になる。分割後の繊維は、扇形に近い繊維断面(図4)やほぼ三角形の繊維断面(図5)において、鋭角が形成されていると好ましい。分割繊維で構成するフェルト材1は、フィルム割繊法で製造した有機繊維を使用する場合と同様に、クリーニング性が良好である。
トナーシール材8において、フェルト材1の裏面の基布2は、少なくとも湾曲方向に伸縮性を有していれば、編物、伸縮性織物または薄い樹脂シートのいずれでもよい。特に編物は、経編または緯編(丸編)のいずれにおいても、糸のループの集合からできているために生地自体が伸縮性に富んでおり、任意の繊維を選択することができるので好適な材料である。好適な素材としては特に限定されず、ナイロン、ポリエステル、あるいはフッ素系やアラミド繊維などが例示できるが、価格、強度の点からナイロンが望ましい。勿論、ナイロンなどを単独で用いるだけでなく、ポリウレタン弾性繊維などとの交編とすることも好ましい。この編み方は特に限定されず、経編、緯編のいずれでもよいが、生産性の点からトリコットに代表される経編が望ましい。また、基布2は、強度が維持できれば薄いほど好ましく、目付で20〜100g/m、好ましくは30〜50g/mであることが望ましい。
基布2として、伸縮性織物を用いる場合、ポリウレタンまたはその他の弾性繊維との交織織物、あるいはこれらの弾性繊維を芯としてナイロンなどの他の非弾性繊維を巻き付けたいわゆるコアヤーンを用いた織物などを使用することができる。ポリウレタン弾性繊維の代わりに、ラテックスを細いノズルから抽出・凝固させた丸ゴムや、生ゴムを薄い皮膜として裁断した角ゴムを使用することもできる。
トナーシール材8では、図2に示すように、基布2を介してフェルト材1にクッション層5を貼り付ける。クッション層5には、ポリウレタンフォーム、羊毛フェルト、ポリエステルなどのニードルフェルトが用いられ、その厚みは0.5〜3.0mmであると好ましい。また、羊毛フェルトやニードルフェルトの場合、ウレタンやアクリルなどの比較的柔軟な樹脂で加工すると、毛羽立ちなどが抑えられるので好ましい。フェルト材1とクッション層5の接着方法は特に限定されず、ニードルパンチング、両面粘着テープ、熱融着シートまたは液状や粒状の接着剤などを使用でき、羊毛フェルトやニードルフェルトの場合にはニードルパンチングによる方法が、ポリウレタンフォームの場合には熱融着シートや両面粘着テープを用いることが多い。この熱融着シートは、共重合ポリアミド、ポリプロピレンなどの不織布や樹脂シートなどであり、融点が80〜170℃程度であると好ましい。
所望に応じて、クッション層5の下面には、さらに両面粘着テープ7などの感圧または感熱接着層を設けてもよい。この接着層により、トナーシール材8を電子写真画像形成プロセスまたは回転ローラや往復作動部材を有する他の作業機器の適当な部位に取り付けることが可能になる。
トナーシール材8は、所定の平面形状に打抜くかまたは裁断すればよく、個別のシール片16a,16aおよび17b,17b(図6)として、適宜に湾曲させて、レーザビームプリンタ本体または該プリンタに着脱可能に収納するプロセスカートリッジ18の一部に貼着する。トナーシール材8は、シール片16a,16aおよび17b,17bのように各部材の湾曲面に取り付けると、該湾曲面と容易に密接することができ、この際に細かい横皺が発生しない。
図6に例示するように、カートリッジ18は、感光ドラム21、帯電ローラ22およびクリーニング機構23を有するフレーム24と、現像ローラ25を有する現像機構26によって構成し、該現像機構がフレーム24に対して回転可能になるように取り付ける。カートリッジ18をプリンタ本体に着脱可能に収納すると、該カートリッジの上方には、レーザビーム27を照射してドラム表面に静電潜像を形成する露光機構が配置され、感光ドラム21の下周面には、現像したトナー像を一次転写する転写ローラ28が接触する。転写紙30は、感光ドラム21と転写ローラ28との間を通過し、該転写紙の送り方向である矢印の前方に定着装置(図示しない)を配置する。
感光ドラム21には、OPCなどの感光層をアルミニウムシリンダ体の外周面に設けている。このプリンタにおいて、感光ドラム21は矢印向きに所定の周速度で回転され、該ドラムは、その回転に従って、ドラム表面を一様に帯電させる帯電ローラ22と接触してから、順次、レーザビーム27の照射による露光機構、現像ローラ25さらに転写ローラ28と接触する。現像ローラ25の両端部には、図6に示すように、現像ローラ用のシール片17b,17bを取り付け、トナー31が漏出することを防いでいる。
感光ドラム21は、現像機構の現像ローラ25でドラム表面に形成されたトナー像を転写紙30に一時転写した後に、転写後の残トナーを除去するクリーニング機構23と近接する。感光ドラム21は、クリーニング機構23において、クリーニング容器32の開口部34と対向し、該開口部の縁部にウレタンゴム製などのクリーニングブレード36を設置することにより、該ブレードのエッジを感光ドラム21に圧接し、一次転写後に感光ドラム表面から残トナーを掻き取り、クリーニング容器32の内部へ送り込む。
クリーニング機構23において、クリーニングブレード36の形状に合わせてその両端部にシール片16a,16aを取り付け、該フェルト材は感光ドラム21の表面両端部とも接触する。これらのシール材は、容器開口部34の縁部に沿って取り付けてもよい。クリーニング機構23は、ドラム表面に残ったトナーを除去して内部のクリーニング容器32の中に蓄積する。シール片16a,16aは、回収した残トナーが容器開口部34の両側から漏出することを防いでいる。クリーニング機構23は、シール片16a,16aの存在によってトナーの除去能力が優れ、プロセスカートリッジ18に適用可能となる。
トナーシール材8は所定の厚さのフェルト材1を有し、シール片16a,16aおよび17b,17bとして、下側の両面粘着テープ7によって所定の湾曲面つまり感光ドラム21や現像ローラ25の周面などに貼着され、トナーが外部へ漏出することを防いでいる。現像機構26は、シール片17b,17bが間隔保持材として機能することにより、現像ローラ25と感光ドラム21との微小間隔が常に一定保持され、良好な画像を安定して出力できる。また、クリーニング機構23は、両側端のシール片16a,16aのクッション層5の存在によって、クリーニングブレード36および容器開口部34がドラム表面に軽く密着できる。
トナーシール材8は、個々のシール片16a,16aおよび17b,17bについて十分な摺動性およびトナーの漏出防止性を有し、伸縮性を有する基布2によって湾曲面に沿って曲げた際にフェルト材1とクッション層5との隣接面側が伸びやすくなり、該フェルト材の湾曲面との接触面側に細かい横皺が発生することを防止する。したがって、トナーシール材8は、トナーの漏出防止およびトナーの除去能力が優れ且つ耐久性が高く、感光ドラム21や現像ローラ25を傷つけることが少ないため、レーザビームプリンタ本体またはプロセスカートリッジ18において広く適用可能である。
また、トナーシール材8は、適宜の平面形状のシール片37に裁断してから、図7に例示するようなモノクロ複写機用のトナーカートリッジ38に適用してもよい。カートリッジ38では、その下方両側壁に円弧状の切り欠き部40を形成し、該切り欠き部に現像ローラ42を回転自在に設置するとともに、カートリッジ内にトナー44を収納する。現像ローラ42の両端部は、両側壁の切り欠き部40まで延設され、湾曲させたシール片37を介して切り欠き部40内に回転自在に取り付ける。トナー供給口の上方には、帯電用ブレード48が現像ローラ42の表面に押圧された状態で保持されている。
現像ローラ42は、例えば、アルミニウム製の円筒体であり、その表面にトナーの薄層を付着させて回転し、複写機本体の感光ドラム50と対向配置されている。感光ドラム50が矢印方向に回転し、それに応じて現像ローラ42が反時計方向に回転すると、ドラム表面の潜像の電荷によって形成される電界の強さに応じて、トナーが現像ローラ42の表面から離脱し、ドラム表面の帯電部分に付着して現像が行われる。
トナーシール材8は、個別のシール片37として摺動性が優れ、湾曲密接することによって現像ローラ42におけるトナーの漏出防止性がいっそう良化する。したがって、トナーシール材8は、カートリッジ38において現像ローラ42に付着したトナー44が側壁の外側に漏出することを効果的に防止できる。
本考案に係るトナーシール材は、フェルト材とクッション層との間に少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布が介在することにより、該フェルト材を湾曲面に沿って曲げた際にクッション層との隣接面側が伸びやすくなり、該フェルト材の湾曲面との接触面側に細かい横皺が発生することを防止する。本考案のトナーシール材は、電子複写機やレーザプリンタなどの写真画像形成プロセスにおいて、ローラ周面などの湾曲面に配置すると該湾曲面と密接し、その湾曲個所においてトナーの漏出を効果的に防止できる。
本考案に係るトナーシール材において、基布が伸縮性を有する編物または伸縮性織物であると、ニードルパンチングによってカードラップをフェルト化すると同時に、該基布をフェルト材と一体化できるので作業工程を増えることがない。この基布は、薄い編物または伸縮性織物でよいので安価であり、シール材のトナー漏出防止性を効果的に高める割にコスト高にならず、単価はほぼ同一のままであっても物性的に遙かに有益である。
本考案に係るトナーシール材は、通常のPTFE繊維単独のフェルト並みの摺動性を有するうえにいっそう柔軟であり、しかもフェルト材がアラミド繊維単独のものと比べて熱収縮性が改善され、使用時の寸法安定性が良くなってより長期間の使用が可能になる。本考案のトナーシール材は、フェルト材がフィルム割繊法で製造したPTFE繊維を含んでいると低摩擦であり、残トナーが付着した感光ドラムや現像ローラなどの稼動部材の表面と接触した際に、良好なトナー掻き取り性つまりクリーニング性を発揮できる。
次に、本考案を実施例に基づいて説明するが、本考案は実施例に限定されるものではない。図1に示すフェルト材1を製造するために、フィルム割繊法によって製造した繊維断面が矩形状である平均繊度3.3デシテックスのPTFE繊維70%と、マトリックス紡糸法によって製造した平均繊度6.7デシテックスのPTFE繊維30%とを混綿し、目付400g/m2のカードラップを形成した。このカードラップの下側に、目付40g/mであるナイロントリコット編物の基布2を重ね合わせ、ニードルパンチングによって一体化し、基布2付きの不織布素材3を作製した。
図2に示すように、フェルト材1の裏面である基布面側には、目付430g/mである羊毛フェルトのクッション層5を重ね合わせ、該羊毛フェルトには乾量で50g/mのウレタン樹脂加工を施している。この重ね合わせの後に、フェルト材1の表面からニードルパンチングを行い、フェルト材1と羊毛フェルト5とを一体的に接合した。さらに、羊毛フェルト面に両面粘着テープ7を接着してトナーシール材8を製造した。
トナーシール材8は、例えば3×30mmの長方形に打抜き、レーザビームプリンタまたはプロセスカートリッジの現像ロール用のシール材として使用した。トナーシール材8は、ロール周面の曲面に貼っているにもかかわらず、表面に細かい横皺が寄らず、良好なトナーシール性を示す。
トナーシール材8は、現像ロール用の周面において十分な摺動性およびトナーの漏出防止性を有する。したがって、トナーシール材8は、トナーの漏出防止およびトナーの除去能力が優れ且つ耐久性が高く、レーザビームプリンタの感光ドラムや現像ローラを傷つけることが少ないため、プロセスカートリッジなどにおいて広く適用可能である。
フィルム割繊法によって製造した平均繊度3.3デシテックスのPTFE繊維100%によって目付450g/m2のカードラップを形成し、該カードラップの下側に伸縮性織物の基布2を重ね合わせた。この伸縮性織物は、ポリウレタン弾性繊維糸を芯としてそれにナイロン繊維を巻き付けたコアヤーンを用いている。重合したカードラップと基布2をニードルパンチングによって一体化し、基布2付きの不織布素材3を作製した。
図2に示すように、フェルト材1の裏面である基布面側には、発泡ウレタンシートのクッション層5を両面テープによって貼り合わせた。さらに、クッション層5のウレタンシート面に両面粘着テープ7を接着してトナーシール材8を製造した。
このトナーシール材8は、適宜に裁断してから、実施例1と同様に、レーザビームプリンタの現像ロール用のシール材として使用した。トナーシール材8は、ロール周面の曲面に貼っているにもかかわらず、表面に細かい横皺が寄らず、良好なトナーシール性を示す。トナーシール材8は、個別のシール材として実施例1のそれと比べて摺動性がいっそう優れている。
マトリックス紡糸法によって製造した平均繊度6.7デシテックスのPTFE繊維100%によって目付450g/m2のカードラップを形成し、該カードラップの下側に伸縮性織物の基布2を重ね合わせた。この伸縮性織物は、ポリウレタン弾性繊維糸を緯糸、ポリエステル繊維糸を経糸として用いた交織織物である。重合したカードラップと基布2をニードルパンチングによって一体化し、基布2付きの不織布素材3を作製した。
図2に示すように、フェルト材1の裏面である基布面側には、目付430g/mである羊毛フェルトのクッション層5を重ね合わせた。この重ね合わせの後に、フェルト材1の表面からニードルパンチングを行い、フェルト材1と羊毛フェルト5とを一体的に接合した。さらに、羊毛フェルト面に両面粘着テープ7を接着してトナーシール材8を製造した。
このトナーシール材8は、適宜に裁断してから、実施例1と同様に、レーザビームプリンタの現像ロール用のシール材として使用した。トナーシール材8は、ロール周面の曲面に貼っているにもかかわらず、表面に細かい横皺が寄らず、良好なトナー漏出防止性を示す。トナーシール材8は、個別のシール材として実施例1のそれと比べて摺動性は若干低下するが十分な使用可能なレベルにある。
平均繊度33.3デシテックスのPTFE繊維70%と、14.4デシテックスのメタアラミド繊維30%とを混綿して目付400g/m2のカードラップを形成し、該カードラップの下側に基布2つまりナイロンの丸編物を重ね合わせ、ニードルパンチングによって張り合わせた。
ついでアクリル樹脂加工された目付300g/m2のポリエステル不織布をフェルト材1の下側に重ね、ニードルパンチングによって一体化した。さらに、ポリエステル不織布側に両面粘着テープ7を張り合わせた。
これを実施例1と同様に、レーザビームプリンタの現像ロール用のシール材として評価したところ、貼り合わせ時の皺が無く、トナーシール性も良好であった。
本考案で用いるフェルト材を例示する概略断面図である。 本考案に係るトナーシール材の一例を示す概略断面図である。 マイクロスリッタで割繊可能な薄膜フィルムの一例を拡大して示す部分斜視図である。 分割可能な中空の複合繊維の例を示す拡大端面図である。 分割可能な放射状の複合繊維の例を示す拡大端面図である。 プロセスカートリッジの使用状態を示す概略断面図である。 トナーシール材をモノクロ複写機用のトナーカートリッジに設置した例を示す概略断面図である。
符号の説明
1 フェルト材
2 基布
5 クッション層
8 トナーシール材
18 プロセスカートリッジ

Claims (8)

  1. 感光ドラムや現像ローラのような稼動部材の湾曲面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防ぐトナーシール材であって、耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に配置し且つ少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布と、該基布を介してフェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層とを備えるトナーシール材。
  2. 感光ドラムや現像ローラのような稼動部材の湾曲面と密接してトナーやオイルが外部へ漏出することを防ぐトナーシール材であって、耐熱性の有機繊維を主体としてなるカードラップをニードルパンチングで一体化したフェルト材と、該フェルト材の裏面に配置し且つ少なくとも湾曲方向に伸縮性を有する基布と、該基布を介してフェルト材の裏面に貼り付けて所定の弾性を付与するクッション層と、フェルト材およびクッション層を所定の位置に固定するための接着層とを備えるトナーシール材。
  3. 基布は、少なくとも一方向に伸縮性を有する編物または伸縮性織物である請求項1または2記載のトナーシール材。
  4. 編物または伸縮性織物において、その一部または全部にポリウレタン弾性繊維糸を用いる請求項3記載のトナーシール材。
  5. 基布がナイロン編物である請求項3記載のトナーシール材。
  6. フェルト材が、摺動性が高いフッ素系繊維を含有する請求項1または2記載のトナーシール材。
  7. フェルト材が、フィルム割繊法で製造した白色のポリテトラフルオロエチレン繊維および/またはマトリックス紡糸法で製造した茶色のポリテトラフルオロエチレン繊維で構成される請求項1または2記載のトナーシール材。
  8. フェルト材の表面にスプレー、コーティングまたはディッピングによってフッ素樹脂加工を施す請求項1または2記載のトナーシール材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012135363A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Bridgestone Sports Co Ltd テニスボール用フェルトおよびテニスボール
KR20200133301A (ko) 2018-03-05 2020-11-27 가부시키가이샤 후지코 토너 시일재

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JP2012135363A (ja) * 2010-12-24 2012-07-19 Bridgestone Sports Co Ltd テニスボール用フェルトおよびテニスボール
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