JP5238470B2 - ベロア材及びベロア材の製造方法 - Google Patents

ベロア材及びベロア材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、例えば画像形成装置において、感光ドラムを帯電させる帯電ブラシ、帯電された感光ドラムの静電気を除去する除電ブラシ、感光ドラムに付着したトナーや紙粉などを掻き取って除去するクリーニングブラシ等として使用されるベロア材及びベロア材の製造方法に関する。
従来、画像形成装置におけるブラシに用いられるベロア材としては、特許文献1に示すものが知られている。この特許文献1のベロア材は、基布上に複数のパイル列が幅方向と直交する方向に沿うように形成されたものであり、各パイル列を構成するパイルの先端が感光ドラムに摺接するように配置されて該感光ドラムの表面に付着したトナーを掻き取るブラシとして用いられている。こうしたブラシには、一般に、次の2つの特性が要求される。1つは、感光ドラムの表面にパイルが常に一定の圧力で接触することがトナーの掻き取り性能を維持する上で望ましいため、不規則なパイルの倒れや乱れが発生しないことであり、もう一つは、感光ドラムの表面に傷を付けないようにするため、パイルが柔軟で摺動抵抗が低いことである。
特開2002−209634号公報
ところで、特許文献1のベロア材は、幅方向における両端のパイル列を剛性の高い繊維で構成している。そして、これらのパイル列によってこれら両パイル列の間に位置する柔軟な繊維で構成された他のパイル列を幅方向の両側から支えて倒れ難くする構成になっている。このため、各パイル列を倒れ難くすることはできるものの、剛性の高い繊維で構成されたパイル列の存在によりどうしても感光ドラムの表面に傷が付くことを抑えることができない場合があった。
この発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、柔軟な繊維で全てのパイルを構成しても各パイルを倒れ難くすることが可能なベロア材及びベロア材の製造方法を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、糸を織ってなる基布と、該基布に織り込まれて該基布上に立設された複数のパイルとを備えた画像形成装置の感光ドラムのブラシ用のベロア材であって、前記基布上には前記パイルが立設されない非立設領域が形成され、当該非立設領域を挟んで該非立設領域側に対称に傾斜するように配置される各パイルを備えるとともに、該各パイルは前記非立設領域上で相互に支え合うことを要旨とする。
上記構成によれば、非立設領域を挟んだ両側の対応する各パイル同士が該非立設領域上で支え合うため、柔軟な繊維で全てのパイルを構成しても各パイルを倒れ難くすることが可能となる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記各パイルの傾斜方向において該各パイルを直接挟む2本の前記糸のうち前記非立設領域から遠い方の糸は前記非立設領域から近い方の糸よりも、前記基布上に連続的に露出して該各パイルの締め付けに寄与する部分の長さが長くなっていることを要旨とする。
上記構成によれば、各パイルの傾斜方向において該各パイルを直接挟む2本の糸間で各パイルに対する締め付け力に差が生じるようになる。すなわち、2本の糸から各パイルに作用する締め付け力は、各パイルの傾斜方向において非立設領域側とは反対側の方向に働くものよりも非立設領域側の方向に働くものの方が大きくなる。このため、基布を構成する糸の織り方を変更するだけで、該各パイルを非立設領域側へ容易に傾斜させることが可能となる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記各パイルの傾斜方向において該各パイルを直接挟む2本の前記糸のうち前記非立設領域から遠い方の糸は前記非立設領域から近い方の糸よりも太くなっていることを要旨とする。
上記構成によれば、各パイルの傾斜方向において該各パイルを直接挟む2本の糸間で太さに差を持たせることで、該2本の糸間で各パイルに対する締め付け力に差が生じるようになる。すなわち、各パイルに作用する締め付け力は太い糸ほど大きくなるため、各パイルの傾斜方向において非立設領域側とは反対側の方向に働く締め付け力よりも非立設領域側の方向に働く締め付け力の方が大きくなる。このため、基布を構成する糸の織り方を単純な平織りにしても、各パイルを非立設領域側へ容易に傾斜させることが可能となる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載の発明において、前記各パイルは該各パイルの傾斜方向と直交する方向に沿って千鳥状に配置されていることを要旨とする。
上記構成によれば、非立設領域を挟む両側の各パイルを該非立設領域側に傾斜させる際に、内側の各パイル間の隙間に外側の各パイルが入り込み易くなる。このため、内側の各パイルが外側の各パイルを傾斜させる際の妨げとなることを抑制することが可能となる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載の発明において、前記各パイルは導電性を有することを要旨とする。
上記構成によれば、各パイルに静電気が溜まり難くなるため、静電気による各パイルへの粉粒体や塵埃等の異物の付着を抑制することが可能となる。
請求項6に記載の発明は、糸を織ってなる基布上にパイルが立設されない非立設領域を形成するとともに複数のパイルを前記非立設領域を挟んで対称配置となるように該基布上に織り込んで立設する際に、前記非立設領域の延びる方向と直交する方向において前記各パイルを直接挟む2本の前記糸のうち前記非立設領域から遠い方の糸によって前記各パイルが締め付けられる力の方が前記非立設領域から近い方の糸によって前記各パイルが締め付けられる力よりも大きくなるようにして前記各パイルを前記非立設領域側に相互に支え合うように対称に傾斜させることを要旨とする。
上記構成によれば、糸により各パイルが該各パイルの傾斜方向において非立設領域側とは反対側の方向に締め付けられる力よりも非立設領域側の方向に締め付けられる力の方が大きくなるため、各パイルを非立設領域側へ容易に傾斜させることが可能となる。
請求項7に記載の発明は、糸を織ってなる基布上にパイルが立設されない非立設領域を形成するとともに複数のパイルを前記非立設領域を挟んで対称配置となるように該基布上に織り込んで立設する織り込みステップと、前記各パイルに熱を付与しながら該各パイルを前記非立設領域側に相互に支え合うように対称に傾斜させて押圧する熱押圧ステップとを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、開いた各パイルが熱を付与されながら非立設領域側へ押圧されるので、該各パイルの開きを効果的に抑制することが可能となる。
本発明によれば、柔軟な繊維で全てのパイルを構成しても各パイルを倒れ難くすることが可能なベロア材及びベロア材の製造方法を提供することができる。
以下、本発明のベロア材を画像形成装置に用いられるクリーニングブラシに具体化した一実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1に示すように、画像形成装置10内において、感光ドラム11は、支軸11aにより回転可能に支持され、その表面において帯電可能に構成されている。感光ドラム11の周囲には、その上方位置から回転方向(図1では時計方向)に沿って順番に帯電部12、露光部13、現像部14、転写部15、クリーニング部16及び除電部17が配設されている。
この感光ドラム11は回転時にその表面が帯電部12により帯電され、その帯電された表面に露光部13により静電潜像が形成された後、その静電潜像が形成された表面に現像部14から微細な粉粒体であるトナーが供給されて付着する。そして、転写部15により感光ドラム11及び転写部15間に供給された記録用紙18にトナーによる可視像が転写された後、クリーニング部16で感光ドラム11の表面に残留するトナーが除去され、除電部17で感光ドラム11の表面に残留する電荷が消去される。
クリーニング部16は略四角箱状をなすハウジング16aを備えており、該ハウジング16aにおける感光ドラム11と対向する側は開口している。ハウジング16a内の上部には感光ドラム11に対向するように支持板19が設けられている。支持板19における感光ドラム11との対向面には該支持板19と感光ドラム11との間の隙間を塞ぐようにベロア材としてのクリーニングブラシ30が貼着されている。
クリーニングブラシ30は複数のパイル32を有しており、該各パイル32は感光ドラム11の表面に摺接している。したがって、感光ドラム11の表面に残留するトナーはクリーニングブラシ30の各パイル32によって掻き取られ、掻き取られたトナー、紙粉等はハウジング16a内の回収口16bから回収されるようになっている。
次に、クリーニングブラシ30の構成について詳述する。
図2及び図3に示すように、クリーニングブラシ30は、織布よりなる平面視矩形状をなす基布31と、該基布31に複数のパイル32を略U字状をなすように織り込んで該基布31上に立設された複数のパイル32とを備えている。基布31上における短手方向の中央部には、該基布31上において各パイル32が立設されない領域である非立設領域Rが長手方向に沿って延設されている。
基布31の裏面には合成樹脂製のコーティング剤によって構成されたコーティング層33が設けられており、該コーティング層33により各パイル32の根元と基布31とが強固に接合されている。コーティング層33の裏面には貼付層34が設けられており、この貼付層34によりクリーニングブラシ30が画像形成装置10内におけるクリーニング部16の支持板19に貼着されるようになっている。
基布31には、耐久性、柔軟性が高い材料よりなる織布が使用される。このような材料としては、ポリエステル、ポリプロピレン、アクリル樹脂、ポリアミド及びウレタン樹脂等が挙げられる。本実施形態の基布31には、ポリエステル製の繊維よりなるタテ糸31a及びヨコ糸31bを織りなすことによって構成された織布が使用されている。
図4及び図5に示すように、基布31上の各パイル32は、非立設領域Rを挟んで対称となるように配置されるとともに、非立設領域R側に傾斜している。すなわち、基布31上の各パイル32は、非立設領域Rの中央に沿って基布31の長手方向に延びるとともに該基布31を2等分する中央線Lを対称の軸として線対称となるようにそれぞれ配置されている。また、基布31上において非立設領域Rを挟んで両側に2列ずつ列をなすように配置された各パイル32は、それぞれ各パイル32の傾斜方向と直交する方向である基布31の長手方向に沿って千鳥状に配置されている。したがって、基布31上には各パイル32によって4列のパイル列が形成され、該各パイル列は互いに平行となるように基布31の長手方向に沿って延びている。
図5に示すように、各パイル32の傾斜方向(基布31の短手方向)において該各パイル32を直接挟む2本のタテ糸31aのうち非立設領域Rから遠い方のタテ糸31aは非立設領域Rから近い方のタテ糸31aよりも、基布31上に連続的に露出して該各パイル32の締め付けに寄与する部分の長さが長くなっている。すなわち、図5において、タテ糸31aにおける斜線Aで示す部分(各パイル32の締め付けに寄与する部分)は各パイル32を非立設領域R側へ向かって締め付ける外側締め付け部31aAとされるとともにタテ糸31aにおける斜線Bで示す部分(各パイル32の締め付けに寄与する部分)は各パイル32を非立設領域R側とは反対側へ向かって締め付ける内側締め付け部31aBとされ、各外側締め付け部31aAの長さは対応する各内側締め付け部31aBの長さよりも長くなっている。
換言すれば、外側締め付け部31aAは、各パイル32と接触し、且つ該外側締め付け部31aAの両端部と接触する2本のヨコ糸31bによって挟まれ、且つ該2本のヨコ糸31bで挟まれた2本のヨコ糸31bよりも上側に位置して基布31上に露出している。一方、内側締め付け部31aBは、各パイル32と接触し、且つ該内側締め付け部31aBの両端部と接触する2本のヨコ糸31bによって挟まれ、且つ該2本のヨコ糸31bで挟まれた1本のヨコ糸31bよりも上側に位置して基布31上に露出している。
ここで、外側締め付け部31aA及び内側締め付け部31aBによって各パイル32に付与される締め付け力は、外側締め付け部31aA及び内側締め付け部31aBの長さに比例して大きくなる。このため、内側締め付け部31aBよりも長い外側締め付け部31aAによって各パイル32に付与される締め付け力は、外側締め付け部31aAよりも短い内側締め付け部31aBによって各パイル32に付与される締め付け力よりも大きくなる。この結果、各パイル32は、外側締め付け部31aAから付与される締め付け力と内側締め付け部31aBから付与される締め付け力との差により、必然的にスペースに余裕のある非立設領域R側に傾斜する。
また、各パイル32は導電性を有する導電性繊維によって構成されており、該導電性繊維には耐久性及び柔軟性が高く且つ摺動性に優れたものを用いることが好ましい。本実施形態の導電性繊維には、導電性物質としての炭素が原糸段階で練り込まれたアクリル繊維(東レ製、商品名;SA−7、比抵抗率が10〜10Ω・cm)が用いられている。なお、導電性繊維は、その比抵抗率が10−2〜10Ω・cmの範囲内に設定されることが好ましい。比抵抗率が10−2Ω・cm未満の場合には各パイル32から抜け落ちた繊維が画像形成装置10内で高電圧部に付着することにより短絡して装置の故障を招くおそれがある一方、比抵抗率が10Ω・cmよりも大きい場合には静電気を除去する効果が十分に得られなくなるおそれがある。こうした比抵抗率の範囲は、設計思想に基づき適宜変更される。
上術のような条件を満たす繊維としては、レーヨン繊維、キュプラ繊維等の再生繊維、フッ素繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維等の合成繊維等が挙げられる。上記に挙げた各種繊維に導電性を付与する方法としては、原糸段階において導電性物質を練り込む、又は溶融紡糸法等により1本の繊維中に導電性物質が練り込まれた導電性の部分と導電性物質を練り込まない非導電性の部分とを有する複層構造にする方法と、紡糸後に導電性物質を含む加工液によって繊維表面を被覆する方法とがある。このような導電性物質としては、銀、銅、ニッケル等の金属、酸化亜鉛、酸化錫等の金属化合物、炭素等の微粒子が挙げられる。
本実施形態の各パイル32は、基布31上に導電性繊維を束ねてなる複数本のパイル糸をパイル織りによって織り込むことで基布31上に立設されている。パイル織りはパイル32を形成するパイル糸を基布31のヨコ糸31bに絡ませるようにして織り込む方法である。基布31のヨコ糸31bにパイル糸を絡ませる方法には、U織り、W織り等があり、使用部位あるいは使用目的により使い分けされる。本実施形態において、各パイル32を形成するパイル糸は基布31のヨコ糸31bに対しU字状に絡ませるようにして織り込まれている。
また、導電性繊維を用いてパイル糸を形成する際には、導電性繊維の単繊維当たりの太さを1〜20デシテックスの範囲内に設定することが好ましい。導電性繊維の単繊維当たりの太さが、1デシテックス未満の場合には導電性繊維の強度が低下して毛切れが生じやすくなるおそれがあり、20デシテックスよりも太い場合には導電性繊維の柔軟性が低下して感光ドラム11に対する摺動抵抗が大きくなるおそれがある。本実施形態の導電性繊維よりなるパイル糸は、太さが約7デシテックスの単繊維を撚り合わせ、その太さが330デシテックス/48フィラメントとなるように形成されている。
基布31上に各パイル32を立設する際、パイル織りされる導電性繊維の本数は、1平方インチあたり1万〜30万本とすることが好ましい。1平方インチの範囲内にパイル織りされる導電性繊維の本数が1万本未満の場合には各パイル32の導電性が良好に発揮されなくなるおそれがある。一方、1平方インチの範囲内にパイル織りされる導電性繊維の本数を30万本より多くしても各パイル32の導電性がこれ以上向上することはない。
図3に示すように、コーティング層33を形成するコーティング剤としては、スチレン−ブタジエン共重合ゴム等のゴム系溶剤型接着剤、又はエチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリメタクリル酸メチル等の接着性樹脂が用いられる。これらのコーティング剤は、基布31を形成するタテ糸31a及びヨコ糸31b同士の間に合浸され、各糸31a,31b及び各パイル32の根元を強固に保持するとともに、各糸31a,31bのほつれを抑制している。なお、クリーニングブラシ30は各パイル32が十分な導電性を有しているが、このコーティング層33に導電性を付与することにより、各パイル32の導電性をより良好に発揮することができるため、コーティング剤には導電性を有するものを用いることが好ましい。コーティング層33に導電性を付与する方法としては、コーティング剤に上述した導電性物質を練り込む方法が挙げられる。
貼付層34には、芯材を有しないもの、又は芯材を有しその両面に粘着剤を塗布した感圧接着剤が用いられる。また、貼付層34には、コーティング層33と同様に導電性を有するものを用いることが好ましい。本実施形態の貼付層34は、アルミニウム製の薄膜を芯材34aとし、この芯材34aの表面及び裏面に導電性を有するアクリル系の感圧接着剤34bが塗布された両面粘着テープ(寺岡製作所製、商品名;導電性アルミ箔両面テープ、NO.791)により形成されている。
次に、クリーニングブラシ30の製造方法について説明する。
クリーニングブラシ30を製造する場合には、まず、タテ糸31aとヨコ糸31bとを織ってなる基布31上の中央部に各パイル32が立設されない非立設領域Rを形成するとともに各パイル32を非立設領域Rを挟んで対称配置となるようにヨコ糸31bにU字状に絡めて該基布31上に立設する。
このとき、非立設領域Rの延びる方向と直交する方向において各パイル32を直接挟む2本のタテ糸31aのうち非立設領域Rから遠い方のタテ糸31aによって各パイル32が締め付けられる力の方が非立設領域Rから近い方のタテ糸31aによって各パイル32が締め付けられる力よりも大きくなるようにして各パイル32を非立設領域R側に傾斜させる。
すなわち、各パイル32に非立設領域R側とは反対側から隣接する位置に外側締め付け部31aAを形成するとともに各パイル32に非立設領域R側から隣接する位置に内側締め付け部31aBを形成して各パイル32を非立設領域R側に傾斜させる。この場合、上述したように外側締め付け部31aAが各パイル32を非立設領域R側へ締め付ける力は内側締め付け部31aBが各パイル32を非立設領域R側とは反対側へ締め付ける力よりも大きいため、各パイル32は必然的にスペースに余裕のある非立設領域R側に傾斜される。
その後、基布31の裏面にコーティング層33及び貼付層34を形成することで、クリーニングブラシ30が得られる。
次に、クリーニングブラシ30の作用について説明する。
さて、図1に示すように、クリーニングブラシ30は、その各パイル32が感光ドラム11の表面に摺接するようにして、クリーニング部16のハウジング16a内の支持板19に貼付層34を介して接合される。このとき、クリーニングブラシ30は、その長手方向が支軸11aと平行となるように配置される。
この状態で、感光ドラム11が回転されると、感光ドラム11の表面に残留するトナーは、クリーニングブラシ30の各パイル32によって掻き取られてハウジング16a内に回収される。このとき、トナーは静電気を帯びているが、各パイル32が導電性繊維より形成されているため、トナーに帯電した静電気が該各パイル32を介して放電される。したがって、各パイル32によって掻き取られたトナーは、該各パイル32に付着し難くなるので、効率よくハウジング16a内に回収される。
ここで、こうしたクリーニングブラシは、通常、経時劣化、印刷枚数の増加等により各パイルが毛倒れしたり毛開きしたりしようとする。特に、各パイルが柔軟性や摺動性の高いものである場合には、感光ドラム11の表面を傷つけることはほとんどないものの、毛倒れや毛開きがより一層ひどくなる。
この点、本実施形態のクリーニングブラシ30は、各パイル32が全て高い柔軟性と摺動性を兼ね備えた導電性繊維によって構成されているが、非立設領域Rを挟んだ両側の対応する各パイル32同士が該非立設領域R上で支え合うため、各パイル32が倒れ難くなり、毛倒れや毛開きが効果的に抑制される。このため、クリーニングブラシ30によるトナーの掻き取り性能が長期間良好に維持される。また、クリーニングブラシ30の各パイル32を構成する導電性繊維には全て同じものが用いられているため、各パイル32間での導電性に差が生じることがなく、各パイル32において一様に安定した導電性能を発揮することができる。
以上詳述した実施形態によれば次のような効果が発揮される。
(1)クリーニングブラシ30の各パイル32は、基布31の中央部に位置する非立設領域Rを挟んで対称となるように配置されるとともに、該非立設領域R側に傾斜している。このため、非立設領域Rを挟んだ両側の対応する各パイル32同士が該非立設領域R上でバランスよく支え合うため、感光ドラム11の表面に対する摺動抵抗の低い柔軟な導電性繊維で全てのパイル32を構成しても、各パイル32を倒れ難くすることができ、各パイル32の毛倒れや毛開きを効果的に抑制することができる。
(2)各パイル32は該各パイルの傾斜方向において外側締め付け部31aA及び内側締め付け部31aBによって直接挟まれた状態で締め付けられており、内側締め付け部31aBよりも非立設領域Rから遠い位置にある外側締め付け部31aAの長さは内側締め付け部31aBの長さよりも長くなっている。このため、各パイル32を締め付ける力は内側締め付け部31aBよりも外側締め付け部31aAの方が強くなる。したがって、基布31の織り方を変更(調整)するだけで、該各パイル32を非立設領域R側へ容易に傾斜させることができる。
(3)各パイル32は該各パイル32の傾斜方向と直交する方向に沿って千鳥状に配置されているため、非立設領域Rを挟む両側の各パイル32を該非立設領域R側に傾斜させる際に、内側(非立設領域Rに近い側)の各パイル32間の隙間に外側(非立設領域Rから遠い側)の各パイル32が入り込み易くなる。このため、内側の各パイル32が外側の各パイル32を傾斜させる際の妨げとなることを抑制することができる。すなわち、内側の各パイル32が障害となることなく、外側の各パイル32を十分に傾斜させることができる。
(4)各パイル32は導電性繊維によって構成されているため、該各パイルに静電気が溜まり難くすることができる。このため、各パイル32によって感光ドラム11の表面に残留するトナーを掻き取る際に、静電気によって各パイル32にトナーが付着することを効果的に抑制することができる。
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・図6に示すように、クリーニングブラシ30の製造方法は、以下のように変更してもよい。まず、タテ糸31aとヨコ糸31bとを平織りにしてなる基布31上の中央部に各パイル32が立設されない非立設領域Rを形成するとともに各パイル32を非立設領域Rを挟んで対称配置となるようにヨコ糸31bにU字状に絡めて該基布31上に立設する(織り込みステップ)。
織り込みステップを行った後、熱板40によって各パイル32に熱を付与しながら該各パイル32を非立設領域R側へ押圧する(熱押圧ステップ)。すなわち、搬送台41上に熱板40で形成したトンネルを設け、熱板40を加熱しながらトンネル内に織り込みステップで形成した各パイル32及び基布31を長手方向に沿って搬送してくぐらせることで、短手方向に開いた各パイル32をスペースに余裕のある非立設領域R側へ矯正する。この場合、熱板40の側壁40aは基布31と垂直になっている。その後、基布31の裏面にコーティング層33及び貼付層34を形成する。このようにすれば、基布31を単純な平織りの織布によって構成しても、基布31の短手方向に開いた各パイル32が熱板40の側壁40aによって非立設領域R側へ押圧されながら熱を付与されるので、該各パイル32の開きを効果的に抑制することができる。
・図6に示した熱板40の側壁40aを、図7に示すように内側に傾斜させるようにしてもよい。このようにすれば、基布31の短手方向に開いた各パイル32が熱板40の側壁40aによって非立設領域R側へより一層強く押圧されながら熱を付与されるので、該各パイル32の開きをより一層効果的に抑制することができる。
・各パイル32の傾斜方向において該各パイル32を直接挟む2本のタテ糸31aのうち非立設領域Rから遠い方のタテ糸31aの太さを非立設領域Rから近い方のタテ糸31aよりも太くしてもよい。このようにすれば、各パイル32を非立設領域R側に向かって締め付ける力の方が各パイル32を非立設領域R側とは反対側に向かって締め付ける力よりも大きくなるため、基布31を構成するタテ糸31aの織り方を単純な平織りにしても、各パイル32を非立設領域R側へ容易に傾斜させることができる。
・各外側締め付け部31aAの長さが対応する各内側締め付け部31aBの長さよりも長くなっていれば、基布31の織り方を適宜変更して各外側締め付け部31aA及び各内側締め付け部31aBの長さを変更してもよい。但し、各外側締め付け部31aA及び各内側締め付け部31aBの長さは、長くしすぎると基布31を構成しているタテ糸31a及びヨコ糸31bが緩んでしまうので、これらが緩まない程度に設定する必要がある。
・各パイル32は必ずしも導電性繊維で構成する必要はない。すなわち、各パイル32を構成する繊維は、全て非導電性繊維であってもよいし、非導電性繊維と導電性繊維との両方を含んでいてもよい。
・各パイル32は必ずしも基布31の長手方向に沿って千鳥状に配置する必要はない。
・ベロア材は、クリーニングブラシ30として使用するだけでなく、感光ドラム11を帯電させるための帯電ブラシや帯電された感光ドラム11の静電気を除去するための除電ブラシとして使用してもよい。あるいは、ベロア材を、画像形成装置10以外の用途、例えばエチケットブラシや電気掃除機用の回転ブラシ等として使用してもよい。
実施形態の画像形成装置を示す概略構成図。 実施形態のクリーニングブラシを示す斜視図。 実施形態のクリーニングブラシを示す断面図。 実施形態において、基布上の各パイルの配置状態を示す簡略断面図。 実施形態において、基布上の各パイルの立設状態を示す簡略斜視図。 変更例において、熱を付与しながら各パイルを非立設領域側へ押圧する際の状態を示す簡略図。 変更例において、熱を付与しながら各パイルを非立設領域側へ押圧する際の状態を示す簡略図。
符号の説明
30…ベロア材としてのクリーニングブラシ、31…基布、31a…タテ糸、31b…ヨコ糸、32…パイル、R…非立設領域。

Claims (7)

  1. 糸を織ってなる基布と、該基布に織り込まれて該基布上に立設された複数のパイルとを備えた画像形成装置の感光ドラムのブラシ用のベロア材であって、
    前記基布上には前記パイルが立設されない非立設領域が形成され、
    当該非立設領域を挟んで該非立設領域側に対称に傾斜するように配置される各パイルを備えるとともに、
    該各パイルは前記非立設領域上で相互に支え合うことを特徴とするベロア材。
  2. 前記各パイルの傾斜方向において該各パイルを直接挟む2本の前記糸のうち前記非立設領域から遠い方の糸は前記非立設領域から近い方の糸よりも、前記基布上に連続的に露出して該各パイルの締め付けに寄与する部分の長さが長くなっていることを特徴とする請求項1に記載のベロア材。
  3. 前記各パイルの傾斜方向において該各パイルを直接挟む2本の前記糸のうち前記非立設領域から遠い方の糸は前記非立設領域から近い方の糸よりも太くなっていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のベロア材。
  4. 前記各パイルは該各パイルの傾斜方向と直交する方向に沿って千鳥状に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のうちいずれか一項に記載のベロア材。
  5. 前記各パイルは導電性を有することを特徴とする請求項1〜請求項4のうちいずれか一項に記載のベロア材。
  6. 糸を織ってなる基布上にパイルが立設されない非立設領域を形成するとともに複数のパイルを前記非立設領域を挟んで対称配置となるように該基布上に織り込んで立設する際に、
    前記非立設領域の延びる方向と直交する方向において前記各パイルを直接挟む2本の前記糸のうち前記非立設領域から遠い方の糸によって前記各パイルが締め付けられる力の方が前記非立設領域から近い方の糸によって前記各パイルが締め付けられる力よりも大きくなるようにして前記各パイルを前記非立設領域側に相互に支え合うように対称に傾斜させることを特徴とする画像形成装置の感光ドラムのブラシ用のベロア材の製造方法。
  7. 糸を織ってなる基布上にパイルが立設されない非立設領域を形成するとともに複数のパイルを前記非立設領域を挟んで対称配置となるように該基布上に織り込んで立設する織り込みステップと、
    前記各パイルに熱を付与しながら該各パイルを前記非立設領域側に相互に支え合うように対称に傾斜させて押圧する熱押圧ステップと
    を備えたことを特徴とする画像形成装置の感光ドラムのブラシ用のベロア材の製造方法。
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